説明

実装マット及び実装マットを有する汚染防止装置

玄武岩、並びに非晶質耐火セラミックス繊維、生体溶解性のセラミックス繊維、及び/又は熱処理されたシリカ繊維を含む不織布マット。当該不織布マットの実施形態は、驚くべきことに、実条件取り付け試験の25℃から700℃/400℃までの3回の熱サイクルの後に、不織布マットの任意の個々の種類の繊維からなる類似不織布マットの弾性値よりも少なくとも1.1倍大きい弾性値を有する。該不織布マットは、例えば、汚染防止装置及び他の断熱用途に有用である。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
ガソリンエンジン用触媒コンバータなどの汚染防止装置は、30年間にわたって知られている。ここ数年では、ディーゼル車に対するより厳重な規制により、ディーゼル用酸化触媒(DOC)、ディーゼル微粒子フィルタ(DPF)、及び選択接触還元装置(SCR)などのその他の汚染防止装置が急増した。汚染防止装置は、典型的には、弾力的で可撓性のある実装マットによってケーシング内にしっかりと実装された汚染防止要素を有する金属製ハウジング又はケーシングを備える。ディーゼル用酸化コンバータなどの触媒コンバータは、典型的にはモノリシック構造体の上にコーティングされる触媒を含有する。金属モノリスも既知であるが、モノリシック構造体は典型的にはセラミックスである。ガソリンエンジン中の触媒は、一酸化炭素及び炭化水素を酸化させ、窒素酸化物を還元すして、大気汚染を抑制する。ディーゼル用酸化触媒は、すす粒子の可溶性有機成分、並びに存在するあらゆる一酸化炭素を酸化する。
【0002】
ディーゼル微粒子フィルタ又はトラップは典型的にウォールフロー型(wall flow)フィルタであり、典型的に多孔性結晶構造のセラミックス材料から作製されるハニカム状のモノリシック構造を有する。ハニカム状構造の交互セルは、通常、排気ガスが1つのセルに入り、1つのセルの多孔質壁を強制的に通過させられ、隣接するセルを通って構造体から出て行くように埋め込まれる。この方法で、ディーゼル排気に存在する小さなすす粒子が回収される。時折、排気ガスの温度はすす粒子の焼却温度より高くなり、すす粒子は燃焼される。このプロセスは「再生」と呼ばれる。
【0003】
選択的触媒還元剤の構造及び機能(即ち、NOx還元)は触媒コンバータと同様である。選択触媒還元モノリスに到達する前に、ガス又は液体還元剤(通常はアンモニア又は尿素)を排気ガスに加える。この混合ガスは、NOx排出物とアンモニア又は尿素との間に反応を誘起する。この反応が、NOx排出物を純窒素及び酸素に変換する。
【0004】
汚染防止装置で用いられるモノリス、特にセラミックス汚染防止モノリスは脆く、振動又は衝撃損傷及び破損を受けやすい。セラミックスモノリスは、概して、それらを含有する金属製ハウジングより一桁低い熱膨張係数を有する。これは、汚染防止装置が加熱されるほど、ハウジングの内周壁部とモノリスの外壁との間の間隙が広がることを意味する。金属製ハウジングが、マットの断熱効果により、より小さい温度変化を経るにもかかわらず、金属製ハウジングの熱膨張係数がより高いことによって、ハウジングはセラミックスモノリスの膨張よりも速く、より大きい周辺サイズに膨張する。そのような温度サイクリングは、汚染防止装置の耐用期間及び使用の間に何百回となく発生する。
【0005】
道路の衝撃及び振動によるセラミックスモノリスへの損傷を避け、熱膨張の差を補い、モノリスと金属ハウジングとの間を排気ガスが通過する(これにより触媒を迂回する)ことを防ぐために、セラミックスモノリスと金属ハウジングとの間に実装マットが配置される。これらのマットは、モノリスを所望の温度範囲にわたって定位置に保持するのに十分な圧力を及ぼすが、セラミックスモノリスを損傷させるほどの圧力ではない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
既知のマットは、セラミックス繊維、膨張材料、並びに有機及び/又は無機結合剤からなる膨張シート材料を包含する。最近では、非膨張マット、特に多結晶セラミックス繊維及び結合剤からなる非膨張マットが使用されている。多結晶繊維は、(溶融形成された)非晶質耐火セラミックス繊維(即ち、溶融形成されており、実質的に結晶質が存在しないようにするために、繊維をアニール又は結晶化するための熱処理によって後処理されていない繊維、即ち、粉末X線回折によって結晶化度が検出されない繊維)よりもずっと高価であるので、これら繊維を使用するマットは、超薄肉型モノリスと共に、又は(フィルタ洗浄、水分凝縮、垂直スタックからの雨水等に起因して)使用中に水に曝される汚染防止装置用になど、絶対に必要であると考えられる場所で使用される。水は、特定の膨張実装材料に悪影響を与える可能性がある。非晶質耐火セラミックス繊維のみを含む非膨張マットは、一般に、実装マットとして機能するのに必要な保持力に欠ける。非晶質耐火セラミックス繊維の性能を改善することはできるが、繊維を少なくとも部分的に結晶化するためには、費用のかかるショット除去及び高温での熱処理が通常必要とされる。ケイ酸アルミニウムマグネシウムガラス繊維を含むマットも試みられてきたが、一般に十分な温度性能を欠く。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一態様において、本開示は、マットの総重量に基づいて、少なくとも25重量%(一部の実施形態では、少なくとも30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、又は更には90重量%)の玄武岩繊維と、少なくとも10重量%(一部の実施形態では、少なくとも15、20、25、30、35、又は更には40重量%)の、非晶質耐火セラミックス繊維、生体溶解性のセラミックス繊維、熱処理されたシリカ繊維、及びこれらの混合物からなる群から選択される繊維とで構成されるブレンドで構成される不織布マットを記載し、当該不織布マットは、マットの総重量に基づいて、少なくとも80重量%(一部の実施形態では、少なくとも85、90、95、96、97、98、99、又は更には100重量%)の玄武岩繊維と、非晶質耐火セラミックス繊維、生体溶解性のセラミックス繊維、熱処理されたシリカ繊維、及びこれらの混合物からなる群から選択される繊維とで集合的に構成される。一部の実施形態において、500℃を超える加熱の前の出来上がった状態のままのマットは、マットの総重量に基づいて、5重量%以下(一部の実施形態では、4、3、2、1、0.75、0.5、0.25、0.1重量%以下、又は更には0重量%以下)の有機材料(例えば、結合剤)を含有する。
【0008】
一部の実施形態において、ブレンドは、少なくとも80重量%(一部の実施形態では、少なくとも85、90、95、96、97、98、99、又は更には100重量%)の玄武岩繊維と、非晶質耐火セラミックス繊維、生体溶解性のセラミックス繊維、熱処理されたシリカ繊維、及びこれらの混合物からなる群から選択される繊維とを集合的に含む。一部の実施形態において、ブレンドは、少なくとも80重量%(一部の実施形態ではて、少なくとも85、90、95、96、97、98、99、又は更には100重量%)の玄武岩繊維と非晶質耐火セラミックス繊維とを集合的に含む。一部の実施形態において、ブレンドは、少なくとも80重量%(一部の実施形態では、少なくとも85、90、95、96、97、98、99、又は更には100重量%)の玄武岩繊維と生体溶解性のセラミックス繊維とを集合的に含む。一部の実施形態において、ブレンドは、少なくとも80重量%(一部の実施形態ではて、少なくとも85、90、95、96、97、98、99、又は更には100重量%)の玄武岩繊維と熱処理されたシリカ繊維とを集合的に含む。
【0009】
驚くべきことに、本明細書に記載の不織布マットの一部の実施形態では、ブレンド中に存在する玄武岩繊維、及び非晶質耐火セラミックス繊維、生体溶解性のセラミックス繊維、熱処理されたシリカ繊維、及びこれらの混合物からなる群から選択される繊維が、(以下に提供される説明によって決定される)実条件取り付け試験の25℃から700℃/400℃までの3回の熱サイクルの後に、繊維のブレンドの中に存在する任意の個々の玄武岩繊維、非晶質耐火セラミックス繊維、生体溶解性のセラミックス繊維、及び熱処理されたシリカ繊維からなる類似不織布マットの弾性値よりも少なくとも1.1倍(一部の実施形態では、少なくとも1.2、1.25、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.75、又は更には少なくとも1.8倍)大きい弾性値を有する不織布マットを集合的に提供する。
【0010】
典型的には、本明細書に記載の不織布マットを製造するために使用される玄武岩繊維は、ショットを含まない、又は非常に少ない量のショット(一部の実施形態では、繊維の総重量に基づいて1重量%未満)を含む。
【0011】
本明細書に記載の不織布マットは、例えば、汚染防止装置及び断熱用途において有用である。代表的な汚染防止装置は、本明細書に記載の不織布マットを備えているケーシングの中に実装される汚染防止要素(例えば、触媒コンバータ、ディーゼル微粒子除去装置、又は選択接触還元要素)を備える。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本明細書に記載の代表的な汚染防止装置の斜視図。
【図2】本明細書に記載の代表的な排気管の長手方向断面図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1を参照すると、汚染防止装置10は、概ね切頭円錐型の吸気口12と出口端13とをそれぞれ有する金属製ケーシング11を備える。ケーシング11の中には、本開示による実装マット30で取り囲まれた汚染防止要素20が配置されている。実装マットは、ケーシング11内のモノリシック要素20をきつくであるが弾性的に支持及び保持する働きをし、汚染防止要素ケーシング11の間の間隙を封止して、排気ガスが汚染防止要素20を迂回するのを防止する又は低減する(好ましくは最小限に抑える)。
【0014】
ここで図2を参照すると、排気管19は、第1の外側金属壁22と第2の内側金属壁20とを有する二重壁を備える。本開示によるマット24は、外壁22と内壁20との間の間隙の中に配置されて、断熱を提供する。排気管19の二重壁は、自動車の排気システムで排気管19が使用される際にそこを通って排気ガスが流れる内部空間26を包囲する。
【0015】
玄武岩繊維は、鉱物の玄武岩から製造される。玄武岩は、ほとんどの国で見ることができる硬くて高密度の火山岩である。玄武岩を粉砕し、洗浄し、溶融し、白金ロジウム押し出しブッシングに送り込んで、連続フィラメントを形成する。繊維は鉱物由来であるので、繊維の組成は変化し得るが、一般に、約45〜約55重量%のSiO、約2〜約6重量%のアルカリ、約0.5〜約2重量%のTiO、約5〜約14重量%のFeO、約5〜約12重量%のMgO、少なくとも約14重量%のAl、及び多くの場合大体約10重量%のCaOの組成を有する。典型的には、玄武岩繊維は、少なくとも5マイクロメートル(一部の実施形態では、5〜22マイクロメートルの範囲(好ましくは、9〜13マイクロメートル))の直径を有する。繊維は、典型的には、ショットを含まない、又は非常に少ない量のショット(典型的には1重量%未満)を含む。連続繊維は、所定の長さに切断され得る。典型的には、本明細書に記載の実装マットには約0.5〜約15cmの長さが好適である。好適な刻まれた玄武岩繊維は、例えば、Sudaglass Fiber Technology(Houston,TX)及びKamenny Vek(Dubna,Russia)から市販されている。玄武岩繊維は、典型的には連続的である。典型的には、連続繊維は一般に個別化される。個別化された繊維を提供するために、繊維のトウ又は糸を、例えば、ガラスロービングカッター(例えば、Finn & Fram,Inc.(Pacoma,CA)から商標名「MODEL 90 GLASS ROVING CUTTER」で市販)を使用して、所望の長さ(典型的には約0.5cm〜15cmの範囲内)に切り刻むことができる。
【0016】
代表的なアルミノケイ酸非晶質耐火セラミックス繊維には、ブローン又は紡糸非晶質耐火セラミックス繊維(例えば、Thermal Ceramics(Augusta,GA)から商標名「KAOWOOL」及び「CERAFIBER」で市販、及びUnifrax Corporation,Niagara Falls(NY)から商標名「FIBERFRAX」で市販)が挙げられる。
【0017】
代表的な生体溶解性無機繊維には、シリコン、マグネシウム、及びカルシウムの酸化物からなるものが挙げられる。これらのタイプの繊維は、典型的に、カルシウムケイ酸マグネシウム繊維と呼ばれる。カルシウムケイ酸マグネシウム繊維は、通常、約10重量%未満のA1を含有する。一部の実施形態において、繊維は、約45〜約90重量%のSiOと、最高約45重量%のCaOと、最高約35重量%のMgOと、10重量%未満のAlとを含む。例えば、繊維は、約55〜約75重量%のSiO、約25〜約45重量%のCaO、約1〜約10重量%のMgO及び約5重量%未満のAlを含有することができる。
【0018】
別の実施形態において、生体溶解性無機繊維は、シリカ及びマグネシウムの酸化物を含む。これらのタイプの繊維は、典型的に、カルシウムケイ酸マグネシウム繊維と呼ばれる。ケイ酸マグネシウム繊維は、通常、約60〜約90重量%のSiO、最大約35重量%のMgO(典型的に、約15〜約30重量%のMgO)及び約5重量%未満のAlを含有する。例えば、これらの繊維は、約70〜約80重量%のSiOと、約18〜約27重量%のMgOと、約4重量%未満の他の微量成分とを含んでよい。
【0019】
生体溶解性無機繊維は、ゾルゲル形成、結晶成長プロセス、及び溶融成形技術(例えば、紡績又はブロー成型)などの様々な方法で作製され得る。好適な生体溶解性無機酸化物繊維は、米国特許第5,332,699号(Oldsら)、同第5,585,312号(Ten Eyckら)、同第5,714,421号(Oldsら)、同第5,874,375号(Zoitasら)、及び欧州特許出願第02078103.5号(2002年7月31日付け出願)に記述されている。
【0020】
生体溶解繊維は、例えば、Unifrax Corporation(Niagara Falls,NY)から商標名「ISOFRAX」及び「INSULFRAX」で、Nutec Fiberatec(Monterrey,Mexico)から商標名「SUPERMAG 1200」で、及びThermal Ceramics(Augusta,GA)から商標名「SUPERWOOL」で市販されている。「SUPERWOOL 607」生体溶解繊維は、例えば、60〜70重量%のSiOと、25〜35重量%のCaO、4〜7重量%のMgOと、微量のAlとを含有している。例えば、わずかに高い温度で使用することができる「SUPERWOOL 607 MAX」生体溶解繊維は、60〜70重量%のSiOと、16〜22重量%のCaOと、12〜19重量%のMgOと、微量のA1とを含有している。
【0021】
本明細書に記載の不織布マットを製造するために用いるのに好適な生体溶解性無機繊維は、広範囲の平均直径及び平均長を有することができる。例えば、生体溶解性無機繊維は、約0.05マイクロメートル〜約15マイクロメートルの範囲の平均繊維直径を有するものが市販されている。一部の実施形態において、生体溶解性無機繊維は、約0.1マイクロメートル〜約5マイクロメートルの範囲の平均繊維直径を有する。
【0022】
生体溶解性無機繊維は、典型的には、約0.1cm〜約3cmの範囲の平均繊維長を有する。
【0023】
本明細書で使用するとき、用語「熱処理されたシリカ繊維」は、少なくとも400℃の熱処理温度に少なくとも5分の熱処理期間暴露された、少なくとも80(一部の実施形態では、少なくとも少なくとも85、90、92、93、94、95、96、97、98、99、99.5、99.9、又は更には100)重量%のSiOを含む繊維を指す。シリカ繊維中に存在し得るその他の酸化物には、そのような繊維に関して当該技術分野において既知であるもの、例えば、Al、MgO、B、CaO、及びTiOが挙げられる。いくつかの代表的な実施形態において、熱処理されたシリカ繊維は、繊維の総重量に基づいて、約92〜約95重量%のシリカと、8〜約5重量%のアルミナとを含む。一部の実施形態において、熱処理されたシリカ繊維は、繊維を、少なくとも400℃、500℃、600℃、700℃、800℃、900℃、1000℃、又はそれより高い温度の熱処理温度に、少なくとも約5分、10分、15分、20分、25分、30分、35分、40分、45分、50分、55分、60分又はそれより長い熱処理期間の間暴露することによって熱処理されてもよい。いくつかの代表的な実施形態において、熱処理されたシリカ繊維は、(i)繊維を室温から約600℃〜約1100℃の最高熱処理温度まで加熱し、(ii)最高熱処理温度を約5〜約60分(より典型的には約60分)の熱処理期間の間維持し、(iii)繊維を室温まで冷却する、ことによって熱処理された。いくつかの代表的な実施形態において、本明細書で使用される熱処理されたシリカ繊維は、(i)繊維を室温から少なくとも約850℃(一部の実施形態では、約850℃〜約1050℃)の最高熱処理温度まで加熱し、(ii)最高熱処理温度を少なくとも約60分(典型的には約60分)の熱処理期間の間維持し、(iii)繊維を室温まで冷却する、ことによって熱処理される。
【0024】
熱処理されたシリカ繊維を形成するために種々の方法を用いることができる(例えば、それらの開示が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第2,624,658号(Parkerら)、同第2,718,461号(Parkerら)、同第6,468,932号(Richterら)、同第3,498,774号(Saffadiら)、及び同第4,038,214号(Sotojiら)を参照のこと)。
【0025】
代表的な熱処理された高シリカ含有繊維は、Hitco Carbon Composites,Inc.(Gardena,CA)から商標名「REFRASIL」で、及びbelChem Fiber Materials GmbH(Freiberg,Germany)から商標名「BELCOTEX」で市販されている。例えば、「REFRASIL F100」繊維は、約96〜約99重量%のSiOを含有し、「BELCOTEX」繊維は、約94.5重量%のSiOを含有している。
【0026】
好適な熱処理されたシリカ繊維は、広範囲の平均直径及び平均長を有することができる。熱処理されたシリカ繊維は市販されており、約0.05マイクロメートル〜約15マイクロメートル(一部の実施形態では、約5マイクロメートル〜約10マイクロメートル)の範囲の平均繊維直径を有する。
【0027】
熱処理されたシリカ繊維は、典型的には、約0.1cm〜約3cmの範囲の平均繊維長を有する。一般に、必要に応じて、任意の選択された繊維を製造プロセスの間により短い長さに分割することができるので、熱処理されたシリカ繊維の長さは重要ではない。
【0028】
典型的には、熱処理されたシリカ繊維は連続的であり、玄武岩繊維に関して上述したように、通常は個別化される。
【0029】
任意に、本明細書に記載の不織布マットの一部の実施形態は、ケイ酸アルミニウムマグネシウムガラス繊維などの他の繊維を更に含む。本明細書に記載の実装マットを作製するための代表的なケイ酸アルミニウムマグネシウムには、E−ガラス繊維、S−ガラス繊維、S−2ガラス繊維、R−ガラス繊維、及びこれらの混合物が挙げられる。不織布実装マットで使用されるケイ酸アルミニウムマグネシウムガラス繊維は、典型的に、少なくとも5マイクロメートル(一部の実施形態では少なくとも7マイクロメートル;一部の実施形態では7マイクロメートル〜14マイクロメートルの範囲)の平均直径、及び0.5cm〜15cmの範囲(一部の実施形態では1cm〜12cmの範囲)の長さを有する。ケイ酸アルミニウムマグネシウムガラス繊維は、典型的に連続的であり、玄武岩繊維に関して上記したように、通常は個別化される。典型的には、ケイ酸アルミニウムマグネシウムガラス繊維はショットを含まない、又は非常に少ない量のショット(典型的には、ケイ酸アルミニウムマグネシウムガラス繊維の総重量に基づいて1重量%未満)を含む。更に、ケイ酸アルミニウムマグネシウムガラス繊維の直径は、典型的には適度に均一である(即ち、平均して±3マイクロメートルの直径を有するケイ酸アルミニウムマグネシウムガラス繊維の量は、ケイ酸アルミニウムマグネシウムガラス繊維の総重量の少なくとも70重量%(一部の実施形態では、少なくとも80%、又は更には少なくとも90重量%)である)。
【0030】
ケイ酸アルミニウムマグネシウムガラス繊維は、(理論上の酸化物を基準とした)重量で、10〜30%の範囲のAlと、52〜70%の範囲のSiOと、及び1〜12%の範囲のMgOとを含む。任意に、ケイ酸アルミン酸マグネシウムガラス繊維は、追加の酸化物(例えば、NaO、KO、B、及び/又はCaO)を更に含む。ケイ酸アルミニウムマグネシウムガラス繊維の特定の例には、典型的には、重量で、約55%のSiOと、11%のAlと、18%のCaOと、6%のBと、5%のMgOと、5%のその他の酸化物とを含むE−ガラス繊維;典型的には約65%のSiOと、25%のAlと、10%のMgOとを含むS及びS−2ガラス繊維;及び典型的には約60%のSiOと、25%のAlと、9%のCaOと、6%のMgOとを含むR−ガラス繊維が挙げられる。E−ガラス、S−ガラス及びS−2ガラスは、例えば、Advanced Glassfiber Yarns,LLC(Aiken,SC)から市販されている。R−ガラスは、例えば、Saint Gobain Vetrotex(Chambery,France)から市販されている。
【0031】
任意に、本明細書に記載の実装マットは、膨張材料(例えばバーミキュライト)を更に含んでもよいが、典型的には、不織布マットは非膨張性である(即ち、膨張材料を含まない(例えば、バーミキュライトを含まない))のが好ましい。
【0032】
本明細書に記載の不織布マットは、例えば、当該技術分野において既知の湿式(典型的には湿式堆積)又は乾式(典型的には乾式堆積)工程を用いて製造され得るが、マットの総重量に基づいて5重量%以下(一部の実施形態では、4、3、2、1、0.75、0.5、0.25、0.1重量%以下、又は更には0重量%)の有機材料(例えば、結合剤)を含むこれらの出来上がった状態のままの実装マット500℃を超える加熱の前は、乾式加工方法で製造される。任意に、本明細書に記載の不織布マットは熱処理されることができる。
【0033】
本明細書に記載の不織布マットの一部の実施形態は、結合剤を更に含む。結合剤は、有機、無機、又はこれらの組み合わせであり得る。有機結合剤を含む不織布マットでは、汚染防止装置の使用中に一般的に遭遇する実用温度の間に、有機結合剤は分解する、焼失する、ないしは別の方法で排除される。したがって、有機構成成分は、不織布マットの恒久的構成成分ではなく、典型的には一時的又は一過性である。
【0034】
ポリマー及びその他の有機結合剤は、不織布マットが湿式堆積又は修正された製紙プロセスを用いて製造される場合に特に有用であるが、乾式堆積プロセスを用いて製造される不織布マットもまた、そのような結合剤の組み込みから利益を得ることができる。1種類以上の有機結合剤を、不織布マットの本体に組み込んでもよい及び/又はマットのコーティングとして使用してもよい。
【0035】
好適なポリマー結合剤は、熱可塑性又は熱硬化性であることができ、様々な形態の固体として、又は100%固形組成物を含む液体、溶液、分散体、ラテックス、エマルション、これらの組み合わせ等として提供され得る。一部の実施形態において、ポリマー結合剤はエラストマーである。好適なポリマーとしては、天然ゴム、スチレン及びブタジエンを含む2以上の共重合性種のコポリマー、ブタジエン及びアクリロニトリルを含む2以上の共重合性種のコポリマー、(メタ)アクリレートポリマー及びコポリマー、ポリウレタン、シリコン、ポリエステル、ポリアミド、セルロース系ポリマー、その他のエラストマーポリマー、又はこれらの組み合わせが挙げられる。
【0036】
結合剤を含む不織布マットでは、結合剤(例えば、有機結合剤)の代表的な量には、乾燥重量基準で、約0.1〜約15重量%(一部の実施形態では、約0.5〜約12、又は約1〜約10重量%)が挙げられる。
【0037】
一部の実施形態において、ポリマー結合剤は、アクリル系及び/又はメタクリレート含有ラテックス組成物である。こうしたラテックス組成物は、所望でない量の毒性又は腐食性副生成物を生成することなく、きれいに燃焼する傾向がある。好適なアクリル系エマルションの例としては、Rohm and Haas(Philadelphia,PA)から商標名「RHOPLEX HA−8」(44.5重量%固形分のアクリル系コポリマーの水性エマルション)、及びAir Products(Allentown,PA)からの商標名「AIRFLEX 600BP」(55%固形分のエチレンビニルアセテートコポリマー)として市販されているものが挙げられるが、これらに限定されない。
【0038】
ポリマー繊維はまた、特に不織布マットが乾式堆積プロセスで製造される場合に、取り扱い、可撓性、弾力性、又はこれらの組み合わせを改善するために、組成物中で結合剤構成成分として使用されてもよい。ポリマー繊維は、処理を高め、不織布マットの強度を改善する傾向がある。ポリマー結合剤と同様に、ポリマー繊維は、その組成物が汚染防止装置で用いられる場合には1回以上の熱サイクルの後に焼失する(即ち、分解する又は排除される)傾向がある。
【0039】
代表的なポリマー繊維は、熱可塑性繊維(例えば、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン及びポリプロピレン)繊維、ポリスチレン繊維、ポリエーテル繊維、ポリエステル(例えば、ポリブチレンテレフタレート(PET)及びポリブチレンテレフタレート(PBT))繊維、ビニルポリマー(例えば、ポリ塩化ビニル及びフッ化ビニリデン樹脂)繊維、ポリアミド(例えば、ポリカプロラクタム、ポリウレタン、及びナイロン)繊維、並びにポリアラミド繊維)を含む。本明細書に記載の不織布マットの熱結合のために特に有用な繊維は、いわゆるバイコンポーネント繊維を含み、該繊維は、典型的には、異なる組成物のポリマーか、又は異なる物理的特性を有するポリマーを含む。典型的には、これらの繊維はコア/シース繊維であって、例えばコアのポリマー構成成分が構造を提供し、シースが溶融可能又は熱可塑性であるために繊維の接着が可能である。例えば、一実施形態において、バイコンポーネント繊維は、コア/シースのポリエステル/ポリオレフィンの繊維である場合がある。使用できるバイコンポーネント繊維は、Trevira GmbH,Bobingen(Germany)から商標名「TREVIRA 255」及びFiberVisions(Varde,Denmark)から商標名「FIBERVISIONS CREATE WL」で市販されるものを含む。典型的には、存在する場合、ポリマー繊維の量は、乾燥重量基準で、最大約5重量%(一部の実施形態にでは、1〜5重量%の範囲)ポリマー繊維である。ポリマー繊維は、短繊維又はフィブリル化繊維であってもよい。一実施形態において、ポリマー繊維は、約0.5デニール〜約5デニールの範囲の短繊維である。
【0040】
好適なポリマー結合剤は、単独で使用されてもよく、又は追加構成成分と組み合わされてもよい。追加構成成分には、モノマー、可塑剤、充填剤、粘着付与剤、界面活性剤、又は他の変性剤を挙げることができる。
【0041】
好適な無機結合剤材料には、コロイド粒子;例えば、その主題が参照により本明細書に全体として組み込まれるPCT国際公開特許WO03/031368(2003年4月17日公開)に記載されているような無機雲母結合剤(inorganic micaceous binders);及びR.T.Vanderbilt Company,Inc.(Norwalk,CT)から商標名「DIXIE CLAY」で市販されている製品を挙げることができる。本明細書に記載の不織布マットに存在する場合、PCT国際公開特許WO03/031368に記載のような雲母結合剤は、典型的には、不織布マットの総乾燥重量に基づき約5重量%未満(一部の実施形態では、約2重量%未満、又は1重量%未満)の量で存在する。本明細書に記載の不織布マットのほとんどの実施形態は、雲母結合剤材料を含有しない。
【0042】
本明細書に記載の実装マットの実施形態は、例えば、切り刻まれて個別化された繊維(例えば、長さ約2.5cm〜約5cm)を、Laroche,Cours la ville(France)から入手可能なもののようなピンを具備したリッカリン・ロール(lickerin roll)、及び/又は従来のウェブ形成機(例えば、Rando Machine Corp.(Macedon,NY)から商標名「RANDO WEBBER」で;ScanWeb Co.(Denmark)から商標名「DAN WEB」で市販)に送り込み、そこで繊維をワイヤスクリーン又はメッシュベルト(例えば、金属又はナイロンベルト)の上に引き出すことによって製造され得る。「DAN WEB」タイプのウェブ形成機を使用する場合、ハンマーミル、その後ブロアを使用して繊維を個別化するのが好ましい。マットの取り扱い易さを促進するために、マットはスクリム上に形成又は配置できる。
【0043】
本明細書に記載の実装マットの実施形態は、例えば、従来の湿式成形又は織物カーディングを用いて製造されることもできる。湿式形成法では、多くの場合、繊維長は約0.5cm〜約6cmである。
【0044】
特に湿式形成法を用いる一部の実施形態では、マットの形成を容易にするために結合剤を使用する。一部の実施形態において、本明細書に記載の不織布マットは、マットの総重量に基づいて10重量%以下(一部の実施形態では、4、3、2、1、0.75、0.5、0.25重量%以下、又は更には0.1重量%以下)の結合剤を含み、他のものは結合剤を含有しない。
【0045】
任意に、本明細書に記載の実装マットの一部の実施形態は、ニードルパンチされる(即ち、例えば、有刺針によってマットを複数回完全に又は部分的に(一部の実施形態では、完全に)貫通させることによって繊維の物理的絡み合いがその部分に存在する)。不織布マットは、有刺針(例えば、Foster Needle Company,Inc.(Manitowoc,WI)又はGroz−Beckert Group(Germany)より市販されているもの)を備える従来のニードルパンチング装置(例えば、Dilo(Germany)から商標名「DILO」で市販されているニードルパンチャー)を用いてニードルパンチされて、ニードルパンチされた不織布マットを提供することができる。ニードルパンチングは繊維の絡み合いを提供し、通常は、マットを圧縮後、マットに有刺針を刺したり抜いたりすることを含む。ニードルパンチングの間の繊維の物理的絡み合いの有効性は、一般に、上述のポリマー及び/又はバイコンポーネント有機繊維がマット構造に含有される場合に向上する。改善された絡み合いは、更に引張り強度を高めることができ、不織布マットの取り扱いを改善することができる。マットの単位面積あたりの最適なニードルパンチ数は、特定用途により異なる。典型的には、不織布マットは、約5〜約60ニードルパンチ/cm(一部の実施形態では、約10〜約20ニードルパンチ/cm)を提供するようにニードルパンチされる。
【0046】
任意に、本明細書に記載の実装マットの一部の実施形態は、従来の技術を用いてステッチボンドすることができる(例えば、米国特許出願第4,181,514号(Lefkowitzら)参照、該特許の開示は、ステッチボンド不織布マットの教示に関して参照することによって本明細書に組み込まれる)。典型的には、マットは、有機糸を用いてステッチボンドされる。有機又は無機シート材料の薄い層は、糸がマットを貫通して切断するのを防止又は最小限にするために、ステッチボンド時、マットの一方又は両側に定置されてよい。ステッチ糸が使用中に分解しないのが望ましい場合、無機糸(例えば、セラミックス又は金属(ステンレス鋼など)を使用することができる。縫い目の間隔は、繊維がマットの全域にわたって均一に圧縮されるように、通常、約3mm〜約30mmである。
【0047】
一部の実施形態において、本明細書に記載の実装マットは、0.05g/cm〜0.3g/cmの範囲(一部の実施形態では、0.1g/cm〜0.25g/cmの範囲)の出来上がった状態のままの(即ち、50℃を超える任意の加熱前)嵩密度を有する。別の態様において、実装される時、マットは、典型的には0.2g/cm〜0.6g/cmの範囲(他の実施形態では、0.3g/cm〜0.5g/cmの範囲(即ち、マットは実装時に圧縮される))の実装密度を有する。
【0048】
一部の実施形態では、不織布マットは、3mm〜50mmの範囲の厚さを有する。一部の実施形態では、不織布マットは、実施例に記載の通りに決定されたとき、少なくとも10kPa引張り強度を有する。
【0049】
金属製ケーシングは、そのような用途について当該技術分野において既知の材料、例えばステンレス鋼で製造され得る。
【0050】
不織布マットは、例えば、排気管、汚染防止装置の吸気口若しくは出口端のコーン、又は内燃機関の排気マニホルドなどの排気システムの様々な構成要素を断熱するための断熱材として使用され得る。本明細書に記載の不織布マットは、例えば、汚染防止装置において有用である。汚染防止装置は、典型的には、本明細書に記載の不織布マットを備えているケーシング内に実装される汚染防止要素(例えば、触媒コンバータ、ディーゼル微粒子フィルタ、又は選択接触還元要素)を備える。1つの代表的な実施形態では、排気システムは、二重壁排気構成要素(例えば、排気管、エンドコーンエンドキャップ、若しくは汚染防止装置の他の部分、及び/又は排気マニホルド)と、本明細書に記載の不織布マットと、を備える(comprising)。不織布マットは、二重壁構成要素の第1の外壁と第2の内壁との間に実装され得る。代表的な実装密度は、約0.1g/cm〜0.6g/cmの範囲である。
【0051】
本明細書に記載の実装マットを実装することができる代表的な汚染防止要素には、ガソリン汚染防止要素及びディーゼル汚染防止要素が挙げられる。汚染防止要素は、触媒コンバータ、又は微粒子フィルタ若しくはトラップであってもよい。触媒コンバータは、金属製ハウジング内に実装されるモノリシック構造体に通常はコーティングされる触媒を含有する。この触媒は、通常、温度要件で動作し、有効であるように適応される。例えば、ガソリンエンジンと共に使用するために、触媒コンバータは、典型的には、400℃〜950℃の範囲の温度で効果的であるべきであるが、ディーゼルエンジン用には、より低い温度(典型的には350℃以下)が一般的である。金属モノリスが使用される場合もあるが、モノリシック構造体は、典型的にはセラミックスである。触媒は、大気汚染を抑制するために、排出ガス中の一酸化炭素及び炭化水素を酸化させ、窒素酸化物を還元する。ガソリンエンジンでは、これら3つの汚染物質が全て、いわゆる「三元触媒コンバータ」にて同時に反応することができるが、ほとんどのディーゼルエンジンには、ディーゼル酸化触媒コンバータのみが装備されている。今日ではディーゼルエンジンへの利用にのみ限定されている、窒素酸化物を還元するための触媒コンバータは、一般に個別触媒コンバータからなる。ガソリンエンジンで使用する汚染防止要素の例としては、Corning Inc.,Corning(NY)若しくはNGK Insulators,LTD.(Nagoya,Japan)から市販されているコーディエライトで作製されているもの、又はEmitec(Lohmar,Germany)から市販されている金属モノリスが挙げられる。
【0052】
好適な選択接触還元要素は、例えば、Corning,Inc.(Corning,NY)から入手可能である。
【0053】
ディーゼル微粒子フィルタ又はトラップは典型的にウォールフロー型(wall flow)フィルタであり、典型的に多孔性結晶構造のセラミックス材料から作製されるハニカム状のモノリシック構造を有する。ハニカム状構造の交互セルは、通常、排気ガスが1つのセルに入り、1つのセルの多孔質壁を強制的に通過させられ、隣接するセルを通って構造体から出て行くように埋め込まれる。この方法で、ディーゼル排気ガスに存在する小さなすす粒子が回収される。コーディエライトで作製される好適なディーゼル微粒子フィルタは、Corning Inc.及びNGK Insulators,Incから市販されている。炭化ケイ素で作製されるディーゼル微粒子フィルタは、Ibiden Co.Ltd.(Japan)から市販されており、例えば、JP 2002047070A(2002年2月12日公開)に記載されている。
【0054】
−代表的な実施形態
1.マットの総重量に基づいて、少なくとも25重量%の玄武岩繊維と、非晶質耐火セラミックス繊維、生体溶解性のセラミックス繊維、熱処理されたシリカ繊維、及びこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも10重量%の繊維からなるブレンドから構成される不織布マットであって、前記不織布マットは、マットの総重量に基づいて少なくとも80重量%の前記玄武岩繊維と、非晶質耐火セラミックス繊維、生体溶解性のセラミックス繊維、熱処理されたシリカ繊維、及びこれらの混合物からなる群から選択される繊維と、から集合的に構成される、不織布マット。
【0055】
2.少なくとも85重量%の前記玄武岩繊維と、非晶質耐火セラミックス繊維、生体溶解性のセラミックス繊維、熱処理されたシリカ繊維、及びこれらの混合物からなる群から選択される前記繊維と、を集合的に含む、実施形態1に記載の不織布マット。
【0056】
3.少なくとも90重量%の前記玄武岩繊維と、非晶質耐火セラミックス繊維、生体溶解性のセラミックス繊維、熱処理されたシリカ繊維、及びこれらの混合物からなる群から選択される前記繊維とを集合的に含む、実施形態1に記載の不織布マット。
【0057】
4.少なくとも95重量パーセンの前記玄武岩繊維と、非晶質耐火セラミックス繊維、生体溶解性のセラミックス繊維、熱処理されたシリカ繊維、及びこれらの混合物からなる群から選択される前記繊維とを集合的に含む、実施形態1に記載の不織布マット。
【0058】
5.少なくとも99重量%の前記玄武岩繊維と、非晶質耐火セラミックス繊維、生体溶解性のセラミックス繊維、熱処理されたシリカ繊維、及びこれらの混合物からなる群から選択される前記繊維とを集合的に含む、実施形態1に記載の不織布マット。
【0059】
6.少なくとも100重量%の前記玄武岩繊維と、非晶質耐火セラミックス繊維、生体溶解性のセラミックス繊維、熱処理されたシリカ繊維、及びこれらの混合物からなる群から選択される前記繊維とを集合的に含む、実施形態1に記載の不織布マット。
【0060】
7.少なくとも80重量%の前記玄武岩繊維と前記非晶質耐火セラミックス繊維とを集合的に含む、実施形態1に記載の不織布マット。
【0061】
8.少なくとも85重量%の前記玄武岩繊維と前記非晶質耐火セラミックス繊維とを集合的に含む、実施形態1に記載の不織布マット。
【0062】
9.少なくとも90重量%の前記玄武岩繊維と前記非晶質耐火セラミックス繊維とを集合的に含む、実施形態1に記載の不織布マット。
【0063】
10.少なくとも95重量%の前記玄武岩繊維と前記非晶質耐火セラミックス繊維とを集合的に含む、実施形態1に記載の不織布マット。
【0064】
11.少なくとも99重量%の前記玄武岩繊維と前記非晶質耐火セラミックス繊維とを集合的に含む、実施形態1に記載の不織布マット。
【0065】
12.少なくとも100重量パーセンの前記玄武岩繊維と前記非晶質耐火セラミックス繊維とを集合的に含む、実施形態1に記載の不織布マット。
【0066】
13.少なくとも80重量%の前記玄武岩繊維と前記生体溶解性のセラミックス繊維とを集合的に含む、実施形態1に記載の不織布マット。
【0067】
14.少なくとも85重量%の前記玄武岩繊維と生体溶解性のセラミックス繊維とを集合的に含む、実施形態1に記載の不織布マット。
【0068】
15.少なくとも90重量%の前記玄武岩繊維と生体溶解性のセラミックス繊維とを集合的に含む、実施形態1に記載の不織布マット。
【0069】
16.少なくとも95重量%の前記玄武岩繊維と生体溶解性のセラミックス繊維とを集合的に含む、実施形態1に記載の不織布マット。
【0070】
17.少なくとも99重量%の前記玄武岩繊維と生体溶解性のセラミックス繊維とを集合的に含む、実施形態1に記載の不織布マット。
【0071】
18.少なくとも100重量%の前記玄武岩繊維と生体溶解性のセラミックス繊維とを集合的に含む、実施形態1に記載の不織布マット。
【0072】
19.少なくとも80重量%の前記玄武岩繊維と前記熱処理されたシリカ繊維とを集合的に含む、実施形態1に記載の不織布マット。
【0073】
20.少なくとも85重量%の前記玄武岩繊維と前記熱処理されたシリカ繊維とを集合的に含む、実施形態1に記載の不織布マット。
【0074】
21.少なくとも90重量%の前記玄武岩繊維と前記熱処理されたシリカ繊維とを集合的に含む、実施形態1に記載の不織布マット。
【0075】
22.少なくとも95重量%の前記玄武岩繊維と前記熱処理されたシリカ繊維とを集合的に含む、実施形態1に記載の不織布マット。
【0076】
23.少なくとも99重量%の前記玄武岩繊維と前記熱処理されたシリカ繊維とを集合的に含む、実施形態1に記載の不織布マット。
【0077】
24.少なくとも100重量%の前記玄武岩繊維と前記熱処理されたシリカ繊維とを集合的に含む、実施形態1に記載の不織布マット。
【0078】
25.前記ブレンド中に存在する、前記玄武岩繊維、及び非晶質耐火セラミックス繊維、生体溶解性のセラミックス繊維、熱処理されたシリカ繊維、及びこれらの混合物からなる群から選択される前記繊維が、実条件取り付け試験の25℃から700℃/400℃までの3回の熱サイクルの後に、前記繊維のブレンドで構成される前記不織布マット内に存在する、任意の個々の玄武岩繊維、非晶質耐火セラミックス繊維、生体溶解性のセラミックス繊維、及び熱処理されたシリカ繊維からなる類似の不織布マットの弾性値よりも少なくとも1.1倍大きい弾性値を有する不織布マットを集合的に提供する、実施形態1〜24のいずれか一つに記載の不織布マット。
【0079】
26.前記ブレンド中に存在する、前記玄武岩繊維、及び非晶質耐火セラミックス繊維、生体溶解性のセラミックス繊維、熱処理されたシリカ繊維、及びこれらの混合物からなる群から選択される前記繊維が、実条件取り付け試験の25℃から700℃/400℃までの3回の熱サイクルの後に、前記繊維のブレンド中に存在する任意の個々の玄武岩繊維、非晶質耐火セラミックス繊維、生体溶解性のセラミックス繊維、及び熱処理されたシリカ繊維からなる類似の不織布マットの弾性値よりも少なくとも1.2倍大きい弾性値を有する不織布マットを集合的に提供する、実施形態1〜25のいずれか一つに記載の不織布マット。
【0080】
27.前記ブレンド中に存在する前記玄武岩繊維、及び非晶質耐火セラミックス繊維、生体溶解性のセラミックス繊維、熱処理されたシリカ繊維、及びこれらの混合物からなる群から選択される前記繊維が、実条件取り付け試験の25℃から700℃/400℃までの3回の熱サイクルの後に、前記繊維のブレンド中に存在する任意の個々の玄武岩繊維、非晶質耐火セラミックス繊維、生体溶解性のセラミックス繊維、及び熱処理されたシリカ繊維からなる類似の不織布マットの弾性値よりも少なくとも1.25倍大きい弾性値を有する不織布マットを集合的に提供する、実施形態1〜26のいずれか一つに記載の不織布マット。
【0081】
28.前記ブレンド中に存在する前記玄武岩繊維、及び非晶質耐火セラミックス繊維、生体溶解性のセラミックス繊維、熱処理されたシリカ繊維、及びこれらの混合物からなる群から選択される前記繊維が、実条件取り付け試験の25℃から700℃/400℃までの3回の熱サイクルの後に、前記繊維のブレンド中に存在する任意の個々の玄武岩繊維、非晶質耐火セラミックス繊維、生体溶解性のセラミックス繊維、及び熱処理されたシリカ繊維からなる類似の不織布マットの弾性値よりも少なくとも1.3倍大きい弾性値を有する不織布マットを集合的に提供する、実施形態1〜27のいずれか一つに記載の不織布マット。
【0082】
29.前記ブレンド中に存在する前記玄武岩繊維、及び非晶質耐火セラミックス繊維、生体溶解性のセラミックス繊維、熱処理されたシリカ繊維、及びこれらの混合物からなる群から選択される前記繊維が、実条件取り付け試験の25℃から700℃/400℃までの3回の熱サイクルの後に、前記繊維のブレンド中に存在する任意の個々の玄武岩繊維、非晶質耐火セラミックス繊維、生体溶解性のセラミックス繊維、及び熱処理されたシリカ繊維からなる類似の不織布マットの弾性値よりも少なくとも1.4倍大きい弾性値を有する不織布マットを集合的に提供する、実施形態1〜28のいずれか一つに記載の不織布マット。
【0083】
30.前記ブレンド中に存在する前記玄武岩繊維、及び非晶質耐火セラミックス繊維、生体溶解性のセラミックス繊維、熱処理されたシリカ繊維、及びこれらの混合物からなる群から選択される前記繊維が、実条件取り付け試験の25℃から700℃/400℃までの3回の熱サイクルの後に、前記繊維のブレンド中に存在する任意の個々の玄武岩繊維、非晶質耐火セラミックス繊維、生体溶解性のセラミックス繊維、及び熱処理されたシリカ繊維からなる類似の不織布マットの弾性値よりも少なくとも1.5倍大きい弾性値を有する不織布マットを集合的に提供する、実施形態1〜29のいずれか一つに記載の不織布マット。
【0084】
31.前記ブレンド中に存在する前記玄武岩繊維、及び非晶質耐火セラミックス繊維、生体溶解性のセラミックス繊維、熱処理されたシリカ繊維、及びこれらの混合物からなる群から選択される前記繊維が、実条件取り付け試験の25℃から700℃/400℃までの3回の熱サイクルの後に、前記繊維のブレンド中に存在する任意の個々の玄武岩繊維、非晶質耐火セラミックス繊維、生体溶解性のセラミックス繊維、及び熱処理されたシリカ繊維からなる類似の不織布マットの弾性値よりも少なくとも1.6倍大きい弾性値を有する不織布マットを集合的に提供する、実施形態1〜30のいずれか一つに記載の不織布マット。
【0085】
32.前記ブレンド中に存在する前記玄武岩繊維、及び非晶質耐火セラミックス繊維、生体溶解性のセラミックス繊維、熱処理されたシリカ繊維、及びこれらの混合物からなる群から選択される前記繊維が、実条件取り付け試験の25℃から700℃/400℃までの3回の熱サイクルの後に、前記繊維のブレンド中に存在する任意の個々の玄武岩繊維、非晶質耐火セラミックス繊維、生体溶解性のセラミックス繊維、及び熱処理されたシリカ繊維からなる類似の不織布マットの弾性値よりも少なくとも1.7倍大きい弾性値を有する不織布マットを集合的に提供する、実施形態1〜31のいずれか一つに記載の不織布マット。
【0086】
33.前記ブレンド中に存在する前記玄武岩繊維、及び非晶質耐火セラミックス繊維、生体溶解性のセラミックス繊維、熱処理されたシリカ繊維、及びこれらの混合物からなる群から選択される前記繊維が、実条件取り付け試験の25℃から700℃/400℃までの3回の熱サイクルの後に、前記繊維のブレンド中に存在する任意の個々の玄武岩繊維、非晶質耐火セラミックス繊維、生体溶解性のセラミックス繊維、及び熱処理されたシリカ繊維からなる類似の不織布マットの弾性値よりも少なくとも1.75倍大きい弾性値を有する不織布マットを集合的に提供する、実施形態1〜32のいずれか一つに記載の不織布マット。
【0087】
34.前記ブレンド中に存在する前記玄武岩繊維、及び非晶質耐火セラミックス繊維、生体溶解性のセラミックス繊維、熱処理されたシリカ繊維、及びこれらの混合物からなる群から選択される前記繊維が、実条件取り付け試験の25℃から700℃/400℃までの3回の熱サイクルの後に、前記繊維のブレンド中に存在する任意の個々の玄武岩繊維、非晶質耐火セラミックス繊維、生体溶解性のセラミックス繊維、及び熱処理されたシリカ繊維からなる類似の不織布マットの弾性値よりも少なくとも1.8倍大きい弾性値を有する不織布マットを集合的に提供する、実施形態1〜33のいずれか一つに記載の不織布マット。
【0088】
35.前記繊維のブレンドが、非晶質耐火繊維又は生体溶解性繊維の少なくとも一方を含む、実施形態1〜34のいずれか一つに記載の不織布マット。
【0089】
36.前記マットが、前記マットの総重量に基づいて少なくとも30重量%の前記玄武岩繊維を含む、実施形態1〜35のいずれか一つに記載の不織布マット。
【0090】
37.前記マットが、前記マットの総重量に基づいて少なくとも35重量%の前記玄武岩繊維を含む、実施形態1〜35のいずれか一つに記載の不織布マット。
【0091】
38.前記マットが、前記マットの総重量に基づいて少なくとも40重量%の前記玄武岩繊維を含む、実施形態1〜35のいずれか一つに記載の不織布マット。
【0092】
39.前記マットが、前記マットの総重量に基づいて少なくとも45重量%の前記玄武岩繊維を含む、実施形態1〜35のいずれか一つに記載の不織布マット。
【0093】
40.前記マットが、前記マットの総重量に基づいて少なくとも50重量%の前記玄武岩繊維を含む、実施形態1〜35のいずれか一つに記載の不織布マット。
【0094】
41.前記マットが、前記マットの総重量に基づいて少なくとも55重量%の前記玄武岩繊維を含む、実施形態1〜35のいずれか一つに記載の不織布マット。
【0095】
42.前記マットが、前記マットの総重量に基づいて少なくとも60重量%の前記玄武岩繊維を含む、実施形態1〜35のいずれか一つに記載の不織布マット。
【0096】
43.前記マットが、前記マットの総重量に基づいて少なくとも65重量%の前記玄武岩繊維を含む、実施形態1〜35のいずれか一つに記載の不織布マット。
【0097】
44.前記マットが、前記マットの総重量に基づいて少なくとも70重量%の前記玄武岩繊維を含む、実施形態1〜35のいずれか一つに記載の不織布マット。
【0098】
45.前記マットが、前記マットの総重量に基づいて少なくとも75重量%の前記玄武岩繊維を含む、実施形態1〜35のいずれ一つかに記載の不織布マット。
【0099】
46.前記マットが、前記マットの総重量に基づいて少なくとも80重量%の前記玄武岩繊維を含む、実施形態1〜35のいずれか一つに記載の不織布マット。
【0100】
47.前記マットが、前記マットの総重量に基づいて少なくとも85重量%の前記玄武岩繊維を含む、実施形態1〜35のいずれか一つに記載の不織布マット。
【0101】
48.前記マットが、前記マットの総重量に基づいて少なくとも90重量%の前記玄武岩繊維を含む、実施形態1〜35のいずれか一つに記載の不織布マット。
【0102】
49.前記マットが、非晶質耐火セラミックス繊維、生体溶解性のセラミックス繊維、熱処理されたシリカ繊維、及びこれらの混合物からなる群から選択される前記繊維を、前記マットの総重量に基づいて少なくとも15重量%含む、実施形態1〜48のいずれか一つに記載の不織布マット。
【0103】
50.前記マットが、非晶質耐火セラミックス繊維、生体溶解性のセラミックス繊維、熱処理されたシリカ繊維、及びこれらの混合物からなる群から選択される前記繊維を、前記マットの総重量に基づいて少なくとも20重量%含む、実施形態1〜48のいずれか一つに記載の不織布マット。
【0104】
51.前記マットが、非晶質耐火セラミックス繊維、生体溶解性のセラミックス繊維、熱処理されたシリカ繊維、及びこれらの混合物からなる群から選択される前記繊維を、前記マットの総重量に基づいて少なくとも25重量%含む、実施形態1〜48のいずれか一つに記載の不織布マット。
【0105】
52.前記マットが、非晶質耐火セラミックス繊維、生体溶解性のセラミックス繊維、熱処理されたシリカ繊維、及びこれらの混合物からなる群から選択される前記繊維を、前記マットの総重量に基づいて少なくとも30重量%含む、実施形態1〜48のいずれか一つに記載の不織布マット。
【0106】
53.前記マットが、非晶質耐火セラミックス繊維、生体溶解性のセラミックス繊維、熱処理されたシリカ繊維、及びこれらの混合物からなる群から選択される前記繊維を、前記マットの総重量に基づいて少なくとも35重量%含む、実施形態1〜48のいずれか一つに記載の不織布マット。
【0107】
54.前記マットが、非晶質耐火セラミックス繊維、生体溶解性のセラミックス繊維、熱処理されたシリカ繊維、及びこれらの混合物からなる群から選択される前記繊維を、前記マットの総重量に基づいて少なくとも40重量%含む、実施形態1〜48のいずれか一つに記載の不織布マット。
【0108】
55.前記不織布マットがニードルパンチされる、実施形態1〜54のいずれか一つに記載の不織布マット。
【0109】
56.前記不織布マットが、湿式堆積プロセスを介して製造される、実施形態1〜55のいずれか一つに記載の不織布マット。
【0110】
57.前記不織布マットが、乾式堆積プロセスを介して製造される、実施形態1〜55のいずれか一つに記載の不織布マット。
【0111】
58.500℃を超える加熱の前の出来上がった状態のままの前記不織布マットが、前記マットの総重量に基づいて5重量%以下の有機材料を含有する、実施形態57に記載の不織布マット。
【0112】
59.500℃を超える加熱の前の出来上がった状態のままの前記不織布マットが、前記マットの総重量に基づいて4重量%以下の有機材料を含有する、実施形態57に記載の不織布マット。
【0113】
60.500℃を超える加熱の前の出来上がった状態のままの前記不織布マットが、前記マットの総重量に基づいて3重量%以下の有機材料を含有する、実施形態57に記載の不織布マット。
【0114】
61.500℃を超える加熱の前の出来上がった状態のままの前記不織布マットが、前記マットの総重量に基づいて2重量%以下の有機材料を含有する、実施形態57に記載の不織布マット。
【0115】
62.500℃を超える加熱の前の出来上がった状態のままの前記不織布マットが、前記マットの総重量に基づいて1重量%以下の有機材料を含有する、実施形態57に記載の不織布マット。
【0116】
63.500℃を超える加熱の前の出来上がった状態のままの前記不織布マットが、前記マットの総重量に基づいて0.75重量%以下の有機材料を含有する、実施形態57に記載の不織布マット。
【0117】
64.500℃を超える加熱の前の出来上がった状態のままの前記不織布マットが、前記マットの総重量に基づいて0.5重量%以下の有機材料を含有する、実施形態57に記載の不織布マット。
【0118】
65.500℃を超える加熱の前の出来上がった状態のままの前記不織布マットが、前記マットの総重量に基づいて0.25重量%以下の有機材料を含有する、実施形態57に記載の不織布マット。
【0119】
66.500℃を超える加熱の前の出来上がった状態のままの前記不織布マットが、前記マットの総重量に基づいて0.1重量%以下の有機材料を含有する、実施形態57に記載の不織布マット。
【0120】
67.500℃を超える加熱の前の出来上がった状態のままの前記不織布マットが、前記マットの総重量に基づいて0重量%の有機材料を含有する、実施形態57に記載の不織布マット。
【0121】
68.前記不織布マットが、0.05g/cm〜0.3g/cmの範囲の出来上がった状態のままの嵩密度を有する、実施形態1〜67のいずれか一つに記載の不織布マット。
【0122】
69.前記非晶質耐火セラミックスがアルミノケイ酸である、実施形態1〜68のいずれか一つに記載の不織布マット。
【0123】
70.前記生体溶解性のセラミックスが、ケイ酸マグネシウム又はケイ酸カルシウムマグネシウムの少なくとも一方である、実施形態1〜69のいずれか一つに記載の不織布マット。
【0124】
71.前記不織布マットが3mm〜50mmの範囲の厚さを有する、実施形態1〜70のいずれか一つに記載の不織布マット。
【0125】
72.前記不織布マットが少なくとも10kPaの引張り強度を有する、実施形態1〜71のいずれか一つに記載の不織布マット。
【0126】
73.前記玄武岩繊維が少なくとも5マイクロメートルの直径を有する、実施形態1〜72のいずれか一つに記載の不織布マット。
【0127】
74.前記玄武岩繊維がショットを含まない、実施形態1〜73のいずれか一つに記載の不織布マット。
【0128】
75.前記不織布マットが、マットの総重量に基づいて5重量%以下の有機材料を含む、実施形態1〜74のいずれか一つに記載の不織布マット。
【0129】
76.結合剤を更に含む、実施形態75に記載の不織布マット。
【0130】
77.前記不織布が非膨張性である、実施形態1〜76のいずれか一つに記載の不織布マット。
【0131】
78.前記不織布がバーミキュライトを含まない、実施形態1〜77のいずれか一つに記載の不織布マット。
【0132】
79.実施形態1〜78のいずれか一つに記載の前記マットを有するケーシングの中に実装される汚染防止要素を備える、汚染防止装置。
【0133】
80.前記汚染防止要素(pollution element)が、触媒コンバータ、ディーゼル微粒子フィルタ又は選択接触還元要素のうちの1つである、実施形態79に記載の汚染防止装置。
【0134】
81.二重壁排気構成要素と、実施形態1〜78のいずれか一つに記載のマットと、を備える排気システムであって、該マットが、二重壁排気構成要素の壁の間の間隙の中に位置決めされる、排気システム。
【0135】
82.前記二重壁排気構成要素が排気管である、実施形態81に記載の排気システム。
【0136】
83.前記二重壁排気構成要素が、汚染防止装置のエンドコーンである、実施形態81に記載の排気システム。
【0137】
84.前記二重壁排気構成要素が排気マニホルドである、実施形態81に記載の排気システム。
【0138】
試験方法
−実条件取り付け試験(RCFT)
本試験を用いて、実際の使用時において触媒コンバータなどの汚染防止要素に見られる実際の条件を代表する条件下で、シート材料によってもたらされる圧力を測定する。
【0139】
44.45mm×44.45mmの寸法を有するシートサンプル材料を、独立した加熱制御機器を有する加熱された2つの50.8mm×50.8mm金属圧盤の間に設置した。各圧盤を、室温(約25℃)から異なる温度プロフィールまで漸増式に加熱して、汚染防止装置の中の金属製ハウジング及びモノリスの温度をシュミレートする。加熱中、圧盤間の間隙は、典型的な触媒コンバータのハウジング及びモノリスの、温度と熱膨張係数から計算される値だけ増加する。モノリス側に相当する圧盤に関して700℃、及び金属製ハウジング側に相当する圧盤に関して400℃(本明細書では700℃/400℃とも呼ばれる)の最高温度まで加熱した後、圧盤を室温(約25℃)から漸増式に冷却し、その間に間隙は、温度及び熱膨張係数から計算される値だけ減少する。この温度サイクリングを3回行う。
【0140】
材料を最初に、開始圧力値(例えば、200キロパスカル(kPa))又は選択された実装密度のいずれかまで圧縮して、汚染防止装置内の実装材料の条件をシュミレートする。実装材料によってもたらされる力を、伸び計(Extensometer)(MTS Systems Corp.,Research Triangle Park,NCより入手)を備えたSintech IDコンピュータ制御の荷重フレームを用いて測定する。加熱及び冷却サイクルの間にマットによってもたらされる圧力を、温度プロフィールに対してプロットする。サンプル及び圧盤を室温まで冷却し、通常更に2回サイクルを繰り返して、圧力対温度の3つのプロットを有するグラフを作成する。3回のサイクルのそれぞれに関して最低値である少なくとも50kPaは、典型的には、実装マットに望ましいと考慮される。特定用途によってはより低い値も好適な場合がある。
【0141】
−熱機械分析器(TMA)
本開示の目的上、本試験を用いて、本明細書に記載の非膨張性の不織布マットの特定の高温における収縮を評価する。この試験では、不織布マットを700℃又は750℃まで等温加熱し、その後室温まで冷却する際の不織布マットの厚さを、一定圧力下で連続的に測定して記録する。しかしながら、本テストは、コンバータの実環境をシュミレートすることを意図しない。
【0142】
各サンプル(直径11mmの円)を従来の加熱炉の中に設置し、毎分15℃の速度で均一に加熱する。マットの上に置かれた7mmの石英ロッド(ロッドは1350グラム重に耐える)は、50psi(345kPa)の一定圧力をマットにもたらす。マットが収縮すると、石英ロッドは下方に移動する。この変位を測定し、マット温度の関数として記録する。石英の熱膨張係数は非常に低いので、ロッドは測定された収縮に影響を与えないと推定される。
【0143】
−引張試験
引張試験を用いて、マットの製造及び使用プロセスに関連し得る不織布マットの特定の取り扱い特性を評価する。不織布マットは、取り扱われる、モノリスに巻き付けられる、又は缶詰めにされるときに裂けない又は破断しないことが望ましい。コンバータアセンブリの中にマットを実装した後では、引張り強度ははもはや問題ではない。
【0144】
各サンプルを、幅1インチ(2.5cm)、及びダウンウェブ方向の長さ7インチ(17.8cm)のストリップに切断する。従来のキャリパーを使用して、0.715psi(4.9kPa)の圧力下で2.5インチ(6.25cm)直径領域にわたってサンプルの厚さを測定する。引張試験機(Thwing & Albert(West Berlin,NJ)から商標名「QC1000 MATERIALS TESTER」で入手)の上で、初期間隙5インチ(12.7cm)、及びクロスヘッド速度1インチ/分(2.5cm/分)でサンプルを試験する。
【0145】
本発明の範囲及び趣旨から外れることなく、本発明の予測可能な修正及び変更が当業者には自明であろう。本発明は、例証の目的のために本出願において説明された実施形態に限定されるべきではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
マットの総重量に基づいて、少なくとも25重量%の玄武岩繊維と、非晶質耐火セラミックス繊維、生体溶解性のセラミックス繊維、熱処理されたシリカ繊維、及びこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも10重量%の繊維と、から構成されるブレンドから構成される不織布マットであって、前記不織布マットが、前記マットの総重量に基づいて、少なくとも80重量%の前記玄武岩繊維と、非晶質耐火セラミックス繊維、生体溶解性のセラミックス繊維、熱処理されたシリカ繊維、及びこれらの混合物からなる群から選択される前記繊維と、から集合的に構成される、不織布マット。
【請求項2】
少なくとも80重量%の前記玄武岩繊維と前記非晶質耐火セラミックス繊維とを集合的に含む、請求項1に記載の不織布マット。
【請求項3】
前記ブレンド中に存在する、前記玄武岩繊維、及び非晶質耐火セラミックス繊維、生体溶解性のセラミックス繊維、熱処理されたシリカ繊維、及びこれらの混合物からなる群から選択される前記繊維が、実条件取り付け試験の25℃から700℃/400℃までの3回の熱サイクルの後に、前記繊維のブレンドから構成される前記不織布マット内に存在する、任意の個々の玄武岩繊維、非晶質耐火セラミックス繊維、生体溶解性のセラミックス繊維、及び熱処理されたシリカ繊維からなる類似の不織布マットの弾性値よりも少なくとも1.1倍大きい弾性値を有する不織布マットを集合的に提供する、請求項1又は2に記載の不織布マット。
【請求項4】
前記マットが、非晶質耐火セラミックス繊維、生体溶解性のセラミックス繊維、熱処理されたシリカ繊維、及びこれらの混合物からなる群から選択される前記繊維を、マットの総重量に基づいて少なくとも15重量%含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の不織布マット。
【請求項5】
500℃を超える加熱の前の出来上がった状態のままの前記不織布マットが、前記マットの総重量に基づいて5重量%以下の有機材料を含有する、請求項4に記載の不織布マット。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか一項に記載のマットを有するケーシングの中に実装される汚染防止要素を備える汚染防止装置。
【請求項7】
二重壁排気構成要素と、請求項1〜6のいずれか一項に記載の前記マットとを備える排気システムであって、前記マットが、前記二重壁排気構成要素の壁の間の間隙の中に位置決めされる、排気システム。
【請求項8】
前記二重壁排気構成要素が排気管である、請求項7に記載の排気システム。
【請求項9】
前記二重壁排気構成要素が、汚染防止装置のエンドコーンである、請求項7に記載の排気システム。
【請求項10】
前記二重壁排気構成要素が排気マニホルドである、請求項7に記載の排気システム。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2012−507643(P2012−507643A)
【公表日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−535597(P2011−535597)
【出願日】平成21年10月27日(2009.10.27)
【国際出願番号】PCT/US2009/062193
【国際公開番号】WO2010/062591
【国際公開日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【出願人】(505005049)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (2,080)
【Fターム(参考)】