説明

太陽光発電装置の給電システム、ならびに、それに用いられる情報処理端末装置、洗濯乾燥機および冷蔵庫

【課題】太陽光発電装置が発生させた電力を効率的に利用することが可能な太陽光発電装置の給電システム、ならびに、それに用いられる情報処理端末装置、洗濯乾燥機および冷蔵庫を提供する。
【解決手段】給電システム1の情報処理端末装置100は、太陽光発電装置2の過去の発電電力量の時間的推移の情報と、洗濯乾燥機900を除く他の家電機器の過去の消費電力量の時間的推移の情報とから発電電力に余剰が生じる時間帯を推定する。また、情報処理端末装置100は、推定された時間帯の結果を電力余剰時間帯情報として記憶し、洗濯乾燥機900が実際に作動する時間の情報として洗濯乾燥機900から受け取る作動時間情報と、電力余剰時間帯情報とに基づき、洗濯乾燥機900の運転開始時刻を決定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽光発電装置の給電システム、ならびに、太陽光発電装置にネットワーク接続された情報処理端末装置、洗濯乾燥機および冷蔵庫に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、一般家庭に太陽光発電装置が取り付けられる件数が増加している。家庭内では、取り付けられた太陽光発電装置の発電力を使用して家電機器を作動させている。このように、太陽光発電装置を利用することにより、地球温暖化対策の一助を担うことができる。また、家庭内で使用される電力をできるだけ太陽光発電装置で賄うためには、太陽光発電装置の発電量を増加させる必要がある。一方、太陽光発電装置が発生させる電力を無駄なく使用することにより、家庭内で使用される電力のうちの多くを太陽光発電装置で賄うことができる。
【0003】
特開平4−130507号公報(特許文献1)には、太陽光発電装置が発生させた電力を効率よく利用することが可能な太陽電池駆動式機器が記載されている。特開平4−130507号公報(特許文献1)に記載された太陽電池駆動式機器は、太陽電池と、家電機器としての主機器および従機器とを備えている。主機器と従機器とは、太陽電池が発生させた電力を使用する機器である。太陽電池駆動式機器は、主機器の作動が停止している場合または太陽電池の発電量に余剰が生じる場合に、太陽電池の発電力を利用することによって従機器を作動させる。
【0004】
一方、一般家庭で使用される空調機器、冷蔵庫、照明機器、または、洗濯機等の各種の家電機器には、地球温暖化対策として、電力消費量を低減させること(つまり、省エネ化)が要求されている。また、各種の家電機器と情報処理端末装置とをネットワークで接続することにより、各種の家電機器と情報処理端末装置とが通信可能であるように構成されたネットワーク技術、または、ネットワーク技術に対応した家電機器が開発されている。このような技術によれば、情報処理端末装置は、各家電機器の消費電力および動作モード等の情報を収集し、且つ、収集した情報に基づいて各家電機器を制御する。
【0005】
ネットワーク技術に対応した家電機器の一例として、洗濯乾燥機は、洗濯または乾燥の終了時期を使用者から要求されるとしても、要求された洗濯または乾燥の終了時期が達成されるように運転を開始し、且つ、運転していればよい。また、使用者から要求される洗濯または乾燥の終了時期は、洗濯乾燥機に衣類等が投入されてからすぐ後ではなく、比較的先である場合が多い。このように、洗濯乾燥機が実際に作動しなければならない時間帯は、他の種類の家電機器のものに比べて、あまり制約を受けない。
【0006】
洗濯乾燥機において、特に洗濯に加えて乾燥が実施される場合には、洗濯乾燥機の役割がすべて果たされるため、洗濯乾燥機が実際に作動しなければならない時間帯は、洗濯だけが実施される場合に比べてさらに制約を受けない。そのため、太陽光発電装置の発電量に余剰が生じる時間帯に洗濯乾燥機を作動させることにより、使用者は、太陽光発電装置が発生させる電力を無駄なく使用することができる。このように、洗濯乾燥機は、太陽光発電装置の発電量に余剰が生じる時間帯に作動させたいという使用者の要望に対して、比較的高い自由度を有している。しかしながら、洗濯乾燥機において、洗濯に加えて乾燥が実施される場合には、使用される電力は増加する。
【0007】
特開2007−236538号公報(特許文献2)には、電気料金重視の度合いや生活リズムを考慮して使用者がその場に応じた最適な時間帯で自動運転させることのできる全自動洗濯乾燥機が記載されている。特開2007−236538号公報(特許文献2)に記載された全自動洗濯乾燥機は、洗濯する衣類の重量を検出する衣類重量検出手段と、検出した衣類重量に基づいて全工程に必要な運転所要時間を予想する運転所要時間予想手段と、電力単価の安い優先時間帯を記憶しておく優先時間帯記憶手段と、運転所要時間予想手段が予想した運転所要時間と優先時間帯とに基づき、優先時間帯の利用の仕方で区分けした複数の運転モードについて各モードの運転開始時刻と運転終了予想時刻を算出して使用者に提示する運転時間帯算出手段と、運転時間帯算出手段が提示した情報に基づいて使用者が選択した運転モードについての算出された運転開始時刻に運転を開始して全工程を連続して実行する洗濯乾燥手段とを備えている。
【0008】
特開2007−236538号公報(特許文献2)に記載された全自動洗濯乾燥機によれば、使用者は、その場に応じた最適な運転モードを選択することにより、電気料金を節約したり、生活リズムを守ったりすることができる。また、特開2007−236538号公報(特許文献2)に記載された全自動洗濯乾燥機は、燃料電気コジェネレーションシステム、太陽電池コジェネレーションシステム等の補助給電装置の発電電力量に関する情報を受ける通信装置を備えている。運転モードには、通信装置が受信した発電電力量が所定値を超えた時に運転を開始する特殊なモードが含まれている。洗濯乾燥手段は、特殊なモードが使用者によって選択された場合には、通信装置が受信した発電電力量が所定値を超えた時に運転を開始して全工程を連続して実行する。このように、電力単価の安いコジェネレーションシステムの発電電力を利用できる特殊なモードが設けられていることにより、特開2007−236538号公報(特許文献2)に記載された全自動洗濯乾燥機は、電気料金の節約をさらに図ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平4−130507号公報
【特許文献2】特開2007−236538号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
一般的に、太陽光発電装置の発電量は、一日の時間帯および天気の影響によって刻々と変化する。また、家庭内で使用する家電機器の消費電力も刻々と変化する。例えば、任意の時点において、太陽光発電装置が十分に大きい量を発電しているとしても、当該時点から幾らかの時間が経過した後には、発電量が減少しているような場合が想定される。そのため、各家電機器によって消費される電力量と、太陽光発電装置の発電量との差も刻々と変化する。一方、家電機器のうちの洗濯乾燥機を実際に運転させることを考慮する場合には、洗濯を開始してから乾燥が完了するまでの連続した時間帯において、洗濯乾燥機には一定の電力が必要である。
【0011】
特開平4−130507号公報(特許文献1)に記載された太陽電池駆動式機器において、太陽電池駆動式機器は、主機器の作動が停止している場合または太陽電池の発電量に余剰が生じる場合に、太陽電池が発生させた電力を利用することによって従機器を作動させている。しかしながら、特開平4−130507号公報(特許文献1)に記載された太陽電池駆動式機器は、任意の時点の主機器の作動の状態および太陽電池の発電量に応じて当該従機器を作動させている。
【0012】
また、特開2007−236538号公報(特許文献2)に記載された全自動洗濯乾燥機において、洗濯乾燥手段は、特殊なモードが使用者によって選択された場合には、通信装置が受信した発電電力量が所定値を超えた時に運転を開始して全工程を連続して実行する。しかしながら、発電電力量が所定値を超えたことが判断されることによって当該全自動洗濯乾燥機の運転が開始された後に発電電力量が所定値以下に低下したとしても、運転は中止されずに、そのまま最後の工程が終了するまで運転が継続される。ただし、運転が継続されている間に、商用電源から供給される電力または補助給電装置が発電させた電力のどちらが用いられるかは不明である。このように、特開2007−236538号公報(特許文献2)に記載された全自動洗濯乾燥機においても、任意の時点の補助給電装置の発電電力量が当該全自動洗濯乾燥機の洗濯開始に係る判断に用いられている。
【0013】
上述のように、洗濯乾燥機を実際に運転させることを考慮する場合には、洗濯を開始してから乾燥が完了するまでの連続した時間帯において、洗濯乾燥機に一定の電力が必要である。すなわち、任意の時点においてのみ、太陽光発電装置の発電量を情報処理装置が把握することによっては、洗濯乾燥機を運転させる際に太陽光発電装置が発生させた電力を効率的に利用しているとはいえない。
【0014】
また、冷蔵庫において実際に除霜動作が行われることを考慮する場合には、除霜動作が開始されてから終了するまでの連続した時間帯において、冷蔵庫に一定の電力が必要である。すなわち、任意の時点においてのみ、太陽光発電装置の発電量を情報処理装置が把握することによっては、除霜動作が行われる際に太陽光発電装置が発生させた電力を効率的に利用しているとはいえない。
【0015】
さらに、洗濯乾燥機および冷蔵庫等といった複数の家電機器を、太陽光発電装置の発電量に余剰が生じる時間帯に合わせて作動させる場合には、太陽光発電装置の発電力と、それら複数の家電機器の作動のために消費される電力とを考慮する必要がある。
【0016】
そこで、本発明の目的は、太陽光発電装置が発生させた電力を効率的に利用することが可能な太陽光発電装置の給電システム、ならびに、それに用いられる情報処理端末装置、洗濯乾燥機および冷蔵庫を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明に従った太陽光発電装置の給電システムは、太陽光発電装置と、所定の家電機器と所定の家電機器以外の他の家電機器とを含む複数の家電機器と、情報処理端末装置とを備えている。複数の家電機器は、少なくとも太陽光発電装置が発電させた電力によって作動する。情報処理端末装置は、複数の家電機器と太陽光発電装置とが通信可能であるようにネットワーク接続されている。
【0018】
情報処理端末装置は、太陽光発電装置の過去の発電電力量の時間的推移の情報と、他の家電機器の過去の消費電力量の時間的推移の情報とから発電電力に余剰が生じる時間帯を推定する。また、情報処理端末装置は、推定された時間帯の結果を電力余剰時間帯情報として記憶し、所定の家電機器が実際に作動する時間の情報として所定の家電機器から受け取る作動時間情報と、電力余剰時間帯情報とに基づいて所定の家電機器の運転開始時刻を決定する。
【0019】
本発明によれば、太陽光発電装置の過去の発電電力量の時間的推移の情報と、他の家電機器の過去の消費電力量の時間的推移の情報とから、太陽光発電装置の発電電力に余剰が生じる時間帯を推定する。また、情報処理端末装置は、電力余剰時間帯情報と作動時間情報とに基づき、所定の家電機器の運転開始時刻を決定する。このように、本発明によれば、任意の時点の太陽光発電装置の発電電力量のみが、所定の家電機器の運転を開始させるための判断に用いられることが無く、且つ、所定の家電機器を、太陽光発電装置の発電電力に余剰が生じる時間帯に作動させることができる。すなわち、本発明に従った太陽光発電装置の給電システムは、太陽光発電装置が発生させた電力を効率的に利用することができる。
【0020】
本発明に従った太陽光発電装置の給電システムは、情報処理端末装置によって決定された運転開始時刻、または、運転開始時刻と作動時間情報とに対応した所定の家電機器の運転完了時刻を、情報処理端末装置または所定の家電機器に表示させることが好ましい。
【0021】
この構成によれば、情報処理端末装置または所定の家電機器の使用者に対して、所定の家電機器の運転開始時刻または運転完了時刻を視認させることができる。このように、この構成によれば、情報処理端末装置または所定の家電機器の利便性の向上が図られている。
【0022】
本発明に従った洗濯乾燥機は、当該太陽光発電装置の給電システムに用いられる所定の家電機器としての洗濯乾燥機であることが好ましい。本発明に従った洗濯乾燥機は、制御部と、被洗浄対象物を収容する収容槽とを備えていることが好ましい。
【0023】
制御部は、収容槽に収容される被洗浄対象物の容量を検知する容量検知部と、当該洗濯乾燥機の複数の運転モードと、容量検知部によって検知された被洗浄対象物の容量または各運転モードに応じて設定された作動時間情報とを記憶する記憶部と、記憶部に記憶された作動時間情報のうち、容量検知部によって検知された被洗浄対象物の容量または各運転モードに対応した作動時間情報を情報処理端末装置に送信する情報送信部とを有していることが好ましい。
【0024】
この構成によれば、被洗浄対象物の容量と、当該洗濯乾燥機の運転モードとに応じて設定される作動時間の情報が、情報処理端末装置に送信される。これにより、情報処理端末装置は、送信された作動時間情報と、記憶した電力余剰時間帯情報とに基づき、当該洗濯乾燥機の運転開始時刻を決定することができる。このように、この構成によれば、当該洗濯乾燥機の運転開始時刻を、容量と運転モードとに応じて決定することができるため、当該洗濯乾燥機の利便性が向上する。
【0025】
本発明に従った洗濯乾燥機は、情報処理端末装置によって決定された運転開始時刻、または、運転開始時刻と作動時間情報とに対応した当該洗濯乾燥機の運転完了時刻を表示する表示部をさらに備えていることが好ましい。
【0026】
この構成によれば、容量と運転モードとに応じて決定された当該洗濯乾燥機の運転開始時刻または運転完了時刻を、使用者に視認させることができる。このように、この構成によれば、当該洗濯乾燥機の利便性の向上が図られている。
【0027】
本発明に従った情報処理端末装置は、当該太陽光発電装置の給電システムに用いられる情報処理端末装置であることが好ましい。また、本発明に従った情報処理端末装置は、推定部と、記憶部と、情報受信部と、判定部と、決定部とを有していることが好ましい。
【0028】
本発明に従った情報処理端末装置において、推定部は、太陽光発電装置の過去の発電電力量の時間的推移の情報と、他の家電機器の過去の消費電力量の時間的推移の情報とから発電電力に余剰が生じる時間帯を推定することが好ましい。記憶部は、推定部によって推定された時間帯の結果を電力余剰時間帯情報として記憶することが好ましい。情報受信部は、所定の家電機器から作動時間情報を受け取ることが好ましい。判定部は、情報受信部が受け取った作動時間情報と、記憶部が記憶した電力余剰時間帯情報とに基づき、所定の家電機器の所定の作動時間に消費される電力を賄うことが可能な電力余剰時間帯が存在するか否かを判定することが好ましい。決定部は、判定部の判定結果に基づいて、所定の家電機器の運転開始時刻を決定することが好ましい。
【0029】
この構成によれば、推定部と記憶部と情報受信部と判定部と決定部との作動により、所定の家電機器の運転開始時刻または運転完了時刻を決定することができる。これにより、所定の家電機器は、太陽光発電装置の余剰電力を効率的に用いたうえで作動することができる。
【0030】
本発明に従った情報処理端末装置において、情報受信部は、作動時間情報として、使用者が希望する運転完了希望時刻の情報を所定の家電機器からさらに受け取ることが好ましい。判定部は、情報受信部が受け取った運転完了希望時刻の情報を含む作動時間情報と、記憶部が記憶した電力余剰時間帯情報とに基づき、所定の家電機器の所定の作動時間に消費される電力を賄うことが可能な電力余剰時間帯が運転完了希望時刻までに存在するか否かを判定することが好ましい。
【0031】
この構成によれば、当該情報処理端末装置は、所定の家電機器に対して、太陽光発電装置の発電電力の余剰分を使用させたうえで、使用者が希望する時刻までに運転を終了させることができる。
【0032】
本発明に従った情報処理端末装置は、決定部によって決定された運転開始時刻、または、運転開始時刻と作動時間情報とに対応した所定の家電機器の運転完了時刻を、所定の家電機器に表示させることが好ましい。
【0033】
この構成によれば、推定部と記憶部と情報受信部と判定部と決定部との作動によって決定された所定の家電機器の運転開始時刻または運転完了時刻を、所定の家電機器の使用者に視認させることができる。このように、この構成によれば、所定の家電機器の利便性の向上が図られている。
【0034】
本発明に従った情報処理端末装置は、判定部により、所定の家電機器の所定の作動時間に消費される電力を賄うことが可能な電力余剰時間帯が存在しないことが判定される場合には、当該所定の家電機器に、作動時間が短縮された運転を実行させることが好ましい。
【0035】
この構成によれば、所定の家電機器の作動に係る消費電力を抑えることができる。そのため、太陽光発電装置の発電電力のうち、余剰分を有効に使用することができる。
【0036】
本発明に従った洗濯乾燥機は、当該情報処理端末装置と通信可能であるようにネットワーク接続された所定の家電機器としての洗濯乾燥機であることが好ましい。本発明に従った洗濯乾燥機は、制御部と、被洗浄対象物を収容する収容槽とを備えていることが好ましい。
【0037】
本発明に従った洗濯乾燥機において、制御部は、容量検知部と、記憶部と、情報送信部とを有していることが好ましい。容量検知部は、収容槽に収容される被洗浄対象物の容量を検知することが好ましい。記憶部は、当該洗濯乾燥機の複数の運転モードと、容量検知部によって検知された被洗浄対象物の容量または各運転モードに応じて設定された作動時間情報とを記憶することが好ましい。情報送信部は、記憶部に記憶された作動時間情報のうち、容量検知部によって検知された被洗浄対象物の容量または各運転モードに対応した作動時間情報を情報処理端末装置に送信することが好ましい。
【0038】
本発明に従った洗濯乾燥機は、情報処理端末装置の判定部により、当該洗濯乾燥機の所定の作動時間に消費される電力を賄うことが可能な電力余剰時間帯が存在しないことが判定される場合には、作動時間が短縮された運転を実行することが好ましい。
【0039】
この構成によれば、当該洗濯乾燥機において、運転の開始から完了までの時間が短縮されるため、当該洗濯乾燥機の作動に係る消費電力を抑えることができる。このように、太陽光発電装置の発電電力のうち、余剰分を有効に使用することができる。
【0040】
本発明に従った情報処理端末装置を備えた太陽光発電装置の給電システムは、複数の家電機器が使用する電力を、商用電源から供給される電力と太陽光発電装置が発電させた電力とのいずれかまたは両方に切り替える電源切替装置をさらに備えていることが好ましい。
【0041】
本発明に従った情報処理端末装置において、決定部は、判定部により、所定の家電機器の所定の作動時間に消費される電力を賄うことが可能な電力余剰時間帯が存在しないことが判定される場合には、所定の作動時間に消費される電力と、太陽光発電装置の発電電力の余剰分との差の電力が、商用電源から所定の家電機器に供給されるように、商用電源から供給される電力と太陽光発電装置が発電させた電力とを電源切替装置に切り替えさせることが好ましい。
【0042】
この構成によれば、太陽光発電装置の発電電力の余剰分は、所定の家電機器の作動に使用され、且つ、所定の家電機器には、太陽光発電装置の発電電力の余剰分が不足する時間帯だけ商用電源から電力が供給される。このように、本発明に従った情報処理端末装置は、所定の家電機器に、太陽光発電装置の発電電力の余剰分を効率よく使用させることができる。また、所定の家電機器の運転を、運転開始時刻から確実に開始することができる。あるいは、所定の家電機器の運転を、運転完了時刻までに確実に完了することができる。
【0043】
本発明に従った情報処理端末装置においては、商用電源から供給される電力の時間帯には、通常の時間帯の電力単価よりも安い電力単価が設定された時間帯である深夜時間帯が含まれていることが好ましい。また、本発明に従った情報処理端末装置において、決定部は、判定部により、所定の家電機器の所定の作動時間に消費される電力を賄うことが可能な電力余剰時間帯が存在しないことが判定される場合には、所定の家電機器に商用電源から電力が供給されるように、商用電源から供給される電力と太陽光発電装置が発電させた電力とを電源切替装置に切り替えさせ、且つ、所定の家電機器に深夜時間帯の電力を使用させることが好ましい。
【0044】
この構成によれば、所定の家電機器の所定の作動時間に消費される電力を賄うことが可能な電力余剰時間帯が存在しない場合に、所定の家電機器は、商用電源から供給される電力として、電力単価が比較的安い深夜時間帯の電力を使用することができる。このようにすることにより、電気料金の節約が可能である。
【0045】
本発明に従った冷蔵庫は、当該太陽光発電装置の給電システムに用いられる所定の家電機器としての冷蔵庫であることが好ましい。好ましくは、作動時間情報は、当該冷蔵庫が実際に除霜動作として作動する時間の情報として当該冷蔵庫から受け取る除霜動作時間の情報であり、運転開始時刻は、当該冷蔵庫の除霜動作の開始時刻であり、除霜動作時間の情報が、過去の除霜動作時間の情報に基づいて当該冷蔵庫によって推定された除霜動作時間の情報である。
【0046】
この構成によれば、情報処理端末装置は、過去の除霜動作時間の情報に基づいて冷蔵庫によって推定された除霜動作時間の情報を受け取る。また、情報処理端末装置は、除霜動作時間の情報と、電力余剰時間帯情報とに基づいて、冷蔵庫の除霜動作の開始時刻を決定する。したがって、この構成によれば、冷蔵庫は、太陽光発電装置の発電電力の余剰分を用いて除霜動作を行うことができる。
【0047】
本発明に従った冷蔵庫は、過去の除霜動作時間の情報に基づいて除霜動作の開始制限時刻を推定し、さらに、推定した開始制限時刻に除霜動作時間を加算することによって除霜動作の完了制限時刻を算出することが好ましい。
【0048】
この構成によれば、情報処理端末装置は、除霜動作時間の情報と、除霜動作の完了制限時刻の情報とを受け取る。そのため、冷蔵庫は、遅くとも冷却動作に悪影響が及ぼされる可能性がある時点までに、太陽光発電装置の発電電力の余剰分を用いた除霜動作を開始することができる。したがって、この構成によれば、太陽光発電装置の発電電力の余剰分を用いて除霜動作が行われる場合に、除霜動作の開始時刻が時間的に後方向に変更されるときであっても、冷蔵庫の冷却動作への影響が小さく抑えられる。
【0049】
本発明に従った冷蔵庫は、当該冷蔵庫の除霜動作時間に消費される電力を賄うことが可能な電力余剰時間帯が存在しない場合には、情報処理端末装置によって推定された余剰が生じる時間帯のうちの最長の時間帯において今回の除霜動作を行い、且つ、次回の除霜動作の開始時期を通常の状態よりも繰り上げることが好ましい。
【0050】
この構成によれば、冷蔵庫の除霜動作時間に消費される電力を賄うことが可能な電力余剰時間帯が存在しない場合には、情報処理端末装置によって推定された余剰が生じる時間帯のうちの最長の時間帯において今回の除霜動作が行われる。このように、余剰が生じる時間帯のうちの最長の時間帯において除霜動作が行われる場合には、除霜が不十分である事態が発生することが予想される。除霜が不十分である場合には、冷蔵庫の冷却動作に悪影響が及ぼされる可能性がある。
【0051】
しかしながら、この構成によれば、冷蔵庫の除霜動作時間に消費される電力を賄うことが可能な電力余剰時間帯が存在しない場合に、余剰が生じる時間帯のうちの最長の時間帯において除霜動作が行われるときには、次回の除霜動作の開始時期が通常の状態よりも繰り上げられる。このように、次回の除霜動作の開始時期が早められることにより、冷却動作に及ぼされる悪影響を予防することができる。
【0052】
本発明に従った太陽光発電装置の給電システムにおいて、情報処理端末装置は、好ましくは、複数の所定の家電機器について、互いに異なる所定の家電機器のそれぞれの作動時期の少なくとも一部同士が重なるように、複数の所定の家電機器の運転開始時刻を同時に決定する。
【0053】
このようにすることにより、太陽光発電装置が発生させた電力において比較的大量に余剰が生じる時間帯に、複数の所定の家電機器をまとめて作動させることができる。そのため、複数の所定の家電機器をまとめて作動させる時間帯以外の時間帯において発電量に別に余剰が生じている場合には、当該時間帯に別の機器等を作動させることができる。このように、この構成によれば、太陽光発電装置が発生させた電力を効率よく利用することができる。
【0054】
本発明に従った太陽光発電装置の給電システムにおいて、情報処理端末装置は、好ましくは、複数の所定の家電機器を同時に作動させることが可能な程度に発電電力に余剰が生じる電力余剰時間帯が存在することが判断される場合に、複数の所定の家電機器のそれぞれの作動時間が、発電電力に余剰が生じる電力余剰時間帯の時間以下であることが判断されるときには、互いに異なる所定の家電機器のそれぞれの作動時期の少なくとも一部同士が重なるように複数の所定の家電機器のそれぞれの運転開始時刻を決定する。
【0055】
このようにすることにより、太陽光発電装置が発生させた電力において比較的大量に余剰が生じる時間帯に、複数の所定の家電機器をまとめて作動させることができる。そのため、太陽光発電装置が発生させた電力を効率よく利用することができる。
【0056】
本発明に従った太陽光発電装置の給電システムにおいて、情報処理端末装置は、好ましくは、運転開始時刻が既に決定された少なくとも一つの第1の所定の家電機器と、第1の所定の家電機器の運転開始時刻が決定された後から運転開始時刻が決定される第2の所定の家電機器とについて、既に決定された第1の所定の家電機器の運転開始時刻を変更するように、且つ、第1の所定の家電機器の作動時期の一部と第2の所定の家電機器の作動時期の一部とが重なるように、第1の所定の家電機器の運転開始時刻および第2の所定の家電機器の運転開始時刻を決定する。
【0057】
情報処理端末装置は、好ましくは、第1の所定の家電機器の運転開始時刻が既に決定された後に、第2の所定の家電機器の運転開始時刻を決定する場合に、既に決定された第1の所定の家電機器の運転開始時刻を変更せずに第2の所定の家電機器の所定の作動時間に消費される電力を賄うことが可能な電力余剰時間帯が存在しないことが判断されるときであって、第1の所定の家電機器と第2の所定の家電機器とを同時に作動させることが可能な程度に発電電力に余剰が生じる電力余剰時間帯が存在することが判断され、且つ、第1の所定の家電機器と第2の所定の家電機器とのそれぞれの作動時間が、発電電力に余剰が生じる電力余剰時間帯の時間以下であることが判断されるときには、既に決定された第1の所定の家電機器の運転開始時刻を変更するように、且つ、第1の所定の家電機器の作動時期の一部と第2の所定の家電機器の作動時期の一部とが重なるように、第1の所定の家電機器の運転開始時刻および第2の所定の家電機器の運転開始時刻を決定する。
【0058】
この構成によれば、既に決定された第1の所定の家電機器の運転開始時刻を変更することにより、第1の所定の家電機器と第2の所定の家電機器とを電力余剰時間帯において作動させることができる。そのため、太陽光発電装置が発生させた電力を効率的に利用することができる。
【0059】
本発明に従った太陽光発電装置の給電システムにおいて、情報処理端末装置は、好ましくは、複数の所定の家電機器について、互いに異なる所定の家電機器のそれぞれの作動時期が重ならないように、複数の所定の家電機器の運転開始時刻を同時に決定する。
【0060】
このようにすることにより、電力余剰時間帯において発電力の余剰分が比較的小さくても、電力余剰時間帯が比較的長いときには、当該電力余剰時間帯の発電力の余剰分を第1の所定の家電機器および第2の所定の家電機器の作動に費やすことができる。そのため、太陽光発電装置が発生させた電力を効率的に利用することができる。
【0061】
本発明に従った太陽光発電装置の給電システムにおいて、情報処理端末装置は、好ましくは、複数の所定の家電機器を同時に作動させることが可能な程度に発電電力に余剰が生じる電力余剰時間帯が存在しないことが判断される場合に、複数の所定の家電機器のそれぞれの作動時間を合わせた時間が、発電電力に余剰が生じる電力余剰時間帯の時間以下であることが判断されるときには、互いに異なる所定の家電機器のそれぞれの作動時期が重ならないように、複数の所定の家電機器のそれぞれの運転開始時刻を決定する。
【0062】
このように判断されるときは、電力余剰時間帯において発電力の余剰分が比較的小さくても、電力余剰時間帯が比較的長いときである。したがって、この構成によれば、電力余剰時間帯において発電力の余剰分が比較的小さくても、電力余剰時間帯が比較的長いときには、当該電力余剰時間帯の発電力の余剰分を第1の所定の家電機器および第2の所定の家電機器の作動に費やすことができる。そのため、太陽光発電装置が発生させた電力を効率的に利用することができる。
【0063】
本発明に従った太陽光発電装置の給電システムにおいて、情報処理端末装置は、好ましくは、運転開始時刻が既に決定された少なくとも一つの第1の所定の家電機器と、第1の所定の家電機器の運転開始時刻が決定された後から運転開始時刻が決定される第2の所定の家電機器とについて、既に決定された第1の所定の家電機器の運転開始時刻を変更するように、且つ、第1の所定の家電機器の作動時期と第2の所定の家電機器の作動時期とが重ならないように、第1の所定の家電機器の運転開始時刻および第2の所定の家電機器の運転開始時刻を決定する。
【0064】
情報処理端末装置は、好ましくは、第1の所定の家電機器の運転開始時刻が既に決定された後に、第2の所定の家電機器の運転開始時刻を決定する場合に、既に決定された第1の所定の家電機器の運転開始時刻を変更せずに第2の所定種の家電機器の所定の作動時間に消費される電力を賄うことが可能な電力余剰時間帯が存在しないことが判断されるときであって、第1の所定の家電機器と第2の所定の家電機器とを同時に作動させることが可能な程度に発電電力に余剰が生じる電力余剰時間帯が存在しないことが判断され、且つ、複数の所定の家電機器のそれぞれの作動時間を合わせた時間が、発電電力に余剰が生じる電力余剰時間帯の時間以下であることが判断されるときには、既に決定された第1の所定の家電機器の運転開始時刻を変更するように、且つ、第1の所定の家電機器の作動時期と第2の所定の家電機器の作動時期とが重ならないように、第1の所定の家電機器の運転開始時刻および第2の所定の家電機器の運転開始時刻を決定する。
【0065】
この構成によれば、既に決定された第1の所定の家電機器の運転開始時刻を変更することにより、第1の所定の家電機器と第2の所定の家電機器とを電力余剰時間帯において作動させることができる。そのため、太陽光発電装置が発生させた電力を効率的に利用することができる。
【0066】
本発明に従った太陽光発電装置の給電システムにおいて、情報処理端末装置は、好ましくは、複数の所定の家電機器のそれぞれの運転開始時刻を所定の優先順位に従って決定する。
【0067】
この構成によれば、電力余剰時間帯において発電力の余剰分が比較的小さい場合、または、電力余剰時間帯が比較的短い場合であっても、各所定の家電機器の作動の優先順位に従って、太陽光発電装置が発生させた電力を効率的に利用することができる。
【0068】
本発明に従った太陽光発電装置の給電システムにおいて、情報処理端末装置は、好ましくは、複数の所定の家電機器を同時に作動させることが可能な程度に発電電力に余剰が生じる電力余剰時間帯が存在することが判断される場合に、複数の所定の家電機器のそれぞれの作動時間が、発電電力に余剰が生じる電力余剰時間帯の時間よりも長いことが判断されるときには、互いに異なる所定の家電機器のそれぞれの作動時期が重ならないように、複数の所定の家電機器のそれぞれの運転開始時刻を所定の優先順位に従って決定する。
【0069】
このように判断されるときは、電力余剰時間帯において発電力の余剰分が比較的大きく、且つ、電力余剰時間帯が比較的短いときである。したがって、この構成によれば、電力余剰時間帯において発電力の余剰分が比較的大きく、且つ、電力余剰時間帯が比較的短いときには、当該電力余剰時間帯の発電力の余剰分を第1の所定の家電機器および第2の所定の家電機器のうちの優先順位が高いほうの作動に費やすことができる。これにより、各所定の家電機器の作動の優先順位に従って、太陽光発電装置が発生させた電力を効率的に利用することができる。
【0070】
本発明に従った太陽光発電装置の給電システムにおいて、情報処理端末装置は、好ましくは、運転開始時刻が既に決定された少なくとも一つの第1の所定の家電機器と、第1の所定の家電機器の運転開始時刻が決定された後から運転開始時刻が決定される第2の所定の家電機器とについて、既に決定された第1の所定の家電機器の運転開始時刻を取り消したうえで、第1の所定の家電機器の運転開始時刻または第2の所定の家電機器の運転開始時刻を所定の優先順位に従って決定する。
【0071】
情報処理端末装置は、好ましくは、第1の所定の家電機器の運転開始時刻が既に決定された後に、第2の所定の家電機器の運転開始時刻を決定する場合に、既に決定された第1の所定の家電機器の運転開始時刻を変更せずに第2の所定の家電機器の所定の作動時間に消費される電力を賄うことが可能な電力余剰時間帯が存在しないことが判断されるときであって、第1の所定の家電機器と第2の所定の家電機器とを同時に作動させることが可能な程度に発電電力に余剰が生じる電力余剰時間帯が存在することが判断され、且つ、複数の所定の家電機器のそれぞれの作動時間が、発電電力に余剰が生じる電力余剰時間帯の時間よりも長いことが判断されるときには、既に決定された第1の所定の家電機器の運転開始時刻を取り消したうえで、第1の所定の家電機器の運転開始時刻または第2の所定の家電機器の運転開始時刻を所定の優先順位に従って決定する。
【0072】
この構成によれば、電力余剰時間帯において発電力の余剰分が比較的大きく、且つ、電力余剰時間帯が比較的短いときには、既に決定された第1の所定の家電機器の運転開始時刻を取り消すことにより、当該電力余剰時間帯の発電力の余剰分を第1の所定の家電機器および第2の所定の家電機器のうちの優先順位が高いほうの作動に費やすことができる。これにより、各所定の家電機器の作動の優先順位に従って、太陽光発電装置が発生させた電力を効率的に利用することができる。
【0073】
本発明に従った太陽光発電装置の給電システムにおいて、情報処理端末装置は、好ましくは、複数の所定の家電機器を同時に作動させることが可能な程度に発電電力に余剰が生じる電力余剰時間帯が存在しないことが判断される場合に、複数の所定の家電機器のそれぞれの作動時間を合わせた時間が、発電電力に余剰が生じる電力余剰時間帯の時間よりも長いことが判断されるときには、互いに異なる複数の所定の家電機器のそれぞれの作動時期が重ならないように、複数の所定の家電機器のそれぞれの運転開始時刻を所定の優先順位に従って決定する。
【0074】
このように判断されるときは、電力余剰時間帯において発電力の余剰分が比較的小さく、且つ、電力余剰時間帯が比較的短いときである。したがって、この構成によれば、電力余剰時間帯において発電力の余剰分が比較的小さく、且つ、電力余剰時間帯が比較的短いときには、当該電力余剰時間帯の発電力の余剰分を一の所定の家電機器および別の所定の家電機器のうちの優先順位が高いほうの作動に費やすことができる。これにより、各所定の家電機器の作動の優先順位に従って、太陽光発電装置が発生させた電力を効率的に利用することができる。
【0075】
本発明に従った太陽光発電装置の給電システムにおいて、情報処理端末装置は、好ましくは、運転開始時刻が既に決定された少なくとも一つの第1の所定の家電機器と、第1の所定の家電機器の運転開始時刻が決定された後から運転開始時刻が決定される第2の所定の家電機器とについて、互いに異なる複数の所定の家電機器のそれぞれの作動時期が重ならないように、複数の所定の家電機器のそれぞれの運転開始時刻を所定の優先順位に従って決定する。
【0076】
情報処理端末装置は、好ましくは、第1の所定の家電機器の運転開始時刻が既に決定された後に、第2の所定の家電機器の運転開始時刻を決定する場合に、既に決定された第1の所定の家電機器の運転開始時刻を変更せずに第2の所定の家電機器の所定の作動時間に消費される電力を賄うことが可能な電力余剰時間帯が存在しないことが判断されるときであって、第1の所定の家電機器と第2の所定の家電機器とを同時に作動させることが可能な程度に発電電力に余剰が生じる電力余剰時間帯が存在しないことが判断され、且つ、複数の所定の家電機器のそれぞれの作動時間を合わせた時間が、発電電力に余剰が生じる電力余剰時間帯の時間よりも長いことが判断されるときには、互いに異なる複数の所定の家電機器のそれぞれの作動時期が重ならないように、複数の所定の家電機器のそれぞれの運転開始時刻を所定の優先順位に従って決定する。
【0077】
この構成によれば、電力余剰時間帯において発電力の余剰分が比較的小さく、且つ、電力余剰時間帯が比較的短いときには、既に決定された第1の所定の家電機器の運転開始時刻を取り消すことにより、当該電力余剰時間帯の発電力の余剰分を第1の所定の家電機器および第2の所定の家電機器のうちの優先順位が高いほうの作動に費やすことができる。これにより、各所定の家電機器の作動の優先順位に従って、太陽光発電装置が発生させた電力を効率的に利用することができる。
【0078】
本発明に従った太陽光発電装置の給電システムにおいて、所定の優先順位は、好ましくは、予めユーザによって設定される。
【0079】
このようにすることにより、ユーザによって設定された順に沿って、太陽光発電装置が発生させた電力の余剰分を所定の家電機器から順に効率よく利用することができる。
【0080】
本発明に従った太陽光発電装置の給電システムにおいて、所定の優先順位は、好ましくは、複数の所定の家電機器において、所定の作動時間に消費される電力が大きい機器から小さい機器の順である。
【0081】
このようにすることにより、消費電力が大きい順に沿って、太陽光発電装置が発生させた電力の余剰分を所定の家電機器から順に効率よく利用することができる。
【0082】
本発明に従った太陽光発電装置の給電システムにおいて、情報処理端末装置は、好ましくは、発電電力に余剰が生じる電力余剰時間帯の起点に所定の家電機器の運転開始時刻が略一致するように、あるいは、発電電力に余剰が生じる電力余剰時間帯の終点に所定の家電機器の運転完了時刻が略一致するように、所定の家電機器の運転開始時刻を決定する。
【0083】
この構成によれば、電力余剰時間帯の起点から所定の家電機器の作動を開始させる場合には、当該所定の家電機器の運転終了後の比較的長い時間帯において、発電電力の余剰分を残すことができる。一方、電力余剰時間帯の終点に所定の家電機器の運転終了時間を合わせる場合には、当該所定の家電機器の運転開始前の比較的長い時間帯において、発電電力の余剰分を残すことができる。このように、この構成によれば、後に運転開始時刻が決定される所定の家電機器が電力余剰時間帯における発電量の余剰分を利用しやすくなる。そのため、太陽光発電装置が発生させた電力を効率的に利用することができる。
【0084】
本発明に従った太陽光発電装置の給電システムにおいて、情報処理端末装置は、好ましくは、所定の家電機器の特性に応じて所定の家電機器の運転開始時刻を決定する。
【0085】
このようにすることにより、所定の家電機器の特性に応じて、発電電力に余剰が生じる電力余剰時間帯の起点に所定の家電機器の運転開始時刻が略一致するように、または、発電電力に余剰が生じる電力余剰時間帯の終点に所定の家電機器の運転完了時刻が略一致するように、所定の家電機器の運転開始時刻を決定することができる。このように、この構成によれば、太陽光発電装置が発生させた電力を効率的に利用することができ、且つ、電力余剰時間帯において所定の家電機器を当該家電機器の特性に応じて運転させることができる。
【0086】
本発明に従った太陽光発電装置の給電システムにおいて、所定の家電機器は、好ましくは洗濯乾燥機である。本発明に従った太陽光発電装置の給電システムにおいて、情報処理端末装置は、好ましくは、発電電力に余剰が生じる電力余剰時間帯の終点に洗濯乾燥機の運転完了時刻が略一致するように、洗濯乾燥機の運転開始時刻を決定する。
【0087】
洗濯乾燥機の運転は、ユーザが希望した時刻に対してなるべく近い時間に完了させることが好ましい。この構成のように、発電電力に余剰が生じる電力余剰時間帯の終点に洗濯乾燥機の運転完了時刻が略一致するように、情報処理端末装置が洗濯乾燥機の運転開始時刻を決定することにより、ユーザが希望した時刻に近い時間に、洗濯乾燥機の運転を完了させることができる。すなわち、この構成によれば、洗濯乾燥機の利便性を向上させることができる。
【発明の効果】
【0088】
以上のように、本発明によれば、太陽光発電装置が発生させた電力を効率的に利用することが可能な太陽光発電装置の給電システム、ならびに、それに用いられる情報処理端末装置、洗濯乾燥機および冷蔵庫を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【図1】本発明に従った太陽光発電装置の給電システムの構成の一例を示すブロック図である。
【図2】本発明に従った太陽光発電装置の給電システムに含まれる洗濯乾燥機の全体を示す斜視図である。
【図3】本発明に従った太陽光発電装置の給電システムに含まれる洗濯乾燥機の内部の構成を示す概略図である。
【図4】本発明に従った太陽光発電装置の給電システムに含まれる洗濯乾燥機の表示部の一例を示す正面図である。
【図5】本発明に従った太陽光発電装置の給電システムに含まれる洗濯乾燥機の操作部の一例を示す正面図である。
【図6】本発明に従った太陽光発電装置の給電システムに含まれる洗濯乾燥機の制御部の一例を示すブロック図である。
【図7】本発明に従った太陽光発電装置の給電システムに含まれる情報処理端末装置の制御部の一例を示すブロック図である。
【図8】本発明に従った太陽光発電装置の給電システムに含まれる洗濯乾燥機が処理する制御のフローチャートである。
【図9】本発明に従った太陽光発電装置の給電システムに含まれる洗濯乾燥機が処理する制御のフローチャートである。
【図10】本発明に従った太陽光発電装置の給電システムに含まれる情報処理端末装置が処理する制御のフローチャートである。
【図11】本発明に従った太陽光発電装置の給電システムに含まれる情報処理端末装置が処理する制御のフローチャートである。
【図12】本発明に従った太陽光発電装置の給電システムに含まれる冷蔵庫の構成を概略的に示す断面図である。
【図13】本発明に従った太陽光発電装置の給電システムに含まれる冷蔵庫の制御部の一例を示すブロック図である。
【図14】本発明に従った太陽光発電装置の給電システムに含まれる冷蔵庫が処理する制御のフローチャートである。
【図15】本発明に従った太陽光発電装置の給電システムに含まれる情報処理端末装置が処理する別の制御のフローチャートである。
【図16】本発明に従った太陽光発電装置の給電システムに含まれる情報処理端末装置が処理する別の制御のフローチャートである。
【図17】本発明に従った太陽光発電装置の給電システムに含まれる情報処理端末装置が処理するさらに別の制御のフローチャートである。
【図18】本発明に従った太陽光発電装置の給電システムに含まれる情報処理端末装置が処理するさらに別の制御の一部のフローチャートである。
【図19】本発明に従った太陽光発電装置の給電システムに含まれる情報処理端末装置が処理するさらに別の制御の別の一部のフローチャートである。
【図20】本発明に従った太陽光発電装置の給電システムに含まれる情報処理端末装置が処理するフローチャートの一つであって、既に決定された第1の所定の家電機器の運転開始時刻を変更または取り消すように、第1の所定の家電機器の運転開始時刻および第2の所定の家電機器の運転開始時刻を決定するための処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0090】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0091】
(第1実施形態)
図1に、本発明に従った太陽光発電装置の給電システムの一例としての給電システム1を示す。給電システム1は、太陽光発電装置2と電源切替装置3と情報処理端末装置100とを備えている。また、給電システム1は、複数の家電機器として、冷蔵庫5とテレビ6とエアコン7と照明装置8と洗濯乾燥機900とを備えている。複数の家電機器には、これらの他に、例えば、扇風機、除湿機、加湿器、または、イオン発生器等の図示しない他の家電機器が含まれていてもよい。また、複数の家電機器には、これら冷蔵庫5とテレビ6とエアコン7と照明装置8とのいずれかが含まれていなくてもよい。また、図示しないが、複数の家電機器には、同種の家電機器が複数含まれていてもよい(例えば、図1において、複数の冷蔵庫5が図示されていてもよい)。給電システム1において、洗濯乾燥機900は、所定の家電機器の一例である。冷蔵庫5とテレビ6とエアコン7と照明装置8とは他の家電機器の一例である。
【0092】
複数の家電機器は、太陽光発電装置2が発電させた電力または商用電源4から供給される電力によって作動する。電源切替装置3は、複数の家電機器および情報処理端末装置100が使用する電力を、商用電源4から供給される電力と太陽光発電装置2が発電させた電力とのいずれかまたは両方に切り替える。
【0093】
情報処理端末装置100は、複数の家電機器と太陽光発電装置2とが通信可能であるようにネットワーク接続されている。また、情報処理端末装置100は、電源切替装置3と通信可能であるようにネットワーク接続されている。図1中の実線によって示される情報処理端末装置100とその他の構成との接続は、情報処理端末装置100とその他の構成との通信を表している。図1中の点線は、太陽光発電装置2または商用電源4から、情報処理端末装置100とその他の構成とに供給される電力を表している。
【0094】
なお、情報処理端末装置100は、図示しないネットワークサーバを介して、後述するように、スマートフォン10等の携帯情報端末から所定の情報を含む信号を受け取る。図1においては、この信号の入力を実線にて簡略化して示す。
【0095】
図2に、洗濯乾燥機900の全体を示す。図2に示すように、洗濯乾燥機900は、外箱901を備えている。外箱901は、洗濯乾燥機900の本体の外形を形成している。外箱901は略直方体形状を有している。
【0096】
図3に示すように、洗濯乾燥機900は、水槽931と、収容槽の一例としての回転ドラム932と、モータ943とを備えている。回転ドラム932は、水平方向または水平方向から傾斜した方向に延びる回転軸線を中心に回転する。回転ドラム932の内部の空間は、乾燥室930として機能する。
【0097】
水槽931と回転ドラム932とは、それぞれ有底筒形状を有している。回転ドラム932は、水槽931の内部の空間に収容されている。回転ドラム932は、被乾燥対象物としての洗濯物Wを収納する。回転ドラム932の底部の外側面には、駆動軸944が固定されている。モータ943は、水槽931の底部の外側面に取り付けられている。モータ943は、駆動軸944に連結されている。
【0098】
図2に示すように、外箱901の前面の略中央には外扉902が取り付けられている。外扉902を開くことにより、水槽931(図3参照)の前部の開口と回転ドラム932(図3参照)の前部の開口とを通じて、回転ドラム932に洗濯物Wを投入、または、回転ドラム932から洗濯物Wを取り出すことができる。外扉902は、透明状の窓903を有している。これにより、洗濯乾燥機900の使用者は、外箱901の外方から回転ドラム932の内部を視認することができる。
【0099】
外箱901の前部には、洗剤ケース905が配置されている。使用者は、洗濯に必要な洗剤、漂白剤、または、柔軟剤等を洗剤ケース905に投入する。図3に示すように、洗濯乾燥機900は、給水部933を備えている。給水部933の内部の空間と洗剤ケース905(図2参照)の内部の空間とは接続されている。給水部933の下部と水槽931の上部との間には、給水ダクト934が延びている。洗濯乾燥機900に供給される水は、図示しない給水口から給水部933に流入する。洗剤ケース905または給水部933に溜められた洗剤等を含む水または洗剤等を含まない水は、給水ダクト934を流通することによって水槽931の内部に流入する。一方、水槽931の下部には、排水口(図示せず)が形成されている。水槽931の内部に溜められた水は、洗濯乾燥機900の外部と水槽931との間に延びる排水ダクト(図示せず)に流出する。
【0100】
図3に示すように、洗濯乾燥機900は、熱源部940と送風機941と空気循環経路942とを備えている。乾燥室930には、熱源部940で加熱された空気が供給される。送風機941は、熱源部940で加熱された空気を乾燥室930へ送風する。
【0101】
図2に示すように、表示部910と操作部920とが、外箱901の前面の上部に配置されている。後述するように、操作920は、複数の操作ボタンを有している。洗濯乾燥機900の使用者が操作部920の各操作ボタンを操作することにより、洗い行程、すすぎ行程、脱水行程、および、乾燥行程が順次行われたり、各行程がそれぞれ単独で行われたり、設定された運転モードに応じて各行程が行われたりする。
【0102】
図4には、表示部910の一例を示す。表示部910は、表題部911と、時刻表示部912と、ランプ913a,913b,913c,913dを有している。表題部911には、例えば使用者の選択に基づいて、後述するように運転開始時刻または運転完了時刻のいずれかの文字が表示される。時刻表示部912には、運転開始時刻または運転完了時刻のいずれかのうち、使用者の選択に応じて情報処理端末装置100(図1参照)によって決定された時刻が表示される。
【0103】
このようにして、給電システム1(図1参照)は、情報処理端末装置100によって決定された運転開始時刻、または、運転開始時刻と作動時間情報とに対応した洗濯乾燥機900の運転完了時刻を、洗濯乾燥機900に表示させることができる。
【0104】
ランプ913aは、洗濯乾燥機900(図3参照)において、少なくとも、洗濯行程が行われている場合、または、洗濯行程を含む運転モードが選択されている場合に点灯する。同様に、ランプ913bは、洗濯乾燥機900において、少なくとも、すすぎ行程が行われている場合、または、すすぎ行程を含む運転モードが選択されている場合に点灯する。ランプ913cは、洗濯乾燥機900において、少なくとも、脱水行程が行われている場合、または、脱水行程を含む運転モードが選択されている場合に点灯する。ランプ913dは、洗濯乾燥機900において、少なくとも、乾燥行程が行われている場合、または、乾燥行程を含む運転モードが選択されている場合に点灯する。
【0105】
図5には、操作部920の一例を示す。操作部920は、複数の操作ボタンとして、メインスイッチボタン925と、スタートボタン921と、コース選択ボタン922と、モード選択ボタン923と、おまかせボタン924とを有している。また、操作部920は、時刻選択ボタン926,927と、OKボタン928と、キャンセルボタン929とを有している。使用者は、モード選択ボタン923を押下することにより、洗濯乾燥機900の運転モードを選択することができる。また、使用者は、コース選択ボタン922を押下することにより、洗濯乾燥機900の各行程のうち、必要とする行程を選択することができる。使用者は、時刻選択ボタン926,927を押下することにより、洗濯乾燥機900の運転を完了させる希望の時刻として、運転完了希望時刻を設定することができる。
【0106】
図3に示すように、洗濯乾燥機900は、制御部950を備えている。図6には、制御部950の一例を示す。制御部950は、容量検知部957とモード検知部956とを有する情報受信部955と、記憶部951と、情報送信部953と、情報抽出部954と、タイマ952とを有している。タイマ952は、時計としての機能を有している。
【0107】
容量検知部957は、回転ドラム932に収容される洗濯物Wの容量を検知する。なお、洗濯物Wの容量は、図示しないセンサによって検知される水槽931内の水の水位または水の重量に基づき、検知または算出されるものであってもよい。また、洗濯乾燥機900は、回転ドラム932に収容される洗濯物Wの重量を検知または測定する重量センサを備えていてもよい。また、洗濯乾燥機900の操作部920(図5参照)に、洗濯物Wの容量を選択するための容量選択ボタンが配置されていてもよい。情報受信部955は、これらいずれかのセンサからの信号を受け取ることにより、または、受け取った信号に基づいて演算することにより、洗濯物Wの容量を検知することができる。
【0108】
使用者によるモード選択ボタン923の操作によって選択された運転モードは、モード検知部956によって検知される。また、使用者によるコース選択ボタン922の操作によって選択された洗濯コースも、モード検知部956によって検知されていてもよい。
【0109】
記憶部951は、洗濯乾燥機900の複数の運転モードと、容量検知部957によって検知された洗濯物Wの容量または各運転モードに応じて設定された作動時間の情報とを記憶する。情報抽出部954は、記憶部951に記憶された作動時間情報のうち、容量検知部957によって検知された洗濯物Wの容量または各運転モードに対応した作動時間情報を抽出する。情報送信部953は、情報抽出部954によって抽出された情報を、情報処理端末装置100に送信する。
【0110】
図7に情報処理端末装置100の制御部120の構成を示す。情報処理端末装置100の制御部120は、記憶部124と、情報受信部121と、判定部126と、決定部127と、タイマ125とを有している。情報受信部121と演算部123とは、推定部の一例である。タイマ125は、時計としての機能を有している。
【0111】
情報受信部121は、洗濯乾燥機900から作動時間情報を受け取る。また、情報受信部121は、太陽光発電装置2の発電電力量の時間的推移の情報と、他の家電機器(例えば、冷蔵庫5とテレビ6とエアコン7と照明装置8(図1参照))の消費電力量の時間的推移の情報とを受け取る。演算部123は、情報受信部121が受け取った、太陽光発電装置2の過去の発電電力量の時間的推移の情報と、他の家電機器の過去の消費電力量の時間的推移の情報とから、発電電力に余剰が生じる時間帯を推定する。なお、演算部123による電力余剰時間帯の推定については、後述する。
【0112】
記憶部124は、演算部123によって推定された時間帯の結果を電力余剰時間帯情報として記憶する。判定部126は、情報受信部121が受け取った作動時間情報と、記憶部124が記憶した電力余剰時間帯情報とに基づき、洗濯乾燥機900の所定の作動時間に消費される電力を賄うことが可能な電力余剰時間帯が存在するか否かを判定する。決定部127は、判定部126の判定結果に基づいて、洗濯乾燥機900の運転開始時刻を決定する。
【0113】
情報送信部122から、太陽光発電装置2、電源切替装置、または、洗濯乾燥機900を含む複数の家電機器には、それぞれに必要な情報についての信号が出力されている。洗濯乾燥機900に対しては、情報送信部122は、決定部127によって決定された運転開始時刻についての情報を送信する。
【0114】
次に、洗濯乾燥機900によって処理される制御について、フローチャートを用いて説明する。図8に示すように、ステップS101において、使用者によって洗濯物が回転ドラム932(図3参照)に投入される。ステップS102において、操作部920(図5参照)のモード選択ボタン923またはコース選択ボタン922が操作されることにより、洗濯乾燥機900の運転モードまたは洗濯コースがそれぞれ選択される。運転モードの例としては、洗い行程、すすぎ行程、および、脱水行程を含む洗濯のみを行うモードであるか、洗濯に加えて乾燥行程まで行うモードであるか、洗い行程、すすぎ行程、脱水行程、および、乾燥行程のいずれかの行程が通常の運転よりも長く設定されたモードであるか、洗い行程、すすぎ行程、脱水行程、および、乾燥行程のいずれかの行程が通常の運転よりも短く設定されたモードであるか、または、お風呂の残り湯を使うモードであるか、といった複数のモードが含まれる。
【0115】
ステップS103において、時刻選択ボタン926,927が操作されることによって運転完了希望時刻が入力されたか否かが判定される。ステップS103において、運転完了希望時刻が入力されていることが判定される場合には、ステップS104に進む。ステップS104において、入力された運転完了希望時刻が記憶部951に保存される。一方、ステップS103において、運転完了希望時刻が入力されていないことが判定される場合には、ステップS105に進む。
【0116】
ステップS105において、スタートボタン921(図5参照)が操作されたか否かが判定される。スタートボタン921が押下されていることが判定される場合には、ステップS115に進む。スタートボタン921が押下されたということは、使用者が情報処理端末装置100(図6参照)と洗濯乾燥機900とを通信させずに、洗濯行程等の運転の開始を使用者が選択したことを意味する。
【0117】
一方、ステップS105において、スタートボタン921が操作されていないことが判定される場合には、ステップS106に進む。ステップS106において、おまかせボタン924が操作されているか否かが判定される。おまかせボタン924が押下されていることが判定される場合には、ステップS107に進む。おまかせボタン924が押下されたということは、後述するように、情報処理端末装置100(図6参照)と洗濯乾燥機900とを通信させることにより、太陽光発電装置2の発電電力量の余剰分を用いて洗濯乾燥機900を作動させること、または、電力単価が安い深夜時間帯に洗濯乾燥機900を作動させること等を、使用者が希望したことを意味する。
【0118】
ステップS106において、おまかせボタン924が押下されていないことが判定される場合には、ステップS105に戻る。
【0119】
ステップS107において、洗濯物の容量を測定する為の処理が行われる。ステップS107の処理は、洗濯物の容量に適した洗剤の量を決定するために必要な処理であって、且つ、ステップS102において選択された洗濯コースと運転モードと洗濯物の容量とに基づき、洗濯乾燥機900が実際に作動する時間が決定される。ステップS107の処理が完了した後には、洗濯物の容量に応じた洗剤量が表示部910(図4参照)に表示される。使用者は、ステップS107以降、ステップS114(図9参照)までに洗剤を投入すればよい。
【0120】
ステップS107に続いて、ステップS108が行われる。ステップS108において、洗濯物の容量または各運転モードに応じて設定され且つ記憶部951(図6参照)に記憶された作動時間情報が、情報処理端末装置100に送信される。さらに、ステップS104において運転完了希望時刻情報が記憶部951に記憶されている場合には、ステップS108において、運転完了希望時刻の情報を含む作動時間情報が情報処理端末装置100に送信される。
【0121】
なお、運転完了希望時刻は、使用者が操作部920(図5参照)の時刻選択ボタン926,927を操作することによって設定されることに限定されない。例えば、より操作性の高いスマートフォン10(図7参照)等の携帯情報端末から、運転完了希望時刻についての情報が情報処理端末装置100に送信されていてもよい。スマートフォン10等の携帯情報端末が利用される場合には、ステップS102において運転モード等が選択された後であっても、運転完了希望時刻についての情報は、ステップS117までに情報処理端末装置100に送信されていればよい。また、スマートフォン10の操作によって、ステップS102において各運転モード等が選択されていてもよい。このように、情報処理端末装置100は、スマートフォン10から運転完了希望時刻についての情報を受け取ることができる。
【0122】
また、情報処理端末装置100は、運転完了希望時刻についての情報を、ステップS102において運転モード等が選択された後であっても、ステップS117までに複数回受け取っていてもよい。つまり、一度選択された運転完了希望時刻は、当該運転開始希望時刻が到来するまでに変更が可能なものであってもよい。このように、情報処理端末装置100は、スマートフォン10または洗濯乾燥機900から、運転完了希望時刻についての情報を複数回受け取ることができる。
【0123】
ステップS108に続いて、ステップS110(図9参照)において洗濯乾燥機900(図3参照)の運転開始時刻が設定される。後述するように、運転開始時刻は、情報処理端末装置100(図7参照)によって設定される。ステップS110の後のステップS111において、情報処理端末装置100から運転開始時刻の情報が送信され、制御部950の情報受信部955が当該運転開始時刻の情報を受信する。
【0124】
ステップS111に続いて、ステップS112において運転完了時刻または運転開始時刻が表示部910(図4参照)の時刻表示部912に表示される。時刻表示部912に表示される時刻が運転開始時刻であるか運転完了時刻であるかは、表題部911に表示される文字等の情報により、それぞれ区別される。表題部911に表示される時刻は、例えばモード選択ボタン923が操作されるごとに、運転完了時刻と運転開始時刻とが切り替えられる。ただし、表題部911に表示される運転完了時刻と運転開始時刻とは、図示しない他のボタンが操作されることによって切り替えられていてもよく、または、おまかせボタン924もしくはコース選択ボタン922が操作されることによって切り替えられていてもよい。このように、洗濯乾燥機900(図6参照)の表示部910は、情報処理端末装置100によって決定された運転開始時刻、または、運転開始時刻と作動時間情報とに対応した洗濯乾燥機900の運転完了時刻を表示する。
【0125】
洗濯乾燥機900の使用者は、時刻表示部912に表示された時刻を確認することにより、選択した運転モードおよび洗濯コースにて洗濯乾燥機900が運転した後に、表示された運転完了時刻に運転が完了されること、または、表示された運転開始時刻に運転が開始されることについて、了承するか否かを選択することができる。
【0126】
使用者は、時刻表示部912に表示された運転完了時刻または運転開始時刻を了承しない場合には、キャンセルボタン929(図5参照)を操作する(ステップS113参照)。これにより、使用者は、洗濯乾燥機900の運転を即座に開始させることができる。一方、使用者は、時刻表示部912に表示された運転完了時刻または運転開始時刻を了承する場合には、OKボタン928(図5参照)を操作する(ステップS116参照)。これにより、使用者は、了承した運転開始時刻にて運転を開始させることができ、または、了承した運転完了時刻までに運転を完了させることができる。
【0127】
本実施形態では、キャンセルボタン929が押下された場合は、即座に洗濯行程等の運転が開始される。しかしながら、作動時間分のすべての電力を賄うことが可能な電力余剰時間帯が複数存在する場合、または、電力余剰時間帯に洗濯乾燥機900の作動時間を複数設定することが可能である位に、推定される電力余剰時間帯が比較的長い場合には、使用者によって、複数のうちのいずれかの運転開始時刻が選択および決定されていてもよい。このような場合には、表示された運転開始時刻または運転完了時刻に対してキャンセルボタン929が押下されることにより、他の運転開始時刻または運転完了時刻が表示されることにしてもよい。このように情報処理端末装置100と洗濯乾燥機900とが構成されている場合には、使用者は、より都合のよい時間帯を選択することができる。
【0128】
ステップS116の後には、運転開始時刻が到来するまで洗濯乾燥機900は待機状態となる。ステップS117において運転開始時刻が到来していることが判定される場合には、ステップS114に進む。ステップS114では、ステップS102にて選択された運転モードの運転が開始される。
【0129】
ところで、ステップS115においては、洗濯物の容量を測定する為の処理が、ステップS107と同様に行われる。ステップS115の処理が完了した後には、洗濯物の容量に応じた洗剤量が表示部910(図4参照)に表示される。使用者は、ステップS115以降、ステップS114(図9参照)までに洗剤を投入すればよい。
【0130】
本実施形態において、ステップS115の後にはステップS114に移行することにより、ステップS115の後に洗濯乾燥機900の運転が即座に開始されている。ただし、ステップS103において運転完了希望時刻が入力されていることが判定される場合には、当該運転希望時刻が到来するまで運転の開始が待機されていてもよい。つまり、ステップS115とステップS114との間には、ステップS117と同様のステップが設けられていてもよい。このようにすることにより、洗濯乾燥機900において、一般的な予約運転を実現することができる。
【0131】
続いて、洗濯乾燥機900の運転を開始する時刻を設定するための制御、つまり、情報処理端末装置100によって処理される制御について、フローチャートを用いて説明する。図10に示すように、ステップS201において、情報処理端末装置100の情報受信部121(図7参照)は、洗濯乾燥機900の情報送信部953(図6参照)から情報処理端末装置100に送信された作動時間情報を受け取る。さらに、ステップS103(図8参照)において運転完了希望時刻が入力されていることが判定される場合には、情報受信部121は、作動時間情報として、使用者が希望する運転完了希望時刻の情報を情報送信部953(図6参照)からさらに受け取る。
【0132】
ステップS201に続いて、ステップS202において運転完了希望時刻の情報を情報送信部953から受け取っているか否かが判定される。つまり、ステップS202において、運転完了希望時刻が設定されているか否かが判定される。ステップS202において運転完了希望時刻が設定されていることが判定される場合には、ステップS203に進む。ステップS202において運転完了希望時刻が設定されていないことが判定される場合には、ステップS209に進む。
【0133】
ステップS203では、洗濯乾燥機900から作動時間情報が送信されてきた時点を基準として、その時点から運転完了希望時刻までの太陽光発電装置2が発電する電力の時間的推移が推定される。情報処理端末装置100は、太陽光発電装置2の発電電力を常時監視することにより、過去の一定の期間の発電電力の時間的推移をデータとして蓄積している。過去の一定の期間の発電電力の時間的推移の平均値が、蓄積されたデータに基づいて演算部123によって算出されることにより、現在から運転完了希望時刻までの発電電力の時間的推移が推定される。
【0134】
過去の一定の期間としては、例えば、一週間であってもよく、一月であってもよい。また、過去の一定の期間が例えば一月である場合には、発電電力の時間的推移のデータが曜日毎に区別されていてもよい。あるいは、情報処理端末装置100は、例えば外部のインターネットを介して天気情報を取得し、且つ、過去の一定の期間のうちに同様の天気であった数日分の時間的推移の平均値を算出することにより、現在から運転完了希望時刻までの発電電力の時間的推移を推定していてもよい。
【0135】
続いて、ステップS204では、洗濯乾燥機900から作動時間情報が送信されてきた時点を基準として、その時点から運転完了希望時刻までの他の家電機器が使用する電力の時間的推移が推定される。情報処理端末装置100は、洗濯乾燥機900を除く他の家電機器の使用電力を常時監視することにより、過去の一定の期間において他の家電機器が使用する電力の時間的推移をデータとして蓄積している。過去の一定の期間において他の家電機器が使用する電力の時間的推移の平均値が、蓄積されたデータに基づいて演算部123によって算出されることにより、現在から運転完了希望時刻までの使用電力の時間的推移が推定される。
【0136】
なお、当日が平日である場合には、過去の一定の期間のうちに平日であった数日分の時間的推移の平均値が算出されることにより、平日としての現在から運転完了希望時刻までの使用電力の時間的推移が推定されていてもよい。同様に、当日が休日である場合には、過去の一定の期間のうちに休日であった数日分の時間的推移の平均値が算出されることにより、休日としての現在から運転完了希望時刻までの使用電力の時間的推移が推定されていてもよい。さらには、平日と休日との区別だけでなく、曜日毎に区別された使用電力の時間的推移が推定されていてもよい。
【0137】
一方、ステップS209では、洗濯乾燥機900から作動時間情報が送信されてきた時点を基準として、その時点から例えば24時間後までの太陽光発電装置2が発電する電力の時間的推移が推定される。なお、推定される時間的推移は、現在から24時間後に限定されず、他の時間であってもよい。本実施形態のように、現在から24時間後という時間が設定されていることにより、洗濯物が回転ドラム932に投入されて(図8のステップS101参照)から、遅くとも1日以内に洗濯乾燥機900の運転を完了させることが可能である。
【0138】
続いて、ステップS210では、洗濯乾燥機900から作動時間情報が送信されてきた時点を基準として、その時点から24時間後までの他の家電機器が使用する電力の時間的推移が推定される。
【0139】
これらステップS203〜ステップS204と、ステップS209〜ステップS210のように、情報処理端末装置100(図7参照)は、太陽光発電装置2の過去の発電電力量の時間的推移の情報と、冷蔵庫5とテレビ6とエアコン7と照明装置8との過去の消費電力量の時間的推移の情報とから、太陽光発電装置2の発電電力に余剰が生じる時間帯を推定する。また、情報処理端末装置100の記憶部124は、推定された時間帯の結果を電力余剰時間帯情報として記憶する。
【0140】
なお、ここでいう“過去”とは、洗濯乾燥機900から作動時間情報が送信されてきた時点よりも前の時点のことである。あるいは、“過去”とは、情報処理端末装置100が電力余剰時間帯を推定する時点よりも前の時点のことであってもよい。
【0141】
ステップS204に続いて、ステップS205では、推定された太陽光発電装置2の発電電力の時間的推移と、推定された他の家電機器の使用電力の時間的推移とが演算部123(図7参照)によって比較されることにより、発電電力に余剰が生じる時間帯としての電力余剰時間帯が推定される。
【0142】
ステップS205に続いて、ステップS206(図11参照)では、運転モード等に応じた洗濯乾燥機900の作動時間分の電力余剰時間帯が存在するか否かが判定される。洗濯乾燥機900が運転している最中には、所定の電力が必要である。そのため、ステップS206において、運転モード等に応じて必要とされる所定の時間分の電力を賄うことが可能な電力余剰時間帯が存在するかどうかが判定される。ステップS206において、作動時間分のすべての電力を賄うことが可能な電力余剰時間帯が存在することが判定される場合には、ステップS207に進む。一方、作動時間分のすべての電力を賄うことが可能な電力余剰時間帯が存在しないことが判定される場合には、ステップS211に進む。
【0143】
ステップS206において、情報処理端末装置100の判定部126(図7参照)は、情報受信部121が受け取った運転完了希望時刻の情報を含む作動時間情報と、記憶部124が記憶した電力余剰時間帯情報とに基づき、洗濯乾燥機900の運転モード等に応じた作動時間に消費される電力を賄うことが可能な電力余剰時間帯が運転完了希望時刻までに存在するか否かを判定する。ただし、ステップS202において運転完了希望時刻が設定されていないことが判定される場合には、情報受信部121が受け取る作動時間情報には、運転完了希望時刻の情報が含まれていなくてもよい。
【0144】
ステップS207では、洗濯乾燥機900の運転開始時刻が決定される。ステップS207において決定される運転開始時刻によれば、運転モード等に応じた作動時間分のすべての電力を賄うことができる電力余剰時間帯において、洗濯乾燥機900の運転の開始から完了までを達成することができる。
【0145】
このように、情報処理端末装置100は、洗濯乾燥機900が実際に作動する時間の情報として洗濯乾燥機900から受け取る作動時間情報と、記憶した電力余剰時間帯情報とに基づいて洗濯乾燥機900の運転開始時刻を決定する。
【0146】
なお、作動時間分のすべての電力を賄うことが可能な電力余剰時間帯が複数存在する場合、または、電力余剰時間帯に洗濯乾燥機900の作動時間を複数設定することが可能である位に、推定される電力余剰時間帯が比較的長い場合であって、運転完了希望時刻が設定されていないときには、例えば複数のうちの最も早い時刻が運転開始時刻として決定される。ただし、このとき、例えば複数のうちの最も遅い時刻が選択されていてもよい。このように、作動時間分のすべての電力を賄うことが可能な電力余剰時間帯が複数存在する場合、または、電力余剰時間帯に洗濯乾燥機900の作動時間を複数設定することが可能である位に、推定される電力余剰時間帯が比較的長い場合には、複数のうちのいずれかの運転開始時刻が、図9に示すステップS112とステップS113とステップS116とにおいて使用者によって選択および決定されていてもよい。なお、運転完了希望時刻が設定されている場合には、当該運転完了希望時刻を満足させる運転開始時刻が選択される。
【0147】
一方、ステップS211では、複数の家電機器のうちの少なくとも洗濯乾燥機900が深夜電力等の電気料金が比較的安い時間帯の電力を使用するように情報処理端末装置100が予め設定されているか否かが判定される。給電システム1において、商用電源4から供給される電力の時間帯には、通常の時間帯の電力単価よりも安い電力単価が設定された時間帯である深夜時間帯が含まれている。
【0148】
洗濯乾燥機900が深夜電力を使用するように情報処理端末装置100が設定されている場合には、ステップS212に進む。ステップS212では、深夜時間帯に基づいて運転開始時刻が決定される。ステップS212において決定される運転開始時刻は、深夜時間帯において洗濯乾燥機900の作動が開始される時刻である。ステップS212において決定される運転開始時刻によれば、洗濯乾燥機900の運転が深夜時間帯から開始される。あるいは、ステップS212において決定される運転開始時刻は、可能な限り多くの電力余剰時間帯の電力を利用したうえで深夜時間帯の電力を利用するものである。
【0149】
情報処理端末装置100の決定部127(図7参照)は、判定部126により、洗濯乾燥機900の運転モード等に応じた作動時間に消費される電力を賄うことが可能な電力余剰時間帯が存在しないことが判定される場合(ステップS206参照)には、当該作動時間に消費される電力と、太陽光発電装置2の発電電力の余剰分との差の電力が、商用電源4から洗濯乾燥機900に供給されるように、商用電源4から供給される電力と太陽光発電装置2が発電させた電力とを電源切替装置3に切り替えさせるための信号を情報送信部122に送信する。電源切替装置3は、当該信号に基づく信号を情報送信部122から受け取る。これにより、運転モード等に応じた作動時間に消費される電力と、太陽光発電装置2の発電電力の余剰分との差の電力が、商用電源4から洗濯乾燥機900に供給されるように、商用電源4から供給される電力と太陽光発電装置2が発電させた電力とが、電源切替装置3によって切り替えられる。
【0150】
また、ステップS206(図11参照)においてNOと判定され、且つ、ステップS211(図11参照)においてYESと判定される場合には、決定部127は、洗濯乾燥機900に深夜時間帯の電力を使用させるための信号を情報送信部122に送信する。電源切替装置3は、当該信号に基づく信号を情報送信部122から受け取る。電源切替装置3は、遅くとも太陽光発電装置2の発電電力の余剰分が不足する時点から、洗濯乾燥機900を含む家電機器に商用電源4から電力が供給されるように、二つの電力を切り替える。
【0151】
一方、ステップS211の判定において、深夜電力を使用しないように情報処理端末装置100が設定されている場合には、ステップS213に進む。ステップS213では、電力余剰時間帯の電力を最も効率よく消費する時間帯に基づいて運転開始時刻が決定される。ステップS213において決定される運転開始時刻によれば、可能な限り多くの電力余剰時間帯の電力を利用したうえで、不足する分を商用電源4から賄うことができる。
【0152】
ステップS208では、ステップS207、ステップS212、または、ステップS213にて決定された運転開始時刻の情報が、情報処理端末装置100から洗濯乾燥機900に送信される(図7参照)。
【0153】
ステップS208において情報処理端末装置100から送信される運転開始時刻の情報は、洗濯乾燥機900の情報受信部955(図6参照)によって受信される(図9のステップS111参照)。上述のように、ステップS112(図9参照)において、洗濯乾燥機900(図6参照)の表示部910には、情報処理端末装置100によって決定された運転開始時刻、または、運転開始時刻と作動時間情報とに対応した洗濯乾燥機900の運転完了時刻が表示される。このように、情報処理端末装置100は、決定部127(図7参照)によって決定された運転開始時刻、または、運転開始時刻と作動時間情報とに対応した洗濯乾燥機900の運転完了時刻を、洗濯乾燥機900に表示させることができる。
【0154】
なお、図示は省略するが、図11に示すステップS206において、洗濯乾燥機900の所定の作動時間に消費される電力を賄うことが可能な電力余剰時間帯が存在しないことが判定される場合には、情報処理端末装置100は、洗濯乾燥機900に作動時間が短縮された運転を実行させることにしてもよい。
【0155】
例えば、洗濯コースのうち、乾燥行程を省略することにより、洗濯乾燥機900の作動時間を短縮することができる。また例えば、洗濯行程もしくはすすぎ行程の時間を短縮すること、または、すすぎ行程の回数を減らすことにより、洗濯乾燥機900の作動時間を短縮することができる。このようにして、洗濯乾燥機900は、情報処理端末装置100の判定部126(図7参照)により、洗濯乾燥機900の所定の作動時間に消費される電力を賄うことが可能な電力余剰時間帯が存在しないことが判定される場合には、作動時間が短縮された運転を実行することができる。なお、洗濯乾燥機900において、表示部910(図6参照)は、そのような運転モードまたは洗濯コースが変更された運転の内容を表示していてもよい。
【0156】
以上のように、給電システム1は、太陽光発電装置2と、洗濯乾燥機900と冷蔵庫5とテレビ6とエアコン7と照明装置8とを含む複数の家電機器と、情報処理端末装置100とを備えている。冷蔵庫5とテレビ6とエアコン7と照明装置8とは、他の家電機器の一例である。複数の家電機器は、少なくとも太陽光発電装置2が発電させた電力によって作動する。情報処理端末装置100は、複数の家電機器と太陽光発電装置2とが通信可能であるようにネットワーク接続されている。
【0157】
情報処理端末装置100は、太陽光発電装置2の過去の発電電力量の時間的推移の情報と、他の家電機器の過去の消費電力量の時間的推移の情報とから発電電力に余剰が生じる時間帯を推定する。また、情報処理端末装置100は、推定された時間帯の結果を電力余剰時間帯情報として記憶し、洗濯乾燥機900が実際に作動する時間の情報として洗濯乾燥機900から受け取る作動時間情報と、電力余剰時間帯情報とに基づいて洗濯乾燥機900の運転開始時刻を決定する。
【0158】
給電システム1によれば、太陽光発電装置2の過去の発電電力量の時間的推移の情報と、他の家電機器の過去の消費電力量の時間的推移の情報とから、太陽光発電装置2の発電電力に余剰が生じる時間帯を推定する。また、情報処理端末装置100は、電力余剰時間帯情報と作動時間情報とに基づき、洗濯乾燥機900の運転開始時刻を決定する。このように、給電システム1によれば、任意の時点の太陽光発電装置2の発電電力量のみが、洗濯乾燥機900の運転を開始させるための判断に用いられることが無く、且つ、洗濯乾燥機900を、太陽光発電装置2の発電電力に余剰が生じる時間帯に作動させることができる。
【0159】
このようにすることにより、太陽光発電装置2が発生させた電力を効率的に利用することが可能な給電システム1を提供することができる。
【0160】
給電システム1は、情報処理端末装置100によって決定された運転開始時刻、または、運転開始時刻と作動時間情報とに対応した洗濯乾燥機900の運転完了時刻を、洗濯乾燥機900に表示させる。
【0161】
この構成によれば、洗濯乾燥機900の使用者に対して、洗濯乾燥機900の運転開始時刻または運転完了時刻を視認させることができる。このように、この構成によれば、洗濯乾燥機900の利便性の向上が図られている。
【0162】
洗濯乾燥機900は、給電システム1に用いられる所定の家電機器としての洗濯乾燥機である。洗濯乾燥機900は、制御部950と、洗濯物Wを収容する回転ドラム932とを備えている。
【0163】
制御部950は、回転ドラム932に収容される洗濯物Wの容量を検知する容量検知部957と、洗濯乾燥機900の複数の運転モードと、容量検知部957によって検知された洗濯物Wの容量または各運転モードに応じて設定された作動時間情報とを記憶する記憶部951と、記憶部951に記憶された作動時間情報のうち、容量検知部957によって検知された洗濯物Wの容量または各運転モードに対応した作動時間情報を情報処理端末装置100に送信する情報送信部953とを有している。
【0164】
この構成によれば、洗濯物Wの容量と、洗濯乾燥機900の運転モードとに応じて設定される作動時間の情報が、情報処理端末装置100に送信される。これにより、情報処理端末装置100は、送信された作動時間情報と、記憶した電力余剰時間帯情報とに基づき、洗濯乾燥機900の運転開始時刻を決定することができる。このように、この構成によれば、洗濯乾燥機900の運転開始時刻を、容量と運転モードとに応じて決定することができるため、洗濯乾燥機900の利便性が向上する。
【0165】
洗濯乾燥機900は、情報処理端末装置100によって決定された運転開始時刻、または、運転開始時刻と作動時間情報とに対応した洗濯乾燥機900の運転完了時刻を表示する表示部910を備えている。
【0166】
この構成によれば、容量と運転モードとに応じて決定された洗濯乾燥機900の運転開始時刻または運転完了時刻を、使用者に視認させることができる。このように、この構成によれば、洗濯乾燥機900の利便性の向上が図られている。
【0167】
情報処理端末装置100は、給電システム1に用いられる情報処理端末装置である。また、情報処理端末装置100は、情報受信部121と演算部123とを含む推定部と、記憶部124と、情報受信部121と、判定部126と、決定部127とを有している。
【0168】
情報処理端末装置100において、推定部は、太陽光発電装置2の過去の発電電力量の時間的推移の情報と、他の家電機器の過去の消費電力量の時間的推移の情報とから発電電力に余剰が生じる時間帯を推定する。記憶部124は、推定部によって推定された時間帯の結果を電力余剰時間帯情報として記憶する。情報受信部121は、洗濯乾燥機900から作動時間情報を受け取る。判定部126は、情報受信部121が受け取った作動時間情報と、記憶部124が記憶した電力余剰時間帯情報とに基づき、洗濯乾燥機900の運転モード等に応じた作動時間に消費される電力を賄うことが可能な電力余剰時間帯が存在するか否かを判定する。決定部127は、判定部126の判定結果に基づいて、洗濯乾燥機900の運転開始時刻を決定する。
【0169】
この構成によれば、記憶部124と情報受信部121と演算部123と判定部126と決定部127との作動により、洗濯乾燥機900の運転開始時刻または運転完了時刻を決定することができる。これにより、洗濯乾燥機900は、太陽光発電装置2の余剰電力を効率的に用いたうえで作動することができる。
【0170】
情報処理端末装置100において、情報受信部121は、作動時間情報として、使用者が希望する運転完了希望時刻の情報を洗濯乾燥機900から受け取っている。判定部126は、情報受信部121が受け取った運転完了希望時刻の情報を含む作動時間情報と、記憶部124が記憶した電力余剰時間帯情報とに基づき、洗濯乾燥機900の運転モード等に応じた作動時間に消費される電力を賄うことが可能な電力余剰時間帯が運転完了希望時刻までに存在するか否かを判定する。
【0171】
この構成によれば、情報処理端末装置100は、洗濯乾燥機900に対して、太陽光発電装置2の発電電力の余剰分を使用させたうえで、使用者が希望する時刻までに運転を終了させることができる。
【0172】
情報処理端末装置100は、決定部127によって決定された運転開始時刻、または、運転開始時刻と作動時間情報とに対応した洗濯乾燥機900の運転完了時刻を、洗濯乾燥機900に表示させる。
【0173】
この構成によれば、記憶部124と情報受信部121と演算部123と判定部126と決定部127との作動によって決定された洗濯乾燥機900の運転開始時刻または運転完了時刻を、洗濯乾燥機900の使用者に視認させることができる。このように、この構成によれば、洗濯乾燥機900の利便性の向上が図られている。
【0174】
情報処理端末装置100は、判定部126により、洗濯乾燥機900の運転モード等に応じた作動時間に消費される電力を賄うことが可能な電力余剰時間帯が存在しないことが判定される場合には、洗濯乾燥機900に、作動時間が短縮された運転を実行させる。
【0175】
この構成によれば、洗濯乾燥機900の作動に係る消費電力を抑えることができる。そのため、太陽光発電装置2の発電電力のうち、余剰分を有効に使用することができる。
【0176】
洗濯乾燥機900は、情報処理端末装置100と通信可能であるようにネットワーク接続された所定の家電機器としての洗濯乾燥機である。洗濯乾燥機900は、制御部950と、洗濯物Wを収容する回転ドラム932とを備えている。
【0177】
洗濯乾燥機900において、制御部950は、容量検知部957と、記憶部951と、情報送信部953とを有している。容量検知部957は、回転ドラム932に収容される洗濯物Wの容量を検知する。記憶部951は、洗濯乾燥機900の複数の運転モードと、容量検知部957によって検知された洗濯物Wの容量または各運転モードに応じて設定された作動時間情報とを記憶する。情報送信部953は、記憶部951に記憶された作動時間情報のうち、容量検知部957によって検知された洗濯物Wの容量または各運転モードに対応した作動時間情報を情報処理端末装置100に送信する。
【0178】
洗濯乾燥機900は、情報処理端末装置100の判定部126により、洗濯乾燥機900の運転モード等に応じた作動時間に消費される電力を賄うことが可能な電力余剰時間帯が存在しないことが判定される場合には、作動時間が短縮された運転を実行する。
【0179】
この構成によれば、洗濯乾燥機900において、運転の開始から完了までの時間が短縮されるため、洗濯乾燥機900の作動に係る消費電力を抑えることができる。このように、太陽光発電装置2の発電電力のうち、余剰分を有効に使用することができる。
【0180】
情報処理端末装置100を備えた給電システム1は、複数の家電機器が使用する電力を、商用電源4から供給される電力と太陽光発電装置2が発電させた電力とのいずれかまたは両方に切り替える電源切替装置3を備えている。
【0181】
情報処理端末装置100において、決定部127は、判定部126により、洗濯乾燥機900の運転モード等に応じた所定の作動時間に消費される電力を賄うことが可能な電力余剰時間帯が存在しないことが判定される場合には、所定の作動時間に消費される電力と、太陽光発電装置2の発電電力の余剰分との差の電力が、商用電源4から洗濯乾燥機900に供給されるように、商用電源4から供給される電力と太陽光発電装置2が発電させた電力とを電源切替装置3に切り替えさせる。
【0182】
この構成によれば、太陽光発電装置2の発電電力の余剰分は、洗濯乾燥機900の作動に使用され、且つ、洗濯乾燥機900には、太陽光発電装置2の発電電力の余剰分が不足する時間帯だけ商用電源4から電力が供給される。このように、情報処理端末装置100は、太陽光発電装置2の発電電力の余剰分を洗濯乾燥機900に効率よく使用させることができる。また、洗濯乾燥機900の運転を、運転開始時刻から確実に開始することができる。あるいは、洗濯乾燥機900の運転を、運転完了時刻までに確実に完了することができる。
【0183】
情報処理端末装置100においては、商用電源4から供給される電力の時間帯には、通常の時間帯の電力単価よりも安い電力単価が設定された時間帯である深夜時間帯が含まれている。また、情報処理端末装置100において、決定部127は、判定部126により、洗濯乾燥機900の運転モード等に応じた所定の作動時間に消費される電力を賄うことが可能な電力余剰時間帯が存在しないことが判定される場合には、洗濯乾燥機900に商用電源4から電力が供給されるように、商用電源4から供給される電力と太陽光発電装置2が発電させた電力とを電源切替装置3に切り替えさせ、且つ、洗濯乾燥機900に深夜時間帯の電力を使用させる。
【0184】
この構成によれば、洗濯乾燥機900の所定の作動時間に消費される電力を賄うことが可能な電力余剰時間帯が存在しない場合に、洗濯乾燥機900は、商用電源4から供給される電力として、電力単価が比較的安い深夜時間帯の電力を使用することができる。このようにすることにより、電気料金の節約が可能である。
【0185】
本実施形態において、所定の家電機器の一例は洗濯乾燥機900である。しかしながら、所定の家電機器は、乾燥機能を有していない洗濯機であってもよい。さらに、所定の家電機器は、冷蔵庫5であってもよく、エアコン7、扇風機、除湿機、または、加湿器等の他の家電機器であってもよい。
【0186】
さらには、情報処理端末装置100は、推定される太陽光発電装置2の発電電力の余剰分と複数の家電機器の消費電力量との差に応じて、制御対象とする複数の家電機器の中から一部または全部の家電機器を選択していてもよい。複数の家電機器の複数を情報処理端末装置100が選択する場合には、選択された複数の家電機器の消費電力量と、推定される太陽光発電装置2の発電電力の余剰分との差に応じて、複数の家電機器のそれぞれに余剰分の電力が順次供給されることと、複数の家電機器のいずれかまたはすべてに余剰分の電力が同時に供給されることとを切り替えるように、選択された複数の家電機器を情報処理端末装置100が制御することができる。このようにすることにより、給電システム1において、太陽光発電装置2が発生させた電力を効率よく利用することができる。
【0187】
なお、洗濯乾燥機900の回転ドラム932の回転軸線は、略鉛直上下方向に延びていてもよい。
【0188】
本実施形態において、情報処理端末装置100は、図4に示すような表示部を備えていてもよい。
【0189】
本実施形態において、洗濯乾燥機900の作動時間とは、所定の家電機器としての洗濯乾燥機900が実際に作動する時間のことである。作動時間とは、洗濯行程、すすぎ行程、脱水行程、または、乾燥行程のうち、最初の行程が開始されてから運転が完了するまでの時間のことである。さらに、作動時間情報とは、洗濯乾燥機900が実際に作動する時間の情報である。作動時間情報は、洗濯乾燥機900の情報送信部953から送信される情報であって、情報処理端末装置100の情報受信部121が受け取っている。
【0190】
選択される洗濯コースに応じて洗濯乾燥機900が実際に作動する時間が異なるため、作動時間は、選択される洗濯コースに応じて異なる。また、各行程に掛かる時間が使用者によって適宜選択される場合には、選択された各行程の時間に応じて作動時間が異なる。さらに、洗濯乾燥機900において、運転モードごとに洗濯行程、すすぎ行程、脱水行程、または、乾燥行程の時間が異なることにより、作動時間は、例えば運転モードごとに異なる。また、洗濯物Wの容量によっても、水槽931(図3参照)に供給される水の量が異なるため、作動時間は異なる。
【0191】
なお、洗濯乾燥機900において制御部950が配置される位置は、特に限定されない。図3に示す制御部950は、概略的に示されるものであって、上述のように所望の機能を奏するものであればよい。
【0192】
(第2実施形態)
第2実施形態において、所定の家電機器の一例は冷蔵庫5である。他の家電機器の例は、冷蔵庫5を除いた家電機器である。図示しないが、複数の家電機器には、同種の家電機器が複数含まれていてもよい(例えば、テレビ6が複数台あってもよい)。以下に説明するように、太陽光発電装置2の発電電力に余剰が生じる時間帯に冷蔵庫5の除霜動作が行われることにより、給電システム1において、太陽光発電装置2が発生させた電力を効率よく利用することができる。なお、冷蔵庫5において除霜動作が行われることとは、除霜動作を行うように冷蔵庫5が運転することと言い換えることができる。
【0193】
図12に、ネットワーク技術に対応した家電機器の一例としての冷蔵庫5の全体を示す。冷蔵庫5は、冷蔵の機能に加えて、冷凍の機能を有している。なお、図12において、断面を示すハッチングは省略されている。
【0194】
図12に示すように、冷蔵庫5は、全体が断熱箱体51で覆われている。冷蔵庫5の上段に冷蔵室510が配置され、中段に製氷室503が配置され、下段に冷凍室505が配置されている。また、冷蔵室510の下部にはチルド温度帯(約−3℃)に維持されたチルド室514が配置されている。冷凍室505の内部は、製氷室503の内部に連通している。また、冷凍室505の内部は、冷凍室505に収容される食品等の貯蔵物を冷凍保存することが可能であるように構成されている。冷凍室505と製氷室503とには、貯蔵物を収納する収納ケース511が配置されている。冷蔵室510には、貯蔵物を載置する複数の収納棚512が配置されている。
【0195】
冷凍室505の背後には、冷気通路521が配置されている。冷蔵室510の背後には冷気通路521と連通する冷気通路522が配置されている。冷蔵庫5の断熱箱体51内において、冷気通路521の下方には圧縮機523が配置されている。冷気通路521内には圧縮機523に接続された蒸発器524が配置されている。圧縮機523が駆動されることにより、図示しない凝縮器と膨張器と蒸発器524とを冷媒が循環する。冷媒は、例えばイソブタンである。冷媒の循環により、冷凍サイクルが運転される。冷凍サイクルが運転されることにより、冷凍サイクルの低温側である蒸発器524において、冷気通路521を流通する空気と、冷媒とが熱交換することにより、冷気が生成される。このようにして、冷気を生成する冷凍サイクルが、圧縮機523と蒸発器524と凝縮器(図示せず)と膨張器(図示せず)とによって構成される。
【0196】
冷気通路521内には、送風機525が配置されている。冷気通路522内には、送風機526が配置されている。蒸発器524で生成された冷気は、送風機525が駆動されることにより、冷気通路521を介して冷凍室505と製氷室503とに供給される。また、蒸発器524で生成された冷気は、送風機526が駆動されることにより、冷気通路522を介して冷蔵室510に供給される。
【0197】
また、冷蔵庫5は、加熱手段としてのヒータ527を備えている。ヒータ527は、例えば熱輻射式のガラス管ヒータによって構成されている。ただし、ヒータ527の構成は、特に限定されず、他の原理等を利用したものであってもよい。
【0198】
以上のような構成により、冷蔵庫5は、一般的な冷蔵庫と同様に、主に食品を保存するために、圧縮機523と蒸発器524等を利用して、冷蔵室510と冷凍室505とを冷却している。冷蔵室510と冷凍室505とを冷却する冷却動作のうち、例えば冷蔵室510を冷却する場合は、冷蔵室510の温度を低温に保つために、冷蔵室510の温度が所定の温度以上に達するときに開始され、且つ、他の所定の温度以下に達するときに停止される。冷却動作は、冷蔵庫5が消費する電力のうちの多くの部分を占めている。
【0199】
また、冷蔵庫5は、除霜という動作によって蒸発器524に付いた霜を取り除く。除霜動作は、ヒータ527の熱を用いて霜を取り除く動作である。除霜動作は、冷蔵庫5が消費する電力のうちの比較的多くの部分を占めている。
【0200】
一般的な従来の冷蔵庫の除霜動作の開始条件は、例えば、冷却動作が行われた時間の積算値が所定の値であること、または、前回の除霜動作が終了してから所定の時間が経過した後であること等である。除霜動作の終了から開始までの時間間隔と、除霜動作に掛かる作動時間とは、当該冷蔵庫の性能、容量、または、使用条件等に依存する。しかし、一般的には、除霜動作は、1日または2日に1回程度行われている。また、除霜動作に掛かる作動時間は、一般的には数十分程度である。つまり、一般的な従来の冷蔵庫においては、数十分程度を要する除霜動作が、1日から2日に1回行われている。このように、除霜動作に掛かる作動時間は、除霜動作の終了から開始までの時間間隔に比べて、極めて短い。
【0201】
例えば、除霜動作が終了されてから次回開始されるまでの時間間隔が短縮される場合には、霜があまり多量に発生していない状態において除霜動作が開始される。しかしながら、このような場合には霜があまり多量に発生していない状態であるため、除霜動作の作動時間を短縮することができる。
【0202】
逆に、除霜動作が終了されてから次回開始されるまでの時間間隔が延長される場合には、除霜が必要な量以上の霜が発生している状態において除霜動作が開始されないことにより、冷却動作に悪影響を及ぼす可能性がある。したがって、冷却動作に悪影響を及ぼさない程度に、除霜動作が終了されてから次回の除霜動作が開始されるまでの時間間隔を延長することは可能である。
【0203】
一方、冷却動作の作動時間は、冷却動作が行われていない時間に対して長い。また、冷却動作は、冷蔵庫5の内部の温度に直接的に影響を与える動作であるため、冷却動作の開始時期の変更は容易に実現できない。
【0204】
このように、冷蔵庫5において除霜動作の開始時期が変更される場合であっても、冷蔵庫5はあまり大きな影響を受けることが無い。つまり、冷蔵庫5において除霜動作の開始時期を変更することは、冷蔵庫5が効率的に電力を消費するために、有効な手段である。
【0205】
以下に説明するように、冷蔵庫5は、太陽光発電装置2の発電量に余剰が生じる時間帯に合わせて、除霜動作の開始時期を変更させることができるように構成されている。
【0206】
図13に示すように、冷蔵庫5は、制御部550を備えている。制御部550は、情報受信部551と、記憶部552と、演算部553と、タイマ554と、情報送信部555と、動作制御部556と、作動状態検知部559とを有している。タイマ554は、時計としての機能を有している。
【0207】
情報受信部551は、情報処理端末装置100から送信される信号を受信する。記憶部552には、少なくとも、過去の除霜動作時間の情報と、過去に行われた冷却動作の時間の情報とが格納されている。演算部553は、情報受信部551が受信した情報と、タイマ554によって計測された時間と、記憶部552に格納された情報とに基づいて、冷蔵庫5の制御に必要な数値を算出する。また、冷蔵庫5の運転に必要な制御についての判定は、判定部の機能を有する演算部553によって判断されている。
【0208】
後述するように、演算部553は、過去の除霜動作時間と、前回の除霜動作の終了時から現時点までの時間間隔とに基づき、今回の除霜動作の作動時間を推定値として算出する。さらに、演算部553は、少なくとも過去の除霜動作時間に基づいて、除霜動作の開始制限時刻を算出する。また、演算部553は、推定された今回の除霜動作時間を開始制限時刻に加算することにより、除霜動作の完了制限時刻を算出する。
【0209】
演算部553の演算結果は、記憶部552に格納される。動作制御部556は、記憶部552に格納された演算結果等の情報に基づいて、冷却動作と除霜動作とが行われるように、圧縮機523と蒸発器524とヒータ527と送風機525と送風機526とを制御する。動作制御部556は、冷却動作を制御する冷却動作制御部557と、除霜動作を制御する除霜動作制御部558とを有している。
【0210】
作動状態検知部559は、除霜動作または冷却動作について、動作制御部556の制御の状態を検知している。作動状態検知部559が検知した結果についての情報は、記憶部552に格納される。
【0211】
一方、情報送信部555は、演算部553の演算結果としての除霜動作時間の情報と、完了制限時刻の情報とを情報処理端末装置100に送信する。
【0212】
なお、過去の冷却動作の時間の積算値(後述するTi)、および、前回の除霜動作が終了してから現在までに経過した所定の時間(後述するTp)は、動作制御部556の制御を作動状態検知部559が検知し、且つ、動作制御部556の制御の状態が継続された時間を演算部553が演算することにより、算出される。算出された時間の積算値(Ti)、および、所定の時間(Tp)の情報は、記憶部552に格納されている。
【0213】
情報受信部551は、情報処理端末装置100から送信される除霜動作の開始時刻の情報と、推定された電力余剰時間帯の情報とを受信する。情報受信部551が受信した情報に基づき、冷蔵庫5において除霜動作が行われる。
【0214】
また、情報受信部551が受信する情報に、推定された電力余剰時間帯が除霜動作時間よりも短い場合に電力余剰時間帯が存在しない旨を冷蔵庫5に通知させるための情報が含まれているか否かは、演算部553によって判定される。電力余剰時間帯が存在しない旨を通知するための情報が含まれていることが演算部553によって判定される場合には、次回の除霜動作の開始時期を繰り上げるための情報が記憶部552に格納される。
【0215】
一方、図7に示すように、情報処理端末装置100は、制御部120を備えている。制御部120の情報受信部121は、冷蔵庫5から、作動時間情報として、今回の除霜動作時間の情報を受け取る。また、情報受信部121は、太陽光発電装置2の発電電力量の時間的推移の情報と、他の家電機器(例えば、テレビ6とエアコン7と照明装置8と洗濯乾燥機900(図1参照))の消費電力量の時間的推移の情報とを受け取る。
【0216】
演算部123は、情報受信部121が受け取った、太陽光発電装置2の過去の発電電力量の時間的推移の情報と、他の家電機器の過去の消費電力量の時間的推移の情報とに基づいて、発電電力に余剰が生じる時間帯を推定する。このように、情報処理端末装置100は、太陽光発電装置2の過去の発電電力量の時間的推移の情報と、他の家電機器の過去の消費電力量の時間的推移の情報とから発電電力に余剰が生じる時間帯を推定する。
【0217】
記憶部124は、演算部123によって推定された時間帯の結果を電力余剰時間帯情報として記憶する。判定部126は、情報受信部121が受け取った除霜動作時間の情報と、記憶部124が記憶した電力余剰時間帯情報とに基づき、冷蔵庫5の除霜動作時間に消費される電力を賄うことが可能な電力余剰時間帯が存在するか否かを判定する。ただし、冷蔵庫5の除霜動作時間に消費される電力を賄うことが可能な電力余剰時間帯が存在するか否かの判定には、情報受信部121が受け取った除霜動作時間の情報および除霜動作の完了制限時刻の情報が考慮されていてもよい。すなわち、冷蔵庫5から受け取る作動時間情報には、今回の除霜動作時間の情報と、今回の除霜動作の完了制限時刻の情報とが含まれていてもよい。除霜動作の完了制限時刻については、後述する。
【0218】
決定部127は、判定部126の判定結果に基づき、除霜動作の開始時刻を決定する。情報送信部122は、冷蔵庫5に対して、決定部127によって決定された除霜動作の開始時刻についての情報を送信する。
【0219】
このように、情報処理端末装置100は、推定された時間帯の結果を電力余剰時間帯情報として記憶する。また、情報処理端末装置100は、冷蔵庫5が実際に作動する時間の情報のうち、除霜動作として作動する時間の情報であって冷蔵庫5から受け取る除霜動作時間の情報と、電力余剰時間帯情報とに基づいて、冷蔵庫5の運転開始時刻としての除霜動作の開始時刻を決定する。
【0220】
次に、冷蔵庫5によって処理される制御について、フローチャートを用いて説明する。図14に示すように、ステップS301において、除霜動作が必要な状態であるかどうかかが判定される。従来の一般的な冷凍冷蔵庫では、通常、上述の冷却動作が行われた時間の積算値が所定の値以上に達したかどうか、または、前回の除霜動作が終了してから所定の時間以上経過したかどうかのいずれかの条件が満たされた場合に、除霜動作が必要であることが判定されている。当該冷凍冷蔵庫の蒸発器に付く霜の量は、蒸発器等の冷凍サイクルを運転させる構成の性能に応じて、予め実験等によって検証されている。除霜動作が必要な状態であるかどうかの判定に用いられる上記の所定の積算値または上記の所定の時間は、このような検証結果に基づき、当該冷凍冷蔵庫の演算手段によって算出されている。
【0221】
一方、冷蔵庫5においては、ステップS301の判定のように、従来の冷凍冷蔵庫とは異なる判定が実行されている。ステップS301においては、冷蔵庫5の冷却動作が行われた時間の積算値が所定の値(ここでは例えばTiと示す)以上であるか否か、または、前回の除霜動作の終了後から現在までに、所定の時間(ここでは例えばTpと示す)が経過したか否かが判定される。冷蔵庫5においては、除霜動作を開始させる時刻を変更もしくは調整するための許容範囲を広げるために、ステップS301の判定に用いられる冷却動作が行われた時間の積算値(Ti)、および、前回の除霜動作が終了してから現在までに経過した所定の時間(Tp)は、それぞれ、従来の一般的な冷凍冷蔵庫で使用している上記積算値、および、上記所定の時間よりも短く設定されている。ステップS301の判定に用いられる閾値としての積算値(Ti)と、所定の時間(Tp)とは、それぞれ記憶部552に格納されている。
【0222】
このようにすることにより、従来の冷凍冷蔵庫に比べて、除霜動作が開始される時期を時間的に前の方向にずらすことが可能である。また、除霜動作が必要であることが、従来の冷凍冷蔵庫に比べて予め前もって判定されることにより、除霜動作が開始される時期が判定時から時間的に後方向に延びる場合であっても、除霜動作が必要な量以上の霜が蓄積している状態に至るまでの時間に余裕を持たせることができる。このように、冷蔵庫5のステップS301の判定によれば、除霜動作を行うことが可能な時間帯を広げることができる。
【0223】
なお、前回の除霜動作が終了してから現在までに経過した所定の時間(Tp)は、後述するステップS307の判定の結果に応じて、さらに短縮される場合がある。
【0224】
ステップS302では、前回を含む過去の除霜動作時間と、前回の除霜動作の終了時から現時点までの時間間隔とに基づき、今回の除霜動作の作動時間が演算部553(図13参照)によって算出される。このときの演算部553の算出値は、推定値である。
【0225】
なお、除霜動作の作動時間とは、除霜動作が開始されてから終了するまでの除霜動作に掛かる時間のことである。図14に示すように、所定の作動時間としての除霜動作の作動時間を、除霜動作時間と称する。ステップS302において推定される今回の除霜動作時間は、少なくとも過去の除霜動作時間に基づいて推定されるものであればよい。
【0226】
ステップS303では、除霜動作の開始制限時刻と、除霜動作の完了制限時刻とが、演算部553の演算によって推定される。除霜動作の開始制限時刻は、少なくとも過去の除霜動作時間に基づいて推定される。
【0227】
なお、除霜動作の開始制限時刻とは、除霜動作の開始時期の限界を意味しており、冷蔵庫5の除霜動作の開始時期を従来の冷凍冷蔵庫の除霜動作の開始時期よりも時間的に後ろ方向に延ばすために設定される時刻のことである。例えば、当該開始制限時刻よりも後に除霜動作が開始される場合には、冷蔵庫5において冷却動作に悪影響が及ぼされる可能性がある。すなわち、冷蔵庫5において冷却動作に所定もしくは特定の悪影響が現れない状態を維持するためには、遅くとも当該開始制限時刻までに除霜動作が開始されなければならない。このように、開始制限時刻とは、蒸発器524等の冷凍サイクルを運転する構成の性能および冷蔵庫5の容量に応じて設定される所定の時刻であって、冷蔵庫5の冷却動作が良好に継続されるように除霜動作の開始時期の限界として設定される時刻のことである。
【0228】
一方、除霜動作の完了制限時刻は、推定された開始制限時刻に、ステップS302において推定された除霜動作時間を加算することによって算出される。
【0229】
ステップS304では、ステップS302において算出された除霜動作時間の情報と、ステップS303において算出された完了制限時刻の情報とが情報処理端末装置100に送信される。このようにして、冷蔵庫5は、冷蔵庫5が実際に作動する時間の情報のうちの過去の除霜動作時間の情報に基づいて今回の除霜動作時間を推定し、且つ、推定された今回の除霜動作時間の情報を情報処理端末装置100に送信する。また、冷蔵庫5は、今回の除霜動作の完了制限時刻の情報を情報処理端末100に送信する。
【0230】
ステップS304に続いて、ステップS305において除霜動作の開始時刻が設定される。後述するように、除霜動作の開始時刻は、情報処理端末装置100(図7参照)によって設定される。ステップS305の後のステップS306において、情報処理端末装置100から除霜動作の開始時刻の情報が送信され、冷蔵庫5の情報受信部551が当該開始時刻の情報を受信する。また、ステップS306において、情報処理端末装置100から電力余剰時間帯の情報が送信され、冷蔵庫5の情報受信部551が当該電力余剰時間帯の情報を受信する。
【0231】
後述するように、情報処理端末装置100には、電力余剰時間帯が除霜動作時間よりも短い場合に電力余剰時間帯が存在しない旨を冷蔵庫5に通知することを設定させることができる。このように、電力余剰時間帯の情報には、電力余剰時間帯が存在しない旨を通知させるための情報が含まれていてもよい。電力余剰時間帯の情報に、電力余剰時間帯が存在しない旨の情報を含ませるか否かは、情報処理端末装置100の設定および制御に基づいている。
【0232】
ステップS307では、電力余剰時間帯が存在しない旨を通知するための情報が含まれているかどうかが判定される。電力余剰時間帯が存在しない旨を通知するための情報が含まれていることが判定される場合にはステップS308に進み、電力余剰時間帯が存在しない旨を通知するための情報が含まれていないことが判定される場合にはステップS309に進む。なお、ステップS307の判定は、電力余剰時間帯が存在しない旨の通知があったか否かであってもよい。
【0233】
ステップS308では、次回の除霜動作の開始時期を繰り上げるためのフラグがセットされる。このフラグは、過去の除霜動作の時間の情報として、ステップS301の判定に用いられる。フラグが立ち上げられている場合には、除霜動作を開始させる時期が、通常の状態よりも早められる。なお、通常の状態とは、冷蔵庫5の除霜動作時間に消費される電力のすべてを賄うことが可能な電力余剰時間帯が存在しない場合のことであって、フラグが立ち上げられていない状態のことである。
【0234】
ステップS306では、ステップS305の制御に基づき、除霜動作の開始時刻の情報と、除霜動作時間の情報とが情報処理端末装置100から送信される。情報処理端末装置100によって処理される制御によって決定される除霜動作の開始時刻の情報と除霜動作時間の情報とによれば、冷蔵庫5は、太陽光発電装置2(図7参照)の発電電力の余剰分を用いて除霜動作を行うことができる。しかしながら、情報処理端末装置100から送信された除霜動作時間の情報に応じた除霜動作時間において除霜動作が行われる場合には、蒸発器524が十分に除霜されない事態が発生する可能性がある。そのため、ステップS308の制御に応じて次回の除霜動作の開始時期を早めることにより、冷却動作に及ぼされる悪影響を予防することができる。また、次回の除霜動作の開始時期が早められる場合には、次回の除霜動作時間が通常よりも短縮されることにより、次回の除霜動作に使用される電力の大部分を、太陽光発電装置2の発電電力の余剰分によって賄うことができる。
【0235】
このように、冷蔵庫5の除霜動作時間に消費される電力を賄うことが可能な電力余剰時間帯が存在しない場合には、冷蔵庫5は、次回の除霜動作の開始時期を通常の状態よりも繰り上げる。
【0236】
ステップS309では、除霜動作の開始時刻が到来するまで除霜動作の待機状態が継続する。ステップS309において除霜動作の開始時刻が到来していることが判定される場合には、ステップS310に進む。ステップS310では、今回の除霜動作が開始される。なお、後述するように、冷蔵庫5の除霜動作時間に消費される電力を賄うことが可能な電力余剰時間帯が存在しない場合には、情報処理端末装置100によって推定された余剰が生じる時間帯のうちの最長の時間帯において今回の除霜動作が行われる。
【0237】
続いて、除霜動作を開始する時刻を設定するための制御、つまり、情報処理端末装置100によって処理される制御について、フローチャートを用いて説明する。図15に示すように、ステップS401において、情報処理端末装置100の情報受信部121(図7参照)は、冷蔵庫5の情報送信部555(図13参照)から情報処理端末装置100に送信された除霜動作時間の情報を受け取る。また、情報受信部121は、ステップS303(図14参照)において算出された完了制限時刻の情報を情報送信部555からさらに受け取る。
【0238】
ステップS402では、冷蔵庫5から除霜動作時間の情報が送信されてきた時点を基準として、その時点から完了制限時刻までの太陽光発電装置2が発電する電力の時間的推移が推定される。情報処理端末装置100は、太陽光発電装置2の発電電力を常時監視することにより、過去の一定の期間の発電電力の時間的推移をデータとして蓄積している。過去の一定の期間の発電電力の時間的推移の平均値が、蓄積されたデータに基づいて演算部123(図7参照)によって算出されることにより、現在から運転完了希望時刻までの発電電力の時間的推移が推定される。過去の一定の期間の例としては、洗濯乾燥機900に対する制御と同様である。
【0239】
続いて、ステップS403では、冷蔵庫5から除霜動作時間の情報および完了制限時刻の情報が送信されてきた時点を基準として、その時点から完了制限時刻までの他の家電機器が使用する電力の時間的推移が推定される。情報処理端末装置100は、冷蔵庫5を除く他の家電機器の使用電力を常時監視することにより、過去の一定の期間において他の家電機器が使用する電力の時間的推移をデータとして蓄積している。過去の一定の期間において他の家電機器が使用する電力の時間的推移の平均値が、蓄積されたデータに基づいて演算部123によって算出されることにより、現在から完了制限時刻までの使用電力の時間的推移が推定される。過去の一定の期間において他の家電機器が使用する電力の時間的推移をデータは、平日と休日との区別だけでなく、曜日毎に区別されていてもよい。
【0240】
なお、ステップS402とステップS403とでいう“過去”とは、冷蔵庫5から除霜動作時間の情報が送信されてきた時点よりも前の時点のことである。あるいは、“過去”とは、情報処理端末装置100が電力余剰時間帯を推定する時点よりも前の時点のことであってもよい。
【0241】
ステップS404では、推定された太陽光発電装置2の発電電力の時間的推移と、推定された他の家電機器の使用電力の時間的推移とが演算部123(図7参照)によって比較されることにより、発電電力に余剰が生じる時間帯としての電力余剰時間帯が推定される。
【0242】
ステップS404に続いて、ステップS405では、除霜動作時間分の電力余剰時間帯が存在するか否かが判定される。冷蔵庫5において除霜動作が行われている最中には、除霜動作が開始されてから完了するまでの連続した時間帯において、所定の電力が必要である。そのため、ステップS405において、今回の除霜動作に必要とされる所定の時間分の電力を賄うことが可能な電力余剰時間帯が存在するかどうかが判定される。ステップS404において、除霜動作時間分のすべての電力を賄うことが可能な電力余剰時間帯が存在することが判定される場合には、ステップS406に進む。
【0243】
ステップS406では、除霜動作の開始時刻が決定される。ステップS406において決定される開始時刻によれば、推定された今回の除霜動作時間分のすべての電力を賄うことができる電力余剰時間帯において、除霜動作の開始から完了までを達成することができる。
【0244】
なお、ステップS406では、除霜動作時間分のすべての電力を賄うことができる電力余剰時間帯が複数存在する場合、または、電力余剰時間帯に除霜動作時間を複数設定することが可能である位に、推定される電力余剰時間帯が比較的長い場合には、電力余剰時間帯の中において冷蔵庫5の外方の気温が最も低いことが予想される時間帯の時刻が選択されていてもよい。
【0245】
除霜動作が行われる場合は、ヒータ527(図12参照)の作動によって冷蔵庫5の内部の温度が上昇してしまうため、除霜動作の前後に冷却動作が行われている。冷蔵庫5の外方の気温が比較的低い場合には、冷却動作において消費される電力を抑制することができる。このように、冷蔵庫5の外方の気温が低い時間帯の時刻から除霜動作を開始させることができる場合には、冷蔵庫5が消費する電力を削減することができる。
【0246】
一方、ステップS405において、除霜動作時間分のすべての電力を賄うことが可能な電力余剰時間帯が存在しないことが判定される場合には、ステップS451(図16参照)に進む。
【0247】
情報処理端末装置100には、推定された電力余剰時間帯が除霜動作時間よりも短い場合に電力余剰時間帯が存在しない旨を冷蔵庫5に通知することを設定させることができる。このように、電力余剰時間帯の情報には、電力余剰時間帯が存在しない旨を通知させるための情報が含まれていてもよい。電力余剰時間帯の情報に、電力余剰時間帯が存在しない旨の情報を含ませるか否かは、情報処理端末装置100の設定および制御に基づいている。
【0248】
ステップS451では、電力余剰時間帯が存在しない旨を冷蔵庫5に通知するための設定が有効であるか否かが判定される。情報処理端末装置100の使用者は、電力余剰時間帯が存在しない旨を冷蔵庫5に通知させるか否かについて、情報処理端末装置100に予め設定させることができる。ステップS451においてYESであることが判定される場合にはステップS452に進み、NOであることが判定される場合にはステップS461(図15参照)に進む。
【0249】
ステップS452では、電力余剰時間帯の電力を最も効率よく消費する時間帯に基づいて除霜動作の開始時刻と除霜動作時間とが決定される。なお、ステップS452において決定される除霜動作時間は、ステップS302(図14参照)において算出された除霜動作時間以下の時間である。このようにして、冷蔵庫5の除霜動作時間に消費される電力を賄うことが可能な電力余剰時間帯が存在しない場合には、情報処理端末装置100によって推定された余剰が生じる時間帯のうちの最長の時間帯において今回の除霜動作が行われる。
【0250】
ステップS453では、ステップS452において決定された除霜動作時間が、冷蔵庫5の除霜動作として最低限の機能を果たすことが可能な基準の時間以上であるか否かが判定される。ステップS453において、基準時間以上であることが判定される場合にはステップS454に進み、基準時間未満であることが判定される場合にはステップS455に進む。
【0251】
ステップS454では、除霜動作の開始時刻の情報と、除霜動作時間の情報と、電力余剰時間帯が存在しないことを通知するための情報とが、情報処理端末装置100から冷蔵庫5に送信される(図7参照)。
【0252】
一方、ステップS455では、ステップ452において算出によって決定された除霜動作の開始時刻と除霜動作時間とのうち、除霜動作の開始時刻の情報が冷蔵庫5に送信される。なお、ステップS455では、太陽光発電装置2の発電電力の余剰分だけを仮に使用したうえで除霜動作が行われる場合に不足する量の電力が、商用電源4から供給される電力によって補われるように、情報処理端末装置100から電源切替装置3に所定の信号が送信される。
【0253】
情報処理端末装置100の決定部127(図7参照)は、判定部126により、ステップS453においてNOであることが判定される場合には、今回の除霜動作時間に消費される電力と、太陽光発電装置2の発電電力の余剰分との差の電力が、商用電源4から冷蔵庫5に供給されるように、商用電源4から供給される電力と太陽光発電装置2が発電させた電力とを電源切替装置3に切り替えさせるための信号を情報送信部122に送信する。電源切替装置3は、当該信号に基づく信号を情報送信部122から受け取る。これにより、太陽光発電装置2の発電電力の余剰分だけを仮に使用したうえで除霜動作が行われる場合に不足する量の電力を、商用電源4から冷蔵庫5に供給することができる。
【0254】
ステップS451(図16参照)において電力余剰時間帯が存在しない旨を冷蔵庫5に通知するための設定が有効でないことが判定される場合には、ステップS461(図15参照)に進む。ステップS461では、複数の家電機器のうちの少なくとも冷蔵庫5が深夜電力等の電気料金が比較的安い時間帯の電力を使用するように情報処理端末装置100が予め設定されているか否かが判定される。ステップS461において、冷蔵庫5が深夜電力を使用するように情報処理端末装置100が設定されていることが判定される場合には、ステップS462に進む。
【0255】
ステップS462では、ステップS404において推定された電力余剰時間帯に、電気料金の安い深夜時間帯が含まれているかどうかが判定される。ステップS462において、電力余剰時間帯に深夜時間帯が含まれていることが判定される場合にはステップS463に進む。
【0256】
ステップS463では、深夜時間帯に基づいて除霜動作の開始時刻が決定される。ステップS463において決定される開始時刻によれば、除霜動作が深夜時間帯から開始される。
【0257】
一方、ステップS462の判定において電力余剰時間帯に深夜時間帯が含まれていないことが判定される場合、または、ステップS461の判定において深夜電力を使用しないように情報処理端末装置100が設定されている場合には、ステップS464に進む。ステップS464では、電力余剰時間帯の電力を最も効率よく消費する時間帯に基づいて除霜動作の開始時刻が決定される。ステップS463またはステップS464において決定される除霜動作の開始時刻によれば、冷蔵庫5の除霜動作時間に消費される電力を賄うことが可能な電力余剰時間帯が存在しない場合には、情報処理端末装置100によって推定された余剰が生じる時間帯のうちの最長の時間帯において今回の除霜動作が行われる。
【0258】
なお、ステップS464では、太陽光発電装置2の発電電力の余剰分だけを仮に使用したうえで除霜動作が行われる場合に不足する量の電力が、商用電源4から供給される電力によって補われるように、情報処理端末装置100から電源切替装置3に所定の信号が送信される。このように、ステップS464において決定される除霜動作の開始時刻によれば、可能な限り多くの電力余剰時間帯の電力を利用したうえで、不足する分を商用電源4から賄うことができる。
【0259】
ステップS407では、ステップS406、ステップS463、または、ステップS464にて決定された除霜動作の開始時刻の情報が、情報処理端末装置100から冷蔵庫5に送信される(図13参照)。
【0260】
以上のように、給電システム1は、太陽光発電装置2と、洗濯乾燥機900と冷蔵庫5とテレビ6とエアコン7と照明装置8とを含む複数の家電機器と、情報処理端末装置100とを備えている。洗濯乾燥機900とテレビ6とエアコン7と照明装置8とは、他の家電機器の一例である。複数の家電機器は、少なくとも太陽光発電装置2が発電させた電力によって作動する。情報処理端末装置100は、複数の家電機器と太陽光発電装置2と通信可能であるようにネットワーク接続されている。
【0261】
情報処理端末装置100は、太陽光発電装置2の過去の発電電力量の時間的推移の情報と、他の家電機器の過去の消費電力量の時間的推移の情報とから発電電力に余剰が生じる時間帯を推定する。また、情報処理端末装置100は、推定された時間帯の結果を電力余剰時間帯情報として記憶し、冷蔵庫5が実際に除霜動作として作動する時間の情報として冷蔵庫5から受け取る除霜動作時間の情報と、電力余剰時間帯情報とに基づき、冷蔵庫5の除霜動作の開始時刻を決定する。
【0262】
給電システム1によれば、太陽光発電装置2の過去の発電電力量の時間的推移の情報と、他の家電機器の過去の消費電力量の時間的推移の情報とから、太陽光発電装置2の発電電力に余剰が生じる時間帯を推定する。また、情報処理端末装置100は、電力余剰時間帯情報と、作動時間情報としての除霜動作時間の情報とに基づき、冷蔵庫5の運転としての除霜動作の開始時刻を決定する。このように、給電システム1によれば、任意の時点の太陽光発電装置2の発電電力量のみが、冷蔵庫5の除霜動作を開始させるための判断に用いられることが無く、且つ、冷蔵庫5の除霜動作を、太陽光発電装置2の発電電力に余剰が生じる時間帯に作動させることができる。
【0263】
このようにすることにより、太陽光発電装置2が発生させた電力を効率的に利用することが可能な給電システム1を提供することができる。
【0264】
冷蔵庫5は、太陽光発電装置2の給電システムに用いられる所定の家電機器としての冷蔵庫である。作動時間情報は、冷蔵庫5が実際に除霜動作として作動する時間の情報として冷蔵庫5から受け取る除霜動作時間の情報であり、運転開始時刻は、冷蔵庫5の除霜動作の開始時刻であり、除霜動作時間の情報が、過去の除霜動作時間の情報に基づいて冷蔵庫5によって推定された除霜動作時間の情報である。
【0265】
この構成によれば、情報処理端末装置100は、過去の除霜動作時間の情報に基づいて冷蔵庫5によって推定された除霜動作時間の情報を受け取る。また、情報処理端末装置100は、除霜動作時間の情報と、電力余剰時間帯情報とに基づいて、冷蔵庫5の除霜動作の開始時刻を決定する。したがって、この構成によれば、冷蔵庫5は、太陽光発電装置2の発電電力の余剰分を用いて除霜動作を行うことができる。
【0266】
冷蔵庫5は、過去の除霜動作時間の情報に基づいて除霜動作の開始制限時刻を推定し、さらに、推定した開始制限時刻に除霜動作時間を加算することによって除霜動作の完了制限時刻を算出する。
【0267】
この構成によれば、情報処理端末装置100は、除霜動作時間の情報と、除霜動作の完了制限時刻の情報とを受け取る。そのため、冷蔵庫5は、遅くとも冷却動作に悪影響が及ぼされる可能性がある時点までに、太陽光発電装置2の発電電力の余剰分を用いた除霜動作を開始することができる。したがって、この構成によれば、太陽光発電装置2の発電電力の余剰分を用いて除霜動作が行われる場合に、除霜動作の開始時刻が時間的に後方向に変更されるときであっても、冷蔵庫5の冷却動作への影響が小さく抑えられる。
【0268】
冷蔵庫5は、冷蔵庫5の除霜動作時間に消費される電力を賄うことが可能な電力余剰時間帯が存在しない場合には、情報処理端末装置100によって推定された余剰が生じる時間帯のうちの最長の時間帯において今回の除霜動作を行い、且つ、次回の除霜動作の開始時期を通常の状態よりも繰り上げる。
【0269】
この構成によれば、冷蔵庫5の除霜動作時間に消費される電力を賄うことが可能な電力余剰時間帯が存在しない場合には、情報処理端末装置100によって推定された余剰が生じる時間帯のうちの最長の時間帯において今回の除霜動作が行われる。このように、余剰が生じる時間帯のうちの最長の時間帯において除霜動作が行われる場合には、除霜が不十分である事態が発生することが予想される。除霜が不十分である場合には、冷蔵庫5の冷却動作に悪影響が及ぼされる可能性がある。
【0270】
しかしながら、この構成によれば、冷蔵庫5の除霜動作時間に消費される電力を賄うことが可能な電力余剰時間帯が存在しない場合に、余剰が生じる時間帯のうちの最長の時間帯において除霜動作が行われるときには、次回の除霜動作の開始時期が通常の状態よりも繰り上げられる。このように、次回の除霜動作の開始時期が早められることにより、冷却動作に及ぼされる悪影響を予防することができる。
【0271】
上述のように、ステップS464とステップS452とにおいては、電力余剰時間帯の電力を最も効率よく消費する(言い換えると、太陽光発電装置2の発電電力を最も多く消費する)時間帯に基づいて除霜動作の開始時刻が決定されている。ただし、ステップS464とステップS452とにおいては、冷蔵庫5の外方の気温が最も低いことが予想される時間帯の時刻が選択されることにより、除霜動作の開始時刻が決定されていてもよい。
【0272】
なお、冷蔵庫5において、上述した除霜動作は、ヒータ527(図12参照)がオンされている状態のことを意味している。ただし、除霜動作には、ヒータ527をオンする前と、ヒータ527をオンしてからオフした後とにおいて行われる冷却動作が含まれていてもよい。
【0273】
(第3実施形態)
第3実施形態は、所定の家電機器の数が複数、すなわち一例として2の場合である。また、第3実施形態において、二つの所定の家電機器は、互いに異なる種類の家電機器である。複数の所定の家電機器の一例は、以下において説明される機器Aとしての冷蔵庫5と、機器Bとしての洗濯乾燥機900とである。以下においては、複数の所定の家電機器の運転開始時刻を決定するための制御について説明する。なお、複数の所定の家電機器の数は、3以上であってもよい。あるいは、複数の所定の家電機器の組み合わせは、洗濯乾燥機900と冷蔵庫5とに限定されず、別の機器を含む他の組み合わせであってもよい。また、複数の所定の家電機器の組み合わせは、同種の家電機器が複数含まれていてもよい(例えば、機器Aとしての家電機器と、機器Bとしての家電機器と、他の家電機器とが、それぞれ冷蔵庫5であってもよい)。
【0274】
第3実施形態において、洗濯乾燥機900の構成と冷蔵庫5の構成とは、それぞれ第1実施形態と第2実施形態とに示すものと同様であるとして、説明を省略する。また、第3実施形態において、情報処理端末装置100の構成は、第1実施形態に示す構成と、第2実施形態に示す構成とを含む。さらに、第3実施形態において、情報処理端末装置100と洗濯乾燥機900との間に実行される制御と、情報処理端末装置100と冷蔵庫5との間に実行される制御とは、それぞれ第1実施形態に示す制御と第2実施形態に示す制御とを含む。
【0275】
以下においては、図17〜20を用いて、複数の所定の家電機器が機器Aと機器Bとによって構成される場合について説明している。ただし、複数の家電機器の数が3以上であっても、および/または、複数の所定の家電機器の組み合わせが例えば冷蔵庫5と洗濯乾燥機900と以外の別の組み合わせであっても、図17〜20に示すフローチャートに従って、各所定の家電機器の運転開始時刻が情報処理端末装置100(図7参照)によって決定される。
【0276】
図17に示すように、ステップS1001において、情報処理端末装置100の情報受信部121(図7参照)は、機器Aの作動情報と機器Bの作動情報とを受信する。作動情報とは、機器が洗濯乾燥機900である場合は、洗濯乾燥機900の運転完了希望時刻の情報と作動時間情報とが含まれる。機器が冷蔵庫5である場合は、除霜動作時間の情報と完了制限時刻とが含まれる。
【0277】
ステップS1002において、現時点から機器Aと機器Bとの運転完了希望時刻および完了制限時刻までの太陽光発電装置の発電電力の時間的推移が推定される。なお、以下において、運転完了希望時刻と完了制限時刻とを合わせて完了時刻と呼ぶ。なお、現時点とは、例えば、情報処理端末装置100の情報受信部121(図7参照)に作動情報が送信されてきた時点(ステップS1001が実行された時点)をいう。
【0278】
ステップS1003において、現時点から完了時刻までの機器Aと機器Bとを除いた家電機器の使用電力の時間的推移が推定される。ステップS1004においては、ステップS1002において算出によって推定された発電電力の時間的推移と、ステップS1003において算出によって推定された使用電力の時間的推移を用いて、電力余剰時間帯(太陽光発電装置2の発電電力に余剰が生じる時間帯)を算出する。
【0279】
ステップS1005において、機器Aと機器Bとを同時に作動させることが可能な電力余剰時間帯が存在するかどうかが判定される。言い換えると、情報処理端末装置100(図7参照)は、機器Aと機器Bとを同時に作動させることが可能な程度の量の余剰が発電電力に生じる電力余剰時間帯が存在するかどうかを判断する。ステップS1005において、YESと判断される場合にはステップS1006に進み、NOと判断される場合にはステップS1007に進む。
【0280】
なお、ステップS1005においては、太陽光発電装置2の発生電力のうち、比較的大きな余剰電力が生じる時間帯が存在するかどうかが判定されている。比較的大きな余剰電力が生じる時間帯が存在しない場合には、機器Aと機器Bとを同時に作動させることが不可能であるため、機器Aの作動期間と機器Bの作動期間とが重ならないように、それぞれの機器の運転開始時刻を決定する必要がある。
【0281】
ステップS1006においては、機器Aと機器Bとを同時に作動させることを前提として機器Aと機器Bとの作動時間分の電力余剰時間帯が存在するかを判定する。言い換えると、情報処理端末装置100(図7参照)は、ステップS1005のYESの判断に用いられた電力余剰時間帯において、機器Aと機器Bとのいずれか長い方の作動時間が、当該時間帯の時間以下であるかどうかを判定する。ステップS1006において、YESと判断される場合にはステップS1009に進む。ステップS1009の詳細については、図19を用いて後述する。一方、ステップS1006において、NOと判断される場合には、ステップS1010に進む。ステップS1010の詳細については、図18を用いて後述する。
【0282】
ステップS1007においては、機器Aと機器Bとを同時に作動させないことを前提として機器Aと機器Bとの作動時間分の電力余剰時間帯が存在するかを判定する。ステップS1007において、機器Aと機器Bとの作動時間の合計が電力余剰時間帯の長さ以下であるかが判定される。ステップS1007において、YESと判断される場合にはステップS1008に進み、NOと判断される場合にはステップS1010に進む。なお、ステップS1007においてNOと判断されることは、余剰電力を用いて機器Aと機器Bとの両方を作動させることが不可能であることを意味する。
【0283】
ステップS1008において、機器Aの作動期間と機器Bの作動期間が重ならないように機器Aと機器Bとを作動させることが可能な電力余剰時間帯が存在するかどうかが判定される。言い換えると、比較的長い一つの電力余剰時間帯において、当該時間帯の時間の長さが、機器Aと機器Bとの作動時間の合計よりも長いかどうかが判定される。ステップS1008において、YESと判断される場合にはステップS1009に進み、NOと判断される場合にはステップS1010に進む。
【0284】
後述するように、ステップS1009またはステップS1010において機器A,Bの運転開始時刻が決定された後には、ステップS1011において、機器A,Bに運転開始時刻の情報が送信される。
【0285】
次に、図18を用いて、太陽光発電装置2の発電電力の余剰電力を利用する権限を優先順位に従って各機器へ割り当てるための処理(すなわち、図17に示すステップS1010)について説明する。まず、ステップS1101において、ユーザによって各機器の優先順位が予め設定されているかどうかが判断される。ステップS1101において、YESと判断される場合にはステップS1102に進み、NOと判断される場合にはステップS1103に進む。
【0286】
ステップS1102において、ユーザによって予め設定された各機器の優先順位に従って、太陽光発電装置2の余剰電力の利用権が機器Aと機器Bとに与えられる。一方、ステップS1103において、各機器の特性に応じた優先順位に従って、機器Aと機器Bとに利用権が与えられる。
【0287】
ステップS1102またはステップS1103に続いて、ステップS1104において、利用権が与えられた機器に対して、この機器の作動時間分の電力余剰時間帯が存在するかどうかが判定される。さらに、当該判定に基づいて、この機器の運転開始時刻が決定される。具体的には、例えば、利用権が与えられた機器が洗濯乾燥機900である場合には、図9に示すステップS110の定義済み処理(図10〜11参照)、または、利用権が与えられた機器が冷蔵庫5である場合には、図14に示すステップS305の定義済み処理(図15〜16参照)が、ステップS1104において実行される。ステップS1104においては、機器Aの作動時期と機器Bの作動時期とが重ならないように、機器A,Bの運転開始時刻が決定される。
【0288】
なお、例えば機器Aとしての冷蔵庫5の除霜動作は、冷蔵庫5の冷却動作の品質に大きく影響する。一方、機器Bとしての洗濯乾燥機900の作動は、ユーザが希望する運転完了時刻までに所定の運転が完了していればよいため、洗濯乾燥機900の運転開始時刻は、冷蔵庫5の除霜動作の開始時刻に比べて制約を受けない。このように、各機器の特性に応じた利用権の優先順位としては、例えば洗濯乾燥機900と冷蔵庫5との例について、冷蔵庫5の方が洗濯乾燥機900よりも優先順位が高く設定されている。このような各機器の特性に応じた優先順位の情報は、予めデータ化され且つ情報処理端末装置100の記憶部124(図7参照)に格納されている。
【0289】
なお、冷蔵庫5および洗濯乾燥機900と、それら冷蔵庫5および洗濯乾燥機900とは別の家電機器とを含む機器について、優先順位は、例えば以下のように設定される。ただし、上記のステップS1101からS1102に示すように、複数の所定の家電機器において、ユーザが設定する優先順位が優先的に用いられる。
【0290】
1番目には、制限時間が存在する機器、換言すると、完了時刻が課せられる機器、または、運転開始時刻が課せられる機器には優先的に順序が割り当てられる。つまり、1番目の要件として、制限時間が存在するかどうかが考慮される。また、2番目には、連続的に作動する必要がある機器であって、消費電力が大きい機器且つ作動時間が長い機器に対して、優先的に順序が割り当てられる。つまり、2番目の要件として、連続的に作動する必要がある機器について、消費電力が大きく且つ作動時間が長いかどうかが考慮される。
【0291】
さらに、3番目に、作動時間が長い機器に対して、優先的に順序が割り当てられる。4番目に、消費電力が大きい機器に対して、優先的に順序が割り当てられる。これらのように、3番目の要件として作動時間が長いかどうかが考慮され、4番目の要件として消費電力が大きいかどうかが考慮される。
【0292】
消費電力が大きい機器とは、例えば、エアコン7(図1参照)、洗濯乾燥機900、炊飯器、電気温水器等である。消費電力が小さい機器とは、例えば、ロボットクリーナ、空気清浄機等である。
【0293】
作動時間が短い機器とは、例えば、電気ポット等である。作動時間が長い機器とは、例えば、洗濯乾燥機900、電気温水器、エアコン7等である。
【0294】
連続的に作動する必要がある機器の例は、洗濯乾燥機900、炊飯器等である。一方、連続的に作動する必要がなく作動の途中で停止してもよい機器の例は、電気ポット、冷蔵庫5の除霜動作、エアコン7、ロボットクリーナ、電気温水器等である。
【0295】
完了時刻が課せられる機器の例は、洗濯乾燥機900、炊飯器等である。運転開始時刻が課せられる機器の例は、エアコン7等である。
【0296】
次に、図19を用いて、機器A,Bの運転開始時刻を決定するための処理(すなわち、図17に示すステップS1009)について説明する。
【0297】
ステップS1201において、機器Aと機器Bとの作動時間に消費される全ての電力を賄うことが可能な複数の電力余剰時間帯が存在するかどうかが判定される。例えば、ステップS1005およびステップS1006においてYESと判断されるような電力余剰時間帯が、2以上存在しているかどうかが判定される。あるいは、ステップS1008においてYESと判断されるような電力余剰時間帯が、2以上存在しているかどうかが判定される。ステップS1201において、YESと判断される場合にはステップS1202に進み、NOと判断される場合にはステップS1203に進む。
【0298】
ステップS1202において、機器Aの特性および機器Bの特性に応じて、複数の電力余剰時間帯のうちの最も早い時間帯、または、最も遅い時間帯に合わせるように、機器A,Bの運転開始時刻が決定される。このとき、機器A,Bが作動する期間である電力余剰時間帯の起点に機器Aもしくは機器Bの運転開始時刻が略一致するように、または、電力余剰時間帯の終点に機器Aもしくは機器Bの完了時刻が略一致するように、機器A,Bの運転開始時刻が決定されることが好ましい。
【0299】
機器A,Bのそれぞれの特性によって、機器A,Bのうち、早めに運転を完了する必要があるいずれかの機器の運転開始時刻は、機器A,Bが作動する期間である電力余剰時間帯の起点に当該機器の運転開始時刻が略一致するように決定される。一方、機器A,Bのうち、遅めに運転を完了する必要があるいずれかの機器の運転開始時刻は、機器A,Bが作動する期間である電力余剰時間帯の終点に当該機器の運転開始時刻が略一致するように決定される。
【0300】
ただし、機器A,Bにおいて、それぞれの特性に差が無い場合(つまり、機器A,Bの両方が早めに運転を完了する必要がある機器である場合、または、機器A,Bの両方が遅めに運転を完了する必要がある機器である場合)には、上記の2番目の要件である機器Aと機器Bとの消費電力の大きさの違いに基づいて、機器A,Bの運転開始時刻が決定される。あるいは、図17に示すステップS1005、S1007、および、S1008を経由してから実行されるステップS1009においても、機器Aと機器Bとの消費電力の大きさの違いに基づいて、機器A,Bの運転開始時刻が決定される。例えば、機器Aと機器Bとが共に早めに運転を完了する必要がある機器である場合は、消費電力の大きさが大きい機器の運転が先に開始される。機器Aと機器Bとが共に遅めに運転を完了する必要がある機器である場合は、消費電力の大きさが小さい機器の運転が先に開始される。このようにすることによって、機器A,Bが作動する期間である電力余剰時間帯において、余剰した電力をより多く残すことができる。
【0301】
ステップS1203において、唯一存在する電力余剰時間帯において、機器A,Bの運転開始時刻が決定される。このときも、ステップS1202と同様に、機器A,Bが作動する期間である電力余剰時間帯の起点に機器Aもしくは機器Bの運転開始時刻が略一致するように、または、電力余剰時間帯の終点に機器Aもしくは機器Bの完了時刻が略一致するように、機器A,Bの運転開始時刻が決定されることが好ましい。
【0302】
なお、最も早い時間帯または最も遅い時間帯において機器Aおよび機器Bを作動させることにより、例えば複数の所定の家電機器に含まれない他の所定の機器、または、運転開始時刻が再決定される機器Aもしくは機器Bに、比較的長い電力余剰時間帯の時間を残すことができる。また、機器A,Bが作動する期間である電力余剰時間帯において、最も早い時刻または最も遅い時刻に機器Aの運転開始時刻と機器Bの運転開始時刻とが決定されることにより、例えば複数の所定の家電機器に含まれない他の所定の機器、または、運転開始時刻が再決定される機器Aもしくは機器Bに、比較的長い電力余剰時間帯の時間を残すことができる。
【0303】
具体的には、洗濯乾燥機900について、運転完了希望時刻に最も近い時刻は、例えば最も遅い時間帯の終点である。これに鑑み、洗濯乾燥機900の運転開始時刻は、最も遅い時間帯の終点に運転完了時刻が略一致するように、決定されることが好ましい。このような機器の特性に応じた運転開始時刻の決定の要件については、予めデータ化され且つ情報処理端末装置100の記憶部124(図7参照)に格納されていることが好ましい。
【0304】
ところで、複数の家電機器の運転を開始させる時刻を決定する時期は、すべての家電機器について同時ではなく、例えば家電機器ごとに異なる場合がある。そのため、太陽光発電装置2の発電電力に余剰が生じる時間帯において、複数の所定の家電機器のうち一の所定の家電機器を運転させるように、一の所定の家電機器の運転開始時刻が先に決定される場合には、太陽光発電装置2の発電電力の余剰分を一の所定の家電機器とは別の、他の所定の家電機器が効率的に利用することができるように、一の所定の家電機器の運転開始時刻が決定されることが好ましい。
【0305】
しかしながら、太陽光発電装置2の発電電力の余剰分が不足し、または、太陽光発電装置2の発電電力に余剰が生じる時間が比較的短い場合には、運転開始時刻が後に決定される別の家電機器が、太陽光発電装置の発電力の余剰分を利用することができないような事態が生じる。一方、運転開始時刻が先に決定された家電機器の作動が開始される前には、運転開始時刻を変更することは可能である。そのため、一の所定の家電機器の運転開始時刻が決定された後に、別の所定の家電機器の運転開始時刻が決定される場合には、決定された一の所定の家電機器の運転時刻を変更することによって、一の所定の家電機器と別の所定の家電機器との双方に、太陽光発電装置2の発電電力の余剰分を利用させるように運転させることができる。
【0306】
以下、図20を用いて、第1の所定の家電機器の運転開始時刻が既に決定されていた状態において、第2の所定の家電機器の運転開始時刻を決定するための処理について、説明する。
【0307】
なお、第1の所定の家電機器とは、所定の家電機器のうち、運転開始時刻が先に決定されていた機器のことである。第2の所定の家電機器とは、所定の家電機器のうち、運転開始時刻が先に決定されていた第1の所定の家電機器よりも後に、運転開始時刻が決定される機器のことである。以下においては、機器Aが第1の所定の家電機器であり、機器Bが第2の所定の家電機器である例について述べる。
【0308】
ステップS1301において、機器Aの運転開始時刻が決定される。なお、ステップS1301が実行される時点において、機器Aは運転開始時刻を迎えていない。このように、機器Aの運転開始時刻が既に決定され、且つ、機器Aは運転開始時刻を迎えていない状態において、例えばステップS1302〜S1305が実行される。ステップS1302において、情報処理端末装置100の情報受信部121(図7参照)は、機器Bの作動情報を受信する。
【0309】
続いて、ステップS1303において、既に決定された機器Aの運転開始時刻を変更せずに機器Bの所定の作動時間に消費される電力の量を賄うことが可能な電力余剰時間帯が存在するかどうかが判定される。ステップS1303において、YESと判断される場合にはステップS1304に進み、NOと判断される場合にはステップS1002(図17参照)に進む。
【0310】
ステップS1304においては、該当する電力余剰時間帯において機器Bが作動するように、機器Bの運転開始時刻が決定される。なお、ステップS1304において実行される制御は、ステップS1009(図17参照)において機器Bに実行される制御と同様である。すなわち、ステップS1304は、ステップS1009(図17参照)つまり図19に示すフローチャートに従って実行される。
【0311】
ステップS1304に続いて、ステップS1305において、機器Bに運転開始時刻の情報が送信される。なお、ステップS1305において、変更されていない運転開始時刻の情報が、機器Aに改めて送信されていてもよい。
【0312】
ステップS1303においてNOと判断される場合には、ステップS1002(図17参照)に進む。図17に示すステップS1002以降のステップにおいて、例えば過去に送信された機器Aの作動情報に基づいて、機器Aの運転開始時刻が再度決定される。これと同時に、機器Bの運転開始時刻は、ステップS1302(図20参照)において送信された機器Bの作動情報に基づいて、ステップS1002以降のステップにおいて決定される。ステップS1002以降のステップにおいて運転開始時刻が決定された機器Bには、ステップS1009において決定された運転開始時刻が通知される。
【0313】
なお、実行される制御がステップS1303からステップS1002に進む場合において、現時点とは、例えば、情報処理端末装置100の情報受信部121(図7参照)に、機器Bの作動情報が送信されてきた時点(ステップS1302が実行された時点)であってもよい。あるいは、この現時点とは、ステップS1303の実行が開始もしくは終了した時点であってもよい。
【0314】
ステップS1002以降のステップにおいて運転開始時刻が再度決定された機器Aには、改めて決定された運転開始時刻が通知される。機器Aは、当初決定されていた運転開始時刻から改めて決定された運転開始時刻に対応することができるように構成されている。そのため、当初決定されていた運転開始時刻が変更される場合であっても、機器Aは、改めて決定された運転開始時刻から運転を開始することができる。
【0315】
なお、複数の所定の家電機器は、所定の作動時間に消費される電力量を賄うことが可能な電力余剰時間帯が存在しない場合には、消費電力の不足分を補うように、商用電源4(図1参照)から供給される電力を利用していてもよい。所定の作動時間に消費される電力量を賄うことが可能な電力余剰時間帯が存在しない場合とは、具体的に、電力余剰時間帯が比較的短い場合、または、余剰電力の発電電力量が比較的小さい場合等である。
【0316】
以上のように、太陽光発電装置2の給電システム1において、情報処理端末装置100は、複数の所定の家電機器について、互いに異なる所定の家電機器のそれぞれの作動時期の少なくとも一部同士が重なるように、複数の所定の家電機器の運転開始時刻を同時に決定する。
【0317】
このようにすることにより、太陽光発電装置2が発生させた電力において比較的大量に余剰が生じる時間帯に、複数の所定の家電機器をまとめて作動させることができる。そのため、複数の所定の家電機器をまとめて作動させる時間帯以外の時間帯において発電量に別に余剰が生じている場合には、当該時間帯に別の機器等を作動させることができる。このように、この構成によれば、太陽光発電装置2が発生させた電力を効率よく利用することができる。
【0318】
太陽光発電装置2の給電システム1において、情報処理端末装置100は、複数の所定の家電機器を同時に作動させることが可能な程度に発電電力に余剰が生じる電力余剰時間帯が存在することが判断される場合に、複数の所定の家電機器のそれぞれの作動時間が、発電電力に余剰が生じる電力余剰時間帯の時間以下であることが判断されるときには、互いに異なる所定の家電機器のそれぞれの作動時期の少なくとも一部同士が重なるように複数の所定の家電機器のそれぞれの運転開始時刻を決定する。
【0319】
このようにすることにより、太陽光発電装置2が発生させた電力において比較的大量に余剰が生じる時間帯に、複数の所定の家電機器をまとめて作動させることができる。そのため、太陽光発電装置2が発生させた電力を効率よく利用することができる。
【0320】
太陽光発電装置2の給電システムにおいて、情報処理端末装置100は、運転開始時刻が既に決定された機器Aと、機器Aの運転開始時刻が決定された後から運転開始時刻が決定される機器Bとについて、既に決定された機器Aの運転開始時刻を変更するように、且つ、機器Aの作動時期の一部と機器Bの作動時期の一部とが重なるように、機器Aの運転開始時刻および機器Bの運転開始時刻を決定する。
【0321】
情報処理端末装置100は、機器Aの運転開始時刻が既に決定された後に、機器Bの運転開始時刻を決定する場合に、既に決定された機器Aの運転開始時刻を変更せずに機器Bの所定の作動時間に消費される電力を賄うことが可能な電力余剰時間帯が存在しないことが判断されるときであって、機器Aと機器Bとを同時に作動させることが可能な程度に発電電力に余剰が生じる電力余剰時間帯が存在することが判断され、且つ、機器Aと機器Bとのそれぞれの作動時間が、発電電力に余剰が生じる電力余剰時間帯の時間以下であることが判断されるときには、既に決定された機器Aの運転開始時刻を変更するように、且つ、機器Aの作動時期の一部と機器Bの作動時期の一部とが重なるように、機器Aの運転開始時刻および機器Bの運転開始時刻を決定する。
【0322】
この構成によれば、既に決定された機器Aの運転開始時刻を変更することにより、機器Aと機器Bとを電力余剰時間帯において作動させることができる。そのため、太陽光発電装置2が発生させた電力を効率的に利用することができる。
【0323】
太陽光発電装置2の給電システム1において、情報処理端末装置100は、複数の所定の家電機器について、互いに異なる所定の家電機器のそれぞれの作動時期が重ならないように、複数の所定の家電機器の運転開始時刻を同時に決定する。
【0324】
このようにすることにより、電力余剰時間帯において発電力の余剰分が比較的小さくても、電力余剰時間帯が比較的長いときには、当該電力余剰時間帯の発電力の余剰分を第1の所定の家電機器および第2の所定の家電機器の作動に費やすことができる。そのため、太陽光発電装置2が発生させた電力を効率的に利用することができる。
【0325】
太陽光発電装置2の給電システム1において、情報処理端末装置100は、複数の所定の家電機器を同時に作動させることが可能な程度に発電電力に余剰が生じる電力余剰時間帯が存在しないことが判断される場合に、複数の所定の家電機器のそれぞれの作動時間を合わせた時間が、発電電力に余剰が生じる電力余剰時間帯の時間以下であることが判断されるときには、互いに異なる所定の家電機器のそれぞれの作動時期が重ならないように、複数の所定の家電機器のそれぞれの運転開始時刻を決定する。
【0326】
このように判断されるときは、電力余剰時間帯において発電力の余剰分が比較的小さくても、電力余剰時間帯が比較的長いときである。したがって、この構成によれば、電力余剰時間帯において発電力の余剰分が比較的小さくても、電力余剰時間帯が比較的長いときには、当該電力余剰時間帯の発電力の余剰分を第1の所定の家電機器および第2の所定の家電機器の作動に費やすことができる。そのため、太陽光発電装置2が発生させた電力を効率的に利用することができる。
【0327】
太陽光発電装置2の給電システム1において、情報処理端末装置100は、運転開始時刻が既に決定された機器Aと、機器Aの運転開始時刻が決定された後から運転開始時刻が決定される機器Bとについて、既に決定された機器Aの運転開始時刻を変更するように、且つ、機器Aの作動時期と機器Bの作動時期とが重ならないように、機器Aの運転開始時刻および機器Bの運転開始時刻を決定する。
【0328】
情報処理端末装置100は、機器Aの運転開始時刻が既に決定された後に、機器Bの運転開始時刻を決定する場合に、既に決定された機器Aの運転開始時刻を変更せずに機器Bの所定の作動時間に消費される電力を賄うことが可能な電力余剰時間帯が存在しないことが判断されるときであって、機器Aと機器Bとを同時に作動させることが可能な程度に発電電力に余剰が生じる電力余剰時間帯が存在しないことが判断され、且つ、複数の所定の家電機器のそれぞれの作動時間を合わせた時間が、発電電力に余剰が生じる電力余剰時間帯の時間以下であることが判断されるときには、既に決定された機器Aの運転開始時刻を変更するように、且つ、機器Aの作動時期と機器Bの作動時期とが重ならないように、機器Aの運転開始時刻および機器Bの運転開始時刻を決定する。
【0329】
この構成によれば、既に決定された機器Aの運転開始時刻を変更することにより、機器Aと機器Bとを電力余剰時間帯において作動させることができる。そのため、太陽光発電装置2が発生させた電力を効率的に利用することができる。
【0330】
太陽光発電装置2の給電システム1において、情報処理端末装置100は、複数の所定の家電機器のそれぞれの運転開始時刻を所定の優先順位に従って決定する。
【0331】
この構成によれば、電力余剰時間帯において発電力の余剰分が比較的小さい場合、または、電力余剰時間帯が比較的短い場合であっても、各所定の家電機器の作動の優先順位に従って、太陽光発電装置2が発生させた電力を効率的に利用することができる。
【0332】
太陽光発電装置2の給電システム1において、情報処理端末装置100は、複数の所定の家電機器を同時に作動させることが可能な程度に発電電力に余剰が生じる電力余剰時間帯が存在することが判断される場合に、複数の所定の家電機器のそれぞれの作動時間が、発電電力に余剰が生じる電力余剰時間帯の時間よりも長いことが判断されるときには、互いに異なる所定の家電機器のそれぞれの作動時期が重ならないように、複数の所定の家電機器のそれぞれの運転開始時刻を所定の優先順位に従って決定する。
【0333】
このように判断されるときは、電力余剰時間帯において発電力の余剰分が比較的大きく、且つ、電力余剰時間帯が比較的短いときである。したがって、この構成によれば、電力余剰時間帯において発電力の余剰分が比較的大きく、且つ、電力余剰時間帯が比較的短いときには、当該電力余剰時間帯の発電力の余剰分を第1の所定の家電機器および第2の所定の家電機器のうちの優先順位が高いほうの作動に費やすことができる。これにより、各所定の家電機器の作動の優先順位に従って、太陽光発電装置2が発生させた電力を効率的に利用することができる。
【0334】
太陽光発電装置2の給電システム1において、情報処理端末装置100は、運転開始時刻が既に決定された機器Aと、機器Aの運転開始時刻が決定された後から運転開始時刻が決定される機器Bとについて、既に決定された機器Aの運転開始時刻を取り消したうえで、機器Aの運転開始時刻または機器Bの運転開始時刻を所定の優先順位に従って決定する。
【0335】
情報処理端末装置100は、機器Aの運転開始時刻が既に決定された後に、機器Bの運転開始時刻を決定する場合に、既に決定された機器Aの運転開始時刻を変更せずに機器Bの所定の作動時間に消費される電力を賄うことが可能な電力余剰時間帯が存在しないことが判断されるときであって、機器Aと機器Bとを同時に作動させることが可能な程度に発電電力に余剰が生じる電力余剰時間帯が存在することが判断され、且つ、複数の所定の家電機器のそれぞれの作動時間が、発電電力に余剰が生じる電力余剰時間帯の時間よりも長いことが判断されるときには、既に決定された機器Aの運転開始時刻を取り消したうえで、機器Aの運転開始時刻または機器Bの運転開始時刻を所定の優先順位に従って決定する。
【0336】
この構成によれば、電力余剰時間帯において発電力の余剰分が比較的大きく、且つ、電力余剰時間帯が比較的短いときには、既に決定された機器Aの運転開始時刻を取り消すことにより、当該電力余剰時間帯の発電力の余剰分を機器Aおよび機器Bのうちの優先順位が高いほうの作動に費やすことができる。これにより、機器Aと機器Bとの作動の優先順位に従って、太陽光発電装置2が発生させた電力を効率的に利用することができる。
【0337】
太陽光発電装置2の給電システム1において、情報処理端末装置100は、複数の所定の家電機器を同時に作動させることが可能な程度に発電電力に余剰が生じる電力余剰時間帯が存在しないことが判断される場合に、複数の所定の家電機器のそれぞれの作動時間を合わせた時間が、発電電力に余剰が生じる電力余剰時間帯の時間よりも長いことが判断されるときには、互いに異なる所定の家電機器のそれぞれの作動時期が重ならないように、複数の所定の家電機器のそれぞれの運転開始時刻を所定の優先順位に従って決定する。
【0338】
このように判断されるときは、電力余剰時間帯において発電力の余剰分が比較的小さく、且つ、電力余剰時間帯が比較的短いときである。したがって、この構成によれば、電力余剰時間帯において発電力の余剰分が比較的小さく、且つ、電力余剰時間帯が比較的短いときには、当該電力余剰時間帯の発電力の余剰分を一の所定の家電機器および別の所定の家電機器のうちの優先順位が高いほうの作動に費やすことができる。これにより、各所定の家電機器の作動の優先順位に従って、太陽光発電装置2が発生させた電力を効率的に利用することができる。
【0339】
太陽光発電装置2の給電システム1において、情報処理端末装置100は、運転開始時刻が既に決定された機器Aと、機器Aの運転開始時刻が決定された後から運転開始時刻が決定される機器Bとについて、機器Aと機器Bとのそれぞれの作動時期が重ならないように、機器Aの運転開始時刻と機器Bの運転開始時刻とを所定の優先順位に従って決定する。
【0340】
情報処理端末装置100は、機器Aの運転開始時刻が既に決定された後に、機器Bの運転開始時刻を決定する場合に、既に決定された機器Aの運転開始時刻を変更せずに機器Bの所定の作動時間に消費される電力を賄うことが可能な電力余剰時間帯が存在しないことが判断されるときであって、機器Aと機器Bとを同時に作動させることが可能な程度に発電電力に余剰が生じる電力余剰時間帯が存在しないことが判断され、且つ、機器Aと機器Bとのそれぞれの作動時間を合わせた時間が、発電電力に余剰が生じる電力余剰時間帯の時間よりも長いことが判断されるときには、機器Aと機器Bとのそれぞれの作動時期が重ならないように、機器Aの運転開始時刻と機器Bの運転開始時刻とを所定の優先順位に従って決定する。
【0341】
この構成によれば、電力余剰時間帯において発電力の余剰分が比較的小さく、且つ、電力余剰時間帯が比較的短いときには、既に決定された機器Aの運転開始時刻を取り消すことにより、当該電力余剰時間帯の発電力の余剰分を機器Aおよび機器Bのうちの優先順位が高いほうの作動に費やすことができる。これにより、機器Aと機器Bとの作動の優先順位に従って、太陽光発電装置2が発生させた電力を効率的に利用することができる。
【0342】
太陽光発電装置2の給電システム1において、所定の優先順位は、予めユーザによって設定される。
【0343】
このようにすることにより、ユーザによって設定された順に沿って、太陽光発電装置2が発生させた電力の余剰分を所定の家電機器から順に効率よく利用することができる。
【0344】
太陽光発電装置2の給電システム1において、所定の優先順位は、複数の所定の家電機器において、所定の作動時間に消費される電力が大きい機器から小さい機器の順である。
【0345】
このようにすることにより、消費電力が大きい順に沿って、太陽光発電装置2が発生させた電力の余剰分を所定の家電機器から順に効率よく利用することができる。
【0346】
太陽光発電装置2の給電システム1において、情報処理端末装置100は、発電電力に余剰が生じる電力余剰時間帯の起点に所定の家電機器の運転開始時刻が略一致するように、あるいは、発電電力に余剰が生じる電力余剰時間帯の終点に所定の家電機器の運転完了時刻が略一致するように、所定の家電機器の運転開始時刻を決定する。
【0347】
この構成によれば、電力余剰時間帯の起点から所定の家電機器の作動を開始させる場合には、当該所定の家電機器の運転終了後の比較的長い時間帯において、発電電力の余剰分を残すことができる。一方、電力余剰時間帯の終点に所定の家電機器の運転終了時間を合わせる場合には、当該所定の家電機器の運転開始前の比較的長い時間帯において、発電電力の余剰分を残すことができる。このように、この構成によれば、後に運転開始時刻が決定される所定の家電機器が電力余剰時間帯における発電量の余剰分を利用しやすくなる。そのため、太陽光発電装置2が発生させた電力を効率的に利用することができる。
【0348】
太陽光発電装置2の給電システム1において、情報処理端末装置100は、所定の家電機器の特性に応じて所定の家電機器の運転開始時刻を決定する。
【0349】
このようにすることにより、所定の家電機器の特性に応じて、発電電力に余剰が生じる電力余剰時間帯の起点に所定の家電機器の運転開始時刻が略一致するように、または、発電電力に余剰が生じる電力余剰時間帯の終点に所定の家電機器の運転完了時刻が略一致するように、所定の家電機器の運転開始時刻を決定することができる。このように、この構成によれば、太陽光発電装置2が発生させた電力を効率的に利用することができ、且つ、電力余剰時間帯において所定の家電機器を当該家電機器の特性に応じて運転させることができる。
【0350】
太陽光発電装置2の給電システム1において、所定の家電機器は、洗濯乾燥機900である。太陽光発電装置2の給電システム1において、情報処理端末装置100は、発電電力に余剰が生じる電力余剰時間帯の終点に洗濯乾燥機900の運転完了時刻が略一致するように、洗濯乾燥機900の運転開始時刻を決定する。
【0351】
洗濯乾燥機900の運転は、ユーザが希望した時刻に対してなるべく近い時間に完了させる。この構成のように、発電電力に余剰が生じる電力余剰時間帯の終点に洗濯乾燥機900の運転完了時刻が略一致するように、情報処理端末装置100が洗濯乾燥機900の運転開始時刻を決定することにより、ユーザが希望した時刻に近い時間に、洗濯乾燥機900の運転を完了させることができる。すなわち、この構成によれば、洗濯乾燥機900の利便性を向上させることができる。
【0352】
以上に開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考慮されるべきである。本発明の範囲は、以上の実施の形態ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての修正と変形を含むものである。
【符号の説明】
【0353】
1:給電システム、2:太陽光発電装置、3:電源切替装置、5:冷蔵庫、100:情報処理端末装置、121:情報受信部、122:情報送信部、123:演算部、124:記憶部、126:判定部、127:決定部、900:洗濯乾燥機、910:表示部、932:回転ドラム、950:制御部、951:記憶部、953:情報送信部、957:容量検知部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
太陽光発電装置と、
少なくとも前記太陽光発電装置が発電させた電力によって作動し、所定の家電機器と前記所定の家電機器以外の他の家電機器とを含む複数の家電機器と、
前記複数の家電機器と前記太陽光発電装置とが通信可能であるようにネットワーク接続され、前記太陽光発電装置の過去の発電電力量の時間的推移の情報と、前記他の家電機器の過去の消費電力量の時間的推移の情報とから発電電力に余剰が生じる時間帯を推定し、推定された時間帯の結果を電力余剰時間帯情報として記憶し、前記所定の家電機器が実際に作動する時間の情報として前記所定の家電機器から受け取る作動時間情報と、前記電力余剰時間帯情報とに基づいて前記所定の家電機器の運転開始時刻を決定する情報処理端末装置とを備えた、太陽光発電装置の給電システム。
【請求項2】
前記情報処理端末装置によって決定された前記運転開始時刻、または、前記運転開始時刻と前記作動時間情報とに対応した前記所定の家電機器の運転完了時刻を、前記情報処理端末装置または前記所定の家電機器に表示させる、
請求項1に記載の太陽光発電装置の給電システム。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の太陽光発電装置の給電システムに用いられる前記所定の家電機器としての洗濯乾燥機であって、
制御部と、被洗浄対象物を収容する収容槽とを備え、
前記制御部は、
前記収容槽に収容される被洗浄対象物の容量を検知する容量検知部と、
当該洗濯乾燥機の複数の運転モードと、前記容量検知部によって検知された被洗浄対象物の容量または前記各運転モードに応じて設定された前記作動時間情報とを記憶する記憶部と、
前記記憶部に記憶された前記作動時間情報のうち、前記容量検知部によって検知された被洗浄対象物の容量または前記各運転モードに対応した前記作動時間情報を前記情報処理端末装置に送信する情報送信部とを有している、洗濯乾燥機。
【請求項4】
前記情報処理端末装置によって決定された前記運転開始時刻、または、前記運転開始時刻と前記作動時間情報とに対応した当該洗濯乾燥機の運転完了時刻を表示する表示部をさらに備えた、請求項3に記載の洗濯乾燥機。
【請求項5】
請求項1または請求項2に記載の太陽光発電装置の給電システムに用いられる情報処理端末装置であって、
前記太陽光発電装置の過去の発電電力量の時間的推移の情報と、前記他の家電機器の過去の消費電力量の時間的推移の情報とから発電電力に余剰が生じる時間帯を推定する推定部と、
前記推定部によって推定された時間帯の結果を前記電力余剰時間帯情報として記憶する記憶部と、
前記所定の家電機器から前記作動時間情報を受け取る情報受信部と、
前記情報受信部が受け取った前記作動時間情報と、前記記憶部が記憶した前記電力余剰時間帯情報とに基づき、前記所定の家電機器の所定の作動時間に消費される電力を賄うことが可能な電力余剰時間帯が存在するか否かを判定する判定部と、
前記判定部の判定結果に基づいて、前記所定の家電機器の運転開始時刻を決定する決定部とを有する、情報処理端末装置。
【請求項6】
前記情報受信部は、前記作動時間情報として、使用者が希望する運転完了希望時刻の情報を前記所定の家電機器からさらに受け取り、
前記判定部は、前記情報受信部が受け取った運転完了希望時刻の情報を含む前記作動時間情報と、前記記憶部が記憶した前記電力余剰時間帯情報とに基づき、前記所定の家電機器の所定の作動時間に消費される電力を賄うことが可能な電力余剰時間帯が前記運転完了希望時刻までに存在するか否かを判定する、請求項5に記載の情報処理端末装置。
【請求項7】
前記決定部によって決定された前記運転開始時刻、または、前記運転開始時刻と前記作動時間情報とに対応した前記所定の家電機器の運転完了時刻を、前記所定の家電機器に表示させる、請求項5または請求項6に記載の情報処理端末装置。
【請求項8】
前記判定部により、前記所定の家電機器の所定の作動時間に消費される電力を賄うことが可能な電力余剰時間帯が存在しないことが判定される場合には、前記所定の家電機器に、作動時間が短縮された運転を実行させる、
請求項5から請求項7までのいずれか1項に記載の情報処理端末装置。
【請求項9】
請求項5から請求項8までのいずれか1項に記載の情報処理端末装置と通信可能であるようにネットワーク接続された前記所定の家電機器としての洗濯乾燥機であって、
制御部と、被洗浄対象物を収容する収容槽とを備え、
前記制御部は、
前記収容槽に収容される被洗浄対象物の容量を検知する容量検知部と、
当該洗濯乾燥機の複数の運転モードと、前記容量検知部によって検知された被洗浄対象物の容量または前記各運転モードに応じて設定された前記作動時間情報とを記憶する記憶部と、
前記記憶部に記憶された前記作動時間情報のうち、前記容量検知部によって検知された被洗浄対象物の容量または前記各運転モードに対応した前記作動時間情報を前記情報処理端末装置に送信する情報送信部とを有し、
前記情報処理端末装置の前記判定部により、当該洗濯乾燥機の所定の作動時間に消費される電力を賄うことが可能な電力余剰時間帯が存在しないことが判定される場合には、作動時間が短縮された運転を実行する、洗濯乾燥機。
【請求項10】
当該太陽光発電装置の給電システムは、前記複数の家電機器が使用する電力を、商用電源から供給される電力と前記太陽光発電装置が発電させた電力とのいずれかまたは両方に切り替える電源切替装置をさらに備え、
前記決定部は、前記判定部により、前記所定の家電機器の所定の作動時間に消費される電力を賄うことが可能な電力余剰時間帯が存在しないことが判定される場合には、前記所定の作動時間に消費される電力と、前記太陽光発電装置の発電電力の余剰分との差の電力が、商用電源から前記所定の家電機器に供給されるように、商用電源から供給される電力と前記太陽光発電装置が発電させた電力とを前記電源切替装置に切り替えさせる、
請求項5から請求項7までのいずれか1項に記載の情報処理端末装置。
【請求項11】
商用電源から供給される電力の時間帯には、通常の時間帯の電力単価よりも安い電力単価が設定された時間帯である深夜時間帯が含まれ、
前記決定部は、前記判定部により、前記所定の家電機器の所定の作動時間に消費される電力を賄うことが可能な電力余剰時間帯が存在しないことが判定される場合には、前記所定の家電機器に商用電源から電力が供給されるように、商用電源から供給される電力と前記太陽光発電装置が発電させた電力とを前記電源切替装置に切り替えさせ、且つ、前記所定の家電機器に深夜時間帯の電力を使用させる、
請求項10に記載の情報処理端末装置。
【請求項12】
請求項1に記載の太陽光発電装置の給電システムに用いられる前記所定の家電機器としての冷蔵庫であって、
前記作動時間情報は、当該冷蔵庫が実際に除霜動作として作動する時間の情報として当該冷蔵庫から受け取る除霜動作時間の情報であり、
前記運転開始時刻は、当該冷蔵庫の除霜動作の開始時刻であり、
前記除霜動作時間の情報が、過去の除霜動作時間の情報に基づいて当該冷蔵庫によって推定された除霜動作時間の情報である、冷蔵庫。
【請求項13】
当該冷蔵庫は、過去の除霜動作時間の情報に基づいて除霜動作の開始制限時刻を推定し、さらに、推定した前記開始制限時刻に前記除霜動作時間を加算することによって除霜動作の完了制限時刻を算出する、請求項12に記載の冷蔵庫。
【請求項14】
当該冷蔵庫は、当該冷蔵庫の除霜動作時間に消費される電力を賄うことが可能な電力余剰時間帯が存在しない場合には、前記情報処理端末装置によって推定された余剰が生じる時間帯のうちの最長の時間帯において今回の除霜動作を行い、且つ、次回の除霜動作の開始時期を通常の状態よりも繰り上げる、請求項12または請求項13に記載の冷蔵庫。
【請求項15】
前記情報処理端末装置は、複数の前記所定の家電機器について、互いに異なる前記所定の家電機器のそれぞれの作動時期の少なくとも一部同士が重なるように、複数の前記所定の家電機器の運転開始時刻を同時に決定する、
請求項1に記載の太陽光発電装置の給電システム。
【請求項16】
前記情報処理端末装置は、複数の前記所定の家電機器を同時に作動させることが可能な程度に発電電力に余剰が生じる電力余剰時間帯が存在することが判断される場合に、複数の前記所定の家電機器のそれぞれの作動時間が、発電電力に余剰が生じる電力余剰時間帯の時間以下であることが判断されるときには、互いに異なる前記所定の家電機器のそれぞれの作動時期の少なくとも一部同士が重なるように複数の前記所定の家電機器のそれぞれの運転開始時刻を決定する、
請求項15に記載の太陽光発電装置の給電システム。
【請求項17】
運転開始時刻が既に決定された少なくとも一つの第1の前記所定の家電機器と、第1の前記所定の家電機器の運転開始時刻が決定された後から運転開始時刻が決定される第2の前記所定の家電機器とについて、前記情報処理端末装置は、
第1の前記所定の家電機器の運転開始時刻が既に決定された後に、第2の前記所定の家電機器の運転開始時刻を決定する場合に、既に決定された第1の前記所定の家電機器の運転開始時刻を変更せずに第2の前記所定の家電機器の所定の作動時間に消費される電力を賄うことが可能な電力余剰時間帯が存在しないことが判断されるときであって、第1の前記所定の家電機器と第2の前記所定の家電機器とを同時に作動させることが可能な程度に発電電力に余剰が生じる電力余剰時間帯が存在することが判断され、且つ、第1の前記所定の家電機器と第2の前記所定の家電機器とのそれぞれの作動時間が、発電電力に余剰が生じる電力余剰時間帯の時間以下であることが判断されるときには、既に決定された第1の前記所定の家電機器の運転開始時刻を変更するように、且つ、第1の前記所定の家電機器の作動時期の一部と第2の前記所定の家電機器の作動時期の一部とが重なるように、第1の前記所定の家電機器の運転開始時刻および第2の前記所定の家電機器の運転開始時刻を決定する、
請求項15または請求項16に記載の太陽光発電装置の給電システム。
【請求項18】
前記情報処理端末装置は、複数の前記所定の家電機器について、互いに異なる前記所定の家電機器のそれぞれの作動時期が重ならないように、複数の前記所定の家電機器の運転開始時刻を同時に決定する、
請求項1に記載の太陽光発電装置の給電システム。
【請求項19】
前記情報処理端末装置は、複数の前記所定の家電機器を同時に作動させることが可能な程度に発電電力に余剰が生じる電力余剰時間帯が存在しないことが判断される場合に、複数の前記所定の家電機器のそれぞれの作動時間を合わせた時間が、発電電力に余剰が生じる電力余剰時間帯の時間以下であることが判断されるときには、互いに異なる前記所定の家電機器のそれぞれの作動時期が重ならないように、複数の前記所定の家電機器のそれぞれの運転開始時刻を決定する、
請求項18に記載の太陽光発電装置の給電システム。
【請求項20】
運転開始時刻が既に決定された少なくとも一つの第1の前記所定の家電機器と、第1の前記所定の家電機器の運転開始時刻が決定された後から運転開始時刻が決定される第2の前記所定の家電機器とについて、前記情報処理端末装置は、
第1の前記所定の家電機器の運転開始時刻が既に決定された後に、第2の前記所定の家電機器の運転開始時刻を決定する場合に、既に決定された第1の前記所定の家電機器の運転開始時刻を変更せずに第2の前記所定の家電機器の所定の作動時間に消費される電力を賄うことが可能な電力余剰時間帯が存在しないことが判断されるときであって、第1の前記所定の家電機器と第2の前記所定の家電機器とを同時に作動させることが可能な程度に発電電力に余剰が生じる電力余剰時間帯が存在しないことが判断され、且つ、複数の前記所定の家電機器のそれぞれの作動時間を合わせた時間が、発電電力に余剰が生じる電力余剰時間帯の時間以下であることが判断されるときには、既に決定された第1の前記所定の家電機器の運転開始時刻を変更するように、且つ、第1の前記所定の家電機器の作動時期と第2の前記所定の家電機器の作動時期とが重ならないように、第1の前記所定の家電機器の運転開始時刻および第2の前記所定の家電機器の運転開始時刻を決定する、請求項18または請求項19に記載の太陽光発電装置の給電システム。
【請求項21】
前記情報処理端末装置は、複数の前記所定の家電機器のそれぞれの運転開始時刻を所定の優先順位に従って決定する、請求項18に記載の太陽光発電装置の給電システム。
【請求項22】
前記情報処理端末装置は、複数の前記所定の家電機器を同時に作動させることが可能な程度に発電電力に余剰が生じる電力余剰時間帯が存在することが判断される場合に、複数の前記所定の家電機器のそれぞれの作動時間が、発電電力に余剰が生じる電力余剰時間帯の時間よりも長いことが判断されるときには、互いに異なる前記所定の家電機器のそれぞれの作動時期が重ならないように、複数の前記所定の家電機器のそれぞれの運転開始時刻を所定の優先順位に従って決定する、
請求項21に記載の太陽光発電装置の給電システム。
【請求項23】
運転開始時刻が既に決定された少なくとも一つの第1の前記所定の家電機器と、第1の前記所定の家電機器の運転開始時刻が決定された後から運転開始時刻が決定される第2の前記所定の家電機器とについて、前記情報処理端末装置は、
第1の前記所定の家電機器の運転開始時刻が既に決定された後に、第2の前記所定の家電機器の運転開始時刻を決定する場合に、既に決定された第1の前記所定の家電機器の運転開始時刻を変更せずに第2の前記所定の家電機器の所定の作動時間に消費される電力を賄うことが可能な電力余剰時間帯が存在しないことが判断されるときであって、第1の前記所定の家電機器と第2の前記所定の家電機器とを同時に作動させることが可能な程度に発電電力に余剰が生じる電力余剰時間帯が存在することが判断され、且つ、複数の前記所定の家電機器のそれぞれの作動時間が、発電電力に余剰が生じる電力余剰時間帯の時間よりも長いことが判断されるときには、既に決定された第1の前記所定の家電機器の運転開始時刻を取り消したうえで、第1の前記所定の家電機器の運転開始時刻または第2の前記所定の家電機器の運転開始時刻を所定の優先順位に従って決定する、請求項21または請求項22に記載の太陽光発電装置の給電システム。
【請求項24】
前記情報処理端末装置は、複数の前記所定の家電機器を同時に作動させることが可能な程度に発電電力に余剰が生じる電力余剰時間帯が存在しないことが判断される場合に、複数の前記所定の家電機器のそれぞれの作動時間を合わせた時間が、発電電力に余剰が生じる電力余剰時間帯の時間よりも長いことが判断されるときには、互いに異なる前記所定の家電機器のそれぞれの作動時期が重ならないように、複数の前記所定の家電機器のそれぞれの運転開始時刻を所定の優先順位に従って決定する、
請求項21または請求項22に記載の太陽光発電装置の給電システム。
【請求項25】
運転開始時刻が既に決定された少なくとも一つの第1の前記所定の家電機器と、第1の前記所定の家電機器の運転開始時刻が決定された後から運転開始時刻が決定される第2の前記所定の家電機器とについて、前記情報処理端末装置は、
第1の前記所定の家電機器の運転開始時刻が既に決定された後に、第2の前記所定の家電機器の運転開始時刻を決定する場合に、既に決定された第1の前記所定の家電機器の運転開始時刻を変更せずに第2の前記所定の家電機器の所定の作動時間に消費される電力を賄うことが可能な電力余剰時間帯が存在しないことが判断されるときであって、第1の前記所定の家電機器と第2の前記所定の家電機器とを同時に作動させることが可能な程度に発電電力に余剰が生じる電力余剰時間帯が存在しないことが判断され、且つ、複数の前記所定の家電機器のそれぞれの作動時間を合わせた時間が、発電電力に余剰が生じる電力余剰時間帯の時間よりも長いことが判断されるときには、互いに異なる前記所定の家電機器のそれぞれの作動時期が重ならないように、複数の前記所定の家電機器のそれぞれの運転開始時刻を所定の優先順位に従って決定する、
請求項21または請求項22に記載の太陽光発電装置の給電システム。
【請求項26】
前記所定の優先順位は、予めユーザによって設定される、
請求項21から請求項25までのいずれか1項に記載の太陽光発電装置の給電システム。
【請求項27】
前記所定の優先順位は、複数の前記所定の家電機器において、所定の作動時間に消費される電力が大きい機器から小さい機器の順である、
請求項21から請求項25までのいずれか1項に記載の太陽光発電装置の給電システム。
【請求項28】
前記情報処理端末装置は、発電電力に余剰が生じる電力余剰時間帯の起点に前記所定の家電機器の運転開始時刻が略一致するように、あるいは、発電電力に余剰が生じる電力余剰時間帯の終点に前記所定の家電機器の運転完了時刻が略一致するように、前記所定の家電機器の運転開始時刻を決定する、請求項1または請求項15から請求項27までのいずれか1項に記載の太陽光発電装置の給電システム。
【請求項29】
前記情報処理端末装置は、前記所定の家電機器の特性に応じて前記所定の家電機器の運転開始時刻を決定する、請求項28に記載の太陽光発電装置の給電システム。
【請求項30】
前記所定の家電機器は洗濯乾燥機であって、
前記情報処理端末装置は、発電電力に余剰が生じる電力余剰時間帯の終点に前記洗濯乾燥機の運転完了時刻が略一致するように、前記洗濯乾燥機の運転開始時刻を決定する、
請求項28に記載の太陽光発電装置の給電システム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2013−70593(P2013−70593A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−102193(P2012−102193)
【出願日】平成24年4月27日(2012.4.27)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】