説明

安眠寝装用積層品の製造方法

【課題】本発明は長期間病人が寝る体から出る水分を湿気として寝装用積層品から放出し易くすることである。介護する人、高齢者病人が従来使用の寝具より軽く、運びやすく、洗濯し易くする。使用繊維素材の性能と接着時の抗菌材の効果、長期間の安眠寝装用積層品を提供すること。
【解決手段】
多重織組織中に挿入した熱収縮弾性糸が熱処理によって収縮した弾性糸の収縮性能によって凹凸大小波状布を作る工程と人体の接圧を考慮し底部、裏面、に弾力性増加の接着剤を抗菌材とともに塗布して、合成樹脂系フイルム、編織布、フオームなどを貼り合わせて出来る安眠寝装用積層品である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に使われている寝具の使用状態は敷き布団、ベッドの上で寝る場合はそれらの重量は重く、老人や病人が簡単に移動できない、或いは介護人が洗濯機の中に投入できない。この生活条件を改善するためには、寝具として使用する人が接する感覚を快適に、清潔に、軽く、取り扱い易くするために凹凸波状布帛と積層材を複合した製品である。
【背景技術】
【0002】
従来より、使用する寝具および布帛として、以下のようなものが知られている。
【0003】
太い羊毛糸で織成されてなる平織地に起毛加工を施してなる立毛パイル布、
合成繊維の羊毛風糸で織成されてなる平織地に起毛加工を施してなる毛布形式布帛、片面に全面に渡り均一に切りそろえるカットパイルを設けたラッセル編地二枚を、ラッセル編地同士が当接するようにして貼合してなるパイル毛布、ラッセル編地の両面にカットパイルを使ったもの、いわゆるニューマイヤー毛布調布帛、タオル状の敷布、綿入れ敷き布団等が知られている。
それらの製造の使われる工程は複雑で、パイルを布帛の表面に立毛するため紡績糸の製造以外に特殊な織機、編み機で製造した後立毛工程に起毛工程、毛さばく工程、毛の先端を切削する工程、毛の表面を艶出す工程などなどが必要であり、それらに掛る作業員の工数、時間、電気、蒸気エネルギーは膨大な数値である。
【0004】
そこで、このような各種の従来から使われるために販売している寝具類の
一つの商品を製造するためには、種々の繊維素材を調達する必要がある。ところでこれらの中の毛布を消費者向けのために、販売者は趣向を設定し、製造依頼をする場合には、多品種少量生産の流通手段になっている、しかし実際に活用する最終消費者の使用する実態は調査し、製造者に充分反映されていないのが現状である。
【0005】
このように、寝具製品などの素材の調達には、複雑な素材を組み合わせるよりも、出来る限り単一な価格の安い素材を用いて、織物工程を高速化することが重要である。織物工程で使わなくなった素材を廃棄処理することなく
再活用する為には製造方法の改善と最終商品へ広く展開する手段を考察する必要がある。
【0006】
ところで、毛布、シーツ、上敷きパット、敷き布団、上布団、肌がけ布団
枕その他の寝具を企画して生産するため素材を調達される、これらの素材は一定量の大きな単位で取引されるから、生産に必要な量では取引されず、超過した物とせざるを得ず、余分の素材が発生する。従来から消費者の好みで使われてきた素材は、綿、ウール、絹など自然系素材が中心である。しかし
自然系素材に近いものとしてレーヨン、ナイロン、ポリエステルなど合成繊維系の素材が開発されつつある。これらの新素材は全て寝具として適した用途に商品化されているのか、製造工程では充分に使い切らずゴミとして処分されて無駄になる。
【特許文献1】実用新案登録第3104242号公報、
【特許文献2】実用新案登録第3145065号公報
【特許文献3】実用新案登録第3146463号公報
【特許文献4】特許第3464957号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は従来一般的に用いられている欠点は後述する例からも明らかなように、これらの毛布調布帛はいずれも表面のパイルは人体に直接触れるとパイルが圧縮され縮絨状になり、保温効果は良いが一般用の長期病人の寝装用品としては活用されない、それは洗濯が簡単に出来なく、肌ざわりの快適性は完全でない、或いは四季を通じて使う事が出来ず、春夏に使うものと秋冬に使うものに分かれる。そして保存する場所が必要になり、長期間保存により黴菌が発生する。これらの欠点を改良し、年間を通じて使用し、洗濯が容易に行うことを目的とした回転式乾燥装置の付設した最近の家庭洗濯機によって洗濯が出来る、取り扱いし易くする安眠寝装用積層品が求められていた。

【課題を解決するための手段】
【0008】
経糸と緯糸より構成された多重織物状組織の中へ熱収縮性弾性糸を目的の凹凸波状に形成するため挿入する織物工程とテンションを掛けずに振動を与えながら熱処理する工程が施され、前記弾性糸の熱収縮により多重織物生地は収縮され、該生地が凹凸波状のうねり部を形成する。 弾性糸の収縮力によって非収縮織部は収縮する弾性糸の働きの違いにより凹凸波形状に均一な形状が派生しない様に設計し、製作した伸縮性のある安眠寝装用積層品である。

【発明の効果】
【0009】
本発明は安眠寝装品を開発すべく、種々検討していたところ、基本的に織組織を基本にした凹凸状布帛の物と空気の包含量が多くそして体温から出る水分を適正に吸湿する。 以上説明したとおり、本発明は寝具業界が消費者の要求に答えるために、高齢化社会になり、安眠することが重要な幸せを呼ぶことで、多品種少量生産で有るから、生産する立場の者が有効な材料を多量に在庫したり、廃棄したりすることのない、ゴミ、ロスの少ない、清潔感と取り扱い易い、コストの安い安眠寝装製品が得られると、優れた効果を奏するものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
目的の商品を製造する場合、使用の繊維材量を軽く、そして体積当りの空気含量が多く、吸湿、放湿効果を最良にする目的から凹凸波状にし、そして圧力抵抗を形成させる加工技術を完成させた。該多重織凹凸波状用の布帛は、従来の布帛に比べて、対圧縮、反発弾性効果が優れている。その試験結果は日本紡績検査協会生活用品試験センターにおいて請求項の目的別に数値結果を得た知見に基づくものである。そして本発明の安眠を求める寝装品を制作するためには素材の持つ吸湿性、放湿性、乾燥に要する物理的数値が必要である。
【実施例】
【0011】
従来の寝具類に使用されている上掛け、敷き布団、布団カバー、ベッドマットなどの欠点は、重量が重くて大きい、身体の加重に対する反発弾性が大きい、人体の皮膚から出る水分の吸収、放湿、さわやかな感覚を求めるため必要な空気の移動、一定時間経過後の保湿性、簡単な短時間の交換と洗濯乾燥機への持ち運び等の問題点を改善する必要があるとした知見に基つくものである。
【0012】
本発明で制作した製品の性能を判断するため、奈良県工業技術センターに於いて材料の持つ特性を試験した。その吸湿性試験は資料を結晶皿(直径12cm)に入れ、105度cの乾燥機に4時間入れ、絶乾質量を測定する。その後この試料を40度c湿度85%の恒温恒湿機に入れ1時間後と24時間後の質量を測定し、吸湿率を算定した。放湿性試験は資料を結晶皿に入れ、40度c湿度85%の恒温恒湿機に24時間入れ質量を測定する。その後この試料を40度cの乾燥機に12時間入れた後質量を測定し、放湿率を算出した。試験結果は表1に説明する。試料cの残存水分率は1%と少ない、試料eの残存水分率1.8%と少ない、試料gは残存水分率2.1%と少なく、一般的な使用品の資料a,b,i,は残存水分が多い、積層状の体積を考慮して、空気の流れと放湿現象を充分商品化に取り入れる。
試験品の試験結果を次に述べる。
1.試験品の吸湿率、放湿率比較
2.作成所 奈良県工業技術センター、平成20年10月17日
3.試料
4.記号 内容
a)一般タオルハンカチ(綿)
b)キッチン用手ぬぐい(綿)
c)凹凸小波状布表裏両面に中間層合繊綿の三積層材抗菌加工
d)大波凸状布の裏面小波状凹凸布の二積層材抗菌加工
e)小波凹凸布両面で中間層合繊綿接合はキルト縫製の三層材
f)全面小波布表裏両面接着二層材
g)凹凸波状布の裏面に防水フイルムを接合した二層材
h)全面小波状布の裏面に透湿防水フイルムを接合した表裏両面中間層に羽毛を充填した袋状三層材
i ) アクリル毛布(一般使用品)
j ) ポリウレタンフオーム(連続発泡倍率50倍)
表1に試験結果を示す。
【表1】

上記率の数値は百分率である
試験方法
吸湿性試験 : 試料を直径12cmの結晶皿に入れ、105度C乾燥機4時間入れ、絶乾質量を測定する。その後この試料を40度C湿度85%の恒温恒湿機に入れ、1時間後と24時間後の質量を測定し、吸湿率を算定した。
放湿性試験 : 吸湿試験完了の試料を直径12cmの結晶皿に入れ、40度C、湿度85%の恒温恒湿機に24時間入れ、質量を測定し、その後40度Cの乾燥機にて12時間入れた後質量を測定し、放湿性を算定した。
種々の試料を表1の示しているように吸湿率、放湿率を比較した。材質の特性により最初に1時間の吸湿が非常に少ないものはポリウレタンである、しかし24時間経過しても吸収した湿気は放湿しない。多いものはアクリル毛布、ハンカチ、タオルで有る、しかし24時間経過しても湿気は充分放湿しないで残存している、これは放湿条件が満足できない。羽毛の内在した資料は最初の一時間から24時間まで徐々10.6%まで吸湿し、放湿は12時間経過すると6.3%まで減少するさらに12時間経過した結果は3%にまで減少した。構造が三層に形成し中間層に合繊綿が存在しているものは、吸湿率が一般の市販タオル、毛布に比較して24時間後のデーターは6.8%以下と少ないのは、空気内在と流動により湿気を除去されているからである、従って最初の1時間に吸収した吸湿率より少なく放湿している
二層の資料は両面に凹凸状であるが中間層の空洞がないため7〜8%吸湿するが放湿率は少ない、凹凸の素材の性能に依存している。c)接着剤の塗布する直前にキトサン溶液を非材料の1%塗布したが、放湿率の影響はない、d)はキトサンの塗布量は表面材料の0.5%塗布したが影響はない、24時間後の放湿率はc)d)ともに1時間後の吸湿率より減少している。更に減少する傾向を示す。従ってc),d),e),h)の構成により目的の安眠寝装用積層品を制作することにした。

【0013】
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであって、製織された生地と通気性の良い積層材を接合する目的から、従来の織物とシート状の素材を接合するために貼り合わせていた方式と異なる接着を図1に示すように接着剤を無数の点点分散状と糸曳き状に噴霧しながら塗布し相互の目的素材を接着する。人体に接する場合に人体から放出する水分を透過し易くする目的から、凹凸の波形が保持するように優れた伸縮特性で容易に付与する事が出来、圧縮反発性、軽量、通気性にも優れ、しかも、効率よく製造する事が出来る。さまざまな用途に利用する事が出来る凹凸波状布と試験結果にもとずいた積層材を提供することを目的としている。請求項1に述べている、経糸と緯糸より構成された多重織物状の中へ収縮性弾性糸を目的の凹凸波状に形成するため挿入する織物工程とテンションを掛けずに熱処理する工程が施され、前記弾性糸の熱収縮により多重織物生地は収縮され、該多重織物生地が凹凸波状のうねり部が形成されている伸縮性生地からなる寝装用積層布。請求項2に述べている弾性糸の収縮力によって非収縮織部にテンションがかかり凹凸波形が出来、熱処理によって収縮する弾性糸の働きは織り生地が凹凸波形状に均一な形状が派生しない様に設計した請求項1記載の寝装用積層布。請求項3に述べている前記の織工程で挿入する熱収縮弾性糸はポリウレタン弾性糸、或いはポリウレタン弾性糸と熱融着性を有する糸を撚糸した糸、またはポリウレタン弾性糸に自己消火性繊維を合撚し構成されていることを特徴とする寝装用積層品である。
【0014】
請求項4に述べている該多重織凹凸波状布帛が常に平面を維持する事がなく、大きく波の状態と小さなうねる状態を組み合わせて制作する目的にしたがい挿入する糸が加熱後収縮する場合と、融着し積層材が剥離しないで弾力性が失われない様加熱条件は140度C以下で行う製品は試料dであり表1に説明する。この製品の特色は吸湿率が5.8%と放湿率が4.2%と少ないのは凹凸状の大きな性能により空気の含有が多いため不必要な水分を繊維の内部には保持しないで寝具として、人体から出る湿度を保持しない寝装用積層品である。
【0015】
上記目的を達成するために本発明に係る伸縮性凹凸状生地は公知の先行技術の実用新案登録第3104242号公報にその製造方法を述べている。重ねて述べると、伸縮性の糸と非伸縮性の糸を経糸と横挿入の緯糸よりなる平組織であるが、加熱により収縮する合成繊維の高収縮弾性糸の使用本数、挿入方法に特色があり、非収縮弾性糸の経糸の挿入本数または、横糸挿入本数より少なくする本数の組織編成で構成される。該高収縮弾性糸の挿入方法は目的の製品凹凸波状布帛を製作するために、横挿入の場合には緯糸と完全に平行には挿入しない場合がある。織工程の後、加熱条件により高収縮弾性糸が織布を引き付けるように収縮張力を用いて波形の畝を形成する。これがこの凹凸考案の第一の特殊性である。この横挿入に用いる高収縮弾性糸は地の平組織を構成している経糸に絡む用に潜る方式を用いて、後工程で加熱により収縮糸が収縮するとき、織り布に引張力が働き凹凸波状の多数の畝布を制作する。この畝状の反発弾性は畝の大きさと形状によって相当な差があるから寝装用に用いる場合に人体の圧力に抵抗する凹凸波形の畝を制作する。この畝の大小の設計によって表1に示しているような湿気の吸収、放湿、乾燥の要素を寝装品に効果的である。
【0016】
請求項5に述べている該多重織凹凸波状布帛の凸波形中に空気が流れやすく、外圧によって変形しないように波形を安定させる目的から合成繊維綿を凹凸の凸部の底部面に接合する。この場合接着剤を図1の如く霧状と曳糸状に塗布する。この接着剤の塗布方法は図2に示すように加圧容器の中のポリウレタン系接着剤を揮発性溶剤で溶融する、塗布した接着剤の性状は図3に示す如く、小さな点を霧状に分散する場合とこの点を繋ぐような曳糸状の割合を考慮しながら塗布する。この場合に活用する接着剤のポリウレタン系の樹脂は塗布し接着反応が完了するまでに、必要以上の接圧を凹凸織布と接合する積層材に与えない、この接着剤の反応は空気中に存在する湿度、酸素と反応を12時間程度に渡り行う。そして形状記憶ポリウレタン系ポリマーを混入する場合もある。その記憶温度を35〜37度に設定した材質は、寝具として人体の温度が36度前後の場合いには凹凸状の底部に存在する接着剤が弾力性を発現し、良い性能を発生するから、寝心地の良い寝装用積層品を制作するのである。
【0017】
請求項6で述べているように人体に接する凹凸波状布帛を制作する場合に挿入する高収縮弾性糸はポリウレタン弾性糸と紡績糸とを合撚した糸、ポリウレタン弾性糸にフィラメントを巻きつけた糸などが構成されているので、前記熱処理によって収縮が非常に大きく変化する。この波形状布帛の内部に羽毛を蓄えるため、羽毛が脱出しない透湿高密度の織編布、或いは熱融着性樹脂を付与した透湿性防水性フイルム又は合成繊維糸編織布を接着する場合、透湿性を考慮して接着剤の塗布は図1に示す如く霧状と曳糸状の組み合わせで行い、加熱圧着は行わないで、接着の反応が完了した後、120〜130度の熱を加え、前記の凹凸波状織物の波が発生した後、裏面に用いる積層布の塗布した熱融着性樹脂の融着温度を与えて溶融し強固な接着を行う、この場合に霧状にスプレー塗布するウレタン系の接着樹脂の中に熱融着の樹脂が接合反応を促進する目的から、デイメチールイソシアネート系の反応促進剤を混入する、製作した製品の洗濯性がよくなり、溶剤系のクリーニングに耐える寝装用積層布である。
【0018】
本発明の製造する製品の中に請求項6に述べている外部表面には波状布帛を用い、内部には羽毛を充填し、更に連続発泡式クッション材を挿入する。これは表1に試験数値を示したように羽毛の性能と人体への反発弾性を増強する目的から連続発砲式合成樹脂クッションシートを用いる。この場合に吸湿性の良い羽毛が発生し易い黴菌を殺菌するために抗菌処方を接合面の接着剤塗布時に
アセチルグルコサミンを抗菌材として噴霧する。図3に説明するように点在する接着剤と曳糸状の構成は点在する中に反応促進剤としてアセチルグルコサミンが存在する、これを図3の記号32が示している。
【0019】
本発明には抗菌材を接着剤の反応を促進できるとする製造技術である。特許第3464957号にて発明者として述べたように天然性抗菌材キトサンの性能を理解している。従って図3の記号32に示す反応促進剤キトサンがポリウレタン系接着剤と結合互助作用の働きを積層材の制作に活用している。次に示すようにキチン、キトサンはアセチルグルコサミン、グルコサミンという化学組成であるが、その組成は保湿性がよく、積層材の接着に用いる噴霧用ポリウレタン系湿気硬化型の反応を互助する適正がある。接着剤の塗布する直前にアセチルグルコサミンの希釈溶液を塗布する方式、或るいは、寝装材の構成する材料の中間に用いる合繊綿の一部はアセチルグルコサミンを付着せせることが出来る。通常一般には天然性の抗菌材が混入した合成繊維原料を購入する場合の価格が高く、製品に活用する為では製品活用使用繊維の1%以下で充分効果が発揮できる、しかし相当なコストが上昇し、企業の製品化意欲を阻害している。
【0020】
本発明の抗菌性の重要度については病人の長期使用目的から考慮し凹凸波状の織布に用いる繊維素材は抗菌性の繊維を使用し、吸湿性に大きい繊維は使わない、凹凸波状布の形成安定を保つために、収縮した弾性糸には第2次元の弾力性を与えている。宮林徹著(床ずれは防げる治せる)に記載してある、床ずれ防止手段と寝具の関係は下半身麻酔の病人がベッド、寝布団の上で睡眠する姿勢が非常に重要なファクターを占めているが、栄養状態が良い患者であれば床ずれは出来にくいのである。しかし床ずれは体の重みを長時間受けて圧迫されたり、繰り返しこすられした皮膚が病変したもの、健康な人は一晩に20〜30回体の向きを、無意識のうちに変える。寝具の表面に接している人体の皮膚の内側の毛細血管は20〜30mmHg程度の血流がある。これに体重の約半分60kgの人なら30kgの圧力が50cmx50cm=2500cm平方に掛る。この場合に身体と接する多重織凹凸波形布10cm四角のなかに大小2〜8種類の変形した数種類の畝を制作する事を図4に示す。
【0021】
長期間仰臥する病人が出来る限り床ずれを防ぐためには、皮膚から出る汗の吸収と放湿を早くするために接触する表面に凹凸の形状は試料cの表面布で構成し内部は羽毛で構成した寝装用積層材が適している。前記の安眠寝装用積層布を内部に羽毛入り製品を制作するため、内部には羽毛を平方メーターにつき100gr〜600gr挿入する。この場合に使用中に羽毛が外部へ脱出しないようにするため、裏面に接合する高密度織編地を接合するか或いは通気性のあ羽毛の脱出は発生しないフイルムを接合する安眠寝装用積層布である。
【0022】
また本発明に係る凹凸波状の寝装品を敷布の代わりに使う場合には、長期の病人が洩らす尿便を出来るだけ包含し人体の皮膚と接触距離が必要である。この場合には体重に対する圧縮低下の少ない畝を制作しなければならない、病人の失禁尿便を外部に漏れなくするために凹凸波状布の底部面に羽毛と透湿ポリウレタンフィルムを張り合わした物図5、或いはその他の合成樹脂系フイルムを張り付ける。フイルム以外に耐洗濯性、抗菌性の合成繊維で制作した編織布の防水加工をした布帛を貼り合わせる。
【0023】
本発明の寝心地良い製品の製造手段としては一般的に、エヤーマット、ウレタンフォームの上に直接寝ることはマイナス効果があると言われているので、これは身体が反発弾性のある物体の表面に接した場合に発生する身体側の神経と筋肉のストレスが派生するからである。若年層で一部ウレタンフオームの弾力性を希望する人のために凹凸波形積層布の裏面にクッション材を接合した。これは厚さはあるが軽く運搬できて、汚れに対する水洗効果を考慮して連泡式のウレタンフォーム片面に請求項8に記載の遠赤外線を発生する微粉末を混入して接着する、または耐寒避難用として凹凸波形布の裏面に軽金属の微粉末を
塗布したフイルムを前記の塗布方式にて接合した。この着用理由はフイルム単独で使用すると睡眠感覚を阻害する音が発生する、この音を吸音する、はたは体内から発生する水分も凹凸波状布帛が吸収する。
【0024】
本発明の重要項目として長期間病人が寝る場合接触する凹凸布帛に空気流通性と吸湿性をよくする目的からc、d、e、f、の素材の組み合わせの一例として凹凸の波形を2mm〜5mmと小さく1cmx1cmの中に10個以上の畝を制作する。この凹凸波形織布の裏面に平方メーター50gr以下の合成繊維綿層を接合すると接圧1時間後30分経過すると23%にまで回復する。その積層材の裏面に羽毛の付着した連続発砲式フォームを接合する。この寝具はベッドの必要なく、布団も必要とせず、使うと身体効果が優れている点である。軽く、折り畳んで収納する事が出来るよう300g/平方メーター以下の重量に製造している。
【0025】
従って本発明が実際に抗菌材の混入溶液を調合し活用したデーターを以下に説明する
【0026】
抗菌結果は日本紡績検査協会にて肺炎菌による抗菌効果試験シエークフラスコ法により結果を求めた平成9年10月13日の結果は滅菌率99.9%であった。洗濯20回後の抗菌率81.1%である、このような処方条件で処理した糸を製品の凹凸面に10%以下混入して活用する場合非材料の0.1%の塗布で結果が良好であったと試験結果が出た。その時の試験方法を今回活用している。
【0027】
性抗菌材アセチルグルコサミンの溶液の処方と活用方法を示す。製品の製造工程に投入する場合によって、紡績糸に含ませる、綿層の一部に混入する、布帛或いはシートの接着時に用いるなどの方法があるが、アセチルグルコサミンを溶液にして準備する必要がある。
【0028】
A)浸漬する方法は溶液を制作する。予め繊維または糸を浸透剤0.1%溶50度cで浸漬処理を1時間行った後100%に脱水し100度c以下で乾燥する。抗菌材溶液の調合はキチン(N−アセチルグルコサミン)又はキトサン(グルコサミン)1%、乳酸0.5%の軟水溶液、PH3.5に酢酸で調整し5時間放置した溶液70%とグリオキザール樹脂(住友化学NS−19)2%、反応促進剤(住友化 学X−110)1%を混合した溶液30%をゆっくり攪拌機を使用しないで5〜10分混合する。浸透剤溶液ははアルキル酸ベンゼンスルフォンサミン(松本油脂製マーポマーゼ)0.1%50〜60度Cで1時間浸漬し100%脱水した後乾燥温度100度c以下で充分処理をする。
この事前に処理した繊維または糸を目的の抗菌材溶液に漬ける、その場合の溶液の温度は50〜80度cで20〜30分経過して後、浸漬材質量の100%に脱水、その後100度cの蒸気室に入れ3分処理をする、その後50度cを充分乾燥する。
【0029】
B)布帛或いはシートを接着する時に、ポリウレタン系湿気硬化型接着剤を霧状と曳糸状に塗布する直前に素材の表面に、前記の抗菌材混入溶液を平方メーター10〜30cc微細状の噴霧をして置く方法である
【0030】
本発明の中心的な技術は、一般貼り合わせ加工に必要な業界が使っている生産機械と大きく異なり、接着剤を合理的に出来る限り少なく塗布し、経済的にも必要以外の無駄なエネルギーを使わない事を1998年のコンバーテック誌
にて説明している。つまり接着剤を分散する事で少量で柔らかい編織物が接着できる、又は通気性を要求する材質を接着する場合にもこの分散接着方式が必要になる。非塗布剤の表面に反応を促進するために反応剤を塗布しておく方法が本発明に使っている。前記の抗菌材アセチルグルコサミンを水溶性に溶解し塗布するためのスプレーガンを用いて微細分散塗布を非接着物の質量の1%程度実行する、そして目的の湿気酸素反応型ポリウレタン接着剤を噴霧塗布する。
図3(a)に説明するよう反応型接着になり、図3(a)の中の表示番号32は反応促進を作動している抗菌材を示す。
【産業上の利用可能性】
【0031】
本発明は従来から製造している寝装具の生産者が抱える問題である使用材料の残量を少なくし、コストを安く、製品は複雑な流通業界を流れることをなくし、生産者と販売者が直結することにより、高齢社会の消費者が取り扱い易い安眠寝装積層品を生産する者たちの助けになる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】接着剤が塗布した後均一分散に広がり非接着材料の機能性を生かす塗布面拡大10倍図
【図2】接着剤の塗布装置
【図3】(a) 積層材接着硬化後の抗菌材内在図 (b) 積層材接着完了断面図
【図4】凹凸波形布上下中央に羽毛内在図
【図5】長期病臥用寝装品断面図
【図6】安眠寝装用積層品断面図
【符号の説明】
【0033】
1 接着剤混合溶液塗布用スプレーガン
2 接着剤を通過させる合成樹脂ホース
3 作動用コントロールスイッチ盤
4 接着剤貯蔵供給用加圧タンク
5 スプレーガン用移動ガイド
6 圧縮空気取り入れユニット
7 排気口フィルター
8 排出空気用フアン
31 接着剤
32 抗菌材
A 接着積層材
B 接着積層材
Y−Y 断面線
41 大小凹凸波形布
42 接着剤
43 羽毛
44 凹凸波形布
45 防水布
51 凹凸波形布
52 羽毛
53 接着剤
54 凹凸波形布
61 凹凸波形布
62 羽毛
63 接着剤
64 連続発泡シート
65 防水布

【特許請求の範囲】
【請求項1】
経糸と緯糸より構成された多重織物状組織の中へ熱収縮性弾性糸を目的の凹凸波状に形成するため挿入する織物工程とテンションを掛けずに振動を与えながら熱処理する工程が施され、前記弾性糸の熱収縮により多重織物生地は収縮され、該生地が凹凸波状のうねり部を形成し、弾性糸の収縮力によって非収縮織部は収縮する弾性糸の働きの違いにより凹凸波形状に均一な形状が派生しない様に設計し、製作した伸縮性のある安眠寝装用積層品の製造方法。
【請求項2】
前記の織工程で挿入する熱収縮弾性糸はポリウレタン弾性糸、ポリウレタン弾性糸と紡績糸を撚糸した糸、熱収縮性合成繊維糸と自己消火性繊維あるは熱融着性合成繊維糸を合撚した糸、などを加熱工程で前記の織布が大きく波の状態と小さなうねる状態を組み合わせて制作する目的にしたがい挿入する糸用いる請求項1に記載の寝装用積層品の製造方法。
【請求項3】
前記の凹凸波状布帛の中を空気が流れやすく、外圧によるに波形が安定を保つ目的から合成繊維綿層または布団用の綿層を凹凸波状布帛の凸底部面に圧着方式を使わないで接合する方式は、無数の点接着方式により空中湿気酸素反応型ウレタン系接着剤を霧状と曳糸状同時発生しながら塗布する請求項1または2記載の寝装用積層品の製造方法。
【請求項4】
前記の多重織凹凸波状布帛の裏面に熱融着性樹脂を貼付した防水性合成樹脂系フイルム又は水蒸気透過率の良い防水加工した合成繊維糸編織布を用い防水効果増強のため貼り合わせる請求項1〜3のいずれか1項記載の安眠寝装用積層品の製造方法。
【請求項5】
前記の凹凸波状の布帛は寝る人の放熱を吸収し、該凹凸波状布の中を空気が流易くするために凹凸状に使う繊維素材に抗菌性混入の合成繊維マイクロファイバー糸を用いる、或いは強靭な天然繊維糸を用いる、裏面を接合する際天然系の抗菌剤を塗布し、この抗菌材と反応するポリウレタン系接着剤を霧状と曳糸状に塗布しながらシート又は編み織物を接着する請求項1〜4のいずれか1項の記載の安眠寝装用積層品の製造方法。
【請求項6】
寝装用の睡眠者の体重に反発を与えるため前記凹凸波状布帛の波状の大きさを5mm〜100mmの高さに形成し、その布帛の内部に羽毛を蓄え、そしてその羽毛が脱毛しない透湿性防水布を前記の接着方式で接着した後、羽毛の挿入と同時に連続発砲式合成樹脂クッションシート厚さ20mm〜100mmのもの、或いは多角形状の発泡材を挿入する際、天然系の抗菌材を塗布しながら挿入する安眠寝装用積層品の製造方法。

【請求項7】
長期間仰臥する病人が出来る限り床ずれを防ぐためには、皮膚から出る汗の吸収と放湿を早くするため、寝具と身体と接する表面に吸湿性吸湿性の高い材質を凹凸に用いる、そして空気の流れを良くするため反発クッシン性の良い合成樹脂発泡材発泡倍率20倍以上のシート厚さ5mm〜50mmを接合する安眠寝装用積層品の製造方法。
【請求項8】
寝装用積層品の使用用途の目的から横臥する人体の遠赤外線熱を有効に発生活用するために凹凸波形状布帛と積層材とを接着する塗布液の中にセラミックス、軽金属、磁性金属、等の微粉末を混入して安眠寝装用積層品を製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−121246(P2010−121246A)
【公開日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−297045(P2008−297045)
【出願日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【出願人】(593001749)
【Fターム(参考)】