説明

失語症者の音声訓練方法及びその装置

【課題】
バーコード付きカードを専用機にのせ、正答と失語症者自身の発声を聞き比べて音声訓練を行なう。
【解決手段】
絵や写真、文字などで表示されたカードを載置台にのせ、前記カード裏面に記載されたバーコードを接触手段か非接触手段を介し、これを読み取り、これが何であるかを判別し、そのカードに対応したあらかじめ録音されている音声を聞くことのできる音声発生装置とで構成されていると共に、失語症者の発声と記録されている音声とを比較できるようにしたことを特徴とする失語症者の音声訓練方法及びその装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、失語症者の音声訓練方法及びその装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の失語症者の音声訓練は、イラストを介して発話を促す訓練が良く行なわれてきた。例えば、「絵カード2001」という商品が市販されている。2000種類以上のカード集で、表面には写実的な絵が印刷され、裏面には、絵の名称とバーコードが印刷されており、失語症のリハビリ現場で使われている。言語聴覚士が失語症者に、このカードの表面の絵を見せながら「この絵は何ですか」と問いかけ、発声できれば異なる絵の印刷されたカードに取り替えて訓練を続ける。発声できなければ、この絵は何という語頭音なのか、ジャンルは何か、などのヒントを与える。さらに、カードにバーコードが印刷されていることを利用して、バーコードスキャナのつながったパソコンで動作するソフトウェアもある。カードに印刷されたバーコードをスキャナで読み取ると、ディスプレイ上に文字ヒントと、言語聴覚士の代わりにスピーカーから音声ヒントを出し発声を促す、という訓練システムである。
【0003】
失語症の訓練では、絵や写真の名称が何であるか、ということを訓練に採り入れることも多い。そのため、音声による録音再生技術だけでなく、イラストや写真も表示できる両方の機能を兼ね備えたパソコンやPDAなどのIT機器で使われるソフトウェアも使われてきた。さらに、これらに関連する先行技術には次のようなものもあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−4494号公報。
【特許文献2】特開2007−147855号公報。
【0005】
上記、特許文献1には、複数のトラックのそれぞれに沿って情報が記録される磁気テープが貼付されたカードを装着するためのスリットが設けられたケースと、前記スリットに装着された前記カードを前記トラックに沿った方向に搬送する搬送ローラと、前記磁気テープへの前記情報の書き込み、あるいは前記磁気テープからの前記情報の読み出し、を選択するための入力を受ける読み書き選択スイッチと、前記情報の読み書きが行われる前記トラックを選択するための入力を受けるトラック選択スイッチと、前記磁気テープに前記情報として書き込まれる音声の入力を受けるマイクと、前記磁気テープから読み出される前記情報を音声として出力するスピーカーと、前記カードが搬送される際に、前記読み書き選択スイッチへの入力に応じて、前記トラック選択スイッチにより選択された前記トラックに沿って前記情報の読み出し又は書き込みを行う磁気ヘッドと、を備えることを特徴とする情報記録再生装置、との記載があった。
【0006】
また、特許文献2には、音声情報を出力し、該音声情報を用いて発声発音の練習を支援する発声発音練習支援システムであって、固有の識別情報を読み取り可能に保持する情報保持体と、前記情報保持体から前記識別情報を読み取る情報読取手段と、前記識別情報と対応づけて言語情報を管理し、前記情報読取手段にて読み取られた識別情報に対応づけて管理している言語情報を音声情報として出力する音声処理手段とを有する発声発音練習支援システム、との記載があった。さらに、失語症者が任意に選んだ物に対して発声発音の練習を行うため、固有の識別情報となるタグIDが読み取り可能に書き込まれたICタグと、ICタグが取り付けられた物品の名称をICタグのタグIDと対応づけて管理しておき、ICタグからタグIDを読み取り、読み取ったタグIDに対応づけて管理している物品の名称を音声情報として出力する携帯端末とを有する、と記載されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
以上に述べた従来の失語症者の音声訓練では、イラストが描かれたカードは、失語症の訓練に必ずと言えるほど使われる道具のひとつである。そのひとつ「絵カード2001」は多くの失語症リハビリ機関で採用されており、自宅での自習訓練のため「絵カード2001」を貸し出すことも多い。しかし、この商品が使える音声出力専用機は、まだ無い。
【0008】
さらに、パソコンとソフトウェアが使われている訓練装置では、キーボードやマウス、タッチパネルのような入力装置を操作しなくてはならない。失語症者の多くは高齢者であったり、半身マヒがあるために、小さいキーを打ったり、マウスを所定の位置に留める操作は難しい。また、パソコンのメニューを正しく選択できるとは限らない。
【0009】
また、特許文献1による、磁気テープが貼り付けられたカードを装着する情報記録再生装置では、記録できる時間は磁気テープの長さ、つまり、カードの長さによる。カードの長さ・大きさは限られたものになるため、記録できる時間に制約があった。
【0010】
さらに、磁気テープへの書き込み、読み出しは、磁気ヘッドと搬送ローラによって行なわれるため、摩擦が発生し、耐久性に影響する。
【0011】
さらに、磁気テープが貼付されたカードは、一般には作成できないため、市販品を購入しなければならない。
【0012】
さらに、カードを載せる、ボタンを押すという単純操作で扱えない。失語症者は高齢かつ肢体不自由者が多く、カードをスリットに差し込むことが困難なことが多い。また、片マヒが左、あるいは右のどちらかにあり、一方向のみのカード送りも使い勝手を制約する。
【0013】
さらに、手本となる音声データと失語症者自身の音声データを聞き比べるためには、磁気カードのトラックを変えるボタンを押し、再度スリットに挿入するという2つの手順が必要となる。高齢者や肢体不自由者である失語症者の多くにとって、手順の多い方法は操作困難であり、ミスにつながる。
【0014】
また、特許文献2による、ICタグによる固有の識別情報を管理する方法は、ICタグを一般には作成できないため、市販品を購入しなければならない。
【0015】
本発明では上記問題を、バーコード読み取りで音声再生可能な専用機を作ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明は、上記課題を解決するために、絵や写真、文字などで表示されたカードを載置台にのせ、前記カード裏面に記載されたバーコードを接触手段か非接触手段を介し、これを読み取り、これが何であるかを判別し、そのカードに対応したあらかじめ録音されている音声を聞くことのできる音声発生装置とで構成されていると共に、失語症者の発声と記録されている音声とを比較できるようにしたことを特徴とする失語症者の音声訓練方法に関する。
【0017】
また、前記失語症者の発声を言語聴覚士が6段階評価することができる手段を備えたことを特徴とする、前記失語症者の音声訓練方法に関する。
【0018】
また、前記失語症者が発声する際に、正答がわからない場合、自動でヒントが出るようにしたことを特徴とする、前記失語症者の音声訓練方法に関する。
【0019】
また、絵や写真、文字などで表示されたカードを載置台に載せ、前記カード裏面に記載されたバーコードを接触手段か非接触手段を介し、これを読み取り、検出、判別する検出手段と、前記検出された音声を変換する音声変換手段と、さらに録音、記録する録音記録手段と、また、前記録音と操作手段を介し音声へ変換させる音声変換手段とを持って、これを聞くことのできる音声再生手段として構成されてあり、失語症者の発声と記録した音声とを比較できることを特徴とする失語症者の音声訓練装置に関する。
【0020】
また、前記カードには、本装置の設定を変えるための意味づけをしたバーコードが記載されたものがある。本装置の設定とは、現在時刻と、ヒントおよび正答を再生するまでの時間と、オリジナルカード作成モードと、訓練者を選択するモードとを切替えられる手段を備えたことを特徴とする前記失語症者の音声訓練装置、で解決するものである。
【発明の効果】
【0021】
本発明は上記構成から成るので以下に示す効果が期待できる。
1 すでに数多くのリハビリの現場で使用されているバーコード付きカードが本装置で使用できるため、自宅や病室などでも訓練可能となり、訓練の時間が増えることにより訓練効果を高める。
2 パソコンなどを介さず、装置本体がバーコードの読み取りに対応している失語症訓練専用機である。かつ、単純操作であるため、失語症者に多い高齢者や肢体不自由者であっても使用できる。
3 失語症者自身の発声を音声データとして本装置に記録し、さらに、ボタンを押すだけで再生できるため、正答と失語症者自身の発声とを聞き比べることができ、反復訓練を可能にする。
4 操作履歴、評価を記録するので、パソコンに取り込むことで、カードを用いた訓練をいつ、何の語彙を、何回、何時間行なったか、どう評価したか、長期的な訓練経過を知ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本実施の形態に係る音声訓練装置の外観図である。
【図2】本実施の形態に係る音声訓練装置のハードウェアブロック図である。
【図3】本実施の形態に係る音声訓練装置の記憶域である。
【図4】本実施の形態に係る音声訓練装置の音声データの抽出方法である。
【図5】本実施の形態に係る音声訓練装置のボタンによる使い方の流れである。
【図6】本実施の形態に係る音声訓練装置の自動モードによる使い方の流れである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0024】
図1は、本実施の形態に係る音声訓練装置の外観図である。音声訓練装置1は、カード2と、載置台3と、バーコード読み取り窓4と、検出手段5と、音声変換手段6と、録音記録手段7と、操作手段8と、音声再生手段9と、評価手段10とから構成されている。
【0025】
(カード)
例えば、カードの表にイラスト、裏左下端にバーコードが印刷されている。バーコード全体の大きさは、縦7ミリ、横20ミリである。バーコードは、固有の識別情報となる英数字8個の集合体である。載せられているカードの形状・大きさがいかなるものであろうと、このバーコードを読み取り窓4が認識できれば良い。
【0026】
(載置台)
載置台は、肢体不自由者であっても置きやすいよう、45度の角度を持たせ、すべり台を滑るようにカードを滑らせることができる。さらに、読み取り窓4にカード裏面のバーコードが位置するように左右いずれかに突起を持たせている。
【0027】
(バーコード読み取り窓)
バーコード情報の読み取り可能な領域を示す読み取り窓4は、例えば赤外線を照射して反射した濃淡を、バーコードの黒白として対応できるよう透明になっている。
【0028】
(検出手段)
カード検知センサ501、カード検知制御510、バーコード読み取りカメラ502、バーコード判別のためのバーコード読み取り制御511を有する検出手段5に、バーコードが載置台に載せられたことを検知することと、バーコードの番号を認識することとがある。
【0029】
(音声変換手段)
入力装置609と、音声入力制御A/D変換613とを有する音声変換手段6は、例えばマイクやヘッドセットマイクなどからの電気信号を、記録しやすいようにデジタル化する。音声として十分な周波数で、メモリ領域やマイコン処理に負担の無いよう、16ビット16キロヘルツとする。
【0030】
(録音記録手段)
録音ボタン806を押すと、前項音声変換手段で作られたデジタル化された音声データを、メモリ819のカード番号が示す領域に格納する。
【0031】
(操作手段)
ヒントボタン804を押すと、外部I/O制御212により、メモリ719内のヒント音声720を、音声出力制御914に送る。正答ボタン805を押すと、外部I/O制御212により、メモリ719内の正答音声720を、音声出力制御914に送る。 再生ボタン807を押すと、外部I/O制御212により、メモリ719内にある、前項録音記録手段の音声データ720を、音声出力制御914に送る。
【0032】
(音声再生手段)
出力装置921と、音声出力制御D/A変換914とを有する音声再生手段は、例えばスピーカーなどにより音声として出力する。
【0033】
(評価手段)
6個のボタンを有する評価手段10は、ボタンそれぞれに1から6の番号を割り当て、どのボタンを押したかをメモリに記録する。カードごとの音声がデジタル化され記録できるように、その評価が記録できることは、長期的な訓練効果の測定に役立つ。
【0034】
図2は、本実施の形態に係る音声訓練装置のハードウェアブロック図である。各制御部は中央演算装置に組み込まれ、プログラムにより実現される。表示装置216は、例えばランプ赤とランプ緑からなり、カード検知センサ501が働きランプ赤が点灯する。また、ランプ緑は、ヒント音声720または正答音声720が出力できる準備ができたとき点灯する。失語症者や言語聴覚士は、ランプ緑の点灯を確認してから訓練を始める。
【0035】
図3は、本実施の形態に係る音声訓練装置の記憶域である。音声データ記憶域には、バーコード番号に対する音声ファイルが3通り割り当てられている。音声ファイル1という音声は、ヒントボタンを押したときに出力される音声データである。音声ファイル2という音声は、正答ボタンを押したときに出力される音声データである。音声ファイル3という音声は、再生ボタンを押したときに出力される音声データである。音声ファイル1と音声ファイル2は、カード番号に合わせてあらかじめ記憶させておく。音声ファイル3は空の領域であり、失語症者が録音ボタンを押して発声したときに、音声データとしてこの領域に格納される。
【0036】
(設定カードのための記憶域)
さらに、装置設定記憶域には、バーコード番号に対する本装置の設定のために領域を取ってある。例えば、バーコード番号000001が書かれたカードを本装置に載せると、時刻確認モードになり、時刻を音声出力する。また、時刻設定モードでは、年月日時分を現在時刻に合わせることができる。同様に、ヒント及び正答の自動発声までの時間を設定できる。
【0037】
図4は、本実施の形態に係る音声訓練装置の音声データの抽出方法である。カードを載せると、カード裏面のバーコードを読み取り、カード番号として認識する。カード番号に対応する音声データを、記憶域から検索し読み出す。ヒント音声が出力されるのは、ヒントボタンが押されたときであり、正答音声が出力されるのは、正答ボタンが押されたときである。後述する自動モードであっても、カード番号に対応する音声データを、記憶域から検索し読み出す方法は同様である。
【0038】
図5は、本実施の形態に係る音声訓練装置のボタンによる使い方の流れである。
【0039】
(基本訓練)
訓練を行なうとき、任意のカードを載置台に載せると同時に赤ランプが点灯する。本装置がカード裏面のバーコードの読み取りを開始する。バーコードを読み取ると、赤ランプは消灯し、対応する音声の出力準備ができたことを示す緑ランプを点灯する。ヒントボタンを押すと、押されたことをメモリに記録する。同時にヒント音声が出力されるので、失語症者はヒント音声を基に発声しようと訓練する。ヒント音声とは、前述のバーコードを読み取った情報に対して一対となるメモリ内の情報を言う。
【0040】
ヒントボタンを繰り返し押すこともでき、その都度記録とヒント音声の出力が行なわれる。
【0041】
正答ボタンを押すと、押されたことをメモリに記録し、同時に正答音声が出力されるので、失語症者は正答音声を真似て発声する。正答音声とは、前述のバーコードを読み取った情報に対して一対となるメモリ内の情報を言う。
【0042】
正答ボタンを繰り返し押すこともでき、記録と正答音声の出力が行なわれる。
【0043】
任意のカードを載せ替えることで、自由に訓練ができる。
【0044】
(聞き比べ訓練)
本装置には録音ボタンがあり、失語症者の発声を記録することができる。録音ボタンは押し続けると機能し、押されたことをメモリに記録し、赤ランプが点灯する。録音ボタンを押し続けている間、マイクからの入力を音声情報としてメモリに記録する。録音ボタンが離されるまで記録を継続する。
【0045】
再生ボタンを押すと、押されたことをメモリに記録し、失語症者は自身の直前の発声を聞くことができる。再生ボタンを繰り返し押すことにより、音声出力できる。
【0046】
再生ボタンを押すことによって出力される音声(失語症者自身の発声)と、正答ボタンを押すことによって出力される音声(正答音)とを、聞き比べることができる。
【0047】
カードをはずすと、緑ランプは消灯する。
【0048】
(評価方法)
本装置には、評価ボタンがあり、失語症者の発声を評価できる。ここで言う評価とは、提示されたカードの名称に対する発声を6段階で判断することで、1から6までのボタンを押し、その番号で記録することである。
【0049】
図6は、本実施の形態に係る音声訓練装置の自動モードによる使い方の流れである。
【0050】
本装置は自動モードを備える。自動モードとは、ヒント音声または正答音声を聞くためにボタンを押さなくとも、設定カードによる設定時間が経過すると、それぞれの音声を出力することができる。
【0051】
(各種設定カードによる装置設定)
装置設定用カードがあり、これらのカードを載せると、装置の設定を変更することができる。装置の設定とは、現在時刻、ヒントおよび正答を再生するまでの時間、オリジナルカード作成モード切替え、訓練者切替え、である。
【0052】
(現在時刻の確認)
表面に「現在時刻の確認」、裏面には対応するバーコードが印刷されたカードを装置に載せると、装置が持っている時計機能が何年何月何日何時何分であるかを、音声によって表示する。
【0053】
(現在時刻の設定モード)
表面に「時刻設定開始」、裏面には対応するバーコードが印刷されたカードを装置に載せると、装置が持っている時計機能を設定するモードになる。同様に「時刻設定終了」カードがあり、時刻設定モードを終了する。
【0054】
(現在時刻の設定)
表面に「年」「月」「日」「時」「分」、裏面にはそれぞれ対応するバーコードが印刷された5枚のカードと、「0」から「59」までの数字およびバーコードが印刷された60枚のカードとを使い、時刻設定モードのときにこれらカードを装置に載せることで時刻設定ができる。例えば、12時00分に設定したいときは、「時」「12」「分」「0」の4枚のカードを順に装置に載せる。
【0055】
(ヒントおよび正答の出力までの時間)
図6に示した自動モードにおいて、ヒント音声の出力までの時間、および正答音声の出力までの時間は、設定カードによる変更ができる。例えば、表面に「ヒント15秒」、裏面には対応するバーコードが印刷されたカードを装置に載せると、ヒント発声までの時間が15秒に設定される。任意のカードを載せてから15秒後に、そのカードに対応するヒント音声が出力される。正答の出力までの時間も、カードを用いた操作方法は同様である。
【0056】
(オリジナルカード作成モード)
表面に「オリジナルカード作成開始」、裏面には対応するバーコードが印刷されたカードを装置に載せると、オリジナルカードを作成するモードになる。バーコードの空き番号、例えば900000番を示すバーコードが書かれたカードを装置に載せ換え、ヒントボタンを押している間マイクが拾った音をヒントとして記録する。あるいは、正答ボタンを押している間マイクが拾った音を正答として記録する。記憶域の範囲内で、あるいは空き番号のあるかぎりオリジナルカードが作れる。または、繰り返し記録できるために、不要になったり失敗したら、同じ番号であっても音声の上書きができる。開始と同様に「オリジナルカード作成終了」カードがあり、このモードを終了する。
【0057】
(失語症者切替え)
表面に「失語症者1」、裏面には対応するバーコードが印刷されたカードを装置に載せると、失語症者1として録音や評価を記録する。記憶域の範囲内で、本装置を複数人の失語症者で使い分けられる。
【符号の説明】
【0058】
1 音声訓練装置
2 カード
3 載置台
4 バーコード読み取り窓
5 検出手段
6 音声変換手段
7 録音記録手段
8 操作手段
9 音声再生手段
10 評価手段
212 外部I/O制御
216 表示装置
501 カード検知センサ
502 カメラ
510 カード検知制御
511 バーコード読み取り制御
609 入力装置
613 音声入力制御A/D変換
718 外部メモリスロット
719 外部メモリ
720 格納された音声データ群
804 ヒントボタン
805 正答ボタン
806 録音ボタン
807 再生ボタン
914 音声出力制御D/A変換
921 出力装置
1008 評価ボタン



【特許請求の範囲】
【請求項1】
絵や写真、文字などで表示されたカードを載置台にのせ、前記カード裏面に記載されたバーコードを接触手段か非接触手段を介し、これを読み取り、これが何であるかを判別し、前記カードに対応したあらかじめ録音されている音声を聞くことのできる音声発生装置とで構成されていると共に、失語症者の発声と記録されている音声とを比較できるようにしたことを特徴とする失語症者の音声訓練方法。
【請求項2】
前記失語症者の発声を言語聴覚士が6段階評価することができる手段を備えたことを特徴とする、請求項1記載における失語症者の音声訓練方法。
【請求項3】
前記失語症者が発声する際に、正答がわからない場合、自動でヒントが出るようにしたことを特徴とする、請求項1記載における失語症者の音声訓練方法。
【請求項4】
絵や写真、文字などで表示されたカードを載置台に載せ、前記カード裏面に記載されたバーコードを接触手段か非接触手段を介し、これを読み取り、検出、判別する検出手段と、
前記検出された音声を変換する音声変換手段と、
さらに録音、記録する録音記録手段と、
また、前記録音と操作手段を介し音声へ変換させる音声変換手段とを持って、これを聞くことのできる音声再生手段として構成されてあり、
失語症者の発声と記録した音声とを比較できることを特徴とする失語症者の音声訓練装置。
【請求項5】
前記カードには、本装置の設定を変えるための意味づけをしたバーコードが記載されたものがあり、本装置の設定とは、現在時刻と、ヒントおよび答えを再生するまでの時間と、オリジナルカード作成モードと、訓練者を選択するモードとを切替えられる手段を備えたことを特徴とする請求項4記載における失語症者の音声訓練装置。

【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図1】
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【公開番号】特開2011−209471(P2011−209471A)
【公開日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−76412(P2010−76412)
【出願日】平成22年3月29日(2010.3.29)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第3項適用申請有り 平成21年9月29日に第36回国際福祉機器展にて発表
【出願人】(506067246)株式会社エスコアール (1)
【Fターム(参考)】