説明

容器の密封装置

キャップ(1)と、ロックリング(2)とからなり、前記キャップは、使用時に容器(5)の出口側首部(4)の開口(3)と封止可能に係合するよう適合され、さらに前記ロックリングは、使用時に容器の出口側首部を覆って取付けられ且つ第1と第2の位置の間で摺動可能にされており、その結果前記ロックリングは使用時に前記第1の位置にて前記キャップと係合し、それにより前記キャップが容器の開口から離脱するのを防止し、さらに前記第2の位置にて前記ロックリングは(a)前記キャップから離脱し、それにより前記キャップが出口側首部の開口から離脱するのを可能にし、さらに前記ロックリングは(b)前記容器の出口側首部の前記第2の位置にて係止される容器の密封装置。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、一般には容器用の装置であって、特に容器の密封装置に関する。
【0002】
容器の密封装置として不正操作できない、および/または不正開封の跡がすぐ分かるような機能を持つものが知られている。そうした機能は安全性の理由から、例えば薬品や有害物質を使用するための容器の密封装置に設けられている。
【0003】
係止リングを備えたキャップからなる密封装置であって、その係止リングは折れやすいようにキャップに結合され、さらに、ねじってキャップから外れるようになっているものが知られている。そのような密封装置では、キャップから係止リングを外すのに要する力はさまざまであり、ある場合には許容し難いほど高くなることがある。さらに、一旦キャップと係止リングとが離脱すると、密封装置の係止リングは緩んだ取付け状態となり、それゆえ相対的に取り外すことが容易となる。
【0004】
米国特許第4147268号明細書は、ねじ山のある首部と鍔とを有する容器に用いられる開封よけの付いた密封装置に関するものである。この密封装置は、屈曲性のあるロック用部材を有しており、同部材は密封装置本体の内側にて折れやすい結合子によって取付けられている。キャップをねじって容器から外す場合、そのロック部材は、密封装置のねじ山の部分から破断され、容器の首部周辺に残るようになっている。
【0005】
米国特許第4805791号明細書は、不正操作防止機能を備えたキャップ用のロックリング付バンドに関する。このバンドは、不正操作防止機能を備えたバンドを所定位置に保持する破裂可能なブリッジでロックするようになっており、そのブリッジが破損するとき、ロックリングは、不正操作防止機能を備えたバンドを容器の首部へ落下させるよう作用するものである。示された実施例では、キャップをねじって容器から外したとき破裂可能なブリッジが破損されるようになっている。
【0006】
英国特許出願公開第1531783号明細書は、ボトル用の安全な密封装置に関する。このボトルの首部は、その上方部分に1方向のねじ山が設けられ、その下方部分は上方部分より径が大きく、しかも逆方向のねじ山が設けられている。キャップをねじって外すと安全用リングはそのねじ山で下方に締め付けられる。
【0007】
米国特許第4099639号明細書は、耐幼児性の密封装置に関する。この密封装置は、一体型の曲げやすい鍔を有する首部を備えた容器として使用される。その鍔部を手で押付けると、内部で係合している突起部とくぼみ部が緩み、容器の首部からのキャップの後退移動を可能にするものである。
【0008】
米国特許第3884379号明細書は、ボトルの安全な密封装置に関するものであって、ボトルと封止位置にあるキャップとの間に現れる一方向に係合関係となっているラチェットが、突起部を指で軸方向に押さえつけることにより離脱されるようになっている。
【0009】
それゆえ、容器のための改良された密封装置に対する需要が残されている。
【0010】
かくして、本発明によれば、キャップと、ロックリングとからなり、前記キャップは使用時に容器の出口側首部の開口と封止可能に係合するよう適合され、さらに前記ロックリングは使用時に前記容器の出口側首部を覆って取付けられ且つ第1および第2の位置の間で摺動可能とされ、使用時に前記第1の位置では前記ロックリングが前記キャップと係合しそれにより前記キャップが前記容器の開口から離脱するのを防止し、また、前記第2の位置では、前記ロックリングは(a)前記キャップから離脱されそれにより前記キャップを前記出口側首部の開口から離脱するのを可能にし、さらに、(b)前記容器の出口側首部の前記第2の位置に係止されるようになっている。
【0011】
本発明の1つの優位性は、ロックリングの位置が、少なくとも部分的に密封装置が容器から離脱しているか否かについての可視的な証拠を与えることにある。本発明のさらなる優位性は、ロックリングが前記容器の出口側首部上の前記第2の位置に係止されており、それにより容器上の密封装置を新規または代替品と置換することを防止および/または妨げることにある。これらの優位性は、偽造者を諦めさせ、さらに、新規または代替の密封装置と組み合わせて容器を不正に再使用することを抑止し、防止するという利点を有する。しかしながら、一旦ロックリングとキャップが離脱されても、該キャップはロックリングと係合することなしに容器と係合されることができ、それによって該容器の正当な再使用を可能にしている。
【0012】
前記キャップは、好ましくは、使用時に、容器の出口側首部の対応するねじ山と協働するねじ山を有する。このキャップは、それぞれねじを締めるかまたはねじって外すことにより出口側首部の開口と封止可能に係合、離脱することが可能である。しかしながら、キャップのねじを締めるかまたはねじって外すことができるのはロックリングの位置により決まる。したがって、ロックリングが第1の(ロック)位置にあるときは、該ロックリングはキャップと係合して、それが容器からねじって外されるのを防いでおり、第2の(アンロック)位置では、ロックリングはキャップから離脱し、それにより容器からねじって外されることを可能にしている。
【0013】
ロックリングは、1個以上の協働するロック用の凸部と凹部とによってキャップと係合および離脱することが可能である。したがって、キャップにはロックリングの対応するロック用の凹部と係合するのに適合した1個以上のロック用凸部を有することが可能である。代わりに、キャップにはロックリングの対応するロック用の凸部と係合するのに適合した1個以上のロック用凹部を有することも可能である。2個以上の、ロック用凸部と対応するロック用凹部がある場合、キャップには1個以上のロック用凸部と1個以上のロック用凹部を有することが可能であり、さらにロックリングは1個以上の対応するロック用凹部および凸部を有することが可能である。
【0014】
ロックリングは、好ましくは、1個以上、さらに好ましくは、2個以上のロック用凸部を有する。典型的には、ロックリングは2乃至24個のロック用凸部、好ましくは、2乃至16個のロック用凸部、例えば4または6個のロック用凸部を有する。そのキャップは対応する数のロック用凹部を有する。
【0015】
キャップは、好ましくは、使用時に容器の首部と係合する管状部分を有し、さらに好ましくは、その管状部分には長手方向に溝の形をしたロック用凹部を有する。
【0016】
さらに好ましくは、キャップは、使用時に、容器の出口側首部の対応するねじ山と協働するねじ山を有する管状部分を有する。好ましくは、その管状部分が、容器の出口側首部の外周面の対応するねじ山と協働する内周面のねじ山を有する(いわゆる、“ねじ式キャップ”)。代わりに、その管状部分が、容器の出口側首部の内周面にある対応するねじ山と協働する外周面のねじ山を有する(いわゆる、“ねじ込み式キャップ”)。ロックリングの摺動可能位置にしたがって、このキャップは、それぞれねじを締めるかまたはねじって外すことにより容器の出口側首部の開口と封止可能に係合、離脱することができる。この実施例では、管状部分は、好ましくは、1個以上、典型的には、2乃至24個の溝部、好ましくは、2乃至16個の溝部、例えば4または6個の溝部を有し、それらの溝が前記ロックリングの第1の摺動可能な位置においてロックリングの対応するロック用凸部と係合し、それによりキャップが容器の開口から離脱するのを防止している。前記ロックリングの第2の摺動可能な位置においては、キャップの溝がロックリングのロック用凸部から離脱し、それによりキャップがねじって外され且つ容器の出口側首部の開口から離脱することを可能にする。
【0017】
キャップは、1以上のプラスチック材料で作ることが可能である。適切には、そのプラスチック材料は熱可塑性樹脂、例えばポリプロピレンの単重合体、および/または共重合体からなる。適切なポリプロピレンの共重合体としては、例えば5−15%のポリエチレンを含有しているプロピレン/エチレン共重合体であることが可能である。キャップは射出成形または圧縮成形を利用して作ることが可能である。
【0018】
キャップは1以上の異なる色のプラスチック材料で製造することが可能である。
【0019】
キャップは、1以上のプラスチック材料、例えば熱可塑性材料や熱可塑性高分子弾性体(エラストマー)材料で作ることが可能である。熱可塑性エラストマー材料は屈曲性があり、それにより容器の首部に対してキャップの封止に役立つ。適切な熱可塑性エラストマー材料は、熱可塑性ゴムおよび/または、半ゴム材料からなる。適切な熱可塑性ゴム材料にはアドバンスド・エラストメリック・システムズ社から市販されているSantoprene(登録商標)またはそれと等価物がある。適切には、キャップは重量比で10−40%の熱可塑性エラストマー材料を含むことが可能である。キャップを2以上のプラスチック材料で順次2色成形、例えば、第1プラスチック材料(例を挙げるとポリプロピレン熱可塑性共重合体)を金型内へ射出しその後同金型を回転させ、次いで第2プラスチック材料(例を挙げると熱可塑性ゴム材料)を同金型内へ射出することにより作ることが可能である。
【0020】
キャップは、商標、ロゴまたは他の顕著な特徴を含むように成形することが可能である。キャップは、商標、ロゴまたは他の顕著な特徴を印刷、および/または標識付けが可能である。印刷は紫外線印刷とすることが可能である。標識付けは外部または金型による標識付けとすることが可能である。これらは偽造をさらに抑止するという優位性を有する。キャップは単一色または多色であることが可能である。商標、ロゴまたは他の顕著な特徴はキャップの他の部分と同一の色、および/または材料であってもよく、また、キャップの他の部分と異なる色および/または、材料であってもよい。
【0021】
キャップはまた、使用時に容器の出口側を封止可能に係合する屈曲性材料の挿入体であるワグ(wag)を有することが可能である。このワグは、屈曲性を有する薄皮で構成することが可能である。このワグは、2以上の層から構成されることが可能である。適切には、このワグは発泡ポリエチレン層とアルミニウム層から構成されることが可能である。アルミニウム層は容器の出口側に対し誘導的に封止されることが可能であり、またさらに、その上に商標、ロゴまたは他の顕著な特徴を有することが可能である。
【0022】
ねじ込み式キャップの優位性はワグを必要としない点にある。
【0023】
ロックリングは使用時に前記容器の出口側首部を覆って取付けられるように適合しており、且つ第1および第2の位置の間で摺動可能である。
【0024】
好ましくは、ロックリングは、前記第1の位置から第2の位置へ摺動可能な1以上の外側凸部を有し、それによりロックリングをキャップから離脱させ、さらにキャップが出口側首部の開口から離脱するのを可能にする。典型的には、ロックリングは2乃至24個の外側凸部、好ましくは、2乃至8個の外側凸部、例えば4または6個の外側凸部を有する。
【0025】
ロックリングは、使用時に、摺動可能に第2の位置へ移動されたとき、容器の出口側首部の第2の位置で係止されるように適合している。このことは、ロックリングが容器の出口側首部の第2の位置で係止されているとき、容器の密封装置を新規または代替の密封装置と置換することの抑止、および/または防止を可能にするという優位性を備えるものである。さらに、このことは、偽造者を諦めさせ、さらに、新規または代替の密封装置と組み合わせて容器を不正に再使用することを抑止し、防止するという利点を有する。かくして、係止リングを有するキャップを備えており、その係止リングは折れやすいようにキャップに結合され、さらに、ねじってキャップから外れるようになっている密封装置が知られているが、そのキャップとリングとを離脱させるとき、そうした密封装置のリングは出口側首部により係合されず緩んだ取付け状態となり、したがって、相対的に取り外すことが容易になる。しかしながら、本発明の密封装置は、容器の出口側首部の第2の位置に係止されるロックリングを有し、取り外しを一層難しくしており、それによって、容器を、新規または代替の密封装置で不正な再使用を抑止し妨げるばかりでなく、容器の密封装置を新規または代替の密封装置と置換することを優位に抑止および/または、防止するものである。しかし、一旦ロックリングとキャップとが離脱されると、キャップは、なおロックリングに再係合することなく容器と再係合することが可能である。
【0026】
好ましくは、ロックリングは、協働する1以上の係止用凸部および凹部によって第2の位置で係止されるように適合することが可能である。かくして、ロックリングは、容器の出口側首部の対応する係止用凹部と係合するのに適合した1以上の係止用凸部を有することが可能である。代わりに、ロックリングは、容器の出口側首部の対応する係止用凸部と係合するのに適合した1以上の係止用凹部を有することも可能である。2以上の係止用凸部と対応する係止用凹部の場合、ロックリングは1以上の係止用凸部と1以上の係止用凹部を有することが可能であり、そして容器は1以上の対応する係止用凹部と係止用凸部とを有することが可能である。
【0027】
好ましくは、ロックリングは、1以上、好ましくは2以上の係止用凹部を有する。典型的には、ロックリングは2乃至24個の係止用凹部、好ましくは、2乃至16個の係止用凹部、例えば4または6個の係止用凹部を有する。容器は対応する数の係止用凸部を有する。
【0028】
ロックリングが第2の位置へ摺動された場合、このことはロゴや他の顕著な特徴がキャップ、および/または容器上にて見えるようにする。それは密封装置がすでに使用されたことを示唆することを可能にする。
【0029】
ロックリングが第1の位置にあり且つキャップと係合している場合、係止用凹部と係止用凸部とは少なくとも部分的に係合されており、それによりキャップをねじって容器から外れることを防止する。
【0030】
本発明のロックリングは、第1の位置でキャップと係合されている場合、容器から材料が漏れ出ること、および/または容器中に汚染物質が入って容器内の材料が汚染することを防止するのに役立つ。
【0031】
好ましくは、ロックリングは係止用凸部、および/または係止用凹部を同リングの屈曲性部分に有する。この屈曲性部分は、ロックリングが摺動可能に第2の位置へ移動されたとき、前記係止用凸部と対応する係止用凹部とを係合させるよう収縮し、それによりロックリングを第2の位置に係止する。ロックリングの屈曲性部分は、1以上の熱可塑性エラストマー材料で製造することが可能である。適切な熱可塑性エラストマー材料は熱可塑性ゴムおよび/または、半ゴム材料からなる。適切な熱可塑性ゴム材料にはアドバンスド・エラストメリック・システムズ社から市販されているSantoprene(登録商標)またはそれと等価物がある。
【0032】
ロックリングは、1つ以上のプラスチック材料で作ることが可能である。適切には、そのプラスチック材料は熱可塑性樹脂、例えばポリプロピレンの単重合体および/または、共重合体からなる。適切なポリプロピレンの共重合体としては、例えば5−15%のポリエチレンを含有しているプロピレン/エチレン共重合体であることが可能である。
【0033】
ロックリングは射出成形または圧縮成形を利用して製造可能である。
【0034】
ロックリングは1つ以上の違った色のプラスチック材料で製造することが可能である。
【0035】
ロックリングは、2以上のプラスチック材料、例えば、熱可塑性材料や熱可塑性エラストマー材料で作ることが可能である。熱可塑性エラストマー材料は屈曲性があり、それにより容器の出口側首部に対向している密封装置の封止に役立つ。適切な熱可塑性エラストマー材料は、熱可塑性ゴムおよび/または、半ゴム材料からなる。適切な熱可塑性ゴム材料にはアドバンスド・エラストメリック・システムズ社から市販されているSantoprene(登録商標)またはそれと等価物がある。ロックリングを2以上のプラスチック材料で順次2色成形、例えば、第1プラスチック材料(例を挙げるとポリプロピレン熱可塑性共重合体)を金型内へ射出しその後同金型を回転させ、次いで第2プラスチック材料(例を挙げると熱可塑性ゴム材料)を同金型内へ射出することにより作ることが可能である。
【0036】
ロックリングの少なくともある部分に熱可塑性のエラストマー材料を使用することの優位性は、これらが特に外側の凸部に対し滑り止め感覚を与えることが可能であり、密封装置を開封する人が湿った手または油の付いた手の場合は、特に、その密封装置を開封するため前記第1の位置から第2の位置へロックリングを押付けることを容易にすることにある。
【0037】
かくして、以下の用語は、ここでは次のように用いられる。
ロック用凸部および凹部:ロックリングとキャップとを係合および離脱可能にする凸部および凹部
外側凸部:ロックリングを第1から第2の位置へ摺動させる凸部
係止用凸部および凹部:ロックリングを容器の出口側首部の第2の位置に係止させる凸部および凹部
【0038】
容器は、出口側首部と開口を有するどんな適合した容器であってもよい。容器は、好ましくは、液体を収容するのに適している。典型的には、容器は、潤滑油、特に自動車用の潤滑油、例えば炭化水素または合成潤滑油のような液体を収容するのに適している。同様に、容器は、燃料添加剤のような有害または危険な薬品、凍結防止剤、ブレーキ用流体等々のような液体を収容するのに適している。
【0039】
好ましくは、容器はプラスチック材料で作られる。プラスチック材料は、状況に応じて他のポリマーと組み合わせた1以上のポリオレフィンから構成することが可能である。適合するポリオレフィンには高密度のポリエチレンおよびポリプロピレンがある。容器は1以上の色を有することが可能である。容器には標識を付け、および/または、印刷(例えば紫外線印刷)することが可能である。適合する容器のサイズは、100mlから50リットル、例えば、100ml、250ml、1リットル、5リットルおよび7.5リットルのボトル、さらに、15リットル、20リットルおよび50リットルのドラム缶である。
【0040】
密封装置と容器には、バッチ処理番号、および/または他の識別マークを付けて、例えば、密封装置および容器隣接部の残余部分の上に前記番号、および/またはマークの一部分を付け、印刷、および/または標識を付けることが可能である。
【0041】
以下本発明を例示のみにより、図1から図6を参照して説明する。
【0042】
図面を参照すると、本発明の密封装置は、キャップ(1)とロックリング(2)からなり、そのキャップ(1)は、使用時に、容器(5)の出口側の頸状部(4)(以下単に、首部という)の開口(3)と封止可能に係合するよう適合している。さらに、ロックリング(2)は、使用時に、容器(5)の出口側首部(4)を覆って取付けられ、且つ第1と第2の位置の間で摺動可能になっており、その結果、使用時に第1の位置で、ロックリング(2)は前記キャップ(2)と係合し、それによりキャップ(1)が容器(5)の開口(3)から離脱するのを防止し、さらに、前記第2の位置で、ロックリング(2)はキャップ(1)から離脱し、それにより前記キャップ(1)が出口側首部(4)の開口(3)から離脱するのを可能としている。
【0043】
キャップは、2以上のプラスチック材料、例えば、熱可塑性材料や熱可塑性エラストマー材料で作ることが可能である。熱可塑性エラストマー材料は屈曲性があり、それにより容器の出口側首部に対向しているキャップの封止に役立つ。キャップの部分(20)は、熱可塑性エラストマー材料でできており、ユーザの手が湿っていたり、また油が付いていた場合は、特に、改善した握りの実現を容易にする。キャップを2以上のプラスチック材料で順次2色成形、例えば、第1プラスチック材料(例を挙げるとポリプロピレン熱可塑性共重合体)を金型内へ射出しその後同金型を回転させ、次いで第2プラスチック材料(例を挙げると熱可塑性ゴム材料)を同金型内へ射出することにより作ることが可能である。
【0044】
キャップは商標(11)を付けて作られる。キャップ(1)は、使用時に、容器(5)の出口側首部(4)の対応するねじ山(8)と協働するねじ山(7)を有する管状部分(6)を有する。ロックリング(2)の摺動可能位置に従って、このキャップ(1)は、それぞれねじを締めるかまたはねじって外すことにより容器(5)の出口側首部(4)の開口(3)と封止可能に係合、離脱することができる。
【0045】
キャップは、発泡ポリエチレン層とアルミニウム層から構成されるワグ挿入体(21)を有する。後者(アルミニウム層)は容器の出口側に対し導電的に封止されることが可能である。
【0046】
管状部分(6)は、溝(9)形状のロック用凹部を有する。このロック用凹部はロックリングの摺動可能な第1の位置(図3に全体として示される)で該ロックリングの対応するロック用凸部(10)と係合(図2に示すように)し、それによりキャップが容器(5)の開口(3)から離脱するのを防止している。図4で全体として示すように、ロックリングが第2の摺動可能な位置では、キャップの溝(9)は、ロックリングのロック用凸部(10)から離脱され、それによりキャップをねじって外すことを可能にし(図5で全体として示されるように)、さらに図6で全体として示すように、容器の出口側首部の開口から離脱する。
【0047】
ロックリングは、該ロックリングをその第1の位置から第2の位置に摺動させるために使用する4個の外側凸部(12)を有する。
【0048】
ロックリングは、4個の係止用凹部(13)(図1と2に示される)を有し、該4個の係止用凹部は、ロックリングが第2の位置へ摺動可能に移動されたとき(図4に示すように)、容器の出口側首部の対応する係止用凸部(14)と係合する(図3に示される)。
【0049】
ロックリング(2)の係止用凹部(13)は、該リングの屈曲性部分(15)上にある。(図2に示される)この屈曲性部分は、ロックリングが第2の位置に摺動可能に移動されたとき収縮して、前記係止用凹部(13)と対応する係止用凸部(14)とが係合するのを可能にし、これにより容器の出口側首部の第2の位置にロックリング(2)を係止する(図5と6で全体として示される)。ロックリングの屈曲性部分(15)は、1以上の熱可塑性エラストマー材料で作ることが可能である。適切な熱可塑性エラストマー材料は、熱可塑性ゴムおよび/または、半ゴム材料からなる。適切な熱可塑性ゴム材料にはアドバンスド・エラストメリック・システムズ社から市販されているSantoprene(登録商標)がある。ロックリング(2)を1以上のプラスチック材料で作ることが可能である。ロックリングは、2以上のプラスチック材料で順次2色成形、例えば、第1プラスチック材料(例を挙げるとポリプロピレン熱可塑性共重合体)を金型内へ射出しその後同金型を回転させ、次いで第2プラスチック材料(例を挙げると熱可塑性ゴム材料)を同金型内へ射出することにより作ることが可能である。
【0050】
ロックリング(2)が第1の位置にあり、且つキャップ(1)と係合している場合、係止用凹部(13)と係止用凸部(14)とは少なくとも部分的に係合されており、それによりキャップをねじって容器から外れることを防止する。
【0051】
使用するとき、容器はキャップにより封止されており、ロックリング(2)のロック用凸部(10)は、図3に全体として示すように、キャップ(1)の管状部分のロック用凹部(溝)(9)に係合する。キャップを取り去って容器を開けるため、ロックリングは、図4に全体として示すように、ロックリング(2)の1個以上の外側凸部(12)を押し下げることにより第2の位置へ摺動可能に移動される。これは、キャップ(1)の溝(9)とロックリング(2)のロック用凸部(10)とを離脱させる。また、ロックリングは容器の出口側首部の下方へ摺動可能に移動され、その結果、ロックリング(2)の屈曲性部分(15)の係止用凹部(13)が容器の出口側首部の対応する係止用凸部(14)に係合し、第2の位置でロックリングを係止する。これは、第2の位置に係止されたときロックリングが、容器に取り付けられている密封装置を、新規または代替の密封装置と置換することを抑止、および/または防止するという優位性を有する。さらに、これは、偽造者を諦めさせ、そしてまた、新規または代替の密封装置と組み合わせて容器の不正な再使用を抑止あるいは防止するという利点を有する。
【0052】
図4から6に示すように、ロックリングが第2の位置にあるとき、ロック用凸部(10)と溝(9)は離脱しており、そしてキャップ(1)は、図5に全体として示すように、容器の出口側首部から自由にねじって外せるようになっている。かくして、キャップは、容器(5)の出口側首部(4)の開口(3)から離脱され、取り去ることが可能であり、一方、ロックリング(2)は、図5および6に示すように、容器の出口側首部に係止されている。
【0053】
図に示される容器は液体用使用することが可能である。典型的には、容器は、潤滑油、特に自動車用の潤滑油、例えば炭化水素または合成潤滑油のような液体を収容するのに適している。同様に、容器は、燃料添加剤のような有害または危険な薬品、凍結防止剤、ブレーキ用流体等々のような液体を収容するのに適している。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明によるキャップとロックリングとを全体を分解して示す。
【図2】本発明によるキャップとロックリングとを全体を組み付けて示す。
【図3】キャップが容器の出口側首部の開口を封止しており、さらにロックリングが第1の摺動可能な位置にある本発明による密封装置を備えた容器の全体図を示す。
【図4】ロックリングが第2の摺動可能な位置にある本発明による密封装置を備えた容器の全体図を示す。
【図5】ロックリングが第2の摺動可能な位置にあり、且つキャップが容器の出口側首部の開口から離脱している本発明による密封装置を備えた容器の全体図を示す。
【図6】ロックリングが第2の摺動可能な位置にあり、且つキャップが容器の出口側首部の開口から取り去られた本発明による密封装置を備えた容器の全体図を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャップと、ロックリングとからなり、前記キャップは使用時に容器の出口側首部の開口と封止可能に係合するよう適合され、さらに前記ロックリングは使用時に容器の出口側首部を覆って取付けられ且つ第1と第2の位置の間で摺動可能にされており、その結果前記ロックリングは使用時に前記第1の位置にて前記キャップと係合し、それにより前記キャップが容器の開口から離脱するのを防止し、さらに前記第2の位置にて前記ロックリングは(a)前記キャップから離脱し、それにより前記キャップが出口側首部の開口から離脱するのを可能にし、さらに前記ロックリングは(b)前記容器の出口側首部の前記第2の位置にて係止されることを特徴とする容器の密封装置。
【請求項2】
前記キャップは使用時に前記容器の出口側首部の対応するねじ山と協働するねじ山を有する請求項1に記載の密封装置。
【請求項3】
前記ロックリングとキャップを係合するため1以上のロック用凸部および凹部を有する請求項1または2に記載の密封装置。
【請求項4】
前記キャップは前記ロックリングの対応するロック用凹部と係合するよう適合された1以上のロック用凸部を有し、および/または前記キャップは前記ロックリングの対応するロック用凸部と係合するよう適合された1以上のロック用凹部を有する請求項3に記載の密封装置。
【請求項5】
前記キャップは使用時に前記容器の首部に係合する管状部分を有し、さらに前記キャップは前記管状部分において長手方向が溝状のロック用凹部を有する請求項4に記載の密封装置。
【請求項6】
前記キャップは1以上のプラスチック材料で作られる請求項1乃至5のいずれか1つに記載の密封装置。
【請求項7】
前記キャップは熱可塑性材料と熱可塑性エラストマー材料で作られる請求項6に記載の密封装置。
【請求項8】
前記キャップは2以上のプラスチック材料で順次2色射出成形によって作られる請求項6および7のいずれか1つに記載の密封装置。
【請求項9】
前記ロックリングは1以上、典型的には2から24、好ましくは2から8、例えば4または6個の外側凸部を有しており、該外側凸部によって前記ロックリングが前記第1の位置から第2の位置へ摺動可能であり、それにより前記キャップから離脱し、さらに前記キャップを前記出口側首部の開口から離脱可能にする請求項1乃至8のいずれか1つに記載の密封装置。
【請求項10】
前記ロックリングは1以上の協働する係止用凸部および係止用凹部によって前記第2の位置に係止されるよう適合する請求項1乃至9のいずれか1つに記載の密封装置。
【請求項11】
前記ロックリングは前記容器の出口側首部の対応する係止用凹部と係合するよう適合した1以上の係止用凸部を有し、および/または前記ロックリングは前記容器の出口側首部の対応する係止用凸部と係合するよう適合した1以上の係止用凹部を有する請求項10に記載の密封装置。
【請求項12】
前記ロックリングは該リングの屈曲性部分に係止用凸部および/または係止用凹部を有しており、前記屈曲性部分は前記ロックリングが前記第2の位置へ摺動可能に移動されたとき収縮し前記係止用凹部と係止用凸部とを係合させ、それにより前記ロックリングを前記第2の位置に係止する請求項11に記載の密封装置。
【請求項13】
前記ロックリングは1以上のプラスチック材料で作られる請求項1乃至12のいずれか1つに記載の密封装置。
【請求項14】
請求項1乃至13のいずれか1つに記載の密封装置を有する容器。
【請求項15】
潤滑油、特に自動車用の潤滑油、例えば炭化水素または合成潤滑油のような液体を常時収容する請求項14に記載の容器。
【請求項16】
燃料添加剤、凍結防止剤、ブレーキ用流体等々のような液体を常時収容する請求項14に記載の容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2006−521516(P2006−521516A)
【公表日】平成18年9月21日(2006.9.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−505980(P2006−505980)
【出願日】平成16年3月18日(2004.3.18)
【国際出願番号】PCT/GB2004/001161
【国際公開番号】WO2004/085277
【国際公開日】平成16年10月7日(2004.10.7)
【出願人】(501354624)カストロール リミテッド (8)
【Fターム(参考)】