説明

安全装置付スイッチ

【課題】 従来スイッチの安全装置に関しては多くの改善技術の提案が有り、スイッチを安全に操作できる機構も提案されているが、他の機構との組合せでスイッチの開閉には二度の操作が必要であったり、スイッチ具を大きくしてスイッチの凸部を低くすることで安全性と操作性を高めたデザインが見られるが、安全性は不十分であった。本発明の目的は、これらの欠点を解決することにある
【解決手段】 本発明の目的は外力が作用してスイッチが非作動位置にあるスイッチ具に、該外力に逆らう方向の力を作用することによってスイッチ具のロックが解除され、スイッチ作動位置に変位することを特徴とする安全装置付スイッチによって達成される

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はスイッチに関し、スイッチのオン又はオフを安全で容易に操作できる機構を有する安全装置付スイッチに関するものである
【背景技術】
【0002】
従来、折り畳みナイフや折り畳み鋸、さらには電気器具類のスイッチの多くは凸状のものが多く、間違えて凸状物を押すことによってスイッチがオンになってしまい、使用中の折り畳みナイフや折り畳み鋸の刃の固定が解除されてしまい、怪我をするなどの問題があった。逆に折り畳み状態の折り畳みナイフが突然飛び出すなどの問題があった。また、電気器具においても凸状スイッチが間違えて押されてしまいモーターが突然動き出すことやヒーターのスイッチがオンになってしまい、火災などの原因になることが多く発生していた。
【0003】
これらの対策として、種々の提案がなされている。
例えば、折り畳みナイフスイッチの使用中にロックが解除することを防止するための提案がある(特許文献1)。しかしながらこの提案はロックが容易に解除されないようにすることを目的としたものであり、不用意にスイッチがオンになることを防止する本発明の技術内容とは異なるものであり、本発明の目的を達成することは出来ない。
更に、ナイフスイッチの安全化を目的に単なるスイッチに電気的作用を応用した提案がなされている(特許文献2)。この提案では複雑な機構になっているために簡単な折り畳みナイフのスイッチとして適用することは難しい。
【0004】
【特許文献1】特開平09−108456号
【特許文献2】特開平08−249986号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来スイッチの安全装置に関しては多くの改善技術の提案があり、スイッチを安全に操作できる機構も提案されているが、他の機構との組合せで二度の操作が必要であったり、スイッチ具を大きくし凸部を低くすることで安全性と操作性を高めたデザインもみられるが、安全性は不十分であった。本発明の目的はナイフスイッチを二段階操作することを必須とした安全性を大幅に高めた安全装置付スイッチを提案することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の目的は外力が作用してスイッチが非作動位置にあるスイッチ具に、該外力に逆らう方向の力を作用することによってスイッチ具のロックが解除され、スイッチ作動位置に変位することを特徴とする安全装置付スイッチによって達成される。
【発明の効果】
【0007】
本発明は前記のように構成され、従来のように不注意で凸部に物が接触しスイッチが開閉したり、不用意にスイッチを開閉したり、子供が簡単に凸部を作動することなく安全なスイッチを提供することかできる。また、スイッチ具を連続した一作動で安全装置からロックを解除し、スイッチ作動を進めることができるスイッチも可能である。しかも凸部を高くし、老人にも作動し易いデザインも可能である
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明になるスイッチとは安全機構を有するスイッチ全体を指し、具体的にはスイッチ具、ストッパー、外力付与部を含み、電気器具の場合は電気スイッチ凸部等を含んだスイッチ全体を指す。つまり安全装置付スイッチ機構全体を指しているのであってスイッチ具のみを指すものではない。
本発明で言う外力とは、スイッチ具に対して常に力が作用しており、一定方向又は一定位置を固定している力を言う。この外力を与える素材は特に限定されることはないが、主成分が鉄からなる金属やゴム弾性を有する樹脂、例えば天然ゴム、合成ゴム、ポリマー材料からなるエラストマー等が好ましく適用することが出来る。特にステンレススチールからなるバネが好ましく適用することが出来る。
他方、合成樹脂としてはゴム弾性を有するものであれば適用できるが、中でもエチレン‐α‐オレフィンエラストマーなどが好ましく適用できる。
外力を与える部品の形態は限定するものではないが、板バネ、コイルバネ、線材バネ、バネ性のある座金、マグネットなどが好ましく適用することが出来る。
外力を付与する手段は前述の通り板バネ、コイルバネ、線材バネ、バネ性のある座金、マグネット等を状況によって適用することが可能であるが、たとえばコイルバネと線材バネを併用して適用する等複数の手段を併用することも好ましい。
非作動位置とは、そのままでスイッチ具を押してもストッパー機能が作用してスイッチがオン又はオフにならない位置にあることを意味している。本発明では最初の行為で非作動位置から作動位置に移動させ、次いで更にもう一つの行為をすることによって初めてスイッチがオン又はオフになる技術である。
【0009】
以下本発明の安全装置付スイッチを折り畳みナイフに適用した例を詳細に説明する。言うまでもなく本発明は以下の記載に限定されるものではない。
図1は本発明の安全装置付スイッチを有した折り畳みナイフを構成する部品図である
図2は折り畳みナイフの側板(1a、1b)に安全装置付スイッチを取り付けた状態を示す図である
以下安全装置付スイッチについて図3から図6まで説明する
図3は折り畳みナイフのロック機構と安全装置付スイッチが組み込まれ、スイッチ具が非作動位置にあり、ストッパー(7)によってオン又はオフの作動が出来ない状態を示す図で、折り畳みナイフのアーム状板基端凸部(3)が刃体端部背側凹部(4)と係合し、刃体(5)は確実にロックされており、又ナイフのスイッチ具(6)が側板(1a)のストッパー(7)にコイルバネ(8)の外力によってスイッチ具(6)が非作動の状態になり、ナイフのスイッチ具(6)はロックされている。
図4はスイッチがストッパー(7)より解除され、折り畳みナイフのロック機構に連動し、ロックを解除状態にしたことを示す図で、スイッチ具(6)を外力(8)に逆らう方向に作用することによってストッパー(7)より解除され、そのままスイッチ具(6)を押すことによって一連の動作で折り畳みナイフのロックが解除できる。
図5はナイフの刃体(5)がオープンしている時、アーム状板バネ(2a)の先端と刃体のタングの腹側部のロック面が固定されたライナーロックナイフにスイッチ具(6)を組み込んだ状態の一例である
スイッチ具(6)が側板(1b)のストッパー(7)にコイルバネ(8)の外力によってスイッチ具(6)が非作動の状態になる
図6は電気スイッチの凸部が作動するスイッチに安全装置付スイッチを組み込んだ状態である。スイッチ具(6)がストッパー(7)にコイルバネ(8)の外力によってスイッチ具(6)が非作動の状態になって、スイッチ具(6)を押すことが出来ない
【0010】
本発明は折り畳みナイフに好ましく適用できるが、他に切り出しナイフ、包丁、彫刻刀等のナイフは勿論、それ以外の文房具、工具、鍵、家庭用品、美粧用品等を含む広い範囲に適用することが出来る。特に飛び出す機能の付いた折り畳みのナイフ、櫛、鍵等には有効である
【産業上の利用可能性】
【0011】
本発明の機構は安全装置付のスイッチであり、スイッチのオン又はオフが安全かつ容易であるため、折り畳みナイフ、折り畳み鋸をはじめとして、文房具、鍵、家庭用品、美粧用品、電気のスイッチを含む広い範囲に利用することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の安全装置付スイッチを折り畳みナイフに組み込んだ部品の構成を示すものである
【図2】本発明の安全装置付スイッチを折り畳みナイフに取り付けた状態を示すものである
【図3】本発明の安全装置付スイッチを折り畳みナイフに取り付け、スイッチ具がロックされた状態を示すものである
【図4】本発明の安全装置付スイッチを折り畳みナイフに取り付け、スイッチ具が解除された状態を示す図である
【図5】折り畳みのライナーロックナイフに組み込んだ安全装置付スイッチの機構例(1)を示したものである
【図6】電気スイッチに組み込んだ安全装置付スイッチの機構例(2)を示したものである
【符号の説明】
【0013】
1a:側板a
1b:側板b
2a:アーム状板バネa
2b:アーム状板バネb
3:アーム状板基端凸部
4:刃体端部背側凹部
5:刃体
6:スイッチ具
7:ストッパー
8:コイルバネ
9:スイッチ具固定ネジ
10:背金
11a:柄a
11b:柄b
12:支軸
13:支軸固定ネジ
14:ストップピン
15:電気スイッチ凸部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外力が作用してスイッチが非作動位置にあるスイッチ具に、該外力に逆らう方向の力を作用することによってスイッチ具のロックが解除され、スイッチ作動位置に変位することを特徴とする安全装置付スイッチ
【請求項2】
該外力がコイルバネ、板バネ、線材バネ、バネ性のある座金、マグネットのいずれかからなることを特徴とする請求項1記載の安全装置付スイッチ
【請求項3】
請求項1又は2記載の安全装置付スイッチを有することを特徴とする折り畳みナイフ


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−270129(P2008−270129A)
【公開日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−115303(P2007−115303)
【出願日】平成19年4月25日(2007.4.25)
【出願人】(592140539)
【Fターム(参考)】