媒体集積装置
【課題】媒体に折れやカールがある場合でも集積を安定して行うことができる媒体集積装置を提供する。
【解決手段】投入された紙幣を鑑別する鑑別部で紙幣の枚数を計数するとともに、紙幣の状態特性として光の透過性、光の反射量および紙幣の厚みを検出し、これらの計数値および状態特性に応じて、紙幣を集積する一時集積部の集積用空間を制御する。これにより、紙幣に折れやカールがある場合でも、集積用の空間を一定の広さに保つことができ、安定した集積の制御が可能になる。
【解決手段】投入された紙幣を鑑別する鑑別部で紙幣の枚数を計数するとともに、紙幣の状態特性として光の透過性、光の反射量および紙幣の厚みを検出し、これらの計数値および状態特性に応じて、紙幣を集積する一時集積部の集積用空間を制御する。これにより、紙幣に折れやカールがある場合でも、集積用の空間を一定の広さに保つことができ、安定した集積の制御が可能になる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、投入された媒体を搬送して集積板上に順次集積し、集積された媒体が多くなると集積板を移動させる媒体集積装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、銀行等の金融機関に設置される紙幣結束整理装置においては、装置に投入された紙幣を集積部まで1枚ずつ搬送して集積部に1枚ずつ集積し、所定の枚数が集積されると、結束して整理するようにしている。集積部は移動可能な集積板を具備し、搬送されてきた紙幣は1枚ずつ集積板上に集積される。集積板の上部に集積高さセンサを設け、集積板上の紙幣の枚数が多くなったことが集積高さセンサにより検出されると、集積板を移動させて集積紙幣の上部スペースを空け、以降に搬送されてくる紙幣を更に集積可能にしている。
【0003】
このような集積部を有する装置として、例えば、特開2002−197509号公報に開示するものが挙げられる。
【特許文献1】特開2002−197509号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら従来行われている集積部の制御(集積板の移動制御)では、紙幣に折れやカールがある場合、折れやカールのある紙幣が集積時に膨らむので、枚数の割には集積された紙幣の高さが高くなり、集積された紙幣が所定の枚数に達していないのに集積高さセンサが所定の枚数の集積高さとして検出する場合があった。そのため集積部の上部のスペースを一定にする制御が安定してできないという問題があった。
【0005】
そこで本発明は、媒体に折れやカールがある場合でも集積を安定して行うことができる媒体集積装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために本発明は、投入された媒体を搬送して集積板上に順次集積し、集積された媒体が多くなると集積板を移動させる媒体集積装置において、搬送される媒体を計数する計数手段と、各媒体に対して状態特性を検出する状態特性検出手段と、前記計数手段の計数結果及び前記状態検出手段の検出結果に応じて前記集積板の移動制御を行う制御手段とを設けたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、計数手段の計数結果と状態特性検出手段の検出結果に応じて集積板の移動を制御するようにしたので、媒体の折れやカールがある場合でもそうした状態特性に応じた制御ができ、安定した制御が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態を図面にしたがって説明する。各図面に共通する要素には同一の符号を付す。図1は第1の実施の形態の紙幣整理装置の内部構造を示す概略側面図、図2は図1の上部の拡大図、図3は第1の実施の形態の紙幣整理装置の外観を示す斜視図、図4は図3の一部分拡大平面図である。以下に説明する実施の形態では媒体集積装置として紙幣整理装置を例にして説明する。
【0009】
図において1は紙幣の投入部で、装置正面の上部に設けられている。2は紙幣の真偽、金種、正損、表裏等の鑑別、及び計数を行うと共に、搬送異常の検出を行う鑑別部で、装置内に設けられている。鑑別部2は紙幣の光の透過性、光の反射量および紙幣の厚みを検出する機能を有している。3は紙幣の搬送路で、この搬送路3については後で説明する。4は紙幣の表裏反転を行う表裏反転部で、装置内の鑑別部2の後段に位置するように設けられている。
【0010】
5は結束対象外の金種の紙幣を集積するオープンポケットで、装置の上面に設けられており、このオープンポケット5に集積された紙幣はオペレータが直接アクセスできるものとなっている。6は集積機構で、本実施の形態においてこの集積機構6には縦1列に4つの一時集積部6a〜6dが並べて装置内に設けられており、各一時集積部6a〜6dにそれぞれ予め定められた枚数、例えば本実施の形態では100枚の紙幣が集積できるようになっている。尚、一時集積部の数は4つに限られない。
【0011】
7は前記投入部1の一側に設けられた操作部で、この操作部7には図4に示すように、紙幣の計数を指示する計数開始ボタン7a、装置の障害復旧時に装置を再稼働させるためのリセットボタン7b、計数及び結束処理の完了を指示する完了ボタン7cが設けられている。8は鑑別部2で金種不明と鑑別されたりあるいは搬送異常が検知されたリジェクト紙幣を集積するリジェクトポケットで、前記投入部1の上方に設けられており、このリジェクトポケット8に集積された紙幣にオペレータが直接アクセスできるものとなっている。9は移送機構、10は紙幣結束機構で、両者とも装置内に設けられており、この両者については後で説明する。
【0012】
11は紙幣束の放出口、12は装置正面に設けられた扉で、この扉12を開けることでオペレータは集積機構にアクセスできるものなっている。13は装置上面においてオープンポケット5の後方に位置するように設けられた操作表示部で、LCDとその表面に配置したタッチパネルによって構成されており、オペレータはこの操作表示部13を操作してモードの指定や、一時集積部6a〜6dに集積する紙幣に金種、集積順序等の設定を行うものとなっている。また、この操作表示部13には鑑別部2で鑑別された紙幣の金種や正損及び計数結果等の表示も行われる。
【0013】
ここで搬送路3について説明する。装置内の上部において搬送路3は図2に示したように3a〜3eから成り、搬送路3aは投入部1から鑑別部3を経て分岐点Aにいたるように設けられ、搬送路3bは分岐点Aからリジェクトポケットにいたるように設けられている。また、搬送路3cは分岐点Aから表裏反転部4を経て分岐点Bにいたるように設けられており、そして搬送路3dは分岐点Bから図1に示したように装置の下部に伸びて集積機構6の一時集積部6a〜6dに沿うように設けられ、更に搬送路3eは分岐点Bからオープンポケット5にいたるように設けられている。尚、分岐点A、Bのそれぞれの近傍には紙幣の搬送方向を切替える図示しない切替えブレードが設けられ、後述する制御部により動作制御されるものとなっている。
【0014】
図5は集積機構6の側面図である。集積機構6には、前記のように4つの一時集積部6a〜6dが上下方向に並べて配置されており、これらの一時集積部6a〜6dは同一の構造を有しているので、以下に一時集積部6aを例に取って説明する。搬送路3dにより搬送されてきた紙幣は、一時集積部6aの振り分けゲート27により集積板21に向かって取り込まれ、これにより一時集積部6aに進入した紙幣は叩き車20により後部が叩かれて集積板21の上に集積されるものとなっている。また、以降進入してくる紙幣に関しては、同様の動作で集積板21上に集積した紙幣の上に集積される。
【0015】
図6は一時集積部6aの詳細を示す斜視図である。一時集積部6aに進入した紙幣は、前記叩き車20により叩かれるだけでなく、一時集積部6aの一側に設けられた長手整位手段22により長手方向の位置が揃えられ、更に一時集積部6aの前端側に設けられた短手整位手段23により短手方向の位置が揃えられる。
【0016】
ここで、長手整位機構22は正逆両方向への回転が可能なモータ22aと、このモータに連結部材22bを介して連結された棒あるいは板状等の整位部材22cを備え、進入してくる紙幣を検知する図示しない進入センサの検知信号にタイミングをとってモータ22aにより整位部材22cを回動させることにより、紙幣を反対側に設置された基準面25に押しつけることで整位するものとなっている。また、短手整位機構23は、図示しないトーションスプリング等の付勢手段によって付勢された棒状部材により構成され、集積された紙幣を進入口側に付勢することにより整位するものとなっている。
【0017】
集積板21の上方には押さえ板24が対向するように設けられ、この押さえ板24は集積板21上への紙幣の集積中は一時集積部6aの上端に待機しており、順次取り込まれる紙幣の進入の邪魔にならないようになっている。一時集積部6aの集積板21上に予め定められた枚数の紙幣、例えば100枚の紙幣が集積されると、ゲート振り分け機構27が紙幣を取り込まない姿勢に動作され、101枚目以降の紙幣はその他の一時集積部6b〜6dのいずれかへ集積するように制御される。
【0018】
紙幣の進入が停止した一時集積部6aでは集積板21を上昇させ、押さえ板24を下降させることにより集積紙幣を挟持する。この動作により皺等の紙幣の状態によって集積高さの異なる紙幣の厚みを一定にし、移動機構9への受渡しを容易にするようになっている。集積板21と押さえ板24により挟持された紙幣は、後述する移動機構9のハンド部が短手整位機構23側から一時集積部6aに進入して引き抜かれるようになっている。尚、一時集積部6b〜6dも一時集積部6aと同様の構造になっているので、一時集積部6aと同様に紙幣を整位、集積、挟持することが可能である。
【0019】
図7は移送機構9を示す斜視図である。この移送機構9は、紙幣クランプ部30、クランプ部移動手段31、上下動手段32を備えている。紙幣クランプ部30は上下方向に開閉するクランプ爪35a、35bを有し、この紙幣クランプ部30はクランプ部移動手段31上に搭載されていて、一時集積部6a〜6dからクランプ爪35a、35bで紙幣をクランプして引き抜くときは、クランプ部移動手段31がクランプ部30を一時集積部6a〜6dに対して押し出し、100枚の紙幣をクランプできる位置まで移動させるようになっている。
【0020】
クランプ部30とクランプ部移動手段31は上下動手段32により一時集積部6aから6dの間を一体に上昇及び下降し、紙幣100枚の集積が完了した一時集積部6a〜6dのいずれか1つの前で停止するように制御されるものとなっている。そのため、上下動手段32のフレームには、一時集積部6a〜6dのそれぞれの位置に対応してポジションセンサ33a〜33dが配設されており、例えば、一時集積部6aに集積された紙幣を抜き取るときは、ポジションセンサ33aの位置まで上下動手段32によりクランプ部移動手段31が引き上げられる。引き上げられたクランプ部移動機構31は、クランプ部30が紙幣を一時集積部6aから抜き取る間、この位置に固定する必要があるので、ポジションセンサ33aで停止した位置で回転可能なストッパカム34がクランプ部移動手段31に係止して落下を防止するようになっている。
【0021】
この移送機構9の一連の動作を説明すると、例えば一時集積部6aに集積された紙幣を引き抜く場合、まず上下動手段32により紙幣クランプ部30をクランプ部移動機構31と共にポジションセンサ33aの位置まで上昇させ、ポジションセンサ33aがクランプ部移動機構31を検知した位置で上昇を停止させると同時にストッパカム34を回転させてクランプ部移動手段31に係止させる。これによってクランプ部移動手段31を一時集積部6aと対向する位置に固定し、この状態でクランプ移動機構31により紙幣クランプ部30のクランプ爪35a、35bを上下方向に開いて100枚の紙幣をクランプする準備を行い、更にクランプ移動機構31により紙幣クランプ部30を一時集積部6aの方向に押し出す。
【0022】
押し出された紙幣クランプ部30のクランプ爪35a、35bは、一時集積部6aの短手整位機構23側に設けられている開口部に挿入され、集積板21と押さえ板24により挟持されている紙幣を上下から挟みつけて把持する。次に、集積板21と押さえ板24を開くことで、両者による紙幣の挟持を解除すると、これにより100枚の紙幣が紙幣クランプ部30に渡されたことになるので、クランプ爪35a、35bで紙幣を把持した紙幣クランプ部30をクランプ部移動手段31により引き戻す。
【0023】
このときクランプ爪35a、35bに把持された紙幣は一時集積部6aの短手整位機構23に当たるが、そのまま紙幣クランプ部30を引き戻すと短手整位機構23は紙幣の押圧力により付勢手段に抗して整位方向と逆の方向に倒れ、これにより紙幣は一時集積部6aからスムーズに抜き取られる。そして、紙幣クランプ部30が元の位置まで引き戻されると、クランプ部移動手段31に係止してストッパカム34が回転してその係止が解除され、紙幣を把持した紙幣クランプ部30と共にクランプ移動手段31が上下動手段32により移動経路の最下端に位置する紙幣結束機構10まで移動し、紙幣クランプ部30のクランプ爪35a、35bに把持された紙幣が紙幣結束機構10に引き渡される。
【0024】
図8は紙幣結束機構10の側面図である。この紙幣結束機構10は、ローラ及びベルト等から成る搬送手段40と、紙テープ等による結束用のテープ41と、印字手段42と、テープ41を供給するテープ供給手段43と、テープ41を所定の長さに切断するカッター44と、図示しない結束手段を備えており、以下のように紙幣を結束する。
【0025】
まず、搬送路10が移送機構9の紙幣クランプ部30から100枚の紙幣を一括して受け取り、結束位置に搬送する。テープ供給手段43はテープ41を前記結束手段に供給し、その際、印字手段42はテープ41に結束する紙幣の金種等をインクリボンを介して印字する。印字されたテープ41は所定の長さにカッター44で切断され、この切断されたテープを結束手段が結束位置に搬送された100枚の紙幣に巻き掛けて結束することにより紙幣束を作る。こうして作られた紙幣束は更に搬送手段40により搬送され、放出口11に送られる。
【0026】
図9は紙幣の計数及び状態特性の検出、および一時集積部の制御に係わる制御系のブロック図である。図9において、50は本紙幣整理装置全体の動作処理制御を行う制御部、51a〜51dはカウンタで、このカウンタ51a〜51dは一時集積部6a〜6dに1対1で対応し、例えば一時集積部6aに集積された紙幣の枚数はカウンタ51aにカウントされ、同様に一時集積部6bに集積された紙幣の枚数はカウンタ51b、一時集積部6cに集積された紙幣の枚数はカウンタ51c、一時集積部6dに集積された紙幣の枚数はカウンタ51dにカウントされる。
【0027】
52は記憶部で、一時集積部6a〜6dに集積される紙幣の金種や、計数された金種毎の紙幣の枚数等を記憶するものである。記憶部52には一時集積部6a〜6dにおける後述する空間制御量テーブル、空間制御補正量テーブル、鑑別結果使用可否テーブル等が格納されている。
【0028】
また制御部50には鑑別部2、入口センサ53およびモータ駆動回路54が接続されており、制御部50はこれらを制御する。鑑別部2は上述のように紙幣の真偽、金種、正損、表裏等の鑑別、及び計数を行うと共に、搬送異常の検出を行い、さらに紙幣の光の透過性、光の反射量および紙幣の厚みを検出し、これらの検出結果を制御部50へ送る。入口センサ53は一時集積部6a〜6dの紙幣進入口に配設されるもので、紙幣の一時集積部6a〜6dへの進入を検出する。モータ駆動回路54は、一時集積部6a〜6dの集積板21を上下動させるためのモータ55を駆動するものである。
【0029】
次に第1の実施の形態の動作を図10に示すフローチャートにしたがって説明する。図10は一時集積部の上部の空間を一定の広さに制御する動作を示すフローチャートであり、ここでは投入された紙幣の計数を行い、その後の一時集積部6a〜6dへの紙幣の集積動作に伴う集積紙幣上部の空間を常に一定の広さに制御する動作を説明する。
【0030】
まず装置に電源が投入されると、図3に示す操作表示部13に初期画面が表示され、この初期画面の表示モードを操作者が指で押下して選択する。ここで操作者は、万円、5千円、千円の3金種の指定金種結束モードを選択し、投入口1に紙幣を投入する(ステップ1)。この場合、投入される紙幣は万円、5千円、千円の複数の金種が混在している。次に操作者は、図4に示す計数開始ボタン7aを押下する(ステップ2)。制御部50はモードの選択と計数開始ボタン7aの押下を検出すると、投入された紙幣を1枚ずつ分離して搬送路3aに繰出す(ステップ3)。
【0031】
繰出された紙幣は搬送路3aを搬送され、鑑別部2へ送られる。鑑別部2で図示しないセンサにより、紙幣の真偽、金種、表裏、正損の鑑別に加えて、紙幣における光の透過量、光の反射量および紙幣の厚みの紙幣の状態特性が検出され、さらに紙幣の計数および搬送異常の有無の検出が行われる(ステップ4)。これらの鑑別結果情報、状態特性情報、計数情報および搬送異常情報は鑑別部2から制御部50へ送られる(ステップ5)。
【0032】
制御部50は、鑑別部2から受け取った情報を紙幣1枚ごとに記憶部52に登録し、鑑別の結果、真券で万円、5千円、千円のいずれかであると判定された紙幣の場合は、図2に示す搬送路3c、3dに沿って配置された図示しない複数のセンサにより鑑別部2から出た紙幣を追跡しながら集積機構6の一時集積部6a〜6dまで搬送する(ステップ6)。
【0033】
制御部50は、一時集積部6a〜6dに設けてある入口センサ53により紙幣の到来を検出すると(ステップ7)、記憶部52に予め格納してある図11に示す紙幣通過枚数毎の一時集積部空間制御量テーブル61を参照し、紙幣通過枚数毎の一時集積部空間制御量(第1の制御量)を求める(ステップ8)。図11に示す紙幣通過枚数毎の一時集積部空間制御量は、一時集積部6a〜6dに集積される紙幣の枚数に応じて、一時集積部6a〜6dの集積板21を下降すべき下降量を示し、集積される枚数毎に設定されている。
【0034】
次に制御部50は、記憶部52から紙幣の状態特性情報を読み出し、記憶部52に予め格納してある図12に示す金種別状態特性別一時集積部空間制御量テーブル62を参照し、紙幣の状態特性に応じた一時集積部の空間制御量(第2の制御量)を求める(ステップ9)。図12に示すように、紙幣の状態特性として紙幣の光の透過量、光の反射量および紙幣の厚さがあり、それぞれの状態特性について3段階のレベル(レベル1、レベル2、レベル3)が設定されており、それぞれのレベルについて、金種別に一時集積部空間制御量、即ち、一時集積部6a〜6dの集積板21を下降すべき下降量が設定されている。この金種別状態特性別一時集積部空間制御量テーブル62に設定される制御量で集積板21が制御されることにより、上記のそれぞれの紙幣の状態特性に応じた集積板21の下降制御を行うことができる。
【0035】
次に制御部50は、記憶部52から紙幣の枚数情報を読み出し、一時集積部への現在の集積枚数+1枚を集積枚数とし、その集積枚数について、図13に示す紙幣集積枚数毎の一時集積部空間制御補正量テーブル63を参照し、一時集積部6a〜6dの空間制御補正量を求める(ステップ10)。これは、一時集積部6a〜6dに集積される紙幣の枚数が所定の枚数になる毎に、ステップ8、ステップ9で求めた制御量の合計(第3の制御量)の値に応じて、一時集積部の空間制御量(第3の制御量)を補正するもので、図13に示す例においては、集積枚数が60枚になるまでは補正は無く、70枚以降に5枚毎に補正がなされる。
【0036】
次に制御部50は、記憶部52に格納されている図14に示す金種別状態特性結果使用可否テーブル64を参照し、上記の紙幣の状態特性情報を一時集積部空間制御に使用するか否かを金種別に判断する(ステップ11)。これは、紙幣の状態特性情報によっては一時集積部空間制御に使用しなくてもよい場合があり、その場合には状態特性情報を使用しないようにするためである。図14に示す例では、光の透過量については全金種で使用し、光の反射量では全金種で使用せず、紙幣の厚みについては5千円と千円で使用し、他の金種では使用しない。いずれかの状態特性情報を使用しない場合には、その状態特性における図12に示す一時集積部空間制御量はすべて「0」となる。
【0037】
次に制御部50は、ステップ8で求めた通過枚数毎の一時集積部空間制御量と、ステップ9、ステップ11で求めた状態特性別の一時集積部空間制御量と、ステップ10で求めた一時集積部空間制御補正量とを合計して、実際に集積板21の制御に使用する一時集積部空間制御量を求める(ステップ12)。
【0038】
実際に使用する一時集積部空間制御量が求められると、制御部50は、一時集積部6a〜6dの入口センサ53による進入紙幣の検出時点から、所定時間経過後に(ステップ13)、モータ駆動回路54を介してモータ55を駆動し、一時集積部6a〜6dの集積板21を、ステップ12で求めた一時集積部空間制御量分だけ下降させる(ステップ14)。これにより、一時集積部6a〜6dの集積板21の上部(既に紙幣が集積されている場合にはその紙幣の上部)の空間領域の広さが一定になるように制御される。所定時間経過後に集積板21を下降させるのは、集積される紙幣の状態に対して集積板21を下降するタイミングが最適になるようにするためである。即ち、紙幣が集積板21上に載置した直後に集積板21を下げるようにするためである。
【0039】
次に制御部50は、実際に動作させた一時集積部空間制御量を記憶部52に登録する(ステップ15)。その後は一時集積部6a〜6dの集積板21に紙幣が100枚集積されるまで上記のステップ4乃至ステップ15を繰り返す(ステップ16)。
【0040】
なおステップ12における実際に制御に使用する一時集積部空間制御量の算出は、上記の説明では紙幣1枚ごとに算出するとしているが、紙幣2枚ごと、あるいは5枚ごとに算出するようにしてもよい。複数枚毎に算出する場合には、紙幣1枚毎の一時集積部空間制御量を枚数分合計して求めることができる。
【0041】
図13に示す紙幣集積枚数毎の一時集積部空間制御補正量テーブル63は、図11に示す紙幣通過枚数毎の一時集積部空間制御量テーブル61の一時集積部空間制御量のみで集積板21を制御した場合には、即ち、図12に示す紙幣状態特性結果別一時集積部空間制御量テーブル62を参照した場合の制御量が「0」である場合には、制御量が「0」となるように設定されている。これにより、図14に示す金種別状態特性結果使用可否テーブル64におけるすべての状態特性結果を使用しないように設定することで、図11に示す紙幣通貨枚数毎の一時集積部空間制御量テーブル61の一時集積部空間制御量のみでの集積板21の制御が可能となる。
【0042】
また図14に示す金種別状態特性結果使用可否テーブル64は、金種別に異なる状態特性情報の使用可否を設定できるので、それぞれの金種で紙幣集積後の集積高さに最も影響を与える状態特性の情報を使用できるようになり、集積板21上における集積高さの精度を向上させることができる。
【0043】
以上のように第1の実施の形態によれば、一時集積部6a〜6dに集積される紙幣の計数と、紙幣集積後の集積高さに影響を与える紙幣の状態特性、即ち、光透過性、光反射量及び紙幣の厚みに応じた一時集積部6a〜6dの空間領域の制御を行うようにしたので、紙幣に折れやカール癖がついている場合でも、一時集積部6a〜6dの空間領域の大きさを常に一定に保つことができる。したがって一時集積部6a〜6dへ紙幣を安定して集積することができる。
【0044】
次に第2の実施の形態を説明する。第2の実施の形態は、一時集積部6a〜6dの進入入口にある入口センサ53で紙幣の通過を検出してから次の紙幣を検出するまでの時間を計測し、その計測時間に基づいて一時集積部6a〜6dの空間領域の広さの制御を行うようにしたものである。そのために第2の実施の形態では、図9に示す記憶部52には図15に示す紙幣間時間による一時集積部空間制御補正量テーブル65が格納されている。また制御部50には時間監視用のタイマが具備されている。その他の構成は第1の実施の形態と同様である。
【0045】
紙幣間時間による一時集積部空間制御補正量テーブル65は、一時集積部6a〜6dに紙幣が集積されている最中に次の紙幣が一時集積部6a〜6dに進入してきた場合、集積中の紙幣に後続の紙幣が衝突するのを防止するために、紙幣と後続の紙幣との間隔が短くなった場合に、一時集積部6a〜6dの空間を広くし、一時集積部6a〜6dへの紙幣の集積を安定して行えるようにするための制御補正量である。
【0046】
次に第2の実施の形態の動作を図16に示すフローチャートにしたがって説明する。図16において、ステップ21からステップ30までは第1の実施の形態のステップ1からステップ10までと同様である。ステップ27において一時集積部6a〜6dの入口センサ53により紙幣の進入を検出すると、検出した紙幣が1枚目の紙幣である場合、制御部50は紙幣間監視タイマを起動させる。検出した紙幣が2枚目以降の紙幣である場合には、制御部50は紙幣間監視タイマを停止させ、前の紙幣との紙幣間時間を計測する。制御部50は計測した時間に基づいて、図15に示す紙幣間時間による一時集積部空間制御補正量テーブル65を参照し、一時集積部空間制御補正量を求める(ステップ31)。
【0047】
その後、制御部50は、記憶部52に格納されている図14に示す金種別状態特性結果使用可否テーブル64を参照し、紙幣の状態特性情報を一時集積部空間制御に使用するか否かを金種別に判断した(ステップ32)後、ステップ28及びステップ29で求めた一時集積部空間制御量に、ステップ30及びステップ31で求めた一時集積部空間制御補正量を加算して、実際の動作に使用する一時集積部空間制御量を求める(ステップ33)。
【0048】
その後、制御部50は、一時集積部6a〜6dの入口センサ53による進入紙幣の検出時点から、所定時間経過後に(ステップ34)、図示しない駆動部により、一時集積部6a〜6dの集積板21を、ステップ33で求めた一時集積部空間制御量分だけ下降させる(ステップ35)。これにより、一時集積部6a〜6dの集積板21の上部の空間領域が一定になるように制御される。
【0049】
次に制御部50は、実際に動作させた一時集積部空間制御量を記憶部52に登録する(ステップ36)。その後、一時集積部6a〜6dの入口センサ53により次の紙幣の通過が検出されると(ステップ37)、紙幣間監視タイマを起動し、紙幣間時間を監視する(ステップ38)。一時集積部6a〜6dの集積板21に紙幣が100枚集積されるまで上記のステップ24乃至ステップ38を繰り返す(ステップ39)。
【0050】
以上のように第2の実施の形態によれば、紙幣の状態特性のみではなく、紙幣間の間隔を考慮し、紙幣と後続の紙幣との間隔が短くなった場合に、一時集積部6a〜6dの空間が広くなるように集積板21の制御を補正するようにしたので、集積中の紙幣に後続の紙幣が衝突するのを防止することができ、一時集積部6a〜6dへの紙幣の集積を安定して行えるようになる。
【0051】
上記各実施の形態では、媒体として紙幣を集積する例で説明したが、紙幣に限らず他の媒体、例えば、伝票や帳票等を集積する装置にも本発明は適用可能である。また上記各実施の形態では、紙幣の状態特性として光の透過性、光の反射量および紙幣の厚みを検出しているが、状態特性としては必ずしもこれらに限られない。さらに、紙幣の状態特性を検出するのは必ずしも鑑別部2である必要は無く、搬送路に配置されているセンサを利用してもよく、新たに専用のセンサを配置してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】第1の実施の形態を示す概略側面図である。
【図2】図1の上部の拡大図である。
【図3】第1の実施の形態の概観を示す斜視図である。
【図4】図3の一部拡大図である。
【図5】集積機構を示す斜視図である。
【図6】一時集積部を示す斜視図である。
【図7】移送機構を示す斜視図である。
【図8】紙幣結束機構を示す側面図である。
【図9】第1の実施の形態の制御系を示すブロック図である。
【図10】第1の実施の形態の動作を示すフローチャートである。
【図11】紙幣通過枚数毎の一時集積部空間制御量テーブルを示す説明図である。
【図12】金種別状態特性別一時集積部空間制御量テーブルを示す説明図である。
【図13】紙幣集積枚数毎の一時集積部空間制御補正量テーブルを示す説明図である。
【図14】金種別状態特性使用可否テーブルを示す説明図である。
【図15】紙幣間時間による一時集積部空間制御補正量テーブルを示す説明図である。
【図16】第2の実施の形態の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0053】
2 鑑別部
6 集積機構
6a〜6d 一時集積部
21 集積板
50 制御部
52 記憶部
【技術分野】
【0001】
本発明は、投入された媒体を搬送して集積板上に順次集積し、集積された媒体が多くなると集積板を移動させる媒体集積装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、銀行等の金融機関に設置される紙幣結束整理装置においては、装置に投入された紙幣を集積部まで1枚ずつ搬送して集積部に1枚ずつ集積し、所定の枚数が集積されると、結束して整理するようにしている。集積部は移動可能な集積板を具備し、搬送されてきた紙幣は1枚ずつ集積板上に集積される。集積板の上部に集積高さセンサを設け、集積板上の紙幣の枚数が多くなったことが集積高さセンサにより検出されると、集積板を移動させて集積紙幣の上部スペースを空け、以降に搬送されてくる紙幣を更に集積可能にしている。
【0003】
このような集積部を有する装置として、例えば、特開2002−197509号公報に開示するものが挙げられる。
【特許文献1】特開2002−197509号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら従来行われている集積部の制御(集積板の移動制御)では、紙幣に折れやカールがある場合、折れやカールのある紙幣が集積時に膨らむので、枚数の割には集積された紙幣の高さが高くなり、集積された紙幣が所定の枚数に達していないのに集積高さセンサが所定の枚数の集積高さとして検出する場合があった。そのため集積部の上部のスペースを一定にする制御が安定してできないという問題があった。
【0005】
そこで本発明は、媒体に折れやカールがある場合でも集積を安定して行うことができる媒体集積装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために本発明は、投入された媒体を搬送して集積板上に順次集積し、集積された媒体が多くなると集積板を移動させる媒体集積装置において、搬送される媒体を計数する計数手段と、各媒体に対して状態特性を検出する状態特性検出手段と、前記計数手段の計数結果及び前記状態検出手段の検出結果に応じて前記集積板の移動制御を行う制御手段とを設けたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、計数手段の計数結果と状態特性検出手段の検出結果に応じて集積板の移動を制御するようにしたので、媒体の折れやカールがある場合でもそうした状態特性に応じた制御ができ、安定した制御が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態を図面にしたがって説明する。各図面に共通する要素には同一の符号を付す。図1は第1の実施の形態の紙幣整理装置の内部構造を示す概略側面図、図2は図1の上部の拡大図、図3は第1の実施の形態の紙幣整理装置の外観を示す斜視図、図4は図3の一部分拡大平面図である。以下に説明する実施の形態では媒体集積装置として紙幣整理装置を例にして説明する。
【0009】
図において1は紙幣の投入部で、装置正面の上部に設けられている。2は紙幣の真偽、金種、正損、表裏等の鑑別、及び計数を行うと共に、搬送異常の検出を行う鑑別部で、装置内に設けられている。鑑別部2は紙幣の光の透過性、光の反射量および紙幣の厚みを検出する機能を有している。3は紙幣の搬送路で、この搬送路3については後で説明する。4は紙幣の表裏反転を行う表裏反転部で、装置内の鑑別部2の後段に位置するように設けられている。
【0010】
5は結束対象外の金種の紙幣を集積するオープンポケットで、装置の上面に設けられており、このオープンポケット5に集積された紙幣はオペレータが直接アクセスできるものとなっている。6は集積機構で、本実施の形態においてこの集積機構6には縦1列に4つの一時集積部6a〜6dが並べて装置内に設けられており、各一時集積部6a〜6dにそれぞれ予め定められた枚数、例えば本実施の形態では100枚の紙幣が集積できるようになっている。尚、一時集積部の数は4つに限られない。
【0011】
7は前記投入部1の一側に設けられた操作部で、この操作部7には図4に示すように、紙幣の計数を指示する計数開始ボタン7a、装置の障害復旧時に装置を再稼働させるためのリセットボタン7b、計数及び結束処理の完了を指示する完了ボタン7cが設けられている。8は鑑別部2で金種不明と鑑別されたりあるいは搬送異常が検知されたリジェクト紙幣を集積するリジェクトポケットで、前記投入部1の上方に設けられており、このリジェクトポケット8に集積された紙幣にオペレータが直接アクセスできるものとなっている。9は移送機構、10は紙幣結束機構で、両者とも装置内に設けられており、この両者については後で説明する。
【0012】
11は紙幣束の放出口、12は装置正面に設けられた扉で、この扉12を開けることでオペレータは集積機構にアクセスできるものなっている。13は装置上面においてオープンポケット5の後方に位置するように設けられた操作表示部で、LCDとその表面に配置したタッチパネルによって構成されており、オペレータはこの操作表示部13を操作してモードの指定や、一時集積部6a〜6dに集積する紙幣に金種、集積順序等の設定を行うものとなっている。また、この操作表示部13には鑑別部2で鑑別された紙幣の金種や正損及び計数結果等の表示も行われる。
【0013】
ここで搬送路3について説明する。装置内の上部において搬送路3は図2に示したように3a〜3eから成り、搬送路3aは投入部1から鑑別部3を経て分岐点Aにいたるように設けられ、搬送路3bは分岐点Aからリジェクトポケットにいたるように設けられている。また、搬送路3cは分岐点Aから表裏反転部4を経て分岐点Bにいたるように設けられており、そして搬送路3dは分岐点Bから図1に示したように装置の下部に伸びて集積機構6の一時集積部6a〜6dに沿うように設けられ、更に搬送路3eは分岐点Bからオープンポケット5にいたるように設けられている。尚、分岐点A、Bのそれぞれの近傍には紙幣の搬送方向を切替える図示しない切替えブレードが設けられ、後述する制御部により動作制御されるものとなっている。
【0014】
図5は集積機構6の側面図である。集積機構6には、前記のように4つの一時集積部6a〜6dが上下方向に並べて配置されており、これらの一時集積部6a〜6dは同一の構造を有しているので、以下に一時集積部6aを例に取って説明する。搬送路3dにより搬送されてきた紙幣は、一時集積部6aの振り分けゲート27により集積板21に向かって取り込まれ、これにより一時集積部6aに進入した紙幣は叩き車20により後部が叩かれて集積板21の上に集積されるものとなっている。また、以降進入してくる紙幣に関しては、同様の動作で集積板21上に集積した紙幣の上に集積される。
【0015】
図6は一時集積部6aの詳細を示す斜視図である。一時集積部6aに進入した紙幣は、前記叩き車20により叩かれるだけでなく、一時集積部6aの一側に設けられた長手整位手段22により長手方向の位置が揃えられ、更に一時集積部6aの前端側に設けられた短手整位手段23により短手方向の位置が揃えられる。
【0016】
ここで、長手整位機構22は正逆両方向への回転が可能なモータ22aと、このモータに連結部材22bを介して連結された棒あるいは板状等の整位部材22cを備え、進入してくる紙幣を検知する図示しない進入センサの検知信号にタイミングをとってモータ22aにより整位部材22cを回動させることにより、紙幣を反対側に設置された基準面25に押しつけることで整位するものとなっている。また、短手整位機構23は、図示しないトーションスプリング等の付勢手段によって付勢された棒状部材により構成され、集積された紙幣を進入口側に付勢することにより整位するものとなっている。
【0017】
集積板21の上方には押さえ板24が対向するように設けられ、この押さえ板24は集積板21上への紙幣の集積中は一時集積部6aの上端に待機しており、順次取り込まれる紙幣の進入の邪魔にならないようになっている。一時集積部6aの集積板21上に予め定められた枚数の紙幣、例えば100枚の紙幣が集積されると、ゲート振り分け機構27が紙幣を取り込まない姿勢に動作され、101枚目以降の紙幣はその他の一時集積部6b〜6dのいずれかへ集積するように制御される。
【0018】
紙幣の進入が停止した一時集積部6aでは集積板21を上昇させ、押さえ板24を下降させることにより集積紙幣を挟持する。この動作により皺等の紙幣の状態によって集積高さの異なる紙幣の厚みを一定にし、移動機構9への受渡しを容易にするようになっている。集積板21と押さえ板24により挟持された紙幣は、後述する移動機構9のハンド部が短手整位機構23側から一時集積部6aに進入して引き抜かれるようになっている。尚、一時集積部6b〜6dも一時集積部6aと同様の構造になっているので、一時集積部6aと同様に紙幣を整位、集積、挟持することが可能である。
【0019】
図7は移送機構9を示す斜視図である。この移送機構9は、紙幣クランプ部30、クランプ部移動手段31、上下動手段32を備えている。紙幣クランプ部30は上下方向に開閉するクランプ爪35a、35bを有し、この紙幣クランプ部30はクランプ部移動手段31上に搭載されていて、一時集積部6a〜6dからクランプ爪35a、35bで紙幣をクランプして引き抜くときは、クランプ部移動手段31がクランプ部30を一時集積部6a〜6dに対して押し出し、100枚の紙幣をクランプできる位置まで移動させるようになっている。
【0020】
クランプ部30とクランプ部移動手段31は上下動手段32により一時集積部6aから6dの間を一体に上昇及び下降し、紙幣100枚の集積が完了した一時集積部6a〜6dのいずれか1つの前で停止するように制御されるものとなっている。そのため、上下動手段32のフレームには、一時集積部6a〜6dのそれぞれの位置に対応してポジションセンサ33a〜33dが配設されており、例えば、一時集積部6aに集積された紙幣を抜き取るときは、ポジションセンサ33aの位置まで上下動手段32によりクランプ部移動手段31が引き上げられる。引き上げられたクランプ部移動機構31は、クランプ部30が紙幣を一時集積部6aから抜き取る間、この位置に固定する必要があるので、ポジションセンサ33aで停止した位置で回転可能なストッパカム34がクランプ部移動手段31に係止して落下を防止するようになっている。
【0021】
この移送機構9の一連の動作を説明すると、例えば一時集積部6aに集積された紙幣を引き抜く場合、まず上下動手段32により紙幣クランプ部30をクランプ部移動機構31と共にポジションセンサ33aの位置まで上昇させ、ポジションセンサ33aがクランプ部移動機構31を検知した位置で上昇を停止させると同時にストッパカム34を回転させてクランプ部移動手段31に係止させる。これによってクランプ部移動手段31を一時集積部6aと対向する位置に固定し、この状態でクランプ移動機構31により紙幣クランプ部30のクランプ爪35a、35bを上下方向に開いて100枚の紙幣をクランプする準備を行い、更にクランプ移動機構31により紙幣クランプ部30を一時集積部6aの方向に押し出す。
【0022】
押し出された紙幣クランプ部30のクランプ爪35a、35bは、一時集積部6aの短手整位機構23側に設けられている開口部に挿入され、集積板21と押さえ板24により挟持されている紙幣を上下から挟みつけて把持する。次に、集積板21と押さえ板24を開くことで、両者による紙幣の挟持を解除すると、これにより100枚の紙幣が紙幣クランプ部30に渡されたことになるので、クランプ爪35a、35bで紙幣を把持した紙幣クランプ部30をクランプ部移動手段31により引き戻す。
【0023】
このときクランプ爪35a、35bに把持された紙幣は一時集積部6aの短手整位機構23に当たるが、そのまま紙幣クランプ部30を引き戻すと短手整位機構23は紙幣の押圧力により付勢手段に抗して整位方向と逆の方向に倒れ、これにより紙幣は一時集積部6aからスムーズに抜き取られる。そして、紙幣クランプ部30が元の位置まで引き戻されると、クランプ部移動手段31に係止してストッパカム34が回転してその係止が解除され、紙幣を把持した紙幣クランプ部30と共にクランプ移動手段31が上下動手段32により移動経路の最下端に位置する紙幣結束機構10まで移動し、紙幣クランプ部30のクランプ爪35a、35bに把持された紙幣が紙幣結束機構10に引き渡される。
【0024】
図8は紙幣結束機構10の側面図である。この紙幣結束機構10は、ローラ及びベルト等から成る搬送手段40と、紙テープ等による結束用のテープ41と、印字手段42と、テープ41を供給するテープ供給手段43と、テープ41を所定の長さに切断するカッター44と、図示しない結束手段を備えており、以下のように紙幣を結束する。
【0025】
まず、搬送路10が移送機構9の紙幣クランプ部30から100枚の紙幣を一括して受け取り、結束位置に搬送する。テープ供給手段43はテープ41を前記結束手段に供給し、その際、印字手段42はテープ41に結束する紙幣の金種等をインクリボンを介して印字する。印字されたテープ41は所定の長さにカッター44で切断され、この切断されたテープを結束手段が結束位置に搬送された100枚の紙幣に巻き掛けて結束することにより紙幣束を作る。こうして作られた紙幣束は更に搬送手段40により搬送され、放出口11に送られる。
【0026】
図9は紙幣の計数及び状態特性の検出、および一時集積部の制御に係わる制御系のブロック図である。図9において、50は本紙幣整理装置全体の動作処理制御を行う制御部、51a〜51dはカウンタで、このカウンタ51a〜51dは一時集積部6a〜6dに1対1で対応し、例えば一時集積部6aに集積された紙幣の枚数はカウンタ51aにカウントされ、同様に一時集積部6bに集積された紙幣の枚数はカウンタ51b、一時集積部6cに集積された紙幣の枚数はカウンタ51c、一時集積部6dに集積された紙幣の枚数はカウンタ51dにカウントされる。
【0027】
52は記憶部で、一時集積部6a〜6dに集積される紙幣の金種や、計数された金種毎の紙幣の枚数等を記憶するものである。記憶部52には一時集積部6a〜6dにおける後述する空間制御量テーブル、空間制御補正量テーブル、鑑別結果使用可否テーブル等が格納されている。
【0028】
また制御部50には鑑別部2、入口センサ53およびモータ駆動回路54が接続されており、制御部50はこれらを制御する。鑑別部2は上述のように紙幣の真偽、金種、正損、表裏等の鑑別、及び計数を行うと共に、搬送異常の検出を行い、さらに紙幣の光の透過性、光の反射量および紙幣の厚みを検出し、これらの検出結果を制御部50へ送る。入口センサ53は一時集積部6a〜6dの紙幣進入口に配設されるもので、紙幣の一時集積部6a〜6dへの進入を検出する。モータ駆動回路54は、一時集積部6a〜6dの集積板21を上下動させるためのモータ55を駆動するものである。
【0029】
次に第1の実施の形態の動作を図10に示すフローチャートにしたがって説明する。図10は一時集積部の上部の空間を一定の広さに制御する動作を示すフローチャートであり、ここでは投入された紙幣の計数を行い、その後の一時集積部6a〜6dへの紙幣の集積動作に伴う集積紙幣上部の空間を常に一定の広さに制御する動作を説明する。
【0030】
まず装置に電源が投入されると、図3に示す操作表示部13に初期画面が表示され、この初期画面の表示モードを操作者が指で押下して選択する。ここで操作者は、万円、5千円、千円の3金種の指定金種結束モードを選択し、投入口1に紙幣を投入する(ステップ1)。この場合、投入される紙幣は万円、5千円、千円の複数の金種が混在している。次に操作者は、図4に示す計数開始ボタン7aを押下する(ステップ2)。制御部50はモードの選択と計数開始ボタン7aの押下を検出すると、投入された紙幣を1枚ずつ分離して搬送路3aに繰出す(ステップ3)。
【0031】
繰出された紙幣は搬送路3aを搬送され、鑑別部2へ送られる。鑑別部2で図示しないセンサにより、紙幣の真偽、金種、表裏、正損の鑑別に加えて、紙幣における光の透過量、光の反射量および紙幣の厚みの紙幣の状態特性が検出され、さらに紙幣の計数および搬送異常の有無の検出が行われる(ステップ4)。これらの鑑別結果情報、状態特性情報、計数情報および搬送異常情報は鑑別部2から制御部50へ送られる(ステップ5)。
【0032】
制御部50は、鑑別部2から受け取った情報を紙幣1枚ごとに記憶部52に登録し、鑑別の結果、真券で万円、5千円、千円のいずれかであると判定された紙幣の場合は、図2に示す搬送路3c、3dに沿って配置された図示しない複数のセンサにより鑑別部2から出た紙幣を追跡しながら集積機構6の一時集積部6a〜6dまで搬送する(ステップ6)。
【0033】
制御部50は、一時集積部6a〜6dに設けてある入口センサ53により紙幣の到来を検出すると(ステップ7)、記憶部52に予め格納してある図11に示す紙幣通過枚数毎の一時集積部空間制御量テーブル61を参照し、紙幣通過枚数毎の一時集積部空間制御量(第1の制御量)を求める(ステップ8)。図11に示す紙幣通過枚数毎の一時集積部空間制御量は、一時集積部6a〜6dに集積される紙幣の枚数に応じて、一時集積部6a〜6dの集積板21を下降すべき下降量を示し、集積される枚数毎に設定されている。
【0034】
次に制御部50は、記憶部52から紙幣の状態特性情報を読み出し、記憶部52に予め格納してある図12に示す金種別状態特性別一時集積部空間制御量テーブル62を参照し、紙幣の状態特性に応じた一時集積部の空間制御量(第2の制御量)を求める(ステップ9)。図12に示すように、紙幣の状態特性として紙幣の光の透過量、光の反射量および紙幣の厚さがあり、それぞれの状態特性について3段階のレベル(レベル1、レベル2、レベル3)が設定されており、それぞれのレベルについて、金種別に一時集積部空間制御量、即ち、一時集積部6a〜6dの集積板21を下降すべき下降量が設定されている。この金種別状態特性別一時集積部空間制御量テーブル62に設定される制御量で集積板21が制御されることにより、上記のそれぞれの紙幣の状態特性に応じた集積板21の下降制御を行うことができる。
【0035】
次に制御部50は、記憶部52から紙幣の枚数情報を読み出し、一時集積部への現在の集積枚数+1枚を集積枚数とし、その集積枚数について、図13に示す紙幣集積枚数毎の一時集積部空間制御補正量テーブル63を参照し、一時集積部6a〜6dの空間制御補正量を求める(ステップ10)。これは、一時集積部6a〜6dに集積される紙幣の枚数が所定の枚数になる毎に、ステップ8、ステップ9で求めた制御量の合計(第3の制御量)の値に応じて、一時集積部の空間制御量(第3の制御量)を補正するもので、図13に示す例においては、集積枚数が60枚になるまでは補正は無く、70枚以降に5枚毎に補正がなされる。
【0036】
次に制御部50は、記憶部52に格納されている図14に示す金種別状態特性結果使用可否テーブル64を参照し、上記の紙幣の状態特性情報を一時集積部空間制御に使用するか否かを金種別に判断する(ステップ11)。これは、紙幣の状態特性情報によっては一時集積部空間制御に使用しなくてもよい場合があり、その場合には状態特性情報を使用しないようにするためである。図14に示す例では、光の透過量については全金種で使用し、光の反射量では全金種で使用せず、紙幣の厚みについては5千円と千円で使用し、他の金種では使用しない。いずれかの状態特性情報を使用しない場合には、その状態特性における図12に示す一時集積部空間制御量はすべて「0」となる。
【0037】
次に制御部50は、ステップ8で求めた通過枚数毎の一時集積部空間制御量と、ステップ9、ステップ11で求めた状態特性別の一時集積部空間制御量と、ステップ10で求めた一時集積部空間制御補正量とを合計して、実際に集積板21の制御に使用する一時集積部空間制御量を求める(ステップ12)。
【0038】
実際に使用する一時集積部空間制御量が求められると、制御部50は、一時集積部6a〜6dの入口センサ53による進入紙幣の検出時点から、所定時間経過後に(ステップ13)、モータ駆動回路54を介してモータ55を駆動し、一時集積部6a〜6dの集積板21を、ステップ12で求めた一時集積部空間制御量分だけ下降させる(ステップ14)。これにより、一時集積部6a〜6dの集積板21の上部(既に紙幣が集積されている場合にはその紙幣の上部)の空間領域の広さが一定になるように制御される。所定時間経過後に集積板21を下降させるのは、集積される紙幣の状態に対して集積板21を下降するタイミングが最適になるようにするためである。即ち、紙幣が集積板21上に載置した直後に集積板21を下げるようにするためである。
【0039】
次に制御部50は、実際に動作させた一時集積部空間制御量を記憶部52に登録する(ステップ15)。その後は一時集積部6a〜6dの集積板21に紙幣が100枚集積されるまで上記のステップ4乃至ステップ15を繰り返す(ステップ16)。
【0040】
なおステップ12における実際に制御に使用する一時集積部空間制御量の算出は、上記の説明では紙幣1枚ごとに算出するとしているが、紙幣2枚ごと、あるいは5枚ごとに算出するようにしてもよい。複数枚毎に算出する場合には、紙幣1枚毎の一時集積部空間制御量を枚数分合計して求めることができる。
【0041】
図13に示す紙幣集積枚数毎の一時集積部空間制御補正量テーブル63は、図11に示す紙幣通過枚数毎の一時集積部空間制御量テーブル61の一時集積部空間制御量のみで集積板21を制御した場合には、即ち、図12に示す紙幣状態特性結果別一時集積部空間制御量テーブル62を参照した場合の制御量が「0」である場合には、制御量が「0」となるように設定されている。これにより、図14に示す金種別状態特性結果使用可否テーブル64におけるすべての状態特性結果を使用しないように設定することで、図11に示す紙幣通貨枚数毎の一時集積部空間制御量テーブル61の一時集積部空間制御量のみでの集積板21の制御が可能となる。
【0042】
また図14に示す金種別状態特性結果使用可否テーブル64は、金種別に異なる状態特性情報の使用可否を設定できるので、それぞれの金種で紙幣集積後の集積高さに最も影響を与える状態特性の情報を使用できるようになり、集積板21上における集積高さの精度を向上させることができる。
【0043】
以上のように第1の実施の形態によれば、一時集積部6a〜6dに集積される紙幣の計数と、紙幣集積後の集積高さに影響を与える紙幣の状態特性、即ち、光透過性、光反射量及び紙幣の厚みに応じた一時集積部6a〜6dの空間領域の制御を行うようにしたので、紙幣に折れやカール癖がついている場合でも、一時集積部6a〜6dの空間領域の大きさを常に一定に保つことができる。したがって一時集積部6a〜6dへ紙幣を安定して集積することができる。
【0044】
次に第2の実施の形態を説明する。第2の実施の形態は、一時集積部6a〜6dの進入入口にある入口センサ53で紙幣の通過を検出してから次の紙幣を検出するまでの時間を計測し、その計測時間に基づいて一時集積部6a〜6dの空間領域の広さの制御を行うようにしたものである。そのために第2の実施の形態では、図9に示す記憶部52には図15に示す紙幣間時間による一時集積部空間制御補正量テーブル65が格納されている。また制御部50には時間監視用のタイマが具備されている。その他の構成は第1の実施の形態と同様である。
【0045】
紙幣間時間による一時集積部空間制御補正量テーブル65は、一時集積部6a〜6dに紙幣が集積されている最中に次の紙幣が一時集積部6a〜6dに進入してきた場合、集積中の紙幣に後続の紙幣が衝突するのを防止するために、紙幣と後続の紙幣との間隔が短くなった場合に、一時集積部6a〜6dの空間を広くし、一時集積部6a〜6dへの紙幣の集積を安定して行えるようにするための制御補正量である。
【0046】
次に第2の実施の形態の動作を図16に示すフローチャートにしたがって説明する。図16において、ステップ21からステップ30までは第1の実施の形態のステップ1からステップ10までと同様である。ステップ27において一時集積部6a〜6dの入口センサ53により紙幣の進入を検出すると、検出した紙幣が1枚目の紙幣である場合、制御部50は紙幣間監視タイマを起動させる。検出した紙幣が2枚目以降の紙幣である場合には、制御部50は紙幣間監視タイマを停止させ、前の紙幣との紙幣間時間を計測する。制御部50は計測した時間に基づいて、図15に示す紙幣間時間による一時集積部空間制御補正量テーブル65を参照し、一時集積部空間制御補正量を求める(ステップ31)。
【0047】
その後、制御部50は、記憶部52に格納されている図14に示す金種別状態特性結果使用可否テーブル64を参照し、紙幣の状態特性情報を一時集積部空間制御に使用するか否かを金種別に判断した(ステップ32)後、ステップ28及びステップ29で求めた一時集積部空間制御量に、ステップ30及びステップ31で求めた一時集積部空間制御補正量を加算して、実際の動作に使用する一時集積部空間制御量を求める(ステップ33)。
【0048】
その後、制御部50は、一時集積部6a〜6dの入口センサ53による進入紙幣の検出時点から、所定時間経過後に(ステップ34)、図示しない駆動部により、一時集積部6a〜6dの集積板21を、ステップ33で求めた一時集積部空間制御量分だけ下降させる(ステップ35)。これにより、一時集積部6a〜6dの集積板21の上部の空間領域が一定になるように制御される。
【0049】
次に制御部50は、実際に動作させた一時集積部空間制御量を記憶部52に登録する(ステップ36)。その後、一時集積部6a〜6dの入口センサ53により次の紙幣の通過が検出されると(ステップ37)、紙幣間監視タイマを起動し、紙幣間時間を監視する(ステップ38)。一時集積部6a〜6dの集積板21に紙幣が100枚集積されるまで上記のステップ24乃至ステップ38を繰り返す(ステップ39)。
【0050】
以上のように第2の実施の形態によれば、紙幣の状態特性のみではなく、紙幣間の間隔を考慮し、紙幣と後続の紙幣との間隔が短くなった場合に、一時集積部6a〜6dの空間が広くなるように集積板21の制御を補正するようにしたので、集積中の紙幣に後続の紙幣が衝突するのを防止することができ、一時集積部6a〜6dへの紙幣の集積を安定して行えるようになる。
【0051】
上記各実施の形態では、媒体として紙幣を集積する例で説明したが、紙幣に限らず他の媒体、例えば、伝票や帳票等を集積する装置にも本発明は適用可能である。また上記各実施の形態では、紙幣の状態特性として光の透過性、光の反射量および紙幣の厚みを検出しているが、状態特性としては必ずしもこれらに限られない。さらに、紙幣の状態特性を検出するのは必ずしも鑑別部2である必要は無く、搬送路に配置されているセンサを利用してもよく、新たに専用のセンサを配置してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】第1の実施の形態を示す概略側面図である。
【図2】図1の上部の拡大図である。
【図3】第1の実施の形態の概観を示す斜視図である。
【図4】図3の一部拡大図である。
【図5】集積機構を示す斜視図である。
【図6】一時集積部を示す斜視図である。
【図7】移送機構を示す斜視図である。
【図8】紙幣結束機構を示す側面図である。
【図9】第1の実施の形態の制御系を示すブロック図である。
【図10】第1の実施の形態の動作を示すフローチャートである。
【図11】紙幣通過枚数毎の一時集積部空間制御量テーブルを示す説明図である。
【図12】金種別状態特性別一時集積部空間制御量テーブルを示す説明図である。
【図13】紙幣集積枚数毎の一時集積部空間制御補正量テーブルを示す説明図である。
【図14】金種別状態特性使用可否テーブルを示す説明図である。
【図15】紙幣間時間による一時集積部空間制御補正量テーブルを示す説明図である。
【図16】第2の実施の形態の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0053】
2 鑑別部
6 集積機構
6a〜6d 一時集積部
21 集積板
50 制御部
52 記憶部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
投入された媒体を搬送して集積板上に順次集積し、集積された媒体が多くなると集積板を移動させる媒体集積装置において、
搬送される媒体を計数する計数手段と、
各媒体に対して状態特性を検出する状態特性検出手段と、
前記計数手段の計数結果及び前記状態検出手段の検出結果に応じて前記集積板の移動制御を行う制御手段とを設けたことを特徴とする媒体集積装置。
【請求項2】
前記状態特性検出手段は媒体の光の透過性を検出する請求項1記載の媒体集積装置。
【請求項3】
前記状態特性検出手段は媒体の光の反射量を検出する請求項1記載の媒体集積装置。
【請求項4】
前記状態特性検出手段は媒体の厚みを検出する請求項1記載の媒体集積装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記計数手段により計数した枚数に応じて前記集積板を制御するための第1の制御量を算出するとともに、前記状態特性検出手段により検出した媒体の状態特性に応じて前記集積板を制御するための第2の制御量を算出し、さらに前記第1の制御量と前記第2の制御量を合計した第3の制御量を算出する請求項1記載の媒体集積装置。
【請求項6】
前記第2の制御量は、複数の状態特性に応じて算出された各々の制御量の合計から構成される請求項5記載の媒体集積装置。
【請求項7】
前記各状態特性に応じた制御量は媒体の種類により異なる請求項5または6記載の媒体集積装置。
【請求項8】
前記計数手段による媒体の計数結果が所定枚数に達するごとに、前記第3の制御量を補正する請求項5または6記載の媒体集積装置。
【請求項9】
前記制御手段により行われる前記第3の制御量の補正量は、該第3の制御量の大きさにより異なる請求項8記載の媒体集積装置。
【請求項10】
搬送される媒体間の時間に応じて前記第3の制御量を補正する請求項5または6記載の媒体集積装置。
【請求項11】
前記第2の制御量は、媒体の種類により使用可否の設定が可能である請求項8記載の媒体集積装置。
【請求項12】
前記第2の制御量は複数の状態特性の各々について、媒体の種類により使用可否の設定が可能である請求項11記載の媒体集積装置。
【請求項13】
前記第2の制御量を使用否とした場合、前記第3の制御量に対する補正量はゼロである請求項11または12記載の媒体集積装置。
【請求項1】
投入された媒体を搬送して集積板上に順次集積し、集積された媒体が多くなると集積板を移動させる媒体集積装置において、
搬送される媒体を計数する計数手段と、
各媒体に対して状態特性を検出する状態特性検出手段と、
前記計数手段の計数結果及び前記状態検出手段の検出結果に応じて前記集積板の移動制御を行う制御手段とを設けたことを特徴とする媒体集積装置。
【請求項2】
前記状態特性検出手段は媒体の光の透過性を検出する請求項1記載の媒体集積装置。
【請求項3】
前記状態特性検出手段は媒体の光の反射量を検出する請求項1記載の媒体集積装置。
【請求項4】
前記状態特性検出手段は媒体の厚みを検出する請求項1記載の媒体集積装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記計数手段により計数した枚数に応じて前記集積板を制御するための第1の制御量を算出するとともに、前記状態特性検出手段により検出した媒体の状態特性に応じて前記集積板を制御するための第2の制御量を算出し、さらに前記第1の制御量と前記第2の制御量を合計した第3の制御量を算出する請求項1記載の媒体集積装置。
【請求項6】
前記第2の制御量は、複数の状態特性に応じて算出された各々の制御量の合計から構成される請求項5記載の媒体集積装置。
【請求項7】
前記各状態特性に応じた制御量は媒体の種類により異なる請求項5または6記載の媒体集積装置。
【請求項8】
前記計数手段による媒体の計数結果が所定枚数に達するごとに、前記第3の制御量を補正する請求項5または6記載の媒体集積装置。
【請求項9】
前記制御手段により行われる前記第3の制御量の補正量は、該第3の制御量の大きさにより異なる請求項8記載の媒体集積装置。
【請求項10】
搬送される媒体間の時間に応じて前記第3の制御量を補正する請求項5または6記載の媒体集積装置。
【請求項11】
前記第2の制御量は、媒体の種類により使用可否の設定が可能である請求項8記載の媒体集積装置。
【請求項12】
前記第2の制御量は複数の状態特性の各々について、媒体の種類により使用可否の設定が可能である請求項11記載の媒体集積装置。
【請求項13】
前記第2の制御量を使用否とした場合、前記第3の制御量に対する補正量はゼロである請求項11または12記載の媒体集積装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2007−302418(P2007−302418A)
【公開日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−132887(P2006−132887)
【出願日】平成18年5月11日(2006.5.11)
【出願人】(000000295)沖電気工業株式会社 (6,645)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年5月11日(2006.5.11)
【出願人】(000000295)沖電気工業株式会社 (6,645)
【Fターム(参考)】
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