説明

大気水分から保護されるサーマルサイクラー

試料ブロック、ヒートシンク、および部品が固定された支持フレームによって形成された包囲体を密封する一対のループ形ガスケットによって大気水分への露出が防止された熱電モジュールによって、サーマルサイクラーの局部温度制御が達成される。ヒートシンクは、複数のフィンを有するブロックであり、フィンとフィンとの間に嵌まり、且つフィン形状およびフィンの機能表面積との干渉を除去するように配置された、1本以上のクランプバーによって熱電モジュールに固定される。リード線は、成形リテーナ要素に埋設され、各リード線は、一端で横バーによって接合された2本の露出した脚部を有する「U」形をしており、リード線の一端は、大気から密封領域の中へ延び、他端は、領域の外側へ延びる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多容器試料ブロック内の多数のサンプルの同時温度制御を要する処理を行うための実験用装置の分野にある。特に、本発明は、温度調節および制御用の熱電モジュールの使用について発生する問題に取り組むものである。
【背景技術】
【0002】
ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)は、処理の異なるステージ間の急速な温度変化について反応混合物の正確な温度制御を必要とする、化学的工程の多数の例の一つである。PCRは、DNAを増幅するための工程であり、すなわち、単一コピーから複数のDNA配列の多コピーを作るための工程である。PCRは、典型的には、ウェル、チューブまたはキャピラリのような、多数の反応容器での試薬移動、温度制御、および光学的検出を行う装置で行われる。この工程は、温度に敏感である一連のステージを含み、異なるステージは、異なる温度で行なわれ、温度が、繰り返される温度変化により循環される。典型的なPCR工程において、各サンプルは、サンプルが所定時間維持される、異なる3つの目標温度に加熱され、冷却される。第一の目標温度は、二重鎖を分離するのに必要な温度である約95℃である。これに続いて、分離された鎖のハイブリダイゼーションのための55℃の目標温度に冷却し、次いで、ポリメラーゼ酵素を必要とする反応のための72℃の目標温度に加熱する。次いで、このサイクルを繰り返して、生成物DNAを倍々に増やす。各サイクルに費やされる時間は、機器、反応の規模、および自動化の度合いに依存して、1分足らずから2分まで変化することがある。この熱サイクルは、上記工程の好結果の生産力にとって重要であり、また、温度の厳密な制御および異なる温度での一連のステージを必要とするいかなる工程でも重要な特徴である。これらの工程の多くは、各々、しばしばマイクロリットルサイズ程度の、比較的小さいサイズの、多数のサンプルの同時処理を伴う。ある場合には、この処理は、あるサンプルをある温度に維持し、他のサンプルを異なる温度に維持することを必要とする。サーマルサイクラーとして知られている実験用機器が開発され、これらの処理を自動化して行えるようになった。
【0003】
サーマルサイクラー、またはいかなる平面アレイの多数のサンプルの温度制御を達成する方法、および分離されたグループのサンプルを異なる温度に置くための方法の1つは、熱電モジュールの使用によっている。これらのモジュールは、ペルチェ効果の使用により小さなヒートポンプとして機能する、また電子部品を通る電流の方向に依存して、熱をいずれの方向にも流すことができる、半導体を主体とする電子部品である。熱電モジュールは、小さなレーザーダイオード冷却機、ポータブル冷蔵庫、および液体冷却機にも多く使用されている。
【0004】
熱電モジュールは、モジュールが提供する、局部温度効果、電子制御、および迅速な応答に照して、サーマルサイクラーに、特別な関心がある。モジュールは、典型的には、特にサンプルが、平坦な下面と、標準化した幾何配置で上面に形成された、多数のウェルまたは容器と、を有する、単一の部分品である試料ブロックに収容されるときに、広い領域にわたって多数のサンプルに加熱または冷却を行うために、平面アレイに縁と縁を合わせて配置される。典型的な配置では、モジュールは、試料ブロックの下に配置され、典型的にはフィン付のヒートシンクが、モジュールの下に配置される。
【0005】
モジュールは、非常に効果的であり、多目的に使用できるが、それらの効率は、サイクラーの構造の様々な要因によって、妥協されなければならないことがある。温度変化は、例えば、モジュール表面の熱凝縮を引き起こすことがあり、また、部品が完全に熱接触状態にあることを確保するクランプ装置は、ヒートシンクフィンと干渉することがある。これらおよび他の問題が、本発明によって解決される。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、サーマルサイクラーの熱電モジュールが、試料ブロック、ヒートシンクおよび支持フレームによって形成され、且つ、一方が、試料ブロックと支持フレームとの間で圧縮され、他方がヒートシンクと支持フレームとの間で圧縮される、ガスケットによって大気水分の浸入から密封される包囲体内に配置される。ガスケットは、部品の迅速な組み立てを考慮に入れ、手作業による位置決めまたは位置合わせを要求しない。密封は、試料ブロック、モジュールおよびヒートシンクをフレーム内に簡単に配置し、これらの部品を一体に固定するだけで達成することができる。
【0007】
本発明は、ヒートシンクのフィンを、フィンの表面積またはフィンを通り過ぎる空気とのフィンの接触に関して、妥協しない方法で、フィン付ヒートシンクを熱電モジュールに固定する構造にある。固定は、フィンとフィンの間に嵌まる程に薄く、各隣接したフィンの表面の大部分が露出されたままであるように、フィンよりも実質的に小さい深さの、1本以上のクランプバーによって達成される。好ましくは、バーは、隣接したフィンの全長だけ延び、最も好ましくは、実際には、バーの両端部がフィンを超えて突出して、組立体の残りの部品に固定されるように、フィンよりも長い。
【0008】
本発明が提示する更に他の新たな点は、大気暴露から密封された領域を、周辺領域から分離する隔壁として働く、成形部品中のリード線の新たな形態である。リード線は、「U」形を形成するように、一端が横バーに接合された2本の脚部を有する。横バーは、成形部品中に埋設され、両脚部は、露出されて電気接続に利用でき、一方の脚部は密封領域の中へ延び、他方の脚部は、周辺領域へ延びる。「U」形は、リード線の周りの成形を容易にし、かくしてリード線を埋設した部品は、大気水分への露出を防ぐ環境を必要とする電子部品を収容する、いかなる電子デバイスまたは機器にも有用である。そのような機器の1つは、サーマルサイクラーであり、リード線の一方の脚部が、包囲体内の熱電モジュールに電気接続され、他方の脚部が、電源、コントローラー、またはモジュールに電流を供給または調整するいかなる部品などの外部電子部品に電気接続される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明のいくつかの異なる側面の各々は、各部品の構成、組立体中の部品の配置、それらが組み込まれた特定の機器または装置、および、機器が実行するように設計される機能に関して、広範な変形を受け入れる余地がある。しかしながら、ある1つの特定の実施形態の詳細な概説が、多くの実施形態の各々において、本発明の機能および作動の理解をもたらすであろう。図は、このような1つの実施形態として、PCR機器のサーマルサイクラーを示す。
【0010】
図1の分解斜視図に示す構成部品は、試料ブロック11、熱電モジュール12、およびフィン付ヒートシンク13を含む。これらの3つの構成部品は、これらを、試料ブロックおよびヒートシンクとそれぞれ熱接触している熱電モジュールの上側および下側に、広い面を置く形態に積み重ねるように形づくられる。「熱接触」および「熱界面」の言葉は、ここでは、各構成部品の接触面積全体に沿って、2つの構成部品間に熱エネルギーが自由に流れることができる物理的接触を示すのに、用いられる。試料ブロック11は、平らな下面14およびその上側にサンプルウェル15を有する、一体成形、鋳造または機械加工部品である。図示する試料ブロックは、規則的に間隔をへだてた2次元アレイに配列された48個のサンプルウェルを有する。熱電モジュール12は、試料ブロックの下にあって、試料ブロックの下面14と熱接触している。4つの熱電モジュールが図示される。本発明の様々な他の特徴におけるように、サンプルウェルの数も熱電モジュールの数も重要ではなく、各々、広く変えることができる。ヒートシンク13は、熱電モジュールの下に位置決めされ、熱電モジュールから離れて延びる一列のフィン16を含む。ヒートシンクの上面には、ヒートシンクと熱電モジュールとの間の熱界面を高める熱伝導材料の薄層17がある。ヒートシンク13は、典型的には、一体成形(ワンピース)部品であるので、ここではまた、「ヒートシンクブロック」とも呼ぶ。
【0011】
図1に示すその他の構成部品は、試料ブロック、熱電モジュールおよびヒートシンクを一体に固定するのに、および、熱電モジュールを制御するための電気接続を行うのに役立つ。これらの部品は、以下の通りである。
【0012】
組立体全体を、組立体自体が部品となるサーマルサイクラー機器の残部に結合する取付スカート21。
【0013】
完全な熱接触を達成するために、ヒートシンクを熱電モジュールの下面に押し付ける、ヒートシンク13のフィン16間に嵌まる、一対のクランプバー22、23。
【0014】
熱電モジュールに直接電気接続を行う内側回路基板24。
【0015】
組立体の外部にある、サーマルサイクラーの部品に電気接続を行う外側回路基板25。
【0016】
図面に示されるその他の部品のマウントまたは支持フレームとして働き、部品を整列させ且つ、部品を一体に保持するネジボスおよび他の締結連結部を提供するリテーナ要素26。
【0017】
試料ブロック11を取り囲み、試料ブロックをリテーナ要素の内側面に対して密封するループ形ガスケット31。
【0018】
ヒートシンク13を取り囲み、ヒートシンクをリテーナ要素の他の内側面に対して密封する第二のループ形ガスケット32。
【0019】
図1に示されていない部品には、部品を一体に保持する、ねじ、ワッシャーなどの普通の締付け要素を含む。ねじは、リテーナ要素26のネジ穴またはボスに受け入れられる。
【0020】
向きを図1に2−2線で示す図2の断面図は、図1の部分の各々を示す。組み立てられた部品は、熱電モジュール12の周囲の包囲体を形成し、試料ブロック11およびリテーナ要素26の一部分が包囲体の屋根を形成し、ヒートシンクブロック13が、包囲体の床を形成し、リテーナ要素26の他の部分は、側壁を形成する。2つのループ形ガスケットのうちの小さい方のもの31は、リテーナ要素26の内開口部に沿って、試料ブロック11の外周縁と面41との間に配置される。そして、2つのループ形ガスケットのうちの大きい方のもの32は、リテーナ要素26の内開口部に沿って、ヒートシンクブロック13の外周縁と異なる面42との間に配置される。実施形態が示すように、ガスケットは、各々、試料ブロックおよびヒートシンクブロックのそれぞれの外周縁に沿った溝内に存在し、これらの部品が、リテーナ要素26の内側にあるとき、両方のガスケットは、リテーナ要素の内部の平坦面に接触する。2つのガスケットは、包囲体を密封し、熱電モジュールを、試料ブロック11の上の領域およびヒートシンクブロック13の下の領域だけでなく、リテーナ要素26の外側(すなわち、リテーナ要素の上、下または側面)の領域に曝すのを防ぐ。全体として、包囲体は、熱電モジュールを大気水分に曝すのを防ぐ。
【0021】
また、クランプバー22、23が図2中に見える。各バーの幅は、隣接したフィン16間の隙間よりも小さく、それによって、各バーは、フィン間に容易に嵌まる。各バーの深さは、同様に、各フィンの深さよりも小さく、それによって、フィン表面を、フィンからの熱を放散させるために用いることができる、空気またはいかなる冷媒流れに曝すのを最小限妨げないようにする。好ましい構成では、各バーは、バーの両端から内方の位置で、上縁部に、2つの隆起部分を有する。これらの隆起部分は、ヒートシンクの下面と接触し、それによって、ヒートシンクと空気との接触をより大きくすることができ、熱電モジュールに働く圧力をより良く制御することができ、バーの応力を最小にすることができる。
【0022】
リテーナ要素26の輪郭は、垂直部分43と、垂直部分の一端の水平部分44とを有するT形をなした部分を有する。垂直部分43は、密封包囲体を外部領域から分離する隔壁として働く。水平部分44は、上述した、ネジ穴およびボス(図3に示す)を有する、締付けネジの取付け表面(図3にのみ示し、後述する)として働く。
【0023】
また、図2には、内側回路基板24を外側回路基板25に接続するリード線45が示されている。リード線は、横バー48で接合された2本の脚部46、47を有するU形をなしている。2本の脚部は、内側および外側回路基板のそれぞれに接続され、横バーは、リテーナ要素に埋設される。上述したように、U形リード線は、機器の内部領域の内側部品を、外部環境からまたは機器の他の部分から密封することを必要とする機器に一般的に適用できる。そのような全ての適用において、リード線は、リード線の横バー部分が完全に埋設され、2本の脚部が、電気接続のために用いられるように露出されて、成形部品中に部分的に埋設される。リード線は、密封領域とそうでない領域との間の隔壁として働くいかなる成形ハウジング中にも埋設することができる。図2に示す実施形態では、上述した包囲体は、熱電素子12とリテーナ要素壁43との間の隙間49によって形成される。リード線の露出した内側脚部は、この隙間の中へ延びる。
【0024】
図3の断面の向きは、図1に3−3線によって示され、図2の断面の向きと直交する。図3は、スカート21、内側および外側回路基板24、25を除く図1の各部品を図示する。図1にも示されている部分に加えて、図3は、クランプバー22、23に係合し、試料ブロック11、熱電モジュール12およびヒートシンクブロック13を一体に固定する締付け具部品を示す。断面の向きにより、図3は、1つのフィン16の広い面とクランプバー23の広い面とを示す。締付け具は、バネ式締付け具であり、その部品として、リテーナ要素26下面のボス51と、ボルト52と、平ワッシャ24と、いくつかのバネ座金25と、を含む。ボス51には、雌ねじれが切ってあって、ボルトのねじ山と噛み合う。ボルト52は、2本のクランプバーの間に収まり、平ワッシャ24は、十分広いので、両方のバーに接触して、バーをヒートシンクブロックに押し付けることができる。かくして、単一の締付け具が両方のバーに係合する。バネ座金25は、圧縮状態で示され、それらの効果は、しっかりと、再現性の良い方法で、クランプバーに圧力を加えることである。
【0025】
図は、クランプバーの一端に、ボルト、ワッシャ、およびネジボスのみを示すが、同一のボルト、ワッシャ、およびネジボスが、図示するのと対称な配置で、他端に存在する。
【0026】
本発明の実施に用いられる部品は、供給業者から容易に入手できるものを含み、本願の出願時に存在していた部品である。ペルチェデバイスとしても知られる熱電モジュールは、実験用の器械および機器の部品として広く用いられるユニットであり、かかるユニットはそのような機器に精通している人達に周知であり、電気部品の商業的供給業者から容易に入手することができる。熱電モジュールは、ヒートポンプとして機能する小さな固体デバイスであり、2つの異種導電体の中に電流が流れると、2つの導電体の接合部が、電流の方向に応じて熱を吸収するか放出するかのいずれかをするという理論に従って作動する。典型的な熱電モジュールは、半導体材料(一般的な例はテルル化ビスマス)で分離された2つのセラミックまたは金属プレートからなる。電流に加えて、熱移動の方向は、半導体(すなわち、N型対P型)の電荷キャリアの性質によって、更に決定することができる。かくして、熱電モジュールを、本発明の装置に配置し、および/または電気接続して、試料ブロックまたは試料ブロックの部分を加熱し、または冷却することができる。より小さい、またはより大きい熱電モジュールが存在し、用いることもできるが、単一の熱電モジュールは、表面の寸法が数センチメートル平方で、数ミリメートル程に薄いのがよい。単一の熱電モジュールを用いてもよく、または、2つ以上の熱電モジュールをグループ化して、横寸法が単一モジュールの横寸法を超える試料ブロックの領域の温度を制御してもよい。隣接した熱電モジュールを制御して、異なる速度または方向の熱流を発生させ、それによって、異なる試料または試料群を、異なる温度に、置くこともできる。
【0027】
更なる変形もまた本発明の範囲内である。ループ形ガスケットは、例えば、異なるサイズで示しているが、部品の形態を、同一サイズのガスケットを用いることができるように、調整し、または変更することができる。図面に示す構成は、2本のクランプバーを含むが、単一のクランプバーまたは3本以上のクランプバーによっても、効果的な固定を実現することができる。図示するように、クランプバーは、フィンよりも長さが大きく、フィンを超えて両方向に延び、バーの両端は、リテーナ要素の固定に利用しやすくなっている。変形例では、バーは、各フィンの長さと等しくてもよいし、小さくてもよいし、または、両端ではなく一端のみでリテーナ要素に固定してもよい。更なる変形例は、フィン中央に向かって距離の半分よりも短い長さに延びる対のバーの使用であり、各対の一方のバーは、フィン列の一端からフィン領域に入り、他方のバーは、フィン列の他端から入る。更に他の変形例は、1つのフィンまたは2つ以上のフィンを取り囲むループを形成するように、両端で結合される一対のバーの使用である。クランプバー間の間隔もまた変えてもよい。図示する実施形態では、バーは、1つのフィンのみがその間を通るように、間隔が空いている。変形例では、間隔を、2つ以上のフィンがバーの間を通るように、大きくしてもよい。図に示すヒートシンクは、15のフィンを含むが、この数は、3または4の少数から、15以上の多数まで広く変更してもよい。好ましい範囲は、6〜12である。更に、ネジボルトの代わりに、クリップやカムのようなものもまた、用いることができ、これは、当業者に容易に理解できるであろう。
【0028】
構成の材料は、好ましくは、各部品が最適な方法でその機能を果たすことができるように選択する。試料と接触する部品は、例えば、ポリカーボネートまたは他のプラスチックなどの、不活性物質から製造する。また、熱電モジュールによって引き起こされる熱移動速度の変化に素早く応答する試料ブロックおよびヒートシンクは、薄い材料または熱を容易に伝導する材料の使用によって得ることができる。実験用機器の設計、構造および使用の更なる変更は当業者にとって、容易に明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明によるサーマルサイクラー組立体の分解斜視図である。
【図2】図1のサーマルサイクラー組立体の、図1の2−2線で示す面における断面図である。
【図3】図1のサーマルサイクラー組立体の、図1の3−3線で示す面における断面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の試料の温度制御用装置であって、
多容器試料ブロックと、熱電モジュールと、ヒートシンクブロックと、を有し、
前記多容器試料ブロック、前記熱電モジュール、および前記ヒートシンクブロックは、全て、前記試料ブロックが前記熱電モジュールと熱接触し、前記熱電モジュールが前記ヒートシンクブロックと熱接触している積み重ねた形態に配置することができるように形作られ、
更に、前記試料ブロック、前記熱電モジュール、および前記ヒートシンクブロックを、前記積み重ねた形態で受け入れるように寸法決めされた支持フレームと、
前記試料ブロックをその周面に沿って取り囲むように、それによって、前記試料ブロックと前記支持フレームとの間に密封を形成するように寸法決めされた第1のループ形ガスケットと、
前記ヒートシンクブロックをその周面に沿って取り囲むように、それによって、前記ヒートシンクブロックと前記支持フレームとの間に密封を形成するように寸法決めされた第2のループ形ガスケットと、を有し、
前記試料ブロック、前記ヒートシンクブロック、前記支持フレーム、および前記ループ形ガスケットは、一緒になって、前記熱電モジュールを囲み前記熱電モジュールを大気水分から保護する密封包囲体を形成する、
ことを特徴とする、複数の試料の温度制御用装置。
【請求項2】
前記試料ブロックの前記周面に設けられ、前記第1のループ形ガスケットを受け入れる第1の溝と、
前記ヒートシンクブロックの前記周面に設けられ、前記第2のループ形ガスケットを受け入れる第2の溝と、を更に有し、
前記支持フレームは、前記第1および第2のループ形ガスケットに接触する平らな面を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
縁と縁とを接して平面アレイに配置された、複数の熱電モジュールを有し、
前記積み重ねた形態において、前記試料ブロックは、前記平面アレイと熱接触し、前記平面アレイは、前記ヒートシンクブロックと熱接触している、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記密封包囲体は、前記熱電モジュールの縁と前記支持フレームとの間に隙間を構成する、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記支持フレームは、一体成形体であり、その中にリード線が部分的に埋設されている、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記密封包囲体は、前記熱電モジュールの縁と前記支持フレームとの間に隙間を構成し、前記リード線は、前記隙間の中へ延びる露出した端部を有する、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
各リード線は、U形に横バーによって接合された、第1および第2の脚部を有し、前記横バーは、前記成形体中に埋設され、前記第1および第2の脚部は露出され、前記第1の脚部は、前記密封包囲体の内側に延び、前記第2の脚部は、前記密封包囲体の外側に延びる、請求項5に記載の装置。
【請求項8】
電子装置用成形ハウジングであって、
前記ハウジングは、
内部を大気暴露から分離する成形隔壁と、端横バーによって接合された第1および第2の脚部によって構成される、U形リード線と、を有する密封包囲体を含み、
前記端横バーは、前記隔壁に埋設され、前記第1の脚部は、前記隔壁の一方の側に延び、前記第2の脚部は、前記隔壁の他方の側に延びる、
ことを特徴とする、電子装置用成形ハウジング。
【請求項9】
複数の試料の温度制御用装置であって、
多容器試料ブロックと、熱電モジュールと、フィン付ヒートシンクブロックと、を有し、
前記多容器試料ブロック、前記熱電モジュールおよび前記フィン付ヒートシンクブロックは、全て、前記試料ブロックが前記熱電モジュールと熱接触し、前記熱電モジュールが前記ヒートシンクブロックと熱接触している積み重ねた形態に配置することができるように形作られ、
更に、前記試料ブロック、前記熱電モジュール、および前記フィン付ヒートシンクブロックを、前記積み重ねた形態で受け入れるように寸法決めされた支持フレームと、
前記フィン付ヒートシンクブロックの隣接したフィン間に嵌まるように寸法決めされたバーと、
前記積み重ねた形態にあるとき、前記熱電モジュールに対して前記フィン付ヒートシンクブロックを固定するために前記支持フレームに、前記バーを取付けるための手段と、を有する、
ことを特徴とする、複数の試料の温度制御用装置。
【請求項10】
複数の前記バーを含む、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記バーは、前記フィン付ヒートシンクブロックの前記フィンよりも、長さが大きく、前記バーを前記支持フレームに取付けるための手段は、バネ式締付け具からなり、そのような締付け具は前記バーの各端部に1つずつある、請求項9に記載の装置。
【請求項12】
前記バーは2本であり、前記バーを前記支持フレームに取付けるための手段は、前記フィンの両端に位置する一対のバネ式締付け具からなり、各前記締付け具は、両方のバーに係合する、請求項9に記載の装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公表番号】特表2008−519600(P2008−519600A)
【公表日】平成20年6月12日(2008.6.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−541173(P2007−541173)
【出願日】平成17年9月9日(2005.9.9)
【国際出願番号】PCT/US2005/032388
【国際公開番号】WO2006/055073
【国際公開日】平成18年5月26日(2006.5.26)
【出願人】(591131844)バイオ−ラッド ラボラトリーズ インコーポレイテッド (3)
【Fターム(参考)】