説明

太陽電池

【課題】太陽電池パネルの温度上昇及び太陽電池パネル表面の積雪による発電電力の効率低下を抑えると共に、光熱費の削減することを図った太陽電池を提供する。
【解決手段】太陽電池パネル2の裏面にタンク3又は伝熱管を配置して、該タンク3又は該伝熱管に水を流し、太陽電池パネル2の温度上昇の熱を回収して発電電力の効率低下を抑えると共に、回収後の温まった水を有効利用して、光熱費の削減をする。また、太陽電池パネル2表面の積雪を、太陽電池パネル2の裏面のタンク3又は伝熱管へ風呂の残り湯を流して、積雪を加熱により溶かして、発電電力の効率低下を抑える。さらに、太陽電池パネル2の頂上部に散水装置を設けて、水を散水して太陽電池パネル2の温度上昇を抑えると共に、お湯を散水して積雪を溶かす。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽電池パネルの温度上昇及び太陽電池パネル表面の積雪による発電電力の効率低下を抑えると共に、光熱費の削減することを図った太陽電池に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の太陽電池は、太陽の放射熱による温度上昇に伴い発電効率が低下していた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、そのような問題点に鑑み、次のことを目的とするものである。
(イ)太陽電池パネルの温度上昇による発電電力の効率低下を抑える.
(ロ)太陽電池パネルの温度上昇の原因となっている熱を、有効利用する。
(ハ)太陽電池パネルの表面の積雪を溶かす。
【課題を解決するための手段】
【0004】
前記課題を解決するため、本願の請求項1にかかる発明は、太陽電池パネルの裏面にタンクを設け、該タンクに水を流し、太陽電池パネルの熱を、流す水により回収させるようにしたことを特徴とする。
【0005】
また、本願の請求項2にかかる発明は、太陽電池パネルの裏面に伝熱管を蛇行状に設け、該伝熱管に水を流し、太陽電池パネルの熱を、流す水により回収させるようにしたことを特徴とする。
【0006】
また、本願の請求項3にかかる発明は、請求項1又は2にかかる発明において、前記太陽電池パネルの裏面に設けた水タンク又は伝熱管に、水とお湯を選択的に流すことができるようにしたことを特徴とする。
【0007】
また、本願の請求項4にかかる発明は、請求項3にかかる発明において、前記太陽電池パネルの裏面に設けたタンク又は伝熱管に、水又はとお湯を流す為に、浴槽と該太陽電池パネルの間に給水配管を設け、水とお湯を選択的に流す為に、給水配管の先端に給水バルブ又は揚水ポンプを設けると共に、該太陽電池パネルの裏面に設けたタンク又は伝熱管から、浴槽へ水又はお湯を戻すための排水配管を設けたことを特徴とする。
【0008】
また、本願の請求項5にかかる発明は、請求項4にかかる発明において、前記太陽電池パネルの頂上部に散水装置を設けて、該散水装置から水を散水して太陽電池パネルの熱を、冷却することを特徴とする。
【0009】
また、本願の請求項6にかかる発明は、請求項5にかかる発明において、前記散水装置からお湯を散水して、太陽電池パネル表面の積雪を溶かすことを特徴とする。
【0010】
また、本願の請求項7にかかる発明は、請求項6にかかる発明において、前記太陽電池パネルの裏面に設けたタンク又は伝熱管の水出口配管にバルブを設け、該バルブの手前にエアー抜きを設けると共に、タンク及び伝熱管の水入口配管に排水バルブを設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明の太陽電池は、次のような効果を奏する。
すなわち、請求項1にかかる太陽電池においては、太陽電池パネルの裏面にタンクを設け、該タンクに水を流し、太陽電池パネルの熱を、流す水により回収させるようにしたので、太陽の放射熱により太陽電池パネルが温度上昇しても、温度上昇による発電電力の効率低下を水の冷却により抑えることができるとともに、その水を温水として貯湯タンク及び風呂等に利用する際に、温水の温度上昇をより効率化でき光熱費の削減になる。
【0012】
また、請求項2にかかる発明においては、太陽電池パネルの裏面に伝熱管を蛇行状に設け、該伝熱管に水を流し、太陽電池パネルの熱を、流す水により回収させるようにしたので、請求項1にかかる発明と同様に、太陽の放射熱により太陽電池パネルが温度上昇しても、温度上昇による発電電力の効率低下を水の冷却により抑えることができるとともに、その水を温水として貯湯タンク及風呂等に利用する際に、温水の温度上昇をより効率化でき光熱費の削減になる。
【0013】
また、請求項3にかかる発明においては、請求項1又は2にかかる太陽電池において、太陽電池パネルの裏面に設けたタンク又は伝熱管に、水とお湯を選択的に流すことができるようにしたので、太陽電池パネルの表面に積雪したとき、お湯を流すことにより、雪をお湯の熱で溶かすことができ、積雪による発電効率の低下を防止できる。その湯として、風呂の残り湯を用いれば、さらに効率化できる。
【0014】
また、請求項4にかかる発明においては、請求項3にかかる太陽電池において、太陽電池パネルと浴槽の間に、給水配管及び排水配管を設けたことにより、浴槽から揚水ポンプにより風呂の残り湯の送水・水道水の送水及び太陽電池パネルの加熱により温まった水道水及び風呂の残り湯の受水を浴槽により行うことができるので、浴槽を有効に利用できる。
【0015】
また、請求項5にかかる発明においては、請求項4にかかる太陽電池において、太陽電池パネルの頂上部に散水装置を設けて、散水装置から水を散水して太陽の放射熱により太陽電池パネルが温度上昇しても、温度上昇による発電電力の効率低下を水の冷却により抑えることができる。
【0016】
また、請求項6にかかる発明においては、請求項5にかかる太陽電池において、太陽電池パネルの表面の積雪を散水するお湯により溶かすことにより太陽電池の発電効率の低下を抑制することができる。その湯として、風呂の残り湯を用いれば、さらに効率化できる。
【0017】
また、請求項7にかかる発明においては、請求項6にかかる太陽電池において、太陽電池パネルの裏面に設けた伝熱管又はタンクの水出口配管にバルブを設け、該バルブの手前にエアー抜きを設けると共に、前記伝熱管及びタンクの水入口配管に排水バルブを設けたので、配管内に混入するエアーを抜くことによりスムーズに水を流動させることができるようになると共に、水入口配管に設けた排水バルブにより、冬季には、タンク及び伝熱管内の水を排水して凍結を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施するための形態を図1〜図8に基づいて説明する。
【実施例】
【0019】
図1は、本発明の太陽電池の構成図である。図1において、本発明の太陽電池は、従来の太陽電池パネル2の裏面に、水又はお湯を送水する為の水入り口4及び水出口5を設けた太陽電池ユニット1を密着させて設けている。
【0020】
図2は、太陽電池ユニットにタンクを設けた状態を示す斜視図及び太陽電池ユニットの断面図である。図2において、太陽電池ユニット1は、図2(A)に示すように、水又はお湯を蓄えるタンク3を配設し、タンク3に水又はお湯を送水する為の水入口4及び水出口5が設けられている。そして、図2(B)に示すように、タンク3の表面には、太陽電池パネル2を密着させて設けている。
【0021】
図3は、太陽電池ユニットに伝熱管を設けた状態を示す斜視図及び太陽電池ユニットの断面図である。図3において、太陽電池ユニット1は、図3(A)で示すように、プレート6の上面に伝熱管7を蛇行状に配管し、伝熱管7に水又はお湯を送水する為の水入口4及び水出口5を設け、図3(B)に示すように、伝熱管7の表面に太陽電池パネル2を密着させて設けるようにしてもよい。
【0022】
図4は、太陽電池ユニットにおいて水道水を温めて浴槽へ送水する使用状態を示す斜視図である。図4において、給水バルブ8を開くと、水道水は給水配管11を通り、水入口4から太陽電池ユニット1へ送水される。すると、水道水は太陽電池ユニット1に密着している太陽電池パネル2を冷却して、温度上昇による発電効率の低下を抑制する。逆に、太陽電池ユニット1の内部の水道水は、太陽電池パネル2表面の熱により温まる。
そのようにして温まった水道水は、温水として有効に利用でき、例えば、水出口5から排水配管12を通り浴槽9へ使用すれば、風呂の追い焚きの光熱費の削減になる。また、排水配管12にバルブ16を設けて開くと、貯湯タンク等にも温水を供給できる。
【0023】
図5は、風呂の残り湯により太陽電池パネルの表面の積雪を溶かす状態を示す斜視図である。図5において、冬季、積雪がある時期には、浴槽9内の揚水ポンプ10にて、風呂の残り湯は汲み上げられて、給水配管11を通り水入り口4より太陽電池ユニット1へ送水により、太陽電池パネル2の表面の積雪を風呂の残り湯の加熱により溶かすことができる。そして、風呂の残り湯は、水出口5から排水配管12を通って浴槽9へ戻る。風呂の残り湯は、浴槽9と太陽電池ユニット1を循環することにより、長時間、太陽電池パネル2表面の雪をお湯の熱で溶かすことができる。また、太陽の日差しが強い日は、冷めた風呂の残り湯を浴槽9内の揚水ポンプ10にて汲み上げて、太陽電池ユニット1へ送水することにより、太陽の放射熱を受けた太陽電池パネル2の熱により、風呂の残り湯を温める。
【0024】
図6は、太陽電池の頂上部に散水装置を設けて、水による冷却の状態を示す斜視図である。図6において、給水バルブ8を開くと、水道水は給水配管11を通り、遠隔操作により電動バルブ18が開くと散水装置17へ水道水が送水されて、太陽電池パネル2表面に水道水が散水されることにより冷却して、温度上昇による発電効率の低下を抑制する。
【0025】
図7は、太陽電池の頂上部に散水装置を設けて、お湯により雪を溶かす状態を示す斜視図である。図7において、冬季、積雪がある時期には、浴槽9内の揚水ポンプ10にて、風呂の残り湯は給水配管11を通り、遠隔操作により電動バルブ18が開くと散水装置17へ送水されて、太陽電池パネル2の表面に風呂の残り湯が散水されることにより、雪を加熱により溶かして太陽電池の発電効率の低下を抑制する。
【0026】
図8は、太陽電池ユニットに、排水バルブ・バルブ及びエアー抜きの取り付け正面図、である。図7において、太陽電池ユニット1の水入口4に排水バルブ13を設け、冬季には、タンク及び伝熱管内の水を排水して凍結を防止することができる。
また、水出口5にバルブ14を設け、バルブ14の手前にエアー抜き15を取り付けことにより、配管内に混入するエアーをスムーズに抜くことで水を流動させると共に、バルブ14により水量を調整する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の太陽電池の構成図
【図2】太陽電池ユニットにタンクを設けた状態を示す斜視図及び太陽電池ユニットの断面図
【図3】太陽電池ユニットに伝熱管を設けた状態を示す斜視図及び太陽電池ユニットの断面図
【図4】太陽電池ユニットにおいて水道水を温めて浴槽へ送水する使用状態を示す斜視図
【図5】風呂の残り湯により太陽電池パネルの表面の積雪を溶かす状態を示す斜視図
【図6】太陽電池の頂上部に散水装置を設けて、水による冷却の状態を示す斜視図
【図7】太陽電池の頂上部に散水装置を設けて、お湯により雪を溶かす状態を示す斜視図
【図8】太陽電池ユニットに、排水バルブ・バルブ及びエアー抜きの取り付け正面図
【符号の説明】
【0028】
1 太陽電池ユニット
2 太陽電池パネル
3 タンク
4 水入り口
5 水出口
6 プレート
7 伝熱管
8 給水バルブ
9 浴槽
10 揚水ポンプ
11 給水配管
12 排水配管
13 排水バルブ
14,16 バルブ
15 エアー抜き
17 散水装置
18 電動バルブ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
太陽電池パネルの裏面にタンクを設け、該タンクに水を流し、太陽電池パネルの熱を、流す水により回収させるようにしたことを特徴とする太陽電池。
【請求項2】
太陽電池パネルの裏面に伝熱管を蛇行状に設け、該伝熱管に水を流し、太陽電池パネルの熱を、流す水により回収させるようにしたことを特徴とする太陽電池。
【請求項3】
前記太陽電池パネルの裏面に設けたタンク又は伝熱管に、水とお湯を選択的に流すことができるようにしたことを特徴とする請求項1又は2に記載の太陽電池。
【請求項4】
前記太陽電池パネルの裏面に設けたタンク又は伝熱管に、水又はとお湯を流す為に、浴槽と該太陽電池パネルの間に給水配管を設け、水とお湯を選択的に流す為に、給水配管の先端に給水バルブ又は揚水ポンプを設けると共に、該太陽電池パネルの裏面に設けたタンク又は伝熱管から、浴槽へ水又はお湯を戻すための排水配管を設けたことを特徴とする請求項3に記載の太陽電池。
【請求項5】
前記太陽電池パネルの頂上部に散水装置を設けて、該散水装置から水を散水して太陽電池パネルの熱を、冷却することを特徴とする請求項4に記載の太陽電池。
【請求項6】
前記散水装置からお湯を散水して、前記太陽電池パネル表面の積雪を溶かすことを特徴とする請求項5に記載の太陽電池。
【請求項7】
前記太陽電池パネルの裏面に設けたタンク又伝熱管の水出口配管にバルブを設け、該バルブの手前にエアー抜きを設けると共に、タンク又は伝熱管の水入口配管に排水バルブを設けたことを特徴とする請求項6に記載の太陽電池。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−123907(P2010−123907A)
【公開日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−321588(P2008−321588)
【出願日】平成20年11月23日(2008.11.23)
【出願人】(507059912)
【Fターム(参考)】