説明

定量吐出装置

【課題】ピストンの往復移動動作とピストンの回転動作との連動性に優れ、定量性に優れた吐出装置を提供する。
【解決手段】シリンダ室40R内に嵌挿されたピストン50を、管軸C40方向の上死点と下死点との間で往復移動することにより、シリンダ40の管壁に形成された吸込口43sからシリンダ室40R内に液体を吸い込むとともに、シリンダ室40R内の液体を管壁に形成された吐出口43bから吐出する定量吐出装置10である。吸込口43sと吐出口43bとは、シリンダ40の周方向に関して互いに異なる位置に形成されているとともに、ピストン50には、シリンダ室40Rに連通する流路52が形成されている。流路52が吸込口43s又は吐出口43bに連通するようにピストン50を前記シリンダ40の管軸C40周りに回転する動作と、管軸C40方向の上死点又は下死点へピストン50を移動する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シリンダ室内のピストンを往復移動することにより、液体を定量吐出する定量吐出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ボタン電池や電解コンデンサ等の製造工程での電解液の定量注入や、薬剤の製造工程での薬液の定量注入等においては、液体を定量吐出可能な定量吐出装置が使用されている。
【0003】
この定量吐出装置110としては、プランジャ式ポンプを基本構成としたものを例示できる。図1Aはこの定量吐出装置110の縦断面図であり、図1Bは、図1A中のB−B断面図である。
【0004】
図1A及び図1Bに示すように、シリンダ140のシリンダ室140R内に嵌挿されたピストン150は、前記シリンダ140の管軸C140方向の上死点と下死点との間で往復移動可能に設けられているとともに、同ピストン150は、前記シリンダ140の管軸C140周りに回転可能に設けられている。また、液体をシリンダ室140Rへ吸い込む吸込口143sと、シリンダ室140R内の液体を吐出する吐出口143bとは、シリンダ140の周方向に関して互いに異なる位置に形成されているとともに、前記ピストン150の外周面には、前記シリンダ室140Rに連通する流路152が形成されている。よって、この定量吐出装置110では、前記流路152が前記吸込口143s又は前記吐出口143bに連通するように前記ピストン150を前記シリンダ140の管軸C140周りに回転する動作と、前記管軸C140方向の前記上死点又は前記下死点へ前記ピストン150を移動する動作とを行うことにより、液体を定量吐出するようになっている(特許文献1及び2を参照)。
【特許文献1】特開平7−227562号
【特許文献2】特開2003−227460号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このような構成の定量吐出装置110においては、往復移動時の上死点及び下死点によって液体の吐出量が決まるため、当該吐出量の定量性の観点からは、これら上死点及び下死点へのピストン150の停止位置精度が重要となる。
また、ピストン150の往復移動動作と回転移動動作とを正確に連動させないと、吐出量の誤差を招くため、これら動作の連動性も重要である。例えば、液体を吸い込み中に回転動作をしてしまうと吸い込み不良になる虞があるし、また、液体の吐出中に回転動作をしてしまうと吐出不良になる虞がある。
ここで、特に後者の連動性に関しては、特許文献1及び2の両者とも、往復移動用のモーター164及び回転用のモーター168を各々独立に制御しているが、このような構成だと、これらモーター164,168同士の同期不良等に起因して、ピストン150の往復移動動作とピストン150の回転動作との間で動作タイミングがずれる虞があって、その場合には、吐出量の誤差を招いてしまう。
【0006】
本発明はかかる従来の課題に鑑みて成されたもので、ピストンの往復移動動作とピストンの回転動作との連動性に優れ、吐出量の精度向上を通じて定量性に優れた定量吐出装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
かかる目的を達成するための主たる発明は、
シリンダのシリンダ室内に嵌挿されたピストンを、前記シリンダの管軸方向の上死点と下死点との間で往復移動することにより、前記シリンダの管壁に形成された吸込口から前記シリンダ室内に液体を吸い込むとともに、前記シリンダ室内の前記液体を前記管壁に形成された吐出口から吐出する定量吐出装置であって、
前記吸込口と前記吐出口とは、前記シリンダの周方向に関して互いに異なる位置に形成されているとともに、前記ピストンには、前記シリンダ室に連通する流路が形成されており、
前記流路が前記吸込口又は前記吐出口に連通するように前記ピストンを前記シリンダの管軸周りに回転する動作と、前記管軸方向の前記上死点又は前記下死点へ前記ピストンを移動する動作とを、一つの入力動作から作り出して前記ピストンに出力するカム機構を備えていることを特徴とする定量吐出装置である。
【0008】
本発明の他の特徴は、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ピストンの往復移動動作とピストンの回転動作との連動性に優れ、吐出量の精度向上を通じて定量性に優れた定量吐出装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
【0011】
シリンダのシリンダ室内に嵌挿されたピストンを、前記シリンダの管軸方向の上死点と下死点との間で往復移動することにより、前記シリンダの管壁に形成された吸込口から前記シリンダ室内に液体を吸い込むとともに、前記シリンダ室内の前記液体を前記管壁に形成された吐出口から吐出する定量吐出装置であって、
前記吸込口と前記吐出口とは、前記シリンダの周方向に関して互いに異なる位置に形成されているとともに、前記ピストンには、前記シリンダ室に連通する流路が形成されており、
前記流路が前記吸込口又は前記吐出口に連通するように前記ピストンを前記シリンダの管軸周りに回転する動作と、前記管軸方向の前記上死点又は前記下死点へ前記ピストンを移動する動作とを、一つの入力動作から作り出して前記ピストンに出力するカム機構を備えていることを特徴とする定量吐出装置。
【0012】
このような定量吐出装置によれば、前記ピストンを前記シリンダの管軸周りに回転する動作と、前記管軸方向の前記上死点又は前記下死点へ前記ピストンを移動する動作とを、上記カム機構が一つの入力動作から作り出す。よって、これら二つの動作の高い連動性を確実に確保できて、その結果、これら動作のタイミングずれに基づく吐出量の誤差の抑制を図れ、吐出量の精度向上を介して定量性に優れたものとなる。
また、カム機構によって、前記管軸方向の前記上死点又は前記下死点へ前記ピストンを移動する動作を作り出すので、前記上死点及び前記下死点への停止位置精度の向上を図れ、その結果として、吐出量の精度向上を図れる。
【0013】
かかる定量吐出装置であって、
前記カム機構が前記一つの入力動作から作り出す動作は、
前記上死点に前記ピストンが位置した状態で、前記流路が前記吸込口に連通するように前記ピストンを前記管軸周りに回転する動作と、
前記流路が前記吸込口に連通した状態で前記管軸方向の前記下死点まで前記ピストンを移動する動作と、
前記下死点に前記ピストンが位置した状態で、前記流路が前記吐出口に連通するように前記ピストンを前記管軸周りに回転する動作と、
前記流路が前記吐出口に連通した状態で前記管軸方向の前記上死点まで前記ピストンを移動する動作と、を有しているのが望ましい。
このような定量吐出装置によれば、シリンダ室内へ液体を吸い込む流路と、シリンダ室内の液体を吐出する流路とを切り換えるための切り換え弁を省略できて、装置構成の簡略化を図れる。
【0014】
かかる定量吐出装置であって、
前記上死点においては、前記ピストンの前記シリンダ室を臨む端面が、該端面と対向する前記シリンダ室の端面に突き当たるのが望ましい。
このような定量吐出装置によれば、前記シリンダ室内の液体を全て出し切ることができるので、吐出量の精度を高めることができる。
【0015】
かかる定量吐出装置であって、
前記シリンダは、前記管軸方向に沿って貫通孔が形成されたシリンダ本体と、前記貫通孔の一対の口部のうちで前記上死点側の口部に挿入されて前記口部を閉塞して前記シリンダ室を区画する蓋部と、を有するのが望ましい。
このような定量吐出装置によれば、シリンダ本体から蓋部を外すことにより、シリンダ室を区画する前記蓋部及び前記貫通孔を洗浄し易くなり、高レベルの衛生性を維持可能となる。
【0016】
かかる定量吐出装置であって、
前記蓋部は、前記貫通孔内を前記管軸方向に移動可能に前記貫通孔に挿入されており、
前記シリンダ室の前記端面の位置を前記管軸方向に移動して前記上死点の位置を変更すべく、前記蓋部を前記管軸方向に移動する移動機構が設けられているのが望ましい。
このような定量吐出装置によれば、前記移動機構によって前記蓋部を管軸方向に移動することにより、前記上死点の位置を変更できるので、前記シリンダ室の容積の変更を通じて液体の吐出量を変更可能となる。
【0017】
かかる定量吐出装置であって、
前記カム機構の入力部に入力された前記入力動作に基づいて、前記カム機構の出力部は、前記管軸周りに回転する動作と、前記管軸方向に一定の移動量で往復移動する動作と、を行い、
前記出力部の往復移動に係る前記移動量は、前記移動機構によって液体の最大吐出量に対応する移動限に移動された前記蓋部に前記ピストンが突き当たる以上の長さを有し、
前記管軸方向に圧縮力が作用した際に前記管軸方向に弾性圧縮変形する弾性部材を介して、前記ピストンと前記出力部とは連結されているのが望ましい。
このような定量吐出装置によれば、前記出力部は、その往復移動動作において前記ピストンが前記蓋部に突き当たった際においても、それ以上にピストンを蓋部に押し込ませるだけの移動量を有しているが、ここで、この余分な移動量は、出力部とピストンとの間に介装された前記弾性部材の弾性圧縮変形によって吸収される。よって、その出力部が前記一定の移動量で往復移動する構成を適用した場合であっても、上記蓋部の移動による液体の吐出量の変更を何等問題なく行うことができる。
【0018】
かかる定量吐出装置であって、
前記貫通孔は、前記吸込口又は前記吐出口の形成位置から前記管軸方向における前記上死点側の前記口部までに亘って同径に形成されているのが望ましい。
このような定量吐出装置によれば、少なくとも前記吸込口又は前記吐出口の形成位置から前記管軸方向における前記上死点側の前記口部までに亘っては、前記貫通孔の内周面は、段差や角部の一切無い平坦面になっているので、分解洗浄時の洗浄性を高めることができて、高レベルの衛生性を維持可能となる。
【0019】
かかる定量吐出装置であって、
前記蓋部において前記貫通孔に挿入される部分の外径は、前記管軸方向の所定範囲に亘って同径且つ最大径に形成されており、
前記貫通孔の内径と前記所定範囲の外径との差は、2〜5ミクロンの範囲であるのが望ましい。
このような定量吐出装置によれば、前記貫通孔の内周面と前記蓋部の外周面との間には上記2〜5ミクロンの隙間が形成されている。そして、この範囲の隙間によれば、空気の通過は許容されるが、液体の通過は規制される。よって、シリンダ室内に図らずも液体と共に混入してしまった気泡のみを、前記隙間から外へと排出することができて、その結果、気泡の存在に起因して、ピストンの上死点及び下死点から一義的に定まる量の液体が吐出され難くなることを有効に防ぐことができて、その結果、吐出量の精度を高めることができる。
【0020】
かかる定量吐出装置であって、
前記ピストンの前記シリンダ室を臨む端面は、前記管軸方向を法線方向とする平坦面に形成されており、
前記ピストンの前記端面に対向する前記シリンダ室の端面は、前記管軸方向を法線方向とする平坦面に形成されているのが望ましい。
このような定量吐出装置によれば、前記ピストンの前記端面及び前記シリンダ室の前記端面の何れも平坦面に形成されているので、上死点においてこれら端面は互いに密着して、前記シリンダ室内の液体を全て出し切ることができる。その結果、吐出量の精度を高めることができる。
【0021】
===第1実施形態===
図2A乃至図3Bは、第1実施形態に係る定量吐出装置10の説明図である。図2Aは、縦断面図であり、図2Bは図2A中のB−B断面図である。また、図3Aは、定量吐出装置10に係るシリンダ40及びピストン50の拡大断面図であり、図3Bは、図3A中のB−B断面図である。なお、以下の説明では、図2A及び図2Bに示すように、互いに直交する三方向を上下方向(鉛直方向)、前後方向(水平方向)、及び左右方向(水平方向)と言う。また、図の錯綜を防ぐべく、一部の部位については破断面のハッチングを図示していない。
【0022】
図2Aに示すように、この定量吐出装置10は、液体を貯留する貯留タンク20と、この貯留タンク20から液体を所定量だけ吸い込むことにより計量するとともに、吸い込んだ量だけ吐出するシリンダ式の計量吐出部30と、を備えている。
【0023】
<<<貯留タンク20>>>
貯留タンク20は、適宜な有底容器であり、その内部は、底部に接続された吸い込み管22を介して計量吐出部30の吸込口43sに連通されている。
【0024】
<<<計量吐出部30>>>
計量吐出部30は、シリンダ40と、シリンダ40のシリンダ室40R内に管軸C40方向及び管軸C40周りに摺動可能に嵌挿されたピストン50と、ピストン50を管軸C40方向に往復移動させるとともに管軸C40周りに回転させるためのピストン駆動機構60と、を有している。
【0025】
(1)シリンダ40
図3A及び図3Bに示すように、シリンダ40は、断面正円形状の貫通孔40hが上下方向に沿って形成された部材を本体(シリンダ本体に相当)とする。そして、前記貫通孔40hの上下一対の口部40a,40bのうちの上端の口部40a(上死点側の口部40aに相当)には蓋部45が設けられて略閉塞されているとともに、下端の口部40bにはピストン50が嵌挿されており、もって、蓋部45とピストン50と貫通孔40hの内周面との三者により、上下方向を管軸C40方向とするシリンダ室40Rが区画形成されている。
【0026】
また、このシリンダ40の管壁には、周方向の互いに異なる位置に吸込口43sと吐出口43bとが貫通形成されており、もって、吸込口43sを介してシリンダ室40R内に液体を吸い込み、吐出口43bを介してシリンダ室40R内の液体を吐出する。なお、これら吸込口43s及び吐出口43bの管軸C40方向の位置は互いに同位置である。
【0027】
蓋部45は、貫通孔40h内に挿入された円柱体であり、適宜な脱着部材46によって管軸C40方向に移動不能にシリンダ40の上端部に脱着可能に固定されている。そして、貫通孔40h内に挿入される部分の外径は、その下端から上方へ向かう所定範囲R45に亘って同径且つ最大径に形成されている。
【0028】
ここで、望ましくは、図4の拡大図に示すように、蓋部45の上記所定範囲R45の外径と前記貫通孔40hの内径との差Sを、2〜5ミクロンの範囲に設定すると良い。そして、この範囲に設定すれば、蓋部45と貫通孔40hとの間の隙間Sにはエアーフィルムが形成され、これにより、気泡は逃がすが液体は漏出させない状態にすることができる。よって、仮にキャビテーション等によりシリンダ室40R内に気泡が混入された場合であっても、当該気泡のみを前記隙間Sから逃がすことができる。その結果、気泡の存在に起因して、ピストン50の上死点及び下死点から一義的に定まる量の液体が吐出され難くなることを有効に防ぐことができて、その結果、吐出量の精度向上を図れる。また、気泡溜まりに起因した振動や騒音等の発生も防ぐことができる。ちなみに、当該2〜5ミクロンのエアーフィルムでは、シリンダ室40Rと外気圧との差圧が1気圧未満であれば液体のみならず気体も通過し難くなる。よって、吸込口43sからの液体の吸い込み時には、上記差圧が1気圧未満になるようにピストン50を動作させれば、上記隙間Sからのシリンダ室40Rへの外気の引き込みは有効に防止される。
【0029】
また、望ましくは、前記貫通孔40hは、図3Aに示すように、少なくとも前記吸込口43s及び前記吐出口43bの形成位置から前記上端の口部40aまでに亘って同径に形成されていると良い。そして、このように形成されていれば、前記吸込口43s及び前記吐出口43bの形成位置から前記上端の口部40aまでに亘っては、前記貫通孔40hの内周面は段差や角部の一切無い平坦面になっているため、分解洗浄時の洗浄性を高めることができる。
【0030】
また、上記構成のシリンダ40は、概ね貫通孔40hを形成するだけで出来上がるため、その加工は容易である。よって、加工が容易な分、材料の選択自由度に長け、例えばセラミックス等の化学的安定性の高い難加工性の材料でも製造可能である。更には、蓋部45も断面正円形状の円柱体であるので、その加工は容易である。よって、同様に材料の選択自由度に長け、例えばセラミックス等でも製造可能である。
【0031】
(2)ピストン50
図5A乃至図5Dは、ピストン50のピストン動作(上下方向の往復移動動作)の説明図である。ピストン50は、管軸C40方向の全長に亘って同一外径の円柱体であり、シリンダ室40R内に摺動可能に嵌入されている。そして、図5Cに示すシリンダ40の管軸C40方向における下死点から上方へと図5Dの蓋部45に突き当たるまで上昇し、その突き当たり位置を上死点として往復移動する。
【0032】
ピストン50の外周面には、管軸C40方向に沿う液体の流路52が、管軸C40方向の所定位置から上端までに亘って切り欠き形成されている。そして、この所定位置は、図5A及び図5Dに示すように、ピストン50が上死点に位置する際に吸込口43s及び吐出口43bに対向する位置である。よって、図5Aに示すように、ピストン50の回転動作により前記流路52を吸込口43sの位置に一致させると、吸込口43sとシリンダ室40Rとが連通されるため、その状況下で下方へピストン50を移動させれば、図5Bに示すようにシリンダ室40Rに液体を吸い込むことができる。また、同じくピストン50の管軸C40周りの回転動作により図5Cに示すように前記流路52を吐出口43bの位置に一致させると、吐出口43bとシリンダ室40Rとが連通されるため、その状況下で上方へピストン50を移動させれば、図5Dに示すようにシリンダ室40R内の液体を吐出することができる。
【0033】
なお、図5Aに示すように、シリンダ室40Rを臨むピストン50の上端面50aは、管軸C40方向を法線方向とする平坦面に形成されており、また、前記ピストン50の上端面50aに対向するシリンダ室40R内の前記蓋部45の下端面45bも、前記管軸C40方向を法線方向とする平坦面に形成されている。よって、図5Dに示すように、上死点においてピストン50の上端面50aがシリンダ室40R内の蓋部45の下端面45bに突き当たった際には、これら端面50a,45bは互いに密着して、前記シリンダ室40R内の液体を全て出し切ることができる。その結果、吐出量の精度を高めることができる。
【0034】
また、ピストン50は断面正円形状の円柱体であるので、その加工は容易である。よって、材料の選択自由度に長け、例えばセラミックス等でも製造可能である。
【0035】
(3)ピストン駆動機構60
図2A及び図2Bに示すように、ピストン駆動機構60は、ハウジング61と、ハウジング61に回転可能に設けられた入力軸63(入力部に相当)と、前記管軸C40方向に往復移動可能且つ前記管軸C40周りに回転可能にハウジング61に設けられた出力軸65(出力部に相当)と、入力軸63の回転動作を前記管軸C40方向の往復移動に変換して出力軸65に伝達する第1カム機構70と、同じく入力軸63の回転動作を前記管軸C40周りの回転動作に変換して出力軸65に伝達する第2カム機構80と、を備えている。
【0036】
ハウジング61は略直方体の箱であり、その内部空間に第1カム機構70と第2カム機構80とが収容されている。また、ハウジング61の上壁部には、前記シリンダ40の下端の口部40bがステー部材40cを介して載置されてねじ止めされている(図2Aを参照)。
【0037】
図2Bに示すように、入力軸63は、ハウジング61の水平方向の前後に対向する側壁部61a,61bに、軸受け64を介して回転可能に軸支されている。そして、入力軸63の一端部は一方の側壁部61bを貫通してハウジング61外に突出し、その突出している部分に駆動モーターの駆動回転軸(不図示)が連結されている。なお、この入力軸63には、第1カム機構70を構成するグロボイダルカム71が同軸且つ一体に設けられているが、これについては後述する。
【0038】
図2A及び図2Bに示すように、出力軸65は、略円筒部材66の内周面にスプライン嵌合されて軸方向に摺動可能な軸体を本体とする。そして、当該出力軸65は、その軸方向を上記の入力軸63と直交する鉛直方向の上下に向けた状態で、前記略円筒部材66が前記ハウジング61の上壁部の筒部61cの軸受け67に回転可能に軸支されることによりハウジング61に支持されている。また、当該出力軸65の上端部は、前記ピストン50の下端部に同軸且つ一体に直結されている。よって、出力軸65を介してピストン50には、下記の第1カム機構70及び第2カム機構80が作り出す回転動作及び往復移動動作が伝達されることになる。
【0039】
第1カム機構70は、入力軸63に同軸に設けられたグロボイダルカム71を本体とし、このグロボイダルカム71の外周面には、前記入力軸63の回転角度に応じてその入力軸63の軸C63方向に沿って変位する略螺旋状のテーパーリブ71aが形成されている。また、グロボイダルカム71の外周面に対向して、前記出力軸65に係る前記略円筒部材66が配置されており、当該略円筒部材66の外周面には、その周方向に等間隔を隔てて複数のカムフォロワ73が設けられ、隣り合うカムフォロワ73,73同士で上記のテーパーリブ71aを挟み込むようになっている。よって、上記の駆動モーターから入力軸63へ回転が入力されると、グロボイダルカム71が回転するが、そうすると、略円筒部材66の互いに隣り合うカムフォロワ73,73同士が前記テーパーリブ71aを挟み込みながら順次グロボイダルカム71の軸C63方向の例えば前方又は後方に送られて、これにより、略円筒部材66がバックラッシ無く回転するようになっている。ここで、この略円筒部材66と出力軸65とはスプライン嵌合している。よって、この略円筒部材66の回転動作が出力軸65にも伝達され、その結果、出力軸65は入力軸63の回転に応じて回転動作をすることになる。
【0040】
第2カム機構80は、上記のグロボイダルカム71の端面に形成された溝カム81(正面カム)を本体とする。すなわち、前記端面には、入力軸63の回転角度に応じてその軸芯C63からの距離が変位する無端状の溝カム81が刻設されている。そして、この溝カム81には、揺動アーム83の略中央部の力点部に設けられた第1転動体85が係合されており、当該揺動アーム83はその一端の支点部83aがハウジング61に回転自在に軸支され、他端の作用点部に設けられた第2転動体87が上記の出力軸65の外周面に形成された環状溝部89に係合されている。よって、入力軸63が回転すると、前記溝カム81に力点部が係合された揺動アーム83が入力軸63の回転角度に応じて上下に揺動し、この揺動アーム83の揺動は、上記環状溝部89を介して出力軸65へと伝達される。その結果、出力軸65は入力軸63の回転に応じて上下の往復移動動作をすることになる。なお、出力軸65と略円筒部材66とはスプライン嵌合しているので、この出力軸65の往復移動動作が略円筒部材66に伝達されることは無い。
【0041】
そして、以上のように、第1カム機構70と第2カム機構80とによって出力軸65は回転動作と往復移動動作とをすることから、第1カム機構70のカム曲線たるテーパーリブ71aの曲線と、第2カム機構80のカム曲線たる溝カム81の曲線とを適宜設定すれば、出力軸65を介して、以下に示すような回転動作及び往復移動動作をピストン50に行わせることができて、これにより、計量吐出部30に液体を計量させつつ吐出させることができる。
【0042】
図6は、計量吐出部30のピストン50の動作タイミング線図である。
先ず、図6の工程(a)においては、図5Aに示すように上死点にピストン50が位置した状態で、ピストン50が管軸C40周りに回転され、これにより流路52が吸込口43sに連通される。次に、図6の工程(b)においては、図5Bに示すように、流路52が吸込口43sに連通した状態で管軸C40方向の下死点までピストン50が移動され、これにより、シリンダ室40R内には、上死点から下死点までの長さに対応した容積の液体が計量されつつ吸い込まれる。そうしたら、図6の工程(c)においては、図5Cに示すように、下死点にピストン50が位置した状態で、ピストン50は管軸C40周りに回転され、これにより流路52が吐出口43bに連通される。最後に、図6の工程(d)においては、図6Dに示すように、流路52が吐出口43bに連通した状態で管軸C40方向の上死点までピストン50が移動されて、これにより、吐出口43bから上記容積の液体が吐出される。
【0043】
ここで、ピストン駆動機構60として第1カム機構70及び第2カム機構80を用いたことによる作用効果について述べる。先ず、上述したように、ピストン50に係るこれら管軸C40周りの回転動作及び管軸C40方向の往復移動動作を、入力軸63に入力される一つの入力回転動作から作り出すので、これら二つの動作の高い連動性及び同期性を確実に確保できて、その結果、これら動作のタイミングずれに基づく吐出量の誤差を抑制できる。そして、吐出量の精度の向上を図れて定量性に優れたものとなる。
【0044】
また、カム機構によって管軸C40方向の上死点及び下死点へピストン50を移動する動作を作り出すので、上死点及び下死点への停止位置精度の向上を図れ、その結果、吐出量の精度の向上を介して定量性に優れたものとなる。
【0045】
===第2実施形態===
上述の第1実施形態では、液体の吐出量を変更できなかったが、この第2実施形態では、液体の吐出量を変更可能にすべく吐出量変更機構90が追設されている点で主に相違する。なお、これ以外の点はほぼ第1実施形態と同じであり、第1実施形態と同一の構成については同一の符号を付して示し、その説明は省略する。
【0046】
図7Aは、第2実施形態に係る吐出量変更機構90の縦断面図であり、図7Bは、図7A中のB−B線矢視の側面図である。また、図8A及び図8Bは、吐出量を変更する様子を示す説明図である。なお、図7A、図8A、及び図8Bでは、一部の部位を側面視で示している。
【0047】
図7A及び図7Bに示すように、吐出量変更機構90は、シリンダ40の前記蓋部45を管軸C40方向に移動する移動機構を有しており、ここでは、移動機構としてマイクロメーター91が適用されている。マイクロメーター91は、摘み部92の回転量に比例して進退するヘッド(不図示)を有する。そして、当該ヘッドの下端部は前記蓋部45の上端面に同軸且つ一体に連結されている。よって、摘み部92の目盛りを見ながら当該摘み部92を回すことにより、蓋部45を管軸C40方向の上下へ移動できるとともに、蓋部45を所定位置に移動後にはその位置で摘み部92の回転を停止してロックすることにより蓋部45を管軸C40方向に移動不能に固定することができる。このようにして、シリンダ室40Rの管軸C40方向の上端位置が変更される。
【0048】
但し、シリンダ室40Rの上端位置を変更しただけでは、吐出量を変更することはできない。すなわち、シリンダ室40Rの上端位置の変更に応じて、ピストン50の上死点の位置も変更しなければ、シリンダ室40R内の液体を全て出し切ることはできない。そして、上述のピストン駆動機構60では、カム機構を用いていることもあって、ピストン50の管軸C40方向の往復移動量は常に一定であり、よって、このままの構成では、シリンダ室40Rの上端位置の変更に対応させてピストン50の上死点の位置を変更することは不可能である。
【0049】
この点につき、この第2実施形態では、以下の二つの工夫をすることにより、カム機構をそのまま用いながら、上述のピストン50の上死点の位置を変更できるようにしている。
【0050】
先ず、一つ目の工夫として、ピストン50の管軸C40方向の移動量を大きく設定することにより、前記蓋部45が移動可能範囲の最上限(移動限に相当)に位置する場合においても当該蓋部45にピストン50が突き当たるようにしている(図8Aを参照)。なお、これは、溝カム81の曲線形状を変更することにより達成される。ちなみに、この最上限に蓋部45が位置する場合には、液体の吐出量は最大となる。
【0051】
次に、二つ目の工夫として、図7A及び図7Bに示すように弾性部材95を介してピストン50と出力軸65とを連結する連結構造を用いている。そして、この構成によれば、最大吐出量よりも少ない吐出量に設定すべく、図8Aから図8Bの状態へと前記最上限の位置から下方に蓋部45が移動された場合であっても、ピストン50は問題無く吐出動作を行うことができる。すなわち、液体吐出動作の過程でピストン50が蓋部45に突き当たった際には、出力軸65からピストン50に付与される余剰分の移動量は、出力軸65とピストンとの間に介装された前記弾性部材95の圧縮変形によって吸収される(図8Bを参照)。よって、ピストン50を介して過大な圧縮力が蓋部45に作用することや、出力軸65を介して過大な圧縮力が第2カム機構80に作用することを防ぐことができて、その結果、定量吐出装置10を破損すること無くピストン50はシリンダ室40R内の液体を全て出し切ることができる。
【0052】
このような連結構造は、図7A及び図7Bに示すように、ピストン50の下端面から管軸C40方向の下方に向けて突出形成された筒部96と、筒部96に下方から挿入される前記出力軸65と前記下端面との間に介装される前記弾性部材としてのコイルばね95と、筒部96と出力軸65とを管軸C40周りの相対回転不能に且つ管軸C40方向に所定量だけ相対移動可能に連結する連結ピン97と、から主に構成される。
【0053】
連結ピン97は、出力軸65の上端部が筒部96内に挿入された状態において、筒部96と出力軸65とを水平方向に貫通して設けられている。そして、連結ピン97が通される貫通孔65a,96aは、出力軸65については、ほぼ連結ピン97と同径の正円形に形成されているが、筒部96については、管軸C40方向たる上下に長い長孔96aに形成されており、この長孔96aの長さが前記所定量に対応して設定されている。よって、出力軸65とピストン50とは、コイルばね95のばね力に抗して管軸C40方向に前記所定量だけ相対移動可能である。
【0054】
ここで、上記の所定量は、シリンダ室40Rの最上限の位置から下方へ移動され得る蓋部45の移動量と同値に設定される。つまり、吐出量の変更範囲に基づいて設定される。また、コイルばね95としては、ピストン50の上昇時に作用する吐出圧力ではほぼ圧縮変形せずに、ピストン50が蓋部45に突き当たった際に蓋部45から付与される反力では圧縮変形するようなばね剛性値のものが使用される。よって、図8Bに示すように、蓋部45を最上限の位置から下方へと移動した場合であっても、その移動量が吐出量の変更範囲内であれば、突き当たり時に蓋部45やピストン50に大きな負荷を与えること無く、また、吐出動作時に大きな応答遅れが生じること無くピストン50は吐出動作を行うことができる。
【0055】
===その他の実施形態===
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、かかる実施形態に限定されるものではなく、以下に示すような変形が可能である。
【0056】
(a)前述の実施形態では、シリンダ室40Rに連通する流路52をピストン50の外周面に形成した。すなわち、図9Aの上面図及び当該上面図中のA−A断面図に示すように、ピストン50の外周面の周方向の一部に平面部分52を切り欠き形成してピストン50の上部を略断面D字形状にし、この平面部分52を液体が流れる流路52としたが、何等これに限るものではない。例えば、図9Bに示すようにピストン50の内部に略L字型の貫通孔53を形成してピストン50の外周面と上端面とを連通し、これを流路53としても良い。なお、前者の図9Aの流路52の場合は、ピストン50の外周面の一部を平坦に削るだけなので、その加工し易さの点で優れており、後者の図9Bの流路53の場合はピストン50の外周面の加工面積が小さくなるので、ピストン50とシリンダ40との間の密閉性の点で長じている。
【0057】
(b)前述の実施形態では、第1カム機構70としてグロボイダルカム71を用いた構成を例示し、第2カム機構80として溝カム81を用いた構成を例示したが、適用可能なカムは何等これに限るものではない。例えば、板カム等を用いても良い。
【0058】
(c)前述の実施形態では、吐出量調整機構90としてマイクロメーター91を例示したが、何等これに限るものではなく、例えば、送りねじ機構等でも良い。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】図1Aは、従来の定量吐出装置110の縦断面図であり、図1Bは、図1A中のB−B断面図である。
【図2A】第1実施形態に係る定量吐出装置10の縦断面図である。
【図2B】図2A中のB−B断面図である。
【図3】図3Aは、定量吐出装置10に係るシリンダ40及びピストン50の拡大断面図であり、図3Bは、図3A中のB−B断面図である。
【図4】蓋部45とシリンダ40の貫通孔40hとの間の隙間Sの説明図である。
【図5】図5A乃至図5Dは、ピストン50のピストン動作の説明図である。
【図6】計量吐出部30のピストン50の動作タイミング線図である。
【図7】図7Aは、第2実施形態に係る吐出量変更機構90の縦断面図であり、図7Bは、図7A中のB−B線矢視の側面図である。
【図8】図8A及び図8Bは、吐出量を変更する様子を示す説明図である。
【図9】図9A及び図9Bは、ピストン50に形成される流路52,53の説明図である。
【符号の説明】
【0060】
10 定量吐出装置、20 貯留タンク、22 吸い込み管、
30 計量吐出部、40 シリンダ、40R シリンダ室、
40a 上端の口部(上死点側の口部)、40b 下端の口部、
40c ステー部材、40h 貫通孔、43b 吐出口、43s 吸込口、
45 蓋部、45b 下端面、46 固定部材、50 ピストン、
50a 上端面、52 平面部分(流路)、53 貫通孔(流路)、
60 ピストン駆動機構、 61 ハウジング、61a 側壁部、
61b 側壁部、61c 筒部、63 入力軸(入力部)、
65 出力軸(出力部)、65a 貫通孔、66 略円筒部材、
67 軸受け部材、70 第1カム機構(カム機構)、
71 グロボイダルカム、71a テーパーリブ、73 カムフォロワ、
80 第2カム機構(カム機構)、81 溝カム、83 揺動アーム、
83a 支点部、 85 転動体、87 転動体、89 環状溝部、
90 吐出量調整機構、91 マイクロメーター(移動機構)、
92 摘み部、95 コイルばね(弾性部材)、96 筒部、96a 長孔、
97 連結ピン、C40 管軸、C63 軸(軸芯)、
R45 所定範囲、S 隙間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリンダのシリンダ室内に嵌挿されたピストンを、前記シリンダの管軸方向の上死点と下死点との間で往復移動することにより、前記シリンダの管壁に形成された吸込口から前記シリンダ室内に液体を吸い込むとともに、前記シリンダ室内の前記液体を前記管壁に形成された吐出口から吐出する定量吐出装置であって、
前記吸込口と前記吐出口とは、前記シリンダの周方向に関して互いに異なる位置に形成されているとともに、前記ピストンには、前記シリンダ室に連通する流路が形成されており、
前記流路が前記吸込口又は前記吐出口に連通するように前記ピストンを前記シリンダの管軸周りに回転する動作と、前記管軸方向の前記上死点又は前記下死点へ前記ピストンを移動する動作とを、一つの入力動作から作り出して前記ピストンに出力するカム機構を備えていることを特徴とする定量吐出装置。
【請求項2】
請求項1に記載の定量吐出装置であって、
前記カム機構が前記一つの入力動作から作り出す動作は、
前記上死点に前記ピストンが位置した状態で、前記流路が前記吸込口に連通するように前記ピストンを前記管軸周りに回転する動作と、
前記流路が前記吸込口に連通した状態で前記管軸方向の前記下死点まで前記ピストンを移動する動作と、
前記下死点に前記ピストンが位置した状態で、前記流路が前記吐出口に連通するように前記ピストンを前記管軸周りに回転する動作と、
前記流路が前記吐出口に連通した状態で前記管軸方向の前記上死点まで前記ピストンを移動する動作と、を有していることを特徴とする定量吐出装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の定量吐出装置であって、
前記上死点においては、前記ピストンの前記シリンダ室を臨む端面が、該端面と対向する前記シリンダ室の端面に突き当たることを特徴とする定量吐出装置。
【請求項4】
請求項3に記載の定量吐出装置であって、
前記シリンダは、前記管軸方向に沿って貫通孔が形成されたシリンダ本体と、前記貫通孔の一対の口部のうちで前記上死点側の口部に挿入されて前記口部を閉塞して前記シリンダ室を区画する蓋部と、を有することを特徴とする定量吐出装置。
【請求項5】
請求項4に記載の定量吐出装置であって、
前記蓋部は、前記貫通孔内を前記管軸方向に移動可能に前記貫通孔に挿入されており、
前記シリンダ室の前記端面の位置を前記管軸方向に移動して前記上死点の位置を変更すべく、前記蓋部を前記管軸方向に移動する移動機構が設けられていることを特徴とする定量吐出装置。
【請求項6】
請求項5に記載の定量吐出装置であって、
前記カム機構の入力部に入力された前記入力動作に基づいて、前記カム機構の出力部は、前記管軸周りに回転する動作と、前記管軸方向に一定の移動量で往復移動する動作と、を行い、
前記出力部の往復移動に係る前記移動量は、前記移動機構によって液体の最大吐出量に対応する移動限に移動された前記蓋部に前記ピストンが突き当たる以上の長さを有し、
前記管軸方向に圧縮力が作用した際に前記管軸方向に弾性圧縮変形する弾性部材を介して、前記ピストンと前記出力部とは連結されていることを特徴とする定量吐出装置。
【請求項7】
請求項4乃至6の何れかに記載の定量吐出装置であって、
前記貫通孔は、前記吸込口又は前記吐出口の形成位置から前記管軸方向における前記上死点側の前記口部までに亘って同径に形成されていることを特徴とする定量吐出装置。
【請求項8】
請求項4乃至7の何れかに記載の定量吐出装置であって、
前記蓋部において前記貫通孔に挿入される部分の外径は、前記管軸方向の所定範囲に亘って同径且つ最大径に形成されており、
前記貫通孔の内径と前記所定範囲の外径との差は、2〜5ミクロンの範囲であることを特徴とする定量吐出装置。
【請求項9】
請求項3乃至8の何れかに記載の定量吐出装置であって、
前記ピストンの前記シリンダ室を臨む端面は、前記管軸方向を法線方向とする平坦面に形成されており、
前記ピストンの前記端面に対向する前記シリンダ室の端面は、前記管軸方向を法線方向とする平坦面に形成されていることを特徴とする定量吐出装置。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−250149(P2009−250149A)
【公開日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−100712(P2008−100712)
【出願日】平成20年4月8日(2008.4.8)
【出願人】(390006585)株式会社三共製作所 (46)
【Fターム(参考)】