定着ローラおよび定着装置
【課題】 長時間の使用に対しての破損を防止して、寿命を長くできる定着ローラを提供すること。
【解決手段】 この定着ローラ1は、内側から外側に順に配置された支持層11、スポンジ層12、電磁誘導発熱層13、弾性層14および離型層15を備える。このスポンジ層12は、マイクロセルラー発泡体であるので、上記スポンジ層12の内部のセルの構造が強くなって、劣化に対しての上記スポンジ層12の径変動を少なくすることができる。
【解決手段】 この定着ローラ1は、内側から外側に順に配置された支持層11、スポンジ層12、電磁誘導発熱層13、弾性層14および離型層15を備える。このスポンジ層12は、マイクロセルラー発泡体であるので、上記スポンジ層12の内部のセルの構造が強くなって、劣化に対しての上記スポンジ層12の径変動を少なくすることができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば、複写機、レーザプリンタ、ファクシミリ等の電子写真式画像形成装置に用いられる定着ローラおよび定着装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、定着装置においては、省エネを目指して、高い熱変換効率が得られる誘導加熱方式の熱源を採用することが考えられている。特に、コイルによって発生する磁束を、フェライトコアなどのコア材で、定着装置の定着ローラの導電発熱層に導くような構成のものが、コンパクトさや効率の高さで着目されている。
【0003】
この従来の電磁誘導加熱方式の定着装置は、定着ローラと、この定着ローラと接触してニップを形成する加圧ローラと、この定着ローラの外側に配置されて磁束を発生する磁束発生手段とを備えている。上記定着ローラは、内側から外側に順に配置された支持層、(シリコンゴムの)スポンジ層、電磁誘導発熱層、弾性層および離型層を備える。
【0004】
そして、上記磁束発生手段の磁束によって、上記定着ローラの電磁誘導発熱層を発熱させて、上記ニップで未定着像を担持した記録材を挟持しつつ搬送してこの未定着像をこの記録材に溶融定着させている(特開2000−214713号公報:特許文献1参照、特開2000−214714号公報:特許文献2参照)。
【0005】
しかしながら、上記従来の定着装置では、上記定着ローラを長時間使用した場合、上記定着ローラの上記スポンジ層は、シリコンゴムを用いているので、上記スポンジ層の径は、縮小していく一方、上記定着ローラの上記電磁誘導発熱層は、金属を用いているので、上記電磁誘導発熱層の径は、ほとんど変動しない。このように、上記スポンジ層の径の縮小によって、上記スポンジ層の外径と上記電磁誘導発熱層の内径との差が所定以上になると、上記スポンジ層と上記電磁誘導発熱層との接着剥がれが生じて、上記スポンジ層と上記電磁誘導発熱層との接着部位に応力が集中して、上記スポンジ層が破損する欠点があった。すなわち、上記定着ローラの寿命が短くなって、上記定着装置は耐久性に劣るものになる。
【特許文献1】特開2000−214713号公報
【特許文献2】特開2000−214714号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、この発明の課題は、長時間の使用に対しての破損を防止して、寿命を長くできる定着ローラおよびこの定着ローラを備える定着装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、この発明の定着ローラは、
内側から外側に順に配置された支持層、スポンジ層、電磁誘導発熱層および離型層を備え、
上記スポンジ層は、マイクロセルラー発泡体であることを特徴としている。
【0008】
この発明の定着ローラによれば、上記スポンジ層は、マイクロセルラー発泡体(いわゆるマイクロセルスポンジ)であるので、上記スポンジ層の内部のセルの構造が強くなって、劣化に対しての上記スポンジ層の変形を小さくできて、上記スポンジ層の径変動を少なくすることができる。
【0009】
したがって、上記定着ローラを長時間使用した場合、上記スポンジ層の径の縮小を小さく抑え、上記スポンジ層の外径と上記電磁誘導発熱層の内径との差を小さくして、上記スポンジ層と上記電磁誘導発熱層との接着剥がれを防止し、上記スポンジ層の破損を防止する。すなわち、上記定着ローラの寿命を長くできる。
【0010】
また、一実施形態の定着ローラでは、上記スポンジ層は、連泡発泡体である。
【0011】
この一実施形態の定着ローラによれば、上記スポンジ層は、連泡発泡体であるので、上記スポンジ層のセルの内部のガスが、熱や圧力によって膨張しても、上記スポンジ層の外部へ自由に放出することができて、上記スポンジ層のセル構造の破損をなくすことができる。
【0012】
また、一実施形態の定着ローラでは、上記スポンジ層の平均セル径は、120μm以下である。
【0013】
ここで、この明細書では、平均セル径とは、全てのセルの径を真円に相当する径に換算し、この換算した径の全てを平均した値をいい、例えば、楕円形のセルの場合、この楕円形の長径と短径との平均を、セル径とする。
【0014】
この一実施形態の定着ローラによれば、上記スポンジ層の平均セル径は、120μm以下であるので、時間の経過や温度の変化に対する上記スポンジ層の径の変化を小さくして、上記スポンジ層と上記電磁誘導発熱層との接着剥がれを確実に防止でき、ライフサイクルの長い定着ローラを実現できる。すなわち、上記スポンジ層の平均セル径が、120μmよりも大きくなると、時間の経過や温度の変化に対する上記スポンジ層の径の変化が大きくなって、上記スポンジ層の外径と上記電磁誘導発熱層の内径との差が大きくなって、上記スポンジ層と上記電磁誘導発熱層との接着剥がれが生じるおそれがある。
【0015】
また、この発明の定着装置は、
上記定着ローラと、
この定着ローラとともに記録材を挟持して搬送する加圧ローラと、
上記定着ローラの外側に配置されると共に磁束を発生して上記定着ローラを発熱させる磁束発生手段と
を備えることを特徴としている。
【0016】
この発明の定着装置によれば、上記定着ローラを備えるので、ライフサイクルの長い上記定着ローラにより、上記定着装置の耐久性が向上する。
【発明の効果】
【0017】
この発明の定着ローラによれば、マイクロセルラー発泡体であるスポンジ層を備えるので、長時間の使用に対しての破損を防止して、寿命を長くできる。
【0018】
また、この発明の定着装置によれば、上記定着ローラを備えるので、寿命の長い上記定着ローラにより、上記定着装置の耐久性が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、この発明を図示の実施の形態により詳細に説明する。
【0020】
図1は、この発明の定着装置の一実施形態である断面構成図を示している。図1に示すように、この定着装置は、誘導加熱型であり、電磁誘導発熱式の定着ローラ1と、この定着ローラ1と接触してニップNを形成する加圧ローラ2と、この定着ローラ1の外側に配置されて磁束を発生する磁束発生手段3とを備えている。
【0021】
そして、この磁束発生手段3の磁束によって上記定着ローラ1を発熱させてから、未定着像tを担持した記録材Pを上記定着ローラ1と上記加圧ローラ2との間を通過させ、上記ニップNによって上記記録材Pを挟持搬送しながら上記未定着像tをこの記録材Pに溶融定着(加熱定着)させる。
【0022】
なお、この定着装置は、上記記録材Pに上記未定着像tを形成する(図示しない)作像手段と共に、複写機、レーザプリンタまたはファクシミリ等の画像形成装置を構成する。
【0023】
上記記録材Pとは、例えば、用紙、OHPシート等のシートであり、上記未定着像tは、例えば、樹脂や、磁性材や、着色料等からなる加熱溶融性のトナーである。
【0024】
上記定着ローラ1と上記加圧ローラ2とは、平行に対向して配置され、それぞれの両端側が、図示しない軸受部材に回転自在に支持されている。上記加圧ローラ2は、図示しないバネ等の加圧機構によって、上記定着ローラ1の軸側に付勢され、上記定着ローラ1の外面に所定圧力で圧接されて、上記ニップNを形成する。
【0025】
上記定着ローラ1は、図示しないモータ等の駆動手段によって、矢印にて示す反時計廻り方向に、所定の周速度で回転駆動される。上記加圧ローラ2は、上記ニップNでの上記定着ローラ1との圧接摩擦力によって、上記定着ローラ1の回転に従動して回転する。
【0026】
上記定着ローラ1は、径方向の内側から外側に順に配置された支持層11、スポンジ層12、電磁誘導発熱層13、弾性層14および離型層15を有する。上記定着ローラ1の硬度は、例えば、アスカーC硬度で30〜90度である。なお、この実施形態では、上記定着ローラ1は、カラー画像に対応するための上記弾性層14を有するが、上記定着ローラ1は、少なくとも上記支持層11、上記スポンジ層12、上記電磁誘導発熱層13および上記離型層15を有していればよい。
【0027】
上記支持層11は、例えば、外径が40mmで厚さが3mmのアルミ製の芯金シリンダを用いる。なお、上記支持層11としては、材質の強度が確保できれば、例えば、鉄、PPS(ポリフェニレンサルファイド)のような耐熱性のモールドのパイプを使用することも可能であるが、芯金が発熱するのを防ぐために、電磁誘導加熱の影響が少ない非磁性材料を用いるのが望ましい。
【0028】
上記スポンジ層12は、上記電磁誘導発熱層13で発生した熱を断熱保持するためのものであり、耐熱性および弾性を有するゴム材や樹脂材のスポンジ体(断熱構造体)が用いられる。このように、上記スポンジ層12に、耐熱性および弾性を有するゴム材や樹脂材のスポンジ体(断熱構造体)を用いることにより、上記電磁誘導発熱層13を確実に断熱保持するとともに、上記電磁誘導発熱層13のたわみを許容して上記ニップNの幅寸法を増やし、さらに、上記定着ローラ1のローラ硬度を上記加圧ローラ2よりも小さくして、排紙性および記録材分離性能を向上することができる。例えば、上記スポンジ層12に、シリコンスポンジ材を用いる場合、厚さが2〜10mm、望ましくは3〜7mmであって、硬度がアスカーゴム硬度計で20〜60度、望ましくは30〜50度に設定される。
【0029】
上記電磁誘導発熱層13は、例えば、厚さが10〜100μm、望ましくは20〜50μmの無端状のニッケル電鋳ベルト層である。なお、上記電磁誘導発熱層13の他の材料として、例えば、磁性ステンレスのような磁性材料(磁性金属)といった、比較的透磁率μが高く、適当な抵抗率ρを有するものを用いてもよい。また、非磁性材料でも、金属などの導電性のある材料は、例えば、材料を薄膜にすることにより使用できる。また、上記電磁誘導発熱層13は、樹脂に発熱粒子を分散させたものを用いてもよく、上記電磁誘導発熱層13に、樹脂ベースのものを用いることによって、上記記録材Pの分離性を一層よくすることができる。上記電磁誘導発熱層13は、上記スポンジ層12に接着されている。
【0030】
そして、上記電磁誘導発熱層13では、上記磁束発生手段3の磁束によって、渦電流が発生してジュール熱により発熱し、この発熱により上記定着ローラ1が加熱される。この加熱を、電磁誘導加熱という。
【0031】
上記弾性層14は、耐熱性および弾性を有するゴム材や樹脂材からなり、上記記録材Pと上記定着ローラ1の表面との密着性を高める。上記弾性層14としては、例えば、定着温度での使用に耐えられるシリコンゴムやフッ素ゴム等の耐熱性エラストマーを用いる。上記弾性層14には、熱伝導性や補強等を目的として各種充填剤を混入してもよく、この熱伝導性粒子としては、ダイヤモンド、銀、銅、アルミニウム、大理石、ガラス等あり、実用的には、シリカ、アルミナ、酸化マグネシウム、窒化ホウ素、酸化ベリリウム等がある。
【0032】
上記弾性層14の厚みは、例えば、10〜800μmが好ましく、100〜300μmがより好ましい。上記弾性層14の厚みが10μm未満であると、厚み方向の弾力性を得ることが難しくなる一方、上記弾性層14の厚みが800μmを超えると、上記電磁誘導発熱層13で発生した熱が、上記定着ローラ1の外周面に達し難くなり、熱効率が悪化する傾向がある。
【0033】
上記弾性層14の硬度は、JIS硬度で1〜80度が好ましく、5〜30度がより好ましく、上記弾性層14における強度の低下および密着性の不良を防止しつつ、未定着像(トナー)tの定着性の不良を防止できる。この場合、上記弾性層14は、シリコンゴムからなることが好ましく、このシリコンゴムとしては、具体的に述べると、1成分系、2成分系又は3成分系以上のシリコンゴム、LTV型、RTV型又はHTV型のシリコンゴム、縮合型又は付加型のシリコンゴム等を使用できる。なお、この実施形態において、上記弾性層14は、JIS硬度10度、厚さ200μmのシリコンゴムである。
【0034】
上記離型層15は、上記定着ローラ1の表面の離型性を高めるものであり、定着温度での使用に耐えられる上にトナー離型性を有する。上記離型層15としては、例えば、シリコンゴム、フッ素ゴムや、PFA、PTFE、FEP、PFEP等のフッ素樹脂が用いられる。上記離型層15の厚さは、5〜100μmが好ましく、10〜50μmがより好ましい。また、層間接着力を向上させるために、プライマ等による接着処理を行ってもよい。なお、上記離型層15の中に必要に応じて、導電材、耐摩耗材、良熱伝導材をフィラーとして添加してもよい。
【0035】
上記磁束発生手段3は、励磁コイル31と磁性体コア32とを備え、上記定着ローラ1の外側で、上記定着ローラ1に対向させて、上記定着ローラ1の長手方向に沿わせて配置している。
【0036】
上記磁性体コア32は、横断面が下方開口のコップ状(台形)に形成されたコイルボビン33と、このコイルボビン33を所定の隙間を介して覆うカバー部材34とを備える。上記磁性体コア32は、上記定着ローラ1の軸方向の寸法に略対応した長さ寸法を有する長尺部材であり、上記コイルボビン33の内部にて、上記定着ローラ1の横断面略半分を覆う。
【0037】
上記磁性体コア32は、中央部に上記定着ローラ1側に突出した突出部32aを有しており、上記定着ローラ1の発熱効率を高めている。上記磁性体コア32としては、高透磁率かつ低損失のものを用い、例えば、パーマロイのような合金を用いた場合、上記磁性体コア32の内部の渦電流損失が高周波で大きくなるため、積層構造にしてもよい。
【0038】
上記磁性体コア32は、磁気回路の効率の向上と磁気遮蔽のために用いられる。上記励磁コイル31と上記磁性体コア32の磁気回路部分は、磁気遮蔽が十分にできる手段がある場合、上記突出部32aを省いてもよい。また、樹脂材に磁性粉を分散させたものを用いた場合、透磁率は比較的低いが、形状を自由に設定することができる。
【0039】
上記励磁コイル31は、上記コイルボビン33と上記カバー部材34との間の隙間に存在し、長尺の上記コイルボビン33に沿って長手方向に渡って導線を巻いたような構造であり、横断面が台形形状となる。
【0040】
この励磁コイル31には、高周波コンバータ4が接続されて、100〜2000[W]の高周波電力が供給される。このため、上記励磁コイル31としては、細い線を数十から数百本を束ねてリッツ線にしたものを用いており、巻き線に伝熱した場合を考慮して、耐熱性の樹脂で被覆したものを用いる。
【0041】
そして、上記励磁コイル31には、上記高周波コンバータ4により、10〜100[kHz]の交流電流が印加される。この交流電流によって誘導された磁束は、上記磁性体コア32の内部を外部に漏れることなく通り、上記磁性体コア32の上記突出部32aで初めて上記磁性体コア32の外部に漏れて、上記定着ローラ1の上記電磁誘導発熱層13を貫き、上記電磁誘導発熱層13に渦電流が流れて、上記電磁誘導発熱層13自体がジュール発熱する。上記電磁誘導発熱層13の発熱で上記定着ローラ1が加熱状態となる。
【0042】
上記定着ローラ1の表面に当接するように、温度センサ6が配置される。この温度センサ6は、例えば、サーミスタであり、上記定着ローラ1の表面温度を検出する。
【0043】
上記温度センサ6には制御回路5が接続され、この制御回路5は、上記温度センサ6から入力される上記定着ローラ1の表面温度検出信号に基づいて、上記定着ローラ1の加熱と温調を制御する。具体的に述べると、上記制御回路5は、上記温度センサ6からの信号に基づいて、上記高周波コンバータ4を制御し、上記高周波コンバータ4にて上記励磁コイル31への電力供給を増減させることで、上記定着ローラ1の表面温度が所定の一定温度になるように自動制御する。
【0044】
上記加圧ローラ2は、径方向の内側から外側に順に配置された支持層21、スポンジ層22および離型層23を有する。上記支持層21は、例えば、外径20mmで厚さ3mmのアルミ製芯金である。上記スポンジ層22は、例えば、シリコンゴムを発泡させた3〜10mmのシリコンスポンジゴムである。上記離型層23は、例えば、厚さ10〜50μmのPTFEやPFA等のフッ素系樹脂である。
【0045】
上記支持層21の材質は、強度が確保できれば、例えば、鉄、PPS(ポリフェニレンサルファイド)のような耐熱性のモールドのパイプを使用することも可能であるが、芯金が発熱するのを防ぐために、電磁誘導加熱の影響が少ない非磁性材料を用いるのが望ましい。
【0046】
上記加圧ローラ2は、上記定着ローラ1に対して、300〜500Nの荷重で加圧されており、この場合、上記ニップNの幅寸法(上記記録材Pの搬送方向の寸法)は、約5〜15mmになる。もちろん、上記荷重を変化させて、上記ニップNの幅寸法を変えてもよい。
【0047】
上記加圧ローラ2のスポンジ層22の熱伝導度は、0.15W/m・K以下であることが好ましい。熱伝導度をこのような範囲にすることにより、上記定着ローラ1の熱が、上記加圧ローラ2により奪われる熱量を小さく抑えることができる。このため、熱効率を向上させることができて、定着装置のクイックスタートを可能にする。
【0048】
次に、この定着装置の作用を説明する。上記定着ローラ1が回転駆動され、これに伴って、上記加圧ローラ2が従動回転する。また、上記定着ローラ1の上記電磁誘導発熱層13が、上記磁束発生手段3の発生磁束の作用により、電磁誘導発熱すると共に、上記定着ローラ1の表面温度が、所定の一定温度になるように、自動制御される。そして、上記定着ローラ1と上記加圧ローラ2との上記ニップNに、図示しない作像手段から搬送された上記未定着(トナー)像tを形成担持した上記記録材(用紙)Pが導入される。この場合、上記記録材Pにおける上記未定着像tを形成した担持面側が、上記定着ローラ1に対面する。
【0049】
上記ニップNに導入された上記記録材Pは、上記ニップNにて挟持搬送され、上記定着ローラ1で加熱されて、上記未定着像tが上記記録材Pに溶融定着される。
【0050】
上記ニップNを通過した上記記録材Pは、上記定着ローラ1から分離して排出搬送されていく。上記定着ローラ1の表面に当接するように、分離爪8が配置される。この分離爪8は、上記記録材Pが、上記ニップNを通過後に、上記定着ローラ1の表面に張り付いてしまった場合に、この記録材Pを上記定着ローラ1の表面から強制的に分離させて、紙つまりによる故障(ジャム)を防止する。
【0051】
このとき、上記定着ローラ1では、発熱に寄与すると共に渦電流を発生させる上記電磁誘導発熱層13の熱容量は、小さくて、かつ、上記電磁誘導発熱層13は、上記スポンジ層12により断熱保持されているために、上記弾性層14および上記離型層15を迅速に加熱するように作用される。このため、上記定着ローラ1の表面が定着に必要な温度に迅速に到達すると共に、上記記録材Pに熱が奪われても熱の供給が追いつく。
【0052】
また、上記スポンジ層12により断熱保持させた上記電磁誘導発熱層13自体のたわみ性を利用して、上記定着ローラ1と上記加圧ローラ2との上記ニップNの形成に対して、上記弾性層14を200μmと薄くしても、今まで以上の幅寸法のニップNが形成でき、マイクログロスの発生がなく、OHP用紙のような上記定着ローラ1に巻き付きやすい記録材に対しても、十分な分離性能を確保できる。
【0053】
上記定着ローラ1の上記スポンジ層12は、マイクロセルラー発泡体(いわゆるマイクロセルスポンジ)である。このように、上記スポンジ層12の内部のセルの構造が強くなって、劣化に対しての上記スポンジ層12の変形を小さくできて、上記スポンジ層12の径変動を少なくすることができる。
【0054】
したがって、上記定着ローラ1を長時間使用した場合、上記スポンジ層12の径の縮小を小さく抑え、上記スポンジ層12の外径と上記電磁誘導発熱層13の内径との差を小さくして、上記スポンジ層12と上記電磁誘導発熱層13との接着剥がれを防止し、上記スポンジ層12の破損を防止する。すなわち、上記定着ローラ1の寿命を長くできる。
【0055】
要するに、上記定着ローラ1の上記スポンジ層12に、マイクロセルスポンジではなく、シリコンゴムを用いた場合、上記定着ローラを長時間使用すると、上記スポンジ層の径が縮小するおそれがある。このスポンジ層の径の縮小は、ゴムが熱と圧力によって劣化すると共に、上記スポンジ層のセル内部のガスが放出されていくことが原因で生じると考えられる。そして、上記スポンジ層の径が縮小していくのに対して、上記電磁誘導発熱層13は、鉄、ニッケル、ステンレス等の金属で形成されているために、上記電磁誘導発熱層13の径の変動は、ほとんど生じない。この結果として、上記スポンジ層の外径と上記電磁誘導発熱層13の内径とに差が生じ、この差が所定以上になると、上記スポンジ層と上記電磁誘導発熱層13との接着剥がれが生じて、上記スポンジ層と上記電磁誘導発熱層13との部分的な接着部位に応力が集中して、上記スポンジ層は破損するおそれがある。
【0056】
また、上記定着ローラ1の上記スポンジ層12は、連泡発泡体である。このように、上記スポンジ層12のセルの内部のガスが、(上記磁束発生手段3の電磁誘導により上記定着ローラ1に発生する)熱や(上記定着ローラ1と上記加圧ローラ2との間で発生する)圧力によって膨張しても、上記スポンジ層12の外部へ自由に放出することができて、上記スポンジ層12のセル構造の破損をなくすことができる。要するに、上記スポンジ層12に、連泡発泡体ではなく、独立気泡からなるスポンジ層を用いた場合、このスポンジ層の表面層に近い気泡内部の空気が、高温になり体積が増大したときに、このスポンジ層が加圧されると、このスポンジ層は破損するおそれがある。
【0057】
また、上記定着ローラ1の上記スポンジ層12の平均セル径は、120μm以下である。ここで、この平均セル径とは、全てのセルの径を真円に相当する径に換算し、この換算した径の全てを平均した値をいい、例えば、楕円形のセルの場合、この楕円形の長径と短径との平均を、セル径とする。また、このセルの径は、上記スポンジ層12の断面を顕微鏡によって観察して、測定される。
【0058】
このように、時間の経過や温度の変化に対する上記スポンジ層12の径の変化を小さくして、上記スポンジ層12と上記電磁誘導発熱層13との接着剥がれを確実に防止でき、ライフサイクルの長い定着ローラ1を実現できる。すなわち、上記スポンジ層12の平均セル径が、120μmよりも大きくなると、時間の経過や温度の変化に対する上記スポンジ層12の径の変化が大きくなって、上記スポンジ層12の外径と上記電磁誘導発熱層13の内径との差が大きくなって、上記スポンジ層12と上記電磁誘導発熱層13との接着剥がれが生じるおそれがある。
【0059】
また、上記定着ローラ1の上記スポンジ層12には、例えば、シリコンゴムを発泡させたシリコンスポンジが用いられ、このスポンジ層12の見かけ比重は、0.3〜0.7、望ましくは0.4〜0.6、さらに望ましくは、0.5前後であり、熱伝導率、熱容量、機械的強度などのバランスがよい。なお、シリコンゴム自体の真比重は、ほぼ1であるので、上記スポンジ層12の見かけ比重が0.5である場合は、上記スポンジ層12の体積の半分をセルが占めることになる。すなわち、上記スポンジ層12の見かけ比重が0.7以上の場合は、熱伝導率や熱容量が大きくなり、上記スポンジ層12の見かけ比重が0.3以下の場合は、機械的強度(耐久性能)が不足するので好ましくない。
【0060】
なお、上記定着ローラ1の上記スポンジ層12としては、シリコンスポンジ以外に、フッ素ゴムスポンジを用いてもよく、その他、上記定着ローラ1の加熱に耐え得るスポンジ材料であれば、使用するトナー材料の溶融特性によって、より耐熱性の低い材料の使用も可能である。
【0061】
次に、上記定着ローラ1の上記スポンジ層12の平均セル径を様々に変えて、上記定着ローラの耐久性を評価する実験を行い、以下の[表1]の結果を得た。具体的に述べると、上記定着ローラを加圧状態および加熱状態として、上記定着ローラの連続回転を行って、上記定着ローラの状態を2時間毎に確認した。
定着条件:
定着ローラおよび加圧ローラの径:φ40
定着速度:200mm/sec(40枚/分)
定着温度:180℃(定着ローラ)
加圧ローラによる定着ローラへの加圧力:400N
定着ローラのスポンジ層の厚さ:5mm
環境:室温
[表1]
◎:130時間経過後に異常なし
○:70時間経過後に異常なし、130時間経過までに異常発生
△:35時間経過後に異常なし、70時間経過までに異常発生
×:35時間経過までに異常発生
【0062】
この実験に生じた主な異常は、端部の接着剥がれによるスポンジ層の破損であった。端部の接着剥がれ領域が拡大していくと、接着部への応力が集中して、スポンジ層が引っ張られて破損するといった現象であった。
【0063】
[表1]からわかるように、定着ローラのスポンジ層の平均セル径は、50〜150μmが好適な範囲で、さらに望ましくはセル径60〜120μm、さらに望ましくは100〜120μmの範囲が良い。すなわち、平均セル径が小さすぎると、ニップの幅寸法が狭くなって、高速対応性や高画質化といったスポンジローラのメリットが低下するだけでなく、定着ローラが変形しにくくなるために、電磁誘導発熱層に対する追随性が低下して、接着剥がれが生じやすくなる。逆に、平均セル径が大きくなると、ニップの幅寸法も大きくなって、スポンジローラのメリットは増すが、時間の経過や温度の変化に対するスポンジ層の径の変化が大きくなって、スポンジ層の外径と電磁誘導発熱層の内径との差が大きくなって、電磁誘導発熱層の変形や接着剥がれを生じるおそれがある。
【0064】
上記構成の定着装置によれば、上記定着ローラ1を備えるので、ライフサイクルの長い上記定着ローラ1により、上記定着装置の耐久性が向上する。
【0065】
なお、この発明は上述の実施形態に限定されない。例えば、上記定着ローラ1は、支持層11、スポンジ層12、電磁誘導発熱層13、弾性層14および離型層15を備えるが、これらの他に、他の層を備えてよいのはもちろんである。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明の定着装置の一実施形態を示す断面構成図である。
【符号の説明】
【0067】
1 定着ローラ
11 支持層
12 スポンジ層
13 電磁誘導発熱層
14 弾性層
15 離型層
2 加圧ローラ
21 支持層
22 スポンジ層
23 離型層
3 磁束発生手段
P 記録材
t 未定着像
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば、複写機、レーザプリンタ、ファクシミリ等の電子写真式画像形成装置に用いられる定着ローラおよび定着装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、定着装置においては、省エネを目指して、高い熱変換効率が得られる誘導加熱方式の熱源を採用することが考えられている。特に、コイルによって発生する磁束を、フェライトコアなどのコア材で、定着装置の定着ローラの導電発熱層に導くような構成のものが、コンパクトさや効率の高さで着目されている。
【0003】
この従来の電磁誘導加熱方式の定着装置は、定着ローラと、この定着ローラと接触してニップを形成する加圧ローラと、この定着ローラの外側に配置されて磁束を発生する磁束発生手段とを備えている。上記定着ローラは、内側から外側に順に配置された支持層、(シリコンゴムの)スポンジ層、電磁誘導発熱層、弾性層および離型層を備える。
【0004】
そして、上記磁束発生手段の磁束によって、上記定着ローラの電磁誘導発熱層を発熱させて、上記ニップで未定着像を担持した記録材を挟持しつつ搬送してこの未定着像をこの記録材に溶融定着させている(特開2000−214713号公報:特許文献1参照、特開2000−214714号公報:特許文献2参照)。
【0005】
しかしながら、上記従来の定着装置では、上記定着ローラを長時間使用した場合、上記定着ローラの上記スポンジ層は、シリコンゴムを用いているので、上記スポンジ層の径は、縮小していく一方、上記定着ローラの上記電磁誘導発熱層は、金属を用いているので、上記電磁誘導発熱層の径は、ほとんど変動しない。このように、上記スポンジ層の径の縮小によって、上記スポンジ層の外径と上記電磁誘導発熱層の内径との差が所定以上になると、上記スポンジ層と上記電磁誘導発熱層との接着剥がれが生じて、上記スポンジ層と上記電磁誘導発熱層との接着部位に応力が集中して、上記スポンジ層が破損する欠点があった。すなわち、上記定着ローラの寿命が短くなって、上記定着装置は耐久性に劣るものになる。
【特許文献1】特開2000−214713号公報
【特許文献2】特開2000−214714号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、この発明の課題は、長時間の使用に対しての破損を防止して、寿命を長くできる定着ローラおよびこの定着ローラを備える定着装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、この発明の定着ローラは、
内側から外側に順に配置された支持層、スポンジ層、電磁誘導発熱層および離型層を備え、
上記スポンジ層は、マイクロセルラー発泡体であることを特徴としている。
【0008】
この発明の定着ローラによれば、上記スポンジ層は、マイクロセルラー発泡体(いわゆるマイクロセルスポンジ)であるので、上記スポンジ層の内部のセルの構造が強くなって、劣化に対しての上記スポンジ層の変形を小さくできて、上記スポンジ層の径変動を少なくすることができる。
【0009】
したがって、上記定着ローラを長時間使用した場合、上記スポンジ層の径の縮小を小さく抑え、上記スポンジ層の外径と上記電磁誘導発熱層の内径との差を小さくして、上記スポンジ層と上記電磁誘導発熱層との接着剥がれを防止し、上記スポンジ層の破損を防止する。すなわち、上記定着ローラの寿命を長くできる。
【0010】
また、一実施形態の定着ローラでは、上記スポンジ層は、連泡発泡体である。
【0011】
この一実施形態の定着ローラによれば、上記スポンジ層は、連泡発泡体であるので、上記スポンジ層のセルの内部のガスが、熱や圧力によって膨張しても、上記スポンジ層の外部へ自由に放出することができて、上記スポンジ層のセル構造の破損をなくすことができる。
【0012】
また、一実施形態の定着ローラでは、上記スポンジ層の平均セル径は、120μm以下である。
【0013】
ここで、この明細書では、平均セル径とは、全てのセルの径を真円に相当する径に換算し、この換算した径の全てを平均した値をいい、例えば、楕円形のセルの場合、この楕円形の長径と短径との平均を、セル径とする。
【0014】
この一実施形態の定着ローラによれば、上記スポンジ層の平均セル径は、120μm以下であるので、時間の経過や温度の変化に対する上記スポンジ層の径の変化を小さくして、上記スポンジ層と上記電磁誘導発熱層との接着剥がれを確実に防止でき、ライフサイクルの長い定着ローラを実現できる。すなわち、上記スポンジ層の平均セル径が、120μmよりも大きくなると、時間の経過や温度の変化に対する上記スポンジ層の径の変化が大きくなって、上記スポンジ層の外径と上記電磁誘導発熱層の内径との差が大きくなって、上記スポンジ層と上記電磁誘導発熱層との接着剥がれが生じるおそれがある。
【0015】
また、この発明の定着装置は、
上記定着ローラと、
この定着ローラとともに記録材を挟持して搬送する加圧ローラと、
上記定着ローラの外側に配置されると共に磁束を発生して上記定着ローラを発熱させる磁束発生手段と
を備えることを特徴としている。
【0016】
この発明の定着装置によれば、上記定着ローラを備えるので、ライフサイクルの長い上記定着ローラにより、上記定着装置の耐久性が向上する。
【発明の効果】
【0017】
この発明の定着ローラによれば、マイクロセルラー発泡体であるスポンジ層を備えるので、長時間の使用に対しての破損を防止して、寿命を長くできる。
【0018】
また、この発明の定着装置によれば、上記定着ローラを備えるので、寿命の長い上記定着ローラにより、上記定着装置の耐久性が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、この発明を図示の実施の形態により詳細に説明する。
【0020】
図1は、この発明の定着装置の一実施形態である断面構成図を示している。図1に示すように、この定着装置は、誘導加熱型であり、電磁誘導発熱式の定着ローラ1と、この定着ローラ1と接触してニップNを形成する加圧ローラ2と、この定着ローラ1の外側に配置されて磁束を発生する磁束発生手段3とを備えている。
【0021】
そして、この磁束発生手段3の磁束によって上記定着ローラ1を発熱させてから、未定着像tを担持した記録材Pを上記定着ローラ1と上記加圧ローラ2との間を通過させ、上記ニップNによって上記記録材Pを挟持搬送しながら上記未定着像tをこの記録材Pに溶融定着(加熱定着)させる。
【0022】
なお、この定着装置は、上記記録材Pに上記未定着像tを形成する(図示しない)作像手段と共に、複写機、レーザプリンタまたはファクシミリ等の画像形成装置を構成する。
【0023】
上記記録材Pとは、例えば、用紙、OHPシート等のシートであり、上記未定着像tは、例えば、樹脂や、磁性材や、着色料等からなる加熱溶融性のトナーである。
【0024】
上記定着ローラ1と上記加圧ローラ2とは、平行に対向して配置され、それぞれの両端側が、図示しない軸受部材に回転自在に支持されている。上記加圧ローラ2は、図示しないバネ等の加圧機構によって、上記定着ローラ1の軸側に付勢され、上記定着ローラ1の外面に所定圧力で圧接されて、上記ニップNを形成する。
【0025】
上記定着ローラ1は、図示しないモータ等の駆動手段によって、矢印にて示す反時計廻り方向に、所定の周速度で回転駆動される。上記加圧ローラ2は、上記ニップNでの上記定着ローラ1との圧接摩擦力によって、上記定着ローラ1の回転に従動して回転する。
【0026】
上記定着ローラ1は、径方向の内側から外側に順に配置された支持層11、スポンジ層12、電磁誘導発熱層13、弾性層14および離型層15を有する。上記定着ローラ1の硬度は、例えば、アスカーC硬度で30〜90度である。なお、この実施形態では、上記定着ローラ1は、カラー画像に対応するための上記弾性層14を有するが、上記定着ローラ1は、少なくとも上記支持層11、上記スポンジ層12、上記電磁誘導発熱層13および上記離型層15を有していればよい。
【0027】
上記支持層11は、例えば、外径が40mmで厚さが3mmのアルミ製の芯金シリンダを用いる。なお、上記支持層11としては、材質の強度が確保できれば、例えば、鉄、PPS(ポリフェニレンサルファイド)のような耐熱性のモールドのパイプを使用することも可能であるが、芯金が発熱するのを防ぐために、電磁誘導加熱の影響が少ない非磁性材料を用いるのが望ましい。
【0028】
上記スポンジ層12は、上記電磁誘導発熱層13で発生した熱を断熱保持するためのものであり、耐熱性および弾性を有するゴム材や樹脂材のスポンジ体(断熱構造体)が用いられる。このように、上記スポンジ層12に、耐熱性および弾性を有するゴム材や樹脂材のスポンジ体(断熱構造体)を用いることにより、上記電磁誘導発熱層13を確実に断熱保持するとともに、上記電磁誘導発熱層13のたわみを許容して上記ニップNの幅寸法を増やし、さらに、上記定着ローラ1のローラ硬度を上記加圧ローラ2よりも小さくして、排紙性および記録材分離性能を向上することができる。例えば、上記スポンジ層12に、シリコンスポンジ材を用いる場合、厚さが2〜10mm、望ましくは3〜7mmであって、硬度がアスカーゴム硬度計で20〜60度、望ましくは30〜50度に設定される。
【0029】
上記電磁誘導発熱層13は、例えば、厚さが10〜100μm、望ましくは20〜50μmの無端状のニッケル電鋳ベルト層である。なお、上記電磁誘導発熱層13の他の材料として、例えば、磁性ステンレスのような磁性材料(磁性金属)といった、比較的透磁率μが高く、適当な抵抗率ρを有するものを用いてもよい。また、非磁性材料でも、金属などの導電性のある材料は、例えば、材料を薄膜にすることにより使用できる。また、上記電磁誘導発熱層13は、樹脂に発熱粒子を分散させたものを用いてもよく、上記電磁誘導発熱層13に、樹脂ベースのものを用いることによって、上記記録材Pの分離性を一層よくすることができる。上記電磁誘導発熱層13は、上記スポンジ層12に接着されている。
【0030】
そして、上記電磁誘導発熱層13では、上記磁束発生手段3の磁束によって、渦電流が発生してジュール熱により発熱し、この発熱により上記定着ローラ1が加熱される。この加熱を、電磁誘導加熱という。
【0031】
上記弾性層14は、耐熱性および弾性を有するゴム材や樹脂材からなり、上記記録材Pと上記定着ローラ1の表面との密着性を高める。上記弾性層14としては、例えば、定着温度での使用に耐えられるシリコンゴムやフッ素ゴム等の耐熱性エラストマーを用いる。上記弾性層14には、熱伝導性や補強等を目的として各種充填剤を混入してもよく、この熱伝導性粒子としては、ダイヤモンド、銀、銅、アルミニウム、大理石、ガラス等あり、実用的には、シリカ、アルミナ、酸化マグネシウム、窒化ホウ素、酸化ベリリウム等がある。
【0032】
上記弾性層14の厚みは、例えば、10〜800μmが好ましく、100〜300μmがより好ましい。上記弾性層14の厚みが10μm未満であると、厚み方向の弾力性を得ることが難しくなる一方、上記弾性層14の厚みが800μmを超えると、上記電磁誘導発熱層13で発生した熱が、上記定着ローラ1の外周面に達し難くなり、熱効率が悪化する傾向がある。
【0033】
上記弾性層14の硬度は、JIS硬度で1〜80度が好ましく、5〜30度がより好ましく、上記弾性層14における強度の低下および密着性の不良を防止しつつ、未定着像(トナー)tの定着性の不良を防止できる。この場合、上記弾性層14は、シリコンゴムからなることが好ましく、このシリコンゴムとしては、具体的に述べると、1成分系、2成分系又は3成分系以上のシリコンゴム、LTV型、RTV型又はHTV型のシリコンゴム、縮合型又は付加型のシリコンゴム等を使用できる。なお、この実施形態において、上記弾性層14は、JIS硬度10度、厚さ200μmのシリコンゴムである。
【0034】
上記離型層15は、上記定着ローラ1の表面の離型性を高めるものであり、定着温度での使用に耐えられる上にトナー離型性を有する。上記離型層15としては、例えば、シリコンゴム、フッ素ゴムや、PFA、PTFE、FEP、PFEP等のフッ素樹脂が用いられる。上記離型層15の厚さは、5〜100μmが好ましく、10〜50μmがより好ましい。また、層間接着力を向上させるために、プライマ等による接着処理を行ってもよい。なお、上記離型層15の中に必要に応じて、導電材、耐摩耗材、良熱伝導材をフィラーとして添加してもよい。
【0035】
上記磁束発生手段3は、励磁コイル31と磁性体コア32とを備え、上記定着ローラ1の外側で、上記定着ローラ1に対向させて、上記定着ローラ1の長手方向に沿わせて配置している。
【0036】
上記磁性体コア32は、横断面が下方開口のコップ状(台形)に形成されたコイルボビン33と、このコイルボビン33を所定の隙間を介して覆うカバー部材34とを備える。上記磁性体コア32は、上記定着ローラ1の軸方向の寸法に略対応した長さ寸法を有する長尺部材であり、上記コイルボビン33の内部にて、上記定着ローラ1の横断面略半分を覆う。
【0037】
上記磁性体コア32は、中央部に上記定着ローラ1側に突出した突出部32aを有しており、上記定着ローラ1の発熱効率を高めている。上記磁性体コア32としては、高透磁率かつ低損失のものを用い、例えば、パーマロイのような合金を用いた場合、上記磁性体コア32の内部の渦電流損失が高周波で大きくなるため、積層構造にしてもよい。
【0038】
上記磁性体コア32は、磁気回路の効率の向上と磁気遮蔽のために用いられる。上記励磁コイル31と上記磁性体コア32の磁気回路部分は、磁気遮蔽が十分にできる手段がある場合、上記突出部32aを省いてもよい。また、樹脂材に磁性粉を分散させたものを用いた場合、透磁率は比較的低いが、形状を自由に設定することができる。
【0039】
上記励磁コイル31は、上記コイルボビン33と上記カバー部材34との間の隙間に存在し、長尺の上記コイルボビン33に沿って長手方向に渡って導線を巻いたような構造であり、横断面が台形形状となる。
【0040】
この励磁コイル31には、高周波コンバータ4が接続されて、100〜2000[W]の高周波電力が供給される。このため、上記励磁コイル31としては、細い線を数十から数百本を束ねてリッツ線にしたものを用いており、巻き線に伝熱した場合を考慮して、耐熱性の樹脂で被覆したものを用いる。
【0041】
そして、上記励磁コイル31には、上記高周波コンバータ4により、10〜100[kHz]の交流電流が印加される。この交流電流によって誘導された磁束は、上記磁性体コア32の内部を外部に漏れることなく通り、上記磁性体コア32の上記突出部32aで初めて上記磁性体コア32の外部に漏れて、上記定着ローラ1の上記電磁誘導発熱層13を貫き、上記電磁誘導発熱層13に渦電流が流れて、上記電磁誘導発熱層13自体がジュール発熱する。上記電磁誘導発熱層13の発熱で上記定着ローラ1が加熱状態となる。
【0042】
上記定着ローラ1の表面に当接するように、温度センサ6が配置される。この温度センサ6は、例えば、サーミスタであり、上記定着ローラ1の表面温度を検出する。
【0043】
上記温度センサ6には制御回路5が接続され、この制御回路5は、上記温度センサ6から入力される上記定着ローラ1の表面温度検出信号に基づいて、上記定着ローラ1の加熱と温調を制御する。具体的に述べると、上記制御回路5は、上記温度センサ6からの信号に基づいて、上記高周波コンバータ4を制御し、上記高周波コンバータ4にて上記励磁コイル31への電力供給を増減させることで、上記定着ローラ1の表面温度が所定の一定温度になるように自動制御する。
【0044】
上記加圧ローラ2は、径方向の内側から外側に順に配置された支持層21、スポンジ層22および離型層23を有する。上記支持層21は、例えば、外径20mmで厚さ3mmのアルミ製芯金である。上記スポンジ層22は、例えば、シリコンゴムを発泡させた3〜10mmのシリコンスポンジゴムである。上記離型層23は、例えば、厚さ10〜50μmのPTFEやPFA等のフッ素系樹脂である。
【0045】
上記支持層21の材質は、強度が確保できれば、例えば、鉄、PPS(ポリフェニレンサルファイド)のような耐熱性のモールドのパイプを使用することも可能であるが、芯金が発熱するのを防ぐために、電磁誘導加熱の影響が少ない非磁性材料を用いるのが望ましい。
【0046】
上記加圧ローラ2は、上記定着ローラ1に対して、300〜500Nの荷重で加圧されており、この場合、上記ニップNの幅寸法(上記記録材Pの搬送方向の寸法)は、約5〜15mmになる。もちろん、上記荷重を変化させて、上記ニップNの幅寸法を変えてもよい。
【0047】
上記加圧ローラ2のスポンジ層22の熱伝導度は、0.15W/m・K以下であることが好ましい。熱伝導度をこのような範囲にすることにより、上記定着ローラ1の熱が、上記加圧ローラ2により奪われる熱量を小さく抑えることができる。このため、熱効率を向上させることができて、定着装置のクイックスタートを可能にする。
【0048】
次に、この定着装置の作用を説明する。上記定着ローラ1が回転駆動され、これに伴って、上記加圧ローラ2が従動回転する。また、上記定着ローラ1の上記電磁誘導発熱層13が、上記磁束発生手段3の発生磁束の作用により、電磁誘導発熱すると共に、上記定着ローラ1の表面温度が、所定の一定温度になるように、自動制御される。そして、上記定着ローラ1と上記加圧ローラ2との上記ニップNに、図示しない作像手段から搬送された上記未定着(トナー)像tを形成担持した上記記録材(用紙)Pが導入される。この場合、上記記録材Pにおける上記未定着像tを形成した担持面側が、上記定着ローラ1に対面する。
【0049】
上記ニップNに導入された上記記録材Pは、上記ニップNにて挟持搬送され、上記定着ローラ1で加熱されて、上記未定着像tが上記記録材Pに溶融定着される。
【0050】
上記ニップNを通過した上記記録材Pは、上記定着ローラ1から分離して排出搬送されていく。上記定着ローラ1の表面に当接するように、分離爪8が配置される。この分離爪8は、上記記録材Pが、上記ニップNを通過後に、上記定着ローラ1の表面に張り付いてしまった場合に、この記録材Pを上記定着ローラ1の表面から強制的に分離させて、紙つまりによる故障(ジャム)を防止する。
【0051】
このとき、上記定着ローラ1では、発熱に寄与すると共に渦電流を発生させる上記電磁誘導発熱層13の熱容量は、小さくて、かつ、上記電磁誘導発熱層13は、上記スポンジ層12により断熱保持されているために、上記弾性層14および上記離型層15を迅速に加熱するように作用される。このため、上記定着ローラ1の表面が定着に必要な温度に迅速に到達すると共に、上記記録材Pに熱が奪われても熱の供給が追いつく。
【0052】
また、上記スポンジ層12により断熱保持させた上記電磁誘導発熱層13自体のたわみ性を利用して、上記定着ローラ1と上記加圧ローラ2との上記ニップNの形成に対して、上記弾性層14を200μmと薄くしても、今まで以上の幅寸法のニップNが形成でき、マイクログロスの発生がなく、OHP用紙のような上記定着ローラ1に巻き付きやすい記録材に対しても、十分な分離性能を確保できる。
【0053】
上記定着ローラ1の上記スポンジ層12は、マイクロセルラー発泡体(いわゆるマイクロセルスポンジ)である。このように、上記スポンジ層12の内部のセルの構造が強くなって、劣化に対しての上記スポンジ層12の変形を小さくできて、上記スポンジ層12の径変動を少なくすることができる。
【0054】
したがって、上記定着ローラ1を長時間使用した場合、上記スポンジ層12の径の縮小を小さく抑え、上記スポンジ層12の外径と上記電磁誘導発熱層13の内径との差を小さくして、上記スポンジ層12と上記電磁誘導発熱層13との接着剥がれを防止し、上記スポンジ層12の破損を防止する。すなわち、上記定着ローラ1の寿命を長くできる。
【0055】
要するに、上記定着ローラ1の上記スポンジ層12に、マイクロセルスポンジではなく、シリコンゴムを用いた場合、上記定着ローラを長時間使用すると、上記スポンジ層の径が縮小するおそれがある。このスポンジ層の径の縮小は、ゴムが熱と圧力によって劣化すると共に、上記スポンジ層のセル内部のガスが放出されていくことが原因で生じると考えられる。そして、上記スポンジ層の径が縮小していくのに対して、上記電磁誘導発熱層13は、鉄、ニッケル、ステンレス等の金属で形成されているために、上記電磁誘導発熱層13の径の変動は、ほとんど生じない。この結果として、上記スポンジ層の外径と上記電磁誘導発熱層13の内径とに差が生じ、この差が所定以上になると、上記スポンジ層と上記電磁誘導発熱層13との接着剥がれが生じて、上記スポンジ層と上記電磁誘導発熱層13との部分的な接着部位に応力が集中して、上記スポンジ層は破損するおそれがある。
【0056】
また、上記定着ローラ1の上記スポンジ層12は、連泡発泡体である。このように、上記スポンジ層12のセルの内部のガスが、(上記磁束発生手段3の電磁誘導により上記定着ローラ1に発生する)熱や(上記定着ローラ1と上記加圧ローラ2との間で発生する)圧力によって膨張しても、上記スポンジ層12の外部へ自由に放出することができて、上記スポンジ層12のセル構造の破損をなくすことができる。要するに、上記スポンジ層12に、連泡発泡体ではなく、独立気泡からなるスポンジ層を用いた場合、このスポンジ層の表面層に近い気泡内部の空気が、高温になり体積が増大したときに、このスポンジ層が加圧されると、このスポンジ層は破損するおそれがある。
【0057】
また、上記定着ローラ1の上記スポンジ層12の平均セル径は、120μm以下である。ここで、この平均セル径とは、全てのセルの径を真円に相当する径に換算し、この換算した径の全てを平均した値をいい、例えば、楕円形のセルの場合、この楕円形の長径と短径との平均を、セル径とする。また、このセルの径は、上記スポンジ層12の断面を顕微鏡によって観察して、測定される。
【0058】
このように、時間の経過や温度の変化に対する上記スポンジ層12の径の変化を小さくして、上記スポンジ層12と上記電磁誘導発熱層13との接着剥がれを確実に防止でき、ライフサイクルの長い定着ローラ1を実現できる。すなわち、上記スポンジ層12の平均セル径が、120μmよりも大きくなると、時間の経過や温度の変化に対する上記スポンジ層12の径の変化が大きくなって、上記スポンジ層12の外径と上記電磁誘導発熱層13の内径との差が大きくなって、上記スポンジ層12と上記電磁誘導発熱層13との接着剥がれが生じるおそれがある。
【0059】
また、上記定着ローラ1の上記スポンジ層12には、例えば、シリコンゴムを発泡させたシリコンスポンジが用いられ、このスポンジ層12の見かけ比重は、0.3〜0.7、望ましくは0.4〜0.6、さらに望ましくは、0.5前後であり、熱伝導率、熱容量、機械的強度などのバランスがよい。なお、シリコンゴム自体の真比重は、ほぼ1であるので、上記スポンジ層12の見かけ比重が0.5である場合は、上記スポンジ層12の体積の半分をセルが占めることになる。すなわち、上記スポンジ層12の見かけ比重が0.7以上の場合は、熱伝導率や熱容量が大きくなり、上記スポンジ層12の見かけ比重が0.3以下の場合は、機械的強度(耐久性能)が不足するので好ましくない。
【0060】
なお、上記定着ローラ1の上記スポンジ層12としては、シリコンスポンジ以外に、フッ素ゴムスポンジを用いてもよく、その他、上記定着ローラ1の加熱に耐え得るスポンジ材料であれば、使用するトナー材料の溶融特性によって、より耐熱性の低い材料の使用も可能である。
【0061】
次に、上記定着ローラ1の上記スポンジ層12の平均セル径を様々に変えて、上記定着ローラの耐久性を評価する実験を行い、以下の[表1]の結果を得た。具体的に述べると、上記定着ローラを加圧状態および加熱状態として、上記定着ローラの連続回転を行って、上記定着ローラの状態を2時間毎に確認した。
定着条件:
定着ローラおよび加圧ローラの径:φ40
定着速度:200mm/sec(40枚/分)
定着温度:180℃(定着ローラ)
加圧ローラによる定着ローラへの加圧力:400N
定着ローラのスポンジ層の厚さ:5mm
環境:室温
[表1]
◎:130時間経過後に異常なし
○:70時間経過後に異常なし、130時間経過までに異常発生
△:35時間経過後に異常なし、70時間経過までに異常発生
×:35時間経過までに異常発生
【0062】
この実験に生じた主な異常は、端部の接着剥がれによるスポンジ層の破損であった。端部の接着剥がれ領域が拡大していくと、接着部への応力が集中して、スポンジ層が引っ張られて破損するといった現象であった。
【0063】
[表1]からわかるように、定着ローラのスポンジ層の平均セル径は、50〜150μmが好適な範囲で、さらに望ましくはセル径60〜120μm、さらに望ましくは100〜120μmの範囲が良い。すなわち、平均セル径が小さすぎると、ニップの幅寸法が狭くなって、高速対応性や高画質化といったスポンジローラのメリットが低下するだけでなく、定着ローラが変形しにくくなるために、電磁誘導発熱層に対する追随性が低下して、接着剥がれが生じやすくなる。逆に、平均セル径が大きくなると、ニップの幅寸法も大きくなって、スポンジローラのメリットは増すが、時間の経過や温度の変化に対するスポンジ層の径の変化が大きくなって、スポンジ層の外径と電磁誘導発熱層の内径との差が大きくなって、電磁誘導発熱層の変形や接着剥がれを生じるおそれがある。
【0064】
上記構成の定着装置によれば、上記定着ローラ1を備えるので、ライフサイクルの長い上記定着ローラ1により、上記定着装置の耐久性が向上する。
【0065】
なお、この発明は上述の実施形態に限定されない。例えば、上記定着ローラ1は、支持層11、スポンジ層12、電磁誘導発熱層13、弾性層14および離型層15を備えるが、これらの他に、他の層を備えてよいのはもちろんである。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明の定着装置の一実施形態を示す断面構成図である。
【符号の説明】
【0067】
1 定着ローラ
11 支持層
12 スポンジ層
13 電磁誘導発熱層
14 弾性層
15 離型層
2 加圧ローラ
21 支持層
22 スポンジ層
23 離型層
3 磁束発生手段
P 記録材
t 未定着像
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内側から外側に順に配置された支持層、スポンジ層、電磁誘導発熱層および離型層を備え、
上記スポンジ層は、マイクロセルラー発泡体であることを特徴とする定着ローラ。
【請求項2】
請求項1に記載の定着ローラにおいて、
上記スポンジ層は、連泡発泡体であることを特徴とする定着ローラ。
【請求項3】
請求項1に記載の定着ローラにおいて、
上記スポンジ層の平均セル径は、120μm以下であることを特徴とする定着ローラ。
【請求項4】
請求項1に記載の定着ローラと、
この定着ローラとともに記録材を挟持して搬送する加圧ローラと、
上記定着ローラの外側に配置されると共に磁束を発生して上記定着ローラを発熱させる磁束発生手段と
を備えることを特徴とする定着装置。
【請求項1】
内側から外側に順に配置された支持層、スポンジ層、電磁誘導発熱層および離型層を備え、
上記スポンジ層は、マイクロセルラー発泡体であることを特徴とする定着ローラ。
【請求項2】
請求項1に記載の定着ローラにおいて、
上記スポンジ層は、連泡発泡体であることを特徴とする定着ローラ。
【請求項3】
請求項1に記載の定着ローラにおいて、
上記スポンジ層の平均セル径は、120μm以下であることを特徴とする定着ローラ。
【請求項4】
請求項1に記載の定着ローラと、
この定着ローラとともに記録材を挟持して搬送する加圧ローラと、
上記定着ローラの外側に配置されると共に磁束を発生して上記定着ローラを発熱させる磁束発生手段と
を備えることを特徴とする定着装置。
【図1】
【公開番号】特開2006−106401(P2006−106401A)
【公開日】平成18年4月20日(2006.4.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−293640(P2004−293640)
【出願日】平成16年10月6日(2004.10.6)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年4月20日(2006.4.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年10月6日(2004.10.6)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】
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