説明

媒体中の含有が疑われる少なくとも1つの分析物を検索する方法

【課題】
本発明は、プローブに結合される分析物の存在を検索する、新規方法に関する。
【解決手段】
回折システム(2)を構成する周期的幾何学パターン(24)が、プローブAを有する領域とプローブAを有さない領域とを交互に有して形成される。上記回折システム(2)は、感作工程、すなわちプローブを分析物の含有が疑われる媒体に一時的に接触させ、存在するであろう分析物をプローブに結合させる工程、の前に回折性があるように作成される。上記方法は、少なくとも以下の工程:
‐未感作のプローブを有する回折システムにより作成された回折場の一次回折光の強度Pを測定し、
‐プローブAを感作し、
‐回折システムにより作成された回折場の一次回折光の強度P1aを測定し、
‐測定された強度P及びP1aを比較する、
ことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、分析物検出の分野に関するものである。より具体的には、本発明は、媒体中の存在が疑われる少なくとも1つの分析物の存在を検索する方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
媒体中の生物学的または有機物質の存在を検出することは、特に、多くの疾患の診断において重要な工程である。
【0003】
この検出に通常使用される方法は、分析物、すなわち検出される物質と、この分析物に特異的に結合できる物質である、プローブと称される分析物に特異的な補体との間の特異的な結合反応を形成することに基づいている。
【0004】
通常、上記のように形成された反応は、分析物と関連付けられたマーカー、例えば、蛍光マーカーにより強調される。
【0005】
分析物を含有することが疑われる媒体にプローブを接触させた後、その特異的な反応を、蛍光マーカーを励起させ、マーカーにより再発光された蛍光を検出することにより測定する。
【0006】
しかし、マーカーの存在に加えて、蛍光検出には、特異的な相互作用、すなわち、分析物と補体との結合が起きたかどうかを決定するために測定の陰性コントロールが必要である。
【0007】
形成された反応を強調する他の方法として、回折格子が使用される。
【0008】
格子を光源で照らした場合、光線は格子により回折され、回折パターンが作成されることが知られている。観察される回折場は、特に、格子の特性、例えば、格子の間隔と厚みに左右される。
【0009】
特許文献1には、媒体中の含有が疑われる分析物を検出する方法の例が記載されている。上記発明によれば、分析物の含有が疑われる媒体と一時的に接触させる前は非回折性であり、分析物との特異的な結合反応が形成されると回折性があるように、プローブを有する格子が作成されている。プローブに分析物が結合すると、格子の特性、特に、その厚みを変化させ、それにより回折場を形成する。
【0010】
特許文献2には、特許文献1に記載の原理に基づく分析物の検出装置および方法が記載されている。格子の作成に使用されるリソグラフィー技術は、1マイクロメーター以上の格子周期による、マイクロメーターのスケールである。これにより、次数の異なる回折光を小さな角度差により分離するものであるが、複雑な検出装置が必要である。上記発明は、構造化基板を使用するために平坦でなく、格子の形成が複雑になるという問題も有する。さらに、上記発明には、2つの格子を重ねて、異なる2つの分析物を検出することも可能であると記載されている。2つの格子はそれぞれ、空間的に異なる回折次数により異なる回折場を形成する。したがって、各格子に対応する分析物を検出するためには、各回折場の回折光を特異的に測定する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】US特許4876208公報
【特許文献2】US2002/0025534明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、プローブに結合される分析物の存在を検索する新しい方法を提案するものであり、回折システムを構成する規則的な幾何学的パターンは、プローブAと称されるプローブを有する領域とプローブAを有さない領域とが交互に形成されることによりなる。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明によれば、回折システムは、感作工程、すなわち、分析物を含有することが疑われる媒体にプローブを一時的に接触させ、存在するであろう分析物をプローブに結合させる工程の前には回折性があるように作成される。本方法は少なくとも以下の工程を有する。
a)未感作のプローブを有する回折システムにより作成された回折場の一次回折光の強度Pを測定し、
b)プローブAを感作し、
c)回折システムにより作成された回折場の一次回折光の強度P1aを測定し、
d)上記の順に行われた工程で測定された光の強度P及びP1aを比較する。
【0014】
本発明によれば、周期的幾何学パターンの周期pは、λが回折システムの照射波長に対応する、λ〜2λの範囲であって、一次回折光のみが可視光である。幾何学パターンを作成するリソグラフィー技術はナノスケールの技術として知られている。
【0015】
好ましくは、上記比較は、感度Sと称される、信号の相対的な変化を下記式を用いて決定することにより行われる。
【0016】
【数1】

【0017】
感度Sを、2つの閾値S1及びS2と比較し、
‐SがS1より大きい場合、プローブA上に分析物が存在することを示し、
‐SがS2より小さい場合、プローブA上に分析物が存在しないことを示し、
‐SがS1とS2の間にある場合、プローブA上に分析物が存在するかどうか、不確実であることを示す。
【0018】
上記方法の特定の実施では、プローブAを有さない周期的幾何学パターンの領域が、プローブAが感受性を示さない分析物に感受性を示すプローブBを基本的に有する場合、b)工程においてプローブBの感作も行われる。感度Sを、2つの閾値S1及びS2と比較し、
‐SがS1より大きい場合、プローブA上に分析物が存在することを示し、
‐SがS2より小さい場合、プローブB上に分析物が存在することを示し、
‐SがS1とS2の間にある場合、分析物が存在するかどうか、不確実であることを示す。
【0019】
本方法の1つの実施形態では、一次回折光の強度P及びP1aそれぞれを、感作工程の前後に測定されたそれぞれの入力光Pinc及びPincaの強度により、測定が行われている間に標準化する。
【0020】
好ましくは、本方法に関連する装置の感度を改良するために、回折システムを以下のように設計する。
‐周期的幾何学パターンの周期pは、λが回折システムの照射波長に対応する、λ〜2λの範囲にあり、
‐プローブAを有する周期的幾何学パターン領域の幅と周期pの比率を定義する充足率rを0.5以下とし、
‐プローブを有する回折システム(2)の周期的幾何学パターン領域を、プローブを有する厚さがeの特異層(25)と呼ばれる分析物が結合する層と、厚さがeの結合層(26)と呼ばれるプローブを固定する層とにより形成する。
【0021】
本方法に関連する装置の感度の改良に加え、幾何学パターンの周期をλ〜2λの範囲にすることにより、単一の一次回折光を得ることができ、これによりさらに、ゼロオーダーの高度角分離とすることができる。具体的な実施例では、実質的に1μmの周期の回折システムに対して、633nmの波長では、角度βは実質的に40度である。
【0022】
好ましくは、結合層は、厚さeが0〜500nmであるように形成する。
【0023】
好ましくは、特異層は、e/eanalyte比が1より小さくなるように形成する。ここで、eanalyteは、感作工程後にプローブ上に配置された分析物層の厚さである。
【0024】
本発明に係わる方法の一実施形態では、b)及びc)工程を同時に行う。
【0025】
本方法の一実施例では、回折システムを、入射光を反射することができる物質により形成する。
【0026】
本方法の他の実施例では、回折システムを、入射光を透過させることができる物質により形成する。
【0027】
好ましくは、回折システムを、可視及び赤外スペクトルから選択される波長λで、レーザーなどの平行化単色光源により照射する。
【0028】
本発明はまた、少なくとも1つのプローブを有する幾何学パターンを基板上に有する、本方法を実施するための回折システムに関する。
【0029】
好ましくは、基板は、平らで、例えば、ガラス、シリコン、またはプラスチックなどの物質により形成される。
【0030】
本発明はまた、コヒーレント入射光を使用して回折システムを照射する手段を有する、回折システムを形成しているプローブに結合される分析物の存在を検索するための装置に関する。本装置はまた、
‐上記回折システムによる入射光の回折後に、一次回折光の強度を測定する手段、
‐単一の回折システムにより、感作工程、すなわち、分析物を含有することが疑われる媒体にプローブを一時的に接触させ、存在するであろう分析物をプローブに結合させる工程、の前後において測定された一次回折光の強度を比較して、感度Sと称される信号の相対的変化を計算する手段、及び
‐感度Sを特徴付ける情報を提供する手段、を有する。
【0031】
本発明はまた、少なくとも1つのプローブを有する複数の回折システムを基材の表面に並置した、分析チップに関する。
【0032】
一実施例においては、分析チップは、周期的幾何学パターン、及び/または、プローブの少なくとも1つが異なる、少なくとも2つの回折システムを有する。
【0033】
本発明を、図面を参照して以下に詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】格子上の回折の原理を説明する図である。
【図2a】感作工程前の本発明に係る回折システムの断面図である。
【図2b】感作工程後の本発明に係る回折システムの断面図である。
【図3a】プローブの異なる指標に対する、本発明に係る回折システムの結合層の厚さeの関数としての回折光の強度を示す図である。
【図3b】プローブの異なる指標に対する、本発明に係る回折システムの結合層の厚さeの関数としての感度を示す図である。
【図4】プローブを有する特異層の厚さeと本発明に係る分析物eanalyteの厚さの比の関数としての感度を示す図である。
【図5a】本発明に係る充足率の関数としての感度を示す図である。
【図5b】プローブ上に結合している分析物の第1の例を示す回折システムの断面図である。
【図6】本発明に係る分析物を検索する測定装置の模式図である。
【図7a】感作工程後の、実験的に作成した回折システムの模式図である。
【図7b】図7aの回折システムの結合層の厚さの関数としての感度を示す図である。
【図8a】感作工程後の、実験的に作成した回折システムの模式図である。
【図8b】図8aの回折システムの結合層の厚さの関数としての感度を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
本発明に係る方法は、プローブと呼ばれる受容体を使用し、回折システムを形成して、媒体中に含有することが疑われる分析物の存在を検索することからなる。
【0036】
「分析物」とは、検出される物質を意味する。
【0037】
検出される分析物としては、例えば、
‐細菌、酵母菌、抗体、糖類、ペプチド、揮発性有機化合物などの生物学的物質、
‐殺虫剤、糖類、デオキシリボ核酸(DNA)、医薬物質などの化学または生化学物質が挙げられるが、これらに限定されない。
【0038】
「プローブ」とは、分析物に特異的な補体、分析物に親和性を有する物質、分析物に特異的に結合できる物質を意味する。この物質は、例えば、
‐細胞、または細菌などの微生物等の生物学的物質、
‐シランなどの分子、オリゴヌクレオチド、デオキシリボ核酸(DNA)、プラスミド、タンパク質、抗体、オリゴサッカライド、ポルサッカライドなどの生物分子等の化学または生物学的物質、
‐分子インプリントポリマー(MIP)などの合成物質、
‐プルシアンブルー類似体、鉄系配位重合体(例えば、FeII(ピラジン)、(Pt(CN)))などの双安定物質、である。
【0039】
本発明によれば、図1に記載のように、プローブAと称されるプローブを有する回折システム2を、波長λのコヒーレント入射光31で照射する。回折システム2は、基板23上に配置され、プローブAを有する浮き彫り状の領域と、プローブAを有さない領域とを交互に有した、周期的幾何学パターン24により形成され、プローブAに結合する分析物を含有すると思われる。
【0040】
入射光31は、回折システム2の回折表面21に対する法線20に対して角度αをなす。
【0041】
コヒーレント入射光31は、回折光41を生成する回折システム2と相互作用し、法線20に対して角度βを形成する。各角度βは、回折システム2により作成される回折場の一次回折次数に対応する(図1では、例えば、角度βである一次回折光のみを示す)。
【0042】
回折光は、各回折光の強度の測定値を与える、図示されない測定手段により測定される。各回折光の強度の測定値は、回折次数の増加とともに低下する。
【0043】
回折システム上で入射光を回折させた後に得られた回折場は、特に、回折システムの幾何学特性に依存する。幾何学特性は、回折システム2のプローブ上に分析物が存在するか否かに依存して変化する。
【0044】
本方法によれば、回折システムがプローブに結合する可能性のある分析物との接触にさらされる前に、第1工程において、一次回折光の強度Pの第一の測定を行う。
【0045】
感作工程と呼ばれる第2工程では、プローブAを分析物の含有が疑われる媒体に一時的に接触させる。感作工程では、分析物が存在する場合にプローブAに結合する。
【0046】
感作工程は従来の方法、例えば、回折システムを媒体中に浸すか、または媒体をマイクロピペットなどでプローブ上に滴下した後、乾燥するなどの方法で行われるので、ここではその説明を省略する。
【0047】
第3工程では、感作工程後に得られた回折システムを使用して、一次回折光の強度P1aを測定する。
【0048】
この第3工程では、回折システム2を再度、法線20に対して同じ角度αをなすコヒーレント入射光31で照射する。
【0049】
本発明に係る方法の特定の実施形態では、感作工程である第2工程を、プローブを液体に浸すことによって行い、第2及び第3工程を、その成果を変化させることなく、同時に行うことができる。
【0050】
第4工程では、2つの強度P及びP1aの測定値を比較して、回折システム上、すなわち、媒体中に分析物が存在するか否かを推測する。
【0051】
2つの強度の値を比較して、感度Sと称される信号(代数値)の相対的変化を、次のように決定する。
【0052】
【数2】

【0053】
上記式から、閾値S及びSは、以下のように決定される。
‐S>Sの場合、分析物はプローブA上に存在すると判断され、
‐S<Sの場合、分析物はプローブA上に存在しないと判断され、
‐S<S<Sの場合、プローブA上に分析物が存在かどうかを決定することができない。
最後のケースでは、必要に応じて操作手順を補正して、違う測定を行うことが求められる。
【0054】
本発明の特定の実施形態では、周期的幾何学パターンのプローブAを有さない領域は、基本的にプローブBを有する。
【0055】
上記プローブBは、プローブAが感受性を有さない分析物に対して感受性を有する。
【0056】
本発明に係る方法により、媒体中に含有が疑われる2つの分析物の1つの存在を検索することができる。
【0057】
2つの分析物の検出は、一次回折光である単一の回折光により実現できる。
【0058】
2つの異なる分析物の検出は鑑別と称される。
【0059】
この感度Sもまた式(1)により定義される。
【0060】
閾値S及びSは、以下のように決定される。
‐S>Sの場合、分析物はプローブA上に存在すると判断され、
‐S<Sの場合、分析物はプローブB上に存在すると判断され、
‐S<S<Sの場合、プローブAまたはプローブB上に分析物が存在かどうかを決定することができない。
最後のケースでは、必要に応じて操作手順を補正して、違う測定を行うことが求められる。
【0061】
閾値S及びSは、回折システムの幾何学特性、入射光の波長、入射角、入射光の形状、基板指標、基板粗さなど、全て、測定の正確さに影響する多数のパラメーターにより、実験的に決定することができる。
【0062】
好ましくは、閾値Sは実質的に5%に等しく、閾値Sは実質的に−5%に等しい。
【0063】
放射された入射光の強度の変動もまた、不確かさをもたらすため、感作工程の前後の回折光強度の測定時の補正値を考慮にいれる。
【0064】
上記変動を補うための方法として実施される手段は、感作工程の前後に測定された一次回折光の強度P及びP1aのそれぞれを、それぞれの入射光Pinc及びPincaにより標準化することにより行うものである。回折光の強度を測定する際に入射光の強度を同時に測定するために、本方法に関連する測定装置の感度を余り下げない程度に、入射光の強度のγ部、例えば、10〜20%を集める。
【0065】
従って、感度Sは以下のように表現される。
【0066】
【数3】

【0067】
回折光の角度値が法線20または互いに近すぎると、方法の実施を困難にする。
【0068】
回折光の角度を広くする方法に採用される手段は、好ましくは400〜1200nmの範囲の波長を使用することを前提として、λ〜2λの範囲の周期p、好ましくは1μm、を有する回折システムを使用することからなる。
【0069】
好ましくは、さらに、入射光31が回折システム2に対して法線入射(α=0)で放射される場合、一次回折光のみが目に見える。一次回折光の角度βが十分広い(例えば、実質的に1μmの周期の回折システム及び633nmの波長に対して、角度βは実質的に40度である)場合、反射及び回折光の角度的及び空間的分離を可能にする。
【0070】
一次回折光のみを取得することにより、最大回折の強度は一次回折光1に位置し、信号対ノイズ比を改良する。
【0071】
さらに、感作工程後における回折システムの幾何学特性の変化は、プローブ上の分析物の存在と一致し、一次光の強度レベルにのみ反映され、いくつもの高次光に分散されない。
【0072】
本方法を実施する回折システム2は、図2aに示すように、基板23の表面231上に、nsubインデックスで配置された、プローブAを有する浮き彫り状の領域とプローブAを有さない領域とを交互に有する、周期的幾何学パターン24を有する。
【0073】
プローブAを有する浮き彫り状の平行線24からなる格子の場合の回折システムを詳細に説明する。この選択に限定されるものではなく、他の周期的幾何学パターン、例えば、グリッドなどの二次元の格子や、光を回折することが可能な複雑な幾何学的図形などの周期的幾何学パターンも使用することができる。
【0074】
好ましくは、方法の感度を上げるためには、格子線はナノスケールとする。
【0075】
好ましい実施形態では、図1から2bに示されるように、基板23は、平坦な表面231を有する。
【0076】
基板23は、例えば、ガラス、シリコンまたは金材料により形成される。
【0077】
好ましくは、プローブAを有する線状部分は、銃眼状の断面を有するが、正弦状や三角形の断面など、その他の断面を有することもできる。
【0078】
格子は上述のように、周期pを有し、線状部の幅をl、充足率をrとすると、幅lと周期pの間の比:r=l/pが定義される。
【0079】
充足率rは、感度Sと回折光の強度とのバランスである。充足率rが低下すると、感度Sは上昇するが、回折光は弱くなり、回折光の強度の測定が困難になる。
【0080】
好ましくは、回折光の強度を十分な値に保ちながら方法の感度Sを改良するためには、格子を充足率rが0.5未満になるような大きさに形成する。
【0081】
浮き彫り状の平行線24は、厚さeとインデックスnを有する結合層26と称される第一の層を有する。
【0082】
接着層は、プローブAを固定することができる物質を有する。
【0083】
装置の感度Sを改善するためには、結合層26の物質としては、結合層上のプローブAをその表面に結合させることができるような物質を選択する。「表面に結合」とは、基板23に対して反対側の結合層の上面261、及び上記結合層の側面262に結合することを意味する。
【0084】
このような物質としては、例えば、以下のようなものがある。
‐基板がシリコンの場合には、シラン
‐基板が金の場合には、チオール
‐糖類
‐デンドリマー
‐金属ナノアイランド
‐ナノ粒子
‐MIP
‐双安定物質
【0085】
接着層の厚さeは、感度Sと回折光の強度とのバランスである。厚さeが上昇すると、回折光が強くなるが、感度Sが低下する。
【0086】
有利には、厚さeは0nmから500nmの範囲であり、好ましくは、実質的に5nmオーダーである。
【0087】
浮き彫り状の平行線24は、分析物と結合させるためにプローブAを有する特異層25と称される厚さeとインデックスnを有する第二の層を有する。
【0088】
厚さeは、感作工程後の特異層25上に配置されている可能性のある分析物層28(図2b)の厚さeanalyteとに関連して決められる。比e/eanalyteは、感度Sと回折光の強度のバランスである。比e/eanalyteが低下すると、感度Sは上昇するが、回折光は弱くなる。
【0089】
好ましくは、回折光の強度を十分に保ったまま、装置の感度Sを改良するためには、特異層の厚さeは、比e/eanalyteが1より小さくなるような大きさにする。
【0090】
有利には、特異層25の厚さeは0.5nmから150nmの範囲であり、好ましくは、実質的に10nmオーダーである。
【0091】
第1の実施例では、図2a及び2bに示されるように、格子2は平行線24の間に、厚さeの保護層27と称される基板23を覆う層を有する。この保護層は、分析物へのプローブの接着選択性を上昇させることができる物質からなる。分析物へのプローブの接着選択性を上昇させることにより、装置の感度が改善される。
【0092】
具体的な実施例では、保護層はポリエチレングリコール(PEG)、牛血清アルブミン(BSA)、オクタデシルトリクロロシラン(OTS)またはエタノールアミンである。
【0093】
結合層の結合表面を低下させないために、保護層の厚さeは結合層の厚さeに比較して小さく、例えば、数オングストロームのオーダーである。
【0094】
さらに複雑な実施形態では、図示しないが、格子2は、平行線24の間に、基板を覆い、プローブAが感受性を有さない分析物を結合させるために、プローブB及びプローブBの固定層を有する、第2特異層と称される層を有する。
【0095】
好ましくは、2種の分析物を区別して効率的に検出するためには、プローブA上に配置された分析物層28の厚さeanalyteは、少なくとも1nmより小さいか、プローブB上に配置された分析物層の厚さよりも少なくとも1nm以上大きい。
【0096】
有利には、この実施形態では、充足率rは実質的に0.5である。
【0097】
一実施形態では、線状の格子は線状の反射格子であり、基板は使用される波長λに対して光透過性であることが好ましい。
【0098】
他の実施形態では、線状の格子は線状の反射格子であり、基板は使用される波長λに対して光透過性でないことが好ましい。
【実施例1】
【0099】
[結合層厚さeシミュレーション]
実施例1は、図3a及び3bから、感度Sと感作工程前の標準化した一次回折光の強度P/Pincとのバランスを、結合層26の厚さeを変えて下記のパラメーターに対して説明する。
【0100】
【表1】

【0101】
プローブAのnインデックスが何であっても、結合層の厚さeが増加すると、感作工程前の標準化した一次回折光の強度P/Pincは大きくなるが(図3a)、感度Sは急速に低下する(図3b)。
【実施例2】
【0102】
[比e/eanalyteの関数としての感度Sのシミュレーション]
実施例2は、図4から、回折システムの比e/eanalyteの関数としての感度Sを、特異層の厚さeを変えて下記のパラメーターに対して説明する。
【0103】
【表2】

【0104】
異なる曲線が同じ分析結果を示し、比e/eanalyteが1未満であれば、感度Sが改善されることが確認された。
【実施例3】
【0105】
[充足率rと感度Sのシミュレーション]
実施例3は、図5aから、回折システムの充足率rの関数としての感度Sを、周期pを変えて下記のパラメーターに対して説明する。
【0106】
【表3】

【0107】
曲線1は、(図5bに示されるように)結合層の上部のみにプローブAが結合されている場合を説明する。回折システムの充足率及び周期にかかわりなく、感度Sは一定に保たれることが確認された。
【0108】
曲線2は、(図2bに示されるように)結合層の全体(上部及び側面)にプローブAが結合されている場合を説明する。回折システムの周期pにかかわりなく、充足率rが0.5未満であれば感度Sが改善されることが確認された。
【実施例4】
【0109】
[感度Sの実験的測定]
実施例4は、図7a及び7bから、結合層の厚さを変えて、下記のパラメーターに対して実験的に得られた感度Sについて説明する。
【0110】
【表4】

【0111】
この実施例4では、基板はシラン処理したガラスである。結合層はストレプトアビジン層である。プローブAはビオチン化プロテインAである。分析物は、抗プロテインA抗体である。
【0112】
一次回折光の角度は40度である。
【0113】
図7aは、本方法を実施するための回折システムを模式的に示している。回折システムは1000nmの周期を有し、それぞれ幅が500nmの400の線状部からなる。回折システムを形成する第1工程は、分子バッファリングにより結合層26を付着させることからなる。第2工程では、プローブ分子のインキュベーション後、PBS緩衝液と称されるリン酸緩衝食塩水で洗浄する。最後の工程では、分析物のインキュベーション後、PBS緩衝液で洗浄する。
【0114】
下記の2つの相互作用が観察される。
‐分析物とプローブAとの間の第1相互作用(特異的相互作用)
‐分析物と基板との間の第2相互作用
【0115】
図7bは、結合層と相違する、異なる厚さe(厚さは1.5nmから2.5nmの範囲にある)を有する4つの格子について得られた感度を示す。
【0116】
シミュレーション(図3b)と同様に、結合層の厚さeが小さくなると、感度Sが上昇することが確認できる。また、感度Sは陽性である。
【実施例5】
【0117】
[感度Sの実験的測定]
実施例5は、図8a及び8bから、結合層の厚さを変えて、下記のパラメーターに対して実験的に得られた感度Sについて説明する。
【0118】
【表5】

【0119】
この実施例5では、基板はシラン処理したガラスである。結合層はストレプトアビジン層である。分析物は、抗プロテインA抗体である。
【0120】
一次回折光の角度は40度である。
【0121】
図8aは、本方法を実施するための回折システムを模式的に示している。回折システムは1000nmの周期を有し、それぞれ幅が500nmの400の線状部からなる。回折システムを形成する第1工程は、分子バッファリングにより結合層26を付着させることからなる。第2工程では、分析物のインキュベーション後、PBS緩衝液での洗浄を行う。プローブ分子のインキュベーション工程を有さない。
【0122】
下記の2つの相互作用が観察される。
‐分析物と結合層との間の第1相互作用
‐分析物と基板との間の第2相互作用
【0123】
図8bは、結合層と相違する、異なる厚さe(厚さは1.5nmから2.5nmの範囲にある)を有する6つの格子について得られた感度を示す。
【0124】
感度Sは陰性であることが認められる。実際、分析物と結合層との間の相互作用は、実質的に存在しない。分析物と基板との間の相互作用が主として認められる。したがって、線状部と分析物との間に相互作用がない場合には、感度Sが陰性である。
【0125】
この実施例は、1つの測定で2つの相互作用を測定することが可能であることを示している。
【0126】
回折システム2を形成しているプローブに結合される分析物の含有が疑われる媒体中の上記分析物を検索するための測定装置1は、図6に示すように、
‐コヒーレント入射光31で回折システム2を照射する手段、
‐一次回折光31の強度を測定する手段5、
‐回折システム2により回折光31を回折した後の、一次回折光41の強度を測定する手段4、
‐感度Sを計算する手段6、及び
‐得られた情報を表示する手段7、を有する。
【0127】
回折システム2を、λ〜2λの範囲にある周期的幾何学パターンの周期pで、一次回折光のみが可視光となるように形成することにより、回折光を分離するためのプリズムなどの光学スプリッターを使用する必要がない。したがって、測定装置はコスト及び簡易さの双方を達成できる。
【0128】
光照射手段3は、光源32を有する。
【0129】
有利には、光源の波長λは可視〜赤外の範囲である。
【0130】
具体的な実施例では、光源の波長λは実質的に633nmのオーダーである。
【0131】
具体的な実施例では、光源32は連続またはパルス単色光源である。
【0132】
好ましくは、光源32は、レーザーダイオードやヘリウムネオンレーザーなどのレーザーである。
【0133】
具体的な実施例では、光源32は、白色光である。光照射手段3はさらに、所望の波長のための(図示せず)少なくとも1つの選択フィルターと入射光を平行化するための(図示せず)平行光学系を有する。
【0134】
測定手段4、5は、それぞれ少なくとも1つの検出器42、51を有する。検出器51は、例えば半反射鏡9を使って入射光を遮り、検出器42は、一次回折光を遮る。
【0135】
検出器42、51はそれぞれ検出器により伝達された測定信号を処理することができる処理手段43、53に接続されている。処理手段53は、入射光の強度の値を提供し、処理手段43は、一次回折光の強度の値を提供する。
【0136】
検出器は、例えば、フォトダイオードや少なくとも1つの光電子増倍管、電荷結合素子(CCD)などの感光素子である。
【0137】
具体的な実施例では、光は、光ファイバーなどの導波管を介して検出器へ導かれる。
【0138】
一実施形態では、単一の測定手段が、入射光の強度と回折光の強度を測定する2つの測定手段4及び5を提供する。
【0139】
計算手段6は、測定手段4及び5に接続され、感度Sの値を決定する。
【0140】
例えば、計算手段は、感度Sを計算することができる少なくとも1つのコンピューターを有する。
【0141】
情報表示手段7は、計算手段6に接続され、特に、感度Sを特徴付けする。
【0142】
情報表示手段7は、例えば、分析物の存在、不存在または存在の不確実さを報告する表示手段71を有する。
【0143】
具体的な実施例では、回折システムがプローブAを有する場合、表示手段71は、感度Sの値に依存して点滅または点灯する一連の3つのダイオードを有し、
‐緑のダイオードは、プローブA上に分析物が存在することを意味し、
‐赤のダイオードは、プローブA上に分析物が存在しないことを意味し、
‐黄色のダイオードは、分析物が存在するか否か不確実であることを意味する。
【0144】
回折システムがプローブA及びプローブBを有する場合、表示手段71は、感度Sの値に依存して点滅または点灯する一連の3つのダイオードを有し、
‐緑のダイオードは、プローブA上に分析物が存在することを意味し、
‐赤のダイオードは、プローブB上に分析物が存在することを意味し、
‐黄色のダイオードは、分析物がプローブAまたはプローブBのいずれかに存在するか否か不確実であることを意味する。
【0145】
好ましくは、情報表示手段7はさらに、感作工程前の信号対ノイズ比を示す回折量の指標を有する。
【0146】
具体的な他の実施例では、表示手段71は、回折光の強さにより色分けされた、回折システムの画像である。例えば、感度SがSより大きい場合には、回折光の強さとともに青色の強さが上昇し、感度SがSより小さい場合には、回折光の強さが低下するとともに赤色の強さが上昇し、感度がSとSの間である場合には、黒色となる。
【0147】
本発明の一実施形態では、(プローブに結合される少なくとも1つの分析物の存在を検索する)複数の分析を、多数の回折システム上で短時間に実現する。分析チップは、基材の表面上に並置された複数の回折システムを有し、通常、例えば行と列のマトリックス状に規則的に配置される。上記回折システムは、例えば、測定装置を動かすか、基材を動かすか、またはそれらの動きを組み合わせて、基材の表面上の複数の回折システムを連続的にスイープして、上述の測定装置により、本発明の方法にしたがってそれぞれ測定される。各回折システムは、少なくとも1つのプローブを有し、特異的な特性を有する。
【0148】
第1の実施例では、重複する測定に対して、回折システムは同一である。
【0149】
第2の実施例では、少なくとも2つの回折システムは、周期的幾何学パターンが異なる。
【0150】
第3の実施例では、少なくとも2つの回折システムは、そのプローブの少なくとも1つが異なり、異なる分析物の存在を検索する。例えば、第1の回折システムは第1の分析物に結合するプローブにより形成され、第2の回折システムは、第1の分析物には感受性でない、異なる分析物に結合するプローブにより形成される。この第3の実施例では、好適なプローブを選択することにより、単一のチップ上で検索できる分析物の数を増やすことができる。
【0151】
第4の実施例では、少なくとも2つの回折システムにおいて、まず周期的幾何学パターンが相違し、次いでそのプローブの少なくとも1つが相違する。
【0152】
好ましくは、回折システムの全てを有する基材のマップが形成され、マップ上の各着色領域は、回折システムの位置に一致する。具体的な実施例では、色は、回折光の強さによる色分けに一致し、例えば、感度SがSより大きい場合には、回折光の強さとともに青色の強さが上昇し、感度SがSより小さい場合には、回折光の強さが低下するとともに赤色の強さが上昇し、感度がSとSの間である場合には、黒色となる。
【符号の説明】
【0153】
1 一次回折光
2 回折システム
3 光照射手段
4 強度測定手段
5 強度測定手段
6 感度計算手段
7 情報表示手段
71 表示手段
9 半反射鏡
20 法線
21 回折表面
23 基板
231 表面
24 周期的幾何学パターン
25 特異層
26 結合層
261 上面
262 側面
27 保護層
28 分析物層
31 コヒーレント入射光
32 光源
41 一次回折光
42、51 検出器
43、53 処理手段
A プローブ
β 角度
λ 波長
、P1a (光の)強度
S 感度
、S 閾値
B プローブ
inc、Pinca 入力光
p 周期
α 法線入射
r 充足率
l 幅
(結合層)厚さ
(保護層)厚さ
インデックス
/eanalyte

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プローブに結合される分析物の存在を検索する方法であって、回折システム(2)を構成する周期的幾何学パターン(24)が、プローブAと称されるプローブを有する領域とプローブAを有さない領域とを交互に有して形成され、上記回折システム(2)は、感作工程、すなわちプローブを分析物の含有が疑われる媒体に一時的に接触させ、存在した分析物をプローブに結合させる工程、の前に回折性があるように作成され、少なくとも以下の工程:
a)未感作のプローブを有する回折システムにより作成された回折場の一次回折光の強度Pを測定し、
b)プローブAを感作し、
c)回折システムにより作成された回折場の一次回折光の強度P1aを測定し、
d)測定された光の強度P及びP1aを比較することを含み、
上記工程は上述の順に行われ、回折システム(2)は、周期的幾何学パターンの周期pが、λが回折システムの照射波長に対応する、λ〜2λの範囲にあり、一次回折光のみが可視光であるように構成されることを特徴とする検索方法。
【請求項2】
比較を感度Sと称される信号の相対的変化を、
式:S=(P−P1a)/P
にしたがって決定することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
感度Sを、2つの閾値S1及びS2と比較し、
i)SがS1より大きい場合、プローブA上に分析物が存在することを示し、
ii)SがS2より小さい場合、プローブA上に分析物が存在しないことを示し、
iii)SがS1とS2の間にある場合、プローブA上に分析物が存在するかどうか、不確実であることを示す、
ことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
プローブAを有さない周期的幾何学パターンの領域が、基本的にプローブAが感受性を示さない分析物に感受性を示すプローブBを有し、感作工程b)がプローブBの感作も行うことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項5】
感度Sを、2つの閾値S1及びS2と比較し、
i)SがS1より大きい場合、プローブA上に分析物が存在することを示し、
ii)SがS2より小さい場合、プローブB上に分析物が存在することを示し、
iii)SがS1とS2の間にある場合、分析物が存在するかどうか、不確実であることを示す、
ことを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項6】
一次回折光の強度P及びP1aそれぞれを、感作工程の前後に測定されたそれぞれの入力光Pinc及びPincaの強度により、測定が行われる間に標準化することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
回折システム(2)が、プローブAを有する周期的幾何学パターン領域の幅と周期pの比率を定義する充足率rが0.5以下となるように、設計されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
プローブを有する回折システム(2)の周期的幾何学パターン領域が、プローブを有する厚さがeである特異層(25)と呼ばれる分析物が結合する層と、厚さがeである結合層(26)と称されるプローブを固定する層とにより形成されることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
結合層(26)の厚さeが0〜500nmであることを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項10】
特異層(25)は、eanalyteを感作工程後にプローブ上に配置された分析物層の厚さとした場合、比e/eanalyteが1より小さくなるように形成されていることを特徴とする請求項8または9に記載の方法。
【請求項11】
b)及びc)の工程を同時に行うことを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
回折システム(2)が入射光を反射することができる物質により形成されることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
回折システム(2)が入射光を透過させることができる物質により形成されることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
回折システム(2)が平行化単色光源により照射されることを特徴とする請求項1〜13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
回折システム(2)がレーザーにより照射されることを特徴とする請求項1〜13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
回折システム(2)が可視及び赤外スペクトルから選択される波長λの光で照射されることを特徴とする請求項1〜15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
請求項1〜16のいずれか1項に記載の方法を実施するための回折システム(2)であって、少なくとも1つのプローブを有する幾何学パターン(24)を基板(23)上に有することを特徴とする回折システム。
【請求項18】
コヒーレント入射光(31)を使用して回折システム(2)を照射する手段を有する、請求項17に記載の回折システム(2)を形成するプローブに結合される分析物の存在を検索する装置であって、上記装置が、
‐上記回折システム(2)による入射光の回折後に、一次回折光(41)の強度を測定する手段(4、5)、
‐単一の回折システムにより、感作工程、すなわち、分析物を含有することが疑われる媒体にプローブを一時的に接触させ、存在するであろう分析物をプローブに結合させる工程、の前後において測定された一次回折光の強度を比較して、感度Sと称される信号の相対的変化を計算する手段(6)、及び
‐感度Sを特徴付ける情報を提供する手段、を有することを特徴とする検索装置。
【請求項19】
請求項17に記載の回折システム(2)が複数、基材の表面上に並置されていることを特徴とする分析チップ。
【請求項20】
周期的幾何学パターンが異なり、及び/またはプローブの少なくとも1つが異なる、少なくとも2つの回折システム(2)を有する請求項19に記載の分析チップ。

【図1】
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【図2a】
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【図2b】
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【図3a】
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【図3b】
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【図4】
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【図5a】
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【図5b】
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【図6】
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【図7a】
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【図7b】
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【図8a】
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【図8b】
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【公表番号】特表2012−502291(P2012−502291A)
【公表日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−526494(P2011−526494)
【出願日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【国際出願番号】PCT/EP2009/061777
【国際公開番号】WO2010/029139
【国際公開日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【出願人】(508277427)
【出願人】(500531141)セントレ・ナショナル・デ・ラ・レシェルシェ・サイエンティフィーク (84)
【Fターム(参考)】