説明

姿勢検出ユニット、記憶ユニット、相対姿勢算出ユニット、相対姿勢検出システム、およびカプセル内視鏡姿勢検出システム

【課題】移動体の相対的姿勢を検出する。
【解決手段】カプセル内視鏡10はカプセル方位情報およびカプセル加速度情報を外部に無線送信する。外部受信機20は、カプセル方位情報およびカプセル加速度情報を受信して、受信機方位情報、および受信機加速度情報とともに格納する。外部受信機20はカプセル内視鏡プロセッサに接続可能である。カプセル内視鏡プロセッサは、カプセル方位情報、カプセル加速度情報、受信機方位情報、および受信機加速度情報に基づいて、外部受信機20に対するカプセル内視鏡の相対姿勢を算出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、単独で体内などに挿入されるカプセル内視鏡を用いた内視鏡システムなどのように、単独で移動する移動体の姿勢を検出するための姿勢被検出ユニット、記憶ユニット、相対姿勢算出システム、およびカプセル内視鏡姿勢検出システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、カプセル内視鏡システムが開発されている。カプセル内視鏡システムでは、撮像素子を設けたカプセル内視鏡が用いられる。カプセル内視鏡は患者に飲込まれ、体内を単独で移動する。移動しながら、カプセル内視鏡によって体内の撮影が連続的に行われる。撮影された画像は画像データとして体外機に受信される。体外器が受信した画像データに基づく画像がモニタに表示される。
【0003】
カプセル内視鏡の撮影する部位の把握のため、また複数の画像のそれぞれの一部を用いてバーチャル画像を生成するためには、体内におけるカプセル内視鏡の姿勢を把握することが求められている。そこで、磁気を利用してカプセル内視鏡の姿勢を検出することが提案されている(特許文献1参照)。
【0004】
しかし、磁気を利用する場合は大型の磁気検出センサが必要であり、より小型化したシステムが求められていた。特に、カプセル内視鏡による体内の撮影は長時間を要するため、被験者が大型の磁気検出センサを用いる場合は検査室において長時間の検査を受けることになった。そのため、被験者にとって不便であった。
【0005】
また、磁気検出センサは、カプセル内視鏡そのものの姿勢を検出することは可能であるが、体内におけるカプセル内視鏡の姿勢を検出するためには被験者が同じ姿勢を保つ必要があった。そのため、さらに被験者には不便であった。
【特許文献1】特開2005−304638号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、本発明ではカプセル内視鏡のように単独で移動する移動体の相対的な姿勢を検出する姿勢検出システムであって、小型化されたシステムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の姿勢検出ユニットは、姿勢被検出体の向いている方向を検出するための第1のセンサと、重力方向を検出するための第2のセンサと、第1のセンサが検出する第1の方向データと第2のセンサが検出する第1の重力方向データを無線送信する送信部とを備えることを特徴としている。
【0008】
なお、第1、第2のセンサは、それぞれ方位センサおよび加速度センサであることが好ましい。
【0009】
また、方位センサは異なる3方向を軸として方位を検出し、加速度センサは異なる3方向の加速度を検出することが好ましい。
【0010】
また、第1、第2のセンサが検出する第1の方向データおよび第1の重力方向データを格納するための第1のメモリと、第1のセンサが検出した第1の方向データのデータ強度が第1の閾値を下回るときは第1の方向データを第1のメモリに格納し第1のセンサが検出した第1の方向データのデータ強度が第1の閾値を超えるときは第1のメモリに格納された最新の第1の方向データを第1のセンサが検出した第1の方向データの代わりに送信部に無線送信させ第2のセンサが検出した第1の重力方向データのデータ強度が第2の閾値を下回るときは第1の重力方向データを第1のメモリに格納し第2のセンサが検出した第1の重力方向データのデータ強度が第2の閾値を超えるときは第1のメモリに格納された最新の第1の重力方向データを第2のセンサが検出した第1の重力方向データの代わりに送信部に無線送信させる第1の制御部とを備えることが好ましい。
【0011】
また、第1、第2のセンサの少なくとも一方は、角速度センサであることが好ましい。
【0012】
また、角速度センサは、それぞれ異なる3方向を軸として方位を検出することが好ましい。
【0013】
本発明の記憶ユニットは、姿勢被検出体の向いている方向を検出するための第1のセンサと重力方向を検出するための第2のセンサと第1のセンサが検出する第1の方向データと第2のセンサが検出する第1の重力方向データを無線送信する送信部とを備える姿勢検出ユニットが設けられた姿勢被検出体における第1、第2のセンサと夫々同じ種類の第3、第4のセンサと、送信部から無線送信される第1の方向データおよび第1の重力方向データを受信する受信部と、第1の方向データおよび第1の重力方向データと受信部が第1の方向データおよび第1の重力方向データを受信するときに第3、第4のセンサがそれぞれ検出する第2の方向データおよび第2の重力方向データとを関連付けて格納する第2のメモリとを備えることを特徴としている。
【0014】
また、第3、第4のセンサが検出する第2の方向データおよび第2の重力方向データを格納するための第3のメモリと、第3のセンサが検出した第2の方向データのデータ強度が第1の閾値を下回るときは第2の方向データを第3のメモリに格納し第3のセンサが検出した第2の方向データのデータ強度が第1の閾値を超えるときは第3のメモリに格納された最新の第2の方向データを第3のセンサが検出した第2の方向データの代わりに第3のメモリに格納させ第4のセンサが検出した第2の重力方向データのデータ強度が第2の閾値を下回るときは第2の重力方向データを第3のメモリに格納し第4のセンサが検出した第2の重力方向データのデータ強度が第2の閾値を超えるときは第3のメモリに格納された最新の第2の重力方向データを第4のセンサが検出した第2の重力方向データの代わりに第3のメモリに格納する第2の制御部とを備えることが好ましい。
【0015】
また、姿勢被検出体を所定の姿勢で所定の位置に係合する係合部を備え、係合部に姿勢被検出体を係合させた後に第2のメモリに第2の方向データおよび第2の重力方向データの格納を開始することが好ましい。
【0016】
また、姿勢被検出体を内包する披見対象体に装着される装具に固定可能であることが好ましい。
【0017】
本発明の相対姿勢算出ユニットは、姿勢被検出体の向いている方向を検出するための第1のセンサと重力方向を検出するための第2のセンサと第1のセンサが検出する第1の方向データと第2のセンサが検出する第1の重力方向データを無線送信する送信部とを備える姿勢検出ユニットが設けられた姿勢被検出体における第1、第2のセンサと同じ種類の第3、第4のセンサと送信部から無線送信される第1の方向データおよび第1の重力方向データを受信する受信部と第1の方向データおよび第1の重力方向データと受信部が第1の方向データおよび第1の重力方向データを受信するときに第3、第4のセンサがそれぞれ検出する第2の方向データおよび第2の重力方向データとを関連付けて格納する第2のメモリとを備える記憶ユニットにおける第2のメモリに関連付けられて格納された第1、第2の方向データおよび第1、第2の重力方向データを受信する受信部と、受信部が受信した第1、第2の方向データおよび第1、第2の重力方向データに基づいて記憶ユニットに対する姿勢被検出体の相対姿勢を算出する算出部とを備えることを特徴としている。
【0018】
なお、算出部は、角速度センサである第1、第3のセンサが検出する第1、第2の方向データに基づいてそれぞれ姿勢被検出体および記憶ユニットの向く方向である第1、第2の方向を算出する方向算出部と、加速度センサである第2、第4のセンサが検出する第1、第2の重力方向データに基づいてそれぞれ方向算出部に算出された第1、第2の方向の修正を行なう方向修正部と、方向修正部に修正された第1、第2の方向に基づいて記憶ユニットに対する姿勢被検出体の相対姿勢を算出する相対姿勢算出部とを有することが好ましい。
【0019】
また、算出部は、修正前の第1、第2の方向に基づいて方向修正部に第1、第2の方向を修正させるか否かを判断する修正判断部を有し、修正判断部が第1、第2の方向を修正させると判断するときに方向修正部は第1、第2の方向の修正を行なうことが好ましい。
【0020】
また、修正判断部は方向算出部に連続的に算出された第1の方向または第2の方向の変化が所定の範囲である場合に、第1、第2の方向を修正させると判断することが好ましい。
【0021】
本発明の相対姿勢検出システムは、姿勢被検出体の向いている方向を検出するための第1のセンサと重力方向を検出するための第2のセンサと第1のセンサが検出する第1の方向データと第2のセンサが検出する第1の重力方向データを無線送信する送信部とを有する姿勢検出ユニットと、第1、第2のセンサと同じ種類である第3、第4のセンサと送信部が無線送信する第1の方向データおよび第1の重力方向データを受信する受信部と第1の検出データおよび第1の重力方向データと受信部が第1の方向データおよび第1の重力方向データを受信するときに第3、第4のセンサがそれぞれ検出する第2の方向データと第2の重力方向データとを関連付けて格納する第2のメモリとを有する記憶ユニットと、記憶ユニットから互いに関連付けられた第1、第2の方向データおよび第1、第2の重力方向データを受信する受信部と受信された第1、第2の方向データおよび第1、第2の重力方向データに基づいて記憶ユニットに対する前記姿勢検出ユニットの相対姿勢を算出する算出部とを備えることを特徴としている。
【0022】
本発明のカプセル内視鏡姿勢検出システムは、筐体の向いている方向を検出するための第1のセンサと重力方向を検出するための第2のセンサと第1のセンサが検出する第1の方向データと第2のセンサが検出する第1の重力方向データを無線送信する送信部とを有するカプセル内視鏡と、第1、第2のセンサと同じ種類である第3、第4のセンサと送信部が無線送信する第1の方向データおよび第1の重力方向データを受信する受信部と第1の検出データおよび第1の重力方向データと受信部が第1の方向データおよび第1の重力方向データを受信するときに第3、第4のセンサがそれぞれ検出する第2の方向データと第2の重力方向データとを関連付けて格納する第2のメモリとを有する外部受信機と、外部受信機から互いに関連付けられた第1、第2の方向データおよび第1、第2の重力方向データを受信する受信部と受信された第1、第2の方向データおよび第1、第2の重力方向データに基づいて記憶ユニットに対する姿勢検出ユニットの相対姿勢を算出する算出部とを有するカプセル内視鏡プロセッサとを備えることを特徴としている。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、単独で移動する移動体の相対的な姿勢を、小型化した構成によって検出することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態を適用した内視鏡位置姿勢検出システムの使用状態を示す第1の参考図である。図2は、内視鏡姿勢検出システムの使用状態を示す第2の参考図である。
【0025】
本実施形態の内視鏡姿勢検出システムを有するカプセル内視鏡システムは、カプセル内視鏡10、外部受信機20、カプセル内視鏡プロセッサ30、およびモニタ40等によって構成される(図1、図2参照)。カプセル内視鏡システムによる体腔内部の観察は、データ採取のステップとデータに基づく画像表示のステップとによって構成される。
【0026】
図1に示すように、データ採取のステップにおいて、外部受信機20が固定されたベストvが、被験者Pに装着される。なお、外部受信機20は、専用ポケットへの収容などの方法によりベストvに固定される。このとき、外部受信機20がベストvを介して被験者Pの体外に固定される。
【0027】
また、データ採取のステップにおいてカプセル内視鏡10が被験者Pに飲込まれる。カプセル内視鏡10により画像観察に必要なデータが生成される。生成されたデータは外部受信機20に無線送信される。無線送信されたデータが外部受信機20に設けられる姿勢メモリ(図1、図2において図示せず)に格納される。
【0028】
カプセル内視鏡10によるデータ採取を終えると、画像表示のステップを実行することが可能になる。図2に示すように、画像表示のステップにおいて外部受信機20がカプセル内視鏡プロセッサ30に接続される。なお、カプセル内視鏡プロセッサ30はモニタ40にも接続される。
【0029】
外部受信機20に格納されたデータは、カプセル内視鏡プロセッサ30に送られる。カプセル内視鏡プロセッサ30によって、データに対して所定のデータ処理が施される。所定のデータ処理が施されたデータはモニタ40に送られる。モニタ40には、送られたデータに基づく画像が表示される。
【0030】
次にカプセル内視鏡10の構成について図3を用いて詳細に説明する。図3はカプセル内視鏡の内部構成を概略的に示すブロック図である。カプセル内視鏡30には、方位センサ11、加速度センサ12、システムコントローラ13、一時メモリ14、送信部15、および撮像素子16が設けられる。
【0031】
撮像素子16により被写体像の撮像が行われる。撮像された被写体像は画像信号としてシステムコントローラ13を介して送信部15に送られる。送信部15に送られた画像信号がカプセル内視鏡10の外部に無線送信される。
【0032】
方位センサ11により、地球上におけるカプセル内視鏡10の方位が検出される。なお、方位センサ11は3軸磁気方位センサであり、地上における南北方向をX軸、東西方向をY軸、鉛直方向をZ軸として地磁気のXYZ軸成分が検出される。地磁気のXYZ軸成分に基づいて、カプセル内視鏡10の向く方向ベクトルのX、Y、Z軸成分が求められる。加速度センサ12により、互いに直行する3方向それぞれの加速度が検出される。
【0033】
検出された地磁気のXYZ成分はカプセル方位情報として、加速度はカプセル加速度情報としてシステムコントローラ13に送られる。
【0034】
なお、カプセル方位情報およびカプセル加速度情報は、1フィールドの画像信号と同じ周期で検出される。例えば、撮像素子16により1/60秒毎に1フィールドの画像信号が生成される。カプセル方位情報およびカプセル加速度情報も1/60秒毎に検出される。
【0035】
システムコントローラ13には、ROM(図示せず)が接続される。ROMには、第1の閾値および第1の範囲のデータが格納される。第1の閾値、第1の範囲のデータはシステムコントローラ13に送られる。
【0036】
システムコントローラ13において、地磁気のXYZ成分に基づいて地磁気の大きさが求められる。求められた地磁気の大きさと第1の閾値とが比較される。
【0037】
地磁気の大きさが第1の閾値未満であるときは、カプセル方位情報が一時メモリ14に送られ、格納される。また、地磁気の大きさが第1の閾値未満であるときは、カプセル方位情報が送信部15に送られ、カプセル方位情報が送信部15によりカプセル内視鏡10の外部に無線送信される。なお、一時メモリ14にカプセル方位情報が送られるたびに、一時メモリ14に格納されるカプセル方位情報が更新される。
【0038】
一方、地磁気の大きさが第1の閾値を超えるとき、システムコントローラ13は一時メモリ14および送信部15へのカプセル方位情報の送信を停止する。さらに、システムコントローラ13によって、一時メモリ14に格納されていたカプセル方位情報が送信部15に送られる。送信部15に送られたカプセル方位情報がカプセル内視鏡10の外部に無線送信される。
【0039】
また、システムコントローラ13によって、3方向の加速度成分に基づいて合成した加速度の大きさが求められる。合成した加速度と第1の範囲とが比較される。
【0040】
合成した加速度が第1の範囲内であるときは、カプセル加速度情報が一時メモリ14に送られ、格納される。また、合成した加速度が第1の範囲内であるときは、カプセル加速度情報が送信部15に送られ、カプセル加速度情報が送信部15によりカプセル内視鏡10の外部に無線送信される。なお、一時メモリ14にカプセル加速度情報が送られるたびに、一時メモリ14に格納されるカプセル加速度情報が更新される。なお、第1の範囲は、重力加速度±aに挟まれる範囲である。
【0041】
一方、合成した加速度が第1の範囲外であるときは、システムコントローラ13は、一時メモリ14および送信部15へのカプセル加速度情報の送信を停止する。さらに、システムコントローラ13によって、一時メモリ14に格納されていたカプセル加速度情報が送信部15に送られる。送信部15に送られたカプセル加速度情報がカプセル内視鏡10の外部に無線送信される。
【0042】
次に、外部受信機の構成について図4を用いて説明する。図4は、外部受信機の内部構成を概略的に示すブロック図である。外部受信機20には、方位センサ21、加速度センサ22、システムコントローラ23、一時メモリ24、受信部25、および姿勢メモリ26が設けられる。
【0043】
方位センサ21はカプセル内視鏡10の方位センサ11と同じセンサであり、方位センサ21により外部受信機20の向く方向ベクトルのX、Y、Z軸成分が求められる。また、加速度センサ22はカプセル内視鏡10の加速度センサ12と同じセンサであり、加速度センサ22により互いに直行する3方向それぞれの加速度が検出される。
【0044】
検出された地磁気のXYZ成分は受信機方位情報として、加速度は受信機加速度情報としてシステムコントローラ23に送られる。
【0045】
なお、受信機方位情報および受信機加速度情報も、1フィールドの画像信号と同じ周期で検出される。すなわち、受信機方位情報および受信機加速度情報も1/60秒毎に検出される。
【0046】
システムコントローラ23には、ROM(図示せず)が接続される。ROMには、第1の閾値、第1の範囲のデータが格納される。第1の閾値、第1の範囲のデータはシステムコントローラ23に送られる。なお、第1の閾値および第1の範囲は、カプセル内視鏡10のROMに格納された第1の閾値および第1の範囲と同じ値である。
【0047】
カプセル内視鏡20のシステムコントローラ13と同じく、システムコントローラ23によって地磁気のXYZ成分に基づいて地磁気の大きさが求められる。求められた地磁気の大きさと第1の閾値とが比較される。
【0048】
地磁気の大きさが第1の閾値未満であるときは、受信機方位情報が一時メモリ24および姿勢メモリ26に送られ、格納される。なお、一時メモリ24に受信機方位情報が送られるたびに、一時メモリ24に格納される受信機方位情報が更新される。
【0049】
一方、地磁気の大きさが第1の閾値を超えるとき、システムコントローラ23は一時メモリ24および姿勢メモリ26への受信機方位情報の送信を停止する。さらにシステムコントローラ23によって、一時メモリ24に格納されていた受信機方位情報が姿勢メモリ26に送られ、格納される。
【0050】
また、システムコントローラ23によって、3方向の加速度成分に基づいて合成した加速度の大きさが求められる。また、合成した加速度と第1の範囲とが比較される。
【0051】
合成した加速度が第1の範囲内であるときは、受信機加速度情報が一時メモリ24および姿勢メモリ26に送られ、格納される。なお、一時メモリ24に受信機加速度情報が送られるたびに、一時メモリ24に格納される受信機加速度情報が更新される。
【0052】
一方、合成した加速度が第1の範囲外のときは、システムコントローラ23は一時メモリ24および姿勢メモリ26への受信機加速度情報の送信が停止される。さらに、システムコントローラ23によって一時メモリ24に格納されていた加速度情報が姿勢メモリ26に送られ、格納される。
【0053】
受信部25により、カプセル内視鏡10から無線送信されるカプセル方位情報およびカプセル加速度情報が受信される。また、カプセル内視鏡10から無線送信される画像信号も受信部25により受信される。
【0054】
カプセル方位情報およびカプセル加速度情報は、システムコントローラ23により姿勢メモリ26に格納される。なお、同じときに、受信部25に受信されるカプセル方位情報およびカプセル加速度情報と、方位センサ21および加速度センサ22に検出される受信機方位情報および受信機加速度情報とが関連付けられて、姿勢メモリ26に格納される。また、画像信号は、システムコントローラ23により画像格納メモリ(図示せず)に格納される。なお、姿勢メモリ26および画像格納メモリは、単一のメモリの異なるメモリ領域に格納されてもよい。
【0055】
外部受信機20の筐体27には、凹陥部28が設けられる。凹陥部28に、カプセル内視鏡10を直径方向に埋設させることが可能である。また、カプセル内視鏡10を埋設させたときに凹陥部28の壁面とカプセル内視鏡10の外壁面とが密着可能であるように、凹陥部28の形状がカプセル内視鏡10の形状に沿って形成される。
【0056】
図5に示すように、カプセル内視鏡10の外壁面に黒点17が設けられる。また、筐体27の上面に基準線29が設けられる。基準線29は、筐体27上面の長手方向に延びる直線であり、凹陥部28に埋設したときのカプセル内視鏡10の円筒の軸と平行な直線である。
【0057】
後述するように、カプセル内視鏡10の相対姿勢を求めるために、外部受信機20を基準とする3次元座標系が定められる。基準線29と平行な方向が、外部受信機20におけるX’軸に定められる。また、筐体27の上面に平行でX’軸に垂直な方向が外部受信機20におけるY’軸に定められる。また、筐体27の上面に垂直な方向がZ’軸に定められる。
【0058】
カプセル内視鏡10を凹陥部28に嵌合させた状態で、外部受信機20の上方から見て黒点17が基準線29上に重なる姿勢が、外部受信機20に対するカプセル内視鏡10の基準姿勢に定められる。
【0059】
基準姿勢において、カプセル内視鏡10の加速度センサ12が検出する加速度の3方向と外部受信機20の加速度センサ22が検出する加速度の3方向とが一致するように、両方の加速度センサ12、22の検出方向が調整される。
【0060】
外部受信機20には、初期設定ボタン(図示せず)が設けられる。初期設定ボタンを押下したときから、カプセル方位情報、受信機方位情報、カプセル加速度情報、受信機方位情報の姿勢メモリ26への格納、および画像信号の画像メモリへの格納が開始される。
【0061】
図2に示すように、外部受信機20はカプセル内視鏡プロセッサ30にコネクタ31を介して接続可能である。外部受信機20の姿勢メモリ26に格納されたカプセル方位情報、カプセル加速度情報、受信機方位情報、および受信機加速度情報がカプセル内視鏡プロセッサ30に送信される。また画像格納メモリに格納された画像信号もカプセル内視鏡プロセッサ30に送信される。
【0062】
次に、カプセル内視鏡プロセッサ30の構成について図6を用いて説明する。カプセル内視鏡プロセッサ30には、前段信号処理回路32、DRAM33、後段信号処理回路34、相対姿勢算出部35、およびROM36が設けられる。
【0063】
カプセル方位情報、カプセル加速度情報、受信機方位情報、受信機加速度情報、および画像信号は、前段信号処理回路32に入力される。前段信号処理回路32によりカプセル方位情報、カプセル加速度情報、受信機方位情報、および受信機加速度情報は、A/D変換処理が施された後、相対姿勢算出部35に送られる。また、前段信号処理回路32により画像信号は、A/D変換処理を含む所定の信号処理が施され、DRAM33に送られる。
【0064】
相対姿勢算出部35では、外部受信機20を基準としたカプセル内視鏡10の相対姿勢が算出される。なお、カプセル内視鏡10の姿勢は、カプセル内視鏡10の向く方向であるカプセル方向とカプセル方向を軸とした回転とによって表すことが可能である。本実施形態では、相対姿勢として、X’Y’Z’軸座標系におけるカプセル内視鏡10の方向ベクトルと方向ベクトルを軸とした回転角が求められる。
【0065】
前述のように、カプセル方位情報および受信機方位情報はXYZ軸座標系における方向ベクトルに相当する。従って、X’Y’Z’軸をXYZ軸に一致させる回転をカプセル方位情報に施すことによりX’Y’Z’軸座標系におけるカプセル内視鏡10の方向ベクトルが求められる。
【0066】
また、前述のように、カプセル加速度情報および受信機加速度情報は、それぞれカプセル内視鏡10および外部受信機20を基準とした3次元座標系における加速度ベクトルに相当する。カプセル内視鏡10および外部受信機20が停止または一定速度で移動中には、加速度ベクトルの方向を、重力方向として検出可能である。したがって、カプセル加速度情報と受信機加速度情報とに基づいて、カプセル内視鏡10の重力方向を外部受信機20の重力方向に一致させるように回転させることにより、X’Y’Z’軸座標系におけるカプセル内視鏡10の方向ベクトルを軸とした回転角が求められる。
【0067】
なお、カプセル方位情報、受信機方位情報、カプセル加速度情報、および受信機加速度情報から、カプセル内視鏡10の相対姿勢に変換するデータテーブルが予め作成されており、ROM36に記憶されている。相対姿勢算出部35が受信するカプセル方位情報、カプセル加速度情報、受信機方位情報、および受信機加速度情報に基づいて、対応する相対姿勢の値がROM36から読出される。
【0068】
読出された相対姿勢に相当する相対姿勢データがDRAM33に送られ、格納される。また、前段信号処理回路32において、所定の信号処理の施された画像信号もDRAM33に格納される。
【0069】
DRAM33に格納された画像信号および相対姿勢データは、後段信号処理回路34に送られる。後段信号処理回路34では、画像信号に相当する撮影画像とカプセル内視鏡10の姿勢を表示する姿勢画像とを、モニタ40に表示させるための領域の割当てなどの後段信号処理が行われる。
【0070】
後段信号処理を施して生成した映像信号がモニタ40に送信される。モニタ40には、映像信号に相当する画像が表示される。図7に示すように、モニタ40には、映像信号に相当する画像として撮影画像MIとともに、第1〜第4の姿勢画像PI1〜PI4が表示される。
【0071】
図8に示すように、第1の姿勢画像PI1には、X’Y’Z’軸座標系におけるカプセル内視鏡10の姿勢が表示される。すなわち、X’Y’Z’軸座標系におけるカプセル内視鏡10の向く方向が3次元状に表示される。さらに、基準姿勢時にカプセル内視鏡10の下側半分の面は黒色に塗りつぶすことにより、カプセル方向を軸とした回転量が表示される。なお、第1の姿勢画像PI1には、相対姿勢の表示の参考として外部受信機20も表示される。
【0072】
図9、図10に示すように、第2、第3の姿勢画像PI2、PI3には、それぞれX’Y’軸座標系におけるカプセル内視鏡10の向く方向、X’―Y’平面、Z’軸座標系におけるカプセル内視鏡10の向く方向が2次元状に表示される。第1の姿勢画像PI1と同様に、相対姿勢の表示の参考として外部受信機20も表示される。
【0073】
図11に示すように、第4の姿勢画像PI4にはカプセル内視鏡10の撮影する画像Imに対する外部受信機20の方向が表示される。外部受信機20のある方向を表示することにより、カプセル方向を軸としたカプセル内視鏡10の回転状況が判別可能となる。
【0074】
次に、カプセル方位情報およびカプセル加速度情報を送信するために、システムコントローラ13により行なわれる処理を図12を用いて説明する。情報送信の処理は、カプセル内視鏡10の電源をONにするときに開始し、電源をOFFにするときに終了する。
【0075】
ステップS100において、加速度センサ12および方位センサ11によって検出されたカプセル加速度情報およびカプセル方位情報を取得する。情報を取得するとステップS101に進み、第1の閾値とカプセル方位情報である地磁気のXYZ成分それぞれが比較される。
【0076】
地磁気のXYZ成分それぞれが第1の閾値未満であるときには、ステップS102に進む。ステップS102では、ステップS100において取得したカプセル方位情報が一時メモリ14に格納される。一時メモリ14への格納後、ステップS103に進む。
【0077】
ステップS101において、地磁気のXYZ成分が第1の閾値を超えている場合には、固有磁場などの影響があることを感知して、一時メモリ14への格納を行なうこと無く、すなわちステップS102をスキップして、ステップS103に進む。
【0078】
ステップS103では、一時メモリ14に格納されたカプセル方位情報が送信部15に送信される。次のステップS104では、カプセル加速度情報に基づいて、加速度の大きさと第1の範囲との比較が行なわれる。
【0079】
第1の範囲内であるときには、ステップS105に進む。ステップS105では、ステップS100において取得したカプセル加速度情報が一時メモリ14に格納される。一時メモリ14への格納後、ステップS106に進む。
【0080】
ステップS104において、加速度の大きさが第1の範囲外である場合には、衝撃などを受けていると判断して、一時メモリ14への格納を行なうこと無く、すなわちステップS105をスキップしてステップS106に進む。
【0081】
ステップS106では、一時メモリ14に格納されたカプセル加速度情報が送信部15に送信される。次のステップS107では、送信部15に送られたカプセル方位情報およびカプセル加速度情報が無線送信される。無線送信の終了後、再びステップS100に戻り、ステップS100〜ステップS107が繰り返される。
【0082】
次に、カプセル方位情報、カプセル加速度情報、受信機方位情報、および受信機加速度情報を姿勢メモリに格納するための、システムコントローラ23により行なわれる処理を図13を用いて説明する。情報格納のための処理は、外部受信機20の初期設定ボタンを押下したときに開始し、電源をOFFにするときに終了する。
【0083】
ステップS200において、カプセル内視鏡10から送信されるカプセル加速度情報およびカプセル方位情報を受信する。次のステップS201では、加速度センサ22および方位センサ21が検出した受信機加速度情報と受信機方位情報とが取得される。情報を取得するとステップS202に進み、第1の閾値と受信機方位情報である地磁気のXYZ成分それぞれが比較される。
【0084】
地磁気のXYZ成分それぞれが第1の閾値未満であるときには、ステップS203に進む。ステップS203では、ステップS201において取得した受信機方位情報が一時メモリ24に格納される。一時メモリ24への格納後、ステップS204に進む。
【0085】
ステップS202において、地磁気のXYZ成分が第1の閾値を超えている場合には、固有磁場などの影響があることを感知して、一時メモリ24への格納を行なうこと無く、すなわちステップS203をスキップしてステップS204に進む。
【0086】
ステップS204では、一時メモリ24に格納された受信機方位情報が姿勢メモリ26に送信される。次のステップS205では、受信機加速度情報に基づいて、加速度の大きさと第1の範囲との比較が行なわれる。
【0087】
第1の範囲内であるときには、ステップS206に進む。ステップS206では、ステップS201において取得した受信機加速度情報が一時メモリ24に格納される。一時メモリ24への格納後、ステップS207に進む。
【0088】
ステップS205において、加速度の大きさが第1の範囲外である場合には、衝撃などを受けていると判断して、一時メモリ24への格納を行なうこと無く、すなわちステップS206をスキップしてステップS207に進む。
【0089】
ステップS207では、一時メモリ24に格納された受信機加速度情報が姿勢メモリ26に送信される。次のステップS208では、姿勢メモリ26に送られた受信機方位情報および受信機加速度情報と、ステップS200で受信したカプセル方位情報およびカプセル加速度情報とが関連付けられて、姿勢メモリ26に格納される。格納の終了後、再びステップS200に戻り、ステップS200〜ステップS208が繰り返される。
【0090】
次に、カプセル内視鏡10の撮影画像を表示するために、カプセル内視鏡プロセッサ30により実行される処理を図14を用いて説明する。画像表示のための処理は、外部受信機20をカプセル内視鏡プロセッサ30に接続し、画像再生機能を実行することにより開始し、画像再生機能を停止することにより、終了する。
【0091】
ステップS300において、外部受信機20から互いに関連付けられたカプセル方位情報、カプセル加速度情報、受信機方位情報、および加速度情報が受信される。また、画像信号も合わせて受信される。
【0092】
次のステップS301では、画像信号に対して所定の信号処理が施される。また、カプセル方位情報、カプセル加速度情報、受信機方位情報、および受信機加速度情報がデジタルデータに変換される。
【0093】
次のステップS302では、カプセル方位情報、カプセル加速度情報、受信機方位情報、および受信機加速度情報に基づいて、カプセル内視鏡10の相対姿勢が求められる。すなわち、X’Y’Z’軸座標系におけるカプセル内視鏡10の方向ベクトルおよび方向ベクトルを軸とした回転量が求められる。
【0094】
カプセル内視鏡10の相対姿勢が求められると、ステップS303に進む。ステップS303では、ステップS302で求められた相対姿勢のデータがステップS301で所定の信号処理の施された画像信号とともにDRAM33に格納される。
【0095】
次のステップS304では、DRAM33に格納された画像信号、相対姿勢のデータに対して後段信号処理が施される。すなわち、画像信号に基づいて撮影画像MIが作成され、相対姿勢のデータに基づいて、第1〜第4の姿勢画像PI1〜PI4が作成される。
【0096】
ステップS304で後段信号処理が施されて生成される映像信号は、ステップS305においてモニタ40に送られる。モニタ40では送られた映像信号に応じて、撮影画像MIとともに第1〜第4の姿勢画像PI1〜P3がモニタ40に表示される。映像信号の送付後、再び、ステップS300に戻り、ステップS300〜ステップS305が繰り返される。
【0097】
次に本発明の第2の実施形態を適用した内視鏡姿勢検出システムについて説明する。第2の実施形態は、カプセル内視鏡および外部受信機において方位センサの代わりに角速度センサを設けた点が、第1の実施形態と異なる。以下において、第1の実施形態と異なる点を中心に第2の実施形態について説明する。なお、同じ機能を有する部位には第1の実施形態と同じ符号を付す。
【0098】
第2の実施形態を適用したカプセル内視鏡100は、図15に示すように、角速度センサ110、加速度センサ12、システムコントローラ13、一時メモリ14、送信部15、および撮像素子16が設けられる。
【0099】
第1の実施形態と同じく、撮像素子16によりが画像信号生成され、送信部15により画像信号がカプセル内視鏡100の外部に無線送信される。
【0100】
角速度センサ110により、互いに直交する3方向を軸とした回転角の角速度が検出される。また、第1の実施形態と同じく、加速度センサ12により、互いに直行する3方向それぞれの加速度が検出される。
【0101】
検出された角速度はカプセル角速度情報として、加速度はカプセル加速度情報としてシステムコントローラ13に送られる。なお、第1の実施形態と同様に、カプセル角速度情報およびカプセル加速度情報は、1フィールドの画像信号と同じ周期で検出される。
【0102】
システムコントローラ13には、ROM(図示せず)が接続される。ROMには、第1の範囲のデータが格納される。第1の範囲のデータはシステムコントローラ13に送られる。
【0103】
第1の実施形態と異なり、カプセル角速度情報はシステムコントローラ13から直接送信部15に送られ、送信部15からカプセル内視鏡100の外部に無線送信される。一方、第1の実施形態と同様に、第1の範囲内のカプセル加速度情報のみが送信部15に送られ、外部に無線送信され、第1の範囲外である場合には、直近のカプセル加速度情報が外部に無線送信される。
【0104】
第2の実施形態を適用した外部受信機200には、図16に示すように、角速度センサ210、加速度センサ22、システムコントローラ23、一時メモリ24、受信部25、および姿勢メモリ26が設けられる。
【0105】
角速度センサ210はカプセル内視鏡100の角速度センサ110と同じセンサであり、互いに直交する3方向を軸とした回転角の角速度が検出される。また、加速度センサ22はカプセル内視鏡10の加速度センサ12と同じセンサであり、加速度センサ22により互いに直行する3方向それぞれの加速度が検出される。
【0106】
検出された角速度は受信機角速度情報として、加速度は受信機加速度情報としてシステムコントローラ23に送られる。なお、受信機角速度情報および受信機加速度情報も、1フィールドの画像信号と同じ周期で検出される。
【0107】
第1の実施形態と同様に、システムコントローラ23にはROM(図示せず)が接続される。ROMには、第1の範囲のデータが格納される。第1の範囲のデータはシステムコントローラ23に送られる。
【0108】
第1の実施形態と異なり、受信機角速度情報はシステムコントローラ23から直接姿勢メモリ26に送られ、格納される。一方、第1の実施形態と同様に、第1の範囲内の受信機加速度情報のみが姿勢メモリ26に格納され、第1の範囲外である場合には、直近の受信機加速度情報が姿勢メモリ26に格納される。
【0109】
第1の実施形態と同様に、受信部25によりカプセル内視鏡10から無線送信されるカプセル角速度情報、カプセル加速度情報が受信される。また、カプセル内視鏡10から無線送信される画像信号も受信部25により受信される。
【0110】
カプセル角速度情報およびカプセル加速度情報は、システムコントローラ23により姿勢メモリ26に格納される。なお、第1の実施形態と同様に、カプセル角速度情報およびカプセル加速度情報と、受信機角速度情報および受信機加速度情報とが関連付けられて、姿勢メモリ26に格納される。
【0111】
また、外部受信機200の筐体27の形状は、第1の実施形態と同じである。さらに、第1の実施形態と同様にして、カプセル内視鏡100の基準姿勢が定められる。また、第1の実施形態と同様に、初期設定ボタンを押下したときから、カプセル方位情報、受信機方位情報、カプセル加速度情報、受信機方位情報の姿勢メモリ26への格納、および画像信号の画像メモリへの格納が開始される。
【0112】
第2の実施形態を適用したカプセル内視鏡プロセッサ300には、図17に示すように、前段信号処理回路32、DRAM33、後段信号処理回路34、相対姿勢算出部350およびROM360が設けられる。
【0113】
第2の実施形態では、相対姿勢算出部350およびROM360の機能が第1の実施形態と異なり、前段信号処理回路32、DRAM33、および後段信号処理回路34の構成および機能は、第1の実施形態と同じである。
【0114】
相対姿勢算出部350の内部構成について、図18を用いて説明する。相対姿勢算出部350は、方向算出回路351、方向修正回路352、修正判断回路353、および相対姿勢算出回路354によって構成される。
【0115】
第1の実施形態と同様に、カプセル角速度情報、カプセル加速度情報、受信機角速度情報、および受信機加速度情報が、前段信号処理回路32から相対姿勢算出部350に送信される。
【0116】
相対姿勢算出部350が受信したカプセル角速度情報、カプセル加速度情報、受信機角速度情報、および受信機加速度情報は、方向算出回路351、方向修正回路352、および相対姿勢算出回路353に送られる。
【0117】
方向算出回路351がカプセル角速度情報を積分することにより、基準姿勢に対するカプセル内視鏡10の方向ベクトルが算出される。また、方向算出回路10が受信機角速度情報を積分することにより、初期設定ボタンを押したときの外部受信機200の姿勢を基準とした外部受信機の方向ベクトルが算出される。算出された方向ベクトルのデータは、方向修正回路352と修正判断回路353とに送られる。
【0118】
修正判断回路353にはRAM(図示せず)およびカウンタ(図示せず)が設けられる。修正判断回路353に受信される方向ベクトルのデータは、一旦RAMに格納される。修正判断回路353では、新たに受信される方向ベクトルのデータとRAMに格納された方向ベクトルのデータに基づいて、方向ベクトルの変位、例えば2つのベクトルの間をなす角度が算出される。
【0119】
算出された方向ベクトルの変位が、予め定められる第2、第3の閾値と比較される。カプセル内視鏡100の方向ベクトルの変位および外部受信機200の方向ベクトルの変位が、それぞれ第2、第3の閾値を超えるか否かが、修正判断回路353によって判断される。方向ベクトルの変位がそれぞれの閾値未満であるときに、カウンタによってカウントに+1が加算される。カウントが+10になったときに、修正判断回路353から方向修正回路352に修正指令信号が出力される。なお、カウントが+10になったときに、再びカウントはゼロにリセットされる。
【0120】
方向修正回路352には、前段信号処理回路32からカプセル加速度情報および受信機加速度情報と、方向算出回路351により算出されたカプセル内視鏡100および外部受信機200の方向ベクトルとが受信される。なお、最初に受信されるカプセル加速度情報および受信機加速度情報に基づいて、基準姿勢における重力方向および初期設定ボタンを押したときの外部受信機200の姿勢における重力方向の方向ベクトルが、方向修正回路352に記憶される。
【0121】
方向修正回路352は、修正判断回路353から修正指令信号を受信するときに、カプセル内視鏡100および外部受信機200の方向ベクトルを修正する。例えば、前段信号処理回路32から受信するカプセル加速度情報から算出される重力方向を方向修正回路352に記憶された初期状態のカプセル内視鏡100の重力方向に一致させる回転を、方向算出回路351において求められたカプセル内視鏡 の方向ベクトルにかけることにより、内視鏡カプセル100の方向ベクトルが修正される。また、前段信号処理回路32から受信する外部加速度情報から算出される重力方向を方向修正回路352に記憶された初期状態の外部受信機200の重力方向に一致させる回転を、方向算出回路351において求められた外部受信機200の方向ベクトルにかけることにより、外部受信機200の方向ベクトルが修正される。
【0122】
修正された方向ベクトル、または修正のされなかった方向ベクトルのデータは、相対姿勢算出回路354に送られる。また、相対姿勢算出回路354は、前段信号処理回路32から送られるカプセル加速度情報および受信機加速度情報を受信する。
【0123】
第1の実施形態における相対姿勢算出部35と同様に、相対姿勢算出回路354により、カプセル内視鏡100の相対姿勢が算出される。なお、第1の実施形態と同様に、カプセル内視鏡100および外部受信機200の方向ベクトルとそれぞれの重力方向とに対応したデータテーブルがROM360に格納されている。相対姿勢算出回路354は、受信した方向ベクトルと重力方向とに基づいて、カプセル内視鏡100の相対姿勢のデータをROM360から読出す。
【0124】
第1の実施形態と同様に、ROM360から読み出された相対姿勢データは、DRAM33に送られ、格納される。第1の実施形態と同様に、DRAM33には画像信号も格納される。第1の実施形態と同じく、DRAM33から画像信号および相対姿勢データが読出され、所定の信号処理が施される。所定の信号処理により生成した映像信号がモニタ40に送られる。第1の実施形態と同じく、モニタ40には撮影画像MIと第1〜第4の姿勢画像PI1〜PI4が表示される。
【0125】
次に、カプセル角速度情報およびカプセル加速度情報を送信するために、システムコントローラ により行なわれる処理を図19を用いて説明する。情報送信の処理は、カプセル内視鏡 の電源をONにするときに開始し、電源をOFFにするときに終了する。
【0126】
ステップS100’において、加速度センサ12および角速度センサ110によって検出されたカプセル加速度情報およびカプセル角速度情報を取得する。情報を取得するとステップS101’に進み、カプセル加速度情報に基づいて、加速度の大きさと第1の範囲との比較が行なわれる。
【0127】
第1の範囲内であるときには、ステップS102’に進む。ステップS102’では、ステップS100’において取得したカプセル加速度情報が一時メモリ14に格納される。一時メモリ14への格納後、ステップS103’に進む。
【0128】
ステップS101’において、加速度の大きさが第1の範囲外である場合には、衝撃などを受けていると判断して、一時メモリ14への格納を行なうこと無く、すなわちステップS102’をスキップしてステップS103’に進む。
【0129】
ステップS103’では、一時メモリ14に格納されたカプセル加速度情報が送信部15に送信される。次のステップS104’では、送信部15に送られたカプセル角速度情報およびカプセル加速度情報が無線送信される。無線送信の終了後、再びステップS100’に戻り、ステップS100’〜ステップS104’が繰り返される。
【0130】
次に、カプセル角速度情報、カプセル加速度情報、受信機角速度情報、および受信機加速度情報を姿勢メモリ26に格納するための、システムコントローラ23により行なわれる処理を図20を用いて説明する。情報格納のための処理は、外部受信機200の初期設定ボタンを押下したときに開始し、電源をOFFにするときに終了する。
【0131】
ステップS200’において、カプセル内視鏡100から送信されるカプセル加速度情報およびカプセル角速度情報を受信する。次のステップS201’では、加速度センサ22および角速度センサ210が検出した受信機加速度情報と受信機角速度情報とが取得される。情報を取得するとステップS202’に進み、受信機加速度情報に基づいて、加速度の大きさと第1の範囲との比較が行なわれる。
【0132】
第1の範囲内であるときには、ステップS203’に進む。ステップS203’では、ステップS201’において取得した受信機加速度情報が一時メモリ24に格納される。一時メモリ24への格納後、ステップS204’に進む。
【0133】
ステップS202’において、加速度の大きさが第1の範囲外である場合には、衝撃などを受けたていると判断して、一時メモリ24への格納を行なうこと無く、すなわちステップS203’をスキップしてステップS204’に進む。
【0134】
ステップS204’では、一時メモリ24に格納された受信機加速度情報が姿勢メモリ26に送信される。次のステップS205’では、姿勢メモリ26に送られた受信機角速度情報および受信機加速度情報と、ステップS200’で受信したカプセル角速度情報およびカプセル加速度情報とが関連付けられて、姿勢メモリ26に格納される。格納の終了後、再びステップS200’に戻り、ステップS200’〜ステップS205’が繰り返される。
【0135】
次に、カプセル内視鏡100の撮影画像を表示するために、カプセル内視鏡プロセッサ300により実行される処理を図21、図22を用いて説明する。画像表示のための処理は、外部受信機200をカプセル内視鏡プロセッサ300に接続し、画像再生機能を実行することにより開始し、画像再生機能を停止することにより、終了する。
【0136】
第1の実施形態と同様に、ステップS300’において、外部受信機200から互いに関連付けられたカプセル角速度情報、カプセル加速度情報、受信機角速度情報、および加速度情報が受信される。また、画像信号も合わせて受信される。
【0137】
また、次のステップS301’においても第1の実施形態と同様に、画像信号に対して所定の信号処理が施される。また、カプセル角速度情報、カプセル加速度情報、受信機角速度情報、および受信機加速度情報がデジタルデータに変換される。
【0138】
次のステップS400’では、カプセル角速度情報、カプセル加速度情報、受信機角速度情報、および受信機加速度情報に基づいて、カプセル内視鏡100の相対姿勢が求められる。なお、ステップS400’において行われる処理については、後述する。
【0139】
カプセル内視鏡100の相対姿勢が求められると、ステップS302’に進む。ステップS302’では第1の実施形態におけるステップS303と同じく、ステップS400’で求められた相対姿勢のデータがステップS301’で所定の信号処理の施された画像信号とともにDRAM33に格納される。
【0140】
次のステップS303’では第1の実施形態のステップS304と同じく、DRAM33に格納された画像信号、相対姿勢のデータに対して後段信号処理が施される。すなわち、画像信号に基づいて撮影画像MIが作成され、相対姿勢のデータに基づいて、第1〜第4の姿勢画像PI1〜PI4が作成される。
【0141】
ステップS303’で後段信号処理が施されて生成される映像信号は、ステップS304’においてモニタ40に送られる。モニタ40では送られた映像信号に応じて、撮影画像MIとともに第1〜第4の姿勢画像PI1〜P3がモニタ40に表示される。映像信号の送付後、再び、ステップS300’に戻り、ステップS300’、ステップS301’、ステップS400’、ステップS302’〜ステップS304’が繰り返される。
【0142】
次に、ステップS400’において行われる相対姿勢算出のサブルーチンについて説明する。相対姿勢算出のサブルーチンを開始すると、ステップS401’において、カプセル角速度情報および受信機角速度情報に基づいて、カプセル内視鏡100の方向ベクトルおよび外部受信機200の方向ベクトルが算出される。
【0143】
方向ベクトルが算出されるとステップS402’に進み、修正判断回路353に設けられるRAMに格納された方向ベクトルと、ステップS401’で算出した最新の方向ベクトルとの変位が算出される。
【0144】
次にステップS403’に進み、カプセル内視鏡100の方向ベクトルの変位が第2の閾値を超えるか否かが判定される。また、外部受信機200の方向ベクトルの変位が第3の閾値を超えるか否かも判定される。
【0145】
カプセル内視鏡100の方向ベクトルの変位および外部受信機200の方向ベクトルの変位が、それぞれ第2、第3の閾値未満であるときに、ステップS404’に進む。ステップS404’では、カウントに+1が加算される。カウント加算後にステップS405’に進む。
【0146】
ステップS403’においていずれかの方向ベクトルの変位が第2の閾値または第3の閾値を超えるときには、ステップS404’をスキップしてステップS405’に進む。
【0147】
ステップS405’では、ステップS401’において算出した最新の方向ベクトルが修正判断部353に設けられるRAMに格納される。RAMへの格納後にステップS406’に進む。
【0148】
ステップS406’では、カウントが+10に達したか否かが判定される。カウントが+10に達しているときはステップS407’に進む。カウントが+10に達していないときはステップS408’に進む。
【0149】
ステップS407’では、カプセル内視鏡100および外部受信機200の方向ベクトルが、実際の重力方向と初期の重力方向とに基づいて、修正される。方向ベクトルの修正後、ステップS409’に進む。
【0150】
ステップS408’では、カウントがリセットになってから所定の一定時間が経過したか否かが判定される。一定時間を経過しているときはステップS409’に進む。一方、一定時間を経過していないときはステップS401’に戻る。
【0151】
ステップS409’では、カウンタがゼロにリセットされる。また、ステップS408における経過時間もゼロにリセットされる。カウンタのリセット後に、相対姿勢算出のサブルーチンを終了する。
【0152】
以上のような第1、第2の実施形態のカプセル内視鏡姿勢検出システムによれば、カプセル内視鏡10、100の姿勢を簡易な構成で検出することが可能になる。また、外部受信機20、200に対する相対姿勢を求めること、および外部受信機20、200が被験者に固定されることにより、被験者の体内におけるカプセル内視鏡10、100の相対姿勢を知ることが可能になる。
【0153】
なお、第1、第2の実施形態において、カプセル内視鏡10、100および外部受信機20、200に加速度センサ12、22が設けられ、重力方向が検出される構成であるが、加速度センサ12、22の代わりに角速度センサを用いて、重力方向を検出させることも可能である。
【0154】
また、第1、第2の実施形態において、カプセル加速度情報および受信機加速度情報に基づいて算出される合成された加速度の大きさが第1の範囲外のときには、そのときのカプセル加速度情報と受信機加速度情報を用いない構成であるが、第1の範囲との比較を行なわずにすべてのカプセル加速度情報および受信機加速度情報を用いる構成であってもよい。このような簡易な構成であってもカプセル内視鏡10、100の相対姿勢を算出することは可能である。
【0155】
また、第1、第2の実施形態において、第1〜第4の姿勢画像DI1〜DI4が撮影画像MIとは別に表示される構成であるが、撮影画像MI上にカプセル内視鏡10、100の方向を示す指標などが表示される構成であってもよい。
【0156】
また、第1の実施形態において、カプセル方位情報および受信機方位情報である地磁気の大きさが第1の閾値を超えているときには、そのときのカプセル方位情報および受信機方位情報を用いない構成であるが、第1の閾値との比較を行なわずにすべてのカプセル方位情報および受信機方位情報を用いる構成であってもよい。このような簡易な構成であってもカプセル内視鏡10、100の相対姿勢を算出することは可能である。
【0157】
また、第2の実施形態において、カプセル内視鏡プロセッサ300によりカプセル内視鏡100および外部受信機200の方向ベクトルの修正が行なわれる構成であるが、修正を行なわなくてもよい。第2の実施形態における方向ベクトルは、累積的な方向変化を積分して求める構成であるため、実際に向いている方向からずれる可能性があるが、精度の高い角速度センサを用いれば、方向のずれの影響を低減化することは可能である。
【0158】
また、第2の実施形態において、カウンタにより数えられたカウントが10回になったときに方向ベクトルの修正を行なう構成であるが、修正の判断を行なうカウント数はいくつであってもよい。
【0159】
また、第1、第2の実施形態において外部受信機20、200はベストvを介して、被験者Pの体外に固定される構成であるが、他の装具を介して間接的に被験者Pに固定されてもよい。さらには、直接被験者Pに固定されてもよい。ただし、本実施形態のように、ベストvや装具を介して固定する構成により、被験者Pの不快感を軽減したり、被験者Pから外部受信機20、200が外れてしまうことや、その位置がずれてしまうことが防止される。
【図面の簡単な説明】
【0160】
【図1】本発明の第1、第2の実施形態を適用したカプセル内視鏡姿勢検出システムの使用状態を示す第1の参考図である。
【図2】カプセル内視鏡姿勢検出システムの使用状態を示す第2の参考図である。
【図3】第1の実施形態のカプセル内視鏡の内部構成を概略的に示すブロック図である。
【図4】第1の実施形態の外部受信機の内部構成を概略的に示すブロック図である。
【図5】外部受信機の平面図である。
【図6】第1の実施形態のカプセル内視鏡プロセッサの内部構成を概略的に示すブロック図である。
【図7】モニタに表示される撮影画像と第1〜第4の姿勢画像とを示す図である。
【図8】第1の姿勢画像の拡大図である。
【図9】第2の姿勢画像の拡大図である。
【図10】第3の姿勢画像の拡大図である。
【図11】第4の姿勢画像の拡大図である。
【図12】第1の実施形態のカプセル内視鏡がカプセル方位情報およびカプセル加速度情報とを送信するときの処理を説明するためのフローチャートである。
【図13】第1の実施形態の外部受信機が方位情報および加速度情報を格納するときの処理を説明するためのフローチャートである。
【図14】第1の実施形態のカプセル内視鏡プロセッサが画像表示のために行なう処理を説明するためのフローチャートである。
【図15】第2の実施形態のカプセル内視鏡の内部構成を概略的に示すブロック図である。
【図16】第2の実施形態の外部受信機の内部構成を概略的に示すブロック図である。
【図17】第2の実施形態のカプセル内視鏡プロセッサの内部構成を概略的に示すブロック図である。
【図18】相対姿勢算出部の内部構成を概略的に示すブロック図である。
【図19】第2の実施形態のカプセル内視鏡がカプセル方位情報およびカプセル加速度情報とを送信するときの処理を説明するためのフローチャートである。
【図20】第2の実施形態の外部受信機が方位情報および加速度情報を格納するときの処理を説明するためのフローチャートである。
【図21】第2の実施形態のカプセル内視鏡プロセッサが画像表示のために行なう処理を説明するためのフローチャートである。
【図22】相対姿勢算出のサブルーチンを説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
【0161】
10、100 カプセル内視鏡
11 方位センサ
110 角速度センサ
12 加速度センサ
13 システムコントローラ
14 一時メモリ
15 送信部
20、200 外部受信機
21 方位センサ
210 角速度センサ
22 加速度センサ
23 システムコントローラ
24 一時メモリ
25 受信部
26 姿勢メモリ
27 筐体
28 凹陥部
30、300 カプセル内視鏡プロセッサ
35、350 相対姿勢算出部
351 方向算出回路
352 方向修正回路
353 修正判断回路
354 相対姿勢算出回路
36、360 ROM
PI1〜PI4 第1〜第4の姿勢画像

【特許請求の範囲】
【請求項1】
姿勢被検出体の向いている方向を検出するための第1のセンサと、重力方向を検出するための第2のセンサと、前記第1のセンサが検出する第1の方向データと前記第2のセンサが検出する第1の重力方向データを無線送信する送信部とを備えることを特徴とする姿勢検出ユニット。
【請求項2】
前記第1、第2のセンサは、それぞれ方位センサおよび加速度センサであることを特徴とする請求項1に記載の姿勢検出ユニット。
【請求項3】
前記方位センサは異なる3方向を軸として方位を検出し、前記加速度センサは異なる3方向の加速度を検出することを特徴とする請求項2に記載の姿勢検出ユニット。
【請求項4】
前記第1、第2のセンサが検出する前記第1の方向データおよび前記第1の重力方向データを格納するための第1のメモリと、
前記第1のセンサが検出した前記第1の方向データのデータ強度が第1の閾値を下回るときは前記第1の方向データを前記第1のメモリに格納し、前記第1のセンサが検出した前記第1の方向データのデータ強度が前記第1の閾値を超えるときは前記第1のメモリに格納された最新の前記第1の方向データを前記第1のセンサが検出した前記第1の方向データの代わりに前記送信部に無線送信させ、前記第2のセンサが検出した前記第1の重力方向データのデータ強度が第2の閾値を下回るときは前記第1の重力方向データを前記第1のメモリに格納し、前記第2のセンサが検出した前記第1の重力方向データのデータ強度が前記第2の閾値を超えるときは前記第1のメモリに格納された最新の前記第1の重力方向データを前記第2のセンサが検出した前記第1の重力方向データの代わりに前記送信部に無線送信させる第1の制御部とを備える
ことを特徴とする請求項2または請求項3に記載の姿勢検出ユニット。
【請求項5】
前記第1、第2のセンサの少なくとも一方は、角速度センサであることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の姿勢検出ユニット。
【請求項6】
前記角速度センサは、それぞれ異なる3方向を軸として方位を検出することを特徴とする請求項5に記載の姿勢検出ユニット。
【請求項7】
請求項1に記載の姿勢検出ユニットが設けられた前記姿勢被検出体における前記第1、第2のセンサと夫々同じ種類の第3、第4のセンサと、
前記送信部から無線送信される前記第1の方向データおよび前記第1の重力方向データを受信する受信部と、
前記第1の方向データおよび前記第1の重力方向データと前記受信部が前記第1の方向データおよび前記第1の重力方向データを受信するときに前記第3、第4のセンサがそれぞれ検出する第2の方向データおよび第2の重力方向データとを関連付けて格納する第2のメモリとを備える
ことを特徴とする記憶ユニット。
【請求項8】
前記第3、第4のセンサが検出する前記第2の方向データおよび前記第2の重力方向データを格納するための第3のメモリと、
前記第3のセンサが検出した前記第2の方向データのデータ強度が第1の閾値を下回るときは前記第2の方向データを前記第3のメモリに格納し、前記第3のセンサが検出した前記第2の方向データのデータ強度が前記第1の閾値を超えるときは前記第3のメモリに格納された最新の前記第2の方向データを前記第3のセンサが検出した前記第2の方向データの代わりに前記第3のメモリに格納させ、前記第4のセンサが検出した前記第2の重力方向データのデータ強度が第2の閾値を下回るときは前記第2の重力方向データを前記第3のメモリに格納し、前記第4のセンサが検出した前記第2の重力方向データのデータ強度が前記第2の閾値を超えるときは前記第3のメモリに格納された最新の前記第2の重力方向データを前記第4のセンサが検出した前記第2の重力方向データの代わりに前記第3のメモリに格納する第2の制御部とを備える
ことを特徴とする請求項7に記載の記憶ユニット。
【請求項9】
前記姿勢被検出体を所定の姿勢で所定の位置に係合する係合部を備え、
前記係合部に前記姿勢被検出体を係合させた後に、前記第2のメモリに前記第2の方向データおよび前記第2の重力方向データの格納を開始することを特徴とする請求項7または請求項8に記載の記憶ユニット。
【請求項10】
前記姿勢被検出体を内包する披見対象体に装着される装具に固定可能であることを特徴とする請求項7〜請求項9のいずれか1項に記載の記憶ユニット。
【請求項11】
請求項7に記載の記憶ユニットにおける第2のメモリに、関連付けられて格納された前記第1、第2の方向データおよび前記第1、第2の重力方向データを受信する受信部と、
前記受信部が受信した前記第1、第2の方向データおよび前記第1、第2の重力方向データに基づいて、前記記憶ユニットに対する前記姿勢被検出体の相対姿勢を算出する算出部とを備える
ことを特徴とする相対姿勢算出ユニット。
【請求項12】
前記算出部は、
角速度センサである前記第1、第3のセンサが検出する前記第1、第2の方向データに基づいて、それぞれ前記姿勢被検出体および前記記憶ユニットの向く方向である第1、第2の方向を算出する方向算出部と、
加速度センサである前記第2、第4のセンサが検出する前記第1、第2の重力方向データに基づいて、それぞれ前記方向算出部に算出された前記第1、第2の方向の修正を行なう方向修正部と、
前記方向修正部に修正された前記第1、第2の方向に基づいて、前記記憶ユニットに対する前記姿勢被検出体の相対姿勢を算出する相対姿勢算出部とを有する
ことを特徴とする請求項11に記載の相対姿勢算出ユニット。
【請求項13】
前記算出部は、修正前の前記第1、第2の方向に基づいて、前記方向修正部に前記第1、第2の方向を修正させるか否かを判断する修正判断部を有し、
前記修正判断部が前記第1、第2の方向を修正させると判断するときに、前記方向修正部は第1、第2の方向の修正を行なう
ことを特徴とする請求項12に記載の相対姿勢算出ユニット。
【請求項14】
前記修正判断部は、前記方向算出部に連続的に算出された前記第1の方向または前記第2の方向の変化が所定の範囲である場合に、前記第1、第2の方向を修正させると判断することを特徴とする請求項13に記載の相対姿勢算出ユニット。
【請求項15】
姿勢被検出体の向いている方向を検出するための第1のセンサと、重力方向を検出するための第2のセンサと、前記第1のセンサが検出する第1の方向データと前記第2のセンサが検出する第1の重力方向データを無線送信する送信部とを有する姿勢検出ユニットと、
前記第1、第2のセンサと同じ種類である第3、第4のセンサと、前記送信部が無線送信する前記第1の方向データおよび前記第1の重力方向データを受信する受信部と、前記第1の検出データおよび前記第1の重力方向データと前記受信部が前記第1の方向データおよび前記第1の重力方向データを受信するときに前記第3、第4のセンサがそれぞれ検出する第2の方向データと第2の重力方向データとを関連付けて格納する第2のメモリとを有する記憶ユニットと、
前記記憶ユニットから、互いに関連付けられた前記第1、第2の方向データおよび前記第1、第2の重力方向データを受信する受信部と、受信された前記第1、第2の方向データおよび前記第1、第2の重力方向データに基づいて、前記記憶ユニットに対する前記姿勢検出ユニットの相対姿勢を算出する算出部とを備える
ことを特徴とする相対姿勢検出システム。
【請求項16】
筐体の向いている方向を検出するための第1のセンサと、重力方向を検出するための第2のセンサと、前記第1のセンサが検出する第1の方向データと前記第2のセンサが検出する第1の重力方向データを無線送信する送信部とを有するカプセル内視鏡と、
前記第1、第2のセンサと同じ種類である第3、第4のセンサと、前記送信部が無線送信する前記第1の方向データおよび前記第1の重力方向データを受信する受信部と、前記第1の検出データおよび前記第1の重力方向データと前記受信部が前記第1の方向データおよび前記第1の重力方向データを受信するときに前記第3、第4のセンサがそれぞれ検出する第2の方向データと第2の重力方向データとを関連付けて格納する第2のメモリとを有する外部受信機と、
前記外部受信機から、互いに関連付けられた前記第1、第2の方向データおよび前記第1、第2の重力方向データを受信する受信部と、受信された前記第1、第2の方向データおよび前記第1、第2の重力方向データに基づいて、前記記憶ユニットに対する前記姿勢検出ユニットの相対姿勢を算出する算出部とを有するカプセル内視鏡プロセッサとを備える
ことを特徴とするカプセル内視鏡姿勢検出システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2008−220522(P2008−220522A)
【公開日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−60800(P2007−60800)
【出願日】平成19年3月9日(2007.3.9)
【出願人】(000113263)HOYA株式会社 (3,820)
【Fターム(参考)】