説明

多相ヘアコンディショナー

目視によって識別できる少なくとも2つの相を含む包装された多相ヘアコンディショナーであって、該組成物が非イオン性界面活性剤と水膨潤性デンプンとを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は多相コンディショニング組成物に関する。
【発明の概要】
【0002】
第一の目的において本発明は、目視によって識別できる少なくとも2つの相を含む包装された多相ヘアコンディショナーに関する。該組成物はカチオン性界面活性剤と水膨潤性デンプンとを含む。
【0003】
本発明の組成物は使用直前に押出されたときに目視によって識別できる複数の相を有している。
【0004】
目視によって識別できる複数の相は包装の内部で互いに接触していてもよく、または、隔離されていてもよい。一緒に押出される別々の相を隔離する包装の例は、内部ウェブ付きチューブ、並行チューブ配置およびチューブインチューブ配置を含む。相の少なくともいくつかが包装の内部で互いに接触している包装の例は、別々の相が包装の内部に1つのパターンとして同時押出された標準チューブであり、このパターンは、使用直前に消費者によって組成物が押出されたときに見えるパターンとして現れる。この包装は、縞状の練り歯磨きチューブによって使用されているいわゆるショルダーストライピング機構で押出される。
【発明を実施するための形態】
【0005】
好ましい実施態様においては、使用された包装の内部で別々の相の少なくとも1つが少なくとも1つの他の相と接触している。より好ましくは、使用された包装の内部の相の配置は、使用直前に使用者によって組成物が分配されたときに見える配置として現れる。
【0006】
好ましくは、組成物がブルックフィールド粘度計(Brookfield RVT,スピンドルTC,速度10rpm,Helipathスタンド,150ml標準ガラスビーカー)で30℃、60秒、cpsで測定して80Pa.sから200Pa.s、好ましくは90から110Pa.sの粘度を有している。
【0007】
この粘度は、製品が使用者によって徐々に分配されたときに包装の内部の相の配置の正しい維持を確保される。
【0008】
好ましくは水膨潤性デンプンが非イオン性である。
【0009】
好ましくは水膨潤性デンプンがトウモロコシに由来する。
【0010】
好ましくは水膨潤性デンプンが安定化され架橋している。
【0011】
好ましくは水膨潤性デンプンが凝集したプレゼラチン化デンプンである。
【0012】
好ましくは水膨潤性デンプンがヒドロキシプロピル化されている。
【0013】
適切な水膨潤性デンプンはAkzo Nobel社のStructure XL(登録商標)を含む。
【0014】
好ましくは組成物が変形性チューブに包装されている。チューブは、吐出オリフィスを含む分配アセンブリを含むであろう。使用直前の押出後に目視によって識別できる相の組成配置が維持されるように、好ましくは吐出オリフィスが7から10mmの口径を有するであろう。
【0015】
目視によって識別できる相は任意のパターンで配置できる。典型的なパターンは、並行、同軸、縞状および4分割のパターンである。好ましくは組成物が、包装からの押出方向に交差する横断面で見たときに4分割されている別々の2つの相を含む。4分割されているという表現は、面が2本の横断線によって4つの区分に分割されており、対角線上に対向する2つの区分すなわち4分円が互いに同色であり、他方の4分円対とは異なる色を有していることを意味する。
【0016】
好ましくは、組成物が別々の2つの相を含み、これらの相のおのおのが1から4つの部分、好ましくは2つの部分として存在し得る。
【0017】
好ましくは相が等しい寸法で存在している。
【0018】
意外にも組成物は乾いた毛髪に対してより優れた処理適性を有している。
【0019】
本発明の組成物は化粧品として許容され毛髪に対する表在塗布に適した1種以上のコンディショニング界面活性剤を含む。
【0020】
適切なコンディショニング界面活性剤は、カチオン性界面活性剤から選択され、単独で使用されるかまたは混用される。例としては、第四級アンモニウム水酸化物またはその塩たとえば塩化物がある。
【0021】
本発明のヘアコンディショナーに使用するための適切なカチオン性界面活性剤は、セチルトリメチルアンモニウムクロリド、ベヘニルトリメチルアンモニウムクロリド、セチルピリジニウムクロリド、テトラメチルアンモニウムクロリド、テトラエチルアンモニウムクロリド、オクチルトリメチルアンモニウムクロリド、ドデシルトリメチルアンモニウムクロリド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロリド、オクチルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、デシルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、ステアリルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、ジドデシルジメチルアンモニウムクロリド、ジオクタデシルジメチルアンモニウムクロリド、タロウトリメチルアンモニウムクロリド、ココトリメチルアンモニウムクロリド、PEG−2オレイルアンモニウムクロリドおよび対応するそれらの水酸化物を含む。別の適切なカチオン性界面活性剤は、クアテルニウム−5、クアテルニウム−31およびクアテルニウム−18というCTFA名称を有している材料を含む。上記材料のいずれかの混合物も適切であろう。本発明のヘアコンディショナーに使用するための特に有用なカチオン性界面活性剤は、たとえばHoechst Celanese社からGENAMIN CTACとして市販されているセチルトリメチルアンモニウムクロリドである。
【0022】
第一級、第二級および第三級脂肪アミンの塩も適切なカチオン性界面活性剤である。このようなアミンのアルキル基は好ましくは約12から約22個の炭素原子を有しており、置換でも未置換でもよい。
【0023】
アミド置環された第三級脂肪アミンが特に有用である。本発明に有用なこのようなアミンは、ステアラミドプロピルジメチルアミン、ステアラミドプロピルジエチルアミン、ステアラミドエチルジエチルアミン、ステアラミドエチルジメチルアミン、パルミタミドプロピルジメチルアミン、パルミタミドプロピルジエチルアミン、パルミタミドエチルジエチルアミン、パルミタミドエチルジメチルアミン、ベヘナミドプロピルジメチルアミン、ベヘナミドプロピルジエチルアミン、ベヘナミドエチルジエチルアミン、ベヘナミドエチルジメチルアミン、アラキダミドプロピルジメチルアミン、アラキダミドプロピルジエチルアミン、アラキダミドエチルジエチルアミン、アラキダミドエチルジメチルアミン、ジエチルアミドエチルステアラミドを含む。ジメチルステアラミン、ジメチルソイアミン、ソイアミン、ミリスチルアミン、トリデシルアミン、エチルステアリルアミン、N−タロウプロパンジアミン、(5モルのエチレンオキシドで)エトキシル化したステアリルアミン、ジヒドロキシエチルステアリルアミン、および、アラキジルベヘニルアミンも有用である。これらのアミンはカチオン種を提供するために典型的には酸と併用される。ここに有用な好ましい酸は、L−グルタミン酸、乳酸、塩酸、リンゴ酸、コハク酸、酢酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、L−グルタミン塩酸およびそれらの混合物、より好ましくはL−グルタミン酸、乳酸、クエン酸を含む。本発明に有用なカチオン性アミン界面活性剤の例は、1981年6月23日に許諾されたNachtigalらの米国特許第4,275,055号に開示されている。
【0024】
プロトン化可能なアミンと酸から提供されるHとのモル比は、好ましくは約1:0.3から1:1.2であり、より好ましくは約1:0.5から約1:1.1である。
【0025】
本発明のコンディショナーにおいて、カチオン性界面活性剤のレベルは好ましくは全組成物の0.01から10、より好ましくは0.05から5、最も好ましくは0.1から2重量%である。
【0026】
コンディショニング組成物はコンディショニング組成物に常用の多数の成分のいずれかを含み得る。
【0027】
本発明のコンディショナーは好ましくは脂肪アルコール材料を組込んでいる。コンディショニング組成物における脂肪アルコール材料とカチオン性界面活性剤との併用は、カチオン性界面活性剤を分散させたラメラ相の形成に導くので特に有利であると考えられている。
【0028】
代表的な脂肪アルコールは、8から22個の炭素原子、より好ましくは16から20個の炭素原子を含む。適切な脂肪アルコールの例は、セチルアルコール、ステアリルアルコールおよびそれらの混合物を含む。これらの材料の使用は、本発明の組成物の総合的コンディショニング特性に貢献するという点においても有利である。
【0029】
本発明のコンディショナー中の脂肪アルコール材料のレベルは、適正には全組成物の0.01から10、好ましくは0.1から5重量%である。カチオン性界面活性剤対脂肪アルコールの重量比は適正には10:1から1:10、好ましくは4:1から1:8、最適には1:1から1:4である。
【0030】
好ましくは組成物がシリコーンを含む。毛髪にコンディショニング効果を与えるシリコーンは当業界でよく知られている。適切なシリコーンは0.01から1ミクロンの平均粒度を有している。
【0031】
本発明の組成物は毛髪トリートメント配合物に標準的に使用される他の何らかの成分を含有し得る。これらの他の成分は、粘度調整剤、防腐剤、着色剤、グリセリンおよびポリプロピレングリコールのようなポリオール、EDTAのようなキレート剤、抗酸化剤、芳香剤、抗菌剤および日光遮蔽剤を含むことができる。これらの成分のおのおのはその目的を果たすために有効な量で存在するであろう。一般的にこれらの任意成分は個々に全組成物の5重量%までのレベルで含まれている。
【0032】
好ましくは、本発明の組成物が毛髪手入れに好適な補佐剤も含有する。一般的にこのような成分は個々に全組成物の2重量%まで、好ましくは1重量%までのレベルで含まれている。
【0033】
適切な毛髪手入れ補佐剤の例を以下に挙げる:
(i)アミノ酸および糖のような天然毛根栄養素。適切なアミノ酸の例は、アルギニン、システイン、グルタミン、グルタミン酸、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、セリンおよびバリンおよび/またはそれらの前駆体および誘導体を含む。アミノ酸は単独添加、混用またはペプチドたとえばジ−およびトリペプチドの形態で添加し得る。アミノ酸はまたケラチンまたはコラーゲンの加水分解物のようなタンパク質の加水分解物の形態で添加し得る。適切な糖はグルコース、デキストロースおよびフルクトースである。これらは単独またはたとえば果実エキスの形態で添加し得る。本発明の組成物に含有させる天然毛根栄養素の特に好ましい組合せはイソロイシンとグルコースである。特に好ましいアミノ酸栄養素はアルギニンである。
【0034】
(ii)毛髪繊維有益物質。例は、
−繊維を湿潤しキューティクルの完全性を維持するセラミド。セラミドは天然資源からの抽出によってまたは合成のセラミドおよび擬似セラミドとして入手可能である。好ましいセラミドはQuest社のCeramide IIである。Laboratoires Serobiologiques社のCeramides LSのようなセラミドの混合物も好適であり得る。
【0035】
好ましくは組成物が5重量%未満のアニオン性界面活性剤を含む。より好ましくは組成物が3重量%未満のアニオン性界面活性剤を含み、最も好ましくは1重量%未満のアニオン性界面活性剤を含む。
【0036】
次に以下の非限定実施例に基づいて本発明を説明する。
【実施例1】
【0037】
以下は多相コンディショニング組成物である。
【0038】
【表1】

Akzo Nobel社のStructure XL
【実施例2】
【0039】
実施例1の組成物を以下の方法で製造する。
【0040】
中速度の主ミキサーに熱湯(75から80℃)を加える。
【0041】
副ミキサーで脂肪を調製し85℃に加熱して最大ミキシング速度で溶融させる。次にカチオン性界面活性剤を添加し温度を82から85℃に維持して透明溶液が得られるまで撹拌する。
【0042】
副ミキサーの中味を主ミキサーに加えて熱湯(75℃)で洗う。
【0043】
主ミキサーの温度を75から80℃に維持しホモジナイザーを起動して10から15分間でエマルジョンを形成し、次に中速度で撹拌しながらジャケットの冷却を開始して66から68℃にする。
【0044】
次に高速撹拌器の付いた主ミキサーに冷却水(18から25℃)を充填し、基材と水とを確実にホモジナイズする。
【0045】
副ミキサーに水次いでEDTAを添加し、EDTAが溶解するまで中速度で約3分間撹拌する。Structure XLを添加し、かたまりができないように点検しながら高速で10分間撹拌する。主ミキサーに移し入れて熱湯(75℃)で洗う。
【0046】
主ミキサーの温度を45℃未満にしてシリコーン、香料、保存剤および緩衝剤を常法で加える。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
目視によって識別できる少なくとも2つの相を含む包装された多相ヘアコンディショナーであって、該組成物がカチオン性界面活性剤と水膨潤性デンプンとを含む。
【請求項2】
ブルックフィールドRVT,スピンドルTC,速度10rpm,Helipathスタンド,150ml標準ガラスビーカーのブルックフィールド粘度計で30℃、60秒で測定して80,000から200,000センチポアズの粘度を有している請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
水膨潤性デンプンが非イオン性電荷を有している、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項4】
水膨潤性デンプンが改質された凝集プレゼラチン化トウモロコシデンプンである、請求項1から3のいずれかに記載の組成物。
【請求項5】
組成物が変形性チューブに包装されている、請求項1から4のいずれかに記載の組成物。
【請求項6】
包装からの押出方向に交差する横断面で見たときに4分割されている別々の2つの相を含む、請求項1から5のいずれかに記載の組成物。

【公表番号】特表2013−513561(P2013−513561A)
【公表日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−542466(P2012−542466)
【出願日】平成22年12月3日(2010.12.3)
【国際出願番号】PCT/EP2010/068829
【国際公開番号】WO2011/069905
【国際公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【出願人】(590003065)ユニリーバー・ナームローゼ・ベンノートシヤープ (494)
【Fターム(参考)】