説明

姿勢モニタシステムおよび身体モニタシステム

【課題】
医師などの専門家が「いつでも」「どこにいても」個人の姿勢や行動などの身体状態をリアルタイムでモニタすることができ、適切なアドバイスや迅速な対応が可能な手段を提供する。
【解決手段】
温度センサなどの複数のセンサと無線機器とを衣類に装着させ、その着用者の肌との相対的な位置変化または距離変化に応じて前記複数のセンサが取得した各信号から姿勢に関するパターンを解析する。離れた場所にいる医師などの専門家はその解析結果から「いつでも」「どこにいても」リアルタイムで着用者の姿勢や行動や体動などの身体状態を推定または判定できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
在宅における独居老人、身障者、患者などを含めたすべての個人の姿勢を第3者が遠方からモニタすることにより、衣類着用者の安否確認や危険な姿勢などをリアルタイムで検出する姿勢モニタシステムに関する。
【0002】
着用者の姿勢や身体状態を常時モニタすることにより、医師などの専門家による姿勢の矯正やリハビリによる機能回復や病気の予防を目的とした健康管理を支援することができる姿勢モニタシステムおよび身体モニタシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
1人暮らしの老人などの安否を確認する方法として、独居者が使用する毎日の電気、ガス、水道などの流量継続時間や消費量を予想して、予想量より極端に少なかった場合には独居者が異常とみなすなどの方法が考案されていた。
【0004】
病院の入院患者などが使用するベットに装備されていた姿勢モニタ装置は、ベット上での正座、寝るなどの姿勢を検出していた。
【0005】
寝たきり老人や自分では動けない入院患者等を対象として、体重、心拍数、呼吸数、体重などの信号を無侵襲・無拘束に検出または表示・記録・報知する装置を装着したベットや.呼吸パターンを比較認識して異常発生を通報するように構成した方式等があった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
建物内の水道、電気、ガス使用状況をモニタして安否を確認する方法やベットで寝ている入院患者の存在を確認する方法は、建物外やベット以外の場所で発生した個人の急病や事故や災害など緊急事態に対して安否確認ができないなどの課題があった。さらに圧力センサなどの検出手段が装備されているベットなどにおいては、患者がベット上で寝ている場合など特定場所付近でのモニタや監視に限定されていたり、手足の状態やあお向けまたはうつ伏せ状態など細かい姿勢を推定または判定することは困難であった。また患者が心筋梗塞や腹痛のためベット上でもだえたりするなどの異常な体動を判定することは困難であった。
【0007】
身体に加速度センサや傾斜センサなどを直接取り付けたり貼り付けたりして身体の動きをモニタする方法が考案されているが、身体に直接貼り付けることによる圧迫感や違和感や不快感を伴うため、常時使用できないといった問題点があった。さらに、貼り付けた部分の皮膚が炎症を起こした場合によっては後遺症が残るなどのケースも予想される。また静止状態という特別な姿勢時のみ有効であり、移動などを伴う動的状態においては衝撃など外部的な要因によりセンサが剥がれたり動くなどの課題があった(たとえば特許文献1)。
【0008】
衣服のボタンに加速度センサを直接取り付けたり、テープを使用してベルトバックル、ブローチ、ブラジャーなどに加速度センサを取り付け固定して使用する方法が提案されているが(たとえば特許文献2)、いずれも衣服と一体化されていないため、離脱したり、凹凸による違和感などのため「いつも」「どこにいても」使用できないという課題があった。
【0009】
温度センサや脈拍センサなどの生体センサを直接肌に貼り付けるなどにより人体に装着させ、生体情報を常時モニタして異常値を検出した場合は外部へ緊急通報できるシステムが報告されているが、第3者が日常の姿勢などから使用者の行動をモニタして健康の管理や予防を行うことはできないという課題があった。
【0010】
このように従来の監視システムにおいては生体情報を主体としており、たとえば乳幼児がどのような姿勢で何をしているかなどの動作情報を離れた場所からは知ることができず、乳幼児の姿勢や動作に変化が起こったことがわかっても、乳幼児に何が起こったかわからないため、適切な対応が遅れてしまうといった課題があった。
【0011】
建物内外のいたる場所に設置されている防犯カメラなどは取得した画像から個人の姿勢パターンが容易に観察できる。しかしこのような防犯カメラは公共の場所など特定の場所では使用できるが、室内やトイレなど個人のプライバシーを侵害する場所には設置できない。このため個人の私生活においては姿勢や行動などをモニタすることは困難であり、カメラなどの画像による姿勢監視システムは「どこでも」また「いつでも」使用できないという課題があった。
【特許文献1】特開2002−291723
【特許文献2】特開2006−68300
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するため本発明においては、常時着用している衣類に着用者の姿勢モニタ用センサを装着させ、(1)前記衣類と、(2)前記衣類に設けられている複数のセンサと、(3)前記センサが取得した取得パターンと、(4)前記取得パターンと予めメモリに格納された格納パターンとの比較手段により判定する判定手段と、により前記衣類着用者の姿勢を推定または判定して解決させることを特徴にしている。前記格納パターンには臥位、座位、立位などの各種姿勢に関するパターンに加え歩行、体動などの詳細パターンが含まれている。その結果、モニタ用センサが剥がれたり動くなどによりシステムが誤動作するという不安を取り除くことができるので、医師、看護師や家族などの第3者はもちろん着用者自身も「いつでも」本発明による姿勢モニタシステムを信頼して使用することができる。
【0013】
同種または/および異種のセンサを個人が毎日着用している衣類の所定の場所に複数個装着させ、各センサによるモニタ機能を利用して、着用者の生体情報のみならず、姿勢や手足、胴体などの細かい全身の動きをリアルタイムで判定する姿勢モニタシステムを提供することにある。その結果、安否確認や監視に加え、着用者の日常行動や姿勢などを把握して健康管理や病気の予防を可能にすることができるなど従来技術では困難であった課題を解決することができる。また姿勢の取得パターンを得るための衣類は着用者と一体化されているため、従来技術では困難であった着用者の移動を伴う場合を含め「いつでも」「どこにいても」リアルタイムで姿勢モニタが可能であるという特徴を有している。
【0014】
個人が衣服として常時着用する下着または肌着に姿勢モニタが可能なセンサを埋め込むことにより装着させ着用者と一体化することにより着用者の安否を外部から確認できることを特徴とする姿勢モニタシステムである。その結果、前記センサを衣服や身体に直接貼り付ける必要がなくなるので衣類(下着または肌着)として違和感なく「いつでも」「どこにいても」着用することができる。またカメラなどの監視モニタを必要としないため、室内やトイレなどにおいても着用者のプライバシーが侵害されないので安心して日常生活を送ることができる。
【0015】
前記下着または肌着の複数の場所に設けられている前記センサと着用者の肌(身体)との間の微小な距離変化または位置変化に応じてセンサ信号が変化することを利用して着用者の姿勢を判定または推定することを特徴としている姿勢モニタシステムである。つまり温度センサや圧力センサなどは肌と密着している状態(すなわち肌とセンサ面との距離が最小値)でセンサ信号が最大値を示し、肌とセンサとの間に隙間ができ、その距離が大きくなるにつれ信号は小さくなる。ただし肌とセンサは接触していなくてもよい。着用者の姿勢が変化すると姿勢に対応した隙間が下着と肌との間で生じるので、衣類の特定場所に組み込まれた複数のセンサが取得した信号(取得パターン)と格納パターンとを総合的に比較または解析することにより、着用者の姿勢を判定または推定することができる。
【0016】
たとえば、肌着の左脇下付近に位置する場所に組み込まれた温度センサ信号は、左手を上下させるなどで動かすと、肌着との間で隙間が広がるため温度センサの信号(温度値)は肌に密着している時に比べ低下することから、左手の状態を推定することができる。さらに加速度センサや傾斜センサや回転センサなどの動的変化を検知するセンサを同時に装着させ各センサの取得した信号と組合わせ解析することにより、より詳細に着用者の動的変化を伴う姿勢や行動や体動の変化を推定または判定をおこなうことができる。
【0017】
姿勢モニタ方法として温度センサ、圧力センサ、光センサ、電波センサ、熱センサ、音センサ、磁気センサ、距離センサ、加速度センサ、回転センサ、傾斜センサなどのセンサのうち1または2以上を所定の場所に複数個組み込み、前記センサが取得した信号を解析することにより着用者の姿勢や行動を推定または判定することを特徴とする姿勢モニタシステムである。温度や圧力センサなどの微小センサチップはミリサイズ以下のため、衣類に組み込み一体化することができ外見上はセンサの存在は識別できず着用時にも違和感はなくなる。
【0018】
前記衣類に設けられているセンサは取得した各信号を外部へ送信するための無線送信手段に接続されており、また予めコンピュータのメモリに格納された姿勢パターン(格納パターン)およびコンピュータによる判定手段は当該無線送信手段から送信された信号を受信するための無線受信手段へ接続させることにより、前記衣類から離れたところでも姿勢モニタが可能になることを特徴としている。その結果、離れた場所にいる第3者は「どこにいても」異常な体位または姿勢をモニタした場合、着用者の安否確認を行ったり早期発見による病気の予防などの健康管理を行なうことができる。
【0019】
さらに前記姿勢判定手段を用いることにより、着用者の行動、体動などの身体状態を常時モニタすることも可能になる。
【発明の効果】
【0020】
姿勢取得パターンを得るための衣類を着用者と一体化させることにより、従来技術では困難であった移動を伴う場合を含め「いつでも」「どこにいても」リアルタイムで着用者の姿勢モニタが可能になり、緊急時には迅速な対応を行なうことができる。
また個人の日常行動や姿勢などを把握して安否確認や健康管理による病気の予防を行うことが可能になり健康的な生活を維持することができる。その結果、医療・介護にかかわるコストの低減にも寄与できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
衣類としての肌着を構成している布に複数の温度センサが埋め込まれた姿勢モニタ用肌着の模式図を図面1に示す。
【0022】
図2には、実際に製作した姿勢モニタ用肌着の写真を示す。図2の肌着には、左胸11、左脇下12、左肩13、左背中14、右背中15、右肩16、右脇下17、右胸18の合計8箇所に温度センサが埋め込まれている。
【0023】
肌着を構成する布には導電糸19が織込まれており、この導電糸19と温度センサチップの電極とが電気的に直接接続されている。図1のセンサチップ11〜18はわかりやすくするため大きく示されているが実際は1mm以下と微小サイズのため図2で示される肌着では肉眼で認識するのは困難である。各場所においてセンサが取得した信号は導電糸19,および導電糸が束ねられた導電糸束20を通し肌着中央に装着されている無線送信機(無線モジュール)22に送信される。
【0024】
図3には本発明による姿勢モニタシステムの概念図が示されている。センサ信号は無線送信機22を通し外部に無線で送信される。各センサ信号の送信には温度情報に加え着用者のID情報を追加して、他の着用者とを区別させることもできる。無線送信機22から送信された信号は近傍に設置されている無線中継機31を経由して、同施設内に設置された姿勢判定装置(コンピュータ)30に取り込まれる。または上記無線中継機31からインターネット33経由で遠隔地にある建物に送信してもよい。姿勢パターン記憶部(メモリ)36には予め種々の姿勢パターンが記憶されており、姿勢パターン取得部35に取り込まれたデータの解析を行い、着用者の姿勢をリアルタイムで判定(判定部37)して表示部38に姿勢パターンを表示する。
【0025】
図4に着用者の姿勢を判定するまでの流れを示す。正常姿勢と判定した場合はその結果をコンピュータに保存しておくが、異常姿勢を判定した場合は、家族や病院などに緊急通報して着用者の安全を常時守ることができる。
【0026】
図8はパターン記憶部36に格納された多数の姿勢パターン(格納パターン)の中から一部を取り出したものである。
【0027】
図2で示され姿勢モニタ用肌着を着用して実験を行い、得られた測定結果(取得パターン)から着用者の姿勢パターンを以下のように推定した。
【0028】
健康な人間が肌着として着用した場合につき、温度センサ12(左脇下)、温度センサ13(左肩)、温度センサ14(左背中)の各センサが取得した信号(温度値)が時間とともに変化する様子を図5のグラフに示す。脇下温度は肌に密着した状態では体温である36℃前後を示している(図5a)。着用者の身体が動くとセンサと肌の距離も時間とともに変化するためセンサ値は36℃以下になり(図5b)、その差が大きくなるほど肌とセンサの距離も広がることが予想される。 たとえば脇下に埋め込まれたセンサの温度値が36℃より著しく低下たとえば34℃に達した場合、センサは肌と離れており、着用者は腕や手を大きく動かしていることが予想される。
【0029】
このため、着用者は図5aで示される時間帯では図8Bのような直立状態で座っていた(座位)ことが予想され脇下はセンサと密着しているため体温に近くなっている。また図5bの時間帯では周辺を動き回っており図8Aのような姿勢(立位、歩行)であったと推定される。一方、図5cの時間帯では脇下、背中、肩の温度が同じような値を示している。これは着用者が少し背を丸めた状態で(図8C)椅子に座っていた(座位)ためである。
【0030】
図6の場合は各センサ信号が体温値に近い値でほぼ一定になっており、着用者がベットで寝るなどして図8Eのような姿勢(臥位)の静的状態にあると推定できる。独居の健常者が昼間などに長時間ベット上で生活すると運動不足になりがちであり、このような場合は第3者である医師などから健康管理に関するアドバイスなどを与え病気の予防に役立てることができる。またこのような状態が長く続く時は逆に何らかの病気による異常事態が予想されるので第3者による着用者の安否を確認するなどの予防措置が考えられる。
【0031】
読み物、書き物、手作業時には背を丸めた姿勢で行うことがある。図7には、測定時間の後半のdで示された時間帯において、背中の温度が肩の温度より高く、脇下の温度とほぼ同じ又は場合によっては高くなっている。これはこの時間帯において、姿勢モニタ用肌着の着用者は背を大きく傾けた図8Dのような姿勢で読み物などの作業をしていた(座位)と推定することができる。このような姿勢が長時間続くような場合は健康上好ましくないので、医師などの専門家からアドバイスを受けるなどによる健康管理を行うことができる。
【0032】
このように、着用者の種々の姿勢パターンをあらかじめ想定しプログラム化して格納パターンとして予めパターン記憶部36に格納しておくことにより、各センサの取得した信号を総合的に解析してリアルタイムで着用者の姿勢(座位、立位、臥位、歩行など)に関する詳細情報を判定することができる。そして、危険な姿勢やもだえるなどの異常な体動が長時間続いたり、長時間にわたり姿勢や体動の変化が認められないなどの場合は外部へ緊急通報するなど迅速な対応ができるようあらかじめ姿勢判定部37に設定しておくことができる。
【0033】
これまでの実施例においては、肌着の胸、脇下、肩、背中に相当する各部位に温度センサが装備された場合を示したが、腹、脇腹、腰などにも装着することにより、より詳細に姿勢や行動を推定することができる。
【0034】
導電糸や導電繊維が織り込まれた肌着の例を示したが、その他たとえば導電糸やリード線にセンサチップが接続された細長いテープ、ひも、帯などを各部位に接着や縫い付けるなどにより装着した肌着または下着形状の衣類でもよい。
【0035】
上半身用下着以外にブラジャー、包帯、サポーター、パンツ、ズボン、靴下、腹巻などの衣類に関しても同様な方法で各種センサを装備させることにより、それらの着用者の歩行状態や座った状態などの姿勢を推定することができる。
【0036】
図9には上半身と下半身が一体化された下着の所定の場所に温度センサが装備された衣類(つなぎ)が示されている。このような衣類を着用することにより全身の姿勢をモニタすることができるので、たとえば、身体障害者がリハビリを行う際に使用することにより、看護師や医師は離れた場所にいても「いつでも」リハビリの様子をモニタして適切なアドバイスを与えることができる。
【0037】
健康な人が心臓マヒや突然の発作などの内的要因や事故などの外的要因で突然転倒した場合や、病人の容体が急変して異常な体動を示した場合など、上記実施例で記載された温度センサに加え加速度センサや傾斜センサや回転センサが同様な方法で衣類に装着させることにより、これらセンサからの信号を追加して解析することができるため、このような異常な姿勢や体動をより詳細に推定してきめの細かい対応が可能になる。
【0038】
幼児の親は姿勢モニタ機能を有する肌着やオムツを幼児に着用させることにより、離れた場所で作業をしていてもどのような姿勢で寝ているかを推定することができるため、たとえばうつ伏せ状態などの危険な姿勢になった場合は迅速な対応を行うことにより、安心して育児を行うことができる。
【0039】
センサが肌に密着した状態で取得したセンサ信号からは体温などの生体情報も同時に得られることはいうまでもいない。
【0040】
上記実施例では温度センサを例にして説明したが、圧力センサ、光センサ、電波センサ、磁気センサ、熱センサ、音センサ、距離センサなどのセンサを使用したり、前記センサのうち同種または異種のセンサを衣類に複数個装備させ、これらのセンサと肌との相対的距離や相対的位置の変化に応じて取得した信号を同様な方法で解析して姿勢を推定することもできる。
【0041】
たとえば光センサの場合は、センサに光源を内蔵させ、光源から放出された光(赤外線、紫外線、電磁波など非可視光を含む)のうち肌表面で反射した信号を光センサが検出して、その信号変化を解析することにより姿勢を推定または判定することができる。その他の電波センサや音センサなどについても同様な方法行なうことができる。また人間の肌表面から放出される光または電波をセンサで直接各センサで検出してもよい。
【0042】
着用者の温度変化などを利用した姿勢モニタ法が困難なロボットなどには、前記光センサ、電波センサ、音センサ、距離センサなどが装備された衣服を着用させることにより、姿勢モニタを行なうことができる。
【0043】
また傾斜センサや加速度センサや回転センサなどと上記温度センサ、圧力センサ、光センサ、電波センサ、磁気センサ、熱センサ、音センサ、距離センサなどの少なくとも1種類のセンサとを組合わせた複数のセンサにより、より詳細な姿勢モニタシステムも構築できる。
【0044】
図1,2肌着にはボタンと兼用した無線モジュール22が示されているが、各センサに無線機能を内蔵させてもよい。その結果、無線送信機22や各センサと無線送信機22を配線するための導電糸19,20も不要になり、シンプルで軽量な実用性の高い衣料となる。
【0045】
センサを駆動したりセンサ信号を送信するための電源として図1,2ではボタン電池21が示されているが、例えば、チップ形状または薄膜形状の微小太陽電池を衣類に組込んだり、衣類に印刷または配線されたコイルによる誘導起電力により発生する非接触電源(またはワイヤレス電源)などを使用してもよい。
【0046】
以上は姿勢モニタシステムに関する記載であったが、同モニタシステムにより、着用者の行動、体動などの身体状態を常時モニタすることも可能になる
【0047】
以上は人間を対象とした姿勢モニタの実施例であったが、本発明は犬、猫などのペットを含め自然界に存在する全ての生物や前記ロボットなどの人工動体の姿勢モニタに適用できることはいうまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】姿勢モニタ用下着の概念図
【図2】実際に試作した姿勢モニタ用肌着
【図3】姿勢モニタシステムの概念図
【図4】姿勢判定までのフロー図
【図5】姿勢モニタシステムを用いた測定結果1
【図6】姿勢モニタシステムを用いた測定結果2
【図7】姿勢モニタシステムを用いた測定結果3
【図8】推定される姿勢図(格納パターン)の一例 A)正常に歩行している、B)椅子に腰掛けている、C)少し背を傾け作業をしている、D)背中を大きく傾け作業をしている、E) ベットで寝ている
【図9】上下一体された姿勢モニタ用下着(つなぎ)の形状と装着されたセンサの配置例
【符号の説明】
【0049】
10 姿勢モニタ用肌着(衣類)
11〜18 温度センサ
19 導電糸
20 導電糸束
21 バッテリー
22 無線送信機(無線モジュール)
23 電波
30 姿勢判定装置(コンピュータ)
31 無線中継機
32 電波
33 インターネット
34 受信部
35 パターン取得部
36 パターン記憶部
37 判定部
38 表示部
91 上下が一体化された衣服(つなぎ)
92 前面に装着されているセンサ
93 背面に装着されているセンサ



【特許請求の範囲】
【請求項1】
着用者に着用させる衣類と、複数のセンサと、前記複数のセンサが取得した各信号から得られる取得パターンと、前記取得パターンと予めメモリーに格納された格納パターンとの比較により前記衣類着用者の姿勢を判定する判定手段と、を有する姿勢モニタシステムであって、前記複数のセンサは前記衣類と一体化されておりさらに、前記判定手段は前記複数のセンサと着用者の肌との間の相対的な位置変化または距離変化に応じて前記複数のセンサが取得した各信号から取得パターンを形成して、前記取得パターンと格納パターンとの比較により着用者の姿勢を判定できるように構成されていることを特徴とする姿勢モニタシステム。
【請求項2】
前記センサとして温度センサ、圧力センサ、光センサ、電波センサ、熱センサ、音センサ、磁気センサ、距離センサ、位置センサ、加速度センサ、回転センサ、傾斜センサのうちいずれか1または2以上の組合せであることを特徴とする請求項1で記載の姿勢モニタシステム。
【請求項3】
前記センサは取得した各信号を外部へ送信するためのID機能を有する無線送信手段に接続されており、前記メモリおよび判定手段は当該無線送信手段から送信された信号を受信するための無線受信手段へ接続させることにより、前記衣類の着用者から離れたところで姿勢モニタが可能な構成になっていることを特徴とする請求項1から2のいずれかに記載の姿勢モニタシステム。
【請求項4】
請求項2で記載された複数のセンサは無線機能を有していることを特徴とする請求項1から3に記載の姿勢モニタシステム。
【請求項5】
請求項1から4に記載された姿勢判定手段を用いて、着用者の行動、体動などの身体の状態をモニタすることができる身体モニタシステム。

【図1】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図2】
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【公開番号】特開2009−18158(P2009−18158A)
【公開日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−154854(P2008−154854)
【出願日】平成20年6月13日(2008.6.13)
【出願人】(303050805)
【Fターム(参考)】