説明

家庭用エネルギー管理システム

【課題】 本発明の実施形態は、自然エネルギー発電装置の出力抑制を回避し、自然エネ
ルギー発電装置による発電量の利用効率を向上させることのできる家庭用エネルギー管理
システムを得ることを目的とする。
【解決手段】 本発明の実施形態における家庭用エネルギー管理システムは、自然エネル
ギー発電手段の電圧値を計測する電圧計測手段により計測された系統電圧と、第1の基準
電圧とを比較する電圧比較手段と、電圧比較手段により系統電圧が第1の基準電圧を超え
たと判断された場合、蓄電手段の充電および貯湯式給湯手段の貯湯を開始させる機器制御
手段と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、家庭用エネルギー管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、住宅に自然エネルギー発電装置、例えば太陽光発電装置を設置する場合、同時に
蓄電装置も設置して充放電することがある。太陽光発電装置が発電を行っている時間帯に
蓄電装置の充電量が満杯であった場合に家庭内で電力を消費している機器の稼動を停止す
ると家庭内の電力使用量が減って、家庭から配電系統への電力の逆潮流が発生するが、こ
のとき太陽光発電装置からの発電量が抑制される場合がある。
【0003】
これは、家庭における太陽光発電装置の発電量が、電力使用量を上回ると商用電源側の
配電系統へ逆潮流させる方法を取っているが、逆潮流が順調に行われるためには家庭側の
電圧が配電系統側の電圧を上回っていなければならないため、近隣の多くの家庭が一斉に
逆潮流を行うなどにより配電系統側の電圧が上昇すると逆潮流を行うことが困難になり、
太陽光発電装置のパワーコンディショナが発電量そのものを抑制するためである。
【0004】
また、蓄電装置へ充電を行う際にはその時点での充電量を考慮していないため、太陽光
発電装置の発電電力が家庭内の負荷全体の電力使用量を越える場合、蓄電装置の充電量が
満杯になって、それ以上蓄電することができずに逆潮流が発生する場合もある。この場合
も同様にして、太陽光発電装置の発電量が抑制されて太陽光のエネルギーの有効活用にな
らないおそれがある。また、計画的に充電量を算出していないため、安価な商用電源の利
用が効率的にならない場合もある。
【0005】
そこで、前記課題を解決するために、太陽光発電装置の発電量が最大となるように、ま
た、安価な深夜電力の利用量を増加させることによって、省エネルギー性と経済性の両方
を向上させる負荷制御装置が考えられている。
【0006】
この負荷制御装置は、過去の履歴に基づいた太陽光発電装置の発電量の予測値である予
測発電量を算出する発電予測部と、過去の履歴に基づいた電力の使用量の予測値である予
測負荷量を算出する負荷予測部と、予測負荷量と機器の稼動時刻の変更によって深夜に蓄
電装置に蓄える電力量を算出する充電量算出部と、蓄電装置に蓄えられている所定時間間
隔毎の電力量の推移である蓄電量カーブと蓄えた電力の所定時間間隔毎の料金単価である
蓄電単価カーブを算出する蓄電単価算出部と、予測発電量と予測負荷量と蓄電量カーブと
蓄電単価カーブと商用電源の料金とから1日の電力料金を算出する料金算出部と、算出し
た充電量に基づいて蓄電装置の制御を行う蓄電制御部と、算出した機器の稼動スケジュー
ルに基づいて機器の制御を行う機器制御部とを有し、最も省エネルギーと省コストとなる
ように、蓄電装置と機器の制御を行う。
これにより、太陽光発電装置の予測発電量が予測電力使用量を超える時間に、機器の稼
動時刻を制御することによって太陽光発電の余剰電力を削減し、機器の稼動時刻変更によ
って削減される余剰発電量と、予測電力負荷と蓄電装置内の残存電力量から、充電すべき
深夜電力量である充電量を算出し、蓄電装置の充電量を制御することによって、太陽光発
電装置の発電量を最大にし、かつ、安価な深夜電力の使用量を増やす。
【0007】
これにより、太陽光発電装置から得られる自然エネルギーを効率的に利用し、安価な深
夜電力の利用料を増加させることができるため、省エネルギー性を高めると同時に、経済
性も高めることが可能である。
【0008】
上述した負荷制御装置においては、過去の履歴に基づいた太陽光発電予測発電量と、過
去の履歴に基づいた予測負荷量を用いて、蓄電装置の充電量や機器の稼動スケジュールを
あらかじめ決め、それにしたがって蓄電装置を制御する。
【0009】
しかし、実際の電力系統では、逆潮流を阻害するほど配電電圧が上昇するか否か、また
、家電機器の実際に運用があらかじめ想定したとおりか否か、天気が予報どおりになるか
どうかなど、あらかじめ決めたスケジューリング制御では対応できない事象が多々存在す
る。そのために、スケジューリングされた蓄電計画が、太陽光発電を最も有効に使うもの
とは限らない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2007−295680号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の実施形態は、自然エネルギー発電装置の出力抑制を回避し、自然エネルギー発
電装置による発電量の利用効率を向上させることのできる家庭用エネルギー管理システム
を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の実施形態における家庭用エネルギー管理システムは、自然エネルギー発電手段
の電圧値を計測する電圧計測手段により計測された系統電圧と、第1の基準電圧とを比較
する電圧比較手段と、電圧比較手段により系統電圧が第1の基準電圧を超えたと判断され
た場合、蓄電手段の充電および貯湯式給湯手段の貯湯を開始させる機器制御手段と、を備
える。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】第1の実施形態における家庭用エネルギー管理システムの構成を示す図。
【図2】(a)第1の実施形態における太陽光発電装置1の発電量を示す図。(b)第1の実施形態における電圧計測装置5により計測される電圧値を示す図。(c)第1の実施形態における蓄電装置2および貯湯式給湯器3の総負荷電力量を示す図。
【図3】(a)第1の実施形態において、蓄電装置2を制御しない場合の太陽光発電装置1の発電量を示す図。(b)第1の実施形態において、蓄電装置2を制御しない場合の電圧計測装置5により計測される電圧値を示す図。(c)第1の実施形態において、蓄電装置2を制御しない場合の蓄電装置2および貯湯式給湯器3の総負荷電力量を示す図。
【図4】第2の実施形態における家庭用エネルギー管理システムの構成を示す図。
【図5】(a)第2の実施形態における太陽光発電装置1の発電量を示す図。(b)第2の実施形態における電圧計測装置5により計測される電圧値を示す図。(c)第2の実施形態における蓄電装置2および貯湯式給湯器3の総負荷電力量を示す図。
【図6】第3の実施形態における家庭用エネルギー管理システムの構成を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明係る実施形態における家庭用エネルギー管理システムについて、図面を参
照して説明する。
【0015】
(第1の実施形態)
(構成)
第1の実施形態の家庭用エネルギー管理システムの構成について図1を用いて説明する
。本実施形態の家庭用エネルギー管理システムは、太陽光発電装置1、蓄電装置2、貯湯
式給湯器3、電圧計測装置5、および負荷制御装置6を備える。
【0016】
太陽光発電装置1は、自然エネルギー発電装置の一つであり、商用系統7(商用電源、
送電線、配電線等を含む)と接続点4にて接続し、発電した電力は商用系統7に送電する
。さらに、図示しないが、太陽光発電装置1が発電した直流電力を交流単相の電力に変換
するパワーコンディショナー(以下、PCSと呼ぶ)が設けられ、このPCSには商用系
統7の保護回路が設けられており、出力電圧が所定の電圧範囲101V±6Vの上限であ
る107Vを逸脱した時に出力を停止する機能を有している。
【0017】
蓄電装置2は、例えば蓄電池、フライホイール、キャパシタ、SMES等であり、電気
エネルギーを蓄え、任意のタイミングで蓄えた電気エネルギーを出力することが可能であ
る。この蓄電装置2は商用系統7と接続し、充電時は商用系統7から電力を供給され、放
電時は商用系統7に電力を放出する。また、蓄電装置2は負荷制御装置6と接続し、負荷
制御装置6から蓄電装置充電制御信号を受信した場合に充電し、蓄電装置停止制御信号を
受信した場合は充電を停止する。
【0018】
さらに、図示しないが、蓄電装置2の充放電を制御するPCSが設けられ、このPCS
には発電装置の発熱を考慮しながら充放電を制御する機能を有している。このPCSによ
る制御はインバータ制御であるため、蓄電装置充電制御信号を受信すると、ほぼ遅れなく
充電を開始し、蓄電装置停止制御信号を受信すると、ほぼ遅れなく充電を停止する。
【0019】
貯湯式給湯器3は、ヒートポンプ型の給湯器であり、ヒートポンプを使用して温度が低
い水を温めて貯湯しておき、居住者による貯湯されている湯の任意のタイミングでの使用
を可能とするものである。この貯湯式給湯器3は、商用系統7と接続し、貯湯時(水を温
める時)は商用系統7から供給される電力にて水を温める。また、貯湯式給湯器3は負荷
制御装置6と接続し、負荷制御装置6から貯湯開始制御信号を受信した場合に貯湯を開始
し、貯湯停止制御信号を受信した場合に貯湯を停止する。
【0020】
しかし、この貯湯式給湯器3が負荷制御装置6から貯湯開始制御信号を受信し、貯湯を
開始した場合でも、ヒートポンプの保護のため、貯湯開始から5分程度の保護運転が行わ
れる。そのため、この保護運転時間経過後に全負荷運転(フルパワー運転)が行われる。
【0021】
電圧計測装置5は、太陽光発電装置1と接続点4との間における系統電圧V0を計測し
ており、その計測結果を負荷制御装置6に出力する。
【0022】
負荷制御装置6は、電圧比較手段8、給湯器起動時刻算出手段9、および機器制御手段
10を備える。
【0023】
電圧比較手段8は、電圧計測装置5により計測された系統電圧V0と、事前に設定され
た第1の基準電圧V1および第2の基準電圧V2とを比較する。系統電圧V0が事前に設
定された第1の基準電圧値V1を超えると、給湯器起動時刻算出手段9に対して、蓄電装
置2の充電を開始させるための蓄電装置充電信号と、貯湯式給湯器3の貯湯を開始させる
ための貯湯開始信号を出力する。系統電圧V0が事前に設定された第2の基準電圧V2を
下回ると、給湯器起動時刻算出手段9に対して、貯湯式給湯器3を停止させるための貯湯
停止信号を出力する。ここでの第1の基準電圧V1は第2の基準電圧V2より高く設定し
ている。
【0024】
給湯器起動時刻算出手段9は、電圧比較手段8から蓄電装置充電信号および貯湯開始信
号を受信した場合は、機器制御手段10にこの蓄電装置充電信号および貯湯開始信号を受
け渡すと共に、事前に設定された貯湯式給湯器3の保護運転時間待機する。そして、給湯
器起動時刻算出手段9は、蓄電装置充電信号および貯湯開始信号を受け渡した時間から保
護運転時間経過し、貯湯式給湯器3が全負荷運転となったことを確認すると、機器制御手
段10に対して、蓄電装置2の充電を停止させるための蓄電装置停止信号を出力する。
【0025】
また、給湯器起動時刻算出手段9が電圧比較手段8から貯湯停止信号を受信した場合は
、機器制御手段10に受信した貯湯停止信号を受け渡す。
【0026】
機器制御手段10は、給湯器起動時刻算出手段9から蓄電装置充電信号を受信した場合
は、蓄電装置2に対して蓄電装置充電制御信号を出力し、蓄電装置停止信号を受信した場
合は、蓄電装置2に対して蓄電装置停止制御信号を出力する。同様に、機器制御手段10
は、給湯器起動時刻算出手段9から貯湯開始信号を受信した場合は、貯湯式給湯器3に対
して貯湯開始制御信号を出力し、貯湯停止信号を受信した場合は、貯湯式給湯器3に対し
て貯湯停止制御信号を出力する。
【0027】
(作用)
次に、本実施形態の家庭用エネルギー管理システムの動作について図2を用いて説明す
る。図2は、本実施形態の家庭用エネルギー管理システムを用いて蓄電装置2および貯湯
式給湯器3を制御した場合の(a)太陽光発電装置1の発電量、(b)電圧計測装置5に
より計測される電圧値、(c)蓄電装置2および貯湯式給湯器3の総負荷電力を示してい
る。
【0028】
図2(a)に示すように、太陽光発電装置1により発電される1日の発電量は、日中に
最大となり、夜間に最小となる。そのため、図2(b)に示すように、電圧計測装置5に
より計測される電圧値は日中に上昇して第1の基準電圧V1を超えたり、夜間に減少して
第2の基準電圧V2を下回ったりすることがある。
【0029】
第1の基準電圧V1を超えたことを電圧比較手段8が検出し、給湯器起動時刻算出手段
9に対して、蓄電装置2の充電を開始させるための蓄電装置充電信号と、貯湯式給湯器3
の貯湯を開始させるための貯湯開始信号を出力する。蓄電装置充電信号および貯湯開始信
号を受信した給湯器起動時刻算出手段9は、機器制御手段10にこの蓄電装置充電信号お
よび貯湯開始信号を受け渡す。
【0030】
蓄電装置充電信号および貯湯開始信号を受信した機器制御手段10は、蓄電装置2に蓄
電装置充電制御信号を出力して充電を開始させ、貯湯式給湯器3に貯湯開始制御信号を出
力して貯湯を開始させる。
【0031】
さらに、給湯器起動時刻算出手段9は、蓄電装置充電信号および貯湯開始信号を受け渡
した時間から事前に設定された保護運転時間経過し、貯湯式給湯器3が全負荷運転したこ
とを確認すると、機器制御手段10に対して、蓄電装置2の充電を停止させるための蓄電
装置停止信号を出力する。蓄電装置停止信号を受信した機器制御手段10は、蓄電装置2
に蓄電装置停止制御信号を出力して充電を停止させる。
【0032】
その後、太陽光発電装置1の発電量の減少に伴い、電圧計測装置5により計測される電
圧値が第2の基準電圧V2を下回ったことを電圧比較手段8が検出し、給湯器起動時刻算
出手段9に対して貯湯停止信号を出力する。貯湯停止信号を受信した給湯器起動時刻算出
手段9は、機器制御手段10に対して貯湯停止信号を受け渡す。貯湯停止信号を受信した
機器制御手段10は、貯湯式給湯器3に貯湯停止信号を出力し、貯湯式給湯器3を停止さ
せることで貯湯は停止する。
【0033】
(効果)
本実施形態では、太陽光発電装置1の出力抑制を回避し、太陽光発電装置1による発電
量の利用効率を向上させることが可能である。
【0034】
この発電量の利用効率の向上について、以下に説明する。蓄電装置2を用いず、電圧計
測装置5により計測される電圧値が第1の基準電圧V1を超えた場合に貯湯式給湯器3の
貯湯を開始し、第2の基準電圧V2を下回った場合に貯湯を停止した場合について図3を
用いて説明する。図3(a)は、太陽光発電装置1の発電量、図3(b)電圧計測装置5
により計測される電圧値、図3(c)貯湯式給湯器3の負荷電力を示している。
【0035】
電圧計測装置5により計測される電圧値が第1の基準電圧V1を超えた場合、貯湯式給
湯器3の貯湯を開始するが、貯湯開始後は5分程度の保護運転期間が設定されており、電
圧値が即応して下がらない。そのため、保護運転期間に電圧値がPCSの電圧範囲の上限
である107Vを超えると太陽光発電装置1による発電を停止させていた。
【0036】
つまり、本実施形態では、貯湯式給湯器3に加えて、充電動作の応答が速い蓄電装置2
を起動・停止を制御しているため、太陽光発電装置1を停止させ、出力抑制する必要がな
いため、発電量の利用効率を向上させることが可能である。
【0037】
また、貯湯式給湯器3が全負荷運転を開始すると、蓄電装置2の充電を停止するため、
蓄電装置2の蓄電量が満杯になることが少なく、蓄電装置2に対する負荷を抑えることが
可能である。
【0038】

なお、本実施形態の電圧比較手段8は、蓄電装置停止信号および貯湯停止信号を給湯器
起動時刻算出手段9に出力していたが、直接、蓄電装置2および貯湯式給湯器3に対して
出力してもよい。この時、蓄電装置停止信号を受信した蓄電装置2は充電を停止し、貯湯
停止信号を受信した貯湯式給湯器3は貯湯を停止する。
【0039】
また、本実施形態の機器制御手段10は、給湯器起動時刻算出手段9から蓄電装置充電
信号および蓄電装置停止信号を受信し、蓄電装置2に対して蓄電装置充電制御信号および
蓄電装置停止制御信号を出力する。また機器制御手段10は、給湯器起動時刻算出手段9
から貯湯開始信号および貯湯停止信号を受信し、貯湯式給湯器3に対して貯湯開始信号お
よび貯湯停止信号を出力している。しかし、給湯器起動時刻算出手段9から直接、蓄電装
置2に対して蓄電装置充電信号および蓄電装置停止信号、貯湯式給湯器3に対して貯湯開
始信号および貯湯停止信号を出力してもよい。
【0040】
この時、蓄電装置2は、蓄電装置充電信号を受信した場合は充電を開始し、蓄電装置停
止信号を受信した場合は充電を停止する。同様に、貯湯式給湯器3は、貯湯開始信号を受
信した場合は貯湯を開始し、貯湯停止信号を受信した場合は貯湯を停止する。
【0041】
また、本実施形態の給湯器起動時刻算出手段9は、機器制御手段10に蓄電装置充電信
号および貯湯開始信号を出力した時間から、事前に設定された保護運転時間を待機し、蓄
電装置停止信号を機器制御手段10に対して出力している。しかし、保護運転時間終了直
後に蓄電装置2を停止させるための蓄電装置停止信号を出力する必要はなく、保護運転時
間終了後から蓄電装置2の蓄電量が満杯になる前であれば、同様の効果を得ることが可能
である。
【0042】
また、貯湯式給湯器3の保護運転時間は、起動時の外気温、気圧、等の変化パラメータ
により変化があるため、給湯器起動時刻算出手段9は、これらの現在の変化パラメータを
図示しない温度計、気圧計から受信し、受信した変化パラメータに基づいて、事前に設定
された保護運転時間の調整を行うことによって、より正確な制御を可能とする。
【0043】

(第2の実施形態)
次に、本発明に係る第2の実施形態について図4を用いて説明する。なお第1の実施形
態と同一の構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。第1の実施形態との構
成の違いは、給湯器起動時刻算出手段9に替えて、充電可能時間算出手段11を有してい
ることである。
【0044】
また、電圧比較手段8は、電圧計測装置5により計測された系統電圧V0と第1の基準
電圧V1および第2の基準電圧V2を比較する。系統電圧V0が事前に設定された第1の
基準電圧値V1を超えると、充電可能時間算出手段11に対して、蓄電装置2の充電を開
始させるための蓄電装置充電信号を出力する。系統電圧V0が事前に設定された第2の基
準電圧V2を下回ると、充電可能時間算出手段11に対して、貯湯式給湯器3を停止させ
るための貯湯停止信号を出力する。
【0045】
充電可能時間算出手段11は、電圧比較手段8から蓄電装置充電信号を受信した場合は
、機器制御手段10にこの蓄電装置充電信号を受け渡すと共に、(1)式により貯湯待機
時間を計算する。この貯湯待機時間は、充電可能時間算出手段11が機器制御手段10に
蓄電装置充電信号を受け渡した時間から、貯湯式給湯器3が貯湯を開始するための貯湯開
始信号を出力するまでの待機時間である。蓄電装置充電信号を受け渡した時間から貯湯待
機時刻経過後に貯湯開始信号を出力することで、蓄電装置2の蓄電量が満杯になるタイミ
ングにて貯湯式給湯器3が全負荷運転させることができる。
【0046】
貯湯待機時間=(蓄電容量−現在蓄電量)/(充電電力値)−(保護運転時間)・・・
(1)式
ここで、蓄電容量は蓄電装置2の蓄電量の上限値であり、現在蓄電量は蓄電装置2の現
在の蓄電量であり、充電電力値は単位時間当たりの充電量である。
【0047】
そして、充電可能時間算出手段11は機器制御手段10に蓄電装置充電信号を受け渡し
た時間から、貯湯待機時間経過したことを確認すると、機器制御手段10に対して、貯湯
式給湯器3の貯湯を開始させるための貯湯開始信号を出力する。
【0048】
また、電圧比較手段8から貯湯停止信号を受信した場合、充電可能時間算出手段11は
、機器制御手段10に受信した蓄電装置停止信号と貯湯停止信号を受け渡す。
【0049】
(作用)
次に、本実施形態の家庭用エネルギー管理システムの動作について図5を用いて説明す
る。図5は、本実施形態の家庭用エネルギー管理システムを用いて蓄電装置2および貯湯
式給湯器3を制御した場合の(a)太陽光発電装置1の発電量、(b)電圧計測装置5に
より計測される電圧値、(c)蓄電装置2および貯湯式給湯器3の総負荷電力を示してい
る。
【0050】
第1の実施形態と同様に、図5(a)太陽光発電装置1により発電される1日の発電量
は、日中に最大となり、夜間に最小となる。そのため、図5(b)に示すように、電圧計
測装置5により計測される電圧値は日中に上昇して第1の基準電圧V1を超えたり、夜間
に減少して第2の基準電圧V2を下回ったりすることがある。
【0051】
第1の基準電圧V1を超えたことを電圧比較手段8が検出し、充電可能時間算出手段1
1に対して、蓄電装置2の充電を開始させるための蓄電装置充電信号を出力する。蓄電装
置充電信号を受信した充電可能時間算出手段11は、機器制御手段10にこの蓄電装置充
電信号を受け渡す。
【0052】
蓄電装置充電信号を受信した機器制御手段10は、蓄電装置2に蓄電装置充電制御信号
を出力し、蓄電装置2を起動させることで充電を開始する。
【0053】
さらに、充電可能時間算出手段11は、機器制御手段10に蓄電装置充電信号を受け渡
した時間から貯湯待機時間経過したことを確認すると、機器制御手段10に対して、貯湯
式給湯器3の充電を開始させるための貯湯開始信号を出力する。貯湯開始信号を受信した
機器制御手段10は、貯湯式給湯器3に貯湯開始制御信号を出力し、貯湯式給湯器3を起
動させることで貯湯を開始する。その後、蓄電装置2の蓄電量が満杯になった場合、蓄電
装置2は停止する。
【0054】
さらに、太陽光発電装置1の発電量の減少に伴い、電圧計測装置5により計測される電
圧値が第2の基準電圧V2を下回ったことを電圧比較手段8が検出し、充電可能時間算出
手段11に対して貯湯停止信号を出力する。貯湯停止信号を受信した給湯器起動時刻算出
手段9は、機器制御手段10に対して貯湯停止信号を受け渡す。貯湯停止信号を受信した
機器制御手段10は、貯湯式給湯器3に貯湯停止制御信号を出力し、貯湯式給湯器3の貯
湯を停止させる。
【0055】
(効果)
本実施形態では、貯湯式給湯器3に加えて、充電動作の応答が速い蓄電装置2の起動・
停止を制御しているため、太陽光発電装置1を停止させ、出力抑制する必要がないため、
発電量の利用効率を向上させることが可能である。
【0056】

なお、本実施形態の充電可能時間算出手段11は、蓄電装置2の蓄電量が満杯になるタ
イミングにて貯湯式給湯器3の保護運転時間が終了して全負荷運転を開始するように、機
器制御手段10に対して蓄電開始信号を出力した時間から貯湯待機時間経過後に、貯湯開
始信号を出力している。しかし、蓄電装置2の蓄電量が満杯になることを防ぐ場合は、貯
湯待機時間を(2)式で算出し、保護運転時間が終了するタイミングにて蓄電装置2を停
止させるための蓄電装置停止信号を充電可能時間算出手段11が機器制御手段10に出力
するとよい。(2)式は、蓄電装置2の上限蓄電量の80%まで達するタイミングにて、
貯湯式給湯器3が全負荷運転を開始し、蓄電装置2が停止する場合の貯湯待機時間を示し
ている。
【0057】
貯湯待機時間=(蓄電容量×0.8−現在蓄電量)/(充電電力値)−(保護運転時間
)・・・(2)式
ここでの「(蓄電容量×0.8−現在蓄電量)/(充電電力値)」は、蓄電装置2の現
在の蓄電量が、事前に設定された蓄電量(ここでは上限蓄電量の80%)になるまでの時
間を示す設定蓄電量時間と呼んでいる。
【0058】

なお、第1の実施形態および第2の実施形態において、蓄電装置2および貯湯式給湯器
3は単数としているが、複数であっても同様の制御を行うことによって、同様の効果を得
ることが可能である。また、蓄電装置2が例えば蓄電池とフライホイールの種類が異なる
ものであっても、同様の制御にて同様の効果を得ることが可能である。
【0059】
また、太陽光発電装置1の発電量が短期間(数秒単位)で激しく変動する場合には、電
圧計測装置5により計測される電圧値も同様に変化する虞がある。その場合は、電圧比較
手段8は、電圧計測装置5により計測される電圧値のうち、任意の時間帯の平均値または
RMS値(Root Mean Square:二乗平均平方根)と、第1の基準電圧V1および第2の基
準電圧V2とを比較しても同様の効果を得ることが可能である。
【0060】

(第3の実施形態)
(構成・作用)
第3の実施形態の家庭用エネルギー管理システムの構成について図6を用いて説明する
。本実施形態の家庭用エネルギー管理システムは、太陽光発電装置1、蓄電装置2、貯湯
式給湯器3、電圧計測装置5、および負荷制御装置6を備える。
【0061】
太陽光発電装置1は、自然エネルギー発電装置の一つであり、商用系統7(商用電源、
送電線、配電線等を含む)と接続点4にて接続し、発電した電力は商用系統7に送電する
。さらに、図示しないが、太陽光発電装置1が発電した直流電力を交流単相200Vの電
力に変換するパワーコンディショナー(以下、PCSと呼ぶ)が設けられ、このPCSに
は商用系統7の保護回路が設けられており、出力電圧が所定の電圧範囲101V±6Vを
逸脱した時に出力を停止する機能を有している。
【0062】
蓄電装置2は、例えば蓄電池、フライホイール、キャパシタ、SMES等であり、電気
エネルギーを蓄え、任意のタイミングで蓄えた電気エネルギーを出力することが可能であ
る。この蓄電装置2は商用系統7と接続し、充電時は商用系統7から電力を供給され、放
電時は商用系統7に電力を放出する。さらに、図示しないが、蓄電装置2の充放電を制御
するPCSが設けられ、このPCSには発電装置の発熱を考慮しながら充放電を制御する
機能を有している。このPCSによる制御はインバータ制御であるため、ほぼおくれなく
制御に応答する。
【0063】
貯湯式給湯器3は、ヒートポンプ型の給湯器であり、ヒートポンプを使用して温度が低
い水を温めて貯湯しておき、居住者が貯湯されている湯の任意のタイミングでの使用を可
能とするものである。この貯湯式給湯器3は、商用系統7と接続し、貯湯時(水を温める
時)は商用系統7から供給される電力にて水を温める。しかし、この貯湯式給湯器3が貯
湯を開始した場合でも、ヒートポンプの保護のため、貯湯開始から5分程度の保護運転が
行われる。そのため、この保護運転時間経過後に全負荷運転(フルパワー運転)が行われ
る。
【0064】
電圧計測装置5は、太陽光発電装置1と接続点4との間における系統電圧V0を計測し
ており、その計測結果を負荷制御装置6に出力する。
【0065】
負荷制御装置6は、電圧DB13、発電DB14、電圧予測手段15、発電予測手段1
6、発電抑制量算出手段17、蓄電・貯湯必要量算出手段18、蓄電・貯湯スケジュール
制御手段19、負荷予測手段20、負荷DB21を備える。
【0066】
電圧DB13は、電圧計測装置5により計測される電圧値を記憶し、発電DB14は、
太陽光発電装置1の発電量を記憶する。また、負荷DB21は、図示しない負荷の電力消
費量を記憶する。
【0067】
電圧予測手段15は、電圧DB13に記憶された電圧値と、天気予報DB12から受信
した天気予報から翌日の電圧値を示す予測電圧値を算出し、発電抑制量算出手段17に出
力する。
【0068】
発電予測手段16は、発電DB14に記憶された発電量と、天気予報DB12から受信
した天気予報から翌日の発電量を示す予測発電量を算出し、発電抑制量算出手段17に出
力する。
【0069】
負荷予測手段20は、負荷DB21に記憶された電力消費量と、天気予報DB12から
受信した天気予報から翌日の電力消費量を示す予測電力消費量を算出し、発電抑制量算出
手段17に出力する。
【0070】
ここでは、電圧予測手段15、発電予測手段16、および負荷予測手段20は、夫々、
翌日の予測電圧値、予測発電量、および予測電力消費量を予測しているが、予測する期間
を示す予測期間は利用者が任意に設定可能である。
【0071】
発電抑制量算出手段17は、予測電圧値、予測発電量、および予測電力消費量から、翌
日に電圧計測装置5により計測される電圧値が高すぎるために、太陽光発電装置1の発電
が抑制される時間を示す抑制時間と、その時間帯に太陽光発電装置1により発電される発
電量を示す抑制発電量を算出し、この抑制時間および抑制発電量を蓄電・貯湯必要量算出
手段18に出力する。
【0072】
蓄電・貯湯必要量算出手段18は、蓄電装置2における現在の蓄電量と貯湯式給湯器3
における現在の貯湯量を取得し、取得した現在の蓄電量および現在の貯湯量と、発電抑制
量算出手段17から受信した抑制時間および抑制発電量とから、蓄電装置2の起動・停止
をスケジューリングした蓄電スケジュールと、貯湯式給湯器3の起動・停止をスケジュー
ルリングした貯湯スケジュールとを作成する。このとき、蓄電スケジュールおよび貯湯ス
ケジュールは、翌日の太陽光発電装置1による発電が抑制されないよう、予測した抑制時
間の前に予測した抑制発電量分を蓄電装置2または貯湯式給湯器3にて消費できるよう、
スケジューリングされている。
【0073】
蓄電・貯湯スケジュール制御手段19は、蓄電・貯湯必要量算出手段18により作成さ
れた蓄電スケジュールおよび貯湯スケジュールに基づいて、蓄電装置2および貯湯式給湯
器3の起動・停止を制御する。
【0074】
(効果)
本実施形態では、太陽光発電装置1の出力抑制を回避し、太陽光発電装置1による発電
量の利用効率を向上させることが可能である。
【0075】

本発明に係る実施形態によれば、自然エネルギー発電装置の出力抑制を回避し、自然エ
ネルギー発電装置による発電量の利用効率を向上させることが可能である。
【0076】
以上、本発明のいくつかの実施形態について説明したが、これらの実施形態は、例とし
て提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施
形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範
囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことが出来る。これら実施形態やその変形は、
発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲
に含まれる。
【符号の説明】
【0077】
1…太陽光発電装置
2…蓄電装置
3…貯湯式給湯器
4…接続点
5…電圧計測装置
6…負荷制御装置
7…商用系統
8…電圧比較手段
9…給湯器起動時刻算出手段
10…機器制御手段
11…蓄電可能時間算出手段
12…天気予報DB
13…電圧DB
14…発電DB
15…電圧予測手段
16…発電予測手段
17…発電抑制量算出手段
18…蓄電・貯湯必要量算出手段
19…蓄電・貯湯スケジュール制御手段
20…負荷予測手段
21…負荷DB

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自然エネルギー発電手段の電圧値を計測する電圧計測手段により計測された系統電圧と
、第1の基準電圧とを比較する電圧比較手段と、
前記電圧比較手段により前記系統電圧が前記第1の基準電圧を超えたと判断された場合
、蓄電手段の充電および貯湯式給湯手段の貯湯を開始させる機器制御手段と、
を備える家庭用エネルギー管理システム。
【請求項2】
前記電圧比較手段は、前記系統電圧と、前記第1の基準電圧および第2の基準電圧とを
比較し、
前記機器制御手段は、前記電圧比較手段により前記系統電圧が前記第1の基準電圧を超
えたと判断された場合、蓄電手段の充電および貯湯式給湯手段の貯湯を開始させ、前記第
2の基準電圧を下回ったことを判断された場合、前記貯湯式給湯手段の貯湯を停止させる
請求項1記載の家庭用エネルギー管理システム。
【請求項3】
前記蓄電手段の充電および前記貯湯式給湯手段の貯湯を開始させた時間から事前に設定
された保護運転時間経過したことを判断する給湯器起動時刻算出手段と、
前記機器制御手段は、前記給湯器起動時刻算出手段により、前記蓄電手段の充電および
前記貯湯式給湯手段の貯湯を開始させた時間から事前に設定された保護運転時間経過した
ことが判断された場合、前記蓄電手段の充電を停止させる
請求項1または2記載の家庭用エネルギー管理システム。
【請求項4】
自然エネルギー発電手段の電圧値を計測する電圧計測手段により計測された系統電圧と
、第1の基準電圧とを比較する電圧比較手段と、
前記電圧比較手段により前記系統電圧が前記第1の基準電圧を超えたと判断された場合
、前記蓄電手段の充電を開始させる機器制御手段と、
前記電圧比較手段により前記系統電圧が前記第1の基準電圧を超えたと判断された場合
、前記蓄電手段の蓄電量が事前に設定された値になる時間を示す設定蓄電量時間を現在の
蓄電量に基づいて算出し、前記設定蓄電量時間と事前に設定された保護運転時間とに基づ
いて貯湯待機時間を算出する蓄電可能時間算出手段と、を備え、
前記機器制御手段は、前記蓄電手段の充電が開始された時間から前記貯湯待機時間経過
したことを前記蓄電可能時間算出手段により判断された場合に、前記貯湯式給湯手段の貯
湯を開始させる
家庭用エネルギー管理システム。
【請求項5】
前記電圧比較手段は、前記系統電圧と、前記第1の基準電圧および第2の基準電圧とを
比較し、
前記機器制御手段は、前記電圧比較手段により前記系統電圧が前記第1の基準電圧を超
えたと判断された場合、蓄電手段の充電を開始させ、前記貯湯開始時刻に前記貯湯式給湯
手段の貯湯を開始させ、前記電圧比較手段により前記系統電圧が前記第2の基準電圧を下
回ったことを判断された場合、前記貯湯式給湯手段の貯湯を停止させる
請求項3記載の家庭用エネルギー管理システム。
【請求項6】
自然エネルギー発電手段の電圧値を計測する電圧計測手段により計測された系統電圧に
基づいて、将来の予測期間における電圧値を示す予測電圧値を算出する電圧予測手段と、
自然エネルギー発電手段の発電量に基づいて、将来の予測期間における発電量を示す予
測発電量を算出する発電予測手段と、
負荷の電力消費量に基づいて、将来の予測期間における電力消費量を示す予測電力消費
量を算出する負荷予測手段と、
前記電圧予測手段により算出された予測電圧値、前記発電予測手段により算出された予
測発電量、および前記負荷予測手段により算出された予測電力消費量に基づいて、予測期
間に自然エネルギー発電手段の発電が抑制される時間を示す抑制時間と、前記抑制時間に
前記自然エネルギー発電手段により発電される発電量を示す抑制発電量を算出する発電抑
制量算出手段と、
前記発電手段の現在の発電量および貯湯式給湯手段の現在の貯湯量と、前記抑制時間お
よび前記抑制発電量とに基づいて、自然エネルギー発電手段の発電が抑制されないよう、
前記蓄電手段の起動または停止をスケジューリングした蓄電スケジュールと、前記貯湯式
給湯手段の起動または停止をスケジューリングした貯湯スケジュールとを作成する蓄電・
貯湯必要量算出手段と、
前記蓄電・貯湯必要量算出手段により作成された前記蓄電スケジュールに基づいて前記
蓄電手段の起動または停止を制御し、前記貯湯スケジュールに基づいて前記貯湯式給湯手
段の起動または停止を制御する蓄電・貯湯スケジュール制御手段と、
を備える家庭用エネルギー管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−100395(P2012−100395A)
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−244651(P2010−244651)
【出願日】平成22年10月29日(2010.10.29)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】