多言語対応型の通信端末、サーバおよびプログラムならびに多言語対応型携帯電話システム
【課題】複数の言語に対応可能な方法でテキストメッセージを送受信することが可能な通信端末であって、その通信端末自体に課される負担の増加を抑えるととともに外部サーバへの依存を減らしつつ、第2言語でテキストメッセージを作成して表示したり受信して表示することを可能にする。
【解決手段】通信端末20に、第2言語の各文字を画面上に表示するためにユーザによって入力された第2言語用入力データを、第2言語での複数個の変換候補文字をそれぞれ表す特殊な文字コードに変換するための辞書メモリ122と、その特殊な文字コードをフォントデータに変換するためのフォントメモリ132とを設ける。さらに、その特殊な文字コードを、対応する1個の文字が分解された、それぞれが固有の形状を有する複数の要素にそれぞれ対応する複数の要素コードの組合せとして構成する。
【解決手段】通信端末20に、第2言語の各文字を画面上に表示するためにユーザによって入力された第2言語用入力データを、第2言語での複数個の変換候補文字をそれぞれ表す特殊な文字コードに変換するための辞書メモリ122と、その特殊な文字コードをフォントデータに変換するためのフォントメモリ132とを設ける。さらに、その特殊な文字コードを、対応する1個の文字が分解された、それぞれが固有の形状を有する複数の要素にそれぞれ対応する複数の要素コードの組合せとして構成する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信端末を複数の言語に対応可能な方法でテキストメッセージを送受信することを可能にする技術の改良に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年における通信技術の急速な進歩により、地理的に互いに離れた人間同士がそれぞれの通信端末を用いてテキストメッセージを送受信する行為が日常化している。また、通信の国際化に伴い、テキストメッセージの受信者の国籍が多様化し、その結果、同じ送信者がテキストメッセージを作成するために使用する言語も多様化している。
【0003】
一方、通信端末は、特定の言語に対応するために、その言語に対応する文字コードとフォントデータとを使用する。文字コードは、送信者の通信端末と受信者の通信端末とで互いに共通することが必要であるため、特定の団体などによって規格化された文字コード(以下、「通常の文字コード」という。)が存在する。
【0004】
従来、同じ通信端末が複数の言語に対応するためには、その通信端末は、複数の言語にそれぞれ対応する複数の文字コードセットを記憶することが必要であり、それに伴い、それら複数の文字コードセットにそれぞれ対応する複数のフォントデータセットも併せて記憶することが必要であった。
【0005】
しかしながら、通信端末の中には、例えば、携帯電話機に代表されるように、メモリ容量の増加が制限される種類の通信端末が存在する。この種の通信端末は、せいぜい1つの言語にしか対応できない場合があり、この場合には、その通信端末が使用される国の標準言語(例えば、母国語)に対応する文字コードセットおよびフォントデータセットがその通信端末に記憶される。この場合には、その通信端末は、第2言語には対応することができない。
【0006】
このような事情を背景にし、1台の通信端末を、使用するメモリ容量をそれほど増加させることなく、複数の言語に対応可能であるようにする技術が既に提案されている。その一例が特許文献1に開示されている。
【特許文献1】特開2006−215654号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に開示された技術によれば、第2言語に対応する文字コードおよびフォントデータが通信端末に予め記憶されることなく、その通信端末においてそれら文字コードおよびフォントデータが必要になると、外部サーバにアクセスして、必要な文字コードおよびフォントデータが外部サーバから通信端末にダウンロードされる。ダウンロードされる文字コードおよびフォントデータは、第2言語についてのすべての文字コードおよびフォントデータではなく、通信端末において個々のメッセージを作成したり表示するのに必要な、限定された数の文字に対応する文字コードおよびフォントデータである。
【0008】
しかしながら、特許文献1に開示された技術では、通信端末においてメッセージを作成する際には、1個ずつ文字を入力するごとに、外部サーバへのアクセスおよびその外部サーバからのダウンロードという手続が必要となる。一方、外部サーバからダウンロードされるデータは、画像データとしてのフォントデータであり、テキストデータより重い。
【0009】
そのため、特許文献1に開示された技術では、通信端末においてメッセージを作成するためにその通信端末に課される負担が増加してしまう。その結果、通信端末においてメッセージを作成する速度や表示する速度が低下してしまい、作業効率的に不利である。
【0010】
さらに、特許文献1に開示された技術では、外部サーバから文字コードおよびフォントデータをダウンロードするごとに通信端末に課金される料金体系が採用される場合には、第2言語でメッセージを作成するために必要な費用が増加してしまい、金銭的にも不利である。
【課題を解決するための手段】
【0011】
以上説明した事情を背景として、本発明は、通信端末を複数の言語に対応可能な方法でテキストメッセージを送受信することを可能にする技術であって、通信端末自体に課される負担の増加を抑えるととともに外部サーバへの依存を減らしつつ、第2言語でテキストメッセージを作成して表示したり受信して表示することを可能にする技術を提供することを課題としてなされたものである。
【0012】
本発明によって下記の各態様が得られる。各態様は、項に区分し、各項には番号を付し、必要に応じて他の項の番号を引用する形式で記載する。これは、本発明が採用し得る技術的特徴の一部およびそれの組合せの理解を容易にするためであり、本発明が採用し得る技術的特徴およびそれの組合せが以下の態様に限定されると解釈すべきではない。すなわち、下記の態様には記載されていないが本明細書には記載されている技術的特徴を本発明の技術的特徴として適宜抽出して採用することは妨げられないと解釈すべきなのである。
【0013】
さらに、各項を他の項の番号を引用する形式で記載することが必ずしも、各項に記載の技術的特徴を他の項に記載の技術的特徴から分離させて独立させることを妨げることを意味するわけではなく、各項に記載の技術的特徴をその性質に応じて適宜独立させることが可能であると解釈すべきである。
【0014】
(1) 第1言語と第2言語とのうち選択された言語を用いてテキストメッセージを送受信することが可能な通信端末であって、
情報を表示するための画面と、
前記第1言語の各文字を前記画面上に表示するために当該通信端末にユーザによって入力された第1言語用入力データを、前記第1言語の複数個の変換候補文字をそれぞれ表す通常の文字コードに変換するためのデータを予め記憶する第1言語用辞書メモリと、
前記第1言語用入力データから変換されたかまたは他の通信端末から受信した、前記第1言語の各文字についての通常の文字コードを、ビットマップデータであるフォントデータに変換するためのデータを予め記憶する第1言語用フォントメモリと、
前記第2言語の各文字を前記画面上に表示するために当該通信端末にユーザによって入力された第2言語用入力データを、前記第2言語での複数個の変換候補文字をそれぞれ表す特殊な文字コードに変換するためのデータを予め記憶する第2言語用辞書メモリと、
前記第2言語用入力データから変換されたかまたは他の通信端末から受信した、前記第2言語の各文字についての特殊な文字コードを、ビットマップデータであるフォントデータに変換するためのデータを予め記憶する第2言語用フォントメモリと
を含み、
前記第2言語の各文字に対応する前記特殊な文字コードは、対応する1個の文字が分解された、それぞれが固有の形状を有する複数の要素にそれぞれ対応する複数の要素コードの組合せとして構成される通信端末。
【0015】
この通信端末によれば、第1言語については、通常の文字コードとそれに対応するフォントデータとが記憶されるのに対し、第2言語については、通常の文字コードではなく、特殊な文字コードとそれに対応するフォントデータとが記憶される。その特殊な文字コードは、対応する1個の文字が分解された、それぞれが固有の形状を有する複数の要素にそれぞれ対応する複数の要素コードの組合せとして構成される。
【0016】
したがって、この通信端末によれば、第2言語につき、通常の文字コードおよびそれに対応するフォントデータを記憶することなく、しかも、外部サーバにアクセスしてそれら文字コードおよびフォントデータをダウンロードすることなく、第2言語の文字を使用してテキストメッセージを送受信することが可能となる。
【0017】
(2) 前記複数の要素のうちの少なくとも一部は、前記第2言語の、異なる複数個の文字に共通に使用される(1)項に記載の通信端末。
【0018】
例えば、日本語の漢字や中国語のような言語の1個の文字は、形状的にみて、複数の要素(日本語の漢字にあっては、部首)から構成されており、しかも、いくつかの要素が、異なる複数個の文字に共通に存在する。
【0019】
したがって、異なる複数個の文字にそれぞれいきなり固有の1つの文字コードおよび1つのフォントデータを割り当てるのではなく、まず、各文字を複数の要素に分解してそれぞれに要素コードを与え、次に、それら要素コードを合体させるなどしてそれら要素コードを1個の文字コードに変換することが可能である。
【0020】
ある文字に対応する複数の要素コードと、それらに対応する1つの文字コードとの間の変換は、いずれの変換テーブルも参照せずに行うことが可能である。例えば、1組を成す複数の要素コードをビット数に関して互いに共通化したうえで、それら要素コードを一列に並べることによって1つの文字コードを合成するという規則を採用すれば、1つの文字コードから、それに対応する複数の要素コードを、いずれの変換テーブルも参照せずに、取得することが可能である。
【0021】
このようなコード化法によれば、異なる複数個の文字にそれぞれ固有の1つのコードおよび1つのフォントデータを割り当てる場合より、必要なコードの総数を減少させるとともに必要なフォントデータの総数を減少させることが可能となる。
【0022】
以上説明した知見に基づき、本項に係る通信端末においては、前記(1)項における「複数の要素」のうちの少なくとも一部が、第2言語の、異なる複数個の文字によって共用される。
【0023】
(3) 前記第2言語の各文字を前記画面上に表示するために、前記第2言語の各文字に対応する通常の文字コードも通常の文字フォントも使用しない(1)または(2)項に記載の通信端末。
【0024】
(4) 前記第2言語の複数個の文字で作成されたテキストメッセージを他の通信端末に送信するために、前記第2言語の各文字に対応する通常の文字コードも通常の文字フォントも使用しない(1)ないし(3)項のいずれかに記載の通信端末。
【0025】
(5) さらに、
前記第2言語用入力データを、外部サーバにアクセスすることなく、前記第2言語用辞書メモリを用いて、前記特殊な文字コードに変換する第1変換手段と、
その変換された特殊な文字コードを、外部サーバにアクセスすることなく、前記第2言語用フォントメモリを用いて、前記フォントデータに変換する第2変換手段と
を含む(1)ないし(4)項のいずれかに記載の通信端末。
【0026】
(6) さらに、前記第1変換手段によって変換された特殊な文字コードを、その文字コードを構成する複数の要素コードに分解する分解手段を含み、
前記第2言語用フォントメモリは、前記複数の要素コードと、各要素コードに対応する要素を前記画面上に表示するためのフォントデータとの対応関係を予め記憶しており、
前記第2変換手段は、前記分解手段によって分解された各要素コードごとに、各要素コードを、前記第2言語用フォントメモリを用いて、前記フォントデータに変換する(5)項に記載の通信端末。
【0027】
(7) 前記分解手段は、いずれの変換テーブルも参照することなく、予め定められた規則に従い、前記第1変換手段によって変換された特殊な文字コードを、その文字コードを構成する複数の要素コードに分解する(6)項に記載の通信端末。
【0028】
(8) さらに、
ワークメモリと、
前記第2変換手段により、前記第2言語の1個の文字に対応する特殊な文字コードが、その特殊な文字コードに対応する複数の要素コードにそれぞれ対応する複数のフォントデータに変換された場合に、それらフォントデータを前記ワークメモリ上において画素ごとに位置合わせして重ね合わせ、それにより、それらフォントデータを、前記第2言語の1個の文字を前記画面上に表示するために必要なフォントデータに合成する合成手段と、
その合成されたフォントデータを用いて、前記第2言語の1個の文字を前記画面上に表示する表示手段と
を含む(6)または(7)項に記載の通信端末。
【0029】
(9) (1)ないし(8)項のいずれかに記載の通信端末の外部に設置され、その通信端末と他の通信端末との間における信号を中継する機能を有するサーバであって、
前記第2言語についての前記特殊な文字コードを前記第2言語についての通常の文字コードに変換するためのデータを予め記憶するコード変換テーブルと、
前記通信端末から受信した信号によって表されるテキストメッセージが前記特殊な文字コードによって作成されており、かつ、そのテキストメッセージの宛先が前記特殊な文字コードを解読不能であるか否かを判定する判定手段と、
その判定手段の判定結果が肯定的である場合に、前記テキストメッセージを表す特殊な文字コードを、前記コード変換テーブルを用いて、前記第2言語についての通常の文字コードに変換するコード変換手段と、
その変換された通常の文字コードによって表されたテキストメッセージをその宛先に送信する送信手段と
を含むサーバ。
【0030】
(10) 多言語対応携帯電話システムであって、
第1国の標準言語である第1言語と、第2国の標準言語である第2言語とのうち選択された言語を用いてテキストメッセージを送受信するために前記第1国内で使用される第1国内携帯電話機と、
前記第1国内に設置される第1国内サーバと
を含み、
前記第1国内サーバは、前記第1国内携帯電話機が予め登録されている場合に、前記第1国内に設置された第1国内基地局を中継地点として、前記第1国内携帯電話機と通信可能であり、
その第1国内サーバは、インターネットを介して、前記第2国内に設置された第2国内サーバと通信可能であり、
その第2国内サーバは、前記第2国内に設置された第2国内基地局を中継地点として、少なくとも前記第2言語を用いてテキストメッセージを送受信するために前記第2国内で使用される第2国内携帯電話機と通信可能であり、
前記第1国内携帯電話機は、
情報を表示するための画面と、
前記第1言語の各文字を前記画面上に表示するために前記第1国内携帯電話機にユーザによって入力された第1言語用入力データを、前記第1言語の複数個の変換候補文字をそれぞれ表す通常の文字コードに変換するためのデータを予め記憶する第1言語用辞書メモリと、
前記第1言語用入力データから変換されたかまたは前記第1国内の他の通信端末もしくは前記第2国内携帯電話機から受信した、前記第1言語の各文字についての通常の文字コードを、ビットマップデータであるフォントデータに変換するためのデータを予め記憶する第1言語用フォントメモリと、
前記第2言語の各文字を前記画面上に表示するために前記第1国内携帯電話機にユーザによって入力された第2言語用入力データを、前記第2言語での複数個の変換候補文字をそれぞれ表す特殊な文字コードに変換するためのデータを予め記憶する第2言語用辞書メモリと、
前記第2言語用入力データから変換されたかまたは前記第1国内の他の通信端末もしくは前記第2国内携帯電話機から受信した、前記第2言語の各文字についての特殊な文字コードを、ビットマップデータであるフォントデータに変換するためのデータを予め記憶する第2言語用フォントメモリと
を含み、
前記第2言語の各文字に対応する前記特殊な文字コードは、対応する1個の文字が分解された、それぞれが固有の形状を有する複数の要素にそれぞれ対応する複数の要素コードの組合せとして構成されており、
前記第1国内サーバは、
前記第2言語についての前記特殊な文字コードを前記第2言語についての通常の文字コードに変換するためのデータを予め記憶するコード変換テーブルと、
前記第1国内携帯電話機から前記第1国内基地局を経て受信した信号によって表されるテキストメッセージが前記特殊な文字コードによって作成されており、かつ、そのテキストメッセージの宛先が前記特殊な文字コードを解読不能であるか否かを判定する判定手段と、
その判定手段の判定結果が肯定的である場合に、前記テキストメッセージを表す特殊な文字コードを、前記コード変換テーブルを用いて、前記第2言語についての通常の文字コードに変換するコード変換手段と、
その変換された通常の文字コードによって表されたテキストメッセージをその宛先に送信するために前記第1国内基地局または前記第2国内サーバに転送する転送手段と
を含む多言語対応携帯電話システム。
【0031】
(11) (1)ないし(8)項のいずれかに記載の通信端末を構成する各要素を機能させるためにコンピュータによって実行されるプログラム。
【0032】
(12) (9)項に記載のサーバを構成する各要素を機能させるためにコンピュータによって実行されるプログラム。
【0033】
本明細書において、「プログラム」なる用語は、それの機能を果たすためにコンピュータにより実行される指令の組合せのみならず、各指令に従って処理されるファイルやデータをも含むように解釈することが可能である。
【0034】
前記(11)または(12)項に係るプログラムは、それ単独でコンピュータにより実行されることにより、所期の目的を達するものとしたり、他のプログラムと共にコンピュータにより実行されることにより、所期の目的を達するものとすることができる。後者の場合、このプログラムは、データを主体とするものとすることができる。
【0035】
(13) (11)または(12)項に記載のプログラムをコンピュータ読取り可能に記録した記録媒体。
【0036】
この記録媒体は種々な形式を採用可能であり、例えば、フレキシブル・ディスク等の磁気記録媒体、CD、CD−ROM等の光記録媒体、MO等の光磁気記録媒体、ROM等のアンリムーバブル・ストレージ等のいずれかを採用し得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
以下、本発明のさらに具体的な実施の形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明する。
【0038】
図1には、本発明の一実施形態に従う多言語対応携帯電話システム(以下、単に「システム」という。)10が系統図で表されている。このシステム10においては、第1国(例えば、自国である日本国)内に構築される第1サブネットワーク12と、第2国(例えば、他国である中国)内に構築される第2サブネットワーク14とが、グローバルネットワークとしてのインターネット16によって互いに接続されている。
【0039】
第1サブネットワーク12においては、各々、通信端末の一例である複数台の携帯電話機(図1には、1台の携帯電話機のみを代表的に示す。)20が、複数の基地局(図1には、1つの基地局のみを代表的に示す。)22と無線通信可能である。それら基地局22は、有線ケーブル24によってサーバ26に接続され、そのサーバ26はインターネット16に接続されている。
【0040】
この第1サブネットワーク12においては、さらに、各々、通信端末の別の例である複数台のパーソナルコンピュータ(図1には、1台のパーソナルコンピュータのみを代表的に示す。以下、「PC」と略称する。)28が、公衆電話ネットワーク30を介してサーバ26に接続されている。
【0041】
第1国内において使用される各携帯電話機20は、第1国の標準言語である第1言語(例えば、日本語)と、第2国の標準言語である第2言語(例えば、中国語)とのうち選択された言語を用いてテキストメッセージ(以下、単に「メッセージ」という。)を送受信することが可能である。また、第1国内に設置される複数の基地局22は、予め登録されている携帯電話機20からの信号を受信すると、その携帯電話機20をサーバ26に接続する。このように、各基地局22は、携帯電話機20とサーバ26との間において信号を中継する機能を有している。
【0042】
これに対し、第2サブネットワーク14においては、各々、通信端末の一例である複数台の携帯電話機40(図1には、1台の携帯電話機のみを代表的に示す。)が、複数の基地局(図1には、1つの基地局のみを代表的に示す。)42と無線通信可能である。それら基地局42は、有線ケーブル44によってサーバ46に接続され、そのサーバ46はインターネット16に接続されている。このサーバ46と、第1国内に設置されるサーバ26とは、それぞれ互いに国境を隔てて設置されるが、インターネット16を介して相互にデータを交換することが可能である。
【0043】
第2国内において使用される各携帯電話機40は、第2言語のみを用い、しかも、通常の文字コード(規格化された文字コード)のみを用いてメッセージを送受信することが可能である。また、第2国内に設置される複数の基地局42は、予め登録されている携帯電話機40からの信号を受信すると、その携帯電話機40をサーバ46に接続する。このように、各基地局42は、携帯電話機40とサーバ46との間において信号を中継する機能を有している。
【0044】
図2には、図1に示す、第1国内において使用される複数台の携帯電話機20のうち代表的なもののハードウエア構成がブロック図で概念的に表されている。この携帯電話機20は、コンピュータ50を主体として構成されており、そのコンピュータ50は、CPU52とメモリ54とがバス56を介して互いに接続されることによって構成されている。メモリ54は、ROM58と、ワークメモリ60が予め割り当てられたRAM62とを有する。
【0045】
バス56には、さらに、通話部70と、無線制御部72とが接続されている。通話部70は、送話音声を入力するマイク74と、受話音声を出力するスピーカ76とを有する。無線制御部72は、複数の基地局22との間において行われる無線通信を制御する機能を有する。この無線制御部72は、電波を送受信するためにアンテナ78を備えている。
【0046】
バス56には、さらに、キー入力部80と、表示部82とが接続されている。キー入力部80は、通話を開始するためにユーザによって操作される「通話開始」キーと、通話を終了するためにユーザによって操作される「通話終了」キーと、数字「0」〜「9」、平仮名、片仮名および英語のアルファベット「A」〜「Z」を入力するために操作される複数のキーとを有する。
【0047】
第1言語の一例である日本語の文字を携帯電話機20に入力するためには、まず、入力したい文字の読みをキー入力部80を介して仮名(ユーザが仮名を使用言語として選択した場合)で入力し、次に、仮名漢字変換を行って所望の文字(または文字列)を表示する。
【0048】
これに対し、第2言語の一例である中国語の文字を携帯電話機20に入力するためには、ピンイン(表音文字)を利用する。具体的には、まず、ユーザが英語のアルファベットを使用言語として選択したうえで、入力したい漢字のピンイン表記(英語のアルファベットの文字列であり、例えば、「n」「i」)をキー入力部80を介して入力する。次に、そのピンインに対応する漢字への変換操作を行って、複数個の変換候補文字(または文字列)を表示する。この例においては、「ni」が確定前文字である。
【0049】
なお付言するに、1個の確定前文字に対応する変換候補文字の数は、常に複数個であるとは限らず、1個である場合もあるが、通常、複数個であることから、本明細書においては、単に、複数個の変換候補文字という。
【0050】
上記変換操作後、ユーザは、表示された複数個の変換候補文字(または文字列)のうちから所望の文字(または文字列)のみを選択し、その後、特定の操作を行うと、その選択された文字(または文字列)が、確定前文字に対応する文字(または文字列)として確定される。
【0051】
なお付言するに、第2言語として、中国語の他に、韓国語やアラビア語、ロシア語などを代替的にまたは付加的に採用することが可能である。
【0052】
図2に示す表示部82は、情報を可視化して出力するために、表示媒体としての液晶ディスプレイ(以下、「LCD」と略称する。)84と、そのLCD84を駆動する表示ドライバと86を有する。LCD84は、それの画面上に情報をドットマトリクス方式で表示する。
【0053】
第2国内において使用される各携帯電話機40のハードウエア構成は、以上説明した、第1国内において使用される各携帯電話機20のハードウエア構成と基本的に共通するため、重複した説明を省略する。
【0054】
図3には、第1国内に設置される、図1に示すサーバ26のハードウエア構成がブロック図で概念的に表されている。このサーバ26は、コンピュータ90を主体として構成されており、そのコンピュータ90は、CPU92とメモリ94とがバス96を介して互いに接続されることによって構成されている。
【0055】
バス96には、さらに、通信インターフェース部98と、ハードディクスドライブ等の外部記憶装置100とが接続されている。このサーバ26は、その通信インターフェース部98において、図1に示す複数の基地局(第1国内に設置される)22と、インターネット16とにそれぞれ接続される。
【0056】
第2国内に設置されるサーバ46のハードウエア構成は、以上説明した、第1国内に設置されるサーバ26のハードウエア構成と基本的に共通するため、重複した説明を省略する。
【0057】
図4には、図1に示す携帯電話機20のROM58の内容が概念的に表されている。そのROM58は、辞書メモリ110と、フォントメモリ112と、アプリケーションメモリ114とを備えている。
【0058】
辞書メモリ110は、ユーザによって携帯電話機20に入力されたデータを複数個の変換候補文字に対応する文字コードに変換するために使用される。フォントメモリ112は、各文字の文字コードをフォントデータに変換するために使用される。
【0059】
ところで、携帯電話機20においては、文字を画面上に表示するために、文字コードとフォントデータとが使用される。フォントデータは、1文字分の画像を表す画像データであって、1個の文字を複数個のドットの集合として画面上に表示するために使用されるビットマップデータとして構成される。これに対し、文字コードは、対応する文字の識別子として使用される。
【0060】
携帯電話機20においては、第1国の標準言語の文字コードとして、通常の文字コード(以下、「通常コード」という。)のみが使用される。日本語についての通常の文字コードとしては、例えば、Shift−JISコードなどがある。これに対し、第2国内において使用される携帯電話機40においては、第2国の標準言語の文字コードとして、通常コードのみが使用される。中国語についての通常の文字コードとしては、例えば、GBコードやBig5コードがある。
【0061】
携帯電話機20においては、第2国の標準言語の文字コードとして、本発明者らが独自に作成した特殊な文字コード(以下、「特殊コード」という。)のみが使用される。すなわち、この携帯電話機20は、第1言語と第2言語とに対応可能であるが、第1言語については、通常コードのみでテキストメッセージを送受信することが可能であるのに対し、第2言語については、特殊コードのみでテキストメッセージを送受信することが可能なのである。
【0062】
ここで、第2言語についての特殊コードを詳細に説明すると、この特殊コードは、1個の文字を複数の要素に分解してコード化することによって構成されている。1個の文字に対応する特殊コードは、ビット数が共通化されている複数の要素コードを順に並べることによって構成される。ある特殊コードと、それに対応する複数の要素コードとの間における変換は、その配列規則に従えば、いずれの変換テーブルも参照することなく、行うことが可能である。
【0063】
1個の文字に割り当てられる複数の要素コードは、注目する1個の文字がそれの形状に着目して分解された複数の要素にそれぞれ割り当てられる。それら要素はそれぞれ、固有の形状を有するとともに、それらの要素のうちの一部は、異なる複数個の文字に共通に使用される。
【0064】
図5を参照することにより、特殊コードと要素コードとの関係をさらに具体的に説明する。特殊コードという概念は、中国語の漢字についてのみ適用可能なものではなく、例えば、日本語、韓国語等、他の言語の文字についても適用可能であるが、以下、図5を参照することにより、中国語の漢字であり日本語の漢字でもある「犬」と「太」とを例にとり、特殊コードと要素コードとの関係を説明する。
【0065】
漢字「犬」は、「大」という要素と、1文字分の画像内において右上隅に配置された「、」とに分解され、それぞれに、要素コード「X1」と「Y1」とが割り当てられる。したがって、漢字「犬」には、「X1Y1」という特殊コードが割り当てられる。
【0066】
同様にして、漢字「太」は、「大」という要素と、1文字分の画像内において下部中央に配置された「、」とに分解され、それぞれに、要素コード「X1」と「Y2」とが割り当てられる。したがって、漢字「太」には、「X1Y2」という特殊コードが割り当てられる。要素コード「X1」は、異なる2つの漢字「犬」および「太」に共通に使用される。
【0067】
図4に示すように、辞書メモリ110は、第1言語用辞書メモリ120と、第2言語用辞書メモリ122とを有する。第1言語用辞書メモリ120は、ユーザが第1言語を使用言語として選択してメッセージを作成することを指令した場合に、ユーザによる入力データを、第1言語の文字に対応する通常コードに変換するために使用される。
【0068】
これに対し、第2言語用辞書メモリ122は、ユーザが第2言語を使用言語として選択してメッセージを作成することを指令した場合に、ユーザによる入力データを第2言語の文字に対応する特殊コードに変換するために使用される。図6(a)に示すように、この第2言語用辞書メモリ122においては、入力データであるアルファベットの文字コードと、特殊コードとの対応関係が予め記憶されている。
【0069】
なお付言するに、第1国内において使用される各携帯電話機20は、第2言語の文字を、特殊コードであれば解読可能であるが、通常コードであると解読不能であるようになっている。これに対し、第2国内において使用される各携帯電話機40は、携帯電話機20についての第2言語と同じ言語(例えば、中国語)の文字を、通常コードであれば解読可能であり、特殊コードについては、ユーザの任意のサービス加入登録により、解読可能となるようになっている。
【0070】
図4に示すフォントメモリ112は、文字コードとフォントデータとの間の変換を行うために使用される。このフォントメモリ112は、第1言語用フォントメモリ130と、第2言語用フォントメモリ132とを有する。
【0071】
第1言語用フォントメモリ130は、第1言語の文字に対応する通常コードをフォントデータに変換するために使用される。これに対し、第2言語用フォントメモリ132は、第2言語の文字に対応する特殊コードをフォントデータに変換するために使用される。図6(b)に示すように、この第2言語用フォントメモリ132においては、要素コードとフォントデータとの対応関係が予め記憶されている。この第2言語用フォントメモリ132には、フォントデータが、一定の理論に従って圧縮された状態で記憶されている。
【0072】
図4に示すように、第1国内において使用される各携帯電話機20のROM58のうちのアプリケーションメモリ114には、メッセージ作成プログラムが予め記憶されている。このメッセージ作成プログラムは、ユーザが、キー操作により、他の携帯電話機20に送信すべきメッセージを、第1言語または第2言語で作成することを支援するためにCPU52によって実行される。
【0073】
本実施形態においては、図4に示すように、メッセージ作成プログラムとして、第1言語の文字でメッセージを作成するためにCPU52によって実行される第1言語用メッセージ作成プログラムと、第2言語の文字でメッセージを作成するためにCPU52によって実行される第2言語用メッセージ作成プログラムとがある。
【0074】
第1言語用メッセージ作成プログラムは、第1言語の文字に対応する通常コードでメッセージを作成するために実行されるのに対し、第2言語用メッセージ作成プログラムは、第2言語の文字に対応する特殊コードでメッセージを作成するために実行される。
【0075】
第1言語用メッセージ作成プログラムは、例えば特開2006−215654号公報に開示されている手法と同様な手法を採用するため、詳細な説明を省略する。この公報の内容は、本明細書に引用によって合体させられる。第2言語用メッセージ作成プログラムは、図7を参照して後に詳述する。
【0076】
図4に示すように、アプリケーションメモリ114には、さらに、メッセージ送信プログラムも予め記憶されている。このメッセージ送信プログラムは、第1言語用メッセージ作成プログラムまたは第2言語用メッセージ作成プログラムの実行によって作成されたメッセージを、宛先である他の携帯電話機20,40またはPC28に送信するためにCPU52によって実行される。メッセージの宛先は、第1国内において使用される他の携帯電話機20またはPC28である場合と、第2国内において使用される携帯電話機40である場合とがある。
【0077】
本実施形態においては、図4に示すように、メッセージ送信プログラムとして、第1言語の文字に対応する通常コードで作成されたメッセージを送信するためにCPU52によって実行される第1言語用メッセージ送信プログラムと、第2言語の文字に対応する特殊コードで作成されたメッセージを送信するためにCPU52によって実行される第2言語用メッセージ送信プログラムとがある。
【0078】
第1言語用メッセージ送信プログラムは、例えば特開2006−215654号公報に開示されている手法と同様な手法を採用するため、詳細な説明を省略する。この公報の内容は、本明細書に引用によって合体させられる。第2言語用メッセージ送信プログラムは、図9を参照して後に詳述する。
【0079】
図4に示すように、アプリケーションメモリ114には、さらに、メッセージ受信プログラムも予め記憶されている。このメッセージ受信プログラムは、送信元である他の携帯電話機20,40またはPC28からメッセージを受信するためにCPU52によって実行される。
【0080】
本実施形態においては、図4に示すように、メッセージ受信プログラムとして、第1言語の文字に対応する通常コードで作成されたメッセージを受信するためにCPU52によって実行される第1言語用メッセージ受信プログラムと、第2言語の文字に対応する特殊コードで作成されたメッセージを受信するためにCPU52によって実行される第2言語用メッセージ受信プログラムとがある。
【0081】
第1言語用メッセージ受信プログラムは、例えば特開2006−215654号公報に開示されている手法と同様な手法を採用するため、詳細な説明を省略する。この公報の内容は、本明細書に引用によって合体させられる。第2言語用メッセージ受信プログラムは、図11を参照して後に詳述する。
【0082】
本実施形態においては、図4に示すように、第1言語でメッセージを送受信するために必要なデータ(すなわち、第1言語用辞書メモリ120のためのデータ、第1言語用フォントメモリ130のためのデータ、第1言語用メッセージ作成プログラム、第1言語用メッセージ送信プログラムおよび第1言語用メッセージ受信プログラム)が、携帯電話機20のROM58にプリインストールされている。
【0083】
これに対し、第2言語でメッセージを送受信するために必要なデータ(すなわち、第2言語用辞書メモリ122のためのデータ、第2言語用フォントメモリ132のためのデータ、第2言語用メッセージ作成プログラム、第2言語用メッセージ送信プログラムおよび第2言語用メッセージ受信プログラム)は、ユーザが携帯電話機20を購入した後に、ユーザの要望に応じて、サーバ26またはそれとは別のサーバからダウンロードしてROM58にインストールされる。
【0084】
ここで、図7を参照することにより、第2言語用メッセージ作成プログラムを詳細に説明する。このプログラムは、ユーザが、携帯電話機20に対し、キー入力部80を介して、第2言語を使用言語として選択してメッセージを作成したい旨のリクエストを入力すると、それに応答して起動される。
【0085】
この第2言語用メッセージ作成プログラムが起動すると、まず、ステップS101において、ユーザが、キー入力部80を介して、確定前文字(例えば、第2言語が中国語である場合には、中国語の文字をピンイン方式で表記するアルファベット文字列)を入力する。
【0086】
次に、ステップS102において、入力された確定前文字の文字コードが、第2言語用辞書メモリ122を用いて、複数個の変換候補文字に対応する特殊コードに変換される。その後、ステップS103において、その特殊コードが、第2言語用フォントメモリ132を用いて、フォントデータに変換される。
【0087】
このステップS103の詳細が、図8にフローチャートで概念的に表されている。まず、ステップS201において、その特殊コードが、それを構成する複数の要素コードに分解される。例えば、前述の例、すなわち、特殊コードが「X1Y1」である場合には、それのビット列の並び順に着目して、第1の要素コード「X1」と、第2の要素コード「Y1」とに分解される。
【0088】
次に、ステップS202において、分解された各要素コードごとに、各要素コードが、第2言語用フォントメモリ132を用いて、フォントデータに、各要素コードに関連付けて変換される。続いて、ステップS203において、その変換された各フォントデータごとに、各フォントデータが、各要素コードに関連付けて伸張(復元)される。
【0089】
その後、ステップS204において、それらフォントデータが、ワークメモリ60上において画素ごとに位置合わせされて重ね合わせられる。例えば、1文字分の画像内における各画素ごとに、そこにドットが表示されるか否かを表すデータが、異なる複数のフォントデータについて、OR演算される。それにより、それらフォントデータが、第2言語の1個の文字を画面上に表示するために必要な1つのフォントデータに合成される。
【0090】
以上で、図7に示すステップS103の実行が終了し、続いて、ステップS104において、その合成フォントデータを用いることにより、今回の確定前文字に対応する複数個の変換候補文字(または文字列)が画面上に表示される。
【0091】
その後、ステップS105において、ユーザは、キー入力部80を介して、それら変換候補文字(または文字列)のうちのいずれかを、今回の確定前文字に対応する1個の変換文字(または文字列)として確定するための操作を行う。
【0092】
続いて、ステップS106において、ユーザが、キー入力部80を介して、メッセージの作成を終了したい旨のリクエストを出したか否かが判定される。そのリクエストが出されていない場合には、ステップS106の判定がNOとなり、ステップS101に戻り、次の文字を入力するための操作および処理が行われる。ステップS101ないしS106の実行が反復されることにより、今回のメッセージが作成される。
【0093】
ユーザが、キー入力部80を介して、メッセージの作成を終了したい旨のリクエストを出すと、ステップS106の判定がYESとなり、ステップS107において、今回、特殊コードで作成されたメッセージがRAM62に保存される。以上で、この第2言語用メッセージ作成プログラムの実行が終了する。
【0094】
次に、図9を参照することにより、第2言語用メッセージ送信プログラムを詳細に説明する。このプログラムは、ユーザが、携帯電話機20に対し、キー入力部80を介して、第2言語を使用して作成されたメッセージを送信したい旨のリクエストを入力すると、それに応答して起動される。
【0095】
この第2言語用メッセージ送信プログラムが起動すると、まず、ステップS301において、ユーザが、今回送信したいメッセージを特定する。次に、ステップS302において、その送信メッセージの属性を表す情報に基づき、その送信メッセージに使用されている文字コードが識別される。
【0096】
続いて、ステップS303において、送信メッセージが使用している文字コードが特殊コードであるか否かが判定される。その文字コードが特殊コードではない場合、すなわち、通常コードである場合には、ステップS303の判定がNOとなり、直ちにこの第2言語用メッセージ送信プログラムの実行が終了する。
【0097】
これに対し、今回の送信メッセージが使用している文字コードが特殊コードである場合には、ステップS303の判定がYESとなり、ステップS304に進む。このステップS304においては、図10に示すように、今回の送信メッセージを表すデータ列の先頭に付加されるべきヘッダに、今回の送信メッセージが特殊コードを使用している旨のフォントコードが追加される。そのヘッダには、さらに、送信元を識別するための情報や、宛先を識別するための情報が追加される。
【0098】
なお付言するに、今回の送信メッセージを第1言語の文字を用いて作成する場合には、第1言語の文字に対応する通常コードが使用されるため、この送信メッセージには、前述の第1言語用メッセージ送信プログラムの実行により、今回の送信メッセージを表すデータ列の先頭に付加されるべきヘッダに、今回の送信メッセージが通常コードを使用している旨のフォントコードが追加される。
【0099】
その後、図9に示すように、ステップS305において、今回の送信メッセージを送信するために送信されるべきデータが一定の規則に従って圧縮される。続いて、ステップS306において、その圧縮されたデータを表す信号が電波として最寄の基地局22に向かって送信される。以上で、この第2言語用メッセージ送信プログラムの実行が終了する。
【0100】
次に、図11を参照することにより、第2言語用メッセージ受信プログラムを詳細に説明する。このプログラムは、ユーザが、携帯電話機20に対し、キー入力部80を介して、他の携帯電話機20,40またはPC28から送信されたメッセージが存在する場合に、そのメッセージを受信したい旨のリクエストを入力すると、それに応答して起動される。
【0101】
この第2言語用メッセージ受信プログラムが起動すると、まず、ステップS401において、他の携帯電話機20,40またはPC28から送信されたメッセージが存在する場合に、そのメッセージが受信される。次に、ステップS402において、その受信メッセージのヘッダ内のフォントコードに基づき、その受信メッセージに、第2言語の文字に対応する特殊コードが使用されているか否かが判定される。
【0102】
今回は、受信メッセージが特殊コードを使用していないと仮定すると、ステップS402の判定がNOとなり、以上で、この第2言語用メッセージ受信プログラムの実行が終了する。これに対し、今回は、受信メッセージが特殊コードを使用していると仮定すると、ステップS402の判定がYESとなり、ステップS403に進む。このステップS403においては、受信メッセージを表す特殊コードが一定の規則に従って伸張(復元)される。
【0103】
続いて、ステップS404において、図7に示すステップS103と同様にして、特殊コードが、複数の要素コードに分解された後、第2言語用フォントメモリ132を用いて、フォントデータに変換される。
【0104】
その後、ステップS405において、そのフォントデータに基づき、受信メッセージが画面上に表示される。以上で、この第2言語用メッセージ受信プログラムの実行が終了する。
【0105】
図12には、第1国内において使用される各携帯電話機20の構成が機能ブロック図で概念的に表されている。
【0106】
各携帯電話機20においては、第2言語の文字を使用してメッセージを作成するためにユーザがキー入力部80を介してデータすなわち確定前文字を入力すると、第1変換手段140が、その入力データを、第2言語用辞書メモリ122を用いて、特殊コードに変換する。その特殊コードにより、確定前文字に対応する複数個の変換候補文字が特定される。その第1変換手段140は、携帯電話機20のコンピュータ50のうち、図7に示すステップS101およびS102を実行する部分によって構成されている。
【0107】
図12に示すように、携帯電話機20においては、分解手段142が、そのようにして取得された特殊コードを複数の要素コードに分解する。その分解手段142は、携帯電話機20のコンピュータ50のうち、図8に示すステップS201を実行する部分によって構成されている。
【0108】
さらに、図12に示すように、携帯電話機20においては、第2変換手段144が、そのようにして分解された各要素コードを、各要素コードごとに、第2言語用フォントメモリ132を用いて、フォントデータに変換する。その第2変換手段144は、携帯電話機20のコンピュータ50のうち、図8に示すステップS202を実行する部分によって構成されている。
【0109】
さらに、図12に示すように、携帯電話機20においては、合成手段146が、1つの特殊コードに対応する複数の要素コードについてそれぞれ取得された複数のフォントデータを、その特殊コードが割り当てられた1個の文字を画面上に表示するためのフォントデータに合成する。その合成手段146は、携帯電話機20のコンピュータ50のうち、図8に示すステップS204を実行する部分によって構成されている。
【0110】
さらに、図12に示すように、携帯電話機20においては、表示手段148が、そのようにして取得された合成フォントデータに基づき、文字を、表示部82の画面上に表示する。その結果、今回の確定前文字に対応する複数個の変換候補文字(または文字列)が画面上に表示される。その表示手段148は、携帯電話機20のコンピュータ50のうち、図7に示すステップS104を実行する部分によって構成されている。
【0111】
さらに、図12に示すように、携帯電話機20においては、第2言語の文字として画面上に表示されている複数個の変換候補文字(または文字列)のうちのいずれかをユーザがキー入力部80を介して選択すると、選択手段150が、今回の確定前文字に対応する変換文字を確定する。その選択手段150は、携帯電話機20のコンピュータ50のうち、図7に示すステップS105を実行する部分によって構成されている。
【0112】
以上、第1国内において使用される携帯電話機20を詳細に説明したが、第1国内に設置されるサーバ26は、図3に示すように、それのメモリ94において、コード変換テーブルと、転送プログラムとを有している。
【0113】
コード変換テーブルは、第2言語について通常コードと特殊コードとの間における変換を行うためにそれらコード間の対応関係を規定している。転送プログラムは、第1国内における携帯電話機20またはPC28と、第2国内における携帯電話機40との間において、送信元から宛先に送信すべきメッセージを中継するためにCPU92によって実行される。
【0114】
図13には、その転送プログラムがフローチャートで概念的に表されている。この転送プログラムは、第1国内における携帯電話機20もしくはPC28からメッセージを受信するか、または第2国内の携帯電話機40からメッセージを受信することに応答して起動する。
【0115】
この転送プログラムが起動すると、まず、ステップS501において、受信したメッセージのヘッダ情報が読み込まれ、次に、ステップS502において、そのヘッダ情報内のフォントコードから、今回受信したメッセージが、第2言語の文字に対応する特殊コードで作成されているか否かが判定される。
【0116】
今回受信したメッセージが特殊コードで作成されていない場合には、ステップS502の判定がNOとなり、ステップS507において、今回受信したメッセージが、コード変換なしで、転送される。
【0117】
このステップS507においては、そのメッセージの宛先が第2国内にある場合にはその第2国内のサーバ46、その宛先が第1国内にある場合にはその第1国内の複数の基地局22にそれぞれ転送される。今回受信したメッセージの宛先は、そのメッセージのヘッダ情報から識別される。以上で、この転送プログラムの実行が終了する。
【0118】
これに対し、今回受信したメッセージが特殊コードで作成されている場合には、ステップS502の判定がYESとなり、ステップS503において、ステップS501において読み込まれたヘッダから宛先情報が抽出される。
【0119】
その後、ステップS504において、その抽出された宛先情報と前述の登録に関する情報とに基づき、今回受信したメッセージの宛先が、特殊コードを解読不能な第1国内の携帯電話機20(PC28である場合もあるが、説明の便宜上、割愛する。)または第2国内の携帯電話機40であるか否かが判定される。
【0120】
ところで、各携帯電話機20,40のユーザは、第2言語でのメッセージの送受信を行うサービスに加入すると、ユーザは、その携帯電話機20,40に関して登録される。その結果、そのユーザは、前述の、第2言語でのメッセージの送受信を特殊コードで行うために必要なデータおよびプログラムを所定のサイトから自己の携帯電話機20,40にダウンロードしてインストールすることが可能になるとともに、その携帯電話機20,40が、特殊コードを解読可能である携帯電話機20,40であることが登録される。
【0121】
したがって、ステップS504においては、そのような事前の登録内容に基づき、今回受信したメッセージの宛先が、特殊コードを解読不能な携帯電話機20,40であるか否か、すなわち、第2言語の文字については通常コードでしか解読することができないか否かが判定される。具体的には、宛先の携帯電話機20,40が登録されていない場合には、その相手先は第2言語の文字については通常コードでしか解読することができないと判定される。
【0122】
今回受信したメッセージの宛先が、特殊コードを解読可能な携帯電話機20,40である場合には、ステップS504の判定がNOとなり、ステップS507に進む。
【0123】
これに対し、今回受信したメッセージの宛先が、特殊コードを解読不能な携帯電話機20,40である場合には、ステップS504の判定がYESとなり、ステップS505において、今回受信したメッセージを表す特殊コードが伸張(復元)される。続いて、ステップS506において、その伸張された特殊コードが、各特殊コードごとに、コード変換テーブルを用いて、通常コードに変換される。
【0124】
その後、ステップS507において、今回受信したメッセージが通常コードで宛先に向かって転送される。以上で、この転送プログラムの実行が終了する。
【0125】
図14には、第1国(自国)内のサーバ26の構成が機能ブロック図で概念的に表されている。このサーバ26においては、自国内の基地局22または第2国(他国)内のサーバ46からメッセージを受信すると、判定手段160が、そのメッセージに関するヘッダ情報に基づき、そのメッセージが、第2言語の文字に対応する特殊コードによって作成されており、かつ、そのメッセージの宛先が、特殊コードを解読不能な自国内の携帯電話機20または他国内の携帯電話機40であるか否かを判定する。その判定手段160は、サーバ26のコンピュータ90のうち、図13に示すS501ないしS504を実行する部分によって構成されている。
【0126】
図14に示すように、さらに、このサーバ26においては、その判定手段160の判定結果が肯定的であると、コード変換手段162が、受信したメッセージを表現する文字コードを、コード変換テーブルを用いて、特殊コードから通常コードに変換する。そのコード変換手段162は、サーバ26のコンピュータ90のうち、図13に示すS506を実行する部分によって構成されている。
【0127】
図14に示すように、さらに、このサーバ26においては、転送手段164が、通常コードで作成されたメッセージを、他国内のサーバ46または自国内の複数の基地局22に転送する。その転送手段164は、サーバ26のコンピュータ90のうち、図13に示すS507を実行する部分によって構成されている。
【0128】
以上の説明から明らかなように、本実施形態においては、すべての特殊コードに対応するすべてのフォントデータが圧縮されて第1国内の携帯電話機20にインストールされた後、すべてのフォントデータのうち、各回のメッセージ作成または表示に必要な文字のみに対応するものが選択的に伸張されるようになっている。
【0129】
その伸張されたフォントデータは、同じユーザによって今後再使用される可能性があるとして、携帯電話機20内の不揮発性メモリに保存してもよいが、メモリ容量の節減を優先させたい場合には、各回のメッセージ作成または表示の終了後、消去してもよい。
【0130】
さらに、本実施形態においては、特殊コードで作成されたメッセージを第1国内の携帯電話機20が送信する際、そのメッセージを表すデータが圧縮されるようになっているが、そのメッセージを圧縮せずに送信する態様で本発明を実施してもよい。
【0131】
以上、本発明の実施の形態のうちのいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、前記[発明の開示]の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0132】
【図1】本発明の一実施形態に従う多言語対応携帯電話システム10を示す系統図である。
【図2】図1に示す携帯電話機20のハードウエア構成を概念的に表すブロック図である。
【図3】図1に示すサーバ26のハードウエア構成を概念的に表すブロック図である。
【図4】図1に示す携帯電話機20のROM58の構成を概念的に表すブロック図である。
【図5】図1に示す多言語対応携帯電話システム10において第2言語の各文字を複数の要素に分解してコード化する手法を説明するための図である。
【図6】図6(a)は、図4に示す第2言語用辞書メモリ122の構成を概念的に説明するための図であり、図6(b)は、図4に示す第2言語用フォントメモリ132の構成を概念的に説明するための図である。
【図7】図4に示す第2言語用メッセージ作成プログラムを概念的に表すフローチャートである。
【図8】図7に示すステップS103の詳細を概念的に表すフローチャートである。
【図9】図4に示す第2言語用メッセージ送信プログラムを概念的に表すフローチャートである。
【図10】図9に示すステップS304を説明するために、送信メッセージを表すデータのストリーム構成を説明するための図である。
【図11】図4に示す第2言語用メッセージ受信プログラムを概念的に表すフローチャートである。
【図12】図1に示す携帯電話機20の構成を概念的に表す機能ブロック図である。
【図13】図3に示す転送プログラムを概念的に表すフローチャートである。
【図14】図1に示すサーバ26の構成を概念的に表す機能ブロック図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信端末を複数の言語に対応可能な方法でテキストメッセージを送受信することを可能にする技術の改良に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年における通信技術の急速な進歩により、地理的に互いに離れた人間同士がそれぞれの通信端末を用いてテキストメッセージを送受信する行為が日常化している。また、通信の国際化に伴い、テキストメッセージの受信者の国籍が多様化し、その結果、同じ送信者がテキストメッセージを作成するために使用する言語も多様化している。
【0003】
一方、通信端末は、特定の言語に対応するために、その言語に対応する文字コードとフォントデータとを使用する。文字コードは、送信者の通信端末と受信者の通信端末とで互いに共通することが必要であるため、特定の団体などによって規格化された文字コード(以下、「通常の文字コード」という。)が存在する。
【0004】
従来、同じ通信端末が複数の言語に対応するためには、その通信端末は、複数の言語にそれぞれ対応する複数の文字コードセットを記憶することが必要であり、それに伴い、それら複数の文字コードセットにそれぞれ対応する複数のフォントデータセットも併せて記憶することが必要であった。
【0005】
しかしながら、通信端末の中には、例えば、携帯電話機に代表されるように、メモリ容量の増加が制限される種類の通信端末が存在する。この種の通信端末は、せいぜい1つの言語にしか対応できない場合があり、この場合には、その通信端末が使用される国の標準言語(例えば、母国語)に対応する文字コードセットおよびフォントデータセットがその通信端末に記憶される。この場合には、その通信端末は、第2言語には対応することができない。
【0006】
このような事情を背景にし、1台の通信端末を、使用するメモリ容量をそれほど増加させることなく、複数の言語に対応可能であるようにする技術が既に提案されている。その一例が特許文献1に開示されている。
【特許文献1】特開2006−215654号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に開示された技術によれば、第2言語に対応する文字コードおよびフォントデータが通信端末に予め記憶されることなく、その通信端末においてそれら文字コードおよびフォントデータが必要になると、外部サーバにアクセスして、必要な文字コードおよびフォントデータが外部サーバから通信端末にダウンロードされる。ダウンロードされる文字コードおよびフォントデータは、第2言語についてのすべての文字コードおよびフォントデータではなく、通信端末において個々のメッセージを作成したり表示するのに必要な、限定された数の文字に対応する文字コードおよびフォントデータである。
【0008】
しかしながら、特許文献1に開示された技術では、通信端末においてメッセージを作成する際には、1個ずつ文字を入力するごとに、外部サーバへのアクセスおよびその外部サーバからのダウンロードという手続が必要となる。一方、外部サーバからダウンロードされるデータは、画像データとしてのフォントデータであり、テキストデータより重い。
【0009】
そのため、特許文献1に開示された技術では、通信端末においてメッセージを作成するためにその通信端末に課される負担が増加してしまう。その結果、通信端末においてメッセージを作成する速度や表示する速度が低下してしまい、作業効率的に不利である。
【0010】
さらに、特許文献1に開示された技術では、外部サーバから文字コードおよびフォントデータをダウンロードするごとに通信端末に課金される料金体系が採用される場合には、第2言語でメッセージを作成するために必要な費用が増加してしまい、金銭的にも不利である。
【課題を解決するための手段】
【0011】
以上説明した事情を背景として、本発明は、通信端末を複数の言語に対応可能な方法でテキストメッセージを送受信することを可能にする技術であって、通信端末自体に課される負担の増加を抑えるととともに外部サーバへの依存を減らしつつ、第2言語でテキストメッセージを作成して表示したり受信して表示することを可能にする技術を提供することを課題としてなされたものである。
【0012】
本発明によって下記の各態様が得られる。各態様は、項に区分し、各項には番号を付し、必要に応じて他の項の番号を引用する形式で記載する。これは、本発明が採用し得る技術的特徴の一部およびそれの組合せの理解を容易にするためであり、本発明が採用し得る技術的特徴およびそれの組合せが以下の態様に限定されると解釈すべきではない。すなわち、下記の態様には記載されていないが本明細書には記載されている技術的特徴を本発明の技術的特徴として適宜抽出して採用することは妨げられないと解釈すべきなのである。
【0013】
さらに、各項を他の項の番号を引用する形式で記載することが必ずしも、各項に記載の技術的特徴を他の項に記載の技術的特徴から分離させて独立させることを妨げることを意味するわけではなく、各項に記載の技術的特徴をその性質に応じて適宜独立させることが可能であると解釈すべきである。
【0014】
(1) 第1言語と第2言語とのうち選択された言語を用いてテキストメッセージを送受信することが可能な通信端末であって、
情報を表示するための画面と、
前記第1言語の各文字を前記画面上に表示するために当該通信端末にユーザによって入力された第1言語用入力データを、前記第1言語の複数個の変換候補文字をそれぞれ表す通常の文字コードに変換するためのデータを予め記憶する第1言語用辞書メモリと、
前記第1言語用入力データから変換されたかまたは他の通信端末から受信した、前記第1言語の各文字についての通常の文字コードを、ビットマップデータであるフォントデータに変換するためのデータを予め記憶する第1言語用フォントメモリと、
前記第2言語の各文字を前記画面上に表示するために当該通信端末にユーザによって入力された第2言語用入力データを、前記第2言語での複数個の変換候補文字をそれぞれ表す特殊な文字コードに変換するためのデータを予め記憶する第2言語用辞書メモリと、
前記第2言語用入力データから変換されたかまたは他の通信端末から受信した、前記第2言語の各文字についての特殊な文字コードを、ビットマップデータであるフォントデータに変換するためのデータを予め記憶する第2言語用フォントメモリと
を含み、
前記第2言語の各文字に対応する前記特殊な文字コードは、対応する1個の文字が分解された、それぞれが固有の形状を有する複数の要素にそれぞれ対応する複数の要素コードの組合せとして構成される通信端末。
【0015】
この通信端末によれば、第1言語については、通常の文字コードとそれに対応するフォントデータとが記憶されるのに対し、第2言語については、通常の文字コードではなく、特殊な文字コードとそれに対応するフォントデータとが記憶される。その特殊な文字コードは、対応する1個の文字が分解された、それぞれが固有の形状を有する複数の要素にそれぞれ対応する複数の要素コードの組合せとして構成される。
【0016】
したがって、この通信端末によれば、第2言語につき、通常の文字コードおよびそれに対応するフォントデータを記憶することなく、しかも、外部サーバにアクセスしてそれら文字コードおよびフォントデータをダウンロードすることなく、第2言語の文字を使用してテキストメッセージを送受信することが可能となる。
【0017】
(2) 前記複数の要素のうちの少なくとも一部は、前記第2言語の、異なる複数個の文字に共通に使用される(1)項に記載の通信端末。
【0018】
例えば、日本語の漢字や中国語のような言語の1個の文字は、形状的にみて、複数の要素(日本語の漢字にあっては、部首)から構成されており、しかも、いくつかの要素が、異なる複数個の文字に共通に存在する。
【0019】
したがって、異なる複数個の文字にそれぞれいきなり固有の1つの文字コードおよび1つのフォントデータを割り当てるのではなく、まず、各文字を複数の要素に分解してそれぞれに要素コードを与え、次に、それら要素コードを合体させるなどしてそれら要素コードを1個の文字コードに変換することが可能である。
【0020】
ある文字に対応する複数の要素コードと、それらに対応する1つの文字コードとの間の変換は、いずれの変換テーブルも参照せずに行うことが可能である。例えば、1組を成す複数の要素コードをビット数に関して互いに共通化したうえで、それら要素コードを一列に並べることによって1つの文字コードを合成するという規則を採用すれば、1つの文字コードから、それに対応する複数の要素コードを、いずれの変換テーブルも参照せずに、取得することが可能である。
【0021】
このようなコード化法によれば、異なる複数個の文字にそれぞれ固有の1つのコードおよび1つのフォントデータを割り当てる場合より、必要なコードの総数を減少させるとともに必要なフォントデータの総数を減少させることが可能となる。
【0022】
以上説明した知見に基づき、本項に係る通信端末においては、前記(1)項における「複数の要素」のうちの少なくとも一部が、第2言語の、異なる複数個の文字によって共用される。
【0023】
(3) 前記第2言語の各文字を前記画面上に表示するために、前記第2言語の各文字に対応する通常の文字コードも通常の文字フォントも使用しない(1)または(2)項に記載の通信端末。
【0024】
(4) 前記第2言語の複数個の文字で作成されたテキストメッセージを他の通信端末に送信するために、前記第2言語の各文字に対応する通常の文字コードも通常の文字フォントも使用しない(1)ないし(3)項のいずれかに記載の通信端末。
【0025】
(5) さらに、
前記第2言語用入力データを、外部サーバにアクセスすることなく、前記第2言語用辞書メモリを用いて、前記特殊な文字コードに変換する第1変換手段と、
その変換された特殊な文字コードを、外部サーバにアクセスすることなく、前記第2言語用フォントメモリを用いて、前記フォントデータに変換する第2変換手段と
を含む(1)ないし(4)項のいずれかに記載の通信端末。
【0026】
(6) さらに、前記第1変換手段によって変換された特殊な文字コードを、その文字コードを構成する複数の要素コードに分解する分解手段を含み、
前記第2言語用フォントメモリは、前記複数の要素コードと、各要素コードに対応する要素を前記画面上に表示するためのフォントデータとの対応関係を予め記憶しており、
前記第2変換手段は、前記分解手段によって分解された各要素コードごとに、各要素コードを、前記第2言語用フォントメモリを用いて、前記フォントデータに変換する(5)項に記載の通信端末。
【0027】
(7) 前記分解手段は、いずれの変換テーブルも参照することなく、予め定められた規則に従い、前記第1変換手段によって変換された特殊な文字コードを、その文字コードを構成する複数の要素コードに分解する(6)項に記載の通信端末。
【0028】
(8) さらに、
ワークメモリと、
前記第2変換手段により、前記第2言語の1個の文字に対応する特殊な文字コードが、その特殊な文字コードに対応する複数の要素コードにそれぞれ対応する複数のフォントデータに変換された場合に、それらフォントデータを前記ワークメモリ上において画素ごとに位置合わせして重ね合わせ、それにより、それらフォントデータを、前記第2言語の1個の文字を前記画面上に表示するために必要なフォントデータに合成する合成手段と、
その合成されたフォントデータを用いて、前記第2言語の1個の文字を前記画面上に表示する表示手段と
を含む(6)または(7)項に記載の通信端末。
【0029】
(9) (1)ないし(8)項のいずれかに記載の通信端末の外部に設置され、その通信端末と他の通信端末との間における信号を中継する機能を有するサーバであって、
前記第2言語についての前記特殊な文字コードを前記第2言語についての通常の文字コードに変換するためのデータを予め記憶するコード変換テーブルと、
前記通信端末から受信した信号によって表されるテキストメッセージが前記特殊な文字コードによって作成されており、かつ、そのテキストメッセージの宛先が前記特殊な文字コードを解読不能であるか否かを判定する判定手段と、
その判定手段の判定結果が肯定的である場合に、前記テキストメッセージを表す特殊な文字コードを、前記コード変換テーブルを用いて、前記第2言語についての通常の文字コードに変換するコード変換手段と、
その変換された通常の文字コードによって表されたテキストメッセージをその宛先に送信する送信手段と
を含むサーバ。
【0030】
(10) 多言語対応携帯電話システムであって、
第1国の標準言語である第1言語と、第2国の標準言語である第2言語とのうち選択された言語を用いてテキストメッセージを送受信するために前記第1国内で使用される第1国内携帯電話機と、
前記第1国内に設置される第1国内サーバと
を含み、
前記第1国内サーバは、前記第1国内携帯電話機が予め登録されている場合に、前記第1国内に設置された第1国内基地局を中継地点として、前記第1国内携帯電話機と通信可能であり、
その第1国内サーバは、インターネットを介して、前記第2国内に設置された第2国内サーバと通信可能であり、
その第2国内サーバは、前記第2国内に設置された第2国内基地局を中継地点として、少なくとも前記第2言語を用いてテキストメッセージを送受信するために前記第2国内で使用される第2国内携帯電話機と通信可能であり、
前記第1国内携帯電話機は、
情報を表示するための画面と、
前記第1言語の各文字を前記画面上に表示するために前記第1国内携帯電話機にユーザによって入力された第1言語用入力データを、前記第1言語の複数個の変換候補文字をそれぞれ表す通常の文字コードに変換するためのデータを予め記憶する第1言語用辞書メモリと、
前記第1言語用入力データから変換されたかまたは前記第1国内の他の通信端末もしくは前記第2国内携帯電話機から受信した、前記第1言語の各文字についての通常の文字コードを、ビットマップデータであるフォントデータに変換するためのデータを予め記憶する第1言語用フォントメモリと、
前記第2言語の各文字を前記画面上に表示するために前記第1国内携帯電話機にユーザによって入力された第2言語用入力データを、前記第2言語での複数個の変換候補文字をそれぞれ表す特殊な文字コードに変換するためのデータを予め記憶する第2言語用辞書メモリと、
前記第2言語用入力データから変換されたかまたは前記第1国内の他の通信端末もしくは前記第2国内携帯電話機から受信した、前記第2言語の各文字についての特殊な文字コードを、ビットマップデータであるフォントデータに変換するためのデータを予め記憶する第2言語用フォントメモリと
を含み、
前記第2言語の各文字に対応する前記特殊な文字コードは、対応する1個の文字が分解された、それぞれが固有の形状を有する複数の要素にそれぞれ対応する複数の要素コードの組合せとして構成されており、
前記第1国内サーバは、
前記第2言語についての前記特殊な文字コードを前記第2言語についての通常の文字コードに変換するためのデータを予め記憶するコード変換テーブルと、
前記第1国内携帯電話機から前記第1国内基地局を経て受信した信号によって表されるテキストメッセージが前記特殊な文字コードによって作成されており、かつ、そのテキストメッセージの宛先が前記特殊な文字コードを解読不能であるか否かを判定する判定手段と、
その判定手段の判定結果が肯定的である場合に、前記テキストメッセージを表す特殊な文字コードを、前記コード変換テーブルを用いて、前記第2言語についての通常の文字コードに変換するコード変換手段と、
その変換された通常の文字コードによって表されたテキストメッセージをその宛先に送信するために前記第1国内基地局または前記第2国内サーバに転送する転送手段と
を含む多言語対応携帯電話システム。
【0031】
(11) (1)ないし(8)項のいずれかに記載の通信端末を構成する各要素を機能させるためにコンピュータによって実行されるプログラム。
【0032】
(12) (9)項に記載のサーバを構成する各要素を機能させるためにコンピュータによって実行されるプログラム。
【0033】
本明細書において、「プログラム」なる用語は、それの機能を果たすためにコンピュータにより実行される指令の組合せのみならず、各指令に従って処理されるファイルやデータをも含むように解釈することが可能である。
【0034】
前記(11)または(12)項に係るプログラムは、それ単独でコンピュータにより実行されることにより、所期の目的を達するものとしたり、他のプログラムと共にコンピュータにより実行されることにより、所期の目的を達するものとすることができる。後者の場合、このプログラムは、データを主体とするものとすることができる。
【0035】
(13) (11)または(12)項に記載のプログラムをコンピュータ読取り可能に記録した記録媒体。
【0036】
この記録媒体は種々な形式を採用可能であり、例えば、フレキシブル・ディスク等の磁気記録媒体、CD、CD−ROM等の光記録媒体、MO等の光磁気記録媒体、ROM等のアンリムーバブル・ストレージ等のいずれかを採用し得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
以下、本発明のさらに具体的な実施の形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明する。
【0038】
図1には、本発明の一実施形態に従う多言語対応携帯電話システム(以下、単に「システム」という。)10が系統図で表されている。このシステム10においては、第1国(例えば、自国である日本国)内に構築される第1サブネットワーク12と、第2国(例えば、他国である中国)内に構築される第2サブネットワーク14とが、グローバルネットワークとしてのインターネット16によって互いに接続されている。
【0039】
第1サブネットワーク12においては、各々、通信端末の一例である複数台の携帯電話機(図1には、1台の携帯電話機のみを代表的に示す。)20が、複数の基地局(図1には、1つの基地局のみを代表的に示す。)22と無線通信可能である。それら基地局22は、有線ケーブル24によってサーバ26に接続され、そのサーバ26はインターネット16に接続されている。
【0040】
この第1サブネットワーク12においては、さらに、各々、通信端末の別の例である複数台のパーソナルコンピュータ(図1には、1台のパーソナルコンピュータのみを代表的に示す。以下、「PC」と略称する。)28が、公衆電話ネットワーク30を介してサーバ26に接続されている。
【0041】
第1国内において使用される各携帯電話機20は、第1国の標準言語である第1言語(例えば、日本語)と、第2国の標準言語である第2言語(例えば、中国語)とのうち選択された言語を用いてテキストメッセージ(以下、単に「メッセージ」という。)を送受信することが可能である。また、第1国内に設置される複数の基地局22は、予め登録されている携帯電話機20からの信号を受信すると、その携帯電話機20をサーバ26に接続する。このように、各基地局22は、携帯電話機20とサーバ26との間において信号を中継する機能を有している。
【0042】
これに対し、第2サブネットワーク14においては、各々、通信端末の一例である複数台の携帯電話機40(図1には、1台の携帯電話機のみを代表的に示す。)が、複数の基地局(図1には、1つの基地局のみを代表的に示す。)42と無線通信可能である。それら基地局42は、有線ケーブル44によってサーバ46に接続され、そのサーバ46はインターネット16に接続されている。このサーバ46と、第1国内に設置されるサーバ26とは、それぞれ互いに国境を隔てて設置されるが、インターネット16を介して相互にデータを交換することが可能である。
【0043】
第2国内において使用される各携帯電話機40は、第2言語のみを用い、しかも、通常の文字コード(規格化された文字コード)のみを用いてメッセージを送受信することが可能である。また、第2国内に設置される複数の基地局42は、予め登録されている携帯電話機40からの信号を受信すると、その携帯電話機40をサーバ46に接続する。このように、各基地局42は、携帯電話機40とサーバ46との間において信号を中継する機能を有している。
【0044】
図2には、図1に示す、第1国内において使用される複数台の携帯電話機20のうち代表的なもののハードウエア構成がブロック図で概念的に表されている。この携帯電話機20は、コンピュータ50を主体として構成されており、そのコンピュータ50は、CPU52とメモリ54とがバス56を介して互いに接続されることによって構成されている。メモリ54は、ROM58と、ワークメモリ60が予め割り当てられたRAM62とを有する。
【0045】
バス56には、さらに、通話部70と、無線制御部72とが接続されている。通話部70は、送話音声を入力するマイク74と、受話音声を出力するスピーカ76とを有する。無線制御部72は、複数の基地局22との間において行われる無線通信を制御する機能を有する。この無線制御部72は、電波を送受信するためにアンテナ78を備えている。
【0046】
バス56には、さらに、キー入力部80と、表示部82とが接続されている。キー入力部80は、通話を開始するためにユーザによって操作される「通話開始」キーと、通話を終了するためにユーザによって操作される「通話終了」キーと、数字「0」〜「9」、平仮名、片仮名および英語のアルファベット「A」〜「Z」を入力するために操作される複数のキーとを有する。
【0047】
第1言語の一例である日本語の文字を携帯電話機20に入力するためには、まず、入力したい文字の読みをキー入力部80を介して仮名(ユーザが仮名を使用言語として選択した場合)で入力し、次に、仮名漢字変換を行って所望の文字(または文字列)を表示する。
【0048】
これに対し、第2言語の一例である中国語の文字を携帯電話機20に入力するためには、ピンイン(表音文字)を利用する。具体的には、まず、ユーザが英語のアルファベットを使用言語として選択したうえで、入力したい漢字のピンイン表記(英語のアルファベットの文字列であり、例えば、「n」「i」)をキー入力部80を介して入力する。次に、そのピンインに対応する漢字への変換操作を行って、複数個の変換候補文字(または文字列)を表示する。この例においては、「ni」が確定前文字である。
【0049】
なお付言するに、1個の確定前文字に対応する変換候補文字の数は、常に複数個であるとは限らず、1個である場合もあるが、通常、複数個であることから、本明細書においては、単に、複数個の変換候補文字という。
【0050】
上記変換操作後、ユーザは、表示された複数個の変換候補文字(または文字列)のうちから所望の文字(または文字列)のみを選択し、その後、特定の操作を行うと、その選択された文字(または文字列)が、確定前文字に対応する文字(または文字列)として確定される。
【0051】
なお付言するに、第2言語として、中国語の他に、韓国語やアラビア語、ロシア語などを代替的にまたは付加的に採用することが可能である。
【0052】
図2に示す表示部82は、情報を可視化して出力するために、表示媒体としての液晶ディスプレイ(以下、「LCD」と略称する。)84と、そのLCD84を駆動する表示ドライバと86を有する。LCD84は、それの画面上に情報をドットマトリクス方式で表示する。
【0053】
第2国内において使用される各携帯電話機40のハードウエア構成は、以上説明した、第1国内において使用される各携帯電話機20のハードウエア構成と基本的に共通するため、重複した説明を省略する。
【0054】
図3には、第1国内に設置される、図1に示すサーバ26のハードウエア構成がブロック図で概念的に表されている。このサーバ26は、コンピュータ90を主体として構成されており、そのコンピュータ90は、CPU92とメモリ94とがバス96を介して互いに接続されることによって構成されている。
【0055】
バス96には、さらに、通信インターフェース部98と、ハードディクスドライブ等の外部記憶装置100とが接続されている。このサーバ26は、その通信インターフェース部98において、図1に示す複数の基地局(第1国内に設置される)22と、インターネット16とにそれぞれ接続される。
【0056】
第2国内に設置されるサーバ46のハードウエア構成は、以上説明した、第1国内に設置されるサーバ26のハードウエア構成と基本的に共通するため、重複した説明を省略する。
【0057】
図4には、図1に示す携帯電話機20のROM58の内容が概念的に表されている。そのROM58は、辞書メモリ110と、フォントメモリ112と、アプリケーションメモリ114とを備えている。
【0058】
辞書メモリ110は、ユーザによって携帯電話機20に入力されたデータを複数個の変換候補文字に対応する文字コードに変換するために使用される。フォントメモリ112は、各文字の文字コードをフォントデータに変換するために使用される。
【0059】
ところで、携帯電話機20においては、文字を画面上に表示するために、文字コードとフォントデータとが使用される。フォントデータは、1文字分の画像を表す画像データであって、1個の文字を複数個のドットの集合として画面上に表示するために使用されるビットマップデータとして構成される。これに対し、文字コードは、対応する文字の識別子として使用される。
【0060】
携帯電話機20においては、第1国の標準言語の文字コードとして、通常の文字コード(以下、「通常コード」という。)のみが使用される。日本語についての通常の文字コードとしては、例えば、Shift−JISコードなどがある。これに対し、第2国内において使用される携帯電話機40においては、第2国の標準言語の文字コードとして、通常コードのみが使用される。中国語についての通常の文字コードとしては、例えば、GBコードやBig5コードがある。
【0061】
携帯電話機20においては、第2国の標準言語の文字コードとして、本発明者らが独自に作成した特殊な文字コード(以下、「特殊コード」という。)のみが使用される。すなわち、この携帯電話機20は、第1言語と第2言語とに対応可能であるが、第1言語については、通常コードのみでテキストメッセージを送受信することが可能であるのに対し、第2言語については、特殊コードのみでテキストメッセージを送受信することが可能なのである。
【0062】
ここで、第2言語についての特殊コードを詳細に説明すると、この特殊コードは、1個の文字を複数の要素に分解してコード化することによって構成されている。1個の文字に対応する特殊コードは、ビット数が共通化されている複数の要素コードを順に並べることによって構成される。ある特殊コードと、それに対応する複数の要素コードとの間における変換は、その配列規則に従えば、いずれの変換テーブルも参照することなく、行うことが可能である。
【0063】
1個の文字に割り当てられる複数の要素コードは、注目する1個の文字がそれの形状に着目して分解された複数の要素にそれぞれ割り当てられる。それら要素はそれぞれ、固有の形状を有するとともに、それらの要素のうちの一部は、異なる複数個の文字に共通に使用される。
【0064】
図5を参照することにより、特殊コードと要素コードとの関係をさらに具体的に説明する。特殊コードという概念は、中国語の漢字についてのみ適用可能なものではなく、例えば、日本語、韓国語等、他の言語の文字についても適用可能であるが、以下、図5を参照することにより、中国語の漢字であり日本語の漢字でもある「犬」と「太」とを例にとり、特殊コードと要素コードとの関係を説明する。
【0065】
漢字「犬」は、「大」という要素と、1文字分の画像内において右上隅に配置された「、」とに分解され、それぞれに、要素コード「X1」と「Y1」とが割り当てられる。したがって、漢字「犬」には、「X1Y1」という特殊コードが割り当てられる。
【0066】
同様にして、漢字「太」は、「大」という要素と、1文字分の画像内において下部中央に配置された「、」とに分解され、それぞれに、要素コード「X1」と「Y2」とが割り当てられる。したがって、漢字「太」には、「X1Y2」という特殊コードが割り当てられる。要素コード「X1」は、異なる2つの漢字「犬」および「太」に共通に使用される。
【0067】
図4に示すように、辞書メモリ110は、第1言語用辞書メモリ120と、第2言語用辞書メモリ122とを有する。第1言語用辞書メモリ120は、ユーザが第1言語を使用言語として選択してメッセージを作成することを指令した場合に、ユーザによる入力データを、第1言語の文字に対応する通常コードに変換するために使用される。
【0068】
これに対し、第2言語用辞書メモリ122は、ユーザが第2言語を使用言語として選択してメッセージを作成することを指令した場合に、ユーザによる入力データを第2言語の文字に対応する特殊コードに変換するために使用される。図6(a)に示すように、この第2言語用辞書メモリ122においては、入力データであるアルファベットの文字コードと、特殊コードとの対応関係が予め記憶されている。
【0069】
なお付言するに、第1国内において使用される各携帯電話機20は、第2言語の文字を、特殊コードであれば解読可能であるが、通常コードであると解読不能であるようになっている。これに対し、第2国内において使用される各携帯電話機40は、携帯電話機20についての第2言語と同じ言語(例えば、中国語)の文字を、通常コードであれば解読可能であり、特殊コードについては、ユーザの任意のサービス加入登録により、解読可能となるようになっている。
【0070】
図4に示すフォントメモリ112は、文字コードとフォントデータとの間の変換を行うために使用される。このフォントメモリ112は、第1言語用フォントメモリ130と、第2言語用フォントメモリ132とを有する。
【0071】
第1言語用フォントメモリ130は、第1言語の文字に対応する通常コードをフォントデータに変換するために使用される。これに対し、第2言語用フォントメモリ132は、第2言語の文字に対応する特殊コードをフォントデータに変換するために使用される。図6(b)に示すように、この第2言語用フォントメモリ132においては、要素コードとフォントデータとの対応関係が予め記憶されている。この第2言語用フォントメモリ132には、フォントデータが、一定の理論に従って圧縮された状態で記憶されている。
【0072】
図4に示すように、第1国内において使用される各携帯電話機20のROM58のうちのアプリケーションメモリ114には、メッセージ作成プログラムが予め記憶されている。このメッセージ作成プログラムは、ユーザが、キー操作により、他の携帯電話機20に送信すべきメッセージを、第1言語または第2言語で作成することを支援するためにCPU52によって実行される。
【0073】
本実施形態においては、図4に示すように、メッセージ作成プログラムとして、第1言語の文字でメッセージを作成するためにCPU52によって実行される第1言語用メッセージ作成プログラムと、第2言語の文字でメッセージを作成するためにCPU52によって実行される第2言語用メッセージ作成プログラムとがある。
【0074】
第1言語用メッセージ作成プログラムは、第1言語の文字に対応する通常コードでメッセージを作成するために実行されるのに対し、第2言語用メッセージ作成プログラムは、第2言語の文字に対応する特殊コードでメッセージを作成するために実行される。
【0075】
第1言語用メッセージ作成プログラムは、例えば特開2006−215654号公報に開示されている手法と同様な手法を採用するため、詳細な説明を省略する。この公報の内容は、本明細書に引用によって合体させられる。第2言語用メッセージ作成プログラムは、図7を参照して後に詳述する。
【0076】
図4に示すように、アプリケーションメモリ114には、さらに、メッセージ送信プログラムも予め記憶されている。このメッセージ送信プログラムは、第1言語用メッセージ作成プログラムまたは第2言語用メッセージ作成プログラムの実行によって作成されたメッセージを、宛先である他の携帯電話機20,40またはPC28に送信するためにCPU52によって実行される。メッセージの宛先は、第1国内において使用される他の携帯電話機20またはPC28である場合と、第2国内において使用される携帯電話機40である場合とがある。
【0077】
本実施形態においては、図4に示すように、メッセージ送信プログラムとして、第1言語の文字に対応する通常コードで作成されたメッセージを送信するためにCPU52によって実行される第1言語用メッセージ送信プログラムと、第2言語の文字に対応する特殊コードで作成されたメッセージを送信するためにCPU52によって実行される第2言語用メッセージ送信プログラムとがある。
【0078】
第1言語用メッセージ送信プログラムは、例えば特開2006−215654号公報に開示されている手法と同様な手法を採用するため、詳細な説明を省略する。この公報の内容は、本明細書に引用によって合体させられる。第2言語用メッセージ送信プログラムは、図9を参照して後に詳述する。
【0079】
図4に示すように、アプリケーションメモリ114には、さらに、メッセージ受信プログラムも予め記憶されている。このメッセージ受信プログラムは、送信元である他の携帯電話機20,40またはPC28からメッセージを受信するためにCPU52によって実行される。
【0080】
本実施形態においては、図4に示すように、メッセージ受信プログラムとして、第1言語の文字に対応する通常コードで作成されたメッセージを受信するためにCPU52によって実行される第1言語用メッセージ受信プログラムと、第2言語の文字に対応する特殊コードで作成されたメッセージを受信するためにCPU52によって実行される第2言語用メッセージ受信プログラムとがある。
【0081】
第1言語用メッセージ受信プログラムは、例えば特開2006−215654号公報に開示されている手法と同様な手法を採用するため、詳細な説明を省略する。この公報の内容は、本明細書に引用によって合体させられる。第2言語用メッセージ受信プログラムは、図11を参照して後に詳述する。
【0082】
本実施形態においては、図4に示すように、第1言語でメッセージを送受信するために必要なデータ(すなわち、第1言語用辞書メモリ120のためのデータ、第1言語用フォントメモリ130のためのデータ、第1言語用メッセージ作成プログラム、第1言語用メッセージ送信プログラムおよび第1言語用メッセージ受信プログラム)が、携帯電話機20のROM58にプリインストールされている。
【0083】
これに対し、第2言語でメッセージを送受信するために必要なデータ(すなわち、第2言語用辞書メモリ122のためのデータ、第2言語用フォントメモリ132のためのデータ、第2言語用メッセージ作成プログラム、第2言語用メッセージ送信プログラムおよび第2言語用メッセージ受信プログラム)は、ユーザが携帯電話機20を購入した後に、ユーザの要望に応じて、サーバ26またはそれとは別のサーバからダウンロードしてROM58にインストールされる。
【0084】
ここで、図7を参照することにより、第2言語用メッセージ作成プログラムを詳細に説明する。このプログラムは、ユーザが、携帯電話機20に対し、キー入力部80を介して、第2言語を使用言語として選択してメッセージを作成したい旨のリクエストを入力すると、それに応答して起動される。
【0085】
この第2言語用メッセージ作成プログラムが起動すると、まず、ステップS101において、ユーザが、キー入力部80を介して、確定前文字(例えば、第2言語が中国語である場合には、中国語の文字をピンイン方式で表記するアルファベット文字列)を入力する。
【0086】
次に、ステップS102において、入力された確定前文字の文字コードが、第2言語用辞書メモリ122を用いて、複数個の変換候補文字に対応する特殊コードに変換される。その後、ステップS103において、その特殊コードが、第2言語用フォントメモリ132を用いて、フォントデータに変換される。
【0087】
このステップS103の詳細が、図8にフローチャートで概念的に表されている。まず、ステップS201において、その特殊コードが、それを構成する複数の要素コードに分解される。例えば、前述の例、すなわち、特殊コードが「X1Y1」である場合には、それのビット列の並び順に着目して、第1の要素コード「X1」と、第2の要素コード「Y1」とに分解される。
【0088】
次に、ステップS202において、分解された各要素コードごとに、各要素コードが、第2言語用フォントメモリ132を用いて、フォントデータに、各要素コードに関連付けて変換される。続いて、ステップS203において、その変換された各フォントデータごとに、各フォントデータが、各要素コードに関連付けて伸張(復元)される。
【0089】
その後、ステップS204において、それらフォントデータが、ワークメモリ60上において画素ごとに位置合わせされて重ね合わせられる。例えば、1文字分の画像内における各画素ごとに、そこにドットが表示されるか否かを表すデータが、異なる複数のフォントデータについて、OR演算される。それにより、それらフォントデータが、第2言語の1個の文字を画面上に表示するために必要な1つのフォントデータに合成される。
【0090】
以上で、図7に示すステップS103の実行が終了し、続いて、ステップS104において、その合成フォントデータを用いることにより、今回の確定前文字に対応する複数個の変換候補文字(または文字列)が画面上に表示される。
【0091】
その後、ステップS105において、ユーザは、キー入力部80を介して、それら変換候補文字(または文字列)のうちのいずれかを、今回の確定前文字に対応する1個の変換文字(または文字列)として確定するための操作を行う。
【0092】
続いて、ステップS106において、ユーザが、キー入力部80を介して、メッセージの作成を終了したい旨のリクエストを出したか否かが判定される。そのリクエストが出されていない場合には、ステップS106の判定がNOとなり、ステップS101に戻り、次の文字を入力するための操作および処理が行われる。ステップS101ないしS106の実行が反復されることにより、今回のメッセージが作成される。
【0093】
ユーザが、キー入力部80を介して、メッセージの作成を終了したい旨のリクエストを出すと、ステップS106の判定がYESとなり、ステップS107において、今回、特殊コードで作成されたメッセージがRAM62に保存される。以上で、この第2言語用メッセージ作成プログラムの実行が終了する。
【0094】
次に、図9を参照することにより、第2言語用メッセージ送信プログラムを詳細に説明する。このプログラムは、ユーザが、携帯電話機20に対し、キー入力部80を介して、第2言語を使用して作成されたメッセージを送信したい旨のリクエストを入力すると、それに応答して起動される。
【0095】
この第2言語用メッセージ送信プログラムが起動すると、まず、ステップS301において、ユーザが、今回送信したいメッセージを特定する。次に、ステップS302において、その送信メッセージの属性を表す情報に基づき、その送信メッセージに使用されている文字コードが識別される。
【0096】
続いて、ステップS303において、送信メッセージが使用している文字コードが特殊コードであるか否かが判定される。その文字コードが特殊コードではない場合、すなわち、通常コードである場合には、ステップS303の判定がNOとなり、直ちにこの第2言語用メッセージ送信プログラムの実行が終了する。
【0097】
これに対し、今回の送信メッセージが使用している文字コードが特殊コードである場合には、ステップS303の判定がYESとなり、ステップS304に進む。このステップS304においては、図10に示すように、今回の送信メッセージを表すデータ列の先頭に付加されるべきヘッダに、今回の送信メッセージが特殊コードを使用している旨のフォントコードが追加される。そのヘッダには、さらに、送信元を識別するための情報や、宛先を識別するための情報が追加される。
【0098】
なお付言するに、今回の送信メッセージを第1言語の文字を用いて作成する場合には、第1言語の文字に対応する通常コードが使用されるため、この送信メッセージには、前述の第1言語用メッセージ送信プログラムの実行により、今回の送信メッセージを表すデータ列の先頭に付加されるべきヘッダに、今回の送信メッセージが通常コードを使用している旨のフォントコードが追加される。
【0099】
その後、図9に示すように、ステップS305において、今回の送信メッセージを送信するために送信されるべきデータが一定の規則に従って圧縮される。続いて、ステップS306において、その圧縮されたデータを表す信号が電波として最寄の基地局22に向かって送信される。以上で、この第2言語用メッセージ送信プログラムの実行が終了する。
【0100】
次に、図11を参照することにより、第2言語用メッセージ受信プログラムを詳細に説明する。このプログラムは、ユーザが、携帯電話機20に対し、キー入力部80を介して、他の携帯電話機20,40またはPC28から送信されたメッセージが存在する場合に、そのメッセージを受信したい旨のリクエストを入力すると、それに応答して起動される。
【0101】
この第2言語用メッセージ受信プログラムが起動すると、まず、ステップS401において、他の携帯電話機20,40またはPC28から送信されたメッセージが存在する場合に、そのメッセージが受信される。次に、ステップS402において、その受信メッセージのヘッダ内のフォントコードに基づき、その受信メッセージに、第2言語の文字に対応する特殊コードが使用されているか否かが判定される。
【0102】
今回は、受信メッセージが特殊コードを使用していないと仮定すると、ステップS402の判定がNOとなり、以上で、この第2言語用メッセージ受信プログラムの実行が終了する。これに対し、今回は、受信メッセージが特殊コードを使用していると仮定すると、ステップS402の判定がYESとなり、ステップS403に進む。このステップS403においては、受信メッセージを表す特殊コードが一定の規則に従って伸張(復元)される。
【0103】
続いて、ステップS404において、図7に示すステップS103と同様にして、特殊コードが、複数の要素コードに分解された後、第2言語用フォントメモリ132を用いて、フォントデータに変換される。
【0104】
その後、ステップS405において、そのフォントデータに基づき、受信メッセージが画面上に表示される。以上で、この第2言語用メッセージ受信プログラムの実行が終了する。
【0105】
図12には、第1国内において使用される各携帯電話機20の構成が機能ブロック図で概念的に表されている。
【0106】
各携帯電話機20においては、第2言語の文字を使用してメッセージを作成するためにユーザがキー入力部80を介してデータすなわち確定前文字を入力すると、第1変換手段140が、その入力データを、第2言語用辞書メモリ122を用いて、特殊コードに変換する。その特殊コードにより、確定前文字に対応する複数個の変換候補文字が特定される。その第1変換手段140は、携帯電話機20のコンピュータ50のうち、図7に示すステップS101およびS102を実行する部分によって構成されている。
【0107】
図12に示すように、携帯電話機20においては、分解手段142が、そのようにして取得された特殊コードを複数の要素コードに分解する。その分解手段142は、携帯電話機20のコンピュータ50のうち、図8に示すステップS201を実行する部分によって構成されている。
【0108】
さらに、図12に示すように、携帯電話機20においては、第2変換手段144が、そのようにして分解された各要素コードを、各要素コードごとに、第2言語用フォントメモリ132を用いて、フォントデータに変換する。その第2変換手段144は、携帯電話機20のコンピュータ50のうち、図8に示すステップS202を実行する部分によって構成されている。
【0109】
さらに、図12に示すように、携帯電話機20においては、合成手段146が、1つの特殊コードに対応する複数の要素コードについてそれぞれ取得された複数のフォントデータを、その特殊コードが割り当てられた1個の文字を画面上に表示するためのフォントデータに合成する。その合成手段146は、携帯電話機20のコンピュータ50のうち、図8に示すステップS204を実行する部分によって構成されている。
【0110】
さらに、図12に示すように、携帯電話機20においては、表示手段148が、そのようにして取得された合成フォントデータに基づき、文字を、表示部82の画面上に表示する。その結果、今回の確定前文字に対応する複数個の変換候補文字(または文字列)が画面上に表示される。その表示手段148は、携帯電話機20のコンピュータ50のうち、図7に示すステップS104を実行する部分によって構成されている。
【0111】
さらに、図12に示すように、携帯電話機20においては、第2言語の文字として画面上に表示されている複数個の変換候補文字(または文字列)のうちのいずれかをユーザがキー入力部80を介して選択すると、選択手段150が、今回の確定前文字に対応する変換文字を確定する。その選択手段150は、携帯電話機20のコンピュータ50のうち、図7に示すステップS105を実行する部分によって構成されている。
【0112】
以上、第1国内において使用される携帯電話機20を詳細に説明したが、第1国内に設置されるサーバ26は、図3に示すように、それのメモリ94において、コード変換テーブルと、転送プログラムとを有している。
【0113】
コード変換テーブルは、第2言語について通常コードと特殊コードとの間における変換を行うためにそれらコード間の対応関係を規定している。転送プログラムは、第1国内における携帯電話機20またはPC28と、第2国内における携帯電話機40との間において、送信元から宛先に送信すべきメッセージを中継するためにCPU92によって実行される。
【0114】
図13には、その転送プログラムがフローチャートで概念的に表されている。この転送プログラムは、第1国内における携帯電話機20もしくはPC28からメッセージを受信するか、または第2国内の携帯電話機40からメッセージを受信することに応答して起動する。
【0115】
この転送プログラムが起動すると、まず、ステップS501において、受信したメッセージのヘッダ情報が読み込まれ、次に、ステップS502において、そのヘッダ情報内のフォントコードから、今回受信したメッセージが、第2言語の文字に対応する特殊コードで作成されているか否かが判定される。
【0116】
今回受信したメッセージが特殊コードで作成されていない場合には、ステップS502の判定がNOとなり、ステップS507において、今回受信したメッセージが、コード変換なしで、転送される。
【0117】
このステップS507においては、そのメッセージの宛先が第2国内にある場合にはその第2国内のサーバ46、その宛先が第1国内にある場合にはその第1国内の複数の基地局22にそれぞれ転送される。今回受信したメッセージの宛先は、そのメッセージのヘッダ情報から識別される。以上で、この転送プログラムの実行が終了する。
【0118】
これに対し、今回受信したメッセージが特殊コードで作成されている場合には、ステップS502の判定がYESとなり、ステップS503において、ステップS501において読み込まれたヘッダから宛先情報が抽出される。
【0119】
その後、ステップS504において、その抽出された宛先情報と前述の登録に関する情報とに基づき、今回受信したメッセージの宛先が、特殊コードを解読不能な第1国内の携帯電話機20(PC28である場合もあるが、説明の便宜上、割愛する。)または第2国内の携帯電話機40であるか否かが判定される。
【0120】
ところで、各携帯電話機20,40のユーザは、第2言語でのメッセージの送受信を行うサービスに加入すると、ユーザは、その携帯電話機20,40に関して登録される。その結果、そのユーザは、前述の、第2言語でのメッセージの送受信を特殊コードで行うために必要なデータおよびプログラムを所定のサイトから自己の携帯電話機20,40にダウンロードしてインストールすることが可能になるとともに、その携帯電話機20,40が、特殊コードを解読可能である携帯電話機20,40であることが登録される。
【0121】
したがって、ステップS504においては、そのような事前の登録内容に基づき、今回受信したメッセージの宛先が、特殊コードを解読不能な携帯電話機20,40であるか否か、すなわち、第2言語の文字については通常コードでしか解読することができないか否かが判定される。具体的には、宛先の携帯電話機20,40が登録されていない場合には、その相手先は第2言語の文字については通常コードでしか解読することができないと判定される。
【0122】
今回受信したメッセージの宛先が、特殊コードを解読可能な携帯電話機20,40である場合には、ステップS504の判定がNOとなり、ステップS507に進む。
【0123】
これに対し、今回受信したメッセージの宛先が、特殊コードを解読不能な携帯電話機20,40である場合には、ステップS504の判定がYESとなり、ステップS505において、今回受信したメッセージを表す特殊コードが伸張(復元)される。続いて、ステップS506において、その伸張された特殊コードが、各特殊コードごとに、コード変換テーブルを用いて、通常コードに変換される。
【0124】
その後、ステップS507において、今回受信したメッセージが通常コードで宛先に向かって転送される。以上で、この転送プログラムの実行が終了する。
【0125】
図14には、第1国(自国)内のサーバ26の構成が機能ブロック図で概念的に表されている。このサーバ26においては、自国内の基地局22または第2国(他国)内のサーバ46からメッセージを受信すると、判定手段160が、そのメッセージに関するヘッダ情報に基づき、そのメッセージが、第2言語の文字に対応する特殊コードによって作成されており、かつ、そのメッセージの宛先が、特殊コードを解読不能な自国内の携帯電話機20または他国内の携帯電話機40であるか否かを判定する。その判定手段160は、サーバ26のコンピュータ90のうち、図13に示すS501ないしS504を実行する部分によって構成されている。
【0126】
図14に示すように、さらに、このサーバ26においては、その判定手段160の判定結果が肯定的であると、コード変換手段162が、受信したメッセージを表現する文字コードを、コード変換テーブルを用いて、特殊コードから通常コードに変換する。そのコード変換手段162は、サーバ26のコンピュータ90のうち、図13に示すS506を実行する部分によって構成されている。
【0127】
図14に示すように、さらに、このサーバ26においては、転送手段164が、通常コードで作成されたメッセージを、他国内のサーバ46または自国内の複数の基地局22に転送する。その転送手段164は、サーバ26のコンピュータ90のうち、図13に示すS507を実行する部分によって構成されている。
【0128】
以上の説明から明らかなように、本実施形態においては、すべての特殊コードに対応するすべてのフォントデータが圧縮されて第1国内の携帯電話機20にインストールされた後、すべてのフォントデータのうち、各回のメッセージ作成または表示に必要な文字のみに対応するものが選択的に伸張されるようになっている。
【0129】
その伸張されたフォントデータは、同じユーザによって今後再使用される可能性があるとして、携帯電話機20内の不揮発性メモリに保存してもよいが、メモリ容量の節減を優先させたい場合には、各回のメッセージ作成または表示の終了後、消去してもよい。
【0130】
さらに、本実施形態においては、特殊コードで作成されたメッセージを第1国内の携帯電話機20が送信する際、そのメッセージを表すデータが圧縮されるようになっているが、そのメッセージを圧縮せずに送信する態様で本発明を実施してもよい。
【0131】
以上、本発明の実施の形態のうちのいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、前記[発明の開示]の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0132】
【図1】本発明の一実施形態に従う多言語対応携帯電話システム10を示す系統図である。
【図2】図1に示す携帯電話機20のハードウエア構成を概念的に表すブロック図である。
【図3】図1に示すサーバ26のハードウエア構成を概念的に表すブロック図である。
【図4】図1に示す携帯電話機20のROM58の構成を概念的に表すブロック図である。
【図5】図1に示す多言語対応携帯電話システム10において第2言語の各文字を複数の要素に分解してコード化する手法を説明するための図である。
【図6】図6(a)は、図4に示す第2言語用辞書メモリ122の構成を概念的に説明するための図であり、図6(b)は、図4に示す第2言語用フォントメモリ132の構成を概念的に説明するための図である。
【図7】図4に示す第2言語用メッセージ作成プログラムを概念的に表すフローチャートである。
【図8】図7に示すステップS103の詳細を概念的に表すフローチャートである。
【図9】図4に示す第2言語用メッセージ送信プログラムを概念的に表すフローチャートである。
【図10】図9に示すステップS304を説明するために、送信メッセージを表すデータのストリーム構成を説明するための図である。
【図11】図4に示す第2言語用メッセージ受信プログラムを概念的に表すフローチャートである。
【図12】図1に示す携帯電話機20の構成を概念的に表す機能ブロック図である。
【図13】図3に示す転送プログラムを概念的に表すフローチャートである。
【図14】図1に示すサーバ26の構成を概念的に表す機能ブロック図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1言語と第2言語とのうち選択された言語を用いてテキストメッセージを送受信することが可能な通信端末であって、
情報を表示するための画面と、
前記第1言語の各文字を前記画面上に表示するために当該通信端末にユーザによって入力された第1言語用入力データを、前記第1言語の複数個の変換候補文字をそれぞれ表す通常の文字コードに変換するためのデータを予め記憶する第1言語用辞書メモリと、
前記第1言語用入力データから変換されたかまたは他の通信端末から受信した、前記第1言語の各文字についての通常の文字コードを、ビットマップデータであるフォントデータに変換するためのデータを予め記憶する第1言語用フォントメモリと、
前記第2言語の各文字を前記画面上に表示するために当該通信端末にユーザによって入力された第2言語用入力データを、前記第2言語での複数個の変換候補文字をそれぞれ表す特殊な文字コードに変換するためのデータを予め記憶する第2言語用辞書メモリと、
前記第2言語用入力データから変換されたかまたは他の通信端末から受信した、前記第2言語の各文字についての特殊な文字コードを、ビットマップデータであるフォントデータに変換するためのデータを予め記憶する第2言語用フォントメモリと
を含み、
前記第2言語の各文字に対応する前記特殊な文字コードは、対応する1個の文字が分解された、それぞれが固有の形状を有する複数の要素にそれぞれ対応する複数の要素コードの組合せとして構成される通信端末。
【請求項2】
前記複数の要素のうちの少なくとも一部は、前記第2言語の、異なる複数個の文字に共通に使用される請求項1に記載の通信端末。
【請求項3】
前記第2言語の各文字を前記画面上に表示するために、前記第2言語の各文字に対応する通常の文字コードも通常の文字フォントも使用しない請求項1または2に記載の通信端末。
【請求項4】
前記第2言語の複数個の文字で作成されたテキストメッセージを他の通信端末に送信するために、前記第2言語の各文字に対応する通常の文字コードも通常の文字フォントも使用しない請求項1ないし3のいずれかに記載の通信端末。
【請求項5】
さらに、
前記第2言語用入力データを、外部サーバにアクセスすることなく、前記第2言語用辞書メモリを用いて、前記特殊な文字コードに変換する第1変換手段と、
その変換された特殊な文字コードを、外部サーバにアクセスすることなく、前記第2言語用フォントメモリを用いて、前記フォントデータに変換する第2変換手段と
を含む請求項1ないし4のいずれかに記載の通信端末。
【請求項6】
さらに、前記第1変換手段によって変換された特殊な文字コードを、その文字コードを構成する複数の要素コードに分解する分解手段を含み、
前記第2言語用フォントメモリは、前記複数の要素コードと、各要素コードに対応する要素を前記画面上に表示するためのフォントデータとの対応関係を予め記憶しており、
前記第2変換手段は、前記分解手段によって分解された各要素コードごとに、各要素コードを、前記第2言語用フォントメモリを用いて、前記フォントデータに変換する請求項5に記載の通信端末。
【請求項7】
前記分解手段は、いずれの変換テーブルも参照することなく、予め定められた規則に従い、前記第1変換手段によって変換された特殊な文字コードを、その文字コードを構成する複数の要素コードに分解する請求項6に記載の通信端末。
【請求項8】
さらに、
ワークメモリと、
前記第2変換手段により、前記第2言語の1個の文字に対応する特殊な文字コードが、その特殊な文字コードに対応する複数の要素コードにそれぞれ対応する複数のフォントデータに変換された場合に、それらフォントデータを前記ワークメモリ上において画素ごとに位置合わせして重ね合わせ、それにより、それらフォントデータを、前記第2言語の1個の文字を前記画面上に表示するために必要なフォントデータに合成する合成手段と、
その合成されたフォントデータを用いて、前記第2言語の1個の文字を前記画面上に表示する表示手段と
を含む請求項6または7に記載の通信端末。
【請求項9】
請求項1ないし8のいずれかに記載の通信端末の外部に設置され、その通信端末と他の通信端末との間における信号を中継する機能を有するサーバであって、
前記第2言語についての前記特殊な文字コードを前記第2言語についての通常の文字コードに変換するためのデータを予め記憶するコード変換テーブルと、
前記通信端末から受信した信号によって表されるテキストメッセージが前記特殊な文字コードによって作成されており、かつ、そのテキストメッセージの宛先が前記特殊な文字コードを解読不能であるか否かを判定する判定手段と、
その判定手段の判定結果が肯定的である場合に、前記テキストメッセージを表す特殊な文字コードを、前記コード変換テーブルを用いて、前記第2言語についての通常の文字コードに変換するコード変換手段と、
その変換された通常の文字コードによって表されたテキストメッセージをその宛先に送信する送信手段と
を含むサーバ。
【請求項10】
多言語対応携帯電話システムであって、
第1国の標準言語である第1言語と、第2国の標準言語である第2言語とのうち選択された言語を用いてテキストメッセージを送受信するために前記第1国内で使用される第1国内携帯電話機と、
前記第1国内に設置される第1国内サーバと
を含み、
前記第1国内サーバは、前記第1国内携帯電話機が予め登録されている場合に、前記第1国内に設置された第1国内基地局を中継地点として、前記第1国内携帯電話機と通信可能であり、
その第1国内サーバは、インターネットを介して、前記第2国内に設置された第2国内サーバと通信可能であり、
その第2国内サーバは、前記第2国内に設置された第2国内基地局を中継地点として、少なくとも前記第2言語を用いてテキストメッセージを送受信するために前記第2国内で使用される第2国内携帯電話機と通信可能であり、
前記第1国内携帯電話機は、
情報を表示するための画面と、
前記第1言語の各文字を前記画面上に表示するために前記第1国内携帯電話機にユーザによって入力された第1言語用入力データを、前記第1言語の複数個の変換候補文字をそれぞれ表す通常の文字コードに変換するためのデータを予め記憶する第1言語用辞書メモリと、
前記第1言語用入力データから変換されたかまたは前記第1国内の他の通信端末もしくは前記第2国内携帯電話機から受信した、前記第1言語の各文字についての通常の文字コードを、ビットマップデータであるフォントデータに変換するためのデータを予め記憶する第1言語用フォントメモリと、
前記第2言語の各文字を前記画面上に表示するために前記第1国内携帯電話機にユーザによって入力された第2言語用入力データを、前記第2言語での複数個の変換候補文字をそれぞれ表す特殊な文字コードに変換するためのデータを予め記憶する第2言語用辞書メモリと、
前記第2言語用入力データから変換されたかまたは前記第1国内の他の通信端末もしくは前記第2国内携帯電話機から受信した、前記第2言語の各文字についての特殊な文字コードを、ビットマップデータであるフォントデータに変換するためのデータを予め記憶する第2言語用フォントメモリと
を含み、
前記第2言語の各文字に対応する前記特殊な文字コードは、対応する1個の文字が分解された、それぞれが固有の形状を有する複数の要素にそれぞれ対応する複数の要素コードの組合せとして構成されており、
前記第1国内サーバは、
前記第2言語についての前記特殊な文字コードを前記第2言語についての通常の文字コードに変換するためのデータを予め記憶するコード変換テーブルと、
前記第1国内携帯電話機から前記第1国内基地局を経て受信した信号によって表されるテキストメッセージが前記特殊な文字コードによって作成されており、かつ、そのテキストメッセージの宛先が前記特殊な文字コードを解読不能であるか否かを判定する判定手段と、
その判定手段の判定結果が肯定的である場合に、前記テキストメッセージを表す特殊な文字コードを、前記コード変換テーブルを用いて、前記第2言語についての通常の文字コードに変換するコード変換手段と、
その変換された通常の文字コードによって表されたテキストメッセージをその宛先に送信するために前記第1国内基地局または前記第2国内サーバに転送する転送手段と
を含む多言語対応携帯電話システム。
【請求項11】
請求項1ないし8のいずれかに記載の通信端末を構成する各要素を機能させるためにコンピュータによって実行されるプログラム。
【請求項12】
請求項9に記載のサーバを構成する各要素を機能させるためにコンピュータによって実行されるプログラム。
【請求項1】
第1言語と第2言語とのうち選択された言語を用いてテキストメッセージを送受信することが可能な通信端末であって、
情報を表示するための画面と、
前記第1言語の各文字を前記画面上に表示するために当該通信端末にユーザによって入力された第1言語用入力データを、前記第1言語の複数個の変換候補文字をそれぞれ表す通常の文字コードに変換するためのデータを予め記憶する第1言語用辞書メモリと、
前記第1言語用入力データから変換されたかまたは他の通信端末から受信した、前記第1言語の各文字についての通常の文字コードを、ビットマップデータであるフォントデータに変換するためのデータを予め記憶する第1言語用フォントメモリと、
前記第2言語の各文字を前記画面上に表示するために当該通信端末にユーザによって入力された第2言語用入力データを、前記第2言語での複数個の変換候補文字をそれぞれ表す特殊な文字コードに変換するためのデータを予め記憶する第2言語用辞書メモリと、
前記第2言語用入力データから変換されたかまたは他の通信端末から受信した、前記第2言語の各文字についての特殊な文字コードを、ビットマップデータであるフォントデータに変換するためのデータを予め記憶する第2言語用フォントメモリと
を含み、
前記第2言語の各文字に対応する前記特殊な文字コードは、対応する1個の文字が分解された、それぞれが固有の形状を有する複数の要素にそれぞれ対応する複数の要素コードの組合せとして構成される通信端末。
【請求項2】
前記複数の要素のうちの少なくとも一部は、前記第2言語の、異なる複数個の文字に共通に使用される請求項1に記載の通信端末。
【請求項3】
前記第2言語の各文字を前記画面上に表示するために、前記第2言語の各文字に対応する通常の文字コードも通常の文字フォントも使用しない請求項1または2に記載の通信端末。
【請求項4】
前記第2言語の複数個の文字で作成されたテキストメッセージを他の通信端末に送信するために、前記第2言語の各文字に対応する通常の文字コードも通常の文字フォントも使用しない請求項1ないし3のいずれかに記載の通信端末。
【請求項5】
さらに、
前記第2言語用入力データを、外部サーバにアクセスすることなく、前記第2言語用辞書メモリを用いて、前記特殊な文字コードに変換する第1変換手段と、
その変換された特殊な文字コードを、外部サーバにアクセスすることなく、前記第2言語用フォントメモリを用いて、前記フォントデータに変換する第2変換手段と
を含む請求項1ないし4のいずれかに記載の通信端末。
【請求項6】
さらに、前記第1変換手段によって変換された特殊な文字コードを、その文字コードを構成する複数の要素コードに分解する分解手段を含み、
前記第2言語用フォントメモリは、前記複数の要素コードと、各要素コードに対応する要素を前記画面上に表示するためのフォントデータとの対応関係を予め記憶しており、
前記第2変換手段は、前記分解手段によって分解された各要素コードごとに、各要素コードを、前記第2言語用フォントメモリを用いて、前記フォントデータに変換する請求項5に記載の通信端末。
【請求項7】
前記分解手段は、いずれの変換テーブルも参照することなく、予め定められた規則に従い、前記第1変換手段によって変換された特殊な文字コードを、その文字コードを構成する複数の要素コードに分解する請求項6に記載の通信端末。
【請求項8】
さらに、
ワークメモリと、
前記第2変換手段により、前記第2言語の1個の文字に対応する特殊な文字コードが、その特殊な文字コードに対応する複数の要素コードにそれぞれ対応する複数のフォントデータに変換された場合に、それらフォントデータを前記ワークメモリ上において画素ごとに位置合わせして重ね合わせ、それにより、それらフォントデータを、前記第2言語の1個の文字を前記画面上に表示するために必要なフォントデータに合成する合成手段と、
その合成されたフォントデータを用いて、前記第2言語の1個の文字を前記画面上に表示する表示手段と
を含む請求項6または7に記載の通信端末。
【請求項9】
請求項1ないし8のいずれかに記載の通信端末の外部に設置され、その通信端末と他の通信端末との間における信号を中継する機能を有するサーバであって、
前記第2言語についての前記特殊な文字コードを前記第2言語についての通常の文字コードに変換するためのデータを予め記憶するコード変換テーブルと、
前記通信端末から受信した信号によって表されるテキストメッセージが前記特殊な文字コードによって作成されており、かつ、そのテキストメッセージの宛先が前記特殊な文字コードを解読不能であるか否かを判定する判定手段と、
その判定手段の判定結果が肯定的である場合に、前記テキストメッセージを表す特殊な文字コードを、前記コード変換テーブルを用いて、前記第2言語についての通常の文字コードに変換するコード変換手段と、
その変換された通常の文字コードによって表されたテキストメッセージをその宛先に送信する送信手段と
を含むサーバ。
【請求項10】
多言語対応携帯電話システムであって、
第1国の標準言語である第1言語と、第2国の標準言語である第2言語とのうち選択された言語を用いてテキストメッセージを送受信するために前記第1国内で使用される第1国内携帯電話機と、
前記第1国内に設置される第1国内サーバと
を含み、
前記第1国内サーバは、前記第1国内携帯電話機が予め登録されている場合に、前記第1国内に設置された第1国内基地局を中継地点として、前記第1国内携帯電話機と通信可能であり、
その第1国内サーバは、インターネットを介して、前記第2国内に設置された第2国内サーバと通信可能であり、
その第2国内サーバは、前記第2国内に設置された第2国内基地局を中継地点として、少なくとも前記第2言語を用いてテキストメッセージを送受信するために前記第2国内で使用される第2国内携帯電話機と通信可能であり、
前記第1国内携帯電話機は、
情報を表示するための画面と、
前記第1言語の各文字を前記画面上に表示するために前記第1国内携帯電話機にユーザによって入力された第1言語用入力データを、前記第1言語の複数個の変換候補文字をそれぞれ表す通常の文字コードに変換するためのデータを予め記憶する第1言語用辞書メモリと、
前記第1言語用入力データから変換されたかまたは前記第1国内の他の通信端末もしくは前記第2国内携帯電話機から受信した、前記第1言語の各文字についての通常の文字コードを、ビットマップデータであるフォントデータに変換するためのデータを予め記憶する第1言語用フォントメモリと、
前記第2言語の各文字を前記画面上に表示するために前記第1国内携帯電話機にユーザによって入力された第2言語用入力データを、前記第2言語での複数個の変換候補文字をそれぞれ表す特殊な文字コードに変換するためのデータを予め記憶する第2言語用辞書メモリと、
前記第2言語用入力データから変換されたかまたは前記第1国内の他の通信端末もしくは前記第2国内携帯電話機から受信した、前記第2言語の各文字についての特殊な文字コードを、ビットマップデータであるフォントデータに変換するためのデータを予め記憶する第2言語用フォントメモリと
を含み、
前記第2言語の各文字に対応する前記特殊な文字コードは、対応する1個の文字が分解された、それぞれが固有の形状を有する複数の要素にそれぞれ対応する複数の要素コードの組合せとして構成されており、
前記第1国内サーバは、
前記第2言語についての前記特殊な文字コードを前記第2言語についての通常の文字コードに変換するためのデータを予め記憶するコード変換テーブルと、
前記第1国内携帯電話機から前記第1国内基地局を経て受信した信号によって表されるテキストメッセージが前記特殊な文字コードによって作成されており、かつ、そのテキストメッセージの宛先が前記特殊な文字コードを解読不能であるか否かを判定する判定手段と、
その判定手段の判定結果が肯定的である場合に、前記テキストメッセージを表す特殊な文字コードを、前記コード変換テーブルを用いて、前記第2言語についての通常の文字コードに変換するコード変換手段と、
その変換された通常の文字コードによって表されたテキストメッセージをその宛先に送信するために前記第1国内基地局または前記第2国内サーバに転送する転送手段と
を含む多言語対応携帯電話システム。
【請求項11】
請求項1ないし8のいずれかに記載の通信端末を構成する各要素を機能させるためにコンピュータによって実行されるプログラム。
【請求項12】
請求項9に記載のサーバを構成する各要素を機能させるためにコンピュータによって実行されるプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2009−59069(P2009−59069A)
【公開日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−224254(P2007−224254)
【出願日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【出願人】(501259905)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【出願人】(501259905)
【Fターム(参考)】
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