説明

安定化されたインスリン様増殖因子ポリペプチド

本発明は、IGF−1またはIGF−2配列およびE−ペプチド配列を有し、IGFからのE−ペプチドの生理学的自然開裂が阻止されている、安定化されたポリペプチドに関するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の背景
インスリン様増殖因子(IGF)は、細胞がその生理学的環境との間で情報伝達を行う際に使用する複雑な系の一部である。この複雑な系(インスリン様増殖因子軸と称されることが多い)は、2種の細胞表面受容体(IGF−1RおよびIGF−2R)、2種のリガンド(IGF−1およびIGF−2)、6種の高親和力IGF結合タンパク質(IGFBP1−6)のファミリー、および関連IGFBP分解酵素(プロテアーゼ)により構成される。この系は、正常な生理機能の調節だけでなく多くの病的状態にとっても重要である(Glass、Nat Cell Biol 5:87−90、2003)。
【0002】
IGF軸は、細胞増殖の促進および細胞死(アポトーシス)の阻害において幾つかの役割を果たすことが示されている。IGF−1は、ヒト成長ホルモン(hGH)による刺激の結果、主として肝臓により分泌される。人体におけるほとんど全ての細胞、特に筋肉、軟骨、骨、肝臓、腎臓、神経、皮膚および肺における細胞は、IGF−1による影響を被る。インスリン様効果に加えて、IGF−1はまた、細胞の成長を調節し得る。IGF−1およびIGF−2は、IGF結合タンパク質として知られる一群の遺伝子産物により調節される。これらのタンパク質は、IGF受容体への結合阻止によるIGF作用の阻害および受容体への送達の促進および血流中のIGF半減期の増加を通じたIGF作用の促進の両方を含む複雑な方法でIGF作用の調節を助ける。少なくとも6種の特性確認された結合タンパク質(IGFBP1−6)が存在する。
【0003】
ソマトメジンとも呼ばれる、ヒトIGF−1(gpetlcgaelvdalqfvcgdrgfyfnkptgygsssrrapqtgivdeccfrscdlrrlemycaplkpaksa;配列番号1)は、その成熟形態では、培養中の広範囲の細胞の成長を刺激することが示された70アミノ酸から成る小さなタンパク質である。成熟タンパク質は、最初に3つの既知スプライス変異型mRNAによりコード化される。各mRNAの読み枠は、70アミノ酸IGF−1および特定IGF−1 mRNAに依存するC−末端の特定E−ペプチドを含む前駆体タンパク質をコード化する。これらのE−ペプチドは、Ea(rsvraqrhtdmpktqkevhlknasrgsagnknyrm;配列番号2)、Eb(rsvraqrhtdmpktqkyqppstnkntksqrrkgwpkthpggeqkegteaslqirgkkkeqrreigsrnaecrgkkgk;配列番号3)およびEc(rsvraqrhtdmpktqkyqppstnkntksqrrkgstfeerk;配列番号4)ペプチドと呼ばれるもので、長さ35〜87アミノ酸の範囲であり、N−末端にある共通配列領域およびC−末端にある可変配列領域を包含する。例えば、IGF−1−Eaについての野生型読み枠は、105アミノ酸(gpetlcgaelvdalqfvcgdrgfyfnkptgygsssrrapqtgivdeccfrscdlrrlemycaplkpaksarsvraqrhtdmpktqkevhlknasrgsagnknyrm;配列番号5)のポリペプチドをコード化する。生理学的表現では、E−ペプチドは、内在性プロテアーゼにより前駆体から開裂され、生物活性であることが知られている成熟70アミノ酸IGF−1が生成される。ある種の状況において、IGF−1のN−末端アミノ酸の1〜3個は、生理学的条件下で開裂されることにより、67〜70個のアミノ酸を有する活性IGF−1を生じることが知られている。ヒトIGF−2についての唯一のE−ペプチド(rdvstpptvlpdnfprypvgkffqydtwkqstqrlrrglpallrarrghvlakeleafreakrhrplialptqdpahggappemasnrk;配列番号6)が156アミノ酸前駆体(ayrpsetlcggelvdtlqfvcgdrgfyfsrpasrvsrrsrgiveeccfrscdlalletycatpakserdvstpptvlpdnfprypvgkffqydtwkqstqrlrrglpallrarrghvlakeleafreakrhrplialptqdpahggappemasnrk;配列番号7)について同定されたことを除き、IGF−2遺伝子発現およびプロセッシングは、類似特性を特徴としている。IGF−1およびIGF−2は患者の血清中で内在性プロテアーゼにより迅速に分解されるため、これらのタンパク質は両方とも薬剤候補としては不十分であると思われる。考えられる一戦略は、IGF−1をその結合タンパク質の一つとの複合体を形成させることにより薬剤として安定化することである。
【発明の概要】
【0004】
発明の要旨
本発明は、実質的にそのE−ペプチドを含む前駆体IGF−1またはIGF−2タンパク質が生物活性を呈し、血清の存在下では安定化されることから、医薬として有用なIGF−1またはIGF−2ポリペプチドが得られるという発見に基づいている。本発明組成物では、IGF−1からのE−ペプチドの正常な開裂が、例えばE−ペプチドの1位のアルギニンまたは2位のセリン(野生型前駆体IGF−1の71および72位に相当)の突然変異または欠失により回避される。IGF−2では、例えばE−ペプチドの1位のアルギニンまたは2位のアスパラギン酸(野生型前駆体IGF−2の68および69位に相当)の突然変異または欠失により開裂が回避される。IGF前駆体タンパク質の他の修飾もこの開裂を回避または減少させ得る。
【0005】
さらに、IGF−1前駆体アミノ酸配列にさらなる修飾を加えることにより、医薬上の利点が追加され得る。例えば、本発明ポリペプチドは、IGF−1受容体に関する親和力の増加または阻害性IGF−1またはIGF−2結合タンパク質への結合能の減少を呈し得る。
【0006】
明確さおよび一貫性を保つため、請求の範囲を含む本明細書全体を通してIGF−1またはIGF−2前駆体または成熟タンパク質におけるアミノ酸残基の番号付は、シグナルペプチドを伴わない野生型前駆体タンパク質配列の番号付に基づくものとする。
【0007】
したがって、本発明は、ヒトIGF−1前駆体タンパク質を含み、プロテアーゼによるIGF−1からのE−ペプチドの開裂を前駆体タンパク質の修飾により低減化させたポリペプチドを含む。E−ペプチドは、Ea、EbまたはEcペプチドであり得る。前駆体のN−末端では、前駆体タンパク質のアミノ酸G1、P2またはE3は、R36(例、R36A)およびR37(例、R37A)で見られるように欠失または突然変異が導入され得る。
【0008】
さらに前駆体タンパク質は、例えばEbのアミノ酸N95およびT96間におけるEaのアミノ酸93〜102の挿入により、N−結合グリコシル化共通配列NXS/Tを含み得る。一般に、前駆体タンパク質は、前駆体タンパク質のアミノ酸側鎖、例えば前駆体タンパク質のアルギニン側鎖に共有結合したオリゴ糖を含み得る。
【0009】
さらに、前駆体タンパク質の残基は、非天然アミノ酸(例、アセチレンまたはアジド基を含むもの)により置換され得る。典型的なタンパク質ペギル化戦略は当業界ではよく知られているが、上記の非天然アミノ酸は、前駆体タンパク質の側鎖へのポリ(エチレングリコール)部分の結合を促進し得る。
【0010】
さらに前駆体タンパク質は、前駆体タンパク質のC−末端に結合された1個またはそれ以上の追加的E−ペプチドを含み得る。例えば、ポリペプチドは、N−末端からC−末端まで、(1)第1Ebペプチドを有するIGF−1前駆体タンパク質(ただし、G1、P1およびE1は欠失しており、R36またはR37またはその両方は突然変異しており、R71およびS72は欠失しており、第1Ebペプチドの最後の7個のC−末端アミノ酸は欠失している)、(2)第2Ebペプチド(ただし、R71、S72および第2Ebペプチドの最後の7個のC−末端アミノ酸は欠失している)、(3)第3Ebペプチド(ただし、R71、S72および第3Ebペプチドの最後の7個のC−末端アミノ酸は欠失している)、および(4)第4Ebペプチド(ただし、R71およびS72は欠失している)を含み得る。
【0011】
IGF−1からのE−ペプチドの開裂を阻止する有効な手段は、R71またはS72の欠失または突然変異である。
【0012】
同様に、本発明は、プロテアーゼによるIGF−2からのE−ペプチドの開裂を前駆体タンパク質の修飾により低減化させるヒトIGF−2前駆体タンパク質を包含する。特に、R68またはD69の欠失または突然変異は、IGF−2前駆体タンパク質のプロテアーゼ消化を回避する有効な手段であり得る。
【0013】
さらに、IGF−1のいずれかのE−ペプチドをIGF−2と組み合わせ、IGF−2のいずれかのE−ペプチドをIGF−1と組み合わせることも可能であり、それによって本明細書記載の利点が得られる。
【0014】
さらに本発明は、治療有効量の本発明ポリペプチドの投与による筋骨格疾患、糖尿病、神経細胞死の処置方法を含む。同様に、本発明は、筋骨格疾患、糖尿病、神経細胞死、または貧血を処置する医薬の製造を目的とする本発明ポリペプチドの使用を包含する。
【0015】
別の実施態様において、本発明は、E−ペプチドを伴わないが、ペギル化部位として非天然アミノ酸がそこに導入されているペギル化IGF−1を包含する。E−ペプチドを伴わず、本明細書に開示している非天然アミノ酸を含む修飾ペギル化IGF−1もまた、いずれも本発明に包含される。
【0016】
本発明はまた、所望の効果を得るために有効量の本発明ポリペプチドを投与する獣医学的方法および使用を包含する。
【0017】
獣医学的使用は、(i)動物における成長速度および/または範囲を向上させ、(ii)身体組織への飼料の変換効率を向上させ、(iii)泌乳動物において乳生産を向上させ、(iv)悪液質、外傷または他の消耗性疾患に伴う動物の消耗的症状を処置し、(v)新生児の健康状態を改善するために泌乳動物を処置することを含む。
【0018】
本明細書で引用した参考文献または文書は全て出典明示により援用する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】図1A〜1Cは、37℃で10%ヒト血清の存在または非存在下での0または16時間インキュベーション後における本発明および野生型IGF−1前駆体のポリペプチドのウエスタンブロットである。様々なIGF−1構築物をコード化する発現ベクターを、Cos7細胞にトランスフェクションし、条件培養培地を得た。「3mut」は、以下3セットの修飾を有するhIGF−1−E−ペプチド前駆体をいう:G1、P2およびE3の欠失;Arg37からAlaへの突然変異(R37A);およびR71およびS72の欠失。図1Aは、Eaを含む野生型および3mut前駆体についてのウエスタンブロット結果(IGF−1に対する抗体を用いる)を示す。図1Bは、Ebを含む野生型および3mut前駆体に関するウエスタンブロット結果(hIGF−1に対する抗体を用いる)を示す。図1Cは、Ecを含む野生型および3mut前駆体に関するウエスタンブロット結果(hIGF−1に対する抗体を用いる)を示す。
【0020】
【図2】図2A〜2Dは、様々なIGF−1ポリペプチド(「リガンド」)の生物活性を示す線グラフである。Cos7−発現ポリペプチドでC2C12筋芽細胞を刺激することにより、生物活性を測定した。次いで、刺激を加えたC2C12細胞を、全AKTおよびリン酸化AKTの相対量について検定した。Long−R3−IGF−1は、E3R突然変異およびさらなる13アミノ酸N−末端伸長ペプチドを伴う成熟ヒトIGF−1アミノ酸配列から成る市販試薬(Sigma製品番号I−1271)である。図2Aは、IGF−1−Ea3mutの活性を示す。図2Bは、IGF−1−Eb3mutの活性を示す。図2Cは、Eaアミノ酸93〜102がEbのアミノ酸95と96の間に挿入された3mut構築物である、IGF−1−Eab3mutの活性を示す。図2Dは、IGF−1−Ec3mutの活性を示す。
【0021】
【図3】図3A〜3Dは、リガンド結合に応答した受容体リン酸化について検定することによる、本発明のIGF−1前駆体ポリペプチドが適切な受容体に対する選択性を維持しているか否かを示す線グラフである。図3Aおよび3Bは、IGF−1受容体(図3A)およびインスリン受容体(図3B)に対するIGF−1−Ea3mutの受容体選択性の試験結果である。図3Cおよび図3Dは、IGF−1受容体(図3C)およびインスリン受容体(図3D)に対するIGF−1−Eb3mutの受容体選択性の試験結果である。「IGF1−R3」は、上記のLong−R3−IGF−1をいう。「IGF1Eab」として列挙したポリペプチドは、Eaアミノ酸93〜102がEbのアミノ酸95と96の間に挿入された構築物をいう。
【0022】
【図4】4A〜4Dは、リガンド結合に応答した受容体リン酸化について検定することによる、本発明のIGF−1前駆体ポリペプチドが適切な受容体に対する選択性を維持しているか否かを示す線グラフである。図4Aおよび4Bは、IGF−1受容体(図4A)およびインスリン受容体(図4B)に対するIGF−1−Ec3mutの受容体選択性の試験結果である。図4Cおよび4Dは、IGF−1受容体(図4C)およびインスリン受容体(図4D)に対するIGF−1−Eab3mutの受容体選択性の試験結果である。「IGF1−R3」は、上記のLong−R3−IGF−1をいう。「IGF1Eab」として列挙したポリペプチドは、Eaアミノ酸93〜102がEbのアミノ酸95と96の間に挿入された構築物をいう。
【0023】
【図5】図5は、種々のリガンドによるC2C12筋管(C2C12筋芽細胞の3〜4日間の分化の結果として)の刺激時における相対的AKTリン酸化を示すウエスタンブロットである。IGF−1Ebマルチマーは、図6Aで図示した構築物を指す。
【0024】
【図6】図6Aおよび6Bは、本発明ポリペプチドの2種を表す図である。図6Aは、4セットの修飾を伴うIGF−1−Eb前駆体ポリペプチドを示す:G1、P2およびE3の欠失;R37のAへの突然変異;R71およびS72の欠失;および最後の7個のC−末端アミノ酸の欠失。さらに、2つのさらなるEbペプチド(ただし、R71およびS72を伴わず、最後の7個のC−末端アミノ酸を伴わない)を付加し、ポリペプチドのC−末端に最終Ebペプチド(ただし、R71およびS72を伴わない)を付加することにより、ポリペプチドを伸長させる。この構築物は、IGF−1−Ebマルチマーと称されることが多い。図6Bは、4セットの修飾を伴うIGF−1−Eab前駆体ポリペプチドを示す:G1、P2およびE3の欠失;R37のAへの突然変異;R71およびS72の欠失;およびEbのアミノ酸95および96間におけるEaアミノ酸93〜102の挿入。
【0025】
【図7A】図7Aは、対応する動物IGF−1とのヒトIGF−1(配列番号1)の配列アラインメントである。分析した全動物種および配列に関するそれらの対応する GenBank 受入番号を示す。G1、P2、E3は、Sterlet(カワリチョウザメ)(S2がP2と置き換わっている)を除き、分析した全種において保存されている。R36およびR37は、分析した全種において保存されている。
【0026】
【図7B】図7Bは、ヒトIGF−1(配列番号1)と比較した解析アミノ酸配列の系統発生を示すグラフである。樹形図の下にあるのは、タンパク質配列に関する100残基あたりの「アミノ酸置換」の数を示す目盛である。Kimura距離式を用いることにより、無ギャップミスマッチの数から誘導し、サイレント置換について補正した距離値を計算する。コンピューター処理値は、1部位あたりの差異の平均数であり、ゼロと1の間に含まれる。ゼロは完全な同一性を表し、1は同一性無しを表す。系統発生樹形図の目盛りは、これらの値を100倍したものを使用する。
【0027】
【図8A】図8Aは、様々な動物EaペプチドとのヒトEaペプチド(配列番号2)の配列アラインメントである。分析した全動物種および配列に関するそれらの対応するGenBank受入番号を示す。R71およびS72は、分析した全種において保存されている。
【0028】
【図8B】図8Bは、ヒトIGF−1 Eaペプチド(配列番号2)と比較した解析アミノ酸配列の系統発生を示すグラフである。
【0029】
【図9A】図9Aは、様々な動物EbペプチドとのヒトEbペプチド(配列番号3)の配列アラインメントである。分析した全動物種および配列に関するそれらの対応するGenBank受入番号を示す。R71およびS72は、分析した全種において保存されている。
【0030】
【図9B】図9Bは、ヒトIGF−1 Ebペプチド(配列番号3)と比較した解析アミノ酸配列の系統発生を示すグラフである。
【0031】
【図10A】図10Aは、様々な動物EcペプチドとのヒトEcペプチド(配列番号4)の配列アラインメントである。分析した全動物種および配列に関するそれらの対応する GenBank 受入番号を示す。R71およびS72は、分析した全種において保存されている。
【0032】
【図10B】図10Bは、ヒトIGF−1 Ecペプチド(配列番号4)と比較した解析アミノ酸配列の系統発生を示すグラフである。
【0033】
【図11A】図11Aは、対応する動物IGF−2とのヒトIGF−2(配列番号7)の配列アラインメントである。分析した全動物種および配列に関するそれらの対応する GenBank 受入番号を示す。R68は、分析した全種において保存されている。D69は、その位置にヒスチジン残基があるチンパンジーを除き保存されている。
【0034】
【図11B】図11Bは、ヒトIGF−2(配列番号7)と比較した解析アミノ酸配列の系統発生を示すグラフである。
【0035】
【図12A】図12Aは、様々な動物IGF−2 E−ペプチドとのヒトIGF−2 E−ペプチド(配列番号6)の配列アラインメントである。分析した全動物種および配列に関するそれらの対応する GenBank 受入番号を示す。R68は、分析した全種において保存されている。D69は、その位置にヒスチジン残基があるチンパンジーを除き保存されている。
【0036】
【図12B】図12Bは、ヒトIGF−2 Eペプチド(配列番号6)と比較した解析アミノ酸配列の系統発生を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0037】
発明の詳細な記載
本発明は、E−ペプチドからの活性IGF−1またはIGF−2の放出の誘因である典型的なプロテアーゼ開裂を阻止、低減化または回避するように実質的に修飾が加えられたE−ペプチドを含む新規IGF−1およびIGF−2前駆体ポリペプチドに関するものである。本発明ポリペプチドの有用性は、前駆体ポリペプチドが生物活性を呈し、安定し、かつ医薬として有益であるという驚くべき発見に基づいている。
【0038】
活性IGF前駆体ポリペプチドについてのスクリーニング
本発明ポリペプチドの有用性は、以下の検定法を用いて評価され得る。
安定性 本発明ポリペプチドが有効な薬剤であるためには、内在性プロテアーゼの存在下、例えばヒト血清中において十分な安定性を有すべきである。安定性を評価するため、ポリペプチドをコード化する発現ベクターは、10%胎児ウシ血清、100U/mlペニシリンおよび100μg/mlストレプトマイシンを含むDMEM培地中のCos7細胞(ATCC)へトランスフェクションされ得る。分泌されたポリペプチドを含む培養培地は、さらなる分析に適用され得るか、または別法として、発現ベクターがポリペプチドにおいて容易に利用可能な標識、例えばヘキサ−ヒスチジン標識をコード化することにより、Cos7培地中で発現されたポリペプチドの有効な精製を容易に行うことができる。しかしながら、調製したポリペプチド試料を、様々な期間(例、0、1、5、10および16時間)正常ヒト血清(Sigma)またはPBS中でインキュベーションし、ポリアクリルアミドゲル電気泳動にかけ、ニトロセルロースにブロッティングし、関連性のあるタンパク質を、ヒトIGF−1またはIGF−2に対する一次抗体および例えばホースラディッシュペルオキシダーゼで標識した二次抗体を用いて視覚化する。場合によっては蛍光染料または放射性核種を用い、かなり多数の類似したブロッティングおよび検出技術が使用され得る。前駆体バンドの強度対IGF−1またはIGF−2バンドの強度は、前駆体ポリペプチドが様々な条件下で開裂される場合の程度を示すことになる。37℃で16時間ヒト血清に暴露された本発明ポリペプチドは、約1:2〜1:0.1、例えば約1:1〜1:0.5の未開裂前駆体対開裂成熟IGFの比、特に約1:1の比率または約1:0.5の比率を呈し得る。典型的には、前駆体は少なくとも1:1の比を呈する。
【0039】
AKTリン酸化 本発明ポリペプチドは、IGF−1受容体を通したシグナリング能力を維持している(IGF−1およびIGF−2は両方ともIGF−1受容体を通してシグナリングする)。このシグナリング能力を測定するため、下流細胞内標的、AKTが、細胞表面でのリガンド結合に応答してリン酸化されているか否かが評価され得る。AKTリン酸化の分析については、C2C12筋芽細胞を血清不含有培地中で飢餓させ、次いで種々のリガンドにより刺激を加える。細胞を溶解し、遠心分離により澄明にする。AKTリン酸化および全AKTレベルは、それぞれPathScanホスホAKT(Ser473)サンドイッチELISAキットおよび PathScan AKTサンドイッチELISAキット(Cell Signaling)を用いるELISAにより分析される。
【0040】
IGF−1受容体特異性 本発明ポリペプチドは、好ましくはIGF−1受容体についての特異性を維持しており、低親和力で関連インスリン受容体に結合する。受容体特異性を評価するため、ポリペプチド試料を、IGF−1受容体またはインスリン受容体を過剰発現する血清飢餓NIH3T3細胞に加え、細胞を溶解し、DuoSet IC ヒトリン光体−IGF−1受容体およびインスリン受容体ELISAキット(R&D Systems)を用いるELISAにライゼートをかけることにより、IGF−1受容体リン酸化またはインスリン受容体リン酸化のレベルを測定する。
【0041】
マウス肥厚モデルにおけるインビボ試験 本発明ポリペプチドが、既に筋肉肥厚に向かっている状況下で骨格筋量を増加させるように作用し得るか否かを測定するため、処置および未処置動物を運動させることにより、ポリペプチドを与えられた動物が未処置動物よりも多量の筋肉を生じたか否かが測定され得る。
【0042】
運動モデル
当業界で公知の一モデルは、ユーザー可変負荷による自発走用ランニングホイールの使用に基づいている(例、Konhilas et al., Am J Physiol Heart Circ Physiol 289:H455−H465、2005参照)。自発走用ケージホイールは、運動強制モデルに共通する肉体的および心理的傷害を排除するため、筋肉量の増加が望まれる比較的健康な個体で使用される候補薬剤を評価するのにより適している。
【0043】
適切なマウス系統であればいずれも使用可能である。例えば、雄C57B1/6Jマウスを、実験(例、IGF前駆体ポリペプチドを与える)および対照群に無作為に割り当てる。運動用ホイールを設置したケージに動物を個々に収容する。運動させない対照動物については、ホイールの無い同一ケージに収容する。運動用ホイールは、Allen et al., J Appl Physiol 90:1900−1908(2001)に記載されている。簡単に述べると、このシステムは、ホイールの回転により作動するデジタル式磁気カウンター(モデルBC600、Sigma Sport、オルネイ、イリノイ)を備えつけた5.0cm幅のランニング表面をもつ11.5cm直径のホイール(モデル6208、Petsmart、フェニックス、アリゾナ)から成る。さらに、各ホイールに、負荷の調節を行う抵抗機械装置を備えつける。これは、ステンレス鋼釣り糸をケージ上部に取り付け、ホイール負荷に負担をかけないように回転軸のところでケージホイールに確保された固定滑車にワイヤーを巻きつけることにより達成される。再びワイヤーを、ばねとねじでケージ上部に固定する。この設計により、ホイール負荷の微調整が可能となり、ホイールの回転中終始均等に配分される。走行時間および距離に関する毎日の運動値を、運動持続時間全体を通して各動物について記録する。全動物に水およびげっ歯類用標準固形飼料を無制限に与える。自発走(ケージホイール露出)は、全群について平均約12週齢で始まり得る。動物が約19週齢になるまで、各群は、50日間実験群によって抵抗を変えながら走行を続けさせる。ホイールが僅かに移動するまで、ホイールに既知重量のおもりを掛けることにより、ホイールの負荷を測定する。全運動群は、最初の週についてはケージホイールでの負荷無し状態から始める。しかしながら、「負荷無し」条件は実際には2gであり、これはホイール慣性および摩擦的負荷を維持するのに必要な負荷として測定される。1週間のホイール順化期間を考慮すると、ホイール負荷は、高い負荷以外1週間隔で変えられ得ることから、2週間後に変更され得る。負荷は、概して2gから12gまでの範囲であり得る。特定運動期間の終了直後吸入麻酔下での頸部脱臼により、運動および非運動対照動物を安楽死させる。体格を測定し、特定筋肉を迅速に摘出し、洗浄し、将来的に組織学または生化学検定法に使用するため冷凍する。
【0044】
代替的運動肥厚モデルもまた、当業者にとっては利用可能である。例えば、Lerman et al., J Appl Physiol 92:2245−2255(2002)に記載されたトレッドミル運動モデル参照。
【0045】
クレンブテロール注射モデル
クレンブテロールは、筋量の増加誘発が立証された成長促進特性をもつβ−アドレナリン作用性アゴニストである。クレンブテロールの正確な作用機序は依然として不明瞭であるが、筋肉タンパク質分解の低減化が提案されている。臨床では、クレンブテロールは抗喘息薬として使用されるが、たいていはヒトおよび展示動物の両方で筋量を増加させる筋肉増強剤として誤用されていると思われる。
【0046】
5匹のマウスに3、7または14日間毎日クレンブテロールを注射(3mg/kg、皮下(s.c.))することにより、筋肉肥厚を誘導する。PBSを注射したマウスを陰性対照として使用する。処置に対する有害な反応(すなわち、粗毛、嗜眠状態)について動物を毎日監視(視診)する。クレンブテロール処置は、マウスを怯えさせるか、または攻撃的にする可能性があるため、マウスを群で収容する場合、争いについて特に監視するべきである。マウスは、順応性があるため、通常通り飲食し得る。マウスを3、7または14日目に安楽死させ、さらなる分析用に組織を採取するまで、毎日それらを監視する。
【0047】
筋委縮モデルにおけるインビボ試験 様々な骨格筋委縮モデルにおいて、一般に筋量を低下させる条件下での筋量の維持能力について本発明のIGF前駆体ポリペプチドが試験され得る。下記実施例のモデルにより、当業者であれば、IGF前駆体ポリペプチドを投与および使用することにより上記ポリペプチドが筋量を増加させ得るか否かを測定する対照実験を容易に設計および実行できるはずである。
【0048】
例えば、C57B16/2雄マウスを、The Jackson Laboratoriesから購入する。各実験開始時に約9週齢となるようにマウスを購入する。一般的には、通常のげっ歯類用飼料を入れたマイクロアイソレーターケージにマウスを収容する。各実験開始時、マウスを秤量する。各実験終了時、一般的にはマウスをCO吸入、次いで頸部脱臼により安楽死させ、さらなる調製用に筋組織を採取する。マウスを秤量して、「最終体重」を得る。採取され得る骨格筋は、前頸骨筋、長趾伸筋、ヒラメ筋および腓腹筋である。採取される他の組織は、心臓、肝臓、脾臓、腎臓、精巣および脳の場合もある。筋肉および組織を全て完全に解剖し、0.0001gまで測定できる天秤で秤量する。次いで、後のRNAおよびタンパク質抽出用に組織を液体窒素中で急速冷凍するか、またはコルクディスクにおいてOCT中に埋封させて急速冷凍する。後の冷凍切断用にコルクディスクにおいて冷凍した筋肉を、液体窒素により濃厚スラッシュに冷却したイソペンタンに浸す。全試料を−80℃で貯蔵する。
【0049】
デキサメタゾン処置
マウスにおける薬理学的筋肉消耗誘導方法では、20mg/kgのデキサメタゾンによる腹腔内注射を毎日行う。デキサメタゾンは、グルココルチコイド類のホルモンの合成構成員である。それは、抗炎症および免疫抑制剤として作用し、ヒドロコルチゾンの約40倍の効力をもつ。デキサメタゾンを用いて、多くの炎症および自己免疫状態、例えば慢性関節リウマチを処置する。また、それは、化学療法を受けている癌患者にも投与され、抗癌治療のある種の副作用を打ち消す。デキサメタゾンは、マウスおよびヒト患者の両方において筋委縮を誘発する。
【0050】
マウスに3、7または14日間デキサメタゾンの腹腔内(ip)注射を行う。最終日に対象をCOにより安楽死させ、足の筋肉を採取する。処置に対する有害な反応(すなわち、粗毛、嗜眠状態)について動物を毎日監視(視診)する。マウスは普通順応性があるため、通常通り飲食し得る。PBSを注射したマウスは陰性対照である。
【0051】
ギプス固定化
様々な筋肉群を物理的に使わないと、それらの筋肉は萎縮する。足根関節固定(「踵固定」またはギプス固定)は、ラットおよびマウスの後脚筋系の物理的固定を誘導する非常に有用かつ再現性のある方法であることがわかった。
【0052】
固定するためイソフルオランでマウスに麻酔をかける。関節周囲に軽量ギプス材(VET−LITE)を巻いて足根および膝関節を90度で固定する。ギプス材を温水に浸し、次いで、足指と股関節を自由に動かせる状態にして足に巻きつける。ギプス材が乾いてしまうまで関節を90度の位置に維持する。反対側の足を対照として使用する。次いで、マウスを麻酔から回復させ、通常のマイクロアイソレーターケージに収容する。ギプス固定による過度のストレスの誘発は観察されず、動物はケージ付近を自由に動き回って飼料を食べ、水を飲んでいる。しかしながら、体重、活動性および過敏性に影響を及ぼす有害な事象についてマウスを毎日監視する。
【0053】
一旦ギプスをマウスに適用すると、動物を毎日監視することにより、咀嚼が行われ得る際にギプスが定位置に留まっていることを確認する。動物は、麻酔から回復後、動きまわって、飲食し得るため、特殊な寝床、収容装置または他の補助を必要としない。
【0054】
除神経
一般には、除神経するためイソフルオランガスでマウスに麻酔をかける。無菌手術手順(ベタジンで3回洗浄、最後にエタノール洗浄)を用いて、右坐骨神経を大腿中間部で分離し、2〜5mm片を切り取る。反対側の足を対照として用いる。
【0055】
さらに具体的には、皮膚切開部を縫合クリップで閉じ、動物に単用量のブプレノルフィンの注射をした後、麻酔から回復させる。術後3、7または14日目に、CO吸入、次いで頸部脱臼により動物を安楽死させ、組織学的および生化学的分析用に筋肉(腓腹筋複合体、前頸骨筋、長趾伸筋、ヒラメ筋)を取り出す。
【0056】
坐骨神経を横に切開すれば、その足は動けない状態になるため、関与する筋肉の骨格筋委縮が誘導される。麻酔から回復後、普通なら動物は動き回って、飲食し得るため、特殊な寝床、収容装置または他の補助を必要としない。それにもかかわらず、動物を手術直後および回復期(1〜2時間)を通して監視する。さらに、切開部位および全般的な動物の健康状態を術後3日間監視する。縫合クリップを術後7〜10日で除去する。
【0057】
遺伝モデル
遺伝子操作を加えたトランスジェニックマウスは、筋委縮モデルとしても使用され得る。例えば、いわゆるミニマウス(The Jackson Laboratory、ストック番号003258)は、IGF−1遺伝子に生後の成長の異常な低下並びに低体重および体格をもたらすノックアウト突然変異を含む。追加的情報については、Powell-Braxton et al., Genes Dev 7:2609−2617(1993)参照。さらに、いわゆるミディマウス(The Jackson Laboratory、ストック番号003259)は、低成体体重を呈する矮小体型および他の心臓血管表現型をもたらす異なる突然変異をIGF−1遺伝子に含む。追加的情報については、Lembo et al., J Clin Invest 98:2648−2655(1996)参照。
【0058】
IGF前駆体における決定的および所望による突然変異または修飾
「決定的突然変異」 本発明は、一つには実質的にそのE−ペプチドを含むIGF前駆体ポリペプチドが血清の存在下では生物活性および安定性を残しているという観察に基づいている。E−ペプチドが、二塩基性プロテアーゼ部位をターゲッティングする内在性プロテアーゼにより開裂されないことを確認するため、一般には前駆体におけるE−ペプチドの2個のN−末端二塩基性アミノ酸のいずれか一方が欠失、突然変異導入または他の方法で遮蔽され得る。hIGF−1の場合、これら2個のアミノ酸はR71およびS72であり、hIGF−2の場合、初めのこれら2個のアミノ酸はR68およびD69である。
【0059】
様々な修飾を加えることにより、この開裂が阻止され得る:
(1)一方または両方の二塩基性残基の欠失
(2)一または両二塩基性残基の非塩基性アミノ酸、例えばアラニンへの突然変異
(3)二塩基性残基間における1個またはそれ以上の非塩基性アミノ酸の挿入
(4)プロテアーゼ部位の遮蔽に十分な形で二塩基性残基付近にグリコシル化部位を配置
(5)下記要領による、いずれかの二塩基性残基の置換、または二塩基性残基の付近またはその間における非天然アミノ酸挿入を用いる位置指定ペギル化。
【0060】
さらに、残基K68およびK65は、IGF−1/E−ペプチド開裂においてある一定の役割を果たすと思われる。したがって、これらの残基の突然変異または欠失は、上記の通り二塩基性アミノ酸に向けられた戦略に組み込まれ得る。
【0061】
成熟IGFのN−末端における突然変異 本発明のある実施態様において、IGF前駆体ポリペプチドは、最初の数個のN−末端アミノ酸の欠失または突然変異を有する。IGF−1の場合、最初の3個のN−末端アミノ酸のいずれかを欠失または突然変異させ得、IGF−2の場合、最初の6個のN−末端アミノ酸のいずれかを欠失または突然変異させ得る。ある種のN−末端アミノ酸はインビボで自然開裂されることが観察されており、これらの突然変異または欠失の導入により、IGF結合タンパク質(IGFBP)と本発明ポリペプチドのインビボ会合は最小限度に抑えられる。IGF−1およびIGF−2とIGF−1受容体の相互作用は、IGFBPにより調節される。6種のIGFBPは全て、IGF作用を阻害することが示されたが(特にIGFBP5)、場合によっては、刺激作用が観察されることもあった。血行中のIGFの少なくとも99%は、通常IGFBPに結合している。新生児期間後の血行中における最も豊富なIGFBPは、似た親和力でIGF−1およびIGF−2の両方と結合し得るIGFBP3である。天然に存する先端切除IGF−1(G1、P2およびE3の欠失をもつ)は、天然IGF−1の数分の1の親和力でIGFBP3に結合する。さらに、G3は、IGFBP結合に重要であり、G6はIGF−2ペプチドにおいて似た役割を果たす。
【0062】
したがって、hIGF−1前駆体の場合、G1、P2またはE3のいずれかを単独または組合わせて欠失または突然変異させ得る。突然変異導入が望ましいとき、アラニンへの突然変異が導入され得る。別の例では、hIGF−2前駆体の場合、P4、S5およびE6のいずれかを単独または組合わせて欠失または突然変異させ得る。突然変異導入が望ましいとき、アラニンへの突然変異が導入され得る。
【0063】
残基36および37での突然変異 IGF−1は、ヒト血清に存在するセリンプロテアーゼにより開裂され得る。AへのR36またはR37の突然変異は、R36およびR37間のこの予測される開裂部位でのIGF−1の開裂を阻止し得る。hIGF−2の場合、R38を突然変異または欠失させることによりこの有害な開裂を阻止し得る。
【0064】
グリコシル化の使用 N−結合グリコシル化が可能な哺乳類または他の真核生物細胞で発現されるとき、本発明ポリペプチドのインビボ半減期は、IGFまたは前駆体のE−ペプチド部分にN−結合グリコシル化部位を付加することにより改善され得る。ヒトIGF−1 EaのN92およびN100はN−X−S/T(Xは任意のアミノ酸であり得、トリプレットの3番目のアミノ酸はSまたはTである)の共通N−結合グリコシル化配列と適合するため、上記Eaはこれらの部分でグリコシル化されていることがインビトロで示された。また、共通配列の隣接アミノ酸関係が、いかに強くアスパラギンがグリコシル化されるかに影響することも知られている。したがって、グリコシル化部位をEbまたはEcへ導入する一戦略は、共通配列の周囲のEaアミノ酸をEbまたはEcのほぼ同じ部分に挿入することである。この戦略の特定実施態様を下記実施例に示す。いずれにしても、当業者に公知である、周囲の関係アミノ酸を含む他の共通N−結合グリコシル化部位も、本発明の前駆体ポリペプチドに挿入され得る。さらに、本発明ポリペプチドのO−結合グリコシル化は、ポリペプチドの生成に使用される特定宿主を選択することにより達成され得る。例えば、IGF−1発現用のある種の酵母株の使用により、セリンまたはトレオニンにおいてオリゴ糖が付加される。例えば、米国特許第5273966号参照。
【0065】
ポリ(エチレングリコール)の付加 ポリ(エチレングリコール)への結合(コンジュゲーション)(PEG;ペギル化)は、治療用タンパク質薬剤の半減期を延長するのに有益であることがわかった。本発明のIGF前駆体ポリペプチドのペギル化は、類似した医薬上の利益をもたらし得ると期待される。IGF−1のペギル化方法は当業界では公知である。例えば、リシン−モノペギル化IGF−1の有益な特性について報告している米国特許出願公開2006/0154865号参照。上記リシン−モノペギル化は、本発明の前駆体IGFポリペプチドに適合され得る。さらに、ペギル化は、非天然アミノ酸の導入により本発明ポリペプチドのいずれの部分でも達成され得る。ある種の非天然アミノ酸は、Deiters et al., J Am Chem Soc 125:11782−11783、2003;Wangおよび Schultz、Science 301:964−967(2003);Wang et al.、Science 292:498−500、2001;Zhang et al., Science 303:371−373、2004または米国特許第7083970号に記載された技術により導入され得る。簡単に述べると、これらの発現系の中には、位置指定突然変異導入により、ナンセンスコドン、例えばアンバーTAGを、本発明ポリペプチドをコード化する読み枠へ導入するものもある。次いで、上記発現ベクターを、選択された非天然アミノ酸を加えた、導入されるナンセンスコドンに特異的なtRNAを利用し得る宿主に導入する。本発明ポリペプチドへ一部分を結合させる目的に有利である特定非天然アミノ酸には、アセチレンおよびアジド側鎖を伴うものがある。次いで、これらの新規アミノ酸を含むIGF前駆体ポリペプチドは、タンパク質におけるこれらの選択された位置でペギル化され得る。さらに、E−ペプチドを伴わない上記ペギル化IGF分子でも治療薬として有用である。
【0066】
E−ペプチドのマルチマー ある種の薬理学的状況では、血液−脳関門のいずれか一方側における薬剤の残存を確実にするため、ペプチドまたはタンパク質薬剤の大きさを増大させるのが有利である。成熟IGF分子は比較的短いペプチドであるため、E−ペプチドが結合されたままの場合でさえ、本発明ポリペプチドの大きさを増大させることは有益であり得る。それを為す一手段は、下記実施例で説明している通り、IGF前駆体ポリペプチドのC−末端にE−ペプチドのマルチマーを付加することである。
【0067】
E−ペプチドのC−末端欠失 Ebの81位にある遊離システインは、本発明ポリペプチドに存在するとき、活性の劣る薬剤を生じさせ得るホモ二量体化または他の作用をもたらし得ることが疑われている。すなわち、EbにおけるC81の欠失または突然変異は、薬剤活性を最適化させ得る。ある特定例では、Ebの最後の7個のアミノ酸(すなわち、アミノ酸81〜87)の欠失が有益である。
【0068】
他の突然変異または修飾 本発明のIGF前駆体ポリペプチドに組み込まれ得るIGFのさらなる突然変異または修飾については、米国特許第5077276号および米国特許出願公開第2005/0287151号、同第2006/0211606号および同第2006/0166328号に記載されている。
【0069】
本発明は、ヒトIGF−1およびIGF−2に加えて、実質的にそのE−ペプチドを含む既知および未知のヒト以外の動物前駆体IGF−1またはIGF−2配列を全て包含し、E−ペプチドの通常の開裂は本発明の修飾によって回避または低減化されるものとする。
【0070】
使用するのに好ましいIGFのタイプは、処置されている対象の種に依存する。IGFは種適合性であるのが好ましく、例えばウシが処置されているとき、IGFの好ましいタイプはウシIGFである。
【0071】
IGFの全形態は、高い配列相同性故に異なる対象でもある一定の作用を有すると思われるが、種と適合させることにより、異なる種からのIGFに対する免疫応答の誘導から生じる可能性のある有害な免疫学的合併症が回避される。
【0072】
本発明の一実施態様では、修飾されたヒト以外の動物の前駆体IGF−1配列が提供される。
【0073】
好ましいのは、実質的にそのE−ペプチドを含む前駆体IGF−1配列であり、E−ペプチドの通常の開裂は、脊椎動物からの本発明の修飾により回避または低減化される。
【0074】
例えば、上記配列は、限定されるわけではないが、天然、合成または組換え体のいずれの供給源からにせよ、マウス、ラット、ウシ、ブタ、ウマ、ヒツジ、ヤギ、鳥類、イヌ、ネコ、魚類などからの配列を含む。
【0075】
本発明の別の態様では、修飾を加えたヒト以外の動物の前駆体IGF−2配列が提供される。
【0076】
好ましいのは、実質的にそのE−ペプチドを含む前駆体IGF−2配列であり、E−ペプチドの通常の開裂は、脊椎動物からの本発明の修飾により回避または低減化される。
【0077】
例えば、上記配列は、限定されるわけではないが、天然、合成または組換え体のいずれの供給源からにせよ、マウス、ラット、ウシ、ブタ、ウマ、ヒツジ、ヤギ、鳥類、イヌ、ネコ、魚類などからの配列を含む。
【0078】
IGF前駆体ポリペプチドの治療的使用
適応症 本発明はまた、筋骨格疾患の処置または予防用の医薬の製造における本発明IGF前駆体ポリペプチドの使用を含む。さらに、本発明は、個体が筋骨格疾患の危険に直面しているかまたはそれに罹患している場合であれ、そうでない場合であれ、上記個体において筋肉または骨量を増加させるためのIGF前駆体ポリペプチドの使用を包含するものである。
【0079】
特に、筋骨格疾患は筋委縮であり得る。グルココルチコイド、例えばコルチゾール、デキサメタゾン、ベタメタゾン、プレドニゾン、メチルプレドニゾロン、またはプレドニゾロンによる処置の結果を含め、筋委縮には多くの原因がある。筋委縮はまた、神経損傷による除神経の結果または変性、代謝性または炎症性ニューロパシー(例、ギヤン−バレー症候群、末梢神経障害、または環境毒素または薬剤への暴露)の結果であり得る。さらに、筋委縮は、成人運動ニューロン疾患、乳児脊髄性筋萎縮症、若年性脊髄性筋萎縮症、多巣性伝導ブロックを伴う自己免疫運動ニューロパシー、卒中または脊椎損傷による麻痺、外傷による骨格非可動化、長期床上安静、自発的休止、非自発的休止、代謝性ストレスまたは栄養失調、癌、エイズ、絶食、横紋筋融解症、甲状腺疾患、糖尿病、良性先天性低血圧、セントラルコア病、ネマリンミオパシー、筋細管(中心核)ミオパシー、火傷、慢性閉塞性肺疾患、肝臓病、敗血症、腎不全、うっ血性心不全または加齢の結果であり得る。
【0080】
筋骨格疾患はまた、筋ジストロフィー症候群、例えばデュシェーヌ、ベッカー、筋緊張性、顔面肩甲上腕、エメリー−ドライフス(Deifuss)、眼咽頭、肩甲上腕骨、肢帯、先天性筋ジストロフィー、または遺伝性遠位性ミオパシーであり得る。筋骨格疾患はまた、オステオポローシス、骨折、低身長または小人症でもあり得る。
【0081】
IGF−1はまたIGF−1受容体およびインスリン受容体のヘテロ二量体と結合し得るため、IGF−1はインスリン非感受性糖尿病に関する治療薬として提案されている。したがって、本発明ポリペプチドは、糖尿病の処置に使用され得る。
【0082】
IGF−1は、神経栄養性であり、ニューロンの生存を強化する。IGF−1は、例えば筋委縮性側索硬化症(ALS)、脳萎縮、加齢および認知症で見られる運動ニューロン死の症例を処置するのに使用され得ることが提案されている。したがって、本発明ポリペプチドは、ニューロン死、例えばALS、脳萎縮または認知症に随伴する状態の処置に使用され得る。
【0083】
IGF−1は、白血球および赤血球数の両方を増加させ、エリスロポイエチンの投与に対して付加的効果を有する。したがって、本発明ポリペプチドは、貧血の処置に使用され得る。
【0084】
IGF−1およびIGF−2は、偏在しており、細胞分裂および脊椎動物成長の不可欠な調節因子であるため、それらは様々な獣医学的方法で有利に使用され、動物の成長を外因的に促進または維持し得る。以下に若干の例を挙げるが、これらに限定されるわけではない:
(i)動物における成長の速度および/または範囲の向上、例えばブタ、ウシ、家禽および魚類における筋肉成長の促進;
(ii)例えば、ブタ、ウシ、ヒツジ、家禽および魚類における体組織への飼料の変換効率(赤身肉対脂肉比)の向上;および
(iii)泌乳動物、例えば乳牛、ヒツジ、ヤギにおける乳生産の向上。
他の獣医学的治療適用例には、以下のものがあるが、これらに限定されるわけではない:
(iv)例えばイヌ、ネコおよびウマといった伴侶動物における、悪液質、外傷または他の消耗性疾患に伴う動物の消耗的症状の処置、および
(v)新生児の健康状態を改善するための泌乳動物の処置、例えば新生児の能力を改善するための泌乳雌豚の処置。
【0085】
投与方法 本発明ポリペプチドは、遺伝子送達媒体の使用を含む様々な方法で送達され得る。例えばタンパク質または核酸といった作用物質の治療的送達について当業界で公知の方法であれば、本発明ポリペプチドの治療的送達に使用され得、例えば細胞トランスフェクション、遺伝子治療、送達媒体または医薬上許容される担体による直接投与、ポリペプチドをコード化する核酸を含む組換え細胞の提供による間接的送達法がある。
【0086】
様々な送達系が知られており、本発明ポリペプチドの投与に使用され得、例えばリポソーム封入、微粒子、マイクロカプセル、タンパク質を発現し得る組換え細胞、受容体伝達エンドサイトーシス(例、Wu and Wu, J Biol Chem 262:4429−4432、1987参照)、レトロウイルス、アデノ関連ウイルス、アデノウイルス、ポックスウイルス(例、禽痘ウイルス、特に鶏痘ウイルス)または他のベクターの一部としての核酸の構築がある。導入方法は、経腸または非経口であり得、皮内、筋肉内、腹腔内、静脈内、皮下、経肺、鼻腔内、眼内、硬膜外および経口経路があるが、これらに限定されるわけではない。ポリペプチドは、例えば注入またはボーラス注射により、上皮または皮膚粘膜内層(例、口腔粘膜、直腸および腸粘膜など)を通した吸収による好都合な経路により投与され得、他の生物活性作用物質と一緒に投与され得る。投与は全身的または局所的であり得る。さらに、心室内および鞘内注射を含む、任意の適切な経路により本発明医薬組成物を中枢神経系に導入することが望ましい場合もあり得る。心室内注射は、例えばレザバー、例えばオマヤレザバーに心室内カテーテルを結合することにより容易に行われ得る。また、例えば吸入器または噴霧器、およびエーロゾル化剤を含む処方物の使用による、経肺投与も使用され得る。
【0087】
一実施態様では、処置を必要とする領域に本発明医薬組成物を局所投与するのが望ましい場合もあり得る。これは、例えば、限定するわけではないが、手術中の局所注入、局所適用により、例えば注射、カテーテル手段により、またはインプラント手段により達成され得、上記インプラントは、膜、例えばシラスティック(sialastic)メンブラン、ファイバーまたは市販の皮膚代用物を含む、多孔質、非多孔質またはゼラチン状材料でできている。
【0088】
別の実施態様では、活性物質は小胞、特にリポソームで送達され得る(Langer, Science 249:1527−1533、1990参照)。さらに別の実施態様では、活性物質は、放出制御系で送達され得る。一実施態様では、ポンプが使用され得る。別の実施態様では、ポリマー材料が使用され得る(Howard et al., J Neurosurg 71:105、1989参照)。本発明の活性物質が本発明ポリペプチドをコード化する核酸であるさらに別の実施態様では、核酸を適切な核酸発現ベクターの一部として構築し、例えばレトロウイルスベクターを使用(例えば、米国特許第4980286号参照)して、それを投与することにより細胞内のものとするか、または直接注射により、またはパーティクル・ガン(例、遺伝子銃;Biolistic、Dupont)、または脂質または細胞表面受容体またはトランスフェクション剤でのコーティングの使用により、または核に入ることが知られているホメオボックス様ペプチドに連結した形でそれを投与すること(例、Joliot et al., Proc.Natl.Acad.Sci.USA 88:1864−1868、1991参照)等により、生体内投与し、そのコード化タンパク質の発現を促進させ得る。別法として、核酸は、相同的組換えにより、細胞内導入され、発現用の宿主細胞DNA内に組み込まれ得る。
【0089】
細胞トランスフェクションおよび遺伝子治療 本発明は、インビトロおよびインビボでの細胞のトランスフェクションを目的とする本発明ポリペプチドをコード化する核酸の使用を包含する。これらの核酸は、標的細胞および生物体のトランスフェクションを目的とする若干の公知ベクターのいずれかに挿入され得る。核酸は、ベクターと標的細胞の相互作用を通してエクスビボおよびインビボで細胞にトランスフェクションされる。組成物を十分な量で対象に(例えば筋肉への注射により)投与することにより、治療的応答を誘導する。
【0090】
別の態様において、本発明は、ヒトまたは他の動物における標的部位、すなわち標的細胞または組織の処置方法であって、本発明ポリペプチドをコード化する核酸で細胞をトランスフェクションすることを含み、その核酸が標的融合ポリペプチドをコード化する核酸に機能し得るように結合された誘導性プロモーターを含むものである方法を提供する。ヒトの疾患の処置または予防における遺伝子治療法については、例えばVan Brunt Biotechnology 6:1149−1154、1998参照。
【0091】
併用療法 多くの実施態様において、本発明ポリペプチドは、1種またはそれ以上の追加的化合物または治療薬と組み合わせて投与され得る。例えば、多数のポリペプチドは、1種またはそれ以上の治療用化合物と連係的に併用投与され得る。併用療法は、同時または交互投与を包含し得る。さらに、この組合わせは短期または長期投与を包含し得る。本発明ポリペプチドは、同化促進剤、例えばテストステロンまたは特異的アンドロゲン受容体モジュレーター(SARM)と組み合わせて投与され得る。さらなる同化促進剤には、成長ホルモン(GH)またはGH放出を誘導する分子がある。グレリンは食欲を増進させ得るため、悪液質に関する併用療法において特に有用である。同様の特質で、本発明ポリペプチドをタンパク質補給剤と併用することにより、同化作用を増加させるか、または物理療法または運動と組み合わせることにより、体重を増加させ得る。また、ミオスタチンを阻害する分子であれば、併用療法に関する候補といえる。
【0092】
医薬組成物 本発明はまた、本発明IGF前駆体タンパク質および医薬上許容される担体を含む医薬組成物を提供する。「医薬上許容される」の語は、連邦の規制機関または州政府により認可されているか、または米国薬局方または動物またはヒトでの使用について一般的に認められている他の薬局方に列挙されていることを意味する。「担体」の語は、治療薬を投与する際に用いる希釈剤、補助薬、補形薬または賦形剤をいう。上記医薬用担体は、滅菌液、例えば水および油類であり得、石油、動物、植物または合成起源のもの、例えば落花生油、大豆油、鉱油、ゴマ油などが含まれる。適切な医薬用賦形剤には、デンプン、グルコース、乳糖、ショ糖、ゼラチン、麦芽、米、小麦、チョーク、シリカゲル、ステアリン酸ナトリウム、グリセリンモノステアレート、タルク、塩化ナトリウム、脱脂粉乳、グリセリン、プロピレングリコール、水、エタノールなどがある。所望ならば、組成物はまた、少量の湿潤または乳化剤、またはpH緩衝剤を含有し得る。これらの組成物は、溶液、懸濁液、エマルジョン、錠剤、丸薬、カプセル剤、散剤、持効性製剤などの形態をとり得る。組成物は、慣用的結合剤および担体、例えばトリグリセリドにより、坐薬として処方され得る。経口処方物は、標準担体、例えば医薬グレードのマンニトール、乳糖、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、サッカリンナトリウム、セルロース、炭酸マグネシウムなどを含み得る。適切な医薬用担体の例は、E.W.Martin による Remington's Pharmaceutical Sciencesに記載されている。
【0093】
場合によっては、組成物は、人体への静脈内投与用に適合化させた医薬組成物として常用手順に従って処方されることもある。必要な場合、組成物に可溶化剤および局部麻酔薬、例えばリドカインを含ませることにより、注射部位の痛みを緩和させ得る。組成物を注入により投与する場合、それは、滅菌医薬用水または食塩水を含む注入ビンにより投薬され得る。組成物を注射により投与する場合、注射用滅菌水または食塩水のアンプルを供給することにより、成分が投与前に混合され得る。
【0094】
本発明ポリペプチドは、中性または塩形態として処方され得る。医薬上許容される塩類には、遊離アミノ基により形成されるもの、例えば塩酸、リン酸、酢酸、シュウ酸、酒石酸などから誘導されるもの、および遊離カルボキシル基により形成されるもの、例えばナトリウム、カリウム、アンモニウム、カルシウム、水酸化鉄、イソプロピルアミン、トリエチルアミン、2−エチルアミノエタノール、ヒスチジン、プロカインなどから誘導されるものがある。
【0095】
ある状態または疾患の処置における本発明ポリペプチドの有効量は、本記載に基づいた標準的臨床技術により決定され得る。さらに、所望によりインビトロ検定法を用いてもよく、最適な用量範囲を確認する助けとなり得る。また、処方物で使用される正確な用量は、投与経路、状態の重症度に依存するため、担当医の判断および各対象の環境に従って決定されるべきである。しかしながら、静脈内投与に適切な用量範囲は、一般に体重1キログラム当たり約20〜5000マイクログラムの活性化合物である。鼻腔内投与に最適な用量範囲は、一般に体重に基づき約0.01pg/kg〜1mg/kgである。有効量は、インビトロまたは動物モデル試験系から誘導された用量応答曲線から外挿され得る。特に、可能な用量範囲は、1日2回皮下注射で体重に基づき約60〜120μg/kgであり得る。
【0096】
獣医学的使用
前記のヒトにおける投与方法に加えて、さらに獣医学的投与についても考察を進める。
【0097】
健康な動物と病気に罹患している動物に対して投与する場合、用量は異なり得る。適切な用量の評価は、当業界で公知の検定法、例えば下記の筋芽細胞増殖検定法(実施例79)または乳房上皮組織検定法(実施例80)を用いて当業者により容易に行われ得る。IGFを測定する一般的検定法もまた当業界では公知であり、例えば実施例81記載のものがある。
【0098】
当業者であれば、動物の種によっては光周期の長さの影響を受けて季節による生殖能力の変動を呈する場合もあることを認めるはずである。獣医学的方法または使用の実施態様の中には、所望により動物の生殖周期内の特定時点で処置法を開始することにより、所望の効果を達成し得る場合もある。当業者であれば、適切なプログラムの使用により生殖状態および周期を容易に決定し、所望ならば、同時性をもたせ得ることは認識しているはずである。
【0099】
ヒトに対する使用に関する前記方法に加えて、獣医学的適応症に使用するとき、本発明のIGF−1またはIGF−2ペプチドはまた、経口水薬として、または動物用の経口または固体飼料への補給剤として使用され得る。
以下、実施例により本発明についてさらに説明するが、限定するものではない。
【実施例】
【0100】
実施例1
以下の修飾を含むhIGF−1−Ea前駆体ポリペプチドをコード化するDNA発現ベクターを構築した:G1の欠失、P2の欠失、およびE3の欠失;R37のAへの突然変異;およびR71の欠失およびS72の欠失。これらの突然変異は、本開示全体を通して「3mut」と称される場合もある。この結果、以下の分泌タンパク質配列がもたらされる:
tlcgaelvdalqfvcgdrgfyfnkptgygsssraapqtgivdeccfrscdlrrlemycaplkpaksavraqrhtdmpktqkevhlknasrgsagnknyrm(配列番号8)
【0101】
10%胎児ウシ血清、100U/mlペニシリン、および100μg/mlストレプトマイシンを含むDMEM中でCos7細胞(ATCCから入手可能)を維持し、10cmプレート1枚当たり1×10細胞の密度で平板培養した。これらの細胞培養物を、製造業者の使用説明書に従って、Fugene(Roche)を用いて発現プラスミド8μgによりトランスフェクションした。トランスフェクションの24時間後、細胞を1回洗浄し、血清不含有培地で48時間培養した。上清を集め、−80℃で貯蔵した。
【0102】
ヒト血清中におけるポリペプチド安定性を評価するため、野生型(wt)hIGF−1EaおよびhIGF−1Ea3mutでトランスフェクションしたCos7細胞から集めた上清を、37℃で16時間、10%ヒト血清(Sigma)の非存在または存在下でインキュベーションした。試料を18%SDS−PAGEにより分離し、ヒトIGF−1に対するヤギポリクローナル抗体を用いて免疫ブロッティングを実施した。図1Aの結果は、wt hIGF−1Eaが16時間の血清とのインキュベーション後には実質的に分解されており、hIGF−1Ea3mutは安定していたことを示す。濃度計が、未開裂対開裂IGF−1の比は約1:6.2であり、hIGF−1Ea3mutについての比は約1:0.68であることを示していたことから、これらの突然変異は安定したポリペプチドをもたらすことがわかる。
【0103】
hIGF−1Ea3mutがIGF−1Rを通してシグナリングし得ることを確認するため、ポリペプチドと接触させた細胞のAKTリン酸化を測定した。C2C12をATCCから購入し、10%胎児ウシ血清(AMIMED)、100U/mlペニシリン(Invitrogen)、100μg/mlストレプトマイシン(Invitrogen)および2mMグルタミン(Invitrogen)を含む高グルコース含有ダルベッコ変法イーグル培地(DMEM)(Invitrogen)中で維持した。AKTリン酸化を分析するため、C2C12細胞を6ウェルプレートの1ウェル当たり0.15×10細胞の密度で平板培養し、72時間成長培地で培養した。細胞を4時間血清不含有培地中で飢餓させ、次いで37℃で30分間種々のリガンドで刺激を加えた。様々なプロテアーゼ阻害剤を含む PhosphoSafe 緩衝液(Cell Signaling)により細胞を溶解し、4℃で15分間、14000×gでの遠心分離により澄明にした。AKTリン酸化および全AKTレベルを、PathScan ホスホAKT(Ser473)サンドイッチELISAキットおよび PathScan AKTサンドイッチELISAキット(Cell Signaling)を用いるELISAによりそれぞれ分析した。AKTリン酸化結果を図2Aに要約しており、hIGF−1Ea3mutが、long−R3−IGF−1陽性対照試薬および組換えIGF−1と同様の程度までIGF−1R細胞経路を活性化し得たことがわかる。さらに、図5のデータは、hIGF−1Ea3mutがAKTリン酸化に至ったことを直接示している。
【0104】
次に、hIGF−1Ea3mutの受容体特異性がIGF−1Rにより残存していることを確認するため、様々なリガンドを、IGF−1Rまたはインスリン受容体(InsR)を過剰発現するNIH3T3の培養物に加えた。これらの細胞を、Cos7細胞に関する上記と同じ条件下で培養した。IGF−1RおよびInsRリン酸化を分析するため、NIH3T3−IGF1RおよびNIH3T3−InsR細胞を、6ウェルプレートの1ウェル当たり0.2×10細胞の密度で平板培養し、24時間成長培地で培養した。細胞を18時間血清不含有培地中で飢餓させ、次いで37℃で10分間種々のリガンドで刺激を加えた。AKT実験に関する上記要領で細胞を溶解し、DuoSet IC ヒトリン光体−IGF1Rおよび−InsR ELISAキット(R&D Systems)を用いるELISAによりIGF−1RおよびInsRリン酸化レベルを分析した。図3Aおよび3Bに要約した結果は、このIGF−1前駆体ポリペプチドがIGF−1受容体に関する特異性を保持しており、当然低親和力で関連インスリン受容体に結合することを示している。
【0105】
実施例2
以下の突然変異を含むhIGF−1−Eb前駆体ポリペプチドをコード化するDNA発現ベクターを構築した:G1の欠失、P2の欠失、およびE3の欠失;R37のAへの突然変異;およびR71の欠失およびS72の欠失(すなわち、「3mut」)。この結果、以下の分泌タンパク質配列がもたらされる:
tlcgaelvdalqfvcgdrgfyfnkptgygsssarapqtgivdeccfrscdlrrlemycaplkpaksavraqrhtdmpktqkyqppstnkntksqrrkgwpkthpggeqkegteaslqirgkkkeqrreigsrnaecrgkkgk(配列番号9)
【0106】
上記実施例1記載の手順にしたがってポリペプチドを検定した。図1Bおよび濃度計の使用により、未開裂対開裂IGF−1の比が約1:9であり、hIGF−1Eb3mutに関する比が約1:1であることがわかり、これらの修飾により安定したポリペプチドが得られることを示している。図2Bは、hIGF−1Eb3mutが、long−R3−IGF−1陽性対照試薬および組換えIGF−1と同様の程度までIGF−1R細胞経路を活性化し得たことを示す。さらに、図5のデータは、hIGF−1Eb3mutがAKTリン酸化に至ったことを直接示している。図3Cおよび3Dに要約した結果は、このIGF−1前駆体ポリペプチドがIGF−1受容体に関する特異性を保持しており、当然低親和力で関連インスリン受容体に結合することを示している。
【0107】
実施例3
以下の突然変異を含むhIGF−1−Ec前駆体ポリペプチドをコード化するDNA発現ベクターを構築した:G1の欠失、P2の欠失、およびE3の欠失;R37のAへの突然変異;およびR71の欠失およびS72の欠失(すなわち、「3mut」)。この結果、以下の分泌タンパク質配列がもたらされる:
tlcgaelvdalqfvcgdrgfyfnkptgygsssrapqtgivdeccfrscdlrrlemycaplkpaksavraqrhtdmpktqkyqppstnkntksqrrkgstfeerk(配列番号10)
【0108】
上記実施例1記載の手順にしたがってポリペプチドを検定した。図1Cおよび濃度計の使用により、未開裂対開裂IGF−1の比が約1:5であり、hIGF−1Ec3mutに関する比が約1:0.96であることがわかり、これらの修飾により安定したポリペプチドが得られることを示している。図2Dは、hIGF−1Ec3mutが、long−R3−IGF−1陽性対照試薬および組換えIGF−1と同様の程度までIGF−1R細胞経路を活性化し得たことを示す。さらに、図5のデータは、hIGF−1Ec3mutがAKTリン酸化に至ったことを直接示している。図4Aおよび4Bに要約した結果は、このIGF−1前駆体ポリペプチドがIGF−1受容体に関する特異性を保持しており、当然低親和力で関連インスリン受容体に結合することを示している。
【0109】
実施例4
hIGF−1−Ebペプチドへの以下の修飾を含むhIGF−1−Eabキメラ前駆体ポリペプチドをコード化するDNA発現ベクターを構築した:G1の欠失、P2の欠失、およびE3の欠失;R37のAへの突然変異;R71の欠失およびS72の欠失(すなわち、「3mut」);およびEbのアミノ酸95と96の間におけるEaアミノ酸93〜102の挿入。この挿入により、N92において推定的N−結合グリコシル化シグナルが作成される。この結果、以下の分泌タンパク質配列がもたらされる:
tlcgaelvdalqfvcgdrgfyfnkptgygsssraapqtgivdeccfrscdlrrlemycaplkpaksavraqrhtdmpktqkyqppstnknasrgsagnkntksqrrkgwpkthpggeqkegteaslqirgkkkeqrreigsrnaecrgkkgk(配列番号11)
【0110】
上記実施例1記載の手順にしたがってポリペプチドを検定した。図2Cは、hIGF−1Eab3mutが、long−R3−IGF−1陽性対照試薬および組換えIGF−1と同様の程度までIGF−1R細胞経路を活性化し得たことを示す。図4Cおよび4Dに要約した結果は、このIGF−1前駆体ポリペプチドがIGF−1受容体に関する特異性を保持しており、インスリン受容体を活性化しないことを示している。
【0111】
実施例5
以下の突然変異を含むhIGF−1−Ebマルチマー前駆体ポリペプチドをコード化するDNA発現ベクターを構築した:G1の欠失、P2の欠失、E3の欠失、R36の欠失、R37の欠失、R71の欠失、S72の欠失、Ebの最後の7個のC−末端アミノ酸の欠失、および両方ともR71およびS72および最後の7個のC−末端アミノ酸を伴わない2個の追加的EbペプチドおよびR71およびS72を伴わない第4かつ最終のEbペプチドの、この前駆体のC−末端への挿入。図6は、この構築物の概略図である。この結果、以下の分泌タンパク質配列がもたらされる:
tlcgaelvdalqfvcgdrgfyfnkptgygsssapqtgivdeccfrscdlrrlemycaplkpaksavraqrhtdmpktqkyqppstnkntksqrrkgwpkthpggeqkegteaslqirgkkkeqrreigsrnaersvraqrhtdmpktqkyqppstnkntksqrrkgwpkthpggeqkegteaslqirgkkkeqrreigsrnaersvraqrhtdmpktqkyqppstnkntksqrrkgwpkthpggeqkegteaslqirgkkkeqrreigsrnaersvraqrhtdmpktqkyqppstnkntksqrrkgwpkthpggeqkegteaslqirgkkkeqrreigsrnaecrgkkgk(配列番号12)
【0112】
このポリペプチドを、実施例1記載のAKTリン酸化検定法にかけた。図5は、このhIGF−1−EbマルチマーがIGF−1R経路を通してシグナリングし得たことを示している。
【0113】
実施例6
図6Bに概略を示した本発明のhIGF−1−Eb前駆体ポリペプチドが発現され得る。この構築物は、以下の修飾を含む:G1の欠失、P2の欠失、E3の欠失、R36の欠失、R37の欠失、R71の欠失、S72の欠失、およびEbのアミノ酸95と96の間におけるEaアミノ酸93〜102の挿入。これによりN92およびN100位にN−結合グリコシル化部位が作成される。この結果、以下の分泌タンパク質配列が得られる:
tlcgaelvdalqfvcgdrgfyfnkptgygsssapqtgivdeccfrscdlrrlemycaplkpaksavraqrhtdmpktqkyqppstnknasrgsagnkntksqrrkgwpkthpggeqkegteaslqirgkkkeqrreigsrnaecrgkkgk(配列番号13)
【0114】
実施例7
以下の修飾を有する本発明のhIGF−2−E前駆体ポリペプチドが発現され得る:P4の欠失、S5の欠失、およびE6の欠失;R38のAへの突然変異;およびR68の欠失およびD69の欠失。この結果、以下の分泌タンパク質配列が得られる:
ayrtlcggelvdtlqfvcgdrgfyfsrpasrvsrasrgiveeccfrscdlalletycatpaksevstpptvlpdnfprypvgkffqydtwkqstqrlrrglpallrarrghvlakeleafreakrhrplialptqdpahggappemasnrk(配列番号14)
【0115】
実施例8
以下の突然変異を有する本発明のhIGF−1−Ea前駆体ポリペプチドが発現され得る:G1の欠失およびP2の欠失;E3のX(Xは、ペギル化された非天然アミノ酸である)への突然変異;R37のAへの突然変異;およびR71の欠失およびS72の欠失。この結果、以下の分泌タンパク質配列が得られる:
Xtlcgaelvdalqfvcgdrgfyfnkptgygsssraapqtgivdeccfrscdlrrlemycaplkpaksavraqrhtdmpktqkevhlknasrgsagnknyrm(配列番号15)
【0116】
実施例9〜78(Δ=欠失)
9) hIGF-1-Ea: ΔG1, ΔP2, ΔE3; R36A; ΔR71
tlcgaelvdalqfvcgdrgfyfnkptgygsssarapqtgivdeccfrscdlrrlemycaplkpaksasvraqrhtdmpktqkevhlknasrgsagnknyrm (配列番号16)
10) hIGF-1-Ea: ΔG1, ΔP2, ΔE3; R36A; ΔS72
tlcgaelvdalqfvcgdrgfyfnkptgygsssarapqtgivdeccfrscdlrrlemycaplkpaksarvraqrhtdmpktqkevhlknasrgsagnknyrm (配列番号17)
10) hIGF-1-Ea: ΔG1, ΔP2, ΔE3; R36A; ΔR71, ΔS72
tlcgaelvdalqfvcgdrgfyfnkptgygsssarapqtgivdeccfrscdlrrlemycaplkpaksavraqrhtdmpktqkevhlknasrgsagnknyrm (配列番号18)
11) hIGF-1-Ea: ΔG1, ΔP2, ΔE3; R37A; ΔR71
tlcgaelvdalqfvcgdrgfyfnkptgygsssraapqtgivdeccfrscdlrrlemycaplkpaksasvraqrhtdmpktqkevhlknasrgsagnknyrm (配列番号19)
12) hIGF-1-Ea: ΔG1, ΔP2, ΔE3; R37A; ΔS72
tlcgaelvdalqfvcgdrgfyfnkptgygsssraapqtgivdeccfrscdlrrlemycaplkpaksarvraqrhtdmpktqkevhlknasrgsagnknyrm (配列番号20)
13) hIGF-1-Ea: ΔG1, ΔP2, ΔE3, ΔR37; ΔR71
tlcgaelvdalqfvcgdrgfyfnkptgygsssrapqtgivdeccfrscdlrrlemycaplkpaksasvraqrhtdmpktqkevhlknasrgsagnknyrm (配列番号21)
14) hIGF-1-Ea: ΔG1, ΔP2, ΔE3, ΔR37; ΔS72
tlcgaelvdalqfvcgdrgfyfnkptgygsssrapqtgivdeccfrscdlrrlemycaplkpaksarvraqrhtdmpktqkevhlknasrgsagnknyrm (配列番号22)
15) hIGF-1-Ea: ΔG1, ΔP2, ΔE3; ΔR37; ΔR71, ΔS72
tlcgaelvdalqfvcgdrgfyfnkptgygsssrapqtgivdeccfrscdlrrlemycaplkpaksavraqrhtdmpktqkevhlknasrgsagnknyrm (配列番号23)
16) hIGF-1-Eb: ΔG1, ΔP2, ΔE3; R36A; ΔR71
tlcgaelvdalqfvcgdrgfyfnkptgygsssarapqtgivdeccfrscdlrrlemycaplkpaksasvraqrhtdmpktqkyqppstnkntksqrrkgwpkthpggeqkegteaslqirgkkkeqrreigsrnaecrgkkgk (配列番号24)
17) hIGF-1-Eb: ΔG1, ΔP2, ΔE3; R36A; ΔS72
tlcgaelvdalqfvcgdrgfyfnkptgygsssarapqtgivdeccfrscdlrrlemycaplkpaksarvraqrhtdmpktqkyqppstnkntksqrrkgwpkthpggeqkegteaslqirgkkkeqrreigsrnaecrgkkgk (配列番号25)
18) hIGF-1-Eb: ΔG1, ΔP2, ΔE3; R37A; ΔR71
tlcgaelvdalqfvcgdrgfyfnkptgygsssraapqtgivdeccfrscdlrrlemycaplkpaksasvraqrhtdmpktqkyqppstnkntksqrrkgwpkthpggeqkegteaslqirgkkkeqrreigsrnaecrgkkgk (配列番号26)
19) hIGF-1-Eb: ΔG1, ΔP2, ΔE3; R37A; ΔS72
tlcgaelvdalqfvcgdrgfyfnkptgygsssraapqtgivdeccfrscdlrrlemycaplkpaksarvraqrhtdmpktqkyqppstnkntksqrrkgwpkthpggeqkegteaslqirgkkkeqrreigsrnaecrgkkgk (配列番号27)
【0117】
20) hIGF-1-Eb: ΔG1, ΔP2, ΔE3; R37A; ΔR71, ΔS72
tlcgaelvdalqfvcgdrgfyfnkptgygsssraapqtgivdeccfrscdlrrlemycaplkpaksavraqrhtdmpktqkyqppstnkntksqrrkgwpkthpggeqkegteaslqirgkkkeqrreigsrnaecrgkkgk (配列番号28)
21) hIGF-1-Eb: ΔG1, ΔP2, ΔE3, ΔR37; ΔR71
tlcgaelvdalqfvcgdrgfyfnkptgygsssrapqtgivdeccfrscdlrrlemycaplkpaksasvraqrhtdmpktqkyqppstnkntksqrrkgwpkthpggeqkegteaslqirgkkkeqrreigsrnaecrgkkgk (配列番号29)
22) hIGF-1-Eb: ΔG1, ΔP2, ΔE3, ΔR37; ΔS72
tlcgaelvdalqfvcgdrgfyfnkptgygsssrapqtgivdeccfrscdlrrlemycaplkpaksarvraqrhtdmpktqkyqppstnkntksqrrkgwpkthpggeqkegteaslqirgkkkeqrreigsrnaecrgkkgk (配列番号30)
23) hIGF-1-Eb: ΔG1, ΔP2, ΔE3, ΔR37; ΔR71, ΔS72
tlcgaelvdalqfvcgdrgfyfnkptgygsssrapqtgivdeccfrscdlrrlemycaplkpaksavraqrhtdmpktqkyqppstnkntksqrrkgwpkthpggeqkegteaslqirgkkkeqrreigsrnaecrgkkgk (配列番号31)
24) hIGF-1-Ec: ΔG1, ΔP2, ΔE3; R36A; ΔR71
tlcgaelvdalqfvcgdrgfyfnkptgygsssarapqtgivdeccfrscdlrrlemycaplkpaksasvraqrhtdmpktqkyqppstnkntksqrrkgstfeerk (配列番号32)
25) hIGF-1-Ec: ΔG1, ΔP2, ΔE3; R36A; ΔS72
tlcgaelvdalqfvcgdrgfyfnkptgygsssarapqtgivdeccfrscdlrrlemycaplkpaksarvraqrhtdmpktqkyqppstnkntksqrrkgstfeerk (配列番号33)
26) hIGF-1-Ec: ΔG1, ΔP2, ΔE3; R36A; ΔR71, ΔS72
tlcgaelvdalqfvcgdrgfyfnkptgygsssarapqtgivdeccfrscdlrrlemycaplkpaksavraqrhtdmpktqkyqppstnkntksqrrkgstfeerk (配列番号34)
27) hIGF-1-Ec: ΔG1, ΔP2, ΔE2; R37A; ΔR71
tlcgaelvdalqfvcgdrgfyfnkptgygsssraapqtgivdeccfrscdlrrlemycaplkpaksasvraqrhtdmpktqkyqppstnkntksqrrkgstfeerk (配列番号35)
28) hIGF-1-Ec: ΔG1, ΔP2, ΔE3; R37A; ΔS72
tlcgaelvdalqfvcgdrgfyfnkptgygsssraapqtgivdeccfrscdlrrlemycaplkpaksarvraqrhtdmpktqkyqppstnkntksqrrkgstfeerk (配列番号36)
29) hIGF-1-Ec: ΔG1, ΔP2, ΔE3; R37A; ΔR71, ΔS72
tlcgaelvdalqfvcgdrgfyfnkptgygsssraapqtgivdeccfrscdlrrlemycaplkpaksavraqrhtdmpktqkyqppstnkntksqrrkgstfeerk (配列番号37)
【0118】
30) hIGF-1-Ec: ΔG1, ΔP2, ΔE3, ΔR37, ΔR71
tlcgaelvdalqfvcgdrgfyfnkptgygsssrapqtgivdeccfrscdlrrlemycaplkpaksasvraqrhtdmpktqkyqppstnkntksqrrkgstfeerk (配列番号38)
31) hIGF-1-Ec: ΔG1, ΔP2, ΔE3, ΔR37, ΔS72
tlcgaelvdalqfvcgdrgfyfnkptgygsssrapqtgivdeccfrscdlrrlemycaplkpaksarvraqrhtdmpktqkyqppstnkntksqrrkgstfeerk (配列番号39)
32) hIGF-1-Eab: ΔG1, ΔP2, ΔE3; R36A; ΔR71; Ebのアミノ酸95と96の間におけるEa アミノ酸93-102の挿入(すなわち"Eab")
tlcgaelvdalqfvcgdrgfyfnkptgygsssarapqtgivdeccfrscdlrrlemycaplkpaksasvraqrhtdmpktqkyqppstnknasrgsagnkntksqrrkgwpkthpggeqkegteaslqirgkkkeqrreigsrnaecrgkkgk (配列番号40)
33) hIGF-1-Eab: ΔG1, ΔP2, ΔE3; R37A; ΔR71
tlcgaelvdalqfvcgdrgfyfnkptgygsssraapqtgivdeccfrscdlrrlemycaplkpaksasvraqrhtdmpktqkyqppstnknasrgsagnkntksqrrkgwpkthpggeqkegteaslqirgkkkeqrreigsrnaecrgkkgk (配列番号41)
34) hIGF-1-Eab: ΔG1, ΔP2, ΔE3, ΔR37, ΔR71
tlcgaelvdalqfvcgdrgfyfnkptgygsssrapqtgivdeccfrscdlrrlemycaplkpaksasvraqrhtdmpktqkyqppstnknasrgsagnkntksqrrkgwpkthpggeqkegteaslqirgkkkeqrreigsrnaecrgkkgk (配列番号42)
35) hIGF-1-Eab: ΔG1, ΔP2, ΔE3; R36A; ΔS72
tlcgaelvdalqfvcgdrgfyfnkptgygsssarapqtgivdeccfrscdlrrlemycaplkpaksarvraqrhtdmpktqkyqppstnknasrgsagnkntksqrrkgwpkthpggeqkegteaslqirgkkkeqrreigsrnaecrgkkgk (配列番号43)
36) hIGF-1-Eab: ΔG1, ΔP2, ΔE3; R37A; ΔS72
tlcgaelvdalqfvcgdrgfyfnkptgygsssraapqtgivdeccfrscdlrrlemycaplkpaksarvraqrhtdmpktqkyqppstnknasrgsagnkntksqrrkgwpkthpggeqkegteaslqirgkkkeqrreigsrnaecrgkkgk (配列番号44)
37) hIGF-1-Eab: ΔG1, ΔP2, ΔE3, ΔR37, ΔS72
tlcgaelvdalqfvcgdrgfyfnkptgygsssrapqtgivdeccfrscdlrrlemycaplkpaksarvraqrhtdmpktqkyqppstnknasrgsagnkntksqrrkgwpkthpggeqkegteaslqirgkkkeqrreigsrnaecrgkkgk (配列番号45)
38) hIGF-1-Eab: ΔG1, ΔP2, ΔE3; R36A; ΔR71, ΔS72
tlcgaelvdalqfvcgdrgfyfnkptgygsssarapqtgivdeccfrscdlrrlemycaplkpaksavraqrhtdmpktqkyqppstnknasrgsagnkntksqrrkgwpkthpggeqkegteaslqirgkkkeqrreigsrnaecrgkkgk (配列番号46)
39) hIGF-1-Eab: ΔG1, ΔP2, ΔE3, ΔR37, ΔR71, ΔS72
tlcgaelvdalqfvcgdrgfyfnkptgygsssrapqtgivdeccfrscdlrrlemycaplkpaksavraqrhtdmpktqkyqppstnknasrgsagnkntksqrrkgwpkthpggeqkegteaslqirgkkkeqrreigsrnaecrgkkgk (配列番号47)
【0119】
40) hIGF-1-Ea: ΔP2, ΔE3; R37A; ΔR71, ΔS72
gtlcgaelvdalqfvcgdrgfyfnkptgygsssraapqtgivdeccfrscdlrrlemycaplkpaksavraqrhtdmpktqkevhlknasrgsagnknyrm (配列番号48)
41) hIGF-1-Eb: ΔP2, ΔE3; R37A; ΔR71, ΔS72
gtlcgaelvdalqfvcgdrgfyfnkptgygsssraapqtgivdeccfrscdlrrlemycaplkpaksavraqrhtdmpktqkyqppstnkntksqrrkgwpkthpggeqkegteaslqirgkkkeqrreigsrnaecrgkkgk (配列番号49)
42) hIGF-1-Ebマルチマー: (ΔG1, ΔP2, ΔE3; R37A)-3xEb(ΔR71, ΔS72, ΔC-末端 7 aa)-Eb(ΔR71, ΔS72)
tlcgaelvdalqfvcgdrgfyfnkptgygsssraapqtgivdeccfrscdlrrlemycaplkpaksavraqrhtdmpktqkyqppstnkntksqrrkgwpkthpggeqkegteaslqirgkkkeqrreigsrnaevraqrhtdmpktqkyqppstnkntksqrrkgwpkthpggeqkegteaslqirgkkkeqrreigsrnaevraqrhtdmpktqkyqppstnkntksqrrkgwpkthpggeqkegteaslqirgkkkeqrreigsrnaevraqrhtdmpktqkyqppstnkntksqrrkgwpkthpggeqkegteaslqirgkkkeqrreigsrnaecrgkkgk (配列番号50)
43) hIGF-1-Ebマルチマー:(ΔP2, ΔE3; R37A)-3xEb(ΔR71, ΔS72, ΔC-末端 7 aa)-Eb(ΔR71, ΔS72)
gtlcgaelvdalqfvcgdrgfyfnkptgygsssraapqtgivdeccfrscdlrrlemycaplkpaksavraqrhtdmpktqkyqppstnkntksqrrkgwpkthpggeqkegteaslqirgkkkeqrreigsrnaevraqrhtdmpktqkyqppstnkntksqrrkgwpkthpggeqkegteaslqirgkkkeqrreigsrnaevraqrhtdmpktqkyqppstnkntksqrrkgwpkthpggeqkegteaslqirgkkkeqrreigsrnaevraqrhtdmpktqkyqppstnkntksqrrkgwpkthpggeqkegteaslqirgkkkeqrreigsrnaecrgkkgk (配列番号51)
44) hIGF-1-Ec: ΔP2, ΔE3; R37A; ΔR71, ΔS72
gtlcgaelvdalqfvcgdrgfyfnkptgygsssraapqtgivdeccfrscdlrrlemycaplkpaksavraqrhtdmpktqkyqppstnkntksqrrkgstfeerk (配列番号52)
45) hIGF-1-Ea: ΔE3; R37A; ΔR71, ΔS72
gptlcgaelvdalqfvcgdrgfyfnkptgygsssraapqtgivdeccfrscdlrrlemycaplkpaksavraqrhtdmpktqkevhlknasrgsagnknyrm (配列番号53)
46) hIGF-1-Eb: ΔE3; R37A; ΔR71, ΔS72
gptlcgaelvdalqfvcgdrgfyfnkptgygsssraapqtgivdeccfrscdlrrlemycaplkpaksavraqrhtdmpktqkyqppstnkntksqrrkgwpkthpggeqkegteaslqirgkkkeqrreigsrnaecrgkkgk (配列番号54)
47) hIGF-1-Ebマルチマー:(ΔG1, ΔP2, ΔE3; R37A)-3xEb(ΔR71, ΔS72, ΔC-末端 7 aa)-Eb(ΔR71, ΔS72)
tlcgaelvdalqfvcgdrgfyfnkptgygsssraapqtgivdeccfrscdlrrlemycaplkpaksavraqrhtdmpktqkyqppstnkntksqrrkgwpkthpggeqkegteaslqirgkkkeqrreigsrnaevraqrhtdmpktqkyqppstnkntksqrrkgwpkthpggeqkegteaslqirgkkkeqrreigsrnaevraqrhtdmpktqkyqppstnkntksqrrkgwpkthpggeqkegteaslqirgkkkeqrreigsrnaevraqrhtdmpktqkyqppstnkntksqrrkgwpkthpggeqkegteaslqirgkkkeqrreigsrnaecrgkkgk (配列番号55)
48) hIGF-1-Ebマルチマー:(ΔE3; R37A)-3xEb(ΔR71, ΔS72, ΔC-末端 7 aa)-Eb(ΔR71, ΔS72)
gptlcgaelvdalqfvcgdrgfyfnkptgygsssraapqtgivdeccfrscdlrrlemycaplkpaksavraqrhtdmpktqkyqppstnkntksqrrkgwpkthpggeqkegteaslqirgkkkeqrreigsrnaevraqrhtdmpktqkyqppstnkntksqrrkgwpkthpggeqkegteaslqirgkkkeqrreigsrnaevraqrhtdmpktqkyqppstnkntksqrrkgwpkthpggeqkegteaslqirgkkkeqrreigsrnaevraqrhtdmpktqkyqppstnkntksqrrkgwpkthpggeqkegteaslqirgkkkeqrreigsrnaecrgkkgk (配列番号56)
49) hIGF-1-Ec: ΔE3; R37A; ΔR71, ΔS72
gptlcgaelvdalqfvcgdrgfyfnkptgygsssraapqtgivdeccfrscdlrrlemycaplkpaksavraqrhtdmpktqkyqppstnkntksqrrkgstfeerk (配列番号57)
【0120】
50) hIGF-1-Ea: ΔE3; R37A; ΔR71, ΔS72
gptlcgaelvdalqfvcgdrgfyfnkptgygsssraapqtgivdeccfrscdlrrlemycaplkpaksavraqrhtdmpktqkevhlknasrgsagnknyrm (配列番号58)
51) hIGF-1-Eb: ΔE3; R37A; ΔR71, ΔS72
gptlcgaelvdalqfvcgdrgfyfnkptgygsssraapqtgivdeccfrscdlrrlemycaplkpaksavraqrhtdmpktqkyqppstnkntksqrrkgwpkthpggeqkegteaslqirgkkkeqrreigsrnaecrgkkgk (配列番号59)
52) hIGF-1-Ec: ΔE3; R37A; ΔR71, ΔS72
gptlcgaelvdalqfvcgdrgfyfnkptgygsssraapqtgivdeccfrscdlrrlemycaplkpaksavraqrhtdmpktqkyqppstnkntksqrrkgstfeerk (配列番号60)
53) hIGF-1-Eab: ΔE3; R37A; Δ R71, ΔS72
gptlcgaelvdalqfvcgdrgfyfnkptgygsssraapqtgivdeccfrscdlrrlemycaplkpaksavraqrhtdmpktqkyqppstnknasrgsagnkntksqrrkgwpkthpggeqkegteaslqirgkkkeqrreigsrnaecrgkkgk (配列番号61)
54) hIGF-1-Ebマルチマー: (ΔE3; R37A)-3xEb(ΔR71, ΔS72, ΔC-末端 7 aa)-Eb(ΔR71, ΔS72)
gptlcgaelvdalqfvcgdrgfyfnkptgygsssraapqtgivdeccfrscdlrrlemycaplkpaksavraqrhtdmpktqkyqppstnkntksqrrkgwpkthpggeqkegteaslqirgkkkeqrreigsrnaevraqrhtdmpktqkyqppstnkntksqrrkgwpkthpggeqkegteaslqirgkkkeqrreigsrnaevraqrhtdmpktqkyqppstnkntksqrrkgwpkthpggeqkegteaslqirgkkkeqrreigsrnaevraqrhtdmpktqkyqppstnkntksqrrkgwpkthpggeqkegteaslqirgkkkeqrreigsrnaecrgkkgk (配列番号62)
55) hIGF-1-Ea: E3A; R37A; ΔR71, ΔS72
gpatlcgaelvdalqfvcgdrgfyfnkptgygsssraapqtgivdeccfrscdlrrlemycaplkpaksavraqrhtdmpktqkevhlknasrgsagnknyrm (配列番号63)
56) hIGF-1-Eb: E3A; R37A; ΔR71, ΔS72
gpatlcgaelvdalqfvcgdrgfyfnkptgygsssraapqtgivdeccfrscdlrrlemycaplkpaksavraqrhtdmpktqkyqppstnkntksqrrkgwpkthpggeqkegteaslqirgkkkeqrreigsrnaecrgkkgk (配列番号64)
57) hIGF-1-Ec: E3A; R37A; ΔR71, ΔS72
gpatlcgaelvdalqfvcgdrgfyfnkptgygsssraapqtgivdeccfrscdlrrlemycaplkpaksavraqrhtdmpktqkyqppstnkntksqrrkgstfeerk (配列番号65)
58) hIGF-1-Eab: E3A; R37A; ΔR71, ΔS72
gpatlcgaelvdalqfvcgdrgfyfnkptgygsssraapqtgivdeccfrscdlrrlemycaplkpaksavraqrhtdmpktqkyqppstnknasrgsagnkntksqrrkgwpkthpggeqkegteaslqirgkkkeqrreigsrnaecrgkkgk (配列番号66)
59) hIGF-1-Ebマルチマー:(E3A; R37A)-3xEb(ΔR71, ΔS72, ΔC-末端7 aa)-Eb(ΔR71, ΔS72)
gpatlcgaelvdalqfvcgdrgfyfnkptgygsssraapqtgivdeccfrscdlrrlemycaplkpaksavraqrhtdmpktqkyqppstnkntksqrrkgwpkthpggeqkegteaslqirgkkkeqrreigsrnaevraqrhtdmpktqkyqppstnkntksqrrkgwpkthpggeqkegteaslqirgkkkeqrreigsrnaevraqrhtdmpktqkyqppstnkntksqrrkgwpkthpggeqkegteaslqirgkkkeqrreigsrnaevraqrhtdmpktqkyqppstnkntksqrrkgwpkthpggeqkegteaslqirgkkkeqrreigsrnaecrgkkgk (配列番号67)
【0121】
60) hIGF-1-Ea: ΔP2, ΔE3; R37A; ΔR71, ΔS72
gtlcgaelvdalqfvcgdrgfyfnkptgygsssraapqtgivdeccfrscdlrrlemycaplkpaksavraqrhtdmpktqkevhlknasrgsagnknyrm (配列番号68)
61) hIGF-1-Eb: ΔP2, ΔE3; R37A; ΔR71, ΔS72
gtlcgaelvdalqfvcgdrgfyfnkptgygsssraapqtgivdeccfrscdlrrlemycaplkpaksavraqrhtdmpktqkyqppstnkntksqrrkgwpkthpggeqkegteaslqirgkkkeqrreigsrnaecrgkkgk (配列番号69)
62) hIGF-1-Ec: ΔP2, ΔE3; R37A; ΔR71, ΔS72
gtlcgaelvdalqfvcgdrgfyfnkptgygsssraapqtgivdeccfrscdlrrlemycaplkpaksavraqrhtdmpktqkyqppstnkntksqrrkgstfeerk (配列番号181)
63) hIGF-1-Eab: ΔP2, ΔE3; R37A; ΔR71, ΔS72
gtlcgaelvdalqfvcgdrgfyfnkptgygsssraapqtgivdeccfrscdlrrlemycaplkpaksavraqrhtdmpktqkyqppstnknasrgsagnkntksqrrkgwpkthpggeqkegteaslqirgkkkeqrreigsrnaecrgkkgk (配列番号70)
64) hIGF-1-Ebマルチマー:(ΔP2, ΔE3; R37A)-3xEb(ΔR71, ΔS72, ΔC-末端 7 aa)-Eb(ΔR71, ΔS72)
gtlcgaelvdalqfvcgdrgfyfnkptgygsssraapqtgivdeccfrscdlrrlemycaplkpaksavraqrhtdmpktqkyqppstnkntksqrrkgwpkthpggeqkegteaslqirgkkkeqrreigsrnaevraqrhtdmpktqkyqppstnkntksqrrkgwpkthpggeqkegteaslqirgkkkeqrreigsrnaevraqrhtdmpktqkyqppstnkntksqrrkgwpkthpggeqkegteaslqirgkkkeqrreigsrnaevraqrhtdmpktqkyqppstnkntksqrrkgwpkthpggeqkegteaslqirgkkkeqrreigsrnaecrgkkgk (配列番号71)
65) hIGF-1-Eb: ΔG1, ΔP2; E3X; R37A; ΔR71, ΔS72
Xtlcgaelvdalqfvcgdrgfyfnkptgygsssraapqtgivdeccfrscdlrrlemycaplkpaksavraqrhtdmpktqkyqppstnkntksqrrkgwpkthpggeqkegteaslqirgkkkeqrreigsrnaecrgkkgk (配列番号72)
66) hIGF-1-Ec: ΔG1, ΔP2; E3X; R37A; ΔR71, ΔS72
Xtlcgaelvdalqfvcgdrgfyfnkptgygsssraapqtgivdeccfrscdlrrlemycaplkpaksavraqrhtdmpktqkyqppstnkntksqrrkgstfeerk (配列番号73)
67) hIGF-1-Eab: ΔG1, ΔP2; E3X; R37A; ΔR71, ΔS72
Xtlcgaelvdalqfvcgdrgfyfnkptgygsssraapqtgivdeccfrscdlrrlemycaplkpaksavraqrhtdmpktqkyqppstnknasrgsagnkntksqrrkgwpkthpggeqkegteaslqirgkkkeqrreigsrnaecrgkkgk (配列番号74)
68) hIGF-1-Ebマルチマー:(ΔG1, ΔP2; E3X; R37A)-3xEb(ΔR71, ΔS72, ΔC-末端 7 aa)-Eb(ΔR71, ΔS72)
Xtlcgaelvdalqfvcgdrgfyfnkptgygsssraapqtgivdeccfrscdlrrlemycaplkpaksavraqrhtdmpktqkyqppstnkntksqrrkgwpkthpggeqkegteaslqirgkkkeqrreigsrnaevraqrhtdmpktqkyqppstnkntksqrrkgwpkthpggeqkegteaslqirgkkkeqrreigsrnaevraqrhtdmpktqkyqppstnkntksqrrkgwpkthpggeqkegteaslqirgkkkeqrreigsrnaevraqrhtdmpktqkyqppstnkntksqrrkgwpkthpggeqkegteaslqirgkkkeqrreigsrnaecrgkkgk (配列番号75)
69) hIGF-1-Ea: ΔG1, ΔP2, ΔE3; R37A; ΔR71; S72X
tlcgaelvdalqfvcgdrgfyfnkptgygsssraapqtgivdeccfrscdlrrlemycaplkpaksaXvraqrhtdmpktqkevhlknasrgsagnknyrm (配列番号76)
【0122】
70) hIGF-1-Eb: ΔG1, ΔP2, ΔE3; R37A; ΔR71; S72X
tlcgaelvdalqfvcgdrgfyfnkptgygsssraapqtgivdeccfrscdlrrlemycaplkpaksaXvraqrhtdmpktqkyqppstnkntksqrrkgwpkthpggeqkegteaslqirgkkkeqrreigsrnaecrgkkgk (配列番号77)
71) hIGF-1-Ec: ΔG1, ΔP2, ΔE3; R37A; ΔR71; S72X
tlcgaelvdalqfvcgdrgfyfnkptgygsssraapqtgivdeccfrscdlrrlemycaplkpaksaXvraqrhtdmpktqkyqppstnkntksqrrkgstfeerk (配列番号78)
72) hIGF-1-Eab: ΔG1, ΔP2, ΔE3; R37A; ΔR71; S72X
tlcgaelvdalqfvcgdrgfyfnkptgygsssraapqtgivdeccfrscdlrrlemycaplkpaksaXvraqrhtdmpktqkyqppstnknasrgsagnkntksqrrkgwpkthpggeqkegteaslqirgkkkeqrreigsrnaecrgkkgk (配列番号79)
73) hIGF-1-Ebマルチマー:(ΔG1, ΔP2, ΔE3; R37A)-Eb(ΔR71; S72X;ΔC-末端 7 aa)-2xEb(ΔR71, ΔS72, ΔC-末端 7 aa)-Eb(ΔR71, ΔS72)
tlcgaelvdalqfvcgdrgfyfnkptgygsssraapqtgivdeccfrscdlrrlemycaplkpakXsavraqrhtdmpktqkyqppstnkntksqrrkgwpkthpggeqkegteaslqirgkkkeqrreigsrnaevraqrhtdmpktqkyqppstnkntksqrrkgwpkthpggeqkegteaslqirgkkkeqrreigsrnaevraqrhtdmpktqkyqppstnkntksqrrkgwpkthpggeqkegteaslqirgkkkeqrreigsrnaevraqrhtdmpktqkyqppstnkntksqrrkgwpkthpggeqkegteaslqirgkkkeqrreigsrnaecrgkkgk (配列番号80)
74) hIGF-1-Ea: ΔG1, ΔP2, ΔE3; R37A; ΔR71, ΔS72; N92X
tlcgaelvdalqfvcgdrgfyfnkptgygsssraapqtgivdeccfrscdlrrlemycaplkpaksavraqrhtdmpktqkevhlkXasrgsagnknyrm (配列番号81)
75) hIGF-1-Eb: ΔG1, ΔP2, ΔE3; R37A; ΔR71, ΔS72; C142X
tlcgaelvdalqfvcgdrgfyfnkptgygsssraapqtgivdeccfrscdlrrlemycaplkpaksavraqrhtdmpktqkyqppstnkntksqrrkgwpkthpggeqkegteaslqirgkkkeqrreigsrnaeXrgkkgk (配列番号82)
76) hIGF-1-Eab: ΔG1, ΔP2, ΔE3; R37A; ΔR71, ΔS72; C151X
tlcgaelvdalqfvcgdrgfyfnkptgygsssraapqtgivdeccfrscdlrrlemycaplkpaksavraqrhtdmpktqkyqppstnknasrgsagnkntksqrrkgwpkthpggeqkegteaslqirgkkkeqrreigsrnaeXrgkkgk (配列番号83)
78) hIGF-1-Ebマルチマー(ΔG1, ΔP2, ΔE3; R37A)-3xEb(ΔR71, ΔS72, ΔC-末端 7 aa)-Eb(ΔR71, ΔS72; C71X)
TlcgaelvdalqfvcgdrgfyfnkptgygsssraapqtgivdeccfrscdlrrlemycaplkpaksavraqrhtdmpktqkyqppstnkntksqrrkgwpkthpggeqkegteaslqirgkkkeqrreigsrnaevraqrhtdmpktqkyqppstnkntksqrrkgwpkthpggeqkegteaslqirgkkkeqrreigsrnaevraqrhtdmpktqkyqppstnkntksqrrkgwpkthpggeqkegteaslqirgkkkeqrreigsrnaevraqrhtdmpktqkyqppstnkntksqrrkgwpkthpggeqkegteaslqirgkkkeqrreigsrnaeXrgkkgk(配列番号84)
【0123】
実施例79:筋芽細胞増殖検定法
筋芽細胞増殖検定法は、IGF活性の信頼できるインビトロ指標を提供するため、胚筋芽細胞および成人サテライト細胞に影響を及ぼす因子に関するモデルとして使用される。この系で活性を示す因子は、筋芽細胞の一次培養物において類似した反応を示す。本発明ペプチドによりインビトロでの筋芽細胞増殖が促進されるということは、筋芽細胞増殖の増加、従って子宮内での終極筋原線維数の増加の誘発におけるその活性を示している。さらに、筋芽細胞増殖が同様に促進されるということは、この発明のペプチドを用いて、例えばサテライト筋肉細胞増殖の刺激により、成人筋肉肥厚が促進され得ることを示す。
【0124】
実施例80:乳房上皮組織検定法
泌乳動物では、乳を生産および分泌する細胞であることから、乳房上皮組織の量が乳生産における制限因子である。インビトロ系を用いて、動物の乳腺から得た上皮細胞を本発明の修飾IGF−1またはIGF−2で刺激することにより、乳成分の量を増産させることができる。さらに、上記インビトロ細胞系で増殖するように刺激を加えた乳房上皮細胞を、澄明にした乳房脂肪パッドに再移植して、刺激を加えることにより、泌乳中の雌動物において乳を増加および/または生産させ得ることが立証され得る。
【0125】
実施例81:血液または他の体液におけるIGF−1またはIGF−2の測定
一用量につき非経口投与されるペプチドの有効量は、用量応答曲線により測定され得る。例えば、本発明の修飾IGFペプチドを、処置すべき対象の血液または体液中で測定することにより、投与量が決定され得る。別法として、増加量のペプチドを対象に投与し、修飾IGF−1およびIGF−2について対象の血清レベルをチェックすることも可能である。ペプチドの使用量は、修飾IGF−1またはIGF−2のこれらの血清レベルに基づいてモル単位で計算され得る。
【0126】
ペプチドの適切な投与量の一決定方法では、必然的に生物流体、例えば体液または血液中の本発明IGFペプチドを測定する。上記レベルの測定は、RIAおよびELISAを含む任意の手段により実施され得る。IGFレベルの測定後、流体を、単または多用量を用いてペプチドと接触させる。この接触段階後、IGFレベルを液中で再測定する。液体IGFレベルが、分子を投与する際の所望の効力を生み出すのに十分な量程度低下している場合、分子の用量を調節することにより、最大効力を生じさせ得る。この方法は、インビトロでもインビボでも実施され得る。好ましくは、この方法はインビボで実施され、すなわち液体を対象から抽出し、IGFレベルを測定した後、本発明ペプチドを、単または多用量を用いて哺乳類に投与し(すなわち、動物に投与することにより接触段階を実施する)、次いでIGFレベルを動物から抽出した液体から再測定する。
【0127】
投与量の別の決定方法は、ペプチドに対する抗体の使用またはLIFAフォーマットでの別のペプチド検出方法である。
【0128】
実施例82:hIGF−1−Ec3mutのインビボ薬物動態
成体雄マウス(n=3/群)に、1mg/kgでのrhIGF−1および1.55mg/kgでのhIGF−1−Ec 3mut(実施例3に記載)の静脈内(i.v.)ボーラス注射を行った。血液試料を試験物質投与の5、15、30および60分後に採取した。rhIGF−1およびhIGF−1−Ec 3mutの血清濃度をELISAにより測定した。この検定法は、hIGF−1に特異的である。
【0129】
等モル用量のrhIGF−1およびhIGF−1−Ec 3mutを、マウスに静脈内投与した。結果は、調べた全時点でrhIGF−1と比べてhIGF−1−Ec 3mutのレベルが著しく高いことを示していることから、hIGF−1−Ec 3mutは、70アミノ酸長IGF−1よりも代謝的に安定していることがわかる。
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロテアーゼによるIGF−1からのE−ペプチドの開裂を、前駆体タンパク質の修飾により低減化する、ヒトIGF−1前駆体タンパク質を含むポリペプチド。
【請求項2】
前駆体タンパク質がEaペプチドを含む、請求項1記載のポリペプチド。
【請求項3】
前駆体タンパク質がEbペプチドを含む、請求項1記載のポリペプチド。
【請求項4】
Ebの最後の7個のC−末端アミノ酸が欠失している、請求項3記載のポリペプチド。
【請求項5】
前駆体タンパク質がEcペプチドを含む、請求項1記載のポリペプチド。
【請求項6】
前駆体タンパク質のG1が欠失または突然変異している、請求項1から5のいずれか1項記載のポリペプチド。
【請求項7】
前駆体タンパク質のP2が欠失または突然変異している、請求項1から6のいずれか1項記載のポリペプチド。
【請求項8】
前駆体タンパク質のE3が欠失または突然変異している、請求項1から7のいずれか1項記載のポリペプチド。
【請求項9】
前駆体タンパク質のR36が欠失または突然変異している、請求項1から8のいずれか1項記載のポリペプチド。
【請求項10】
R36がアラニンに突然変異している、請求項1から9のいずれか1項記載のポリペプチド。
【請求項11】
前駆体タンパク質のR37が欠失または突然変異している、請求項1から10のいずれか1項記載のポリペプチド。
【請求項12】
R37がアラニンに突然変異している、請求項1から11のいずれか1項記載のポリペプチド。
【請求項13】
さらに、N−結合グリコシル化共通配列NXS/Tを含む、請求項1から12のいずれか1項記載のポリペプチド。
【請求項14】
さらに、Ebのアミノ酸N95とT96の間に挿入されたEaのアミノ酸93〜102を含む、請求項3記載のポリペプチド。
【請求項15】
さらに、前駆体タンパク質のアミノ酸側鎖に共有結合しているオリゴ糖を含む、請求項1から14のいずれか1項記載のポリペプチド。
【請求項16】
オリゴ糖が、前駆体タンパク質のアルギニン側鎖に共有結合している、請求項15記載のポリペプチド。
【請求項17】
前駆体タンパク質の残基が非天然アミノ酸により置換されている、請求項1から16のいずれか1項記載のポリペプチド。
【請求項18】
非天然アミノ酸がアセチレンまたはアジド基を含む、請求項17記載のポリペプチド。
【請求項19】
さらに、前駆体タンパク質の側鎖に共有結合しているポリ(エチレングリコール)部分を含む、請求項1から18のいずれか1項記載のポリペプチド。
【請求項20】
さらに、前駆体タンパク質のC−末端に結合されたさらなるE−ペプチドを含む、請求項1から19のいずれか1項記載のポリペプチド。
【請求項21】
N−末端からC−末端まで、
第1Ebペプチド含むIGF−1前駆体タンパク質(ただし、G1、P1およびE1は欠失しており、R36およびR37は欠失しており、R71およびS72は欠失しており、第1Ebペプチドの最後の7個のC−末端アミノ酸は欠失している)、
第2Ebペプチド(ただし、R71、S72および第2Ebペプチドの最後の7個のC−末端アミノ酸は欠失している)、
第3Ebペプチド(ただし、R71、S72および第3Ebペプチドの最後の7個のC−末端アミノ酸は欠失している)、および
第4Ebペプチド(ただし、R71およびS72は欠失している)
を含むポリペプチド。
【請求項22】
前駆体タンパク質のR71またはS72が欠失または突然変異している、請求項1から20のいずれか1項記載のポリペプチド。
【請求項23】
プロテアーゼによるIGF−2からのE−ペプチドの開裂を、前駆体タンパク質の修飾により低減化する、ヒトIGF−2前駆体タンパク質を含むポリペプチド。
【請求項24】
前駆体タンパク質のR68またはD69が欠失または突然変異している、請求項23記載のポリペプチド。
【請求項25】
筋骨格疾患、糖尿病、神経細胞死、または貧血の処置方法であって、対象に治療有効量の請求項1から24のいずれか1項記載のポリペプチドを投与することを含む方法。
【請求項26】
筋骨格疾患、糖尿病、神経細胞死、または貧血の処置を目的とする医薬の製造における請求項1から24のいずれか1項記載のポリペプチドの使用。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公表番号】特表2009−539383(P2009−539383A)
【公表日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−514507(P2009−514507)
【出願日】平成19年6月6日(2007.6.6)
【国際出願番号】PCT/US2007/070468
【国際公開番号】WO2007/146689
【国際公開日】平成19年12月21日(2007.12.21)
【出願人】(597011463)ノバルティス アクチエンゲゼルシャフト (942)
【Fターム(参考)】