説明

太陽電池モジュール

【課題】 出っ張り等がなく、厚さが均一な太陽電池モジュールを提供する。
【解決手段】 本発明の太陽電池モジュールは、光から電力を得る機能ならびに正極および負極とを備えた光電変換部が設けられたサブモジュールを有する太陽電池モジュール本体と、この光電変換部の負極に接続された第1の導電部材と、光電変換部の正極に接続された第2の導電部材と、第1の導電部材と第2の導電部材とが接続される接電箱とを有する。この接電箱は太陽電池モジュール本体内に取り付けられており、接電箱の厚さは太陽電池モジュール本体の厚さと略等しい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薄型の薄膜型太陽電池モジュールに関し、特に、出っ張り等がなく、厚さが均一な太陽電池モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、太陽電池の研究が盛んに行われている。太陽電池を構成する太陽電池モジュールは、光吸収により電流を発生する半導体の光電変換層を裏面電極(下部電極)と透明電極(上部電極)とで挟んだ積層構造の光電変換素子を基板上に多数直列に接続してなる太陽電池サブモジュールを有する。従来から太陽電池サブモジュールが種々提案されている。
【0003】
図5に示すように、太陽電池モジュール100においては、太陽電池サブモジュール102の裏面にガラス基板104を設け、この太陽電池サブモジュール102およびガラス基板104の表面側に、封止接着層として機能するEVA樹脂層(エチレンビニルアセテート樹脂層)106によりカバーガラス108が取り付けられている。また、このガラス基板104の裏面側にEVA樹脂層106によりバックシート110が取り付けられている。
【0004】
このバックシート110には、更に太陽電池サブモジュール102が取り出された内部配線を接続する接電箱112が取り付けられる。この接電箱112にはケーブル114が設けられており、これにより、太陽電池モジュール100は、外部と接続することができる。
また、太陽電池サブモジュール102およびガラス基板104にカバーガラス108およびバックシート110が取り付けられた状態で、シール材116を介してフレーム118に固定されている。
なお、太陽電池モジュール100においては、ガラス基板104を設けることなく、更にはカバーガラス108に代えて保護層を設ける構成のものもある。
【0005】
太陽電池モジュール100は、例えば、図6(a)〜(d)に示すようにして製造される。
まず、図6(a)に示すように、光吸収により電流を発生する半導体の光電変換層を裏面電極と透明電極とで挟んだ積層構造の光電変換素子を基板の表面上に多数直列に接続してなる太陽電池サブモジュール102を用意する。
次に、図6(b)に示すように、太陽電池サブモジュール102の両端部の各電極の端子に、例えば、銅箔を用いた配線120を設ける。そして、両端の配線120から、それぞれ、太陽電池サブモジュール102の裏面に折り返されて太陽電池サブモジュール102の略中央部迄伸びる配線122を設ける。この配線122は、例えば、銅リボンにより構成される。
【0006】
次に、図6(c)に示すように、太陽電池サブモジュール102の表面102a側にEVA樹脂層106およびカバー層124を配置し、太陽電池サブモジュール102の裏面102b側にEVA樹脂層106およびバックシート110を配置する。このとき、配線122は、裏面側のEVA樹脂層106およびバックシート110に設けられた穴(図示せず)から突出している。この状態で真空ラミネート法により、これらを一体化する。
次に、トリミング加工を施し、そして、バックシート110から突出している配線122を折り返す等して、図6(d)に示すように、端子箱112と接続させて、更に端子箱112がバックシート110に接着剤等を用いて取り付ける。
【0007】
また、上述の太陽電池サブモジュール以外にも種々のものが提案されている(特許文献1、2参照)。
特許文献1に記載された太陽電池モジュールにおいては、表面保護部材(ETFE)、接着性樹脂(EVA)を重ね合わせ、この上に太陽電池が載置されている。この太陽電池には電力取り出し端子が取り付けられ、半田でリード線と接続されている。この上に接着性樹脂(EVA)、切り欠き加工をした裏面保護部材としての鋼板が配置されている。
リード線は、裏面保護部材の切り欠き部において、裏面保護部材の側面を経由して裏面保護部材の非受光面側に引き出されている。裏面保護部材の非受光面に引き出されたリード線は、この裏面保護部材の非受光面に配設された端子箱に導入され、外部出力されるように配線される。このように、特許文献1においても、端子箱は、太陽電池モジュールの裏面側に配置されている。
【0008】
また、特許文献2に記載された太陽電池モジュールは、太陽電池モジュールで発電された電力を端子部まで導く内部リード線と当該電力を太陽電池モジュールの外部へ取り出すためのケーブルとが、裏面補強板上の接続部で半田付けにより接続されている。このケーブルが、裏面補強板の表面の円筒状に成形された樹脂で固められている。特許文献2の太陽電池モジュールでは、この樹脂が端子部として機能する。このように、特許文献2においても、端子部として機能するものは、太陽電池モジュールの裏面側に配置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特許第3972245号公報
【特許文献2】特開2006−210446号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
太陽電池サブモジュールは薄いものであり、本来、太陽電池モジュールも薄型化が図れるはずである。しかしながら、従来の太陽電池モジュール100においては、バックシート110の中央部近傍に接電箱112が取り付けられており、太陽電池モジュール100の厚さが厚くなり、しかも、接電箱が出っ張るため、厚さも不均一である。
また、特許文献1および特許文献2においても、端子箱、端子部が太陽電池モジュールの裏面に設けられており、太陽電池モジュールの厚さが厚くなり、しかも、端子箱、端子部が出っ張るため、厚さも不均一である。
このようなことから、従来の太陽電池モジュールにおいては、輸送時に重ねて運搬するときに接電箱等の部分をへこませたスペーサ、治具等が必要であり、輸送コストが嵩むという問題点がある。
【0011】
また、太陽電池モジュールの接電箱等が設置時に邪魔になり、取り扱いにくく、設置コストが嵩むという問題点がある。さらには、接電箱等がぶつかって破損する恐れもあり、太陽電池モジュールの信頼性を低下させる恐れもある。
このように、従来の太陽電池モジュールは、輸送コスト、または設置コストが嵩み、ひいては、太陽電池モジュールのコストの増加を招く恐れもある。
【0012】
本発明の目的は、前記従来技術に基づく問題点を解消し、出っ張り等がなく、厚さが均一な太陽電池モジュールを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するために、本発明は、光から電力を得る機能ならびに正極および負極とを備えた光電変換部が設けられたサブモジュールを有する太陽電池モジュール本体と、前記光電変換部の負極に接続された第1の導電部材と、前記光電変換部の正極に接続された第2の導電部材と、前記第1の導電部材と前記第2の導電部材とが接続される接電箱とを有し、前記接電箱は前記太陽電池モジュール本体内に取り付けられており、前記接電箱の厚さは、前記太陽電池モジュール本体の厚さと略等しいことを特徴とする太陽電池モジュールを提供するものである。
【0014】
本発明においては、前記接電箱は、前記太陽電池モジュール本体の一部が切り欠かれた領域に設けられていることが好ましい。
また、本発明においては、前記第1の導電部材および前記第2の導電部材は、前記サブモジュールの一方の端部に略直線状に配置されており、前記第1の導電部材および前記第2の導電部材は、前記接電箱に略直線状を維持した状態で接続されていることが好ましい。
さらに、本発明においては、前記サブモジュールは、前記光電変換部が設けられる基板を備え、前記光電変換部は、前記正極が一方の端部に前記負極が他方の端部に設けられており、前記正極または前記負極と前記基板とを接続させて前記基板を導体として用い、前記基板に接続されていない負極または正極側の端部に隣接する位置における前記基板に、第1の導電部材または前記第2の導電部材が設けられていることが好ましい。
【0015】
さらにまた、本発明においては、前記基板は、導体部の少なくとも片面に絶縁層が形成されたものであり、前記光電変換部は前記絶縁層上に形成されており、前記正極または前記負極と前記導体部とを接続させて前記導体部を導体として用い、前記基板に接続されていない負極または正極側の端部に隣接する位置における前記導体部に、第1の導電部材または前記第2の導電部材が設けられていることが好ましい。
【0016】
また、本発明においては、前記サブモジュールは、薄膜太陽電池サブモジュールであることが好ましい。
さらにまた、本発明においては、前記サブモジュールは、集積型薄膜太陽電池サブモジュールであることが好ましい。
また、本発明においては、前記サブモジュールは、グリッド型太陽電池サブモジュールであることが好ましい。
【0017】
また、本発明においては、前記光電変換部は、CIS系薄膜型太陽電池セル、CIGS系薄膜型太陽電池セル、薄膜シリコン系薄膜型太陽電池セル、CdTe系薄膜型太陽電池セル、III−V属系薄膜型太陽電池セル、色素増感系薄膜型太陽電池セル、および有機系薄膜型太陽電池セルのいずれか1つの薄膜型太陽電池セルを有することが好ましい。
さらに、本発明においては、前記絶縁層は、陽極酸化処理されたアルミニウムからなることが好ましい。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、接電箱を太陽電池モジュール本体内に取り付けるものとし、この接電箱の厚さを太陽電池モジュール本体の厚さと略等しくすることにより、太陽電池モジュールは出っ張りがない構成となる。このため、太陽電池モジュールの輸送時および設置の際における作業性が良好となる。しかも、従来の太陽電池モジュールでは輸送時に重ねて運搬するときに接電箱等の部分をへこませたスペーサ、治具等が必要であったが、本発明の太陽電池モジュールでは、そのようなスペーサ、治具等が不要となる。このため、輸送コストも低減することができる。
【0019】
また、太陽電池モジュールは出っ張りがないため、太陽電池モジュールの取り扱いが容易となり作業性が向上するため、設置コストも低減することができ、さらには、接電箱等がぶつかって破損する恐れもなく、太陽電池モジュールの信頼性を向上させることもできる。このように、輸送コストおよび設置コストを低減することができ、太陽電池モジュールのコストを低下させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の第1の実施形態の太陽電池モジュールの接電箱の配置状態を拡大して示す模式的断面図である。
【図2】(a)は、本発明の第1の実施形態の太陽電池モジュールの太陽電池サブモジュールを示す平面図であり、(b)は、本発明の第1の実施形態の太陽電池モジュールにおける接電箱の配置状態を拡大して示す模式的平面図であり、(c)は、本発明の第1の実施形態の太陽電池モジュールと接電箱との厚さを示す模式的側面図である。
【図3】本発明の第1の実施形態の太陽電池モジュールの太陽電池サブモジュールを示す模式的断面図である。
【図4】(a)は、本発明の第2の実施形態の太陽電池モジュールの太陽電池サブモジュールを示す平面図であり、(b)は、本発明の第2の実施形態の太陽電池モジュールにおける接電箱の配置状態を拡大して示す模式的平面図であり、(c)は、本発明の第2の実施形態の太陽電池モジュールと接電箱との厚さを示す模式図である。
【図5】従来の太陽電池モジュールを示す模式的断面図である。
【図6】(a)〜(d)は、従来の太陽電池モジュールの製造方法を工程順に示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下に、添付の図面に示す好適実施形態に基づいて、本発明の太陽電池モジュールを詳細に説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態の太陽電池モジュールの接電箱の配置状態を拡大して示す模式的断面図である。図2(a)は、本発明の第1の実施形態の太陽電池モジュールの太陽電池サブモジュールを示す平面図であり、図2(b)は、本発明の第1の実施形態の太陽電池モジュールにおける接電箱の配置状態を拡大して示す模式的平面図であり、図2(c)は、本発明の第1の実施形態の太陽電池モジュールと接電箱との厚さを示す模式的側面図である。図3は、本発明の第1の実施形態の太陽電池モジュールの太陽電池サブモジュールを示す模式的断面図である。
【0022】
図1に示すように、本発明の第1の実施形態の太陽電池モジュール10は、太陽電池サブモジュール12と、太陽電池サブモジュール12の表面側に配置された封止接着層14、および表面保護層(保護層)16と、この太陽電池サブモジュール12の裏面側に配置された封止接着層18およびバックシート(保護層)20と、接電箱22とを有する。
ここで、太陽電池サブモジュール12の表面側とは、電力を得るための光を受ける側の面のことであり、裏面側とは、その表面の反対側のことである。
【0023】
太陽電池サブモジュール12と、太陽電池サブモジュール12の表面側に配置された封止接着層14および表面保護層18と、この太陽電池サブモジュール12の裏面側に配置された封止接着層18およびバックシート20とは、例えば、真空ラミネート法により、ラミネート加工されて一体化されている。本実施形態においては、太陽電池サブモジュール12、封止接着層14、表面保護層16、封止接着層18およびバックシート20を合わせて太陽電池モジュール本体10aという。この太陽電池モジュール本体10aに接電箱22が取り付けられて太陽電池モジュール10が構成される。
【0024】
太陽電池サブモジュール12は、光から電力を得る機能を有する光電変換部48(図2(a)参照)を備えている。なお、太陽電池サブモジュール12については後に詳細に説明する。
【0025】
封止接着層14は、太陽電池サブモジュール12を封止して保護するとともに、表面保護層18と接着させるためのものである。
この封止接着層14には、例えば、EVA(エチレンビニルアセテート)、またはPVB(ポリビニルブチラール)が用いられる。
【0026】
表面保護層18は、汚れ、水分等から太陽電池サブモジュール12を守るとともに、汚れ等による太陽電池サブモジュール12への入射光量の低下を抑制するものである。この表面保護層18としては、例えば、フッ素系樹脂フィルムが用いられる。このフッ素系樹脂としては、例えば、ETFE(エチレンテトラフルオロエチレン)が用いられる。また、表面保護層18の厚さは、例えば、20〜200μmである。
【0027】
なお、封止接着層14と、表面保護層18との間には、例えば、水蒸気バリア層を設けてもよい。この水蒸気バリア層は、太陽電池サブモジュール12を水分から保護するためのものである。水蒸気バリア層には、例えば、PETまたはPEN等の透明フィルムにSiO、SiN等からなる無機層が形成されたもの、またはPETまたはPEN等の透明フィルムでSiO、SiN等からなる無機層を挟んだ構成のものが用いられる。
なお、水蒸気バリア層は、水蒸気透過率、酸素透過率等が所定の性能を満たすものであれば、その構成については特に限定されるものではない。
【0028】
太陽電池サブモジュール12の裏面側に設けられる封止接着層18は、表面側に設けられる封止接着層14と同様の構成であるため、その詳細な説明は省略する。
バックシート20は、太陽電池モジュール10を裏側から保護するとともに、太陽電池モジュール10の絶縁性を確保するためのものである。このバックシート20には、例えば、PETまたはPEN等の樹脂フィルムで、アルミニウム箔を挟んだ構造のものが用いられる。なお、バックシート20においても、その構成については特に限定されるものではない。
【0029】
接電箱22は、太陽電池サブモジュール12の光電変換部48で得られた電力を、太陽電池モジュール10の外部に取り出すためのものであり、後に詳細に説明するように第1の導電部材50、第2の導電部材52と、外部機器(図示せず)または他の太陽電池モジュールに接続されるケーブル66、68とを接続させるものである。なお、接電箱22については、後に詳細に説明する。
【0030】
次に、本実施形態の太陽電池サブモジュール12について説明する。
本実施形態の太陽電池サブモジュール12は、図2(a)に示すように、例えば、全体形状が矩形状であり、光電変換部48が矩形状の金属基板30に形成されている。
この金属基板30は、例えば、図3に示すように、例えば、ステンレス鋼板(導体部)32を芯材として、その表面32aおよび裏面32bにアルミニウム層(導体部)34、35が形成されている。このため、金属基板30の表面および裏面は、それぞれアルミニウム層34、35の表面となる。
この金属基板30のアルミニウム層34、35には、それぞれ絶縁層36、37が形成されている。絶縁層36は、表面側のアルミニウム層34の両端部34a、34bには形成されていない。また、絶縁層37も、裏面側のアルミニウム層35の両端部35a、35bには形成されていない。
【0031】
このような絶縁層36、37が形成されていない領域は、絶縁層36、37を形成した後、例えば、レーザースクライブにより絶縁層36、37を除去することにより、形成することができる。
また、陽極酸化により絶縁層36、37を形成する場合、金属基板30の両端部および側面部をマスクして絶縁層36、37が形成されていない領域を形成することができる。
本実施形態においては、絶縁層36の表面36aに、例えば、後述する光電変換素子(太陽電池セル)46が複数、直列に接続されて形成されている。複数の直列に接続された光電変換素子46により、光電変換部48が構成される。
【0032】
図3に示す太陽電池サブモジュール12は、サブストレート型と呼ばれるものであり、太陽電池サブモジュール12に設けられる後述の光電変換素子46は薄膜型のものである。この太陽電池サブモジュール12は、絶縁層36の表面36aに裏面電極38と光電変換層40とバッファ層42と透明電極44とが順次積層されており、裏面電極38、光電変換層40、バッファ層42および透明電極44により光電変換素子46が構成されている。
【0033】
裏面電極38は、隣り合う裏面電極38と分離溝(P1)41を設けて絶縁層36の表面36aに形成されている。分離溝(P1)41を埋めつつ光電変換層40が裏面電極38の上に形成されている。この光電変換層40の表面にバッファ層42が形成されている。これらの光電変換層40とバッファ層42とは、裏面電極38にまで達する溝(P2)43により、他の光電変換層40とバッファ層42と離間されている。この溝(P2)43は、裏面電極38の分離溝(P1)41とは異なる位置に形成されている。
【0034】
また、この溝(P2)43を埋めつつバッファ層42の表面に透明電極44が形成されている。
透明電極44、バッファ層42および光電変換層40を貫き裏面電極38に達する開口溝(P3)45が形成されている。各光電変換素子46は、裏面電極38と透明電極44により、直列に接続されている。本実施形態においては、図1に示す左側の端部の裏面電極39は、絶縁層36が形成されていない端部34bに接続されており、裏面電極39は金属基板30と導通されている。
【0035】
本実施形態の光電変換素子46は、集積型のCIGS系光電変換素子(CIGS系太陽電池セル)と呼ばれるものであり、例えば、裏面電極38がモリブデン電極で構成され、光電変換層40がCIGSで構成され、バッファ層42がCdSで構成され、透明電極44がZnOで構成される。
なお、光電変換素子46は、図2(a)に示すように、金属基板30の辺に平行に、一方向に長く伸びて形成されている。このため、裏面電極39等も金属基板30の辺に平行な一方向に長い電極である。
【0036】
図3に示すように、右側の端の裏面電極38a上に第1の導電部材50が接続されている。この第1の導電部材50は、後述する負極からの出力を外部に取り出すためのものである。本来、裏面電極38a上には光電変換素子46が形成されるが、例えば、レーザースクライブまたはメカニカルスクラブにより、光電変換素子46を取り除いて、裏面電極38aを表出させている。
【0037】
第1の導電部材50は、例えば、細長い帯状の部材であり、図2(a)に示すように、金属基板30の辺に平行に一方向に略直線状に伸びて、裏面電極38a上に接続されている。また、図3に示すように、第1の導電部材50は、例えば、銅リボン50aがインジウム銅合金の被覆材50bで被覆されたものである。この第1の導電部材50は、例えば、超音波半田により裏面電極38aに接続される。
【0038】
また、絶縁層36が形成されていない端部34aに、第2の導電部材52が略直線状に接続されており、第2の導電部材52は金属基板30と導通されている。第2の導電部材52は、裏面電極39と金属基板30(アルミニウム層34およびステンレス鋼板32)を導体として接続されている。
【0039】
この第2の導電部材52は、後述する正極からの出力を外部に取り出すためのものである。第2の導電部材52も、第1の導電部材50と同様に細長い帯状の部材であり、図2(a)に示すように、金属基板30の辺に平行に一方向に略直線状に伸びて、端部34aに接続されている。
太陽電池サブモジュール12では、一方の端部に第1の導電部材50と第2の導電部材52とが隣接して、かつ略平行に略直線状に配置されている。
【0040】
第2の導電部材52は、第1の導電部材50と同様の構成のものであり、例えば、銅リボン52aがインジウム銅合金の被覆材52bで被覆されたものである。
第1の導電部材50と第2の導電部材52とは、錫メッキ銅リボンでもよい。また、第1の導電部材50および第2の導電部材52、それぞれの接続も超音波半田に限定されるものではなく、例えば、導電性接着剤、導電性テープを用いて接続してもよい。
【0041】
なお、本実施形態の光電変換素子46は、例えば、公知のCIGS系の太陽電池の製造方法により製造することができる。また、裏面電極38の分離溝(P1)41、裏面電極38にまで達する溝(P2)43、裏面電極38に達する開口溝(P3)45は、レーザースクライブまたはメカニカルスクライブにより形成することができる。
【0042】
光電変換部48では、光電変換素子46に、透明電極44側から光が入射されると、この光が透明電極44およびバッファ層42を通過し、光電変換層40で起電力が発生し、例えば、透明電極44から裏面電極38に向かう電流が発生する。なお、図3に示す矢印は、電流の向きを示すものであり、電子の移動方向は、電流の向きとは逆になる。このため、光電変換部48では、図3中、左側の端の裏面電極39が正極(プラス極)になり、右側の端の裏面電極38aが負極(マイナス極)になる。
【0043】
本実施形態においては、裏面電極39を金属基板30のアルミニウム層34に接続させて更に第2の導電部材52を金属基板30のアルミニウム層34に接続させている。このことにより、裏面電極39と第2の導電部材52との間を金属基板30のアルミニウム層34およびステンレス鋼板32を導体として導通することができる。また、第1の導電部材50を裏面電極38aに接続している。これらのことにより、太陽電池サブモジュール12で発生した電力を、隣接した第1の導電部材50と第2の導電部材52から、太陽電池サブモジュール12の外部に取り出すことができる。
なお、第1の導電部材50が負極であり、第2の導電部材52が正極である。また、第1の導電部材50と第2の導電部材52とは極性が逆であってもよく、光電変換素子46の構成、太陽電池モジュール10構成等に応じて、適宜変わるものである。
【0044】
本実施形態においては、図2(a)に示すように、第1の導電部材50および第2の導電部材52は、互いに平行に、金属基板30の辺に沿って一方向に長いものである。
また、図2(b)に示すように、金属基板30の1つの辺の長さをLとするとき、少なくとも第2の導電部材52と導通される裏面電極39の長さXは、金属基板30の辺の長さLの1/2以上であることが好ましい。これにより、裏面電極39と金属基板30との良好な導通を確保することができる。
【0045】
また、本実施形態においては、第2の導電部材52は、直列接続された光電変換素子46の正極側の端部の光電変換素子46に、金属基板30を介して接続されている。このため、第2の導電部材52は、光電変換部48内の全ての光電変換素子46の最高電位のものに接続されている。これにより、第2の導電部材52から取り出される電位は、最高電位となる。
【0046】
なお、本実施形態では、金属基板30、例えば、アルミニウム層34およびステンレス鋼板32を導体として利用している。金属基板30は、ステンレス鋼板32とアルミニウム層34、35のクラッド基板であるものの、ステンレス鋼板32およびアルミニウム層34、35は、いずれも導電率が十分に高いため、太陽電池サブモジュール12で発生した電流を金属基板30で消耗することがない。
【0047】
次に、接電箱22について詳細に説明する。
図2(a)に示すように、接電箱22は、外形が略矩形状である。太陽電池サブモジュール12においては、第1の導電部材50および第2の導電部材52が設けられた側の辺の一方の端部、すなわち、4隅のうち、1つの角部が、接電箱22の外形の大きさの領域24分だけ、略矩形状に金属基板30が切り欠かれている。
この領域24は、太陽電池サブモジュール12が組み込まれた太陽電池モジュール本体10aにおいても存在している。太陽電池モジュール本体10aに対して、接電箱22が領域24に厚さ方向を一致させて取り付けられる。接電箱22が取り付けられた状態で、接電箱22は金属基板30の切り欠かれる前の元々の外周面からはみ出すことがない。
図2(b)に示すように、接電箱22の幅Wは、例えば、金属基板30の端部30cから、金属基板30の光電変換部48が形成されていない領域と、第1の導電部材50、第2の導電部材52の幅の合計と、光電変換素子48、1個分の幅との合計である。
【0048】
また、図2(c)に示す接電箱22の厚さtは、図1に示すように、太陽電池モジュール本体10aの厚さTと略同じである。この太陽電池モジュール本体10aの厚さTとは、太陽電池モジュール本体10aを構成する太陽電池サブモジュール12、封止接着層14、表面保護層16、封止接着層18およびバックシート20を合わせた積層方向の厚さのことである。
このように、接電箱22は、その厚さtが太陽電池モジュール本体10aの厚さTと略同じであり、しかも、太陽電池サブモジュール12の金属基板30のもともとの外形からはみ出すことなく太陽電池モジュール10内に取り付けられている。
【0049】
図1に示すように、接電箱22は、筐体60と、筐体60内に形成された台部61とを有する。筐体60の表面60bから裏面60cまでの長さが接電箱22の厚さtと同じであって、上述のように、太陽電池モジュール本体10aの厚さTと略等しい。
この接電箱22は、太陽電池モジュール本体10aと厚さ方向を一致させて取り付けられるが、このとき、筐体60の表面60bが表面保護層16の表面16aと略面一になり、筐体60の裏面60cがバックシート20の表面20aと略面一になる。
【0050】
筐体60は、内部60aに台部61が形成されている。この台部61の台面61aに、リード線62と、かしめ部64と、ケーブル66とが設けられている。
リード線62は、例えば、導電性接着剤70により第1の導電部材50と接続されている。また、リード線62は、かしめ部64により、ケーブル66の芯線66aと機械的に接合されている。このケーブ66は、台部61に設けられた固定部69により、台面61aに固定されている。なお、かしめ部64としては、リード線62とケーブル66の芯線66aと機械的に接合することができれば、特に限定されるものではなく、例えば、圧着端子が用いられる。
【0051】
接電部22においては、第1の導電部材50が折曲げられることなく、配置されたとおり、直線状態を維持したままの状態でリード線62と接続されるように、台部61の台面61aの高さが設定されている。
なお、図1には、第1の導電部材50とケーブル66との接続状態だけを示しているが、第2の導電部材52についても、第1の導電部材50と同様に、台面61aに設けられたリード線62と導電性接着剤70によりリード線62に接続されて、かしめ部64により、このリード線62がケーブル68の芯線と機械的に接合される。また、第2の導電部材52も折曲げられることなく、配置されたとおり、直線状態を維持したままの状態で、リード線62と接続される。
【0052】
本実施形態において、接電部22は、例えば、筐体60の上半分が取り外せる構成とする。この場合、接電箱22を、太陽電池モジュール本体10aと接続するには、まず、上半分が取り外し、第1の導電部材50および第2の導電部材52を、それぞれリード線62に導電性接着剤70で接続して、ケーブル66、68と接続する。その後、筐体60の内部60aに封止接着剤72を充填し、上半分を取り付ける。これにより、接電箱22は内部60aが封止されて、第1の導電部材50および第2の導電部材52が、それぞれケーブル66、68に接続された状態が保持されるともに、太陽電池モジュール本体10aと接続されて、太陽電池モジュール10が構成される。
【0053】
本実施形態の太陽電池モジュール10においては、太陽電池サブモジュール12の角部を切り欠いた領域24に接電箱22を設け、この接電箱22の厚さtを、太陽電池モジュール本体10aの厚さTと略同じにしている。これにより、太陽電池モジュール10は、周面に出っ張りがなく、しかも厚さが均一なものとなり、従来の太陽電池モジュールのように接電箱が出っ張ることがない。このため、太陽電池モジュール10の輸送時および設置の際における作業性が良好となる。
しかも、従来の太陽電池モジュールでは輸送時に重ねて運搬するときに接電箱等の部分をへこませたスペーサ、治具等が必要であったが、本実施形態の太陽電池モジュール10では、そのようなスペーサ、治具等が不要となる。これにより、輸送コストも低減することができる。
【0054】
また、本実施形態の太陽電池モジュール10は、出っ張りがないため、太陽電池モジュール10の取り扱いが容易となり、設置作業等の作業性も向上する。このため、設置コストも低減することができ、さらには、接電箱等がぶつかって破損する恐れもなく、太陽電池モジュールの信頼性を向上させることもできる。
このように、輸送コストおよび設置コストを低減することができ、太陽電池モジュールのコストを低下させることができる。
【0055】
さらには、本実施形態においては、第1の導電部材50および第2の導電部材52に折曲げる等のストレスをかけることなく、略直線状態を維持したまま、第1の導電部材50および第2の導電部材52を接電箱22に接続することができる。このため、折曲げ等によって生じる断線等の配線トラブルを抑制することができ、太陽電池モジュール10の耐久性等、信頼性を高くすることができる。
また、第1の導電部材50および第2の導電部材52を折曲げることなく、直線状態を維持したままの状態で各リード線62と接続することができるため、第1の導電部材50および第2の導電部材52と各リード線62との接続作業も容易になり、作業性も良好なものとなる。
【0056】
また、本実施形態においては、金属基板30の一部を切り欠く構成としたが、これに限定されるものではない。太陽電池モジュール本体10aに、太陽電池モジュール10になったときに周囲から出っ張ることなく接電箱22を取り付けることができれば、例えば、接電箱22を取り付ける部分を、予め切り欠いた金属基板を用いることもできる。
また、本実施形態においては、接電箱22を太陽電池サブモジュール12の角部に取り付けることにより、金属基板をフレキシブルなものとした場合、従来のように太陽電池モジュールの略中央に接電箱がないので、例えば、凹状に曲げても、凸状に曲げても、接電箱が、その曲げの妨げにならない。
【0057】
さらには、本実施形態においては、第1の導電部材50および第2の導電部材52を、太陽電池サブモジュール12の一方の端部に、隣接して配置したが、これに限定されるものではない。例えば、金属基板の一方の端部(裏面電極38a)に第1の導電部材50を設け、他方の端部(裏面電極39)に第2の導電部材52を設けてもよい。この場合、接電箱22の位置が図2(a)に示す位置であるとき、第2の配線部材52を、例えば、光電変換部48に沿って金属基板30の絶縁層36に延設して接電箱22に接続させる。
【0058】
なお、太陽電池サブモジュール12の構成についても、本実施形態の構成に、特に限定されるものではない。しかしながら、本実施形態の太陽電池サブモジュール12のように、一方の端部に第1の導電部材50および第2の導電部材52を配置することができれば、上述のように、接電箱22への接続が容易であるとともに、第2の配線部材52を引き回すことがなく、配線長さを短くすることができる。
【0059】
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
図4(a)は、本発明の第2の実施形態の太陽電池モジュールの太陽電池サブモジュールを示す平面図であり、(b)は、本発明の第2の実施形態の太陽電池モジュールにおける接電箱の配置状態を拡大して示す模式的平面図であり、(c)は、本発明の第2の実施形態の太陽電池モジュールと接電箱との厚さを示す模式図である。
なお、本実施形態において、図1〜3に示す第1の実施形態の太陽電池モジュール10と同一構成物には同一符号を付して、その詳細な説明は省略する。
【0060】
図4(a)、(b)に示すように、本実施形態の太陽電池サブモジュール12aは、第1の実施形態の太陽電池サブモジュール12(図2(a)、(b)参照)に比して、接電箱22aの大きさが異なり、それ以外の構成は第1の実施形態の太陽電池サブモジュール12(図2(a)、(b)参照)と同様の構成であるため、その詳細な説明は省略する。
【0061】
本実施形態の接電箱22aは、第1の実施形態の接電箱22に比して、厚さtは同じであるものの、その幅Wは、接電箱22の幅Wよりも狭い。本実施形態の接電箱22aの幅Wは、第1の導電部材50および第2の導電部材52の幅の合計に余裕をもたせた程度のものであり、光電変換素子48の2つ分の幅程度である。このように、接電箱22aを小さくすることもできる。この接電箱22aの内部構造は、接電箱22と同様の構成であるため、その詳細な説明は省略する。
本実施形態においては、第1の実施形態に比して、接電箱22aの幅Wが狭いだけであるため、本実施形態についての詳細な説明は省略するが、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0062】
なお、上述のいずれの実施形態においても、金属基板30には、上述のように、芯材のステンレス鋼板32と被覆層のアルミニウム層34、35のクラッド基板を用いた。ステンレス鋼板32としては、例えば、絶縁層、および光電変換素子と材料特性から応力計算結果により適宜選択することができる。光電変換素子全体の熱膨張係数を制御するためにステンレス鋼板32としては、例えば、オーステナイト系ステンレス鋼(熱膨張係数:17×10−61/℃)、炭素鋼およびフェライト系ステンレス鋼(10×10−61/℃)を用いることができる。
また、金属基板30は、芯材として、ステンレス鋼板32以外にも、例えば、軟鋼等の鋼、42インバー合金、コバール合金(5×10−61/℃)、または36インバー合金(<1×10−61/℃)からなる板材を用いることができる。
【0063】
ステンレス鋼板32の厚さは、光電変換素子の製造プロセス時、稼動時のハンドリング性(強度と可撓性)により、任意に設定可能であるが、10μm〜1mmであることが好ましい。
【0064】
ステンレス鋼板32の剛性は、塑性変形をしない弾性限界応力が重要であるため、降伏応力若しくは0.2%耐力値によって定義する。ステンレス鋼板32の0.2%耐力値とその温度依存性は、「鉄鋼材料便覧」,日本金属学会,日本鉄鋼協会編,丸善株式会社、または「ステンレス鋼便覧(第3版)」,ステンレス協会編,日刊工業新聞社に記載されている。鋼の機械加工度と調質にもよるが、ステンレス鋼板32の0.2%耐力値は室温で250〜900MPaであることが好ましい。そして、太陽電池モジュールにおける光電変換素子(光電変換部)の製造時は高温(500℃以上)になるが、鋼の500℃における耐力は、一般に70%程度は維持される。一方、アルミニウムの室温における耐力は機械加工度と調質にもよるが300MPa以上であるものの、350℃以上では1/10以下に低下する。したがって、高温時の金属基板30の弾性限界応力および熱膨張は、ステンレス鋼板32の高温特性が支配的となる。応力計算に必要なアルミニウムとステンレス鋼のヤング率とその温度依存性は、「金属材料の弾性係数」,日本機械学会に記載されている。
【0065】
アルミニウム層34、35には、例えば、日本工業規格(JIS)の1000系純Al、Al−Mn系合金、Al−Mg系合金、Al−Mn−Mg系合金、Al−Zr系合金、Al-Si系合金、およびAl−Mg−Si系合金等のAlと他の金属元素との合金を用いることができる(「アルミニウムハンドブック第4版」(1990年、軽金属協会発行)を参照)。アルミニウム層34、35には、Fe、Si、Mn、Cu、Mg、Cr、Zn、Bi、Ni、およびTi等の各種微量金属元素が含まれていてもよい。
【0066】
アルミニウム層34、35の厚さは、太陽電池モジュールの全体の層構成と材料特性から応力計算結果により適宜選択できるが、金属基板30とした形体において0.1〜500μmである。ステンレス鋼板32と陽極酸化膜からなる絶縁層36、37との間にアルミニウム層34、35が介在することにより、温度変化によって熱膨張が生じた際の絶縁層36、37の応力が緩和される。なお、金属基板30の絶縁層36、37を形成する際、アルミニウム層34、35は陽極酸化および陽極酸化の事前洗浄または研磨により厚さが減少するため、それを見越した厚さとしておく必要がある。
【0067】
アルミニウム層34、35は、ステンレス鋼板32とアルミニウム層34、35との密着性を確保することができれば、その形成方法は、特に限定されるものではない。アルミニウム層34、35は、例えば、蒸着、スパッタ等の気相成膜法、アルミニウムの溶融金属浴中に浸漬する溶融めっき法、表面清浄化後のロール圧延等による加圧接合等で接合する接合方法により、ステンレス鋼板32に形成することができる。
なお、溶融めっき法の場合、ステンレス鋼板32とアルミニウム層34、35との界面に、脆弱な金属間化合物ができないようにすること必要である。コストと量産性の観点からアルミニウム層34、35の形成方法は、ロール圧延等による加圧接合法が好ましい。
【0068】
絶縁層36、37は、例えば、アルミニウム層34、35の陽極酸化による複数の細孔を有する陽極酸化膜である。この陽極酸化膜は高い絶縁性が確保されている。
【0069】
陽極酸化は、金属基板30を陽極とし、陰極と共に電解液に浸漬させ、陽極陰極間に電圧を印加することで実施できる。また、陽極酸化は、必要に応じてアルミニウム層34、35の表面に洗浄処理・研磨平滑化処理等を施す。陰極としてはカーボンおよびアルミニウム等が使用される。電解質としては制限されず、硫酸、リン酸、クロム酸、シュウ酸、スルファミン酸、ベンゼンスルホン酸およびアミドスルホン酸等の酸を、1種又は2種以上含む酸性電解液が好ましく用いられる。陽極酸化条件は、使用する電解質の種類にもより特に制限されない。条件としては、例えば、電解質濃度1〜80質量%、液温5〜70℃、電流密度0.005〜0.60A/cm、電圧1〜200V、電解時間3〜500分の範囲にあれば適当である。電解質としては、硫酸、リン酸、シュウ酸、またはこれらの混合液が好ましい。このような電解質を用いる場合、電解質濃度4〜30質量%、液温10〜30℃、電流密度0.05〜0.30A/cm、および電圧30〜150Vが好ましい。
【0070】
アルミニウム層34、35を陽極酸化すると、表面から略垂直方向に酸化反応が進行し、陽極酸化膜が生成する。前述の酸性電解液を用いた場合、陽極酸化膜は、多数の平面視略正六角形状の微細柱状体が隙間なく配列し、各微細柱状体の中心部には微細孔があり、底面は丸みを帯びた形状となる。微細柱状体の底部にはバリア層(通常、厚み0.02〜0.1μm)が形成される。なお、酸性電解液とは異なり、ホウ酸等の中性電解液で電解処理することで、ポーラスな微細柱状体が配列した陽極酸化膜でなく緻密な陽極酸化膜を得ることが出来る。またバリア層の層厚を大きくする目的で、酸系電解液でポーラスな陽極酸化膜を生成後に、中性電解液で再電解処理するポアフィリング法等も使用可能である。
【0071】
絶縁層36、37の厚さは特に制限されず、絶縁性とハンドリング時の機械衝撃による損傷を防止する表面硬度を有しておれば良いが、厚すぎると可撓性の観点で問題を生じる場合がある。このことから、絶縁層36、37の好ましい厚さは0.5〜50μmであり、厚さの制御は定電流電解、および定電圧電解とともに、電解時間により制御することができる。
なお、絶縁層36、37を陽極酸化法で形成する場合には、ステンレス鋼板32とアルミニウム層34、35との局部電池の形成を防ぐため、金属基板30(ステンレス鋼板32)の側面をマスクして絶縁する必要がある。アルミニウム層34、35の一方に陽極酸化膜を形成する場合には、金属基板30(ステンレス鋼板32)の側面に加えて、アルミニウム層34、35の他方の面もマスクして絶縁する必要がある。
【0072】
また、絶縁層36、37は、陽極酸化によるアルミニウム酸化膜に限定されるものではない。絶縁層36、37としては、例えば、アルミニウム酸化膜、シリコン酸化膜が挙げられる。絶縁層36、37は、例えば、CVD法、PVD法、またはゾルゲル法により形成することができ、その厚さは、1〜100μmであり、望ましくは10〜50μmである。
【0073】
光電変換素子46において、裏面電極38および透明電極44は、いずれも光電変換層40で発生した電流を取り出すためのものである。裏面電極38および透明電極44は、いずれも導電性材料からなる。光入射側の透明電極44は透光性を有する必要がある。
【0074】
裏面電極38は、例えば、Mo、Cr、またはW、およびこれらを組合わせたものにより構成される。この裏面電極38は、単層構造でもよいし、2層構造等の積層構造でもよい。
裏面電極38は、厚さが100nm以上であることが好ましく、0.45〜1.0μmであることがより好ましい。
また、裏面電極38の形成方法は、特に制限されるものではなく、電子ビーム蒸着法、スパッタリング法等の気相成膜法により形成することができる。
【0075】
透明電極44は、例えば、Al、B、Ga、Sb等が添加されたZnO、ITO(インジウム錫酸化物)、またはSnOおよびこれらを組合わせたものにより構成される。この透明電極44は、単層構造でもよいし、2層構造等の積層構造でもよい。また、透明電極44の厚さは、特に制限されるものではなく、0.3〜1μmが好ましい。
また、透明電極44の形成方法は、特に制限されるものではなく、電子ビーム蒸着法、スパッタリング法等の気相成膜法により形成することができる。
【0076】
バッファ層42は、透明電極44の形成時の光電変換層40を保護すること、透明電極44に入射した光を光電変換層40まで透過させるために形成されている。
このバッファ層42は、例えば、CdS、ZnS、ZnO、ZnMgO、またはZnS(O、OH)およびこれらの組合わせたものにより構成される。
バッファ層42は、厚さが、0.03〜0.1μmが好ましい。また、このバッファ層42は、例えば、CBD(ケミカルバス)法により形成される。
【0077】
光電変換層40は、透明電極44およびバッファ層42を通過して到達した光を吸収して電流が発生する層である。本実施形態において、光電変換層40の構成は、特に制限されるものではなく、例えば、少なくとも1種のカルコパイライト構造の化合物半導体である。また、光電変換層40は、Ib族元素とIIIb族元素とVIb族元素とからなる少なくとも1種の化合物半導体であってもよい。
【0078】
さらに光吸収率が高く、高い光電変換効率が得られることから、光電変換層40は、CuおよびAgからなる群より選択された少なくとも1種のIb族元素と、Al、GaおよびInからなる群より選択された少なくとも1種のIIIb族元素と、S、Se、およびTeからなる群から選択された少なくとも1種のVIb族元素とからなる少なくとも1種の化合物半導体であることが好ましい。この化合物半導体としては、CuAlS、CuGaS、CuInS、CuAlSe、CuGaSe、CuInSe(CIS)、AgAlS、AgGaS、AgInS、AgAlSe、AgGaSe、AgInSe、AgAlTe、AgGaTe、AgInTe、Cu(In1−xGa)Se(CIGS)、Cu(In1−xAl)Se、Cu(In1−xGa)(S、Se)、Ag(In1−xGa)Se、およびAg(In1−xGa)(S、Se)等が挙げられる。
【0079】
光電変換層40は、CuInSe(CIS)、および/又はこれにGaを固溶したCu(In、Ga)Se(CIGS)を含むことが特に好ましい。CISおよびCIGSはカルコパイライト結晶構造を有する半導体であり、光吸収率が高く、高い光電変換効率が報告されている。また、光照射等による効率の劣化が少なく、耐久性に優れている。
【0080】
光電変換層40には、所望の半導体導電型を得るための不純物が含まれる。不純物は隣接する層からの拡散、および/又は積極的なドープによって、光電変換層40中に含有させることができる。光電変換層40中において、I−III−VI族半導体の構成元素および/又は不純物には濃度分布があってもよく、n型、p型、およびi型等の半導体性の異なる複数の層領域が含まれていても構わない。
例えば、CIGS系においては、光電変換層40中のGa量に厚み方向の分布を持たせると、バンドギャップの幅/キャリアの移動度等を制御でき、光電変換効率を高く設計することができる。
【0081】
光電変換層40は、I−III−VI族半導体以外の1種又は2種以上の半導体を含んでいてもよい。I−III−VI族半導体以外の半導体としては、Si等のIVb族元素からなる半導体(IV族半導体)、GaAs等のIIIb族元素およびVb族元素からなる半導体(III−V族半導体)、およびCdTe等のIIb族元素およびVIb族元素からなる半導体(II−VI族半導体)等が挙げられる。光電変換層40には、特性に支障のない限りにおいて、半導体、所望の導電型とするための不純物以外の任意成分が含まれていても構わない。
また、光電変換層40中のI−III−VI族半導体の含有量は、特に制限されるものではない。光電変換層40中のI−III−VI族半導体の含有量は、75質量%以上が好ましく、95質量%以上がより好ましく、99質量%以上が特に好ましい。
【0082】
本実施形態の光電変換層40をCIGS層とした場合、CIGS層の成膜方法としては、1)多源同時蒸着法、2)セレン化法、3)スパッタ法、4)ハイブリッドスパッタ法、及び5)メカノケミカルプロセス法等が知られている。
【0083】
1)多源同時蒸着法としては、
3段階法(J.R.Tuttle et.al,Mat.Res.Soc.Symp.Proc.,Vol.426(1996)p.143.等)と、ECグループの同時蒸着法(L.Stolt et al.:Proc.13th ECPVSEC(1995,Nice)1451.等)とが知られている。
前者の3段階法は、高真空中で最初にIn、Ga、及びSeを基板温度300℃で同時蒸着し、次に500〜560℃に昇温してCu及びSeを同時蒸着後、In、Ga、及びSeをさらに同時蒸着する方法である。後者のECグループの同時蒸着法は、蒸着初期にCu過剰CIGS、後半でIn過剰CIGSを蒸着する方法である。
【0084】
CIGS膜の結晶性を向上させるため、上記方法に改良を加えた方法として、
a)イオン化したGaを使用する方法(H.Miyazaki, et.al, phys.stat.sol.(a),Vol.203(2006)p.2603.等)、
b)クラッキングしたSeを使用する方法(第68回応用物理学会学術講演会講演予稿
集(2007秋 北海道工業大学)7P−L−6等)、
c)ラジカル化したSeを用いる方法(第54回応用物理学会学術講演会講演予稿集
(2007春 青山学院大学)29P−ZW−10等)、
d)光励起プロセスを利用した方法(第54回応用物理学会学術講演会 講演予稿集(2007春 青山学院大学)29P−ZW−14等)等が知られている。
【0085】
2)セレン化法は2段階法とも呼ばれ、最初にCu層/In層または(Cu−Ga)層/In層等の積層膜の金属プレカーサをスパッタ法、蒸着法、または電着法などで成膜し、これをセレン蒸気またはセレン化水素中で450〜550℃程度に加熱することにより、熱拡散反応によってCu(In1−xGax)Se等のセレン化合物を生成する方法である。この方法を気相セレン化法と呼ぶ。このほか、金属プリカーサ膜の上に固相セレンを堆積し、この固相セレンをセレン源とした固相拡散反応によりセレン化させる固相セレン化法がある。
【0086】
セレン化法においては、セレン化の際に生ずる急激な体積膨張を回避するために、金属プリカーサ膜に予めセレンをある割合で混合しておく方法(T.Nakada et.al,, Solar Energy Materials and Solar Cells 35(1994)204-214.等)、及び金属薄層間にセレンを挟み(例えばCu層/In層/Se層…Cu層/In層/Se層と積層する)多層化プリカーサ膜を形成する方法(T.Nakada et.al,, Proc. of 10th European Photovoltaic Solar Energy Conference(1991)887-890. 等)が知られている。
【0087】
また、グレーデッドバンドギャップCIGS膜の成膜方法として、最初にCu−Ga合金膜を堆積し、その上にIn膜を堆積し、これをセレン化する際に、自然熱拡散を利用してGa濃度を膜厚方向で傾斜させる方法がある(K.Kushiya et.al, Tech.Digest 9th Photovoltaic Science and Engineering Conf. Miyazaki, 1996(Intn.PVSEC-9,Tokyo,1996)p.149.等)。
【0088】
3)スパッタ法としては、
CuInSe多結晶をターゲットとした方法、CuSeとInSeをターゲットとし、スパッタガスにHSe/Ar混合ガスを用いる2源スパッタ法(J.H.Ermer,et.al, Proc.18th IEEE Photovoltaic SpecialistsConf.(1985)1655-1658.等)、および
Cuターゲットと、Inターゲットと、SeまたはCuSeターゲットとをArガス中でスパッタする3源スパッタ法(T.Nakada,et.al, Jpn.J.Appl.Phys.32(1993)L1169-L1172.等)が知られている。
【0089】
4)ハイブリッドスパッタ法としては、前述のスパッタ法において、CuとIn金属は直流スパッタで、Seのみは蒸着とするハイブリッドスパッタ法(T.Nakada,et.al., Jpn.Appl.Phys.34(1995)4715-4721.等)が知られている。
【0090】
5)メカノケミカルプロセス法は、CIGSの組成に応じた原料を遊星ボールミルの容器に入れ、機械的なエネルギーによって原料を混合してCIGS粉末を得、その後、スクリーン印刷によって基板上に塗布し、アニールを施して、CIGSの膜を得る方法である(T.Wada et.al, Phys.stat.sol.(a), Vol.203(2006)p2593等)。
【0091】
その他のCIGS成膜法としては、スクリーン印刷法、近接昇華法、MOCVD法、及びスプレー法などが挙げられる。例えば、スクリーン印刷法またはスプレー法等で、Ib族元素、IIIb族元素、及びVIb族元素を含む微粒子膜を基板上に形成し、熱分解処理(この際、VIb族元素雰囲気での熱分解処理でもよい)を実施するなどにより、所望の組成の結晶を得ることができる(特開平9−74065号公報、特開平9−74213号公報等)。
【0092】
なお、太陽電池サブモジュール12の金属基板の構成は、本実施形態のステンレス鋼板32の両面にアルミニウム層34、35が形成されたクラッド基板に限定されるものではない。金属基板としては、例えば、ステンレス鋼板32の表面32aだけ、すなわち、片面だけにアルミニウム層34が形成されており、このアルミニウム層34に絶縁層36が形成されたものであってもよい。
また、金属基板としては、例えば、ステンレス鋼板32の全面にアルミニウム層が形成された構成でもよい。この場合、アルミニウム層は、本実施形態のアルミニウム層34と同様の構成とすることができる。
また、金属基板としては、アルミニウム基板だけで構成されており、このアルミニウム基の表面および裏面の少なくとも1面に、アルミニウムの陽極酸化膜からなる絶縁層が形成されたものであってもよい。
【0093】
また、金属基板は、矩形状であり、少なくとも2辺の端部には絶縁層が形成されていない領域があり、金属基板が表出していることが好ましい。この場合、少なくとも2辺とは、対向する2辺であることが好ましい。
さらには、金属基板は、矩形状であり、少なくとも2辺の端部には金属基板の導体部に接続された導体が設けられていてもよい。この場合においても、少なくとも2辺とは、対向する2辺であることが好ましい。
【0094】
上述のいずれの実施形態においても、太陽電池サブモジュールは、薄膜型薄膜太陽電池サブモジュール、集積型太陽電池サブモジュールまたはグリッド型太陽電池サブモジュールであってもよい。
また、上述のいずれの実施形態においても、太陽電池サブモジュールの光電変換部の構成は、CIGS系薄膜型光電変換素子(CIGS系薄膜型太陽電池セル)を有するものに、特に限定されるものではない。太陽電池サブモジュールの光電変換部としては、例えば、CIS系薄膜型太陽電池セル(CIS系薄膜型光電変換素子)、薄膜シリコン系薄膜型太陽電池セル(薄膜シリコン系薄膜型光電変換素子)、CdTe系薄膜型太陽電池セル(CdTe系薄膜型光電変換素子)、色素増感系薄膜型太陽電池セル(色素増感系薄膜型光電変換素子)、または有機系薄膜型太陽電池セル(有機系薄膜型光電変換素子)を有するものであってもよい。
【0095】
本発明は、基本的に以上のようなものである。以上、本発明の太陽電池モジュールについて詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良または変更をしてもよいのはもちろんである。
【符号の説明】
【0096】
10 太陽電池モジュール
10a 太陽電池モジュール本体
12 太陽電池サブモジュール
14、18 封止接着層
16 表面保護層
20 バックシート
30 金属基板
32 ステンレス鋼板)
34、35 アルミニウム層
36、37 絶縁層
38 裏面電極
40 光電変換層
42 バッファ層
44 透明電極
46 光電変換素子
48 光電変換部
50 第1の導電部材
52 第2の導電部材
60 筐体
62 リード線
64 かしめ部
66、68 ケーブル


【特許請求の範囲】
【請求項1】
光から電力を得る機能ならびに正極および負極とを備えた光電変換部が設けられたサブモジュールを有する太陽電池モジュール本体と、
前記光電変換部の負極に接続された第1の導電部材と、
前記光電変換部の正極に接続された第2の導電部材と、
前記第1の導電部材と前記第2の導電部材とが接続される接電箱とを有し、
前記接電箱は前記太陽電池モジュール本体内に取り付けられており、前記接電箱の厚さは、前記太陽電池モジュール本体の厚さと略等しいことを特徴とする太陽電池モジュール。
【請求項2】
前記接電箱は、前記太陽電池モジュール本体の一部が切り欠かれた領域に設けられている請求項1に記載の太陽電池モジュール。
【請求項3】
前記第1の導電部材および前記第2の導電部材は、前記接電箱に折曲げられることなく接続されている請求項1または2に記載の太陽電池モジュール。
【請求項4】
前記第1の導電部材および前記第2の導電部材は、前記サブモジュールの一方の端部に略直線状に配置されており、前記第1の導電部材および前記第2の導電部材は、前記接電箱に略直線状を維持した状態で接続されている請求項1〜3のいずれか1項に記載の太陽電池モジュール。
【請求項5】
前記サブモジュールは、前記光電変換部が設けられる基板を備え、前記光電変換部は、前記正極が一方の端部に前記負極が他方の端部に設けられており、
前記正極または前記負極と前記基板とを接続させて前記基板を導体として用い、前記基板に接続されていない負極または正極側の端部に隣接する位置における前記基板に、第1の導電部材または前記第2の導電部材が設けられている請求項1〜4のいずれか1項に記載の太陽電池モジュール。
【請求項6】
前記基板は、導体部の少なくとも片面に絶縁層が形成されたものであり、前記光電変換部は前記絶縁層上に形成されており、
前記正極または前記負極と前記導体部とを接続させて前記導体部を導体として用い、前記基板に接続されていない負極または正極側の端部に隣接する位置における前記導体部に、第1の導電部材または前記第2の導電部材が設けられている請求項5に記載の太陽電池モジュール。
【請求項7】
前記サブモジュールは、薄膜太陽電池サブモジュールである請求項1〜6のいずれか1項に記載の太陽電池モジュール。
【請求項8】
前記サブモジュールは、集積型薄膜太陽電池サブモジュールである請求項1〜7のいずれか1項に記載の太陽電池モジュール。
【請求項9】
前記サブモジュールは、グリッド型太陽電池サブモジュールである請求項1〜7のいずれか1項に記載の太陽電池モジュール。
【請求項10】
前記光電変換部は、CIS系薄膜型太陽電池セル、CIGS系薄膜型太陽電池セル、薄膜シリコン系薄膜型太陽電池セル、CdTe系薄膜型太陽電池セル、III−V属系薄膜型太陽電池セル、色素増感系薄膜型太陽電池セル、および有機系薄膜型太陽電池セルのいずれか1つの薄膜型太陽電池セルを有する請求項1〜9のいずれか1項に記載の太陽電池モジュール。
【請求項11】
前記絶縁層は、陽極酸化処理されたアルミニウムからなる請求項6に記載の太陽電池モジュール。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−77301(P2011−77301A)
【公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−227284(P2009−227284)
【出願日】平成21年9月30日(2009.9.30)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】