説明

太陽入熱を用いて熱化学プロセスを行う反応器、ならびに関連するシステムおよび方法

太陽入熱を用いて熱化学プロセスを行う反応器、ならびにその関連システムおよび方法。特定の実施形態によるシステムは、反応領域を有する反応器と、反応体領域と流体連通して結合された反応体供給源と、太陽エネルギーを焦点域に導くように配置可能な少なくとも1つの集中装置面を有する太陽エネルギー集中装置とを備える。システムは、太陽エネルギー集中装置に結合され太陽エネルギー集中装置を太陽に対して移動させるアクチュエータと、アクチュエータに動作可能に結合されたコントローラとをさらに備え得る。コントローラは、実行時、太陽エネルギーが閾値を上回るとき、アクチュエータに指示して太陽エネルギー集中装置を、太陽エネルギーを反応領域上に集束させるように配置し、太陽エネルギーが閾値を下回るとき、アクチュエータに指示して太陽エネルギー集中装置を、放射エネルギーが比較的小さい空中の場所に向くように配置して焦点域に配置された対象物を冷却する命令でプログラムすることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2010年2月13日に出願され、参照により本明細書に援用される係属中の米国特許仮出願第61/304,403号明細書の優先権を主張する。前述の出願および/または参照により本明細書に援用される範囲までいずれの他の資料も本明細書に示された開示と矛盾する場合には、本明細書の開示が優先する。
【0002】
本技術は、一般に、太陽入熱を用いて熱化学プロセスを行う反応器、ならびにそれに関連するシステムおよび方法を対象とする。特定の実施形態では、そのような反応器は、広く様々な原料から清浄燃焼性水素ベース燃料を生成するために使用することができ、水素ベースの燃料を形成するとき放出される炭素および/または他の元素から構造構築ブロックを生成することができる。
【背景技術】
【0003】
太陽エネルギー、風、波、落下水、およびバイオマスをベースとした供給源などの再生可能エネルギー供給源は、重要なエネルギー供給源として極めて大きな可能性を有するが、現時点では、広く採用されるのを妨げる様々な問題を抱えている。たとえば、発電への再生可能エネルギー供給源の使用は、その供給源の利用可能性に依存しており、それは間欠的であり得る。とりわけ、太陽エネルギーは陽光の利用可能性によって制約され(すなわち日中のみ)、風エネルギーは風の変動性によって制約され、落下水エネルギーは渇水によって制約され、バイオマスエネルギーは季節的変化によって制約される。これらおよび他の要因の結果として、再生可能供給源からの、捕捉されまたは捕捉されなかった多量のエネルギーが、無駄になりやすい。
【0004】
エネルギーの捕捉および保存に関する前述の非効率性は、それらがしばしばエネルギー生成の高コスト化をもたらすので、世界の多くの地域にとって存続可能なエネルギー供給体へと再生可能エネルギー供給源が拡張することを制約している。したがって、少なくとも部分的には、化石燃料に関連する技術開発を支援する政府の助成金および他のプログラムが、そのような燃料を使用することを一見好都合で見かけ上費用が掛からないとするので、世界は、主要なエネルギー供給源として石油および他の化石燃料に頼り続ける。同時に、使い果たされた資源に対する代替コスト、ならびに環境劣化、健康への影響、および化石燃料使用による他の副産物についてのコストは、これら燃料から生じるエネルギーの購入価格に含まれていない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
再生可能エネルギーを継続的に生成することに現時点で関連する前述および他の欠点を考慮すると、上記資源により製品および燃料を製造することに関する効率および商業的成立性を改善する必要性が残る。
【課題を解決するための手段】
【0006】
1.概要
太陽エネルギーによって引き起こされる反応を行う装置、システム、および方法のいくつかの例が以下に説明される。特定の実施形態による反応器は、作動の一段階中に太陽エネルギーを収集し、作動の別の段階中にその収集装置を使用して熱を遮断することができる。そのような反応器は、水素燃料および/または他の有用な最終製品を製造するために使用することができる。したがって、反応器は清浄燃焼性燃料を生成することができ、ポリマーおよび炭素複合材を含む耐久財に使用するために、炭素および/または他の成分を再利用することができる。以下の説明は、当業者がそれらの例を実施し、製作し、使用することを可能にするために十分なように、下記の例の多くの特定の細部を示すが、以下に説明されるいくつかの細部および利点は、本技術の特定の例を実施するために必要ないこともある。さらに、本技術は、特許請求の範囲には包含されるが、ここでは詳細には説明されていない別の例も含み得る。
【0007】
この明細書を通して「一例」、「例」、「一実施形態」、または「実施形態」という言及は、その例に関連して説明されている特定の特徴、構造、プロセス、または特性が、本技術の少なくとも1つの例に含まれていることを意味する。したがって、この明細書を通して様々な箇所で語句「一例では」、「例では」、「一実施形態」、または「実施形態」が現れたとき、必ずしもすべてが同じ例を指す訳ではない。さらに、特定の特徴、構造、ルーチン、ステップ、または特性は、本技術の1つまたは複数の例において任意の適切な態様で組み合わせることができる。本明細書で示される見出しは、単に便宜的なものであり、特許請求の範囲に記載された技術の範囲または趣旨を限定または説明するものではない。
【0008】
以下に説明される本技術のいくつかの実施形態は、プログラマブルコンピュータまたはコントローラによって実行されるルーチンを含めて、コンピュータで実行可能な命令の形態を取ることができる。当業者は、本技術が、以下に示され説明されるもの以外のコンピュータまたはコントローラシステム上でも実施することができることを理解するであろう。本技術は、以下に説明される1つまたは複数のコンピュータで実行可能な命令を実行するように固有にプログラムされ、構成され、または構築された専用コンピュータ、コントローラ、またはデータプロセッサで具体化することができる。したがって、本明細書に全般的に使用されている用語「コンピュータ」および「コントローラ」は、あらゆるデータプロセッサを指し、インターネット機器、ハンドヘルドデバイス、多重プロセッサシステム、プログラマブルコンシューマエレクトロニクス(programmable consumer electronics)、ネットワークコンピュータ、ミニコンピュータなどを含み得る。本技術はまた、タスクまたはモジュールが、通信ネットワークを介してリンクされているリモートプロセッシングデバイス(remote processing device)によって実行される分散環境で実施することもできる。以下に説明される本技術の態様は、磁気もしくは光学的可読コンピュータディスクまたは磁気もしくは光学的リムーバブルコンピュータディスク、ならびにネットワーク上で電子的に分散された媒体を含めて、コンピュータ可読媒体上に記憶しまたは分散処理することができる。特定の実施形態では、本技術の態様に特有のデータ構造、およびデータ伝送もまた、本技術の範囲に包含される。本技術は、特定のステップを実施するためにコンピュータ可読媒体をプログラムする方法、ならびにそれらステップを実行する方法を共に包含する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本開示技術の実施形態によって構成された太陽エネルギー集中装置を有するシステムの部分的に概略化された部分断面図である。
【図2】本開示の実施形態による、太陽エネルギー集中装置が冷却プロセスにおいてエネルギーを射出するように構成された図1に示すシステムの実施形態の部分的に概略化された部分断面図である。
【図3】本開示の実施形態による、移動可能な太陽エネルギー集中装置パラボラアンテナを有するシステムの部分的に概略化された部分断面図である。
【図4】本開示の実施形態による、トラフ状の太陽エネルギー集中装置を有するシステムの部分的に概略化された等角図である。
【図5】本開示の実施形態による、フレネルレンズ集中装置を有するシステムの部分概略図である。
【図6】本技術の実施形態によって構成された放射制御構造体および再方向付け構成要素を有する反応器の部分概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
特定の実施形態による反応器システムは、反応領域を有する反応器と、反応領域と流体連結して結合された反応体供給源と、太陽エネルギーを焦点域に導くように配置可能な少なくとも1つの集中装置面を有する太陽エネルギー集中装置とを備える。システムは、太陽エネルギー集中装置に結合され太陽エネルギー集中装置を太陽に対して移動させるアクチュエータと、アクチュエータに動作可能に結合されその作動を制御するコントローラとをさらに備え得る。コントローラは、実行時、太陽エネルギーが閾値を上回るとき(たとえば日中)、アクチュエータに指示して太陽エネルギー集中装置を、太陽エネルギーを反応領域に集中させるように配置する命令でプログラムすることができる。太陽エネルギーが閾値を下回るとき、コントローラは、アクチュエータに指示して太陽エネルギー集中装置を、放射エネルギーが比較的小さい空中の場所に向くように配置して焦点域に配置された対象物を冷却することができる。
【0011】
本技術の別の実施形態によるシステムは、反応器と、反応体供給源と、太陽エネルギー集中装置と、太陽エネルギー集中装置に結合され太陽エネルギー集中装置を太陽に対して移動させる第1のアクチュエータとを備える。システムは、太陽エネルギー集中装置の集中装置面とその関連する焦点域との間に配置された放射制御構造体をさらに備え得る。放射制御構造体は、第1の表面と、第1の表面から外方を向く第2の表面とを有し、その各々は異なる吸収率および射出率を有する。特に、第1の表面は、第1の放射エネルギー吸収率および第1の放射エネルギー射出率を有し得、第2の表面は、第1の放射エネルギー吸収率より小さい第2の放射エネルギー吸収率と、第1の放射エネルギー射出率より大きい第2の放射エネルギー射出率とを有し得る。システムは、放射制御構造体に結合されこの構造体を、第1の表面が集中装置面方向に面する第1の形状から、また第2の表面が集中装置面方向に面する第2の形状から変化させる第2のアクチュエータをさらに備え得る。特定の実施形態では、システムは、太陽エネルギー集中装置によって導かれた太陽エネルギーのレベルに応じて放射制御構造体の作動を指示するコントローラもまたさらに備え得る。
【0012】
本技術の特定の実施形態による方法は、太陽エネルギー集中装置を用いて太陽エネルギーを集中させるステップと、集中させた太陽エネルギーを太陽エネルギー集中装置の焦点域に配置された反応領域に導くステップと、反応領域において、集中させた太陽エネルギーを用いて水素供与体を解離生成物に解離するステップとを含む。その方法は、解離生成物から、構造構築ブロック(炭素、窒素、ホウ素、珪素、硫黄、および遷移金属をベースとする)の少なくとも1つおよび水素ベース燃料を供給するステップをさらに含み得る。さらなる特定の実施形態では、その方法は、太陽エネルギーが閾値を上回るか、または下回るかに応じて異なる動作を行うステップをさらに含み得る。たとえば、太陽エネルギーが閾値を上回るとき、これを反応領域に導くことができ、太陽エネルギーが閾値を下回るとき、太陽エネルギー集中装置を太陽からそらして、放射エネルギーが比較的小さい空中の場所に向け、構造構築ブロックおよび/または水素ベース燃料を冷却することができる。
【0013】
2.代表的反応器および関連する方法
図1は、本技術の特定の実施形態による太陽エネルギー集中装置120に結合された反応器110を有するシステム100の部分的に概略化された部分断面図である。この実施形態の一態様では、太陽エネルギー集中装置120は、台座122に装着されたパラボラアンテナ121を備える。パラボラアンテナ121は、入射太陽エネルギー126を受け取る集中装置面123を備え得、太陽エネルギーを集束された太陽エネルギー127として焦点域124方向に導く。パラボラアンテナ121は、地球が自転するにつれて太陽エネルギー126を効率的に集束するために少なくとも2つの直交軸の周りでパラボラアンテナ121を移動させる集中装置アクチュエータ125に結合することができる。以下にさらに詳細に説明されるように、集中装置アクチュエータ125はまた、冷却作動中、パラボラアンテナ121を太陽からそむけるように意図的に配置するように構成することもできる。
【0014】
反応器110は、第1の反応領域111aおよび第2の反応領域111bとして図1に示される1つまたは複数の反応領域111を備え得る。特定の実施形態では、第1の反応領域111aは、集束された太陽エネルギー127を受け取り、解離反応または他の吸熱反応を容易にするために焦点域124に配置される。したがって、システム100は、反応体を反応器110に供給し、反応器110から受け取った生成物を収集する分散/収集システム140をさらに備え得る。この実施形態の一態様では、分散/収集システム140は、反応体を第1の反応領域111aへ導く反応体供給源141と、反応器110から生成物を収集する1つまたは複数の生成物収集器142(図1には、第1の生成物収集器142aおよび第2の生成物収集器142bとして2つが示されている)とを備える。反応器110が単一の反応領域(たとえば第1の反応領域111a)を備えるとき、生成物収集器142a、142bは、第1の反応領域111aから生成物を直接収集することができる。別の実施形態では、第1の反応領域111aで生成された中間生成物が、第2の反応領域111bに導かれる。第2の反応領域11bでは、中間生成物は発熱反応を受けることができ、結果として生じた生成物は、次いで、生成物流路154に沿って生成物収集器142a、142bへ送出される。たとえば、代表的実施形態では、反応体供給源141は、一酸化炭素および水素を生成するために、第1の反応領域111aに(たとえば個々に制御される方法で)供給され加熱されるメタンおよび二酸化炭素を含み得る。一酸化炭素および水素は、次いで、第2の反応領域111bに供給され、発熱反応においてメタノールを生成する。この装置および第1の反応領域111aと第2の反応領域111bの間の関連する熱伝達プロセスのさらなる詳細は、本明細書と同時に出願され、参照により本明細書に援用される、共願の米国特許出願[整理番号69545.8616US]明細書[名称「REACTOR VESSELS WITH PRESSURE AND HEAT TRANSFER FEATURES FOR PRODUCING HYDROGEN-BASED FUELS AND STRUCTURAL ELEMENTS, AND ASSOCIATED SYSTEMS AND METHODS」]により詳細に説明されている。
【0015】
少なくともいくつかの場合、上記で説明された太陽エネルギー加熱に加えて反応器10に冷却をもたらすことが望ましい。たとえば、冷却は、第2の反応領域111bで行われた発熱反応によって生成された熱を除去するため、したがって反応を継続させるために使用することができる。第2の反応領域111bでメタノールを含む生成物が生成され、貯蔵および輸送のために、そのメタノールをさらに冷却して液体にするのが望ましい。したがって、システム100は、集中装置面123を使用して反応器110における構成要素または成分を冷却することを容易にする特徴を含み得る。特定の実施形態では、システム100は第1の熱交換器150aを備え、この第1の熱交換器150aは、焦点域124に対して第1の熱交換器150aを移動させる熱交換器アクチュエータ151bに動作可能に結合されている。第1の熱交換器150aは熱交換器流体を含み得、この熱交換器流体は、反応器110内の成分と熱的に連通しているが、成分の汚染および/または反応器110で生じる反応の妨害を回避するためにこれらの成分から流体分離(fluid isolation)している。熱交換器流体は、熱交換器流体流路153を一巡する形で、第1の熱交換器150aから第2の熱交換器150bへ、さらに戻るように進行する。第2の熱交換器150bでは、熱交換器流体は、反応器110によって生成された生成物(たとえばメタノール)から、その生成物が第2の反応領域111bから分散/収集システム140へ進むときに熱を受け取る。熱交換器流体流路153は、加熱された熱交換器流体を冷却のために第1の熱交換器150aに送出して戻す。熱交換器流体流路153内の1つまたは複数の張力緩和フィーチャ152(たとえばコイル状導管)は、第1の熱交換器150aの移動を容易にする。システム100はまた、様々なセンサ、変換器、および/またはシステム100の他の要素のいずれかから入力信号191を受け取るコントローラ190も備え得、これらの要素から受け取られた情報に応答して、システム100の作動パラメータを調整するために制御信号192を送出する。
【0016】
図2は、第1の熱交換器150aに供給された熱交換器流体がそれによって冷却される1つの機構を示している。この実施形態では、コントローラ190は熱交換器アクチュエータ151に指示して、矢印Aによって示されるように第1の熱交換器150aを図1に示される位置から焦点域124まで進める。加えて、コントローラ190は、集中装置アクチュエータ125に指示してパラボラアンテナ121を、集中装置面123が太陽からそらされ、ほとんど放射エネルギーを有さない空の領域に向くように配置することができる。通常、このプロセスは、太陽の放射エネルギーおよび局所環境を避けることがより容易である夜間に完了することができるが、少なくともいくつかの実施形態では、このプロセスは日中でも行うことができる。コントローラ190に結合された放射エネルギーセンサ193は、入来する太陽放射が閾値を下回るときを検出して、第1の熱交換器150aを図2に示される場所に配置するのに適切な時間を示すことができる。
【0017】
第1の熱交換器150aが図2に示される位置にあるとき、熱交換器150内の高温の熱伝達流体は、集中装置面123においてパラボラアンテナ121によって収集され、有向性の射出エネルギー129として外方向に再方向付けされた射出エネルギー128を放射する。焦点域124に隣接して配置された絶縁体130は、放射エネルギーが集中装置面123方向以外の方向に射出されることを防止することができる。集中装置面123を、ほとんど放射エネルギーを有さない空間中の領域に向くように配置することにより、空間中のその領域はヒートシンクとして作動することができ、したがって第1の熱交換器150aによって遮断された有向性の射出エネルギー129を受け取ることができる。熱交換器流体は、第1の熱交換器150aで冷却された後、生成物流路154に沿って流れる生成物から熱をさらに多く吸収するために第2の熱交換器150bに戻る。したがって、集中装置面123は、反応器110の要素を冷却するためおよび加熱するために使用することができる。
【0018】
特定の実施形態では、第1の熱交換器150aは、日中、図1に示されるように配置され、夜間は図2に示されるように配置される。他の実施形態では、加熱および冷却を同時にもたらすために、複数のシステム100を一緒に結合することができ、いくつかは対応する第1の熱交換器150aが図1に示されるように配置された状態にあり、他のものは第1の熱交換器150aが図2に示されるように配置された状態にある。これらの実施形態のいずれにおいても、冷却プロセスは、メタノールを液化するために、および/または他の機能をもたらすために使用することができる。そのような機能は、他の材料、たとえば二酸化炭素、エタノール、ブタノールまたは水素を液化するまたは凝固させることを含み得る。
【0019】
特定の実施形態では、反応器110へ送出される反応体は水素を含むように選択され、この水素は、反応体の他の要素(たとえば炭素、窒素、ホウ素、珪素、遷移金属および/または硫黄)から解離されて水素ベース燃料(たとえば二原子水素)と、耐久財を生成するためにさらに処理することができる構造構築ブロックとを生成する。そのような耐久財は、炭素構造構築ブロックから生成することができるグラファイト、グラフェン、および/またはポリマーと、水素構造構築ブロックまたは他の構造構築ブロックから形成された他の適切な化合物とを含む。適切なプロセスおよび生成物のさらなる詳細は、以下の共願の米国特許出願[整理番号69545.8601US]明細書[名称「CHEMICAL PROCESSES AND REACTORS FOR EFFICIENTLY PRODUCING HYDROGEN FUELS AND STRUCTURAL MATERIALS, AND ASSOCIATED SYSTEMS AND METHODS」]、米国特許出願[整理番号69545.8701US]明細書[名称「ARCHITECTURAL CONSTRUCT HAVING FOR EXAMPLE A PLURALITY OF ARCHITECTURAL CRYSTALS」]、および米国特許出願[整理番号69545.9002US]明細書[名称「CARBON-BASED DURABLE GOODS AND RENEWABLE FUEL FROM BIOMASS WASTE DISSOCIATION」]に開示されており、これらはすべて本明細書と同時に出願され、参照により本明細書に援用される。
【0020】
図3は、本開示技術の別の実施形態によって構成された移動可能なパラボラアンテナ321を備えた反応器310を有するシステム300を示している。この実施形態の特定の態様では、反応器310は、第1の反応領域311aおよび第2の反応領域311bを備え、第1の反応領域311aは、パラボラアンテナ321が、図3に実線で示される第1の位置を有するときに集束された太陽エネルギー127を受け取る。パラボラアンテナ321は、反応領域311a、311bに対してパラボラアンテナ321を移動させるパラボラアンテナアクチュエータ331に結合される。したがって、作動の第2の段階中、コントローラ190は、パラボラアンテナアクチュエータ331に指示してパラボラアンテナ321を図3の点線で示される第2の位置に移動させる。1つの実施形態では、この構成は、パラボラアンテナ321が第2の位置にあるとき、反応領域311bに熱を供給するために使用することができる。別の実施形態では、この構成は、第2の反応領域311bを冷却するために使用することができる。したがって、コントローラ190は集中装置アクチュエータ125に指示してパラボラアンテナ321を、放射エネルギーをほとんどまたは全く有さない空中の位置に向けることができ、したがって第2の反応領域311bがパラボラアンテナ321に対して、最終的には空間に対して、図1および2を参照して上記で説明されたものとほぼ類似の方法で熱を遮断することを可能にする。
【0021】
別の実施形態では、システムは、パラボラアンテナ構成以外の構成を有する太陽エネルギー収集器を備え得る。たとえば、図4は、トラフ状の421の太陽エネルギー集中装置420に結合された反応器410を有するシステム400を示している。トラフ421は、1つまたは複数のトラフアクチュエータ431によって回転され、入射太陽エネルギー126を加熱のために反応器410方向に導く集中装置面423を備える。図4に示される特定の実施形態では、反応器410は、図1および2を参照して上記で説明されたものとほぼ類似の方法で作動することができる第1の反応領域411aおよび第2の反応領域411bを備え得る。システム400は、反応器410の下側にトラフ421によって設けられた焦点域424の方向へまたはそこから外方へ移動することができる第1の熱交換器450aをさらに備え得る。したがって、第1の熱交換器450aは、入射太陽エネルギー126が加熱のために第1の反応領域411aに導かれるとき、図4に示されるように配置することができ、また、焦点域424上を(矢印Aによって示されるように)移動して、図1および2に関して上記で説明されたものとほぼ類似の方法で熱を遮断することができる。反応器410は、加熱中、反応器410からの熱損失を防止するように配置された絶縁体430を備え得る。絶縁体430はまた、上記で説明されたものとほぼ類似の方法で、熱が射出エネルギー経路128に沿わずに反応器410を出ることを防止することもできる。
【0022】
図5は、入射太陽エネルギー126を受け取り、集束された太陽エネルギー127を反応器510へ送出するように配置されたフレネルレンズ521を有する太陽エネルギー集中装置520を備えるシステム500の部分概略図である。この構成は、反応器510の成分および/または構成要素を加熱および/または冷却するための上記で説明されたシステムおよび構成要素のいずれかと共に使用することができる。
【0023】
図6は、本開示技術のさらに別の実施形態による、放射を受け取る反応器610を有するシステム600の部分概略図である。これらの実施形態の一態様では、反応器610は、図1および2を参照して上記で説明されたものとほぼ類似の全体配置を有し得る。他の実施形態では、反応器は、図3〜5のいずれかに示されるものと同じようにして構成することができ、このとき以下で説明される構成要素もほぼ類似の方法で作動する。
【0024】
反応器610は、集束された太陽エネルギー127が第1の反応領域611aに入ることを可能にする透過構成要素612を備え得る。1つの実施形態では、透過構成要素112は、ガラスまたは太陽エネルギー放射に対して極めて透過性である別の材料を含む。別の実施形態では、透過構成要素612は、1つの波長におけるエネルギー(たとえば放射エネルギー)を吸収し、別の波長におけるエネルギーを再放射する1つまたは複数の要素を備え得る。たとえば、透過構成要素612は、1つの波長において入射太陽エネルギーを受け取る第1の表面613aと、そのエネルギーを別の波長において第1の反応領域611a内に再放射する第2の表面613bとを備え得る。このようにして、第1の反応領域611aに供給されたエネルギーは、第1の反応領域611a内に置かれた反応体および/または生成物の吸収特性に合致するようにまたは近似するように特に調整することができる。たとえば、第1の表面613aおよび第2の表面613bは、第1のピーク波長範囲を有する第1のスペクトル上の放射を受け取り、第1のピーク波長範囲とは異なる第2のピーク波長範囲を有する第2のスペクトル上で、第1の反応領域611a内にその放射を再放射するように構成することができる。特定の実施形態では、第2のピーク波長範囲は、第1のピーク波長範囲よりも第1の反応領域611a内の反応体または生成物のピーク吸収に近くなり得る。代表的な再放射装置のさらなる詳細は、本明細書と同時に出願され、参照により本明細書に援用される、共願の米国特許出願[整理番号69545.8603US]明細書[名称「CHEMICAL REACTORS WITH RE-RADIATING SURFACES AND ASSOCIATED SYSTEMS AND METHODS」]に説明されている。
【0025】
特定の実施形態では、システムはまた、制御構造アクチュエータ661によって動力供給される放射制御構造体660を含み得る。放射制御構造体660は、ベネチアンブラインド方式で対応するピボット継手664の周りを旋回する複数の移動可能な要素662、たとえばパネルを含み得る。要素662の1組が例示の目的で図6に示されており、通常、この組は、反応器610の放射を受け取る表面の周りで円周方向に二重にされる。各々の移動可能な要素662は、第1の表面663aおよび第2の表面663bを有し得る。したがって、放射制御構造体660は、外部状態(たとえば集束された太陽エネルギー127のレベル)に応じて、および/または反応器610が加熱モードで使用されているか、または冷却モードで使用されているかに応じて一方の表面または他方の表面を外方向に面するように配置することができる。この実施形態の特定の態様では、第1の表面663aは、比較的高い吸収率および比較的低い射出率を有し得る。したがってこの表面は、日中および/または集束された太陽エネルギー127が閾値を上回るときに放射を容易に吸収することができ、吸収されたエネルギーを第2の表面663bへ(たとえば伝導によって)伝えることができる。第2の表面663bは、比較的低い吸収率および比較的高い射出率を有し得、したがって、第1の表面663aによってそこに伝導されたエネルギーを射出することができる。1つの配向では、この効果は、第1の反応領域611aを加熱するように作用することができ、反対の配向では、この効果は、たとえば夜間に、第1の反応領域611a(または反応器110の別の構成要素、たとえば上記で説明された第1の熱交換器150a)を冷却するように作用することができる。したがって、放射制御構造体660は、その放射が第1の反応領域611aへ送出される方法および反応器610から熱が除去される方法を促進することができる。
【0026】
さらに別の実施形態では、反応器610は、再方向付けアクチュエータ671に結合され、収集器表面の収差、環境上の問題、非平行な放射、風および/または他の外乱または歪みにより、「こぼれた」(たとえば正確には透過構成要素612上に集束されない)放射を再方向付ける再方向付け構成要素670を備え得る。特定の実施形態では、再方向付け構成要素670は、上記で論じされたものとほぼ類似のベネチアンブラインド構成で対応するピボット継手674の周りを旋回する移動可能な要素672を備え得る。したがって、これらの要素672は、反応器610の放射を受け取る表面の周りで円周方向に配置することができる。この実施形態の一態様では、移動可能な要素672の表面は、放射を第1の反応領域611a内へ簡単に再方向付けるように反射性のものである。他の実施形態では、その表面は、上記で説明され、これまでに参照により援用された共願の米国特許出願[整理番号69545.8603]明細書[名称「CHEMICAL REACTORS WITH RE-RADIATING SURFACES AND ASSOCIATED SYSTEMS AND METHODS」]に説明された波長偏移の特性を含み得る。
【0027】
図1〜6を参照して上記で説明されたシステムおよびプロセスの実施形態の1つの特徴は、これらが、太陽エネルギー収集器または集中装置面を使用し、実際には集中装置面を反転させて作動させながら、冷却も加熱ももたらすことができることである。この構成は、反応器によって生成された生成物および/または他の成分を冷却する有用な熱伝達プロセスを、これらの機能を提供するための別個の要素(たとえば冷凍システム)の必要性を低減または解消しながら提供することができる。
【0028】
前述の実施形態の少なくともいくつかの別の特徴は、これらが、入ってくるまたはシステムによって遮断される放射の吸収および/または射出を促進するように特に調整された表面を備え得ることである。これらの要素は、さらなる熱力学的効率性をもたらし、したがって上記で説明された反応体を生成するコストを低減することができる。
【0029】
特定の実施形態に関連して説明された本技術のいくつかの態様は、他の実施形態において組み合わされ、または削除され得る。たとえば、特定の実施形態は、2つの反応領域を有する反応器に関連して上記で説明されてきた。他の実施形態では、熱を遮断する類似の構成が、単一の反応領域、または3つ以上の反応領域を有する反応器に適用することができる。反応領域(1つまたは複数)は、他の実施形態では、上記で説明されたもの以外の成分を処理するために使用することができる。上記で説明された太陽エネルギー集中装置は、他の実施形態では、他の冷却プロセスに使用することができる。太陽エネルギー集中装置は、他の実施形態では、他の形状(たとえばヘリオスタット形状)を有し得る。少なくともいくつかの実施形態では、反応領域(1つまたは複数)は、太陽エネルギー集中装置が反応領域(1つまたは複数)に対して移動することに加えてまたはその代わりに、太陽エネルギー集中装置に対して移動することができる。上記で説明された再方向付け構成要素および放射制御構造体は、単独で、互いに組み合わせて、および/または図1〜5に関連して上記で説明された構成のいずれかと組み合わせて使用することができる。
【0030】
さらに、本技術のいくつかの実施形態に伴う利点が、それら実施形態に関連して説明されているが、他の実施形態もそのような利点を示し得、また、本開示の範囲に包含されるためにすべての実施形態がそのような利点を必ずしも示す必要はない。したがって、本開示および関連する技術は、本明細書に明らかに示していないまたは説明されていない他の実施形態を包含することができる。
【0031】
参照によって本明細書にこれまで援用されなかった範囲まで、本出願は、以下の資料のそれぞれの主題を、それら全体として参照により援用する。すなわち、2010年8月16日出願の米国特許出願第12/857,553号明細書[名称「SUSTAINABLE ECONOMIC DEVELOPMENT THROUGH INTEGRATED PRODUCTION OF RENEWABLE ENERGY, MATERIALS RESOURCES, AND NUTRIENT REGIMES」]、2010年8月16日出願の米国特許出願第12/857,553号明細書[名称「SYSTEMS AND METHODS FOR SUSTAINABLE ECONOMIC DEVELOPMENT THROUGH INTEGRATED FULL SPECTRUM PRODUCTION OF RENEWABLE ENERGY」]、2010年8月16日出願の米国特許出願第12/857,554号明細書[名称「SYSTEMS AND METHODS FOR SUSTAINABLE ECONOMIC DEVELOPMENT THROUGH INTEGRATED FULL SPECTRUM PRODUCTION OF RENEWABLE MATERIAL RESOURCES USING SOLAR THERMAL」]、2010年8月16日出願の米国特許出願第12/857,502号明細書[名称「ENERGY SYSTEM FOR DWELLING SUPPORT」]、2011年2月14日出願の米国特許出願[整理番号69545−8505.US00]明細書[名称「DELIVERY SYSTEMS WITH IN-LINE SELECTIVE EXTRACTION DEVICES AND ASSOCIATED METHODS OF OPERATION」]、2012年8月16日出願の米国特許出願第61/401,699号明細書[名称「COMPREHENSIVE COST MODELING OF AUTOGENOUS SYSTEMS AND PROCESSES FOR THE PRODUCTION OF ENERGY, MATERIAL RESOURCES AND NUTRIENT REGIMES」]、2011年2月14日出願の米国特許出願[整理番号69545−8601.US00]明細書[名称「CHEMICAL PROCESSES AND REACTORS FOR EFFICIENTLY PRODUCING HYDROGEN FUELS AND STRUCTURAL MATERIALS, AND ASSOCIATED SYSTEMS AND METHODS」]、2011年2月14日出願の米国特許出願[整理番号69545−8602.US00]明細書[名称「REACTOR VESSELS WITH TRANSMISSIVE SURFACES FOR PRODUCING HYDROGEN-BASED FUELS AND STRUCTURAL ELEMENTS, AND ASSOCIATED SYSTEMS AND METHODS」]、2011年2月14日出願の米国特許出願[整理番号69545−8603.US00]明細書[名称「CHEMICAL REACTORS WITH RE-RADIATING SURFACES AND ASSOCIATED SYSTEMS AND METHODS」]、2011年2月14日出願の米国特許出願[整理番号69545−8604.US00]明細書[名称「THERMAL TRANSFER DEVICE AND ASSOCIATED SYSTEMS AND METHODS」]、2011年2月14出願の米国特許出願[整理番号69545−8605.US00]明細書[名称「CHEMICAL REACTORS WITH ANNULARLY POSITIONED DELIVERY AND REMOVAL DEVICES, AND ASSOCIATED SYSTEMS AND METHODS」]、2011年2月14日出願の米国特許出願[整理番号69545−8608.US00]明細書[名称「INDUCTION FOR THERMOCHEMICAL PROCESS, AND ASSOCIATED SYSTEMS AND METHODS」]、2011年2月14日出願の米国特許出願[整理番号69545−8611.US00]明細書[名称「COUPLED THERMOCHEMICAL REACTORS AND ENGINES, AND ASSOCIATED SYSTEMS AND METHODS」]、2010年9月22日出願の米国特許出願第61/385,508号明細書[名称「REDUCING AND HARVESTING DRAG ENERGY ON MOBILE ENGINES USING THERMAL CHEMICAL REGENERATION」]、2011年2月14日出願の米国特許出願[整理番号69545−8616.US00]明細書[名称「REACTOR VESSELS WITH PRESSURE AND HEAT TRANSFER FEATURES FOR PRODUCING HYDROGEN-BASED FUELS AND STRUCTURAL ELEMENTS, AND ASSOCIATED SYSTEMS AND METHODS」]、2011年2月14日出願の米国特許出願[整理番号69545−8701.US00]明細書[名称「ARCHITECTURAL CONSTRUCT HAVING FOR EXAMPLE A PLURALITY OF ARCHITECTURAL CRYSTALS」]、2010年8月16日出願の米国特許出願第12/806,634号明細書[名称「METHODS AND APPARATUSES FOR DETECTION OF PROPERTIES OF FLUID CONVEYANCE SYSTEMS」]、2011年2月14日出願の米国特許出願[整理番号69545−8801.US01]明細書[名称「METHODS, DEVICES, AND SYSTEMS FOR DETECTING PROPERTIES OF TARGET SAMPLES」]、2011年2月14日出願の米国特許出願[整理番号69545−9002.US00]明細書[名称「SYSTEM FOR PROCESSING BIOMASS INTO HYDROCARBONS, ALCOHOL VAPORS, HYDROGEN, CARBON, ETC」]、2011年2月14日出願の米国特許出願[整理番号69545−9004.US00]明細書[名称「CARBON RECYCLING AND REINVESTMENT USING THERMOCHEMICAL REGENERATION」]、2011年2月14日出願の米国特許出願[整理番号69545−9006.US00]明細書[名称「OXYGENATED FUEL」]、2009年8月27日出願の米国特許出願第61/237,419号明細書[名称「CARBON SEQUESTRATION」]、2009年8月27日出願の米国特許出願第61/237,425号明細書[名称「OXYGENATED FUEL PRODUCTION」]、2011年2月14日出願の米国特許出願[整理番号69545−9102.US00]明細書[名称「MULTIPURPOSE RENEWABLE FUEL FOR ISOLATING CONTAMINANTS AND STORING ENERGY」]、2010年12月8日出願の米国特許出願第61/421,189号明細書[名称「LIQUID FUELS FROM HYDROGEN, OXIDES OF CARBON, AND/OR NITROGEN; AND PRODUCTION OF CARBON FOR MANUFACTURING DURABLE GOODS」]、および2011年2月14日出願の米国特許出願[整理番号69545−9105.US00]明細書[名称「ENGINEERED FUEL STORAGE, RESPECIATION AND TRANSPORT」]である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
反応体を処理する反応器システムであって、
反応領域を有する反応器と、
前記反応器の前記反応領域と流体連通して結合された反応体供給源と、
太陽エネルギーを焦点域に導くように配置可能な少なくとも1つの集中装置面を有する太陽エネルギー集中装置と、
前記太陽エネルギー集中装置に結合され、前記太陽エネルギー集中装置を太陽に対して移動させるアクチュエータと、
前記アクチュエータに動作可能に結合されたコントローラと、を備え、実行時、
前記コントローラは、前記太陽エネルギーが閾値を上回るとき、前記アクチュエータに指示して前記太陽エネルギー集中装置を、前記太陽エネルギーを前記反応領域上に集束させるように配置し、
前記太陽エネルギーが前記閾値を下回るとき、前記アクチュエータに指示して前記太陽エネルギー集中装置を、放射エネルギーが比較的小さい空中の場所に向くように配置して前記焦点域に配置された対象物を冷却する、
命令でプログラムされる、
を備えることを特徴とする反応器システム。
【請求項2】
熱交換器流体を担持する熱交換器であって、前記太陽エネルギーが前記閾値を下回るときに前記焦点域に配置可能であり、その結果前記太陽エネルギー集中装置を経由して前記熱交換器流体から熱を排出する熱交換器をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記熱交換器および前記太陽エネルギー集中装置の少なくとも1つは、他方に対して、前記焦点域が前記反応領域と整合される第1の形状と、前記焦点域が前記熱交換器と整合される第2の形状との間で移動可能であることを特徴とする請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記反応領域は第1の反応領域であり、前記システムは第2の反応領域をさらに備え、前記太陽エネルギー集中装置、前記第1の反応領域、および前記第2の反応領域の少なくとも1つは、前記焦点域が前記第1の反応領域と整合される第1の形状と、前記焦点域が前記第2の反応領域と整合される第2の形状とを形成するように移動可能であることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記太陽エネルギー集中装置は、パラボラアンテナ状の集中装置を備えることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記太陽エネルギー集中装置は、トラフ状の集中装置を備えることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記太陽エネルギー集中装置は、フレネルレンズを備えることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記反応体供給源によって担持される反応体であって、炭素、ホウ素、窒素、珪素、遷移金属、および硫黄の少なくとも1つを成分として有する水素供与体を含む反応体をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
反応体を処理する反応器システムであって、
反応領域を有する反応器と、
前記反応器の前記反応領域と流体連通して結合された反応体供給源と、
太陽エネルギーを焦点域に導くように配置可能な少なくとも1つの集中装置面を有する太陽エネルギー集中装置と、
前記太陽エネルギー集中装置に結合され、前記太陽エネルギー集中装置を太陽に対して移動させる第1のアクチュエータと、
第1の表面と、前記第1の表面から外方を向く第2の表面とを有する、前記集中装置面と前記焦点域の間に配置された放射制御構造体であって、前記第1の表面は第1の放射エネルギー吸収率および第1の放射エネルギー射出率を有し、前記第2の表面は、前記第1の放射エネルギー吸収率より小さい第2の放射エネルギー吸収率と、前記第1の放射エネルギー射出率より大きい第2の放射エネルギー射出率とを有する放射制御構造体と、
前記放射制御構造体に結合され、前記構造体を、前記第1の表面が前記集中装置面方向に面する第1の形状から、および、前記第2の表面が前記集中装置面方向に面する第2の形状から変化させる第2のアクチュエータと、
を備えることを特徴とする反応器システム。
【請求項10】
前記第1のアクチュエータおよび前記第2のアクチュエータに動作可能に結合されたコントローラであって、実行時、
前記太陽エネルギーが閾値を上回るとき、前記第1のアクチュエータに指示して前記太陽エネルギー集中装置を、前記太陽エネルギーを前記反応領域上に集束させるように配置し、
前記太陽エネルギーが前記閾値を上回るとき、前記第2のアクチュエータに指示して前記放射制御構造体を前記第1の形状に配置し、
前記太陽エネルギーが前記閾値を下回るとき、前記第1のアクチュエータに指示して前記太陽エネルギー集中装置を、前記太陽からそらした、放射エネルギーが比較的小さい空中の場所に向くように配置して前記焦点域に配置された対象物を冷却し、
前記太陽エネルギーが前記閾値を下回るとき、前記第2のアクチュエータに指示して前記放射制御構造体を前記第2の形状に配置する、
命令でプログラムされるコントローラをさらに備えることを特徴とする請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記放射制御構造体は複数の旋回可能な要素を備え、個々の旋回可能要素は、第1の表面と、前記第1の表面から外方を向く第2の表面とを有することを特徴とする請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記太陽エネルギー集中装置および前記反応領域の近位に配置された再方向付け構成要素であって、前記太陽エネルギー集中装置によって導かれた前記太陽エネルギーの少なくとも一部分を受け取り、前記一部分を前記反応領域内に再方向付けるように配置された少なくとも1つの移動可能な表面を有する再方向付け構成要素をさらに備えることを特徴とする請求項9に記載のシステム。
【請求項13】
前記再方向付け構成要素は、複数の移動可能な表面を備えることを特徴とする請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記移動可能な表面は、反射面を備えることを特徴とする請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記移動可能な表面は、第1のピーク波長範囲を有する第1のスペクトル上で放射を受け取り、前記第1のピーク波長範囲とは異なる第2のピーク波長範囲を有する第2のスペクトル上で前記放射を前記反応領域内に再放射するように配置された再放射構成要素を備えることを特徴とする請求項13に記載のシステム。
【請求項16】
前記反応体供給源によって担持される反応体であって、炭素、ホウ素、窒素、珪素、遷移金属、および硫黄の少なくとも1つを成分として有する水素供与体を含む反応体をさらに含むことを特徴とする請求項9に記載のシステム。
【請求項17】
水素供与体を処理する反応器システムであって、
反応領域を有する反応容器と、
前記反応容器の前記反応領域と流体連通して結合され、炭化水素供与体を担持する炭化水素供与体供給源と、
前記反応領域に結合され、前記水素供与体を前記反応領域で解離することによって生成された水素ベース燃料を受け取る第1の生成物収集器と、
前記反応領域に結合され、前記水素供与体を解離することによって生成された炭素および炭素化合物の少なくとも1つを受け取る第2の生成物収集器と、
焦点域を有し、太陽エネルギーを前記焦点域方向に導くように配置可能である少なくとも1つの集中装置面を有する太陽エネルギー集中装置と、
前記太陽エネルギー集中装置に結合され、前記太陽エネルギー集中装置を太陽に対して移動させるアクチュエータと、
前記アクチュエータに動作可能に結合されたコントローラとを備え、実行時、
前記コントローラは、日照時間の間、前記太陽エネルギー集中装置に指示して太陽方向に向かせ、前記太陽エネルギーを前記反応領域に集束させ、
日照時間後、前記太陽エネルギー集中装置に指示して放射エネルギーが比較的小さい空中の場所に向かせ、前記焦点域に配置された対象物を冷却する
命令でプログラムされる、
を備えることを特徴とする反応器システム。
【請求項18】
前記反応領域は第1の反応領域を備え、
前記アクチュエータは第1のアクチュエータを備え、
前記システムは第2の反応領域をさらに備え、前記システムは、
前記第2の反応領域と流体連通する熱交換器流体を担持する熱交換器と、
前記熱交換器および前記太陽エネルギー集中装置の少なくとも1つに結合された第2のアクチュエータと、をさらに備え、
前記コントローラは、実行時、
日照時間の間、前記第2のアクチュエータに指示して前記焦点域を前記第1の反応領域に整合させ、
日照時間後、前記第2のアクチュエータに指示して前記焦点域を前記熱交換器に整合させる、
さらなる命令でプログラムされる、ことを特徴とする請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
水素供与体を処理する方法であって、
太陽エネルギー集中装置を用いて太陽エネルギーを集中させるステップと、
前記集中させた太陽エネルギーを、前記太陽エネルギー集中装置の焦点域に配置された反応領域に導くステップと、
前記反応領域において、前記集中させた太陽エネルギーによって水素供与体を解離生成物に解離するステップと、
前記解離生成物から、
(a)炭素、窒素、ホウ素、珪素、遷移金属、および硫黄の少なくとも1つをベースとする構造構築ブロックと、
(b)水素ベース燃料と
の少なくとも1つを供給するステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項20】
前記水素供与体はメタンを含み、供給するステップは、水素ならびに炭素、二酸化炭素、および一酸化炭素の少なくとも1つを供給するステップを含むことを特徴とする請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記水素供与体は、炭化水素を含むことを特徴とする請求項19に記載の方法。
【請求項22】
前記水素供与体は、窒素化合物を含むことを特徴とする請求項19に記載の方法。
【請求項23】
前記太陽エネルギー集中装置と前記焦点域の間に配置された放射制御構造体を、
前記太陽エネルギーが閾値を上回るとき、第1の放射エネルギー吸収率および第1の放射エネルギー射出率を有する前記放射制御構造体の第1の表面を前記太陽エネルギー集中装置方向に面するように配置することによって、および
前記太陽エネルギーが前記閾値を下回るとき、前記第1の放射エネルギー吸収率より小さい第2の放射エネルギー吸収率と、前記第1の放射エネルギー射出率より大きい第2の放射エネルギー射出率とを有する前記放射制御構造体の第2の表面を前記焦点域方向に面するように配置することによって、
作動させるステップをさらに含むことを特徴とする請求項19に記載の方法。
【請求項24】
前記太陽エネルギーが閾値を上回るとき、
前記太陽エネルギー集中装置を太陽方向に向けるステップ、および
前記集中させた太陽エネルギーを前記反応領域に導くステップと、
前記太陽エネルギーが前記閾値を下回るとき、
前記構造構築ブロックおよび前記水素ベース燃料の少なくとも1つを前記焦点域と熱連通させるステップ、および
前記太陽エネルギー集中装置を前記太陽からそらして、放射エネルギーが比較的小さい空中の場所に向けることによって前記焦点域において熱を分散させ、前記構造構築ブロックおよび前記水素ベース燃料の前記少なくとも1つを冷却するステップと、
をさらに含むことを特徴とする請求項19に記載の方法。
【請求項25】
前記構造構築ブロックおよび前記水素ベース燃料の少なくとも1つを前記焦点域と熱連通させるステップは、
熱交換器を前記焦点域に整合させるステップと、
熱交換流体を前記熱交換器から前記構造構築ブロックおよび前記水素ベース燃料の前記少なくとも1つへ導くステップと、
を含むことを特徴とする請求項24に記載の方法。
【請求項26】
反応体を処理する方法であって、
反応器の近位にある太陽エネルギーが閾値を上回るとき、
太陽エネルギー集中装置を太陽方向に向けることによって前記太陽エネルギー集中装置の焦点域に前記太陽エネルギーを集中させるステップ、
前記集中させた太陽エネルギーを前記反応領域に導くステップ、
前記反応体を前記反応領域に導くステップ、および
前記反応領域において前記反応体との吸熱反応を行うステップと、
前記反応器の近位にある太陽エネルギーが前記閾値を下回るとき、
前記太陽エネルギー集中装置を太陽からそらし、放射エネルギーが比較的小さい空中の場所に向けることによって前記太陽エネルギー集中装置の前記焦点域において熱を分散させるステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項27】
前記解離生成物から、
(a)炭素、窒素、ホウ素、珪素、遷移金属、および硫黄の少なくとも1つをベースとする構造構築ブロックと、
(b)水素ベース燃料と
の少なくとも1つを供給するステップをさらに含むことを特徴とする請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記水素供与体を解離するステップは、前記反応領域において吸熱反応を行うステップを含み、
熱を分散させるステップは、発熱反応からの熱を分散させるステップを含む、
ことを特徴とする請求項26に記載の方法。
【請求項29】
熱を分散させるステップは、メタノールを液化するステップを含むことを特徴とする請求項26に記載の方法。
【請求項30】
熱を分散させるステップは、二酸化炭素を液化するステップを含むことを特徴とする請求項26に記載の方法。
【請求項31】
熱を分散させるステップは、熱交換器および前記太陽エネルギー集中装置の少なくとも1つを他方に対して移動させて前記熱交換器を前記焦点域に整合させることによって、熱交換器流体を担持する前記熱交換器から熱を分散させるステップを含むことを特徴とする請求項26に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2013−519511(P2013−519511A)
【公表日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−553087(P2012−553087)
【出願日】平成23年2月14日(2011.2.14)
【国際出願番号】PCT/US2011/024796
【国際公開番号】WO2011/100716
【国際公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【出願人】(511201174)マクアリスター テクノロジーズ エルエルシー (23)
【Fターム(参考)】