説明

実験室装置のための改良されたサンプル調製システム

広範なサンプル調製プロトコルを実施するために容易に適合される実験室装置を提示する。この実験室装置は、後の分析のためのサンプル調製における1つ以上のプロセスを実施するために適合される複数の器具、および回転軸の周りでの回転のために装備される中空回転体を含む。隔壁が、この中空回転体を第一チャンバと第二チャンバとに分割する。第一チャンバおよび第二チャンバは共に、上記複数の器具のうちの1つ以上がアクセス可能となっている。1つ以上のバルブ機構が、少なくともある程度、中空回転体に与えられる回転速度に基づいて第一チャンバと第二チャンバとの間の流体連絡を制御するために配置される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の分野)
本発明は、一般的に、化学物質および/または生物学的物質を分析または操作するために使用される装置に関する。さらに詳しくは、本発明は、実験室装置のためのフレキシブルサンプル調製システムに関する。
【背景技術】
【0002】
(発明の背景)
研究室の環境における化学物質および/または生物学的物質の操作は、多くは非常に労働集約的である。したがって、実験室機器設計の最近の傾向は、これらの操作工程の多くの一層の自動化に向いている。とりわけ、自動化は、機器が実施する分析の処理量を増大し、実験室における手作業の費用を縮小し、分析の信頼性を増し、そして危険な化学物質および/または生物学的物質との望ましくない接触から実験室研究者を護る。
【0003】
後の分析のためのサンプルの調製は、容易に自動化できなかった1つの分野である。多くの場合、サンプル調製は、熟練技術者によって手作業で実施されなければならない複雑に連続した工程を含む。あいにく、最も熟練した技術者でさえ、これらの工程を正確にかつ同じ種類の異なるサンプルを用いて実施されるテスト間の一貫性を確実にするように実施することに難儀し得る。そのような問題は、サンプル調製プロトコルを多数のサンプルに適用しなければならない場合に特に明白となる。
【0004】
後の分析のためのサンプルの調製に使用される数種の機構を含む実験室器械は、Pangらに対して1994年3月22日に発行された「Automatic Immunochemistry Analyzing Apparatus and Method」という発明の名称の特許文献1に提示されている。操作中は、サンプル希釈器/ディスペンサーを、複数の処理ステーション間の移動のためにキャリッジアセンブリに配置する。サンプル希釈器/ディスペンサーを、まずサンプル容器の並列位置に移動させ、そこで一定量の希釈剤が正確な量で自動的に投下されてサンプルを希釈する。次いで、正確な量の希釈サンプルを、容器からサンプル希釈器/ディスペンサーが自動的に取り出す。次いで、サンプル希釈器/ディスペンサーを、反応キュベットの並列位置に移動させ、そこでサンプルが試薬との反応のために投下される。その反応の1種以上のパラメータをモニターしてこのサンプルの分析を得る。
【0005】
上記の装置はサンプル調製プロトコルの自動化に向けての重大な一歩を示しているが、柔軟性が、やや欠けている。そのようなことから、今でもかなりの数の手作業で実施される調製工程が、種々のサンプル調製プロトコルを実行するために必要とされている。
【特許文献1】米国特許第5,296,195号明細書
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0006】
(発明の要旨)
広範なサンプル調製プロトコルを実施するために容易に適合される実験室装置を提示する。この実験室装置は、後の分析のためのサンプル調製における1つ以上のプロセスを実施するために適合される複数の器具、および回転軸の周りでの回転のために装備される中空回転体を含む。隔壁が、中空回転体を第一チャンバと第二チャンバとに分割する。第一チャンバおよび第二チャンバは共に、上記複数の器具のうちの1つ以上がアクセス可能となっている。1つ以上のバルブ機構が、少なくともある程度、中空回転体に与えられる回転速度に基づいて第一チャンバと第二チャンバとの間の流体連絡を制御するために配置される。
【0007】
実験室装置の1つの実施形態に従って、隔壁は、中空回転体を上部チャンバと下部チャンバとに分割する。この隔壁はまた、中央開口部を含む。堰壁は、隔壁の中央開口部の外側位置に放射状に存在する上部チャンバに、隔壁の中央開口部を取り囲んで配置されている。バルブ機構は、上部チャンバから中空回転体の外側領域への流体の流出を制御するために配置される。スピンにより起動されるサイホン管路が、下部チャンバと堰壁の外側に放射状に存在する上部チャンバの領域との間の、中空回転体の回転速度に基づいて制御される流体連絡を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
(発明の好ましい実施形態の説明)
広範なサンプル調製プロトコルを自動的に実施する使用に適したサンプル調製システムの1つの実施形態を、一般的に、図1の10にて示す。一般的に述べると、サンプル調製システム10は、器具システム15、中空回転体システム20、および回転体システムドライブ25を含む。
【0009】
中空回転体システム20は、一般的に、30にて示される中空回転体を含み、この中空回転体は、軸35の周りでの回転ために回転体システムドライブ25上に装備される。隔壁40は、中空回転体30の内側部分を少なくとも2つのチャンバに分割する。例示された実施形態において、隔膜40は、中空回転体30内に水平方向に配置され、内側部分を上部チャンバ45と下部チャンバ50とに分割する。しかしながら、中空回転体システム20の他の実施形態は、中空回転体の内側を同軸を有するチャンバへと分割するように中空回転体30内に配置された隔壁40を有し得ることが認識される。好ましくは、上部チャンバ45の容積は、下部チャンバ50の容積よりも大きい。
【0010】
中空回転体30は、少なくとも1つのアパーチャ55を含み、このアパーチャ55を通して、器具システム15のプロセシング器具が中空回転体30の内側へのアクセスを得ることが可能である。例示した実施形態において、単一のアパーチャ55は、中空回転体30の上部壁を貫いて配置され、回転軸35と同軸を有する。隔壁40は、隔壁40を通じて、中央開口部60を含み、この中央開口部60も同様に、回転軸35と同軸を有する。堰壁65は、上部チャンバ45の傾斜床70から上方へと進み、中央開口部60を取り囲む。これが、堰壁65の外側に放射状に存在するチャンバの領域内の上部チャンバ45中に流体ウェル75を形成する。下部チャンバ50の床80は、同様に、回転軸35の方向に傾斜している。軸方向の窪み85が床80に与えられ、器具システム15の1つ以上の器具(例えば、組織ホモジナイザー)のプロファイルに従うように適合される。アパーチャ55は、上部チャンバ45の流体ウェル75と下部チャンバ50の軸方向の窪み85との両方への器具のアクセスを可能とするのに十分に大きくなるように構成される。
【0011】
下部チャンバ50と上部チャンバ45との間の流体連絡は、一般的に90にて示され、隔壁40を通じて上部チャンバ45の内側半径に近い部分と、下部チャンバ50の外側半径とを結びつける、スピンにより起動されるサイホン管路により、少なくともある程度は制御される。例示した実施形態において、スピンにより起動されるサイホン管路90は、ほぼ垂直なサイホンチャネル95、およびほぼ水平なサイホンチャネル100を含む。チャネル95は、下部チャンバ50の内側壁に配置され、下部チャンバ50の外側の放射状部分に開いた第一端部を有する。次に、チャネル100は、チャネル95と流体連絡している第一端部、および隔壁40の中央開口部60のすぐ近くで終る第二端部を有する。さらなるほぼ垂直なサイホンチャネル105は、隔壁40を通じて進み、堰壁65の外側に放射状に存在する上部チャンバ45の領域とチャネル100の第二端部とを流体連絡させる。
【0012】
スピンにより起動されるバルブ110は、チャネル100の第二端部のすぐ近くに位置している。スピンにより起動されるバルブ110は、中空回転体が停止している際に、中央開口部60に対して開かれている一組の穴120を密閉する、コンプライアンスリング115を含む。中空回転体30は、軸35の周りで回転するにつれ、このコンプライアンスリング115は、軸35から離れていく方向に拡がり、一組の穴120を開く。そのようなスピンにより起動されるバルブの1つの実施形態は、「Blood Separation Device」という発明の名称の、ベルに対して1999年8月10日に発行された米国特許第5,935,051号に提示されている。
【0013】
中空回転体30が、穴120がコンプライアンスリング115によって密閉されたままでありかつ下部チャンバ50中の流体レベルがチャネル105の内部へ放射状に進む速度で回転させられる場合、下部チャンバ50の内容全体を上部チャンバ45へと移動させるサイホン作用が起こる。
【0014】
中空回転体30が、コンプライアンスリング115が穴120をもはや密閉しない速度で回転させられる場合、サイホン作用が壊れ、サイホンチャネルは、簡単な堰の役割を果たす。下部チャンバ50をチャネル105の上位レベルを越えて満たすのに必要とされる量を超過した流体量のみを上部チャンバ45に移動させる。
【0015】
サイホン作用は、中流でリング115を拡げるために回転速度を増すことによって流体移動プロセスの間、中断されて、それにより、下部チャンバ50から上部チャンバ45への流体の一部の移動のみをもたらし得る。
【0016】
中空チャンバ30がスピンしている間、上部チャンバ45の充填レベルが下部チャンバ50の充填レベルを上回り、上部チャンバ45の充填レベルがチャネル105のレベルを上回る場合、上部チャンバおよび下部チャンバの流体レベルが等しくなるまでか、または上部チャンバ45の流体レベルがチャネル105のレベルを過ぎるまで、流体はチャネル105、100および95を通じて上部チャンバ45から下部チャンバ50へと流れる。
【0017】
回転が止められ、上部チャンバ45が流体を含む場合、上部チャンバ45の内容物は堰壁65の方へと流れ、垂直のサイホンチャネル105の上部開口部の上を覆う。チャネル105は、駆動力が重力の場合に、表面張力が上部チャンバ45の排流を妨げるような大きさで作られている。この表面張力は、回転によりより強い駆動力が与えられるため、他の移動工程の間は克服される。
【0018】
さらなるスピンにより起動されるバルブ125は、上部チャンバ45の周壁に配置される。スピンにより起動されるバルブ125は、同様に、複数の穴135を常態では密封するように配置されるコンプライアンスリング130を含む。中空回転体30が穴135を開くのに十分な速度で回転させられる場合、回転体の内容物に課される遠心力のために上部チャンバ45中の流体は、穴135を通じて流体捕集器140へと出て行く。好ましくは、スピンにより起動されるバルブ125は、スピンにより起動されるバルブ110が穴120を開く速度より高速な回転速度にて穴135を開くように構成される。バルブが作動する回転速度を、リング115および130に適用される大きさ、硬度および予備引張り量を変更することにより制御し得る。
【0019】
示されるように、流体捕集器140は、穴135を出ていく流体を回収するために中空回転体30の周縁部の周りに配置される。この目的のために、流体捕集器140は、ウェル145を確定する内側側壁142および外側側壁143を含む。ウェル145は、中空回転体30の上部周縁部分の上を内側へ放射状に延びる縁部150により上部で制限される。穴135を出ていく流体は、外側側壁143に向かって投げ出され、ウェル145に溜まる。縁部150は、側壁143と接触する流体捕集器140へ向かう流体のはねを抑制するのを助ける。ウェル145は、出口155と流体連絡しており、この出口155を通じて、流体捕集器140の内容物が中空回転体システム20を出て行く。
【0020】
さらなるスピンにより起動される排出バルブ(図示されていない)は、下部チャンバ50の周壁に配置され得る。含まれる場合、このバルブは、好ましくは、スピンにより起動されるバルブ125が開く回転速度より高速な回転速度にて作動するように設計される。その存在は、より簡単な洗浄、および下部チャンバ50から直接の望ましくない高密度の物質の排出を可能とする。そのような場合、流体捕集器140の内側側壁142の上部部分が下げられて、それにより外側側壁143を下部チャンバ50のスピンにより起動されるバルブを出て行く流体に曝す。
【0021】
回転体システムドライブ25は、回転駆動モーター165を収容する基部部材160を含む。回転駆動モーター165は、基部部材160を貫いて配置されるアパーチャ175を通じて延びる駆動軸170を含む。駆動軸170は、回転駆動モーター165から延びて、駆動軸170を中空回転体システム20の中空回転体30と接続する連結アセンブリ177とかみ合う。
【0022】
図示された実施形態において、器具システム15は、器具ラック180および自動器具ドライブ185を含む。器具ラック180は、サンプル調製プロトコル中の1つ以上のプロセスを実施するために適用される複数の器具の操作部分187を支えるように適合される。自動器具ドライブ185は、次いで、操作部分187の各々と選択的にかみ合い、それを中空回転体システム20と並列させた位置にもたらすように適合される。器具ドライブ185は、プロトコル全体における所望の処理工程の実施のために、中空回転体システム20とかみ合うように、器具の操作部分187をさらに移動させる。所望の処理工程が完了した後、器具ドライブ35は、例えば、後の操作における使用のために操作部分187が洗浄され得る洗浄ステーション190の方へ、操作部分187を移動させ得る。
【0023】
自動器具ドライブ185は、複数のガイドロッド200に沿う水平移動のために配置されるキャリッジアセンブリ195、およびキャリッジアセンブリ195上での垂直移動のために配置されるサブキャリッジアセンブリ205を含み得る。207にて示される複数のドライブは、望ましい時に望ましい程度、キャリッジアセンブリ195に水平方向の動きを与え、そしてサブキャリッジアセンブリ205に垂直方向の動きを与えるために提供される。サブキャリッジアセンブリ205は、器具ラック180に支持される器具の操作部分187と選択的にかみ合うように適合される末端部分210を含む。器具の操作部分187を支持するのに必要とされる他の機構(ポンプ、注射器、モータードライブ、電気接続、空気接続など)もまた、キャリッジアセンブリ195およびサブキャリッジアセンブリ205のいずれかまたは両方によって運ばれ得る。
【0024】
器具システム15が、種々の異なる様式で実行されることが理解される。例えば、例示された実施形態は、単一のキャリッジアセンブリ195およびサブキャリッジアセンブリ205のみを使用するが、自動器具ドライブ185は、複数のキャリッジアセンブリ/サブキャリッジアセンブリにより、同様に実行され得る。そのような複数のキャリッジ/サブキャリッジシステムを実行する1つの様式が、上記に検討される’195特許で例示されている。複数のキャリッジ/サブキャリッジシステムを実行するさらなる様式が、2004年10月22日出願の「APPARATUS HAVING IMPROVED GANTRY ASSEMBLY SUITABLE FOR USE IN A LABORATORY ENVIRONMENT」という発明の名称のU.S.S.N.___(代理人事件番号 6420P0060US;顧客ファイル 03ID7023)に提示されており、この特許出願の教示は、本明細書中に参考として援用される。
【0025】
器具システム15はまた、中空回転体システム20の上に位置する回転器具ラック上に配置された統合アセンブリとして提供され得る。そのようなシステムにおいて、サンプル調製プロトコルを実行するのに必要とされる器具を、中空回転体システム20の近い位置まで逐次的に回転させて、中空回転体システム20とかみ合った状態にさせる。さらなる実施形態において、回転器具ラックは、上記のタイプの複数のキャリッジ/サブキャリッジアセンブリのそれぞれの上に配置され得る。
【0026】
器具システム15は、広範なサンプル調製プロトコルを実施することを可能とするために、種々の処理器具を含み得る。例えば、器具システム15は、ホモジナイザー、ブレンダーブレード、ピペットプローブ、ミキサー、アスピレーター、流体ディスペンサー、中空繊維濾過カートリッジ、乾燥試薬移動デバイスなどを含み得る。これらの器具の操作部分187は、自動器具ドライブ185によるアクセスのために、器具ラック180により支持され得る。あるいは、器具全体が、独立的に、個々のキャリッジ/サブキャリッジアセンブリによって、そして/または回転器具ラックによって、運ばれ得る。
【0027】
器具システム15の器具は、中空回転体30に関連する複数の動作整列または高さを有し得る。例えば、ピペットプローブは、軸方向の窪み85の底部の高さで中空回転体30の中心と整列して、下部チャンバ50からサンプルを吸引する。この相対的な整列を、図2に図示する。同様に、ホモジナイザー器具を、それが軸方向の窪み85内に入る高さで中空回転体30の中心と整列させ得、この軸方向の窪み85は、ホモジナイザー器具の形に一致するように適合される。この相対的な整列を、図3に図示する。ピペットプローブは、より高い高さで中心をはずれて整列し、上部チャンバ45の堰壁65の後ろからサンプルを吸引する。この相対的な整列を、図4に図示する。
【0028】
上記システム構成要素の動作および同期化は、好ましくは、一般的に215にて示されるプログラム可能制御システムとこれらの構成要素をインターフェースで連結することによって達成される。プログラム可能制御システム215は、中央処理装置220、ユーザーインターフェース225および1つ以上のスレーブプロセッサー/プロセッサーインターフェースユニット230を含み得る。中央処理装置220は、所望のサンプル調製プロトコルを実施するのに必要とされるプログラミングを含む。このサンプル調製プロトコルは、ユーザーインターフェース225により入力され得る。ユーザーインターフェース225は、キーボード、モニター、マウス、タッチスクリーンなど、またはオペレータであるヒトが、中央処理装置220を通じてサンプル調製システム10の他の部分と相互に作用することを可能とするあらゆる他の構成要素を含み得る。スレーブプロセッサー/プロセッサーインターフェースユニット230は、中央処理装置220によって実施されるプログラミングをシステムハードウェア構成要素とインターフェースで連結するのに必要な構成要素を含む。そのようなシステムハードウェア構成要素としては、モーター207、回転駆動モーター165、ポンプ、液圧式機械、空気圧式機械などが挙げられる。
【0029】
サンプル調製システム10は、広範なサンプル調製動作を実施するようにプログラムされ得る。これらの動作の例としては、以下が挙げられる:
サンプルを下部チャンバ50に加えること;
試薬を下部チャンバ50に加えること;
サンプルを上部チャンバ45に加えること;
試薬を上部チャンバ45に加えること;
中空回転体30の内容物を下部チャンバ50から上部チャンバ45へと移動させること;
アリコートを下部チャンバ50から上部チャンバ45へと移動させること;
アリコートを上部チャンバ45から下部チャンバ50へと移動させること;
下部チャンバ50を空にすること;
上部チャンバ45を空にすること;
上部チャンバ45をすすぐこと;
下部チャンバ50をすすぐこと;
中空回転体30についての回転速度を設定すること;
処理器具を、上部チャンバ45かまたは下部チャンバ50へのアクセスのために適切な水平位置に位置づけること;
上部チャンバ45かまたは下部チャンバ50に関連して適切な垂直方向の高さに処理器具を配置すること;
処理器具を作動させること。
【0030】
ほとんどの上記動作が、一連の特有の動き必要とする。上記動作の一部についての典型的な動きを以下に提示する。
【0031】
動作:下部チャンバ50に試薬を加えること
ピペットを試薬びんの上方に配置する
分離機の気泡を吸引する
ピペットを試薬内に垂直に保ったまま降下させ、正確に測定した試薬をびんから抽出する
ピペットを試薬びんから引き揚げる
ピペットをピペット洗浄器に配置する
ピペット外部を洗浄する
ピペットを中空回転体30の中心の上方に配置する
ピペットを軸方向の窪み85に降下させる
試薬を軸方向の窪み85に投下する
ピペットを中空回転体30から引き揚げる
ピペットをピペット洗浄器に配置する
ピペット内部およびピペット外部を洗浄する。
【0032】
動作:内容物を下部チャンバ50から上部チャンバ45へと移動させること
スピンにより起動されるバルブの全てを閉じるように中空回転体の回転速度を設定する
流体ディスペンサーを中空回転体30の中心の上方に配置する
流体ディスペンサーを下部チャンバ50内に降下させる
流体がチャネル105に到達するまで流体を投下する。
【0033】
動作:上部チャンバ45の内容物に影響を及ぼすことなく、下部チャンバ50を空にし、すすぐこと
中空回転体30の回転を止める
すすぎ用流体ディスペンサーを中空回転体30の中心の上方に配置する
すすぎ用流体ディスペンサーを下部チャンバ50内に降下させる
すすぎ用流体を下部チャンバ50に投下する
必要に応じて、下部チャンバ50内ですすぎ用流体を(連続して(on−the−fly)またはパドルを用いて)混ぜる
すすぎ用流体ディスペンサーを下部チャンバ50から除去する
吸引器具を中空回転体30の中心の上方に配置し、中空回転体30の中に降下させる
すすぎ用流体を吸引器具を通じて下部チャンバ50から排出する。
【0034】
動作:アリコートを上部チャンバ45から下部チャンバ50へと移動させること
中空回転体30の回転を止める
上部チャンバ45への(中心をはずれた)アクセスのために、ピペットを回転体30に配置する
分離器の気泡を吸引する
上部チャンバ45中の堰壁65の放射状の外側にピペットを降下させる
アリコートを吸引する
下部チャンバ50へのアクセスのために、ピペットを中空体30に配置する
ピペットを下部チャンバ50内に降下させる
アリコートを投下する
ピペットを中空回転体30から引き揚げる
ピペットをピペット洗浄器に配置する
ピペット内部およびピペット外部を洗浄する。
【0035】
動作:下部チャンバ50中の簡単な混合
混合パドルを中空回転体30の中心の上方に配置する
混合パドルを軸方向の窪み85に降下させる
中空回転体30を低回転速度でスピンさせる
混合パドルを中空回転体30から引き揚げる
混合パドルをパドル洗浄器に配置する
混合パドルを洗浄する。
【0036】
動作:連続して混ぜること(両チャンバ)
中空回転体30をスピンさせる
一定の回転速度で、低振幅の正弦速度プロフィルを適用する。
【0037】
上記処理動作を、種々の様式で合わせて、相当な範囲の、異なるサンプル処理プロトコルを実施し得る。1つのそのようなサンプル調製プロトコルの第一の例は、凝固を防止した全血からの単核細胞の単離である。この非連続的な密度勾配による選別は、de Almeidaによって開示される方法に基づいており、以下のサンプル調製工程を含む:
Ficol Hypaque(密度1.070)を下部チャンバ50に加える
中空回転体30を低回転速度でスピンさせる
凝固を防止した血液を下部チャンバ50にゆっくりと加える
中空回転体30を細胞を沈殿させるのに十分な回転速度でスピンさせる
スピンにより起動されるバルブ110を開く速度で中空回転体30をスピンさせながら、Isotonを下部チャンバ50に加えてより重たい細胞を上部チャンバ45へと移す
上部チャンバ45を空にして、すすぐ
高浸透圧Percoll(密度1.064)を上部チャンバ45に加える
スピンにより起動されるバルブ110が閉じられる速度で中空回転体30をスピンさせながら、Isotonを加え、下部チャンバ50の内容物を上部チャンバ45へと移す
下部チャンバ50を空にし、すすぐ(回転を止め、吸引する)
中空回転体30を、細胞を沈殿させるのに十分な回転速度でスピンさせる
追加量のPercollを加えて、望ましくない細胞および血清を下部チャンバ50に移す
中空回転体30の回転を止める
単核細胞を上部チャンバ45から吸引する
下部チャンバ50を空にし、すすぐ
上部チャンバ45を空にし、すすぐ。
【0038】
システム10において実行され得るサンプル調製プロトコルの第二の例は、マウス乳腺癌の外植片からの洗浄された細胞の単離である。このプロトコルは、以下のサンプル調製工程を含み得る:
組織サンプルを下部チャンバ50の軸方向の窪み85内に充填する
Isotonを下部チャンバ50に加える
サンプルを粗く切るために、中空回転体30を回転させながらブレンダーブレード器具を軸方向の窪み85内に配置し、降下させ、作動させる
サンプルを微細に分割するために、中空回転体30を回転させながらホモジナイザー器具を軸方向の窪み85内に配置し、降下させ、作動させる
冷たいIsotonを加える
中空回転体30を細胞を沈殿させるのに十分な回転速度でスピンさせる
スピンにより起動されるバルブ110を開けるのに十分な回転速度で中空回転体30をスピンさせながら、Isotonを加えて、細胞を下部チャンバ50から上部チャンバ45に移す
細胞を上部チャンバ45から吸引する
破片を下部チャンバ50から排出し、すすぐ
上部チャンバ45を空にし、すすぐ。
【0039】
システム10中で実行され得るサンプル調製プロトコルの第三の例は、凝固を防止した全血からのグリコヘモグロビンの抽出である。そのようなサンプル調製プロトコルは、以下の工程を含み得る。
【0040】
凝固を防止した血液サンプルを下部チャンバ50内に投下する
細胞を沈殿させるのに十分な速度で中空回転体30をスピンさせる
中空回転体30をバルブ110が閉じられたままにする速度でスピンさせながら、十分な量のIsotonを加えて、細胞を下部チャンバ50から上部チャンバ45に移す
下部チャンバ50から上部チャンバ45への血漿の移動を妨げるために、細胞移動の間、所定の時点で中空回転体30の回転速度を上昇させる
下部チャンバ50を空にする
Brij 35界面活性剤を含む低張性の生理食塩水を上部チャンバ45に加えて、赤血球を溶解する
混ぜる
アミノフェニルボロン酸アガロースビーズを上部チャンバ45に加えて、糖タンパク質を吸収させる
混ぜる
中空回転体30をスピンさせて、ビーズを沈殿させる
上部チャンバ45にリンス液を加えて、結合していない物質を下部チャンバ50に移す
中空回転体30の回転を止める
下部チャンバ50からの回収された生成物を吸引する
下部チャンバ50および上部チャンバ45の両方を空にし、すすぐ。
【0041】
明らかとなるように、相当な数のさらなるサンプル調製プロトコルが、システム10を使用して実施され得る。上記プロトコルは、単に説明の目的であり、システム10の汎用性を図示するために提供される。
【0042】
数多くの改変が、それらの基本的な教示から逸脱することなく、上記システムに対して成され得る。本発明は、1つ以上の特定の実施形態を参照してかなり詳細に記載されたが、当業者は、別添の特許請求の範囲に提示されるような本発明の範囲および精神から逸脱することなしに変更が成され得ることを理解する。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】図1は、本発明のフレキシブルサンプル調製装置の1つの実施形態の概略ブロック図および横断面図である。
【図2】図2は、図1の中空回転体の横断面図であり、ピペット器具が下部チャンバにアクセスしているところを示している。
【図3】図3は、図1の中空回転体の横断面図であり、ホモジナイザー器具が下部チャンバ中の軸方向の窪みにアクセスしているところを示している。
【図4】図4は、図1の中空回転体の横断面図であり、ピペット器具が上部チャンバにアクセスしているところを示している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
サンプル調製システムであって:
回転軸の周りでの回転のために装備される、中空回転体;
該中空回転体を上部チャンバおよび下部チャンバへと分割する隔壁であって、中央開口部を有する、隔壁;
該中央開口部の外側に放射状に存在し、該中央開口部を取り囲む、該上部チャンバ内に配置される、堰壁;
該上部チャンバから該中空回転体の外側領域への流体の排出を制御するために配置される、バルブ機構;
該下部チャンバと該堰壁の外側に放射状に存在する該上部チャンバの領域との間の、該中空回転体の回転速度に基づいて制御された流体連絡を提供する、スピンにより起動される、サイホン管路
を含む、サンプル調製システム。
【請求項2】
請求項1に記載のサンプル調製システムであって、前記隔壁が、前記堰壁へと傾斜する前記上部チャンバの床を画定する、サンプル調製システム。
【請求項3】
請求項1に記載のサンプル調製システムであって、前記下部チャンバが、前記下部チャンバの中央部分へと傾斜する床を含む、サンプル調製システム。
【請求項4】
請求項1に記載のサンプル調製システムであって、前記バルブ機構が、前記上部チャンバの周りに配置されたスピンにより起動されるバルブを含む、サンプル調製システム。
【請求項5】
請求項4に記載のサンプル調製システムであって、前記スピンにより起動されるバルブを通じて排出される流体を受けるために、前記上部チャンバの外側部分の周りに配置された回収チャンバをさらに含む、サンプル調製システム。
【請求項6】
請求項1に記載のサンプル調製システムであって、前記バルブ機構を通じて排出される流体を受けるために、前記上部チャンバの外側部分の周りに配置された回収チャンバをさらに含む、サンプル調製システム。
【請求項7】
請求項1に記載のサンプル調製システムであって、前記スピンにより起動されるサイホン管路のサイホン作用が、スピンにより起動されるバルブによって制御される、サンプル調製システム。
【請求項8】
請求項7に記載のサンプル調製システムであって、前記バルブ機構が、前記上部チャンバの周りに配置された、スピンにより起動されるバルブを含む、サンプル調製システム。
【請求項9】
請求項8に記載のサンプル調製システムであって、前記サイホン管路の前記スピンにより起動されるバルブは、前記上部チャンバの周りに配置された、前記スピンにより起動されるバルブと比較すると、低い回転速度で開く、サンプル調製システム。
【請求項10】
請求項1に記載のサンプル調製装置であって、前記上部チャンバおよび前記下部チャンバのうちの少なくとも一方に、前記中空回転体内の開口部を通じてアクセスするように適合される、1つ以上のサンプル調製器具をさらに含む、サンプル調製装置。
【請求項11】
請求項10に記載のサンプル調製装置であって、前記1つ以上のサンプル調製器具が、ホモジナイザー、ブレンダーブレード、ピペットプローブ、ミキサー、アスピレーター、流体ディスペンサー、中空繊維濾過カートリッジ、および乾燥試薬移動デバイスからなる群から選択される器具を含む、サンプル調製装置。
【請求項12】
請求項10に記載のサンプル調製装置であって、前記開口部が、前記中空回転体の上部を貫いて配置される、サンプル調製装置。
【請求項13】
請求項12に記載のサンプル調製装置であって、前記開口部が、ほぼ輪の形をしており、前記中空回転体のスピン軸と同軸を有する、サンプル調製装置。
【請求項14】
請求項13に記載のサンプル調製装置であって、前記開口部の少なくとも一部分が、前記堰壁の外側縁部にある前記上部チャンバの領域の上に重なる、サンプル調製装置。
【請求項15】
請求項12に記載のサンプル調製装置であって、前記下部チャンバが、その床の中央に配置されたウェル含む、サンプル調製装置。
【請求項16】
請求項15に記載のサンプル調製装置であって、前記中央に配置されたウェルが、ホモジナイザーを受けるように適合される、サンプル調製装置。
【請求項17】
請求項1に記載のサンプル調製装置であって、前記スピンにより起動されるサイホン管路が:
前記下部チャンバの内側壁に配置されたほぼ垂直なサイホンチャネルであって、該ほぼ垂直に方向づけられたサイホンチャネルは、該垂直なサイホンチャネルの下方端部において該下部チャンバに対して開かれている、ほぼ垂直なサイホンチャネル;
前記垂直なサイホンチャネルと流体連絡している第一端部、および前記隔壁の前記中央開口部の近くで終わる第二端部を有する、ほぼ水平なサイホンチャネル;
該第二端部と該中央開口部との間の流動を制御するための、該水平なサイホンチャネルの第二端部の近くに配置された、スピンにより起動されるバルブ;
該ほぼ水平なサイホンチャネルと前記堰壁外側に放射状に存在する該上部チャンバの前記領域との間の流体連絡を促進するために、該隔壁を貫いて配置される、さらなるほぼ垂直なサイホンチャネル
を含む、サンプル調製装置。
【請求項18】
実験室装置であって:
後の分析のためのサンプルの調製において1つ以上のプロセスを実施するように適合される、複数の器具;
回転軸の周りでの回転のために装備される、中空回転体;
該中空回転体を第一チャンバと第二チャンバとに分割する隔壁であって、該第一チャンバおよび第二チャンバへは、各々、該複数の器具のうちの1つ以上がアクセスし得る、隔壁;
該中空回転体の回転速度に基づいて、該第一チャンバと第二チャンバとの間の流体連絡を制御するように配置される、1つ以上のバルブ機構
を含む、実験室装置。
【請求項19】
請求項18に記載の実験室装置であって、前記複数の器具が:
該複数の器具の操作部分を支持する、器具ラック;
該器具ラックからの該複数の器具の操作部分をかみ合わせ、該操作部分を該第一チャンバおよび第二チャンバのうちの少なくとも一方と処理の関係に置くように適合される、自動器具ドライブ
を含む、実験室装置。
【請求項20】
請求項18に記載の実験室装置であって、前記複数の器具が:
1つ以上の水平に配置されたガイドロッド;
該1つ以上のガイドロッドに沿った水平移動のために配置された、少なくとも1つのキャリッジアセンブリ;
垂直移動のために該複数のキャリッジアセンブリのうちの少なくとも1つに配置された、少なくとも1つの器具の操作部分を前記第一チャンバおよび第二チャンバのうちの少なくとも一方に関連する処理位置に運ぶように適合される、サブキャリッジアセンブリ
を含む、実験室装置。
【請求項21】
請求項20に記載される実験室装置であって、前記サブキャリッジアセンブリによって運ばれる前記少なくとも1つの器具の操作部分を自動的に変更するように適合された器具変更ステーションをさらに含む、実験室装置。
【請求項22】
請求項18に記載の実験室装置であって、前記複数の器具が、ホモジナイザー、ブレンダーブレード、ピペットプローブ、ミキサー、アスピレーター、流体ディスペンサー、中空繊維濾過カートリッジ、乾燥試薬移動デバイスからなる群から選択される器具を含む、実験室装置。
【請求項23】
請求項21に記載の実験室装置であって、前記複数の器具が、ホモジナイザー、ブレンダーブレード、ピペットプローブ、ミキサー、アスピレーター、流体ディスペンサー、中空繊維濾過カートリッジ、乾燥試薬移動デバイスからなる群から選択される器具を含む、実験室装置。
【請求項24】
請求項18に記載の実験室装置であって、前記隔壁が、前記中空回転体を同軸を有する第一チャンバと第二チャンバとに分割する、実験室装置。
【請求項25】
請求項18に記載の実験室装置であって、前記隔壁が、前記中空回転体を第一上部チャンバと第二下部チャンバとに分割する、実験室装置。
【請求項26】
請求項25に記載の実験室装置であって、前記スピンにより起動されるサイホン管路が:
前記下部チャンバの内側壁に配置されるほぼ垂直なサイホンチャネルであって、該ほぼ垂直に方向づけられたサイホンチャネルが、該垂直なサイホンチャネルの下方端部にて該下部チャンバに対して開いている、ほぼ垂直なサイホンチャネル;
該垂直なサイホンチャネルと流体連絡している第一端部、および前記隔壁の中央開口部の近くで終わる第二端部を有する、ほぼ水平なサイホンチャネル;
該第二端部と該中央開口部との間の流動を制御するための該水平なサイホンチャネルの該第二端部の近くに配置される、スピンにより起動されるバルブ;
該ほぼ水平なサイホンチャネルと前記上部チャンバとの間の流体連絡を容易にするために、該隔壁を貫いて配置される、さらなるほぼ垂直なサイホンチャネル
を含む、実験室装置。
【請求項27】
請求項25に記載の実験室装置であって、前記1つ以上のバルブ機構が:
前記上部チャンバから前記中空回転体の外側領域への流体の排出を制御するように配置された、バルブ;
該中空回転体を回転させる速度に基づいて、前記下部チャンバと該上部チャンバとの間の制御される流体連絡を提供する、スピンにより起動されるサイホン管路
を含む、実験室装置。
【請求項28】
分析のための物質を調製するための装置であって:
回転軸の周りでの回転のために装備された、中空回転体;
該中空回転体を回転させるように適合された、回転体モーター;
該中空回転体を上部チャンバおよび下部チャンバへと分割し、中央開口部を有する、隔壁;
該中央開口部の外側に放射状に存在し、該上部チャンバ内に該中央開口部を取り囲んで配置された、堰壁;
該上部チャンバから該中空回転体の外側領域への流体の排出を制御するように配置された、スピンにより起動されるバルブ機構;
該中空回転体の外側に配置され、該スピンにより起動されるバルブ機構を通じて該上部チャンバから排出する流体を受けるように適合された、流体コレクター;
該中空回転体の回転速度に基づいて、該下部チャンバと該堰壁の外側に放射状に存在する該上部チャンバの領域との間の制御される流体連絡を提供する、スピンにより起動されるサイホン管路;
を含み、
該スピンにより起動されるバルブ機構および該スピンにより起動されるサイホン管路が、該中空回転体の異なる回転速度で起動される、
装置。
【請求項29】
請求項28に記載の装置であって、前記隔壁が、前記堰壁の方へ傾斜する前記上部チャンバの床を画定する、装置。
【請求項30】
請求項28に記載の装置であって、前記下部チャンバが、該下部チャンバの中央位置の方へ傾斜する床を含む、装置。
【請求項31】
請求項28に記載の装置であって、前記スピンにより起動されるサイホン管路のサイホン作用が、スピンにより起動されるバルブによって制御される、装置。
【請求項32】
請求項31に記載される装置であって、前記サイホン管路の前記スピンにより起動されるバルブが、前記上部チャンバの前記スピンにより起動されるバルブと比較して低い回転速度にて開く、装置。
【請求項33】
請求項31に記載の装置であって、前記スピンにより起動されるサイホン管路のサイホン作用が、前記上部チャンバの前記スピンにより起動されるバルブが開く回転速度と比較して、低い回転速度にて停止する、装置。
【請求項34】
請求項28に記載の装置であって、前記中空回転体における開口部を通じて、前記上部チャンバおよび前記下部チャンバのうちの少なくとも一方にアクセスするように適合される1つ以上のサンプル調製器具をさらに含む、装置。
【請求項35】
請求項34に記載の装置であって、前記1つ以上のサンプル調製器具が、ホモジナイザー、ブレンダーブレード、ピペットプローブ、ミキサー、アスピレーター、流体ディスペンサー、中空繊維濾過カートリッジ、および乾燥試薬移動デバイスからなる群から選択される器具を含む、装置。
【請求項36】
請求項34に記載の装置であって、前記開口部が、前記中空回転体の上部を貫いて配置される、装置。
【請求項37】
請求項36に記載のサンプル調製装置であって、前記開口部が、ほぼ輪の形をしており、前記中空回転体の前記回転軸と同心である、サンプル調製装置。
【請求項38】
請求項37に記載の装置であって、前記開口部の少なくとも一部分が、前記堰壁の外側周縁に存在する前記上部チャンバの領域の上に重なる、装置。
【請求項39】
請求項38に記載の装置であって、前記下部チャンバが、その床の中央に配置されるウェルを含む、装置。
【請求項40】
請求項39に記載の装置であって、前記中央に配置されたウェルが、ホモジナイザーを受けるように適合される、装置。
【請求項41】
請求項28に記載の装置であって、前記スピンにより起動されるサイホン管路が:
前記下部チャンバの内側壁に配置されるほぼ垂直なサイホンチャネルであって、該ほぼ垂直に方向づけられたサイホンチャネルが、該垂直なサイホンチャネルの下方端部にて該下部チャンバに対して開いている、ほぼ垂直なサイホンチャネル;
該垂直なサイホンチャネルと流体連絡している第一端部、および前記隔壁の前記中央開口部の近くで終わる第二端部を有する、ほぼ水平なサイホンチャネル;
該第二端部と該中央開口部との間の流動を制御するための、該水平なサイホンチャネルの該第二端部の近くに配置される、スピンにより起動されるバルブ;
該ほぼ水平なサイホンチャネルと前記堰壁の外側に放射状に存在する前記上部チャンバの前記領域との間の流体連絡を促進するために、該隔壁を貫いて配置される、さらなるほぼ垂直なサイホンチャネル
を含む、装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2008−519983(P2008−519983A)
【公表日】平成20年6月12日(2008.6.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−541268(P2007−541268)
【出願日】平成17年11月4日(2005.11.4)
【国際出願番号】PCT/US2005/040297
【国際公開番号】WO2006/055318
【国際公開日】平成18年5月26日(2006.5.26)
【出願人】(505226356)ベックマン コールター インコーポレイテッド (5)
【氏名又は名称原語表記】Beckman Coulter, Inc.
【住所又は居所原語表記】4300 N.Harbor Boulevard, Fullerton, CA 92834−3100 (US)
【Fターム(参考)】