説明

多車種共用CRP台車

【課題】車種別の専用台車が使用されていたカウルパネル、ルーフレール、及びパッケージトレイ用台車を、多車種で共用できるようにした多車種共用CRP台車を提供する。
【解決手段】本発明の多車種共用CRP台車は、車体に組立てられるカウルパネル、ルーフレール、及びパッケージトレイをクランプし、車体ビルドアップ工程の作業室の上部で車体側に昇降可能に構成される多車種共用CRP台車であって、
フレームと、フレームの一方に構成され車種別に異なるカウルパネルをクランプする第1位置クランピングユニットと、フレームの他の一方に構成され車種別に異なるルーフレールをクランプする第2位置クランピングユニットと、フレームのまた他の一方に構成され車種別に異なるパッケージトレイをクランプする第3位置クランピングユニットと、を含むことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は多車種共用CRP台車に係り、より詳しくは、車体ビルドアップ工程において多車種の車体組立に対応可能な多車種共用CRP台車に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、車体は、車体サブ工程で生産された各種の製品パネルを組立てる過程を経て、ホワイトボディー(B.I.W)形態で構成される。
車体は、骨格の下部でエンジンと車軸などの駆動部とシート(seat)等を支持するフロアパネルと、骨格の左右の側面を形成する両側サイドパネルと、骨格の上面を形成するルーフパネルと、その他の複数個のルーフレール、カウルパネル、バックパネル、及びパッケージトレイなどの部品と、で構成される。
【0003】
このような車体部品の組立ては、車体ビルドアップ(body build−up)工程(メインバック(main buck)工程ともいう)で行われる。
車体ビルドアップ工程では、車体組立システムを通じてフロアパネルにバックパネルを接合した後、両側サイドパネル、ルーフパネル、ルーフレール、カウルパネル及びパッケージトレイなどを溶接して、組立てる。
【0004】
一方、車体組立システムは、カウルパネル(C)、ルーフレール(R)及びパッケージトレイ(P)をクランプ(clamping)し、これら部品を両側サイドパネルにマッチングする台車を備えている。CRP台車のCRPは、カウルパネル(Cowl panel)の略字C、ルーフレール(Roof rail)の略字R、パッケージトレイ(Package tray)の略字Pを組み合わせたものである。
このようなCRP台車は、カウルパネル、ルーフレール及びパッケージトレイをクランプした状態で、車体ビルドアップ工程の作業室の上部から下降し、サイドゲートに位置決めされる。
【0005】
しかしながら、従来技術では、CRP台車は、治具を基準に部品をクランプしていたため(例えば特許文献1を参照)、空間の制約などにより多車種による台車の共用化が難しかった。このためカウルパネル、ルーフレール、及びパッケージトレイをクランプするCRP台車は、車種別の専用台車が適用されていた。
【0006】
したがって、従来技術では、車種別の専用台車で、カウルパネル、ルーフレール及びパッケージトレイをクランプするため、新車種の追加時に設備準備期間がかかりすぎ、台車の保管場所が巨大になり、専用台車の投入による設備費などの初期投資額が増大するという問題点があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2002−187032号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
このような課題を解決するためになされた本発明は、車種別の専用台車が使用されていたカウルパネル、ルーフレール、及びパッケージトレイ用台車を、多車種で共用できるようにした多車種共用CRP台車を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
かかる課題を解決するためになされた本発明の多車種共用CRP台車は、車体に組立てられるカウルパネル、ルーフレール、及びパッケージトレイをクランプし、車体ビルドアップ工程の作業室の上部で車体側に昇降可能に構成される多車種共用CRP台車であって、
フレームと、フレームの一方に構成され、車種別に異なるカウルパネルをクランプする第1位置クランピングユニットと、フレームの他の一方に構成され、車種別に異なるルーフレールをクランプする第2位置クランピングユニットと、フレームのまた他の一方に構成され、車種別に異なるパッケージトレイをクランプする第3位置クランピングユニットと、を含むことを特徴とする。
【0010】
また本発明は、第1位置クランピングユニットが、車種別に位置の異なるカウルパネルの基準ホールに対応して位置変動が可能な少なくとも一つの第1基準ピンと、第1基準ピンを車体の移送方向、幅方向及び高さ方向に移動させる三軸の電動式の第1駆動部と、カウルパネルをクランプする少なくとも一つの第1クランパと、を含むことを特徴とする。
【0011】
また本発明は、第1位置クランピングユニットが、第1クランパを車体の移送方向及び高さ方向に移動させる二軸の電動式の第2駆動部を更に含むことを特徴とする。
【0012】
また本発明は、第1クランパが、カウルパネルのクランプ座面の角度差を吸収することができるスイベルクランパからなることを特徴とする。
【0013】
また本発明は、第1基準ピンが、第1駆動部と連結された装着ブロックに設けられ、装着ブロックには、車体に対するカウルパネルのマッチング部位を加圧するブロック状の第1プッシュ部が設けられたことを特徴とする。
【0014】
また本発明は、第2位置クランピングユニットは、フロントルーフレール及びリヤルーフレールそれぞれをクランプするために、フレームの第1位置クランピングユニット及び第3位置クランピングユニットの間に一対として構成されたことを特徴とする。
【0015】
また本発明は、第2位置クランピングユニットが、車種別に位置の異なるルーフレールの基準ホールに対応して位置変動が可能な少なくとも一つの第2基準ピンを含む第1ピンクランパと、第1ピンクランパを車体の移送方向、幅方向及び高さ方向に移動させるための三軸の電動式の第3駆動部と、ルーフレールを幅方向に加圧しクランプする保持部と、保持部を車体の移送方向に移動させるための第4駆動部と、を含むことを特徴とする。
【0016】
また本発明は、保持部が、ルーフレールの幅方向に移動可能に設けられた複数の保持フィンガを含み、保持フィンガが、第4駆動部と連結された第5駆動部によってルーフレールの幅方向に移動可能に設けられたことを特徴とする。
【0017】
また本発明の保持フィンガには、ルーフレールを間に置いて相互に向き合う、ブイ(V)字形状のクランプ溝が形成されたことを特徴とする。
【0018】
また本発明は、第3位置クランピングユニットが、車種別に位置の異なるパッケージトレイの基準ホールに対応して位置変動が可能な少なくとも一つの第3基準ピンを含む第2ピンクランパと、第2ピンクランパを車体の移送方向、幅方向及び高さ方向に移動させるための三軸の電動式の第6駆動部と、パッケージトレイをクランプする少なくとも一つの第2クランパと、を含むことを特徴とする。
【0019】
また本発明は、第3位置クランピングユニットが、第2クランパを車体の移送方向及び高さ方向に移動させるための二軸の電動式の第7駆動部を更に含むことを特徴とする。
また本発明は、第2クランパは、パッケージトレイの座面の角度差を吸収することができるスイベルクランパからなることを特徴とする。
【0020】
また本発明は、第3位置クランピングユニットが、パッケージトレイを加圧する第2プッシュ部と、第2プッシュ部を車体の移送方向及び高さ方向に移動させるための二軸の電動式の第8駆動部と、を更に含むことを特徴とする。
【0021】
また本発明は、第2プッシュ部が、第8駆動部に連結され、パッケージトレイの長さ方向に配置されるプッシュバーと、プッシュバーの両端部側にそれぞれ設けられ、車体に対するパッケージトレイのマッチング部位を加圧するプッシュブロックと、を含むことを特徴とする。
【0022】
また本発明は、フレームに構成され、車体ビルドアップ工程のサイドゲートと結合するピンブロックユニットを更に含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0023】
本発明は、第1、2、3位置クランピングユニットにより、車種別に異なる多車種のカウルパネル、ルーフレール、及びパッケージトレイを共用でクランプすることができるため、多車種のカウルパネル、ルーフレール、及びパッケージトレイを共用の台車で組立てることができる。
【0024】
したがって、従来技術の車種毎の専用で使用するCRP台車とは異なり、本発明では、カウルパネル、ルーフレール、及びパッケージトレイを多車種で共用でクランプする柔軟な生産が可能であるため、車種の追加による設備準備期間を短縮することができ、台車の保管場所を最小化することができ、車種の追加による初期投資を縮小することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の実施例による多車種共用CRP台車を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施例による多車種共用CRP台車に適用される第1位置クランピングユニットの構成を示す斜視図である。
【図3】本発明の実施例による多車種共用CRP台車に適用される第1位置クランピングユニットの構成を示す斜視図である。
【図4】本発明の実施例による多車種共用CRP台車に適用される第2位置クランピングユニットの構成を示す斜視図である。
【図5】本発明の実施例による多車種共用CRP台車に適用される第2位置クランピングユニットの構成を示す斜視図である。
【図6】本発明の実施例による多車種共用CRP台車に適用される第3位置クランピングユニットの構成を示す斜視図である。
【図7】本発明の実施例による多車種共用CRP台車に適用される第3位置クランピングユニットの構成を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下に、添付した図面を参照しつつ、本発明を詳しく説明する。
図1は、本発明の実施例による多車種共用CRP台車を示す斜視図である。
図1に示すように、本発明の多車種共用CRP台車100は、車体のサブ組立ラインにおいて組立てられ、運搬されたメインバック組立部品を、治具でクランプ及び溶接することによって、車体を組立てる車体組立ラインの車体ビルドアップ工程に適用される。
【0027】
ここで、メインバック組立部品というのは、フロアパネル、両側サイドパネル、ルーフパネル、カウルパネル、ルーフレール、及びパッケージトレイを含み、ルーフレールは、更にフロントルーフレールとリヤルーフレールとに区分することができる。
【0028】
この場合、フロアパネルは、移送台車によって車体ビルドアップ工程の作業室の内部に移送され、両側サイドパネルは、メインバックシステムのサイドゲートを介してフロアパネルにマッチングされる。
【0029】
以下では、フローパネルに両側サイドパネルがマッチングされたものを「車体」と定義し、移送台車によるフロアパネルの移送方向を「車体の移送方向」と定義し、「車体の幅方向」及び「高さ方向」を基準に説明する。
【0030】
本発明の実施例による多車種共用CRP台車100は、車体に組立てられるカウルパネル1、ルーフレール2a,2b、及びパッケージトレイ3をクランプする。
【0031】
多車種共用CRP台車100は、例えば車体ビルドアップ工程の作業室の上部で、別途の移送装置(通常「EMS」という)によって車体の移送方向に沿って移送可能に構成される。
【0032】
そして、多車種共用CRP台車100は、カウルパネル1、ルーフレール2a,2b、及びパッケージトレイ3をランプした状態で、移送装置によって車体ビルドアップ工程の作業室の上部から車体側に昇降可能に構成される。
【0033】
多車種共用CRP台車100は、車体ビルドアップ工程の作業室の上部から車体側に降下され、サイドゲートと結合される。
本発明の実施例による多車種共用CRP台車100は、車体ビルドアップ工程で車種別に異なる多車種のカウルパネル1、ルーフレール2a,2b、及びパッケージトレイ3を共用でクランプできる構造からなる。
【0034】
本発明の実施例による多車種共用CRP台車100は、基本的に、フレーム10と、ピンブロックユニット20と、第1位置クランピングユニット30と、第2位置クランピングユニット50と、第3位置クランピングユニット70とを有する。以下に、これらを各構成要素別に説明する。
【0035】
フレーム10は、以下で説明する各構成要素を実質的に支持するベースフレームであって、これら各構成要素を支持するための各種ブラケット、支持ブロック、カラーなどの付属要素を備えている。
本実施例では、例外的な場合を除き、上記の付属要素をフレーム10と通称することを原則とする。
【0036】
フレーム10は、前記移送装置(図示せず)に連結されるように装着され、複数の金属バーが車体の移送方向、幅方向及び高さ方向に連結された構造からなる。
フレーム10には、各種ボックス、バランスウェイト(balance weight)等が設けられる。
【0037】
ピンブロックユニット20は、移送装置によって車体ビルドアップ工程の作業室の上部から車体側に降下されたフレーム10を位置決め(ドッキング)するためのものである。
即ち、ピンブロックユニット20は、フレーム10をサイドゲート(図示せず)に位置決め結合させるためのものであって、ピンとホールを用いてフレーム10とサイドゲートとを結合する。
【0038】
ピンブロックユニット20は、一対としてフレーム10に設けられ、車体の移送方向(フレーム10の長さ方向)に沿って離隔して装着される。
ピンブロックユニット20は、フレーム10に幅方向に配置される装着フレーム21と、装着フレーム21の両端部側に設けられ、サイドゲート側に結合されるピンブロック23と、を含んでいる。
【0039】
第1位置クランピングユニット30は、車種別に異なるカウルパネル1を位置決めクランプするためのものであって、フレーム10の一方に構成される。
【0040】
図2及び図3は、本発明の実施例による多車種共用CRP台車に適用される第1位置クランピングユニットの構成を示す斜視図である。
第1位置クランピングユニット30は、フレーム10の車体の移動方向前方側に構成され、図2及び図3に示すように、第1基準ピン31と、第1駆動部32と、第1クランパ33と、第2駆動部34と、第1プッシュ部35と、を含む。
【0041】
第1基準ピン31は、カウルパネル1の両側にそれぞれ形成されたカウルパネルの基準ホール31aに挿入され、カウルパネル1を位置決めするためのものであって、車種別に位置の異なるカウルパネル1の基準ホールに対応して位置変動が可能に構成される。
第1基準ピン31は、以下で説明する、第1駆動部32と連結された装着ブロック36に設けられる。
【0042】
第1駆動部32は、車種別に位置の異なるカウルパネル1の基準ホール31aに対応し、第1基準ピン31を車体の移送方向、幅方向及び高さ方向に移動させることができる。
第1駆動部32は、第1基準ピン31が設けられた装着ブロック36を車体の移送方向、幅方向及び高さ方向に移動させる三軸の電動式駆動ユニットで構成される。
【0043】
第1駆動部32は、第1モータM1の回転運動を直線運動に変換する第1駆動体37と、第1駆動体37に車体の移送方向に移動可能に結合される第1移動部材38と、第1移動部材38に結合され、第2モータM2の回転運動を直線運動に変換する第2駆動体39と、第2駆動体39に車体の幅方向に移動可能に結合される第2移動部材40と、第2移動部材40に結合され、装着ブロック36を上下方向に移動させる第1作動シリンダ41と、を含んでいる。
【0044】
第1駆動体37は、第1モータM1と結合されるボールスクリュー(図示せず)を含み、車体の移送方向に配置され、第1移動部材38は、ボールスクリューに結合される。
第2駆動体39は、第2モータM2と結合されるボールスクリュー(図示せず)を含み、車体の幅方向に配置され、第2移動部材40は、ボールスクリューに結合される。
ボールスクリューは、モータの回転を用いて各移動部材38、40を移動させることができる。ボールスクリューの構成及び作動は、当該技術分野における通常の技術者にとって自明な事項であるので、詳しい説明は省略する。
【0045】
第1作動シリンダ41は、第1連結ブラケット42を介して第2移動部材40に結合される。第1作動シリンダ41の作動ロッド41aに、上記の装着ブロック36が結合される。
【0046】
第1クランパ33は、カウルパネル1の長さ方向に沿って両側縁部をクランプするためのものであって、その両側縁部に沿って複数個備えられる。
第1クランパ33は、以下で説明する第2駆動部34によって車体の移送方向及び高さ方向に移動可能に構成され、第1クランプシリンダ43によってカウルパネル1の両側縁部をクランプできる構造からなる。
このような第1クランパ33は、当業界で広く知られた公知技術のクランプ装置からなるため、本明細書においてその構成に関する更に詳しい説明は省略する。
【0047】
第2駆動部34は、第1クランパ33を車体の移送方向及び高さ方向に移動させる二軸の電動式の駆動ユニットで構成される。
第2駆動部34は、第3モータM3の回転運動を直線運動に変換する第3駆動体44と、第3駆動体44に車体の移送方向に移動可能に結合される第3移動部材45と、第3移動部材45に結合され、第1クランパ33を上下方向に移動させる第2作動シリンダ46と、を含んでいる。
【0048】
第3駆動体44は、第3モータM3と結合されるボールスクリューを含み、車体の移送方向に配置され、第3移動部材45は、ボールスクリューに結合される。
第2作動シリンダ46は、第2連結ブラケット47を介して第3移動部材45に結合され、第2作動シリンダ46の作動ロッド46aには、上記で言及した第1クランパ33が結合される。
【0049】
第1クランパ33は、カウルパネル1のクランプ座面の角度差を吸収できるスイベルクランパからなり、図面に示されていないボールジョイントとスプリングを介して第2作動シリンダ46の作動ロッド46aにスイベル可能に連結される。
【0050】
第1プッシュ部35は、車体に対するカウルパネル1のマッチング部位が浮くことを防止するためのものである。
第1プッシュ部35は、カウルパネル1のマッチング部位と第1基準ピン31が適用される位置が近接している点を勘案して、第1基準ピン31が設けられた装着ブロック36に設けられる。
第1プッシュ部35は、車体に対するカウルパネル1のマッチング部位を加圧するブロック状に構成され、第1基準ピン31と近接するように装着ブロック36に固定される。
【0051】
本発明の実施例において、第2位置クランピングユニット50は、図1に示すように、車種別に異なるルーフレール2a,2bをクランプするためのものであって、フレーム10の他の一方に構成される。
【0052】
第2位置クランピングユニット50は、車体の移送方向を基準に、第1位置クランピングユニット30の後方側でフレーム10に構成され、車体の移送方向前方側のフロントルーフレール2aと後方側のリヤルーフレール2bとを、それぞれクランプする。
【0053】
即ち、第2位置クランピングユニット50は、フロントルーフレール2aとリヤルーフレール2bとをクランプするために、フレーム10の第1位置クランピングユニット30と第3位置クランピングユニット70との間に一対で構成される。
【0054】
一対の第2位置クランピングユニット50それぞれは、フロントルーフレール2aとリヤルーフレール2bとに対応した同一の構成からなるが、本発明の実施例では、以下にフロントルーフレール2a(以下、「ルーフレール2a」と記する)をクランプする例について説明する。
【0055】
図4及び図5は、本発明の実施例による多車種共用CRP台車に適用される第2位置クランピングユニットの構成を示す斜視図である。
図4及び図5に示すように、本発明の実施例による第2位置クランピングユニット50は、第1ピンクランパ51と、第3駆動部52と、保持部53と、第4駆動部54と、を含む。
【0056】
第1ピンクランパ51は、ルーフレール2aそれぞれに形成されたルーフレール2aの基準ホール56aに挿入され、ルーフレール2aを位置決めする第2基準ピン56を含んでいる。
第1ピンクランパ51は、車種別に位置の異なるルーフレール2aの基準ホール56aに対応して位置変動が可能に構成される。
【0057】
ここで、第1ピンクランパ51は、以下で説明する第3駆動部52と連結された装着ブロック57に設けられる。
第3駆動部52は、車種別に位置の異なるルーフレール2aの基準ホール56aに対応して、第1ピンクランパ51を車体の移送方向、幅方向及び高さ方向に移動させるためのものである。
【0058】
第3駆動部52は、第1ピンクランパ51が設けられた装着ブロック57を車体の移送方向、幅方向及び高さ方向に移動させる三軸の電動式の駆動ユニットで構成される。
【0059】
具体的には、第3駆動部52は、第4モータM4の回転運動を直線運動に変換する第4駆動体58と、第4駆動体58に車体の移送方向に移動可能に結合される第4移動部材59と、第4移動部材59に結合され、第5モータM5の回転運動を直線運動に変換する第5駆動体60と、第5駆動体60に車体の幅方向に移動可能に結合される第5移動部材61と、第5移動部材61に結合され、装着ブロック57を上下方向に移動させる第3作動シリンダ62とを含んでいる。
【0060】
第4駆動体58は、第4モータM4と結合されるボールスクリューを含み、車体の移送方向に配置され、第4移動部材59は、ボールスクリューに結合される。
第5駆動体60は、第5モータM5と結合されるボールスクリューを含み、車体の幅方向に配置され、第5移動部材61は、ボールスクリューに結合される。
そして、第3作動シリンダ62は、第3連結ブラケット63を介して第5移動部材61に結合され、第3作動シリンダ62の作動ロッド62aには、上記の装着ブロック57が結合される。
【0061】
保持部53は、ルーフレール2aを圧迫(加圧)してクランプするためのものであって、ルーフレール2aに対応してフレーム10に一対として備えられる。
このような保持部53は互いに向かい合い、ルーフレール2aの幅方向に移動可能に設けられる複数の保持フィンガ65を含む。
【0062】
保持フィンガ65は、互いに遠くなる方向に離れていてから、互いに近づく方向に移動し、ルーフレール2aを幅方向に圧迫ローディングさせるためのものである。
【0063】
この場合、保持フィンガ65は、ルーフレール2aの幅方向(車体の移送方向)に移動するブロック状に構成され、ルーフレール2aを間において互いに向かい合うブイ(V)字形状のクランプ溝66が形成される。
つまり、保持フィンガ65は、ルーフレール2aの縁部を支持するブイ(V)字形状のクランプ溝66が形成されているため、互いに近づく方向に移動するとき、そのルーフレール2aの縁部を容易にガイドしながらクランプすることができる。
【0064】
保持部53は、第4駆動部54によって車体の移送方向に移動される。
第4駆動部54は、第6モータM6の回転運動を直線運動に変換する第6駆動体67と、第6駆動体67に車体の移送方向に移動可能に結合される第6移動部材68とを含んでいる。
【0065】
第6駆動体67は、第6モータM6と結合されるボールスクリューを含み、車体の移送方向に配置され、第6移動部材68は、ボールスクリューに結合される。
他方で、保持フィンガ65は、第4駆動部54と連結された第5駆動部69によってルーフレール2aの幅方向に移動される。
【0066】
第5駆動部69は、第6移動部材68に連結される幅調節シリンダ69cからなる。幅調節シリンダ69cには保持フィンガ65が結合され、シリンダの作動により、その保持フィンガ65をルーフレール2aの幅方向に沿って遠くなる方向または近づく方向に移動させることができる。
【0067】
本発明の実施例において、第3位置クランピングユニット70は、図1のように、車種別に異なるパッケージトレイ3をクランプするためのものであって、フレーム10に結合される。
第3位置クランピングユニット70は、車体を基準に、第2位置クランピングユニット50の車体の移送方向の後方側でフレーム10に構成される。
【0068】
図6及び図7は、本発明の実施例による多車種共用CRP台車に適用される第3位置クランピングユニットの構成を示す斜視図である。
図6及び図7に示すように、本発明の実施例による第3位置クランピングユニット70は、第2ピンクランパ71と、第6駆動部72と、第2クランパ73と、第7駆動部74と、第2プッシュ部75と、第8駆動部76とを含んでいる。
【0069】
第2ピンクランパ71は、パッケージトレイ3にそれぞれ形成されたパッケージトレイ3の基準ホール77aに挿入され、パッケージトレイ3を位置決めさせる第3基準ピン77を含んでいる。
第2ピンクランパ71は、車種別に位置の異なるパッケージトレイ3の基準ホール77aに対応して位置変動が可能に構成される。
【0070】
ここで、第2ピンクランパ71は、以下で説明する第6駆動部72と連結された装着ブロック79に設けられる。
第6駆動部72は、車種別に位置の異なるパッケージトレイ3の基準ホール77aに対応して第2ピンクランパ71を車体の移送方向、幅方向及び高さ方向に移動させるためのものである。
【0071】
このような第6駆動部72は、第2ピンクランパ71が設けられた装着ブロック79を車体の移送方向、幅方向及び高さ方向に移動させる三軸の電動式の駆動ユニットで構成される。
【0072】
第6駆動部72は、第7モータM7の回転運動を直線運動に変換する第7駆動体81と、第7駆動体81に車体の移送方向に移動可能に結合される第7移動部材82と、第7移動部材82に結合され、第8モータM8の回転運動を直線運動に変換する第8駆動体83と、第8駆動体83に車体の幅方向に移動可能に結合される第8移動部材84と、第8移動部材84に結合され、装着ブロック79を上下方向に移動させる第4作動シリンダ85とを含んでいる。
【0073】
第7駆動体81は、第7モータM7と結合されるボールスクリューを含み、車体の移送方向に配置され、第7移動部材82は、ボールスクリューに結合される。
第8駆動体83は、第8モータM8と結合されるボールスクリューを含み、車体の幅方向に配置され、第8移動部材84は、ボールスクリューに結合される。
【0074】
そして、第4作動シリンダ85は、第4連結ブラケット87を介して第8移動部材84に結合され、第4作動シリンダ85の作動ロッド85aには、上記の装着ブロック79が結合される。
第2クランパ73は、パッケージトレイ3の後方側縁部をクランプするためのものであって、その後方側縁部に沿って複数個備えられる。
【0075】
第2クランパ73は、以下で説明する第7駆動部74によって車体の移送方向及び高さ方向に移動可能に構成され、第2クランプシリンダ89によってパッケージトレイ3の後方側縁部をクランプできる構造からなる。
このような第2クランパ73は、当業界で広く知られた公知技術のクランプ装置からなるため、本明細書においてその構成に関する更に詳しい説明は省略する。
【0076】
第7駆動部74は、第2クランパ73を車体の移送方向及び高さ方向に移動させる二軸の電動式の駆動ユニットで構成される。
第7駆動部74は、第9モータM9の回転運動を直線運動に変換する第9駆動体91と、第9駆動体91に車体の移送方向に移動可能に結合される第9移動部材92と、第9移動部材92に結合され、第2クランパ73を上下方向に移動させる第5作動シリンダ93とを含んでいる。
【0077】
第9駆動体91は、第9モータM9と結合されるボールスクリューを含み、車体の移送方向に配置され、第9移動部材92は、ボールスクリューに結合される。
そして、第5作動シリンダ93は、第5連結ブラケット94を介して第9移動部材92に結合され、第5作動シリンダ93の作動ロッド93aには、上記の第2クランパ73が結合される。
【0078】
この場合、第2クランパ73は、パッケージトレイ3のクランプ座面の角度差を吸収できるスイベルクランパからなり、図面に図示していないボールジョイントとスプリングを介して第5作動シリンダ93の作動ロッドにスイベル可能に連結される。
第2プッシュ部75は、車体に対するパッケージトレイ3のマッチング部位が浮くことを防止するためのものである。
【0079】
第2プッシュ部75は、パッケージトレイ3の長さ方向(車体の幅方向)に配置される一定の長さのプッシュバー95と、プッシュバー95の両端部側にそれぞれ設けられるプッシュブロック96とを含んでいる。
プッシュバー95は、パッケージトレイ3のマッチング部位を均一に加圧するためのものであって、以下で説明する第8駆動部76に連結され、第8駆動部76によって車体の移送方向及び高さ方向に移動可能に構成される。
【0080】
プッシュブロック96は、車体に対するパッケージトレイ3のマッチング部位を加圧するためのものであって、プッシュバー95の両側下部面に固定され、ブロック状に構成される。
第8駆動部76は、プッシュバー95を車体の移送方向及び高さ方向に移動させる二軸の電動式の駆動ユニットで構成される。
【0081】
第8駆動部76は、第10モータM10の回転運動を直線運動に変換する第10駆動体97と、第10駆動体97に車体の移送方向に移動可能に結合される第10移動部材98と、第10移動部材98に結合され、プッシュバー95を上下方向に移動させる第6作動シリンダ99とを含んでいる。
第10駆動体97は、第10モータM10と結合されるボールスクリューを含み、車体の移送方向に配置され、第10移動部材98はボールスクリューに結合される。
【0082】
そして、第6作動シリンダ99は、第6連結ブラケット99bを介して第10移動部材98に結合され、第6作動シリンダ99の作動ロッド99aにはプッシュバー95が結合される。
【0083】
以下、上記のように構成される本発明の実施例による多車種共用CRP台車100の作動状態について、上記で開示した図面を参照しながら詳細に説明する。
本発明の実施例による多車種共用CRP台車100は、カウルパネル1、ルーフレール2a、2b及びパッケージトレイ3を同時にクランプすることができる。
【0084】
しかし、以下では、便宜上、カウルパネル1、ルーフレール2a、2b及びパッケージトレイ3の順に、これらカウルパネル1、ルーフレール2a,2b及びパッケージトレイ3を、第1位置クランピングユニット30、第2位置クランピングユニット50、及び第3位置クランピングユニット70により、それぞれクランプする例を説明する。
【0085】
第1位置クランピングユニット30の第1駆動部32は、車種別に位置の異なるカウルパネル1の基準ホール31aに対応して、第1基準ピン31を車体の移送方向、幅方向及び高さ方向に移動させる。
これによって、第1基準ピン31は、カウルパネル1の両側にそれぞれ形成されたカウルパネル1の基準ホール31aに挿入され、カウルパネル1が位置決めされる。
【0086】
この過程において、第1プッシュ部35は第1基準ピン31と共に移動され、カウルパネル1の基準ホール31aに近接する部位を加圧する。第1プッシュ部35は、車体に対するカウルパネル1のマッチング部位を加圧し、そのマッチング部位が浮くことを阻止する。
第1クランパ33は、第2駆動部34によって車体の移送方向及び高さ方向に移動され、第1クランプシリンダ43によってカウルパネル1の両側縁部をクランプする。
【0087】
このとき、第1クランパ33は、ボールジョイントとスプリングとを介して第2作動シリンダ46の作動ロッドにスイベル可能に連結されたスイベルクランパからなるので、カウルパネル1のクランプ座面(マッチング面)の角度差を吸収することができる。
【0088】
第2位置クランピングユニット50の第3駆動部52は、車種別に位置の異なるルーフレール2a,2bの基準ホール56aに対応して、第1ピンクランパ51を車体の移送方向、幅方向及び高さ方向に移動させる。
これによって、第1ピンクランパ51は、ルーフレール2a,2bにそれぞれ形成されたルーフレールの基準ホール56aに第2基準ピン56が挿入され、ルーフレール2a,2bが位置決めされる。
【0089】
この過程いおいて、保持部53は第4駆動部54によって車体の移送方向に移動され、その保持部53の保持フィンガ65は互いに遠くなる方向に離れていてから、第5駆動部69によってルーフレール2a,2bの幅方向に移動しながら、互いに近づく。
【0090】
保持部53の保持フィンガ65は、ルーフレール2a,2bを幅方向に圧迫し、ルーフパネル2a,2bをクランプする。
ここで、保持フィンガ65は、ルーフレール2a,2bの長さ方向側縁部を支持するブイ(V)字形状のクランプ溝66に形成されているため、互いに近づく方向に移動するとき、そのルーフレール2a,2bの縁部を容易にガイドしながらクランプすることができる。
【0091】
第3位置クランピングユニット70の第6駆動部72は、車種別に位置の異なるパッケージトレイ3の基準ホール77aに対応して、第2ピンクランパ71を車体の移送方向、幅方向及び高さ方向に移動させる。
これによって、第2ピンクランパ71は、パッケージトレイ3の両側にそれぞれ形成されたパッケージトレイ3の基準ホール77aに第3基準ピン77が挿入され、パッケージトレイ3が位置決めされる。
【0092】
この過程いおいて、第2クランパ73は、第7駆動部74によって車体の移送方向及び高さ方向に移動され、第2クランプシリンダ89によってパッケージトレイ3の後方側縁部をクランプする。
このとき、第2クランパ73は、ボールジョイントとスプリングを介して第5作動シリンダ93の作動ロッド93aにスイベル可能に連結されたスイベルクランパからなるため、パッケージトレイ3のクランプ座面の角度差を吸収することができる。
【0093】
次いで、第2プッシュ部75のプッシュバー95は、第8駆動部76によって車体の移送方向及び高さ方向に移動され、プッシュブロック96は、車体に対するパッケージトレイ3のマッチング部位を均一に加圧する。
これによって、第2プッシュ部75は、車体に対するパッケージトレイ3のマッチング部位を加圧し、そのマッチング部位が浮くことを阻止する。
【0094】
上述したように、第1位置クランピングユニット30、第2位置クランピングユニット50、及び第3位置クランピングユニット70によって、カウルパネル1、ルーフレール2a,2b及びパッケージトレイ3をクランプした状態で、本発明の実施例による多車種共用CRP台車100は、移送装置(図示せず)によって車体の移送方向に沿って車体ビルドアップ工程の作業室の上部側に移送される。
【0095】
次いで、CRP台車100は、移送装置によって車体ビルドアップ工程の作業室の上部から車体側に降下され、フレーム10をサイドゲート(図示せず)に位置決め(ドッキング)される。
ここで、フレーム10は、ピンブロックユニット20を介してサイドゲートと結合される。
【0096】
以上で説明したように、本発明の実施例による多車種共用CRP台車100によれば、第1位置クランピングユニット30、第2位置クランピングユニット50、及び第3位置クランピングユニット70により、車種別に異なる多車種のカウルパネル1、ルーフレール2a,2b、及びパッケージトレイ3を共用でクランプすることができる。
【0097】
したがって、本発明の実施例では、車種別に異なる多車種のカウルパネル1、ルーフレール2a、2b、及びパッケージトレイ3を多車種の柔軟な生産方式で組立てることができる。
【0098】
これにより、本発明の実施例では、専用で使用する従来技術のCRP台車とは異なり、カウルパネル1、ルーフレール2a,2b、及びパッケージトレイ3を共用でクランプする多車種の柔軟な生産が可能であるため、車種の追加による設備準備期間を短縮することができ、台車の保管場所を最小化することができ、車種の追加による初期投資額を縮小することができる。
【0099】
以上、本発明に関する好ましい実施形態を説明したが、本発明は前記実施形態に限定されず、本発明の属する技術範囲を逸脱しない範囲での全ての変更が含まれる。
【符号の説明】
【0100】
1 カウルパネル
2a,2b ルーフレール
3 パッケージトレイ
10 フレーム
20 ピンブロックユニット
21 装着フレーム
23 ピンブロック
30 第1位置クランピングユニット
31 第1基準ピン
31a カウルパネルの基準ホール
32 第1駆動部
33 第1クランパ
34 第2駆動部
35 第1プッシュ部
36 装着ブロック
50 第2位置クランピングユニット
51 第1ピンクランパ
52 第3駆動部
53 保持部
54 第4駆動部
56 第2基準ピン
56a ルーフレールの基準ホール
65 保持フィンガ
66 クランプ溝
69 第5駆動部
70 第3位置クランピングユニット
71 第2ピンクランパ
72 第6駆動部
73 第2クランパ
74 第7駆動部
75 第2プッシュ部
76 第8駆動部
77 第3基準ピン
77a パッケージトレイの基準ホール
95 プッシュバー
96 プッシュブロック
100 多車種共用CRP台車
M1〜M10 モータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体に組立てられるカウルパネル、ルーフレール、及びパッケージトレイをクランプし、車体ビルドアップ工程の作業室の上部で車体側に昇降可能に構成された多車種共用CRP台車であって、
フレームと、
前記フレームの一方に構成され、車種別に異なる前記カウルパネルをクランプする第1位置クランピングユニットと、
前記フレームの他の一方に構成され、車種別に異なる前記ルーフレールをクランプする第2位置クランピングユニットと、
前記フレームのまた他の一方に構成され、車種別に異なる前記パッケージトレイをクランプする第3位置クランピングユニットと、
を含むことを特徴とする多車種共用CRP台車。
【請求項2】
前記第1位置クランピングユニットは、
車種別に位置の異なるカウルパネルの基準ホールに対応して位置変動が可能な少なくとも一つの第1基準ピンと、
前記第1基準ピンを車体の移送方向、幅方向及び高さ方向に移動させる三軸の電動式の第1駆動部と、
前記カウルパネルをクランプする少なくとも一つの第1クランパと、
を含むことを特徴とする請求項1に記載の多車種共用CRP台車。
【請求項3】
前記第1位置クランピングユニットは、前記第1クランパを車体の移送方向及び高さ方向に移動させる二軸の電動式の第2駆動部を更に含むことを特徴とする請求項2に記載の多車種共用CRP台車。
【請求項4】
前記第1クランパは、前記カウルパネルのクランプ座面の角度差を吸収することができるスイベルクランパからなることを特徴とする請求項3に記載の多車種共用CRP台車。
【請求項5】
前記第1基準ピンは、前記第1駆動部と連結された装着ブロックに設けられ、前記装着ブロックには、前記車体に対する前記カウルパネルのマッチング部位を加圧するブロック状の第1プッシュ部が設けられたことを特徴とする請求項2に記載の多車種共用CRP台車。
【請求項6】
前記第2位置クランピングユニットは、フロントルーフレール及びリヤルーフレールそれぞれをクランプするために、前記フレームの前記第1位置クランピングユニット及び前記第3位置クランピングユニットの間に、一対として構成されたことを特徴とする請求項1に記載の多車種共用CRP台車。
【請求項7】
前記第2位置クランピングユニットは、
車種別に位置の異なるルーフレールの基準ホールに対応して位置変動が可能な少なくとも一つの第2基準ピンを含む第1ピンクランパと、
前記第1ピンクランパを車体の移送方向、幅方向及び高さ方向に移動させるための三軸の電動式の第3駆動部と、
前記ルーフレールを幅方向に加圧しクランプする保持部と、
前記保持部を車体の移送方向に移動させるための第4駆動部と、
を含むことを特徴とする請求項1に記載の多車種共用CRP台車。
【請求項8】
前記保持部は、前記ルーフレールの幅方向に移動可能に設けられた複数の保持フィンガを含み、前記保持フィンガは、前記第4駆動部と連結された第5駆動部によって前記ルーフレールの幅方向に移動可能に設けられたことを特徴とする請求項7に記載の多車種共用CRP台車。
【請求項9】
前記保持フィンガは、前記ルーフレールを間に置いて相互に向き合う、ブイ(V)字形状のクランプ溝が形成されたことを特徴とする請求項8に記載の多車種共用CRP台車。
【請求項10】
前記第3位置クランピングユニットは、
車種別に位置の異なるパッケージトレイの基準ホールに対応して位置変動が可能な少なくとも一つの第3基準ピンを含む第2ピンクランパと、
前記第2ピンクランパを車体の移送方向、幅方向及び高さ方向に移動させるための三軸の電動式の第6駆動部と、
前記パッケージトレイをクランプする少なくとも一つの第2クランパと、
を含むことを特徴とする請求項1に記載の多車種共用CRP台車。
【請求項11】
前記第3位置クランピングユニットは、前記第2クランパを車体の移送方向及び高さ方向に移動させるための二軸の電動式の第7駆動部を更に含むことを特徴とする請求項10に記載の多車種共用CRP台車。
【請求項12】
前記第2クランパは、前記パッケージトレイの座面の角度差を吸収することができるスイベルクランパからなることを特徴とする請求項11に記載の多車種共用CRP台車。
【請求項13】
前記第3位置クランピングユニットは、
前記パッケージトレイを加圧する第2プッシュ部と、
前記第2プッシュ部を車体の移送方向及び高さ方向に移動させるための二軸の電動式の第8駆動部と、
を更に含むことを特徴とする請求項10に記載の多車種共用CRP台車。
【請求項14】
前記第2プッシュ部は、前記第8駆動部に連結され、前記パッケージトレイの長さ方向に配置されるプッシュバーと、前記プッシュバーの両端部にそれぞれ設けられ、前記車体に対する前記パッケージトレイのマッチング部位を加圧するプッシュブロックと、を含むことを特徴とする請求項13に記載の多車種共用CRP台車。
【請求項15】
前記フレームに構成され、車体ビルドアップ工程のサイドゲートと結合するピンブロックユニットを更に含むことを特徴とする請求項1に記載の多車種共用CRP台車。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−100078(P2013−100078A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−160707(P2012−160707)
【出願日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【出願人】(591251636)現代自動車株式会社 (1,064)
【Fターム(参考)】