説明

天然木材のような外観及び質感を備えた木質プラスチック複合材パネルを製造するためのインラインプロセス及びそのための装置

木質繊維が合成樹脂のマトリクス中に一様に分散するように樹脂複合体を押し出し及び冷却して、樹脂複合体をパネルの形状に成形するパネル製造プロセスと、パネルの表面上に所定の深さに天然木材の切断面に対応する木質パターンを形成する型押しプロセスと、パネルの表面から合成樹脂の層の一部を取り除いて所定の深さに線形の微細凹凸部を形成するブラッシングプロセスとを備えた、木質プラスチック複合材パネルの製造方法と、それを効率的に実施することができる木質プラスチック複合材パネルを製造するための装置が開示される。本発明による木質プラスチック複合材パネルの製造方法は、木質プラスチック複合材パネルの表面上に天然木材の切断面のような外観及び質感を有する木質パターンを直接実現すると同時に木質繊維及び合成樹脂を含む材料の利点を最大限に活かす効果を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、天然木材のような外観及び質感を有する木質プラスチック複合材パネルを製造するための方法及び装置に係り、特に、所定のサイズを有する木質繊維が合成樹脂のマトリクス内に一様に分散するように樹脂複合体の押し出し及び冷却して樹脂複合体をパネルの形状に成形した後に、温度及び圧力を印加することによってパネルの表面上に天然木材の切断面に対応する木質パターンを形成する型押しプロセス及び線形の微細凹凸部を形成するブラッシングプロセスを逐次実施することができる、木質プラスチック複合材パネルの製造方法及びそれを実施可能である木質プラスチック複合材パネルを製造するための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
天然木材を用いた建材は、水や太陽光によって建材の形状または質感が容易に損傷を受けるという問題を有する。このため、天然木材の問題を排除できる木質プラスチック複合材を開発するために、数多くの研究が行われてきた。木質プラスチック複合材の木材は、粒状またはペレット状の木質繊維及び合成樹脂を所定の混合比で混合して、製品の用途に従った様々な添加剤を加え、その混合物をパネル形状へと押し出しまたは射出を用いて成形することによって、製造される。
【0003】
しかしながら、上述のように製造された木質プラスチック複合材パネルにおいては、樹脂複合体のマトリクス成分である合成樹脂が、押し出し後のパネル表面の外層を構築する。結果として、木質繊維を充填材として使用しているのにも関わらず、プラスチック独特のオイル状の触感及び高い光沢性によって、天然木材独特の外観及び質感が得られない。そこで、木質プラスチック複合材パネルの問題を解決するために、多様な試みが行われてきた。
【0004】
特に、木質プラスチック複合材パネルに天然木材の外観及び表面の質感を与えるための試みがいくつか行われてきた。例えば、異なる色彩を有する顔料を用いて押し出しを行う方法、手で木質パターン処理を行う方法、木質パターンを転写または印刷する方法、人工材または天然木材の木質パターンを有するフィルムを積層する方法が、一般的に用いられてきた。しかしながら、これらの方法は、製造プロセスが非常に複雑であり、製品の耐久性に劣ることもあるという問題を有する。
【0005】
上述の問題を解決するため、木質プラスチック複合材の木材の表面に、天然木材の切断面に極限まで類似した質感を与えることが可能な新規方法が提案されている。この提案された方法の代表的な例は、所定の方向に移動している木質プラスチック複合材の木材の表面上に繰り返しの型押しパターンを形成することであり、所定の型押しカービング及びくぼみカービングの組を有する円形のロールを上方からパネルの表面に向けて垂直に押圧すること、または、動力伝達ユニットを用いて円形ロールを高速回転させることによって、行われる。パネル表面上に型押し木質パターンを形成するこの方法は、押し出されたパネルを所定のサイズに切断した後に行われ得る。
【0006】
木質プラスチック複合材パネルにはその表面に、木質パターンのようなパターンが与えられる。しかしながら、木質プラスチック複合材パネルは高い光沢性を有し、使用者が木質プラスチック複合材パネルに触れた際に、合成樹脂独特のオイル状の触感を使用者が感じる。結果として、木質パターンの提供が可能であるが、天然木材の高級な外観及び質感は制限される。
【0007】
天然木材を直接処理することによって製造される天然木材パネルの場合、製造された天然木材パネルを滑らかに処理した後には、優れた外観及び質感が与えられる。従って、その表面が精巧に処理された高品質の天然木材パネルが一般的に、建物の内装及び外装用に用いられる。表面処理された天然木材パネルは、美しい木質パターン、滑らかでソフトな触感及び適切な光沢性を有する。結果として、木質パターンを示すことが可能である。これは、木材を構成するセルロースポリマーの固有の物理的性質及び天然木材の組織の複雑な作用によってもたらされるものである。
【0008】
他方、木質プラスチック複合材の木材の表面が天然木材と同様の方法で滑らかに処理されると、木質プラスチック複合材の木材は、合成樹脂独特の高い光沢性及びオイル状の触感を有する。
【0009】
従って、合成樹脂及び木質繊維を含む樹脂複合体を材料として用いながらも低コストで天然木材の切断面のような外観及び質感を提供するための技術が特に必要とされている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
従って、本発明は、上述の問題及び未だ解決されていない他の技術的問題を解決するために成されたものである。
【0011】
特に、本発明の第一の課題は、木質プラスチック複合材パネルの表面上に天然木材の切断面のような外観及び質感を有する木質パターンを直接実現することが可能であると同時に、木質繊維及び合成樹脂を含む材料の利点を最大限に活かし、インクジェット印刷またはロール印刷を用いた印刷方法及び切断された材料の木材パネル上に装飾シートを積層する後処理方法を排除した、木質プラスチック複合材パネルの製造方法を提供することである。
【0012】
本発明の第二の課題は、パネルの押し出し後に標準的なサイズに切断されたパネル上に表面処理を行うための従来の後処理作業を省略し、よって、押し出し速度を変更せずに押し出しプロセス中にパネル上の表面処理を直接実施し、従って、後処理作業による製造コストの増加を最小化できる、木質プラスチック複合材パネルの製造方法を提供することである。
【0013】
本発明の第三の課題は、木質プラスチック複合材パネルの製造方法を効率的に実施することが可能な、木質プラスチック複合材パネルを製造するための装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の一側面によると、上述の及び他の課題は、(a)木質繊維が合成樹脂のマトリクス中に一様に分散するように樹脂複合体を押し出し及び冷却して、樹脂複合体をパネルの形状に成形するパネル製造プロセスと、(b)プロセス(a)が完了した後にパネルの表面上に天然木材の切断面に対応する木質パターンを所定の深さに形成する型押しプロセスと、(c)プロセス(b)が完了した後にパネルの表面から合成樹脂の層の一部を除去して線形の微細凹凸部を所定の深さに形成するブラッシングプロセスとを備える、木質プラスチック複合材パネルの製造方法を提供することによって解決可能である。
【0015】
本発明による製造方法の特徴は、印刷またはシートの積層なしでパネルの表面上に天然木材の切断面に対応する外観及び質感が実現可能であることと、パネル製造プロセス、押し出しプロセス及びブラッシングプロセスが逐次実行されパネルの表面処理がパネルを所定のサイズに切断する前に行われ、全プロセスが大幅に簡略化されることとである。
【0016】
明細書中で用いられる“逐次プロセス”という用語は、一連の作業がパネルを製造プロセスから外さずに進められることを意味する。従って、プロセスを最適化するために逐次プロセスに複数のプロセスを追加することは排除されない。例えば、後述するように、型押しプロセスの前にパネルを予熱するためのプロセスを追加することができ、ブラッシングプロセスの前にパネルを冷却するためのプロセスを追加することができる。
【0017】
また、本発明による製造プロセスの特徴は、木材の切断パターンの型押し構造がパネルの表面上に所定の深さに形成され、また、線形の微細凹凸構造もパネルの表面上に所定の深さにされることである。
【0018】
広範囲かつ集中的な様々な研究及び実験の結果として、本発明の発明者は、型押し構造及び線形の微細凹凸構造の両方を合成樹脂に基づいた樹脂複合体パネルの表面上に形成し、その樹脂複合体パネルが天然木材の切断面とは異なる表面構造を有してはいるが天然木材に対応する外観及び質感を提供することを発見した。従って、本発明は、新規構造を有する木質プラスチック複合材パネルの製造方法を提供する。
【0019】
プロセス(a)で押し出された樹脂複合体は、マトリクス成分としての合成樹脂と充填材としての木質繊維とを含む。合成樹脂は、木質繊維との適合性が高くて強度及び耐久性が高いポリマーである限りは、特に制限されない。合成樹脂として、ポリエチレンベースのポリマー樹脂、ポリプロピレンベースのポリマー樹脂またはポリスチレンベースのポリマー樹脂を用いることが好ましい。
【0020】
木質繊維は、天然木材または再生木材を粒状またはペレット状に粉砕することによって得られた木粉、他の種類の天然繊維(例えば麻、フレクス(flex)、ジュート、ケナフ、セルロース等)を所定の長さに切断することによって得られた短繊維を含む。木質繊維は、樹脂複合体の全重量に基づいて略20から80重量パーセント、好ましくは30から50重量パーセントを有し得るが、木質プラスチック複合材パネルの用途に応じて、木質繊維の重量パーセントは変更可能である。しかしながら、木質繊維の含有量が少な過ぎると、合成樹脂の含有量が増加するので、天然木材に対応する外観及び質感を提供することが難しい。木質繊維の含有量が多過ぎると、合成樹脂の含有量が減少するので、木質繊維の結合力が減少する。従って、所望の程度の強度及び耐久性を提供することは難しい。
【0021】
木質繊維は、20から300メッシュ、好ましくは90から150メッシュのサイズを有する。木質繊維のサイズが大き過ぎると、パネルの強度が低下する。他方、木質繊維のサイズが小さ過ぎると、樹脂複合体中の木質繊維の分布が一様でなくなる。特に、パネルが型押し構造と微細凹凸構造を有しているにも関わらず、所望の外観及び質感を提供することができなくなるが、これについては後で詳述する。
【0022】
溶解及び押し出しプロセスにおいては、ペレット状の合成樹脂がホッパーを介して投入されて、加熱された押し出し機内で溶解されて、その後、押し出し機内で他の成分と混合される。本発明による樹脂複合体においては、例えば、合成樹脂のペレット及び木質繊維がホッパーを介して投入され、その後押し出し機内で混合される。
【0023】
パネルの用途に応じて、様々な成分を樹脂複合体に加えてもよい。
【0024】
典型的には、顔料を、樹脂複合体の全重量に基づいて1から5重量%で樹脂複合体に加えることによって、多様な色彩を木材の種類別に提供することができる。無機顔料を樹脂複合体に加えることが好ましい。何故ならば、太陽光による変色の可能性が低く、本来の色彩が長期間維持されるからである。顔料を単独で用いてもよい。しかしながら、状況に応じて、二種以上の顔料を組み合わせて用いて、様々な色彩を表現してもよい。
【0025】
メインホッパーまたはサイドホッパーを介してマスターバッチ(例えばペレット)形状で顔料を投入することが好ましい。顔料含有マスターバッチの樹脂は、マトリクス成分としての合成樹脂と同一でも異なってもよい。本発明による製造方法において、マトリクス成分としての合成樹脂と同一の樹脂に無機顔料が加えられているマスターバッチ形状で顔料が用いられることが好ましい。
【0026】
好ましい実施形態においては、マトリクス成分としての合成樹脂が1.0から3.0のメルトインデックスを有し、顔料含有マスターバッチの樹脂が1から30のメルトインデックスを有する。また、これらの樹脂は、メインホッパーを介して一緒に供給され、その後、押し出し機のバレルの溶解温度によって、または、バレル中のスクリューによる機械的な混合によって、一様に混合されて、これにより、天然木材の種類に応じた切断面の色彩を実現することができる。
【0027】
状況に応じて、メインホッパーを介して供給される顔料含有マスターバッチ(A)の樹脂のメルトインデックスよりも低いメルトインデックスを有する樹脂とマスターバッチ(A)の顔料と異なる色彩を有する顔料とを含むマスターバッチ(B)をサイドホッパーを介して供給してもよく、これにより、マスターバッチ(B)の顔料がマスターバッチ(A)の顔料と完全に混合されておらず、パネルが非一様な境界を有することを特徴とするパネルを製造することが可能である。
【0028】
パネルを製造するための押し出し、較正及び冷却は、一般的な方法に従って実施することができる。
【0029】
押し出し機ダイから押し出されたパネルは、動力伝達ユニットを用いて型押しステージに移送されることが好ましい。
【0030】
プロセス(b)つまり、押し出しプロセスは、木材を切断した際の切断面を示す木質パターン(“木材の切断パターン”)をパネルの表面上に型押しカービング及びくぼみカービングを有する型押し構造で形成するための、第一の表面処理プロセスである。このプロセスは、表面に刻まれた木材の切断パターンに対応する形状を有する型押しロールを、加熱及び押圧しながら、パネルの表面に押圧することによって、実施されることが好ましい。
【0031】
パネルの表面上に木材の切断パターンを形成するためには、パネルの表面を、その融点付近の温度レベルにまで加熱する必要がある。これは、加熱型型押しロールを用いて、パネルを押圧すると同時に加熱することによって達成可能である。
【0032】
状況に応じて、本製造方法は更に、型押しプロセスを実施する前に、所定の温度レベルにパネルを加熱する予熱プロセスを備えてもよく、瞬間的な加熱によるパネルの変形及び/又は表面の劣化を防止する。一般的に、ポリオレフィンをマトリクス樹脂として使用した場合、樹脂複合体の融点は略120から180℃である。従って、パネルを略100から200度に予熱して、加熱型型押しロールによってパネルが目標の温度レベルに到達できることが好ましい。
【0033】
様々な方法を用いて、予熱プロセスを実施することができる。加熱プロセスを赤外線ヒータを用いて実施することが好ましい。加熱型型押しロールは小さな接触界面を介してパネルを加熱するのに対して、予熱プロセスは、面加熱式で大きな面積を加熱可能なように実施される。従って、加熱型型押しロールを用いてパネルを急速加熱する必要が無く、パネルを一様に加熱することが可能である。
【0034】
型押しプロセスにおいて形成される型押し構造の深さは、型押しロール表面に刻まれた形状の深さが一様でない場合においても、温度、圧力、型押しロールの回転速度等の様々な因子に応じて変化するものである。従って、温度、圧力、型押しロールの回転速度を適切に調節することによって、所望の深さを得ることができる。
【0035】
本製造方法は更に、型押しプロセスが完了した後にパネルを冷却する冷却プロセスを備えることが好ましい。冷却プロセスは、圧縮空気を用いた空冷式または水を用いた水冷式で実施可能である。
【0036】
プロセス(c)つまりブラッシングプロセスは、表面に形成された型押し構造を有するパネルの表面から合成樹脂の層の一部を除去して、パネルが所定の表面粗さ及び低い光沢性を有するように線形の微細凹凸部を形成するための第二の表面処理プロセスである。このプロセスは、所定の太さ及び長さを有し、外面に規則的または不規則に形成された複数の鉄ブラシを有するブラッシングロールを、パネルの表面上に高速回転させることによって実施されることが好ましい。
【0037】
ブラッシングプロセス中、合成樹脂の層の一部がパネルの表面から除去される。状況に応じて、木質繊維が外側に露出されて、線形の微細凹凸構造が、ブラッシングロールの回転方向に、パネルの表面上に形成される。線形の微細凹凸構造の深さは、鉄ブラシの太さ及び長さ、ロールの回転速度、パネルとロールとの間の距離等の様々な因子に応じて、調節可能である。
【0038】
ブラッシングプロセスは主に、パネルの上面に行われる。しかしながら、状況に応じて、ブラッシングプロセスを、パネルの下面及び/又は側面に行ってもよい。
【0039】
パネルの型押し構造は、天然木材の切断面の美しいパターンを提供する。しかしながら、パネルは型押し構造を有してはいるが合成樹脂複合体の独特の物理的性質のせいで、天然木材の切断面に対応する外観及び質感を提供することができない。そこで、ブラッシングプロセスによって型押し構造上に線形の微細凹凸構造を形成する結果として型押し構造を部分的に変更し、合成樹脂複合体の基本的な問題を解消し、型押し構造及び線形の微細凹凸構造によって最終的に形成された複合材の構造によって、パネルが天然木材の切断面に対応する外観及び質感を提供する。
【0040】
一方、型押しプロセスを実施せずにブラッシングプロセスによって線形の微細凹凸構造のみをパネルの表面上に形成する場合、合成樹脂の独特の物理的性質を大幅に弱めることが可能である。しかしながら、天然木材の独特の物理的性質(特に美しい外観)を提供することは不可能である。更に、型押し構造及び線形の微細凹凸構造が以下の特定の条件を満たす場合には、所望の効果を提供することが確かめられた。
【0041】
特に型押し構造が200から900μm、好ましくは500から600μmの平均深さを有し、線形の微細凹凸構造が10から500μm、好ましくは200から300μmの平均深さを有し、光がパネルの表面に60度の入射角で入射した際にパネルが10から50%、好ましくは10から30%の反射率を有する場合には、合成樹脂ベースの樹脂複合体を材料として用いているにもかかわらず、天然木材に匹敵する外観及び質感を得ることが可能である。
【0042】
型押し構造の深さが小さ過ぎるかまたは大き過ぎると、型押し構造の個々の突起間の距離が狭過ぎるかまたは広過ぎになる。結果として、合成樹脂のオイル状の触感が増大し、また、パネルの表面の光の反射率が増大する。従って、パネルが天然木材の外観及び質感を提供することができない。
【0043】
更に、線形の微細凹凸構造の深さが小さ過ぎると、合成樹脂のオイル状の触感が充分に取り除かれない。一方、線形の微細凹凸構造の深さが大き過ぎると、天然木材のパターンに対応するパターンが過度に損傷を受ける。
【0044】
微細凹凸構造は、木材の切断パターンの型押し構造とは異なり、パネルの表面上に線形に形成される。微細凹凸構造が、木材の切断パターンの木目に平行に、パネルの表面上に形成されることが好ましい。
【0045】
型押し構造及び線形の微細凹凸構造によって得られる光の反射率が大き過ぎると、パネルの光沢性が増大し、天然木材の切断面に対応する外観を提供することが難しくなる。他方、型押し構造及び線形の微細凹凸構造の深さが大きいと、光の反射率を小さくすることができる。しかしながら、パネルの表面粗さが過度に増大する。
【0046】
本発明による方法によって製造される木質プラスチック複合材パネルは、パネルの用途に応じた所定のサイズ及び形状に切断され得る。
【0047】
本発明の他の側面によると、上述の木質プラスチック複合材パネルの製造方法を効率的に実施可能である、木質プラスチック複合材パネルを製造するための装置が提供される。
【0048】
本発明による木質プラスチック複合材パネルを製造するための装置は、樹脂複合体を押し出して樹脂複合体をパネルの形状に成形するための押し出しユニットと、押し出されたパネルを冷却するための冷却ユニットと、冷却ユニットから冷却されたパネルを回収してパネルを後続段階に移すことを可能にするための回収ユニットと、パネル表面上に型押しプロセス及びブラッシングプロセスを実施するための表面処理ユニットと、表面処理されたパネルを所定のサイズ及び形状に切断するための切断ユニットとを備える。
【0049】
本発明による製造装置の特徴は、型押しプロセス及びブラッシングプロセスが表面処理ユニットにおいて逐次実施されることと、表面処理ユニットが切断ユニットの前に配置されていることとである。
【0050】
押し出しユニット、冷却ユニット、回収ユニット及び切断ユニットは、木質プラスチック複合材パネルを製造するための従来の装置のものと同一であるか非常によく似ている。回収ユニットの機能は、冷却ユニットからパネルを回収して、回収されたパネルを後続の表面処理ユニットに移送することであり、よって、表面処理ユニットに駆動力が提供される。
【0051】
表面処理ユニットは、表面に刻まれた木材の切断パターンに対応する形状を有する加熱型型押しロールを含み、温度及び圧力を印加することによってパネルの表面に型押し構造が形成される。また、表面処理ユニットは、外面に形成された複数の鉄ブラシを有するブラッシングロールを含み、表面に型押し構造が既に形成されているパネルの表面に線形の微細凹凸構造が形成される。ブラシングロールを高速回転させる。
【0052】
加熱型型押しロールには、その表面上に、木材の切断パターンに対応する形状を有する型押しカービング及びくぼみカービングの組が提供される。加熱型型押しロールは、圧力制御部によって所定の圧力レベルでパネル上に押圧される。加熱型型押しロールは、ロールの回転シャフト方向に取り付けられた複数の電気型加熱ロッドを有する。加熱型型押しロールは、加熱ロッドによって加熱された加熱オイルがロール内部を循環してロール全体の温度を一様に保つように構成されている。圧力制御部の機能は、油圧または空気圧を用いて、型押しロールをパネル表面上に押圧することである。
【0053】
パネルの融点は、合成樹脂の種類、木質繊維の種類及びサイズ、合成樹脂及び木質繊維の含有量等に依存して、変化し得る。従って、加熱ロッドに供給される電力量を制御することによって、所望の加熱温度を決めることができる。また、型押し構造を形成するためにパネルに印加されるロールの圧力は、様々な因子に依存して決められ得る。例えば、ロールの圧力は大気圧(略1bar)よりは大きくて、10barよりは小さい。
【0054】
加熱型型押しロールは追加電源を含むことができ、自力で加熱型型押しロールが回転することができる。しかしながら、加熱型型押しロールは、パネルが移動すると電力無しの状態でパネルに押圧されたロールが回転して、パネルの表面に木材の切断パターンが転写されるように構成されていることが好ましい。
【0055】
電力無しで駆動する型押しロールの場合、パネルの移送速度を維持するための駆動ロールが型押しロールの前に取り付けられていることが好ましい。駆動ロールはパネルと接触しながら、パネルに駆動力を提供する。従って、状況に応じて、駆動ロールがパネルを予熱するための加熱ロッド及び加熱オイルを有するように、駆動ロールを構成してもよい。
【0056】
好ましい実施形態においては、型押しロールによる型押しプロセスの効率を改善するために、駆動ロールと型押しロールとの間に追加の予熱部が取り付けられる。型押しロールは小さな接触界面を介してパネルを加熱する。従って、予熱部によってパネルを容易に加熱できるように、予熱部を接触型または非接触型面加熱構造に構成することが好ましい。
【0057】
型押しロールによって加熱されたパネルを冷却するために、型押しロールとブラッシングロールとの間に、空冷式または水冷式冷却部が取り付けられることが好ましく、凝固したパネルの表面から合成樹脂の層を効果的に取り除くことができるようになる。
【0058】
冷却部によって冷却されたパネルに残留している余熱及び応力によるパネルの変形(曲がり等)を防止するため、加圧状態にあるパネルを移送するためのガイドロールが冷却部の後ろに取り付けられていることが好ましい。
【0059】
ブラッシングロールは、所定の太さ及び長さを有し規則的または不規則に外面に(入り込んで)形成された複数の鉄ブラシを備えたブラッシングロールの構造に構成されていて、ブラッシングロールをパネルの表面上に高速回転させる。ブラッシングロールは、パネルの移動方向と同じ方向に回転してもよく、パネルの移動方向と反対の方向に回転してもよい。
【0060】
鉄ブラシの太さ及び長さ、ブラッシングロールの回転速度、及び、ブラッシングロールとパネルとの間の距離は、パネルに形成される線形の微細凹凸構造の深さに密接に関係している。従って、鉄ブラシの太さ及び長さ、ブラッシングロールの回転速度、及び、ブラッシングロールとパネルとの間の距離を、パネルに形成される線形の微細凹凸構造の所望の深さに応じて、変更することができる。例えば、線形の微細凹凸構造の深さを以下の方法によって調節することができる。
【0061】
(i)鉄ブラシの太さを変更する方法、
【0062】
(ii)鉄ブラシの長さを変更する方法、
【0063】
(iii)ブラッシングロールの回転速度を変更する方法、
【0064】
(iv)ブラッシングロールとパネルとの間の距離を変更する方法、
【0065】
(v)方法(i)から(iv)の二つ以上の組み合わせ。
【0066】
例えば、ブラッシングロールの鉄ブラシは、0.1から0.5mmの太さと、10から50mmの長さ(ロールの表面から延伸する長さ)とを有し、ブラッシングロールが50から500rpmの速度で回転して、ブラッシングロールがパネルから−10から0mmで間隔が空けられて(パネルに接触する鉄ブラシの長さが0から10mmの場合)、パネル上に所望の深さを有する線形の微細凹凸構造が形成される。
【0067】
ブラッシングロールの数は、表面処理が実行されるパネルの外面の数に応じて変更可能である。パネルの全外面が表面処理される場合には、ブラッシングロールは、パネルの上面及び下面に表面処理を行うための一対のブラッシングロールと、パネルの両側面に表面処理を行うためのもう一対のブラッシングロールとを含み得る。
【0068】
ブラッシングロールによってパネルに表面処理した後には、パネルから切り取られた多量の粉末がパネルの表面上に残留している。この粉末は、例えば圧縮空気噴射部によって、パネルの表面から除去可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0069】
本発明の上述のまたは他の課題、特徴及び他の利点は、添付図面に関連した下記の詳細な説明によってより明確に理解されるものである。
【0070】
これから、添付図面を参照して、本発明の好ましい実施形態を詳述する。しかしながら、本発明の範囲は、例示された実施形態に限定されるものではないことに留意されたい。
【0071】
図1は、本発明の好ましい実施形態による木質プラスチック複合材パネルを製造するための装置の全構成を示す代表図である。
【0072】
図1を参照すると、木質プラスチック複合材パネルを製造するための装置100は、樹脂複合体を押し出して樹脂複合体をパネル形状に成形するための押し出しユニット200と、押し出されたパネルを冷却するための冷却ユニット300と、冷却ユニットから冷却されたパネルを回収してパネルを後続段階に移すことを可能にするための回収ユニット400と、パネル表面上に型押しプロセス及びブラッシングプロセスを実施するための表面処理ユニット500と、表面処理されたパネルを所定のサイズ及び形状に切断するための切断ユニット600とを含む。
【0073】
押し出しユニット200、冷却ユニット300、回収ユニット400及び切断ユニット600は従来技術のものと同一であるか非常に類似したものである。従って、表面処理ユニット500についてのみ、図2を参照して以下に詳述する。
【0074】
図2を参照すると、表面処理ユニット500は、パネル700の輸送を維持するための駆動ロール510と、パネル700を所定の温度レベルに加熱するため予熱部520と、型押しプロセスを実施するための型押しロール530と、加熱したパネル700を冷却するための冷却用圧縮空気噴射部540と、パネルの変形を抑制するためのガイドロール550と、パネル700の上面及び下面にブラッシングプロセスを実施するための一対の第一のブラッシングロール560と、パネル700の両側面にブラッシングプロセスを実施するための一対の第二のブラッシングロール570と、ブラッシングプロセスを実施した後にパネル700の外面上に残留している粉末をパネル700から除去するための圧縮空気噴射部580と、パネル700の側面と接触しパネル700の移動を誘導するための垂直回転シャフトを有する複数の側方回転ロール590とを含む。
【0075】
駆動ロール510及び型押しロール530の上方にはそれぞれ、圧力制御部511及び531が取り付けられ、これによって、駆動ロール510及び型押しロール530がパネル700の一方の表面と接触しながら、駆動ロール510及び型押しロール530が所定の圧力に押圧される。パネルの反対側には、支持ロール512及び532が配置されている。
【0076】
型押しロール530が小さな接触界面を介してパネル700を加熱するのに対して、予熱部520は面加熱構造に構成されている。従って、予熱部520は、型押しロール530よりも優れた加熱効率を有する。加熱部520は図面に示されるような非接触型赤外線ヒータであることが好ましい。
【0077】
型押しロール530は加熱型ロールである。型押しロール530にはその表面に、木材の切断パターンに対応する形状を有する型押しカービング及びくぼみカービングの組533が与えられる。また、型押しロール530は、ロールの回転シャフトの方向に取り付けられた複数の電気型加熱ロッド534を有する。加熱ロッド534によって加熱される加熱オイルがロールの内部を循環して、ロール全体の温度を一様に維持する。
【0078】
図3は、型押しロールの内部構造の一例を部分的に示す代表図である。図3を参照すると、電気型加熱ロッド534が、回転シャフト535に平行にロール536内に半径方向に取り付けられる。加熱ロッド534は、電気ヒータモジュール537から供給される電気によって加熱される。加熱ロッド534の過熱は、ロール536内に取り付けられたサーモカップル538によって防止される。
【0079】
図2に戻ると、型押しロール530によって型押しプロセスが実施されたパネル700は加熱状態にある。従って、パネル700は、圧縮空気噴射部540から噴射される空気によって冷却され、後続プロセス(つまり、ブラッシングプロセス)を実施できるようにされる。
【0080】
パネル700の加熱及び冷却中に、パネルには余熱が部分的に残る。更に、パネル700は型押しロール530によって押圧される。結果として、パネル700を変形する(例えば曲げる)可能性のある熱応力がパネル700に残る。このため、パネル700に残っている熱応力をガイドロール550によって除去する。従って、パネル700の変形が抑制される。
【0081】
第一のブラッシングロール560の構造は、第二のブラッシングロール570の構造と本質的に同一である。例えば、第一のブラッシングロール560は、複数の鉄ブラシ562が第一ブラッシングロール560の外面に形成された構造に構成されている。
【0082】
図4及び図5に示されるように、ブラッシングロール560及び570は、モータ563及び573によって高速回転して、パネル700の上面、下面、両側面にブラッシングプロセスを実施する。ブラッシングロール560及び570はパネル700の移動方向(矢印の方向)と同じ方向、または、パネル700の移動方向とは反対の方向のどちらかに回転し得る。ブラッシングプロセス中、ブラッシングロール560及び570の鉄ブラシ562及び572はパネル700の表面を高速ラビングして、パネル700の表面の合成樹脂を切り取る。結果として、パネル700の表面上に微細凹凸部が形成される。
【0083】
以下、本発明の実施例について詳述する。しかしながら、本発明の範囲は示された実施例に限定されるものではないことに留意されたい。
【0084】
[実施例1]
マトリクス成分としてポリエチレンを重量割合で100%、充填材として略100メッシュを有する針葉樹の木粉を重量割合で85%、無機顔料として酸化鉄(赤)を重量割合で5%、潤滑剤を重量割合で5%、結合剤を重量割合で10%、ホッパーを介して図1の押し出しユニット200内に投入し、押し出しユニット200内で溶解し、押し出しユニット200から押し出した。その後、図1の表面処理ユニット500によって、押し出されたパネルの表面上に、型押しプロセス及びブラッシングプロセスを実施した。その後、切断ユニット600によって、表面処理されたパネルを所定のサイズに切断した。このようにして、木質プラスチック複合材パネルを製造した。
【0085】
型押しプロセスを、180℃の温度、5barの圧力及び80rpmのロールの回転速度で実施した。ブラッシングプロセスを、太さ0.3mm及び長さ50mmの複数の鉄ブラシを有するブラッシングロールを高速(例えば、300rpmの速度)で回転させることによって、実施した。
【0086】
図6は、上述の製造プロセスによって表面上に形成された木材の切断パターンの型押し構造を有するパネルを示す平面写真であり、図7は、型押し構造に加えて、表面上に形成された線形の微細凹凸構造を有するパネルを示す平面写真を拡大したものである。図7から分かるように、複数の微細凹凸部が、木材の切断パターンに平行な方向に、木材の切断パターン上に線形に形成されている。
【0087】
図8及び9は、木質プラスチック複合材パネルの写真を側面から撮った際の最終的に製造された木質プラスチック複合材パネルの平面写真及び断面写真を拡大したものである。図8から分かるように、微細凹凸部が、木材の切断パターンの型押し構造に沿って線形に形成されている。図9から確認できるように、この型押し構造は、略600から850μmの深さを有する。勿論、型押し構造の深さは、処理条件に依存して適切に調節可能である。
【0088】
[実施例2から4]
ブラッシングロールの鉄ブラシの長さ及び太さを変更して、ブラッシングプロセスを300rpmの速度で実施した以外に関しては実施例1と同じ方法によって、木質プラスチック複合材パネルを製造した。ブラッシングプロセスの条件については、下記の表1に示す。
【0089】
上述のように製造した木質プラスチック複合材パネルの表面の同一の領域内の任意の12点上に、60度の入射角で光を入射させて、反射率を測定した。更に、天然木材(桜の木)パネルの外観及び質感の評価値を5.0とした際に、実施例2から4の木質プラスチック複合材パネルの相対的な評価値を10人に決めてもらった。結果を下記の表1に示す。
【0090】
【表1】

【0091】
表1から分かるように、ブラッシングプロセスの条件に依存して反射率が僅かに異なるが、反射率は一般的にかなり低下した。特に、表面の質感に関する満足度は、天然木質パネルの略95%以上であった。つまり、満足度は非常に高かった。
【産業上の利用可能性】
【0092】
上述の記載から明らかなように、本発明による木質プラスチック複合材パネルの製造方法は、木質プラスチック複合材パネルの表面上に天然木材の切断面のような外観及び質感を有する木質プラスチック複合材パネルを直接実現すると共に、木質繊維及び合成樹脂を有する材料の利点を最大限に活かす効果を有する。更に、パネルの押し出し後に所定のサイズに切断されたパネル上に表面処理を実施するための従来の後処理作業が省略される。つまり、押し出し速度を変更せずに押し出しプロセス中にパネル上に表面処理を実施することができる。従って、後処理作業による製造コストの上昇が最小化される。
【0093】
本発明の好ましい実施形態について例示目的で開示したが、当業者であれば、特許請求の範囲に記載された本発明の範囲及び精神から逸脱せずに多様な変形、追加及び置換が可能であることを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0094】
【図1】本発明の好ましい実施形態による木質プラスチック複合材パネルを製造するための装置の全構成を示す代表図である。
【図2】図1に示される表面処理ユニットを示す代表図である。
【図3】図2に示される型押しロールの内部構造の一例を示す部分的な代表図である。
【図4】図2に示されるブラッシングロールを用いてパネルの上面及び下面をブラッシングするためのブラッシングプロセスを示す代表図である。
【図5】図2に示されるブラッシングロールを用いてパネルの両側面をブラッシングするためのブラッシングプロセスを示す代表図である。
【図6】実施例1による表面上に形成された木材の切断パターンの型押し構造を有するパネルを示す平面写真である。
【図7】型押し構造に加えて表面上に形成された線形の微細凹凸構造を有するパネルを示す平面写真を拡大したものである。
【図8】木質プラスチック複合材パネルの写真を側面から撮った際の実施例1によって製造された木質プラスチック複合材パネルの平面写真である。
【図9】木質プラスチック複合材パネルの写真を側面から撮った際の実施例によって製造された木質プラスチック複合材パネルの断面写真を拡大したものである。
【符号の説明】
【0095】
100 木質プラスチック複合材パネルを製造するための装置
200 押し出しユニット
300 冷却ユニット
400 回収ユニット
500 表面処理ユニット
510 駆動ロール
511、531 圧力制御部
512、532 支持ロール
520 予熱部
530 型押しロール
533 型押しカービング及びくぼみカービングの組
534 加熱ロッド
535 回転シャフト
536 ロール
537 電気ヒータモジュール
538 サーモカップル
540 冷却用圧縮空気噴射部
550 ガイドロール
560 第一のブラッシングロール
562、572 鉄ブラシ
563、573 モータ
570 第二のブラッシングロール
580 圧縮空気噴射部
590 側方回転ロール
600 切断ユニット
700 パネル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a) 木質繊維が合成樹脂のマトリクス中に一様に分散するように樹脂複合体を押し出し及び冷却して、前記樹脂複合体をパネルの形状に成形するパネル製造プロセスと、
(b) プロセス(a)が完了した後に前記パネルの表面上に所定の深さに天然木材の切断面に対応する木質パターンを形成する型押しプロセスと、
(c) プロセス(b)が完了した後に前記パネルの表面から合成樹脂の層の一部を取り除いて所定の深さに線形の微細凹凸部を形成するブラッシングプロセスとを備えた、木質プラスチック複合材パネルの製造方法。
【請求項2】
前記合成樹脂がポリオレフィンベースのポリマー樹脂であり、該ポリオレフィンベースのポリマー樹脂中に前記木質繊維が前記樹脂複合体の全重量に基づいて略20から80重量%で含有されていて、前記木質繊維が20から300メッシュのサイズを有する請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
前記樹脂複合体が、該樹脂複合体の全重量に基づいて1から5重量%の無機顔料を更に備える請求項1に記載の製造方法。
【請求項4】
マトリクス成分としての前記合成樹脂が1.0から3.0のメルトインデックスを有し、顔料含有マスターバッチの樹脂が1から30のメルトインデックスを有し、これらの樹脂がメインホッパーを介して一緒に供給され、押し出し機のバレルの溶解温度によってまたは該バレル内のスクリューによる機械的な混合によって一様に混合される請求項1に記載の製造方法。
【請求項5】
前記メインホッパーを介して供給される前記顔料含有マスターバッチ(A)の樹脂のメルトインデックスよりも低いメルトインデックスを有する樹脂と、前記マスターバッチ(A)の顔料と異なる色彩を有する顔料とを含有するマスターバッチ(B)を、サイドホッパーを介して供給する請求項4に記載の製造方法。
【請求項6】
前記型押しプロセスが、木材の切断パターンに対応する形状が表面に刻まれた加熱型型押しロールを加熱しながら前記パネルの表面に押圧することによって実施される請求項1に記載の製造方法。
【請求項7】
瞬間的な加熱による前記パネルの表面の劣化及び/又は変形を防止するために、前記型押しプロセスを実施する前に前記パネルを所定の温度レベルに加熱する予熱プロセスを更に備える請求項1に記載の製造方法。
【請求項8】
前記型押しプロセスが完了した後に前記パネルを冷却する冷却プロセスを更に備える請求項1に記載の製造方法。
【請求項9】
前記ブラッシングプロセスが、所定の太さ及び長さを有し外面に規則的または不規則に形成された複数の鉄ブラシを有するブラッシングロールを前記パネルの表面上に高速回転させることによって実施される請求項1に記載の製造方法。
【請求項10】
前記型押しプロセスによって形成される型押し構造が200から900μmの平均深さを有し、前記ブラッシングプロセスによって形成される線形の微細凹凸構造が10から500μmの平均深さを有し、前記パネルの表面に60度の入射角で光を入射させた際に前記パネルが10から50%の反射率を有する請求項1に記載の製造方法。
【請求項11】
前記線形の微細凹凸構造の深さが、
(i) 鉄ブラシの太さを変更する方法、
(ii) 鉄ブラシの長さを変更する方法、
(iii) ブラッシングロールの回転速度を変更する方法、
(iv) ブラッシングロールとパネルとの間の距離を変更する方法、
(v) 方法(i)から(iv)の二つ以上の組み合わせ
のうちのいずれか一つの方法によって調節される請求項10に記載の製造方法。
【請求項12】
請求項1に記載の樹脂複合体を押し出して該樹脂複合体をパネルの形状に成形するための押し出しユニットと、
押し出された前記パネルを冷却するための冷却ユニットと、
前記冷却ユニットから冷却された前記パネルを回収して該パネルを後続段階に移すことを可能にするための回収ユニットと、
前記パネルの表面上に型押しプロセス及びブラッシングプロセスを逐次実施するための表面処理ユニットと、
表面処理された前記パネルを所定のサイズ及び形状に切断するための切断ユニットとを備えた、木質プラスチック複合材パネルを製造するための装置。
【請求項13】
前記表面処理ユニットが、温度及び圧力を印加することによって前記パネルの表面に型押し構造が形成されるように、木材の切断パターンに対応する形状が表面に刻まれた加熱型型押しロールと、前記型押し構造が既に表面上に形成されている前記パネルの表面に線形の微細凹凸構造が形成されるように、複数の鉄ブラシが外面に形成されたブラッシングロールとを含み、該ブラッシングロールを高速回転させる請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記加熱型型押しロールにはその表面上に、木材の切断パターンに対応する形状を有する型押しカービングとくぼみカービングとの組が提供されていて、前記加熱型型押しロールが圧力制御部によって所定の圧力レベルで前記パネル上に押圧され、前記加熱型型押しロールが該加熱型型押しロールの回転シャフト方向に取り付けられた複数の電気型加熱ロッドを有し、前記加熱型型押しロールが、前記電気型加熱ロッドによって加熱された加熱オイルが前記加熱型型押しロールの内部を循環して前記加熱型型押しロール全体の温度を一様に維持するように構成されている請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記加熱型型押しロールが、前記パネルを移動させると電力無しの状態で前記パネル上に押圧された前記加熱型型押しロールが回転して、前記パネルの表面に木材の切断パターンが転写されるように構成されている請求項13に記載の装置。
【請求項16】
前記表面処理ユニットが、前記パネルを所定の温度レベルに加熱するための予熱部を更に含み、該予熱部が前記型押しロールの前に配置されている請求項13に記載の装置。
【請求項17】
前記予熱部が非接触型赤外線ヒータである請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記表面処理ユニットが、連続的に配置されている冷却部及びガイドロールを更に含む請求項13に記載の装置。
【請求項19】
前記パネル上に所望の深さを有する線形の微細凹凸構造を形成するために、前記ブラッシングロールの鉄ブラシが0.1から0.5mmの太さ及び10から50mmの長さを有し、前記ブラッシングロールが前記パネルから−10から0mmの間隔が空けられていて50から500rpmの速度で回転される請求項13に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2009−517245(P2009−517245A)
【公表日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−542225(P2008−542225)
【出願日】平成18年11月13日(2006.11.13)
【国際出願番号】PCT/KR2006/004723
【国際公開番号】WO2007/061193
【国際公開日】平成19年5月31日(2007.5.31)
【出願人】(500239823)エルジー・ケム・リミテッド (1,221)
【Fターム(参考)】