説明

安定剤を含まないで安定化したコーヒー芳香

コーヒー芳香のようなコーヒー芳香供給成分がそのフレーバーまたは感覚特性の損失または分解を防止するために、コーヒー芳香供給成分を、成分のフレーバーまたは感覚特性の損失または分解を減少させまたは防止し且つ安定化したコーヒー芳香供給成分を形成するのに有効な量の安定剤と会合させた後、安定化したコーヒー芳香から安定剤を除去した後包装して貯蔵し、または安定化したコーヒー芳香を食料または飲料製品に加えることを特徴とする、方法。生成する安定化したコーヒー芳香供給成分は安定剤を本質的に含まず、食料または飲料製品に組込むことができ、安定化した成分のフレーバーまたは感覚特性は食料または飲料製品の貯蔵中の少なくとも2ヶ月間保持される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
技術分野
本発明は、飲料または食料のコーヒー芳香供給成分を安定化して、安定化後にこの成分に安定剤の存在なしでこの成分の香味、風味または他の望ましい感覚特性の損失または劣化を抑制しまたは最小限にする方法に関する。本発明は、この方法によって得られる安定剤を含まない安定化したコーヒー芳香供給成分にも関する。
【背景技術】
【0002】
背景技術
香味成分は、多種多様な食料および飲料製品において、その製品のフレーバーまたは風味の付与、供給、変更または改良に利用される。このような成分は、一般に極めて不安定であることが知られている。従って、その望ましいフレーバー特性は、長時間の加工や貯蔵中または後に容易に喪失したりまたは劣化する可能性がある。
【0003】
コーヒー芳香が劣化すると、これは不快なコーヒーには似ていない望ましくない香りを生成する。この劣化は、製品の認められている品質を実質的に低下させる。この理由により、コーヒー芳香のような香味成分の調製および貯蔵には特別な注意を払い、望ましい芳香成分が保存されまたは増強され、または望ましくない成分が減少しまたは除去されるようにしなければならない。
【0004】
従来技術では、様々なフレーバー保護剤を食料または飲料製品に加えてこれらの製品のフレーバー特性を保存し、保持しまたは改良できることが認められている。例えば、亜硫酸塩をビールやワインのような飲料に加えてこれらの飲料のフレーバーを保存することができることは、当該技術分野で周知である。一般に、亜硫酸塩は酸化防止剤として作用し、フレーバーの劣化を防止する。例えば、亜硫酸塩を酸素と反応させて、香味成分の酸化による製品のフレーバーの劣化を防止することができる。また、日本国特許出願第08/196,212号明細書には、水を加えて飲料を再構成してコーヒー芳香特性を向上させるときに、亜硫酸塩、カタラーゼ、システイン、またはグルタチオンをコーヒー飲料に添加することが開示されている。
【0005】
亜硫酸塩を直接食料製品に加える代わりに、米国特許第4,041,209号明細書および第4,536,409号明細書には、亜硫酸塩を包装材料に組込んで、酸素が包装食料に吸収されるのを防止することができることが開示されている。また、食料マトリックス全体のフレーバー成分の酸化を防止して、所望な食料のフレーバーが長期間保持されるようにしている。
【0006】
米国特許第3,540,889号明細書には、メチルメルカプタンを可溶性コーヒー固形物の水性抽出物に加えた後、抽出物を安定な水分含量まで乾燥してこの抽出物を後でコーヒー飲料として再構成するときにそのフレーバーを改良することができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来技術のほとんどの実例では、添加される化合物は消費される製品に残っている。このため、このような処理の後に食料または飲料に残る亜硫酸塩または他の添加剤の使用はこの問題の望ましい解決法ではない。従って、コーヒーのような植物から誘導される製品の揮発性香味成分を安定化し、それらを添加する食料に所望なフレーバー、風味、および他の感覚特性を付与する能力を保存する必要が未だ残っている。本発明は、この要求を満足するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
発明の概要
本発明は、コーヒー芳香供給成分を安定化して、貯蔵中にその芳香の所望なフレーバーまたは感覚特性の損失または劣化を防止する方法に関する。この方法は、コーヒー芳香供給成分を安定剤と接触させて、安定剤がコーヒー芳香供給成分と会合した望ましくない化合物と化学的に相互作用して安定化したコーヒー芳香供給成分を形成するのに有効な量で供給されるようにすることを含んでなる。安定化した成分は、(a)貯蔵中にコーヒー芳香供給成分中のコーヒー芳香の1種類以上の望ましいフレーバーまたは感覚特性のかなりの部分を保持し、または(b)コーヒー芳香供給成分の貯蔵中に鮮度の落ちたフレーバーの生成を少なくする。この方法は、コーヒー芳香供給剤からのコーヒー芳香を含む食料または飲料製品を消費の目的で調製するときに、安定化したコーヒー芳香供給成分が本質的に安定剤を含まないようにすることができる。
【0009】
一態様では、安定剤を安定化したコーヒー芳香供給成分から除去した後に、安定化したコーヒー芳香供給成分を食料または飲料製品に添加する。安定剤は、蒸留、分留、沈澱、昇華、イオン交換、液−液抽出(有機または水性)、水性液−油抽出、油−水性液抽出、クロマトグラフィー分離、または水蒸気ストリッピングのようなストリッピングによって安定化したコーヒー芳香供給成分から除去することができる。
【0010】
コーヒー芳香供給成分は、様々な方法で安定化することができる。一つの方法は、貯蔵中にコーヒー芳香供給成分に加えられる材料に安定剤を組込むことによる方法である。その後、この材料をコーヒー芳香供給成分から分離しまたは取り出すことができ、またはコーヒー芳香供給成分をこの材料から分離した後、それから食料または飲料製品を消費する目的で調製することができる。
【0011】
安定化したコーヒー芳香供給成分は、コーヒー芳香供給成分を安定剤を含む材料と接触させた後、安定化したコーヒー芳香供給成分をこの材料から分離することによって生成させることができる。安定剤を含む材料は、食料または飲料製品を調製する目的でコーヒー芳香供給成分を使用するまでこの成分を包装または貯蔵するための容器と関連させることができる。
【0012】
コーヒー芳香供給成分をコーヒー芳香供給成分と会合した化合物と相互作用する安定剤で処理して、コーヒー芳香成分の望ましいフレーバーおよび感覚特性を向上させることができる芳香化合物を改良しまたは保存し、望ましくない特性と結びついている化合物の量を減少させることができる。
【0013】
安定化したコーヒー芳香供給成分は、貯蔵中にコーヒー芳香供給成分に加えられ且つ消費のための製品を調製するときに安定化した成分を分離することも含んでなる材料に安定剤を組込むことによって生成させることもできる。
【0014】
安定化したコーヒー芳香供給成分は、コーヒー芳香供給成分を形成するように加工されている材料を安定剤と接触させた後、安定化したコーヒー芳香供給成分をこの材料から分離することによって生成させることもできる。改良されたコーヒー芳香を生成するためにコーヒー豆の焙煎前または中に、安定剤を豆に加えることができる。
【0015】
安定剤は、好ましくは少なくとも1個の孤立電子対を有する少なくとも1個の原子を含み且つコーヒー芳香供給成分と会合した望ましくない反応性化合物と反応して望ましくない化合物の幾らかを減少させまたはコーヒー芳香の望ましいフレーバーまたは感覚特性に寄与しまたはコーヒー芳香供給成分中の変なフレーバーを遮蔽する1種類以上の芳香化合物を生成または保存するのに十分な量で存在する化合物である。望ましくない反応性化合物は、一般にカルボニル基を含んでおり、安定剤がこれらの化合物と複合体を形成し、コーヒー芳香から分離可能な付加化合物を形成して、安定化したコーヒー芳香供給成分におけるカルボニルのレベルを減少させるようにする。
【0016】
安定剤は、ジスルフィド結合を含む芳香化合物も開裂して、チオールを生成し、これは最終的な食料または飲料製品に望ましい。また、望ましくない化合物はフリーラジカルを生成しまたは含んでなり、安定剤はこれらのフリーラジカルの生成を減少させまたは除去し、芳香成分を安定化し且つ保存するのに十分な量で存在する。
【0017】
更に好ましくは、安定剤は少なくとも1個の孤立電子対を有する少なくとも1個の原子を含む化合物である。この化合物は、有利には硫黄、窒素、酸素または炭素の少なくとも1個の原子を含み、例えば亜硫酸塩、または亜硫酸塩、チオール、アミンまたはアミノ酸を含むまたは生成する物質である。安定剤は、亜硫酸塩、システインまたはグルタチオン、またはそれらの塩の一つであるか、またはコーヒー芳香供給成分と会合してその貯蔵寿命を減少させる望ましくない化合物と反応するのに十分な量で含まれる固定酵素である。
【0018】
下流加工または芳香成分から分離できる固定化薬剤の添加の際に除去される添加した安定剤の量は、一般に約1−50,000ppmの量での薬剤の添加に等しい。
【0019】
安定剤は、安定剤のキャリヤーとして作用する別の添加剤と結びついていてもよく、キャリヤーは溶媒、油、エマルション、香味料、炭水化物、タンパク質、または酸化防止剤である。
【0020】
安定剤は、コーヒー豆の焙煎、急冷、冷却または抽出前または中に豆に加えて、改良されたコーヒー芳香を生成または単離することができる。この態様では、安定剤は、一般にコーヒー芳香と結びついたカルボニル化合物の幾らかまたは総てと反応し、コーヒー芳香からピロールの損失を減少させまたは抑制しまたはコーヒー芳香のチオールの分解を減少させまたは抑制し、従って、コーヒー芳香の望ましいフレーバーまたは感覚特性をコーヒー芳香の貯蔵の少なくとも2ヶ月間保持するのに十分な量で存在する。
【0021】
安定化したコーヒー芳香供給成分は場合によっては芳香キャリヤーを含む液体であることができ、または安定化したコーヒー芳香供給成分を乾燥させて粉末として、後で、水を加えることによって消費のために再構成するまで貯蔵することができる。所望ならば、安定化したコーヒー芳香供給成分を、食料形成または飲料形成成分、および液体と組み合わせて、液状食料または飲料製品を形成することができる。液状製品は、更に乾燥によって処理することもできる。例えば、噴霧乾燥または凍結乾燥を応用して、固形材料の貯蔵の少なくとも2ヶ月の期間芳香の初期フレーバーまたは感覚特性を保持する固形材料を得ることができる。
【0022】
本発明は、安定化したコーヒー芳香供給成分を含む包装商品の形態の包装した食料または飲料製品にも関する。安定化した成分は望ましいフレーバーまたは感覚特性を保存または改良し、そのフレーバーまたは感覚特性を製品に供給しまたは付与するのに十分な量で存在する。好ましくは、コーヒー芳香供給成分は、包装中、上または内で、または容器上または内にあるキャリヤーまたは容器の部分を形成するキャリヤー上または内に固定されている安定剤で安定化して、安定剤がコーヒー芳香供給成分から分離可能であるかまたは除去することができ、またはコーヒー芳香供給成分が食料または飲料製品の消費のための調製前に安定剤から分離することができるようにする。生成する食料または飲料製品は本質的に安定剤を含んでおらず、安定化したコーヒー芳香供給成分の望ましいフレーバーまたは感覚特性の損失または分解が減少しまたは防止され、周囲温度または室温で少なくとも2ヶ月間の製品の貯蔵中にその望ましいフレーバーまたは感覚特性を保持するするようにする。好ましくは、生成する安定化したコーヒー芳香供給成分は、アセトアルデヒド対メタンチオールの比が200未満であるか、またはアセトアルデヒド化合物の初期量の少なくとも30%が除去されるか、または初期メタンチオール量の少なくとも50%が貯蔵期間中に保存される。例えば、芳香供給成分がアセトアルデヒドの初期濃度が約40−2000ppmであるコーヒー芳香であるときには、一般に安定化後のアセトアルデヒドの濃度は約1−100ppmとなる。
【0023】
安定剤は、芳香供給成分の容器内に置かれた、容器に結合したまたは容器の一部として形成された樹脂でイオン交換樹脂上に固定することができる。安定剤は、芳香供給成分と接触している不溶性樹脂上または内に固定した後、安定化した芳香供給成分から分離することもできる。
【0024】
もう一つの態様では、安定剤は、安定剤を含む半透性材料から作られているポーチに閉じ込め、このポーチは容器内に置かれ、容器に結合し、または容器の一部を形成していてもよい。安定剤は、カルボニルを透過させ、それが安定剤と結合して芳香供給成分よりもポーチ内に閉じ込めることができる材料からなる半透性ポーチに保持される溶液として供給することができる。
【0025】
食料または飲料製品、または食料形成または飲料形成成分は、芳香供給剤と共に包装に供給することができる。好ましい芳香供給成分はコーヒー芳香であり、安定剤はコーヒー芳香中のカルボニルに結合し、コーヒー芳香からカルボニルを除去しまたは減少させ、コーヒー芳香からのピロールの損失を減少させ、またはコーヒー芳香のチオールの分解を減少させることにより、これらの成分の変なフレーバーを減少させるのに十分な量で存在する。
【0026】
本発明は、望ましいフレーバーまたは感覚特性を高めたおよび/または保存したある種の安定化したコーヒー芳香供給成分、例えば(a)アセトアルデヒド対メタンチオールの比が室温での数ヶ月間の貯蔵中200以下、(b)初期に150ppm以上のアセトアルデヒドを含むコーヒー芳香供給成分の安定後に30−90ppmのアセトアルデヒド濃度、または(c)初期に80−100ppmのアセトアルデヒドを含むコーヒー芳香供給成分の安定後に20−60ppmのアセトアルデヒド濃度であるものにも関する。本発明は、安定化したコーヒー芳香供給成分のフレーバーまたは感覚特性を包装した食料または飲料製品に供給しまたは付与するのに十分な量の安定化したコーヒー芳香供給成分を含む包装の形態での製品にも関する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
好ましい態様の詳細な説明
本明細書で用いられる「コーヒー芳香供給成分」という用語は、食料または飲料製品として加工時または調製時にコーヒー芳香を生成または供給することができる物質、材料、または化合物を意味する。これは、様々な方法で加工してコーヒー芳香を供給するコーヒー豆のような物質を包含することは勿論である。
【0028】
本明細書で用いられる「有意部分」という用語は、芳香が添加されまたは組込まれている食料または飲料製品を消費する人によって感知されまたは知覚することができる所望な芳香、フレーバーまたは他の官能特性の量として定義される。
【0029】
本明細書で用いられる「コーヒー芳香」とは、焙煎コーヒーまたはコーヒー抽出物のようなコーヒー製品に含まれる揮発性フレーバーおよび芳香化合物であると定義される。従って、本発明は、好ましくはコーヒー芳香供給材料を芳香を安定化しまたは高める物質と接触させることによってコーヒー芳香を安定化する方法を提供する。本明細書で用いられる「所望なフレーバーまたは感覚特性」という用語は、消費の目的で新たに調製された製品を思い起こさせる食料または飲料製品のフレーバー、芳香または他の官能特性を表す。
【0030】
本明細書で用いられる「望ましくない化合物」という用語は、望ましいフレーバーおよび感覚特性に寄与することができる他の揮発性化合物の分解を促進する芳香供給成分の揮発性化合物を表す。
【0031】
安定剤がコーヒー芳香供給成分と会合すると、多くの利点を有する安定化した芳香供給成分が得られる。第一に、コーヒー芳香供給成分に通常含まれる望ましくない化合物は、安定剤によって除去される。また、望ましいフレーバーまたは感覚特性を損なう可能性がある化合物は、安定剤と反応し、または付加生成物または複合体を形成する。一般に、これらの有害成分は、アルデヒドまたはジケトンのようなカルボニル基を含む化合物である。安定剤はこれらのカルボニルと反応して付加生成物を形成し、他の芳香供給成分と反応して全般的なフレーバー特性を減少させるこれらのカルボニルの量が少なくなるようにする。
【0032】
安定剤は、付加したアルデヒドの比率がその初期濃度の30−100%、好ましくは少なくとも約50%減少するまでカルボニルと反応させることができる。これは、最終的な安定化した成分で(a)アセトアルデヒド対メタンチオールの比が室温での数ヶ月間の貯蔵中200以下、(b)初期に150ppm以上のアセトアルデヒドを含むコーヒー芳香供給成分の安定後に30−90ppmのアセトアルデヒド濃度、または(c)初期に80−100ppmのアセトアルデヒドを含むコーヒー芳香供給成分の安定後に20−60ppmのアセトアルデヒド濃度によって測定することができる。また、安定剤は、好ましくは、初期メタンチオール濃度の50%を上回る量が安定化した製品で保持されるまでカルボニルと反応させることもできる。これは、安定剤が、包装に入っているコーヒー芳香供給成分と接触している包装中で固定されているときに行うことができる。
【0033】
好ましい安定剤は、酸素/フリーラジカル掃去剤としても作用し、酸素、フリーラジカルまたは他の酸化性化合物の酸化によるコーヒー芳香のフレーバー特性の劣化を防止する。好ましい安定剤は、ジスルフィド結合の開裂も行ってチオールのレベルを促進し、これを次に内在性の酸化防止活性によって保存することもできる。要するに、それらは、得られる製品の性質を一層ロースティー/スルファリーにし且つウッディー/グリーン/グラウンジー/プロセッシー的性質を少なくするだけでなく、経時的に一層安定にする。
【0034】
本発明の原理を、コーヒー芳香が最も好ましい芳香供給成分として開示されている好ましい態様について説明する。コーヒー芳香は、様々な食料または飲料の香味料として、特に可溶性コーヒー、コーヒー濃縮物および即席コーヒー飲料で用いられ、これらの飲料のフレーバー、風味、および他の感覚特性を高める。
【0035】
コーヒー芳香を得るための多数の既知の方法があり、いずれも本発明で利用することができる。典型的方法としては、標準的インスタントコーヒー加工であって、ストリッピング、ガスフラッシングまたは他の方法を用いて芳香を生成させまたは回収する方法、摩砕、加熱、冷却または他の加工段階からのガスの収集、または加工液体のいずれかからの芳香の抽出が挙げられるが、これらに限定されない。抽出法としては、加工液体の液/液抽出、CO抽出、油抽出、ストリッピング、蒸留、分留、フラッシング(flashing)、ガスフラッシングにより芳香を得ることが挙げられるが、これらに限定されない。
【0036】
上記のように、本発明で用いることができる様々な多数の安定剤がある。これらの薬剤としては、一般に少なくとも1組の不対電子を有する1個以上の原子を含む任意の化合物が挙げられる。この特性を有する典型的原子は硫黄または窒素であるが、所望ならば他の原子を用いることができる。それらの原子の特性は、一般に定義されており、知られている。好ましい安定剤としては、二酸化硫黄(SO)、亜硫酸塩、およびチオール、アミン、またはアミノ酸を生成するまたは含む化合物が挙げられる。特に好ましい化合物としては、SO、亜硫酸ナトリウムおよびカリウム、メタ重亜硫酸ナトリウムおよびカリウム、または重亜硫酸ナトリウムまたはカリウムのような任意のFDAによって一般に安全と見なされている(GRAS)亜硫酸化剤が挙げられる。幾つかの条件下では、硫黄粉末を適当な安定剤として用いることができる。システインおよびホモシステインのような含硫アミノ酸も、単独でまたはペプチドまたはタンパク質で用いられる場合にも、グルタチオンと同様に有利である。酵母または酵母抽出物のような亜硫酸塩を含むまたは生成する材料、またはチオールを生成する材料を用いることもできる。
【0037】
亜硫酸塩およびシステインのような親核試薬は、カルボニル、すなわち反応性アルデヒドおよびα−ジケトンと反応する。更に、亜硫酸塩およびシステインは既知の酸化防止剤およびフリーラジカル掃去剤であり、本明細書において安定剤としての使用に有効である。それらはまた、ジスルフィドを開裂して遊離のチオールを生成する。このような遊離したチオールは望ましいロースティーコーヒーノートを芳香に付与することができ、またはウッディー、プロセッシーまたはグラウンジーノートのようなコーヒーにとってネガティブなノートの遮蔽に用いることができる。これらの内在性の酸化防止剤活性により、チオールおよびピロールの分解が減少しまたは抑制される。
【0038】
一般に、安定剤はその種類によっては香味成分と間接的に会合して、香味成分が遊離のままであるがその効果は香味成分での約1ppm−50,000ppmの直接添加量同等となるようにする。最も好ましい安定剤は亜硫酸ナトリウムであり、約500ppm−8,000ppmに相当する量で用いられる。芳香濃度およびその構成成分は、従来の分析方法によって決定される。一般に、揮発分の静的ヘッドスペースプロフィールはFIDおよびPID検出器を備えたHPガスクロマトグラフ(GC)を用いて分析し、目的とする化合物の外部標準によって定量した。標準は3種類の異なるpH溶液(4.6、6および7)で分析し、芳香の揮発性に対するpHの効果について補正した。メタンチオールはジメチルスルフィドによって定量し、ジメチルスルフィドのppm当量として記録した。分析については、塩2gを含む試料10mlを20mlバイアルに入れる。バイアルを80℃で20分間加熱し、ヘッドスペースの揮発性試料1mlループをGCに導入して定量する。GCはDB−1カラムを備え、35℃で1分間の後、4℃/分の速度で180℃まで温度プログラミングを行う。全GC運転時間は20分間であり、揮発分の静的ヘッドスペースプロフィールはFIDおよびPID検出器を備えたHPガスクロマトグラフを用いて分析し、目的とする化合物の外部標準によって定量した。
【0039】
安定剤の使用によって得られる効果は、コーヒー芳香の貯蔵寿命が延びて、長期間の貯蔵後に、芳香の貯蔵後に再構成した様々なコーヒー飲料において新たに入れたコーヒーを思い起こさせるフレーバーを芳香が保持できることを見出した。理論によって束縛するものではないが、新鮮なフレーバーを安定にし且つ貯蔵寿命を増加させるための幾つかの機構が存在しており、これらの機構の一つまたは組合せが、
安定剤がアルデヒドまたはジケトンのような化合物に含まれるカルボニル基と反応して他のコーヒー芳香化合物と反応して全般的なフレーバー特性を減少させることがない付加生成物を形成し、
安定剤がジスルフィド結合を開裂しまたは還元してチオールを形成することにより、経時的な望ましいチオールのレベルを保存し、または
安定剤が酸素掃去剤として作用して、酸化によるコーヒー芳香のフレーバー特性の劣化を防止し、または
安定剤が酸化防止剤として作用して、フリーラジカルおよび他の酸化性化合物が酸化による芳香のフレーバー特性の劣化を防止し、または
これらの内在性酸化防止剤活性がチオールおよびピロールの経時的分解を保存し、または
安定剤が望ましくない褐変反応を減少させまたは制御する
改良を同時に行う目的で存在すると思われる。
【0040】
更に、アセトアルデヒドのようなアルデヒドの存在は、所望なフレーバーの分解を引き起こす。安定剤はアルデヒドと反応して、コーヒー芳香供給成分の安定性に有害な影響を与えないアルデヒド誘導体を形成する。亜硫酸塩およびシステインの他に、1,3−ジカルボニル化合物および様々なチアゾリウム塩のようなC−親核化合物は潜在的に有用な安定剤である。例えば、チアミン(ビタミンB1)を樹脂上に固定した後、アルデヒドと反応してコーヒー芳香供給成分に悪影響を与えないアルデヒド誘導体を形成させる目的で用いることができた。
【0041】
従来の未処理または安定化していないコーヒー芳香では、メタンチオールの量は、これらの成分を室温にて貯蔵するときには2−6ヶ月間で典型的には検出されないレベルまで減少する。対照的に、本発明の処理または安定化した芳香供給成分は、従来の成分と比較して分解プロフィールが有意に減少することを特徴とする。メタンチオールレベルは典型的には初期レベルの50%を上回ったままであり、アセトアルデヒド対メタンチオール比は室温で少なくとも2ヶ月間貯蔵した後には200以下である。
【0042】
コーヒー芳香に対する安定剤の効果を例示するため、6%亜硫酸塩溶液をイオン交換カラムを通過させ、亜硫酸塩をイオン交換樹脂に装填した。次に、亜硫酸塩を装填した樹脂を、コーヒー芳香溶液に対して透過性のバッグに入れた。芳香溶液に対する樹脂の量は、1:200、1:175、および1:150の比であった。樹脂供給包装を芳香溶液で直接包装し、缶に密封して室温で2ヶ月間貯蔵した。結果は、コーヒー芳香のフレーバーまたは安定性特性に悪影響を及ぼすことが知られているアセトアルデヒドの量が少なくとも30%だけ芳香から選択的に除去され、チオール化合物の量が少なくとも10%だけ増したことを示している。周囲条件下で2ヶ月間貯蔵した後、アセトアルデヒドは芳香から少なくとも30%だけ減少し、メタンチオールは少なくとも50%だけ保存されて、アセトアルデヒド対メタンチオール比は200を下回ったままであった。チオールは望ましいロースティーノートを芳香に供給するので、これらの化合物が一層多量に存在すると一層強いロースティーノートが芳香に付与される。最後に、望ましくないフレーバーも、恐らくはアルデヒドの量が少なくなり且つチオールの量が多くなったため、減少した。
【0043】
下表に、これらの変化を例示する。勿論、熟練技術者であれば、アセトアルデヒドとメタンチオールの含量が極めて小さいことがあり、正確な比は計算できないことを理解されるであろう。それらの状況では、安定化を行って、アセトアルデヒド濃度を除去しまたは減少させることができる。好ましくは、アセトアルデヒドの量の少なくとも50%が除去される。30−90ppmの最終アセトアルデヒド濃度が、典型的には150ppm以上のアセトアルデヒドを最初に含んでいるコーヒー芳香供給成分の安定化の後に達成され、一方、最初に80−100ppmのアセトアルデヒドを含むコーヒー芳香供給成分の安定化の後に、20−60ppmのアセトアルデヒド濃度が達成される。
【0044】
【表1】

【0045】
【表2】

【0046】
従って、芳香供給成分の安定化によって得られた芳香は、下記の好ましい含量の揮発性化合物:
チオール: 測定可能な量で存在するときには、初期の処理および少なくとも2ヶ月間の室温貯蔵後に少なくとも最初の量程度またはそれ以上、およびコントロールの未処理芳香供給成分より有意に多量、
アセトアルデヒド: 元の量から少なくとも30%−50%および60%程度だけ、総ての関連測定期間に減少。例えば約40−2000ppmのアセトアルデヒドの初期濃度を安定化の際に減少して、安定後に約1−100ppmのアセトアルデヒドの最終濃度とすることができる。一般に、アセトアルデヒド濃度は、安定化の際に少なくとも50%だけ減少する。
【0047】
これらの化合物は、一般にコーヒー芳香に含まれ、安定化工程または用いる特定の種類の安定剤の有効性を決定するマーカーとして用いることができるようになっている。
【0048】
安定剤は、芳香供給成分であるかまたは様々な方法のいずれか一つによって芳香供給成分を生成する物質または材料と結びついていることがある。下記の方法を、コーヒー豆からのコーヒー芳香の生成に関して説明する。
【0049】
例えば、コーヒー豆を、この豆の加工におけるほぼ任意の点において安定剤で処理することができる。
【0050】
コーヒー豆を収穫した後、安定剤の溶液に青いコーヒー豆を浸漬することによって、または豆に安定剤の溶液を噴霧することによって、安定剤を豆に加えることができる。これらの2つの方法は、安定剤を豆に比較的均一に分布させるのに比較的簡単且つ効果的である。安定剤を粉末などの固形物として豆に二者を互いに混合することによって加えることもできる。これは一層エネルギー集約的工程であり、単純な浸漬には好ましくない。当業者であれば、日常的試験によって使用する薬剤の最適量および濃度を決定することができる。次に、豆を焙煎して、添加剤を本質的に含まない芳香を得る。
【0051】
あるいは、焙煎工程中に薬剤を豆に加えることもできる。これは、薬剤を粉末または溶液として焙煎オーブンに加えることによって行うことができる。また、焙煎は安定剤のガス状雰囲気で行うことができる。薬剤を焙煎工程中に豆に加える代わりに、生成する芳香ガスを薬剤に接触するように向けることができる。これは、芳香ガスを薬剤が組込まれているフィルターまたは他のキャリヤー中を通過させることによって行うことができる。芳香ガスを薬剤の溶液中に通じることもできる。芳香を、薬剤の固定または流動層中を通過させることができる。熟練した科学技術者であれば理解するように、この接触が起こる装置は、芳香を高めるのに十分な薬剤の量または十分な接触時間を供給するようにデザインされる。最後に、薬剤は、集められる最終的な芳香に単に加えることができる。
【0052】
これらの方法では、一般に一層多量の安定剤を用いる必要があるが、この薬剤の一部が焙煎によって焼却されるからである。
【0053】
安定剤を豆と接触させることができるもう一つの点を、焙煎を完了した後に急冷溶液として用いる。これは、焙煎した豆の冷却を行い並びに焙煎した豆の熱を利用して安定剤と焙煎した豆の望ましくない化合物との反応を促進するための特に効果的方法である。これはまた、急冷溶液が単に薬剤を焙煎した豆に運ぶために改質されるので、新たな装置を必要としない。急冷溶液を豆に噴霧することができ、または豆を薬剤の溶液中に落とすことができる。
【0054】
次に、焙煎して冷却した豆に摩砕段階を施し、この段階はコーヒー芳香を生成する。ここで、薬剤は、急冷段階でまたはその後で既に添加されていなければ、摩砕段階中に豆に添加することができる。また、この薬剤は固形または液状形態で添加することもでき、または摩砕をガス状形態の薬剤の雰囲気で行うこともできる。あるいは、摩砕段階中に生成する芳香ガスを薬剤に接触するように向けることができる。これは、薬剤が組込まれているフィルターまたは他のキャリヤー中に芳香を通過させることによって行うことができる。また、薬剤の溶液中に芳香ガスを通じることもできる。豆の焙煎によって生じた芳香の説明で上記したように、摩砕芳香を薬剤の固定または流動層中を通過させることができる。
【0055】
焙煎して摩砕したコーヒーは、典型的には添加剤を含まない芳香成分を得るために加工される。例えば、粒子を典型的には水で抽出して溶液を形成し、揮発性物質を水蒸気によって溶液からストリッピングし、ストリッピングされた揮発性物質を集めて濃縮する。これらの工程では、芳香安定剤を抽出水に加えることもできる。薬剤をこれらの段階の1以上で添加して、最適結果を得ることができる。
【0056】
亜硫酸塩を用いるときには、適当な投与範囲は、芳香または芳香蒸留物の単位重量当たり約1ppm−50,000ppmの亜硫酸塩の直接添加に相当する量を供給するものである。好ましくは、亜硫酸ナトリウム対芳香揮発性化合物の比は、約8:1−16:1である。用いられる特定の安定剤によっては、これらの量は変化するが、最適量は当業者が日常的試験によって容易に決定することができる。
【0057】
上記のように、安定剤は、形態または芳香供給成分によっては、コーヒー、または粉末、液体またはガスとしてのコーヒー芳香供給成分と会合させまたは添加することができる。安定剤はこれらの材料、流れまたは添加剤のいずれかに単に添加することができ、または材料、流れまたは添加剤を本明細書に開示されている固定形態での安定剤上を通過させることによって処理することができる。これを加える工程の特定の点によっては、安定剤を加工材料から分離しまたは除去することができる形態で調製することができる。例えば、安定剤は、処理中に固形形態のコーヒー芳香供給成分に接触するが加工された材料から除去されるガスであることができる。液状またはガス状のコーヒー芳香供給成分を他の加工段階で処理する場合には、安定剤を固形形態で供給した後、ガス状または液状成分に対して透過性であるが固形安定剤が液体またはガスへと出て行くのを防止するプラスチックフィルムまたは他の材料からなる樹脂またはポーチに固定することができる。
【0058】
コーヒー芳香供給成分の安定剤による処理は、安定剤とコーヒー芳香供給成分中の望ましくない揮発性物質との反応生成物を形成するのに十分な時間行う。コーヒー芳香については、上記のように、このような望ましくない揮発性物質としてはアルデヒドおよびジケトンが挙げられ、安定剤はこれらの揮発性物質と反応して、これらの揮発性物質を遮蔽し且つこれらの揮発性物質が芳香供給成分を添加する食料または飲料製品に所望なフレーバー、風味および他の感覚特性を供給しまたは付与する他の有用な揮発性物質との反応性並びに反応する機会を防止しまたは少なくとも減少させる付加生成物または他の反応生成物を形成する。当業者であれば、日常的試験によってコーヒー芳香供給剤を処理して所望なレベルの安定化を提供するための適当な時間を容易に決定することができる。
【0059】
安定剤とコーヒー芳香供給成分中の望ましくない揮発性化合物によって形成される反応生成物はコーヒー芳香供給成分に残っている望ましい揮発性成分とは特性が異なっているので、これらの反応生成物は容易に除去することができる。蒸留、分留、沈澱、昇華、イオン交換、液−液抽出(有機または水性)、水性液−油抽出、油−水性液抽出、またはクロマトグラフィー分離のような多数の方法のいずれであっても、これらの反応生成物をコーヒー芳香供給成分から分離しまたは除去するのに適している。例えば、コーヒー芳香の亜硫酸塩による処理については、生成する亜硫酸塩−カルボニル付加生成物は揮発性ではなく、残っているコーヒー芳香揮発性物質から単純な蒸留によって容易に分離することができる。
【0060】
また、他の方法を用いて、コーヒー芳香供給成分の望ましい揮発性物質を望ましくない反応生成物から分離することができる。亜硫酸塩で安定化したコーヒー芳香については、低温または高温での水蒸気ストリッピングのような単純な加熱段階を用いて、望ましい揮発性物質を亜硫酸塩−カルボニル付加生成物から分離することができる。更に高温の水蒸気ストリッピングでは、安定剤または付加生成物の残留量は本質的になくなるが、付加生成物の幾らかを分解して望ましくない揮発性物質を遊離する可能性がある。更に低温の水蒸気ストリッピングは、付加生成物が余り分解しないので好ましい。熟練した技術者であれば、最終的なコーヒー芳香供給成分の揮発性物質の所望な特性および含量を得るための加熱法および過熱温度を選択することができる。
【0061】
コーヒー芳香供給成分が液体またはガスであり安定剤が固体であるときには、異なる形態の成分のもう一つの所望な応用を用いることができる。安定剤は膜またはフィルターのような支持体に組込むことができ、芳香供給成分は膜またはフィルターの側、周りまたは中を通過させることができる。このような膜およびフィルターの典型的な材料としては、安定剤を組込み、コーティングし、あるいは会合させた透過性プラスチックが挙げられる。ガス状または液状芳香供給成分が通過して所望な付加または掃去を行う多孔性材料の形態の安定剤を形成することもできる。
【0062】
安定剤を、コーヒー芳香供給成分と接触させて望ましくない芳香化合物を除去し且つこの成分を安定させ、次いで除去した後に芳香成分を包装して貯蔵することができる不溶性材料に固定することができる。
【0063】
この方法を行い、安定剤とコーヒー芳香成分を相互作用させる方法でコーヒー芳香成分を保持するのに用いる容器内部または中に安定剤が固定されるようにすることもできる。安定化したコーヒー芳香供給成分は、安定剤を貯蔵の際にコーヒー芳香供給成分に添加されるが、コーヒー芳香供給成分から分離可能または除去可能であるかまたは芳香供給成分が分離可能である材料に組込んだ後、それから食料または飲料製品を消費の目的で調製することによって調製することができる。
【0064】
安定剤は、マトリックス上に固定するか、または半透性フィルターからなる区画内に閉じ込めることができる。このような固定された/閉じ込められた薬剤を、包装の一部としての芳香供給成分と接触させてまたは芳香供給成分中に貯蔵することができ、飲料調製の前に分離することができる。
【0065】
安定剤は、マトリックス上または中に固定されているまたは半透性膜またはフィルターからなる区画内に閉じ込められており、マトリックスまたはポーチが容器内に置かれ、容器に結合しまたは容器の一部を形成している固形物の形態であることができる。他の形態の安定剤、例えば液体またはガスは、コーヒー芳香供給成分を有する容器に包装することによって固定することができる。また、食料または飲料製品、または食料形成または飲料形成成分を芳香供給剤と共に包装に供給して、最終製品を単に容器を開くことによって、場合によってはミルクまたは水などの液体を加えて調製できるようにすることができる。
【0066】
更にもう一つの配置は、一成分の配置または固定、およびこのもののその周囲、その上またはその中の通過である。この態様の一形態では、亜硫酸塩またはシステインのような安定剤は、互いを通り過ぎ、周囲および中を移動するので、シート、フィルム、ブロック、インサート、粉末、マス、または芳香供給成分と接触するための他の構造として固定され、供給される。例えば、安定剤は、所望な付加または掃去を行うのに十分な時間コーヒー芳香供給成分に加えた後、安定化した芳香供給成分から分離することができる。
【0067】
あるいは、好ましくはほとんどの場合には、安定剤は、コーヒー芳香供給成分を分離して貯蔵するのに用いられる包装または容器に組込むことによって、単にコーヒー芳香供給成分を包装または容器に入れることによって所望な付加または掃去を行うことができる。安定剤は、「ティーバッグ」または他の透過性封入物のような小さな透過性ポーチの形態の区画に入れることができ、またはこれを、芳香供給成分が透過することができるが安定剤をその中に保持して、安定化したコーヒー芳香供給成分を食料または飲料製品に加えるときに、容器または包装から出て行くことができないようになっている異なる区画に組込むことができる。
【0068】
特定の配置では、安定剤は、コーヒー芳香供給成分に溶解しない形態でこの成分に添加され、安定化したコーヒー芳香供給成分を除去するときにスクリーン膜またはフィルターを用いて包装中に安定剤を保持する。
【0069】
もう一つの配置では、安定剤を容器または包装の1以上の内部表面に組込み、貯蔵中にコーヒー芳香供給成分と接触させることができる。これは好都合であり、安定化したコーヒー芳香供給成分を包装または容器から安定剤を分離または単離する必要なしに除去した後、食料または飲料製品を消費の目的での調製に用いることができるからである。
【0070】
あるいは、安定剤をキャリヤーまたは容器に固定する代わりに、容器を代わりに構築して、コーヒー芳香供給成分が安定剤から分離され、芳香供給成分と会合した望ましくない化合物が安定剤中に拡散しあるいは安定剤と接触してコーヒー芳香供給成分から除去されるようにすることができる。これは余り好ましい配置ではないが、本発明で使用するためのもう一つの可能性として熟練技術者のレベルの範囲内に完全にあるものである。
【0071】
生成する安定化したコーヒー芳香供給成分は、本質的に安定剤を含まない。「本質的に含まない」とは、安定化したコーヒー芳香供給成分が安定化処理中に芳香供給剤に最初に加えた安定剤の含量が10ppm未満であることを意味する。更に、芳香供給剤由来の芳香を含む食料または飲料製品を消費の目的で調製するときには、これも安定剤を本質的に含まない。
【0072】
勿論、熟練技術者であれば、安定剤は支持体に固定されていてもまたはいなくとも芳香供給成分または食料または飲料製品と消費直前まで接触したままにすることができるので、食料または飲料製品をこの条件で調製した後に消費されることを容易に理解されるであろう。好ましい態様では、安定剤は食料または飲料成分を形成する前に芳香供給成分から最初に分離されまたは回収されるので、これを食料または飲料製品に直接接触させることはできない。下記の実施例に示すように、液体蒸留物の形態のコーヒー芳香はプラスチックポーチに閉じ込められた亜硫酸塩溶液と共に包装して芳香を貯蔵中安定化させることができるが、亜硫酸塩はポーチから出て行くことができず、蒸留物をポーチまたはサシェから分離した後消費用の飲料を形成することができる。
【0073】
通常の未処理または安定化していないコーヒー芳香では、これらの成分を室温で貯蔵するときには、メタンチオールの量は約2−6ヶ月間で検出できないレベルまで減少する。
【0074】
対照的に、樹脂上に固定した安定剤と共に室温で2ヶ月間貯蔵している処理したまたは安定化した芳香供給成分は、通常の成分と比較して分解プロフィールが有意に減少していることを特徴とする。メタンチオールレベルは、周囲条件で保管したものと比較して少なくとも50%のままである。安定剤と反応生成物を除去し、室温貯蔵を行った後、安定剤を含まない安定化した芳香供給成分は、暗手剤を除去せずに芳香供給成分と直接接触したままであるときほどは減少しないものを除き、通常成分と比較して分解プロフィールの減少を特徴としている。
【0075】
また、通常の恒温水蒸気ストリッピングを用いてコーヒー芳香の望ましい揮発性物質を付加生成物から除去するときには、付加生成物の幾らかの解離が観察される。対照的に、通常の低温真空水蒸気ストリッピングを用いてコーヒー芳香を亜硫酸ナトリウムで処理することによって生成する付加生成物からコーヒー芳香の望ましい揮発性物質を除去するときには、例えば遙かに少ない付加生成物の解離が観察される。
【0076】
増加した芳香供給成分、または安定剤と芳香供給成分との組合せは、製品を消費用に作製するときにはその時点で望ましい芳香の損失が著しく少なく室温で長期間貯蔵することができることを見出した。ある種の芳香については、望ましくない臭気またはフレーバーノートが薬剤によって付加されまたは還元されるので、所望な芳香ノートを芳香供給成分に貯蔵中保持することができる。所望なノートの少なくとも2−6ヶ月間、および更に長期間の保持は、コーヒー芳香について他の芳香について得られるのと同様な利点で容易に達成される。
【0077】
これらの安定化したまたは優れた芳香特性を更に長時間保持するために、周囲条件を下回る温度での貯蔵を用いることができる。10℃程度、または0℃以下の温度を、この目的に用いることができる。一般に、室温で1年を上回る貯蔵安定性は多くの芳香供給成分にとって十分であり、更に低温の貯蔵は必要ない。当業者であれば、特定の芳香供給成分、安定剤、および貯蔵後の所望な芳香特性によって、有効な芳香特性を所望な期間保持するための最適貯蔵温度を日常的試験によって決定することができる。
【0078】
芳香供給成分および安定剤の処理時間も、考慮すべき事柄である。また、安定剤と芳香供給成分の相対量は、これの一要素を演じている。勿論、用いられる安定剤が多くなり且つ処理時間が長くなれば、一層多くのカルボニル基が付加生成物を形成し、一層多くの酸素またはフリーラジカルが掃去される。目的とした結果によっては、総ての酸素およびフリーラジカルを除去したりまたは総てのカルボニルを付加させる必要がないことがある。また、当業者であれば、成分の相対量、処理時間および貯蔵温度を最良に選択して、処理した芳香供給成分が最終的使用時間に目的製品に対して最適フレーバー特性を供給することができるようにすることができる。
【0079】
安定化したコーヒー芳香供給製品の形態は、本発明のもう一つの特徴である。任意の形態を用いることができるが、ガス状形態の成分は追加的処理の考慮すべき事柄を示す。これはカフェやレストランなどのようなコーヒーを比較的直ぐに消費する目的で購入する商業的環境では大した問題とならないが、これはガスの液体への分配が些細でないのと同様には家庭使用に望ましいものでないことがある。従って、安定化した芳香供給成分の固形または液状形態が典型的に用いられる。
【0080】
粉末としての安定化したコーヒー芳香供給成分は、多数の方法で供給することができる。処理した芳香供給成分が液体であるときには、これは噴霧乾燥または凍結乾燥のような通常の乾燥法によって容易に固体に転換することができる。これに関して、安定剤で処理した後できるだけ速やかに安定化したコーヒー芳香供給成分の溶液に噴霧乾燥または凍結乾燥操作を行って、コーヒー芳香供給成分中の芳香をそれだけ保持することができるようにすることが極めて望ましい。所望ならば、噴霧乾燥または凍結乾燥した粉末の粒度を摩砕または微粉化によって変化させ、粒度は最も好ましくは、消費可能な製品を形成する目的で用いた流体に加えた後に容易に(すなわち、1分以内、好ましい5−30秒以内に)溶解するものとすることができる。
【0081】
安定化したコーヒー芳香成分は、当該技術分野で一般に知られている手法によって他の食用材料にカプセル化されたエマルションとして提供される油、水または他の溶媒のマトリックスに組込むこともでき、フラッペとして凍結させまたは粉末形態にまで乾燥した後貯蔵することができる。
【0082】
実施例
下記の実施例を本発明の最も好ましい態様を例示する目的で示す。
【実施例1】
【0083】
焙煎して摩砕した(「R&G」)コーヒーを、水で抽出する。可溶性コーヒーを含む生成する液体流を水蒸気ストリッピングカラムを通過させ、揮発性フレーバー/芳香成分を留出させ、凝縮させて、集める。不揮発性成分はそのまま用いることができ、または所望ならば、貯蔵安定な使用のために更に高い固形物含量まで蒸発などによって更に加工することができる。
【0084】
抽出工程に送られたそれぞれ1000gのR&Gコーヒーについて、800gの芳香留出物を集めて、精留して150gの芳香留出物(芳香A)とする。芳香留出物を、更に脱酸素した逆浸透水を用いて750gまで希釈する(芳香B)。生成する芳香B溶液を、芳香が透過するのを防止し且つ酸素が入ってくるのを防止する密封容器に貯蔵する。
【0085】
濃縮したコーヒー固形物を調製し、留出物とは別個にNaOHを加えて貯蔵する。いずれも室温で6ヶ月間貯蔵する。消費用飲料を調製するため、コーヒー固形物を次に留出物と混合し、熱水を混合物に加える。消費時に、生成する飲料は著しい鮮度の落ちたフレーバーを有することが分かる。
【実施例2】
【0086】
6%亜硫酸塩溶液をイオン交換カラムを通過させ、イオン交換樹脂(Dowex 22)に亜硫酸塩を装填した。亜硫酸塩を装填した樹脂を芳香溶液の量に対して樹脂が1:200の比でティーバッグ型の包装に入れ、生成した包装を更に芳香B溶液中に入れた。最終的芳香供給成分を室温条件で6ヶ月間貯蔵し、アセトアルデヒド対メタンチオール比を典型的には15−75に保持した。コーヒー固形物をNaOHと混合し、缶に詰めて、また室温にて6ヶ月間貯蔵した。コーヒー固形物を次に留出物と混合し、熱水を混合物に加えて飲料を形成した。消費時に、生成する飲料は実施例1より新鮮であり且つ望ましくないフレーバーのレベルが有意に減少していることが分かる。
【実施例3】
【0087】
亜硫酸塩を装填した樹脂をカラムに詰めた。芳香B溶液をこのカラムを通し、密封容器に集めた。約95%アセトアルデヒドが還元したこの芳香供給成分を、更に37℃で8−12週間貯蔵した。貯蔵後、芳香成分のアセトアルデヒド対メタンチオール比が典型的には5−30に保持された。消費時に、生成する飲料は実施例1の試料より新鮮であると認められるフレーバーを有することが分かる。
【実施例4】
【0088】
芳香A溶液に2500ppmのSOに相当する亜硫酸ナトリウムを加え、一晩貯蔵した。亜硫酸塩を添加した留出物を真空下でストリッピングカラムを通過させ、亜硫酸塩を含まない芳香成分を生成物流から除去されたアセトアルデヒド約60%と共に集めた。集めた芳香を、更に脱酸素した逆浸透水を用いて5倍に希釈した。最終的芳香供給成分を、室温で6ヶ月間貯蔵した。生成する飲料は、実施例1の試料より新鮮であると認められるフレーバーを有することが分かる。
【実施例5】
【0089】
亜硫酸ナトリウムを水に溶解して、1.2%水性溶液を生成する。低密度ポリプロピレンフィルムをポーチに成形して、亜硫酸塩溶液を入れてポーチを密封する。ポーチを芳香B溶液を含む容器に入れた後、容器を密封する。亜硫酸塩溶液の量は、芳香溶液の約5%である。ポリプロピレンの疎水性により亜硫酸ナトリウムの透過は防止されるが、コーヒー芳香はポリプロピレンポーチ壁を通って拡散し、室温で6ヶ月間の貯蔵中亜硫酸ナトリウム溶液に接触する。ポーチにおける亜硫酸塩の親核性効果により、ポーチに浸透したカルボニルは部分的にポーチ内部の亜硫酸塩溶液と結合した。結果として、例えばアセトアルデヒドの少なくとも30%は亜硫酸塩溶液中でポーチ内に閉じ込められ、従って芳香成分溶液から除去された。
【0090】
コーヒー固形物を、留出物とは別個にしかしながら同じ時間室温にて貯蔵する。次に、コーヒー固形物を留出物と混合し、熱水を混合物に加えて飲料を生成する。消費時に、生成する飲料は実施例1より新鮮なフレーバーを有することが分かる。
【実施例6】
【0091】
芳香A溶液に2500ppmのSOに相当する亜硫酸ナトリウムを加えた後、液−液抽出カラム中をコーヒー油または中鎖脂肪酸油のような別種の油を抽出媒質として用いて通過させた。生成する油は芳香成分を含み、亜硫酸塩は含まない。この芳香を装填した油をカプセル化し、または直接使用してコーヒー可溶性粉末を香味付けしまたは室温で6ヶ月間貯蔵した後、コーヒー飲料に再構成した。生成する飲料は、安定化工程なしのものより新鮮なフレーバーを有することが分かる。
【実施例7】
【0092】
安定剤を含まないコーヒー芳香をカプセル化して安定で扱いやすいカプセルを形成し、飲料の形成前または後であるが消費前の任意の時間にコーヒー固形物に添加できるようにすることができる。
【実施例8】
【0093】
粉末状コーヒーミックス、即席飲料、アイスクリーム、およびキャンディーなどの様々な食料製品を、安定化したコーヒー芳香を用いて処方することができる。
【実施例9】
【0094】
R&Gコーヒーの1000gずつについて、芳香留出物150gを集めた後、脱酸素した逆浸透水(芳香C、アセトアルデヒドは典型的には100ppm未満)を用いて1200gに希釈した。6%亜硫酸塩溶液をイオン交換カラムを通過させ、イオン交換樹脂(Dowex 22)に亜硫酸塩を装填した。芳香C溶液をこのカラムを通過させて、集めた。
【0095】
あるいは、亜硫酸塩を装填した樹脂を、芳香C溶液と樹脂対芳香C溶液の量の比が1:30−50で1日混合した後、留出物から除去した。少なくとも60%アセトアルデヒドが還元された処理された留出物を密封容器に包装し、室温条件で2ヶ月間貯蔵した。貯蔵後に、留出物は、アセトアルデヒド対メタンチオール比を典型的には15−75に保持し、および/またはアセトアルデヒド対N−m−ピロール比を典型的には30未満に保持した。
【0096】
コーヒー固形物をNaOHと混合して、缶に詰め、これもまた室温で2ヶ月間貯蔵した。次に、コーヒー固形物を留出物と混合し、熱水を混合物に加えて飲料を生成した。消費時に、生成する飲料は、実施例1より新鮮であり且つ望ましくないフレーバーのレベルが有意に減少したフレーバーを有することが分かる。
【0097】
上記の実施例はコーヒー芳香の処理および安定化を具体的に指示したものであるが、当業者であれば、他の供給源からの芳香留出物並びにチオール、アルデヒドおよびピロールを含む他の芳香供給成分を本質的に同じ方法で処理して本明細書に開示されているように安定化することができることを直ちに理解されるであろう。また、安定化した芳香供給成分を、多種多様な食料または飲料製品のいずれか一つに、これらの製品が室温で消費され、冷却または冷凍され、または加熱後に消費されるかどうかに関わらず、添加することもできる。典型的な製品としては、コーヒー粉末、即席飲料ミックス、キャンディー、ケーキフロスティング、またはアイスクリーム、および製品処方者の想像力および独創性によってのみ限定される多くの他の製品が挙げられる。
【0098】
本明細書で用いられる「約」という用語は、数値の範囲の療法の数字を表すものと一般的には理解すべきである。更に、本明細書における総ての数値範囲は、それぞれの総ての整数をその範囲内に包含するものと理解すべきである。
【0099】
本発明は、本明細書に例示され且つ記載された正確な形態に限定すべきでないことを理解すべきである。従って、本明細書に記載の開示内容から当該技術分野における通常の技術の一つによってまたは日常的実験法によって容易に達成できる総ての好都合な修飾は、添付の特許請求の範囲に定義されている本発明の精神および範囲内にあるものと考えられる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
貯蔵中のコーヒー芳香の望ましいフレーバーまたは感覚特性の損失または分解に対してコーヒー芳香供給成分を安定化する方法であって、コーヒー芳香供給成分を安定剤と接触させて、安定剤がコーヒー芳香供給成分と会合した望ましくない化合物と化学的に相互作用するのに有効な量で供給され、(a)貯蔵中にコーヒー芳香供給成分中のコーヒー芳香の1種類以上の望ましいフレーバーまたは感覚特性のかなりの部分を保持し、または(b)コーヒー芳香供給成分の貯蔵中に鮮度の落ちたフレーバーの生成を少なくする安定化したコーヒー芳香供給成分を形成し、コーヒー芳香供給剤からのコーヒー芳香を含む食料または飲料製品を消費の目的で調製するときに、安定化したコーヒー芳香供給成分が本質的に安定剤を含まないようにすることを特徴とする、上記方法。
【請求項2】
安定剤を安定化したコーヒー芳香供給成分から除去した後に、安定化したコーヒー芳香供給成分を食料または飲料製品に添加する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
安定剤を蒸留、分留、沈澱、昇華、イオン交換、液−液抽出(有機または水性)、水性液−油抽出、油−水性液抽出、クロマトグラフィー分離、またはストリッピングによって安定化したコーヒー芳香供給成分から除去する、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
カラムに安定剤を充填し、コーヒー芳香供給剤をカラムを通過させてコーヒー芳香供給成分を安定化する、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
コーヒー芳香供給剤が安定剤に接触して混合物を形成し、この混合物をストリッピングカラム中を、場合によっては真空下で、通過させ、安定化したコーヒー芳香供給成分を安定剤を含まない形態で集める、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
芳香供給剤が安定剤に接触して混合物を形成し、この混合物を、コーヒー油または別の油性溶媒を抽出媒質として用いて液−液抽出カラムを通過させ、安定化した芳香供給成分を安定剤を含まない形態で集める、請求項3に記載の方法。
【請求項7】
食料または飲料製品を消費の目的で調製する前に、安定化したコーヒー芳香供給成分が、コーヒー芳香供給成分に保存中に添加されるがコーヒー芳香供給成分から分離可能でありまたは除去可能である材料に安定剤を組込むことにより調製されるか、またはコーヒー芳香供給成分が該材料から分離可能である、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
コーヒー芳香供給成分を安定剤を含む材料と接触させた後、安定化したコーヒー芳香供給成分を材料から分離することによって、安定化したコーヒー芳香供給成分を形成する、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
食料または飲料製品の調製の目的でのコーヒー芳香供給成分の使用前は、安定剤を含む材料を上記成分を包装しまたは貯蔵するための容器と会合させる、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
コーヒー芳香供給成分を、コーヒー芳香供給成分と会合した化合物と相互作用してコーヒー芳香成分の望ましいフレーバーおよび感覚特性を向上させることができるコーヒー芳香化合物を改良しまたは保存し、且つ望ましくない特性と関連した化合物の量を減少させる安定剤で処理する、請求項1−9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
安定剤を、貯蔵中にコーヒー芳香供給成分に添加される材料に組込むことによって安定化したコーヒー芳香供給成分を形成し、更に消費用の製品を調製するときには、安定化した成分を材料から分離することを含んでなる、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
安定化したコーヒー芳香供給成分を、加工してコーヒー芳香供給成分を形成する材料を安定剤と接触させた後に、安定化したコーヒー芳香供給成分を材料から分離することによって形成する、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
豆の焙煎、急冷、冷却、または抽出の前または際中に安定剤をコーヒー豆に加えて、改良したコーヒー芳香を生成しまたは単離する、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
安定剤が、少なくとも1個の孤立電子対を有する少なくとも1個の原子を含み、コーヒー芳香供給成分と会合した望ましくない反応性の化合物のいずれかと反応して、望ましくない化合物を幾らか減少させ、またはコーヒー芳香の望ましいフレーバーまたは感覚特性に寄与するまたはコーヒー芳香供給成分中の鮮度の落ちたフレーバーを遮蔽する1以上のコーヒー芳香化合物を生成または保存するのに十分な量で存在する化合物である、請求項1−13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
望ましくない反応性の化合物がカルボニル基を含み、安定剤がこれらの化合物と複合体形成してコーヒー芳香から分離することができる付加生成物を形成し、安定化したコーヒー芳香供給成分におけるカルボニルのレベルを減少させ、または望ましくない化合物がフリーラジカルを生成しまたは含んでなり、且つ安定剤がこれらのフリーラジカルの生成を減少させまたはフリーラジカルを掃去して、コーヒー芳香成分が安定化して保存されるようにするのに十分な量で存在する、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
安定剤がジスルフィド結合を含む化合物を開裂して、コーヒー芳香供給成分の望ましいフレーバーおよび感覚特性に寄与するチオールを生成または再生する、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
安定剤が少なくとも1個の孤立電子対を有する硫黄、窒素、酸素または炭素の少なくとも1個の原子を含む化合物であり、約1−50,000ppmの量で用いられる、請求項1−16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
安定剤が亜硫酸塩であるか、または亜硫酸塩、チオール、アミン、アミノ酸、またはペプチドを含むまたは生成する物質であり、約1−50,000ppmの量で用いられる、請求項1−17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
安定剤が亜硫酸塩、システインまたはグルタチオンまたはそれらの塩、またはそれらを含む材料、または酵素を、コーヒー芳香供給成分と会合したカルボニルと反応するのに十分な量で含んでなる、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
安定剤が亜硫酸塩、システインまたはグルタチオンまたはそれらの塩、またはそれらを含む材料を含んでなり、それらはフリーラジカルを掃去しコーヒー芳香供給成分中の硫黄芳香化合物を酸化的分解から保存するための十分な還元力を示すのに十分な量で存在する、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
安定剤が安定剤のキャリヤーとして作用する別の添加剤と会合し、キャリヤーが溶媒、油、エマルション、香味料、炭水化物、タンパク質、または酸化防止剤である、請求項1に記載の方法。
【請求項22】
安定剤が、コーヒー芳香と会合した化合物に含まれるカルボニル基の幾らかまたは総てと反応し、チオールを生成または再生しまたはコーヒー芳香のチオールの分解を減少させまたは抑制することによってコーヒー芳香の少なくとも2ヶ月間の貯蔵中にコーヒー芳香の望ましいフレーバーまたは感覚特性を保持するのに十分な量で存在する、請求項1−21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
安定化した芳香供給成分が場合によってはコーヒー芳香キャリヤーを含む液体であるか、または安定化したコーヒー芳香供給成分を乾燥して粉末とし、後で液体を加えることによって消費の目的で再構成するときまで貯蔵する、請求項1に記載の方法。
【請求項24】
安定化したコーヒー芳香供給成分を食料形成または飲料形成成分および液体と組み合わせて液状食料または飲料製品を形成し、液状製品を噴霧乾燥または凍結乾燥によって乾燥して、固形材料の貯蔵中の少なくとも2ヶ月間コーヒー芳香の初期のフレーバーまたは感覚特性を保持する固形材料を得ることをも含んでなる、請求項1−23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
望ましいフレーバーまたは感覚特性を保存しまたは向上させ且つそのフレーバーまたは感覚特性を製品に供給しまたは付与するのに十分な量で存在する安定化したコーヒー芳香供給成分を含む包装の形態の包装食料または飲料製品であって、コーヒー芳香供給成分を、包装中、上または内に、または容器の形成部分上または内に置かれたキャリヤー上または内に固定した安定剤で安定化し、該安定剤がコーヒー芳香供給成分から分離可能または除去可能であるか、または食料または飲料製品の消費のための調製の前にコーヒー芳香供給成分が安定剤から分離可能であり、食料または飲料製品が本質的に安定剤を含まず、且つ安定化したコーヒー芳香供給成分の望ましいフレーバーまたは感覚特性の損失または分解を減少させまたは防止して、コーヒー芳香供給成分が室温での長期間の貯蔵中にその望ましいフレーバーまたは感覚特性を保持するようにすることを特徴とする、上記製品。
【請求項26】
安定剤をイオン交換樹脂上に固定し、樹脂を芳香供給成分の容器内に置き、容器に結合させ、または容器の一部として形成される、請求項25に記載の製品。
【請求項27】
安定剤を、コーヒー芳香供給成分と接触している不溶性マトリックス上または内に固定し、後で安定化したコーヒー芳香供給成分から分離する、請求項25または26に記載の製品。
【請求項28】
安定剤を、安定剤を含む半透性材料からなるポーチに閉じ込め、このポーチを容器内に置き、容器に結合させ、または容器の一部を形成する、請求項25−27のいずれか一項に記載の製品。
【請求項29】
安定剤が、ポーチに保持され且つ半透性物質がそれを通して浸透し、安定剤と結合し、コーヒー芳香供給成分よりはポーチ内部に少なくとも部分的に閉じ込められるようにする溶液である、請求項28に記載の製品。
【請求項30】
コーヒー芳香供給成分が、下記の特徴:(a)アセトアルデヒド対メタンチオールの比が室温での数ヶ月間の貯蔵中200以下、(b)初期に150ppm以上のアセトアルデヒドを含むコーヒー芳香供給成分の安定化後に30−90ppmのアセトアルデヒド濃度、または(c)初期に80−100ppmのアセトアルデヒドを含むコーヒー芳香供給成分の安定化後に20−60ppmのアセトアルデヒド濃度の一つを有する、請求項26に記載の製品。
【請求項31】
食料または飲料製品、または食料形成または飲料形成成分をコーヒー芳香供給剤と共に包装に供給する、請求項25−30のいずれか一項に記載の製品。
【請求項32】
安定剤が、コーヒー芳香のカルボニルに付加し、カルボニルをコーヒー芳香から除去しまたは減少させ、またはコーヒー芳香のチオールの分解を減少させるのに十分な量で存在する、請求項25−31に記載の製品。
【請求項33】
コーヒー芳香のアセトアルデヒドの初期濃度が約40−2000ppmであるが、安定化後のアセトアルデヒドの濃度が約1−100ppmであり、アセトアルデヒド濃度が貯蔵中に少なくとも50%減少する、請求項25−32のいずれか一項に記載の製品。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
貯蔵中のコーヒー芳香の望ましいフレーバーまたは感覚特性の損失または分解に対してコーヒー芳香供給成分を安定化する方法であって、コーヒー芳香供給成分を安定剤と接触させて、安定剤がコーヒー芳香供給成分と会合した望ましくない化合物と化学的に相互作用するのに有効な量で供給され、(a)貯蔵中にコーヒー芳香供給成分中のコーヒー芳香の1種類以上の望ましいフレーバーまたは感覚特性のかなりの部分を保持し、または(b)コーヒー芳香供給成分の貯蔵中に鮮度の落ちたフレーバーの生成を少なくする安定化したコーヒー芳香供給成分を形成し、コーヒー芳香供給剤からのコーヒー芳香を含む食料または飲料製品を消費の目的で調製するときに、安定化したコーヒー芳香供給成分が本質的に安定剤を含まないようにすることを特徴とする、上記方法。
【請求項2】
安定剤を安定化したコーヒー芳香供給成分から除去した後に、安定化したコーヒー芳香供給成分を食料または飲料製品に添加する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
安定剤を蒸留、分留、沈澱、昇華、イオン交換、液−液抽出(有機または水性)、水性液−油抽出、油−水性液抽出、クロマトグラフィー分離、またはストリッピングによって安定化したコーヒー芳香供給成分から除去する、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
カラムに安定剤を充填し、コーヒー芳香供給剤をカラムを通過させてコーヒー芳香供給成分を安定化する、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
コーヒー芳香供給剤が安定剤に接触して混合物を形成し、この混合物をストリッピングカラム中を、場合によっては真空下で、通過させ、安定化したコーヒー芳香供給成分を安定剤を含まない形態で集める、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
芳香供給剤が安定剤に接触して混合物を形成し、この混合物を、コーヒー油または別の油性溶媒を抽出媒質として用いて液−液抽出カラムを通過させ、安定化した芳香供給成分を安定剤を含まない形態で集める、請求項3に記載の方法。
【請求項7】
食料または飲料製品を消費の目的で調製する前に、安定化したコーヒー芳香供給成分が、コーヒー芳香供給成分に保存中に添加されるがコーヒー芳香供給成分から分離可能でありまたは除去可能である材料に安定剤を組込むことにより調製されるか、またはコーヒー芳香供給成分が該材料から分離可能である、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
コーヒー芳香供給成分を安定剤を含む材料と接触させた後、安定化したコーヒー芳香供給成分を材料から分離することによって、安定化したコーヒー芳香供給成分を形成する、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
食料または飲料製品の調製の目的でのコーヒー芳香供給成分の使用前は、安定剤を含む材料を上記成分を包装しまたは貯蔵するための容器と会合させる、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
コーヒー芳香供給成分を、コーヒー芳香供給成分と会合した化合物と相互作用してコーヒー芳香成分の望ましいフレーバーおよび感覚特性を向上させることができるコーヒー芳香化合物を改良しまたは保存し、且つ望ましくない特性と関連した化合物の量を減少させる安定剤で処理する、請求項1−9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
安定剤を、貯蔵中にコーヒー芳香供給成分に添加される材料に組込むことによって安定化したコーヒー芳香供給成分を形成し、更に消費用の製品を調製するときには、安定化した成分を材料から分離することを含んでなる、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
安定化したコーヒー芳香供給成分を、加工してコーヒー芳香供給成分を形成する材料を安定剤と接触させた後に、安定化したコーヒー芳香供給成分を材料から分離することによって形成する、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
豆の焙煎、急冷、冷却、または抽出の前または際中に安定剤をコーヒー豆に加えて、改良したコーヒー芳香を生成しまたは単離する、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
安定剤が、少なくとも1個の孤立電子対を有する少なくとも1個の原子を含み、コーヒー芳香供給成分と会合した望ましくない反応性の化合物のいずれかと反応して、望ましくない化合物を幾らか減少させ、またはコーヒー芳香の望ましいフレーバーまたは感覚特性に寄与するまたはコーヒー芳香供給成分中の鮮度の落ちたフレーバーを遮蔽する1以上のコーヒー芳香化合物を生成または保存するのに十分な量で存在する化合物である、請求項1−13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
望ましくない反応性の化合物がカルボニル基を含み、安定剤がこれらの化合物と複合体形成してコーヒー芳香から分離することができる付加生成物を形成し、安定化したコーヒー芳香供給成分におけるカルボニルのレベルを減少させ、または望ましくない化合物がフリーラジカルを生成しまたは含んでなり、且つ安定剤がこれらのフリーラジカルの生成を減少させまたはフリーラジカルを掃去して、コーヒー芳香成分が安定化して保存されるようにするのに十分な量で存在する、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
安定剤がジスルフィド結合を含む化合物を開裂して、コーヒー芳香供給成分の望ましいフレーバーおよび感覚特性に寄与するチオールを生成または再生する、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
安定剤が少なくとも1個の孤立電子対を有する硫黄、窒素、酸素または炭素の少なくとも1個の原子を含む化合物であり、約1−50,000ppmの量で用いられる、請求項1−16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
安定剤が亜硫酸塩であるか、または亜硫酸塩、チオール、アミン、アミノ酸、またはペプチドを含むまたは生成する物質であり、約1−50,000ppmの量で用いられる、請求項1−17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
安定剤が亜硫酸塩、システインまたはグルタチオンまたはそれらの塩、またはそれらを含む材料、または酵素を、コーヒー芳香供給成分と会合したカルボニルと反応するのに十分な量で含んでなる、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
安定剤が亜硫酸塩、システインまたはグルタチオンまたはそれらの塩、またはそれらを含む材料を含んでなり、それらはフリーラジカルを掃去しコーヒー芳香供給成分中の硫黄芳香化合物を酸化的分解から保存するための十分な還元力を示すのに十分な量で存在する、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
安定剤が安定剤のキャリヤーとして作用する別の添加剤と会合し、キャリヤーが溶媒、油、エマルション、香味料、炭水化物、タンパク質、または酸化防止剤である、請求項1に記載の方法。
【請求項22】
安定剤が、コーヒー芳香と会合した化合物に含まれるカルボニル基の幾らかまたは総てと反応し、チオールを生成または再生しまたはコーヒー芳香のチオールの分解を減少させまたは抑制することによってコーヒー芳香の少なくとも2ヶ月間の貯蔵中にコーヒー芳香の望ましいフレーバーまたは感覚特性を保持するのに十分な量で存在する、請求項1−21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
安定化した芳香供給成分が場合によってはコーヒー芳香キャリヤーを含む液体であるか、または安定化したコーヒー芳香供給成分を乾燥して粉末とし、後で液体を加えることによって消費の目的で再構成するときまで貯蔵する、請求項1に記載の方法。
【請求項24】
安定化したコーヒー芳香供給成分を食料形成または飲料形成成分および液体と組み合わせて液状食料または飲料製品を形成し、液状製品を噴霧乾燥または凍結乾燥によって乾燥して、固形材料の貯蔵中の少なくとも2ヶ月間コーヒー芳香の初期のフレーバーまたは感覚特性を保持する固形材料を得ることをも含んでなる、請求項1−23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
望ましいフレーバーまたは感覚特性を保存しまたは向上させ且つそのフレーバーまたは感覚特性を製品に供給しまたは付与するのに十分な量で存在する安定化したコーヒー芳香供給成分を含む包装の形態の包装食料または飲料製品であって、コーヒー芳香供給成分を、包装中、上または内に、または容器の形成部分上または内に置かれたキャリヤー上または内に固定した安定剤で安定化し、該安定剤がコーヒー芳香供給成分から分離可能または除去可能であるか、または食料または飲料製品の消費のための調製の前にコーヒー芳香供給成分が安定剤から分離可能であり、食料または飲料製品が本質的に安定剤を含まず、且つ安定化したコーヒー芳香供給成分の望ましいフレーバーまたは感覚特性の損失または分解を減少させまたは防止して、コーヒー芳香供給成分が室温での長期間の貯蔵中にその望ましいフレーバーまたは感覚特性を保持するようにすることを特徴とする、上記製品。
【請求項26】
安定剤をイオン交換樹脂上に固定し、樹脂を芳香供給成分の容器内に置き、容器に結合させ、または容器の一部として形成される、請求項25に記載の製品。
【請求項27】
安定剤を、コーヒー芳香供給成分と接触している不溶性マトリックス上または内に固定し、後で安定化したコーヒー芳香供給成分から分離する、請求項25または26に記載の製品。
【請求項28】
安定剤を、安定剤を含む半透性材料からなるポーチに閉じ込め、このポーチを容器内に置き、容器に結合させ、または容器の一部を形成する、請求項25−27のいずれか一項に記載の製品。
【請求項29】
安定剤が、ポーチに保持され且つ半透性物質がそれを通して浸透し、安定剤と結合し、コーヒー芳香供給成分よりはポーチ内部に少なくとも部分的に閉じ込められるようにする溶液である、請求項28に記載の製品。
【請求項30】
コーヒー芳香供給成分が、下記の特徴:(a)アセトアルデヒド対メタンチオールの比が室温での数ヶ月間の貯蔵中200以下、(b)初期に150ppm以上のアセトアルデヒドを含むコーヒー芳香供給成分の安定化後に30−90ppmのアセトアルデヒド濃度、または(c)初期に80−100ppmのアセトアルデヒドを含むコーヒー芳香供給成分の安定化後に20−60ppmのアセトアルデヒド濃度の一つを有する、請求項26に記載の製品。
【請求項31】
食料または飲料製品、または食料形成または飲料形成成分をコーヒー芳香供給剤と共に包装に供給する、請求項25−30のいずれか一項に記載の製品。
【請求項32】
安定剤が、コーヒー芳香のカルボニルに付加し、カルボニルをコーヒー芳香から除去しまたは減少させ、またはコーヒー芳香のチオールの分解を減少させるのに十分な量で存在する、請求項25−31に記載の製品。
【請求項33】
コーヒー芳香のアセトアルデヒドの初期濃度が約40−2000ppmであるが、安定化後のアセトアルデヒドの濃度が約1−100ppmであり、アセトアルデヒド濃度が貯蔵中に少なくとも50%減少する、請求項25−32のいずれか一項に記載の製品。
【請求項34】
フレーバーまたは感覚特性が増したおよび/または保存された安定化したコーヒー芳香供給成分であって、アセトアルデヒド対メタンチオールの比が200未満であるか、または貯蔵期間中に、アセトアルデヒド成分の初期量の少なくとも30%が除去され、または初期メタンチオール量の少なくとも50%が保存されることを特徴とする、上記成分。
【請求項35】
室温での数ヶ月間の貯蔵中に、比が保持され、初期メタンチオール量が保存される、請求項34に記載の安定化したコーヒー芳香供給成分。
【請求項36】
ガス状、液状または固形状形態で供給される、請求項34に記載の安定化したコーヒー芳香供給成分。
【請求項37】
液状形態で供給され、更に噴霧乾燥または凍結乾燥される、請求項34に記載の安定化したコーヒー芳香供給成分。
【請求項38】
油、水または他の溶媒のマトリックスに組込まれ、エマルションとして供給され、食用材料にカプセル化され、フロストとして冷凍され、または粉末状に乾燥される、請求項34に記載の安定化したコーヒー芳香供給成分。
【請求項39】
請求項34に記載の安定化したコーヒー芳香供給成分を含んでなる、飲料製品。
【請求項40】
請求項34に記載の安定化したコーヒー芳香供給成分を含んでなる、コーヒー飲料。

【公表番号】特表2006−500060(P2006−500060A)
【公表日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−539043(P2004−539043)
【出願日】平成15年9月26日(2003.9.26)
【国際出願番号】PCT/EP2003/010733
【国際公開番号】WO2004/028261
【国際公開日】平成16年4月8日(2004.4.8)
【出願人】(599132904)ネステク ソシエテ アノニム (637)
【Fターム(参考)】