説明

容器を加熱するための装置

【課題】プリフォームの加熱装置において、マイクロ波に基づく加熱機器の効率を向上させ、処理量を改善できる加熱装置、方法を提供する。
【解決手段】容器および特にプリフォームを加熱するための装置1に関し、これは、マイクロ波発生器22とマイクロ波導体を有するマイクロ波加熱機器20を備え、容器を輸送する輸送機器12を備える。本発明によれば、この装置は容器を加熱する追加の加熱機器4を備え、この追加の加熱機器は容器の輸送方向においてマイクロ波加熱機器20の上流に配置された予備加熱ユニット4である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器および特にプリフォームを加熱するための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
先行技術において、近年、ガラス容器に代わってプラスチック容器の利用への転換がなされている。このようなプラスチック容器の製造においては、プラスチックのプリフォーム(予備的成形物)が用いられ、プリフォームは圧縮空気によって膨張させられる。この膨張工程を可能にするため、または容易にするために、プリフォームは通常、加熱区域の中を輸送される。
【0003】
ドイツ特許出願公開第30 20 150 A1号明細書は、熱可塑性物質のプリフォームを予備加熱するための、上記のような装置を開示している。プリフォームを加熱するために、温風を使ってプリフォーム全体を予備加熱して、すべての部分を略同じ温度に予備加熱する。
【0004】
欧州特許出願公開第1 366 886 A1号明細書は、プリフォームのための予備加熱装置について述べている。この場合、プリフォーム内で特定の温度のばらつきを発生させるようにし、それによって生産される製品の品質を高める。
【0005】
米国特許第5,718,853号明細書は、容器を加熱前に前処理するための機器を開示している。これは、各プリフォームによって吸収される熱エネルギーが同じで、プリフォーム全体にわたって均一に分散されるという結果を達成しようとするものである。
【0006】
本出願人の国内の先行技術から、プリフォームを加熱するのに、赤外線照射ではなく、赤外線の代わりに、あるいは任意で赤外線に加えて、マイクロ波照射を使用することも知られている。マイクロ波照射を利用することにより、プリフォームの加熱がより早く行われる。マイクロ波照射の利用によって、プリフォームの加熱がより高速となる。
【0007】
物理学の原理により、マイクロ波加熱には共振キャビティが必要であるため、マイクロ波加熱では赤外線加熱工程の場合のように工程を連続的に発生させることができず、複数の個別のマイクロ波ステーションを使わなければならない。必要なステーションの数をできるだけ少なくするために、処理時間はできるだけ短くするべきである。マイクロ波による材料への熱出力は、電界の二乗と誘電損率に比例する。
Ρheat∝ε´´・Ε2
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】ドイツ特許出願公開第30 20 150 A1号明細書
【特許文献2】欧州特許出願公開第1 366 886 A1号明細書
【特許文献3】米国特許第5,718,853号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、プリフォームのためのマイクロ波に基づく加熱機器の効率を向上させることである。このような加熱機器のスループット(単位時間あたりの処理量)の改善も図る。
【課題を解決するための手段】
【0010】
これは、本発明によれば、特許請求範囲の請求項1に記載の容器を加熱するための装置と請求項9に記載の容器を加熱するための方法によって達成される。
【0011】
有利な実施例とさらなる発展形は、従属請求項の主旨である。
【0012】
容器および特にプリフォームを加熱するための本発明による装置は、マイクロ波発生器とマイクロ波導体を有するマイクロ波加熱機器を備える。さらに、この装置は、容器を輸送する輸送機器を備える。本発明によれば、装置は容器を加熱する追加の加熱機器を備え、この追加の加熱機器は、容器輸送方向においてマイクロ波加熱機器の上流に配置される予備加熱ユニットである。予備加熱ユニットは、本明細書において、それ自体がプリフォームを完全に加熱するのではなく、後の加熱工程の前にプリフォームを予備加熱する加熱ユニットを意味する。
【0013】
したがって、本発明によれば、上記の追加の加熱機器によって容器を予備加熱し、その後この容器をマイクロ波発生ユニットによる加熱工程へと供給することが提案される。前述のように、マイクロ波による材料への熱出力は、損率ε´´にも依存する。マイクロ波の電界は、所望のレベルの高さで操作するとプラズマ点火の危険性があるために、それほど高くできないことから、本発明によれば、誘電損率を通じて熱出力を増大させることが提案される。
【0014】
このために、本発明は誘電損率の温度依存性を利用する。複雑な試験により、PETの誘電損率は10から100度の温度範囲で数値が約4倍上昇することがわかっている。したがって、プリフォームを予備加熱することにより、損率を増大させることができ、それゆえに、一定の電界についての熱出力も相応に増大させることができる。
【0015】
好ましくは、加熱機器は容器を加熱された気流にさらす給気ユニットを備える。したがって、容器はここで、予備加熱のために特に温風を受け、このようにして、マイクロ波加熱機器の効率向上を図る。好ましくは、マイクロ波加熱機器は共振器を備える。
【0016】
ある有利な実施例において、装置は、マイクロ波発生ユニットまたはマイクロ波発生器と熱交換的に連結した関係にある熱交換器を備える。プリフォームのマイクロ波加熱中、マグネトロン、つまりマイクロ波発生源の中で廃熱が発生し、この廃熱はエネルギー全体の30%超を占める。先行技術では、この熱エネルギーは通常、冷却水回路によってマグネトロンから運ばれ、熱交換器を通じて環境中に放散される。好ましい本実施例においては、このエネルギーもまたPETのプリフォームの加熱に利用することが提案される。このようにして、装置全体のエネルギー効率を改善することができる。さらに、熱交換機によって加熱された空気を、追加の手段によってさらに加熱し、熱交換器より高い温度レベルに到達させるようにすることもできる。これは、どのような予備加熱もマイクロ波照射によってさらに処理される能力に対して有利な効果を有するため、特に有益であろう。
【0017】
マイクロ波加熱の場合、プリフォームの形状により、内側が外側より高温まで加熱されることにも注意すべきである。外壁と内壁の間のこのような温度勾配に対抗するために、加熱機器は好ましくは、これが特にプリフォームの外側を加熱するように設計される。このようにして、反対方向の勾配を事前にプリフォームに与えることができ、それによって、全体としてプリフォームの均一な加熱を実現でき、つまり2つの勾配が事実上、相互に打ち消しあうという結果を得ることが可能となる。したがって、この実施例においては、追加の加熱機器が、主として容器の外壁が加熱されるように、たとえば、加熱された空気が容器の外壁に導かれるように設計されることが提案される。
【0018】
さらに有利な実施例において、加熱機器は、容器の局所的に異なる領域を異なる態様で熱にさらすように設計される。より詳しくは、プリフォームはこの場合、1つの個別の供給手段により、特定のゾーンに的を絞って予備加熱することができる。マイクロ波照射による加熱の場合、たとえば、プリフォームの下側領域のベースドーム(base dome)等、特定の問題領域が発生する。これらの問題領域をより高温まで加熱することが可能であり、その一方、たとえばマウスピースやねじ山は加熱されないか、あるいは同時に冷却されるようにすることもできる。また、プリフォームの特定のゾーンだけ予備加熱することもできる。
【0019】
さらに有利な実施例において、装置は輸送機器を備え、この輸送機器は少なくとも2つの異なる温度ゾーンを有し、その中で容器の異なる領域が異なる態様で加熱される。たとえば、容器は輸送経路(channel)を通じて案内されてもよく、2つの異なる温度ゾーンはこの輸送経路内で形成されてもよい。容器のねじ山は、この場合、この輸送経路より上に配置されてもよい。このようにして、ねじ山の加熱を防止することができる。
【0020】
容器は、この輸送経路を通じて輸送され、輸送経路は、ここでは、側壁と底部によって画定される。
【0021】
好ましくは、容器のねじ山付領域が加熱されないようにするための遮断機器が設けられる。容器のねじ山付領域は容器の加工中に非常に影響を受けやすく、これは、過剰な加熱がその変形の原因となり、その結果としてプリフォーム全体が破壊されることになりうるからである。
【0022】
本発明はまた、容器を形成するためにプリフォームを膨張させるためのシステムに関し、このシステムは、上記のタイプの装置と、容器の輸送方向において装置の後方に配置され、圧縮空気を使ってプリフォームを膨張させて容器を形成する吹込み(blowing)機器を備える。ここで、上記の装置によって加熱されたプリフォームは、容器を形成するための吹込み/延伸工程として吹込みステーションの中で膨張させられる。この吹込み工程を実行するためには、容器の適当な加熱が必要である。好ましくは、容器を加熱するための装置は、加熱される容器が少なくとも一部の区域において個別に案内され、下流の吹込み機器へと個別に輸送されるよう設計される。
【0023】
本発明はまた、容器および特にプリフォームを加熱するための方法に関し、容器は第一の輸送機器によって輸送され、この輸送中、加熱のためにマイクロ波加熱機器によってマイクロ波の照射を受ける。本発明によれば、容器はマイクロ波の照射を受ける前に、追加の加熱機器によって加熱される。
【0024】
好ましくは、容器を加熱するための追加の加熱機器は、マイクロ波加熱機器からの廃熱を利用する。
【0025】
さらに有利な方法において、容器の異なる領域は、追加の加熱機器によって異なる態様で加熱される。この手順の結果、前述のように、容器の特定の問題ゾーンを他のゾーンよりより高い温度まで加熱することができ、これによって、全体として、マイクロ波機器による均一な加熱を実現できる。
【0026】
さらに好ましい方法において、容器の中で加熱されるべき領域が連続的に移動および/または加熱され、特にマイクロ波加熱機器に相対して連続的に移動される。好ましくは、容器は追加の加熱機器に関して個別に案内される。
【0027】
好ましくは、容器のある領域はマイクロ波加熱機器によって加熱されず、この領域とは特に、好ましくは、前述のように、容器の口領域またはねじ山領域である。好ましくは、この領域はまた追加の加熱機器によっても加熱されないか、あるいは加熱機器による加熱を防止するように遮断される。
【0028】
さらに好ましい方法において、容器は加熱工程中、マイクロ波加熱機器の中を、容器の長さ方向軸に垂直な方向に輸送される。つまり、容器は、好ましくは直立状態で輸送される。
【0029】
さらに好ましい方法において、加熱機器は容器の中央領域を摂氏40から60度、好ましくは摂氏45から55度の範囲の温度まで加熱する。摂氏15度から約55度まで予備加熱することにより、損率は略2倍となり、したがって、前述のように、熱出力も略2倍となる。容器の中央領域は、特に、サポートリングとベースドームの間の区域を意味するものと理解される。
【0030】
さらに好ましい方法において、加熱機器は容器の下側領域を、摂氏50度から摂氏80度、好ましくは摂氏60度から摂氏70度の温度まで加熱する。前述のように、容器のこの下側領域は問題ゾーンであり、つまり、ベースドームをより高温まで加熱することにより、全体として、マイクロ波加熱機器による均一な加熱が実現する。
【0031】
上記以外の利益と実施例は、付属の図面から明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】マイクロ波加熱機器を備える、プリフォームのための加熱装置を示す図である。
【図2】容器を加熱するための本発明による装置を示す概略図である。
【図3】誘電損率と温度の依存性を示す図である。
【図4】本発明による装置のための加熱機器の部分図である。
【図5】本発明による装置のための追加の加熱機器の部分図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
図1は、プリフォーム10のための円形加熱装置を示し、プリフォーム10は加熱工程中、加熱装置の周辺、つまり、この場合、円形の経路に沿って移動される。このために、第一の輸送機器が設置され、これは全体として12で示される。加熱装置はキャリア25を備え、これは同時に長方形の中空のラインとして設計されており、つまり導波管として機能する。たとえば8つのマイクロ波発生器22等、各種の構造的ユニットがこのキャリアに取り付けられている。キャリアに取り付けられたユニットは、機械軸Xを中心として一緒に回転する。
【0034】
参照番号24は、ここで、マイクロ波加熱ユニットの一部を形成する共振器を示す。この共振器24は、内部が中空のディスク形またはプレート形の要素であり、その中心には円形の穴が配置される。この円形の穴の外径は、加熱されるべきプリフォームがその穴を通過できるように選択され、共振器24の高さは、プリフォームの高さの一部分に対応する。
【0035】
参照番号26は移動ユニットを示し、これによってプリフォームは共振器に相対して移動することができる。参照番号23はマイクロ波チューナを示し、これによってマイクロ波加熱ユニットの導体空間を変化させることによってマイクロ波に影響を与えることができ、つまり、たとえばプリフォームを挿入した状態での電界強度の分布は、反射され、プリフォームによって吸収されないエネルギーの量が最小限になるように最適化されなければならない。図1に示される装置については、まだ公開されていない本出願人によるドイツ特許出願第[102007022386.4]号において詳細に記されており、その開示の内容を、本願の開示における引用によってすべて本願に援用する。
【0036】
図2は、本発明を説明するための本発明による装置の概略図である。ここでもマイクロ波加熱ユニット20が再び示されており、これは共振器とマイクロ波導体25を備える。マイクロ波加熱ユニット20は、容器のための追加の加熱機器と熱交換連結関係にあり、これは全体として4で示されている。このように、マイクロ波加熱機器からの廃熱は、容器の予備加熱に利用される。より詳しくは、参照番号8は熱交換器を示し、これによって加熱された空気が生成される。参照番号5はファンを示し、これによって加熱された空気を容器へと供給することができる。
【0037】
マイクロ波工程全体を通じて発生する熱、つまり、特にマグネトロン、水の負荷、中空導体冷却からの廃熱は、冷却水回路内に回収され、熱交換機8へと運ばれる。熱交換器8は、ベンチレータまたはファン5によって生成される気流へと熱を排出する。すると気流はプリフォーム上に流れ、その後、プリフォームはマイクロ波加熱機器によって加熱される。加熱された空気は、吹き込んでも、吸い込んでもよい。熱は供給ライン7を通じて、プリフォームが配置されているシュート32に供給することが可能である。参照番号34は、上方向に傾斜したベルト等の輸送機器を示し、これはプリフォームをさらに別の輸送機器14へと供給する。この領域でも、加熱された空気は給気ライン6を通じてプリフォームに供給することができる。この領域においては、すでに分離されたプリフォームに温風を供給することも可能である。上方向に傾斜したベルト34で輸送中、容器10は、追加の空気供給機器(図示せず)を使って加熱してもよい。さらに、別の機器(図示せず)でさらに多くの熱を空気に供給することが可能である。その結果、気流は熱交換器のレベルより高い温度まで加熱される。このようにして、非常に効率的なマイクロ波加熱が実現する。
【0038】
さらに、プリフォームのために特別に延長された単独の供給手段を利用することも可能であり、その中でプリフォームはより長い期間とどまり、このようにして、より長時間加熱される。この場合、以下により詳しく説明するように、加熱された空気をプリフォームの異なる領域で異なる温度にすることが可能となる。プリフォームがすでにシュート32の中で加熱される場合、ここでは摂氏25度から40度の間、好ましくは25から35度の間、特に好ましくは約30度の温風が利用される。輸送機器14の中で加熱するには、約60度の温度の温風を利用してもよい。
【0039】
図3は、PETの誘電損率ε´´と温度の依存性を示す図である。この図から、20から80度の温度範囲で誘電損率は係数3で増大することがわかる。プリフォームを約60度まで加熱した場合でも、誘電損率、つまりPETの熱吸収は倍増する。
【0040】
図4は、加熱機器4の一部分、より詳しくは輸送機器14の断面を示す図である。この実施例において、輸送機器14は、2つのチャンバまたは輸送経路15,13の中に形成される温度ゾーン16,17を有する。ここで、容器10の異なる領域が異なる態様で加熱される。たとえば、底部、つまりベースドーム領域10bは、容器10の中央領域10cとは異なるように加熱される。
【0041】
加熱された空気がプリフォームの輸送または運搬にも利用されるか、輸送機器14がエアコンベヤとして設計されるようにすること、あるいは加熱された空気が少なくともプリフォームの輸送を援助するように供給されるようにすることが可能である。
【0042】
容器のサポートリング10dは、この場合、輸送機器14の外壁、つまり上面28に当てて支持することができる。このように、プリフォームのねじ山領域10aを輸送機器の外に案内し、その結果、これを加熱しないようにすることができる。したがって、上面は同時に、遮断手段としても機能する。このように、ねじ山領域10aは室温の温度環境にある。このようにして、プリフォームは特定のゾーンにおいて的を絞って予備加熱することができる。ここで、問題ゾーンとなるベースドーム10bは、より高温、たとえば摂氏約65度まで加熱される。容器のこの実施例において、容器の中央領域10cは50度の温度まで加熱することができる。さらに、ねじ山領域10aは、これが輸送機器14の外にあることから、この領域を冷却することさえ可能である。
【0043】
参照番号18は、2つの温度ゾーン16,17を相互に分離するウェブを示す。したがって、下側温度ゾーン16と上側温度ゾーン17に、好ましくは異なる供給ラインによって、異なる温度の空気を供給することが可能となる。
【0044】
プリフォームを予備加熱するための温度はできるだけ高いほうが好ましいが、好ましくは材料のガラス転移温度より低い。PETの場合、これは摂氏約70から75度の範囲にある。さらに、図2に示されるシュートの中でプリフォームを分離する前に、温度は、プリフォームが相互に付着し、分離工程を妨害しないようにするために、高すぎるべきではない。前述のように、この領域の好ましい温度は30から40℃である。プリフォームの口部分10aおよびサポートリング10dが50度より高い温度まで加熱されるべきではないことにも注意すべきである。
【0045】
図5は、本発明による装置のまた別の実施例を示す。この実施例では、赤外線エミッタ21,27が温度ゾーン16,17において追加で利用され、これによって重要なベースドーム領域10bとサポートリング10dの下の領域10eが追加で加熱される。このような追加の赤外線エミッタまたは赤外線加熱ユニット21,27により、事前に、あるいは事後に、これらの領域における温度を(上方向に)補正することが可能となる。
【0046】
本出願書類において開示された特徴はすべて、これらが個々に、または組み合わせにより、先行技術に対して新規であるかぎり、本発明の本質的事項として請求される。
【符号の説明】
【0047】
1 加熱装置、4 追加の加熱機器、予備加熱ユニット、5 ファン、6,7 供給ライン、給気ユニット、8 熱交換器、10 容器、プリフォーム、10a 容器のねじ山領域、容器の口部分、10b 容器のベースドーム、10c 容器の中央領域、10d 容器のサポートリング、12 第一の輸送機器、13,15 輸送経路、14 輸送機器、16,17 温度ゾーン、18 分離用ウェブ、20 マイクロ波加熱ユニット、21,27 赤外線エミッタ、22 マイクロ波発生器、24 共振器、25 キャリア、マイクロ波導体、32 シュート、34 ベルト。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器(10)、特にプリフォーム(10)、を加熱するための装置(1)であって、マイクロ波発生器(22)とマイクロ波導体(25)とを有するマイクロ波加熱機器(20)を備えるとともに、容器(10)を輸送するための輸送機器(12)を備え、
前記装置(1)はさらに、前記容器(10)を加熱する追加の加熱機器(4)を備え、前記追加の加熱機器(4)は前記容器(10)の輸送方向において前記マイクロ波加熱機器(20)の上流に配置された予備加熱ユニット(4)であることを特徴とする装置(1)。
【請求項2】
請求項1に記載の装置であって、
前記加熱機器(4)は、前記容器(10)を加熱された気流にさらす給気ユニット(6,7)を備えることを特徴とする装置(1)。
【請求項3】
請求項1と2の少なくとも1つによる装置(1)であって、
前記装置(1)は、前記マイクロ波発生器(20)と熱交換連結関係にある熱交換器(8)を備えることを特徴とする装置(1)。
【請求項4】
請求項1から3の少なくとも1つによる装置(1)であって、
前記加熱機器(4)は、それが前記容器(10)の局所的に異なる各領域を異なる態様で熱にさらするように設計されていることを特徴とする装置。
【請求項5】
請求項1から4の少なくとも1つによる装置(1)であって、
前記装置(1)は輸送機器(14)を備え、前記輸送機器は少なくとも2つの異なる温度ゾーン(16,17)を有し、その中で前記容器(10)の異なる各領域が異なる態様で加熱されることを特徴とする装置(1)。
【請求項6】
請求項1から5の少なくとも1つによる装置(1)であって、
前記輸送機器(14)は輸送経路(15)を有し、その中を前記容器が輸送されることを特徴とする装置(1)。
【請求項7】
請求項1から6の少なくとも1つによる装置(1)であって、
前記容器(10)のねじ山領域(10a)が加熱されないようにするための遮断機器(28)が設けられていることを特徴とする装置(1)。
【請求項8】
容器を形成するためにプリフォーム(10)を膨張させるためのシステムであって、
請求項1から7の少なくとも1つによる装置と、前記容器の輸送方向において前記装置(1)の後方に配置され、圧縮空気を使って前記プリフォーム(10)を膨張させて容器を形成する吹込み機器と、を備えることを特徴とするシステム。
【請求項9】
容器(10)が第一の輸送機器(12)によって輸送され、この輸送中に加熱のためにマイクロ波加熱機器(20)によりマイクロ波照射を受ける、容器(10)、特にプリフォーム(10)を加熱するための方法であって、
前記容器(10)は、前記マイクロ波照射を受ける前に追加の加熱機器(4)によって加熱されることを特徴とする方法。
【請求項10】
請求項8に記載の方法であって、
前記容器(10)を加熱するための前記追加の加熱機器(4)は、前記マイクロ波加熱機器(20)からの廃熱を利用することを特徴とする方法。
【請求項11】
請求項1から10の少なくとも1つによる方法であって、
前記容器(10)の異なる各領域が前記追加の加熱機器(4)によって異なる態様で加熱されることを特徴とする方法。
【請求項12】
請求項1から11の少なくとも1つによる方法であって、
前記容器(10)の中の加熱されるべき領域が連続的に移動および/または加熱されることを特徴とする方法。
【請求項13】
請求項1から12の少なくとも1つによる方法であって、
前記容器(10)のある領域が、前記加熱機器(4)によって加熱されないようにするように遮断されることを特徴とする方法。
【請求項14】
請求項1から13の少なくとも1つによる方法であって、
前記加熱機器(4)は前記容器(10)の中央領域(10c)を、40℃から60℃、好ましくは45℃から55℃の温度に加熱することを特徴とする方法。
【請求項15】
請求項1から14の少なくとも1つによる方法であって、
前記加熱機器(4)は前記容器(10)の下側領域(10b)を、50℃から80℃、好ましくは60℃から70℃の温度に加熱することを特徴とする方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−226950(P2009−226950A)
【公開日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2009−55912(P2009−55912)
【出願日】平成21年3月10日(2009.3.10)
【出願人】(508120916)クロネス アーゲー (65)
【Fターム(参考)】