説明

天然素材複合材料

【課題】天然素材複合材料の提供。
【解決手段】少なくとも1種の天然素材、少なくとも1種の熱可塑性樹脂及び抗菌剤を含む、微生物の有害な影響に対して保護される天然素材複合材料を開示する。複合材料は、更に、少なくとも1種の光安定剤及びCa、Mg、Al及びZnの酸化物、水酸化物又はケイ酸塩からなる群から選択される少なくとも1種の化合物を配合することによって、屋外曝露及び着色に対して有利に保護される。光安定剤は、紫外線吸収剤及び立体障害性アミンからなる群から選択される。金属酸化物は、例えばCaOである。天然素材は、例えば、木粉、亜麻、麻、ジュート、ケナフ又はもみ殻である。熱可塑性樹脂は、例えばポリエチレン又はポリプロピレンである。抗菌剤及び可能な補助添加剤は、押出、共混練、引抜成形及び射出成形等の溶融加工によって配合される。抗菌剤は、例えばチアベンダゾールである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
天然素材複合材料、例えば、木材/プラスチック複合材料は、該複合材料に溶融押出を通して抗菌剤を配合することによって微生物から効果的に保護される。光安定剤及び/又は特定の抗汚染添加剤(antistaining additive)の更なる含有は、光、熱、酸素、湿気及び化学相互作用の有害な影響に対して複合材料を効果的に保護する。
【背景技術】
【0002】
微生物からの木材及び木材複合材料の保護は既知である。
米国特許第6,323,224号明細書は、昆虫を駆除する対処用工業物質の薬剤として、既知のニトロメチレン又はニトロイミノ化合物の使用を教示している。殺菌剤、殺細菌剤及び殺藻剤の共使用も開示している。
米国特許第6,527,981号明細書は、広い範囲の殺菌性木材防腐剤としてのアゾールとアミンオキシドの共使用を開示している。
特開2000−017773号公報は、防虫性プラスチック木材を教示している。
特開平6−143205号公報は、防カビ性木材プラスチック複合材料の製造を教示しいている。
特開2000−136105号公報は、昆虫の侵入に対して保護される木材を開示している。
米国特許出願公開第2001/0027217号明細書は、フェノール系化合物及び他の抗昆虫剤、抗担子菌剤、抗シロアリ剤及び抗菌剤を含む木材又は木材複合材料層のための接着剤配合物を開示している。
木材研究資料(1983),17,122−31は、ゴム木材に対してサプスタイン(sapstain)及び糸状菌を予防するための化学調節を開示している。
米国特許第6,290,885号明細書は、天然素材複合材料を開示している。
【特許文献1】米国特許第6,323,224号明細書
【特許文献2】米国特許第6,527,981号明細書
【特許文献3】特開2000−017773号公報
【特許文献4】特開平6−143205号公報
【特許文献5】特開2000−136105号公報
【特許文献6】米国特許出願公開第2001/0027217号明細書
【非特許文献1】木材研究資料(1983),17,122−31
【特許文献7】米国特許第6,290,885号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
天然素材複合材料は、日光及び天候に対する曝露に依存して非常に短時間(典型的には、2、3週間)内に外見が銀白色に変化する。加えて、黒ずんだ汚れが、化学相互作用(金属とタンニンの相互作用)及び/又は菌類の成長によって現れ得る。これらの結果に対処するためには、特定のコーテイングによる表面処理の繰返し及び/又は様々な化学物質による清浄が必要とされる。
【0004】
化学相互作用は、例えば、金属源(鉄くぎ)とタンニンの相互作用であり、そしてその結果、望ましくない汚れが生じる。微生物の成長もまた、望ましくない汚れをもたらす。微生物の成長、天候(熱、光、湿気及び酸素)及び化学相互作用の影響の全てが、望ましくない変色をもたらす。
【課題を解決するための手段】
【0005】
驚くべきことに、溶融押出によって天然素材複合材料中に配合される場合、抗菌剤は天然素材複合材料において非常に効果的であることが発見された。チアベンダゾール、光安定剤からなる群から選択される少なくとも1種の化合物、及び/又はCa、Mg、Al及びZnの酸化物、水酸化物又はケイ酸塩からなる群から選択される少なくとも1種の化合物の組み合わせは、微生物の成長、屋外曝露及び化学相互作用の有害な影響に対する天然素材複合材料の保護のために特に効果的な系である。
【0006】
溶融押出による天然素材複合材料中への本発明の保護系の配合は、耐候性及び色安定性の改善に対する長期間の効果を提供する。これは、コスト効率の良い手段を用いた維持処理の不要な製品を提供する。
【0007】
微生物の成長、屋外曝露及び化学相互作用による変色に対して耐性のある天然素材複合材料の製造方法であって、該方法は、少なくとも1種の天然素材、少なくとの1種の熱可塑性樹脂、抗菌剤を組み合わせて混合物とし、該混合物を溶融加工することからなる方法が開示される。
【0008】
微生物の成長、屋外曝露及び化学相互作用による変色に対して耐性のある天然素材複合材料の製造方法であって、該方法は、少なくとも1種の天然素材、少なくとの1種の熱可塑性樹脂、抗菌剤、及び、光安定剤からなる群から及び/又はCa、Mg、Al及びZnの酸化物、水酸化物又はケイ酸塩からなる群から選択される少なくとも1種の化合物を組み合わせて混合物とし、該混合物を溶融加工することからなる方法もまた開示される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
抗菌剤は、例えば、米国特許出願公開第2001/0027217号明細書及び米国特許第6,323,224号明細書及び米国特許第6,527,981号明細書に開示されるものである。
【0010】
抗菌剤は、例えば、ベンズイミダゾール、ハロゲン化フェノール、置換トリアジン、イソチオアゾリノン、イソチアゾール、オキシビスフェノキシアルシン、チアベンダゾール及び/又は無機化合物(銅、銀、錫、亜鉛等を含む物質)である。
【0011】
抗菌剤は、例えば、チアベンダゾール、チアベンダゾールの塩(例えば、次リン酸との)、10,10’オキシビスフェノキシアルシン、テブコナゾール、トルナフテート、ビス(2−ピリジンチオール−1−オキシド)亜鉛、2n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、4,5−ジクロロ−オクチル−4−イソチアゾリン、N−ブチル−1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、カルベンダゾール及びそれらの混合物からなる群から選択される。
【0012】
ハロゲン化フェノールは、例えば、2,4,4’−トリクロロ−2’−ヒドロキシジフェニルエーテルである。
ハロゲン化フェノール及び無機化合物は、例えば、2001年9月21日に出願された米国特許出願公開第09/957,959号明細書に開示されている。
【0013】
チアベンダゾール、及び、少なくとも1種の光安定剤及び/又はCa、Mg、Al及びZnの酸化物、水酸化物又はケイ酸塩からなる群から選択される少なくとも1種の化合物とチアベンダゾールの更なる組み合わせは、微生物及び屋外曝露に対する天然素材複合材料の保護に対して特に効果的な系である。本発明の添加剤系は、微生物の成長、屋外曝露(光、熱、酸素及び湿気)及び化学相互作用のもたらす汚れに対する天然素材複合材料の保護において特に効果的である。
【0014】
チアベンダゾールは、2−(4−チアゾリル)ベンズイミダゾール、CAS#148−79−8である。
チアベンダゾールは、例えば、アルターナリア種、アスペルギルスニガー、アスペルギルスレペンス及びアスペルギルスフラバス等のアスペルギルス種;オーレオバシジウムプルランス、ボトリチス種、カエトモニウム(chaetomonium)グロボーサム、クラドスポリウムヘルバレム、フサリウム種、ペニシリウム種、スタキボトリス種、ベントリカラム種(ventriculum spp)等に対する影響に対して例えば効果的である。
【0015】
抗菌剤は、例えば、全混合物の質量に基づき、0.05質量%ないし3.0質量%の量で本発明の複合材料中に存在する。例えば、抗菌剤は、全混合物の質量に基づき、約0.05質量%ないし約1.0質量%の量で存在する。例えば、抗菌剤は、全混合物の質量に基づき、約0.1質量%ないし約0.8質量%、約0.2質量%ないし約0.6質量%、又は約0.3質量%ないし約0.5質量%存在する。例えば、抗菌剤は、約0.05質量%ないし約0.5質量%、約0.05質量%ないし約0.6質量%、又は約0.05質量%ないし約0.8質量%存在する。例えば、抗菌剤は、約0.1質量%ないし約1.0質量%、約0.2質量%ないし約1.0質量%、又は約0.3質量%ないし約1.0質量%存在する。
【0016】
光安定剤は、立体障害性アミン光安定剤(HALS)及び例えば、2H−ベンゾトリアゾール、ベンゾフェノン、安息香酸エステル、アクリレート、マロネート、オキサミド、サリチレート、ベンズオキサジン−4−オン及びs−トリアジン等の紫外線吸収剤(UVA’s)からなる群から選択される。
【0017】
2H−ベンゾトリアゾール、又は2−(2−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾールは、例えば、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−第三ブチル−2−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−第三ブチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−第三オクチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、5−クロロ−2−(3,5−ジ−第三ブチル−2−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、5−クロロ−2−(3−第三ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3−第二ブチル−5−第三ブチル−2−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−第三アミル−2−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3,5−ビス−α−クミル−2−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3−第三ブチル−2−ヒドロキシ−5−(2−(ω−ヒドロキシ−オクタ−(エチレンオキシ)カルボニル−エチル)−フェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、 2−(3−ドデシル−2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3−第三ブチル−2−ヒドロキシ−5−(2−オクチルオキシカルボニル)エチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、ドデシル化2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3−第三ブチル−2−ヒドロキシ−5−(2−オクチルオキシカルボニルエチル)フェニル)−5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3−第三−ブチル−5−(2−(2−エチルヘキシルオキシ)−カルボニルエチル)−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3−第三ブチル−2−ヒドロキシ−5−(2−メトキシカルボニルエチル)フェニル)−5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3−第三ブチル−2−ヒドロキシ−5−(2−メトキシカルボニルエチル)フェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、 2−(3−第三ブチル−5−(2−(2−エチルヘキシルオキシ)カルボニルエチル)−2−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾト
リアゾール、2−(3−第三ブチル−2−ヒドロキシ−5−(2−イソオクチルオキシカルボニルエチル)フェニル−2H−ベンゾトリアゾール、2,2’−メチレン−ビス(4−第三オクチル−(6−2H−ベンゾトリアゾリ−2−イル)フェノール)、2−(2−ヒドロキシ−3−α−クミル−5−第三オクチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3−第三オクチル−5−α−クミルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、5−フルオロ−2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−α−クミルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、5−クロロ−2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−α−クミルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、5−クロロ−2−(2−ヒドロキシ−3−α−クミル−5−第三オクチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3−第三ブチル−2−ヒドロキシ−5−(2−イソオクチルオキシカルボニルエチル)フェニル)−5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール、5−トリフルオロメチル−2−(2−ヒドロキシ−3−α−クミル−5−第三オクチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、5−トリフルオロメチル−2−(2−ヒドロキシ−5−第三オクチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、5−トリフルオロメチル−2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−第三オクチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、メチル3−(5−トリフルオロメチル−2H−ベンゾトリアゾル−2−イル)−5−第三ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート、5−ブチルスルホニル−2−(2−ヒドロキシ−3−α−クミル−5−第三オクチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、5−トリフルオロメチル−2−(2−ヒドロキシ−3−α−クミル−5−第三ブチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、5−トリフルオロメチル−2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−第三ブチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、5−トリフルオロメチル−2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−α−クミルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、5−ブチルスルホニル−2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−第三ブチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール及び5−フェニルスルホニル−2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−第三ブチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール等の米国特許第3,004,896号明細書、米国特許第3,055,896号明細書、米国特許第3,072,585号明細書、米国特許第3,074,910号明細書、米国特許第3,189,615号明細書、米国特許第3,218,332号明細書、米国特許第3,230,194号明細書、米国特許第4,127,586号明細書、米国特許第4,226,763号明細書、米国特許第4,275,004号明細書、米国特許第4,278,589号明細書、米国特許第4,315,848号明細書、米国特許第4,347,180号明細書、米国特許第4,383,863号明細書、米国特許第4,675,352号明細書、米国特許第4,681,905号明細書、米国特許第4,853,471号明細書、米国特許第5,268,450号明細書、米国特許第5,278,314号明細書、米国特許第5,280,124号明細書、米国特許第5,319,091号明細書、米国特許第5,410,071号明細書、米国特許第5,436,349号明細書、米国特許第5,516,914号明細書、米国特許第5,554,760号明細書、米国特許第5,563,242号明細書、米国特許第5,574,166号明細書、米国特許第5,607,987号明細書、米国特許第5,977,219号明細書及び米国特許第6,166,218号明細書に開示されてものである。
【0018】
ベンゾフェノン、又は2−ヒドロキシベンゾフェノンは、例えば、4−ヒドロキシ−、4−メトキシ−、4−オクチルオキシ−、4−デシルオキシ−、4−ドデシルオキシ−、4−ベンジルオキシ−、4,2’,4’−トリヒドロキシ−及び2’−ヒドロキシ−4,4’−ジメトキシ誘導体である。
【0019】
置換及び未置換安息香酸のエステルは、例えば、4−第三ブチル−フェニルサリチレート、フェニルサリチレート、オクチルフェニルサリチレート、ジベンゾイルレゾルシノール、ビス(4−第三ブチルベンゾイル)レゾルシノール、ベンゾイルレゾルシノール、2,4−ジ−第三ブチルフェニル3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、ヘキサデシル3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、オクタデシル3,
5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、2−メチル−4,6−ジ−第三ブチルフェニル3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンゾエートである。
【0020】
アクリレート及びマロネートは、例えば、α−シアノ−β,β−ジフェニルアクリル酸エチルエステル又はイソオクチルエステル、α−カルボメトキシ−桂皮酸メチルエステル、α−シアノ−β−メチル−p−メトキシ桂皮酸メチルエステル又はブチルエステル、α−カルボメトキシ−p−メトキシ桂皮酸メチルエステル、N−(β−カルボメトキシ−β−シアノビニル)−2−メチルインドリン、サンデュボア(登録商標:Sanduvor)PR25、ジメチルp−メトキシベンジリデンマロネート(CAS#7443−25−6)、及びサンデュボア(登録商標:Sanduvor)PR31、ジ−(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−イル)p−メトキシベンジリデンマロネート(CAS#147783−69−5)である。
【0021】
オキサミドは、例えば、4,4’−ジオクチルオキシオキサニリド、2,2’−ジエトキシオキサニリド、2,2’−ジオクチルオキシ−5,5’−ジ−第三ブトキサニリド、2,2’−ジドデシルオキシ−5,5’−ジ−第三ブトキサニリド、2−エトキシ−2’−エチルオキサニリド、N,N’−ビス(3−ジメチルアミノプロピル)オキサミド、2−エトキシ−5−第三ブチル−2’−エトキサニリド、及びその2−エトキシ−2’−エチル−5,4’−ジ−第三ブトキサニリドとの混合物、o−およびp−メトキシ−二置換オキサニリドの混合物、及びo−及びp−エトキシ−二置換オキサニリドの混合物である。
【0022】
ベンズオキサジノンUV吸収剤は、例えば、2,2’−p−フェニレン−ビス(3,1−ベンズオキサジン−4−オン)、シアソルブ(登録商標:Cyasorb)3638(CAS#18600−59−4)である。
【0023】
s−トリアジン、又はトリス−アリール−o−ヒドロキシフェニル−s−トリアジン、例えば、既知の市販のs−トリアジンは、例えば、米国特許第3,843,371号明細書、米国特許第4,619,956号明細書、米国特許第4,740,542号明細書、米国特許第5,096,489号明細書、米国特許第5,106,891号明細書、米国特許第5,298,067号明細書、米国特許第5,300,414号明細書、米国特許第5,354,794号明細書、米国特許第5,461,151号明細書、米国特許第5,476,937号明細書、米国特許第5,489,503号明細書、米国特許第5,543,518号明細書、米国特許第5,556,973号明細書、米国特許第5,597,854号明細書、米国特許第5,681,955号明細書、米国特許第5,726,309号明細書、米国特許第5,736,597号明細書、米国特許第5,942,626号明細書、米国特許第5,959,008号明細書、米国特許第5,998,116号明細書、米国特許第6,013,704号明細書、米国特許第6,060,543号明細書、米国特許第6,187,919号明細書、米国特許第6,242,598号明細書及び米国特許第6,468,958号明細書に開示されているような、例えば、4,6−ビス−(2,4−ジメチルフェニル)−2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−s−トリアジン、シアソルブ(登録商標:Cyasorb)1164(サイテック社)、4,6−ビス−(2,4−ジメチルフェニル)−2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−s−トリアジン、2,4−ビス(2,4−ジヒドロキシフェニル)−6−(4−クロロフェニル)−s−トリアジン、2,4−ビス[2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−6−(4−クロロフェニル)−s−トリアジン、2,4−ビス[2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−6−(2,4−ジメチルフェニル)−s−トリアジン、2,4−ビス[2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−6−(4−ブロモフェニル)−s−トリアジン、2,4−ビス[2−ヒドロキシ−4−(2−アセトキシエトキシ)フェニル]−
6−(4−クロロフェニル)−s−トリアジン、2,4−ビス(2,4−ジヒドロキシフェニル)−6−(2,4−ジメチルフェニル)−s−トリアジン、2,4−ビス(4−ビフェニリル)−6−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシカルボニルエチリデンオキシフェニル)−s−トリアジン、2−フェニル−4−[2−ヒドロキシ−4−(3−第二−ブチルオキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシ)フェニル]−6−[2−ヒドロキシ−4−(3−第二−アミルオキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシ)フェニル]−s−トリアジン、2,4−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−6−[2−ヒドロキシ−4−(3−ベンジルオキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシ)フェニル]−s−トリアジン、2,4−ビス(2−ヒドロキシ−4−n−ブチルオキシフェニル)−6−(2,4−ジ−n−ブチルオキシフェニル)−s−トリアジン、2,4−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−6−[2−ヒドロキシ−4−(3−ノニルオキシ*−2−ヒドロキシプロピルオキシ)−5−α−クミルフェニル]−s−トリアジン(*は、オクチルオキシ基、ノニルオキシ基及びデシルオキシ基の混合物を示す。)、メチレンビス−{2,4−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−6−[2−ヒドロキシ−4−(3−ブチルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル]−s−トリアジン}、3:5’、5:5’及び3:3’位を、5:4:1 の比で架橋されたメチレン架橋二量体混合物、2,4,6−トリス(2−ヒドロキシ−4−イソオクチルオキシカルボニルイソプロピリデンオキシフェニル)−s−トリアジン、2,4−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−6−(2−ヒドロキシ−4−ヘキシルオキシ−5−α−クミルフェニル)−s−トリアジン、2−(2,4,6−トリメチルフェニル)−4,6−ビス[2−ヒドロキシ−4−(3−ブチルオキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシ)フェニル]−s−トリアジン、2,4,6−トリス[2−ヒドロキシ−4−(3−第二ブチルオキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシ)フェニル]−s−トリアジン、4,6−ビス−(2,4−ジメチルフェニル)−2−(2−ヒドロキシ−4−(3−ドデシルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)−フェニル)−s−トリアジンと4,6−ビス−(2,4−ジメチルフェニル)−2−(2−ヒドロキシ−4−(3−トリデシルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)−フェニル)−s−トリアジンの混合物、チヌビン(登録商標:Tinuvin)400(チバスペシャルティ ケミカルズ社)、4,6−ビス−(2,4−ジメチルフェニル)−2−(2−ヒドロキシ−4−(3−(2−エチルヘキシルオキシ)−2−ヒドロキシプロポキシ)−フェニル)−s−トリアジン及び4,6−ジフェニル−2−(4−ヘキシルオキシ−2−ヒドロキシフェニル)−s−トリアジンである。
【0024】
特に、紫外線吸収剤(UVA’s)は、2H−ベンゾトリアゾール、ベンゾフェノン及びs−トリアジンからなる群から選択される。
【0025】
例えば、本発明の紫外線吸収剤は、
2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール;
2−(2−ヒドロキシ−5−第三オクチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール;
2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−第三アミルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール;
オクチル3−(ベンゾトリアゾリ−2−イル)−5−第三ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート;
2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−第三ブチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール;
2−(2−ヒドロキシ−5−第三ブチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール;
2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−第三ブチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール;
2−(2−ヒドロキシ−3−第三ブチル−5−メチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール;
2−(2−ヒドロキシ−3−第二ブチル−5−第三ブチルフェニル)−2H−ベンゾト
リアゾール;
2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール;
2−(2−ヒドロキシ−3−ドデシル−5−メチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール;
2−[2−ヒドロキシ−3,5−ジ(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール;
2−[2−ヒドロキシ−3−(α,α−ジメチルベンジル)−5−第三オクチルフェニル]−2H−ベンゾトリアゾール;
2−{2−ヒドロキシ−3−第三ブチル−5−[2−(ω−ヒドロキシオクタ(エチレンオキシ)カルボニル)エチル]フェニル}−2H−ベンゾトリアゾール;
2−{2−ヒドロキシ−3−第三ブチル−5−[2−(オクチルオキシ)カルボニル)エチル]フェニル}−2H−ベンゾトリアゾール;
5−トリフルオロメチル−2−(2−ヒドロキシ−3−α−クミル−5−第三オクチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール;
5−クロロ−2−(3,5−ジ−第三ブチル−2−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール;
2−(3−第三ブチル−2−ヒドロキシ−5−(2−オクチルオキシカルボニルエチル)フェニル)−5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール;
4−オクチルオキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン;
4−メトキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン;
4−メトキシ−2,2’−ジヒドロキシベンゾフェノン;
4,4’ジメトキシ−2,2’−ジヒドロキシベンゾフェノン;
2,4−ビス[2−ヒドロキシ−4−(3−ブチルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル]−6−メシチル−s−トリアジン;
2,4−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−6−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−s−トリアジン、シアソルブ(登録商標:CYASORB)1164、サイテック社製;
2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−ヘキシルオキシフェニル)−s−トリアジン;
2,4−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−6−[2−ヒドロキシ−4−(3−ド−/トリ−デシルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル]−s−トリアジン;
2,4−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−6−[2−ヒドロキシ−4−(3−ド−/トリ−デシルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)−5−α−クミルフェニル]−s−トリアジン;
2,4,6−トリス(2,4−ジヒドロキシフェニル)−s−トリアジンとイソオクチルα−ハロプロピオネートの反応生成物;
2−(2,4−ジブチルオキシフェニル)−4,6−ビス(2−ヒドロキシ−4−ブチルオキシフェニル)−s−トリアジン;
2,4−ビス(4−ビフェニリル)−6−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシカルボニルエチリデンオキシフェニル)−s−トリアジン;
2−フェニル−4−[2−ヒドロキシ−4−(3−第二ブチルオキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシ)フェニル]−6−[2−ヒドロキシ−4−(3−第二アミルオキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシ)フェニル]−s−トリアジン;
2,4−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−6−[2−ヒドロキシ−4−(3−ベンジルオキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシ)フェニル]−s−トリアジン;
2,4−ビス(2−ヒドロキシ−4−ブチルオキシフェニル)−6−(2,4−ジ−ブチルオキシフェニル)−s−トリアジン;
2,4−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−6−[2−ヒドロキシ−4−(3−ノニルオキシ*−2−ヒドロキシプロピルオキシ)−5−α−クミルフェニル]−s−トリアジン(*は、オクチルオキシ基、ノニルオキシ基及びデシルオキシ基の混合物を示す。)

メチレンビス−{2,4−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−6−[2−ヒドロキシ−4−(3−ブチルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル]−s−トリアジン}、3:5’、5:5’及び3:3’位を、5:4:1 の比で架橋されたメチレン架橋二量体混合物;
2,4,6−トリス(2−ヒドロキシ−4−イソオクチルオキシカルボニルイソプロピリデンオキシフェニル)−s−トリアジン;
2,4−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−6−(2−ヒドロキシ−4−ヘキシルオキシ−5−a−クミルフェニル)−s−トリアジン;及び
2,4,6−トリス[2−ヒドロキシ−4−(3−第二ブチルオキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシ)フェニル]−s−トリアジン
からなる群から選択される。
【0026】
本発明の他の態様において、紫外線吸収剤は、
2−(2−ヒドロキシ−5−第三オクチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール;
2−[2−ヒドロキシ−3−(α,α−ジメチルベンジル)−5−第三オクチルフェニル]−2H−ベンゾトリアゾール;
2−{2−ヒドロキシ−3−第三ブチル−5−[2−(ω−ヒドロキシ−オクタ(エチレンオキシ)カルボニル)エチル]フェニル}−2H−ベンゾトリアゾール;
2−{2−ヒドロキシ−3−第三ブチル−5−[2−(オクチルオキシ)カルボニル)エチル]フェニル}−2H− ベンゾトリアゾール;
4−オクチルオキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン;
4−メトキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン;
2,4−ビス[2−ヒドロキシ−4−(3−ブチルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル]−6−メシチル−s−トリアジン;
2,4,6−トリス(2,4−ジヒドロキシフェニル)−s−トリアジンとイソオクチルα−ハロプロピオネートの反応生成物;
2,4−ビス(4−ビフェニリル)−6−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシカルボニルエチリデンオキシフェニル)−s−トリアジン;
2,4−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−6−[2−ヒドロキシ−4−(3−ノニルオキシ*−2−ヒドロキシプロピルオキシ)−5−α−クミルフェニル]−s−トリアジン(*は、オクチルオキシ基、ノニルオキシ基及びデシルオキシ基の混合物を示す。);及び
2,4,6−トリス(2−ヒドロキシ−4−イソオクチルオキシカルボニルイソプロピリデンオキシフェニル)−s−トリアジン
からなる群から選択される。
【0027】
本発明の障害性アミンは、例えば、モノマー状化合物であるか、又はオリゴマー状又はポリマー状化合物である。
本発明の立体障害性アミンは、例えば、N−H、N−OH、N−アルキル、N−アルコキシ、N−シクロアルコキシ、N−アシル、N−アシルオキシ、N−アラルコキシ、N−アリールオキシ、N−ヒドロキシアルコキシ又はN−ヒドロキシシクロアルコキシ障害性アミンである。
本発明の立体障害性アミンは、例えば、テトラメチル−ピペリジンに基づくものである。
【0028】
アルキル基は、直鎖又は枝分かれ鎖のものであり、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、第二ブチル基、第三ブチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ヘキサデシル基又はn−オクタ
デシル基である。
【0029】
シクロアルキル基はシクロペンチル基及びシクロヘキシル基を含み;典型的なアラルキル基はベンジル基、α−メチル−ベンジル基、α,α−ジメチルベンジル基又はフェネチル基を含む。
【0030】
障害性アミン安定剤は従来技術でよく知られている。それらは、例えば、米国特許第5,004,770号明細書、米国特許第5,204,473号明細書、米国特許第5,096,950号明細書、米国特許第5,300,544号明細書、米国特許第5,112,890号明細書、米国特許第5,124,378号明細書、米国特許第5,145,893号明細書、米国特許第5,216,156号明細書、米国特許第5,844,026号明細書、米国特許第6,117,995号明細書、米国特許第6,271,377号明細書、米国特許第6,392,041号明細書、米国特許第6,376,584号明細書、米国特許第6,472,456号明細書及び2001年8月15日に出願された米国特許出願公開第60/312,517号明細書及び2000年11月16日に出願された米国特許出願公開第09/714,717号明細書に開示されている。
米国特許第6,271,377号明細書、米国特許第6,392,041号明細書及び米国特許第6,376,584号明細書は、障害性ヒドロキシアルコキシアミン及びヒドロキシシクロアルコキシアミン安定剤を開示している。障害性ヒドロキシアルコキシアミン安定剤はまた、N−ヒドロキシアルコキシ障害性アミン又はNORol HALSとしても知られている。
【0031】
本発明の立体障害性アミン安定剤は、例えば、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−アリル−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−ベンジル−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)スクシネート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)n−ブチル−3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジルマロネート、1−(2−ヒドロキシエチル)−2,2,6,6−テトラメチル−4−ヒドロキシピペリジンとコハク酸の縮合物、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンと4−第三オクチルアミノ−2,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンの直鎖又は環式縮合物、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ニトリロトリアセテート、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタン−テトラカルボキシレート、1,1’−(1,2−エタンジイル)−ビス(3,3,5,5−テトラメチルピペラジノン)、4−ベンゾイル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ステアリルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジル)−2−n−ブチル−2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−第三ブチルベンジル)マロネート、3−n−オクチル−7,7,9,9−テトラメチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン、ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)セバケート、ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)スクシネート、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンと4−モルホリノ−2,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンの直鎖又は環式縮合物、2−クロロ−4,6−ビス(4−n−ブチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)−1,3,5−トリアジンと1,2−ビス(3−アミノプロピルアミノ)エタンの縮合物、2−クロロ−4,6−ジ−(4−n−ブチルアミノ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジル)−1,3,5−トリアジンと1,2−ビス(3−アミノプロピルアミノ)エタンの縮合物、8−アセチル−3−ド
デシル−7,7,9,9−テトラメチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン、3−ドデシル−1−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ピロリジン−2,5−ジオン、3−ドデシル−1−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)ピロリジン−2,5−ジオン、4−ヘキサデシルオキシ−及び4−ステアリルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンの混合物、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンと4−シクロヘキシルアミノ−2,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンの縮合生成物、1,2−ビス(3−アミノプロピルアミノ)エタンと2,4,6−トリクロロ−1,3,5−トリアジン並びに4−ブチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンの縮合生成物(CAS 登録番号[136504−96−6])、N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−n−ドデシルスクシンイミド、N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−n−ドデシルスクシンイミド、2−ウンデシル−7,7,9,9−テトラメチル−1−オキサ−3,8−ジアザ−4−オキソスピロ[4.5]デカン、7,7,9,9−テトラメチル−2−シクロウンデシル−1−オキサ−3,8−ジアザ−4−オキソスピロ[4.5]デカンとエピクロロヒドリンの反応生成物、1,1−ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルオキシカルボニル)−2−(4−メトキシフェニル)エテン、N,N’−ビス−ホルミル−N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミン、4−メトキシメチレン−マロン酸と1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ヒドロキシピペリジンとのジエステル、ポリ[メチルプロピル−3−オキシ−4−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)]シロキサン、マレイン酸無水物−α−オレフィン−コポリマーと2,2,6,6−テトラメチル−4−アミノピペリジン又は1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−アミノピペリジンとの反応生成物である。
【0032】
立体障害性アミンはまた、米国特許第5,980,783号明細書中に記載された化合物の1つでもあり得り、そして該化合物は、成分I−a)、I−b)、I−c)、I−d)、I−e)、I−f)、I−g)、I−h)、I−i),I−j)、I−k)、又はI−l)の化合物、特に上記米国特許第5,980,783号明細書の64ないし72欄に列挙されている光安定剤1−a−1、1−a−2、1−b−1、1−c−1、1−c−2、1−d−1、1−d−2、1−d−3、1−e−1、1−f−1、1−g−1、1−g−2又は1−k−1である。
【0033】
立体障害性アミンはまた、米国特許第6,046,304号明細書及び米国特許第6,297,299号明細書に記載されている化合物、例えば、請求項10又は38又は実施例1ないし12又はその中のD−1ないしD−5に記載されている化合物の1つでもあり得る。
【0034】
本発明の立体障害性アミンはまた、ヒドロキシ基で置換されたアルコキシ基によって、N原子上を置換されたもの、例えば、1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−4−オクタデカノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−4−ヘキサデカノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−オキシル−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンと第三アミルアルコールからの炭素ラジカルの反応生成物、1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−4−オキソ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、ビス(1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)セバケート、ビス(1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)アジペート、ビス(1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)スクシネート、ビス(1−(2−ヒドロキシ−2−
メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)グルタレート又は2,4−ビス{N−[1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル]−N−ブチルアミノ}−6−(2−ヒドロキシエチルアミノ)−s−トリアジン等の化合物であり得る。
【0035】
本発明に従った適当な障害性アミンは、例えば、
ビス(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)セバケート;
ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−イル)セバケート;
ジ(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−イル)(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ブチルマロネート;
4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン;
4−ステアリルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン;
トリス(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)ニトリロトリアセテート;
2,4−ジクロロ−6−第三オクチルアミノ−s−トリアジンと4,4’−ヘキサメチレンビス(アミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン)の縮合生成物;
1−(2−ヒドロキシエチル)−2,2,6,6−テトラメチル−4−ヒドロキシピペリジンと琥珀酸の縮合生成物;
4,4’−ヘキサメチレンビス−(アミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン)と1,2−ジブロモエタンの縮合生成物;
テトラキス(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート;
テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−イル)1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート;
2,4−ジクロロ−6−モルホリノ−s−トリアジンと4,4’−ヘキサメチレンビス(アミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン)の縮合生成物;
N,N’,N’’,N’’’−テトラキス[(4,6−ビス(ブチル−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−イル)−アミノ−s−トリアジン−2−イル]−1,10−ジアミノ−4,7−ジアザデカン;
オクタメチレンビス(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−カルボキシレート);
N−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル−n−ドデシルスクシンイミド;
N−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−イル−n−ドデシルスクシンイミド;
N−1−アセチル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル−n−ドデシルスクシンイミド;
4−炭素原子数15ないし17のアルカノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン;
2,4−ジクロロ−6−シクロヘキシルアミノ−s−トリアジンと4,4’ヘキサメチレンビス(アミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン)の縮合生成物;
1,5−ビス(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)−1,5−ジアザ−4−オキソプロパン;
メチルメタクリレート、エチルアクリレートと2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル−アクリレートのコポリマー;
N−オクタデシルマレイミド、スチレンとN−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)マレイミドのコポリマー;
1,3,5−トリス[3−(2,2,6,6−ピペリジン−4−イルアミノ)−2−ヒドロキシ−プロピル)イソシアヌレート;
N−[2−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)オキサルアミド−
1−イル]マレイミドから誘導された単位を含むオレフィンコポリマー;
2,2,4,4−テトラメチル−7−オキサ−3,20−ジアザ−21−オキソ−ジスピロ[5,1,11,2]ヘネイコサン;
炭素原子数12ないし14のアルキル3−(2,2,4,4−テトラメチル−7−オキサ−3,20−ジアザ−21−オキソ−ジスピロ[5,1,11,2]ヘネイコサン−20−イル)プロピオネート;
エピクロロヒドリンと2,2,4,4−テトラメチル−7−オキサ−3,20−ジアザ−21−オキソ−ジスピロ[5,1,11,2]ヘネイコサンの反応生成物;
1,3−ジ(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)2,4−ジトリデシルブタンテトラカルボキシレート;
1,3−ジ(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−イル)2,4−ジトリデシルブタンテトラカルボキシレート;
3,9−ビス(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン、テトラメチル1,2,3,4−ブタンテトラ−カルボキシレートと2,2,6,6−テトラメチル−4−ヒドロキシピペリジンの重縮合生成物;
1,4−ビス(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)−2,2−ジメチル−1,4−ジアザ−4−オキソプロパン;
4−アミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンとテトラメチロールアセチレンジウレアの反応生成物;
1,6−ヘキサメチレンビス[N−ホルミル−N−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)アミン];
N−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)マレイミドと炭素原子数20ないし24のα−オレフィンのコポリマー;
ポリ[3−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イルオキシ)プロピル−メチル−シロキサン];
2,4−ジクロロ−6−[N−ブチル−N−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)アミノ]−s−トリアジンと1,10−ジアミノ−4,7−ジアザデカンの重縮合生成物;
ドデシル3−(2,2,4,4−テトラメチル−7−オキサ−3,20−ジアザ−21−オキソ−ジスピロ[5,1,11,2]ヘネイコサン−20−イル)プロピオネート;
1−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−オクタデシルアミノピペリジン;
ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)セバケート;
(2,4−ビス[(1−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)ブチルアミノ]−6−(2−ヒドロキシエチルアミノ−s−トリアジン;
ビス(1−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)アジペート;
2,4−ビス[(1−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−ピペリジン−4−イル)ブチルアミノ]−6−クロロ−s−トリアジン;
1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン;
1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−4−オキソ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン;
1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−4−オクタデカノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン;
ビス(1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)セバケート;
ビス(1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)アジペート;
2,4−ビス{N−[1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル]−N−ブチルアミノ}−6−(2−ヒドロキシエチルアミノ)−s−トリアジン;
2,4−ビス[(1−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−ピペリジン−4−イル)ブチルアミノ]−6−クロロ−s−トリアジンとN,N’−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミン)の反応生成物[CAS登録番号 191680−81−6];及び
米国特許第6,117,995号明細書の実施例2に開示されている式
【化1】

(式中、nは1ないし15を表わす。)で表される化合物
を含む。
【0036】
例えば、本発明の障害性アミンは、
ビス(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)セバケート;
ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−イル)セバケート;
ジ(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−イル)(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ブチルマロネート;
2,4−ジクロロ−6−第三オクチルアミノ−s−トリアジンと4,4’−ヘキサメチレンビス(アミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン)の重縮合生成物;
1−(2−ヒドロキシエチル)−2,2,6,6−テトラメチル−4−ヒドロキシピペリジンと琥珀酸の重縮合生成物;
N,N’,N’’,N’’’−テトラキス[(4,6−ビス(ブチル−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−イル)−アミノ−s−トリアジン−2−イル]−1,10−ジアミノ−4,7−ジアザデカン;
ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)セバケート;
2,4−ビス[(1−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)ブチルアミノ]−6−(2−ヒドロキシエチルアミノ−s−トリアジン;
ビス(1−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)アジペート;
2,4−ビス[(1−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−ピペリジン−4−イル)ブチルアミノ]−6−クロロ−s−トリアジン;
1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン;
1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−4−オキソ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン;
1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−4−オクタデカノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン;
ビス(1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)セバケート;
ビス(1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)アジペート;
2,4−ビス{N−[1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル]−N−ブチルアミノ}−6−(2−ヒドロキシエチルアミノ)−s−トリアジン;
2,4−ビス[(1−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−ピペリジン−4−イル)ブチルアミノ]−6−クロロ−s−トリアジンとN,N’−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミン)の反応生成物[CAS登録番号 191680−81−6];及びまた、

【化2】

(式中、nは1ないし15を表わす。)で表される化合物
からなる群から選択される。
【0037】
様々な種類の紫外線吸収剤の組み合わせが使用され得ることが予期される。同様に、様々な種類の障害性アミン(例えば、未置換の障害性アミン及びN−アルコキシ障害性アミン)も使用され得る。また、紫外線吸収剤と障害性アミンの組み合わせも有利に使用され得る。
【0038】
それ故、興味深いのは、少なくとも2種の異なる立体障害性アミン光安定剤、又は少なくとも1種の立体障害性アミン光安定剤及び少なくとも1種の紫外線吸収剤を含む方法である。
【0039】
光安定剤は、全混合物の質量に基づき、0.1質量%ないし5質量%、例えば約0.2質量%ないし約3質量%、又は約0.5質量%ないし約2質量%の量で本発明の複合材料中に使用される。例えば、光安定剤は、全混合物の質量に基づき、約0.1質量%ないし約3質量%、約0.1質量%ないし約2質量%、約0.2質量%ないし約5質量%、又は約0.5質量%ないし約5質量%存在する。
【0040】
Ca、Mg、Al及びZnの酸化物、水酸化物又はケイ酸塩は、本発明の複合材料中に、全混合物の質量に基づき、0.5質量%ないし10質量%存在する。例えば、これらの添加剤は、混合物の質量に基づき、約1質量%ないし約8質量%、約2質量%ないし約6質量%、又は約3質量%ないし約5質量%存在する。例えば、これらの添加剤は、約0.5質量%ないし約5質量%、約0.5質量%ないし約6質量%、又は約0.5質量%ないし約8質量%存在する。例えば、これらの添加剤は、約1質量%ないし約10質量%、約2質量%ないし約10質量%、又は約3質量%ないし約10質量%存在する。
【0041】
興味深いのは、Ca、Mg、Al及びZnの酸化物、水酸化物又はケイ酸塩からなる群から選択される化合物が、ヒドロタルサイト、Al23、CaO、MgO又はZnOである方法である。
【0042】
特に、酸化カルシウム(CaO)、酸化マグネシウム(MgO)及び酸化亜鉛(ZnO)が本発明において特に効果的な添加剤の例である。
【0043】
天然素材複合材料は、木材(繊維)、のこ屑、ヤシ殻、サトウキビのしぼり粕、亜麻、麻、ジュート、ケナフ、もみ殻等と熱可塑性樹脂の組み合わせとして供給される。それらは、例えば、米国特許第6,290,885号明細書及び米国特許第6,511,757号明細書に開示されるような天然繊維/プラスチック複合材料であり得る。熱可塑性樹脂成分及び天然素材成分の両方は、リサイクル材料を利用してもよい。
【0044】
複合材料は、押出製品の形態、例えば、加圧木材、パーティクルボード、チップボード、ウェファーボード、合板、積層材料等である。
【0045】
複合材料は、建設及び建築材料、例えば、敷板、塀の材料、骨組及び繰形、窓及びドア形材、こけら板、屋根材、羽目等として使用され得る。それらは、例えば、自動車用途、例えば、内部パネル、後棚及びスペアタイヤカバーにも使用され得る。天然素材複合材料は、基幹施設用途、例えば、遊歩道、船着場及び関連構造に適当である。それらはまた、消費者用途/工業用途において、例えば、ピクニックテーブル、公園のベンチ、パレット等として使用され得る。複合材料は、目下、木材、熱可塑性樹脂又は金属、又はそれらの組み合わせから製造されているる部分の代わりとして使用され得る。
【0046】
熱可塑性樹脂は合成樹脂であり、以下のものから選択される:
1.モノオレフィン及びジオレフィンのポリマー、例えばポリプロピレン、ポリイソブチレン、ポリブテ−1−エン、ポリ−4−メチルペンテ−1−エン、ポリビニルシクロヘキサン、ポリイソプレン又はポリブタジエン、並びにシクロオレフィン、例えばシクロペンテン又はノルボルネンのポリマー、ポリエチレン(所望により架橋され得る)、例えば高密度ポリエチレン(HDPE)、高密度及び高分子量ポリエチレン(HDPE−HMW)、高密度及び超高分子量ポリエチレン(HDPE−UHMW)、中密度ポリエチレン(MDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、(VLDPE)及び(ULDPE)。
【0047】
2.1)で言及されたポリマーの混合物、例えばポリプロピレンとポリイソブチレン、ポリプロピレンとポリエチレン(例えば、PP/HDPE、PP/LDPE)の混合物、及び異なる型のポリエチレンの混合物(例えば、LDPE/HDPE)。
【0048】
3.モノオレフィン及びジオレフィンの互いの又は他のビニルモノマーとのコポリマー、例えばエチレン/プロピレンコポリマー、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)及びそれの低密度ポリエチレン(LDPE)との混合物、プロピレン/ブテ−1−エンコポリマー、プロピレン/イソブチレンコポリマー、エチレン/ブテ−1−エンコポリマー、エ
チレン/ヘキセンコポリマー、エチレン/メチルペンテンコポリマー、エチレン/ヘプテンコポリマー、エチレン/オクテンコポリマー、エチレン/ビニルシクロヘキサンコポリマー、エチレン/シクロオレフィンコポリマー(例えば、COCのようなエチレン/ノルボルネン)、1−オレフィンが現場で生成されるエチレン/1−オレフィンコポリマー、プロピレン/ブタジエンコポリマー、イソブチレン/イソプレンコポリマー、エチレン/ビニルシクロヘキセンコポリマー、エチレン/アルキルアクリレートコポリマー、エチレン/アルキルメタクリレートコポリマー、エチレン/酢酸ビニルコポリマー又はエチレン/アクリル酸コポリマー及びそれらの塩(アイオノマー)、ならびにエチレンとプロピレン及びへキサジエン、ジシクロペンタジエン又はエチリデン−ノルボルネンのようなジエンとのターポリマー;及びそのようなコポリマーの互いの及び1)で上述したポリマーとの混合物、例えばポリプロピレン/エチレン−プロピレンコポリマー、LDPE/エチレン−酢酸ビニルコポリマー(EVA)、LDPE/エチレン−アクリル酸コポリマー(EAA)、LLDPE/EVA、LLDPE/EAA及び交互の又はランダムのポリアルキレン/一酸化炭素コポリマー及びそれらの他のポリマー、例えばポリアミドとの混合物。
【0049】
4.水素化変性物(例えば粘着付与剤)を含む炭化水素樹脂(例えば炭素原子数5ないし9)及びポリアルキレン及びデンプンの混合物。
【0050】
1.)ないし4.)のホモポリマー及びコポリマーは、シンジオタクチック、アイソタクチック、ヘミ−アイソタクチック又はアタクチックを含むいずれの立体構造をも有し得;アタクチックポリマーが好ましい。ステレオブロックポリマーもまた含まれる。
【0051】
5.ポリスチレン、ポリ(p−メチルスチレン)、ポリ(α−メチルスチレン)。
【0052】
6.スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエンの全ての異性体、とりわけp−ビニルトルエン、エチルスチレン、プロピルスチレン、ビニルビフェニル、ビニルナフタレン、及びビニルアントラセンの全ての異性体、及びそれらの混合物を含む芳香族ビニルモノマーから誘導された芳香族ホモポリマー及びコポリマー。ホモポリマー及びコポリマーはシンジオタクチック、アイソタクチック、ヘミ−アイソタクチック又はアタクチックを含むいずれの立体構造をも有し得;アタクチックポリマーが好ましい。ステレオブロックポリマーもまた含まれる。
【0053】
6a.エチレン、プロピレン、ジエン、ニトリル、酸、マレイン酸無水物、マレイミド、酢酸ビニル及び塩化ビニル又はそのアクリル誘導体及び混合物から選択される上述された芳香族ビニルモノマー及びコモノマーを含むコポリマー、例えば、スチレン/ブタジエン、スチレン/アクリロニトリル、スチレン/エチレン(共重合体)、スチレン/アルキルメタクリレート、スチレン/ブタジエン/アルキルアクリレート、スチレン/ブタジエン/アルキルメタクリレート、スチレン/マレイン酸無水物、スチレン/アクリロニトリル/メチルアクリレート;スチレンコポリマー及び他のポリマー、例えばポリアクリレート、ジエンポリマー又はエチレン/プロピレン/ジエンターポリマーの高耐衝撃性の混合物;及びスチレン/ブタジエン/スチレン、スチレン/イソプレン/スチレン、スチレン/エチレン/ブチレン/スチレン又はスチレン/エチレン/プロピレン/スチレンのようなスチレンのブロックコポリマー。
【0054】
6b.6.)で言及されたポリマーの水素化から誘導された水素化芳香族ポリマー、とりわけアタクチックポリスチレンを水素化することにより調製され、しばしばポリビニルシクロヘキサン(PVCH)として言及されるポリシクロヘキシルエチレン(PCHE)を含む。
【0055】
6c.6a.)で言及されたポリマーの水素化から誘導された水素化芳香族ポリマー。
【0056】
ホモポリマー及びコポリマーはシンジオタクチック、アイソタクチック、ヘミ−アイソタクチック又はアタクチックを含むいずれの立体構造をも有し得;アタクチックポリマーが好ましい。ステレオブロックポリマーもまた含まれる。
【0057】
7.スチレン又はα−メチルスチレンのような芳香族ビニルモノマーのグラフトコポリマー、例えばポリブタジエンにスチレン、ポリブタジエン−スチレン又はポリブタジエン−アクリロニトリルコポリマーにスチレン;ポリブタジエンにスチレン及びアクリロニトリル(又はメタクリロニトリル);ポリブタジエンにスチレン、アクリロニトリル及びメチルメタクリレート;ポリブタジエンにスチレン及びマレイン酸無水物;ポリブタジエンにスチレン、アクリロニトリル及びマレイン酸無水物又はマレイミド;ポリブタジエンにスチレン及びマレイミド;ポリブタジエンにスチレン及びアルキルアクリレート又はメタクリレート;エチレン/プロピレン/ジエンターポリマーにスチレン及びアクリロニトリル;ポリアルキルアクリレート又はポリアルキルメタクリレートにスチレン及びアクリロニトリル;アクリレート/ブタジエンコポリマーにスチレン及びアクリロニトリル、並びにそれらの6)に列挙されたコポリマーとの混合物、例えばABS、MBS、ASA又はAESポリマーとして既知であるコポリマー混合物。
【0058】
8.ポリクロロプレン、塩素化ゴム、イソブチレン−イソプレンの塩素化及び臭素化コポリマー(ハロブチルゴム)、塩素化又はスルホ塩素化ポリエチレン、エチレン及び塩素化エチレンのコポリマー、エピクロロヒドリンホモ−及びコポリマー、とりわけハロゲン含有ビニル化合物のポリマー、例えばポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ塩化ビニリデン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ならびに塩化ビニル/塩化ビニリデン、塩化ビニル/酢酸ビニル又は塩化ビニリデン/酢酸ビニルコポリマーのようなそれらのコポリマー、のようなハロゲン含有ポリマー。
【0059】
9.α,β−不飽和酸から誘導されたポリマー、及びポリアクリレート及びポリメタクリレートのようなその誘導体;ブチルアクリレートで耐衝撃改善されたポリメチルメタクリレート、ポリアクリルアミド及びポリアクリロニトリル。
【0060】
10.9)で言及されたモノマーの互いの又は他の不飽和モノマーとのコポリマー、例えばアクリロニトリル/ブタジエンコポリマー、アクリロニトリル/アルキルアクリレートコポリマー、アクリロニトリル/アルコキシアルキルアクリレート又はアクリロニトリル/ビニルハライドコポリマー又はアクリロニトリル/アルキルメタクリレート/ブタジエンターポリマー。
【0061】
11.不飽和アルコール及びアミンから誘導されたポリマー又はそれらのアシル誘導体又はアセタール、例えばポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルステアレート、ポリビニルベンゾエート、ポリビニルマレエート、ポリビニルブチラール、ポリアリルフタレート又はポリアリルメラミン;ならびに上の1)で言及されたオレフィンとそれらのコポリマー。
【0062】
12.ポリアルキレングリコール、ボリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシドまたはビスグリシジルエーテルとそれらのコポリマーのような環式エーテルのホモポリマー及びコポリマー。
【0063】
13.ポリオキシメチレン及びコモノマーとしてエチレンオキシドを含むポリオキシメチレンのようなポリアセタール;熱可塑性ポリウレタン、アクリレートまたはMBSで変性されたポリアセタール。
【0064】
14.ポリフェニレンオキシド及びスルフィド、及びポリフェニレンオキシドとスチレンポリマー又はポリアミドとの混合物。
【0065】
15.一方はヒドロキシル基末端を有するポリエーテル、ポリエステル及びポリブタジエンと、他方は脂肪族又は芳香族のポリイソシアナートから誘導されたポリウレタン、ならびにそれらの前駆体。
【0066】
16.ジアミシとジカルボン酸から及び/又はアミノカルボン酸又は対応するラクタムから誘導されたポリアミド及びコポリアミド、例えばポリアミド4、ポリアミド6、ポリアミド6/6、6/10、6/9、6/12、4/6、12/12、ポリアミド11、ポリアミド12、m−キシレンジアミン及びアジピン酸から開始した芳香族ポリアミド;へキサメチレンジアミン及びイソフタル酸及び/又はテレフタル酸から及び変性剤としてのエラストマーを用いて又は用いずに調製されたポリアミド、例えばポリ−2,4,4−トリメチルヘキサメチレンテレフタルアミド又はポリ−m−フェニレンイソフタルアミド:及び上述されたポリアミドとポリオレフィン、オレフィンコポリマー、アイオノマー又は化学的に結合されたか又はグラフトされたエラストマーとのブロックコポリマー;又は例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール又はポリテトラメチレングリコールのようなポリエーテルとのブロックコポリマー;ならびにEPDM又はABSで変性されたポリアミド又はコポリアミド;及び加工の間に縮合されたポリアミド(RIMポリアミド系)。
【0067】
17.ポリ尿素、ポリイミド、ボリアミド−イミド、ポリエーテルイミド、ポリエステルイミド、ポリヒダントイン及びポリベンズイミダゾール。
【0068】
18.ジカルボン酸とジオールから及び/又はヒドロキシカルボン酸又は対応するラクトンから誘導されたポリエステル、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、変性ポリエチレンテレフタレートグリコール(PETG)、ポリブチレンテレフタレート、ポリ−1,4−ジメチロールシクロヘキサンテレフタレート、ポリアルキレンナフタレート(PAN)及びポリヒドロキシベンゾエート、ならびにヒドロキシル末端ポリエーテルから誘導されたブロックコポリエーテルエステル;及びまたポリカーボネート又はMBSで変性されたポリエステル。
【0069】
19.ポリカーボネート及びポリエステルカーボネート。
【0070】
20.ポリケトン。
【0071】
21.ポリスルホン、ポリエーテルスルホン及びポリエーテルケトン。
【0072】
22.一成分としてのアルデヒドと他成分としてのフェノール、尿素及びメラミンとから誘導された架橋ポリマー、例えばフェノール/ホルムアルデヒド樹脂、尿素/ホルムアルデヒド樹脂及びメラミン/ホルムアルデヒド樹脂。
【0073】
23.乾性及び非乾性アルキド樹脂。
【0074】
24.飽和及び不飽和ジカルボン酸と多価アルコールのコポリエステルと架橋剤としてのビニル化合物とから誘導された不飽和ポリエステル樹脂、及び更に低燃性のそのハロゲン含有変性体。
【0075】
25.置換アクリレート、例えばエポキシアクリレート、ウレタンアクリレート又はポリエステルアクリレートから誘導された架橋性アクリル樹脂。
【0076】
26.メラミン樹脂、尿素樹脂、イソシアネート、イソシアヌレート、ポリイソシアネート又はエポキシ樹脂を用いて架橋されたアルキド樹脂、ポリエステル樹脂及びアクリレート樹脂。
【0077】
27.脂肪族、脂環式、複素環式又は芳香族グリシジル化合物から誘導された架橋エポキシ樹脂、例えば、促進剤を用いて又は用いずに、無水物又はアミンのような慣例の硬化剤で架橋されている、ビスフェノールA及びビスフェノールFのグリシジルエーテル生成物。
【0078】
28.上述のポリマーの配合物(ポリブレンド)、例えばPP/EPDM、ポリアミド/EPDM又はABS、PVC/EVA、PVC/ABS、PVC/MBS、PC/ABS、PBTP/ABS、PC/ASA、PC/PBT、PVC/CPE、PVC/アクリレート、POM/熱可塑性PUR、PC/熱可塑性PUR、POM/アクリレート、POM/MBS、PPO/HIPS、PPO/PA6.6及びコポリマー、PA/HDPE、PA/PP、PA/PPO、PBT/PC/ABS又はPBT/PET/PC。
【0079】
ポリオレフィン、すなわち前の段落において例示したモノオレフィンのポリマー、好ましくはポリエチレン及びポリプロピレンは、異なる方法によりそしてとりわけ以下の方法により調製され得る:
a)ラジカル重合(通常は高圧下において及び高められた温度において)。
b)通常、周期表のIVb、Vb、VIb又はVIII群の金属の一つ又はそれ以上を含む触媒を使用した触媒重合。これらの金属は通常、一つ又はそれ以上の配位子、典型的にはπ−又はσ−配位し得るオキシド、ハロゲン化物、アルコレート、エステル、エーテル、アミン、アルキル、アルケニル及び/又はアリールを有する。これらの金属錯体は遊離形態であるか、又は基材に、典型的には活性化塩化マグネシウム、チタン(III)クロリド、アルミナ又は酸化ケイ素に固定され得る。これらの触媒は、重合媒体中に可溶又は不溶であり得る。該触媒は重合においてそのまま使用され得、又は他の活性化剤、典型的には金属アルキル、金属ヒドリド、金属アルキルハライド、金属アルキルオキシドまたは金属アルキルオキサンであって、該金属が周期表のIa、IIaおよび/またはIIIa群の元素であるものが使用されることができる。該活性化剤は、他のエステル、エーテル、アミン又はシリルエーテル基で都合良く変性され得る。これらの触媒系は、通常、フィリップス、スタンダード・オイル・インディアナ、チグラー(−ナッタ)、TNZ(デュポン)、メタロセン又はシングルサイト触媒(SSC)と命名される。
【0080】
特に、本発明の熱可塑性樹脂は、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、人工熱可塑性ポリオレフィン(TPO)、ポリスチレン(PS)、ポリ塩化ビニル(PVC)及びそれらの混合物からなるから選択される。
特に、本発明の複合材料は、木粉とPE、PP、PS又はPVCである。
【0081】
ゴムを配合されたポリプロピレンからなり得る人工熱可塑性ポリオレフィン(TPO)を含む、高密度及び低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、アイオノマー、他のコポリマーを含むいかなる成形可能なポリオレフィン又はポリオレフィンの混合物も本発明の目的のために使用され得る。ポリオレフィン成分は、例えば、HDPE及びポリプロピレンからなる群から、例えば、使用済みの牛乳容器又は食品袋から回収されるような、消費者使用後又は工業使用後の廃棄プラスチック、特に廃棄HDPEから選択される。未使用のプラスチックも同様に、効果的に使用され得るが、廃棄プラスチックを製造に利用するという有益性はない。
【0082】
本発明の複合材料は、全混合物に基づき、熱可塑性樹脂を、例えば約20質量%ないし
約80質量%含む。例えば、熱可塑性樹脂は、全混合物に基づき、約30質量%ないし約50質量%、又は約35質量%ないし約45質量%存在する。従って、天然素材は、全混合物の質量に基づき、約80質量%ないし約20質量%、約70質量%ないし約50質量%、又は約65質量%ないし約55質量%存在する。
【0083】
更なる添加剤が、本発明の複合材料中に使用され得る。例えば、障害性フェノール系抗酸化剤、有機リン化合物、ヒドロキシルアミン、ニトロン、アミンオキシド及びベンゾフラノンからなる群から選択される加工安定剤。
【0084】
本発明の混合物は、更に、ヒドロタルサイトを含み得る。ヒドロタルサイトは、ハイサイト又はDHT4Aとしても知られる。
ヒドロタルサイトは、天然物又は合成物である。天然のヒドロタルサイトは、Mg6Al2(OH)16CO3・4H2Oという構造を有する。
合成ヒドロタルサイトの典型的な実験式は、Al2Mg4.35OH11.36CO3(1.67)・xH2Oである。
合成製品の例は、Mg0.7Al0.3(OH)2(CO30.15・0.54H2O、Mg4.5Al2(OH)13CO3・3.5H2O及びMg4.2Al(OH)12.4CO3を含む。
【0085】
本発明の混合物は、更に、クレー又はナノスケールの充填剤を含み得る。
ナノスケールの充填剤は、約200nm以下、好ましくは約100nm以下、より好ましくは約50nm以下の粒子サイズを有する。
【0086】
ナノスケールの充填剤は、例えば、気相法又はゾル−ゲル法によって製造されたナノスケールのオキシド、例えば、SiO2、SiO2[例えば、デグサ社製エーロシル(登録商標:Aerosil);デュポン社製ルドックス(登録商標:Rudox);日産化学社製スノーテックス(登録商標:Snowtex);バイエル社製リバシル(登録商標:Levasil);又は富士シリシア化学社製シリシア(登録商標:Sylysia]、TiO2[例えば、ナノフェース社製ナノテク(登録商標:NanoTek)]、ZrO2、SnO2、MgO、ZnO[例えば、エレメンティス社製アクティボックス(登録商標:Activox)B又はデュルハン(登録商標:Durhan)TZO]、CeO2、Al23、In23又は、ヒドロキシル基、アミノ基、メルカプト基、エポキシ基又はエチレン性基を有し又は有さず、炭化水素、シラン又はシロキサン鎖等の相溶性又は反応性有機変性物を有するコロイドシリカ[例えば、クレボソル(登録商標:Klebosol)]、又はオルガノゾル[例えば、クラリアント社製ヒリンク(登録商標:Hilink)OG]、又は多面オリゴマー状シルセスキオキサン[例えば、ハイブリッド プラスチックス社製POSS(登録商標:POSS)]を含む混合オキシド、又は、天然又は変性半合成又は合成フィロシリケート[例えば、CO−OPケミカルズ社製ソマシフ(登録商標:Somasif)]、親有機性沈殿炭酸カルシウム[例えば、ソルベイ社製ソカル(登録商標:Socal)]又はアニオン交換ヒドロタルサイト[例えば、チバ スペシャルティ ケミカルズ社製ハイサイト(登録商標:Hycite)]である。
【0087】
充填剤は、例えば、親有機性的に変性された天然又は合成フィロシリケート、又は該フィロシリケートの混合物である。特に好ましい充填剤は、親有機性的に変性されたモンモリロナイト[例えば、ナノコル社製ナノマー(登録商標:Nanomer)又はスードケミ社製ナノフィル(登録商標:Nanofil)]、ベントナイト[例えば、サウザン クレー プロダクツ社製クロイサイト(登録商標:Cloisite)]、バイデライト、ヘクトライト、サポナイト、ノントロナイト、ソーコナイト、バーミキュライト、レジカイト(ledikite)、マガディアイト、ケニヤアイト又はスティーブンサイトである。
【0088】
本発明の混合物は、更に、抗細菌化合物及び/又は抗藻化合物等の更なる殺生物剤を含み得る。例えば、2−メチルチオ−4−シクロプロピルアミノ−6−(α,β−ジメチルプロピルアミノ)−s−トリアジン、4,5−ジクロロ−N−n−オクチル−イソチアゾリン−3−オン、2−メチルチオ−4−シクロプロピルアミノ−6−第三ブチルアミノ−s−トリアジン及び2−メチルチオ−4−エチルアミノ−6−(α,β−ジメチルプロピルアミノ)−s−トリアジン等の抗藻化合物及び銀、コロイド銀、ナノ銀、銀被覆粒子、Ag2O、AgCl、AgNO3、Ag2SO4、銀−ゼオライト、銀−ガラス化合物及び銀−ジルコナイト等の銀化合物等の抗細菌化合物。
【0089】
使用され得る他の更なる添加剤は、例えば、押出能力の改善のための加工助剤/潤滑剤、例えば、質量の減少のための化学発泡剤、耐衝撃性改良剤、結合剤、着色剤、充填剤、架橋剤及び難燃剤である。
【0090】
既知の難燃剤は、例えば、有機ハロゲン化合物、メラミンに基づく化合物、リン原子含有化合物及び金属水酸化物である。
【0091】
本発明の抗菌剤、光安定剤及びCa、Mg、Al又はZnの酸化物、水酸化物又はケイ酸塩及び任意の更なる添加剤は、押出配合によって本発明の複合材料中に配合される。
【0092】
本発明の添加剤及び任意の更なる成分は、個々に又は他のものと混合されて複合材料に添加され得る。所望により、個々の成分は、複合材料中への配合前に、例えば、ドライブレンド、圧縮によって、マスターバッチとして又は溶融状態で他のものと混合され得る。
【0093】
複合材料中への本発明の添加剤及び任意の更なる成分の配合は、粉末状態におけるドライブレンド、又は、例えば、不活性溶媒、水又はオイル中の溶液、分散液又は懸濁液の状態における湿式混合等の既知の方法によって行われ得る。本発明の添加剤及び任意の更なる添加剤は、例えば、成形前又は成形後に、もしくは溶解又は分散した添加剤又は添加剤混合物を複合材料に適用し、その後、必要に応じて、溶媒又は懸濁剤/分散剤を蒸発させることによって配合され得る。それらは、例えば、乾燥混合物又は粉末として、又は溶液又は分散液又は懸濁液又は溶融液として、加工装置(例えば、押出機、密閉式ミキサー等)中に直接添加され得る。
【0094】
配合は、攪拌機を備えたあらゆる加熱可能な容器、例えば、ニーダー、ミキサー又は攪拌容器等の密閉装置中で行われ得る。配合は、好ましくは、押出機又はニーダー中で行われる。加工が、不活性雰囲気中で行われるか又は酸素の存在下で行われるかどうかは重要ではない。
【0095】
複合材料への添加剤又は添加剤ブレンドの添加は、熱可塑性樹脂が添加剤と溶融及び混合され得る全ての慣用の混合機中で行われ得る。適当な機械は当業者に既知である。それらは主にミキサー、ニーダー及び押出機である。
本方法は、好ましくは、加工中に、添加剤を押出機に導入することによって行われる。
特に好ましい加工機は、一軸スクリュー押出機、逆回転及び同時回転二軸スクリュー押出機、遊星歯車押出機、リング押出機又はコニーダーである。真空が適用され得る少なくとも1つのガス除去室を備えた加工機を使用することもまた可能である。
溶融加工は、例えば、押出、共混練、引抜成形及び射出成形を含む。
適当な押出機及びニーダーは例えば、Handbuch der Kunststoffextrusion,Vol.1 Grundlagen,編者 F.ヘンセン,W.クナッペ,H.ポテンテ,1989,3−7頁,ISBN:3−446−14339−4(Vol.2 Extrusionsanlagen 1986,ISBN 3−446−14329−7)に記載されている。
例えば、スクリューの長さは、1ないし60スクリュー径、好ましくは35ないし48スクリュー径である。スクリューの回転速度は、好ましくは1分当り10ないし600回転(rpm)、非常に特に好ましくは25ないし300rpmである。
最大処理量は、スクリューの直径、回転速度及び駆動力に依存する。本発明の方法はまた、言及されたパラメータを変えることにより又は投与量を送る計量機を使用することにより最大処理量よりも低いレベルで行われ得る。
多数の成分が添加される場合、これらは予備混合され得るか又は個々に添加され得る。
【0096】
本発明の添加剤及び任意の更なる添加剤はまた、該添加剤を、担体樹脂の質量に基づき、例えば約1質量%ないし約90質量%、約1質量%ないし約75質量%、又は約2質量%ないし約65質量%の濃度で含むマスターバッチ(濃縮物)の形態でも複合材料へ添加され得る。担体樹脂は、添加剤が最終的に添加される熱可塑性樹脂と必ずしも同一構造でなくてもよい。好ましくは、担体は熱可塑性樹脂と異なる。
このような操作において、担体樹脂は、粉末、グラニュール、溶液、懸濁液の形態又はラテックスの形態で使用され得る。
【0097】
担体樹脂として、ポリエステル、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、PETコポリマー又はグリコール変性ポリエチレンテレフタレート(PETG)を使用することが有利である。例えば、ポリオレフィン複合材料中にPET担体樹脂により本発明の添加剤を添加することが有利である。純粋な添加剤の混合物を使用することに対する濃縮物により本発明の添加剤を配合することの実質的な有益性は:
−より良好な取扱い、
−改善された産業衛生及び環境関係、及び
−改善された計量精度の調節
にある。
【0098】
本発明の添加剤は、そのままの形態で、又は封入された形態(例えば、ワックス、オイル又はポリマー中に)で添加され得る。
【0099】
本発明において担体樹脂として適当なポリエステルはよく知られ、例えば、米国特許第5,807,932号明細書に記載されている。
ポリエステル、即ち、新しいポリエステル及びリサイクルポリエステルの双方は、脂肪族、脂環式又は芳香族ジカルボン酸及びジオール又はヒドロキシカルボン酸から製造されたホモポリエステル又はコポリエステルであり得る。
【0100】
脂肪族ジカルボン酸は2ないし40個の炭素原子を含み得り、脂環式ジカルボン酸は6ないし10個の炭素原子を含み、芳香族ジカルボン酸は8ないし14個の炭素原子を含み得り、脂肪族ヒドロキシカルボン酸は2ないし12個の炭素原子を含み得り、芳香族及び脂環式ヒドロキシカルボン酸は7ないし14個の炭素原子を含み得る。
【0101】
脂肪族ジオールは2ないし12個の炭素原子を含み得り、脂環式ジオールは5ないし8個の炭素原子を含み得り、芳香族ジオールは6ないし16個の炭素原子を含み得る。
用語‘‘芳香族ジオール’’は、2個のヒドロキシル基が1個の芳香族炭化水素基又は複数の異なる芳香族炭化水素基に結合したジオールを意味する。
【0102】
更に、ポリエステルは、例えば、存在するジカルボン酸に基づき、少量の、例えば0.1ないし3mol%の2より大きい官能価数を有するモノマーによって枝分かれさせることもできる(例えば、ペンタエリトリトール、トリメリット酸、1,3,5−トリ−(ヒドロキシフェニル)ベンゼン、2,4−ジヒドロキシ安息香酸又は2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)プロパン)。
【0103】
少なくとも2種のモノマーを含むポリエステルにおいて、後者はランダムに分布され得るか又はブロックの形態で配列され得る。
【0104】
適当なジカルボン酸は、直鎖の及び枝分かれした飽和脂肪族ジカルボン酸、芳香族ジカルボン酸及び脂環式ジカルボン酸である。
【0105】
適当な脂肪族ジカルボン酸は、2ないし40個の炭素原子を有するもの、例えば、蓚酸、マロン酸、ジメチルマロン酸、琥珀酸、ピメリン酸、アジピン酸、トリメチルアジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸及び二量体酸(オレイン酸のような不飽和脂肪族カルボン酸の二量体化生成物。)及び、アルキル化マロン酸及びオクタデシル琥珀酸のようなアルキル化琥珀酸である。
【0106】
適当な脂環式ジカルボン酸は、1,3−シクロブタンジカルボン酸、1,3−シクロペンタンジカルボン酸、1,3−及び1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−及び1,4−(ジカルボキシルメチル)シクロヘキサン及び4,4’−ジシクロヘキシルジカルボン酸である。
【0107】
適当な芳香族ジカルボン酸は、特に、テレフタル酸、イソフタル酸、o−フタル酸、1,3−、1,4−、2,6−及び2,7−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸、ジ(4−カルボキシフェニル)スルホン、4,4’−ベンゾフェノンジカルボン酸、1,1,3−トリメチル−5−カルボキシ−3−(p−カルボキシフェニル)インダン、ジ(4−カルボキシフェニル)エーテル、ビス(p−カルボキシフェニル)メタン及びビス(p−カルボキシルフェニル)エタンである。
【0108】
好ましいものは、芳香族ジカルボン酸、特にテレフタル酸、イソフタル酸及び2,6−ナフタレンジカルボン酸である。
【0109】
更に適当なジカルボン酸は、−CO−NH−基を含むものであり;それらは、独国特許出願公開第2414349号明細書に記載されている。また、適当なものは、N−複素環を含むジカルボン酸、例えばカルボキシルアルキル化、カルボキシルフェニル化又はカルボキシベンジル化モノアミノ−s−トリアジンジカルボン酸(独国特許出願公開第2121184号明細書及び独国特許出願公開第2533675号明細書参照)、モノ−又はビスヒダントイン、ハロゲン化又は未ハロゲン化ベンズイミダゾール又はパラバン酸から誘導されたものである。これらの化合物のカルボキシアルキル基は、3ないし20個の炭素原子を含み得る。
【0110】
適当な脂肪族ジオールは、直鎖の及び枝分かれした脂肪族グリコール、特に、分子中に2ないし12個の、とりわけ2ないし6個の炭素原子を有するものであり、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2−及び1,3−プロピレングリコール、1,2−、1,3−、2,3−及び1,4−ブタンジオール、ペンチルグリコール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール及び1,12−ドデカンジオールである。適当な脂環式ジオールの例は、1,4−ジヒドロキシシクロヘキサンである。更に適当な脂肪族ジオールは、例えば、1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、p−キシレングリコール及び2,5−ジクロロ−p−キシレングリコール等の芳香族−脂肪族ジオール、2,2−(β−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン及び、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール及びポリプロピレングリコール等のポリオキシアルキレングリコールである。アルキレンジオールは、好ましくは直鎖であり、かつ特に2ないし4個の炭素原子を含む。
【0111】
好ましいジオールは、アルキレンジオール、1,4−ジヒドロキシシクロヘキサン及び1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサンである。特に好ましいものは、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、1,4−ブタンジオール及び1,2−及び1,3−プロピレングリコールである。
【0112】
更なる適当な脂肪族ジオールは、β−ヒドロキシアルキル化ビスフェノール、特にβ−ヒドロキシエチル化ビスフェノール、例えば2,2−ビス(4’−(β−ヒドロキシエトキシ)フェニル)プロパンである。更なるビスフェノールを以下に示す。
【0113】
適当な脂肪族ジオールの更なる群は、独国特許出願公開第1812003号明細書、独国特許出願公開第2342432号明細書、独国特許出願公開第2342372号明細書及び独国特許出願公開第2453326号明細書に記載された複素環式ジオールを含む。その例は、N,N’−ビス(β−ヒドロキシエチル)−5,5−ジメチルヒダントイン、N,N’−ビス(β−ヒドロキシプロピル)−5,5−ジメチルヒダントイン、メチレンビス(N−(β−ヒドロキシエチル)−5−メチル−5−エチルヒダントイン)、メチレンビス(N−(β−ヒドロキシエチル)−5,5−ジメチルヒダントイン)、N,N’−ビス(β−ヒドロキシエチル)ベンズイミダゾロン、N,N’−ビス(β−ヒドロキシエチル)テトラクロロベンズイミダゾロン及びN,N’−ビス(β−ヒドロキシエチル)テトラブロモベンズイミダゾロンである。
【0114】
適当な芳香族ジオールは、単環式ジフェノール、及び、特に各々の芳香族環にヒドロキシル基を有する二環式ジフェノールである。用語‘‘芳香族’’は、好ましくは、炭化水素−芳香族基、例えばフェニレン基又はナフチレン基を意味する。例えば、ヒドロキノン、レゾルシノール及び1,5−、2,6−及び2,7−ジヒドロキシナフタレンの他にも、特に、以下の式
【化3】

で表わされ得るビスフェノールが言及され得る。
【0115】
ヒドロキシル基は、m−位に存在し得るが、特にはp−位に存在し得り、これらの式において、R’及びR’’は、1ないし6個の炭素原子を有するアルキル基、塩素原子又は臭素原子等のハロゲン原子、又は特に水素原子を表わし得り、Aは、直接結合、又は−O−、−S−、−(O)S(O)−、−C(O)−、−P(O)(炭素原子数1ないし20のアルキル)−、置換又は未置換アルキリデン基、シクロアルキリデン基又はアルキレン基を表わし得る。
【0116】
置換又は未置換アルキリデン基の例は、エチリデン基、1、1−及び2,2−プロピリデン基、2,2−ブチリデン基、1,1−イソブチリデン基、ペンチリデン基、ヘキシリデン基、ヘプチリデン基、オクチリデン基、ジクロロエチリデン基及びトリクロロエチリデン基である。
【0117】
置換又は未置換アルキレン基の例は、メチレン基、エチレン基、フェニルメチレン基、
ジフェニルメチレン基及びメチルフェニルメチレン基である。シクロアルキリデン基の例は、シクロペンチリデン基、シクロヘキシリデン基、シクロヘプチリデン基及びシクロオクチリデン基である。
【0118】
ビスフェノールの例は、ビス(p−ヒドロキシフェニル)エーテル及びチオエーテル、ビス(p−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(p−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2,2’−ビスフェニル、フェニルヒドロキノン、1,2−ビス(p−ヒドロキシフェニル)エタン、1−フェニルビス(p−ヒドロキシフェニル)メタン、ジフェニルビス(p−ヒドロキシフェニル)メタン、ジフェニルビス(p−ヒドロキシフェニル)エタン、ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−p−ジイソプロピルベンゼン、ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−m−ジイソプロピルベンゼン、2,2−ビス(3’,5’−ジメチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−及び2,2−ビス(p−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(p−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、1,1−ジクロロ−及び1,1,1−トリクロロ−2,2−ビス(p−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(p−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、及び特に、2,2−ビス(p−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)及び1,1−ビス(p−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン(ビスフェノールC)である。
【0119】
ヒドロキシカルボン酸の適当なポリエステルは、例えば、ポリカプロラクトン、ポリピバロラクトン及び、4−ヒドロキシシクロヘキサンカルボン酸及び4−ヒドロキシ安息香酸のポリエステルである。
【0120】
また、適当なものは、主にエステル結合を含むが、他の結合も含み得るポリマー、例えばポリエステルアミド及びポリエステルイミドである。
【0121】
芳香族ジカルボン酸を有するポリエステル、特にポリアルキレンテレフタレートが最も重要なことを達成し得る。例えば、ポリエステルは、該ポリエステルに基づき、少なくとも30mol%、好ましくは少なくとも40mol%の芳香族ジカルボン酸と少なくとも30mol%、好ましくは少なくとも40mol%の、好ましくは2ないし12個の炭素原子を有するアルキレンジオールから製造される。
【0122】
この場合、アルキレンジオールは特に直鎖で、かつ2ないし6個の炭素原子を含み、例えば、エチレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール及びヘキサメチレングリコールであり、そして芳香族ジカルボン酸は、特にテレフタル酸及び/又はイソフタル酸である。
【0123】
特に適当なポリエステルはPET、PBT及び相当するコポリマーであり、特に好ましいものはPET及びそのコポリマーである。本方法はまた、例えば、ボトル回収、例えば飲料産業によるボトル回収によって得られるPETのリサイクルにおいて、特に重要なことを達成する。これらの材料は、好ましくは、エチレングリコール及び/又は1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサンとの組合せにおいて、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸及び/又はイソフタル酸を含む。
【0124】
ここに記載された本発明の添加剤を含む材料は、成形品、射出成形品、形材等の製造に使用され得る。
【0125】
また、本発明の対象は、本発明の方法に従って製造される成形品である。
【0126】
本発明はまた、微生物の成長、屋外曝露及び化学相互作用による変色に対して耐性のある天然素材複合材料の製造のための、少なくとも1種の天然素材、少なくとも1種の熱可塑性樹脂及び抗菌剤の混合物の使用に関する。
【0127】
本発明を更に以下の実施例で説明する。特に記載がない限り、%及び部は質量に対するものである。
【実施例】
【0128】
実施例1:
木粉/PEの1:1混合物100質量部に以下の添加剤混合物を添加した:
2.00部 CaO;
0.50部 ZnO;
0.05部 ペンタエリトリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−第三ブチ
ル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート];
0.10部 トリス(2,4−ジ−第三ブチルフェニル)ホスフィット;
0.25部 1−(2−ヒドロキシエチル)−2,2,6,6−テトラメチル
−4−ヒドロキシピペリジンと琥珀酸の重縮合生成物及び2,4−
ジクロロ−6−第三オクチルアミノ−s−トリアジンと4,4’
−ヘキサメチレンビス(アミノ−2,2,6,6−テトラメチル
ピペリジン)の縮合生成物の1:1混合物(HALS混合物);
0.10部 ステアリン酸カルシウム;
0.50部 2−(2−H−ベンゾトリアゾル−2−イル)−4,6−ジ−第
三ペンチルフェノール(UVA);及び
0.25部 チアベンダゾール。

添加剤混合物は、複合材料の質量に基づき合計3.75質量部調製した。
対照配合物もまた添加剤なしで調製した。
混合物を、ホークミキサー中で160℃において加工し、加工した材料を193℃で圧縮成形し、40ミルのプラックとした。ぺトリ皿(直径3.5インチ)に蒸留水10mLと一緒に材料10gを置くことによって複合材料の色安定性を試験した。鉄くぎをこの混合物の上に置き、試料を3日間室温で放置した。対照配合物は、くぎの周りに濃い変色(黒色)が発生したが、添加剤を含む配合物は元々の外見から変化しないままであった。
複合材料はまた、キセノン アーク ウェザロメーターにおいて、ASTM G26 試験方法A(噴霧サイクルを有する)に従って、耐候性を試験した。発色はASTM D1925に従い黄色度指数を測定することによって評価した。結果を表1にまとめる。
表1:
【表1】

対照に対し、本発明の複合材料は、変色の防止について優れた結果を達成した。
【0129】
実施例2:
添加剤濃縮物を、レイストリッツ2軸スクリュー(18mm)を240℃、150rpmのスクリュー速度で用い、添加剤ブレンド/PET樹脂を2:1の比で押出配合するこ
とによって製造した。添加剤ブレンドは以下の通りである:
67% CaO;
1.3% ペンタエリトリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−第三ブチル
−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート];
2.6% トリス(2,4−ジ−第三ブチルフェニル)ホスフィット;
6.5% 1−(2−ヒドロキシエチル)−2,2,6,6−テトラメチル−
4−ヒドロキシピペリジンと琥珀酸の縮合生成物及び2,4−ジク
ロロ−6−第三オクチルアミノ−s−トリアジンと4,4’−ヘキ
サメチレンビス(アミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジ
ン)の縮合生成物の1:1混合物(HALS混合物);
2.6% ステアリン酸カルシウム;
7% チアベンダゾール。

添加剤濃縮物を、その後、ホークミキサー中で160℃において加工することによって、木粉/PEの1:1配合物中に配合し、加工した材料を193℃で圧縮成形し、40ミルのプラックとした。添加剤ブレンドの最終配合濃度は、全組成物に基づき、2質量%、4質量%、6質量%及び8質量%である。対照試料を添加剤ブレンドなしで調製した。組成物の抗菌活性をASTM G21に従って試験した。試験片の圧縮成形試料を、オーレオバシジウムプルランス(ATCC 15233)及びペニシリウム ピノフィルム(pinophilum)(ATCC 11797)をそれぞれ接種した寒天基質上で21日間、28℃で保温した。添加剤濃縮物を含む全ての試料で菌の成長は観察されず、以下の菌成長抑制区画が試料の周囲で測定された:
【表2】

複合材料はまた、キセノン アーク ウェザロメーターにおいて、ASTM G26 試験方法A(噴霧サイクルを有する)に従って、耐候性を試験した。発色はASTM D1925に従い黄色度指数を測定することによって評価した:
【表3】

対照に対し、本発明の複合材料は、抗菌活性及び変色の防止について優れた結果を達成した。
アスペルギルスニガーに対する抗菌効果もまた優れていることが判った。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
微生物の成長、屋外曝露及び化学相互作用による変色に対して耐性のある天然素材複合材料の製造方法であって、該方法は、少なくとも1種の天然素材、少なくとの1種の熱可塑性樹脂、抗菌剤を組み合わせて混合物とし、該混合物を溶融加工することからなる方法。
【請求項2】
更に、光安定剤からなる群から及び/又はCa、Mg、Al及びZnの酸化物、水酸化物又はケイ酸塩からなる群から選択される少なくとも1種の化合物を含む請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記抗菌剤が、チアベンダゾール、10,10’オキシビスフェノキシアルシン、テブコナゾール、トルナフテート、ビス(2−ピリジンチオール−1−オキシド)亜鉛、2n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、4,5−ジクロロ−オクチル−4−イソチアゾリン、N−ブチル−1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、カルベンダゾール及びそれらの混合物からなる群から選択される請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記抗菌剤が、全混合物の質量に基づき、0.05質量%ないし3.0質量%の量で存在する請求項1記載の方法。
【請求項5】
前記光安定剤が、立体障害性アミン光安定剤、2H−ベンゾトリアゾール、ベンゾフェノン、安息香酸エステル、アクリレート、マロネート、オキサミド、サリチレート、ベンズオキサジン−4−オン及びs−トリアジンからなる群から選択される請求項2記載の方法。
【請求項6】
前記光安定剤が、全混合物の質量に基づき、0.1質量%ないし5質量%の量で存在する請求項2記載の方法。
【請求項7】
前記Ca、Mg、Al及びZnの酸化物、水酸化物又はケイ酸塩からなる群から選択される化合物が、ヒドロタルサイト、Al23、CaO、MgO又はZnOである請求項2記載の方法。
【請求項8】
前記Ca、Mg、Al及びZnの酸化物、水酸化物又はケイ酸塩が、全混合物の質量に基づき、0.5質量%ないし10質量%の量で存在する請求項2記載の方法。
【請求項9】
少なくとも2種の異なる立体障害性アミン光安定剤、又は少なくとも1種の立体障害性アミン光安定剤及び少なくとも1種の紫外線吸収剤を含む請求項2記載の方法。
【請求項10】
前記天然素材が、木材、のこ屑、ヤシ殻、サトウキビのしぼり粕、亜麻、麻、ジュート、ケナフ及びもみ殻からなる群から選択される請求項1記載の方法。
【請求項11】
熱可塑性樹脂が、ポリエチレン、ポリプロピレン、人工熱可塑性ポリオレフィン(TPO)、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル及びそれらの混合物からなる群から選択される請求項1記載の方法。
【請求項12】
前記抗菌剤及び更なる添加剤が担体樹脂濃縮物の形態で混合物へ添加される請求項1記載の方法。
【請求項13】
前記担体樹脂が、前記熱可塑性樹脂とは異なる請求項12記載の方法。
【請求項14】
前記担体樹脂が、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンテレフタレートコポリマー又はグリコール変性ポリエチレンテレフタレート(PETG)である請求項13記載の方法。
【請求項15】
微生物の成長、屋外曝露及び化学相互作用による変色に対して耐性のある天然素材複合材料の製造のための、少なくとも1種の天然素材、少なくとも1種の熱可塑性樹脂及び抗菌剤の混合物の使用。


【公表番号】特表2006−524151(P2006−524151A)
【公表日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−505544(P2006−505544)
【出願日】平成16年4月13日(2004.4.13)
【国際出願番号】PCT/EP2004/050498
【国際公開番号】WO2004/094120
【国際公開日】平成16年11月4日(2004.11.4)
【出願人】(396023948)チバ スペシャルティ ケミカルズ ホールディング インコーポレーテッド (530)
【氏名又は名称原語表記】Ciba Specialty Chemicals Holding Inc.
【Fターム(参考)】