家畜排泄物等の焼却処理装置及び焼却処理システム
【課題】 家畜の焼却物を効率よく焼却処理して処理費用の節減、焼却灰の肥料使用、環境汚染や家畜の疾病の発生防止、畜舎や家庭等の暖房等のエネルギー源として使用する。
【解決手段】 焼却対象物が投入される焼却対象物投入部83と焼却対象物を燃焼する燃焼室20と温水や蒸気を配管へと供給する供給管12,13と排気ガスを排気する排気部22が設けられた上部本体10と、燃焼室20の底部を構成して焼却対象物を堆積させかつ焼却灰を落下させる炉床体62,106と炉床体駆動機構69,107と焼却灰を排出する焼却灰排出部60,103が設けられて台座部を構成する下部本体50と、バーナ40とを備える。
【解決手段】 焼却対象物が投入される焼却対象物投入部83と焼却対象物を燃焼する燃焼室20と温水や蒸気を配管へと供給する供給管12,13と排気ガスを排気する排気部22が設けられた上部本体10と、燃焼室20の底部を構成して焼却対象物を堆積させかつ焼却灰を落下させる炉床体62,106と炉床体駆動機構69,107と焼却灰を排出する焼却灰排出部60,103が設けられて台座部を構成する下部本体50と、バーナ40とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、牛、豚、鶏等の家畜から排泄される排泄物や排泄物にまみれた寝藁或いは落ち葉等(以下、本明細書においては焼却対象物と総称する。)を効率よく焼却処理する家畜排泄物等の焼却処理装置及び焼却処理により発生したエネルギーの有効利用を図る焼却処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
畜産業においては、飼育する家畜から排泄される大量の排泄物を処理する負担は極めて大きく円滑に行われていないのが現状であって周辺地域に深刻な環境汚染の問題を生じさせるとともに、処理に要する費用も莫大な金額になっている。また、畜産業においては、他の大きな問題として家畜の疾病、特に養鶏場における鶏インフルエンザの発生はその最たるものである。この発生原因は、養鶏から排泄される排泄物が的確に処理されないために鶏舎内の水分が多くなることが主原因としても指摘されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
例えば養鶏場の上述した問題は、排泄物を乾燥させながら焼却することが可能な簡易でかつ廉価な処理装置が提供されることによりその解決が図られる。養鶏場においては、鶏舎内部を乾燥状態にして衛生的な環境に保持することにより養鶏の成長が期待されるが、現状においてはかかる課題を解決する好適な処理装置が提供されてはいない。
【0004】
ところで、一般的なボイラーとして、例えば石炭ボイラー或いは暖炉兼用の燃焼機等も提供されてはいるが、かかるボイラーは単純にお湯や蒸気を生成するボイラーの役割をはたすものである。しかしながら、かかる従来のボイラーは、家畜の排泄物を燃料として鶏舎や家庭等において使用できるものでは無い。
【0005】
したがって、本発明は、畜産業における上述した現状の問題に対して、多量に発生する家畜排泄物等の焼却対象物を効率よく焼却処理する焼却処理装置及びこの焼却処理装置から発生するエネルギーの有効利用を図る焼却処理システムを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した目的を達成する本発明にかかる家畜排泄物等の焼却処理装置は、上部本体と、下部本体と、火炎を噴射して焼却対象物を燃焼させるバーナを備える。焼却処理装置は、上部本体に、焼却対象物が投入される焼却対象物投入部と、この焼却対象物投入部から送り出された焼却対象物を燃焼する燃焼室と、焼却対象物の燃焼により生成した温水や蒸気を配管へと供給する供給管と、焼却対象物の燃焼により生じた排気ガスを燃焼室内から排気する排気部が設けられる。焼却処理装置は、下部本体に、燃焼室の底部を構成して焼却対象物を受け止めて堆積させるとともに焼却対象物の燃焼により生じた焼却灰を落下させる炉床体と、この炉床体を回転駆動させることにより焼却対象物を撹拌するとともに焼却灰の落下を促進させる炉床体駆動機構と、燃焼室内から炉床体を介して落下する焼却灰を回収する焼却灰回収部が設けられる。焼却処理装置は、上部本体を組み合わせて下部本体が台座部を構成する。
【0007】
焼却処理装置は、焼却対象物投入部が、焼却対象物が投入される焼却対象物ホッパと、この焼却対象物ホッパの底部に連設された焼却対象物送出管と、この焼却対象物送出管内に回転自在に設けられて焼却対象物ホッパから燃焼室内に焼却対象物を送り出す焼却対象物送出スクリューを備えて構成される。焼却処理装置においては、焼却対象物投入部により、燃焼室内への焼却対象物の送り込みが自動的に行われて効率化の向上や安全性が確保される。
【0008】
焼却処理装置は、排気部が、燃焼室の燃焼空間部の上方に配管された排気ダクトと、この排気ダクトに接続されて燃焼室内から排気ガスが導入される悪臭除去部と、この悪臭除去部において所定の排ガス処理を施した排気ガスを上部本体から外部へと放出する排気煙突と、悪臭除去部に悪臭除去液を供給する悪臭除去液供給部を備えて構成される。焼却処理装置においては、排気部により燃焼対象物の燃焼により発生する有毒ガス成分や悪臭ガス成分を除去して、クリーン化した排気ガスを排気煙突から外部へと排出する。
【0009】
焼却処理装置は、バーナが、モータと、このモータにより回転駆動されるファンと、燃料ポンプと、空気と燃料とを混合する混合管と、混合ガスを吹き出すノズルと、着火検出器を備えて構成される。焼却処理装置においては、バーナが、ノズルから火炎を噴射して燃焼室内において焼却対象物を燃焼させるとともに、着火検出器により焼却対象物の燃焼を検出すると所定時間の経過後に動作が停止される。焼却処理装置においては、燃焼室内において焼却対象物に火が回って燃焼が始まった状態で自動停止することにより、燃料費の低減が図られるようになる。
【0010】
焼却処理装置は、炉床体と、この炉床体を介して落下する焼却灰を回収する焼却灰受け室と、この焼却灰受け室内に回転自在に設けられた焼却灰排出スクリューとにより焼却灰排出部を構成する。焼却処理装置においては、焼却灰排出スクリューの回転動作により焼却灰を焼却灰受け室内から下部本体の外部に設けた焼却灰回収箱へと送り出す。焼却処理装置においては、焼却灰回収箱から焼却灰が効率よく回収され、肥料として有効利用される。
【0011】
焼却処理装置は、炉床体が、燃焼室の焼却灰排出開口を閉塞するに足る長さと外径を有し、燃焼室の底部を構成するように外周部の一部で焼却灰排出開口を閉塞する水平姿勢で回転自在に支持され、外周部に多数個の灰落とし孔を形成したドラム体からなる。焼却処理装置においては、炉床体が炉床体駆動機構により回転駆動されることにより、燃焼室内で焼却対象物を撹拌するとともに、各灰落とし孔を介して焼却灰回収部への焼却灰の落下促進を図ることで燃焼の効率化が図られるようにする。
【0012】
焼却処理装置は、焼却灰排出部の焼却灰排出スクリューと炉床体を回転駆動させる炉床体駆動機構の駆動源が共用される。焼却処理装置においては、かかる構成によって構造の簡易化やコスト低減が図られるとともに、焼却対象物の撹拌、焼却灰の灰落としが効率よく行われるようになる。
【0013】
焼却処理装置は、送風機と、この送風機から炉床体の上方外周部に導かれる送風管とから構成される送風機構を備える。焼却処理装置においては、送風機構による炉床体への送風により、当該炉床体を冷却してその変形発生を防止し、外周部や灰落とし孔内に詰まった焼却灰を吹き飛ばして焼却灰の落下促進と燃焼室内への送風による燃焼効率の大幅な向上が図られるようにする。
【0014】
焼却処理装置は、炉床体が、燃焼室の焼却灰排出開口を閉塞するに足る外径を有するとともに厚み方向に貫通して多数個の灰落とし孔が形成され、燃焼室の底部を構成するようにしてその内部に回転自在に組み合わされた円盤体からなる。焼却処理装置においては、炉床体が炉床体駆動機構により回転駆動されることにより、燃焼室内で焼却対象物を撹拌するとともに、各灰落とし孔を介して焼却灰回収部への焼却灰の落下促進を図ることで燃焼の効率化が図られるようにする。
【0015】
焼却処理装置は、バーナが、炉床体により閉塞された燃焼室の焼却灰排出開口よりも下方に位置して下部本体に設けられる。焼却処理装置は、焼却灰排出開口に対向して、傾斜姿勢のガイド部材が配置される。焼却処理装置においては、バーナの着火操作によりノズルから水平方向に火炎が噴射されると、この火炎をガイド部材により上方に向けて屈折して炉床体を介して燃焼室内に導かれるようにする。焼却処理装置においては、いわゆる底面燃焼方式により焼却対象物を効率よく燃焼させる。
【0016】
焼却処理装置は、燃焼室に、燃焼対象物が堆積されて燃焼が行われる燃焼空間部を構成する外周部位に対応して燃焼空間部内に空気を引き込む多数個の通風孔を形成する。焼却処理装置は、各通風孔が、燃焼空間部内に突出して形成した周方向の半キャノピー形状の凸部によって外部に開口する大径の空気流入口と内部において頂点部側に開口する小径の空気流出口とからなる。焼却処理装置においては、各通風孔から燃焼空間部に対して、空気流入口から引き込まれて空気流出口から流速を高めて吹き込まれる空気が炉床体の回転方向の空気流を生成して供給される。焼却処理装置においては、燃焼室内で焼却対象物を撹拌するとともに各灰落とし孔を介して焼却灰回収部への焼却灰の落下促進を図る。焼却処理装置においては、これにより燃焼室内において焼却対象物が効率よく燃焼されるようになる。
【0017】
上述した目的を達成する本発明にかかる家畜排泄物等の焼却処理システムは、家畜の排泄物を焼却対象物として焼却処理を施す焼却処理装置が用いられ、焼却処理装置から取り出した焼却対象物の焼却灰を肥料として利用し、焼却対象物の焼却熱により生成したお湯や蒸気を焼却処理装置から配管により畜舎や家屋に供給する。焼却処理システムは、焼却処理装置が、上部本体と、下部本体と、燃焼室内に投入された焼却対象物に着火して燃焼させるバーナとを備える。
焼却処理装置は、上部本体が、焼却対象物が投入される焼却対象物投入部と、この焼却対象物投入部から送り出された焼却対象物を燃焼する燃焼室と、焼却対象物の燃焼により生成した温水や蒸気を配管へと供給する供給管と、焼却対象物の燃焼により生じた排気ガスを燃焼室内から排気する排気部が設けられる。焼却処理装置は、下部本体が、燃焼室の底部を構成して焼却対象物を受け止めて堆積させるとともに焼却対象物の燃焼により生じた焼却灰を落下させる炉床体と、この炉床体を回転駆動させることにより焼却対象物を撹拌するとともに焼却灰の落下を促進させる炉床体駆動機構と、燃焼室内から炉床体を介して落下する焼却灰を回収する焼却灰回収部が設けられ、上部本体が組み合わされて台座部を構成する。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、焼却対象物が投入される焼却対象物投入部とこの焼却対象物投入部から送り出された焼却対象物を燃焼する燃焼室と焼却対象物の燃焼により生成した温水や蒸気を配管へと供給する供給管と焼却対象物の燃焼により生じた排気ガスを燃焼室内から排気する排気部を有する上部本体と、燃焼室の底部を構成して焼却対象物を受け止めて堆積させるとともに焼却対象物の燃焼により生じた焼却灰を落下させる炉床体とこの炉床体を回転駆動させることにより焼却対象物を撹拌するとともに焼却灰の落下を促進させる炉床体駆動機構と燃焼室内から炉床体を介して落下する焼却灰を回収する焼却灰回収部を有する下部本体と、火炎を噴射して燃焼室内に堆積した焼却対象物を燃焼させるバーナとにより焼却処理装置を構成する。
【0019】
本発明によれば、焼却処理装置が簡易な構造で廉価であるとともに取扱いも簡便に構成され、多量に発生する家畜の排泄物等の焼却対象物を環境汚染の発生を抑制して極めて効率よく焼却処理することが可能である。本発明によれば、畜産業における家畜等の排泄物を処理するための莫大な処理費用を節減し、焼却処理により環境汚染の防止とともに家畜の疾病発生を防止し、さらに焼却処理により得た熱を利用して畜舎や家屋等の暖房用エネルギー等に使用することで、資源の有効利用を図り、家畜からの加工製品の品質と信頼性を大幅に向上させて消費者に対してよいイメージを与えることを可能とする。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の実施の形態として示す焼却処理装置の正断面図である。
【図2】同焼却処理装置の側断面図である。
【図3】同焼却処理装置に備えられる焼却灰受けドラムの斜面図である。
【図4】同焼却処理装置を含む焼却対象物の焼却処理システムの全体構成図である。
【図5】他の実施の形態として示す焼却処理装置の要部分解斜視図である。
【図6】同焼却処理装置の側断面図である。
【図7】同焼却処理装置に備えられるバーナ筒体の要部斜視図である。
【図8】同バーナ筒体の要部断面図である。
【図9】同焼却処理装置を含む焼却対象物の焼却処理システムの全体構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の第1の実施の形態として図1乃至図4に示した家畜の排泄物等の焼却対象物を焼却処理する焼却処理装置1について以下説明する。焼却処理装置1は、焼却対象物を投入してこれを焼却処理するとともに、焼却灰を回収して肥料として有効利用する。焼却処理装置1は、焼却熱を利用して内部に導入された水を加熱して高温・高圧のお湯や蒸気を発生させるボイラー機能を奏し、図4に示すように畜舎4や家屋7に熱エネルギーを供給するいわゆるローカルの焼却対象物の焼却処理システムを構成する。
【0022】
なお、焼却処理装置1は、焼却対象物として、上述したように畜舎から集めた家畜の排泄物や糞尿にまみれた寝藁或いは落ち葉や可燃性の各種廃棄物等も焼却処理することが可能である。焼却処理装置1は、焼却対象物について例えば天日干しによる乾燥処理を施したものを用いることが好ましい。
【0023】
焼却処理装置1は、温水配管8や蒸気配管9が接続され、畜舎4や家屋7に対して焼却熱を利用して生成した暖房用の温水や蒸気を供給する。焼却処理装置1は、蒸気配管9から蒸気エンジン3に蒸気を供給し、蒸気エンジン3を駆動して発電を行って畜舎4や家屋7に電力を供給する。なお、焼却処理装置1は、蒸気を蒸気エンジン3に供給して発電用エネルギーとして利用するばかりでなく、蒸気配管9を配管した畜舎4や家屋7に供給するようにしてもよい。
【0024】
焼却処理装置1は、供給した電力により畜舎4や家屋7に設けた冷暖房機や照明器具を駆動する。焼却処理装置1は、暖房用として供給する温水を、例えば畜舎4の床面6に設けた暖房配管6aに流すことにより、畜舎4内の暖房が行われるようにする。焼却処理装置1は、畜舎4内の暖房とともに排泄物が垂れ流される床面6等を乾燥させて清潔な環境とし、家畜の疾病発生を低減するとともに回収作業の負担を軽減する。
【0025】
なお、以下の説明において、関連した公知の機能又は構成についての具体的な説明が本発明の要旨を不必要に不明瞭とさせると判断される場合にはその詳細な説明を省略する。また、使用する用語は、本発明にかかる機能を考慮して特定された用語として発明者の意図或いは慣例により変更される可能性があり、明細書全文の記載に基づいて最適に定義される。
【0026】
焼却処理装置1は、図1乃至図4に示すように、投入された焼却対象物を燃焼させる燃焼室20を備える上部本体10と、この上部本体10の台座部位を構成して燃焼室20内で焼却処理を施された焼却対象物の焼却灰を外部へと排出する焼却灰排出部60を備える下部本体50とを組み合わせて構成される。焼却処理装置1は、図1に示すように上部本体10の外側面に詳細を省略する制御盤2が設置されており、この制御盤2により後述する焼却対象物の焼却処理を制御する設定操作等を行う。焼却処理装置1は、制御盤2により上述した畜舎4や家屋7へのエネルギー供給動作の設定操作等を行う。
【0027】
焼却処理装置1は、上部本体10に、上述した燃焼室20とともに詳細を後述する悪臭除去部30を含む排気部22と、バーナ40と、焼却対象物投入部83が備えられる。焼却処理装置1は、詳細を省略するが、上部本体10と燃焼室20の間に構成された空間部が密閉された密閉空間部14を構成する。焼却処理装置1は、上部本体10の下方部に位置して外側面に突出して給水管11を設け、給水源と接続した給水管11から密閉空間部14内に水を導入する。
【0028】
焼却処理装置1は、燃焼室20が、図2に示すように中央より上方部位が大きな空間とされて主燃焼空間部20aを構成し、中央部位が主燃焼空間部20aの前後側面部を下方に向かって次第に対向間隔を狭めて漏斗状のバーナ空間部20bとし、このバーナ空間部20bに連続する下方部位を下部本体50へと焼却灰を排出する焼却灰排出空間部20cとして下端部に焼却灰排出開口20dを形成して構成する。焼却処理装置1は、このように上方部位を大きな空間部位として下方部位を次第にすぼめたホッパ型に形成される。
【0029】
焼却処理装置1は、上部本体10の上方部に位置して外側面から突出して給湯管12を設け、密閉空間部14内において加熱することにより生成したお湯を給湯管12から畜舎4や家屋7へと供給する。焼却処理装置1は、上部本体10の天井部から突出して蒸気管13を設け、この蒸気管13から密閉空間部14内において生成した蒸気を排出させて後述する蒸気エンジン3を駆動する。
【0030】
なお、焼却処理装置1は、焼却対象物を焼却処理する際に発生する焼却熱を利用して密閉空間部14内においてお湯や高温・高圧の蒸気を発生させるボイラー機能を奏する。したがって、焼却処理装置1は、詳細を省略するが周知のボイラと同様に密閉空間部14内に適宜のボイラ管を配管して給水管11から導水し、お湯や蒸気が効率よく生成されるように構成される。
【0031】
焼却処理装置1は、上部本体10との間に構成する密閉空間部14が高熱雰囲気に保持されるように、その天井部に防火断熱材10aが組み付けられる。焼却処理装置1は、図1及び図2に示すように、排気部22が、燃焼室20の主燃焼空間部20aの上方に配管された多数の排気ダクト23と、これら排気ダクト23が接続されて燃焼室20内から排気ガスが導入される悪臭除去部30と、この悪臭除去部30内において所定の排ガス処理を施した排気ガスを外部へと放出する排気煙突21と、悪臭除去部30に悪臭除去液を供給する悪臭除去液タンク32とから構成される。
【0032】
排気部22は、悪臭除去部30が、上部本体10の天井部に取り付けられるとともに排気ダクト23が結合されることにより燃焼室20と連通された密閉筐体33と、この密閉筐体33内に備えたフィルタ体31とから構成される。排気部22は、悪臭除去部30の密閉筐体33に一体に設けた排気煙突21が、上部本体10の天井部を貫通して外部へと突出される。
【0033】
排気部22は、悪臭除去液タンク32が上部本体10の外部に設けられるとともに、この悪臭除去液タンク32と悪臭除去部30の密閉筐体33を上部本体10の天井部を貫通して設けた供給管32aにより連結する。排気部22は、悪臭除去液タンク32から供給管32aにより悪臭除去液をフィルタ体31へと供給する。悪臭除去液タンク32は、外部から悪臭除去液を補充することが可能であり、悪臭除去液をフィルタ体31に対して少量ずつ供給することで排気部22の作用が長時間に亘って継続されるようにする。
【0034】
焼却処理装置1においては、焼却対象物を燃焼することにより燃焼室20内において煙とともに有毒ガスや悪臭ガスを含む排気ガスが発生する。焼却処理装置1においては、この排気ガスを、燃焼室20内から排気ダクト23を介して悪臭除去部30の密閉筐体33内へと導入する。焼却処理装置1においては、密閉筐体33内においてフィルタ体31により排気ガスから有毒ガス成分や悪臭ガス成分を吸着除去し、クリーン化した排気ガスを排気煙突21から外部へと排出する。
【0035】
焼却処理装置1は、図1及び図2に示すように、バーナ40が上部本体10に対して、外側面の上述した給水管11とほぼ対向する側の下方部に位置して設けられる。バーナ40は、図2に示すように燃焼室20に対して、上述したバーナ空間部20bに対応位置して配置される。バーナ40は、図1に示すように、モータ41と、ファン42と、プラグ43と、ノズル44と、混合管47とから構成される。バーナ40には、燃料ポンプ46が付設されるとともに着火検出器45が備えられる。
【0036】
バーナ40は、モータ41により回転駆動されるファン42により空気を混合管47内に供給するとともに、燃料ポンプ46により図示しない燃料タンクから燃料を混合管47内に供給される。バーナ40は、混合管47が、内部にプラグ43とノズル44を導いて上部本体10を貫通し、その先端が燃焼室20のバーナ空間部20bに開口されている。バーナ40は、燃焼の初期段階では混合管47内において空気と燃料とを混合して燃焼室20内に供給し、所定時間の経過後には空気のみを燃焼室20内に供給する。
【0037】
バーナ40は、予め燃焼室20内に焼却処理する焼却対象物を送り込んだ状態において、モータ41を起動してファン42を回転駆動することにより混合管47から燃焼室20内に空気を送風する。バーナ40は、燃料ポンプ46からノズル44に灯油等の燃料を供給して混合管47内において空気と混合させて燃焼室20内に噴射させる。バーナ40は、空気と燃料を吹き込んだ状態で、プラグ43の着火動作が行われると空気混合燃料に着火して燃焼室20内において火炎を噴射する。バーナ40は、燃焼室20内において燃焼が始まって温度が急激に上昇すると着火検出器45により燃焼の検知動作が行われ、これにより燃焼室20内において噴射した燃料の燃焼を確認する。
【0038】
バーナ40は、例えばプラグ43を着火動作して約5分程度が経過すると、燃料ポンプ46からの燃料供給を停止する。バーナ40は、燃料供給が停止された後でもファン42の回転動作が継続されて引き続き燃焼室20内への空気の供給が行われる。
焼却処理装置1においては、5分程度の燃料供給により燃焼室20内において送り込まれる焼却対象物につぎつぎと火が回って燃焼が始まることから、上述したように燃料の供給を自動停止することにより燃料費の低減が図られるようになる。なお、焼却処理装置1においては、焼却対象物の焼却処理を行わずに、畜舎4や家屋7への電力や暖房の供給用として使用することも可能である。焼却処理装置1は、この場合に必要な時間、燃料ポンプ46による燃焼室20内への燃料供給が行われる。
【0039】
焼却処理装置1は、焼却対象物投入部83が、図2に示すように第1駆動モータ80と、第1伝達機構84により駆動される焼却対象物送出スクリュー81と、焼却対象物投入ホッパ82を備え、焼却対象物投入ホッパ82に投入された焼却対象物を燃焼室20内へと送り出す。焼却対象物投入部83は、第1駆動モータ80が、下部本体50に取り付けた支持ブラケット85に設置され、その出力軸80aに第1伝達機構84を構成する駆動ベルト車84aが固定される。焼却対象物投入部83は、焼却対象物投入ホッパ82が、燃焼室20の上方部位に構成された主燃焼空間部20aに対応位置して上部本体10の外方に設けられる。
【0040】
焼却対象物投入部83は、焼却対象物投入ホッパ82が、上方を大きく開口して焼却対象物の投入口を構成するとともに下方部を次第に狭めて下端部に焼却対象物の送出口を構成した漏斗状に形成される。焼却対象物投入ホッパ82は、下方部において送出口と連通する水平方向の焼却対象物送出管86を一体に連設し、この焼却対象物送出管86が上部本体10を貫通して先端を燃焼室20の主燃焼空間部20aに開口される。焼却対象物投入ホッパ82には、焼却対象物送出管86内を貫通して図示しない軸受により回転自在に支持された焼却対象物送出スクリュー81が設けられる。
【0041】
焼却対象物送出スクリュー81は、焼却対象物投入ホッパ82の投入口と先端部との間の外周部に螺旋状の凸部からなる送出し用リブを一体に形成してなる。焼却対象物送出スクリュー81は、焼却対象物送出管86内において回転駆動されることにより焼却対象物投入ホッパ82内から送出口を介して落下する焼却対象物を送出し用リブ間に収納して先端側へと送り出す。焼却対象物送出スクリュー81は、上部本体10と対向する側において焼却対象物投入ホッパ82から突出され、先端部に第1伝達機構84を構成する第1従動ベルト車84bが固定される。
【0042】
焼却対象物投入部83は、第1駆動モータ80の回転を第1伝達機構84により焼却対象物送出スクリュー81に伝達して回転駆動させる。第1伝達機構84は、上述した第1駆動モータ80の出力軸80aに固定した第1駆動ベルト車84aと、焼却対象物送出スクリュー81に固定した第1従動ベルト車84bと、これら第1駆動ベルト車84aと第1従動ベルト車84bとの間に架け渡した第1連結ベルト84cとから構成される。
【0043】
焼却処理装置1においては、畜舎から集めて乾燥処理を施した焼却対象物を焼却対象物投入ホッパ82内に投入する。焼却処理装置1においては、焼却対象物とともに、例えば向日葵の皮や落ち葉等が燃料材として焼却対象物投入ホッパ82内に投入される。焼却処理装置1においては、その他一般に用いられる各種の燃料材、例えば石炭、豆炭、コークス或いは成形炭等も燃料材若しくは補助燃料材として焼却対象物投入ホッパ82内に投入される。
【0044】
焼却処理装置1においては、焼却対象物投入ホッパ82内に投入された焼却対象物が焼却対象物送出管86内へと落下する。焼却処理装置1においては、第1駆動モータ80を起動するとその回転出力が第1伝達機構84を介して焼却対象物送出スクリュー81へと伝達され、この焼却対象物送出スクリュー81の回転により焼却対象物が焼却対象物送出管86から燃焼室20内へと順次送り出される。焼却処理装置1においては、上述したように焼却対象物を燃焼室20内において燃焼させて焼却処理を施す。
【0045】
焼却処理装置1においては、燃焼室20内において焼却処理を施した焼却対象物の焼却灰が下部本体50へと落下し、この下部本体50内に設けた焼却灰排出部60により外部へと排出する。焼却灰排出部60は、図1及び図2に示すように焼却灰受け室66と、焼却灰受けドラム62と、焼却灰排出管部67と、送風機構72を備え、下部本体50の外部に設置した焼却灰回収箱(焼却灰回収部)51に焼却灰を排出する。
【0046】
焼却灰排出部60は、焼却灰受け室66内に上部本体10から焼却灰が落下する。焼却灰排出部60は、焼却灰受け室66内に詳細を後述するように内部に焼却灰受けドラム62を回転自在に収納するとともに、焼却灰受けドラム62の下方部において一端側を外方に突出させて水平方向の焼却灰排出管部67が一体に設けられる。焼却灰排出部60は、焼却灰排出機構69により焼却灰受けドラム62を回転駆動するとともに、焼却灰排出管部67内に回転自在に設けた焼却灰排出スクリュー65を回転駆動する。焼却灰排出部60は、送風機構72により焼却灰受けドラム62に送風を行う。
【0047】
焼却灰受けドラム62は、燃焼室20の底部を構成するに足る長さと外径を有する耐熱性を有するステンレス鋼材等を素材として形成した円筒部材からなる。焼却灰受けドラム62は、図3に示すように軸方向の両側面にリム部62aを一体に形成し、このリム部62aに形成した軸孔に嵌挿したドラム支軸64に対してかしめ止めすることにより固定する。焼却灰受けドラム62には、外周部に多数個の灰落とし孔63が形成されている。
【0048】
焼却灰受けドラム62は、外周面の一部が燃焼室20の焼却灰排出開口20dを閉塞するようにして水平方向に配置されており、外周面上に燃焼室20内に投入された焼却対象物を受け止めて堆積させるとともに、後述するように回転動作することにより焼却対象物が効率よく燃焼される炉床体を構成する。焼却灰受けドラム62は、燃焼室20内において燃焼処理された焼却灰を外周部及び灰落とし孔63を介して焼却灰排出管部67内へと落下させる。焼却灰受けドラム62は、焼却灰排出機構69により回転駆動されるとともに送風機構72からの送風を受けることにより焼却対象物を撹拌しながら効率よい燃焼が行われるようにするとともに、焼却灰を焼却灰排出管部67内へと効率よく落下させる。
【0049】
焼却灰排出管部67には、上述したようにその内部に焼却灰排出スクリュー65が図示しない軸受により回転自在に支持されて設けられる。焼却灰排出スクリュー65も、外周部に螺旋状の凸部からなる送出し用リブを一体に形成してなり、焼却灰排出管部67内において回転駆動されることにより焼却灰受けドラム62を介して落下される焼却灰を送出し用リブ間に収納して先端側へと送り出す。焼却灰排出管部67は、その先端部が下部本体50を突出して焼却灰回収箱51に対向している。
【0050】
焼却灰排出機構69は、図1に示すように第2駆動モータ61と、この第2駆動モータ61の回転出力を焼却灰受けドラム62と焼却灰排出スクリュー65に切り分けて伝達する第2伝達機構68とから構成され、焼却灰受けドラム62と焼却灰排出スクリュー65を同時に回転駆動する。焼却灰排出機構69は、第2駆動モータ61が、出力軸61aを焼却灰受けドラム62と焼却灰排出スクリュー65の中間に位置するようにして、焼却灰受け室66の側方に位置して下部本体50に設けたモータ取付台61bに設置される。第2駆動モータ61は、出力軸61aに第2駆動ベルト車61cを固定する。
【0051】
上述したドラム支軸64は、焼却灰受け室66の両側面に設けた軸受けにより水平状態に支架され、焼却灰受け室66内において焼却灰受けドラム62を回転自在に支持する。ドラム支軸64は、焼却灰受け室66の一方側面から突出した先端部に第2従動ベルト車64aが固定される。第2伝達機構68は、上述した第2駆動モータ61の第2駆動ベルト車61cとドラム支軸64の第2従動ベルト車64a及び焼却灰排出スクリュー65に設けた第3従動ベルト車65aと、第2連結ベルト68aにより構成する。第2伝達機構68は、第2連結ベルト68aが、第2駆動ベルト車61cと第2従動ベルト車64aと第3従動ベルト車65a間に架け渡される。
【0052】
焼却灰排出機構69は、第2駆動モータ61を起動して第2駆動ベルト車61cが回転動作すると、第2伝達機構68を介して第2駆動ベルト車61cの回転が第2従動ベルト車64aと第3従動ベルト車65aに切り分けられて伝達される。焼却灰排出機構69は、これにより焼却灰受けドラム62と焼却灰排出スクリュー65を同時に回転させる。焼却灰排出機構69は、焼却灰受けドラム62を介して焼却灰排出管部67内に落下した焼却灰を焼却灰排出スクリュー65により先端側へと送り出し、焼却灰回収箱51へと排出する。
【0053】
焼却灰排出機構69は、上述したように1つの第2駆動モータ61を駆動源として焼却灰受けドラム62と焼却灰排出スクリュー65とを回転駆動させる。焼却灰排出機構69は、焼却灰の落下と排出とが同期して行われることにより詰まり等の発生を防止する排出機構を、構造の簡易化とコストの低減を図って実現する。焼却灰排出機構69は、高熱となる焼却灰受け室66の外部に第2駆動モータ61や第2伝達機構68を設けた構造であり、長時間の使用によってもこれら第2駆動モータ61や第2伝達機構68の損傷発生が防止される。
【0054】
送風機構72は、図1及び図2に示すように送風機(ブロアー)70と、このブロアー70から焼却灰受けドラム62の上方外周部に導かれる送風管71とから構成される。送風機構72は、ブロアー70が起動されて送風管71から焼却灰受けドラム62の外周部に送風を行うことにより、この焼却灰受けドラム62を冷却して変形等の発生を防止するとともに、燃焼室20内における焼却対象物の燃焼効率を向上させる。送風機構72は、焼却灰受けドラム62の外周部から焼却灰を吹き飛ばし、焼却灰排出管部67内へと落下させる。
【0055】
したがって、送風機構72は、燃焼を促進するための燃焼室20内への送風とともに焼却灰による炉床の目詰まりを防止する送風を行う。送風機構72は、燃焼室20内に向けて送風を行うことによって下部本体50の高温化を抑制する。
【0056】
以上のように構成された焼却処理装置1においては、畜舎から集められた焼却対象物や燃料材を、焼却対象物投入部83の焼却対象物投入ホッパ82内に投入する。焼却処理装置1においては、投入された焼却対象物等を焼却対象物送出スクリュー81により焼却対象物送出管86から燃焼室20内へと順次送り出す。焼却処理装置1においては、上述したように焼却灰受けドラム62が、上部本体10側の燃焼室20の炉床を構成してこの燃焼室20内に投入された焼却対象物等を外周部において受け止める。
【0057】
焼却処理装置1においては、焼却灰排出機構69の第2駆動モータ61を起動して焼却灰受けドラム62を回転駆動することにより焼却対象物等を撹拌するとともに、送風機構72を起動して焼却灰受けドラム62の外周部を介して撹拌した焼却対象物内に空気を送り込む。焼却処理装置1においては、この状態で上述したバーナ40の着火操作が行われて燃焼室20内において焼却対象物等の燃焼処理を行う。
【0058】
焼却処理装置1においては、上述したようにバーナ40の燃料ポンプ46からの燃料供給やファン42の回転による送風により燃焼室20内において燃料材とともに焼却対象物が燃焼し、さらに焼却灰受けドラム62の回転動作による撹拌と送風機構72から送風が行われることによって効率のよい燃焼が行われる。焼却処理装置1においては、焼却対象物等の燃焼により生じる焼却灰が、焼却灰受けドラム62の灰落とし孔63から焼却灰排出管部67内へと落下する。
【0059】
焼却処理装置1においては、焼却灰受けドラム62が回転動作することにより、堆積した焼却対象物等の撹拌とともに燃焼により生じてその外周部に積もった焼却灰も焼却灰排出管部67内へと効率よく落下させ、灰落とし孔63の孔詰まりの発生も低減する。焼却処理装置1においては、送風機構72からの送風により、燃焼室20内において焼却対象物等の効率よい燃焼が行われるとともに焼却灰の焼却灰排出管部67内への排出も効率よく行われる。焼却処理装置1においては、焼却灰受けドラム62の回転動作による焼却灰排出管部67内への焼却灰の落下とともに、この焼却灰受けドラム62と同期して焼却灰排出スクリュー65の回転動作も行われることにより焼却灰回収箱51への焼却灰の効率的な排出が行われる。
【0060】
上述した第1の実施の形態として示した焼却処理装置1においては、下部本体50の内部に、焼却灰受け室66と、焼却灰受けドラム62と、焼却灰排出管部67と、送風機構72等を有する焼却灰排出部60を備えて構成される。本発明は、かかる焼却処理装置1に限定されものでは無く、例えば図5乃至9に第2の実施の形態として示した焼却処理装置100にも展開することが可能である。焼却処理装置100は、図5及び図6に示すように、上述した焼却処理装置1の上部本体10と同等に構成した上部本体101に対して詳細を後述するように構造を簡易化した下部本体102を組み合わせて構成される。
【0061】
なお、以下、焼却処理装置100について説明するが、上部本体101の構成各部については焼却処理装置1の上部本体10の各部と同一符号を付しその詳細な説明を省略するものとする。焼却処理装置100においては、後述するようにバーナ40が下部本体102側に設けられている。
【0062】
焼却処理装置100は、下部本体102内に、図5及び図6に示すようにそれぞれ詳細を後述する台座部103と、バーナ40を設けた外筒体104と、バーナ筒体105と、炉床体106と、炉床体駆動機構107を備えて構成される。焼却処理装置100は、下部本体102の底部に箱状の部位からなる台座部103が設けられ、この台座部103が設置する際の台座機能を奏するとともに上述した焼却灰受け室66と対応する部位として焼却対象物の焼却灰を外部へと排出する排出部を構成する。
【0063】
台座部103には、後述するように上面に外筒体104が取り付けられ、この外筒体104に囲まれた領域内の上面に焼却灰が落下する。台座部103には、上面の外筒体104の取付領域内に位置して焼却灰排出開口103aが設けられ、図6矢印で示すように外筒体104から落下した焼却灰がその内部へと落下して収納されようにする。台座部103には、その内部に、焼却灰回収箱108を出入れ自在に組み合わす。焼却灰回収箱108は、把手108aを下部本体102の外周面に臨ませて組み合わされ、台座部103の焼却灰排出開口103aを介して落下する焼却灰を内部に収納する焼却灰回収部を構成する。焼却灰回収箱108は、図5に示すように台座部103の内部から引き出されることにより、内部に収納した焼却灰の回収処理が行われるようにする。
【0064】
焼却処理装置100は、台座部103の上面に上述したように焼却灰排出開口103aを取り囲んで外筒体104を取り付ける。外筒体104は、図6に示すようにその上方開口部から内部にバーナ空間部109を構成してバーナ筒体105を組み付けるとともに、下方部の外周部にバーナ取付開口104aと駆動機構取付開口104bが設けられる。外筒体104には、後述するようにバーナ取付開口104aにバーナ40を取り付けるとともに、駆動機構取付開口104bを介して詳細を後述する炉床体106を回転駆動させる炉床体駆動機構107が取り付けられる。
【0065】
バーナ筒体105は、内部空間が燃焼空間部110を構成する本体筒部105aと、この本体筒部105aの開口部に周回りに一体に形成された取付フランジ部105bとから構成される。バーナ筒体105は、本体筒部105aが、外筒体104よりも小径かつ短軸であるとともに、上部本体101の上述した燃焼室20の下部開口とほぼ同径の筒体として形成される。バーナ筒体105は、取付フランジ部105bが、外筒体104の上部開口とほぼ同径に形成される。
【0066】
バーナ筒体105は、外筒体104に対してその内部に上部開口側から組み合わされ、取付フランジ部105bを開口縁に固定することにより一体化される。バーナ筒体105には、後述するように燃焼空間部110の底部を閉塞する炉床体106が回転自在に組み付けられる。バーナ筒体105は、上部本体101と下部本体102を組み合わせた状態で図6に示すように上部本体101側の燃焼室20と連通し、燃焼室20内に投入された焼却対象物が送り込まれて炉床体106上に堆積させる。
【0067】
バーナ筒体105には、本体筒部105aの外周部に、バーナ空間部109と燃焼空間部110を連通させる多数個の通風孔111が形成される。バーナ筒体105は、これら通風孔111を介してバーナ空間部109から燃焼空間部110内に空気を吹き込んで燃焼空間部110内に充分な空気の供給が行われるようする。バーナ筒体105は、詳細を後述する炉床体106の回転方向の空気流を生成して燃焼空間部110内への空気の供給を行うように構成する。
【0068】
通風孔111は、例えば図7及び図8に詳細構造を示すように、それぞれバーナ筒体105に対してその内周面(燃焼空間部110側)に突出させて周方向の半キャノピー形状の凸部111aを形成する。通風孔111は、バーナ筒体105の外周面側に空気流入口111bを形成するとともに、内面側において凸部111aの頂点部側に空気流出口111cを形成して構成される。通風孔111は、空気流入口111bの開口寸法に対して空気流出口111cの開口寸法がやや小さく形成される。
【0069】
通風孔111は、図8に示すようにバーナ空間部109から空気流入口111bを介して引き込まれた空気が、燃焼空間部110内において空気流出口111cから一定方向、すなわち炉床体106の回転方向の空気流を生成して供給される。通風孔111は、空気流入口111bから引き込まれた空気を空気流出口111cから流速を大きくして燃焼空間部110内へと送風する。通風孔111は、これにより燃焼空間部110内に充分な空気供給を行うとともに焼却灰を飛散させ、焼却対象物が効率よく焼却されるようにする。
【0070】
バーナ筒体105は、例えば鋳造法等により製造されるが、上述した横方向の半キャノピー形状の凸部111aにより構成されて一定方向の空気流を生成する多数個の通風孔111を同時に形成することが可能である。バーナ筒体105は、通風孔111が上述した構造に限定されないことは勿論であり、単なる開口構造で構成したり、他の適宜の構造により一定方向の空気流を生成するように構成してもよい。
【0071】
バーナ筒体105には、詳細を省略するが下方開口部の内周開口縁に沿ってフランジ部が一体に形成され、このフランジ部に係止されて本体筒部105a内に炉床体106が組み合わされる。炉床体106は、本体筒部105aの内径よりもやや小径の円盤状部材であり、バーナ筒体105の上方開口部から落とし込まれるように組み合わされてフランジ部に係止されることにより燃焼空間部110の底部を構成して投入された焼却対象物を受け止める。
【0072】
炉床体106には、図5に示すように中央部に位置して連結孔112が厚み方向に貫通して形成されるとともに、この連結孔112を囲んで多数の焼却灰排出孔113が形成されている。炉床体106は、連結孔112に詳細を後述するように炉床体駆動機構107の炉床体駆動軸114の先端部が嵌合される。炉床体106は、連結孔112を例えば四角形の貫通孔として形成することにより、先端部を四角形に形成した炉床体駆動軸114を嵌合することにより回転方向に固定された状態とされる。なお、連結孔112は、嵌合状態において炉床体106と炉床体駆動軸114を回転方向に固定した状態で連結すればよく、三角形や多角形に形成してもよい。
【0073】
炉床体106は、後述するように燃焼空間部110内において燃焼処理を施した焼却対象物の焼却灰を焼却灰排出孔113を介して台座部103の上面に落下させる。炉床体106は、焼却灰排出孔113が、焼却灰を効率よく落下させるために図6に示すように開口寸法を上面から下面側に向かって次第に大きくしたスリット形状を以って形成される。炉床体106は、かかる焼却灰排出孔113の形状により、バーナ40から噴射される火炎が燃焼空間部110内へと効率よく供給される。
【0074】
炉床体106は、上述したように燃焼空間部110の炉床を構成して焼却対象物を受け止めて堆積させるとともに、焼却灰を落下させる。炉床体106は、炉床体駆動機構107により回転駆動されることにより、受け止めた焼却対象物を撹拌して効率よい燃焼が行われるようにするとともに、焼却灰排出孔113内における詰まりの発生を低減して焼却灰を効率よく落下させる。炉床体106は、バーナ40から噴射される火炎が焼却灰排出孔113を介して焼却対象物に均一に当てられるようにする。
【0075】
炉床体駆動機構107は、台座部103の上面に設置され、図5及び図6に示すように炉床体駆動軸114と、駆動モータ115と、出力軸116と、駆動ベベルギヤ117及び従動ベベルギヤ118とから構成される。炉床体駆動機構107は、駆動モータ115が台座部103の上面に、駆動機構取付開口104bと対向して外筒体104の外方に設置される。炉床体駆動機構107は、駆動モータ115の出力軸116が駆動機構取付開口104bを介して外筒体104の内部に引き込まれる。炉床体駆動機構107は、図示を省略するが駆動モータ115に減速ギヤボックス等が備えられる。
【0076】
炉床体駆動機構107は、炉床体駆動軸114が上述したように先端部を炉床体106と連結され、基端部を炉床体106と対向して台座部103上に固定されたギヤボックス119に直立状態で回転自在に支持される。炉床体駆動機構107は、ギヤボックス119内に、出力軸116の先端部に固定された駆動ベベルギヤ117と炉床体駆動軸114の基端部に固定された従動ベベルギヤ118を内蔵する。炉床体駆動機構107は、駆動モータ115が起動されて出力軸116が回転すると、駆動ベベルギヤ117と従動ベベルギヤ118とにより回転出力が直交変換されて炉床体駆動軸114に伝達され、この炉床体駆動軸114を介して炉床体106を回転駆動する。
【0077】
焼却処理装置100は、バーナ40が外筒体104に対して、図6に示すように上述した台座部103の上面とバーナ筒体105の下方部との間に配置されて取り付けられる。焼却処理装置100においては、バーナ40の着火操作により空気と燃料との混合ガスを燃焼させて火炎をバーナ空間部109内に噴射するが、火炎が炉床体106を介して燃焼空間部110へと導入されるようになる。焼却処理装置100においては、このように燃焼空間部110の底面側から焼却対象物を燃焼する底面燃焼方式を構成することにより、側面燃焼方式の上述した焼却処理装置1と比較して燃焼効率の大幅な向上が図られ、発煙量も低減される。
【0078】
焼却処理装置100においても、バーナ40の着火操作を行って焼却対象物に火が移り、燃焼が始まって温度が急激に上昇すると着火検出器45により燃焼の検知動作が行われ、これにより燃焼空間部110内において燃焼の開始を確認する。焼却処理装置100においては、バーナ40により効率的な燃焼が行われるために、例えば着火動作を行って約3分を経過すると、このバーナ40の動作を自動的に停止する。
【0079】
焼却処理装置100においては、バーナ筒体105の外周部に形成した上述した通風孔111から燃焼空間部110内に効率的な送風が行われる。焼却処理装置100においては、炉床体駆動機構107により回転駆動される炉床体106が、燃焼空間部110内において堆積した焼却対象物を撹拌するとともに焼却灰排出孔113を介して燃焼空間部110内に効率的な送風を行う。したがって、焼却処理装置100においては、燃焼空間部110内において焼却対象物を効率よく燃焼するとともに、発生した焼却灰を焼却灰排出孔113を介して台座部103に効率よく排出する。
【0080】
焼却処理装置100には、図6に示すようにバーナ40と対向して炉床体106の下方に位置するガイド部材120が設けられている。焼却処理装置100においては、ガイド部材120が約45°の傾斜角度を付されて設置され、バーナ40から水平方向に噴射された火炎を上方に向けて屈折して炉床体106に導くようにする。焼却処理装置100においては、これにより底面燃焼方式としてより効率的な燃焼が行われるようになる。
【0081】
焼却処理装置100にも、上部本体10の外側面に制御盤2が設置され、この制御盤2により焼却対象物の焼却処理を制御する設定操作或いは畜舎4や家屋7へのエネルギー供給動作の設定操作等が行われる。焼却処理装置100においても、上部本体10に設けた給水管11から内部に水を導水してお湯や蒸気を生成する。焼却処理装置100においても、図9に示すように上部本体10に設けた給湯管12から畜舎4や家屋7へとお湯を供給するとともに、上部本体10の天井部に設けた蒸気管13から蒸気エンジン3等に蒸気を供給する。
【0082】
以上のように構成された焼却処理装置100においては、上述した焼却処理装置1と同様にして焼却対象物投入ホッパ82内に投入された焼却対象物や燃料材を焼却対象物送出スクリュー81により焼却対象物送出管86から燃焼室20内へと投入する。焼却処理装置100においては、投入された焼却対象物を炉床体106上で受け止めて堆積させるとともに、炉床体駆動機構107により炉床体106を回転駆動して撹拌させる。焼却処理装置100においては、バーナ40の着火操作を行って燃焼空間部110内において焼却対象物の燃焼処理を行う。
【0083】
焼却処理装置100においては、バーナ40から噴射される火炎がガイド部材120に当たって炉床体106の焼却灰排出孔113を介して燃焼空間部110内へと導かれ、焼却対象物を燃焼させる。焼却処理装置100においては、いわゆる底面燃焼方式により燃焼空間部110内において焼却対象物を効率よく燃焼させる。焼却処理装置100においては、バーナ40の着火動作や焼却対象物の燃焼により、バーナ空間部109或いは燃焼空間部110内において空気流が発生する。
【0084】
焼却処理装置100においては、発生した空気流によりバーナ筒体105に形成した通風孔111から燃焼空間部110内に空気が流入する。焼却処理装置100においては、炉床体106の回転により燃焼空間部110内において焼却対象物が所定方向に回転しながら撹拌されるとともに、上述した構成の通風孔111から流入する空気が燃焼空間部110内において旋回流となって勢いよく吹き当たる。焼却処理装置100においては、これにより燃焼空間部110内に充分な量の空気が供給されて効率的な燃焼が行われるとともに、内部に溜まった焼却灰が吹き上げられて通風孔111から台座部103上への落下が促進されるようになる。
【0085】
焼却処理装置100においては、台座部103に落下した焼却灰を焼却灰排出開口103aを介して焼却灰回収箱108内に落下回収する。焼却処理装置100においては、所定の焼却処理を終えると、台座部103から焼却灰回収箱108の取り出しが行われる。
【0086】
本発明によれば、上述したように焼却処理装置1及び焼却処理装置100の説明により明らかなように、焼却対象物を有害な排気ガスや大量の排煙の発生を低減し、多量の燃料を消費することなく効率よく燃焼処理することが可能である。本発明によれば、上述した焼却処理装置1及び焼却処理装置100により、焼却対象物の燃焼により生じた焼却灰を周囲に飛散させることなく、効率よく回収することが可能である。焼却灰は、栄養分を大量に含む有効な肥料として使用されている家畜の排泄物等を原料とするものであり、堆肥処理や乾燥処理等を施し或いは脱臭処理や脱水処理を施す手間も大幅に軽減される。本発明によれば、かかる有効な焼却灰肥料を効率よく生成することが可能である。
【0087】
本発明は、上述した実施の形態として示した焼却処理装置1や焼却処理装置100に採用した構成各部に限定されないことは勿論であり、特許請求の範囲により定義される本発明の精神とその範囲内にあるすべての変形物と均等物および代替物を含むものとして理解しなければならない。
【符号の説明】
【0088】
1 焼却処理装置、4 畜舎、7 家屋、10 上部本体、11 給水管、12 給湯管、13 蒸気管、14 密閉空間部、20 燃焼室、22 排気部、30 悪臭除去部、40 バーナ、50 下部本体、51 焼却灰回収箱、60 焼却灰排出部、62 焼却灰受けドラム、65 焼却灰排出スクリュー、66 焼却灰受け室、67 焼却灰排出管部、70 ブロアー、72 送風機構、80 駆動モータ、81 焼却対象物送出スクリュー、82 焼却対象物投入ホッパ、83 焼却対象物投入部、84 伝達機構、86 焼却対象物送出管、100 焼却処理装置、101 上部本体、102 下部本体、103 台座部、104 外筒体、106 炉床体、107 炉床体駆動機構、108 焼却灰回収箱、109 バーナ空間部、110 燃焼空間部、111 通風孔、113 焼却灰排出孔、114 炉床体駆動軸、115 駆動モータ
【技術分野】
【0001】
本発明は、牛、豚、鶏等の家畜から排泄される排泄物や排泄物にまみれた寝藁或いは落ち葉等(以下、本明細書においては焼却対象物と総称する。)を効率よく焼却処理する家畜排泄物等の焼却処理装置及び焼却処理により発生したエネルギーの有効利用を図る焼却処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
畜産業においては、飼育する家畜から排泄される大量の排泄物を処理する負担は極めて大きく円滑に行われていないのが現状であって周辺地域に深刻な環境汚染の問題を生じさせるとともに、処理に要する費用も莫大な金額になっている。また、畜産業においては、他の大きな問題として家畜の疾病、特に養鶏場における鶏インフルエンザの発生はその最たるものである。この発生原因は、養鶏から排泄される排泄物が的確に処理されないために鶏舎内の水分が多くなることが主原因としても指摘されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
例えば養鶏場の上述した問題は、排泄物を乾燥させながら焼却することが可能な簡易でかつ廉価な処理装置が提供されることによりその解決が図られる。養鶏場においては、鶏舎内部を乾燥状態にして衛生的な環境に保持することにより養鶏の成長が期待されるが、現状においてはかかる課題を解決する好適な処理装置が提供されてはいない。
【0004】
ところで、一般的なボイラーとして、例えば石炭ボイラー或いは暖炉兼用の燃焼機等も提供されてはいるが、かかるボイラーは単純にお湯や蒸気を生成するボイラーの役割をはたすものである。しかしながら、かかる従来のボイラーは、家畜の排泄物を燃料として鶏舎や家庭等において使用できるものでは無い。
【0005】
したがって、本発明は、畜産業における上述した現状の問題に対して、多量に発生する家畜排泄物等の焼却対象物を効率よく焼却処理する焼却処理装置及びこの焼却処理装置から発生するエネルギーの有効利用を図る焼却処理システムを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した目的を達成する本発明にかかる家畜排泄物等の焼却処理装置は、上部本体と、下部本体と、火炎を噴射して焼却対象物を燃焼させるバーナを備える。焼却処理装置は、上部本体に、焼却対象物が投入される焼却対象物投入部と、この焼却対象物投入部から送り出された焼却対象物を燃焼する燃焼室と、焼却対象物の燃焼により生成した温水や蒸気を配管へと供給する供給管と、焼却対象物の燃焼により生じた排気ガスを燃焼室内から排気する排気部が設けられる。焼却処理装置は、下部本体に、燃焼室の底部を構成して焼却対象物を受け止めて堆積させるとともに焼却対象物の燃焼により生じた焼却灰を落下させる炉床体と、この炉床体を回転駆動させることにより焼却対象物を撹拌するとともに焼却灰の落下を促進させる炉床体駆動機構と、燃焼室内から炉床体を介して落下する焼却灰を回収する焼却灰回収部が設けられる。焼却処理装置は、上部本体を組み合わせて下部本体が台座部を構成する。
【0007】
焼却処理装置は、焼却対象物投入部が、焼却対象物が投入される焼却対象物ホッパと、この焼却対象物ホッパの底部に連設された焼却対象物送出管と、この焼却対象物送出管内に回転自在に設けられて焼却対象物ホッパから燃焼室内に焼却対象物を送り出す焼却対象物送出スクリューを備えて構成される。焼却処理装置においては、焼却対象物投入部により、燃焼室内への焼却対象物の送り込みが自動的に行われて効率化の向上や安全性が確保される。
【0008】
焼却処理装置は、排気部が、燃焼室の燃焼空間部の上方に配管された排気ダクトと、この排気ダクトに接続されて燃焼室内から排気ガスが導入される悪臭除去部と、この悪臭除去部において所定の排ガス処理を施した排気ガスを上部本体から外部へと放出する排気煙突と、悪臭除去部に悪臭除去液を供給する悪臭除去液供給部を備えて構成される。焼却処理装置においては、排気部により燃焼対象物の燃焼により発生する有毒ガス成分や悪臭ガス成分を除去して、クリーン化した排気ガスを排気煙突から外部へと排出する。
【0009】
焼却処理装置は、バーナが、モータと、このモータにより回転駆動されるファンと、燃料ポンプと、空気と燃料とを混合する混合管と、混合ガスを吹き出すノズルと、着火検出器を備えて構成される。焼却処理装置においては、バーナが、ノズルから火炎を噴射して燃焼室内において焼却対象物を燃焼させるとともに、着火検出器により焼却対象物の燃焼を検出すると所定時間の経過後に動作が停止される。焼却処理装置においては、燃焼室内において焼却対象物に火が回って燃焼が始まった状態で自動停止することにより、燃料費の低減が図られるようになる。
【0010】
焼却処理装置は、炉床体と、この炉床体を介して落下する焼却灰を回収する焼却灰受け室と、この焼却灰受け室内に回転自在に設けられた焼却灰排出スクリューとにより焼却灰排出部を構成する。焼却処理装置においては、焼却灰排出スクリューの回転動作により焼却灰を焼却灰受け室内から下部本体の外部に設けた焼却灰回収箱へと送り出す。焼却処理装置においては、焼却灰回収箱から焼却灰が効率よく回収され、肥料として有効利用される。
【0011】
焼却処理装置は、炉床体が、燃焼室の焼却灰排出開口を閉塞するに足る長さと外径を有し、燃焼室の底部を構成するように外周部の一部で焼却灰排出開口を閉塞する水平姿勢で回転自在に支持され、外周部に多数個の灰落とし孔を形成したドラム体からなる。焼却処理装置においては、炉床体が炉床体駆動機構により回転駆動されることにより、燃焼室内で焼却対象物を撹拌するとともに、各灰落とし孔を介して焼却灰回収部への焼却灰の落下促進を図ることで燃焼の効率化が図られるようにする。
【0012】
焼却処理装置は、焼却灰排出部の焼却灰排出スクリューと炉床体を回転駆動させる炉床体駆動機構の駆動源が共用される。焼却処理装置においては、かかる構成によって構造の簡易化やコスト低減が図られるとともに、焼却対象物の撹拌、焼却灰の灰落としが効率よく行われるようになる。
【0013】
焼却処理装置は、送風機と、この送風機から炉床体の上方外周部に導かれる送風管とから構成される送風機構を備える。焼却処理装置においては、送風機構による炉床体への送風により、当該炉床体を冷却してその変形発生を防止し、外周部や灰落とし孔内に詰まった焼却灰を吹き飛ばして焼却灰の落下促進と燃焼室内への送風による燃焼効率の大幅な向上が図られるようにする。
【0014】
焼却処理装置は、炉床体が、燃焼室の焼却灰排出開口を閉塞するに足る外径を有するとともに厚み方向に貫通して多数個の灰落とし孔が形成され、燃焼室の底部を構成するようにしてその内部に回転自在に組み合わされた円盤体からなる。焼却処理装置においては、炉床体が炉床体駆動機構により回転駆動されることにより、燃焼室内で焼却対象物を撹拌するとともに、各灰落とし孔を介して焼却灰回収部への焼却灰の落下促進を図ることで燃焼の効率化が図られるようにする。
【0015】
焼却処理装置は、バーナが、炉床体により閉塞された燃焼室の焼却灰排出開口よりも下方に位置して下部本体に設けられる。焼却処理装置は、焼却灰排出開口に対向して、傾斜姿勢のガイド部材が配置される。焼却処理装置においては、バーナの着火操作によりノズルから水平方向に火炎が噴射されると、この火炎をガイド部材により上方に向けて屈折して炉床体を介して燃焼室内に導かれるようにする。焼却処理装置においては、いわゆる底面燃焼方式により焼却対象物を効率よく燃焼させる。
【0016】
焼却処理装置は、燃焼室に、燃焼対象物が堆積されて燃焼が行われる燃焼空間部を構成する外周部位に対応して燃焼空間部内に空気を引き込む多数個の通風孔を形成する。焼却処理装置は、各通風孔が、燃焼空間部内に突出して形成した周方向の半キャノピー形状の凸部によって外部に開口する大径の空気流入口と内部において頂点部側に開口する小径の空気流出口とからなる。焼却処理装置においては、各通風孔から燃焼空間部に対して、空気流入口から引き込まれて空気流出口から流速を高めて吹き込まれる空気が炉床体の回転方向の空気流を生成して供給される。焼却処理装置においては、燃焼室内で焼却対象物を撹拌するとともに各灰落とし孔を介して焼却灰回収部への焼却灰の落下促進を図る。焼却処理装置においては、これにより燃焼室内において焼却対象物が効率よく燃焼されるようになる。
【0017】
上述した目的を達成する本発明にかかる家畜排泄物等の焼却処理システムは、家畜の排泄物を焼却対象物として焼却処理を施す焼却処理装置が用いられ、焼却処理装置から取り出した焼却対象物の焼却灰を肥料として利用し、焼却対象物の焼却熱により生成したお湯や蒸気を焼却処理装置から配管により畜舎や家屋に供給する。焼却処理システムは、焼却処理装置が、上部本体と、下部本体と、燃焼室内に投入された焼却対象物に着火して燃焼させるバーナとを備える。
焼却処理装置は、上部本体が、焼却対象物が投入される焼却対象物投入部と、この焼却対象物投入部から送り出された焼却対象物を燃焼する燃焼室と、焼却対象物の燃焼により生成した温水や蒸気を配管へと供給する供給管と、焼却対象物の燃焼により生じた排気ガスを燃焼室内から排気する排気部が設けられる。焼却処理装置は、下部本体が、燃焼室の底部を構成して焼却対象物を受け止めて堆積させるとともに焼却対象物の燃焼により生じた焼却灰を落下させる炉床体と、この炉床体を回転駆動させることにより焼却対象物を撹拌するとともに焼却灰の落下を促進させる炉床体駆動機構と、燃焼室内から炉床体を介して落下する焼却灰を回収する焼却灰回収部が設けられ、上部本体が組み合わされて台座部を構成する。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、焼却対象物が投入される焼却対象物投入部とこの焼却対象物投入部から送り出された焼却対象物を燃焼する燃焼室と焼却対象物の燃焼により生成した温水や蒸気を配管へと供給する供給管と焼却対象物の燃焼により生じた排気ガスを燃焼室内から排気する排気部を有する上部本体と、燃焼室の底部を構成して焼却対象物を受け止めて堆積させるとともに焼却対象物の燃焼により生じた焼却灰を落下させる炉床体とこの炉床体を回転駆動させることにより焼却対象物を撹拌するとともに焼却灰の落下を促進させる炉床体駆動機構と燃焼室内から炉床体を介して落下する焼却灰を回収する焼却灰回収部を有する下部本体と、火炎を噴射して燃焼室内に堆積した焼却対象物を燃焼させるバーナとにより焼却処理装置を構成する。
【0019】
本発明によれば、焼却処理装置が簡易な構造で廉価であるとともに取扱いも簡便に構成され、多量に発生する家畜の排泄物等の焼却対象物を環境汚染の発生を抑制して極めて効率よく焼却処理することが可能である。本発明によれば、畜産業における家畜等の排泄物を処理するための莫大な処理費用を節減し、焼却処理により環境汚染の防止とともに家畜の疾病発生を防止し、さらに焼却処理により得た熱を利用して畜舎や家屋等の暖房用エネルギー等に使用することで、資源の有効利用を図り、家畜からの加工製品の品質と信頼性を大幅に向上させて消費者に対してよいイメージを与えることを可能とする。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の実施の形態として示す焼却処理装置の正断面図である。
【図2】同焼却処理装置の側断面図である。
【図3】同焼却処理装置に備えられる焼却灰受けドラムの斜面図である。
【図4】同焼却処理装置を含む焼却対象物の焼却処理システムの全体構成図である。
【図5】他の実施の形態として示す焼却処理装置の要部分解斜視図である。
【図6】同焼却処理装置の側断面図である。
【図7】同焼却処理装置に備えられるバーナ筒体の要部斜視図である。
【図8】同バーナ筒体の要部断面図である。
【図9】同焼却処理装置を含む焼却対象物の焼却処理システムの全体構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の第1の実施の形態として図1乃至図4に示した家畜の排泄物等の焼却対象物を焼却処理する焼却処理装置1について以下説明する。焼却処理装置1は、焼却対象物を投入してこれを焼却処理するとともに、焼却灰を回収して肥料として有効利用する。焼却処理装置1は、焼却熱を利用して内部に導入された水を加熱して高温・高圧のお湯や蒸気を発生させるボイラー機能を奏し、図4に示すように畜舎4や家屋7に熱エネルギーを供給するいわゆるローカルの焼却対象物の焼却処理システムを構成する。
【0022】
なお、焼却処理装置1は、焼却対象物として、上述したように畜舎から集めた家畜の排泄物や糞尿にまみれた寝藁或いは落ち葉や可燃性の各種廃棄物等も焼却処理することが可能である。焼却処理装置1は、焼却対象物について例えば天日干しによる乾燥処理を施したものを用いることが好ましい。
【0023】
焼却処理装置1は、温水配管8や蒸気配管9が接続され、畜舎4や家屋7に対して焼却熱を利用して生成した暖房用の温水や蒸気を供給する。焼却処理装置1は、蒸気配管9から蒸気エンジン3に蒸気を供給し、蒸気エンジン3を駆動して発電を行って畜舎4や家屋7に電力を供給する。なお、焼却処理装置1は、蒸気を蒸気エンジン3に供給して発電用エネルギーとして利用するばかりでなく、蒸気配管9を配管した畜舎4や家屋7に供給するようにしてもよい。
【0024】
焼却処理装置1は、供給した電力により畜舎4や家屋7に設けた冷暖房機や照明器具を駆動する。焼却処理装置1は、暖房用として供給する温水を、例えば畜舎4の床面6に設けた暖房配管6aに流すことにより、畜舎4内の暖房が行われるようにする。焼却処理装置1は、畜舎4内の暖房とともに排泄物が垂れ流される床面6等を乾燥させて清潔な環境とし、家畜の疾病発生を低減するとともに回収作業の負担を軽減する。
【0025】
なお、以下の説明において、関連した公知の機能又は構成についての具体的な説明が本発明の要旨を不必要に不明瞭とさせると判断される場合にはその詳細な説明を省略する。また、使用する用語は、本発明にかかる機能を考慮して特定された用語として発明者の意図或いは慣例により変更される可能性があり、明細書全文の記載に基づいて最適に定義される。
【0026】
焼却処理装置1は、図1乃至図4に示すように、投入された焼却対象物を燃焼させる燃焼室20を備える上部本体10と、この上部本体10の台座部位を構成して燃焼室20内で焼却処理を施された焼却対象物の焼却灰を外部へと排出する焼却灰排出部60を備える下部本体50とを組み合わせて構成される。焼却処理装置1は、図1に示すように上部本体10の外側面に詳細を省略する制御盤2が設置されており、この制御盤2により後述する焼却対象物の焼却処理を制御する設定操作等を行う。焼却処理装置1は、制御盤2により上述した畜舎4や家屋7へのエネルギー供給動作の設定操作等を行う。
【0027】
焼却処理装置1は、上部本体10に、上述した燃焼室20とともに詳細を後述する悪臭除去部30を含む排気部22と、バーナ40と、焼却対象物投入部83が備えられる。焼却処理装置1は、詳細を省略するが、上部本体10と燃焼室20の間に構成された空間部が密閉された密閉空間部14を構成する。焼却処理装置1は、上部本体10の下方部に位置して外側面に突出して給水管11を設け、給水源と接続した給水管11から密閉空間部14内に水を導入する。
【0028】
焼却処理装置1は、燃焼室20が、図2に示すように中央より上方部位が大きな空間とされて主燃焼空間部20aを構成し、中央部位が主燃焼空間部20aの前後側面部を下方に向かって次第に対向間隔を狭めて漏斗状のバーナ空間部20bとし、このバーナ空間部20bに連続する下方部位を下部本体50へと焼却灰を排出する焼却灰排出空間部20cとして下端部に焼却灰排出開口20dを形成して構成する。焼却処理装置1は、このように上方部位を大きな空間部位として下方部位を次第にすぼめたホッパ型に形成される。
【0029】
焼却処理装置1は、上部本体10の上方部に位置して外側面から突出して給湯管12を設け、密閉空間部14内において加熱することにより生成したお湯を給湯管12から畜舎4や家屋7へと供給する。焼却処理装置1は、上部本体10の天井部から突出して蒸気管13を設け、この蒸気管13から密閉空間部14内において生成した蒸気を排出させて後述する蒸気エンジン3を駆動する。
【0030】
なお、焼却処理装置1は、焼却対象物を焼却処理する際に発生する焼却熱を利用して密閉空間部14内においてお湯や高温・高圧の蒸気を発生させるボイラー機能を奏する。したがって、焼却処理装置1は、詳細を省略するが周知のボイラと同様に密閉空間部14内に適宜のボイラ管を配管して給水管11から導水し、お湯や蒸気が効率よく生成されるように構成される。
【0031】
焼却処理装置1は、上部本体10との間に構成する密閉空間部14が高熱雰囲気に保持されるように、その天井部に防火断熱材10aが組み付けられる。焼却処理装置1は、図1及び図2に示すように、排気部22が、燃焼室20の主燃焼空間部20aの上方に配管された多数の排気ダクト23と、これら排気ダクト23が接続されて燃焼室20内から排気ガスが導入される悪臭除去部30と、この悪臭除去部30内において所定の排ガス処理を施した排気ガスを外部へと放出する排気煙突21と、悪臭除去部30に悪臭除去液を供給する悪臭除去液タンク32とから構成される。
【0032】
排気部22は、悪臭除去部30が、上部本体10の天井部に取り付けられるとともに排気ダクト23が結合されることにより燃焼室20と連通された密閉筐体33と、この密閉筐体33内に備えたフィルタ体31とから構成される。排気部22は、悪臭除去部30の密閉筐体33に一体に設けた排気煙突21が、上部本体10の天井部を貫通して外部へと突出される。
【0033】
排気部22は、悪臭除去液タンク32が上部本体10の外部に設けられるとともに、この悪臭除去液タンク32と悪臭除去部30の密閉筐体33を上部本体10の天井部を貫通して設けた供給管32aにより連結する。排気部22は、悪臭除去液タンク32から供給管32aにより悪臭除去液をフィルタ体31へと供給する。悪臭除去液タンク32は、外部から悪臭除去液を補充することが可能であり、悪臭除去液をフィルタ体31に対して少量ずつ供給することで排気部22の作用が長時間に亘って継続されるようにする。
【0034】
焼却処理装置1においては、焼却対象物を燃焼することにより燃焼室20内において煙とともに有毒ガスや悪臭ガスを含む排気ガスが発生する。焼却処理装置1においては、この排気ガスを、燃焼室20内から排気ダクト23を介して悪臭除去部30の密閉筐体33内へと導入する。焼却処理装置1においては、密閉筐体33内においてフィルタ体31により排気ガスから有毒ガス成分や悪臭ガス成分を吸着除去し、クリーン化した排気ガスを排気煙突21から外部へと排出する。
【0035】
焼却処理装置1は、図1及び図2に示すように、バーナ40が上部本体10に対して、外側面の上述した給水管11とほぼ対向する側の下方部に位置して設けられる。バーナ40は、図2に示すように燃焼室20に対して、上述したバーナ空間部20bに対応位置して配置される。バーナ40は、図1に示すように、モータ41と、ファン42と、プラグ43と、ノズル44と、混合管47とから構成される。バーナ40には、燃料ポンプ46が付設されるとともに着火検出器45が備えられる。
【0036】
バーナ40は、モータ41により回転駆動されるファン42により空気を混合管47内に供給するとともに、燃料ポンプ46により図示しない燃料タンクから燃料を混合管47内に供給される。バーナ40は、混合管47が、内部にプラグ43とノズル44を導いて上部本体10を貫通し、その先端が燃焼室20のバーナ空間部20bに開口されている。バーナ40は、燃焼の初期段階では混合管47内において空気と燃料とを混合して燃焼室20内に供給し、所定時間の経過後には空気のみを燃焼室20内に供給する。
【0037】
バーナ40は、予め燃焼室20内に焼却処理する焼却対象物を送り込んだ状態において、モータ41を起動してファン42を回転駆動することにより混合管47から燃焼室20内に空気を送風する。バーナ40は、燃料ポンプ46からノズル44に灯油等の燃料を供給して混合管47内において空気と混合させて燃焼室20内に噴射させる。バーナ40は、空気と燃料を吹き込んだ状態で、プラグ43の着火動作が行われると空気混合燃料に着火して燃焼室20内において火炎を噴射する。バーナ40は、燃焼室20内において燃焼が始まって温度が急激に上昇すると着火検出器45により燃焼の検知動作が行われ、これにより燃焼室20内において噴射した燃料の燃焼を確認する。
【0038】
バーナ40は、例えばプラグ43を着火動作して約5分程度が経過すると、燃料ポンプ46からの燃料供給を停止する。バーナ40は、燃料供給が停止された後でもファン42の回転動作が継続されて引き続き燃焼室20内への空気の供給が行われる。
焼却処理装置1においては、5分程度の燃料供給により燃焼室20内において送り込まれる焼却対象物につぎつぎと火が回って燃焼が始まることから、上述したように燃料の供給を自動停止することにより燃料費の低減が図られるようになる。なお、焼却処理装置1においては、焼却対象物の焼却処理を行わずに、畜舎4や家屋7への電力や暖房の供給用として使用することも可能である。焼却処理装置1は、この場合に必要な時間、燃料ポンプ46による燃焼室20内への燃料供給が行われる。
【0039】
焼却処理装置1は、焼却対象物投入部83が、図2に示すように第1駆動モータ80と、第1伝達機構84により駆動される焼却対象物送出スクリュー81と、焼却対象物投入ホッパ82を備え、焼却対象物投入ホッパ82に投入された焼却対象物を燃焼室20内へと送り出す。焼却対象物投入部83は、第1駆動モータ80が、下部本体50に取り付けた支持ブラケット85に設置され、その出力軸80aに第1伝達機構84を構成する駆動ベルト車84aが固定される。焼却対象物投入部83は、焼却対象物投入ホッパ82が、燃焼室20の上方部位に構成された主燃焼空間部20aに対応位置して上部本体10の外方に設けられる。
【0040】
焼却対象物投入部83は、焼却対象物投入ホッパ82が、上方を大きく開口して焼却対象物の投入口を構成するとともに下方部を次第に狭めて下端部に焼却対象物の送出口を構成した漏斗状に形成される。焼却対象物投入ホッパ82は、下方部において送出口と連通する水平方向の焼却対象物送出管86を一体に連設し、この焼却対象物送出管86が上部本体10を貫通して先端を燃焼室20の主燃焼空間部20aに開口される。焼却対象物投入ホッパ82には、焼却対象物送出管86内を貫通して図示しない軸受により回転自在に支持された焼却対象物送出スクリュー81が設けられる。
【0041】
焼却対象物送出スクリュー81は、焼却対象物投入ホッパ82の投入口と先端部との間の外周部に螺旋状の凸部からなる送出し用リブを一体に形成してなる。焼却対象物送出スクリュー81は、焼却対象物送出管86内において回転駆動されることにより焼却対象物投入ホッパ82内から送出口を介して落下する焼却対象物を送出し用リブ間に収納して先端側へと送り出す。焼却対象物送出スクリュー81は、上部本体10と対向する側において焼却対象物投入ホッパ82から突出され、先端部に第1伝達機構84を構成する第1従動ベルト車84bが固定される。
【0042】
焼却対象物投入部83は、第1駆動モータ80の回転を第1伝達機構84により焼却対象物送出スクリュー81に伝達して回転駆動させる。第1伝達機構84は、上述した第1駆動モータ80の出力軸80aに固定した第1駆動ベルト車84aと、焼却対象物送出スクリュー81に固定した第1従動ベルト車84bと、これら第1駆動ベルト車84aと第1従動ベルト車84bとの間に架け渡した第1連結ベルト84cとから構成される。
【0043】
焼却処理装置1においては、畜舎から集めて乾燥処理を施した焼却対象物を焼却対象物投入ホッパ82内に投入する。焼却処理装置1においては、焼却対象物とともに、例えば向日葵の皮や落ち葉等が燃料材として焼却対象物投入ホッパ82内に投入される。焼却処理装置1においては、その他一般に用いられる各種の燃料材、例えば石炭、豆炭、コークス或いは成形炭等も燃料材若しくは補助燃料材として焼却対象物投入ホッパ82内に投入される。
【0044】
焼却処理装置1においては、焼却対象物投入ホッパ82内に投入された焼却対象物が焼却対象物送出管86内へと落下する。焼却処理装置1においては、第1駆動モータ80を起動するとその回転出力が第1伝達機構84を介して焼却対象物送出スクリュー81へと伝達され、この焼却対象物送出スクリュー81の回転により焼却対象物が焼却対象物送出管86から燃焼室20内へと順次送り出される。焼却処理装置1においては、上述したように焼却対象物を燃焼室20内において燃焼させて焼却処理を施す。
【0045】
焼却処理装置1においては、燃焼室20内において焼却処理を施した焼却対象物の焼却灰が下部本体50へと落下し、この下部本体50内に設けた焼却灰排出部60により外部へと排出する。焼却灰排出部60は、図1及び図2に示すように焼却灰受け室66と、焼却灰受けドラム62と、焼却灰排出管部67と、送風機構72を備え、下部本体50の外部に設置した焼却灰回収箱(焼却灰回収部)51に焼却灰を排出する。
【0046】
焼却灰排出部60は、焼却灰受け室66内に上部本体10から焼却灰が落下する。焼却灰排出部60は、焼却灰受け室66内に詳細を後述するように内部に焼却灰受けドラム62を回転自在に収納するとともに、焼却灰受けドラム62の下方部において一端側を外方に突出させて水平方向の焼却灰排出管部67が一体に設けられる。焼却灰排出部60は、焼却灰排出機構69により焼却灰受けドラム62を回転駆動するとともに、焼却灰排出管部67内に回転自在に設けた焼却灰排出スクリュー65を回転駆動する。焼却灰排出部60は、送風機構72により焼却灰受けドラム62に送風を行う。
【0047】
焼却灰受けドラム62は、燃焼室20の底部を構成するに足る長さと外径を有する耐熱性を有するステンレス鋼材等を素材として形成した円筒部材からなる。焼却灰受けドラム62は、図3に示すように軸方向の両側面にリム部62aを一体に形成し、このリム部62aに形成した軸孔に嵌挿したドラム支軸64に対してかしめ止めすることにより固定する。焼却灰受けドラム62には、外周部に多数個の灰落とし孔63が形成されている。
【0048】
焼却灰受けドラム62は、外周面の一部が燃焼室20の焼却灰排出開口20dを閉塞するようにして水平方向に配置されており、外周面上に燃焼室20内に投入された焼却対象物を受け止めて堆積させるとともに、後述するように回転動作することにより焼却対象物が効率よく燃焼される炉床体を構成する。焼却灰受けドラム62は、燃焼室20内において燃焼処理された焼却灰を外周部及び灰落とし孔63を介して焼却灰排出管部67内へと落下させる。焼却灰受けドラム62は、焼却灰排出機構69により回転駆動されるとともに送風機構72からの送風を受けることにより焼却対象物を撹拌しながら効率よい燃焼が行われるようにするとともに、焼却灰を焼却灰排出管部67内へと効率よく落下させる。
【0049】
焼却灰排出管部67には、上述したようにその内部に焼却灰排出スクリュー65が図示しない軸受により回転自在に支持されて設けられる。焼却灰排出スクリュー65も、外周部に螺旋状の凸部からなる送出し用リブを一体に形成してなり、焼却灰排出管部67内において回転駆動されることにより焼却灰受けドラム62を介して落下される焼却灰を送出し用リブ間に収納して先端側へと送り出す。焼却灰排出管部67は、その先端部が下部本体50を突出して焼却灰回収箱51に対向している。
【0050】
焼却灰排出機構69は、図1に示すように第2駆動モータ61と、この第2駆動モータ61の回転出力を焼却灰受けドラム62と焼却灰排出スクリュー65に切り分けて伝達する第2伝達機構68とから構成され、焼却灰受けドラム62と焼却灰排出スクリュー65を同時に回転駆動する。焼却灰排出機構69は、第2駆動モータ61が、出力軸61aを焼却灰受けドラム62と焼却灰排出スクリュー65の中間に位置するようにして、焼却灰受け室66の側方に位置して下部本体50に設けたモータ取付台61bに設置される。第2駆動モータ61は、出力軸61aに第2駆動ベルト車61cを固定する。
【0051】
上述したドラム支軸64は、焼却灰受け室66の両側面に設けた軸受けにより水平状態に支架され、焼却灰受け室66内において焼却灰受けドラム62を回転自在に支持する。ドラム支軸64は、焼却灰受け室66の一方側面から突出した先端部に第2従動ベルト車64aが固定される。第2伝達機構68は、上述した第2駆動モータ61の第2駆動ベルト車61cとドラム支軸64の第2従動ベルト車64a及び焼却灰排出スクリュー65に設けた第3従動ベルト車65aと、第2連結ベルト68aにより構成する。第2伝達機構68は、第2連結ベルト68aが、第2駆動ベルト車61cと第2従動ベルト車64aと第3従動ベルト車65a間に架け渡される。
【0052】
焼却灰排出機構69は、第2駆動モータ61を起動して第2駆動ベルト車61cが回転動作すると、第2伝達機構68を介して第2駆動ベルト車61cの回転が第2従動ベルト車64aと第3従動ベルト車65aに切り分けられて伝達される。焼却灰排出機構69は、これにより焼却灰受けドラム62と焼却灰排出スクリュー65を同時に回転させる。焼却灰排出機構69は、焼却灰受けドラム62を介して焼却灰排出管部67内に落下した焼却灰を焼却灰排出スクリュー65により先端側へと送り出し、焼却灰回収箱51へと排出する。
【0053】
焼却灰排出機構69は、上述したように1つの第2駆動モータ61を駆動源として焼却灰受けドラム62と焼却灰排出スクリュー65とを回転駆動させる。焼却灰排出機構69は、焼却灰の落下と排出とが同期して行われることにより詰まり等の発生を防止する排出機構を、構造の簡易化とコストの低減を図って実現する。焼却灰排出機構69は、高熱となる焼却灰受け室66の外部に第2駆動モータ61や第2伝達機構68を設けた構造であり、長時間の使用によってもこれら第2駆動モータ61や第2伝達機構68の損傷発生が防止される。
【0054】
送風機構72は、図1及び図2に示すように送風機(ブロアー)70と、このブロアー70から焼却灰受けドラム62の上方外周部に導かれる送風管71とから構成される。送風機構72は、ブロアー70が起動されて送風管71から焼却灰受けドラム62の外周部に送風を行うことにより、この焼却灰受けドラム62を冷却して変形等の発生を防止するとともに、燃焼室20内における焼却対象物の燃焼効率を向上させる。送風機構72は、焼却灰受けドラム62の外周部から焼却灰を吹き飛ばし、焼却灰排出管部67内へと落下させる。
【0055】
したがって、送風機構72は、燃焼を促進するための燃焼室20内への送風とともに焼却灰による炉床の目詰まりを防止する送風を行う。送風機構72は、燃焼室20内に向けて送風を行うことによって下部本体50の高温化を抑制する。
【0056】
以上のように構成された焼却処理装置1においては、畜舎から集められた焼却対象物や燃料材を、焼却対象物投入部83の焼却対象物投入ホッパ82内に投入する。焼却処理装置1においては、投入された焼却対象物等を焼却対象物送出スクリュー81により焼却対象物送出管86から燃焼室20内へと順次送り出す。焼却処理装置1においては、上述したように焼却灰受けドラム62が、上部本体10側の燃焼室20の炉床を構成してこの燃焼室20内に投入された焼却対象物等を外周部において受け止める。
【0057】
焼却処理装置1においては、焼却灰排出機構69の第2駆動モータ61を起動して焼却灰受けドラム62を回転駆動することにより焼却対象物等を撹拌するとともに、送風機構72を起動して焼却灰受けドラム62の外周部を介して撹拌した焼却対象物内に空気を送り込む。焼却処理装置1においては、この状態で上述したバーナ40の着火操作が行われて燃焼室20内において焼却対象物等の燃焼処理を行う。
【0058】
焼却処理装置1においては、上述したようにバーナ40の燃料ポンプ46からの燃料供給やファン42の回転による送風により燃焼室20内において燃料材とともに焼却対象物が燃焼し、さらに焼却灰受けドラム62の回転動作による撹拌と送風機構72から送風が行われることによって効率のよい燃焼が行われる。焼却処理装置1においては、焼却対象物等の燃焼により生じる焼却灰が、焼却灰受けドラム62の灰落とし孔63から焼却灰排出管部67内へと落下する。
【0059】
焼却処理装置1においては、焼却灰受けドラム62が回転動作することにより、堆積した焼却対象物等の撹拌とともに燃焼により生じてその外周部に積もった焼却灰も焼却灰排出管部67内へと効率よく落下させ、灰落とし孔63の孔詰まりの発生も低減する。焼却処理装置1においては、送風機構72からの送風により、燃焼室20内において焼却対象物等の効率よい燃焼が行われるとともに焼却灰の焼却灰排出管部67内への排出も効率よく行われる。焼却処理装置1においては、焼却灰受けドラム62の回転動作による焼却灰排出管部67内への焼却灰の落下とともに、この焼却灰受けドラム62と同期して焼却灰排出スクリュー65の回転動作も行われることにより焼却灰回収箱51への焼却灰の効率的な排出が行われる。
【0060】
上述した第1の実施の形態として示した焼却処理装置1においては、下部本体50の内部に、焼却灰受け室66と、焼却灰受けドラム62と、焼却灰排出管部67と、送風機構72等を有する焼却灰排出部60を備えて構成される。本発明は、かかる焼却処理装置1に限定されものでは無く、例えば図5乃至9に第2の実施の形態として示した焼却処理装置100にも展開することが可能である。焼却処理装置100は、図5及び図6に示すように、上述した焼却処理装置1の上部本体10と同等に構成した上部本体101に対して詳細を後述するように構造を簡易化した下部本体102を組み合わせて構成される。
【0061】
なお、以下、焼却処理装置100について説明するが、上部本体101の構成各部については焼却処理装置1の上部本体10の各部と同一符号を付しその詳細な説明を省略するものとする。焼却処理装置100においては、後述するようにバーナ40が下部本体102側に設けられている。
【0062】
焼却処理装置100は、下部本体102内に、図5及び図6に示すようにそれぞれ詳細を後述する台座部103と、バーナ40を設けた外筒体104と、バーナ筒体105と、炉床体106と、炉床体駆動機構107を備えて構成される。焼却処理装置100は、下部本体102の底部に箱状の部位からなる台座部103が設けられ、この台座部103が設置する際の台座機能を奏するとともに上述した焼却灰受け室66と対応する部位として焼却対象物の焼却灰を外部へと排出する排出部を構成する。
【0063】
台座部103には、後述するように上面に外筒体104が取り付けられ、この外筒体104に囲まれた領域内の上面に焼却灰が落下する。台座部103には、上面の外筒体104の取付領域内に位置して焼却灰排出開口103aが設けられ、図6矢印で示すように外筒体104から落下した焼却灰がその内部へと落下して収納されようにする。台座部103には、その内部に、焼却灰回収箱108を出入れ自在に組み合わす。焼却灰回収箱108は、把手108aを下部本体102の外周面に臨ませて組み合わされ、台座部103の焼却灰排出開口103aを介して落下する焼却灰を内部に収納する焼却灰回収部を構成する。焼却灰回収箱108は、図5に示すように台座部103の内部から引き出されることにより、内部に収納した焼却灰の回収処理が行われるようにする。
【0064】
焼却処理装置100は、台座部103の上面に上述したように焼却灰排出開口103aを取り囲んで外筒体104を取り付ける。外筒体104は、図6に示すようにその上方開口部から内部にバーナ空間部109を構成してバーナ筒体105を組み付けるとともに、下方部の外周部にバーナ取付開口104aと駆動機構取付開口104bが設けられる。外筒体104には、後述するようにバーナ取付開口104aにバーナ40を取り付けるとともに、駆動機構取付開口104bを介して詳細を後述する炉床体106を回転駆動させる炉床体駆動機構107が取り付けられる。
【0065】
バーナ筒体105は、内部空間が燃焼空間部110を構成する本体筒部105aと、この本体筒部105aの開口部に周回りに一体に形成された取付フランジ部105bとから構成される。バーナ筒体105は、本体筒部105aが、外筒体104よりも小径かつ短軸であるとともに、上部本体101の上述した燃焼室20の下部開口とほぼ同径の筒体として形成される。バーナ筒体105は、取付フランジ部105bが、外筒体104の上部開口とほぼ同径に形成される。
【0066】
バーナ筒体105は、外筒体104に対してその内部に上部開口側から組み合わされ、取付フランジ部105bを開口縁に固定することにより一体化される。バーナ筒体105には、後述するように燃焼空間部110の底部を閉塞する炉床体106が回転自在に組み付けられる。バーナ筒体105は、上部本体101と下部本体102を組み合わせた状態で図6に示すように上部本体101側の燃焼室20と連通し、燃焼室20内に投入された焼却対象物が送り込まれて炉床体106上に堆積させる。
【0067】
バーナ筒体105には、本体筒部105aの外周部に、バーナ空間部109と燃焼空間部110を連通させる多数個の通風孔111が形成される。バーナ筒体105は、これら通風孔111を介してバーナ空間部109から燃焼空間部110内に空気を吹き込んで燃焼空間部110内に充分な空気の供給が行われるようする。バーナ筒体105は、詳細を後述する炉床体106の回転方向の空気流を生成して燃焼空間部110内への空気の供給を行うように構成する。
【0068】
通風孔111は、例えば図7及び図8に詳細構造を示すように、それぞれバーナ筒体105に対してその内周面(燃焼空間部110側)に突出させて周方向の半キャノピー形状の凸部111aを形成する。通風孔111は、バーナ筒体105の外周面側に空気流入口111bを形成するとともに、内面側において凸部111aの頂点部側に空気流出口111cを形成して構成される。通風孔111は、空気流入口111bの開口寸法に対して空気流出口111cの開口寸法がやや小さく形成される。
【0069】
通風孔111は、図8に示すようにバーナ空間部109から空気流入口111bを介して引き込まれた空気が、燃焼空間部110内において空気流出口111cから一定方向、すなわち炉床体106の回転方向の空気流を生成して供給される。通風孔111は、空気流入口111bから引き込まれた空気を空気流出口111cから流速を大きくして燃焼空間部110内へと送風する。通風孔111は、これにより燃焼空間部110内に充分な空気供給を行うとともに焼却灰を飛散させ、焼却対象物が効率よく焼却されるようにする。
【0070】
バーナ筒体105は、例えば鋳造法等により製造されるが、上述した横方向の半キャノピー形状の凸部111aにより構成されて一定方向の空気流を生成する多数個の通風孔111を同時に形成することが可能である。バーナ筒体105は、通風孔111が上述した構造に限定されないことは勿論であり、単なる開口構造で構成したり、他の適宜の構造により一定方向の空気流を生成するように構成してもよい。
【0071】
バーナ筒体105には、詳細を省略するが下方開口部の内周開口縁に沿ってフランジ部が一体に形成され、このフランジ部に係止されて本体筒部105a内に炉床体106が組み合わされる。炉床体106は、本体筒部105aの内径よりもやや小径の円盤状部材であり、バーナ筒体105の上方開口部から落とし込まれるように組み合わされてフランジ部に係止されることにより燃焼空間部110の底部を構成して投入された焼却対象物を受け止める。
【0072】
炉床体106には、図5に示すように中央部に位置して連結孔112が厚み方向に貫通して形成されるとともに、この連結孔112を囲んで多数の焼却灰排出孔113が形成されている。炉床体106は、連結孔112に詳細を後述するように炉床体駆動機構107の炉床体駆動軸114の先端部が嵌合される。炉床体106は、連結孔112を例えば四角形の貫通孔として形成することにより、先端部を四角形に形成した炉床体駆動軸114を嵌合することにより回転方向に固定された状態とされる。なお、連結孔112は、嵌合状態において炉床体106と炉床体駆動軸114を回転方向に固定した状態で連結すればよく、三角形や多角形に形成してもよい。
【0073】
炉床体106は、後述するように燃焼空間部110内において燃焼処理を施した焼却対象物の焼却灰を焼却灰排出孔113を介して台座部103の上面に落下させる。炉床体106は、焼却灰排出孔113が、焼却灰を効率よく落下させるために図6に示すように開口寸法を上面から下面側に向かって次第に大きくしたスリット形状を以って形成される。炉床体106は、かかる焼却灰排出孔113の形状により、バーナ40から噴射される火炎が燃焼空間部110内へと効率よく供給される。
【0074】
炉床体106は、上述したように燃焼空間部110の炉床を構成して焼却対象物を受け止めて堆積させるとともに、焼却灰を落下させる。炉床体106は、炉床体駆動機構107により回転駆動されることにより、受け止めた焼却対象物を撹拌して効率よい燃焼が行われるようにするとともに、焼却灰排出孔113内における詰まりの発生を低減して焼却灰を効率よく落下させる。炉床体106は、バーナ40から噴射される火炎が焼却灰排出孔113を介して焼却対象物に均一に当てられるようにする。
【0075】
炉床体駆動機構107は、台座部103の上面に設置され、図5及び図6に示すように炉床体駆動軸114と、駆動モータ115と、出力軸116と、駆動ベベルギヤ117及び従動ベベルギヤ118とから構成される。炉床体駆動機構107は、駆動モータ115が台座部103の上面に、駆動機構取付開口104bと対向して外筒体104の外方に設置される。炉床体駆動機構107は、駆動モータ115の出力軸116が駆動機構取付開口104bを介して外筒体104の内部に引き込まれる。炉床体駆動機構107は、図示を省略するが駆動モータ115に減速ギヤボックス等が備えられる。
【0076】
炉床体駆動機構107は、炉床体駆動軸114が上述したように先端部を炉床体106と連結され、基端部を炉床体106と対向して台座部103上に固定されたギヤボックス119に直立状態で回転自在に支持される。炉床体駆動機構107は、ギヤボックス119内に、出力軸116の先端部に固定された駆動ベベルギヤ117と炉床体駆動軸114の基端部に固定された従動ベベルギヤ118を内蔵する。炉床体駆動機構107は、駆動モータ115が起動されて出力軸116が回転すると、駆動ベベルギヤ117と従動ベベルギヤ118とにより回転出力が直交変換されて炉床体駆動軸114に伝達され、この炉床体駆動軸114を介して炉床体106を回転駆動する。
【0077】
焼却処理装置100は、バーナ40が外筒体104に対して、図6に示すように上述した台座部103の上面とバーナ筒体105の下方部との間に配置されて取り付けられる。焼却処理装置100においては、バーナ40の着火操作により空気と燃料との混合ガスを燃焼させて火炎をバーナ空間部109内に噴射するが、火炎が炉床体106を介して燃焼空間部110へと導入されるようになる。焼却処理装置100においては、このように燃焼空間部110の底面側から焼却対象物を燃焼する底面燃焼方式を構成することにより、側面燃焼方式の上述した焼却処理装置1と比較して燃焼効率の大幅な向上が図られ、発煙量も低減される。
【0078】
焼却処理装置100においても、バーナ40の着火操作を行って焼却対象物に火が移り、燃焼が始まって温度が急激に上昇すると着火検出器45により燃焼の検知動作が行われ、これにより燃焼空間部110内において燃焼の開始を確認する。焼却処理装置100においては、バーナ40により効率的な燃焼が行われるために、例えば着火動作を行って約3分を経過すると、このバーナ40の動作を自動的に停止する。
【0079】
焼却処理装置100においては、バーナ筒体105の外周部に形成した上述した通風孔111から燃焼空間部110内に効率的な送風が行われる。焼却処理装置100においては、炉床体駆動機構107により回転駆動される炉床体106が、燃焼空間部110内において堆積した焼却対象物を撹拌するとともに焼却灰排出孔113を介して燃焼空間部110内に効率的な送風を行う。したがって、焼却処理装置100においては、燃焼空間部110内において焼却対象物を効率よく燃焼するとともに、発生した焼却灰を焼却灰排出孔113を介して台座部103に効率よく排出する。
【0080】
焼却処理装置100には、図6に示すようにバーナ40と対向して炉床体106の下方に位置するガイド部材120が設けられている。焼却処理装置100においては、ガイド部材120が約45°の傾斜角度を付されて設置され、バーナ40から水平方向に噴射された火炎を上方に向けて屈折して炉床体106に導くようにする。焼却処理装置100においては、これにより底面燃焼方式としてより効率的な燃焼が行われるようになる。
【0081】
焼却処理装置100にも、上部本体10の外側面に制御盤2が設置され、この制御盤2により焼却対象物の焼却処理を制御する設定操作或いは畜舎4や家屋7へのエネルギー供給動作の設定操作等が行われる。焼却処理装置100においても、上部本体10に設けた給水管11から内部に水を導水してお湯や蒸気を生成する。焼却処理装置100においても、図9に示すように上部本体10に設けた給湯管12から畜舎4や家屋7へとお湯を供給するとともに、上部本体10の天井部に設けた蒸気管13から蒸気エンジン3等に蒸気を供給する。
【0082】
以上のように構成された焼却処理装置100においては、上述した焼却処理装置1と同様にして焼却対象物投入ホッパ82内に投入された焼却対象物や燃料材を焼却対象物送出スクリュー81により焼却対象物送出管86から燃焼室20内へと投入する。焼却処理装置100においては、投入された焼却対象物を炉床体106上で受け止めて堆積させるとともに、炉床体駆動機構107により炉床体106を回転駆動して撹拌させる。焼却処理装置100においては、バーナ40の着火操作を行って燃焼空間部110内において焼却対象物の燃焼処理を行う。
【0083】
焼却処理装置100においては、バーナ40から噴射される火炎がガイド部材120に当たって炉床体106の焼却灰排出孔113を介して燃焼空間部110内へと導かれ、焼却対象物を燃焼させる。焼却処理装置100においては、いわゆる底面燃焼方式により燃焼空間部110内において焼却対象物を効率よく燃焼させる。焼却処理装置100においては、バーナ40の着火動作や焼却対象物の燃焼により、バーナ空間部109或いは燃焼空間部110内において空気流が発生する。
【0084】
焼却処理装置100においては、発生した空気流によりバーナ筒体105に形成した通風孔111から燃焼空間部110内に空気が流入する。焼却処理装置100においては、炉床体106の回転により燃焼空間部110内において焼却対象物が所定方向に回転しながら撹拌されるとともに、上述した構成の通風孔111から流入する空気が燃焼空間部110内において旋回流となって勢いよく吹き当たる。焼却処理装置100においては、これにより燃焼空間部110内に充分な量の空気が供給されて効率的な燃焼が行われるとともに、内部に溜まった焼却灰が吹き上げられて通風孔111から台座部103上への落下が促進されるようになる。
【0085】
焼却処理装置100においては、台座部103に落下した焼却灰を焼却灰排出開口103aを介して焼却灰回収箱108内に落下回収する。焼却処理装置100においては、所定の焼却処理を終えると、台座部103から焼却灰回収箱108の取り出しが行われる。
【0086】
本発明によれば、上述したように焼却処理装置1及び焼却処理装置100の説明により明らかなように、焼却対象物を有害な排気ガスや大量の排煙の発生を低減し、多量の燃料を消費することなく効率よく燃焼処理することが可能である。本発明によれば、上述した焼却処理装置1及び焼却処理装置100により、焼却対象物の燃焼により生じた焼却灰を周囲に飛散させることなく、効率よく回収することが可能である。焼却灰は、栄養分を大量に含む有効な肥料として使用されている家畜の排泄物等を原料とするものであり、堆肥処理や乾燥処理等を施し或いは脱臭処理や脱水処理を施す手間も大幅に軽減される。本発明によれば、かかる有効な焼却灰肥料を効率よく生成することが可能である。
【0087】
本発明は、上述した実施の形態として示した焼却処理装置1や焼却処理装置100に採用した構成各部に限定されないことは勿論であり、特許請求の範囲により定義される本発明の精神とその範囲内にあるすべての変形物と均等物および代替物を含むものとして理解しなければならない。
【符号の説明】
【0088】
1 焼却処理装置、4 畜舎、7 家屋、10 上部本体、11 給水管、12 給湯管、13 蒸気管、14 密閉空間部、20 燃焼室、22 排気部、30 悪臭除去部、40 バーナ、50 下部本体、51 焼却灰回収箱、60 焼却灰排出部、62 焼却灰受けドラム、65 焼却灰排出スクリュー、66 焼却灰受け室、67 焼却灰排出管部、70 ブロアー、72 送風機構、80 駆動モータ、81 焼却対象物送出スクリュー、82 焼却対象物投入ホッパ、83 焼却対象物投入部、84 伝達機構、86 焼却対象物送出管、100 焼却処理装置、101 上部本体、102 下部本体、103 台座部、104 外筒体、106 炉床体、107 炉床体駆動機構、108 焼却灰回収箱、109 バーナ空間部、110 燃焼空間部、111 通風孔、113 焼却灰排出孔、114 炉床体駆動軸、115 駆動モータ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
家畜の排泄物を焼却対象物として焼却処理を施す焼却処理装置において、
上記焼却対象物が投入される焼却対象物投入部と、この焼却対象物投入部から送り出された上記焼却対象物を燃焼する燃焼室と、上記焼却対象物の燃焼により生成した温水や蒸気を配管へと供給する供給管と、上記焼却対象物の燃焼により生じた排気ガスを上記燃焼室内から排気する排気部が設けられた上部本体と、
上記燃焼室の底部を構成して上記焼却対象物を受け止めて堆積させるとともに上記焼却対象物の燃焼により生じた焼却灰を落下させる炉床体と、この炉床体を回転駆動させることにより上記焼却対象物を撹拌するとともに上記焼却灰の落下を促進させる炉床体駆動機構と、上記燃焼室内から上記炉床体を介して落下する上記焼却灰を回収する焼却灰回収部が設けられ、上記上部本体が組み合わされて台座部を構成する下部本体と、
上記燃焼室内に投入された上記焼却対象物に着火して燃焼させるバーナとを
備える焼却処理装置。
【請求項2】
上記焼却対象物投入部は、上記焼却対象物が投入される焼却対象物ホッパと、この焼却対象物ホッパの底部に連設された焼却対象物送出管と、この焼却対象物送出管内に回転自在に設けられて上記焼却対象物ホッパから上記燃焼室内に上記焼却対象物を送り出す焼却対象物送出スクリューを備える請求項1に記載の焼却処理装置。
【請求項3】
上記排気部は、上記燃焼室の燃焼空間部の上方に配管された排気ダクトと、この排気ダクトに接続されて上記燃焼室内から排気ガスが導入される悪臭除去部と、この悪臭除去部において所定の排ガス処理を施した上記排気ガスを上記上部本体から外部へと放出する排気煙突と、上記悪臭除去部に悪臭除去液を供給する悪臭除去液供給部を備える請求項1又は請求項2に記載の焼却処理装置。
【請求項4】
上記バーナは、モータと、このモータにより回転駆動されるファンと、燃料ポンプと、空気と燃料とを混合する混合管と、混合ガスを吹き出すノズルと、着火検出器を備え、
上記ノズルから火炎を噴射して上記燃焼室内において上記焼却対象物を燃焼させるとともに、上記着火検出器により上記焼却対象物の燃焼を検出すると所定時間の経過後に動作が停止される請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の焼却処理装置。
【請求項5】
上記炉床体と、この炉床体を介して落下する上記焼却灰を回収する焼却灰受け室と、この焼却灰受け室内に回転自在に設けられた焼却灰排出スクリューとにより焼却灰排出部を構成し、
上記焼却灰排出スクリューの回転動作により上記焼却灰を上記焼却灰受け室内から上記下部本体の外部に設けた焼却灰回収箱へと送り出す請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の焼却処理装置。
【請求項6】
上記炉床体は、上記燃焼室の焼却灰排出開口を閉塞するに足る長さと外径を有し、上記燃焼室の底部を構成するように外周部の一部で上記焼却灰排出開口を閉塞する水平姿勢で回転自在に支持され、外周部に多数個の灰落とし孔を形成したドラム体からなり、
上記炉床体駆動機構により回転駆動されることにより、上記燃焼室内で上記焼却対象物を撹拌するとともに、上記各灰落とし孔を介して上記焼却灰回収部への上記焼却灰の落下促進を図る請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の焼却処理装置。
【請求項7】
上記焼却灰排出スクリューと上記炉床体駆動機構の駆動源が共用される請求項6に記載の焼却処理装置。
【請求項8】
送風機と、この送風機から上記炉床体の上方外周部に導かれる送風管とから構成される送風機構を備え、
上記送風機構により上記燃焼室及び上記炉床体内に送風することにより、上記燃焼室内において上記焼却対象物の燃焼を促進するとともに、上記炉床体を冷却してその変形発生を防止しかつ外周部や上記灰落とし孔内に詰まった上記焼却灰を吹き飛ばす請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の焼却処理装置。
【請求項9】
上記炉床体は、上記燃焼室の焼却灰排出開口を閉塞するに足る外径を有するとともに厚み方向に貫通して多数個の灰落とし孔が形成され、上記燃焼室の底部を構成するようにしてその内部に回転自在に組み合わされた円盤体からなり、
上記炉床体駆動機構により回転駆動されることにより、上記燃焼室内で上記焼却対象物を撹拌するとともに、上記各灰落とし孔を介して上記焼却灰回収部への上記焼却灰の落下促進を図る請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の焼却処理装置。
【請求項10】
上記バーナは、上記炉床体により閉塞された上記燃焼室の焼却灰排出開口よりも下方に位置して上記下部本体に設けられ、
上記焼却灰排出開口に対向して傾斜姿勢で配置されたガイド部材により上記ノズルから水平方向に噴射された火炎が上方に向けて屈折されて上記炉床体を介して上記燃焼室内に導かれる請求項9に記載の焼却処理装置。
【請求項11】
上記燃焼室の、上記燃焼対象物が堆積されて燃焼が行われる燃焼空間部を構成する外周部位に上記燃焼空間部内に空気を引き込む多数個の通風孔が形成され、
上記各通風孔が、上記燃焼空間部内に突出して形成した周方向の半キャノピー形状の凸部により、外部に開口する大径の空気流入口と内部において頂点部側に開口する小径の空気流出口とからなり、
上記燃焼空間部に対して、上記空気流入口から引き込まれて上記空気流出口から流速を高めて吹き込まれる空気が上記炉床体の回転方向の空気流を生成して供給される請求項1乃至請求項10のいずれか1項に記載の焼却処理装置。
【請求項12】
家畜の排泄物を焼却対象物として焼却処理を施す焼却処理装置が用いられ、
上記焼却処理装置から取り出した上記焼却対象物の焼却灰を肥料として利用し、上記焼却対象物の焼却熱により生成したお湯や蒸気を上記焼却処理装置から配管により畜舎や家屋に供給してなり、
上記焼却処理装置が、
上記焼却対象物が投入される焼却対象物投入部と、この焼却対象物投入部から送り出された上記焼却対象物を燃焼する燃焼室と、上記焼却対象物の燃焼により生成した温水や蒸気を配管へと供給する供給管と、上記焼却対象物の燃焼により生じた排気ガスを上記燃焼室内から排気する排気部が設けられた上部本体と、
上記燃焼室の底部を構成して上記焼却対象物を受け止めて堆積させるとともに上記焼却対象物の燃焼により生じた焼却灰を落下させる炉床体と、この炉床体を回転駆動させることにより上記焼却対象物を撹拌するとともに上記焼却灰の落下を促進させる炉床体駆動機構と、上記燃焼室内から上記炉床体を介して落下する上記焼却灰を回収する焼却灰回収部が設けられ、上記上部本体が組み合わされて台座部を構成する下部本体と、
上記燃焼室内に投入された上記焼却対象物に着火して燃焼させるバーナと
を備える
家畜排泄物等の焼却処理システム。
【請求項1】
家畜の排泄物を焼却対象物として焼却処理を施す焼却処理装置において、
上記焼却対象物が投入される焼却対象物投入部と、この焼却対象物投入部から送り出された上記焼却対象物を燃焼する燃焼室と、上記焼却対象物の燃焼により生成した温水や蒸気を配管へと供給する供給管と、上記焼却対象物の燃焼により生じた排気ガスを上記燃焼室内から排気する排気部が設けられた上部本体と、
上記燃焼室の底部を構成して上記焼却対象物を受け止めて堆積させるとともに上記焼却対象物の燃焼により生じた焼却灰を落下させる炉床体と、この炉床体を回転駆動させることにより上記焼却対象物を撹拌するとともに上記焼却灰の落下を促進させる炉床体駆動機構と、上記燃焼室内から上記炉床体を介して落下する上記焼却灰を回収する焼却灰回収部が設けられ、上記上部本体が組み合わされて台座部を構成する下部本体と、
上記燃焼室内に投入された上記焼却対象物に着火して燃焼させるバーナとを
備える焼却処理装置。
【請求項2】
上記焼却対象物投入部は、上記焼却対象物が投入される焼却対象物ホッパと、この焼却対象物ホッパの底部に連設された焼却対象物送出管と、この焼却対象物送出管内に回転自在に設けられて上記焼却対象物ホッパから上記燃焼室内に上記焼却対象物を送り出す焼却対象物送出スクリューを備える請求項1に記載の焼却処理装置。
【請求項3】
上記排気部は、上記燃焼室の燃焼空間部の上方に配管された排気ダクトと、この排気ダクトに接続されて上記燃焼室内から排気ガスが導入される悪臭除去部と、この悪臭除去部において所定の排ガス処理を施した上記排気ガスを上記上部本体から外部へと放出する排気煙突と、上記悪臭除去部に悪臭除去液を供給する悪臭除去液供給部を備える請求項1又は請求項2に記載の焼却処理装置。
【請求項4】
上記バーナは、モータと、このモータにより回転駆動されるファンと、燃料ポンプと、空気と燃料とを混合する混合管と、混合ガスを吹き出すノズルと、着火検出器を備え、
上記ノズルから火炎を噴射して上記燃焼室内において上記焼却対象物を燃焼させるとともに、上記着火検出器により上記焼却対象物の燃焼を検出すると所定時間の経過後に動作が停止される請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の焼却処理装置。
【請求項5】
上記炉床体と、この炉床体を介して落下する上記焼却灰を回収する焼却灰受け室と、この焼却灰受け室内に回転自在に設けられた焼却灰排出スクリューとにより焼却灰排出部を構成し、
上記焼却灰排出スクリューの回転動作により上記焼却灰を上記焼却灰受け室内から上記下部本体の外部に設けた焼却灰回収箱へと送り出す請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の焼却処理装置。
【請求項6】
上記炉床体は、上記燃焼室の焼却灰排出開口を閉塞するに足る長さと外径を有し、上記燃焼室の底部を構成するように外周部の一部で上記焼却灰排出開口を閉塞する水平姿勢で回転自在に支持され、外周部に多数個の灰落とし孔を形成したドラム体からなり、
上記炉床体駆動機構により回転駆動されることにより、上記燃焼室内で上記焼却対象物を撹拌するとともに、上記各灰落とし孔を介して上記焼却灰回収部への上記焼却灰の落下促進を図る請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の焼却処理装置。
【請求項7】
上記焼却灰排出スクリューと上記炉床体駆動機構の駆動源が共用される請求項6に記載の焼却処理装置。
【請求項8】
送風機と、この送風機から上記炉床体の上方外周部に導かれる送風管とから構成される送風機構を備え、
上記送風機構により上記燃焼室及び上記炉床体内に送風することにより、上記燃焼室内において上記焼却対象物の燃焼を促進するとともに、上記炉床体を冷却してその変形発生を防止しかつ外周部や上記灰落とし孔内に詰まった上記焼却灰を吹き飛ばす請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の焼却処理装置。
【請求項9】
上記炉床体は、上記燃焼室の焼却灰排出開口を閉塞するに足る外径を有するとともに厚み方向に貫通して多数個の灰落とし孔が形成され、上記燃焼室の底部を構成するようにしてその内部に回転自在に組み合わされた円盤体からなり、
上記炉床体駆動機構により回転駆動されることにより、上記燃焼室内で上記焼却対象物を撹拌するとともに、上記各灰落とし孔を介して上記焼却灰回収部への上記焼却灰の落下促進を図る請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の焼却処理装置。
【請求項10】
上記バーナは、上記炉床体により閉塞された上記燃焼室の焼却灰排出開口よりも下方に位置して上記下部本体に設けられ、
上記焼却灰排出開口に対向して傾斜姿勢で配置されたガイド部材により上記ノズルから水平方向に噴射された火炎が上方に向けて屈折されて上記炉床体を介して上記燃焼室内に導かれる請求項9に記載の焼却処理装置。
【請求項11】
上記燃焼室の、上記燃焼対象物が堆積されて燃焼が行われる燃焼空間部を構成する外周部位に上記燃焼空間部内に空気を引き込む多数個の通風孔が形成され、
上記各通風孔が、上記燃焼空間部内に突出して形成した周方向の半キャノピー形状の凸部により、外部に開口する大径の空気流入口と内部において頂点部側に開口する小径の空気流出口とからなり、
上記燃焼空間部に対して、上記空気流入口から引き込まれて上記空気流出口から流速を高めて吹き込まれる空気が上記炉床体の回転方向の空気流を生成して供給される請求項1乃至請求項10のいずれか1項に記載の焼却処理装置。
【請求項12】
家畜の排泄物を焼却対象物として焼却処理を施す焼却処理装置が用いられ、
上記焼却処理装置から取り出した上記焼却対象物の焼却灰を肥料として利用し、上記焼却対象物の焼却熱により生成したお湯や蒸気を上記焼却処理装置から配管により畜舎や家屋に供給してなり、
上記焼却処理装置が、
上記焼却対象物が投入される焼却対象物投入部と、この焼却対象物投入部から送り出された上記焼却対象物を燃焼する燃焼室と、上記焼却対象物の燃焼により生成した温水や蒸気を配管へと供給する供給管と、上記焼却対象物の燃焼により生じた排気ガスを上記燃焼室内から排気する排気部が設けられた上部本体と、
上記燃焼室の底部を構成して上記焼却対象物を受け止めて堆積させるとともに上記焼却対象物の燃焼により生じた焼却灰を落下させる炉床体と、この炉床体を回転駆動させることにより上記焼却対象物を撹拌するとともに上記焼却灰の落下を促進させる炉床体駆動機構と、上記燃焼室内から上記炉床体を介して落下する上記焼却灰を回収する焼却灰回収部が設けられ、上記上部本体が組み合わされて台座部を構成する下部本体と、
上記燃焼室内に投入された上記焼却対象物に着火して燃焼させるバーナと
を備える
家畜排泄物等の焼却処理システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【公開番号】特開2010−25540(P2010−25540A)
【公開日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−162883(P2009−162883)
【出願日】平成21年7月9日(2009.7.9)
【出願人】(508017502)エコロジー・エンタープライズ株式会社 (3)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年7月9日(2009.7.9)
【出願人】(508017502)エコロジー・エンタープライズ株式会社 (3)
【Fターム(参考)】
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