説明

安全チューブ付きのフーバー針

フーバー針アセンブリは、針、針の少なくとも一部の周りに実質的に存在する安全チューブ、および安全チューブの片端にあるスキンプレートを含む。安全チューブは針に渡って引き込み不可能に延在するように適応される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は「安全チューブ付きのフーバー針」を題名とした2009年7月31日出願の米国暫定特許出願第61/230,359号の利益を請求し、上述の参照出願は、参照することによって本出願に組み込まれる。
【0002】
本発明皮下注射用の針に関する。具体的に、本発明は安全チューブ付きのフーバー針に関する。
【背景技術】
【0003】
従来のフーバー針は、病院や他の治療施設で普及して使用されている。この針は多くの場合に埋め込みポートと併せて使用される。そういうフーバー針は化学療法、静脈内輸液、薬物や完全非経口栄養法を投与する、または埋め込みポートを介して血液製剤を輸注するための非コア針を備える。埋め込みポートは針の周りに密閉し、針を固定し、フーバー針の複数のアクセスを可能にする自動密閉セプタムを含む。
【0004】
従来のフーバー針は患者の安全を考慮して設計されるが、そのようなフーバー針の使用者に対する重要な危険性をもたらせてしまう。従来のフーバー針を不正に使用すると、使用者を、フーバー針を介して投与される血液由来病原体、薬剤または薬物に露出させる。従来のフーバー針は埋め込みポートから取り外すのに両手が必要となる。片手は埋め込みポートを安定させ、他方の手は針を取り外すために使用される。埋め込みポートの自動密閉セプタムから針を取り外すことに必要な力は、針の跳ね返ることおよび針の貫通による使用者の怪我を引き出すことがある。そのような針の貫通による怪我は肝炎またはHIVのような血液由来病原体の移入に繋がることもある。また、危険物の薬剤を調製する、薬剤を混合させる、または薬剤を投与する医療従事者は、その薬剤への露出の危険性に直面する。薬剤を慎重に扱っても、薬剤を吸入することまたは薬剤と皮膚の接触によって露出となることが考えられる。
様々なフーバー針が存在するが、血液由来病原体または薬剤への露出の危険性を最小化する安全特徴を有するフーバー針の必要性は依然として残る。
【発明の概要】
【0005】
従って、本発明の一態様は安全チューブ付きのフーバー針を備えることである。
【0006】
本発明の典型的な実施形態はフーバー針アセンブリを備える。フーバー針アセンブリは、針、針の少なくとも一部の周りに実質的に存在する安全チューブ、および安全チューブの片端にあるスキンプレートを含む。安全チューブは針に渡って延在するように適応される。
【0007】
本発明における他の目的、有利および際立った特徴は下記の詳細な説明により明確となり、添付の図面と併せて本発明の好ましい実施形態を開示する。
【0008】
本発明およびそれに伴う多くの有利に関しては、下記の詳細な説明とともに添付の図面を参照検討することによって、本発明をよりよく理解することに伴い、より完全な理解を簡単に取得可能であろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施形態によるフーバー針アセンブリの断面側立面図である。
【図2】安全チューブが延在する、図1に表示されるフーバー針アセンブリの断面側立面図である。
【図3】安全チューブが延在する、図2に表示されるフーバー針アセンブリの断面側立面図の詳細な一部である。
【図4】図2に示すフーバー針アセンブリの上面斜視図である。
【図5】本発明の別の実施形態によるフーバー針アセンブリの断面側立面図の詳細な一部である。
【図6】断面図として示す注入ポートの方向へ挿入される図1に示すフーバー針アセンブリの側面図である。
【図7】完全に挿入された図1に示すフーバー針アセンブリの側面図である。
【図8】注入ポートから取り外しているところの図1に示すフーバー針アセンブリの側面図である。
【図9】完全に取り外した図1に示すフーバー針アセンブリの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1〜9を参照し、本発明は、血液由来病原体、薬剤および空気中、または直接な接触により運搬可能であり生物または非生物である他の望ましくないものへの露出危険性を実質的に最小化するフーバー針アセンブリ100を備える。フーバー針アセンブリ100は取り外す時に針104に渡って引き込めずに延在可能な安全チューブ102を含む。これによって安全チューブ102は血液由来病原体、薬剤および空気中、または直接な接触により運搬可能であり生物または非生物である他の望ましくないものの移入を実質的に防止する。
【0011】
図1においては、フーバー針アセンブリ100の一実施形態が断面図として示される。フーバー針アセンブリ100は、少なくとも、針104および針104の一部を実質的に囲む安全チューブ102を含む。図示された実施形態において、針104は、針104を着脱することを容易にするための実質的に90°のL字形である屈曲部106を含む。別の実施形態においては、針104は、屈曲部106が備えられないこと、複数の屈曲部106を有すること、または実質的に90°のL字形でない屈曲部106を有することが可能である。また、図示された針104は実質的に円形の断面形状を有するが、別の実施形態においては、針104は楕円形、三角形、四角形、多角形またはそれらの組み合せの断面形状を有し得る。針104はステンレススチール等、いかなる好適な材料から成ることがある。
【0012】
また、フーバー針アセンブリ100は、安全チューブ102が針104に渡って延在しない場合に安全チューブ102を実質的に囲む本体108を含んでもよい。本体108は少なくとも不延在用の安全チューブ102に機械的な支持および保護を提供する。本体108が不延在用の安全チューブ102を実質的に囲むため、本体108は不延在用の安全チューブ102を受けつけするために空間を備えるいかなる望ましい形状を有してもよい。示された実施形態において、本体108は屈曲部110を含む基本的にチューブ形状を有する。また、図示された本体108は本体108の両端にて第1の末端112および第2の末端114を有する。針104は第1の末端112延在し、第2の末端114にてカップリング116が配置される。
【0013】
カップリング116は針104および別のチューブ118を接続させる。チューブ118は薬剤、溶液、化合物、血液または他の物質を針104を介して運搬する経路を備える。また、図示されたチューブ118は、針104の断面形状に大体合わせるために、普段は実質的に円形の断面形状を有するが、別の実施形態においては、薬剤、溶液、化合物、血液または他の物質を針104を介して運搬する好適な経路を備えるいかなる好適な断面形状を有してもよく、いかなる好適な材料から成ってもよい。また、図示されたカップリング116は一本のチューブ118を針104に接続させるが、別の実施形態においては、カップリング116は、2本以上のチューブ118を針104に接続させてもよい。
【0014】
安全チューブ102が延在していない場合、安全チューブ102は本体108の第1の末端112および第2の末端114の間に実質的に配置される。図に示すように安全チューブ102は針104の一部を受けつけ可能な、基本的にチューブ形状を有する。しかし、別の実施形態においては、安全チューブ102は針104の一部を受けつけ可能であり針104に渡って延在可能であるいかなる好適な形状を有してもよい。安全チューブ102はスキンプレート120を含む。
【0015】
安全チューブ102はスキンプレート120に付着する第1の末端および本体108の内側に配置される第2の末端を有する。また、安全チューブ102は、取り外す時に安全チューブ102が本体108から完全に出ることを防止する引き止め仕組みも有する。一実施形態において、安全チューブ102は一つ以上の止め輪を含み得る。図1に示す実施形態において、安全チューブ102は安全チューブ102の第2の末端114にて止め輪124を有する。別の止め輪122が本体108の第1の末端112にて、スキンプレート120の付近または隣接な位置に配置される。止め輪122、124は安全チューブ102が、針102に渡って延住する時に、さらに延在することを防止する。それによって、止め輪122、124は安全チューブ102と本体108の結合がなくなることを防止する。
【0016】
図2を参照し、フーバー針アセンブリ100は、安全チューブ102が針104に渡って実質的に延在された状態で示される。図に示すように、安全チューブ102を延在すると、止め輪124のうちの一つは安全チューブ102に結合され、安全チューブ102とともに移動するが、他方の止め輪122は本体108に実質的に固定される。安全チューブ102とともに移動する止め輪124が他方の止め輪122と隣接すると止め輪122および124は安全チューブ102が更に延在することおよび安全チューブ102が本体108から分離することを防止する。
【0017】
安全チューブ102は、針104に渡って完全に取り外した場合に本体108に引き込み戻って針104の先端を再露出できないように構成される。図3を参照し、安全チューブ102が針104に渡って実質的に延在された状態で針104の一部が示され、安全チューブ102は断面図として示される。図に示すように安全チューブ102は溝126を含み得る。針104が屈曲部106を有するため、安全チューブ102は、安全チューブ102が針104の屈曲部106に渡って延在することを可能にする溝126を有してもよい。図4を参照し、安全チューブ102の一部が詳細に示される。溝126は針104の直径より若干大きくなってもよい。針104の屈曲部106を通り過ぎて取り出した場合の溝126は、安全チューブが本体108に引き込まれることを防止する。逆方向に押された場合、例えば潜在的な針の貫通の場合、針の水平部は溝126の中を通って、体腔の上部は安全チューブ102の第2の末端に隣接し、屈曲し本体108に完全に引き込むことを防止する。
【0018】
図5を参照し、別の実施形態による安全チューブの202の一部が示される。図1〜4に示す安全チューブ102と異なって、安全チューブ202は止め輪124または溝126を有しない。その代わりに、図に示すように、安全チューブ202はベベル228を有してもよい。針204および本体208は図1〜4の針104および本体108と実質的に同一のものであるため、それらの詳細な説明を省略する。本体208はベベル228の先端を受けつけ可能な捕捉部230も含み得る。一般的に、体腔の上部にある陥没部は捕捉機構として機能してもよく、例として図5に示す典型的な捕捉部230を挙げる。安全チューブ202針204の屈曲部206に渡って取り外す時に、ベベル228の先端は捕捉部230に位置合わせられるか、移動される。安全チューブ202が逆方向に押される場合、例えば潜在的な針の貫通の場合、ベベル228の先端は捕捉部230に隣接するかさらに突っ込み、それによって安全チューブ202が屈曲し本体208に完全に引き込むことを防止する。
【0019】
図6〜9を参照し、フーバー針アセンブリ100が皮下注入ポート300に着脱することを示す。図6においては、フーバー針アセンブリ100が皮膚を介して皮下注入ポート300まで挿入されることを示す。図に示すように安全チューブ102は、針104が矢印1の方向に注入ポート300に押されるため針104に渡って延在されない。図7を参照し、フーバー針アセンブリ100は、針104が完全に挿入されフーバー針アセンブリ100が皮膚に接触することを示す。従って、フーバー針アセンブリ100が更に矢印2の方向に押された後、針104は注入ポート300のポートセプタム302を貫通したため、端104の片端はポートリザーバー304の中に位置することになる。
【0020】
図8を参照し、フーバー針アセンブリ100の針104を取り外すことが示される。フーバー針アセンブリ100の使用者は一つの方向にスキンプレート120を皮膚に押すが、フーバー針アセンブリ100の他部分は矢印3により画定するように反対の方向に注入ポート300から引っ張れる。使用者はスキンプレート120が実質的に皮膚に接触するようにスキンプレート120の羽根128を押下する。他方の手を利用して使用者はフーバー針アセンブリ100の他部分をスキンプレート120および注入ポート300から引っ張る。使用者がスキンプレート120を片手で皮膚に固定し、他方の手でフーバー針アセンブリ100の他部分を皮膚から引っ張るため、安全チューブ102は延在する。従って、安全チューブ102は針104がフーバー針アセンブリ100の他部分とともに注入ポート300から引っ張りながら針104に渡って延在することになる。
【0021】
図9を参照し、フーバー針アセンブリ100の針104は完全に取り外した状態で示される。図に示すように針104は一つの方向に注入ポート300から完全に取り外されるが、安全チューブ102は矢印4により画定される他方の方向に針104に渡って延在される。安全チューブ102は針104に渡って実質的に延在し、それによって針104は安全チューブ102の中に完全に入ることが可能である。その後、針104はフーバー針アセンブリ100から取り外し安全に処分し得る。針104が安全チューブ102の中に入っているため、フーバー針アセンブリ100は使用者または患者に対して針の貫通事故の危険性を最小化する。また、針104を通る物質からの排出を吸入する危険性も最小化する。
【0022】
本発明におけるこれらの、および他の有利は前述の明細書により当業者にとって明らかである。従って、当業者は、上記の実施形態への変更または修正を行っても本発明の大まかな発明的概念から離れないことを理解するであろう。特定の実施形態において特定の寸法が記載される場合、例示するためのものだけである。従って本発明が本明細書に記載される特定の実施形態に制限されず、本発明の範囲および意向内で全ての変更および修正を含む意図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
針と、
前記針の少なくとも一部の周りに配置される、前記針に渡って引き込み不可能に延在するように適応される安全チューブと、
前記安全チューブの片端に配置されるスキンプレートと、
を備えるフーバー針アセンブリ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2013−500785(P2013−500785A)
【公表日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−523036(P2012−523036)
【出願日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【国際出願番号】PCT/US2010/043691
【国際公開番号】WO2011/014642
【国際公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【出願人】(500053263)メデイカル コンポーネンツ,インコーポレーテツド (36)
【Fターム(参考)】