説明

媒体処理装置

【課題】もぎり易いミシン目付きの発行媒体も同一の端末で発行でき汎用性に優れた端末を提供する。
【解決手段】媒体を切断する切断部を有し、切断部において、媒体を上位より指示された任意の長さに切断して発行媒体を発行する媒体処理装置において、切断部に、媒体を切断する第1の刃と、媒体の幅方向の一部を残し切断する第2の刃とを設け、第1の刃と第2の刃の刃先の位置を切断方向に変えた状態で両者を一体にした二枚刃を構成し、この二枚刃の移動量を制御して、媒体の完全な切断と幅方向の一部を残す切断を選択的に行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、ロール状に収納されている媒体を任意の長さに切断し、発行処理をする装置の、集積性能の信頼性を向上させる媒体処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の媒体処理装置は一般に、図21、図22に示す構成であった。
装置1は、媒体収納部2、印字部4、媒体切断部7、媒体集積部8から構成される。
また、印字部4は、プラテンローラ5、サーマルヘッド6で構成され、3は媒体である感熱ロール紙、9は排出ローラである。装置1の設置方向は、横置きであり、図22に示すような設置状況である。
【0003】
発行指示を受けた図示せぬ制御部10は、媒体3が収納された収納部2から媒体3を印字部4に搬送する。発行指示通りの印字をサーマルヘッド6にエネルギーを印加することにより、媒体3が発色する。その後、媒体切断部7に搬送され指定された長さだけの媒体3に切断する。このとき、媒体3を切断する長さは、発行するものによって数種類の長さに設定できる。
【0004】
切断された媒体3は、排出ローラ9により搬送され、媒体集積部8に集積される。次に発行された媒体3は、前の媒体3に重なり、媒体集積部8は数枚集積が可能である。11は媒体集積部8に集積された発行媒体を示す。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記構成の装置では、長さの違う媒体を媒体集積部に集積させるとき、媒体集積部に集積された媒体の後端に次の媒体の先端が突き当たり、ジャムが発生するなどの問題があった。
また、例えば媒体処理装置で発行した券を入場券として使用する場合、顧客が入場する際に係員が顧客の入場券を一旦受け取り、もぎって半券を顧客に返却するのが一般的であるが、係員が入場券を切りにくく、操作性が悪いという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、媒体を切断する切断部を有し、前記切断部において、媒体を上位より指示された任意の長さに切断して発行媒体を発行する媒体処理装置において、前記切断部に、媒体を切断する第1の刃と、媒体の幅方向の一部を残し切断する第2の刃とを設け、前記第1の刃と、前記第2の刃の刃先の位置を切断方向に変えた状態で両者を一体にした二枚刃を構成し、この二枚刃の移動量を制御して、媒体の完全な切断と幅方向の一部を残す切断を選択的に行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
これにより、本発明は、ミシン目付きの発行媒体も同一の端末で発行でき汎用性に優れた端末を小型省スペースで提供できるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】第1実施の形態例を示す平面図
【図2】第1実施の形態例を示す側面図
【図3】第1実施の形態例の媒体切断部の詳細図
【図4】第1実施の形態例の媒体切断部の詳細図
【図5】第2実施の形態例の媒体切断部の詳細図
【図6】第2実施の形態例の媒体切断部の詳細図
【図7】第3実施の形態例の媒体切断部の詳細図
【図8】第3実施の形態例の媒体切断部の詳細図
【図9】第4実施の形態例の媒体切断部の詳細図
【図10】第4実施の形態例の媒体切断部の詳細図
【図11】第5実施の形態例を示す平面図
【図12】第5実施の形態例を示す側面図
【図13】第5実施の形態例の媒体切断部の詳細図
【図14】切り込みを有する媒体を示す説明図
【図15】第6実施の形態例を示す平面図
【図16】第6実施の形態例を示す側面図
【図17】第6実施の形態例の媒体切断部の詳細図
【図18】第7実施の形態例を示す平面図
【図19】第7実施の形態例を示す側面図
【図20】第7実施の形態例の媒体切断部の詳細図
【図21】従来例の平面図
【図22】従来例の側面図
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に本発明の実施の形態例を図面を用いて説明する。
第1実施の形態例
図1は第1実施の形態例を示す平面図、図2は同側面図、図3および図4は同実施の形態例の媒体切断部の詳細図である。
図1および図2において、装置101は、媒体収納部102、印字部104、媒体切断部107、媒体集積部108から構成される。また、印字部104は、プラテンローラ105、サーマルヘッド106で構成され、103は媒体である感熱ロール紙、109は排出ローラである。装置101の設置方向は、横置きであり図2のような設置状況である。
【0010】
また、図3および図4において、媒体切断部107の切断機構は、刃を往復運動させて媒体103を切断させる方式であり、一往復で切断完了する。111は媒体切断部107の刃についている突起である。ここで、印字部104と排出ローラ109との駆動は分かれていて、それぞれ独立して動作する。
発行指示を受けた図示せぬ制御部110は、媒体103が収納された収納部102から媒体103を印字部104に搬送する。発行指示通りの印字をサーマルヘッド106にエネルギーを印加することにより、媒体103が発色する。
【0011】
その後、指定された長さだけ媒体切断部107に搬送され(図3)媒体103を切断する。このとき、媒体103を切断する長さは、発行するものによってあらかじめ定められた範囲内の数種類の長さに任意に設定できる。
切断された発行媒体103の後端は、媒体切断部107の刃についた突起111によって持ち上げられる(図4)。その状態で発行媒体103は保持される。
【0012】
次の発行指示によって、媒体収納部102から媒体103は印字部104まで搬送される。発行指示通りの印字をしたのち、印字部側の駆動を入れ指定長さだけ媒体切断部107に搬送される。このとき、前の発行媒体103は、媒体切断部107の位置で排出ローラ109に挟まれ保持され、さらに、突起111により発行媒体103の後端は少し持ち上げられているため、次の発行媒体103の先端は、前の発行媒体103の後端が持ち上けられた部分に入り込む。その後、前の発行媒体103を媒体集積都108に集積するために、印字部側の駆動と排出ローラ側の駆動を同時に入れ、前の発行媒体103と次の発行媒体103とが一部重なった状態で搬送する。
【0013】
次の発行媒体103の切断長さだけ搬送させた後、印字部側の駆動と排出ローラ側の駆動を停止させる。このとき、前の発行媒体103は排出ローラ109によって搬送されているため、媒体集積部108に完全に集積される。
次の発行指示かない場合は現在排出ローラ109に挟まれた発行媒体103は、排出ローラ側の駆動を入れることによって媒体集積部108に集積される。
【0014】
以上のように、第1実施の形態例によれば、媒体切断部の刃に突起をつけたことにより、連続発行の際にもジャムの発生しない安定した発行媒体の集積が可能になる。
また、発行処理の順序を変えることなく一定の順番で集積できるため、媒体処理装置のオペレータが発行処理の正常処理確認のため順番を並べ替える必要がなく、操作性に優れた端末を提供できる。
【0015】
第2実施の形態例
図5および図6は第2実施の形態例を示す媒体切断部詳細図である。
第2実施の形態例の装置構成は、図1および図2に示した第1実施の形態例のものと同じである。図5および図6において、211は媒体ガイド、212は媒体ガイド211に設けた突起を示す。突起212は、媒体203の搬送方向からは、ジャムしないような滑らかに隆起した形状となっている。
【0016】
動作は、印字までは、第1実施の形態例と同じである。印字後、指定された長さだけ媒体切断部207に搬送され(図5)媒体203を切断する。このとき、媒体203を切断する長さは、発行するものによって第1実施の形態例と同様に数種類の長さに設定できる。切断された発行媒体203の後端は、突起212によって持ち上げられる(図6)。その状態で発行媒体203は保持される。
【0017】
次の発行指示によって、媒体収納部202から媒体203は印字部204まで搬送される。発行指示に従って印字をしたのち、印字部側の駆動を入れ指定長さだけ媒体切断部207に搬送される。このとき前の発行媒体203は、媒体切断部207の位置で排出ローラ209に挟まれ保持され、さらに、突起212により発行媒体203の後端は少し持ち上げられているため、次の発行媒体203の先端は、前の発行媒体203の後端が持ち上げられた部分に入り込む。
【0018】
その後、前の発行媒体203を媒体集積部208に集積するために、印字部側の駆動と排出ローラ側の駆動を同時に入れ、前の発行媒体203と次の発行媒体203とが一部重なった状態で搬送する。
次の発行媒体203の切断長さだけ搬送させた後、印字部側の駆動と排出ローラ側の駆動を停止させる。このとき、前の発行媒体203は排出ローラ209によって搬送されているため、媒体集積部208に完全に集積される。
【0019】
次の発行指示がない場合は現在排出ローラ209に挟まれた発行媒体203は、排出ローラ側の駆動を入れることによって媒体集積部208に集積される。
以上のように、第2実施の形態例によれば、媒体搬送方向に対し媒体切断部の直後の媒体ガイドに突起を設けたことにより、連続発行の際にもジャムの発生しない安定した発行媒体の集積が可能になる。
【0020】
また、発行処理の順序を変えることなく一定の順番で集積できるため、媒体処理装置のオペレータが発行処理の正常処理確認のため順番を並べ替える必要がなく、操作性に優れた端末を提供できる。
第3実施の形態例
図7および図8は第3実施の形態例を示す媒体切断部詳細図である。
【0021】
第3実施の形態例の装置構成は、図1および図2に示した第1実施の形態例と同じである。
図7および図8において、311は媒体ガイド、312は媒体ガイド311に取り付けられた媒体押し板を示す。媒体押し板312は、媒体303の搬送方向からは、ジャムしないような滑らかな形状で、かつ媒体が搬送されてきた際には媒体の仮想の搬送ラインから待避する程度(矢印(1)の方向)の押し圧となっている。
【0022】
動作は、印字までは、第1実施の形態例と同じである。印字後、指定された長さだけ媒体切断部307に搬送され(図7)媒体303を切断する。このとき、媒体303を切断する長さは、第1実施の形態例と同様に発行するものによって数種類の長さに設定できる。
切断された発行媒体303の後端は、媒体押し板312が待避位置から仮想の媒体搬送ラインに戻ることによって(矢印(2)の方向)持ち上げられる(図8)。その状態で発行媒体303は保持される。
【0023】
次の発行指示によって、媒体収納部302から媒体303は印字部304まで搬送される。発行指示通りの印字をしたのち、印字部側の駆動を入れ指定長さだけ媒体切断部307に搬送される。このとき、前の発行媒体303は、媒体切断部307の位置で排出ローラ309に挟まれ保持され、さらに、媒体押し板312により発行媒体303の後端は少し持ち上げられているため、次の発行媒体303の先端は、前の発行媒体303の後端が持ち上げられた部分に入り込む。その後、前の発行媒体303を媒体集積部308に集積するために、印字部側の駆動と排出ローラ側の駆動を同時に入れ、前の発行媒体303と次の発行媒体303とが一部重なった状態で搬送する。
【0024】
次の発行媒体303の切断長さだけ搬送させた後、印字部側の駆動と排出ローラ側の駆動を停止させる。このとき、前の発行媒体303は排出ローラ309によって搬送されているため、媒体集積部308に完全に集積される。
次の発行指示がない場合は現在排出ローラ309に挟まれた発行媒体303は、排出ローラ側の駆動を入れることによって媒体集積部308に集積される。
【0025】
以上のように、第3実施の形態例によれば、媒体ガイドに媒体押し板をつけたことにより、連続発行の際にもジャムの発生しない安定した発行媒体の集積が可能になる。
また、発行処理の順序を変えることなく一定の順番で集積できるため、媒体処理装置のオペレータが発行処理の正常処理確認のため順番を並べ替える必要がなく、操作性に優れた端末を提供できる。
【0026】
第4実施の形態例
図9および図10は第4実施の形態例を示す媒体切断部詳細図である。
第4実施の形態例の装置構成は、図1および図2に示した第1実施の形態例と同じである。
図9および図10において、411は媒体ガイド、412は図示せぬアクチュエータ(ソレノイド、モータ等)413によって媒体ガイド411より突出したり媒体ガイドより引っ込んだりする突起を示す。
【0027】
動作は、印字までは、第1実施の形態例と同じである。印字後、指定された長さだけ媒体切断部407に搬送され(図9)媒体403を切断する。このとき、媒体403を切断する長さは、第1実施の形態例と同様に発行するものによって数種類の長さに設定できる。
切断された発行媒体403の後端は、図示せぬアクチュエータ(ソレノイド、モータ等)413を動作させる事により連動する突起412によって持ち上げられる(図10)。その状態で発行媒体403は保持される。
【0028】
次の発行指示によって、媒体収納部402から媒体403は印字部404まで搬送される。発行指示通りの印字をしたのち、印字部側の駆動を入れ指定長さだけ媒体切断部407に搬送される。このとき、前の発行媒体403は、媒体切断部407の位置で排出ローラ409に挟まれ保持され、さらに、突起412により発行媒体403の後端は少し持ち上げられているため、次の発行媒体403の先端は、前の発行媒体403の後端が持ち上げられた部分に入り込む。その後、図示せぬアクチュエータ(ソレノイド、モータ等)413をリセットし突起412を媒体ガイド411から引っ込め、前の発行媒体403を媒体集積部408に集積するために、印字部側の駆動と排出ローラ側の駆動を同時に入れ、前の発行媒体403と次の発行媒体403とが一部重なった状態で搬送する。
【0029】
次の発行媒体403の切断長さだけ搬送させた後、印字部側の駆動と排出ローラ側の駆動を停止させる。このとき、前の発行媒体403は排出ローラ409によって搬送されているため、媒体集積部408に完全に集積される。
次の発行指示がない場合は現在排出ローラ409に挟まれた発行媒体403は、排出ローラ側の駆動を入れることによって媒体集積部408に集積される。
【0030】
以上のように、第4実施の形態例によれば、媒体ガイドに上位からの指示に従って任意に可動する突起をつけたことにより、連続発行の際にもジャムの発生しない安定した発行媒体の集積が可能になる。
また、発行処理の順序を変えることなく一定の順番で集積できるため、媒体処理装置のオペレータが発行処理の正常処理確認のため順番を並べ替える必要がなく、繰作性に優れた端末を提供できる。
【0031】
第5実施の形態例
図11は第5実施の形態例を示す平面図, 図12は同側面図、図13は媒体切断部の詳細図、図14は切り込みを有する媒体を示す斜視図である。
図11および図12において、装置101は、媒体収納部102、印字部104、媒体切断部107、媒体集積部108から構成される。また、印字部104は、プラテンローラ105、サーマルヘッド106で構成され、103は媒体である感熱ロール紙、109は排出ローラである。装置101の設置方向は、横置きであり図12のような設置状況と同じである。
【0032】
第1実施の形態例と異なるのは媒体切断部107の媒体搬送方向の手前に、媒体の幅方向の一部を残し切断する第2の切断部として、もう1つの媒体切断部507を設けた点である。この媒体切断部507は図3における媒体切断部107と同様に刃を往復運動させる機構であり、1往復で切断完了となるが、切り込み量は図13に示す刃丈Gの半分程度に設定されている。
【0033】
本実施の形態例の場合、媒体切断部507の刃は一定間隔で抜けており、ここで切断することで図14に示す如くミシン目状の切り込み521が媒体103に入り、その後所定の距離搬送後に媒体切断部107で媒体103を切断することで発行媒体520となる。
ここでも同様に印字部104と排出ローラ109との駆動は分かれていて、それぞれ独立して動作する。
【0034】
発行指示を受けた図示せぬ制御部110は、媒体103が収納された収納部102から媒体103を印字部104に搬送する。発行指示に従った内容の印字をサーマルヘッド106にエネルギーを印加することにより、媒体103上に発色させる。
その後、指定された長さだけ媒体切断部507へ搬送し、切り込み521をいれ、更に指定された長さまで媒体切断部107に搬送し、媒体103を切断する。このとき、媒体103に切れ込みを入れる長さや切断する長さは発行するものによってあらかじめ定められた範囲内の数種類の長さに任意に設定できる。
【0035】
以下の動作は他の実施の形態例と同様である。
以上のように、第5実施の形態例によれば、媒体切断部の手前に刃に抜けのある別の切断部を設けたことにより、ミシン目付きの発行媒体も同一の端末で発行でき汎用性に優れた端末を提供できる。
また、第 1〜4実施の形態例のいずれかと組み合わせることにより、連続発行の際にもジャムの発生しない安定した発行媒体の集積が可能になる。
【0036】
さらに発行処理の順序を変えることなく一定の順番で集積できるため、媒体処理装置のオペレータが発行処理の正常処理確認のため順番を並べ替える必要がなく、操作性に優れた端末を提供できる。
本実施例では媒体搬送方向で媒体切断部107の手前に第2の媒体切断部507を設けたが、図11に示す排出ローラ109と媒体切断部107の間に設けてもよい。
【0037】
第6実施の形態例
図15は第6実施の形態例を示す平面図, 図16は同側面図、図17は媒体切断部の詳細図である。
第6実施の形態例は基本的には第1実施の形態例と同じ構成であるが、第5実施の形態例の媒体切断部107と媒体切断部507の代わりにこれらを一体化した媒体切断部607が設けられている。
【0038】
すなわち、媒体切断部607は、媒体の切断刃である刃607Gと、これに一体に設置された媒体の一部を残して切断する第2の刃である刃607gとで構成された二枚刃である。
更にこれら二枚の刃は媒体への切断方向で刃丈G=2×g程度ずらして組み合わせてある。これは刃を一体で刃先の位置をずらして構成するよりも、製造上の刃先の精度が各々別個に製造した後に一体化させた方が、より鋭く加工できるためである。
【0039】
図15および図16において、装置101は、媒体収納部102、印字部104、媒体切断部607、媒体集積部108から構成される。また、印字部104はプラテンローラ105、サーマルヘッド106で構成され、103は媒体である感熱ロール紙、109は排出ローラである。装置101の設置方向は、横置きであり図16のような設置状況と同じである。
【0040】
第5実施の形態例と異なるのは媒体切断部607を駆動するストロークを二段階にしたことである。図示せぬ第1のソレノイドを駆動することで切断部の刃先は1/2g程度媒体103に食い込み、ミシン目状に切断し、図示せぬ第2のソレノイドを駆動することで切断部の刃先は1.5倍のg程度媒体103に食い込み、媒体103を完全に切断する。また、媒体切断部607の駆動は、ソレノイド以外のアクチュエータ(モータ等)でも同様の動作を実現できる。
【0041】
ここでも同様に印字部104と排出ローラ109との駆動は分かれていて、それぞれ独立して動作する。
発行指示を受けた図示せぬ制御部110は、媒体103が収納された収納部102から媒体103を印字部104に搬送する。発行指示に従った内容の印字をサーマルヘッド106にエネルギーを印加することにより、媒体103上に発色させる。
【0042】
その後、指定された長さだけ先ず媒体切断部607へ搬送し、図示せぬ第1のソレノイドを駆動することで図14に示す切り込み521をいれ、更に指定された長さまで媒体切断部607に搬送し、図示せぬ第2のソレノイドを駆動することで媒体103を切断する。このとき、媒体103に切れ込みを入れる長さや切断する長さは発行するものによってあらかじめ定められた範囲内の数種類の長さに任意に設定できる。
【0043】
以下の動作は他の実施例と同様である。
以上のように、第6実施の形態例によれば、通常の切断部とミシン目切断部を1体にすることで、ミシン目付きの発行媒体も同一の端末で発行でき汎用性に優れた端末を小型省スペースで提供できる。
また、第 1〜4実施の形態例のいずれかと組み合わせることにより、連続発行の際にもジャムの発生しない安定した発行媒体の集積が可能になる。
【0044】
さらに発行処理の順序を変えることなく一定の順番で集積できるため、媒体処理装置のオペレータが発行処理の正常処理確認のため順番を並べ替える必要がなく、操作性に優れた端末を提供できる。
第7実施の形態例
図18は第7実施の形態例を示す平面図, 図19は同側面図、図20は媒体切断部の詳細図である。
【0045】
第7の実施例は基本的には第1実施の形態例と同じ構成であるが、第6実施の形態例の媒体切断部607の代わりに媒体切断部707が設けられている。すなわち媒体切断部707は、媒体を切断する切断刃と、媒体の一部を残し切断する第2の刃を一体成形した一枚刃である。これら二段の刃は媒体への切断方向で刃丈G=2×g程度交互にずらして一枚の刃で構成されている。これは刃を一体製造して装置のコストを下げた実施の形態例である。媒体の厚さは様々であるが、厚紙の場合は、第6実施の形態例のように二枚に分けた方が有利である。しかし、70kg紙程度の薄紙であれば、本実施の形態例で示す一体刃で、性能上十分である。
【0046】
図18および図19において、装置101は、媒体収納部102、印字部104、媒体切断部607、媒体集積部108から構成される。また、印字部104はプラテンローラ105、サーマルヘッド106で構成され、103は媒体である感熱ロール紙、109は排出ローラである。装置101の設置方向は、横置きであり図19のような設置状況と同じである。
【0047】
第7実施の形態例でも媒体切断部707を駆動するストロークを二段階に設けてあり、第6実施の形態例と同様に動作する。
ここでも同様に印字部104と排出ローラ109との駆動は分かれていて、それぞれ独立して動作する。
発行指示を受けた図示せぬ制御部110は、媒体103が収納された収納部102から媒体103を印字部104に搬送する。発行指示に従った内容の印字をサーマルヘッド106にエネルギーを印加することにより、媒体103上に発色させる。
【0048】
その後、指定された長さだけ先ず媒体切断部707へ搬送し、図示せぬ第1のソレノイドを駆動することで図14に示す切り込み521をいれ、更に指定された長さまで媒体切断部707に搬送し、図示せぬ第2のソレノイドを駆動することで媒体103を切断する。このとき、媒体103に切れ込みを入れる長さや切断する長さは発行するものによってあらかじめ定められた範囲内の数種類の長さに任意に設定できる。
【0049】
以下の動作は他の実施の形態例と同様である。
以上のように、第7実施の形態例によれば、通常の切断部とミシン目切断部を一体にすることで、ミシン目付きの発行媒体も同一の端末で発行でき汎用性に優れた端末を小型省スペースかつ、低コストで提供できる。
また、第1〜4実施の形態例のいずれかと組み合わせることにより、連続発行の際にもジャムの発生しない安定した発行媒体の集積が可能になる。
【0050】
さらに発行処理の順序を変えることなく一定の順番で集積できるため、媒体処理装置のオベレータが発行処理の正常処理確認のため順番を並べ替える必要がなく、操作性に優れた端末を提供できる。
なお、上記の各実施の形態例では往復運動する刃で説明を行ったが、円形のロータリー刃でもまったく同様に実施することができる。
【0051】
さらに、上記各実施の形態例における印字装置はサーマルプリンタで説明を行ったが、必ずしもサーマルプリンタに限るものではなく、その他の印字装置でも無論よい。
【0052】
以上詳細に説明したように、媒体を切断する切断部を有し、該切断部において、媒体を上位より指示された任意の長さに切断し、印字など所定の処理を加えて発行媒体を発行する媒体処理装置において、切断され発行媒体となった媒体の後端を持ち上げ支持する持ち上げ支持手段を設けたので、連続発行の際にもジャムの発生しない安定した発行媒体の集積が可能になるという効果がある。
【0053】
また、発行処理の順序を変えることなく一定の順番で集積できるため、媒体処理装置のオペレータが発行処理の正常処理確認のため順番を並べ替える必要がなく、操作性に優れた端末を提供できるという効果がある。
また、切断部において、切断部の媒体搬送方向の手前に、媒体の幅方向の一部を残し切断する第2の刃を有する第2の切断部を設けたので、もぎり易いミシン目付きの発行媒体も同一の端末で発行でき汎用性に優れた端末を提供できるという効果がある。
【符号の説明】
【0054】
101 装置
102 媒体収納部
103 媒体
104 印字部
105 プラテンローラ
106 サーマルヘッド
107 媒体切断部
108 媒体集積部
109 排出ローラ
111 突起
211 媒体ガイド
212 突起
312 媒体押し板
412 突起
507 媒体切断部
520 発行媒体
521 切り込み
607 媒体切断部
607g 媒体切断部
607G 媒体切断部
707 媒体切断部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
媒体を切断する切断部を有し、前記切断部において、媒体を上位より指示された任意の長さに切断して発行媒体を発行する媒体処理装置において、
前記切断部に、媒体を切断する第1の刃と、媒体の幅方向の一部を残し切断する第2の刃とを設け、
前記第1の刃と、前記第2の刃の刃先の位置を切断方向に変えた状態で両者を一体にした二枚刃を構成し、この二枚刃の移動量を制御して、媒体の完全な切断と幅方向の一部を残す切断を選択的に行うことを特徴とする媒体処理装置。
【請求項2】
媒体を切断する切断部を有し、前記切断部において、媒体を上位より指示された任意の長さに切断して発行媒体を発行する媒体処理装置において、
前記切断部に、媒体を切断する第1の刃と、媒体の幅方向の一部を残し切断する第2の刃とを設け、
前記第1の刃と第2の刃を切断方向に交互に段差を設けて一体成形して一体刃とし、この一体刃の移動量を制御して、媒体の完全な切断と幅方向の一部を残す切断を選択的に行うことを特徴とする媒体処理装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate


【公開番号】特開2010−52133(P2010−52133A)
【公開日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−216824(P2009−216824)
【出願日】平成21年9月18日(2009.9.18)
【分割の表示】特願2000−254833(P2000−254833)の分割
【原出願日】平成12年8月25日(2000.8.25)
【出願人】(000000295)沖電気工業株式会社 (6,645)
【出願人】(591089556)株式会社 沖情報システムズ (276)
【Fターム(参考)】