説明

嫌気性硬化性組成物のための硬化成分として有用な新規付加物

本発明は、嫌気性硬化性組成物のための硬化成分として有用な新規ポリマー結合付加物に関する。組成物は、特に接着剤およびシーラント剤として有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、嫌気性硬化性組成物のための硬化成分として有用な新規付加物に関する。組成物は、特に接着剤およびシーラント剤として有用である。
【背景技術】
【0002】
嫌気性接着剤組成物は、一般によく知られている。例えば、R.D.Rich、「Anaerobic Adhesives」、Handbook of Adhesive Technology、29巻、467〜79ページ、A.PizziおよびK.L.Mittal編、Marcel Dekker,Inc.、ニューヨーク(1994年)、ならびにそこに引用されている参考文献を参照のこと。これらの使用は非常に多く、新しい用途の開発が継続されている。
【0003】
通常の嫌気性接着剤は、通常、ラジカル重合性アクリル酸エステルモノマーをペルオキシ開始剤および阻害剤成分と共に含む。しばしば、このような嫌気性接着剤組成物は、組成物が硬化する速度を上げるための促進剤成分も含有する。
【0004】
硬化を誘導および促進するための望ましい嫌気性硬化誘導組成物は、サッカリン、N,N−ジエチル−p−トルイジン(「DE−p−T」)やN,N−ジメチル−o−トルイジン(「DM−o−T」)などのトルイジン、アセチルフェニルヒドラジン(「APH」)、マレイン酸、およびナフタキノンやアントラキノンなどのキノンのうちの1種または複数を含むことができる。例えば、米国特許第3,218,305号(Krieble)、第4,180,640号(Melody)、第4,287,330号(Rich)、および第4,321,349号(Rich)を参照のこと。
【0005】
サッカリンおよびAPHは、嫌気性接着剤硬化系の標準的な硬化促進剤成分として使用される。Henkel Corporationから現在入手可能なLOCTITEブランドの嫌気性接着剤製品は、その嫌気性接着剤の大部分で、サッカリン単独、またはサッカリンとAPHの両方を使用する。しかし、これらの成分は、世界のいくつかの地域で規制精査されるようになり、したがって代替物としての候補を特定するための試みがなされた。
【0006】
嫌気性接着剤のための他の硬化剤の例としては、チオカプロラクタム(例えば、米国特許第5,411,988号)およびチオ尿素[例えば、米国特許第3,970,505号(Hauser)(テトラメチルチオ尿素)、独国特許第1 817 989号(アルキルチオ尿素およびN,N’−ジシクロヘキシルチオ尿素)および第2 806 701号(エチレンチオ尿素)、ならびに日本特許文献JP07−308,757(アシル、アルキル、アルキリデン、アルキレンおよびアルキルチオ尿素)]が挙げられ、後者のいくつかは約20年前まで商業的に使用されていた。
【0007】
Loctite(R&D)Ltd.は、嫌気性接着剤組成物の硬化剤として有効な材料の新しいクラスであるトリチアジアザペンタレンを発見した。これらの材料を通常の硬化剤(APHなど)の代替物として嫌気性接着剤に添加すると、驚くべきことにそれから生成された反応生成物に少なくとも類似の硬化速度および物理的諸特性が付与される。[米国特許第6,583,289号(McArdle)を参照のこと。]
【0008】
米国特許第6,835,762号(Klemarczyk)は、嫌気性硬化性組成物を提供する。組成物は、(メタ)アクリレート成分と、アセチルフェニルヒドラジンおよびマレイン酸を実質的に含まない嫌気性硬化誘導組成物と、−C(=O)−NH−NH−結合および有機酸基を同じ分子上に有する嫌気性硬化促進剤化合物とをベースとする。ただし、嫌気性硬化促進剤化合物は、1−(2−カルボキシアクリロイル)−2−フェニルヒドラジンを除くことを条件とする。嫌気性硬化促進剤は、下記:
【0009】
【化1】

[式中、R〜Rはそれぞれ独立に、水素およびC〜Cから選択され、Zは、炭素−炭素単結合または炭素−炭素二重結合であり、qは0または1であり、pは1〜5の整数である]に包含され、その例は、3−カルボキシアクリロイルフェニルヒドラジン、メチル−3−カルボキシアクリロイルフェニルヒドラジン、3−カルボキシプロパノイルフェニルヒドラジン、およびメチレン−3−カルボキシプロパノイルフェニルヒドラジンである。
【0010】
米国特許第6,897,277号(Klemarczyk)は、嫌気性硬化性組成物を提供する。この組成物は、(メタ)アクリレート成分と、サッカリンを実質的に含まない嫌気性硬化誘導組成物と、次の構造内の嫌気性硬化促進剤化合物
【0011】
【化2】

[式中、Rは、水素、ハロゲン、アルキル、アルケニル、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシアルケニル、カルボキシル、およびスルホナトから選択され、Rは、水素、アルキル、アルケニル、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシアルケニル、およびアラルキルから選択され、その例は、フェニルグリシンおよびN−メチルフェニルグリシンである]とをベースとする。
【0012】
米国特許第6,958,368号(Messana)は、嫌気性硬化性組成物を提供する。この組成物は、(メタ)アクリレート成分と、サッカリンを実質的に含まない、次の構造内の嫌気性硬化誘導組成物
【0013】
【化3】

[式中、Yは、5箇所までがC1〜6アルキルもしくはアルコキシ、またはハロ基で場合によっては置換されていてもよい芳香族環であり、Aは、C=O、S=O、またはO=S=Oであり、Xは、NH、O、またはSであり、Zは、5箇所までがC1〜6アルキルもしくはアルコキシ、またはハロ基で場合によっては置換されていてもよい芳香族環であり、あるいはYとZは一緒になって、同じ芳香族環または芳香族環系に結合してもよい。ただし、XがNHであるとき、構造からo−安息香酸スルフィミドは除かれることを条件とする]とをベースとする。上記の構造に包含される嫌気性硬化促進剤化合物の例としては、2−スルホ安息香酸環状無水物、および3H−1,2−ベンゾジチオール−3−オン−1,1−ジオキシドが挙げられる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
このような現状技術にかかわらず、既存の製品と区別され、かつ原材料供給の不足または停止の場合に供給保証をもたらすための嫌気性硬化促進剤の代替技術を見出すことが求められ続けている。さらに、嫌気性硬化誘導組成物で使用される原材料のいくつかは、多かれ少なかれ規制精査されるようになったので、代替成分があれば望ましい。したがって、嫌気硬化性組成物の硬化において硬化成分として機能する新規材料を特定することが望ましいはずである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は、嫌気性硬化性組成物のための硬化成分として有用な新規付加物を提供する。成分は、ヘテロ原子含有化合物とコポリマー{潜在性カルボン酸と、スチレンおよびその置換誘導体、ビニルエーテル、ポリアルキレン、(メタ)アクリル酸エステル、ならびにその組合せのうちの1種または複数とのコポリマー}との付加物であり、クメン末端基を場合によっては有していてもよい。したがって、新規付加物は、嫌気性硬化系において有用な促進剤、開始剤、またはペルオキシドなどのポリマー結合嫌気性硬化成分である。
【0016】
通常の嫌気性硬化成分(トルイジン、APH、および/またはCHPなど)の量の一部または全部の代替物としてこれらの付加物を嫌気性硬化性組成物に加えることによって、驚くべきことに、それから生成された反応生成物に、通常の嫌気性硬化性組成物によって観察されたものと比べて少なくとも比較できるほどの硬化速度および物理的諸特性がもたらされる。したがって、これらの材料は、高分子量の固体成分であり、したがって揮発傾向が低減すること;嫌気性接着剤組成物で通常使用される量で可溶性である場合が多いこと;低い規制精査プロファイルを有する、通常の嫌気性硬化成分の代替物であること;およびこれらの材料が使用されている嫌気性接着剤組成物の安定性の促進剤であることを含めて、多くの利点を嫌気性接着剤組成物にもたらす。
【0017】
したがって、本発明は、硬化促進剤および(メタ)アクリレート成分のような付加物で調製された嫌気性硬化性組成物、本発明の嫌気性硬化促進剤を調製および使用する方法、ならびに本発明の嫌気性硬化性組成物の反応生成物も提供する。
【0018】
本発明は、「発明を実施するための形態」およびその後に続く具体例の解釈によってさらに詳細に理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1A】本発明の範囲内の嫌気性硬化成分として有用な新規付加物の合成を示す図である。
【図1B】本発明の範囲内の嫌気性硬化成分として有用な新規付加物の合成を示す図である。
【図2】硬化成分、この場合は促進剤として一般的に有用な新規付加物を生成するための逆合成スキームの2つの経路を示す図である。
【図3】2種類の対照組成物、およびポリマー結合トルイジンを使用する本発明の範囲内の1種類の組成物について、鋼製ねじ部品におけるブレークルース強度およびプリベイル強度の棒グラフを示す図である。
【図4】2種類の対照組成物、およびポリマー系フェニルヒドラジンを使用する本発明の範囲内の異なる濃度の2種類の組成物について、鋼製ねじ部品におけるブレークルース強度およびプリベイル強度の棒グラフを示す図である。
【図5】1種類の対照組成物、およびポリマー結合フェニルヒドラジンを使用する本発明の範囲内の異なる濃度の2種類の組成物について、ステンレス鋼製ねじ部品のブレークルース強度およびプリベイル強度の棒グラフを示す図である。
【図6】ポリマー結合ペルオキシド組成物であった1種類の対照、およびポリマー結合ペルオキシドを使用する本発明の範囲内の1種類について、鋼製ねじ部品におけるブレークルース強度およびプリベイル強度の棒グラフを示す図である。
【図7】1種類の対照組成物、および異なるブロックポリマー結合フェニルヒドラジドを使用する本発明の範囲内の2種類の組成物について、鋼製ねじ部品におけるブレークルース強度およびプリベイル強度の棒グラフを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明は、嫌気性硬化性組成物のための硬化成分として有用な新規付加物を提供する。硬化成分は、ヘテロ原子含有化合物と(潜在性カルボン酸とスチレンおよびその置換誘導体、ビニルエーテル、ポリアルキレン、(メタ)アクリル酸エステル、ならびにその組合せのうちの1種または複数との)コポリマーとの付加物であり、クメン末端基を場合によっては有していてもよい。
【0021】
ヘテロ原子含有化合物と(潜在性カルボン酸とスチレンおよびその置換誘導体、ビニルエーテル、ポリアルキレン、(メタ)アクリル酸エステル、ならびにその組合せのうちの1種または複数との)コポリマーとの付加物は、いくつかの可変要素を含む。例えば、コポリマーはクメン末端基を有していてもよい。さらに、スチレンおよびその置換誘導体、ビニルエーテル、ポリアルキレン、(メタ)アクリル酸エステルおよびその組合せは、例えばハロゲン、アルキル、アルケニル、ヒドロキシルアルキル、ヒドロキシルアルケニル、またはカルボキシルのうちの1種または複数で置換されたその置換誘導体であってもよい。また、言うまでもなく、ヘテロ原子自体とヘテロ原子含有化合物は異なってもよい。
【0022】
一実施形態において、付加物は、(a)無水マレイン酸などの潜在性カルボン酸と、スチレン、ビニルエーテル、ポリアルキレン、(メタ)アクリル酸エステル、およびその組合せから選択される残基とのコポリマーを、(b)無水マレイン酸と反応して、無水マレイン酸とヘテロ原子含有化合物の間で付加物を生成するヘテロ原子含有化合物と反応させたものであって、コポリマーはクメン残基を場合によっては末端基とする。
【0023】
別の実施形態において、付加物は、(a)(メタ)アクリロイルハライドなどの潜在性カルボン酸(例えば、ハライドが塩素または臭素である場合)と、スチレン、ビニルエーテル、ポリアルキレン、(メタ)アクリル酸エステル、およびその組合せから選択される残基とのコポリマーを、(b)アクリロイルハライドと反応して、(メタ)アクリロイルハライドとヘテロ原子含有化合物の間で付加物を生成するヘテロ原子含有化合物と反応させたものであって、コポリマーはクメン残基を場合によっては末端基とする。
【0024】
ヘテロ原子含有付加物は、普通−C(=O)−NH−NH−Ar、−C(=O)−NH−NH−R、−C(=O)−NH−NH−SO−Ar、−C(=O)−NH−NH−SO−R、−C(=O)−S−Ar−NR、−C(=O)−NH−Ar−NR、または−C(=O)−O−Ar−NRなどの−C(=O)−NH−NH−、−C(=O)−NH−、−C(=O)−O、−C(=O)−OH、−C(=O)−O−O−R、−C(=O)−NH−SO−、−C(O)−N(OH)−SO−、−C(=O)−O−SO−、または−C(=O)−S−SO−の1種から選択される結合を含み、式中、Arは芳香族基であり、かつR、R、R、およびRはそれぞれ独立に、H、1〜約8個の炭素原子を有するアルキル、2〜約8個の炭素原子を有するアルケニル、および6〜約16個の炭素原子を有するアリールから選択される。
【0025】
潜在性カルボン酸[無水マレイン酸または(メタ)アクリロイルハライドなど]と反応するヘテロ原子含有化合物は、嫌気硬化性組成物における嫌気性硬化の速度を速める。
【0026】
潜在性カルボン酸[無水マレイン酸または(メタ)アクリロイルハライドなど]と反応するヘテロ原子含有化合物は、アミンまたはアリールヒドラジン、アミノ置換トルイジン、ヒドロキシル置換トルイジン、もしくはメルカプト置換トルイジン、およびその組合せなどの窒素含有化合物から選択することができる。ここで、トルイジンは、o−、m−、またはp−置換であってもよい。
【0027】
コポリマーの分子量は、少なくとも1,000ダルトンであるが、15,000ダルトン未満であるべきである。
【0028】
コポリマーは、構造:
(D)−(A)−(B)−(C)−(D)o’
に包含されることができ、式中、Aは、スチレンまたは置換スチレン、アクリル酸エステル、ビニルエーテル、およびポリプロピレンから選択される残基であり、Bは、潜在性カルボン酸(無水マレイン酸または(メタ)アクリロイルハライドなど)とヘテロ原子含有化合物から生成された付加物の残基であり、Cは、任意選択の残基であってAによって定義されるとおりあり、かつDはクメン残基であり、x+y+z=100%−(o+o’)であり、かつoおよびo’=0または1であり、クメン残基単位の有無を表す。例えば、xは、1〜99モル%、例えば49〜85モル%などであり、かつyは、1〜99モル%、例えば15〜51モル%などである。yの値に対してxの値は2倍〜99倍であってもよく、またはxとyはほぼ同じ値であってもよい。xの値に対してyの値は2倍〜99倍であってもよく、またはyとxはほぼ同じ値であってもよい。任意選択の残基Cの値のzは1〜99モル%、例えば49〜85モル%などであり、かつyが1〜99モル%、例えば15〜51モル%などである。yの値に対してzの値は、2倍〜99倍であってもよく、またはzとyは、ほぼ同じ値であってもよい。zの値に対してyの値は、2倍〜99倍であってもよく、またはyとzは、ほぼ同じ値であってもよい。さらに、およびより具体的には、無水マレイン酸などの無水物に富んでいるポリ(スチレン−co−無水マレイン酸)などの無水物官能性コポリマーを使用することができる。
【0029】
コポリマーは、ランダムコポリマー、ブロックコポリマー、またはグラフトコポリマーとすることができる。
【0030】
例えば、コポリマーを、
【0031】
【化4】

[式中、Rは、水素、直鎖状アルキレンおよびそのハロゲン化またはアルコキシル化誘導体、分枝状アルキレンおよびそのハロゲン化またはアルコキシル化誘導体、ならびにシクロアルキレンおよびそのハロゲン化またはアルコキシル化誘導体、アリールおよびその誘導体から選択することができ、かつxおよびyは上記に定義した通りである場合など]でさらに具体的に表すことができる。例えば、コポリマーを、
【0032】
【化5】

[式中、Rは、ハロゲン、ヒドロキシル、カルボキシル、アルキル、アルケニル、アルコキシ、またはアルケノキシから選択することができ、かつxおよびyは上記に定義した通りである場合など]でさらに具体的に表すことができる。
【0033】
あるいは、下記に構造A2
【0034】
【化6】

[式中、R、x、およびyは、上記に定義した通りである場合など]として示すように、Aのクミル基を末端とするバージョンでコポリマーを表すことができる。例えば、コポリマーを、
【0035】
【化7】

[式中、R、x、およびyは、上記に定義した通りである場合など]でさらに具体的に表すことができる。
【0036】
あるいは、コポリマーを、
【0037】
【化8】

[式中、R、x、およびyは上記に定義した通りであり、かつXは、ハロゲン、ヒドロキシル、またはアミンから選択することができる場合など]で表すことができる。
【0038】
あるいは、コポリマーを、
【0039】
【化9】

[式中、R、X、x、およびyは上記に定義した通りである場合など]で表すことができる。
【0040】
あるいは、下記に構造B2
【0041】
【化10】

[式中、R、xおよびy、ならびにXは、上記に定義した通りである場合など]として示すように、Bのクミル基を末端とするバージョンでコポリマーを表すことができる。例えば、コポリマーを、
【0042】
【化11】

[式中、R、X、ならびにxおよびyは上記に定義した通りである]でさらに具体的に表すことができる。
【0043】
あるいは、コポリマーを、
【0044】
【化12】

[式中、R、X、x、およびyは上記に定義した通りであり、Yは、同じ候補から選択されるものではあるが、Xと同じかまたは異なる場合など]で表すことができる。
【0045】
あるいは、コポリマーを、
【0046】
【化13】

[式中、R、X、x、およびyは上記に定義した通りである場合など]でさらに具体的に表すことができる。
【0047】
あるいは、下記に構造C3
【0048】
【化14】

[式中、R、X、Y、ならびにxおよびyは上記に定義した通りである]として示すように、Cのクミル基を末端とするバージョンでコポリマーを表すことができる。例えば、下記に構造C4
【0049】
【化15】

[式中、R、X、Y、ならびにxおよびyは上記に定義した通りである]として示すように、Cのクミル基を末端とするバージョンでコポリマーをさらに具体的に表すことができる。
【0050】
あるいは、下記に構造C5
【0051】
【化16】

[式中、X、Y、ならびにxおよびyは上記に定義した通りである]として示すように、Cのクミル基を末端とするバージョンでコポリマーをさらに具体的に表すことができる。
【0052】
さらにあるいは、コポリマーを、
【0053】
【化17】

[式中、Rは上記に定義した通りであり、Rは、H、アルキル、アルケニル、アセタール、
【0054】
【化18】

などのアルキルエーテル、またはアルケニルエーテルから選択され、かつxおよびyは上記に定義した通りであり、かつz+x+y=100%−(o+o’)である]で表すことができる。例えば、コポリマーを、
【0055】
【化19】

[式中、R、R、ならびにx、y、およびzは上記に定義した通りである場合など]でさらに具体的に表すことができる。[構造Dの範囲内のコポリマーの市販例は、ポリ(スチレン−co−無水マレイン酸)、部分2−ブトキシエチルエステルであり、クメン末端基を有する。GPCによる平均Mn約2,500、CAS番号160611−50−7。]
【0056】
さらにあるいは、コポリマーを、
【0057】
【化20】

[式中、構造Dを参照して、R、ならびにx、yおよびzは上記に定義した通りである]、例えばRが下記に示すようにエチルである場合などでさらに具体的に表すことができる。
【0058】
【化21】

[構造Eの範囲内のコポリマーの市販例は、ポリ(エチレン−co−エチルアクリレート−co−無水マレイン酸)、CAS番号41171−14−6。]
【0059】
さらにあるいは、コポリマーを、
【0060】
【化22】

[式中、R、ならびにxおよびyは上記に定義した通りである]、例えばRが下記に示すようにメチルである場合などでさらに具体的に表すことができる。
【0061】
【化23】

[構造Fの範囲内のコポリマーの市販例は、ポリプロピレン−グラフト−無水マレイン酸ペレットである。無水マレイン酸=0.6重量%、CAS番号25722−45−6。]
【0062】
コポリマーのさらに別の代替物は、
【0063】
【化24】

[式中、nは100〜500などの10〜1,000の整数である]で表されるものである。[構造Gの範囲内のコポリマーの市販例は、ポリ(エチレン−co−無水マレイン酸)である。平均Mw約100,000〜500,000、粉末、CAS番号9006−26−2。]
【0064】
コポリマーのさらに別の代替物は、
【0065】
【化25】

[式中、Rは上記に定義した通りであり、かつn’は、300〜1,000などの10〜2,000の整数である]、例えばRが下記に示すようにメチルである場合などで表されるものである。
【0066】
【化26】

[構造Hの範囲内のコポリマーの市販例は、ポリ(メチルビニルエーテル−co−無水マレイン酸)である。平均Mw約1,080,000、平均Mn約311,000、CAS番号9011−16−9。]
【0067】
その主鎖に組み込まれている無水物残基または主鎖から突き出ている位置に結合している無水物官能基を有するこれらのポリマーはそれぞれ、知られており、場合によってはSigma−Aldrich Chemicalから市販されている高分子構造であり、かつ本発明を実施するのに有用である。
【0068】
したがって、本発明の範囲内の複数の付加物は、図1で示されるものを含む。したがって、構造I、J、K、およびLを下記に示す。
【0069】
【化27】

【0070】
【化28】

式中、構造I、J、K、およびLのそれぞれにおいて、xは約49モル%であり、かつyは約50モル%である。
【0071】
無水物がヘテロ原子含有化合物と反応して開くとき、このようにして生成された付加物は、コポリマー主鎖から突き出ている利用可能なカルボキシレートを生じる。場合によっては、このようにして生成されたそのカルボキシレート(caryboxylate)を、特にフェニルヒドラジド系付加物が生成して、嫌気硬化性組成物の(メタ)アクリレート成分への溶解性が改善された付加物を生じる場合に、ビニルエーテルまたはビニルエステルと反応させることが望ましい場合がある。ビニルエーテルまたはビニルエステルは、それ自体1種または複数の(メタ)アクリレート基で官能化してもよい。
【0072】
例えば、このようにして生成されたカルボキシレートと反応することができるビニルエーテルまたはビニルエステルの例としては、
【0073】
【化29】

が挙げられる。特に望ましい例は、2−(2−ビニルオキシエトキシ)エチルメタクリレート(「FX−VEEM」)(CAS番号76392−22−8)であり、上記に示した5つの化学物質のうち最後の物質である。
【0074】
カルボキシレートがビニルエーテルおよびビニルエステルと反応した付加物の例を、下記に構造L、M、N、O、およびPとして、いずれの場合も1〜12(構造Nを示すNを除く)で示す。
【0075】
【化30】

【0076】
【化31】

【0077】
【化32】

【0078】
【化33】

【0079】
【化34】

【0080】
【化35】

【0081】
【化36】

【0082】
【化37】

【0083】
【化38】

【0084】
例えば、下記の構造Nは、エチレングリコールビニルエーテルまたはビニルアセタートと反応して、構造N4を生じることができる。構造Nの他の構造誘導体を下記に示す。
【0085】
【化39】

【0086】
【化40】

【0087】
【化41】

【0088】
【化42】

【0089】
【化43】

【0090】
【化44】

【0091】
【化45】

【0092】
【化46】

【0093】
【化47】

【0094】
【化48】

【0095】
【化49】

式中、構造L、M、N、O、およびPのそれぞれにおいて、R、x、およびyは上記に定義した通りであり、Rは、直鎖状、分枝状、もしくは脂環式のアルキルもしくはアルケニル、またはアリールとすることができ、Rは、
【0096】
【化50】

などのビニルエーテルの付加物とすることができる。
【0097】
構造Nで示されたものなどのカルボキシレートを、Na、Ca、K、Cu、アミンなどの塩に変換することもできる。このような場合、付加物を添加するマトリックスに応じて付加物の可溶性を高めるまたは下げるように、付加物の溶解性を改変してもよい。その能力は、当業者が実現および採用することができる。
【0098】
本発明において(メタ)アクリレート成分として使用するのに適した(メタ)アクリレートモノマーは、HC=CGCOで表されるものなど広範囲の種々の材料から選択することができ、式中、Gは、水素、ハロゲン、または1〜約4個の炭素原子を有するアルキル基とすることができ、かつRは、1〜約16個の炭素原子を有するアルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルカリール、アラルキル、またはアリール基から選択することができ、そのいずれも、シラン、ケイ素、酸素、ハロゲン、カルボニル、ヒドロキシル、エステル、カルボン酸、尿素、ウレタン、カーボネート、アミン、アミド、硫黄、スルホネート、スルホンなどにより場合によっては置換または介在されていてもよい。
【0099】
ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート(「HEMA」)、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート(「HPMA」)、イソボルニルアクリレート(「IBOA」)などのような単官能性(メタ)アクリレートは、下記に述べるように、特に二または三官能性(メタ)アクリレートと組み合わせて本明細書で使用するのに適している場合がある。
【0100】
本明細書で使用するのに適した追加の(メタ)アクリレートモノマーとしては、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート(「PEGMA」)、テトラヒドロフラン(メタ)アクリレートとジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート(「TMPTMA」)、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート(「TRIEGMA」)、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジ−(ペンタメチレングリコール)ジ(メタ)アクリレート、テトラエチレンジグリコールジ(メタ)アクリレート、ジグリセロールテトラ(メタ)アクリレート、テトラメチレンジ(メタ)アクリレート、エチレンジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ならびにエトキシ化ビスフェノール−A(メタ)アクリレート(「EBIPMA」)などのビスフェノール−Aモノ(メタ)アクリレートとジ(メタ)アクリレート、およびエトキシ化ビスフェノール−A(メタ)アクリレートなどのビスフェノール−Fモノ(メタ)アクリレートとジ(メタ)アクリレートのような二または三官能性(メタ)アクリレートなどの多官能性(メタ)アクリレートモノマーが挙げられる。
【0101】
本明細書で使用することができるさらに他の(メタ)アクリレートモノマーとしては、米国特許第5,605,999号(Chu)によって教示され、かつ特許請求されたものなどのシリコーン(メタ)アクリレート部分(「SiMA」)が挙げられ、その開示内容は、参照により本明細書に明示的に組み込まれる。
【0102】
言うまでもなく、これらの(メタ)アクリレートモノマーの組合せも使用することができる。
【0103】
(メタ)アクリレート成分は、組成物の全重量を基準にして組成物の約60〜約90重量パーセントなどの約10〜約90重量パーセントを成すべきである。
【0104】
最近では、追加の成分を通常の嫌気性接着剤に含めて、調合物またはその反応生成物の物理的諸特性を変更してきた。
【0105】
例えば、マレイミド成分、耐熱性付与共反応成分、高温条件で反応する希釈剤成分、モノもしくはポリヒドロキシアルカン、高分子可塑剤およびキレート剤(米国特許第6,391,993号を参照のこと。その開示内容は、参照により本明細書に明示的に組み込まれる)のうちの1種または複数を含めて、調合物の物理的特性および/もしくは硬化プロファイル、ならびに/または硬化させた接着剤の強度または温度抵抗性を改変することができる。
【0106】
マレイミド、共反応成分、反応性希釈剤、可塑剤、および/またはモノもしくはポリヒドロキシアルカンは、使用するときには、組成物の全重量を基準にして約1%〜約30重量パーセントの範囲内の量で存在することができる。
【0107】
本発明の組成物は、嫌気性硬化誘導組成物など他の通常の成分も含んでもよく、しばしば1種または複数のラジカル開始剤およびラジカル生成の阻害剤、ならびに金属触媒が含まれる。
【0108】
典型的には、本発明の組成物に、限定されないが、クメンヒドロペルオキシド(「CHP」)、パラ−メンタンヒドロペルオキシド、t−ブチルヒドロペルオキシド(「TBH」)、およびt−ブチルペルベンゾアートなどのヒドロペルオキシドを含めて、いくつかの周知のラジカル重合開始剤が組み込まれている。他のペルオキシドとしては、ベンゾイルペルオキシド、ジベンゾイルペルオキシド、1,3−ビス(t−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、ジアセチルペルオキシド、ブチル4,4−ビス(t−ブチルペルオキシ)バレレート、p−クロロベンゾイルペルオキシド、クメンヒドロペルオキシド、t−ブチルクミルペルオキシド、t−ブチルペルベンゾアート、ジ−t−ブチルペルオキシド、ジクミルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ−t−ブチルペルオキシヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ−t−ブチル−ペルオキシヘキス−3−イン、4−メチル−2,2−ジ−t−ブチルペルオキシペンタン、およびその組合せが挙げられる。
【0109】
このようなペルオキシド化合物は、典型的には組成物の全重量を基準にして約0.1〜約10重量パーセントの範囲で本発明において使用され、約1〜約5重量パーセントが望ましい。
【0110】
安定化剤および阻害剤(ヒドロキノンおよびキノンを含めて、フェノールなど)を使用して、時期尚早のペルオキシド分解および本発明の組成物の重合を制御および防止することもでき、キレート剤[エチレンジアミン四酢酸(「EDTA」)の四ナトリウム塩など]を使用して、それに由来する微量の金属汚染物質を捕捉することもできる。キレート剤は、使用するときには、組成物の全重量を基準にして、通常約0.001重量パーセント〜約0.1重量パーセントの量で組成物中に存在することができる。
【0111】
金属触媒溶液またはそのプレミックスを約0.03〜約0.1重量パーセントの量で使用する。
【0112】
嫌気性硬化促進剤として有用な本発明の付加物は、組成物の全重量を基準にして約1〜約5重量パーセントなどの約0.1〜約10重量パーセントの量で使用することができる。
【0113】
増粘剤、非反応性可塑剤、充填剤、強化剤(エラストマーやゴムなど)、および他の周知の添加剤など他の添加剤を、組み込むことが望ましいと当業者が考える場合にその中に組み込んでもよい。
【0114】
本発明は、本発明の嫌気性接着剤組成物、および組成物の反応生成物を調製および使用する方法も提供する。
【0115】
本発明の組成物は、当業者によく知られている通常の方法を用いて調製することができる。例えば、本発明の組成物の成分を、成分が組成物において果たすべき役割および機能と一致した任意の好都合な順序で一緒に混合することができる。知られている装置を使用する通常の混合技法を使用してもよい。
【0116】
本発明の組成物は、種々の基材に塗布されて、本明細書に記載する所望の利益および利点をもって機能することができる。例えば、適切な基材は、鋼、黄銅、銅、アルミニウム、亜鉛、および他の金属、ならびに合金、セラミック、ならびに熱硬化性物質から構築することができる。本発明の組成物は、鋼、黄銅、銅、および亜鉛に対して特に良好な接着強さを示す。嫌気性硬化性組成物に適切なプライマーを、選択された基材の表面に塗布して、硬化速度を向上させることができる。あるいは、本発明の嫌気性硬化促進剤を、基材の表面にプライマーとして塗布してもよい。例えば、米国特許第5,811,473号(Ramos)を参照のこと。
【0117】
本発明は、付加物を生成する方法も提供する。例えば、図2を参照すると、このような付加物に到達するための逆合成スキームがわかる。新規付加物の生成において、次の誘導体化ポリスチレンポリマー:
【0118】
【化51】

は、有用な前駆体であり得る。
【0119】
例えば、構造AAを参照して、無水物は、それと反応して、ポリスチレン主鎖(PSで表示)に結合した付加物を生成することができる。
【0120】
図2を参照して、構造ABおよびADをカルボニルジクロリドと反応させて、PSに結合した付加物を生成することができる。
【0121】
ポリビニルアルコール(「PVA」)やポリスチレン−co−アリルアルコール(「PScoAA」)などのポリマーアルコールも、図2に示すように使用することができる。下記に、PScoAAを構造AEとして示す。
【0122】
【化52】

式中、R、x、およびyは上記に定義した通りである。
【0123】
ポリ(ビニルクロリド)(「PVC」)などハロゲン化置換基を有するポリマー主鎖も使用することができる。
【0124】
さらに、次の芳香族アミンは、コポリマーと反応して、本発明の新規付加物を生成することができる有用な促進剤である。
【0125】
【化53】

式中、Rは、同じ候補から選択されるものではあるが、Rと同じであってもよい。
【0126】
あるいは、パイロッチ酸(下記に示す)などの第二級アミンは、コポリマーと反応して、本発明の新規付加物を生成することができる。
【0127】
【化54】

【0128】
無水物である構造ABは、構造BA〜BCとして示す芳香族アミンのいずれかと反応して、PSに結合した付加物を生成することができる。
【0129】
本発明は、嫌気性硬化性組成物を調製する方法であって、そのステップには、(メタ)アクリレート成分および本発明の嫌気性硬化性組成物を一緒に混合するステップが含まれる方法も提供する。
【0130】
本発明は、本発明の嫌気性硬化性組成物から反応生成物を調製する方法であって、そのステップには、組成物を所望の基材表面に塗布するステップと、組成物を硬化させるのに十分な時間、組成物を嫌気性環境に曝露するステップが含まれる方法も提供する。
【0131】
さらに、本発明は、本発明の嫌気性硬化成分を使用する方法であって、(I)嫌気性硬化性組成物中の嫌気性硬化成分を混合するステップ、または(II)基材の表面に嫌気性硬化成分を塗布し、その上に嫌気性硬化性組成物を塗布するステップを含む方法を提供する。言うまでもなく、本発明はまた、合わせた基材間に、嫌気性硬化性組成物中の本発明の嫌気性硬化成分で結合を形成する。
【0132】
本発明の上記の説明を考慮すると、広範な実施機会がもたらされることが明らかである。次の実施例は、例示の目的で提供されるものにすぎず、決して本明細書の教示を限定するように解釈すべきでない。
【実施例】
【0133】
いくつかのポリスチレン−co−マレイン酸/ヘテロ原子含有付加物を、例えば嫌気性硬化性組成物、特に嫌気性硬化性接着剤組成物におけるAPHおよび/またはCHPの代替物として評価するために調査を行った。
【0134】
本発明の嫌気性硬化成分の一部を、図1に示した合成スキームに従って、下記に説明するように調製した。溶媒なしの試料について、Perkin Elmer FT−IRを使用して、赤外(「IR」)分光分析を行い、その構造を確認した。
【0135】
ポリスチレン−co−マレイン酸/ヘテロ原子含有化合物付加物を、嫌気性硬化性組成物で使用し、82℃促進老化安定性、固定時間、およびナット/ボルト標本での1時間/24時間接着試験で、通常の硬化成分であるAPHまたはCHPを含有する対照調合物と比較した。
【0136】
A.ポリスチレン−co−マレイン酸(「PScoMA」)/トルイジン化合物の付加物の合成の一般手順
【0137】
PScoMA/DM−p−Tが生成されるとき、反応をFT−IRで監視した。
【0138】
オーバーヘッドメカニカル撹拌装置、温度制御付きの熱プローブ、加熱マントル、圧平衡滴下漏斗、窒素パージ、および水冷却器を装備した500mLの丸底フラスコに、アセトニトリル(75mL)を添加した。これに続いて、撹拌しながら、クメン末端基を有するポリ(スチレン−co−無水マレイン酸)(50mol%スチレン、平均Mn約1600)(50.0g、494.5mmol)を添加し、その後別にアセトニトリル(25mL)を添加した。撹拌混合物を50℃の温度に保持し、アセトニトリル(150mL)中N,N−ジメチル−p−フェニレンジアミン(25.3g、180.0mmol)を2時間かけてゆっくり添加し、混合物を80℃の温度で終夜撹拌した。
【0139】
反応混合物を30℃の温度まで放冷し、次いで滴下漏斗に移し、激しく撹拌する水(3L)に滴下した。添加が完了した後、沈殿混合物が形成されたことを観察し、15分間撹拌し、次いで混合しないで15分間放置した。沈殿物を沈降させ、液体部分を、ガラスフリット付きの漏斗(中フリット)を通してデカンテーションした。固体沈殿物を回収し、温度30℃および圧力約100mTorrで真空乾燥した。ポリ(スチレン−co−マレイン酸ジメチル−p−トルイジン)、50mol%ポリスチレン、(PS50coMA−DMpT)として、紫色細粉末固体が90%未満の収率で得られた。固体を分析し、その構造をFT−IR、Hおよび13C NMRで確認した。
【0140】
この手順で、PScoMA/DM−p−T化合物の付加物に加えて、PScoMA/DE−p−T付加物、PScoMA/DE−o−T付加物、およびPScoMA/DM−o−T付加物などのPScoMA/N含有化合物の付加物を生成することもできる。
【0141】
B.PScoMA/フェニルヒドラジド化合物の付加物の合成の一般手順
【0142】
ポリスチレンとマレイン酸/フェニルヒドラジドのコポリマー(「PScoMAPH」)を、下記に示すようにPScoMAから1ステップで誘導した。
【0143】
オーバーヘッドメカニカル撹拌装置、温度制御付きの熱プローブ、加熱マントル、圧平衡滴下漏斗、窒素パージ、および水冷却器を装備した5Lの丸底フラスコに、アセトニトリル(0.75L)を添加した。これに続いて、撹拌しながら、クメン末端基を有するポリ(スチレン−co−無水マレイン酸)(50mol%スチレン、平均Mn約1600)(500.0g、4.95mol)を添加し、その後別にアセトニトリル(0.5L)を添加した。撹拌混合物を50℃の温度に保持し、アセトニトリル(1.0L)中フェニルヒドラジン(294.1g、2.64mol)を2時間かけてゆっくり添加し、混合物を50℃の温度で終夜撹拌した。
【0144】
反応混合物を30℃の温度まで放冷し、次いで滴下漏斗に移し、激しく撹拌する水(3L)に滴下した。添加が完了した後、沈殿混合物が形成されたことを観察し、さらに15分間撹拌し、次いで混合しないで15分間放置した。沈殿物を沈降させ、液体部分を、ガラスフリット付きの漏斗(中フリット)を通してデカンテーションした。固体沈殿物を回収し、温度30℃および圧力約100mTorrで真空乾燥した。ポリ(スチレン−co−マレイン酸フェニルヒドラジド)、50mol%ポリスチレン、(PS50coMAPH)として、黄色細粉末固体が90%未満の収率で得られた。黄色固体を分析し、その構造をFT−IR、Hおよび13C NMRで確認した。
【0145】
C.PScoMA/t−ブチルヒドロペルオキシド化合物の付加物の合成の一般手順
【0146】
ポリスチレンとマレイン酸/t−ブチルヒドロペルオキシドのコポリマー(「PScoMAt−BuO」)を、下記に示すようにPScoMAから1ステップで誘導した。
【0147】
オーバーヘッド機械的撹拌装置、温度制御付きの熱プローブ、加熱マントル、圧平衡滴下漏斗、窒素パージ、および水冷却器を装備した250mLの丸底フラスコに、アセトニトリル(40mL)を添加した。これに続いて、撹拌しながら、クメン末端基を有するポリ(スチレン−co−無水マレイン酸)(50mol%スチレン、平均Mn約1600)(50.0g、494.5mmol)を添加し、その後別にアセトニトリル(10mL)を添加した。撹拌混合物を40℃の温度に維持し、ジメチルアミノピラジン(DMAP)(2.96g、23.98mmol)を添加した。t−ブチルヒドロペルオキシドの水溶液(70%)(30.87g、239.8mmol)を20分間かけて添加し、混合物を40℃の温度で終夜(24時間)撹拌させた。この時間の後、反応進行をFT−IRでチェック/監視した。必要に応じて、さらにt−ブチルヒドロペルオキシドを添加して、反応を進行させた。次いで、反応混合物を、激しく撹拌する水(500mL)に直接滴下した。添加が完了した後、沈殿物が形成されたことを観察した。沈殿物を沈降させ、上側の液体部分をガラスフリット付きの漏斗(中フリット)にデカンテーションし、液体を通過させ、固体を回収した。固体沈殿物をほぼ乾固するまで濾過した後、回収し、温度30℃および圧力約100mTorrで真空乾燥した。ポリ(スチレン−co−マレイン酸t−ブチルペルエステル)、50mol%ポリスチレン、(PS50coMA−tBuO)として、白色細粉末固体が70%未満の収率で得られた。固体をFT−IR、Hおよび13C NMRで分析し、t−ブチルプロトンとフェニルプロトンの比較によって、t−ブチルペルエステルにおいて24%官能性であるポリマーであることが示唆される。
【0148】
D.PScoMA/PH/AA化合物の付加物の合成の一般手順
【0149】
オーバーヘッド機械的撹拌装置、温度制御付きの熱プローブ、加熱マントル、圧平衡滴下漏斗、窒素パージ、および水冷却器を装備した250mLの丸底フラスコに、アセトニトリル(100mL)を添加した。これに続いて、撹拌しながら、クメン末端基を有するポリ(スチレン−co−無水マレイン酸)(50mol%スチレン、平均Mn約1600)(50.0g、494.53mmol)を添加し、その後別にアセトニトリル(50mL)を添加した。混合物を30℃の温度に維持した。
【0150】
撹拌混合物に、アセトニトリル(100mL)中フェニルヒドラジン(28.1g、251.8mmol)の混合物を2時間かけて添加した。添加が完了した後、混合物を30℃の温度で終夜(24時間)撹拌した。
【0151】
この時間の後、反応進行をFT−IRおよび必要に応じてH NMRでチェック/監視した。
【0152】
第1の反応が完了したことを確認すると、第2の反応物質であるビニルアセタート(21.9g、251.8mmol)を15分間かけて添加し、混合物を30℃の温度で終夜(24時間)撹拌させた。
【0153】
この第2の時間の後、反応進行をFT−IRおよび必要に応じてH NMRで再びチェック/監視した。第2の反応が完了したことを確認すると、混合物を滴下漏斗に移し、撹拌する水(1L)に添加した。添加が完了した後、沈殿物が形成されたことを観察した。沈殿物を沈降させ、上側の液体部分をガラスフリット付きの漏斗(中フリット)にデカンテーションし、液体を通過させ、固体を回収した。固体沈殿物をほぼ乾固するまで濾過した後、回収し、温度30℃および圧力約100mTorrで真空乾燥した。ポリ(スチレン−co−マレイン酸フェニルヒドラジドアセタールアセタート)、50mol%ポリスチレン、(PS50coMA/PH/AA)として、黄色細粉末固体が76%未満の収率で得られた。黄色固体をFT−IR、Hおよび13C NMRで分析した。
【0154】
E.PScoMA/PH/AE化合物の付加物の合成の一般手順
オーバーヘッド機械撹拌装置、温度制御付きの熱プローブ、加熱マントル、圧平衡滴下漏斗、窒素パージ、および水冷却器を装備した5Lの丸底フラスコに、アセトニトリル(0.75L)を添加した。これに続いて、撹拌しながら、クメン末端基を有するポリ(スチレン−co−無水マレイン酸)(50mol%スチレン、平均Mn約1600)(500.0g、4.95mol)を添加し、その後別にアセトニトリル(0.5L)を添加した。混合物を30℃の温度に維持した。
【0155】
撹拌混合物に、アセトニトリル(1.0L)中フェニルヒドラジン(294.1g、2.64mol)の混合物を2時間かけて添加した。添加が完了した後、反応混合物を30℃の温度で終夜撹拌した。
【0156】
この時間の後、反応進行をFT−IRおよび必要に応じてH NMRでチェック/監視した。この反応が完了したことを確認すると、撹拌しながら、エチレングリコールビニルエーテル(228.9g、2.52mol)を15分間かけて添加した。数時間後、反応混合物は、より半透明な黄色になり、清澄になる。撹拌を終夜(24時間)継続する。この第2の時間の後、反応進行をFT−IRおよび必要に応じてH NMRで再びチェック/監視する。第2の反応の完了を確認すると、清澄な淡黄色液体を滴下漏斗に移し、激しく撹拌する水(10L)に、少量ずつまたは全部を直接滴下/流し込む。添加が完了したのち、沈殿混合物をさらに15分間撹拌し、次いで混合しないで15分間放置した。沈殿物を底部および上部の両方において沈降させる。上側の蒼白色液体部分を、注意してガラスフリット付きの漏斗(中フリット)にデカンテーションし、まず液体を通過させた後、固体の大部分を回収する。真空濾過は緩慢である恐れがあるが、漏斗の底部を引っ掻くことによって改善される。固体沈殿物をほぼ乾固するまで濾過した後、回収し、恒量が実現するまで30℃および約100mTorrで真空乾燥する。黄色細粉末固体が生じる。ポリ(スチレン−co−マレイン酸フェニルヒドラジドアセタールエタノール)、50mol%ポリスチレン、(PS50coMAPH−AE)、収率<90%。黄色固体をFT−IR、Hおよび13C NMRで分析する。
【0157】
F.PScoMA/トルイジン化合物を含む嫌気性接着剤調合物
メカニカルスターラを用いて、プラスチック(LDPE)ビン中で混合することによって、試料番号1〜3を記載量の特記した成分から調製した。各試料は、嫌気性硬化誘導組成物の一部としてサッカリンおよびペルオキシドを含有した。各試料は、ナフタキノンおよびキレート剤であるEDTAも含有した。試料番号1はDM−p−Tを含有した。試料番号2は、トルイジンまたはそのポリマー結合誘導体を含有しなかった。試料番号3は、本発明のポリマー結合促進剤を含有した。この場合、本発明のポリマー結合促進剤であるPScoMA−DE−p−Tは、調合物においてそれが置き換わる通常の促進剤の直接的な同族体ではない。
【0158】
【表1】

【0159】
G.PScoMA/PH化合物を含む嫌気性接着剤調合物
メカニカルスターラを用いて、プラスチック(LDPE)ビン中で混合することによって、試料番号4〜7を記載量の特記した成分から調製した。各試料は、嫌気性硬化誘導組成物の一部としてサッカリン、マレイン酸、およびペルオキシドを含有した。各試料は、粘度改質剤パッケージ、ナフタキノン、およびキレート剤であるEDTAも含有した。試料番号4は、APHも含有した。試料番号5は、APHも本発明のポリマー結合促進剤であるPScoMA/PHも含有しなかった。試料番号6および7はPScoMA/PHを含有したが、試料番号7は試料番号6の2倍量を含有した。
【0160】
【表2】

【0161】
H.PScoMA/tBu−Oを含む嫌気性接着剤調合物
メカニカルスターラを用いて、プラスチック(LDPE)ビン中で混合することによって、試料番号8および9を記載量の特記した成分から調製した。各試料は、嫌気性硬化誘導組成物の一部としてサッカリン、マレイン酸、およびAPHを含有した。各試料は、粘度改質剤パッケージ、ナフタキノン、およびキレート剤であるEDTAも含有した。試料番号8は、CHPも含有した。試料番号9は、CHPの代わりに本発明のポリマー結合硬化成分であるPScoMA−tBuOを含有した。
【0162】
【表3】

【0163】
I.PScoMA/PH/アセタール化合物を含む嫌気性接着剤調合物
メカニカルスターラを用いて、プラスチック(LDPE)ビン中で混合することによって、試料番号10〜12を記載量の特記した成分から調製した。各試料は、嫌気性硬化誘導組成物の一部としてサッカリン、マレイン酸、およびペルオキシドを含有した。各試料は、粘度改質剤パッケージ、ナフタキノン、およびキレート剤であるEDTAも含有した。試料番号10は、APHも含有した。試料番号11は、APHを含有しなかったが、本発明のポリマー結合促進剤であるPScoMAPH−AAを含有した。試料番号6もAPHを含有しなかったが、本発明のポリマー結合促進剤であるPScoMAPH−AEを含有した。
【0164】
【表4】

【0165】
J.物理的諸特性
表1の試料番号1〜3に戻って参照して、下記の表6は、室温で1時間硬化した後、および室温で24時間硬化した後にブレークルース強度およびプリベイル強度試験から観察された結果を反映している。図3も参照のこと。
【0166】
【表5】

【0167】
表2の試料番号4〜7に戻って参照して、下記の表7は、鋼製ねじ部品において、室温で1時間硬化した後、および室温で24時間硬化した後にブレークルース強度およびプリベイル強度試験から観察された結果を反映している。図4も参照のこと。
【0168】
【表6】

【0169】
さらに、ステンレス鋼製ねじ部品に塗布した試料番号4〜7については、下記の表8および図5を参照のこと。
【0170】
【表7】

【0171】
表4の試料番号8および9に戻って参照して、下記の表9は、鋼製ねじ部品において、室温で1時間硬化した後、および室温で24時間硬化した後にブレークルース強度およびプリベイル強度試験から観察された結果を反映している。図6も参照のこと。
【0172】
【表8】

【0173】
表5の試料番号10〜12に戻って参照して、下記の表10は、鋼製ねじ部品において、室温で1時間硬化した後、および室温で24時間硬化した後にブレークルース強度およびプリベイル強度試験から観察された結果を反映している。図7も参照のこと。
【0174】
【表9】

【0175】
これらのデータから、本発明によるポリマー結合硬化成分を使用した調合物は、基材に塗布し、硬化させたとき、従来の嫌気性(メタ)アクリレート系接着剤のように室温で機能したことが示唆される。さらに具体的には、このようなポリマー結合硬化成分を用いて調製された嫌気性接着剤組成物は、鋼などの活性な基材で有利な安定性および性能を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
物質の組成物であって、
(a)ヘテロ原子含有化合物と、
潜在性カルボン酸とスチレンおよびその置換誘導体、ビニルエーテル、ポリアルキレン、(メタ)アクリル酸エステル、およびその組合せからなる群から選択されるメンバーとのコポリマーと、
の付加物を含み、付加物はクメン残基を場合によっては末端基とする組成物。
【請求項2】
ヘテロ原子含有化合物が潜在性カルボン酸と反応する、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
付加物が、−C(=O)−NH−NH−、−C(=O)−NH−、−C(=O)−O、−C(=O)−OH、および−C(=O)−O−O−Rからなる群から選択された結合を含み、式中、Rは、H、1〜約8個の炭素原子を有するアルキル、2〜約8個の炭素原子を有するアルケニル、および6〜約16個の炭素原子を有するアリールから選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
付加物が、−C(=O)−NH−NH−Ar、−C(=O)−NH−NH−R、−C(=O)−NH−NH−SO−Ar、−C(=O)−NH−NH−SO−R、−C(=O)−S−Ar−NR、−C(=O)−NH−Ar−NR、−C(=O)−O−Ar−NR、−C(=O)−NH−SO−、−C(=O)−N(OH)−SO−、−C(=O)−O−SO−、および−C(=O)−S−SO−からなる群から選択される結合を含み、式中、Arは芳香族基であり、かつR、R、およびRはそれぞれ独立に、H、1〜約8個の炭素原子を有するアルキル、2〜約8個の炭素原子を有するアルケニル、および6〜約16個の炭素原子を有するアリールからなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
構造:
(D)−(A)−(B)−(C)−(D)o’
によって包含され、式中、Aは、スチレンまたは置換スチレン、アクリル酸エステル、ビニルエーテル、およびポリプロピレンからなる群から選択された残基であり、Bは、潜在性カルボン酸とヘテロ原子含有化合物から生成された付加物の残基であり、Cは任意選択の残基であって、Aで定義されるとおりであり、かつDはクメン残基であり、x+y+z=100%−(o+o’)であり、かつoおよびo’=0または1であり、クメン残基単位の有無を表す、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
クメン残基を末端基とする、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
コポリマーが、
【化1】

【化2】

からなる群から選択されるメンバーであり、式中、Rは、H、1〜約8個の炭素原子を有するアルキル、2〜約8個の炭素原子を有するアルケニル、および6〜約16個の炭素原子を有するアリールからなる群から選択され、x、y、zはそれぞれ独立に、1〜99モル%であり、XおよびYは同じでも異なってもよく、ハロゲン、ヒドロキシル、およびアミンからなる群から選択され、Rは、H、アルキル、アルケニル、アセタール、およびアルキルエーテルからなる群から選択されるメンバーであり、nは10〜1,000の整数であり、かつn’は10〜2,000の整数であり、
式中、RおよびRは上記に定義した通り(アルキル、アリール、アセタール)であり、XおよびYは上記に定義した通りであり、かつxおよびyは上記に定義した通りである、請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
コポリマーが、
【化3】


からなる群から選択されるメンバーであり、
式中、xおよびyは上記に定義した通りである、請求項1に記載の組成物。
【請求項9】
分子量が少なくとも1,000ダルトンである、請求項1に記載の組成物。
【請求項10】
分子量が15,000ダルトン未満である、請求項1に記載の組成物。
【請求項11】
付加物中の潜在性カルボン酸と反応するヘテロ原子含有化合物は、嫌気硬化性組成物における嫌気性硬化の速度を速める、請求項1に記載の組成物。
【請求項12】
xが1〜99モル%である、請求項5に記載の組成物。
【請求項13】
yが1〜99モル%である、請求項5に記載の組成物。
【請求項14】
zが1〜99モル%である、請求項5に記載の組成物。
【請求項15】
潜在性カルボン酸と反応するヘテロ原子含有化合物が、アリールヒドラジン、アミン、アミノ置換トルイジン、ヒドロキシ置換トルイジン、メルカプト置換トルイジン、ペルオキシド、ペルエステル、およびその組合せからなる群から選択されるメンバーである、請求項1に記載の組成物。
【請求項16】
トルイジンがo−、m−、またはp−置換である、請求項15に記載の組成物。
【請求項17】
ランダムコポリマーとしての請求項1に記載の組成物。
【請求項18】
ブロックコポリマーとしての請求項1に記載の組成物。
【請求項19】
グラフトコポリマーとしての請求項1に記載の組成物。
【請求項20】
潜在性カルボン酸が、無水マレイン酸および(メタ)アクリロイルハライドからなる群から選択されるメンバーである、請求項1に記載の組成物。
【請求項21】
嫌気性硬化性組成物であって、
(a)(メタ)アクリレート成分と、
(b)嫌気性硬化誘導組成物と、
(c)請求項1に記載の組成物と
を含む組成物。
【請求項22】
(メタ)アクリレート成分が、HC=CGCOで表され、式中、Gは、H、ハロゲン、および1〜約4個の炭素原子を有するアルキルからなる群から選択されるメンバーであり、かつRは、6〜約16個の炭素原子を有するアルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルカリール、およびアリール基(これらの基は、シラン、ケイ素、酸素、ハロゲン、カルボニル、ヒドロキシル、エステル、カルボン酸、尿素、ウレタン、カルバメート、アミン、アミド、硫黄、スルホネート、およびスルホンからなる群から選択されるメンバーによる置換または介在があってもよい。)からなる群から選択されるメンバーである、請求項21に記載の組成物。
【請求項23】
(メタ)アクリレート成分が、シリコーン(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラヒドロフラン(メタ)アクリレートおよびジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、イソボルニルアクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレンジグリコールジ(メタ)アクリレート、ジグリセロールテトラ(メタ)アクリレート、テトラメチレンジ(メタ)アクリレート、エチレンジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノール−A−(メタ)アクリレート、エトキシ化ビスフェノール−A−(メタ)アクリレート、ビスフェノール−F−(メタ)アクリレート、エトキシ化ビスフェノール−F−(メタ)アクリレート、ビスフェノール−Aジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ビスフェノール−A−ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノール−F−ジ(メタ)アクリレート、およびエトキシ化ビスフェノール−F−ジ(メタ)アクリレートからなる群から選択されるメンバーである、請求項21に記載の組成物。
【請求項24】
請求項21に記載の組成物の反応生成物。
【請求項25】
嫌気性硬化性組成物から反応生成物を調製する方法であって、
請求項21に記載の嫌気性硬化性組成物を所望の基材表面に塗布するステップと、
所望の基材表面と別の基材表面を合わせるステップと、
合わせた基材表面とその間の組成物を、組成物を硬化させるのに十分な時間、嫌気性環境に曝露するステップと
を含む方法。
【請求項26】
かみ合わせた2つの基材間に請求項21に記載の組成物で形成された結合。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2010−534268(P2010−534268A)
【公表日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−518208(P2010−518208)
【出願日】平成20年7月22日(2008.7.22)
【国際出願番号】PCT/US2008/008885
【国際公開番号】WO2009/014688
【国際公開日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【出願人】(500538520)ヘンケル コーポレイション (99)
【氏名又は名称原語表記】HENKEL CORPORATION
【Fターム(参考)】