説明

太陽電池用封止シート

【課題】 本発明は、ブロッキングの生じにくい太陽電池用封止シートを提供する。
【解決手段】 本発明の太陽電池用封止シートは、エチレン−酢酸ビニル共重合体を含有し且つ一面にエンボス模様が形成されてなる太陽電池用封止シートであって、上記エチレン−酢酸ビニル共重合体のメルトフローレイトが20〜35g/10分であると共に、上記エンボス模様は、独立して形成された無数の凸部から形成され、上記凸部は、その頂部断面の曲率半径が0.9mm以下で且つ高さが0.1〜0.5mmであり、上記凸部が形成されていない部分の厚みが0.15〜1mmであることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽電池用封止シートに関する。
【背景技術】
【0002】
シリコンやセレンの半導体ウエハーからなる太陽電池モジュールは、太陽電池素子の両面にエチレン−酢酸ビニル共重合体からなる太陽電池用封止シートを積層し、太陽電池用封止シートの上面に上部保護材を、下面に下部保護材を重ね合わせて真空中で脱気すると共に加熱することにより太陽電池素子を太陽電池用封止シートで封止すると共に、太陽電池用封止シートを介して太陽電池素子と上下保護材とを接着一体化したものが用いられている。
【0003】
上記太陽電池用封止シートは、通常、押出成形によって長尺状に製造されており、使用されるまでの間、ロール芯にロール状に巻回されたロール体の状態で保管、輸送される。この状態において、太陽電池用封止シートには、その内外方向に巻回に伴う圧力が加わっており、内外方向に互いに隣接する太陽電池用封止シート同士が一体化してしまい、使用時に太陽電池用封止シートを円滑に巻き出すことができない、所謂、ブロッキングが生じることがある。
【0004】
近年、特に一つのロールにおける太陽電池用封止シートの長尺化が求められている一方、太陽電池用封止シートのロール体の外径を大きくすることは保管、輸送の面からコストの増大を招くことから、ロール体の外径を変化させないようにするために、太陽電池用封止シートをロール芯に強く巻き付けることが行われてきており、ブロッキングの問題が益々、大きくなってきている。
【0005】
特許文献1には、エチレン系共重合体および有機過酸化物を含有する成形材料から成形され、その両面にエンボス模様が施されている太陽電池モジュール用充填接着剤シートが開示されている。
【0006】
しかしながら、表面にエンボス模様を単に施しただけでは太陽電池モジュール用充填接着剤シートのブロッキングの問題を解決することができず、特に、メルトフローレイトの高いエチレン系共重合体からなるシートの場合にはブロッキングの問題の解決は困難であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開昭59−22978号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、ブロッキングの生じにくい太陽電池用封止シートを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の太陽電池用封止シートは、エチレン−酢酸ビニル共重合体を含有し且つ一面にエンボス模様が形成されてなる太陽電池用封止シートであって、上記エチレン−酢酸ビニル共重合体のメルトフローレイトが15〜40g/10分であると共に、上記エンボス模様は、独立して形成された無数の凸部から形成され、上記凸部は、その頂部断面の曲率半径が0.9mm以下で且つ高さが0.05〜0.5mmであり、上記凸部が形成されていない部分の厚みが0.15〜2mmであることを特徴とする。
【0010】
本発明の太陽電池用封止シートAを構成しているエチレン−酢酸ビニル共重合体のメルトフローレイトは、低いと、太陽電池用封止シートの製膜性が低下し、高いと、太陽電池用封止シートをロール芯に巻回した状態において、内外方向に互いに隣接する太陽電池用封止シート同士がエンボス模様の凸部以外の部分で接触し易くなり、太陽電池用封止シートがブロッキングし易くなるので、15〜40g/10分に限定され、20〜38g/10分が好ましい。なお、エチレン−酢酸ビニル共重合体のメルトフローレイトは、JIS K7210:1999(190℃、2.16kg荷重)に準拠して測定されたものをいう。
【0011】
エチレン−酢酸ビニル共重合体の酢酸ビニル量は、少ないと、太陽電池モジュールの透明性が低下し、太陽電池の発電性能が低下することがあり、多いと、太陽電池用封止シートの製膜が困難となり、或いは、太陽電池用封止シートの機械的強度が低下することがあるので、5〜50重量%が好ましい。
【0012】
そして、図1に示したように、太陽電池用封止シートAの一面にはエンボス模様1が形成されており、太陽電池用封止シートAの両面にエンボス模様1、1が形成されていることが好ましい。このエンボス模様1は、互いに独立して形成された無数の凸部2、2・・・から形成されている。なお、凸部2、2同士が独立しているとは、後述する凸部2を包囲し得る仮想真円C、C同士が接触しない状態にあることをいう。
【0013】
凸部2の形状としては、特に限定されず、三角錐状、四角錐状、五角錐状、六角錐状などの多角錐状、円錐状、平面星形状などが挙げられる。
【0014】
そして、凸部2の頂部は曲面状に形成されており、凸部2の頂部断面の曲率半径は、大きいと、太陽電池用封止シートの凸部とこの凸部が対向する太陽電池用封止シートとの間の接触面積が増加してブロッキングが生じるので、0.9mm以下が好ましく、0.5mm以下がより好ましく、0.3mm以下が特に好ましい。
【0015】
ここで、凸部2の頂部断面の曲率半径は下記の要領で測定されたものをいう。先ず、図1に示したように、凸部2が形成されている太陽電池用封止シートAの表面A1を基準として凸部2の最も高い部分Pを特定する。凸部2の最も高い部分Pを通り太陽電池用封止シートAの表面A1に対して垂直で且つ太陽電池用封止シートの幅方向に平行な面で凸部2を切断し、切断面において、凸部2の頂部の曲率半径r1を測定する。次に、凸部2の最も高い部分Pを通り太陽電池用封止シートAの表面A1に対して垂直で且つ太陽電池用封止シートの長さ方向に平行な面で凸部2を切断し、切断面において、凸部2の頂部の曲率半径r2を測定する。曲率半径r1、r2のうち、小さい方の曲率半径を凸部2の頂部断面の曲率半径とする。
【0016】
又、凸部2の高さHは、低いと、太陽電池用封止シートのロール芯への巻回圧力によって凸部が変形し潰れ、太陽電池用封止シート同士の接触面積が大きくなって、太陽電池用封止シートのブロッキングを抑えることができず、高いと、太陽電池用封止シートのロール体において、外径が大きくなりすぎて、輸送・保管の効率が悪化するので、0.05〜0.5mmに限定され、0.1〜0.4mmが好ましい。なお、凸部2の高さとは、太陽電池用封止シートAの表面A1を基準として凸部2の最も高い部分Pの高さHをいう。
【0017】
凸部2の大きさは、小さいと、必要とする凸部の高さHを得られづらくなり、太陽電池用封止シートのブロッキングを抑えることができず、大きいと、凸部2の頂角を拡げることになり、かえって接触面積を増加させ、太陽電池用封止シートにブロッキングが生じ易くなるので、0.3〜3mmが好ましい。
【0018】
なお、凸部2の大きさとは下記の要領で測定されたものをいう。図2に示したように、凸部2を平面から見て、凸部2を全体的に包囲し得る最も小さい径の仮想真円Cを描き、この仮想真円Cの直径Lを凸部2の大きさとする。
【0019】
又、凸部2の形成密度は、小さいと、一つ当りに加わる圧力が大きくなり、凸部が太陽電池用封止シートのロール芯への巻回圧力によって変形し潰れ、太陽電池用封止シートのロール体において互いに内外方向に隣接する太陽電池用封止シート同士が凸部以外の部分で密着して、太陽電池用封止シートにブロッキングが生じることがあり、大きいと、太陽電池用封止シートのロール体において、太陽電池用封止シートの凸部と、この太陽電池用封止シートに隣接する太陽電池用封止シートとの接触面積が大きくなり過ぎて、かえって太陽電池用封止シートにブロッキングが生じる虞れがあるので、10〜400個/cm2が好ましい。
【0020】
なお、凸部2の形成密度とは下記の要領で測定される。太陽電池用封止シートの表面の任意箇所に一辺が10cmの正方形状の仮想枠を描き、この仮想枠内にある凸部2の数を数え、この数えた凸部2の数を1cm2当りの数に換算した値を凸部2の形成密度とする。
【0021】
そして、凸部2の形成形態としては、特に限定されず、碁盤目状に形成されていてもよいし、不規則に形成されていてもよいが、凸部2に均一に圧力が加わり、各凸部2が太陽電池用封止シートの巻回時の圧力を均一に受止することができるので、凸部2は碁盤目状に形成されていることが好ましい。
【0022】
更に、凸部2、2間の距離は、狭いと、太陽電池用封止シートのロール体において、巻回時の圧力によって凸部が変形したときに凸部同士が密着一体化し、内外方向に隣接する太陽電池用封止シート同士の密着性が増加して太陽電池用封止シートにブロッキングが生じることがあり、広いと、太陽電池用封止シートのロール体において、太陽電池用封止シートの凸部以外の部分同士が密着してブロッキングを生じる虞れがあるので、0.15〜5mmが好ましい。
【0023】
なお、凸部2、2間の距離Wは下記の要領で測定される。図3に示したように、基準となる凸部2aを定め、凸2aの仮想真円Cを上述の要領で特定し、この仮想真円Cの中心P1を特定する。この凸部2aに隣接する凸部2b、2b・・・の仮想真円C、C・・・の中心P2をそれぞれ特定し、上記仮想真円Cの中心P1と、各凸部2bの仮想真円Cの中心P2との距離Mのうち、最も短い距離Mを凸部2、2間の距離Wとする。
【0024】
又、太陽電池用封止シートAにおいて、凸部2が形成されていない部分の厚みは、薄いと、太陽電池用封止シートのロール体から太陽電池用封止シートを巻き出す際に太陽電池用封止シートが破断し易くなり、厚いと、太陽電池用封止シートのロール体の径が大きくなるので、0.15〜2mmに限定される。
【0025】
なお、太陽電池用封止シートAの両面にエンボス模様1、1が形成されている場合、太陽電池用封止シートAにおける凸部2が形成されていない部分とは、太陽電池用封止シートAの両面の何れにも凸部2が形成されていない部分をいう。
【0026】
更に、太陽電池用封止シートAの一面にのみエンボス模様1が形成されている場合、太陽電池用封止シートAの他面にマット処理(艶消し処理)を施して、太陽電池用封止シートAの他面を表面粗さRa1〜30μmの粗面とすることが好ましい。なお、太陽電池用封止シートAの表面粗さRaは、JIS B0601−2001に準拠して測定された算術平均粗さRaをいう。
【0027】
又、太陽電池用封止シートには有機過酸化物が含有されていてもよく、一時間半減期温度が165℃以下の有機過酸化物が好ましい。このような有機過酸化物としては、例えば、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン(111℃)、2,2−ジ(4,4−ジ−(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキシル)プロパン(114℃)、t−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート(115℃)、t−ブチルパーオキシラウレート(118℃)、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート(118℃)、t−ブチルパーオキシマレイン酸(119℃)、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート(119℃)、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキシルモノカーボネート(119℃)、t−ヘキシルパーオキシベンゾエート(119℃)、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン(119℃)、t−ブチルパーオキシアセテート(121℃)、2,2−ジ(t−ブチルパーオキシ)ブタン(122℃)、t−ブチルパーオキシベンゾエート(125℃)、n−ブチル4,4−ジ−(t−ブチルパーオキシ)バレレート(127℃)、ジクミルパーオキサイド(136℃)、ジ−t−ヘキシルパーオキサイド(136℃)、t−ブチルクミルパーオキサイド(137℃)、ジ(2−t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン(138℃)、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン(138℃)などが挙げられ、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。なお、括弧内の温度は、有機過酸化物の一時間半減期温度である。
【0028】
太陽電池用封止シート中における有機過酸化物の含有量は、少ないと、太陽電池用封止シートを充分に架橋させることができず、太陽電池用封止シートの耐熱性及び耐候性が低下することがあり、多いと、太陽電池モジュールの製造時に有機過酸化物の分解時に発生するガスによって太陽電池素子と太陽電池用封止シートとの間に気泡溜まりが発生し、得られる太陽電池モジュールの発電性能が低下することがあるので、エチレン−酢酸ビニル共重合体100重量部に対して0.3〜1.5重量部が好ましい。
【0029】
なお、太陽電池用封止シートには、その物性を損なわない範囲内において、カップリング剤、架橋助剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤などが含有されていてもよい。
【0030】
次に、太陽電池用封止シートの製造方法について説明する。エチレン−酢酸ビニル共重合体と、必要に応じて有機過酸化物やその他の添加剤とを押出機に供給して必要に応じて有機過酸化物の一時間半減期温度よりも低い温度で溶融混練して押出機の先端に取り付けたTダイから押出して溶融シートを製造し、この溶融シートを、表面にエンボス模様が施されたエンボスロールと、このエンボスロールに対峙して配設されたゴムロールとの間に供給し、エンボスロールを溶融シートに押圧させて、一面に所定のエンボス模様が施されてなる太陽電池用封止シートを得ることができる。なお、一旦製造されたシートを再度、加熱して溶融状態とした上で上述の要領でエンボス加工を施して太陽電池用封止シートを作製してもよい。なお、有機過酸化物が二種以上含有されている場合には、最も低い有機過酸化物の一時間半減期温度よりも低い温度にて溶融混練すればよい。
【0031】
得られた太陽電池用封止シートAの23℃における引張り弾性率は、小さいと、太陽電池用封止シートのロール体において、太陽電池用封止シートの凸部が巻回時の圧力によって圧壊して、太陽電池用封止シートにブロッキングが生じることがあり、大きいと、太陽電池用封止シートの凸部の柔軟性が低下して、太陽電池セルと貼り合わせる時に太陽電池セルに割れが生じることがあるので、20〜50MPaが好ましい。なお、太陽電池用封止シートAの23℃における引張り弾性率は下記の要領で測定されたものをいう。太陽電池用封止シートを構成しているエチレン−酢酸ビニル共重合体を用いて、幅10mm、長さ100mmの平面長方形状で且つ厚さが300μmの試験片を作製し、この試験片を用いてチャック間距離50mm、23℃、相対湿度50%の条件下にて300mm/分の速度で引張試験を行って試験片の引張り弾性率を測定する。この引張り弾性率を太陽電池用封止シートAの23℃における引張り弾性率とする。
【0032】
このようにして得られた太陽電池用封止シートAは、通常、製造後に直ちにロール芯に巻回されてロール体とされた上で保管、輸送されるが、太陽電池用封止シートAの表面には上述の通り、所定の凸部から形成されたエンボス模様1が形成されており、太陽電池用封止シートAをロール芯に巻回する際に加えられる巻回圧力にもかかわらず、太陽電池用封止シートにブロッキングが生じることはない。
【0033】
従って、太陽電池用封止シートをロール体から巻き出して使用する際、太陽電池用封止シートをロール体から円滑に巻き出すことができる。
【0034】
上記太陽電池用封止シートAは、単層構造であっても、複数のエチレン−酢酸ビニル共重合体層が積層一体化されてなる複層構造であってもよい。複層構造の太陽電池用封止シートの場合、太陽電池用封止シートのブロッキングを更に防止するために、表面を構成しているエチレン−酢酸ビニル共重合体層は、これ以外のエチレン−酢酸ビニル共重合体層よりも酢酸ビニル量少ないか又はメルトフローレイトが小さいか若しくは双方を満たすことが好ましい。
【発明の効果】
【0035】
本発明の太陽電池用封止シートは、上述の通り、所定形状を有する凸部から形成されたエンボス模様が少なくとも一面に形成されており、太陽電池用封止シートのロール体において、互いに内外方向に隣接する太陽電池用封止シート同士の密着を上記凸部が緩和し、その結果、太陽電池用封止シートにブロッキングが生じることはなく、太陽電池用封止シートのロール体から太陽電池用封止シートを円滑に巻き出して使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】凸部の一例を示した縦断面図である。
【図2】凸部の一例を示した平面図である。
【図3】凸部間の距離を測定する要領を示した模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
(実施例1〜4、比較例1〜3)
表1に示した酢酸ビニル成分量及びメルトフローレイトを有するエチレン−酢酸ビニル共重合体100重量部及び有機過酸化物としてt−ブチルパーオキシ2−エチルヘキシルモノカーボネート0.5重量部を含有する樹脂組成物を押出機に供給して100℃にて溶融混練し、押出機の先端に取り付けたTダイから100℃で押出して溶融シートを製造し、この溶融シートを、表面にエンボス模様が施されたエンボスロールと、このエンボスロールに対峙して配設されたゴム製のエンボスロールとの間に供給し、エンボスロールを溶融シートに押圧させて、表1に示した形状を有する凸部2、2・・・から形成されたエンボス模様1が一面に施され且つ他面が表面粗さ1〜30μmの粗面に形成された太陽電池用封止シートAを得た。太陽電池用封止シートAの目付を表1に示した。凸部2、2・・・は碁盤目状に互いに独立して形成されていた。エンボス模様1の凸部2、2・・・は、表1に示した状態に形成されていた。なお、太陽電池用封止シートの目付は、表面にエンボス模様が施されたエンボスロールと、このエンボスロールに対峙して配設されたゴム製のエンボスロールとによる溶融シートに対する押圧力によって調整し、各実施例及び比較例における押圧力を表1に示した。
【0038】
得られた太陽電池用封止シートの引張り弾性率、ブロッキング性及び押出成形性を下記の要領で測定し、その結果を表1に示した。
【0039】
(ブロッキング性)
長さ200mの太陽電池用封止シートを直径7.5cmのロール芯に巻回してロール体を作製した。このロール体から太陽電池用封止シートを10m/分の速度で巻き出したときの太陽電池用封止シートの状態を目視観察し、下記基準に基づいて評価した。
○・・・太陽電池用封止シートに幅方向の収縮及び長さ方向の伸びはなかった。
×・・・太陽電池用封止シートに幅方向の収縮又は長さ方向の伸びがあった。
【0040】
(押出成形性)
押出機から溶融シートを連続的に押出して24時間経過したときの溶融シートの状態を目視観察し、下記基準に基づいて評価した。
○・・・溶融シートにゲルは発生していなかった。
×・・・溶融シートにゲルが発生していた。
【0041】
【表1】

【符号の説明】
【0042】
1 エンボス模様
2 凸部
A 太陽電池用封止シート
A1 太陽電池用封止シートの表面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エチレン−酢酸ビニル共重合体を含有し且つ一面にエンボス模様が形成されてなる太陽電池用封止シートであって、上記エチレン−酢酸ビニル共重合体のメルトフローレイトが15〜40g/10分であると共に、上記エンボス模様は、独立して形成された無数の凸部から形成され、上記凸部は、その頂部断面の曲率半径が0.9mm以下で且つ高さが0.05〜0.5mmであり、上記凸部が形成されていない部分の厚みが0.15〜2mmであることを特徴とする太陽電池用封止シート。
【請求項2】
他面が表面粗さRa1〜30μmの粗面に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の太陽電池用封止シート。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−232311(P2010−232311A)
【公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−76516(P2009−76516)
【出願日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【出願人】(000002174)積水化学工業株式会社 (5,781)
【Fターム(参考)】