説明

太陽電池用バックシート及び太陽電池用バックシートの製造方法

【課題】太陽電池モジュールの表面から照射された可視光線及び紫外線の両方を十分に反射して太陽電池セルにこれを戻すことにより、太陽電池セルが効率よく発電を行うことができるとともに、裏面から照射された可視光線及び紫外線を十分に反射することにより、太陽電池モジュールの劣化を防止することができる太陽電池用バックシートを提供する。
【解決手段】ポリエステルからなる第1のフィルムと、熱可塑性樹脂と白色顔料と水酸化アルミニウムとイソシアネート化合物を含む白色樹脂組成物を硬化させてなる白色層と、ポリエステルからなる第2のフィルムとを具備し、前記第1及び第2のフィルムが前記白色層を挟持するよう積層されてなる太陽電池用バックシート。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽電池用バックシート、及び太陽電池用バックシートの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、環境汚染の防止や安全性の観点から、化石燃料や原子力等の従来のエネルギーインフラに変わるエネルギーインフラとして太陽電池が注目されている。太陽電池に使用される太陽電池モジュールとしては、単結晶シリコン系、多結晶シリコン系、アモルファスシリコン等が挙げられる。一般的な太陽電池モジュールは、ガラス基材等からなる表面保護材、封止材、太陽電池セル、封止材、及びバックシートの順にこれらを積層し、真空ラミネーター等で加熱圧着する方法等を利用して製造される。
【0003】
通常、太陽電池モジュールは屋外に設置される。そのため、上記バックシートには、長時間に渡り太陽光や雨に曝される封止材及び太陽電池セルを保護する目的で、十分な耐熱性、耐湿性及び耐候性が要求される。そして、これらの要求の中でも特に十分な耐湿性が重要となる。これは、バックシートから封止材に水分が透過すると、封止材の変化や配線の腐食が起こり、太陽電池モジュールの出力が低下するためである。
【0004】
このようなバックシートの材料としては、一般的にポリエチレンテレフタレート(PET)やポリエチレンナフタレート(PEN)といったポリエステルが用いられる。そして、例えば、ポリエステルをフィルム状にし、これにフッ素含有フィルムやアルミ蒸着材等を貼り合せたり、フッ素含有樹脂をポリエステルフィルムに塗布したりすることにより、ポリエステルフィルムの機能を補っている。特にフッ素は、バックシートに強度、耐熱性及び耐候性を付与するものとして広く用いられている(特許文献1参照)。
【0005】
また、太陽電池モジュールの表面から照射される太陽光のうち、太陽電池セルを透過した光を反射させ、これを太陽電池セルに戻して発電効率を上げる目的で、ポリエステルフィルムに白色顔料を配合する、又は当該フィルムに白色顔料を含んだ白色層を貼り合せるバックシート(特許文献2参照)が開示されている。
【0006】
また更に、太陽電池モジュールに照射される太陽光のうち、紫外線をカットすることを目的として、紫外線吸収剤と光安定化剤とを含む耐熱性のポリオレフィン系樹脂フィルム、若しくは紫外線吸収剤と光安定化剤とを含む耐熱性の透明又は半透明ポリオレフィン系樹脂フィルムを積層したプラスチックフィルム(特許文献3参照)からなるバックシートが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2010−232201号公報
【特許文献2】特開2011−116938号公報
【特許文献3】特開2011−014559号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述のとおり、従来のバックシートは太陽光を反射させる目的で、ポリエステルフィルムに白色顔料を配合する、又は当該フィルムに白色顔料を含んだ白色層を貼り合せている。しかし、これらのフィルム又は白色層は、太陽光のうち400nm以上の波長領域である可視光線の反射率は高いものの、紫外線の反射率は低い。そのため、紫外線を効率よく太陽電池セルに反射することが難しいという問題があった。尚、ポリエステルフィルムや接着層に紫外線吸収剤を配合して紫外線をカット(吸収)させることは可能であるが、これによる紫外線の反射率の向上は難しい。今後は、可視光線だけでなく紫外線を吸収し発電できる太陽電池の開発が進むと考えられる中で、紫外線を効率よく反射して太陽電池セルに戻すことのできる太陽電池用バックシートが望まれている。
【0009】
また上述のように従来のバックシートは紫外線の反射率が低い。そして太陽電池モジュールは表面及び裏面からも太陽光が照射されることから、表面から照射される紫外線はバックシートにダメージを与え、また裏面から照射される紫外線はバックシートを透過して封止材に入射してしまう。そのため、太陽電池モジュールを長時間使用すると、バックシートの耐候性が低下するとともに、上記封止材に入射する紫外線により、封止材及びバックシートが熱を帯びてくる。ここで、太陽電池モジュールの封止材としてはエチレン酢酸ビニル共重合樹脂(以下、「EVA」という。)が一般的に用いられている。そして、上述のように封止材やバックシートが熱を帯びた状態で更に紫外線がバックシート付近の封止材に入射すると、EVAは脱酢酸を伴って分解することから封止材の変質が起こり、太陽電池モジュールの出力が低下してしまうという問題が生じる。尚、EVAは、60℃の環境下であっても3時間以上紫外線を照射し続けると、その組織結合成分である酢酸が離れ、変質が起こる。
【0010】
本発明は上記課題を解決するためになされたものである。具体的には、太陽電池モジュールの表面及び裏面から照射される紫外線及び可視光線の両方を反射させることにより、太陽電池セルの発電効率を向上し、EVAの変質を防ぐことのできる太陽電池用バックシートの提供をその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するための、本発明の手段は以下の通りである。
【0012】
本発明の太陽電池用バックシートは、ポリエステルからなる第1のフィルムと、熱可塑性樹脂と白色顔料と水酸化アルミニウムとイソシアネート化合物を含む白色樹脂組成物を硬化させてなる白色層と、ポリエステルからなる第2のフィルムとを具備し、前記第1及び第2のフィルムが前記白色層を挟持するよう積層されてなることを特徴とする。
【0013】
上記バックシートに於いて、前記ポリエステルからなる第1及び第2のフィルムは、ポリエチレンナフタレート及びポリエチレンテレフタレートの少なくとも一方からなることが好ましい。また、当該ポリエステルからなる第1及び第2のフィルムは、その成分が略同一であることが更に好ましい。
【0014】
また前記白色顔料は酸化チタンであることが好ましく、前記白色樹脂組成物に含まれる白色顔料の含有量は30〜70重量%であることが更に好ましい。
【0015】
更に、前記白色樹脂組成物は熱硬化性樹脂と硬化触媒と有機溶剤とを更に含むことが好ましく、これらに加え、スチレン系樹脂及びアクリル樹脂の少なくとも一方を含むことが更に好ましい。
【0016】
また、上記バックシートに於いて、前記第1のフィルム又は前記第2のフィルム、若しくは前記第1のフィルム及び前記第2のフィルムの前記白色層と接する面(形成又は接着する面)には、易接着処理が施されていてもかまわない。
【0017】
更に本発明の他の特徴は、ポリエステルからなるフィルムの片面に熱可塑性樹脂と白色顔料と水酸化アルミニウムとイソシアネート化合物を含む白色樹脂組成物を塗布乾燥して熱硬化することにより白色層を形成する工程と、この白色層の表面に他のポリエステルからなるフィルムを接着する工程とを含むことを特徴とする太陽電池用バックシートの製造方法である。
【0018】
尚、前記白色樹脂組成物は、熱可塑性樹脂と白色顔料と水酸化アルミニウムと有機溶剤とを含む主剤と、イソシアネート化合物とを含む硬化剤とに分けて保存し、使用する前にこれらを混合して使用することもできる。
【0019】
また当該白色樹脂組成物を一液で保存する場合、有機溶剤としてアミド系溶剤を配合する。その配合量は、当該樹脂組成物100重量部に対して10〜40重量部であることが好ましい。このようなアミド系溶剤としては、例えばホルムアミド、モノメチルホルムアミド、ジメチルホルムアミド、アセトアミド、モノメチルアセトアミド、ジメチルアセトアミド、モノエチルアセトアミド、ジエチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等が挙げられる。
【0020】
また、本発明のバックシート及び本発明の製造方法を用いて形成されたバックシートを使用して太陽電池モジュールを製造する場合、前記第1のフィルム又は前記第2のフィルムのどちらを封止材と接するように積層してもかまわない。即ち、前記第1のフィルムの表面を封止材と接するように積層することも、前記第2のフィルムの表面を封止材と接するように積層することもできる。
【0021】
但し、前記第1のフィルム又は第2のフィルムにフッ素といった耐候性、耐湿性等を有する成分を配合したり、これらの成分を含む組成物を当該第1のフィルム又は第2のフィルムに塗布したり、或いはこれらの成分を含むフィルムを当該第1のフィルム又は第2のフィルムに貼り合わせる場合、当該処理を行っていないフィルムの表面を封止材と接するように積層する。
【発明の効果】
【0022】
本発明の太陽電池用バックシートは、ポリエステルからなる第1のフィルムと、白色顔料と水酸化アルミニウムを含む白色樹脂組成物を硬化させてなる白色層と、ポリエステルからなる第2のフィルムとを、前記第1のフィルムと第2のフィルムが前記白色層を挟持するように積層させてなる。これにより、上記バックシートは、太陽電池モジュールの表面から照射される太陽光のうち、可視光線だけではなく紫外線をも反射することができるため、太陽電池セルの発電効率を向上することができる。
【0023】
具体的には、本発明の太陽電池用バックシートは白色層に含まれる白色顔料が可視光線を反射することができ、更に当該白色層に含まれる水酸化アルミニウムと白色層に接着されたポリエステルフィルムの組み合わせによって紫外線を反射することができる。これにより、太陽電池モジュールの表面から照射される可視光線及び紫外線の両方をバックシートが反射し、太陽電池セルに効率的に戻すことができる。特に紫外線の99%は315〜380nmの波長領域を持つ近紫外線(UV−A)であるが、本発明のバックシートはこのUV−Aを半分近く反射することができる。
【0024】
また、本発明の太陽電池バックシートは、太陽電池モジュールの裏面から照射される太陽光も反射することができる。これにより、必要以上に太陽電池モジュール内に太陽光が入射されるのを防ぐことができる。特にアモルファスシリコン型太陽電池は紫外線による劣化が起こりやすいという問題があるが、本発明のバックシートを使用した場合、太陽電池モジュール裏面からの必要以上の紫外線の入射を防ぐことができるため、このような太陽電池モジュールの劣化を防ぐことができると考えられる。
【0025】
特に上記バックシートは、太陽電池モジュールの裏面から照射される、EVAを最も劣化させる波長領域である400nmまでの紫外線を反射することができるため、太陽電池モジュールの裏面から起こるバックシート及びバックシート近辺の封止樹脂の温度上昇を防ぐことができる。そしてこれにより、EVAの劣化を防止することができる。
【0026】
更に、上述のように本発明の太陽電池用バックシートは可視光線及び紫外線の両方を裏面及び表面のどちらにおいても反射することができるため、バックシート自体の光劣化を防止することができる。
【0027】
また本発明の太陽電池用バックシートは、ポリエステルからなる第1のフィルムと第2のフィルムとが、熱可塑性樹脂と白色顔料と水酸化アルミニウム及びイソシアネート化合物を含む白色樹脂組成物を硬化させてなる白色層を挟持するように積層するという簡単な構造になっている。これにより、様々な成分をフィルムに配合したり、様々な性質を持つ複数のフィルムを接着剤を介して積層するといった手間をかけることなく上記課題を解決することができる。また前記白色樹脂組成物には、前記第1のフィルム及び第2のフィルムと密着性のよい熱可塑性樹脂が含まれることから、白色層と前記第1のフィルム及び第2のフィルムとの接着箇所が剥がれるという問題も生じ難い。
【0028】
また前記第1のフィルム又は第2のフィルム、若しくは前記第1のフィルム及び第2のフィルムの上記白色層と接する面には、易接着処理を加えてもかまわない。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の一実施形態に係る太陽電池用バックシートを使用した太陽電池モジュールの断面図。
【図2】同実施形態に係る太陽電池用バックシート及び比較例として製造した太陽電池用バックシートについて紫外可視分光光度計を用いて封止材側から光を照射した場合の300nm〜1000nmの反射率を測定したグラフ。
【図3】同実施形態に係る太陽電池用バックシートについて紫外可視分光光度計を用いて裏側から光を照射した場合の300nm〜1000nmの反射率を測定したグラフ。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明の一実施形態について詳述する。
【0031】
<ポリエステルからなる第1のフィルム及び第2のフィルム>
本発明の太陽電池用バックシートに用いられるポリエステルとしては、一般的に使用されるポリエステル、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリナフタレンテレフタレート又はポリエチレンナフタレート等が挙げられる。これらの中でも特に、ポリエチレンテレフタレート及びポリエチレンナフタレートが好ましく用いられる。
【0032】
尚、ポリエステルからなる第1のフィルム及び第2のフィルムは、その成分が略同一であることが好ましい。これは、加熱の際に起こる両者の収縮率を合わせることにより、安全性の高いバックシートを提供するためである。
【0033】
上記第1のフィルム及び第2のフィルムの厚みは、前記第1のフィルム、白色層、及び第2のフィルムとを積層した場合の合計の厚みが125μm以上となるように調整される。特に本発明の太陽電池用バックシートを結晶型太陽電池に使用する場合、その好ましい合計の厚さは200μm〜250μmである。
【0034】
尚、上記第1のフィルム及び第2のフィルムはポリエステル以外に添加剤等を含んでいてもよく、このような添加剤としては、耐加水分解改質剤、固相重合促進剤、酸化防止剤、難燃剤等が挙げられる。
【0035】
更に、前記第1のフィルム又は第2のフィルムには、フッ素といった耐候性、耐湿性等を有する成分を配合したり、これらの成分を含む組成物を当該第1のフィルム又は第2のフィルムに塗布したり、或いはこれらの成分を含むフィルムを当該第1のフィルム又は第2のフィルムに貼り合わせることができる。この場合、当該処理を行っていないフィルムの表面を封止材と接するように積層する。
【0036】
<白色樹脂組成物>
本発明の太陽電池用バックシートに用いられる白色樹脂組成物は、熱可塑性樹脂、白色顔料、水酸化アルミニウム及びイソシアネート化合物、並びに必要に応じて、熱硬化性樹脂、硬化触媒、有機溶剤、並びにスチレン系樹脂及びアクリル樹脂の少なくとも一方とを混合することにより調製される。
【0037】
a)熱可塑性樹脂
上記白色樹脂組成物には、前記第1のフィルム及び第2のフィルムとの密着性、耐熱性、耐候性、強度等を付与する目的で、熱可塑性樹脂を配合することができる。このような熱可塑性樹脂としては、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、液晶ポリエステル等のポリエステル;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテンー1、ポリブチレン等のポリオレフィン;スチレン系樹脂、ポリオキシメチレン、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリメチレンメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンスルフィド、ポリイミド、ポリウレタン、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリスルホン、ポリエーテルスルフォン、ポリケトン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトンケトン、ポリアリレート、ポリエーテルニトリル、フェノール樹脂(例えばフェノールノボラック型)、フェノキシ樹脂、並びにこれらの共重合体、変性体が挙げられる。これらは、必要に応じて単独で又は複数を組み合わせて用いることができる。
【0038】
本発明では、水酸基を有する、若しくは水酸基を付加した熱可塑性樹脂が好ましく用いられる。このような熱可塑性樹脂としては、水酸基を有するオリゴマー又はポリマーであれば、特に限定されず用いることができる。例えば、ポリアミド、ポリエステル及び水酸基を有するビニル重合体、若しくは各種アクリレート、メタクリレートの共重合体、フェノール樹脂、クレゾール樹脂等を挙げることができる。
【0039】
上記ポリエステルとしては、例えば、ニッポラン(登録商標)800、1100、121、1004、136、141、4070(以上、日本ポリウレタン工業(株)製)等を挙げることができる。
【0040】
b)白色顔料
上記白色樹脂組成物には、上記バックシートに反射性(特に可視光線)を付与する目的で白色顔料を配合することができる。このような白色顔料としては、酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、硫酸バリウム等が挙げられる。その中でも酸化チタンが好ましく、より好ましくはルチル型酸化チタンが用いられる。
【0041】
上記白色顔料として用いられるルチル型酸化チタンとしては、例えばタイペーク(登録商標)R−550、タイペークR−630、タイペークR−670、タイペークR−680、タイペークR−780、タイペークR−820、タイペークR−830、タイペークR−850、タイペークR−930、タイペークCR−50、タイペークCR−57、タイペークCR−58、タイペークCR−60、タイペークCR−63、タイペークCR−67、タイペークCR−80、タイペークCR−85、タイペークCR−90、タイペークCR−93、タイペークCR−95、タイペークCR−97、タイペークUT771(以上、石原産業(株)製)、タイピュア(登録商標)R−100、タイピュアR−101、タイピュアR−102、タイピュアR−103、タイピュアR−104、タイピュアR−105、タイピュアR−108、タイピュアR−706、タイピュアR−900、タイピュアR−902、タイピュアR−960、タイピュアR−931(以上、デュポン(株)製)、R−21、R−25、R−32、R−42、R−44、R−7E、R−5N、R−61N、R−62N、R−45M、R−49S、GTR−100、GTR−300、D−918、TCR−29、TCR−52、FTR−700(以上、堺化学工業(株)製)等が挙げられる。
【0042】
また上記白色顔料として用いられるアナターゼ型酸化チタンとしては、例えばTITON A−110、TITON A−190、TITON A−197、TITON TCA−123E、TITON SA−1、TITON SA−1L(以上、堺化学工業(株)製)、TA−100、TA−200、TA−300、TA−400、TA−500、TP−2(以上、富士チタン工業(株)製)、TITANIX(登録商標) JA−1、TITANIX JA−3、TITANIX JA−4、TITANIX JA−5、TITANIX JA−C(以上、テイカ(株)製)、KA−10、KA−15、KA−20、KA−30(以上、チタン工業(株)製)、タイペークA−100、タイペークA−220、タイペークW−10(以上、石原産業(株)製)等が挙げられる。
【0043】
このような白色顔料の配合率は、白色樹脂組成物全量に対して30〜70重量%であることが好ましい。当該配合率が70重量%を超えると、白色顔料の分散性が悪化することから好ましくない。一方、当該配合率が30重量%未満であると、白色層の反射率が低下し、太陽光を効率よく反射することができなくなるため好ましくない。
【0044】
c)水酸化アルミニウム
上記白色樹脂組成物には、紫外線反射性、耐酸性及び放熱性を付与する目的で、水酸化アルミニウムを配合することができる。このような水酸化アルミニウムとしては公知のものを使用することでき、例えばC−3005、C−301、CL−303(以上、住友化学(株)製)、ハイジライト(登録商標)H−21、H−31、H−32、H−42、H−42M、H−43M(以上、昭和電工(株)製)が挙げられる。
【0045】
このような水酸化アルミニウムの配合率は、白色樹脂組成物全量に対して0.5〜5重量%であることが好ましい。
【0046】
d)イソシアネート化合物
上記白色性樹脂組成物には、熱可塑性樹脂又は他の成分に含まれる水酸基と反応して架橋するイソシアネート化合物を配合することができる。イソシアネート化合物の配合により、白色層に耐湿性、耐熱性を付与し、また白色層と第1のフィルム及び第2のフィルムとの密着性を向上することができる。そのため、イソシアネート化合物は、1分子中に複数のイソシアネート基を有することが好ましい。
このようなイソシアネート化合物としては、例えば、トリメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、メチレンビス(4、1−フェニレン)=ジイソシアネート、3−イソシアネートメチル−3、5、5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート及びキシリレンジイソシアネート等のジイソシアネート;ジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体;ジイソシアネートの三量体であるイソシアヌレート体;ジイソシアネートのビュレット結合体、並びにポリメリックジイソシアネート等が挙げられる。
【0047】
このようなイソシアネート化合物の配合量は、上記熱可塑性樹脂100重量部に対して0.03〜10重量部であることが好ましい。
【0048】
e)熱硬化性樹脂
上記白色樹脂組成物には、耐熱性、耐酸性、絶縁性等を付与することを目的として、熱硬化性樹脂を配合することができる。このような熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、不飽和イミド樹脂、シアネート樹脂、イソシアネート樹脂、ベンゾオキサジン樹脂、オキセタン樹脂、アミノ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アリル樹脂、ジシクロペンタジエン樹脂、シリコーン樹脂、トリアジン樹脂及びメラミン樹脂、ユリア樹脂が挙げられる。これらの中でも、エポキシ樹脂が好ましく用いられる。
【0049】
エポキシ樹脂としては、1個以上のエポキシ基を有する化合物が挙げられる。その中でも2個以上のエポキシ基を有する化合物が好ましく用いられる。このようなエポキシ樹脂としては、例えばブチルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、グリシジル(メタ)アクリレート等のモノエポキシ化合物等のモノエポキシ化合物、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、フェニル−1,3−ジグリシジルエーテル、ビフェニル−4,4’−ジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、エチレングリコール又はプロピレングリコールのジグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、トリス(2,3−エポキシプロピル)イソシアヌレート、トリグリシジルトリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート等の1分子中に2個以上のエポキシ基を有する化合物等が挙げられる。
【0050】
上記熱硬化性樹脂は、白色層の特性向上の要求に合わせて単独で又は複数を組み合わせて用いることができる。またこのような熱硬化性樹脂の配合率は、白色樹脂組成物全量に対して1〜50重量%であることが好ましい。
【0051】
f)硬化触媒
上記白色樹脂組成物には、熱硬化性樹脂の熱硬化を促進するために、硬化触媒を配合することができる。このような硬化触媒としては、例えばイミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、4−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−(2−シアノエチル)−2−エチル−4−メチルイミダゾール等のイミダゾール誘導体;ジシアンジアミド、ベンジルジメチルアミン、4−(ジメチルアミノ)−N,N−ジメチルベンジルアミン、4−メトキシ−N,N−ジメチルベンジルアミン、4−メチル−N,N−ジメチルベンジルアミン等のアミン化合物、アジピン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド等のヒドラジン化合物;トリフェニルホスフィン等のリン化合物、ナフテン酸コバルトやナフテン酸銅等の金属石鹸等が挙げられる。
【0052】
また、密着性付与剤としても機能するグアナミン、アセトグアナミン、ベンゾグアナミン、2,4−ジアミノ−6−メタクリロイルオキシエチル−S−トリアジン、2−ビニル−4,6−ジアミノ−S−トリアジン、2−ビニル−4,6−ジアミノ−S−トリアジン・イソシアヌル酸付加物、2,4−ジアミノ−6−メタクリロイルオキシエチル−S−トリアジン・イソシアヌル酸付加物等のS−トリアジン誘導体を配合することもできる。
これらは必要に応じて単独で又は複数を組み合わせて用いることができる。
【0053】
このような硬化触媒の配合量は、上記熱硬化性樹脂100重量部に対して0.05〜10重量部、更に好ましくは0.1〜3重量部であることが好ましい。
【0054】
g)有機溶剤
上記白色樹脂組成物には、これを調製したり粘度を調整する目的で有機溶剤を配合することができる。このような有機溶剤としては、例えばメチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;トルエン、キシレン、テトラメチルベンゼン等の芳香族炭化水素類;セロソルブ、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、カルビトール、メチルカルビトール、ブチルカルビトール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル類;酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸ブチル、セロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、カルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ヘキサメチレンジイソシアナートジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、炭酸プロピレン等のエステル類;オクタン、デカン等の脂肪族炭化水素類;石油エーテル、石油ナフサ、ソルベントナフサ等の石油系溶剤等が挙げられる。これらは、単独で又は複数を組み合わせて用いることができる。
これらの有機溶剤の配合率は、白色樹脂組成物全量に対して50重量%以下であることが好ましい。
【0055】
上記白色樹脂組成物には、電気及び機械特性、耐候性等を付与することを目的として、スチレン系樹脂及びアクリル樹脂の少なくとも一方を配合することができる。これらの樹脂の配合率は、白色樹脂組成物全量に対して1〜50重量%であることが好ましい。
【0056】
h)スチレン系樹脂
上記スチレン系樹脂としては、例えば、スチレン系単量体(スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン等)の単独又は共重合体;スチレン系単量体とビニル単量体((メタ)アクリロニトリル等の不飽和ニトリル、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸、無水マレイン酸等のα,β−モノオレフィン性不飽和カルボン酸又は酸無水物あるいはそのエステル、マレイミド、N−アルキルマレイミド、N−フェニルマレイミド等のマレイミド系単量体等)との共重合体;スチレン系グラフト共重合体、スチレン系ブロック共重合体等が挙げられる。これらは、単独で又は複数を組み合わせて使用できる。
【0057】
i)アクリル樹脂
上記アクリル樹脂としては、アクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル及びアクリロニトリルから選ばれる少なくとも1種のモノマーを重合させて得られる重合体又は共重合体であればよい。
【0058】
上記白色樹脂組成物は、更に必要に応じて、微粉シリカ、有機ベントナイト、モンモリロナイト等の増粘剤、シリコーン系、高分子系等の消泡剤、レベリング剤、イミダゾール系、チアゾール系、トリアゾール系等のシランカップリング剤等といった添加剤を配合することができる。
【0059】
以下、本発明の太陽電池用バックシートの一実施形態を説明する。
【0060】
先ず、本実施形態の太陽電池用バックシートに用いられるポリエステルからなる第1のフィルム及び第2のフィルムは、例えば以下の手順で形成される。
即ち、先ずはポリエチレンナフタレートをフィルム状に溶解して押し出した後、キャスティングドラムを用いて冷却固化させて未延伸フィルムとする。そしてこの未延伸フィルムをガラス転移温度Tg121℃〜(Tg+60)℃で長手方向に1回若しくは2回以上、その合計の倍率が3〜6倍になるように延伸する。更にこれをTg121℃〜(Tg+60)℃で幅方向に倍率が3〜6倍になるように延伸し、厚さが50μmである2軸延伸第1のフィルム及び第2のフィルムを作製する。また更に必要に応じて、上記第1のフィルム及び第2のフィルムを180℃〜230℃で1〜60秒間、熱処理を行ってもよい。
【0061】
本実施形態では、前記第1のフィルムの白色層を形成する面に、有機溶剤で塗布に適した粘度に調整された熱可塑性樹脂、白色顔料、水酸化アルミニウム及びイソシアネート化合物を含む白色樹脂組成物を膜厚が30μmとなるように塗布する。その後、70〜90℃の温度で当該組成物中に含まれる有機溶剤を揮発乾燥して塗膜を形成させる。白色樹脂組成物の塗布方法としては、スクリーン印刷法、カーテンコート法、スプレーコート法、ロールコート法等を適宜用いることができる。また、有機溶剤の揮発乾燥には、熱風循環式乾燥炉、IR炉、ホットプレート、コンベクションオーブン等が用いられる。その後、80℃〜200℃で塗膜を加熱して熱硬化させることにより、上記第1のフィルム上に白色層を形成することができる。
【0062】
尚、上述のように白色樹脂組成物を前記第1のフィルムに塗布するのではなく、当該組成物からなるドライフィルムを用いて上記塗膜を形成してもよい。
このようなドライフィルムは、例えばポリエチレンテレフタレート等からなるキャリアフィルムに白色樹脂組成物を塗布乾燥して樹脂層を形成し、その上に剥離可能なポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム等のカバーフィルムとを積層したものである。具体的には、当該樹脂層は、キャリアフィルムに白色樹脂組成物をブレードコーター、リップコーター、コンマコーター、フィルムコーター、メイヤーバーコーター、マイクログラビアコーター等で塗布し、上記と同様にこれを乾燥することにより形成される。
そして、当該ドライフィルムのカバーフィルムを剥がし、上記樹脂層と第1のフィルムとを重ね、ラミネーター等を用いてこれらを張り合わせることにより、前記第1のフィルム上に樹脂層の塗膜が形成される。そして、当該塗膜を上記と同様に加熱すれば、当該第1のフィルム上に白色層を形成することができる。
【0063】
次いで当該白色層の表面に前記第2のフィルムを接着又は圧着することにより、本実施形態の太陽電池用バックシートが作製される。当該接着方法としては、上記白色層の表面に前記第2のフィルムを加熱されたロール群等を用いて熱圧着することにより行う。
【0064】
尚、他の実施形態として、上記第2のフィルム上に白色層を形成し、当該白色層の表面に上記第1のフィルムを熱圧着することにより本発明の太陽電池用バックシートを製造することもできる。
【0065】
また上記実施形態以外にも、上記第1のフィルムと第2のフィルムの間に上記白色樹脂組成物を押し出して積層する押出サンドラミネーター法を用いて本発明の太陽電池用バックシートを製造することもできる。
【0066】
また、本発明の一実施形態の太陽電池用バックシートを用いて形成した太陽電池モジュールを、図1を用いて簡単に説明する。
このような太陽電池モジュール10は、ガラスからなる表面保護材1と、太陽電池セル2と、EVAからなる封止材3と、バックシート20からなる。そして、バックシート20は、ポリエステルからなる第1のフィルム4と白色樹脂層5とポリエステルからなる第2のフィルム6を備えている。そして、当該第1のフィルム4と第2のフィルム6は、白色樹脂層5を挟持するように積層してなる。図1では、ポリエステルからなる第1のフィルム4の表面が封止材3と接着するように積層されているが、ポリエステルからなる第2のフィルム6の表面を封止材3と接着するように積層してもよい。太陽電池モジュール10は表面保護材1が上面となるように設置され、照射される太陽光を利用して太陽電池セル2が発電を行う。
【実施例】
【0067】
以下、本発明の実施例を詳述する。
【0068】
<白色樹脂組成物>
以下の各成分を混合、撹拌することにより白色樹脂組成物を調製した。
ニッポラン136(日本ポリウレタン工業(株)製) 100重量部(熱可塑性樹脂)
タイペークCR−90(石原産業(株)製) 1000重量部(酸化チタン)
水酸化アルミニウム 20重量部
タケネートR600(三井化学(株)製) 10重量部(イソシアネート化合物)
プロピレングリコールモノメチルエーテル 20重量部(有機溶剤)
エクアミドB100(出光興産(株)製) 200重量部(有機溶剤:アミド系溶剤)
AEROSIL200((株)日本アエロジル製) 20重量部(球状シリカ)
スチレン−無水マレイン酸共重合体 600重量部(スチレン系樹脂)
BYK−A515(ビックケミー・ジャパン(株)製) 20重量部(消泡剤)
【0069】
実施例1
厚さ250μmのポリエチレンナフタレート(PEN)フィルム(帝人デュポンフィルム(株)製テオネックス)の片面にスクリーン印刷により白色樹脂組成物を乾燥塗膜が30μmとなるように印刷し、これを120℃で60分加熱して熱硬化させて白色層を作製した。その後、厚さ50μmのPENフィルム(帝人デュポンフィルム(株)製テオネックス)を上記白色層の表面に熱圧着することにより試験片を作製した。
【0070】
実施例2
厚さ200μmのPENフィルム(帝人デュポンフィルム(株)製テオネックス)の片面にスクリーン印刷により白色樹脂組成物を乾燥塗膜が30μmとなるように印刷し、これを120℃で60分加熱して熱硬化させて白色層を作製した。その後、厚さ50μmのPENフィルム(帝人デュポンフィルム(株)製テオネックス)を上記白色層の表面に熱圧着することにより試験片を作製した。
【0071】
比較例
厚さ250μmのPENフィルム(帝人デュポンフィルム(株)製テオネックス)の片面にスクリーン印刷により白色樹脂組成物を乾燥塗膜が30μmとなるように印刷し、これを120℃で60分加熱して熱硬化させて白色層を有する試験片を作成した。
【0072】
<反射率>
(1)実施例1の試験片にEVA(約450μm)を貼り合わせたもの、(2)比較例の試験片にEVA(約450μm)を貼り合わせたもののそれぞれについて、紫外可視分光光度計(日本分光(株)製 V−670 ILN−725型:積分球装置付)を用いて表面(封止材側)から300nm〜1000nmの反射率を測定した。その結果を図2に示す。
また、上記(1)について、紫外可視分光光度計(日本分光(株)製 V−670 ILN−725型:積分球装置付)を用いて裏面から300nm〜1000nmの反射率を測定した。その結果を図3に示す。
【0073】
<破断強度、破断伸度>
実施例2の試験片について、JIS規格(JIS−k7127)に基づき破断強度及び破断伸度を測定し、以下の通り評価した。その結果を表1に表す。
【0074】
【表1】

【0075】
<水蒸気透過度>
実施例2の試験片について、水蒸気透過度をJIS−k7129GB/T1037に基づき測定した。その結果を表2に表す。
【0076】
【表2】

【0077】
<収縮率>
実施例2の試験片について、収縮率をJIS-c2151に基づき測定した。その結果を表3に表す。
【0078】
【表3】

【0079】
<絶縁破壊強さ>
実施例2の試験片について、絶縁破壊強さをASTM D−149−09に基づき測定した。その結果を表4に表す。
【0080】
【表4】

【0081】
<部分放電性>
実施例2の試験片について、部分放電性をIEC61730−2:2004に基づき測定した。その結果を表5に表す。
【0082】
【表5】

【0083】
以上、図2及び図3から明らかなように、本発明の太陽電池用バックシートは、太陽電池モジュールの表面から照射される可視光線及び紫外線を十分に反射できることが分かる。これにより当該バックシートは、これらの可視光線及び紫外線を効率よく太陽電池セルに戻すことができ、太陽電池セルの発電効率をより向上することができる。また当該バックシートは、太陽電池モジュールの裏面から照射される可視光線及び紫外線も十分に反射できることから、バックシート自体の光劣化を防止できるとともに、必要以上に太陽電池モジュール内に太陽光が入射されるのを防ぐことができ、太陽電池モジュールの劣化を防止することができると考えられる。
更に、表1乃至表5から明らかなように、本発明の太陽電池用バックシートは、バックシートとして要求される特性を十分に満たしており、且つ長時間太陽光に曝された場合であっても、十分な耐候性及び耐湿性を保持することができる。
【符号の説明】
【0084】
10…太陽電池モジュール
20…バックシート
1…表面保護材
2…太陽電池セル
3…封止材
4…ポリエステルからなる第1のフィルム
5…白色樹脂層
6…ポリエステルからなる第2のフィルム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリエステルからなる第1のフィルムと、熱可塑性樹脂と白色顔料と水酸化アルミニウムとイソシアネート化合物を含む白色樹脂組成物を硬化させてなる白色層と、ポリエステルからなる第2のフィルムとを具備し、前記第1及び第2のフィルムが前記白色層を挟持するよう積層されてなることを特徴とする太陽電池用バックシート。
【請求項2】
前記ポリエステルからなる第1及び第2のフィルムはポリエチレンナフタレート及びポリエチレンテレフタレートの少なくとも一方からなることを特徴とする請求項1に記載の太陽電池用バックシート。
【請求項3】
前記ポリエステルからなる第1及び第2のフィルムはその成分が略同一であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の太陽電池用バックシート。
【請求項4】
前記白色顔料は酸化チタンであることを特徴とする請求項1乃至請求項3に記載の太陽電池用バックシート。
【請求項5】
前記白色樹脂組成物に含まれる白色顔料の含有量は30〜70重量%であることを特徴とする請求項1乃至請求項4に記載の太陽電池用バックシート。
【請求項6】
前記白色樹脂組成物は熱硬化性樹脂と硬化触媒と有機溶剤とを更に含むことを特徴とする請求項1乃至請求項5に記載の太陽電池用バックシート。
【請求項7】
前記白色樹脂組成物はスチレン系樹脂及びアクリル樹脂の少なくとも一方を更に含むことを特徴とする請求項1乃至請求項6に記載の太陽電池用バックシート。
【請求項8】
ポリエステルからなるフィルムの片面に熱可塑性樹脂と白色顔料と水酸化アルミニウムとイソシアネート化合物を含む白色樹脂組成物を塗布乾燥して熱硬化することにより白色層を形成する工程と、
この白色層の表面に他のポリエステルからなるフィルムを接着又は圧着する工程とを含むことを特徴とする太陽電池用バックシートの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−77790(P2013−77790A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−227713(P2011−227713)
【出願日】平成23年10月17日(2011.10.17)
【出願人】(311012066)
【Fターム(参考)】