説明

室温から加硫して自己粘着性エラストマーを形成するオルガノポリシロキサン組成物の使用

本発明は、使用前に2構成型系(RTV−2)の形を有し、室温において加硫して、広範な基材に対して熱処理後にさえ自己粘着性であるエラストマーになることができるオルガノポリシロキサン組成物の使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使用前に2構成型の形(RTV−2)にあり、様々な支持体上、特にガラス、金属、木材、ポリカーボネート及びポリ塩化ビニル(PVC)のようなプラスチック上で、(閉じられた雰囲気中でも熱処理後でさえも)室温から加硫して自己粘着性エラストマーになることができるオルガノポリシロキサン組成物の使用に関する。より詳細には、本発明は、使用前には2構成型又は2成分型の形で存在する組成物(RTV−2組成物)を対象とする。
【背景技術】
【0002】
室温から加硫し得るオルガノポリシロキサン組成物はよく知られており、1構成型(RTV−1)組成物及び2構成型(RTV−2)組成物の2つのグループに分類される。
【0003】
一般的に、1構成型組成物は大気中の湿気に曝された時に架橋し、即ちこれらは閉じられた媒体中では架橋することができない。この問題の1つの解決策がフランス国特許第2603894号明細書に記載されており、この特許明細書には、次の水酸化物又は酸化物:CaO、SrO及びBaO:から選択される使用前に添加される硬化促進剤を含み、ケイ素原子に結合したアシルオキシ基を有する、閉じられた雰囲気中でさえ硬化してエラストマーになるオルガノポリシロキサン組成物が記載されている。しかしながら、閉じられた条件下で架橋することができるこれらの促進硬化性RTV−1組成物は、金属、木材、プラスチック、コンクリート等のような様々な基材に対する接着性が凡庸であるという欠点を示す。
【0004】
接着性の問題を克服するためにこれまでに用いられてきた1つの解決策は、RTV−1組成物の付着を実施する前に支持体に下塗りを塗布する段階を実施することから成る。通常の下塗りは、例えば有機溶液状の樹脂とアルコキシシランとの混合物である。下塗りを塗布する段階はむしろ費用がかかるので、それを不要にすることができるシステムが大いに興味深い。
【0005】
2構成型組成物に関しては、これらは商品化されており、第1の構成体が基本ポリマー材料を含み、第2の構成体が触媒を含む2構成型の形で貯蔵される。これら2つの構成体は使用の際に混合され、この混合物は比較的固いエラストマーの形で架橋する。
【0006】
これらの2構成型組成物はよく知られており、特にWalter Nollの著書「Chemistry and Technology of Silicones」、1968年、第2版、第395〜398頁に記載されている。
【0007】
これらの組成物は、本質的に次の4種の異なる成分を含む:
・反応性のα,ω−ジヒドロキシジオルガノポリシロキサンポリマー、
・架橋剤、一般的にはシリケート又はポリシリケート、
・スズ触媒、及び
・水。
【0008】
この場合、これらの組成物の機械的特性は、充填剤を添加することによって調節される。
【0009】
米国特許第3801572号及び同第3888815号の両明細書には、アミン官能基を含むシランを組成物中に組み込むことによって自己粘着性になる2構成型オルガノポリシロキサン組成物が記載されている。
【0010】
しかしながら、この特許明細書には、次の特性を熱処理後にも維持する自己粘着性シール及び/又は接着剤を提供するという課題も記載されていないし、その解決策も提唱されていない:
(1)非常に様々な基材、特にガラス、金属(特にアルミニウム)、及びプラスチック(特にPVC)に対する傑出した接着性;
(2)(長時間の熱処理後も同様に)架橋後の良好な機械的特性;並びに
(3)良好な「加硫戻り(reversion)」耐性。
【0011】
実際、これらのエラストマーを架橋後に加熱した時に、専門家が「加硫戻り」の名前で示す現象が非常にしばしば起こる。この加熱の間に、エラストマーは(特に中心部において)液化する。この「加硫戻り」は、80℃超の温度においても起こり得るが、大抵の場合はこれは100℃超の温度において起こり、完全に又はほとんど完全に空気の不在下でエラストマーの加熱を実施した場合、即ち加熱の際にエラストマーが完全に閉じられた系中にある場合に、特に顕著である。従って、この「加硫戻り」は、特に硬化したエラストマーを架橋後に加熱する用途にとって、厄介な欠点となる。
【0012】
さらに、ポットライフ(可使時間)、即ち組成物を混合後に硬化することなく用いることができる期間は、用いることができるためには充分に長くなければならないが、遅くとも製造の数分後には取り扱えるようになる成形物品を得るためには充分に短くなければならない。従って、触媒は、触媒された混合物のポットライフと型成形物品が取り扱えるようになるまでの時間との間の良好な折衷点が得られるようにするものであるのが望ましい。さらに、触媒は、触媒された混合物に、
(1)貯蔵時間に応じて変化することがない展延時間;
(2)その使用を可能にする充分に長い(数分程度の)ポットライフを維持しながらも(閉じられた条件下において表面で)室温において速い硬化時間;及び
(3)良好な押出適正:
を与えるものでなければならない。
【特許文献1】フランス国特許第2603894号明細書
【特許文献2】米国特許第3801572号明細書
【特許文献3】米国特許第3888815号明細書
【非特許文献1】Walter Noll、「Chemistry and Technology of Silicones」、1968年、第2版、第395〜398頁
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
ここに、2つの構成体を混合して架橋させた後に硬化速度及び接着特性に関して長時間の熱処理の後にさえ優れた折衷点を得ること又は「熱加硫戻り」に対する良好な耐性を得ることを可能にする新規の重縮合RTV−2組成物が見出され、これが本発明の主題事項を構成する。
【課題を解決するための手段】
【0014】
より特定的には、本発明は、室温から重縮合反応によって加硫してシリコーンエラストマーになることができるオルガノポリシロキサン組成物を、100℃以上の温度において3日間の熱処理後に次の良好な接着性:
・1.2MPa以上の破壊応力、及び
・70%以上の凝集破壊相
を維持する自己粘着性シール及び/又は接着剤の製造に用いることに関する。
【0015】
前記のオルガノポリシロキサン組成物は、次の(a)及び(b):
(a)次の成分:
・少なくとも1種の反応性α,ω−ジヒドロキシジオルガノポリシロキサンポリマー(A)100重量部当たりに、
・少なくとも1種の架橋剤(B)0.1〜60重量部、及び
・水0.001〜10重量部
を含み、触媒の存在下で重縮合反応によって硬化してシリコーンエラストマーになることができるシリコーンベース;
(b)触媒として有効量の重縮合触媒系(D):
を含み、
この組成物は、前記触媒系(D)がスズ−ケイ素化合物(D1)及び少なくとも1種のアミノ化ポリアルコキシシラン化合物(D3)の混合物から成ること、並びに、これらの化合物が次の規定に相当することを特徴とする:
・前記スズ−ケイ素化合物(D1)が次の一般式(I):
【化1】

に相当する少なくとも1種のオルガノアルコキシシランと次の一般式(II):
【化2】

に相当する少なくとも1種のジアルキルスズ塩との反応生成物
(これらの式中:
0置換基は、飽和若しくは不飽和の直鎖状若しくは分岐鎖状脂肪族炭化水素基、又は飽和若しくは不飽和及び/若しくは芳香族の単環式若しくは多環式炭素環式基を表わし、
1置換基は同一であっても異なっていてもよく、飽和又は不飽和脂肪族炭化水素基を表わし、R1はさらにROR'1基を表わすこともでき、ここで、Rは6個までの炭素原子を有する二価炭化水素基であり、R'1は飽和又は不飽和脂肪族炭化水素基を表わし、
aは0、1、2又は3であり、
2、R3及びR4置換基はそれぞれ互いに独立的に飽和若しくは不飽和の直鎖状若しくは分岐鎖状脂肪族炭化水素基、又は飽和若しくは不飽和及び/若しくは芳香族の単環式若しくは多環式炭素環式基を表わす)
であり、
・前記アミノ化ポリアルコキシシラン化合物(D3)が次の一般式:
【化3】

[式中、
bは0又は1であり、
cは1であり、
5は飽和若しくは不飽和の直鎖状若しくは分岐鎖状脂肪族炭化水素基、又は飽和若しくは不飽和及び/若しくは芳香族の単環式若しくは多環式炭素環式基を表わし、
7はそれぞれ互いに独立的に飽和又は不飽和脂肪族炭化水素基を表わし、
6は次式:
【化4】

{ここで、
nは1又は2であり、
Zは飽和又は不飽和脂肪族炭化水素基、並びに飽和、不飽和及び/又は芳香族の単環式又は多環式炭素環式基から選択される基から誘導される二価基を表わし、この二価基は随意に少なくとも1個の酸素原子及び/又は少なくとも1個の窒素原子で置換され又は中断されていてもよく、
Xは、
・−NR89残基
(ここで、R8及びR9置換基は同一であっても異なっていてもよく、それぞれ水素原子、随意にアミノ基で置換された飽和若しくは不飽和の直鎖状若しくは分岐鎖状脂肪族炭化水素基、又は飽和若しくは不飽和及び/若しくは芳香族の単環式若しくは多環式炭素環式基を表わし、
8及びR9置換基はさらに随意に、それらが結合している窒素原子と一緒になって3〜6個の炭素原子及び1又は2個の窒素原子を環中に含む環を形成することもできる)
又は
・−R10−NH2
(ここで、記号R10は飽和又は不飽和脂肪族炭化水素基、飽和、不飽和及び/又は芳香族の単環式又は多環式炭素環式基、並びに飽和又は不飽和脂肪族炭化水素部分と飽和、不飽和及び/又は芳香族の単環式又は多環式炭素環式部分とを有する基から選択される基から誘導される二価基を表わし、この二価基は随意に少なくとも1個の酸素原子及び/又は少なくとも1個の窒素原子で置換され又は中断されていてもよい)
を表わす}
の官能基を表わす]
を有し、このアミノ化ポリアルコキシシラン(D3)は、随意に式(III)から誘導される加水分解縮合生成物の形にあることもできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明の1つの実施形態に従えば、スズ/ケイ素化合物(D1)は、次の工程に従って調製されたものである:
(a)上記の少なくとも1種のオルガノアルコキシシラン(I)を、80℃以上、好ましくは95℃〜140℃の範囲の温度において、上記の少なくとも1種のジアルキルスズ塩(II)と反応させ;そして
(b)得られた生成物を単離する。
【0017】
上記の用語「脂肪族炭化水素基」は、直鎖状又は分岐鎖状基、好ましくは1〜25個の炭素原子を有するもの(随意に置換されたもの)を意味するものとする。
【0018】
有利には、前記脂肪族炭化水素基は1〜18個の炭素原子、より一層好ましくは1〜8個の炭素原子、さらにより一層好ましくは1〜6個の炭素原子を有する。
【0019】
飽和脂肪族炭化水素基としては、アルキル基、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、2−メチルブチル、1−エチルプロピル、ヘキシル、イソヘキシル、ネオヘキシル、1−メチルペンチル、3−メチルペンチル、1,1−ジメチルブチル、1,3−ジメチルブチル、2−エチルブチル、1−メチル−1−エチルプロピル、ヘプチル、1−メチルヘキシル、1−プロピルブチル、4,4−ジメチルペンチル、オクチル、1−メチルヘプチル、2−エチルヘキシル、5,5−ジメチルヘキシル、ノニル、デシル、1−メチルノニル、3,7−ジメチルオクチル、7,7−ジメチルオクチル及びヘキサデシル基を挙げることができる。
【0020】
前記不飽和脂肪族炭化水素基は、1個以上の不飽和、好ましくは1個、2個又は3個のエチレンタイプの不飽和(二重結合)及び/又はアセチレンタイプの不飽和(三重結合)を含む。
【0021】
それらの例は、上で規定したアルキル基から2個以上の水素原子を取り除くことによって誘導されるアルケニル又はアルキニル基である。この不飽和脂肪族炭化水素基は、不飽和を1個だけ含むものであるのが好ましい。
【0022】
本発明の範疇において、用語「炭素環式基」は、随意に置換された単環式又は多環式基、好ましくはC3〜C50のものを意味するものとする。有利には、これは好ましくは単環、二環又は三環式のC3〜C18基である。炭素環式基が1個より多くの環状核を含む(多環式炭素環の)場合、環状核は対になって縮合したものである。2個の縮合核は、オルト縮合であってもペリ縮合であってもよい。
【0023】
炭素環式基は、別途記載がない限り、飽和部分及び/又は芳香族部分及び/又は不飽和部分を含むことができる。
【0024】
飽和炭素環式基の例には、シクロアルキル基がある。シクロアルキル基は、好ましくはC3〜C18、より一層好ましくはC5〜C10のシクロアルキル基である。特にシクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、アダマンチル又はノルボルニル基を挙げることができる。
【0025】
不飽和炭素環又は炭素環式タイプの任意の不飽和部分は、1個以上のエチレン性不飽和、好ましくは1個、2個又は3個のエチレン性不飽和を有する。これは、6〜50個の炭素原子、より一層好ましくは6〜20個、例えば6〜18個の炭素原子を有するのが有利である。不飽和炭素環の例には、C6〜C10シクロアルケニル基がある。
【0026】
芳香族炭素環式基の例には、(C6〜C18)アリール基、より一層好ましくは(C6〜C12)アリール基、特にフェニル、ナフチル、アントリル及びフェナントリルがある。
【0027】
上で規定した通りの脂肪族炭化水素部分及び上で規定した通りの炭素環式部分の両方を有する基は、例えばベンジルのようなアリールアルキル基、又はトリルのようなアルキルアリール基である。
【0028】
脂肪族炭化水素基又は部分及び炭素環式基又は部分の置換基は、例えばアルコキシ基(そのアルキル部分は上で規定した通りであるのが好ましい)である。
【0029】
特に有利な形態に従えば、式(I)のオルガノアルコキシシラン及び式(II)のジアルキルスズ塩の置換基は、次のように規定される:
・R0は、直鎖状又は分岐鎖状C1〜C8アルキル基、C5〜C10シクロアルキル基又はC6〜C18アリール基;好ましくはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、t−ブチル、シクロヘキシル又はフェニル基を表わし;
・R1は、直鎖状又は分岐鎖状C1〜C8アルキル基;好ましくはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル又はt−ブチル基、さらにより一層好ましくはメチル又はエチル基を表わし;
・R2及びR3は同一であっても異なっていてもよく、それぞれ直鎖状若しくは分岐鎖状C1〜C8アルキル基、C5〜C10シクロアルキル基又はC6〜C18アリール基;好ましくは直鎖状又は分岐鎖状C1〜C8アルキル基を表わし;そして
・R4は、直鎖状又は分岐鎖状C1〜C30アルキル基、好ましくは直鎖状C1〜C20アルキル基、さらにより一層好ましくはメチル基又はウンデシル(C11)基を表わす。
【0030】
式(I)のオルガノアルコキシシランはよく知られた化合物であり、特にフランス国特許第1330625号明細書、フランス国特許第2121289号明細書、フランス国特許第2121631号明細書、フランス国特許第2458572号明細書及びフランス国特許第2592657号明細書に記載されているので、参考用に引用する。
【0031】
例えば、次式のシランを用いることができる。
【化5】

【0032】
特に有利な形態に従えば、式(I)のオルガノアルコキシシランは、テトラエトキシシラン又はテトラメトキシシランである。
【0033】
式(II)のジアルキルスズ塩はよく知られた化合物であり、特にフランス国特許第2592657号明細書に記載されているので、参考用に引用する。
【0034】
例えば、次式のジアルキルスズ塩を用いることができる。
【化6】

【0035】
特に有利な実施形態に従えば、式(II)のジアルキルスズ塩は、
・次式:
【化7】

のジブチルスズジラウレート;及び
・次式:
【化8】

のジブチルスズジアセテート:
より成る群から選択される。
【0036】
別の好ましい実施形態に従えば、スズ−ケイ素化合物(D1)は、
・テトラメトキシシランと次式:
【化9】

のジブチルスズジラウレートとの反応生成物;又は
・テトラエトキシシランと次式:
【化10】

のジブチルスズジアセテートとの反応生成物:
である。
【0037】
アミノ化ポリアルコキシシランタイプの化合物(D3)の具体例としては、次式のものを挙げることができる。
【化11】

【0038】
アミノ化ポリアルコキシシラン化合物(D3)の調製は、より特定的には米国特許第2754311号明細書、 米国特許第2832754号明細書、 米国特許第2930809号明細書及び米国特許第2971864号明細書に見出される。
【0039】
次の組合せを触媒系(D)として用いるのが特に有利である:
・次のもの:
・・テトラメトキシシランと次式:
【化12】

のジブチルスズジラウレートとの反応生成物;又は
・・テトラエトキシシランと次式:
【化13】

のジブチルスズジアセテートとの反応生成物:
であるスズ−ケイ素化合物(D1);及び
・次式:
【化14】

のアミノ化ポリアルコキシシラン化合物(D3)。
【0040】
シリコーンベースの説明:
【0041】
上記又は下記において、別途記載がない限り、百分率は重量によるものである。
【0042】
こうして説明してきた触媒系は、2構成型の形で提供されて重縮合反応によって架橋可能なポリオルガノシロキサンベースが室温から硬化してシリコーンエラストマーになるのを可能にし又は促進するために用いられ、該触媒系は架橋剤(B)と共に画分の内の一方に組み込まれ、もう一方の画分は反応性ポリオルガノシロキサン(A)及び水を含む。
【0043】
本発明の1つの実施形態に従えば、本発明に従うオルガノポリシロキサン組成物は、
(a)次の成分:
・少なくとも1種のα,ω−ジヒドロキシジオルガノポリシロキサン反応性ポリマー(A)(その有機基は、炭化水素基、好ましくは1〜20個の炭素原子を有するアルキル、3〜8個の炭素原子を有するシクロアルキル、2〜8個の炭素原子を有するアルケニル及び5〜8個の炭素原子を有するシクロアルケニルより成る群から選択される炭化水素基である)100重量部当たりに、
・ポリアルコキシシラン、ポリアルコキシシランの部分加水分解から得られる生成物及びポリアルコキシシロキサンより成る群から選択される少なくとも1種の架橋剤(B)0.1〜60重量部、
・少なくとも1種の充填剤(C)0〜250重量部、好ましくは5〜200重量部、
・水0.001〜10重量部;
・線状ホモポリマー又はコポリマーから成る少なくとも1種の非反応性線状ポリオルガノシロキサンポリマー(E)(その分子中のケイ素原子に結合した一価有機置換基は、互いに同一であっても異なっていてもよく、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アリール、アルキルアリール及びアリールアルキル基から選択される)0〜100重量部、
・着色用ベース又は着色剤(F)0〜20重量部、
・ポリオルガノシロキサン樹脂(G)0〜70重量部、並びに
・当業者に周知の補助剤(H)(例えば可塑剤、架橋遅延剤、鉱油、抗菌剤又は熱安定剤、例えばチタン、鉄若しくはセリウムの酸化物)0〜20部:
を含み、触媒の存在下で重縮合反応によって硬化してシリコーンエラストマーになることができるシリコーンベース;並びに
(b)0.1〜50重量部の重縮合触媒系(D):
を含む。
【0044】
本発明に従ってシリコーンベース中に用いることができるα,ω−ジヒドロキシジオルガノポリシロキサン反応性ポリマー(A)は、より特定的には次の式(1)に相当するものである。
【化15】

(式中、
11置換基は同一であっても異なっていてもよく、それぞれ飽和又は不飽和の置換又は非置換脂肪族、環状脂肪族又は芳香族一価C1〜C13炭化水素基を表わし、
nは式(1)のポリオルガノシロキサンの25℃における動的粘度が10〜1000000mPa・sの範囲となるのに充分な値を有する。)
【0045】
本発明の範疇において、反応性ポリオルガノシロキサン(A)として、粘度値及び/又はケイ素原子に結合した置換基の性状の点で互いに異なる数種のヒドロキシル化ポリオルガノシロキサンから成る混合物を用いることができることを理解されたい。さらに、式(1)のヒドロキシル化ポリオルガノシロキサンは随意に、式R12SiO3/2のT単位及び/又は式SiO4/2のQ単位を多くとも1%の割合(これらの%値はケイ素原子100個当たりの単位T及び/又はQの数を表わす)で含むことができる。
【0046】
10〜1000000mPa・sの範囲、好ましくは50〜200000mPa・sの範囲の25℃における動的粘度を有する線状ヒドロキシル化ジオルガノポリシロキサン反応性ポリマー(A)が用いられる。
【0047】
これらのベースポリオルガノシロキサンの大部分は、シリコーン製造業者によって販売されている。さらに、それらの製造技術はよく知られている;それらは例えばフランス国特許第1134005号明細書、フランス国特許第1198749号明細書及びフランス国特許第1226745号明細書に記載されている。
【0048】
反応性ポリオルガノシロキサン(A)について上に挙げたR11及びR12置換基は、次の基から選択することができる:
・1〜13個の炭素原子を有するアルキル及びハロアルキル基、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、2−エチルヘキシル、オクチル、デシル、3,3,3−トリフルオロプロピル、4,4,4−トリフルオロブチル又は4,4,4,3,3−ペンタフルオロブチル基、
・5〜13個の炭素原子を有するシクロアルキル及びハロシクロアルキル基、例えばシクロペンチル、シクロヘキシル、メチルシクロヘキシル、プロピルシクロヘキシル、2,3−ジフルオロシクロブチル又は3,4−ジフルオロ−5−メチルシクロヘプチル基、
・2〜8個の炭素原子を有するアルケニル基、例えばビニル、アリル又は2−ブテニル基、
・6〜13個の炭素原子を有する単核アリール及びハロアリール基、例えばフェニル、トリル、キシリル、クロロフェニル、ジクロロフェニル又はトリクロロフェニル基、並びに
・アルキル鎖が2〜3個の炭素原子を有するシアノアルキル基、例えばβ−シアノエチル及びγ−シアノプロピル基。
【0049】
11及びR12基の例としては、1〜8個の炭素原子を有するアルキル基(例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル、ヘキシル及びオクチル)、ビニル基並びにフェニル基を挙げることができる。
【0050】
置換されたR11及びR12基の例としては、3,3,3−トリフルオロプロピル、クロロフェニル及びβ−シアノエチル基を挙げることができる。
【0051】
工業的に用いられる式(1)の物質において、一般的に、R11及びR12基の少なくとも60%(数基準)はメチル基であり、その他の基はフェニル及び/又はビニル基であるのが一般的である。
【0052】
架橋剤(B)としては、
・次の一般式(2):
【化16】

(ここで、記号R14は同一であっても異なっていてもよく、1〜8個の炭素原子を有するアルキル基、例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル若しくは2−エチルヘキシル基、又はC3〜C6アルコキシアルキル基を表わし、
記号R13は飽和若しくは不飽和の直鎖状若しくは分岐鎖状脂肪族炭化水素基、又は飽和若しくは不飽和及び/若しくは芳香族の単環式若しくは多環式炭素環式基を表わし、
kは0又は1である)
のシラン;並びに
・式(2)のシランの部分加水分解生成物:
を挙げることができる。
【0053】
3〜C6アルコキシアルキル基の例としては、次の基を挙げることができる。
【化17】

【0054】
記号R13は、C1〜C10炭化水素基を表わし、次のものを包含する:
・C1〜C10アルキル基、例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、2−エチルヘキシル、オクチル又はデシル基、
・ビニル又はアリル基、並びに
・C5〜C8シクロアルキル基例えばフェニル、トリル及びキシリル基。
【0055】
式(2)の架橋剤(B)は、シリコーン市場において入手できる物質である;さらに、それらを室温から硬化する組成物中に用いることも知られている;特にフランス国特許第1126411号明細書、フランス国特許第1179969号明細書、フランス国特許第1189216号明細書、フランス国特許第1198749号明細書、フランス国特許第1248826号明細書、フランス国特許第1314649号明細書、フランス国特許第1423477号明細書、フランス国特許第1432799号明細書及びフランス国特許第2067636号明細書に見出される。
【0056】
架橋剤(B)の中では、アルキルトリアルコキシシラン、ケイ酸アルキル及びポリケイ酸アルキル(ここで、有機基は1〜4個の炭素原子を有するアルキル基である)が特に好ましい。
【0057】
ケイ酸アルキルは、ケイ酸メチル、ケイ酸エチル、ケイ酸イソプロピル、ケイ酸n−プロピルから選択することができ、ポリケイ酸エステルはこれらのケイ酸エステルの部分加水分解生成物から選択される;これらは、かなりの割合の単位が次式:
【化18】

(ここで、記号R14はメチル、エチル、イソプロピル及び/又はn−プロピル基を表わす)
のものから成るポリマーである。これらの特徴付けは通常それらのシリカ含有率に基づくものであり、これはサンプルの加水分解生成物を分析することによって定められる。
【0058】
用いることができる架橋剤(B)の別の例としては、次のシランを特に挙げることができる。
【化19】

【0059】
架橋剤(B)のその他の例としては、ポリケイ酸エチルやケイ酸n−プロピルを挙げることができる。
【0060】
一般的に、式(2)の架橋剤は、式(1)の反応性ポリマー100重量部当たり0.1〜60重量部の割合で用いられる。
【0061】
本発明に従う組成物は、補強用又は半補強用又は増量用充填剤(C)(好ましくはケイ質充填剤から選択されるもの)を追加的に含むことができる。
【0062】
補強用充填剤は、熱分解法シリカ及び沈降シリカから選択するのが好ましい。これらはBET法に従って測定して少なくとも50m2/g、好ましくは70m2/g超の比表面積、0.1μm未満の一次粒子の平均寸法、及び200g/リットル未満の嵩密度を有する。
【0063】
これらのシリカは、そのまま添加することもでき、有機ケイ素化合物(一般的にこの用途に用いられるもの)で処理した後に添加することもできる。この有機ケイ素化合物には、ヘキサメチルジシロキサン、オクタメチルトリシロキサン若しくはオクタメチルシクロテトラシロキサンのようなメチルポリシロキサン類、ヘキサメチルジシラザン若しくはヘキサメチルシクロトリシラザンのようなメチルポリシラザン類、ジメチルクロロシラン、トリメチルクロロシラン、メチルビニルジクロロシラン若しくはジメチルビニルクロロシランのようなクロロシラン類、又はジメチルジメトキシシラン、ジメチルビニルエトキシシラン若しくはトリメチルメトキシシランのようなアルコキシシラン類が包含される。
【0064】
この処理の際に、シリカはその出発重量の20%まで、好ましくは約18%までの割合で増量することができる。
【0065】
半補強用又は増量用充填剤は、0.1μm超の粒子直径を有し、石英粉末、焼成クレー及びケイ藻土から選択される。
【0066】
主要成分(A)、(B)、(C)及び(D)に加えて、本発明に従う組成物の物理的特徴及び/又はこれらの組成物を硬化させることによって得られるエラストマーの機械的特性に作用を及ぼすために、非反応性線状ポリオルガノシロキサンポリマー(E)を導入することができる。
【0067】
これらの非反応性線状ポリオルガノシロキサンポリマー(E)はよく知られている;これらはより特定的には:ジオルガノシロキシ単位並びに少なくとも1%のモノオルガノシロキシ及び/又はシロキシ単位から本質的に成り、ケイ素原子に結合した有機基がメチル、ビニル及びフェニル基から選択され、これらの有機基の内の少なくとも60%がメチル基であり且つ多くとも10%がビニル基であり、25℃において少なくとも10mPa・sの粘度を有するα,ω−ビス(トリオルガノシロキシ)ジオルガノポリシロキサンポリマーを含む。これらのポリマーの粘度は、25℃において数千万mPa・sに達することができる;従ってこれらは、流動性の高い(さらさらした)外観から粘性のある外観までのオイル及び軟質から硬質までのガムを含む。これらは、より特定的にはフランス国特許第978058号明細書、フランス国特許第1025150号明細書、フランス国特許第1108764号明細書及びフランス国特許第1370884号明細書に記載された慣用の技術に従って調製される。25℃において10mPa・s〜1000mPa・sの範囲の粘度を有するα,ω−ビス(トリメチルシロキシ)ジメチルポリシロキサンオイルを用いるのが好ましい。これらのポリマーは可塑剤としての働きをし、α,ω−ジヒドロキシジオルガノポリシロキサン反応性ポリマー(A)100部当たり多くとも70部、好ましくは5〜20部の割合で導入することができる。
【0068】
本発明に従う組成物はさらに、少なくとも1種のシリコーン樹脂(G)を含むのが有利であり得る。これらのシリコーン樹脂は、よく知られていて商品として入手できる分岐鎖状オルガノポリシロキサンポリマーである。これらは、式R'''3SiO1/2の単位(M単位)、R'''2SiO2/2の単位(D単位)、R'''SiO3/2の単位(T単位)及びSiO4/2の単位(Q単位)から選択される少なくとも2個の異なる単位を1分子当たりに有する。R'''基は同一であっても異なっていてもよく、直鎖状若しくは分岐鎖状アルキル基又はビニル、フェニル若しくは3,3,3−トリフルオロプロピル基から選択される。前記アルキル基は1〜6個の炭素原子を有するのが好ましい。より特定的には、アルキル基Rとして、メチル、エチル、イソプロピル、t−ブチル及びn−ヘキシル基を挙げることができる。これらの樹脂はヒドロキシル化されているのが好ましく、その場合には5〜500ミリ当量/100gの範囲のヒドロキシル基重量含有率を有する。
【0069】
樹脂の例としては、MQ樹脂、MDQ樹脂、TD樹脂及びMDT樹脂を挙げることができる。
【0070】
直前に記載したポリオルガノシロキサンベースのエラストマーを得るための(重縮合反応による)架橋は、上で規定した触媒系(D)の作用下で実施される。これらの組成物は、組成物中に存在する水の存在下で室温において架橋する。
【0071】
本発明に従うシリコーン組成物の使用のためには、重縮合によって架橋したエラストマーを生産するために互いに接触させることが予定される2つの部分P1及びP2から成る2構成型系の形で各組成物を製造する。
【0072】
別の局面に従えば、本発明は、本発明に従うオルガノポリシロキサン組成物の前駆体である2構成型系に関し、これは、
・前記組成物を形成させるために混合することが予定される2つの分離した部分P1及びP2から成ること、並びに
・これらの内の一方の部分が上で規定した触媒系(D)及び架橋剤(B)を含み、もう一方の部分が前記の種を含まずに次のもの:
・・前記のα,ω−ジヒドロキシジオルガノポリシロキサン反応性ポリマー(A)100重量部;及び
・・水0.001〜10重量部:
を含むこと
を特徴とする。
【0073】
好ましい実施形態に従えば、本発明に従うオルガノポリシロキサン組成物の前駆体である2構成型系は、
前記部分P1が、
・少なくとも1種のα,ω−ジヒドロキシジオルガノポリシロキサン反応性ポリマー(A)(その有機基は、炭化水素基、好ましくは1〜20個の炭素原子を有するアルキル、3〜8個の炭素原子を有するシクロアルキル、2〜8個の炭素原子を有するアルケニル及び5〜8個の炭素原子を有するシクロアルケニルより成る群から選択される炭化水素基である)100重量部;
・水0.001〜10重量部,
・少なくとも1種の充填剤(C)0〜250重量部、好ましくは5〜200重量部;
・線状ホモポリマー又はコポリマーから成る少なくとも1種の非反応性線状ポリオルガノシロキサンポリマー(E)(その分子中のケイ素原子に結合した一価有機置換基は、互いに同一であっても異なっていてもよく、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アリール、アルキルアリール及びアリールアルキル基から選択される)0〜100重量部;
・ポリオルガノシロキサン樹脂(G)0〜70重量部;並びに
・着色用ベース又は着色剤(F)0〜20重量部:
を含み、そして
前記部分P2が
・ポリアルコキシシラン、ポリアルコキシシランの部分加水分解から得られる生成物及びポリアルコキシシロキサンより成る群から選択される少なくとも1種の架橋剤(B)0.1〜60重量部;
・上で規定した重縮合触媒系(D)0.1〜50重量部;
・着色用ベース又は着色剤(F)0〜20重量部;
・線状ホモポリマー又はコポリマーから成る少なくとも1種の非反応性線状ポリオルガノシロキサンポリマー(E)(その分子中のケイ素原子に結合した一価有機置換基は、互いに同一であっても異なっていてもよく、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アリール、アルキルアリール及びアリールアルキル基から選択される)0〜70重量部;並びに
・少なくとも1種の充填剤(C)0〜125重量部、好ましくは0.1〜40重量部:
を含む
ことを特徴とする。
【0074】
本発明に従う2構成型組成物は、様々な形状に応じて造形、押出又は特に型成形することができ、次いで室温において硬化させてエラストマーにすることができる。
【0075】
本発明に従う組成物は、多くの用途に、例えば建築産業や輸送産業(例えば自動車、宇宙航空、鉄道、航海及び航空輸送)における目地仕上げ(シール)及び接着、様々な材料(金属、プラスチック、天然及び合成ゴム、木材、厚紙、ポリカーボネート、陶器、煉瓦、セラミック、ガラス、石材、コンクリート及び石工事部品)の組立て、導電体の絶縁、電子回路の被覆並びに合成樹脂又はフォーム製物品の製造に用いられる成形型の製造に、用いることができる。
【0076】
加えて、これらは自動車産業において用いられる「現場」シールの形成に好適である。これらの「現場」シールには、いくつかのタイプ、即ち「押潰し」シール(「流し込みガスケット」シール)、「造形」シール{「部品輪郭(profiles sur piece)」シールと称される}及び「射出成形」シールが包含される。
【0077】
「押潰し」シールは、2つの組み立てるべき金属又はプラスチック部材の間の接触領域にペースト状の組成物を帯状に塗布した後に形成される。即ち、この帯状ペーストを最初に一方の部材上に付着させ、次いでもう一方の部材を即座に最初の部材に押し当てる;これにより帯状ペーストの押潰しがもたらされ、その後にこれをエラストマーに転化させる。このタイプのシールは、容易に分解されてはならない組立体を対象とする{油溜めのシール、タイミングギア(弁軸調時歯車)ケースのシール等}。
【0078】
また、「造形」シールも、2つの組み立てるべき部材の間の接触領域にペースト状の組成物を帯状に塗布した後に得られる。しかしながら、この場合には、一方の部材に帯状ペーストを付着させた後に、この帯状ペーストが完全に硬化してエラストマーになるのを待ち、その時点で初めて第2の部材を第1の部材に押し当てる。
【0079】
これらのシールは、そのゴム様の又は流動性のある性状のせいで、目地仕上げ(シール)すべき面のすべての不規則性(でこぼこ)に適合する。従って、
(1)互いに接触させる金属面を念入りに機械加工(研削)することや
(2)得られた組立体を力ずくで締め付けること
は、無用である。これらの特徴は、組立体の部材を補強・強化することが通常意図される固定シール、横材又はリブをある程度なくすことを可能にする。
【0080】
本発明に従う組成物は室温において、閉じられた環境においてさえ、素早く硬化するので、その結果、これらの組成物の硬化から得られる「造形」シール(及びその他の「現場」シール)は自己粘着性であり、非常に制約がある工業上の製造条件下で製造することができる。例えば、これらは組成物付着用の自動装置を備えた自動車産業の通常の組立てライン上で製造することができる。この自動装置は多くの場合混合ヘッド及び付着ノズルを有し、後者は製造されるべきシールの外形に応じて動くものである。
【0081】
この装置によって製造されて配分される組成物は、一方で混合ヘッド中で固化しないように、他方でシールすべき部品上に帯状ペーストを付着させた後に完全な架橋が得られるように、適切に調節された硬化時間を有していなければならない。これらの「造形」シールは特に、シリンダーヘッドカバーのシール、ギアーボックスカバーのシール、タイミングギアケースのシール及びさらに油溜めのシールにさえ好適である。
【0082】
射出成形シールは、閉じられた環境中で、しばしば完全にふさがれた型空間中で、形成される。これらの型空間中に入れられた組成物は、素早くエラストマーに転化する。これらのシールは、例えば、クランク軸受の機密性を保証することができる。
【0083】
本発明に従う組成物はまた、自動車産業以外の分野における迅速硬化性且つ自己粘着性のシール及び/又は接着剤の形成にも好適である。従って、これらは、プラスチック製配電ボックスを接着及びシールするためや、
・家庭用電気器具用、特にオーブンのガラス及び金属壁、掃除機及びアイロンの部品のような部品の組立て用、
・電子部品収納容器(ブラックボックス)、例えば自動車産業において用いられるもの(例:ブレーキ出力ディストリビューター等)用、
・タンク(例えば自動車産業におけるもの)の組立て、接着、シール用
のシール及び/又は接着剤を製造するために、用いることができる。
【0084】
本発明に従う組成物は、用途タイプの理由で熱処理に付されがちな閉じられた環境中でのシールの形成、例えばオーブンのような家庭用電気器具の部材を接着させるのに用いられるシールの形成に、特に好適である。実際、ある用途においては、シールは、用途の要求に従って接着性を維持しながら、100℃以上の温度に耐えなければならない。
【0085】
本発明の別の主題事項は、本発明に従う組成物又は本発明に従う2構成型系を、自己粘着性シール及び/又は接着剤(特に自動車産業又は家庭用電気器具の分野におけるもの)の製造に用いることに関する。
【0086】
本発明の最後の主題事項は、
・本発明に従うオルガノポリシロキサン組成物、又は
・本発明に従って規定される2構成型組成物の部分P1及びP2を混合することによって得られるオルガノポリシロキサン組成物
を室温において硬化させることによって製造される、自己粘着性シール及び/又は接着剤に関する。
【0087】
本発明はまた、本発明に従う組成物又は本発明に従う2構成型系を、自己粘着性シール及び/又は接着剤(特に自動車産業又は家庭用電気器具の分野におけるもの)の製造に用いることにも関する。
【0088】
前記自己粘着性シール及び/又は接着剤は、熱処理後にも良好な接着性を維持する。
【0089】
本発明の特定の形態に従えば、前記自己粘着性シール及び/又は接着剤は、100℃以上において3日間の熱処理後に次の良好な接着性、即ち:
・1.2MPa以上の破壊応力、及び
・70%以上の凝集破壊相
を維持する。
【0090】
本発明の特定の形態に従えば、前記自己粘着性シール及び/又は接着剤は、熱処理後に良好な機械的特性を維持する;特に、100℃以上において3日間にわたる熱処理後に、その機械的特性は次の通りである:
・熱処理後のショアーA硬度が熱処理前のショアーA硬度の0.7倍以上であり、そして
・熱処理後の引張強さが熱処理前の引張強さの0.7倍以上である。
【0091】
本発明はまた、本発明に従う組成物又は本発明に従う2構成型系を特に自動車産業において用いられる動力装置流体に対する耐性を示す自己粘着性シール及び/又は接着剤の製造に用いることにも関する。
【0092】
本発明の特定の形態に従えば、本発明に従う自己粘着性シール及び/又は接着剤は、0W-30オイル中に150℃において3日間のエージング(老化)の後にも、次の良好な機械的特性を維持する:
・熱処理前のショアーA硬度の0.6倍以上の熱処理後のショアーA硬度、及び
・熱処理前の引張強さの0.6倍以上の熱処理後の引張強さ。
【実施例】
【0093】
本発明のその他の利点及び特徴は、以下の実施例を読めばはっきりするだろう。これら実施例は例示として与えたものであり、本発明を限定するものではない。
【0094】
室温において重縮合反応によって架橋するシリコーン組成物の調製
【0095】
次の部分P1及びP2を含む2構成型組成物を調製する。
【0096】
(1)部分P1
:200m2/gのBET比表面積を有する熱分解法シリカ、
:25℃において100mPa・sの粘度を有し、鎖の各末端を(CH3)3SiO0.5単位でブロックされたポリジメチルシロキサンオイル、
:25℃において3500mPa・sの粘度を有し、鎖の各末端を(CH3)2(OH)SiO0.5単位でブロックされたヒドロキシル化ポリジメチルシロキサンオイルオイル、
:平均粒子直径10μmの石英粉末、
:水、及び
:25℃において50mPa・sの粘度を有し、鎖の各末端を(CH3)2(OH)SiO0.5単位でブロックされたヒドロキシル化ポリジメチルシロキサンオイルオイル。
【0097】
(2)部分P2
・D1:次のh1又はh2
・・h1:Si(OCH3)4と式[CH3(CH2)10COO]2Sn(n−ブチル)2のジブチルスズジラウレート(DBTDL)との反応生成物(反応温度=100℃)であるスズ−ケイ素化合物;
・・h2:Si(OC25)4と式[CH3(CH2)3]3Sn[OCOCH3]2のジブチルスズジアセテート(DBTDA)との反応生成物(反応温度=130℃)であるスズ−ケイ素化合物;
:式H2N(CH2)2NH(CH2)3Si(OCH3)3のオルガノアミノシラン化合物(D3);
:ポリケイ酸エチル(SiOC25)4
:25℃において125mPa・sの粘度を有し、鎖の各末端を(CH3)3SiO0.5単位でブロックされたポリメチルフェニルシロキサンオイル;
・前記成分;及び
・前記成分
【0098】
それらの組成を下記の表1に与える。
【0099】
【表1】

【0100】
(3)手順
10容量部の構成体P2を100容量部の構成体P1に添加した。表2の結果によって示されるように、220℃において3日間の熱処理後にさえガラス/ステンレス鋼支持体に対して傑出した接着性を示す自己粘着性シールが得られた。
【0101】
220℃において3日間の熱処理の前後における組成物(2つの構成体P1及びP2を混合した後)の接着性を評価するために、ガラス/ステンレス鋼間での混成接着を実行した(MNRPS−748規格、1mmの厚さのシール)。
【0102】
【表2】

【0103】
・破壊応力:MNRPS−748規格の手順に従って測定を実施した。
・凝集:MNRPS−748規格の手順に従って測定を実施した。
【0104】
例3について:
【0105】
10容量部の構成体P2を100容量部の構成体P1に添加した。表3の結果によって示されるように、最高熱処理(220℃若しくは250℃若しくは300℃において3日間)又は連続熱処理(250℃において1000時間)の後にさえ顕著な機械的特性を示す自己粘着性シールが得られた。
【0106】
熱処理の前後における組成物(2つの構成体P1及びP2を混合した後)の機械的特性を評価するために、ASTM規格D2240の手順に従ってショアーA硬度(SAH)の測定を実施し、ASTM規格D412の手順に従って破断点伸び(E/B、%)及び引張強さ(T/S、MPa)の測定を実施した。結果を表3に記録する。
【0107】
【表3】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
100℃以上の温度において3日間の熱処理後に次の良好な接着性:
・1.2MPa以上の破壊応力、及び
・70%以上の凝集破壊相
を維持する自己粘着性シール及び/又は接着剤の製造における、次の(a)及び(b):
(a)次の成分:
・少なくとも1種の反応性α,ω−ジヒドロキシジオルガノポリシロキサンポリマー(A)100重量部当たりに、
・少なくとも1種の架橋剤(B)0.1〜60重量部、及び
・水0.001〜10重量部
を含み、触媒の存在下で重縮合反応によって硬化してシリコーンエラストマーになることができるシリコーンベース;
(b)触媒として有効量の重縮合触媒系(D):
を含み、室温から重縮合反応によって加硫してシリコーンエラストマーになることができるオルガノポリシロキサン組成物の使用であって、
前記触媒系(D)がスズ−ケイ素化合物(D1)及び少なくとも1種のアミノ化ポリアルコキシシラン化合物(D3)の混合物から成り、
これらの化合物が、次の規定:
・前記スズ−ケイ素化合物(D1)が次の一般式(I):
【化1】

に相当する少なくとも1種のオルガノアルコキシシランと次の一般式(II):
【化2】

に相当する少なくとも1種のジアルキルスズ塩との反応生成物
(これらの式中:
0置換基は、飽和若しくは不飽和の直鎖状若しくは分岐鎖状脂肪族炭化水素基、又は飽和若しくは不飽和及び/若しくは芳香族の単環式若しくは多環式炭素環式基を表わし;
1置換基は同一であっても異なっていてもよく、飽和又は不飽和脂肪族炭化水素基を表わし;R1はさらにROR'1基を表わすこともでき、ここで、Rは6個までの炭素原子を有する二価炭化水素基であり、R'1は飽和又は不飽和脂肪族炭化水素基を表わし;
aは0、1、2又は3であり;
2、R3及びR4置換基はそれぞれ互いに独立的に飽和若しくは不飽和の直鎖状若しくは分岐鎖状脂肪族炭化水素基、又は飽和若しくは不飽和及び/若しくは芳香族の単環式若しくは多環式炭素環式基を表わす)
であり、
・前記アミノ化ポリアルコキシシラン化合物(D3)が次の一般式:
【化3】

[式中、
bは0又は1であり、
cは1であり、
5は飽和若しくは不飽和の直鎖状若しくは分岐鎖状脂肪族炭化水素基、又は飽和若しくは不飽和及び/若しくは芳香族の単環式若しくは多環式炭素環式基を表わし、
7はそれぞれ互いに独立的に飽和又は不飽和脂肪族炭化水素基を表わし、
6は次式:
【化4】

{ここで:
nは1又は2であり;
Zは飽和又は不飽和脂肪族炭化水素基、並びに飽和、不飽和及び/又は芳香族の単環式又は多環式炭素環式基から選択される基から誘導される二価基を表わし;この二価基は随意に少なくとも1個の酸素原子及び/又は少なくとも1個の窒素原子で置換され又は中断されていてもよく;
Xは:
・−NR89残基
(ここで、R8及びR9置換基は同一であっても異なっていてもよく、それぞれ水素原子、随意にアミノ基で置換された飽和若しくは不飽和の直鎖状若しくは分岐鎖状脂肪族炭化水素基、又は飽和若しくは不飽和及び/若しくは芳香族の単環式若しくは多環式炭素環式基を表わし、
8及びR9置換基はさらに随意に、それらが結合している窒素原子と一緒になって3〜6個の炭素原子及び1又は2個の窒素原子を環中に含む環を形成することもできる)
又は
・−R10−NH2
(ここで、記号R10は飽和又は不飽和脂肪族炭化水素基、飽和、不飽和及び/又は芳香族の単環式又は多環式炭素環式基、並びに飽和又は不飽和脂肪族炭化水素部分と飽和、不飽和及び/又は芳香族の単環式又は多環式炭素環式部分とを有する基から選択される基から誘導される二価基を表わし、この二価基は随意に少なくとも1個の酸素原子及び/又は少なくとも1個の窒素原子で置換され又は中断されていてもよい)
を表わす}
の官能基を表わす]
を有し、このアミノ化ポリアルコキシシラン(D3)は、随意に式(III)から誘導される加水分解縮合生成物の形にあることもできる:
に相当することを特徴とする、前記オルガノポリシロキサン組成物の使用。
【請求項2】
前記(a)及び(b)が、
(a)次の成分:
・少なくとも1種のα,ω−ジヒドロキシジオルガノポリシロキサン反応性ポリマー(A)(その有機基は、炭化水素基、好ましくは1〜20個の炭素原子を有するアルキル、3〜8個の炭素原子を有するシクロアルキル、2〜8個の炭素原子を有するアルケニル及び5〜8個の炭素原子を有するシクロアルケニルより成る群から選択される炭化水素基である)100重量部当たりに;
・ポリアルコキシシラン、ポリアルコキシシランの部分加水分解から得られる生成物及びポリアルコキシシロキサンより成る群から選択される少なくとも1種の架橋剤(B)0.1〜60重量部;
・少なくとも1種の充填剤(C)0〜250重量部、好ましくは5〜200重量部;
・水0.001〜10重量部;
・線状ホモポリマー又はコポリマーから成る少なくとも1種の非反応性線状ポリオルガノシロキサンポリマー(E)(その分子中のケイ素原子に結合した一価有機置換基は、互いに同一であっても異なっていてもよく、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アリール、アルキルアリール及びアリールアルキル基から選択される)0〜100重量部、
・着色用ベース又は着色剤(F)0〜20重量部、
・ポリオルガノシロキサン樹脂(G)0〜70重量部、並びに
・可塑剤、架橋遅延剤、鉱油、抗菌剤又は熱安定剤、例えばチタン、鉄若しくはセリウムの酸化物のような当業者に周知の補助剤(H)0〜20部
を含み、触媒の存在下で重縮合反応によって硬化してシリコーンエラストマーになることができるシリコーンベース;並びに
(b)0.1〜50重量部の重縮合触媒系(D):
であることを特徴とする、請求項1に記載の使用。
【請求項3】
前記スズ−ケイ素化合物(D1)が次の工程:
(a)請求項1に記載の少なくとも1種のオルガノアルコキシシラン(I)を、80℃以上、好ましくは95℃〜140℃の範囲の温度において、請求項1に記載の少なくとも1種のジアルキルスズ塩(II)と反応させ;そして
(b)得られた生成物を単離する:
に従って調製されたものであることを特徴とする、請求項1又は2に記載の使用。
【請求項4】
前記の式(I)のオルガノアルコキシシラン及び式(II)のジアルキルスズ塩の置換基が、
・R0が直鎖状又は分岐鎖状C1〜C8アルキル基、C5〜C10シクロアルキル基又はC6〜C18アリール基;好ましくはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、t−ブチル、シクロヘキシル又はフェニル基を表わし;
・R1が直鎖状又は分岐鎖状C1〜C8アルキル基;好ましくはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル又はt−ブチル基、さらにより一層好ましくはメチル又はエチル基を表わし;
・R2及びR3が同一であっても異なっていてもよく、それぞれ直鎖状若しくは分岐鎖状C1〜C8アルキル基、C5〜C10シクロアルキル基又はC6〜C18アリール基;好ましくは直鎖状又は分岐鎖状C1〜C8アルキル基を表わし;そして
・R4が直鎖状又は分岐鎖状C1〜C30アルキル基、好ましくは直鎖状C1〜C20アルキル基、さらにより一層好ましくはメチル基又はウンデシル(C11)基を表わす:
と規定されることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の使用。
【請求項5】
前記の式(I)のオルガノアルコキシシランがテトラエトキシシラン又はテトラメトキシシランであることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の使用。
【請求項6】
前記の式(II)のジアルキルスズ塩が
・次式:
【化5】

のジブチルスズジラウレート;及び
・次式:
【化6】

のジブチルスズジアセテート:
より成る群から選択されることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の使用。
【請求項7】
前記スズ−ケイ素化合物(D1)が、
・テトラメトキシシランと次式:
【化7】

のジブチルスズジラウレートとの反応生成物;又は
・テトラエトキシシランと次式:
【化8】

のジブチルスズジアセテートとの反応生成物:
であることを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載の使用。
【請求項8】
前記スズ−ケイ素化合物(D1)が
・テトラメトキシシランと次式:
【化9】

のジブチルスズジラウレートとの反応生成物;又は
・テトラエトキシシランと次式:
【化10】

のジブチルスズジアセテートとの反応生成物であり;そして
前記アミノ化ポリアルコキシシラン化合物(D3)が次式:
【化14】

を有する:
ことを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載の使用。
【請求項9】
100℃以上の温度において3日間の熱処理後に次の良好な接着性:
・1.2MPa以上の破壊応力、及び
・70%以上の凝集破壊相
を維持する自己粘着性シール及び/又は接着剤の製造における、請求項1〜8のいずれかに記載の室温から重縮合反応によって加硫してシリコーンエラストマーになることができるオルガノポリシロキサン組成物の前駆体である2構成型系の使用であって、
・前記組成物を形成させるために混合することが予定される2つの分離した部分P1及びP2から成ること;並びに
・これらの内の一方の部分が請求項1及び3〜8のいずれかに記載の触媒系(D)並びに請求項1又は2に記載の架橋剤(B)を含み、もう一方の部分が前記の種を含まずに次のもの:
・・請求項2に記載のα,ω−ジヒドロキシジオルガノポリシロキサン反応性ポリマー(A)100重量部;及び
・・水0.001〜10重量部:
を含むこと:
を特徴とする、前記2構成型系。
【請求項10】
前記部分P1が
・少なくとも1種のα,ω−ジヒドロキシジオルガノポリシロキサン反応性ポリマー(A)(その有機基は、炭化水素基、好ましくは1〜20個の炭素原子を有するアルキル、3〜8個の炭素原子を有するシクロアルキル、2〜8個の炭素原子を有するアルケニル及び5〜8個の炭素原子を有するシクロアルケニルより成る群から選択される炭化水素基である)100重量部;
・水0.001〜10重量部;
・少なくとも1種の充填剤(C)0〜250重量部、好ましくは5〜200重量部;
・線状ホモポリマー又はコポリマーから成る少なくとも1種の非反応性線状ポリオルガノシロキサンポリマー(E)(その分子中のケイ素原子に結合した一価有機置換基は、互いに同一であっても異なっていてもよく、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アリール、アルキルアリール及びアリールアルキル基から選択される)0〜100重量部;
・ポリオルガノシロキサン樹脂(G)0〜70重量部;並びに
・着色用ベース又は着色剤(F)0〜20重量部:
を含み;そして
前記部分P2が
・ポリアルコキシシラン、ポリアルコキシシランの部分加水分解から得られる生成物及びポリアルコキシシロキサンより成る群から選択される少なくとも1種の架橋剤(B)0.1〜60重量部;
・請求項1及び3〜8のいずれかに記載の重縮合触媒系(D)0.1〜50重量部;
・着色用ベース又は着色剤(F)0〜20重量部;
・線状ホモポリマー又はコポリマーから成る少なくとも1種の非反応性線状ポリオルガノシロキサンポリマー(E)(その分子中のケイ素原子に結合した一価有機置換基は、互いに同一であっても異なっていてもよく、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アリール、アルキルアリール及びアリールアルキル基から選択される)0〜70重量部;並びに
・少なくとも1種の充填剤(C)0〜125重量部、好ましくは0.1〜40重量部:
を含む:
ことを特徴とする、請求項9に記載の2構成型系の使用。
【請求項11】
自動車産業又は家庭用電気器具の分野において用いられる自己粘着性シール及び/又は接着剤の製造における、請求項1〜8のいずれかに記載のオルガノポリシロキサン組成物又は請求項9若しくは10に記載の2構成型系の使用。
【請求項12】
前記自己粘着性シール及び/又は接着剤が100℃以上の温度において3日間の熱処理後に次の良好な機械的特性:
・熱処理前のショアーA硬度の0.7倍以上の熱処理後のショアーA硬度、
・熱処理前の引張強さの0.7倍以上の熱処理後の引張強さ
を維持することを特徴とする、請求項11に記載の使用。
【請求項13】
特に自動車産業において用いられる動力装置流体に対する耐性を示す自己粘着性シール及び/又は接着剤の製造における、請求項11に記載の使用。
【請求項14】
前記自己粘着性シール及び/又は接着剤が、0W-30オイル中で150℃において3日間のエージングの後に次の良好な機械的特性:
・熱処理前のショアーA硬度の0.6倍以上の熱処理後のショアーA硬度、
・熱処理前の引張強さの0.6倍以上の熱処理後の引張強さ
を維持することを特徴とする、請求項13に記載の使用。
【請求項15】
請求項1〜8のいずれかに記載のオルガノポリシロキサン組成物又は請求項9若しくは10に記載の2構成型組成物の部分P1及びP2を混合することによって得られるオルガノポリシロキサン組成物を室温において硬化させることによって製造される、自己粘着性シール及び/又は接着剤。

【公表番号】特表2008−546882(P2008−546882A)
【公表日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−517526(P2008−517526)
【出願日】平成18年6月14日(2006.6.14)
【国際出願番号】PCT/FR2006/001342
【国際公開番号】WO2006/136678
【国際公開日】平成18年12月28日(2006.12.28)
【出願人】(507421304)ブルースター シリコーン フランス (62)
【氏名又は名称原語表記】BLUESTAR SILICONES FRANCE
【住所又は居所原語表記】21,AVENUE GEORGES POMPIDOU F−69486 LYON CEDEX 03 FRANCE
【Fターム(参考)】