説明

多液混合装置

【課題】供給する各液体が他方の供給路側へ流入する不具合を防止ないし抑制するとともに、洗浄時には、洗浄液や混合液が他方の供給路側へ流入し難い構成とした多液混合装置を提供する。
【解決手段】本発明の多液混合装置は、複数の液体を混合する混合機40と、前記混合機40に前記液体を供給するための複数の供給路50,60と、を備え、前記混合機40は、各液体が混合される混合部41と、前記複数の供給路50,60から供給を受けた各液体をそれぞれ別個に前記混合部41に誘導する複数の誘導部42a,42bとを備え、前記誘導部42a,42bは、それぞれ屈曲した誘導路43a,43bからなることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多液混合装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
多液混合タイプの塗装機として、塗料と、この塗料を硬化させるための硬化剤とを混合機に供給し、ここで混合された混合液を、当該混合機に供給路を介して接続されたスプレイガンから吐出させる構成としたものがある。このような塗装機においては、塗料と硬化剤とを混合した混合液は所定時間が経過すると硬化が始まるため、当該塗装機において硬化した固形物により目詰まりを生じさせる場合がある。
【0003】
そこで、このような多液混合タイプの塗装機においては、所定のタイミングで洗浄フローを行うものがある。このような洗浄フローとして、特許文献1においては、スプレイガンの吐出弁を開放させると共に、洗浄液用制御弁を開放動作させ、これにより混合機内及び混合機からスプレイガンまでの供給路に溜まっていた混合液をスプレイガンから吐出させると共に、洗浄液を混合機側へ供給し、当該洗浄液も供給路を介してスプレイガンから吐出させるものとしている。
【特許文献1】特開2004−154640公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記のような混合機を含む多液混合タイプの塗装機においては、混合機内において、供給された塗料と硬化剤とが誘導路を経て混合されるが、この際、供給された塗料と硬化剤とが、直線状の誘導路を経て同一直線上で混合するものが一般的である。ところが、このように供給された塗料と硬化剤とを直線状の誘導路を経て混合する構成では、洗浄を行う際、塗料供給路側から洗浄液を供給する場合には硬化剤供給路側に当該洗浄液や排出予定の混合液が流入するおそれがあり、逆に硬化剤供給路側から洗浄液を供給する場合には塗料供給路側に当該洗浄液や排出予定の混合液が流入するおそれがある。このような流入が生じると、目詰まりが生じる一因となる他、洗浄液と塗料、或いは洗浄液と硬化剤が反応して、塗料ないし硬化剤が変質してしまう場合がある。
【0005】
一方で、塗料供給路側ないし硬化剤供給路側に硬化剤ないし塗料が流入しないように、供給口に逆流弁を設ける場合がある。その場合も、上記洗浄時に例えばエアパージによる高圧洗浄を行うと、当該高圧エアにより逆流弁が浮動し、逆流弁が有効に機能しない場合がある。そうすると、逆流弁に逆らって洗浄液や混合液が流入し、上記と同様に、目詰まりが生じる一因となる他、洗浄液と塗料、或いは洗浄液と硬化剤が反応して、塗料ないし硬化剤が変質してしまう場合がある。
【0006】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、供給する各液体が他方の供給路側へ流入する不具合を防止ないし抑制するとともに、洗浄時には、洗浄液や混合液が他方の供給路側へ流入することを防止ないし抑制することで、信頼性の高い多液混合装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の多液混合装置は、複数の液体を混合する混合機と、前記混合機に前記液体を供給するための複数の供給路と、を備え、前記混合機は、各液体が混合される混合部と、前記複数の供給路から供給を受けた各液体をそれぞれ別個に前記混合部に誘導する複数の誘導部とを備え、前記誘導部は、それぞれ屈曲した誘導路からなることを特徴とする。
【0008】
このような多液混合装置によると、混合機において、複数の供給路から供給を受けた各液体をそれぞれ別個に混合部に誘導する誘導部を備えるものとしたため、誘導部の誘導途上において各液体が混合するおそれがないものとなり、混合部において確実に混合を行うことが可能となる。また特に各誘導部を屈曲した誘導路にて構成したことにより、例えば洗浄時において、一方の供給路から洗浄液を供給する場合にも、屈曲した誘導路を経て混合部に洗浄液が供給されるため、高圧で供給される洗浄液や混合液(以下、洗浄液等とも言う)が他の誘導部に流入するおそれもなく、ひいては他の供給路側に洗浄液等が流入する不具合も効果的に防止ないし抑制することが可能となる。つまり、誘導路が屈曲してなることにより洗浄液が混合部を介して他の供給路に到達し難いものとなっているのである。また、本発明では、上記のような流入の不具合が生じないため、洗浄時には高圧のエアパージにより当該洗浄を行うことが可能で、当該多液混合装置の洗浄を確実に行うことが可能となり、ひいては目詰まり等の装置不良の発生が極めて生じ難いものとなる。
【0009】
本発明の多液混合装置において、前記誘導部は、前記誘導路の一方の端部がそれぞれ前記混合部に連結されてなり、他方の端部がそれぞれ異なる前記供給路に連結されてなるものとすることができる。
このように屈曲した誘導路の一方の端部がそれぞれ混合部に連結され、他方の端部がそれぞれ異なる供給路に連結される構成とした場合、それぞれの液体が屈曲部分を介して混合部に誘導されることとなる。したがって、洗浄時には、例えば供給路から供給した洗浄液が確実に混合部側へ誘導され、他方の供給路側へ流入される不具合が一層生じ難いものとなる。
【0010】
前記誘導部は、L字状の誘導路からなるものとすることができる。
このようなL字状の誘導路により、上記のような洗浄時における洗浄液の他方の供給路側への流入が一層確実に防止されることとなる。
【0011】
また、前記誘導部は、前記供給路から前記液体の供給を受ける導入部と、前記導入部から供給を受けた前記液体を前記混合部に導出する導出部とを備え、前記導入部には、導入した液体の逆流を抑止するバルブが設けられているものとすることができる。
このように液体の逆流を抑止するバルブが設けられた構成においても、例えば他方の供給路から洗浄液を供給するような場合には、当該バルブに逆らって、洗浄液や混合液が供給路内に流入し得る場合がある。
ところが、上記本発明のように誘導部を屈曲した誘導路にて構成することで、屈曲部分において他方の供給路側への圧力を抑止することが可能となり、その結果、混合部を経てバルブに到達する洗浄液の圧力が低減されるため、上記のようにバルブに逆らって、洗浄液や混合液が供給路内に流入する不具合が生じ難いものとなる。
【0012】
また、前記誘導部は、前記供給路から前記液体の供給を受ける導入部と、前記導入部から供給を受けた前記液体を前記混合部に導出する導出部とを備え、前記導入部における前記液体の導入方向と、前記導出部における前記液体の導出方向とが略90°異なるものとすることができる。
このように液体の導入方向と液体の導出方向とが略90°異なる構成では、上記のような供給路への洗浄液等の流入を確実に防止することが可能となる。つまり、L字状等の略直角な屈曲構成とした場合には、供給路への洗浄液等の流入を確実に防止することが可能となるのである。
【発明の効果】
【0013】
本発明の多液混合装置によれば、供給する各液体が他方の供給路側へ流入する不具合を防止ないし抑制することができるとともに、洗浄時には、洗浄液や混合液が他方の供給路側へ流入する不具合を防止ないし抑制でき、信頼性の高い構成を提供することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の多液混合装置を二液塗装機に適用した一実施形態について図面を参照して説明する。図1は二液塗装機100の概略構成を示すブロック図、図2は二液塗装機100が備える混合装置(多液混合装置)2の構成を示す断面図、図3は混合装置2の側面図、図4は混合装置2が備える混合機40の構成を示す断面図、図5は混合機40の側面図、図6は混合機40の上面図である。
【0015】
図1において、第1液供給源(第1液供給手段)1は、第1液となる塗料(主剤)を混合装置2側へ供給するものであり、塗料を収容するタンクやその塗料を圧送するポンプを備えて構成されている。また、第2液供給源(第2液供給手段)3は、塗料を硬化させるための第2液としての硬化剤を混合装置2側へ供給するものであり、硬化剤を収容するタンクやその硬化剤を圧送するポンプを備えて構成されている。
【0016】
第1液供給源1に接続された第1液供給路4は、第1液用制御弁5及び第1液用流量計6を介して混合装置2の一方の入口に接続され、また、第2液供給源3に接続された第2液供給路7は、第2液用制御弁8及び第2液用流量計9を介して混合装置2の他方の入口に接続されている。なお、本実施形態では、第1液たる塗料(主剤)としてはウレタン系樹脂を用い、第2液たる硬化剤としてはイソシアネート化合物を主体にキシレン、ベンゼンの溶剤と添加剤で構成されたものを用いている。
【0017】
洗浄液供給源10は、洗浄液である例えばシンナ等を混合装置2側へ供給するものであり、洗浄液を収容するタンクやその洗浄液を圧送するポンプを備えて構成されている。洗浄液供給源10に接続された洗浄液供給路11は、途中で2本に分岐されている。一方の洗浄液供給路11は、洗浄液用制御弁12を介して、第1液供給路4において第1液用制御弁5と第1液用流量計6との間の接続点4aに接続されている。もう一方の洗浄液供給路11は、洗浄液用制御弁13を介して、第2液供給路7において第2液用制御弁8と第2液用流量計9との間の接続点7aに接続されている。第1液用流量計6及び第2液用流量計9は、各供給路4,7を流れる液体の流量を例えば0.1mlずつカウントし、そのカウントごとにパルス信号(検出信号)を後述する制御装置(制御手段)20に出力するようになっている。
【0018】
混合装置2は、図2及び図3に示すように、複数の液体(つまり第1液及び第2液)を混合する混合機40と、混合機40に各液体を供給するための複数の供給路50,60とを備えている。なお、供給路50,60は連結継手(連結手段)51,61内に形成され、連結継手51,61は、一方の端部が混合機40の導入口(導入部)44a,44bに連結され、他方の端部が第1液供給路4,第2液供給路7に連結されている(図1参照)。
【0019】
混合機40は、図4ないし図6にも示すように、実質的に第1液及び第2液の各液体が混合される混合部41と、供給路50,60から供給を受けた各液体をそれぞれ別個に混合部41に誘導する複数の誘導部42a,42bとを備えている。混合部41は、誘導部42a,42bの導出口(導出部)45a,45bと連なり、当該導出口45a,45bから導出された各液体がここで混合され、混合液としての塗装剤となる。
【0020】
一方、誘導部42a,42bは、上述した通り、その一方の端部である導出口45a,45bにおいて各々が混合部41に連なり、他方の端部である導入口44a,44bにおいて各々が異なる供給路50,60に連結されている。したがって、導入口44a,44bを介して供給路50,60から供給を受けた各液体を、独立して別個に混合部41まで誘導することが可能とされている。また、誘導部42a,42bが具備する誘導路43a,43bは、それぞれ略直角に屈曲した構成を有し、いわゆるL字管が組み合わされた構成を有している。このように誘導路43a,43bがL字状をなすことで、導入口44a,44bにおける各液体の導入方向(図2左右方向)と、導出口45a,45bにおける各液体の導出方向(図2上下方向)とが略90°異なることとなる。なお、図2に示すように、導入部44a,44bには、導入した液体の逆流を抑止するバルブ55,65が設けられ、ここではボール式のチェックバルブが採用されている。
【0021】
また、混合機40の出口側、つまり混合部41の出口側には混合液導出路70が連結され、具体的には混合液導出路70を有した連結継手71が、混合部41と、ドレン弁14までの連結路19(図2参照)とを連結している。
【0022】
図2に戻り、上記混合機40を有する混合装置2の出口側にはドレン弁14が設けられ、このドレン弁14に混合液供給路15とドレンパイプ16とが接続されている。混合液供給路15の先端には吐出手段を構成するスプレイガン17が接続され、ドレンパイプ16の先端は廃液用容器18に臨んでいる。ドレン弁14は三方弁で、通常は、混合装置2側と混合液供給路15とを連通させ、ドレンパイプ16側は閉鎖している。
【0023】
なお、本実施形態の二液塗装機100は、電源スイッチ35を備えており、作業者が当該電源スイッチ35の開閉操作を行うことで、二液塗装機100への作動電力の供給を実行することが可能とされている。
【0024】
二液塗装機100の作動を司る制御装置20は、例えばマイクロコンピュータにより構成されていて、制御プログラムを有している。この制御装置20には、入力キー(入力手段)33からの入力信号や、第1液用流量計6及び第2液用流量計9の検出信号(測定信号)が入力されるようになっており、制御装置20は、それらの信号及び制御プログラムに基づき、第1液用制御弁5、第2液用制御弁8、洗浄液用制御弁12,13、ドレン弁14の開閉を制御すると共に、アラーム21を制御する機能を有している。
【0025】
以下、制御装置20の制御内容について説明する。
スプレイガン17を使用している通常の状態では、制御装置20は、第1液となる塗料と第2液となる硬化剤を、入力キー33から入力される値によって予め設定された混合比となるように、第1液用制御弁5と第2液用制御弁8とを交互に開閉する。第1液用制御弁5が開放されることに伴い、第1液供給源1から塗料が第1液供給路4を通して混合装置2に供給され、また、第2液用制御弁8が開放されることに伴い、第2液供給源3から硬化剤が第2液供給路7を通して混合装置2に供給される。このとき、制御装置20は、第1液用流量計6の検出信号に基づき塗料の供給量を計測し、また、第2液用流量計9の検出信号に基づき硬化剤の供給量を計測する。混合装置2に供給された塗料と硬化剤はこの混合装置2において混合され、スプレイガン17を吐出操作することに基づき、その混合液が、ドレン弁14及び混合液供給路15を通してスプレイガン17から吐出される。
【0026】
制御装置20は、常にスプレイガン17の吐出操作を停止してからの経過時間を計測している。その経過時間は、例えば第1液用流量計6及び第2液用流量計9のうち、最後の検出信号が停止してからの時間を計測する。その経過時間が、予め設定されたポットライフ時間(1時間)に達すると、制御装置20は、アラーム21を動作させて、ポットライフ時間が経過したことを作業者に報知する(洗浄報知機能)。
【0027】
作業者がそのアラーム21による報知を聞くと、手動操作により洗浄動作を行う。その洗浄動作としては、洗浄液用制御弁12,13を開放させると共に、ドレン弁14をドレンパイプ16側が開放するように切り替える。すると、洗浄液供給源10から洗浄液が、一方の洗浄液供給路11を通して第1液供給路4に供給され、また、他方の洗浄液供給路11を通して第2液供給路7に供給され、それぞれ混合装置2側に供給される。混合装置2内において混合された混合液は、洗浄液に押されてドレンパイプ16から廃液用容器18に排出される。また、第1液供給路4に供給された洗浄液及び第2液供給路7に供給された洗浄液は、混合装置2内を通ってドレンパイプ16から廃液用容器18に排出される。これに伴い、第1液供給路4の接続点4aから混合装置2までの間、第2液供給路7の接続点7aから混合装置2までの間、及び混合装置2内からドレン弁14までの間が洗浄液にて洗浄される。さらに、スプレイガン17を吐出操作することで、混合液供給路15及びスプレイガン17内の混合液を排出させる(洗浄実行機能)。なお、エアパージバルブを介してエア供給源を接続し、洗浄液の供給とともに圧縮エアの供給を行うものとしても良い。
【0028】
本実施形態の二色塗装機100は以上のような構成を有しているが、当該二色塗装機100によると以下のような作用効果が奏される。
まず、混合装置2の混合機40において、供給路50,60から供給を受けた各液体(第1液及び第2液)をそれぞれ別個に混合部41に誘導する誘導部42a,42bを備えるものとしたため、誘導部42a,42bの誘導途上において各液体が混合するおそれがないものとなり、混合部41において確実に混合を行うことが可能となる。
【0029】
また、特に各誘導部42a,42bを屈曲した誘導路43a,43bにて構成したことにより、洗浄時において一方の供給路50(60)から洗浄液を供給する場合にも、屈曲した誘導路43b(43a)を経て混合部41に洗浄液が供給されるため、高圧で供給される洗浄液や第1液と第2液の混合液が他の誘導路43a(43b)に流入する不具合が生じ難いものとなっている。したがって、他方の供給路60(50)側に洗浄液や混合液が流入することを防止ないし抑制でき、当該他方の供給路60(50)において第1液(主剤)が硬化したり変質したりする不具合が非常に生じ難いものとなとなっている。つまり、誘導路43b(43a)が略直角に屈曲してなるため、洗浄液が混合部41を介して他の供給路60(50)に到達することが極めて生じ難いのである。
【0030】
そして、上記のような他方の供給路60(50)への洗浄液の流入が生じないため、洗浄時には高圧のエアパージを伴って当該洗浄を行うことが可能とされている。その結果、当該多液混合装置2の洗浄を確実に行うことが可能となり、目詰まり等の装置不良の発生も極めて生じ難いものとなっている。
【0031】
また、本実施形態では、屈曲した誘導路43a,43bの一方の端部(導出口45a,45b)がそれぞれ混合部41に連結され、他方の端部(導入口44a,44b)がそれぞれ異なる供給路50,60に連結される構成となっている。したがって、第1液及び第2液が誘導路43a,43bの屈曲部分を介して混合部41に誘導されることとなり、洗浄時には、例えば供給路50,60から供給した洗浄液が確実に混合部41側へ誘導され、他方の供給路60,50側へ流入する不具合が一層生じ難いものとなる。つまり、独立した誘導路43a,43bの導入口44a,44bから導出口45a,45bまで、各液体が他に逸れたり漏れたりすることなく、独立して確実に混合部41へ誘導される構成とされている。
【0032】
さらに、本実施形態では、液体の逆流を抑止するバルブ55,65が設けられているが、一方の供給路50(60)から供給される洗浄液が他方の供給路60(50)側へ及ぶことがないものとなっているため、当該洗浄液によりバルブ65(55)が浮動する不具合が生じ難いものとなっている。つまり、バルブ55,65に逆らって、洗浄液や混合液が供給路50,60内に流入する不具合が生じ難いものとなっているのである。なお、この場合、チェックバルブのスプリングが変形する等の機械的な不具合も生じ難いものとされている。
【0033】
なお、特に本実施形態では、水性二液混合塗料の塗装機として用いることが適している。水性二液混合塗料の場合、主剤の洗浄液は水、硬化剤の洗浄液は有機溶剤とすることができ、それぞれの洗浄液はお互いに反応するものが用いられるが、一方の供給路から供給される洗浄液が他方の供給路に流入するとゲル化し易いため、この場合、本実施形態の構成を採用することが特に好ましいものとなる。
【0034】
以上、本発明の一実施の形態を示したが、本発明は、上記した実施の形態に限定されるものではなく、次のように態様も本発明に含まれる。
例えば、ポットライフ時間が経過して洗浄を行う必要があると判断された場合に、アラーム21における報知を行うばかりでなく、制御装置20により、供給路を強制的に洗浄するものであっても良い。
【0035】
また、第1液(塗料)と第2液(硬化剤)を混合装置2へ供給する場合、それらを交互に混合装置2へ供給して混合する方式に限られず、第1液と第2液を定められた流量で連続的に混合装置2へ供給して混合する方式であっても良い。
【0036】
また、本発明は、第1液(塗料)と第2液(硬化剤)のみを混合させるものに限られず、これらに第3液も混合させるものにも適用できる。混合する液体としては、塗料に限らず、接着剤などの他の液体でも良い。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本実施形態の二液塗装機の全体構成を示すブロック図。
【図2】二液塗装機が備える混合装置の構成を示す断面図。
【図3】混合装置の側面図。
【図4】混合装置が備える混合機の構成を示す断面図。
【図5】混合機の側面図。
【図6】混合機の上面図。
【符号の説明】
【0038】
2…混合装置(多液混合装置)、10…洗浄液供給源(洗浄液供給手段)、15…混合液供給路(供給路)、17…スプレイガン(吐出手段)、20…制御装置(制御手段)、40…混合機、41…混合部、42a,42b…誘導部、43a,43b…誘導路、44a,44b…導入口(導入部)、45a,45b…導出口(導出部)、50,60…供給路、55,65…バルブ、100…二液塗装機

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の液体を混合する混合機と、
前記混合機に前記液体を供給するための複数の供給路と、を備え、
前記混合機は、各液体が混合される混合部と、前記複数の供給路から供給を受けた各液体をそれぞれ別個に前記混合部に誘導する複数の誘導部とを備え、前記誘導部は、それぞれ屈曲した誘導路からなることを特徴とする多液混合装置。
【請求項2】
前記誘導部は、前記誘導路の一方の端部がそれぞれ前記混合部に連結されてなり、他方の端部がそれぞれ異なる前記供給路に連結されてなることを特徴とする請求項1に記載の多液混合装置。
【請求項3】
前記誘導部は、L字状の誘導路からなることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の多液混合装置。
【請求項4】
前記誘導部は、前記供給路から前記液体の供給を受ける導入部と、前記導入部から供給を受けた前記液体を前記混合部に導出する導出部とを備え、
前記導入部には、導入した液体の逆流を抑止するバルブが設けられていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の多液混合装置。
【請求項5】
前記誘導部は、前記供給路から前記液体の供給を受ける導入部と、前記導入部から供給を受けた前記液体を前記混合部に導出する導出部とを備え、
前記導入部における前記液体の導入方向と、前記導出部における前記液体の導出方向とが略90°異なることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の多液混合装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−136840(P2009−136840A)
【公開日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−318728(P2007−318728)
【出願日】平成19年12月10日(2007.12.10)
【出願人】(000117009)旭サナック株式会社 (194)
【Fターム(参考)】