説明

安定な無定形セレコキシブ複合物およびその製法

【課題】少なくとも検出可能な量のセレコキシブが無定形形態であるセレコキシブ-結晶化阻害剤複合物を製造する方法が提供される。
【解決手段】そのような方法に従って製造された組成物がまた提供される。本発明の組成物を治療に有効な量で、例えば経口的に投与することを含む、シクロオキシゲナーゼ-2阻害剤での治療が指示される対象における医学的状態または疾患を治療する方法がまた提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、選択的シクロオキシゲナーゼ-2阻害剤であるセレコキシブ(celecoxib)及び、特に無定形セレコキシブを含む安定な複合物の製造方法、並びにそのような複合物を含む医薬組成物に関する。本発明はさらに、そのような無定形複合物又はその組成物を対象に投与することを含む、シクロオキシゲナーゼ-2が仲介する疾患の治療方法、及びそのような固体状態の形態を薬剤の製造に使用することに関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
4-[5-(4-メチルフェニル)-3-(トリフルオロメチル)-1H-ピラゾール-1-イル]ベンゼンスルホンアミド(I)としてまた知られており、ファルマシア社(Pharmacia Corp.)により市販されているCelebrex(商標)の活性成分であるセレコキシブは、治療的かつ予防的に有用な選択的シクロオキシゲナーゼ-2阻害効果を有し、特異的なシクロオキシゲナーゼ-2が仲介する疾患の治療および予防ならびに一般的にそのような疾患の治療および予防において有用性を有する。セレコキシブは、以下の構造:
【化1】

を有する。
【0003】
セレコキシブの製造方法は、タレイ(Talley)の米国特許第5,466,823号およびズィー(Zhi)&ネワズ(Newaz)の米国特許第5,892,053号(両方、引用することにより本明細書に組み入れられる)に示されている。同時係属の国際特許出願公開WO00/32189(引用することにより本明細書に組み入れられる)は、セレコキシブが、長い粘着性の針を形成する傾向がある結晶形態を有することを開示する。同時係属の国際特許出願公開WO00/42021(引用することにより本明細書に組み入れられる)は、セレコキシブの溶媒和した結晶形態およびその結晶形態の脱溶媒和の方法を開示する。
【0004】
セレコキシブの新しい形態、特に急速攻撃組成物を製造するために適当な形態についての必要性が存在する。急速攻撃薬剤配送系は、慣用の薬剤形態より有意の利益を提供することができる。一般に、急速攻撃調製物は、慣用の即時放出または徐放性の投薬形態と比べて、短時間の治療または予防的応答を提供する。例えば急性の痛みの治療においては、セレコキシブの急速攻撃投薬形態は、速い苦痛の軽減を提供するために有用であろう。
【0005】
しかしながら、セレコキシブは、急速攻撃投薬形態として、特に急速攻撃経口投薬形態としての処方について、ある種の難題を示す。例えばセレコキシブは、水性媒体中に非常に低い溶解性を有し(約2〜約5μg/ml)、したがって、経口的に、例えば錠剤またはカプセルの形態で投与されたときに、胃腸管中で急速吸収のために容易には溶解および分散しない。その上、セレコキシブは、急速吸収のために十分な治療的に有効な投与量を提供することの困難性をさらに増す比較的高い投与量必要条件を有する。
【0006】
セレコキシブ結晶はまた、特有の物理的および化学的特性または機械的特性、例えば静電気および粘着特性、低いかさ密度、低い圧縮性および乏しい流動特性の結果として、処方の困難性を示す。少なくとも一部はこれらの特性により、セレコキシブ結晶は、混合中に分離および凝集する傾向があり、セレコキシブの望ましくなく大きい、不溶性の凝集塊を含む不均質にブレンドされた組成物を生じる。したがって、これらの理由および他の理由のために、望ましいブレンド均質性を有するセレコキシブを含む経口投与できる急速攻撃組成物を製造することは困難である。
【0007】
血流の全身循環へのそれの進入により測定される、経口投与された薬剤の生物学的利用能は、少なくとも2つの基本プロセスに依存する:胃腸の流体中の薬剤の溶解(イン ビボ(in vivo)薬剤放出)および次いで溶解した薬剤の吸収。幾つかの要因が、担体からの薬剤の溶解に影響を及ぼし、その要因は、溶解溶媒媒体へ呈示された薬剤の表面積、溶媒媒体中の薬剤物質の溶解性および溶媒媒体中に溶解された物質の飽和濃度の推進力を包含する。
【0008】
イン ビボ(in vivo)薬剤放出のプロセスが、吸収のプロセスより遅いときには、吸収は、溶解速度に制限されると言われる。全般的プロセスにおいては溶解が吸収より先に立つので、薬剤放出または溶解プロセスにおける任意の変化が引き続き、薬剤吸収に影響を及ぼす。例えばリーバーマン(Lieberman)ら(1989)、薬剤の投薬形態:錠剤(Pharmaceutical Dosage Forms: Tablets)、Vol.1, pp. 34-36、マルセル デッカー(Marcel Dekker)、ニューヨーク参照。したがって、組成物について決定された溶解時間は、急速攻撃配送のために意図された組成物を評価するとき、特に薬剤吸収が溶解速度制限される場合に考慮するための重要な基本特性の1つであることが明らかである。
【0009】
結晶固体は、その高度に統合された格子様の構造のために、典型的には、溶解に有意量のエネルギーを必要とする。薬剤分子が結晶から脱出するのに必要とされるエネルギーは、例えば同じ薬剤分子が非結晶の無定形形態から脱出するのに必要とされるエネルギーより大きい。しかしながら重要なことには、無定形形態へと変換された結晶薬剤形態は、時間経過にわたって、低いエネルギーの定常状態、すなわち結晶形態へ戻る傾向があり、かくして、適切な寿命を有し得ない。
【0010】
以下に示されるように、セレコキシブを用いた治療は、非常に多数のシクロオキシゲナーゼ-2が仲介する状態および疾患において指示される。したがって、例えば薬剤の急速溶解によって高められた生物学的利用能を示す、セレコキシブの無定形の形態が製造できるなら、特に、そのようなセレコキシブの無定形の形態を含む貯蔵安定な組成物を開発できるなら、シクロオキシゲナーゼ-2が仲介する状態および疾患の治療において、特に痛みまたは他の症状の初期の除去が望まれる急性疾患の治療において有意の進歩が実現されるであろう。
【発明の開示】
【0011】
発明の概要
セレコキシブを含む組成物を経口投与したなら、薬物動態学的特性が示され、より大きい最大血清濃度(Cmax) に至り、および/または、投与後より短時間でその最大に達する(Tmax)なら、セレコキシブは、治療効果のより速い攻撃を提供する。結晶形態より無定形形態で提供されるときに、より大きいCmaxおよび/またはより短いTmaxが、セレコキシブのより速い溶解から生じ得ることが予想される。
【0012】
したがって、本発明は、少なくとも検出可能な量のセレコキシブが無定形形態であるセレコキシブ-結晶化阻害剤複合物を製造する方法であって、(a) セレコキシブを、セレコキシブのための少なくとも1種の製薬上許容される溶媒に溶解して第1の溶液を形成する工程;(b) 少なくとも1種の結晶化阻害剤(以下に記載する試験Iに従って選択される)を、結晶化阻害剤のための少なくとも1種の製薬上許容される溶媒に溶解して第2の溶液を形成する工程;(c) 1秒当たり約20体積%以下の第1の溶液の速度で、第1の溶液を第2の溶液に添加して混合物を形成する工程;(d) 混合物からセレコキシブ-結晶化阻害剤複合物の沈殿を生じるのに有効な時間混合物を平衡させる工程;および(e) 混合物からセレコキシブ-結晶化阻害剤複合物を分離する工程を含む方法を提供する。
【0013】
「第1の溶液を第2の溶液に添加する」という語は、第1の容器からある体積の第1の溶液を、第2の溶液を含む第2の容器へ移すこと、および/または同時にもしくは実質的に同時に、第1の容器からある量の第1の溶液および第2の容器からある量の第2の溶液を、第3の容器へ移すことを含む。
【0014】
本明細書において「平衡させる」という語は、セレコキシブ-結晶化阻害剤複合物が時間経過にわたって徐々に沈殿する状態(例えば温度、撹拌、混合物の体積の容器の体積に対する比等)を提供することをいう。好ましくは平衡工程は、室温で少なくとも約1時間混合物を適度に撹拌することを含む。そのような撹拌は、任意の適当なやり方で、例えば混合物を振とう、回転もしくはころがすことによって、またはパドルもしくは撹拌棒を用いて混合物を撹拌することによって行なうことができる。
【0015】
本発明の方法に従って製造されたセレコキシブ-結晶化阻害剤複合物に存在する少なくとも検出可能な量のセレコキシブは無定形形態であり、セレコキシブは、少なくとも1種の結晶化阻害剤と親密に関連している。本発明において「親密な関連」は、例えば結晶化阻害剤中に固定されているかまたは組み込まれているセレコキシブを含み、セレコキシブは、結晶化阻害剤の粒子上でコーティングを形成しているか、または反対であるか、および/または結晶化阻害剤中にセレコキシブの実質的に均一な分散を形成している。多成分を含む複合物または医薬組成物に関して、本明細書において「実質的に均一」という語は、個々の成分が別個の層として存在せず、組成物内で濃度勾配を形成しないように、成分が十分に混合されることを意味する。
【0016】
本発明はまた、本発明の方法により製造されたセレコキシブ-結晶化阻害剤複合物、例えばセレコキシブ-ポリマー複合物を含む医薬組成物を提供する。そのような組成物は、別個の固体品の形態で、例えば錠剤、キャプレット、丸薬、硬質もしくは軟質のカプセル、ロゼンジ、サシェまたはトローチ剤であることができる投与量単位を含むことができ、あるいは組成物は、1回の投与量単位を測定可能に取り去ることができる実質的に均一な流動性の練薬の形態、例えば粒子もしくは顆粒状の固体もしくは液体懸濁物、例えば吸収性の分散物であることができる。
【0017】
シクロオキシゲナーゼ-2阻害剤での治療が指示される対象における医学的状態または疾患を治療する方法であって、例えば経口的に本発明の組成物を治療に有効な量で投与することを含む方法がまた提供される。そのような方法は、医学的状態または疾患が急性の痛みを伴う場合に特に有用である。
【0018】
本発明の方法に従って製造されたセレコキシブ-結晶化阻害剤複合物は、それが良好な物理的安定性を示す(すなわち、セレコキシブは、時間経過にわたって無定形形態で安定なままである傾向がある)ために、特に有利である。理論に束縛されることはないが、安定な無定形のセレコキシブ粒子の存在は、より速い薬剤溶解および治療効果のより速い攻撃を促進すると考えられる。本発明の他の特徴は、以後一部明らかになり、一部指摘されるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
発明の詳細な説明
セレコキシブ-結晶化阻害剤複合物
本発明は、そこに存在する少なくとも検出可能な量のセレコキシブが無定形形態である、セレコキシブ-結晶化阻害剤複合物を製造する方法を提供する。本明細書で使用される「無定形」という語は、規則的な結晶構造を欠いている固体状態の粒子をいう。理論に束縛されることはないが、無定形のセレコキシブ粒子は、同じ寸法の結晶セレコキシブ粒子より溶解のために必要とされるエネルギーが少なく、この減じられた溶解エネルギーの必要条件は、少なくとも一部、無定形セレコキシブおよびその組成物によって示される溶解速度の増加および/または治療の攻撃時間の減少に寄与すると考えられる。
【0020】
本発明のセレコキシブ-結晶化阻害剤複合物中の少なくとも検出可能な量のセレコキシブは、無定形の形態である。1つの実施態様においては、約10〜100重量%、好ましくは約25〜100重量%、なおさらに好ましくは約60〜100重量%の、複合物中に存在するセレコキシブが無定形の形態である。この実施態様のセレコキシブ-結晶化阻害剤複合物においては、セレコキシブの画分は、微晶質またはナノ微晶質(nanocrystalline)のセレコキシブとして存在し得るが、この画分は好ましくは少なく、例えば複合物中の全セレコキシブの約50重量%未満、より好ましくは約25重量%未満、なおさらに好ましくは約10重量%未満、またさらに好ましくは約5重量%未満である。
【0021】
別の実施態様においては、本発明の方法に従って製造されるセレコキシブ-結晶化阻害剤複合物中の無定形セレコキシブの量は、全てまたは実質的に一部のセレコキシブが結晶である、他は同様のセレコキシブ-ポリマー複合物と比べて、標準のイン ビトロ(in vitro)溶解アッセイにおいて測定される溶解速度の増加および/または、標準のイン ビボ(in vivo)薬物動態学の研究によって測定される生物学的利用能の改善(例えば血液の血漿中の限界治療濃度に達する時間の短縮、より大きいCmaxおよび/またはより短いTmax)を提供するのに十分である。
【0022】
本発明の方法に従って製造されるセレコキシブ-結晶化阻害剤複合物は、使用される特定の結晶化阻害剤に依存して、好ましくは約10〜約80重量%、好ましくは約15〜約75重量%、より好ましくは約25〜約65重量%の結晶化阻害剤を含む。好ましくは、本発明の方法によって製造されるセレコキシブ-結晶化阻害剤複合物中のセレコキシブ対結晶化阻害剤の重量比は、約1:8〜約8:1、さらに好ましくは約1:5〜約5:1、なおさらに好ましくは約1:2〜2:1である。
【0023】
別の実施態様においては、本発明の方法に従って製造されるセレコキシブ-結晶化阻害剤複合物は、複合物が、環境温度で少なくとも7日間開けられた皿に維持されたときに、無定形セレコキシブの結晶セレコキシブへの変換が、複合物中の全セレコキシブの約50重量%以下、好ましくは約25重量%以下、さらに好ましくは10重量%以下であるくらい十分である量の結晶化阻害剤を含む。
【0024】
結晶化阻害剤
結晶化阻害剤は、無定形セレコキシブの結晶セレコキシブへの転化を実質的に減らす任意の物質例えばポリマー、炭水化物、脂質等を包含する。「実質的に減らす」という語は、無定形セレコキシブの結晶セレコキシブへの転化を減らす結晶化阻害剤に関して、測定可能な程度までのセレコキシブの結晶化を、完全に阻害する、防止する、遅くする、遅らせる、低減するまたは制限することを含む。概して、適当な結晶化阻害剤は、試験Iにしたがって選択することができる。
【0025】
試験I.
A. 撹拌しながら、セレコキシブを5〜100mg/mlの濃度でエタノールに溶かして、第1の溶液を形成する;
B. 試験物質を選択し、(撹拌し、任意的に加熱しながら)100mlの室温水に溶かして、第2の溶液を形成する;水中の試験物質の濃度は、約1%重量/重量でなければならない;
C. (撹拌しながら)第1の溶液を第2の溶液に、1秒当たり約0.02mlの速度で添加して、セレコキシブ濃度が約200μg/ml〜約1000μg/mlである混合物を形成する;
D. 混合物を室温で少なくとも48時間撹拌する;
E. 48時間の撹拌後、混合物の試料を抜き取り、溶液中のセレコキシブの濃度を決定する;
F. 試料の溶液中のセレコキシブの濃度が10μg/ml以上であるなら、試験物質は、本発明の方法において結晶化阻害剤として使用するのに適当であると思われ;試料の溶液中のセレコキシブの濃度が10μg/ml未満であるなら、試験物質は、本発明の方法において結晶化阻害剤として使用するのに適当でないと思われる。
【0026】
特に好ましい実施態様においては、試験Iにおいて見出された結晶化阻害剤は、工程Eにおいて抜き取られた試料の溶液中のセレコキシブの濃度が撹拌48時間後に20μg/mlより上であるなら、適当であると思われる。
【0027】
HPMCおよびメチルセルロースは好ましいポリマーである。HPMCは、本発明の方法および組成物において結晶化阻害剤として使用するのに特に好ましいポリマーである。HPMCは、そのセルロース骨格の鎖長が変化し、したがって、例えば水中の2重量%濃度で測定される粘度が変化する。本発明の方法およびセレコキシブ-ポリマー複合物において使用されるHPMCは、水中2%で、約5〜約100,000cP、好ましくは約5〜約15,000cPの粘度を有さなければならない。本発明のセレコキシブ-ポリマー複合物において使用されるHPMCの分子量は、好ましくは約10,000より上であるが、好ましくは約1,500,000以下、さらに好ましくは約1,000,000以下、なおさらに好ましくは約500,000以下、なおさらに好ましくは約150,000以下である。HPMCはまた、セルロース骨格上の利用可能なヒドロキシル基のメトキシおよびヒドロキシプロポキシ基による置換の相対的置換度が変化する。ヒドロキシプロポキシ置換が増加すると、得られるHPMCは、性質がより親水性になる。本発明のセレコキシブ- HPMC複合物において、約15〜約35%、好ましくは約19〜約32%、さらに好ましくは約22〜約30%のメトキシ置換を有し、かつ約3〜約15%、好ましくは約4〜約12%、さらに好ましくは約7〜約12%のヒドロキシプロポキシ置換を有するHPMCを使用するのが好ましい。本発明において使用できるHPMCは実例として、ダウ ケミカル社(Dow Chemical Co.)のMethocel(商標)およびシンエツ化学社(Shin-Etsu Chemical Co.)のMetolose(商標)の商品名の下に入手可能である。低粘度および中間の粘度を有する特に適当なHPMCの例としては、Methocel(商標)E5(水中2%での粘度約5cPを有する)ならびにMethocel(商標)E4MおよびMethocel(商標)K4M(これらは両方共、水中2%での粘度約4000cPを有する)を包含する。より高い粘度を有するHPMCの例としては、Methocel(商標)E10M、Methocel(商標)K15MおよびMethocel(商標)K100M(水中2%での粘度それぞれ10,000cP、15,000cPおよび100,000cPを有する)を包含する。
【0028】
セレコキシブ-結晶化阻害剤複合物の製造方法
本発明の目下好ましい実施態様においては、その少なくとも検出可能な部分が無定形の形態であるセレコキシブおよび、セレコキシブと親密に関連する結晶化阻害剤を含むセレコキシブ-結晶化阻害剤複合物を製造する方法が提供される。この方法は、(a) セレコキシブを、セレコキシブのための少なくとも1種の製薬上許容される溶媒に溶かして、第1の溶液を形成する工程;(b) (好ましくは加熱して)少なくとも1種の結晶化阻害剤を、結晶化阻害剤のための少なくとも1種の製薬上許容される溶媒に溶かして、第2の溶液を形成する工程;(c) 第1の溶液を第2の溶液に、1秒当たり約20体積%以下の第1の溶液の速度で添加して、液体混合物を形成する工程;(d) 混合物からセレコキシブ-結晶化阻害剤複合物の沈殿を生じるのに有効な時間混合物を平衡させる工程;および(e) 沈殿したセレコキシブ-結晶化阻害剤複合物を混合物から分離する工程を含む。工程(a)および(b)は、任意の順序で、または実質的に同時に行なうことができる。
【0029】
「セレコキシブのための製薬上許容される溶媒」という語は、好ましくは室温で穏やかに撹拌しながら、溶媒が関連する量のセレコキシブを溶かすことができなければならず、かつヒト対象への投与のために適当でなければならないことを意味する。「少なくとも1種の結晶化阻害剤のための製薬上許容される溶媒」という語は、好ましくは穏やかに撹拌しながら、溶媒が関連する量の結晶化阻害剤を溶かすことができなければならず、かつヒト対象への投与のために適当でなければならないことを意味する。専門家は、慣例の実験によって、セレコキシブおよび結晶化阻害剤のための製薬上許容される溶媒を容易に突き止めるであろう。幾つかの場合には、溶媒は、セレコキシブおよび結晶化阻害剤の両方を受け入れることができ、一方、他の場合には、1種より多い溶媒が使用される。
【0030】
セレコキシブのための適当な製薬上許容される溶媒の限定されない例は、水-アルコール混合物、メタノール、エタノール、n-ブタノール、イソプロパノール、高級アルコール、プロピレングリコール、ジメチルアミド、ジエチルグリコールモノエチルエーテル(DGME)、ポリエチレングリコール(PEG)等を包含する。結晶化阻害剤のための適当な製薬上許容される溶媒の限定されない例は、水、水/アルコール混合物、アルコール(例えばエタノール)、プロピレングリコール、カプリル酸エチル、ラウリン酸プロピレングリコール、PEG、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル等を包含する。
【0031】
本発明の方法においては、第1の溶液中のセレコキシブの濃度は好ましくは約1mg/ml以上であり、例えば約2.5〜約400mg/ml、好ましくは約5〜約200mg/mlである。第2の溶液中の結晶化阻害剤の濃度は好ましくは約0.1%重量/重量以上であり、例えば約0.1〜約20%重量/重量、好ましくは約1〜約20%重量/重量である。当業者は、とりわけ使用される特定の結晶化阻害剤および溶媒、第1および第2の溶液の組合せの割合および第1の溶液中のセレコキシブの濃度に依存して、適当な結晶化阻害剤濃度を、本明細書に提供された範囲内で容易に選択するであろう。
【0032】
第1の溶液中のセレコキシブの濃度または第2の溶液中の結晶化阻害剤の濃度にかかわらず、工程(c)から形成された混合物の溶液中の、初期の(すなわち、任意の実質的な量の沈殿の前の)セレコキシブの濃度は、好ましくは約25μg/ml以上であり、例えば約30〜約5,000μg/ml、好ましくは約40〜約2,500μg/ml、さらに好ましくは約50〜約1,000μg/mlである。第1の溶液中のセレコキシブの濃度または第2の溶液中の結晶化阻害剤の濃度にかかわらず、工程(c)から生じる混合物中の結晶化阻害剤の初期濃度(任意の実質的な量の沈殿の前)は、好ましくは約0.01%重量/重量以上であり、例えば約0.1〜約15%重量/重量、好ましくは約0.1〜約5%重量/重量である。
【0033】
好ましくは、工程(c)においては、第1の溶液は第2の溶液に、1秒当たり、約0.1〜約10体積%、さらに好ましくは約0.1〜約7.5体積%、なおさらに好ましくは約0.1〜約5体積%の、第2の溶液と合わせられる第1の溶液の速度で、添加される。重要なことに、当業者は、プロセスが生産の任意の所望の規模に適用できるように、本明細書に提供された範囲内で、第1および第2の溶液の組合せの割合を容易に最適化することができる。工程(c)は好ましくは、約18〜約30℃の温度、さらに好ましくは約20〜約25℃で行なわれる。好ましい実施態様においては、工程(c)から生じる混合物は、それが形成されるときに連続的に撹拌される。
【0034】
平衡工程(d)は、工程(c)で製造された混合物の、好ましくは約18〜30℃、より好ましくは約20〜約25℃の温度での撹拌を含む。「混合物からセレコキシブ-結晶化阻害剤複合物の沈殿を生じるのに有効な時間」という語は、平衡工程の長さに関して、一般に、セレコキシブ-結晶化阻害剤複合物が混合物から、標準的なろ過または遠心分離技術を用いて混合物から分離することができる沈殿の形態で沈殿するのに十分な時間の長さを意味する。概して、混合物からセレコキシブ-結晶化阻害剤複合物の沈殿を生じるのに有効な時間は少なくとも約5分間、好ましくは約1〜約60日間、さらに好ましくは約1〜約30日間、なおさらに好ましくは約1〜約21日間である。
【0035】
工程(e)にしたがって、任意の適当な分離手段を使用して、混合物から沈殿を分離することができる。実例として、沈殿したセレコキシブ-結晶化阻害剤複合物は、ろ過、遠心分離、蒸発、凍結乾燥、慣用の加熱(例えばオーブン内での)、噴霧乾燥等によって、混合物から分離することができる。ろ過が、好ましい分離方法である。
【0036】
本発明の方法に従って製造されたセレコキシブ-結晶化阻害剤複合物は、さらなる処方物なしに経口、直腸もしくは非経口的に、または単に水もしくは別の製薬上許容される液体に懸濁させて、投与することができる。あるいは、複合物は、経口投与のためにカプセルに直接充填することができる。しかしながら、好ましくは複合物またはその粉末は、典型的には1種以上の追加の賦形剤と共に、さらなる加工処理に供されて、医薬組成物例えば以下に記載する経口投薬形態を製造する。
【0037】
医薬組成物
本明細書において提供されるセレコキシブ-結晶化阻害剤複合物は、1種以上の製薬上許容される賦形剤と一緒にさらに処方されて、医薬組成物を生じることができる。本明細書において「賦形剤」という語は、それ自体治療剤でなく、治療剤を対象に投与するための担体もしくは賦形剤として使用されるか、または医薬組成物に添加されてその取り扱いもしくは貯蔵特性を改善するか、または組成物の投与量単位を個別品、例えば経口投与のために適当なカプセルもしくは錠剤へ形成するのを可能にするかまたは促進する任意の物質を意味する。賦形剤としては、説明のためであって限定のためではないが、希釈剤、崩壊剤、結合剤、接着剤、湿潤剤、潤滑剤、滑り剤(glidant)、結晶化阻害剤、表面変性剤、不愉快な味または臭いを隠すかまたは打ち消すために添加される物質、フレーバー、染料、芳香剤および、組成物の概観を改善するために添加される物質を包含する。
【0038】
本発明の組成物において使用される賦形剤は、固体、半固体、液体またはそれらの組合せであることができる。賦形剤を含む本発明の組成物は、賦形剤を薬剤または治療剤と混合することを含む、薬学の任意の公知の技術によって製造することができる。本発明の組成物は、投与量単位当たり所望の量のセレコキシブを含み、経口投与を意図するなら、例えば錠剤、キャプレット、丸薬、硬質もしくは軟質のカプセル、ロゼンジ、カシェ剤、分配できる粉末、顆粒、懸濁物、エリクシル、液体の形態または、そのような投与のために正当に適合された任意の他の形態であることができる。非経口投与を意図するなら、例えば懸濁物の形態であることができる。直腸投与を意図するなら、例えば座薬の形態であることができる。目下好ましいのは、それぞれが所定量の薬剤を含む別個の投与量単位である経口投薬形態、例えば錠剤またはカプセルである。
【0039】
本発明の医薬組成物を製造するために使用することができる賦形剤の限定されない例を、以下に示す。
本発明の組成物は任意的に、1種以上の製薬上許容される希釈剤を賦形剤として含む。適当な希釈剤は、実例として、独立して、または組合せて、乳糖(無水乳糖および乳糖1水和物を含む);デンプン(直接圧縮性デンプンおよび加水分解したデンプン(例えばCelutab(商標)およびEmdex(商標))を含む);マンニトール;ソルビトール;キシリトール;デキストロース(例えばCerelose(商標)2000)およびデキストロース1水和物;2塩基性リン酸カルシウム2水和物;ショ糖-に基づく希釈剤;粉糖;1塩基性硫酸カルシウム1水和物;硫酸カルシウム2水和物;顆粒状乳酸カルシウム3水和物;デキストレート;イノシトール;加水分解した穀類固体;アミロース;セルロース(微晶質セルロース、α-および無定形セルロースの食品等級の供給源(例えばRexcel(商標))および粉末にしたセルロースを含む);炭酸カルシウム;グリシン;ベントナイト;ポリビニルピロリドン等を包含する。そのような希釈剤は、存在するなら、合計で、組成物の全重量の約5〜約99%、好ましくは約10〜約85%、さらに好ましくは約20〜約80%を構成する。選択される希釈剤(単数または複数)は好ましくは、適当な流動特性および、錠剤が望ましい場合には圧縮性を示す。
【0040】
乳糖および微晶質セルロースは、独立して、または組合せで、好ましい希釈剤である。両希釈剤は、セレコキシブと化学的に相溶性である。顆粒外微晶質セルロース(すなわち、乾燥工程後に湿潤顆粒化組成物に添加された微晶質セルロース)の使用は、(錠剤についての)硬さおよび/または崩壊時間を改善するために使用することができる。乳糖、特に乳糖1水和物が特に好ましい。乳糖は典型的には、比較的低い希釈剤費用で、セレコキシブの適当な放出速度、安定性、圧縮前流動性および/または乾燥特性を有する組成物を提供する。それは、顆粒形成中の緻密化を助け(湿式顆粒形成が使用される場合)、したがって、ブレンド流動特性を改善する高密度物質を提供する。
【0041】
本発明の組成物は任意的に、特に錠剤処方物のために、1種以上の製薬上許容される崩壊剤を賦形剤として含む。適当な崩壊剤としては、独立して、または組合せで、デンプン(ナトリウムデンプングリコレート(例えばペン ウエスト(Pen West)のExplotab(商標))および予めゼラチン化されたコーンスターチ(例えばNational(商標)1551、National(商標)1550およびColocorn(商標)1500)を含む)、クレー(例えばVeegum(商標)HV)、セルロース、例えば精製セルロース、微晶質セルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースおよびナトリウムカルボキシメチルセルロース、クロスカルメロースナトリウム(例えばFMCのAc-Di-Sol(商標))、アルギネート、クロスポビドン(crospovidone)ならびに、ゴム、例えば寒天、ガーゴム、イナゴマメ(locust bean)、カラヤ(karaya)、ペクチンおよびトラガカントゴムを包含する。
【0042】
崩壊剤は、組成物の製造中の任意の適当な工程で、特に顆粒化の前、または圧縮前の潤滑工程中に添加することができる。そのような崩壊剤は、存在するなら、全部で、組成物の全重量の約0.2〜約30%、好ましくは約0.2〜約10%、さらに好ましくは約0.2〜約5%を構成する。
【0043】
クロスカルメロースナトリウムは、錠剤またはカプセルの崩壊のために好ましい崩壊剤であり、存在するなら好ましくは、組成物の全重量の約0.2〜約10%、さらに好ましくは約0.2〜約7%、なおさらに好ましくは約0.2〜約5%を構成する。クロスカルメロースナトリウムは、本発明の顆粒化組成物に対して優れた顆粒内崩壊能力を与える。
【0044】
本発明の組成物は任意的に、特に錠剤処方のために、1種以上の製薬上許容される結合剤または接着剤を賦形剤として含む。そのような結合剤および接着剤は好ましくは、錠剤形成される粉末に十分な粘着性を与えて、標準の加工処理操作、たとえばサイジング、潤滑、圧縮および梱包を可能にするが、なお、摂取されたなら、錠剤が崩壊し、組成物が吸収されることを可能にする。適当な結合剤および接着剤としては、独立して、または組合せで、アラビアゴム;トラガカントゴム;ショ糖;ゼラチン;グルコース;デンプン、例えば、限定されることはないが、予めゼラチン化されたデンプン(例えばNational(商標)1511およびNational(商標)1500);セルロース、例えば、限定されることはないが、メチルセルロースおよびカルメロースナトリウム(例えばTylose(商標));アルギン酸およびアルギン酸の塩;ケイ酸マグネシウムアルミニウム;PEG;ガーゴム;多糖酸;ベントナイト;ポビドン(povidone)、例えばポビドンK-15、K-30およびK-29/32;ポリメタクリレート;HPMC;ヒドロキシプロピルセルロース(例えばKlucel(商標));およびエチルセルロース(例えばEthocel(商標))を包含する。そのような結合剤および/または接着剤は、存在するなら、全部で、組成物の全重量の約0.5〜約25%、好ましくは約0.75〜約15%、さらに好ましくは約1〜約10%を構成する。
【0045】
本発明の組成物は任意的に、1種以上の製薬上許容される湿潤剤を賦形剤として含む。そのような湿潤剤は好ましくは、水との親密な関係、組成物の生物学的利用能を改善すると考えられる状態にセレコキシブを維持するように選択される。
【0046】
本発明の組成物において湿潤剤として使用することができる界面活性剤の限定されない例としては、4級アンモニウム化合物、例えば塩化ベンズアルコニウム、塩化ベンズエトニウムおよび塩化セチルピリジニウム、スルホコハク酸ジオクチルナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、例えばノノキシノール9、ノノキシノール10およびオクトキシノール9、ポロキサマー(poloxamer)(ポリオキシエチレンおよびポリオキシプロピレンブロックコポリマー)、ポリオキシエチレン脂肪酸グリセリドおよびオイル、例えばポリオキシエチレン(8)カプリル酸/カプリン酸のモノ-およびジグリセリド(例えばガッテフォッセ(Gattefosse)のLabrasol(商標))、ポリオキシエチレン(35)ひまし油およびポリオキシエチレン(40)水素化ひまし油;ポリオキシエチレンアルキルエーテル、例えばポリオキシエチレン(20)セトステアリルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、例えばポリオキシエチレン(40)ステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンエステル、例えばポリソルベート20およびポリソルベート80(例えばICIのTween(商標)80)、プロピレングリコール脂肪酸エステル、例えばプロピレングリコールラウレート(例えばガッテフォッセ(Gattefosse)のLauroglycol(商標))、ラウリル硫酸ナトリウム、脂肪酸およびその塩、例えばオレイン酸、オレイン酸ナトリウムおよびトリエタノールアミンオレエート、グリセリル脂肪酸エステル、例えばグリセリルモノステアレート、ソルビタンエステル、例えばソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノパルミテートおよびソルビタンモノステアレート、チロキサポル(tyloxapol)ならびにそれらの混合物を包含する。そのような湿潤剤は、存在するなら、全部で、組成物の全重量の約0.25〜約15%、好ましくは約0.4〜約10%、さらに好ましくは約0.5〜約5%を構成する。
【0047】
アニオン界面活性剤である湿潤剤が好ましい。ラウリル硫酸ナトリウムは特に好ましい湿潤剤である。ラウリル硫酸ナトリウムは、存在するなら、組成物の全重量の約0.25〜約7%、さらに好ましくは約0.4〜約4%、なおさらに好ましくは約0.5〜約2%を構成する。
本発明の組成物は任意的に、1種以上の製薬上許容される潤滑剤(接着防止剤および/または滑り剤を含む)を賦形剤として含む。適当な潤滑剤としては、独立して、または組合せで、グリセリルベハペート(例えばCompritol(商標)888);ステアリン酸およびその塩(ステアリン酸マグネシウム、カルシウムおよびナトリウムを含む);水素化植物油(例えばSterotex(商標));コロイド状シリカ;タルク;蝋;ホウ酸;安息香酸ナトリウム;酢酸ナトリウム;フマル酸ナトリウム;塩化ナトリウム;DL-ロイシン;PEG(例えばCarbowax(商標)4000およびCarbowax(商標)6000);オレイン酸ナトリウム;ラウリル硫酸ナトリウム;ならびにラウリル硫酸マグネシウムを包含する。そのような潤滑剤は、存在するなら、全部で、組成物の全重量の約0.1〜約10%、好ましくは約0.2〜約8%、さらに好ましくは約0.25〜約5%を構成する。
【0048】
ステアリン酸マグネシウムは、例えば錠剤処方物の圧縮中に装置と顆粒化混合物との間の摩擦を減らすために使用される好ましい潤滑剤である。
【0049】
適当な接着防止剤としては、タルク、コーンスターチ、DL-ロイシン、ラウリル硫酸ナトリウムおよびステアリン酸金属塩を包含する。タルクは、例えば装置表面にくっつく処方物を減らすため、またブレンド中の静電気を減らすために使用される好ましい接着防止剤または滑り剤である。タルクは、存在するなら、組成物の全重量の約0.1〜約10%、さらに好ましくは約0.25〜約5%、なおさらに好ましくは約0.5〜約2%を構成する。
滑り剤は、固体処方物の粉末の流れを促進するために使用することができる。適当な滑り剤としては、コロイド状二酸化ケイ素、デンプン、タルク、3塩基性リン酸カルシウム、粉末セルロースおよび3ケイ酸マグネシウムを包含する。コロイド状二酸化ケイ素が特に好ましい。
【0050】
他の賦形剤、例えば着色剤、フレーバーおよび甘味料は、製薬の技術分野で公知であり、本発明の組成物において使用することができる。錠剤は、例えば腸溶性コーティングでコーティングされることができるか、またはコーティングされないことができる。本発明の組成物はさらに、例えば緩衝剤を含むことができる。
【0051】
任意的に、1種以上の沸騰剤(effervescent)を崩壊剤として、および/または、本発明の組成物の感覚器刺激特性を高めるために、使用することができる。投薬形態の崩壊を促進するために本発明の組成物中に存在するときは、1種以上の沸騰剤は、好ましくは組成物の約30〜約75重量%、好ましくは約45〜約70重量%、例えば約60重量%の合計量で、存在する。
【0052】
本発明の特に好ましい実施態様に従えば、投薬形態の崩壊を促進するのに有効な量より少ない量で固体投薬形態中に存在する沸騰剤は、水性媒体中のセレコキシブの改善された分散を提供する。理論に束縛されることはないが、沸騰剤は、胃腸管において投薬形態からのセレコキシブの分散を促進し、それによって、吸収をさらに増し、治療効果の急速攻撃を高めるのに有効であると考えられる。胃腸内の分散を促進するために、しかし崩壊を高めるためではなく、本発明の医薬組成物中に存在するときには、沸騰剤は、好ましくは組成物の重量の約1〜約20%、さらに好ましくは約2.5〜約15%、なおさらに好ましくは約5〜約10%の量で存在する。
【0053】
本明細書において「沸騰剤」は、一緒にまたは独立して作用して、水と接触すると気体を放出する1種以上の化合物を含む剤である。放出される気体は一般に、酸素であるか、または最も普通には、二酸化炭素である。好ましい沸騰剤は、水の存在下で反応して二酸化炭素気体を生じる、酸および塩基を含む。好ましくは塩基は、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の炭酸塩または重炭酸塩を含み、酸は、脂肪族カルボン酸を含む。
【0054】
本発明において有用な沸騰剤の成分として適当な塩基の限定されない例としては、炭酸塩(例えば炭酸カルシウム)、重炭酸塩(例えば重炭酸ナトリウム)、セスキ炭酸塩およびそれらの混合物を包含する。炭酸カルシウムは、好ましい塩基である。
【0055】
本発明において有用な沸騰剤の成分として適当な酸の限定されない例としては、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、フマル酸、アジピン酸、コハク酸、それらの酸の酸無水物、それらの酸の酸性塩、ならびにそれらの混合物を包含する。クエン酸は、好ましい酸である。
【0056】
沸騰剤が酸および塩基を含む、本発明の好ましい実施態様においては、酸対塩基の重量比は、約1:100〜約100:1であり、さらに好ましくは約1:50〜約50:1であり、なおさらに好ましくは約1:10〜約10:1である。沸騰剤が酸および塩基を含む、本発明のさらに好ましい実施態様においては、酸対塩基の比は、ほぼ化学量論通りである。
【0057】
本発明の固体投薬形態は、本明細書に記載された方法に限定されない任意の適当な方法によって製造することができる。
【0058】
実例となる方法は、(a) 本発明のセレコキシブ-結晶化阻害剤複合物を1種以上の賦形剤とブレンドして、ブレンドを形成する工程および、(b) ブレンドを錠剤形成またはカプセル封入して、それぞれ錠剤またはカプセルを形成する工程を含む。
【0059】
好ましい方法においては、固体投薬形態は、(a) 本発明のセレコキシブ-結晶化阻害剤複合物を1種以上の賦形剤とブレンドして、ブレンドを形成する工程、(b) ブレンドを顆粒化して顆粒を形成する工程、および(c) ブレンドを錠剤形成またはカプセル封入して、それぞれ錠剤またはカプセルを形成する工程を含む。工程(b)は、当技術分野で公知の任意の乾式もしくは湿式顆粒化技術によって達成することができるが、好ましくは湿式顆粒化工程であり、その後、得られた顆粒を、錠剤形成またはカプセル封入の前に乾燥する工程がくる。1種以上の希釈剤、1種以上の崩壊剤および1種以上の結合剤を、例えばブレンド工程において好ましくは添加し、湿潤剤は、例えば顆粒化工程で、任意的に添加することができ、1種以上の崩壊剤は好ましくは、顆粒化後であるが錠剤形成またはカプセル封入の前に添加される。潤滑剤は好ましくは、錠剤形成前に添加される。ブレンドおよび顆粒化は、低剪断力下もしくは高剪断力下で、独立して行なうことができる。薬剤内容物が均一であり、容易に崩壊し、カプセル充填または錠剤形成中に重量変化を信頼性よく制御することができるように十分容易に流れ、かつ、バッチが選択された装置において加工処理でき、個々の投与量が特定のカプセルまたは錠剤のダイへ適合するように嵩が十分に高密度である顆粒を形成する方法が好ましくは選択される。
【0060】
代替の実施態様においては、固体投薬形態は、噴霧乾燥工程を含む方法によって製造され、ここでは、セレコキシブ-結晶化阻害剤複合物が、1種以上の賦形剤とともに、1種以上の噴霧可能な液体、好ましくは非水性の噴霧可能な液体中に懸濁され、その後、熱空気流の上で急速噴霧乾燥される。
【0061】
任意の上記の実例の方法から生じる顆粒または噴霧乾燥された粉末は、圧縮されるかもしくは成形されて錠剤を生成するか、またはカプセル封入されてカプセルを生成することができる。当技術分野で公知の慣用の錠剤形成およびカプセル封入の技術を使用することができる。コーティングされた錠剤が望まれる場合には、慣用のコーティング技術が適当である。
【0062】
本発明の錠剤組成物のための賦形剤は好ましくは、標準の崩壊アッセイにおいて、約30分未満、好ましくは約25分以下、さらに好ましくは約20分以下、なおさらに好ましくは約15分以下の崩壊時間を提供するように選択される。
【0063】
取り扱い、製造、貯蔵および摂取に関して便利な任意の錠剤硬度を使用することができる。例えば、100mgのセレコキシブ錠剤については、硬度は好ましくは少なくとも約4kP、さらに好ましくは少なくとも約5kP、なおさらに好ましくは少なくとも約6kPである。200 mgのセレコキシブ錠剤については、硬度は好ましくは少なくとも約7kP、さらに好ましくは少なくとも約9kP、なおさらに好ましくは少なくとも約11kPである。しかしながら、錠剤形成されるべき物質は、胃液にさらされたときに加水分解を達成するのが引き続き困難であるような程度に圧縮されてはならない。
【0064】
錠剤の砕けやすさは好ましくは、標準の試験において、約1.0%未満、さらに好ましくは0.8%未満、なおさらに好ましくは約0.5%未満である。
【0065】
セレコキシブの投薬
本発明のセレコキシブ投薬形態は好ましくは、毎日の投与量約10〜約1000mg、さらに好ましくは約25〜約400mg、最も好ましくは約50〜約200mgでセレコキシブを含む。
【0066】
本発明の組成物は、1種以上の経口投与可能な投与量単位を含む。各投与量単位は、治療に有効な量で、好ましくは約10〜約1000mgの量で、セレコキシブを含む。本明細書において「投与量単位」という語は、治療効果を提供するために1回の経口投与のために適当な一定量の治療剤または予防剤(この場合、セレコキシブ)を含む、1回分の医薬組成物を意味する。典型的には、1つの投与量単位または少ない複数の(約4回分まで)投与量単位は、1回の投与において、所望の効果を生じるのに十分な量の剤を含む投与量を提供する。そのような投与量の投与は、必要な時には、典型的には1日当たり1〜約4回の投薬頻度で繰り返すことができる。
【0067】
対象のために治療に有効な量のセレコキシブは、とりわけ対象の体重に依存することが理解される。本明細書において治療剤またはその組成物を投与することができる「対象」は、いずれの性別の、任意の年齢の人の患者を包含し、また任意の非ヒト動物、特に温血動物、さらに特には家庭内の動物またはコンパニオンアニマル、実例では猫、犬または馬を包含する。対象が子供または小型動物(例えば犬)であるときには、例えば約10〜約1000mgの好ましい範囲で比較的低い量のセレコキシブが、治療効力に一致する血液の血清濃度を提供するようである。対象が成人または大型動物(例えば馬)の場合には、セレコキシブのそのような血液の血清濃度の達成は、比較的多い量のセレコキシブを含む投与量単位を必要とするようである。
【0068】
本発明の組成物において典型的な投与量単位は、約10、20、25、37.5、50、75、100、125、150、175、200、250、300、350または400mgのセレコキシブを含む。成人のためには、本発明の組成物において投与量単位当たり治療に有効な量のセレコキシブは、典型的には約50〜約400mgである。投与量単位当たりの特に好ましい量のセレコキシブは、約100〜約200mgであり、例えば約100mgまたは約200mgである。
【0069】
特定量のセレコキシブを含む投与量単位は、所望の毎日の投与量を達成するために使用される任意の所望の投与頻度に適応するように選択することができる。毎日の投与量、投与の頻度および、したがって適当な投与量単位の選択は、対象の年齢、体重、性別および医学的状態ならびに、状態もしくは疾患の性質および重篤度を含む種々の要因に依存し、かくして広く変化し得る。
【0070】
本明細書において「経口投与」という語は、剤または組成物が直ちに嚥下されるかどうかにかかわらず、剤または組成物が対象の口中へ置かれる、対象への治療剤またはその組成物の投与の任意の形態を含む。かくして、「経口投与」は、口内および舌下ならびに食道への投与を含む。剤の吸収は、口、食道、胃、十二指腸、回腸および結腸を含む胃腸管の任意の部分において生じ得る。本明細書において「経口投与可能な」という語は、経口投与に適当であることを意味する。
【0071】
本発明の組成物は、限定されないが、炎症、痛みおよび/または発熱により特徴づけられる疾患を含む非常に広い範囲のCOX-2が仲介する疾患の治療および予防において有用である。そのような組成物は、COX-1よりCOX-2についての選択性に欠ける慣用の非ステロイドの抗炎症剤(NSAID)の組成物より有意に少ない有害な副作用しか有さないというさらなる利益をもって、抗炎症剤として、例えば関節炎の治療において特に有用である。特に、本発明の組成物は、慣用のNSAIDの組成物に比べて、胃腸への毒性および胃腸刺激(上部胃腸潰瘍および出血を含む)の可能性を低減し、腎臓の副作用、例えば流体保持に至る腎機能の低下および高血圧の悪化の可能性を低減し、血小板機能の阻害を含む出血時間への影響を低減し、あるいは、アスピリン感受性の喘息患者における喘息の攻撃を引き起こす能力を減らした。かくして本発明の組成物は、例えば消化性潰瘍、胃炎、局所的腸炎、潰瘍性大腸炎、憩室炎を有する患者または、胃腸の損傷;胃腸の出血;貧血を含む凝血疾患、例えば低プロトロンビン血症、血友病または他の出血性の問題;腎臓疾患の再発履歴のある患者において、または手術前の患者または抗凝結薬を摂取している患者において、そのようなNSAIDが禁忌を示される場合に、慣用のNSAIDに代わるものとして特に有用である。
【0072】
企図される組成物は、限定されることはないが、リウマチ様関節炎、脊椎性関節症、痛風性関節炎、変形性関節症、全身性紅斑性狼瘡および若年性関節炎を含む種々の関節炎疾患の治療に有用である。
【0073】
そのような組成物は、喘息、気管支炎、月経痙攣、早産、腱炎、滑液包炎、アレルギー性神経炎、サイトメガロウィルス感染、HIV−誘発アポトーシスを含むアポトーシス、腰痛症、肝炎を含む肝臓疾患、皮膚に関連する状態、例えば乾癬、湿疹、アクネ、火傷、皮膚炎および日焼けを含む紫外線照射損傷ならびに、眼の手術、例えば白内障手術または屈折に関する手術後の感染症を含む術後感染症の治療において有用である。
そのような組成物は、胃腸状態、例えば感染性腸疾患、クローン病、胃炎、過敏性腸症候群および潰瘍性大腸炎の治療に有用である。
【0074】
そのような組成物は、偏頭痛、結節性動脈周囲炎、甲状腺炎、再生不良性貧血、ホジキン病、水腫性硬化症(sclerodoma)、リューマチ熱、タイプI糖尿病、神経筋接合部疾患(重症性筋無力症を含む)、白質疾患(多発性硬化症を含む)、サルコイドーシス、ネフローゼ症候群、ベチェット(Behcet’s)症候群、多発性筋炎、歯肉炎、腎炎、過敏症、外傷後に生じる腫脹(脳水腫を含む)、心筋虚血等のような疾患における炎症を治療するのに有用である。
【0075】
そのような組成物は、眼の疾患、例えば網膜炎、結膜炎、網膜症、ブドウ膜炎、光恐怖症(ocular photophobia)の治療および、眼の組織の急性損傷の治療において有用である。
【0076】
そのような組成物は、肺の炎症、例えばウィルス感染および嚢胞性繊維症に関連したものの治療において、および骨の再吸収、例えば骨粗しょう症に関連したものにおいて有用である。
【0077】
そのような組成物は、ある種の中枢神経系疾患、例えば皮質性の痴呆(アルツハイマー病を含む)、神経退化および、発作、虚血および外傷から生じる中枢神経系の損傷の治療のために有用である。本発明において「治療」という語は、アルツハイマー病、血管性痴呆、多梗塞性痴呆、初老期痴呆、アルコール性痴呆および老年期痴呆を含む痴呆の一部または全部の抑止を含む。
【0078】
そのような組成物は、アレルギー性鼻炎、呼吸切迫症候群、エンドトキシンショック症候群および肝疾患の治療において有用である。
そのような組成物は、限定されることはないが、術後の痛み、歯の痛み、筋肉痛および、癌から生じる痛みを含む、痛みの治療において有用である。例えばそのような組成物は、リューマチ熱、インフルエンザおよび他のウィルス感染症を含み、普通の風邪、下方の背中および首の痛み、月経困難症、頭痛、歯痛、捻挫および損傷、筋肉炎、神経痛、滑膜炎、関節炎を含み、かつ関節リュウマチ、変形性の関節疾患(変形性関節症)、通風および強直性脊椎炎、滑液包炎、火傷ならびに、手術および歯科処置後の外傷を含む種々の状態における痛み、発熱および炎症の軽減のために有用である。
【0079】
そのような組成物は、血管の疾患、心臓動脈疾患、動脈瘤、血管の拒絶反応、動脈硬化、アテローム性動脈硬化(心臓移植のアテローム性動脈硬化を含む)、心筋梗塞、閉塞症、発作、血栓症(静脈血栓症を含む)、アンギナ(不安定なアンギナを含む)、心臓斑炎症、細菌-誘発性炎症(クラミジア誘発性炎症を含む)、ウィルス誘発性炎症および、手術処置、例えば血管移植(心臓動脈バイパス手術を含む)、血管再生処置(血管形成、ステント配置、動脈内膜切除を含む)または動脈、静脈および毛細管を含む他の侵襲性処置に関連する炎症を含む、炎症に関連する心臓血管性疾患の治療および予防のために有用である。
【0080】
そのような組成物は、例えば腫瘍新脈管形成を抑止するために、対象における新脈管形成に関連する疾患の治療において有用である。そのような組成物は、新形成(転移を含む);眼科的状態、例えば角膜移植拒絶、目の新生血管形成、網膜の新生血管形成(損傷または感染後の新生血管形成を含む)、糖尿病網膜症、斑の変性、水晶体後線維増殖症および血管新生緑内症;潰瘍性疾患、例えば胃潰瘍;病理学的であるが悪性ではない状態、例えば血管腫(乳児血管腫を含む)、鼻咽頭の血管線維腫および骨の虚血壊死;ならびに女性の再生系の疾患、例えば子宮内膜症の治療において有用である。
【0081】
そのような組成物は、癌、例えば、結腸直腸癌、脳癌、骨癌、上皮細胞由来の新形成(上皮癌)、例えば基底細胞癌、腺癌、胃腸癌、例えば唇の癌、口の癌、食道癌、小腸癌、胃癌、結腸癌、肝臓癌、膀胱癌、膵臓癌、卵巣癌、子宮頸癌、肺癌、胸部癌、皮膚癌、例えば扁平上皮細胞および基底細胞の癌、前立腺癌、腎細胞癌および身体中の上皮細胞に影響する他の公知の癌を含む、良性および悪性の腫瘍および新形成の予防および治療において有用である。本発明の組成物が特に有用であることが企図される新形成は、胃腸癌、バレット食道、肝臓癌、膀胱癌、膵臓癌、卵巣癌、前立腺癌、子宮頸癌、肺癌、胸部癌および皮膚癌である。そのような組成物はまた、照射療法に伴って生じる線維症を治療するために使用することができる。そのような組成物は、腺腫様ポリープを有する対象(家族性の腺腫様ポリープ症(FAP)を有する対象を含む)を治療するために使用することができる。さらには、そのような組成物は、FAPの危険のある患者にポリープが形成するのを防ぐために使用することができる。
【0082】
そのような組成物は、収縮性のプロスタノイドの合成を抑制することにより、プロスタノイドに誘発される平滑筋収縮を抑制し、それ故に、月経困難症、早産、喘息および好酸球に関連する疾患の治療に使用することができる。それらはまた、特に閉経後の女性において骨損失を減らすために(すなわち骨粗しょう症の治療に)および緑内障の治療のために使用することができる。
【0083】
本発明の組成物の好ましい使用は、慢性関節リウマチおよび変形性関節症の治療、一般的な痛み(特に、口腔外科手術後の痛み、一般的な手術後の痛み、整形外科手術後の痛みおよび変形性関節症の急性発赤)の治療、アルツハイマー病の治療および結腸癌の化学的予防(chemoprevention)のための使用である。
【0084】
人の治療に有用である以外に、本発明の組成物は、コンパニオンアニマル、外来動物、農場動物等、特に哺乳動物の獣医的治療のために有用である。さらに特には、本発明の組成物は、馬、犬および猫においてCOX-2が仲介する疾患の治療のために有用である。
【0085】
本発明はさらに、COX-2抑制薬での治療が指示される状態または疾患を治療する治療方法であって、本発明の組成物を、それを必要とする対象に経口投与することを含む方法に関する。状態または疾患を予防、軽減または改善するための投与量管理は、好ましくは1日1回または1日2回の治療に対応するが、種々の要因にしたがって変えることができる。これらは、対象のタイプ、年齢、体重、性別、食事および医学的状態ならびに、疾患の性質および重篤度を包含する。かくして、実際に使用される投与量管理は広く変化することができ、したがって上記に示した好ましい投与量管理からはずれることができる。
【0086】
初期治療は、上記した投与量管理を用いて始めることができる。治療は一般に、状態または疾患が制御されるかまたは除去されるまで、数週間〜数ヶ月間または数年間にわたって必要なときに続けられる。本発明の組成物を用いた治療を受けている対象は、当技術分野でよく知られた任意の方法によって日常的に監視されて、治療の有効性を決定することができる。そのような監視からのデータの連続分析によって、任意の時点で最適に有効な投与量が投与されるように、かつ治療の継続時間を決定することができるように、治療中の治療管理の変更を可能にする。このようにして、満足のいく効力を示す最低量の組成物が投与されるように、かつ投与が、成功裏に状態または疾患を治療するのに必要な限りの間のみ継続されるように、治療管理および投与量スケジュールを、治療の進行にわたって合理的に変更することができる。
【0087】
本発明の組成物は、中でも、オピオイドまたは他の鎮痛薬(麻薬鎮痛薬を含む)、Mu受容体拮抗薬、カッパ受容体拮抗薬、非麻薬性(すなわち非常用性)の鎮痛薬、モノアミン摂取阻害剤、アデノシン調節剤、カンナビノイド誘導体、P物質拮抗薬、ニューロキニン-1受容体拮抗薬およびナトリウムチャンネルブロッカーとの組合せ治療で使用することができる。好ましい組合せ治療は、本発明の組成物と、アセクロフェナク(aceclofenac)、アセメタシン(acemetacin)、e-アセトアミドカプロン酸、アセトアミノフェン、アセトアミノサロール、アセトアニリド、アセチルサリチル酸(アスピリン)、S-アデノシルメチオニン、アルクロフェナク(alclofenac)、アルフェンタニル、アリルプロジン、アルミノプロフェン(alminoprofen)、アロキシプリン、アルファプロジン、アルミニウム ビス(アセチルサリチレート)、アムフェナク(amfenac)、アミノクロルテノキサジン(aminochlorthenoxazin)、3-アミノ-4-ヒドロキシ酪酸、2-アミノ-4-ピコリン、アミノプロピロン、アミノピリン、アミキセトリン(amixetrine)、サリチル酸アンモニウム、アンピロキシカム(ampiroxicam)、アムトレメチン グアシル(amtolemetin guacil)、アニレリジン(anileridine)、アンチピリン、アンチピリン サリチレート、
【0088】
アントラフェニン(antrafenine)、アパゾン(apazone)、ベンダザク(bendazac)、ベノリレート(benorylate)、ベノキサプロフェン(benoxaprofen)、ベンズピペリロン(benzpiperylon)、ベンジダミン(benzydamine)、ベンジルモルフィン、ベルモプロフェン(bermoprofen)、ベジトラミド(bezitramide)、α-ビスアボロール(α-bisabolol)、ブロムフェナク(bromfenac)、p-ブロモアセトアニリド、5-ブロモサリチル酸アセテート、ブロモサリゲニン(bromosaligenin)、ブセチン(bucetin)、ブクロキシ酸(bucloxic acid)、ブコローム(bucolome)、ブフェキサマc(bufexamac)、ブマジゾン(bumadizon)、ブプレノルフィン(buprenorphine)、ブタセチン(butacetin)、ブチブフェン(butibufen)、ブトファノール(butophanol)、アセチルサリチル酸カルシウム、カルマバゼピン(carbamazepine)、カルビフェン(carbiphene)、カルプロフェン(carprofen)、カルサラム(carsalam)、クロロブタノール、クロルテノキサジン(chlorthenoxazin)、サリチル酸コリン、シンチョフェン(cinchophen)、シンメタシン(cinmetacin)、シラマドール(ciramadol)、クリダナク(clidanac)、クロメタシン(clometacin)、クロニタゼン(clonitazeen) 、クロニキシン(clonixin)、クロピラク(clopirac)、クローブ、コデイン、コデイン臭化メチル、リン酸コデイン、硫酸コデイン、クロプロパミド(cropropamide)、クロテタミド(crotethamido)、デソモルフィン(desomorphine)、デキソキサドロール(dexoxadrol)、デキストロモラミド(dextromoramide)、デゾシン(dezocine)、ジアンプロミド(diampromide)、ジクロフェナク(diclofenac)ナトリウム、ジフェナミゾール(difenamizole)、ジフェンピラミド(difenpiramide)、ジフルニザル(diflunisal)、ジヒドロコデイン、ジヒドロコデイノンエノールアセテート、ジヒドロモルフィン、アセチルサリチル酸ジヒドロキシアルミニウム、
【0089】
ジメノキサドール(dimenoxadol)、ジメフェプタノール(dimepheptanol)、ジメチルチアムブテン(dimethylthiambutene)、酪酸ジオキサフェニル、ジピパノン (dipipanone)、ジプロセチル(diprocetyl)、ジピロン(dipyrone)、ジタゾール(ditazol)、ドロキカム(droxicam)、エモルファゾン(emorfazone)、エンフェナム酸(enfenamic acid)、エピリゾール(epirizole)、エプタゾシン(eptazocine)、エテルサレート(etersalate)、エテンザミド(ethenzamide)、エトヘプタジン(ethoheptazine)、エトキサゼン(ethoxazene)、エチルメチルチアムブテン(ethylmethylthiambutene)、エチルモルフィン、エトドラク(etodolac)、エトフェナメート(etofenamate)、エトニタゼン(etonitazene)、オイゲノール、フェルビナク(felbinac)、フェンブフェン(fenbufen)、フェンクロズ酸(fenclozic acid)、フェンドサル(fendosal)、フェノプロフェン(fenoprofen)、フェンタニル(fentanyl)、フェンチアザク(fentiazac)、フェプラジノール(fepradinol)、フェプラゾン(feprazone)、フロクタフェニン(floctafenine)、フルフェナム酸(flufenamic acid)、フルノキサプロフェン(flunoxaprofen)、フルオレゾン(fluoresone)、フルピルチン(flupirtine)、フルプロカゾン(fluproquazone)、フルルビプロフェン(flurbiprofen)、フォスフォザル(fosfosal)、ゲンチシン酸、グラフェニン(glafenine)、グルカメタシン(glucametacin)、サリチル酸グリコール、グアイアズレン(guaiazulene)、ヒドロコドン、ヒドロモルフォン、ヒドロキシペチジン(hydroxypethidine)、イブフェナク(ibufenac)、イブプロフェン(ibuprofen)、イブプロキサム(ibuproxam)、サリチル酸イミダゾール、インドメタシン、インドプロフェン、イソフェゾラク(isofezolac)、イソラドール(isoladol)、イソメタドン、イソニキシン(isonixin)、イソキセパク(isoxepac)、イソキシカム(isoxicam)、ケトベミドン(ketobemidone)、ケトプロフェン、ケトロラク、p-ラクトフェネチド(p-lactophenetide)、レフェタミン(lefetamine)、レボルファノール(levorphanol)、ロフェンタニル(lofentanil)、ロナゾラク(lonazolac)、ロルノキシカム(lornoxicam)、ロキソプロフェン(loxoprofen)、アセチルサリチル酸リシン、アセチルサリチル酸マグネシウム、
【0090】
メクロフェナム酸(meclofenamic acid)、メフェナム酸(mefenamic acid)、メペリジン(meperidine)、メプタジノール(meptazinol)、メサラミン(mesalamine)、メタゾシン(metazocine)、塩酸メタドン、メトトリメプラジン(methotrimeprazine)、メチアジン酸(metiazinic acid)、メトフォリン(metofoline)、メトポン(metopon)、メフェブタゾン(mefebutazone)、モフェゾラク(mofezolac)、モラゾン(morazone)、モルフィン、塩酸モルフィン、硫酸モルフィン、サリチル酸モルフィン、ミロフィン(myrophine)、ナブメトン(nabumetone)、ナルブフィン(nalbuphine)、サリチル酸1-ナフチル、ナプロキセン(naproxen)、ナルセイン(narceine)、ネフォパム(nefopam)、ニコモルフィン(nicomorphine)、ニフェナゾン(nifenazone)、ニフルム酸(niflumic acid)、ニメスリド(nimesulide)、5’-ニトロ-2’-プロポキシアセトアニリド、ノルレボルファノール(norlevorphanol)、ノルメタドン、ノルモルフィン、ノルピパノン、オルサラジン(olsalazine)、オピウム、オキサセプロール(oxaceprol)、オキサメタシン(oxametacine)、オキサプロジン(oxaprozine)、オキシコドン、オキシモルホン、オキシフェンブタゾン、パパベレタム、パラニリン(paranyline)、パルサルミド(parsalmide)、ペンタゾシン、ペリソキサール(perisoxal)、フェナセチン、フェナドキソン(phenadoxone)、フェナゾシン、塩酸フェナゾピリジン、フェノコール(phenocoll)、フェノペリジン、フェノピラゾン(phenopyrazone)、アセチルサリチル酸フェニル、フェニルブタゾン、サリチル酸フェニル、フェニラミドール(phenyramidol)、ピケトプロフェン(piketoprofen)、ピミノジン(piminodine)、ピペブゾン(pipebuzone)、ピペリロン(piperylone)、ピプロフェン(piprofen)、ピラゾラク(pirazolac)、ピリトラミド(piritramide)、ピロキシカム(piroxicam)、プラノプロフェン(pranoprofen)、プログルメタシン(proglumetacin)、プロヘプタジン(proheptazine)、プロメドール(promedol)、プロパセタモール(propacetamol)、プロピラム(propiram)、プロポキシフェン(propoxyphene)、プロピフェナゾン(propyphenazone)、プロカゾン(proquazone)、プロチジン酸(protizinic acid)、ラミフェナゾン(ramifenazone)、レミフェンタニル(remifentanil)、リマゾリウム メチルサルフェート(rimazolium metilsulfate)、サラセタミド(salacetamide)、サリシン、
【0091】
サリチルアミド、サリチルアミドo-酢酸、サリチル硫酸、サルサラート、サルベリン(salverine)、シメトリド(simetride)、サリチル酸ナトリウム、スフェンタニル(sufentanil)、スルファサラジン(sulfasalazine)、スリンダク(sulindac)、スーパーオキシドジスムターゼ、スプロフェン、スキシブゾン(suxibuzone)、タルニフルメート(talniflumate)、テニダプ(tenidap)、テノキシカム(tenoxicam)、テロフェナメート(terofenamate)、テトランドリン(tetrandrine)、チアゾリノブタゾン(thiazolinobutazone)、チアプロフェン酸(tiaprofenic acid)、チアラミド(tiaramide)、チリジン(tilidine)、チノリジン(tinoridine)、トルフェナム酸(tolfenamic acid)、トルメチン(tolmetin)、トラマドール(tramadol)、トロペシン(tropesin)、ビミノール(viminol)、キセンブシン(xenbucin)、キシモプロフェン(ximoprofen)、ザルトプロフェン(zaltoprofen)およびゾメピラク(zomepirac)から選択される1種以上の化合物との組合わせの使用を含む(メルクインデックス(The Merk Index), 12版、治療部門および生物活性インデックス(Therapeutic Category and Biological Activity Index), S. ブダバリ(Budavari)編(1996年)、pp.Ther-2〜Ther-3およびTher-12(鎮痛薬(歯科)、鎮痛薬(麻薬)、鎮痛薬(非-麻薬)、抗炎症剤(非ステロイド)参照)。
【0092】
特に好ましい組合せ治療は、本発明の組成物とピオイド化合物との使用を含み、さらに特には、オピオイド化合物が、コデイン、メペリジン、モルフィンまたはそれらの誘導体である場合である。
【0093】
本発明のセレコキシブ組成物はまた、第2の選択的COX-2阻害薬、例えばバルデコキシブ(valdecoxib)、パレコキシブ(parecoxib)、レフェコキシブ(refecoxib)等との組合せで投与することができる。
【0094】
セレコキシブとの組合せで投与される化合物は、セレコキシブとは別々に処方することができるか、または本発明の組成物においてセレコキシブと共に同時処方することができる。セレコキシブが第2の薬剤、例えばオピオイド薬と共に同時処方される場合には、第2の薬剤は、即時放出、急速攻撃、徐放性または2元放出の形態で処方されることができる。
【実施例】
【0095】
実施例
以下の実施例は本発明の態様を説明するが、限定するものと解釈されるべきではない。実施例1
以下の表1に示す組成を有するセレコキシブおよびポリビニルピロリドン(PVP)を含む6個の混合物、M-1〜M-6を製造した。混合物は、エタノール1ml当たり5〜100mgのセレコキシブを溶かして第1の溶液を形成し、(室温で撹拌しながら)PVPを水に溶かして、PVP濃度0.2〜2.5%を有する第2の溶液を形成し、かつ1mlの第1の溶液を第2の溶液に、1秒当たり0.02mlの第1の溶液の速度で移して、混合物を形成することによって製造した。それぞれの混合物を、少なくとも7日間、50rpmに維持した撹拌棒を使用して、室温で撹拌した。撹拌中の種々の時点で、一定量の混合物M-1、M-2、M-4またはM-5を抜き取り、その溶液中のセレコキシブの濃度を測定した。図1に示したように、混合物M-1(PVP濃度0.2%を有していた)は、約13時間以下の時間、約10μg/mlより大きい濃度で溶液中にセレコキシブを維持しており;30時間までに、溶液中のセレコキシブ濃度は10μg/ml未満であった。PVP濃度1%を有する混合物M-2は、たった約21〜約42時間の間、10μg/mlより大きい濃度で、溶液中にセレコキシブを維持していただけであった。PVP濃度0.2%を有する混合物M-4は、14時間以下の時間約10μg/mlより大きい濃度で溶液中にセレコキシブを維持していた。PVP濃度1.0%を有する混合物M-5は、約21〜約42時間の間、10μg/mlより大きい濃度で、溶液中にセレコキシブを維持していた。
【0096】
【表1】

【0097】
混合物M-6の第2のバッチを製造し、4日間撹拌した。4日後、ろ過によって混合物M-6から沈殿した固体を集め;取り出した沈殿を水で3回洗浄して、ペースト固体を形成した。一部のペースト固体を、X-線回折を用いて結晶物質の存在について分析した。図2に示したように、沈殿した固体は、準安定結晶形態であった。混合物M-6の第3のバッチにおいて、撹拌7日後に沈殿した固体を集め;定量NMRを用いて、沈殿した固体においてPVPは検出されなかった(データは示されない)。
【0098】
実施例2
セレコキシブならびに、1%重量/重量の、微晶質セルロース、ゼラチン、メチル-D-グルコシドおよびマルトデキストリンのうちの1種を含む混合物を、実質的に実施例1に記載したようにして製造した。混合物を、上記した試験Iに置いた。これらの混合物のいずれも、4時間より長く過飽和セレコキシブ溶液を維持できなかった(データは示されない)。
【0099】
実施例3
水およびセレコキシブ(500μg/ml)を含むが、結晶化阻害剤は含まない比較混合物(CM-1)を製造し、室温で3日間撹拌した。撹拌3日後、ろ過によって比較混合物から沈殿を除去し;X-線回折を用いて沈殿を分析した。図3は、セレコキシブ結晶粉末と比較した、CM-1についてのX-線回折パターンを示す。これらのパターンからわかるように、両物質は、結晶物質を含む。
【0100】
実施例4
以下の表2に示す組成を有するセレコキシブおよびHPMCを含む7つの混合物M-7〜M-13を製造した。混合物M-7は、等級E4MのHPMCを用いて製造され、一方混合物M-5は、等級E5のHPMCを用いて製造され、他の混合物は、種々の等級のHPMCを用いて製造された。混合物は、エタノール1ml当たり5〜100mgのセレコキシブを溶かして第1の溶液を形成し、(撹拌しながら90℃にて)HPMCを水に溶かして、HPMC濃度0.2%〜2.5%重量/重量を有する第2の溶液を形成し、第1の溶液1mlを第2の溶液100ml中に、1秒当たり0.02mlの第1の溶液の速度で移して混合物を形成することによって製造した。得られた混合物のそれぞれを、少なくとも21日間、50rpmに維持した撹拌棒を用いて室温にて撹拌した。
【0101】
【表2】

【0102】
撹拌中の種々の時点で、一定量の混合物M-7〜M-13を抜き取り、その溶液中のセレコキシブの濃度を測定した。図4に示したように、全ての薬剤およびHPMC濃度で、混合物における溶液中のセレコキシブ濃度は、撹拌20時間後に10μg/mlより大きかった。混合物M-7、M-9およびM-13におけるセレコキシブ濃度は、撹拌50時間後に10μg/mlより大きかった。
【0103】
実施例5
実施例4の混合物M-11の第2のバッチを製造し、製造日から21日間、室温にて撹拌した(50rpm)。撹拌21日後、ろ過によって沈殿を混合物から取り出し、水で洗浄した。次にX-線回折を用いて(石英の背景との比較によって)、沈殿を分析した。図5に示したように、結晶物質がないことを証明するシグナルを得、結晶物質の証拠はなかった。これらのデータは、混合物M-11から分離した沈殿中のセレコキシブが無定形であることを示唆する。
【0104】
実施例6
実施例4の混合物M-7の第2のバッチを製造し、7日間撹拌した。7日後、ろ過によって沈殿を混合物から取り出した。沈殿を、40%重エタノールおよび60%重水を含む溶液中に再溶解させた。定量NMRを用いて、混合物M-7から回収した沈殿を分析し、38重量%のセレコキシブおよび62重量%のHPMCを含むことを決定した。実施例4の混合物M-11の第2のバッチから取り出した沈殿を用いて、この手順を繰り返した。混合物M-11から回収した沈殿は、56重量%のセレコキシブおよび44重量%のHPMCを含んでいた。
【図面の簡単な説明】
【0105】
【図1】図1は、製造後異なる時間における混合物M-1、M-2、M-4およびM-5での溶液中のセレコキシブの濃度を示す。
【図2】図2は、実施例1の混合物M-6から分離された沈殿のX-線回折プロファイルを示す。
【図3】図3は、実施例3の比較混合物CM-1から分離された沈殿および粉末形態のセレコキシブのX-線回折プロファイルを示す。
【図4】図4は、製造後異なる時間における実施例4の混合物M-7〜M-13での溶液中のセレコキシブの濃度を示す。
【図5】図5は、実施例4の混合物M-11から分離された沈殿および石英のバックグラウンドブランクのX-線回折プロファイルを示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
セレコキシブ-HPMC複合物中に存在するセレコキシブの10〜100重量%が無定形形態である当該セレコキシブ-HPMC複合物を製造する方法であって、該方法が、
(a) セレコキシブを、セレコキシブのための少なくとも1種の製薬上許容される溶媒に溶解して第1溶液を形成する工程;
(b) 少なくとも1種のHPMCを、HPMCのための少なくとも1種の製薬上許容される溶媒に溶解して第2溶液を形成する工程;
(c) 1秒当たり20体積%以下の上記第1溶液の速度で、上記第1溶液を上記第2溶液に添加して混合物を形成する工程;
(d) 上記混合物からセレコキシブ-HPMC複合物の沈殿を生じるのに有効な時間期間にわたり上記混合物を平衡させる工程;及び
(e) 上記沈殿したセレコキシブ-HPMC複合物を上記混合物から分離する工程;
を含む方法。
【請求項2】
1mg/ml以上の濃度で前記第1溶液中にセレコキシブが存在し、かつ、0.01%重量/重量以上の量で、前記第2溶液中にHPMCが存在する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
2.5〜400mg/mlの濃度で前記第1溶液中にセレコキシブが存在する、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
5〜200mg/mlの濃度で前記第1溶液中にセレコキシブが存在する、請求項1〜のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
0.1〜20%重量/重量の量で前記第2溶液中にHPMCが存在する、請求項1〜のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
0.1〜10%重量/重量の量で前記第2溶液中にHPMCが存在する、請求項1〜のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
工程(c)において混合物の形成直後に、25μg/ml以上の量で、前記混合物中に溶解及び/又は可溶化された形態でセレコキシブが存在し、かつ、0.01%重量/重量以上の量で、前記混合物中に溶解及び/又は可溶化された形態で前記HPMCが存在する、請求項1〜のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
工程(c)において混合物の形成直後に、30〜5000μg/mlの量で前記混合物中に溶解及び/又は可溶化された形態でセレコキシブが存在する、請求項1〜のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
工程(c)において混合物の形成直後に、40〜2500μg/mlの量で前記混合物中に溶解及び/又は可溶化された形態でセレコキシブが存在する、請求項1〜のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
工程(c)において混合物の形成直後に、50〜1000μg/mlの量で前記混合物中に溶解及び/又は可溶化された形態でセレコキシブが存在する、請求項1〜のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
工程(c)において混合物の形成直後に、0.1〜15%重量/重量の量で前記混合物中に溶解及び/又は可溶化された形態で前記HPMCが存在する、請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
工程(c)において混合物の形成直後に、0.1〜5%重量/重量の量で前記混合物中に溶解及び/又は可溶化された形態で前記HPMCが存在する、請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
工程(c)において、1秒当たり0.1〜10体積%の第1の溶液の添加速度で、前記第1溶液が前記第2溶液に添加される、請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
工程(c)において、1秒当たり0.1〜5体積%の第1の溶液の添加速度で、前記第1溶液が前記第2溶液に添加される、請求項1〜13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
前記添加工程(c)が、18〜30℃の温度で行なわれ、工程(c)で形成された混合物が、それが形成されるときに連続的に撹拌され、そして工程(d)における該時間は5分間以上である、請求項1〜14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
前記添加工程(c)が20〜25℃の温度で行なわれる、請求項1〜15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
前記工程(d)における該時間が1〜60日間である、請求項1〜16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
前記工程(d)における該時間が1〜30日間である、請求項1〜17のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
前記工程(d)における該時間が1〜21日間である、請求項1〜18のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
前記平衡工程(d)が、該時間中混合物を撹拌することを含み、かつ、前記分離工程(e)がろ過を含む、請求項1〜19のいずれか1項に記載の方法。
【請求項21】
請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法に従って製造されるセレコキシブ-HPMC複合物であって、
10〜60重量%の量でセレコキシブ;及び
全部で、40〜90重量%の量でHPMC
を含み、かつ、前記セレコキシブ-HPMC複合物中に存在するセレコキシブの10〜100重量%が無定形形態である前記セレコキシブ-HPMC複合物。
【請求項22】
15〜55重量%の量でセレコキシブを含む、請求項21に記載のセレコキシブ-HPMC複合物。
【請求項23】
20〜50重量%の量でセレコキシブを含む、請求項21に記載のセレコキシブ-HPMC複合物。
【請求項24】
15〜75重量%の量でHPMCを含む、請求項2123のいずれか1項に記載のセレコキシブ-HPMC複合物。
【請求項25】
25〜65重量%の量でHPMCを含む、請求項2123のいずれか1項に記載のセレコキシブ-HPMC複合物。
【請求項26】
セレコキシブ及びHPMCが、1:10〜10:1の重量比で存在し、かつ、当該セレコキシブの10〜100%が無定形セレコキシブである、請求項2125のいずれか1項に記載のセレコキシブ-HPMC複合物。
【請求項27】
前記セレコキシブ及び前記HPMCが1:5〜5:1の重量比で存在する、請求項26に記載のセレコキシブ-HPMC複合物。
【請求項28】
前記セレコキシブ及び前記HPMCが1:5〜2:5の重量比で存在する、請求項26に記載のセレコキシブ-HPMC複合物。
【請求項29】
前記セレコキシブの50〜100%が無定形セレコキシブである、請求項2628のいずれか1項に記載のセレコキシブ-HPMC複合物。
【請求項30】
前記セレコキシブの75〜100%が無定形セレコキシブである、請求項2628のいずれか1項に記載のセレコキシブ-HPMC複合物。
【請求項31】
全セレコキシブ投与量10〜1000mgで請求項2130のいずれか1項に記載のセレコキシブ-HPMC複合物、及び1種以上の製薬上許容される賦形剤を含む医薬組成物。
【請求項32】
前記全セレコキシブ投与量が25〜400mgである、請求項31に記載の医薬組成物。
【請求項33】
前記全セレコキシブ投与量が50〜200mgである、請求項31に記載の医薬組成物。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2006−321820(P2006−321820A)
【公開日】平成18年11月30日(2006.11.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−242052(P2006−242052)
【出願日】平成18年9月6日(2006.9.6)
【分割の表示】特願2004−549887(P2004−549887)の分割
【原出願日】平成15年5月8日(2003.5.8)
【出願人】(303050964)ファルマシア コーポレイション (18)
【Fターム(参考)】