大容量電線の接続装置
【課題】 高層建築物等の配線コア内への電力幹線の配線が容易で、各階層における分岐回線を必要本数だけ任意に分岐させ易く、この分岐線の分岐が極めて迅速容易に行い得る分岐装置の提供。
【解決手段】 一端側3に大容量電線を挿入する電線挿通穴8を備えたスリーブ9を有する接続本体1であって、該スリーブ9に連なる通電接続部2が、柱状体を軸線方向に沿って切断された略半柱体形に形成し、該接続部2が、その長手方向に所定の間隔sを隔てた複数の連結ボルト孔5と、前記一端側3に偏した箇所と他端側4に偏した箇所との何れか一方に形成された肉厚方向に凹入する嵌合穴6と、何れか他方に形成された前記嵌合穴6と嵌合する嵌合突起7とを備えた形状とし、このような形状とした接続本体1が、2体一組として前記嵌合穴6と嵌合突起7が相互に嵌合し合う対称形姿勢に組み合わされ、前記連結ボルト孔5を介して一体的にボルト連結されて使用される構造とする。
【解決手段】 一端側3に大容量電線を挿入する電線挿通穴8を備えたスリーブ9を有する接続本体1であって、該スリーブ9に連なる通電接続部2が、柱状体を軸線方向に沿って切断された略半柱体形に形成し、該接続部2が、その長手方向に所定の間隔sを隔てた複数の連結ボルト孔5と、前記一端側3に偏した箇所と他端側4に偏した箇所との何れか一方に形成された肉厚方向に凹入する嵌合穴6と、何れか他方に形成された前記嵌合穴6と嵌合する嵌合突起7とを備えた形状とし、このような形状とした接続本体1が、2体一組として前記嵌合穴6と嵌合突起7が相互に嵌合し合う対称形姿勢に組み合わされ、前記連結ボルト孔5を介して一体的にボルト連結されて使用される構造とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、集合体建築物、殊に高層建築物等で電力幹線として配線される大容量電線を接続する電線接続装置と、該電線接続装置を利用して大容量電線から各階層で分岐配線される電線分岐構造を備えた電線接続装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から被覆電線どうしを接続する接続手段や、電線から分岐線を分岐させる手段は既に公知となっている。また、大容量電線から分岐線を分岐させる手段についても公知になっている。
【0003】
後者の大容量電線から分岐線を分岐させる技術としては、本願出願人の開発した技術の他にも既に刊行物に記載され公知となっている。これらの先行技術は、何れも大容量電線の所定の中間部の被覆を剥離して芯線を露出させ、この芯線部分に、接続すべき分岐線の先端部の被覆を剥離した芯線部分どうしを沿わせて直接接触させ、これらの芯線どうしを断面C字形とした導体金属金具で圧着結合して通電可能な状態とし、その結合部分の周囲を特定形状に形成された絶縁ケースによって覆うか絶縁テープを巻回して絶縁するようにしたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9−284971号公報
【特許文献2】特開平5−146045号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
これらの特許文献1,2に記載の先行技術にあっては、何れのものも通電主体となる大容量電線の被覆を、分岐線の分岐箇所において、全周面にわたって剥離除去する必要があり、そのため時間と手数を要するものとなっていた。即ち、この大容量電線の途中部分の被覆を剥離する作業は、電線の切断端部の被覆を、電線の端部方向に向けて除去する作業とは比較にならない程度に時間を必要とするものである。
【0006】
また、これらの特許文献1,2に記載の技術は、もともと長尺の電線の途中から分岐線を分岐させるという技術に関するものであるから、この分岐箇所で使用する絶縁ケースを利用して、電線の端部どうしを接続して一本の長尺電線とすることに関する技術については全く考慮されていない。
【0007】
本発明は、このような従来技術にみられる電線の分岐専用の技術ではなく、高層建築物等の配線コア内に電力幹線として配線するのに極めて容易に配線できるようにした大容量電線の接続装置と、建築物内の各階層において必要となる分岐回線を、必要な本数だけ任意に分岐させて取り出すことができ、この分岐線の分岐が極めて迅速容易に行い得る分岐装置を備えた電線接続装置をここに提案しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
該目的を達成するために講じた本発明にいうところの請求項1に記載の大容量電線の接続装置の構成を実施例として示した図面の符号を使用して説明すると、一端側3に大容量電線の裸線を挿入する電線挿通穴8を備えたスリーブ9を有する接続本体1であって、該スリーブ9に連なる通電接続部2が、柱状体を軸線方向に沿って切断された略半柱体形に形成され、該接続部2が、その長手方向に所定の間隔sを隔てた複数の連結ボルト孔5と、前記一端側3に偏した箇所と他端側4に偏した箇所との何れか一方に形成された肉厚方向に凹入する嵌合穴6と、何れか他方に形成された前記嵌合穴6と嵌合する嵌合突起7とを備えた形状とされ、このような形状とされた接続本体1が、2体一組として前記嵌合穴6と嵌合突起7が相互に嵌合し合う対称形姿勢に組み合わされ、前記連結ボルト孔5を介して一体的にボルト連結されて使用される構造としたものである。
【0009】
続く請求項2に記載の大容量電線の接続装置の構成は、一端側3に大容量電線の裸線を挿入する電線挿通穴8を備えたスリーブ9を有する接続本体1と分岐体11とからなる通電線接続装置であって、接続本体1における前記スリーブ9に連なる通電接続部2が、柱状体を軸線方向に沿って切断された略半柱体形に形成され、該接続部2が、その長手方向に所定の間隔sを隔てた複数の連結ボルト孔5と、前記一端側3に偏した箇所と他端側4に偏した箇所との何れか一方に形成された肉厚方向に凹入する嵌合穴6と、何れか他方に形成された前記嵌合穴6と嵌合する嵌合突起7とを備えた形状とされ、前記分岐体11が、平板状で、前記接続部2における所定の間隔sを隔てて形成された複数の連結ボルト孔5と対応する間隔sを隔てて形成された複数の連結ボルト孔51と、該間隔s方向と交差する方向に所要の間隔dを隔てて形成された別のボルト挿通孔52とが形成され、該分岐体11を挟んで、前記接続本体1が2体一組として、前記嵌合穴6と嵌合突起7が相互に嵌合し合うか対向し合う対称形姿勢に配置され、前記接続本体1の連結ボルト孔5と分岐体11の連結ボルト孔51とを介して一体的にボルト連結され、かつ、分岐体11における他のボルト挿通孔52を用いて分岐線を分岐させる構造を備えた構成としたものである。
【0010】
また、請求項3に記載の大容量電線の接続装置の構成は、請求項1または2に記載の装置に従属する構成であって、接続部2の表面が、連結状態において仮想柱体のほぼ中心線を通る面上で面接触する形状とされ、嵌合穴6と嵌合突起7とが嵌合姿勢において仮想柱体の中心線から外周面側に変位する構造としてあることを要件とするものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明にいう請求項1に記載の大容量電線の接続装置は、一端側のみに電線挿通穴を形成し、これに連なる接続本体を、複数の連結用ボルト孔と、相互に嵌合し合う嵌合穴と嵌合突起とを備えているものとし、これを2体一組として対称姿勢に組み合わせて連結ボルトによって連結一体化できるようにしたものであるから、連結体全体からみると構造簡単な形態で接続本体を形成でき、量産化に適し、大量生産が容易で、均質製品を製造し易いという優れた効果を有する。
【0012】
更に、本発明は、接続本体の接続部を、柱状体を軸線方向に沿って半割形状に切断した形の略半柱体形状とし、この接続部に互いに嵌合し合う嵌合穴と嵌合突起とを備えさせた構造とし、これらの嵌合穴と嵌合突起とが軸線方向の2カ所で、柱状体の中心線を越えて他方の接続部側で互いに嵌合し合う形態としてあるため、それぞれの電線挿通穴に予め所要の電線をかしめ連結した状態で、2体一組として前記のように対称姿勢に組み合わせ姿勢とするだけで、連結ボルトによる連結前であっても、電線どうしを縦方向に吊り下げ状態として、高層建築物等の配線コア内に電力幹線を吊り下げ配線することができるという顕著な効果を有する。
【0013】
請求項2に記載の大容量電線の接続装置は、上記の諸効果を有する接続本体を2体一組として対称姿勢に組み合わせて連結ボルトによって連結一体化できるようにしたものであるから、必要に応じて嵩の小さい2体一組の接続本体どうしだけで、建築物における配線コア内における配線を行い、この接続部が建築物の各階層に位置するように配置した状態で、各階層部において、必要な分岐回線を分岐させるに足る形状とした分岐体を選定し、この分岐体を2体一組の接続本体における接続部間に挟み込んでボルト連結し、該分岐体における分岐線取り出し部に必要となる分岐線をボルト連結するだけの操作で、必要な本数だけ任意に分岐させて取り出すことができ、この分岐線の分岐が極めて迅速容易にかつ確実に行い得るという顕著な効果を有する。
【0014】
また、請求項3に記載のように、接続本体における接続部の表面を、連結状態において仮想柱体のほぼ中心線を通る面上に位置するようにして面接触する形状とし、嵌合穴と嵌合突起とが嵌合姿勢において仮想柱体の中心線から外周面側に変位する構造としておくことによって、接続本体どうしの連結と、接続本体における接続部間への分岐体の挟持連結との通電をより一層確実なものとすることができる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】第1実施例の接続装置を示す斜視図。
【図2】接続本体の外表面と内表面とを示す平面図。
【図3】接続本体の連結方法を説明する中央縦断面図。
【図4】接続本体の連結状態を示す平面図。
【図5】図4の中央縦断面図。
【図6】電線接続状態を示す斜視図。
【図7】第2実施例の接続装置を示す平面図。
【図8】図7のA−A線に沿った縦断面図。
【図9】分岐体を示す平面図。
【図10】接続本体の連結状態を示す平面図。
【図11】電線接続状態を示す一部縦断斜視図。
【図12】他の分岐体を示す平面図。
【図13】更に他の分岐体を示す平面図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
上記のような構造とした本発明にいう接続装置を実施するに当たっては、接続本体における接続部の連結表面を平坦面としたもののみならず、角形波形や弧状波形を長手方向や幅方向に沿って形成してあるものとし、2体の連結時における接触面積を増大させた構造として実施してもよい。言うまでもなくこの場合には、2体間に挟持させる分岐体の表背面の形状も同様に接触面積を増大させるに足る波形を備えた形状として実施するのが好ましい。また、分岐線が幹線に比して細線である場合には、それに見合った大きさの、前記接続本体と相似形の接続体を形成して使用するのも一つの手段であるが、別途形成した小径のスリーブを使用して、これを接続本体の電線挿通穴に挿通するか、分岐線の先端に外嵌して、前記の接続本体を使用するようにしてもよい。
【実施例1】
【0017】
以下本発明の第1実施例について図面に基づいて説明する。該第1実施例に示した大容量電線の接続装置は、図1乃至図5に示したように、同一形状に形成した二つの部材を垂直軸と水平軸とにおいて軸対称に配置して組み合わせて使用する構造とした接続装置について示したものである。
【0018】
而して、その構成部材である接続本体1は、図2,3において下側に示した部材の一端側(図において左側)3に、図1に示した大容量電線21の絶縁被覆22を剥離した裸線部分23を挿入するための電線挿通穴8を備えたスリーブ9を有し、該スリーブ9の右側に連なる部分を通電接続部2としてある。
【0019】
この通電接続部2の概形を、円柱体を軸線方向に沿って切断させた形状の略半円柱体状に形成し、その切断表面2aを平坦面とし、この接続部2に、長手方向に所定の間隔sを隔てて二つの連結ボルト孔5,5とナット孔とを形成するとともに、該接続部2の前記一端側3に連なる端部に、幅方向全体にわたって連なる凹入溝を肉厚方向に凹入させた嵌合穴6を形成し、該接続部2における他端側4の終端部に、幅方向全体にわたって上方に突出する凸条形の嵌合突起7を形成してある形状としたものである。
【0020】
このような形状に形成した接続本体1を2体一組として、殊に図3,5に示したように前記嵌合穴6と嵌合突起7とが相互に嵌合し合うように、前記のように軸対称形姿勢として組み合わせて、前記連結ボルト孔5,5を介して2本のボルトbとナットnで一体的に締め付け連結する構造としたものである。
【0021】
このようにした接続本体1を2体一組として連結した状態は、図1の斜視図及び図4,5の平面図と断面図に示した通りである。
【0022】
而して、このようにした接続装置を使用して2本の大容量電線21,21どうしの接続を行う手段の一つは、図1に示したように、先端部分の絶縁被覆22を所定の長さ、具体的には接続本体1におけるスリーブ9内に形成してある電線挿通穴8にぴったりと納まる長さ分だけ剥離除去した裸線部分23をそれぞれの電線挿通穴8に挿入して、スリーブ9の外周面を加圧工具によって加圧圧縮させて接続する。このようにして、図6に示したように2本の電線21,21を電気的に接続可能な状態にする。
【0023】
重複を避けるため図面は省略したが、2本の電線21,21どうしを接続する他の手段としては、電線21の被覆を剥離除去した裸線部分23を、未連結の単体状態の接続本体1における電線挿通穴8に挿通し、当該スリーブ9の外周面を加圧圧縮させて予め電気的に接続したものを、2体一対としてボルト連結する方法がある。2本の電線どうしの接続はこのようにして実施することができる。
【0024】
図7乃至図11は第2実施例の大容量電線の接続装置を示した図である。この第2実施例に示した接続装置における図7,10,11の下側に示した幹線側の大容量電線の接続装置を構成する左右2体の接続本体1,1は、前記第1実施例に示した大容量電線の接続装置を構成する2体一対の接続本体1,1と同一のものを示している。したがって、接続本体1の構成については説明を省略する。
【0025】
而して、該第2実施例に示した接続装置は、2体一対の接続本体1,1をボルトbとナットnによる連結に際して、図8,10,11に示したように別途形成した分岐体11を介在させる。この分岐体11は、図9に示したように平板状で、前記接続本体1の接続部2に形成してある二つの連結ボルト孔5,5と対応する間隔sを(図において左右方向)に隔てて形成した二つの連結ボルト孔51,51と、この間隔s方向と交差する方向(図において上下方向)に所要の間隔dを隔てて形成された別の二つのボルト挿通孔52,52とを形成した形状としてある。
【0026】
このようにした分岐体11を、前記2体の接続本体1,1の接続部2,2の間に挟み込んで、接続本体1,1の連結ボルト孔5,5と該分岐体11の連結ボルト孔51,51を貫通させて一体的にボルト連結する。この状態において、分岐体11は図7のように、前記別の二つのボルト挿通孔52,52が存在する状態で接続本体1,1の一側(図において上方)に突出している。
【0027】
この分岐体11における突出部分に存在する二つのボルト挿通孔52,52を使用して図11のように分岐線210を分岐させる。この分岐線210は、その先端部の裸線部分を、前記接続本体1と相似形で少し小形に形成した別体の接続本体10における一側に形成してあるスリーブ90内の電線挿通穴80(図7参照)に挿入して、その外周面を加圧工具によって加圧圧縮して接続する。このようにした別体の接続本体10における遊端40側部分に突出させてある突条70の内面を当てつけるようにして、その接続部(図外)をボルトbとナットnで分岐体11に連結する。このようにして、分岐体11を介して幹線と分岐線との電気的接続を行う。
【0028】
この分岐体11に対して、2体一対とした幹線側の接続本体1,1のように、他の別体の接続本体10を連結することにより2本の分岐線を分岐させることができる。
【0029】
図12,13はそれぞれ別の分岐体11を示したものであって、図12の分岐体11は二つを一対としたボルト挿通孔51,52,53を穿設形成したものであり、図13に示した分岐体11は、四対のボルト挿通孔51,52,53,54を穿設形成したものである。これらの図において付した各ボルト挿通孔51,52,53,54の符号は、便宜上付した符号であって、前記第2実施例のように、符号51のボルト挿通孔が幹線用の接続本体1と接続させるための孔を示すものではなく、どの符号のボルト挿通孔を幹線用の接続本体1と接続させてもよい。
【0030】
また、前記発明を実施するための形態の項に記載したように、前記分岐線が幹線の太さに比して太さの少し細い線の場合でも、前記第2実施例で示したように、分岐線の太さに見合った大きさの接続本体を別途形成して使用するのも一つの手段であるが、分岐線の太さに見合った径のスリーブを形成して、これを幹線用の接続本体の電線挿通穴に介在させる手段によって、幹線用の接続本体を使用することも一つの手段である。本願発明にいうところの分岐線の分岐手段は、このようにして実施してもよい。
【0031】
以上本発明の代表的と思われる実施例について説明したが、必ずしもこれらの実施例に示した構造のもののみに限定されるものではなく、本発明にいう前記の構成要件を充足し上記発明の目的を達成し、上記の効果を有する範囲内において適宜改変して実施することができるものである。
【産業上の利用可能性】
【0032】
本発明にいうところの大容量電線の接続装置は、構造を簡素化した単体の接続子を2体一対として連結して使用するようにし、2体の接続子を面接当させるだけで電線を吊り下げ配線することが可能な構造としてあるので、中層または高層建築物の幹線の配線を簡素化することができるので、大いに使用される可能性を備えたものである。
【符号の説明】
【0033】
1 接続本体
2 通電接続部
3 接続本体一端側
5 連結ボルト孔
6 嵌合穴
7 嵌合突起
8 電線挿通穴
9 スリーブ
11 分岐体
21 電線
22 絶縁被覆
23 裸線部分
b ボルト
n ナット
【技術分野】
【0001】
本発明は、集合体建築物、殊に高層建築物等で電力幹線として配線される大容量電線を接続する電線接続装置と、該電線接続装置を利用して大容量電線から各階層で分岐配線される電線分岐構造を備えた電線接続装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から被覆電線どうしを接続する接続手段や、電線から分岐線を分岐させる手段は既に公知となっている。また、大容量電線から分岐線を分岐させる手段についても公知になっている。
【0003】
後者の大容量電線から分岐線を分岐させる技術としては、本願出願人の開発した技術の他にも既に刊行物に記載され公知となっている。これらの先行技術は、何れも大容量電線の所定の中間部の被覆を剥離して芯線を露出させ、この芯線部分に、接続すべき分岐線の先端部の被覆を剥離した芯線部分どうしを沿わせて直接接触させ、これらの芯線どうしを断面C字形とした導体金属金具で圧着結合して通電可能な状態とし、その結合部分の周囲を特定形状に形成された絶縁ケースによって覆うか絶縁テープを巻回して絶縁するようにしたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9−284971号公報
【特許文献2】特開平5−146045号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
これらの特許文献1,2に記載の先行技術にあっては、何れのものも通電主体となる大容量電線の被覆を、分岐線の分岐箇所において、全周面にわたって剥離除去する必要があり、そのため時間と手数を要するものとなっていた。即ち、この大容量電線の途中部分の被覆を剥離する作業は、電線の切断端部の被覆を、電線の端部方向に向けて除去する作業とは比較にならない程度に時間を必要とするものである。
【0006】
また、これらの特許文献1,2に記載の技術は、もともと長尺の電線の途中から分岐線を分岐させるという技術に関するものであるから、この分岐箇所で使用する絶縁ケースを利用して、電線の端部どうしを接続して一本の長尺電線とすることに関する技術については全く考慮されていない。
【0007】
本発明は、このような従来技術にみられる電線の分岐専用の技術ではなく、高層建築物等の配線コア内に電力幹線として配線するのに極めて容易に配線できるようにした大容量電線の接続装置と、建築物内の各階層において必要となる分岐回線を、必要な本数だけ任意に分岐させて取り出すことができ、この分岐線の分岐が極めて迅速容易に行い得る分岐装置を備えた電線接続装置をここに提案しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
該目的を達成するために講じた本発明にいうところの請求項1に記載の大容量電線の接続装置の構成を実施例として示した図面の符号を使用して説明すると、一端側3に大容量電線の裸線を挿入する電線挿通穴8を備えたスリーブ9を有する接続本体1であって、該スリーブ9に連なる通電接続部2が、柱状体を軸線方向に沿って切断された略半柱体形に形成され、該接続部2が、その長手方向に所定の間隔sを隔てた複数の連結ボルト孔5と、前記一端側3に偏した箇所と他端側4に偏した箇所との何れか一方に形成された肉厚方向に凹入する嵌合穴6と、何れか他方に形成された前記嵌合穴6と嵌合する嵌合突起7とを備えた形状とされ、このような形状とされた接続本体1が、2体一組として前記嵌合穴6と嵌合突起7が相互に嵌合し合う対称形姿勢に組み合わされ、前記連結ボルト孔5を介して一体的にボルト連結されて使用される構造としたものである。
【0009】
続く請求項2に記載の大容量電線の接続装置の構成は、一端側3に大容量電線の裸線を挿入する電線挿通穴8を備えたスリーブ9を有する接続本体1と分岐体11とからなる通電線接続装置であって、接続本体1における前記スリーブ9に連なる通電接続部2が、柱状体を軸線方向に沿って切断された略半柱体形に形成され、該接続部2が、その長手方向に所定の間隔sを隔てた複数の連結ボルト孔5と、前記一端側3に偏した箇所と他端側4に偏した箇所との何れか一方に形成された肉厚方向に凹入する嵌合穴6と、何れか他方に形成された前記嵌合穴6と嵌合する嵌合突起7とを備えた形状とされ、前記分岐体11が、平板状で、前記接続部2における所定の間隔sを隔てて形成された複数の連結ボルト孔5と対応する間隔sを隔てて形成された複数の連結ボルト孔51と、該間隔s方向と交差する方向に所要の間隔dを隔てて形成された別のボルト挿通孔52とが形成され、該分岐体11を挟んで、前記接続本体1が2体一組として、前記嵌合穴6と嵌合突起7が相互に嵌合し合うか対向し合う対称形姿勢に配置され、前記接続本体1の連結ボルト孔5と分岐体11の連結ボルト孔51とを介して一体的にボルト連結され、かつ、分岐体11における他のボルト挿通孔52を用いて分岐線を分岐させる構造を備えた構成としたものである。
【0010】
また、請求項3に記載の大容量電線の接続装置の構成は、請求項1または2に記載の装置に従属する構成であって、接続部2の表面が、連結状態において仮想柱体のほぼ中心線を通る面上で面接触する形状とされ、嵌合穴6と嵌合突起7とが嵌合姿勢において仮想柱体の中心線から外周面側に変位する構造としてあることを要件とするものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明にいう請求項1に記載の大容量電線の接続装置は、一端側のみに電線挿通穴を形成し、これに連なる接続本体を、複数の連結用ボルト孔と、相互に嵌合し合う嵌合穴と嵌合突起とを備えているものとし、これを2体一組として対称姿勢に組み合わせて連結ボルトによって連結一体化できるようにしたものであるから、連結体全体からみると構造簡単な形態で接続本体を形成でき、量産化に適し、大量生産が容易で、均質製品を製造し易いという優れた効果を有する。
【0012】
更に、本発明は、接続本体の接続部を、柱状体を軸線方向に沿って半割形状に切断した形の略半柱体形状とし、この接続部に互いに嵌合し合う嵌合穴と嵌合突起とを備えさせた構造とし、これらの嵌合穴と嵌合突起とが軸線方向の2カ所で、柱状体の中心線を越えて他方の接続部側で互いに嵌合し合う形態としてあるため、それぞれの電線挿通穴に予め所要の電線をかしめ連結した状態で、2体一組として前記のように対称姿勢に組み合わせ姿勢とするだけで、連結ボルトによる連結前であっても、電線どうしを縦方向に吊り下げ状態として、高層建築物等の配線コア内に電力幹線を吊り下げ配線することができるという顕著な効果を有する。
【0013】
請求項2に記載の大容量電線の接続装置は、上記の諸効果を有する接続本体を2体一組として対称姿勢に組み合わせて連結ボルトによって連結一体化できるようにしたものであるから、必要に応じて嵩の小さい2体一組の接続本体どうしだけで、建築物における配線コア内における配線を行い、この接続部が建築物の各階層に位置するように配置した状態で、各階層部において、必要な分岐回線を分岐させるに足る形状とした分岐体を選定し、この分岐体を2体一組の接続本体における接続部間に挟み込んでボルト連結し、該分岐体における分岐線取り出し部に必要となる分岐線をボルト連結するだけの操作で、必要な本数だけ任意に分岐させて取り出すことができ、この分岐線の分岐が極めて迅速容易にかつ確実に行い得るという顕著な効果を有する。
【0014】
また、請求項3に記載のように、接続本体における接続部の表面を、連結状態において仮想柱体のほぼ中心線を通る面上に位置するようにして面接触する形状とし、嵌合穴と嵌合突起とが嵌合姿勢において仮想柱体の中心線から外周面側に変位する構造としておくことによって、接続本体どうしの連結と、接続本体における接続部間への分岐体の挟持連結との通電をより一層確実なものとすることができる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】第1実施例の接続装置を示す斜視図。
【図2】接続本体の外表面と内表面とを示す平面図。
【図3】接続本体の連結方法を説明する中央縦断面図。
【図4】接続本体の連結状態を示す平面図。
【図5】図4の中央縦断面図。
【図6】電線接続状態を示す斜視図。
【図7】第2実施例の接続装置を示す平面図。
【図8】図7のA−A線に沿った縦断面図。
【図9】分岐体を示す平面図。
【図10】接続本体の連結状態を示す平面図。
【図11】電線接続状態を示す一部縦断斜視図。
【図12】他の分岐体を示す平面図。
【図13】更に他の分岐体を示す平面図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
上記のような構造とした本発明にいう接続装置を実施するに当たっては、接続本体における接続部の連結表面を平坦面としたもののみならず、角形波形や弧状波形を長手方向や幅方向に沿って形成してあるものとし、2体の連結時における接触面積を増大させた構造として実施してもよい。言うまでもなくこの場合には、2体間に挟持させる分岐体の表背面の形状も同様に接触面積を増大させるに足る波形を備えた形状として実施するのが好ましい。また、分岐線が幹線に比して細線である場合には、それに見合った大きさの、前記接続本体と相似形の接続体を形成して使用するのも一つの手段であるが、別途形成した小径のスリーブを使用して、これを接続本体の電線挿通穴に挿通するか、分岐線の先端に外嵌して、前記の接続本体を使用するようにしてもよい。
【実施例1】
【0017】
以下本発明の第1実施例について図面に基づいて説明する。該第1実施例に示した大容量電線の接続装置は、図1乃至図5に示したように、同一形状に形成した二つの部材を垂直軸と水平軸とにおいて軸対称に配置して組み合わせて使用する構造とした接続装置について示したものである。
【0018】
而して、その構成部材である接続本体1は、図2,3において下側に示した部材の一端側(図において左側)3に、図1に示した大容量電線21の絶縁被覆22を剥離した裸線部分23を挿入するための電線挿通穴8を備えたスリーブ9を有し、該スリーブ9の右側に連なる部分を通電接続部2としてある。
【0019】
この通電接続部2の概形を、円柱体を軸線方向に沿って切断させた形状の略半円柱体状に形成し、その切断表面2aを平坦面とし、この接続部2に、長手方向に所定の間隔sを隔てて二つの連結ボルト孔5,5とナット孔とを形成するとともに、該接続部2の前記一端側3に連なる端部に、幅方向全体にわたって連なる凹入溝を肉厚方向に凹入させた嵌合穴6を形成し、該接続部2における他端側4の終端部に、幅方向全体にわたって上方に突出する凸条形の嵌合突起7を形成してある形状としたものである。
【0020】
このような形状に形成した接続本体1を2体一組として、殊に図3,5に示したように前記嵌合穴6と嵌合突起7とが相互に嵌合し合うように、前記のように軸対称形姿勢として組み合わせて、前記連結ボルト孔5,5を介して2本のボルトbとナットnで一体的に締め付け連結する構造としたものである。
【0021】
このようにした接続本体1を2体一組として連結した状態は、図1の斜視図及び図4,5の平面図と断面図に示した通りである。
【0022】
而して、このようにした接続装置を使用して2本の大容量電線21,21どうしの接続を行う手段の一つは、図1に示したように、先端部分の絶縁被覆22を所定の長さ、具体的には接続本体1におけるスリーブ9内に形成してある電線挿通穴8にぴったりと納まる長さ分だけ剥離除去した裸線部分23をそれぞれの電線挿通穴8に挿入して、スリーブ9の外周面を加圧工具によって加圧圧縮させて接続する。このようにして、図6に示したように2本の電線21,21を電気的に接続可能な状態にする。
【0023】
重複を避けるため図面は省略したが、2本の電線21,21どうしを接続する他の手段としては、電線21の被覆を剥離除去した裸線部分23を、未連結の単体状態の接続本体1における電線挿通穴8に挿通し、当該スリーブ9の外周面を加圧圧縮させて予め電気的に接続したものを、2体一対としてボルト連結する方法がある。2本の電線どうしの接続はこのようにして実施することができる。
【0024】
図7乃至図11は第2実施例の大容量電線の接続装置を示した図である。この第2実施例に示した接続装置における図7,10,11の下側に示した幹線側の大容量電線の接続装置を構成する左右2体の接続本体1,1は、前記第1実施例に示した大容量電線の接続装置を構成する2体一対の接続本体1,1と同一のものを示している。したがって、接続本体1の構成については説明を省略する。
【0025】
而して、該第2実施例に示した接続装置は、2体一対の接続本体1,1をボルトbとナットnによる連結に際して、図8,10,11に示したように別途形成した分岐体11を介在させる。この分岐体11は、図9に示したように平板状で、前記接続本体1の接続部2に形成してある二つの連結ボルト孔5,5と対応する間隔sを(図において左右方向)に隔てて形成した二つの連結ボルト孔51,51と、この間隔s方向と交差する方向(図において上下方向)に所要の間隔dを隔てて形成された別の二つのボルト挿通孔52,52とを形成した形状としてある。
【0026】
このようにした分岐体11を、前記2体の接続本体1,1の接続部2,2の間に挟み込んで、接続本体1,1の連結ボルト孔5,5と該分岐体11の連結ボルト孔51,51を貫通させて一体的にボルト連結する。この状態において、分岐体11は図7のように、前記別の二つのボルト挿通孔52,52が存在する状態で接続本体1,1の一側(図において上方)に突出している。
【0027】
この分岐体11における突出部分に存在する二つのボルト挿通孔52,52を使用して図11のように分岐線210を分岐させる。この分岐線210は、その先端部の裸線部分を、前記接続本体1と相似形で少し小形に形成した別体の接続本体10における一側に形成してあるスリーブ90内の電線挿通穴80(図7参照)に挿入して、その外周面を加圧工具によって加圧圧縮して接続する。このようにした別体の接続本体10における遊端40側部分に突出させてある突条70の内面を当てつけるようにして、その接続部(図外)をボルトbとナットnで分岐体11に連結する。このようにして、分岐体11を介して幹線と分岐線との電気的接続を行う。
【0028】
この分岐体11に対して、2体一対とした幹線側の接続本体1,1のように、他の別体の接続本体10を連結することにより2本の分岐線を分岐させることができる。
【0029】
図12,13はそれぞれ別の分岐体11を示したものであって、図12の分岐体11は二つを一対としたボルト挿通孔51,52,53を穿設形成したものであり、図13に示した分岐体11は、四対のボルト挿通孔51,52,53,54を穿設形成したものである。これらの図において付した各ボルト挿通孔51,52,53,54の符号は、便宜上付した符号であって、前記第2実施例のように、符号51のボルト挿通孔が幹線用の接続本体1と接続させるための孔を示すものではなく、どの符号のボルト挿通孔を幹線用の接続本体1と接続させてもよい。
【0030】
また、前記発明を実施するための形態の項に記載したように、前記分岐線が幹線の太さに比して太さの少し細い線の場合でも、前記第2実施例で示したように、分岐線の太さに見合った大きさの接続本体を別途形成して使用するのも一つの手段であるが、分岐線の太さに見合った径のスリーブを形成して、これを幹線用の接続本体の電線挿通穴に介在させる手段によって、幹線用の接続本体を使用することも一つの手段である。本願発明にいうところの分岐線の分岐手段は、このようにして実施してもよい。
【0031】
以上本発明の代表的と思われる実施例について説明したが、必ずしもこれらの実施例に示した構造のもののみに限定されるものではなく、本発明にいう前記の構成要件を充足し上記発明の目的を達成し、上記の効果を有する範囲内において適宜改変して実施することができるものである。
【産業上の利用可能性】
【0032】
本発明にいうところの大容量電線の接続装置は、構造を簡素化した単体の接続子を2体一対として連結して使用するようにし、2体の接続子を面接当させるだけで電線を吊り下げ配線することが可能な構造としてあるので、中層または高層建築物の幹線の配線を簡素化することができるので、大いに使用される可能性を備えたものである。
【符号の説明】
【0033】
1 接続本体
2 通電接続部
3 接続本体一端側
5 連結ボルト孔
6 嵌合穴
7 嵌合突起
8 電線挿通穴
9 スリーブ
11 分岐体
21 電線
22 絶縁被覆
23 裸線部分
b ボルト
n ナット
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一端側(3)に大容量電線の裸線を挿入する電線挿通穴(8)を備えたスリーブ(9)を有する接続本体(1)であって、
該スリーブ(9)に連なる通電接続部(2)が、柱状体を軸線方向に沿って切断された略半柱体形に形成され、
該接続部(2)が、その長手方向に所定の間隔(s)を隔てた複数の連結ボルト孔(5)と、
前記一端側(3)に偏した箇所と他端側(4)に偏した箇所との何れか一方に形成された肉厚方向に凹入する嵌合穴(6)と、何れか他方に形成された前記嵌合穴(6)と嵌合する嵌合突起(7)とを備えた形状とされ、
このような形状とされた接続本体(1)が、2体一組として前記嵌合穴(6)と嵌合突起(7)が相互に嵌合し合う対称形姿勢に組み合わされ、前記連結ボルト孔(5)を介して一体的にボルト連結されて使用される構造としてある
大容量電線の接続装置。
【請求項2】
一端側(3)に大容量電線の裸線を挿入する電線挿通穴(8)を備えたスリーブ(9)を有する接続本体(1)と分岐体(11)とからなる電線接続装置であって、
接続本体(1)における前記スリーブ(9)に連なる通電接続部(2)が、柱状体を軸線方向に沿って切断された略半柱体形に形成され、
該接続部(2)が、その長手方向に所定の間隔(s)を隔てた複数の連結ボルト孔(5)と、
前記一端側(3)に偏した箇所と他端側(4)に偏した箇所との何れか一方に形成された肉厚方向に凹入する嵌合穴(6)と、何れか他方に形成された前記嵌合穴(6)と嵌合する嵌合突起(7)とを備えた形状とされ、
前記分岐体(11)が、平板状で、前記接続部(2)における所定の間隔(s)を隔てて形成された複数の連結ボルト孔(5)と対応する間隔(s)を隔てて形成された複数の連結ボルト孔(51)と、該間隔(s)方向と交差する方向に所要の間隔(d)を隔てて形成された別のボルト挿通孔(52)とが形成され、
該分岐体(11)を挟んで、前記接続本体(1)が2体一組として、前記嵌合穴(6)と嵌合突起(7)が相互に嵌合し合うか対向し合う対称形姿勢に配置され、前記接続本体(1)の連結ボルト孔(5)と分岐体(11)の連結ボルト孔(51)とを介して一体的にボルト連結され、かつ、
分岐体(11)における他のボルト挿通孔(52)を用いて分岐線を分岐させる構造を備えた
大容量電線の接続装置。
【請求項3】
接続部(2)の表面が、連結状態において仮想柱体のほぼ中心線を通る面上で面接触する形状とされ、嵌合穴(6)と嵌合突起(7)とが嵌合姿勢において仮想柱体の中心線から外周面側に変位する構造とされている請求項1または2に記載の大容量電線の接続装置。
【請求項1】
一端側(3)に大容量電線の裸線を挿入する電線挿通穴(8)を備えたスリーブ(9)を有する接続本体(1)であって、
該スリーブ(9)に連なる通電接続部(2)が、柱状体を軸線方向に沿って切断された略半柱体形に形成され、
該接続部(2)が、その長手方向に所定の間隔(s)を隔てた複数の連結ボルト孔(5)と、
前記一端側(3)に偏した箇所と他端側(4)に偏した箇所との何れか一方に形成された肉厚方向に凹入する嵌合穴(6)と、何れか他方に形成された前記嵌合穴(6)と嵌合する嵌合突起(7)とを備えた形状とされ、
このような形状とされた接続本体(1)が、2体一組として前記嵌合穴(6)と嵌合突起(7)が相互に嵌合し合う対称形姿勢に組み合わされ、前記連結ボルト孔(5)を介して一体的にボルト連結されて使用される構造としてある
大容量電線の接続装置。
【請求項2】
一端側(3)に大容量電線の裸線を挿入する電線挿通穴(8)を備えたスリーブ(9)を有する接続本体(1)と分岐体(11)とからなる電線接続装置であって、
接続本体(1)における前記スリーブ(9)に連なる通電接続部(2)が、柱状体を軸線方向に沿って切断された略半柱体形に形成され、
該接続部(2)が、その長手方向に所定の間隔(s)を隔てた複数の連結ボルト孔(5)と、
前記一端側(3)に偏した箇所と他端側(4)に偏した箇所との何れか一方に形成された肉厚方向に凹入する嵌合穴(6)と、何れか他方に形成された前記嵌合穴(6)と嵌合する嵌合突起(7)とを備えた形状とされ、
前記分岐体(11)が、平板状で、前記接続部(2)における所定の間隔(s)を隔てて形成された複数の連結ボルト孔(5)と対応する間隔(s)を隔てて形成された複数の連結ボルト孔(51)と、該間隔(s)方向と交差する方向に所要の間隔(d)を隔てて形成された別のボルト挿通孔(52)とが形成され、
該分岐体(11)を挟んで、前記接続本体(1)が2体一組として、前記嵌合穴(6)と嵌合突起(7)が相互に嵌合し合うか対向し合う対称形姿勢に配置され、前記接続本体(1)の連結ボルト孔(5)と分岐体(11)の連結ボルト孔(51)とを介して一体的にボルト連結され、かつ、
分岐体(11)における他のボルト挿通孔(52)を用いて分岐線を分岐させる構造を備えた
大容量電線の接続装置。
【請求項3】
接続部(2)の表面が、連結状態において仮想柱体のほぼ中心線を通る面上で面接触する形状とされ、嵌合穴(6)と嵌合突起(7)とが嵌合姿勢において仮想柱体の中心線から外周面側に変位する構造とされている請求項1または2に記載の大容量電線の接続装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2011−222359(P2011−222359A)
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−91502(P2010−91502)
【出願日】平成22年4月12日(2010.4.12)
【出願人】(591028773)株式会社ニチフ端子工業 (23)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年4月12日(2010.4.12)
【出願人】(591028773)株式会社ニチフ端子工業 (23)
【Fターム(参考)】
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