説明

太陽光発電システム

【課題】複数の太陽電池の発電特性にバラツキがあっても、MPPT制御によって各太陽電池が自身以外の他の太陽電池の発電特性の影響を受けて発電出力が抑えられてしまうのを抑制し、各太陽電池から効率的に発電電力を得られるようにする。
【解決手段】複数の太陽電池ユニットを、発電特性が同等のもの同士でグループ化する。第1グループ1は傾斜角Daの太陽電池ユニット1a,1b,1cを集めたものであり、第2グループ2は傾斜角Dbの太陽電池ユニット2a,2b,2cを集めたものであり、第3グループ3は傾斜角Dcの太陽電池ユニット3a,3b,3cを集めたものである。パワーコンディショナ4には、グループ毎にDC/DCコンバータ4a,4b,4cが設けられ、各DC/DCコンバータ4a,4b,4cにて個別にMPPT制御が行われる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽電池にて発電された直流電力を交流に変換して出力するよう構成された太陽光発電システムに関する。
【背景技術】
【0002】
太陽光は石油等の化石燃料に依存しない無限のエネルギーであり、この太陽光を電気エネルギーに変換する太陽電池を利用した太陽光発電システムは、地球温暖化防止対策の一つとして普及・拡大が期待されている。また、エネルギーセキュリティー上からもエネルギー源として重要である。
【0003】
太陽光発電システムで用いられる太陽電池の最小単位である太陽電池セルは、それ単体では出力が小さいため、通常は、出力電圧を上げるために複数直列接続して太陽電池モジュールを構成したり、さらに出力電圧を上げるために太陽電池モジュールを複数直列接続して太陽電池ストリングを構成したり、出力電力を上げるために太陽電池モジュール又は太陽電池ストリングを複数並列接続して太陽電池アレイを構成する。
【0004】
そして、一般によく知られている太陽光発電システムでは、これら太陽電池モジュール、太陽電池ストリング、又は太陽電池アレイから出力される直流の発電電力を、パワーコンディショナにて交流電力に変換して、負荷に供給したり交流系統に連系したりしている。特に近年、次世代の大規模な太陽光発電所の導入を目指して出力電力がメガワット級の大規模な太陽電池システムの構築や実証実験等も進められている。このような大規模な太陽電池システムでは、発電電力は電力会社の高電圧送電網に連系される。
【0005】
なお、以下の説明では、説明の簡略化のために「太陽電池ユニット」という用語を用いるが、本明細書において「太陽電池ユニット」とは、特に断りのない限り、太陽電池モジュール、太陽電池ストリング、又は太陽電池アレイの何れかを意味するものと定義する。また、本明細書で単に「太陽電池」というときは、特に断りのない限り、太陽電池セル、太陽電池モジュール、太陽電池ストリング及び太陽電池アレイを含む、太陽光受光により発電可能なあらゆる形態のものを示すものとする。
【0006】
太陽電池ユニットの一般的な電圧−発電出力(電力)特性(以下単に「発電特性」と称す)を、図6に示す。図6に示すように、太陽電池ユニットの発電出力は、太陽電池ユニットの出力電圧の上昇に伴って増加していき、ある電圧(最大出力電圧Vm)で発電出力が最大値(最大電力Pm)となり、そこから更に出力電圧が上昇すると発電電力は低下していく。
【0007】
このような発電特性は、太陽電池の発電特性として一般に良く知られているものであるが、太陽電池ユニットを構成する太陽電池モジュールの種類(延いては太陽電池セルの種類)によって異なったり、また、同一種類の太陽電池ユニットであっても日射量、周囲温度、更には影の影響などによっても変化する。
【0008】
そこで、太陽電池ユニットから太陽光発電電力を有効に取り出すために、パワーコンディショナでは、通常、最大電力点追従制御(MPPT制御;Maximum Power Point Tracking制御)が行われる。MPPT制御とは、パワーコンディショナに接続された太陽電池ユニットのトータルの発電電力(動作点)が、その発電特性における発電電力が最大となる最大電力点(図6における、発電出力がPmとなる点)に追従するように制御するものである。
【0009】
このようなMPPT制御機能や系統連系機能を備えたパワーコンディショナは、例えば特許文献1,2に開示されているように、一般によく知られている。
図7(a)に、従来の太陽光発電システムの構成例を示す。図7(a)に示す太陽光発電システム100は、必要な発電電力を得るために、第1太陽電池ユニット(モジュール、ストリング又はアレイ)101、第2太陽電池ユニット102及び第3太陽電池ユニット103を含む複数の太陽電池ユニットを有している。そして、これら各太陽電池ユニット101,102,103・・・が並列接続されることにより各太陽電池ユニット101,102,103・・・からの発電電力が合成されて、パワーコンディショナ104に入力されるよう構成されている。
【0010】
パワーコンディショナ104は、各太陽電池ユニット101,102,103・・・からの合成された発電電力(直流電力)を交流電力に変換して系統側へ出力するという主たる機能を実現すべく、各太陽電池ユニット101,102,103・・・から合成されて入力される直流の入力電圧をその入力電圧よりも高い所定の直流電圧に昇圧するDC/DCコンバータ107と、このDC/DCコンバータ107にて昇圧された直流電圧を所定電圧の交流電圧に変換するインバータ108とを備えている。
【0011】
そして、パワーコンディショナ104から出力された交流電圧(交流電力)は、系統連系用変圧器105にて交流系統106と同じ交流電圧に変圧されて、交流系統106に連系される。
【0012】
また、DC/DCコンバータ107は、上述したMPPT制御機能を備えている。即ち、各太陽電池ユニット101,102,103・・・からの合成された発電電力を有効に取り出すために、DC/DCコンバータ107に入力される電圧を変動させながら、各太陽電池ユニット101,102,103・・・のトータルの発電電力が最大値となるように追従制御する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特開2008−15899号公報
【特許文献2】特開2003−284355号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
ところで、大規模太陽光発電システムでは、多数の太陽電池ユニット(モジュール、ストリング又はアレイ)が使用され、これらが複数並列接続されて、一括して1つのパワーコンディショナに入力(詳しくはDC/DCコンバータに入力)される。
【0015】
そのため、同じDC/DCコンバータに接続された複数の太陽電池ユニットの中で、太陽電池ユニットを構成する太陽電池セルの種類や各種特性の異なるものや、太陽電池ユニットの設置条件(傾斜角、受光面の方位角、パワーコンディショナまでの配線距離など)の異なるものが混在していたりすると、複数の太陽電池ユニットの相互間で発電特性にバラツキが生じる。
【0016】
このような場合に、これら発電特性の異なる複数の太陽電池ユニットが並列接続され、一括してパワーコンディショナに入力されて最大電力点追従制御(MPPT制御)が掛かると、出力が大きく特性の良い太陽電池ユニットからの出力が、特性の悪い他の太陽電池ユニットによって抑えられるなど、個々の太陽電池ユニットから本例取り出せるはずの発電電力が十分に取り出せず、結果としてトータルの発電電力が十分に得られなくなる。
【0017】
図7(b)を用いて具体的に説明する。図7(b)に示す例では、各太陽電池ユニット101,102,103の発電特性がそれぞれ異なっており、第1太陽電池ユニット101は、出力電圧がV1mのときに発電出力(電力)が最大となる特性を有し(つまり図中点aが最大電力点)、第2太陽電池ユニット102は、出力電圧がV2mのときに発電出力が最大となる特性を有し(つまり図中点bが最大電力点)、第3太陽電池ユニット103は、出力電圧がV3mのときに発電出力が最大となる特性を有する(つまり図中点cが最大電力点)。つまり、発電電力が最大になる電圧は個々で異なっている。
【0018】
ところが、図7(a)に示した太陽光発電システム100では、これら3つの太陽電池ユニット101,102,103の発電出力が一括されてパワーコンディショナ104に入力されるため、図7(b)に実線で示すように、3つトータルで電力が最大となる点Z(電圧Vp、発電出力Pm)に動作点(動作電圧)が追従するようにMPPT制御がなされることになる。
【0019】
その結果、各太陽電池ユニット101〜103の個々の動作点は、それぞれ図中に示す点A,B,Cとなり、自身以外の他の2つの影響を受けることによって自身の最大電力点からずれてしまう。特に、発電特性の優れた太陽電池ユニットほど、最も発電特性の悪い太陽電池ユニットに動作点が引っ張られて、優れた性能を出し切れずに遊んでしまうことになる。
【0020】
これに対し、太陽電池ユニット毎に個々にDC/DCコンバータを設けたり、太陽電池ユニット毎に個々にパワーコンディショナを設けたりして、太陽電池ユニット毎にMPPT制御を行う構成にすれば、個々の太陽電池ユニットをそれぞれ最大電力点で動作させることができる。
【0021】
しかし、太陽電池ユニット毎にDC/DCコンバータ或いはパワーコンディショナを設けることは、配線敷設の複雑化や、パワーコンディショナの大型化・高コスト化を招くなど、様々な面から効率的ではなく、現実的方法ではない。
【0022】
本発明は上記課題に鑑みなされたものであり、複数の太陽電池からの発電電力を、MPPT制御機能を備えたパワーコンディショナで交流電力に変換して出力するよう構成された太陽光発電システムにおいて、複数の太陽電池の発電特性にバラツキがあっても、MPPT制御によって各太陽電池が自身以外の他の太陽電池の発電特性の影響を受けて発電出力が抑えられてしまうのを抑制し、各太陽電池から効率的に発電電力を得られるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0023】
上記課題を解決するためになされた請求項1に記載の発明は、太陽光を受光することにより直流の電力を発電する太陽電池を複数備えると共に、その複数の太陽電池の各々にて発電された直流の発電電力を交流電力に変換する電力変換装置を備え、複数の太陽電池は、予め決められた同等特性分類基準に基づいて発電特性が同等(完全一致を含む)であると認められる一又は複数の太陽電池を1つのグループとして、異なる2つ以上のグループに分類可能である。
【0024】
また、電力変換装置は、グループ毎に設けられた最大電力点追従制御手段と、直交変換手段とを備えている。このうち最大電力点追従制御手段は、対応するグループを構成する一又は複数の太陽電池からの発電電力が合成されて入力されると共に、その入力される発電電力に対する最大電力点追従制御を行うことによって、その入力される発電電力が最大値となるように制御する。そして、直交変換手段が、各グループから入力された発電電力を交流電力に変換する。
【0025】
このように構成された太陽光発電システムでは、複数の太陽電池のうち、発電特性が同等な太陽電池がグループ化され、グループ毎に、最大電力点追従制御手段によって最大電力点追従制御が行われる。
【0026】
例えば、図7に示した従来の太陽光発電システム100を用いて補足説明すると、3つの太陽電池ユニット101,102,103は互いに発電特性が異なるため、これらはいずれも別々のグループとする。一方、もし、例えば第2太陽電池ユニット102の発電特性が第1太陽電池ユニット101の発電特性と同等であるならば、第1太陽電池ユニット101と第2太陽電池ユニット102については同じグループとして、これら2つに対しては一括して最大電力点追従制御を行うようにするのである。
【0027】
グループが違うと、グループを構成する太陽電池の発電特性も異なるが、同じグループならばそのグループ内の太陽電池の発電特性はいずれも同等である。そして、発電特性が同等であれば、それらを一括して最大電力点追従制御を行っても、個々の太陽電池における、他の太陽電池の発電特性の影響による動作点のずれ(最大電力点からのずれ)を抑制できる。仮に、同一グループ内の太陽電池が全て完全に同じ発電特性ならば、これらを一括して最大電力点追従制御を行っても、その動作点は、個々の太陽電池の最大電力点に一致することになる。
【0028】
従って、請求項1に記載の太陽光発電システムによれば、同等の発電特性を有する太陽電池同士でグループ化されると共に、グループ毎に最大電力点追従制御が行われるため、複数の太陽電池の発電特性にバラツキがあっても、最大電力点追従制御によって各太陽電池が自身以外の他の太陽電池の発電特性の影響を受けて発電出力が抑えられてしまうのを抑制でき、各太陽電池から効率的に発電電力を得ることができる。つまり、全体として発電電力を有効に取り出すことができる。
【0029】
なお、本発明における「太陽電池」とは、例えば太陽電池セル、太陽電池モジュール、太陽電池ストリング及び太陽電池アレイなど、太陽光を受光してその光エネルギーを電気エネルギーに変換(発電)することが可能なあらゆる形態のもの(光電変換手段)を含む。
【0030】
ここで、発電特性が同等であるか否かの判断基準(延いてはグループ分けの基準)である同等特性分類基準の具体例は種々考えられ、例えば請求項2〜請求項5に記載したような各種分類基準が挙げられる。
【0031】
まず、請求項2に記載の太陽光発電システムにおいては、同等特性分類基準として、少なくとも、太陽電池にて受光される太陽光の波長に対する発電電力の特性である波長−電力特性が所定の同等特性範囲内にあるか否かに基づいて分類可能な波長−電力特性分類基準を有している。そして、複数のグループのうち少なくとも2つは、それぞれ、波長−電力特性分類基準により分類された、波長−電力特性が同等特性範囲内にある太陽電池によって構成されていると共に、これら各グループに対応した同等特性範囲はそれぞれグループ毎に異なるように構成されている。
【0032】
入射光のうちどの波長の光に対しては感度が良く(つまり発電電力が高く)てどの波長の光に対しては感度が悪い(つまり発電電力が低い)かといった、波長に対する感度は、太陽電池の種類(例えば材質、製造方法など)によって異なり、これにより発電特性も異なる。そのため、仮に、波長−電力特性の異なる複数の太陽電池を一括して最大電力点追従制御を行うと、上述した従来の問題(動作点のずれ及びそれによる発電出力の低下)が生じてしまう。
【0033】
そこで、波長−電力特性の異なる太陽電池が複数用いられる場合には、その波長−電力特性が同等特性範囲内にある太陽電池同士でグループ化すれば、波長−電力特性の違いによる各太陽電池の動作点のずれ(最大電力点からのずれ)を抑制でき、各太陽電池から効率的に発電電力を得ることができて、全体として発電電力を有効に取り出すことができる。
【0034】
なお、同等特性範囲を具体的にどのような範囲に設定するか、また、異なる同等特性範囲をいくつ設定するか、などについては、使用する太陽電池の波長−電力特性に基づいて適宜決めることができる。
【0035】
また、請求項3に記載の太陽光発電システムにおいては、同等特性分類基準として、少なくとも、太陽電池が設置される場所の地面に対するその太陽電池の受光面の角度である傾斜角が所定の同等傾斜角範囲内にあるか否かに基づいて分類可能な傾斜角分類基準を有している。そして、複数のグループのうち少なくとも2つは、それぞれ、傾斜角分類基準により分類された、傾斜角が同等傾斜角範囲内にある太陽電池によって構成されていると共に、これら各グループに対応した同等傾斜角範囲はそれぞれグループ毎に異なるように構成されている。
【0036】
太陽電池の傾斜角によって、発電特性も異なる。そのため、仮に、傾斜角の異なる複数の太陽電池を一括して最大電力点追従制御を行うと、上述した従来の問題が生じてしまう。
【0037】
そこで、傾斜角の異なる太陽電池が複数用いられる場合には、その傾斜角が同等傾斜角範囲内にある太陽電池同士でグループ化すれば、傾斜角の違いによる各太陽電池の動作点のずれ(最大電力点からのずれ)を抑制でき、各太陽電池から効率的に発電電力を得ることができて、全体として発電電力を有効に取り出すことができる。
【0038】
なお、同等傾斜角範囲を具体的にどのような範囲に設定するか、また、異なる同等傾斜角範囲をいくつ設定するか、などについては、使用する太陽電池がそれぞれどのような傾斜角で設置されているかに基づいて適宜決めることができる。
【0039】
また、請求項4に記載の太陽光発電システムにおいては、同等特性分類基準として、少なくとも、太陽電池の受光面の法線方向が示す方位角が所定の同等方位角範囲内にあるか否かに基づいて分類可能な方位角分類基準を有している。そして、複数のグループのうち少なくとも2つは、それぞれ、方位角分類基準により分類された、方位角が同等方位角範囲内にある太陽電池によって構成されていると共に、これら各グループに対応した同等方位角範囲はそれぞれグループ毎に異なるように構成されている。
【0040】
太陽電池の方位角によっても、発電特性は異なる。そのため、仮に、方位角の異なる複数の太陽電池を一括して最大電力点追従制御を行うと、上述した従来の問題が生じてしまう。
【0041】
そこで、方位角の異なる太陽電池が複数用いられる場合には、その方位角が同等方位角範囲内にある太陽電池同士でグループ化すれば、方位角の違いによる各太陽電池の動作点のずれ(最大電力点からのずれ)を抑制でき、各太陽電池から効率的に発電電力を得ることができて、全体として発電電力を有効に取り出すことができる。
【0042】
なお、同等方位角範囲を具体的にどのような範囲に設定するか、また、異なる同等方位角範囲をいくつ設定するか、などについては、使用する太陽電池がそれぞれどのような方位角で設置されているかに基づいて適宜決めることができる。
【0043】
また、請求項5に記載の太陽光発電システムにおいては、同等特性分類基準として、少なくとも、太陽電池の発電電力を電力変換装置に入力するためにその太陽電池と電力変換装置の間に配線された電線の配線距離が所定の同等配線距離範囲内にあるか否かに基づいて分類可能な配線距離分類基準を有している。そして、複数のグループのうち少なくとも2つは、それぞれ、配線距離分類基準により分類された、配線距離が同等配線距離範囲内にある太陽電池によって構成されていると共に、これら各グループに対応した同等配線距離範囲はそれぞれグループ毎に異なるように構成されている。
【0044】
太陽電池から電力変換装置までの配線距離が異なると、配線による損失(電力損失、電圧降下等)の相違によって発電特性は異なる。そのため、仮に、配線距離の異なる複数の太陽電池を一括して最大電力点追従制御を行うと、上述した従来の問題が生じてしまう。
【0045】
そこで、配線距離の異なる太陽電池が複数用いられる場合には、その配線距離が同等配線距離範囲内にある太陽電池同士でグループ化すれば、配線距離の違いによる各太陽電池の動作点のずれ(最大電力点からのずれ)を抑制でき、各太陽電池から効率的に発電電力を得ることができて、全体として発電電力を有効に取り出すことができる。
【0046】
なお、同等配線距離範囲を具体的にどのような範囲に設定するか、また、異なる同等配線距離範囲をいくつ設定するか、などについては、使用する太陽電池の各々の配線距離に基づいて適宜決めることができる。
【0047】
また、1つの太陽光発電システムにおいて、上述した各同等特性分類基準(波長−電力特性分類基準、傾斜角分類基準、方位角分類基準、及び配線距離分類基準)のうちどの分類基準を用いて幾つのグループに分けるかについては適宜決めることができる。例えば、何れか1つの分類基準のみに基づいて全ての太陽電池をグループ分けしてもよいし、何れか2つ(或いは3つ又は4つ全て)の分類基準に基づいて、システムを構成する各太陽電池を適宜グループ分けするようにしてもよい。更には上記各分類基準以外の他の分類基準も含めて多種多様のグループが混在するようにしてもよい。
【0048】
グループ分けの基準やグループの数にかかわらず、同一グループ内の太陽電池であれば同等の発電特性を有しているため、グループ毎に最大電力点追従制御を行うようにすることで、各太陽電池から効率的に発電電力を得ることができ、システム全体として発電電力を有効に取り出すことができる。
【0049】
次に、請求項6に記載の太陽光発電システムは、請求項1〜請求項5の何れか1項に記載の太陽光発電システムであって、電力変換装置は、グループ毎に設けられた直流電圧変換手段を備えている。この直流電圧変換手段は、対応するグループを構成する各太陽電池からの発電電力が合成されて入力されると共に、その入力された直流電圧を異なる値の直流電圧に変換する。また、各最大電力点追従制御手段は、それぞれ、同じグループに対応した各直流電圧変換手段に備えられている。そして、直交変換手段は、各直流電圧変換手段により直流電圧が変換されて出力された直流電力を交流電力に変換する。
【0050】
電力変換装置の構成も種々考えられ、例えば各グループからの直流の発電電力をそのまま直交変換手段で交流電圧に変換するようにしてもよいが、そのようにすると、入力電圧が変動した場合に、その変動幅や直交変換手段の性能(入力電圧の定格等)によっては、直交変換手段で効率良く交流電力に変換できなくなるおそれがある。
【0051】
そこで、各グループからの直流電力を、グループ毎に、一旦直流電圧変換手段によって所定の電圧値に変換する。この場合、例えば、直交変換手段における適切な入力電圧に変換するのが望ましい。そして、直流電圧変換手段により電圧変換された後の直流電力を直交変換手段にて交流電力に変換するようにすれば、直交変換手段への入力電圧を適切な値にできると共にその変動も抑えることができるため、直交変換手段は効率良く交流電力への変換を行うことができる。
【0052】
また、上述した本発明の太陽光発電システムは、更に、請求項7に記載のように、直交変換手段からの交流電力が、そのままの電圧で、または所定の交流電圧に変圧されて、交流系統に連系されるよう構成してもよい。このようにすれば、発電効率の高い系統連系太陽光発電システムを構築することができる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】第1実施形態の太陽光発電システムの概略構成を表す構成図である。
【図2】パワーコンディショナの構成を表す電気回路図である。
【図3】第1実施形態の太陽光発電システムの動作を説明するための説明図であり、(a)は、傾斜角の違いによって分類された各グループの、1日の時間経過に対する発電出力特性を表す説明図、(b)は、グループ毎の発電特性を表す説明図である。
【図4】グループの分類方法の、他の例を表す説明図であり、(a)は、受光波長に対する感度の違いによって分類された各グループの、波長に対する発電出力特性を表す説明図、(b)は、方位角の違いによって分類された各グループの、1日の時間経過に対する発電出力特性を表す説明図、(c)は、配線距離の違いによって分類された各グループの、1日の時間経過に対する発電出力特性を表す説明図である。
【図5】第2実施形態の太陽光発電システムの概略構成を表す構成図である。
【図6】太陽電池ユニットの電圧−発電出力特性を表す説明図である。
【図7】従来の太陽光発電システムを表す説明図であり、(a)は当該システム全体の構成図、(b)は当該システムの動作(太陽電池の動作点)を説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0054】
以下に、本発明の好適な実施形態を図面に基づいて説明する。
[第1実施形態]
図1に、第1実施形態の太陽光発電システム8の概略構成を表す。本実施形態の太陽光発電システム8は、3つの太陽電池ユニット1a,1b,1cを有すると共に各々が並列接続されることにより各々の出力電力が合成(加算)されて出力されるよう構成された第1グループ1と、3つの太陽電池ユニット2a,2b,2cを有すると共に各々が並列接続されることにより各々の出力電力が合成(加算)されて出力されるよう構成された第2グループ2と、3つの太陽電池ユニット3a,3b,3cを有すると共に各々が並列接続されることにより各々の出力電力が合成(加算)されて出力されるよう構成された第3グループ3と、これら各グループ1,2,3からの発電出力(直流の発電電力)を交流電力に変換するパワーコンディショナ4と、このパワーコンディショナ4からの出力電圧(交流電圧)を交流系統6と同じ交流電圧に変圧して交流系統6に連系するための系統連系用変圧器5と、を備えている。
【0055】
各グループ1,2,3の各太陽電池ユニット1a,1b,1c,2a,2b,2c,3a,3b,3cは、太陽電池セルが複数直列接続されてなる太陽電池モジュール、太陽電池モジュールが複数直列接続されてなる太陽電池ストリング、又は、太陽電池モジュール若しくは太陽電池ストリングが複数並列接続されてなる太陽電池アレイである。
【0056】
そして、これら各太陽電池ユニット1a,1b・・・が、予め定められた分類基準によって、第1〜第3グループの3つのグループにグループ化(分類)されている。本実施形態の分類基準は、各太陽電池ユニット1a,1b・・・の傾斜角である。
【0057】
各太陽電池ユニット1a,1b・・・は、いずれも、図示しない架台を用いて、受光面と地面とのなす角である傾斜角が所定の角度となるように地上に配置されている。但し、全ての太陽電池ユニットが同じ傾斜角で配置されているのではなく、傾斜角Daで配置されているもの(太陽電池ユニット1a,1b,1c)もあれば、これとは異なる傾斜角Dbで配置されているもの(太陽電池ユニット2a,2b,2c)、更に異なる傾斜角Dcで配置されているもの(太陽電池ユニット3a,3b,3c)もある。
【0058】
傾斜角が異なると、太陽電池ユニットの受光面に入射する太陽光の入射角度が異なるため、太陽電池ユニットの発電出力も異なる。つまり、傾斜角以外の他の特性等が同等であっても傾斜角が異なれば発電出力も異なり、逆に、傾斜角が同じならば、他の特性等も同等である限り、発電出力も同等となる。
【0059】
そこで本実施形態では、傾斜角が同等の太陽電池ユニット同士をまとめてグループ化し、同一グループ内の各太陽電池ユニットを並列接続して出力電力を合成し、パワーコンディショナ4へ出力するようにしている。即ち、傾斜角がDaのもの、傾斜角がDbのもの、及び傾斜角がDcのもの、という分類基準(本発明の傾斜角分類基準に相当)に従って分類・グループ分けしており、具体的には、図1に示すように、傾斜角がDaである3つの太陽電池ユニット1a,1b,1cを第1グループ1とし、傾斜角がDbである3つの太陽電池ユニット2a,2b,2cを第2グループ2とし、傾斜角がDcである3つの太陽電池ユニット3a,3b,3cを第3グループ3としている。
【0060】
尚、本実施形態の各太陽電池ユニット1a,1b・・・は、傾斜角以外の他の特性等(例えば材質、製造工程、後述する方位角や配線距離など)についてはいずれも同等である。つまり、傾斜角が同じであれば発電出力も同等である。
【0061】
また、3つの分類基準である傾斜角Da,Db,Dcは、必ずしもこれら角度に完全に一致している必要は必ずしもなく、ある程度の誤差は許容する。例えば傾斜角Daの第1グループ1については、必ずしも傾斜角Daに完全に一致しているもののみが第1グループに分類されるというわけではなく、例えばDa±10度の範囲(本発明の同等傾斜角範囲に相当)内に入っていれば第1グループに分類される。他の第2グループ2,第3グループ3についても同様である。
【0062】
図3(a)に、各グループ1,2,3の、1日の時間経過に対する発電出力の特性を示す。1日の日射量は、図3(a)に示すように、朝から増加し始めて昼に最大となり、その後夕方に向けて減少していくが、この日射量の変化に応じて各太陽電池ユニット1a,1b・・・からの発電出力も同じ傾向で変化する。しかし、いずれも同じ発電出力となるのではなく、傾斜角によって発電出力は異なる。
【0063】
即ち、傾斜角Daの太陽電池ユニット1a,1b,1cを有する第1グループ1からの発電出力は、1日を通して、他の第2,第3グループよりも大きい。逆に、傾斜角Dcの太陽電池ユニット3a,3b,3cを有する第3グループ3からの発電出力は、1日を通して、他の第1,第2グループよりも小さい。傾斜角Dbの太陽電池ユニット2a,2b,2cを有する第2グループ2からの発電出力は、他の第1,第3グループの中間である。
【0064】
そのため、各グループ1,2,3の発電特性(電圧−発電出力特性)についても、図3(b)に示すようにグループ毎に異なっており、第1グループ1は電圧V1mのときに発電出力が最大値P1mとなるような特性(最大電力点A)を有し、第2グループ2は電圧V1mより低い電圧V2mのときに発電出力が最大値P2m(<P1m)となるような特性(最大電力点B)を有し、第3グループは電圧V2mより低い電圧V3mのときに発電出力が最大値P3m(<P2m)となるような特性(最大電力点C)を有する。
【0065】
このように、傾斜角が同等のもの同士でグループ化することで、後述するように、パワーコンディショナ4にて各太陽電池ユニット1a,1b・・・から発電電力を効率良く取り出すことができる。
【0066】
パワーコンディショナ4は、第1グループ1からの直流の発電出力(各太陽電池ユニット1a,1b,1cの合成電力)が入力されてその直流の入力電圧をそれよりも高い所定の直流電圧に昇圧して出力する第1DC/DCコンバータ4aと、第2グループ2からの直流の発電出力(各太陽電池ユニット2a,2b,2cの合成電力)が入力されてその直流の入力電圧をそれよりも高い所定の直流電圧に昇圧して出力する第2DC/DCコンバータ4bと、第3グループ3からの直流の発電出力(各太陽電池ユニット3a,3b,3cの合成電力)が入力されてその直流の入力電圧をそれよりも高い所定の直流電圧に昇圧して出力する第3DC/DCコンバータ4cと、を備えている。尚、各DC/DCコンバータ4a,4b,4cの出力電圧は何れも同じである。
【0067】
更に、パワーコンディショナ4は、各DC/DCコンバータ4a,4b,4cから出力された直流電圧が一括して入力されると共にその直流電圧を所定電圧値の交流電圧に変換するインバータ7を備えている。
【0068】
また、各DC/DCコンバータ4a,4b,4cがそれぞれ、後述するように最大電力点追従制御(MPPT制御)機能を備えており、対応する各グループからの発電電力が最大値となるように制御する。
【0069】
なお、図1に示した構成は、説明の簡素化のために太陽光発電システムの構成のうち主要な構成のみを抜粋したものであり、実際の太陽光発電システムでは、図1に示した構成の他、各太陽電池ユニット1a,1b・・・からの発電出力をグループ毎に並列接続(合成)する接続箱が設けられるなど、仕様に応じた種々の装置等が用いられる。
【0070】
また、パワーコンディショナ4の機能についても、上述した電力変換機能やMPPT制御機能はあくまでも主な機能の1つであって、実際には、例えば系統連系保護機能や出力電圧安定化機能など、仕様に応じた種々の機能を有している。
【0071】
ここで、パワーコンディショナ4のより具体的な構成について、図2を用いて説明する。第1グループ1からの発電電力が入力される第1DC/DCコンバータ4aは、一端が入力電圧の正極に接続されて他端が負極に接続されたコンデンサC1と、一端が入力電圧の正極に接続されたリアクトルLd1と、一端がリアクトルLd1の他端に接続されて他端が負極に接続されたスイッチSW1と、このスイッチSW1のオン・オフを制御する制御部15と、アノードがリアクトルLd1の他端に接続されたダイオードD1とを備えた、いわゆる非絶縁型昇圧チョッパとして構成されている。
【0072】
制御部15は、当該第1DC/DCコンバータ4aからの出力電圧・電流をフィードバックしつつその出力電圧が所定の直流電圧となるようにスイッチSW1を制御する機能に加え、入力電力(即ち第1グループ1の発電出力)が最大値となるようにMPPT制御を行う機能を備えている。
【0073】
MPPT制御の具体的内容は既によく知られているため、ここでは詳細説明を省略するが、その一例を簡単に説明する。即ち、制御部15は、スイッチSW1等を制御するなど所定の動作を行うことによって第1グループ1から出力される直流電圧を微小変化させながら、第1グループ1の発電電力(又は第1DC/DCコンバータ4aからの出力電力)を検出し、直流電圧を微小増加させたときに検出値(電力)が増加すればさらに直流電圧を微小増加させて同様に検出値の増減を判断する。逆に、直流電圧を微小増加させたときに検出値が減少した場合は、直流電圧を微小減少させてそのときの検出値の変化量を判断し、検出値が増加すれば更に直流電圧を微小減少させる。そして、検出値が減少に転じれば再び直流電圧を微小増加させていく。つまり、よく知られている、山登り法によって最適解を見つける方法と同様に行っている。
【0074】
第2グループ2に対して設けられた第2DC/DCコンバータ4b、及び第3グループ3に対して設けられた第3DC/DCコンバータ4cについても、いずれも上述した第1DC/DCコンバータ4aと同じ構成である。即ち、いずれも絶縁型昇圧チョッパとして構成され、第1DC/DCコンバータ4aと同じ値の直流電圧を出力する。また、いずれも、第1DC/DCコンバータ4aの制御部15と同じ機能を持つ制御部(制御部25,制御部35)を備え、上述したようにスイッチ制御及びMPPT制御などを行っている。そして、各DC/DCコンバータ4a,4b,4cが並列接続されることによりその出力電力が合成されて、インバータ7に入力される。
【0075】
尚、各DC/DCコンバータ4a,4b,4cからの出力電圧は、インバータ7において交流電力への変換を最適な効率で行うことが可能な値、即ちインバータ7の最適入力電圧値(定格入力電圧値)に設定されている。
【0076】
インバータ7は、入力電圧の正極と負極の間に直列接続された2つのコンデンサC4,C5からなる入力平滑回路と、2つのハイサイドスイッチSWp1,SWp2及び2つのローサイドスイッチSWn1,SWn2からなる、いわゆる2アーム構成のブリッジ回路と、各アームの出力側に設けられて各アームの出力に含まれる各スイッチSWp1,SWp2,SWn1,SWn2のスイッチングリプルを除去するための出力LCフィルタとを備えた、いわゆるV結線方式の2アーム型インバータとして構成されている。
【0077】
なお、出力LCフィルタは、一方のアームにおける各スイッチSWp1及びSWp2の接続点と出力点との間に設けられたリアクトルLw及びこのリアクトルLwの出力点側とグランド電位との間に接続されたコンデンサCwからなるものと、他方のアームにおける各スイッチSWn1及びSWn2の接続点と出力点との間に設けられたリアクトルLu及びこのリアクトルLuの出力点側とグランド電位との間に接続されたコンデンサCuからなるものと、の2つからなる。また、入力側において入力電圧の正極と負極の間に直列接続された2つのコンデンサC4,C5の接続点は、グランド電位に接続されている。
【0078】
このような構成により、インバータ7からは、三相の交流電圧(Eu、Ev、Ew)が出力される。そして、この三相交流出力が、系統連系用変圧器5にて変圧されて交流系統6に連系されることとなる。
【0079】
このように構成された本実施形態の太陽光発電システム8では、傾斜角が同等であることにより同等の発電特性を有する太陽電池ユニットを集めてグループ化している。つまり、同じグループ内の太陽電池ユニットは、いずれも発電特性が同等であって最大電力点もあまり変わらず、グループ全体のトータルの最大電力点ともあまり変わらない。
【0080】
そして、グループ毎にDC/DCコンバータを設け、グループ毎にMPPT制御を行っている。そのため、グループ毎に、発電出力がそのグループにおける最大電力点に追従するように制御されることになり、これは即ち、グループ毎に、グループを構成する個々の太陽電池ユニットが自身の最大電力点と同等の動作点にて動作することになる。そのため、グループ毎に発電出力を有効に取り出すことができる。
【0081】
即ち、図3(b)に示すように、第1グループ1のトータルの発電特性は、図示のように点A(電圧V1m、発電出力P1m)が最大電力点であって、この最大電力点Aは、第1グループ1の各太陽電池ユニット1a,1b,1cの各最大電力点と同等である。そして、第1DC/DCコンバータ4aでは、第1グループ1の動作点が最大電力点AとなるようにMPPT制御される。
【0082】
同様に、第2グループ2のトータルの発電特性は、図示のように点B(電圧V2m、発電出力P2m)が最大電力点であって、この最大電力点Bは、第2グループ2の各太陽電池ユニット2a,2b,2cの各最大電力点と同等である。そして、第2DC/DCコンバータ4bでは、第2グループ2の動作点が最大電力点BとなるようにMPPT制御される。
【0083】
また同様に、第3グループ3のトータルの発電特性は、図示のように点C(電圧V3m、発電出力P3m)が最大電力点であって、この最大電力点Cは、第3グループ3の各太陽電池ユニット3a,3b,3cの各最大電力点と同等である。そして、第3DC/DCコンバータ4cでは、第3グループ3の動作点が最大電力点CとなるようにMPPT制御される。
【0084】
そのため、次式(1)に示すように、各グループ1,2,3の発電出力の合計(P1m+P2m+P3m)は、図7に示した従来の太陽光発電システム100のように各太陽電池ユニットを一括してMPPT制御する場合の発電出力の合計Pm(=P1+P2+P3)(図7(b)参照)よりも大きくなり、有効に発電出力を取り出すことができる。
【0085】
P1m+P2m+P3m > Pm(=P1+P2+P3) ・・・(1)
ここまでは、複数の太陽電池ユニットをその傾斜角に基づいてグループ分けした場合について説明したが、傾斜角以外にも、種々の分類基準によって分類・グループ分けすることができる。
【0086】
例えば、太陽電池ユニットにて受光される太陽光の波長に対する感度、即ち波長に対する発電電力の特性である波長−電力特性が同等であるか否かに基づく分類基準(本発明の波長−電力特性分類基準に相当)によってグループ分けすることができる。
【0087】
よく知られているように、太陽光には、図4(a)に示すスペクトル(エネルギー分布)のように、様々な波長の光(電磁波)が含まれている。一方、太陽電池の種類も多種多様であり、材料や製造方法、製造工程、製造メーカなどによって波長に対する感度も様々である。そして、たとえ傾斜角等の設置条件が同じだとしても、波長に対する感度が異なれば、当然ながら発電特性も異なる。
【0088】
そこで、波長に対する感度の異なる太陽電池ユニットが複数用いられている場合には、その感度(波長−電力特性)が同等の太陽電池ユニット同士をまとめてグループ化し、グループ毎にMPPT制御を行うようにするとよい。
【0089】
図4(a)は、短波長領域の光に対して良好な発電特性を有するような感度(感度α)の太陽電池ユニットが複数集められた第1グループと、中波長領域の光に対して良好な発電特性を有するような感度(感度β)の太陽電池ユニットが複数集められた第2グループと、長波長領域の光に対して良好な発電特性を有するような感度(感度γ)の太陽電池ユニットが複数集められた第3グループと、の3つのグループにグループ分けした場合の、各グループの波長に対する発電出力の特性例を示している。
【0090】
なお、各感度α、β、γは、必ずしもこれら感度に完全に一致している必要は必ずしもなく、ある程度のずれは許容する。例えば感度αの第1グループについては、必ずしも感度αに完全一致している太陽電池ユニットのみが第1グループに分類されるというわけではなく、多少のずれがあってもその発電特性(特に最大電力点)が同等であるような範囲(本発明の同等特性範囲に相当)内に入っていれば第1グループに分類される。他の第2グループ,第3グループについても同様である。
【0091】
また、波長に対する感度に基づく分類以外にも、例えば、太陽電池ユニットの受光面の法線方向が示す方位角が同等であるか否かに基づく分類基準(本発明の方位角分類基準に相当)によってグループ分けすることができる。
【0092】
言うまでもなく、太陽光の入射方角は時間帯によって異なり、日射量も、図4(b)に示すように時間帯によって異なる。そのため、たとえ全く同じ太陽電池ユニットであって傾斜角や波長に対する感度等の条件も同じだとしても、方位角が異なればその発電特性も異なる。そこで、方位角の異なる複数の太陽電池ユニットが用いられている場合には、その方位角が同等の太陽電池ユニット同士をまとめてグループ化し、グループ毎にMPPT制御を行うようにするとよい。
【0093】
図4(b)は、方位角が東となるように配置された太陽電池ユニットが複数集められた第1グループと、方位角が南となるように配置された太陽電池ユニットが複数集められた第2グループと、方位角が西となるように配置された太陽電池ユニットが複数集められた第3グループと、の3つのグループにグループ分けした場合の、各グループの1日の時間経過に対する発電出力の特性例を示している。
【0094】
図4(b)から明らかなように、方位角が東の第1グループは朝から正午頃の時間帯を中心に大きな発電出力が得られ、方位角が南の第2グループは正午を中心とする所定の時間帯で大きな発電出力が得られ、方位角が西の第3グループでは正午頃から夕刻の時間帯にかけて大きな発電出力が得られる。また、方位角が東及び西の場合に比べて、南の方が、1日を通した全体の発電量は大きい。
【0095】
なお、これら3つの方位角(東、南、西)は、必ずしもこれら方位角に完全に一致している必要は必ずしもなく、ある程度の誤差は許容する。例えば方位角が南の第2グループについては、必ずしも真南に完全に一致しているもののみが第2グループに分類されるというわけではなく、例えば真南を中心とする±10度の範囲(本発明の同等方位角範囲に相当)内に入っていれば第2グループに分類される。他の第1グループ,第3グループについても同様である。
【0096】
更に、方位角に基づく分類以外にも、例えば、太陽電池ユニットとパワーコンディショナとの間に配線された電線の配線距離が同等か否かに基づく分類基準(本発明の配線距離分類基準に相当)によってグループ分けすることができる。
【0097】
太陽電池ユニットからパワーコンディショナまでの配線距離が異なると、たとえ全く同じ太陽電池ユニットであって方位角や傾斜角等の条件も同じだとしても、配線による損失(電力損失、電圧降下等)の相違によって発電特性は異なる。そこで、太陽電池ユニットによって配線距離が異なっているような場合には、その配線距離が同等の太陽電池ユニット同士をまとめてグループ化し、グループ毎にMPPT制御を行うようにするとよい。
【0098】
図4(c)は、配線距離が短い太陽電池ユニットが複数集められた第1グループと、配線距離が中程度の太陽電池ユニットが複数集められた第2グループと、配線距離が長い太陽電池ユニットが複数集められた第3グループと、の3つのグループにグループ分けした場合の、各グループの1日の時間経過に対する発電出力の特性例を示している。
【0099】
図4(c)から明らかなように、配線距離が短いほど、配線による損失が小さく、発電出力は大きい。逆に、配線距離が長くなるほど、配線による損失が大きくなって発電出力は小さくなる。
【0100】
なお、これら3種類の配線距離(短、中、長)について、それぞれ具体的にどのような長さの範囲(本発明の同等配線距範囲に相当)に設定するかについては適宜決めることができる。
【0101】
そして、図4(a)〜図4(c)に例示した何れのグループ分けにおいても、図1に示した太陽光発電システム8と同様に、グループ毎に個別にDC/DCコンバータを設けてグループ毎にMPPT制御を行うことで、各太陽電池ユニットの動作点のずれ(最大電力点からのずれ)を抑制できる。
【0102】
以上説明した第1実施形態の太陽光発電システム8によれば、同等の発電特性を有する太陽電池ユニット同士がグループ化されると共に、グループ毎に個別に設けられたDC/DCコンバータにてグループ毎にMPPT制御が行われる。そのため、システム全体としては複数の太陽電池ユニット間で発電特性にバラツキがあっても、発電特性の良い太陽電池ユニットが発電特性の悪いユニットの影響を受けて出力が抑えられてしまうのを抑制でき、各太陽電池ユニットから効率的に発電電力を得ることができる。そして、システム全体として発電電力を有効に取り出すことができる。
【0103】
また、グループ毎にDC/DCコンバータを設けてMPPT制御を行っているため、例えば天候変動などの種々の要因によって部分的に太陽電池ユニットからの出力変動があっても、それによるシステム全体の出力への影響が最小限に食い止められ、出力の平滑化・平準化も実現される。
【0104】
また、パワーコンディショナからの出力電力の安定度や系統側の規模などによっては、出力電力平滑化のためにNAS電池(ナトリウム硫黄電池)などの蓄電装置をパワーコンディショナと系統の間に設けることもあるが、本実施形態の太陽光発電システム8では、そういった蓄電装置を設けなくても、上述のように出力の平滑化・平準化も可能である。そのため、従来は蓄電装置を設ける必要があった太陽光発電システムに対して本発明を適用すれば、蓄電装置を省いたり或いは小容量化したりすることも可能となる。
【0105】
尚、第1実施形態において、パワーコンディショナ4は本発明の電力変換装置に相当し、DC/DCコンバータ4a,4b,4cはいずれも本発明の直流電圧変換手段に相当し、各DC/DCコンバータ4a,4b,4cが備える各制御部15,25,35はいずれも本発明の最大電力点追従制御手段に相当し、インバータ7は本発明の直交変換手段に相当する。
【0106】
[第2実施形態]
図5に、第2実施形態の太陽光発電システム90の概略構成を表す。本実施形態の太陽光発電システム90は、第1実施形態の太陽光発電システム8と同様、複数の太陽電池ユニットのうち、発電特性が同等である太陽電池ユニットを集めてグループ化すると共に、グループ毎に個別にDC/DCコンバータを設けてMPPT制御を行うようにしている。
【0107】
より詳しくは、本実施形態では、発電特性が同等の複数の太陽電池ユニット11,12・・・を有する第1グループ10と、発電特性が同等の複数の太陽電池ユニット21,22・・・を有する第2グループ20と、発電特性が同等の複数の太陽電池ユニット31,32・・・を有する第3グループ30と、発電特性が同等の複数の太陽電池ユニット41,42・・・を有する第4グループ40と、発電特性が同等の複数の太陽電池ユニット51,52・・・を有する第5グループ50と、発電特性が同等の複数の太陽電池ユニット61,62・・・を有する第6グループ60と、発電特性が同等の複数の太陽電池ユニット71,72・・・を有する第7グループ70と、発電特性が同等の複数の太陽電池ユニット81,82・・・を有する第8グループ80とにグループ分けされている。
【0108】
これらのグループ分けは、太陽電池ユニットの傾斜角や方位角、波長に対する感度、パワーコンディショナまでの配線長の違いに基づいて行われており、具体的には、次の表1に示す通りである。
【0109】
【表1】

このように、各グループ10〜80はそれぞれ、グループを構成する各太陽電池ユニットの傾斜角、方位角、感度、又は配線距離の何れか1つ又は複数が他のグループとは異なっているため、グループ毎に異なる発電特性を有している。但し、同一グループ内の複数の太陽電池ユニットについては、発電特性はいずれも同等である。
【0110】
そして、図5に示すように、各グループ10〜80毎に、個別にDC/DCコンバータが設けられている。そして、各DC/DCコンバータにて個別にMPPT制御を行うようにしている。
【0111】
本実施形態では、第1パワーコンディショナ91と第2パワーコンディショナ92の2台のパワーコンディショナを用いおり、このうち第1パワーコンディショナ91には配線距離の長い第1〜第4グループからの発電電力が入力され、第2パワーコンディショナ92には配線距離が短いか又は中程度である第5〜第8グループの発電電力が入力される。
【0112】
そして、第1パワーコンディショナ91は、第1グループ10からの発電電力が入力されてこれを昇圧する第1DC/DCコンバータ91aと、第2グループ20からの発電電力が入力されてこれを昇圧する第2DC/DCコンバータ91bと、第3グループ30からの発電電力が入力されてこれを昇圧する第3DC/DCコンバータ91cと、第4グループ40からの発電電力が入力されてこれを昇圧する第4DC/DCコンバータ91dとを備え、これら各DC/DCコンバータ91a〜91dが並列接続されることによって各々の出力電力が合成されて第1インバータ93に入力される。
【0113】
そして、第1インバータ93にて交流電力に変換され、さらに系統連系用変圧器95にて交流系統97と同じ交流電圧に変圧されて、交流系統97に連系される。
第2パワーコンディショナ92も同様であり、第5グループ50からの発電電力が入力されてこれを昇圧する第5DC/DCコンバータ92aと、第6グループ60からの発電電力が入力されてこれを昇圧する第6DC/DCコンバータ92bと、第7グループ70からの発電電力が入力されてこれを昇圧する第7DC/DCコンバータ92cと、第8グループ80からの発電電力が入力されてこれを昇圧する第8DC/DCコンバータ92dとを備え、これら各DC/DCコンバータ92a〜92dが並列接続されることによって各々の出力電力が合成されて第2インバータ94に入力される。
【0114】
そして、第2インバータ94にて交流電力に変換され、さらに系統連系用変圧器96にて交流系統97と同じ交流電圧に変圧されて、交流系統97に連系される。
このように構成された第2実施形態の太陽光発電システム90によっても、発電特性が同等の太陽電池ユニット同士でグループ化され、グループ毎にDC/DCコンバータにてMPPT制御されるため、第1実施形態と同様の効果が得られる。
【0115】
[変形例]
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明の実施の形態は、上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採り得ることはいうまでもない。
【0116】
例えば、上記各実施形態では、グループ分けのための分類基準として、傾斜角、方位角、波長に対する感度、及びパワーコンディショナまでの配線距離の4種類を例示したが、これらはあくまでも一例であり、使用材料、製造方法、製造工程、サイズ(受光面積)、設置場所の温度、製造メーカなど、発電特性に影響を与える様々なものを分類基準としてもよく、結果として同等の発電特性を有する太陽電池ユニットのみが同一のグループに属するように分類・グループ化できればよい。
【0117】
また、上記各実施形態では、グループ毎にDC/DCコンバータを設け、このDC/DCコンバータにMPPT制御機能を持たせるようにしたが、DC/DCコンバータにMPPT制御機能を持たせることは必須ではない。即ち、グループ毎に個別にMPPT制御を行うことができる構成である限り、MPPT制御機能をどこに持たせるかについては特に限定されるものではない。
【0118】
また、上記各実施形態では、パワーコンディショナ内のインバータの構成として、V結線方式の2アーム型インバータを示したが(図2参照)、このような構成はあくまでも一例であり、DC/DCコンバータからの直流電力を所望の電圧の交流電力に適切に変換できる限り、インバータの具体的構成は適宜決めることができる。例えば、3つのアームからなる三相フルブリッジ結線のインバータを用いてもよい。三相フルブリッジインバータは、電力容量が大きい場合によく用いられる周知のインバータである。
【0119】
また、上記各実施形態では、各グループからの発電電力をDC/DCコンバータにて一旦昇圧した上でインバータに入力するようにしたが、DC/DCコンバータを設けることは必ずしも必要ではなく、システムの仕様によっては各グループからの発電電力をそのままインバータに入力することもできる。その場合、複数のグループの発電電力を一括して1つのインバータに入力するようにしてもよいし、グループ毎に個別にインバータを設けるようにしてもよい。但し、何れの場合も、MPPT制御についてはグループ毎に個別に行われるよう構成することは必須である。
【0120】
また、上記第2実施形態では、第1インバータ93の出力と第2インバータ94の出力をそれぞれ個別に系統連系用変圧器で変圧するようにしたが(図5参照)、このようにインバータ毎に個別に系統連系用変圧器を設けて変圧する構成はあくまでも一例であり、各インバータ93,94の出力を適切に変圧・系統連系できる限り、他の構成をとってもよい。例えば、第1インバータ93と第2インバータ94を並列接続して両者の出力を合成し、両出力をまとめて1つの系統連系用変圧器で変圧して、交流系統97に連系するようにしてもよい。このように複数のインバータの出力をまとめて1つの系統連系用変圧器で変圧する構成は、コスト低減や省スペースの面で有利である。
【0121】
また、太陽光発電システム全体でいくつのパワーコンディショナを用いるか、1つのパワーコンディショナ内にいくつのDC/DCコンバータ、インバータを設けるか、などの構成については、システムの仕様等に応じて適宜決めることができる。
【0122】
また、本発明の適用は、上記各実施形態のような交流系統への連系を前提とした太陽光発電システムに限定されるものではなく、例えばパワーコンディショナからの出力を系統連系せずに直接負荷等へ供給する独立型の太陽光発電システムにも適用可能であるなど、様々な形態の太陽光発電システムに対して本発明を適用することができる。
【0123】
また、上記各実施形態では、本発明の太陽電池に相当するものとして、太陽電池ユニット、即ち太陽電池モジュール、太陽電池ストリング、又は太陽電池アレイの何れかであるものとして説明したが、これらモジュール、ストリング、アレイに限定されるものではなく、最小単位である太陽電池セルが様々な形態で組み合わされてなるあらゆる形態のもの、延いては、太陽光を受光してその光エネルギーを電気エネルギーに変換(発電)することが可能なあらゆる形態のものに対して本発明を適用可能である。
【符号の説明】
【0124】
1,10…第1グループ、1a,1b,1c,2a,2b,2c,3a,3b,3c,11,12,21,22,31,32,41,42,51,52,61,62,71,72,81,82,101,102,103…太陽電池ユニット、2,20…第2グループ、3,30…第3グループ、4,104…パワーコンディショナ、4a,91a…第1DC/DCコンバータ、4b,91b…第2DC/DCコンバータ、4c,91c…第3DC/DCコンバータ、5,95,96,105…系統連系用変圧器、6,97,106…交流系統、7,108…インバータ、8,90,100…太陽光発電システム、15,25,35…制御部、40…第4グループ、50…第5グループ、60…第6グループ、70…第7グループ、80…第8グループ、91…第1パワーコンディショナ、91d…第4DC/DCコンバータ、92…第2パワーコンディショナ、92a…第5DC/DCコンバータ、92b…第6DC/DCコンバータ、92c…第7DC/DCコンバータ、92d…第8DC/DCコンバータ、93…第1インバータ、94…第2インバータ、107…DC/DCコンバータ、C1,C2,C3,C4,C5,Cu,Cw…コンデンサ、D1,D2,D3…ダイオード、Ld1,Ld2,Ld3…リアクトル、Lu,Lw…リアクトル、SW1,SW2,SW3…スイッチ、SWn1,SWn2…ローサイドスイッチ、SWp1,SWp2…ハイサイドスイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
太陽光を受光することにより直流の電力を発電する太陽電池を複数備えると共に、
その複数の太陽電池の各々にて発電された直流の発電電力を交流電力に変換する電力変換装置を備え、
前記複数の太陽電池は、予め決められた同等特性分類基準に基づいて発電特性が同等であると認められる一又は複数の前記太陽電池を1つのグループとして、異なる2つ以上のグループに分類可能であり、
前記電力変換装置は、
前記グループ毎に設けられ、対応するグループを構成する前記一又は複数の太陽電池からの発電電力が合成されて入力されると共に、その入力される発電電力に対する最大電力点追従制御を行うことによってその入力される発電電力が最大値となるように制御する最大電力点追従制御手段と、
前記各グループから入力された発電電力を交流電力に変換する直交変換手段と、
を備えたことを特徴とする太陽光発電システム。
【請求項2】
請求項1に記載の太陽光発電システムであって、
前記同等特性分類基準として、少なくとも、前記太陽電池にて受光される太陽光の波長に対する発電電力の特性である波長−電力特性が所定の同等特性範囲内にあるか否かに基づいて分類可能な波長−電力特性分類基準を有し、
複数の前記グループのうち少なくとも2つは、それぞれ、前記波長−電力特性分類基準により分類された、前記波長−電力特性が前記同等特性範囲内にある前記太陽電池によって構成されていると共に、これら各グループに対応した前記同等特性範囲はそれぞれグループ毎に異なるように構成されている
ことを特徴とする太陽光発電システム。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の太陽光発電システムであって、
前記同等特性分類基準として、少なくとも、前記太陽電池が設置される場所の地面に対するその太陽電池の受光面の角度である傾斜角が所定の同等傾斜角範囲内にあるか否かに基づいて分類可能な傾斜角分類基準を有し、
複数の前記グループのうち少なくとも2つは、それぞれ、前記傾斜角分類基準により分類された、前記傾斜角が前記同等傾斜角範囲内にある前記太陽電池によって構成されていると共に、これら各グループに対応した前記同等傾斜角範囲はそれぞれグループ毎に異なるように構成されている
ことを特徴とする太陽光発電システム。
【請求項4】
請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の太陽光発電システムであって、
前記同等特性分類基準として、少なくとも、前記太陽電池の受光面の法線方向が示す方位角が所定の同等方位角範囲内にあるか否かに基づいて分類可能な方位角分類基準を有し、
複数の前記グループのうち少なくとも2つは、それぞれ、前記方位角分類基準により分類された、前記方位角が前記同等方位角範囲内にある前記太陽電池によって構成されていると共に、これら各グループに対応した前記同等方位角範囲はそれぞれグループ毎に異なるように構成されている
ことを特徴とする太陽光発電システム。
【請求項5】
請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の太陽光発電システムであって、
前記同等特性分類基準として、少なくとも、前記太陽電池の発電電力を前記電力変換装置に入力するためにその太陽電池と電力変換装置の間に配線された電線の配線距離が所定の同等配線距離範囲内にあるか否かに基づいて分類可能な配線距離分類基準を有し、
複数の前記グループのうち少なくとも2つは、それぞれ、前記配線距離分類基準により分類された、前記配線距離が前記同等配線距離範囲内にある前記太陽電池によって構成されていると共に、これら各グループに対応した前記同等配線距離範囲はそれぞれグループ毎に異なるように構成されている
ことを特徴とする太陽光発電システム。
【請求項6】
請求項1〜請求項5の何れか1項に記載の太陽光発電システムであって、
前記電力変換装置は、前記グループ毎に設けられ、対応するグループを構成する前記各太陽電池からの発電電力が合成されて入力されると共に、その入力された直流電圧を異なる値の直流電圧に変換する直流電圧変換手段を備え、
前記各最大電力点追従制御手段は、それぞれ、同じ前記グループに対応した前記各直流電圧変換手段に備えられており、
前記直交変換手段は、前記各直流電圧変換手段により直流電圧が変換されて出力された直流電力を交流電力に変換する
ことを特徴とする太陽光発電システム。
【請求項7】
請求項1〜請求項6の何れか1項に記載の太陽光発電システムであって、
前記直交変換手段からの交流電力は、そのままの電圧で、または所定の交流電圧に変圧されて、交流系統に連系されるよう構成されている
ことを特徴とする太陽光発電システム。

【図2】
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【図6】
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【図1】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−137830(P2012−137830A)
【公開日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−288058(P2010−288058)
【出願日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成18年度、独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構、「大規模電力供給用太陽光発電系統安定化等実証研究」委託研究、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
【出願人】(593063161)株式会社NTTファシリティーズ (475)
【Fターム(参考)】