説明

子宮動脈閉塞用クランプ

本発明は子宮動脈クランプおよびこのクランプを使用した比較的非侵襲性治療手続を指向している。子宮クランプはクランプ部材を備え、このクランプ部材は目標組織に対して圧力を適用するための組織接触面付きのあごおよび患者の子宮頸導管内へ挿入されるように構成されている安定化部材を備えている。このクランプは伸長ハンドルを備えてあごおよびスタビライザーの間の間隔を手動で調整し、これによりあごおよびスタビライザーの間に保持されている組織の束の下の子宮動脈に圧力を適用し得る。本発明の特徴を具体化した子宮クランプは子宮筋腫、DUB、PPHおよび同種物のような子宮不具合治療のための手続に使用され得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に1または双方の患者の子宮動脈を通しての血流を検知しかつ調整することにより子宮の不具合を治療することに指向されている。
【背景技術】
【0002】
子宮摘出(子宮の外科的除去)は米国内で年間約600,000人の女性に実施されている。子宮摘出はしばしば子宮癌、アデノーマシス、月経過多症、子宮脱出、機能不全子宮出血(腫瘍または成長のような別々の解剖的説明を持たない異常月経出血)、およびレイミョーマまたは子宮筋腫として知られている子宮の筋肉腫瘍の治療のための治療用選択の一つである。
【0003】
しかしながら、子宮摘出は多くの望まれない特徴を有する激烈な治療である。このため、子宮を除去することなく子宮摘出の治療的結果に近似し得る如何なる方法もこの分野では顕著な改良である。或る病気のためにはより新しい治療方法が開発されてきており、そこでは婦人に子宮摘出を省略し得る。
【0004】
1995年に、子宮筋腫が非外科的治療を使用して子宮を摘出することなく治療され、特に子宮用動脈の相互的な内部発光閉塞を包含した技術が開示された(ラビン他、“子宮筋腫治療のための動脈塞栓”、ランセット 1995年9月9日;Vol.346;pp.671−672、全体がここに複合されている)。この技術は“子宮用動脈塞栓”として知られている。この技術においては、子宮用動脈は遷移ルートを介して通常の大腿動脈から左および右の子宮用動脈へ管内カテーテルの手段により近づけられ、小さい金属コイル、ポリビニールアルコール粒子および同種物のような紮栓材料がカテーテルを通して子宮動脈内に供給され、それは速やかな閉塞を起こす。
【0005】
子宮は2重の(または余分の)血液供給を受け、即ち1次血液供給は両側の子宮用動脈から、および2次血液供給は両側の卵巣動脈からである。その結果として、双方の子宮用動脈が閉塞されると、即ち両側の血管が閉塞されると、子宮および子宮内に保持されている筋腫は共にそれらの血液供給が奪われる。しかしながら、ラビーナ他により説明されているように、子宮筋腫への効果は子宮への効果よりも大きい。殆どの例において、子宮筋腫はしぼみかつ臨床徴候が停止する。
【0006】
しかしながら、多くの内科医はカテーテルベースの子宮用動脈塞栓を放射線指示のもとで実施するのに必要な技術または器具を持っていない。従って、実質的により少ない子宮用動脈塞栓が、世界的に毎年実施されており、これは徴候的な子宮筋腫のための子宮摘出より少ない。
【0007】
最近、子宮筋腫治療手順が記述されており、その中では子宮動脈は管内器具により一時的に閉塞され、その器具は非侵襲的に患者の膣円蓋に対して押し付けられかつ患者の子宮動脈が内臓されている組織束に対してクランプまたは他の方法で加圧される。組織上への圧力が下にある子宮動脈を閉塞する。これらの手続は多くの望みを示してきたが、多くの状況において、今までに記述されてきた器具はクランプ面の正確な配置を常に許容するものではなかった。
【0008】
求められていることは、従って、血管および血管内の血流を検知する器具および方法、および子宮用動脈のような血管内の血流を閉塞する器具および方法であり、それが通常の技術を有する内科医により簡単な医療設備または環境内で使用され得るものである。
【発明の開示】
【0009】
本発明は比較的に非侵襲性の子宮動脈閉塞器具およびシステムおよび女性患者の子宮動脈閉塞のための器具およびシステムの使用方法に指向されている。装置およびそれらの使用は子宮筋腫、機能不全子宮出血、分娩後出血および他の子宮の不具合の治療に患者の子宮動脈を通しての血流の低減または停止により利用され得る。
【0010】
本発明の特徴を具体化した器具は子宮内クランプを備え、このクランプは圧力適用またはクランプ部材を備え、これらは圧力を患者の子宮頸の外側または患者の膣円蓋に対して加え得るように構成されている。膣内クランプはまた安定化または位置決め部材を備え、これは患者の子宮頸内に挿入されて少なくとも子宮頸の内側の位置を安定化しかつ圧力適用部材により子宮頸または膣円蓋の外側に対する効果的な圧力適用を容易にして患者の子宮動脈の効果的な閉塞を保証するためである。子宮動脈の閉塞は一時的であり、かつ部分的または完全であり得る。
【0011】
血管閉塞の一つの方法は血管をクランプして血管を通る血流を減し、または無くする工程を包含している。そのような血管のクランプは直接的または間接的であり得る。好ましくは、効果的に圧縮し得る血管のクランプは非侵襲性血管閉塞器具を血管近傍の組織(例えば、血管を取り巻いている組織上)へ適用することにより達成される。血管閉塞器具はまた効果的に血管を圧縮するために血管上に直接適用され得る。
【0012】
本発明の一つの実施例においては、非侵襲性血管閉塞器具(センサー付きクランプのような)は膣壁の部分に適用されて子宮用動脈を検知しかつ/または位置を決め、かつ閉塞し得る。本発明の特徴を具体化した膣用クランプは膣壁近傍の子宮用動脈の位置を検知し、かつ膣壁近傍の子宮用動脈を圧縮しかつ閉塞するために使用され得る。膣壁は子宮用動脈により接近できるように閉塞器具により拡張されることができ;そのような接近は子宮に対して圧力または力を適用することにより助けられ得る(例えば、子宮頸上で引くことにより)。子宮頸は何かの好適な器具または用具により掴みまたは引かれ、それらの器具は鉗子、吸引器具、および支持鉤のような他の道具を含んでいる。
【0013】
本発明の特徴を具体化した非侵襲性血管閉塞器具は非侵襲性の膣内子宮用動脈閉塞器具であってよく、対向した組織接触面をその末端部に有する1対の圧力適用部材;少なくとも一つの圧力適用部材の基端部から延びる少なくとも一つの支持シャフトであって、圧力適用部材の対向した組織接触面間の距離を調整するように構成されている支持シャフト;および対向した組織接触面の一つ上の少なくとも一つの血流検知用センサーを包含している。本発明の特徴を具体化した非侵襲性血管閉塞器具の実施例は、例えば、ハンドル、圧力または力を身体組織に対して適用するように構成されているクランプ部材、および血管の位置を捜すためのセンサーを備え得る。
【0014】
クランプ部材のような圧力適用部材は、例えば、血管または血管近傍の組織に係合するように構成された、あごまたは複数のあごであり得る。ハンドルのような支持シャフトは好ましくはあごまたは複数のあごを操作できるように構成されている。本発明の特徴を有する器具の或る実施例においては、圧力適用部材は連結部分に装着され、あごが膣内に配置される一方、ハンドルは患者の体外に残りかつオペレーターによる使用が可能となるように構成され得る。
【0015】
クランプ部材は好ましくは閉塞されるべき血管探索のための血流センサーを備えている。このセンサーは音、圧力、歪み、応力、化学値、電磁放射および同種物を検知し、かつそのようなセンサーの組合せであってもよい。センサーは好ましくはドップラー超音波センサーである。このセンサーはクランプのあごの面のような、クランプ部材の組織接触面に対して装着され、かつ好ましくはクランプ面と直角に方向付けられるが、他の方向も採用可能である。血管または血管内の血流の位置検知のために有用な超音波エネルギーは約20メガヘルツ(MHz)未満の周波数を備え、約5MHzおよび約19MHzの間、好ましくは約6MHzおよび10MHzの間である。市場で入手可能なドップラーセンサーにおいては、周波数は一般的に約8MHzである。血管または血管内の血流の位置検知のために有用な電磁エネルギーに基づくセンサーのためには、EMエネルギーが備えるべき波長は約500ナノメートル(nm)ないし約2000nmの間、好ましくは約700nmないし約1000nmの間である。
【0016】
本発明の特徴を具体化したシステムは目標血管探索のためのクランプ部材上の血流センサー付きの上述のような血管閉塞器具、およびセンサーのためのエネルギー源を備え得るセンサーコントローラーを備えている。このセンサーコントローラーは血管の位置検知を助けるように構成されることができ、それは、例えば、オペレーターにより容易に使用され得るセンサー出力に関する信号の提供による。センサーコントローラーは血流センサー作動のためのエネルギーを提供するように構成されたエネルギー源を備え得る。
【0017】
本発明の特徴を具体化する子宮動脈閉塞のための方法は、クランプ器具を患者の膣導管を通して進め、クランプ器具の安定化部材を子宮頸口を通して頸導管内へクランプ部材を安定化部材から離して案内してクランプ部材の圧力適用面が患者の膣円蓋内へ圧接される。クランプ部材の調整はその末端上のセンサーを子宮動脈が膣円蓋の面に近接することを許容する。クランプ部材を目標血管に接近させ、クランプ器具は下にある組織を圧縮してそれにより子宮動脈を閉塞するように閉ざされ得る。子宮動脈はクランプ部材の末端上の血流センサーのそばに配置される。張力が子宮頸に対して把持用具で(例えば、子宮頸を引くことにより)掛けられ、これは子宮動脈閉塞のために膣壁に力または圧力を適用している間に行われる。
【0018】
本発明は子宮動脈のような血管の非侵襲性探索および閉塞を許容して、効果的な治療方法を提供する。重要なことは、本発明が放射線用具または広範囲な放射線写真技術の使用技術を要することなく、女性患者の子宮動脈の閉塞を許容することである。この器具および方法は他の方法および器具よりも簡単でかつより容易に使用されかつ取り外されることができ、子宮筋腫、機能不全子宮出血(DUB)、アデノーミシス、分娩後出血、および他の子宮障害のためにも容易に使用され得ることである。本発明の特徴を具体化した器具、システムおよび方法は、個々の子宮動脈の別個の閉塞を許容し、これは子宮の解剖学的構造が単一の相互的動脈閉塞器具の使用を許容しないような状況においても効果的治療を提供する。
【0019】
これらおよび他の利点は添付図面と以下の詳細な記述により明らかにされるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
図1および2は本発明の特徴を具体化した比較的非侵襲性の子宮内閉塞クランプ10を示している。このクランプ10は指グリップ13付きの伸長ハンドル12を有するクランプ部材11、およびこのクランプ部材の末端上の圧力適用クランプ要素またはあご14を備えている。また子宮内クランプは安定化部材15を備え、これは患者の子宮頸口および頸通路に容易に従いまたは追従するように構成されている。安定化部材15は指グリップ17付きの伸長ハンドル16を備えている。クランプ部材11および安定化部材15は枢支点18で互いに枢着されており、かつ好ましくはそれぞれグリップ13および17を通して係合したオペレーターの指による、ハンドル12および16の回転があご14および安定化部材15の末端部分との間の間隔を調整する。各ハンドル12および16はそれぞれラチェット部材19および20を備えており、これらはクランプ部材11および安定化部材15の相対的位置をロックするように相互作用する。
【0021】
本発明の特徴を具体化した子宮動脈クランプは好ましくは血流センサー22、好ましくはドップラー超音波センシングシステム、をあご14の先端面上に備えている。このセンサー位置はオペレーターがあご14を患者の目標とする子宮動脈の位置へより容易に案内することを許容する。センサー22は信号伝達ケーブル23を備え、このケーブルはセンサー制御器具24に操作可能に接続される。ケーブル23は被覆ワイヤー、複数のワイヤー、光学的繊維、ウエーブガイド、または他の接続体であり、センサー22およびセンサーコントローラー24の間で信号および/またはエネルギーまたは動力を効果的に搬送し得る。
【0022】
センサー22は血管探索のための血流センサーであり、かつ受動センサーであり、血管の存在を表示する固有信号を検知するように構成することができる(即ち、音センサー、動きセンサー、pHセンサー、または肉体的、化学的、電気的、または生理学的な血管位置の表示)。他の実施例においては、血管探索のための血流センサーは能動センサーであり、エネルギーまたは信号を発するように構成され、かつ血管の存在を表示する放射エネルギーまたは信号に対応し、またはそれから得られる信号を検知するように構成されている(即ち、血管からの反射超音波を検知するように構成されている超音波センサーを有する超音波源、血管からの反射を検知するように構成されている赤外線放射源、または血管の位置を表示する反射を検知するように構成されている他のエネルギー源またはセンサー)。センサーの動作はセンサーコントローラー24のようなエネルギー源により助けられ得る。例えば、エネルギー源は電気的エネルギーを備え、このエネルギーは超音波エネルギーを製造しかつ検知するための超音波センサーを助ける(メダソニックス(登録商標)カルデオビート(登録商標)ブラッド フロー ドップラー ウイズ インテグレーテド スピーカー(クーパー サージカル 社、トランブル CT 06611)のような)。本発明における使用に好適な他の市場で入手可能なドップラー超音波センサーはコーブン モデル ES 100X ミニドップ VRP−8プローブ(セントルイス、MO)およびDWL/ニューロ スキャン メジカル システムズのマルチ−ドップ B+システム(スターリング、VA)を含む。
【0023】
図3内に示されているようにあご14は鋸歯付きの、組織把持面25を備え、この面はあご14が患者の膣円蓋の組織内に押し込まれた時、組織に噛み合いかつ組織上を保持するように構成されている。図4内に示されているように、あご14および/またはスタビライザー15の一方または双方は引っ込み得る指または歯26を備えて接触部材を目標組織に対してより良く確保し得る。
【0024】
図5は別の実施例を図示しており、その中でクランプ部材11および安定化部材15はハンドル12および16に対して角度θだけ傾斜している。この角度付き部分は安定化部材15の患者子宮頸内への挿入とあご14の患者の膣円蓋における所望位置への方向付けを容易にするより直接的な攻撃角度を提供して患者の子宮動脈の探索および閉塞を容易にする。あご14およびスタビライザー15の好適な角度θは約100°ないし約175°、好ましくは約130°ないし約160°である。
【0025】
部分的または全体的であり得る血管の閉塞は、患者の膣円蓋の壁を通しての圧力の適用により行われる。膣壁の組織に対して少なくとも部分的に圧縮するために供給される充分な圧力または力は内在する子宮動脈を閉塞する。子宮動脈を検知しまたは探索するための血流センサーはクランプ要素から離れた先端面上にかつ一般にあご14の有効組織接触面に対して直角に配置されるべきである。
【0026】
本発明の特徴を具体化した非侵襲性血管閉塞器具はクランプ位置でロックするように構成され得る。そのようなロックされた構造は一時的または解放可能であり、または永久的であり得る。本発明の特徴を具体化した非侵襲性血管閉塞器具はラチェットのようなロック機構を備え、このロック機構は少なくとも一つの圧力適用部材を圧力適用位置に保持するように構成されている。そのようなロック機構は所望された時に圧力または力の停止を許容するのに有効な解放機構を含み得る。このようにして、本発明の特徴を具体化した非侵襲性血管閉塞器具は以前に血管閉塞のために供給されていた圧力または力の適用を止めることにより血管の閉塞を和らげるのに有効なロック機構を解放するように構成され得る。
【0027】
女の人の子宮動脈は膣円蓋の数センチメートル(cm)内の位置で膣粘膜の近傍に位置している。その結果として、患者の膣導管内から子宮動脈に接近しかつ閉塞するためには、膣の寸法がどの程度のクランプ器具のサイズが好適かを決定し、これはクランプ器具が膣円蓋に容易に到達しかつ患者の体の外から操作し得ることが考慮に入れられている。例えば、クランプ器具は長さはたいていの用途において約5ないし約16インチの間、好ましくは約6インチないし約12インチの間であり得る。
【0028】
図6は女性の生殖システムを部分的に図示した概略図で、子宮30、子宮頸31、子宮動脈32、膣導管33および膣円蓋34を含んでいる。本発明の特徴を具体化した子宮動脈クランプの使用方法は、クランプ10を患者の膣導管33内へ挿入しかつその中でクランプをクランプの末端部分が患者の子宮頸31の近傍に達するまで進める。ハンドル12および16の位置はあご14およびスタビライザー16の末端部分の間の間隔が増すように調整される。スタビライザーの末端は頸口35を通して子宮頸内へ案内される。あご14の末端は膣円蓋34および14に対して押し付けられる。ドップラーセンサー22に案内されて、あごの圧力適用面は患者の子宮動脈32の可及的近傍に配置される。充分な圧力があご14により子宮動脈32または子宮動脈を取り囲む組織に対して適用されて子宮動脈の閉塞を容易にする。ハンドル12および16がラチェット部材19および20によりロックされてあご14をあご14およびスタビライザー15の間の組織に対して加圧する。クランプされた部分は約0.5ないし約48時間、好ましくは約1ないし約24時間の間、子宮不調、例えば、子宮筋腫、PPH、DUBおよび同種物のための効果的な医療処置のために保持される。血流センサー22は血流検知による子宮動脈の探索および動脈内の血流不足の検知による治療の監視に効果的である。左の子宮動脈50内の血流は同じ構造の別の子宮動脈クランプにより同様に閉塞することができ、または右の子宮動脈34の閉塞解除の後に同じクランプを他側上に使用可能である。
【0029】
ラチェット部材19および20は好ましくは解放可能であり、従ってクランプ器具10のクランプ部材11は所定治療時間の後に解放されて子宮動脈への血流の再開を可能とし得る。
【0030】
図7および8は別のクランプ構造を図示しており、その中であご14およびスタビライザー15の間の間隔は図7内に示されているようなばね40および図8内に示されているようなラックピニオン機構50により制御され得る。各種の他の手段があご14およびスタビライザー15の開閉のために採用され得る。
【0031】
本発明の特徴を具体化した子宮動脈クランプ10は如何なる好適な材料または材料の組合せにより作ることができ、それらの材料はステンレススチールのような金属および体温において好適なオーステナイト相を有するニッケルチタニウム合金のような超弾性的な形状記憶合金、高強度プラスチックス、セラミックス、および当業界で知られている他の材料を含んでいる。ポリカーボネート、ポリスルフォン、ポリエステル、ポリアセタールおよび各種のフッ素重合体のような生物学的親和性を有するポリマーは本発明実施例の変形のために好適である。器具またはシステムは単一使用(廃棄され得る)または殺菌されて複数使用も可能である。
【0032】
本発明の特定の形態が図解されかつ記述されてきたが、各種の修正がなされ得ることは明らかであろう。それゆえに、一つの実施例内に示されている個々の特徴はここに記述されている別の実施例の如何なるまたは全てと組み合わされ得る。従って本発明が記述された特定の実施例に制限されることは意図されていない。従って本発明は従来技術が許す限り広く、添付請求の範囲により限定されるべきである。“要素”、“部材”、“器具”、“セクションズ”、“部分”、“セクション”、“工程”およびここで使用される同様な用語は条文35U.S.C.§112(6)によるものと解釈されるべきでなく、それは次の請求項が特定の構造または動作を伴うことなく、用語“手段”または“工程”とそれに続く特定の機能を備えている場合以外である。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の特徴を具体化した子宮動脈クランプ器具の開放状態における正面図である。
【図2】図1内に示されているクランプ器具の斜視図である。
【図3】別のクランプ器具の末端部分の拡大斜視図で、組織を掴むための鋸歯面および複数の歯を備えている。
【図4】別のクランプ器具の拡大斜視図で、クランプ要素およびスタビライザー要素は組織を掴むための歯を備えている。
【図5】女性患者の子宮動脈閉塞位置にある内側子宮クランプの概略図である。
【図6】別実施例の斜視図で、クランプ要素およびスタビライザー要素はクランプのハンドルに対して傾けられている。
【図7】代わりの実施例の斜視図で、スタビライジング部材およびクランプ部材の間の間隔はスプリングコイルにより調整されている。
【図8】代わりの実施例の斜視図で、スタビライジング部材およびクランプ部材の間の間隔はラックピニオン構造により調整されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
女性患者の子宮動脈閉塞のための子宮内クランプ器具において:
a. 末端にクランプ要素を備え患者の子宮頸の外側部分周りにフィットするように構成されたクランプ部材;および
b. 末端部分を備え患者の子宮頸内に延びるように構成された安定化部材
を包含している、子宮内クランプ器具。
【請求項2】
クランプ部材および安定化部材の間にコネクターが設けられてクランプ部材および安定化部材の間の間隔を調整するようにした、請求項1に記載の子宮内クランプ器具。
【請求項3】
コネクターがクランプ部材および安定化部材の間の枢支接続体である、請求項2に記載の子宮内クランプ器具。
【請求項4】
クランプ部材および安定化部材の双方が伸長ハンドルを備えている、請求項2に記載の子宮内クランプ器具。
【請求項5】
両ハンドルが相互作用するロック機構を備え、この機構がクランプ部材を圧力適用状態に効果的に保持するように構成されている、請求項4に記載の子宮内クランプ器具。
【請求項6】
クランプ部材が圧力適用面を備え、この面はハンドルがその中で回転する面に対して概ね直角な面内を占める、請求項1に記載の子宮内クランプ器具。
【請求項7】
安定化部材がクランプ部材よりも長い、請求項1に記載の子宮内クランプ器具。
【請求項8】
クランプ要素がパドル形である、請求項1に記載の子宮内クランプ器具。
【請求項9】
パドル形のクランプ要素が少なくとも部分的にワイヤーフレームで形成されている、請求項1に記載の子宮内クランプ器具。
【請求項10】
クランプ部材および安定化部材が湾曲している、請求項1に記載の子宮内クランプ器具。
【請求項11】
クランプ要素がハンドルに対して解放可能に固着されている、請求項1に記載の子宮内クランプ器具。
【請求項12】
動脈探索センサーがクランプ要素の末端部分に備えられている、請求項1に記載の子宮内クランプ器具。
【請求項13】
動脈探索センサーがドップラー超音波センサーである、請求項12に記載の子宮内クランプ器具。
【請求項14】
ドップラー超音波センサーが約5MHzないし約20MHzの間の周波数を有する超音波エネルギーを検知するように構成されている、請求項13に記載の子宮内クランプ器具。
【請求項15】
ドップラー超音波センサーが約6MHzないし約10MHzの間の周波数を有する超音波エネルギーを検知するように構成されている、請求項15に記載の子宮内クランプ器具。
【請求項16】
クランプ要素が約1ないし約6インチの間の長さを備えている、請求項1に記載の子宮内クランプ器具。
【請求項17】
クランプ部材が約2.5ないし約4.5インチの間の長さを備えている、請求項1に記載の子宮内クランプ器具。
【請求項18】
クランプ要素の末端が安定化部材の末端に対して約0.1インチないし約1インチの距離だけ末端側に配置されている、請求項1に記載の子宮内クランプ器具。
【請求項19】
クランプ要素が約0.5インチないし約3インチの幅を備えている、請求項1に記載の子宮内クランプ器具。
【請求項20】
クランプ要素が少なくとも部分的にループ形ワイヤーフレームで形成されている、請求項1に記載の子宮内クランプ器具。
【請求項21】
女性患者の子宮動脈閉塞のためのシステムにおいて:
a. 子宮動脈クランプ器具であって、それが
i. 第1ハンドルに対して鈍い角度の伸長ハンドルを有するクランプ部材、
ii. 第2伸長ハンドルに対して鈍い角度の伸長ハンドルを有する安定化部材
を備えている子宮動脈クランプ器具;および
b. クランプ部材の末端部分に対して固着された動脈探索センサー、
を包含している、システム。
【請求項22】
クランプ器具がクランプ部材および安定化部材の間に枢支連結部を備え、従って枢支連結部周りのハンドルの回転がクランプ部材および安定化部材の間の間隔を調整するようにした、請求項22に記載のシステム。
【請求項23】
信号の伸長伝達部材を備え、この部材が基端および末端を有しかつその末端で動脈探索センサーに固着されかつその基端上にセンサーコントローラーに接続されるように構成されたコネクターを備えている、請求項22に記載のシステム。
【請求項24】
動脈探索センサーがドップラー超音波センサーである、請求項21に記載のシステム。
【請求項25】
両ハンドルがロック機構を備えていてクランプ部材および安定化部材を圧力適用状態に効果的に保持するように構成されている、請求項22に記載のシステム。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公表番号】特表2006−517444(P2006−517444A)
【公表日】平成18年7月27日(2006.7.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−502977(P2006−502977)
【出願日】平成16年1月23日(2004.1.23)
【国際出願番号】PCT/US2004/001935
【国際公開番号】WO2004/069025
【国際公開日】平成16年8月19日(2004.8.19)
【出願人】(501231679)ヴァスキュラー・コントロール・システムズ・インコーポレーテッド (6)
【Fターム(参考)】