説明

容器入り調味料及び調味料用容器

【課題】 微粉末に加工した焼成食塩および調味食塩を噴霧口径0.7mm以下の噴霧容器に充填し噴霧することで食塩および調味食塩を素材の下味や調理後の料理に均一かつ少量づつ添加できることで素材や料理への塩分添加を均一にするほか塩分量を細かく調整できることを目的とする。
【解決手段】 食塩等の調味料を粒子径500μ以下に粉末加工したものを専用の可撓性樹脂噴霧容器に充填噴霧し、容器形状、材質、噴霧口径および粒子径を検証し課題を解決するためのふさわしい形態を導く。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食塩などの調味料を粉末状或いはパウダー状(以下、単に「粉末状」と称す)に加工された粉末状食塩などの容器入り調味料に係り、特に、容器本体を手指等により押圧して、一定量の食塩などの調味料を微量に調節し均一に調理品や食材に噴霧することのできる粉末状容器入り調味料及び粉末状調味料入り容器に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、粉末収容容器の内部に粉末取出し管を立設し、上端を容器の外に突出させて開閉蓋を取り付けるとともに、この粉末取出し管の下端部は粉末貯留部から一定の高さに開口する狭小通路に形成した容器や(特許文献1)、容器内部の粉末取出し管(導管)の容器本体内位置を高さ調節可能に設けることにより調味料を一定量振り出せるようにした容器(特許文献2)が提案されている。
【0003】
また、調味料の振出容器の先端にコイルばねを設け、一端部が振出口に対応した状態で上下方向に延びるように配置され、当該コイルばね内部の閉塞ボールにより振出口の開閉並びに振り出される調味料を定量かつ連続的に振り出すようにした容器が提案されている(特許文献3)。
【0004】
さらに、食塩等を焼成することにより粉末状に製造する方法も知られているが(特許文献4)、その包装は依然として上述の袋や瓶などに一定量収容して食卓用調味料入れとして使われているのが一般的であり、食塩などの調味料を微量に調節し均一に噴霧できるものはない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実開昭50−57842号
【特許文献2】実開平6−64582号
【特許文献3】特開2003−192057号
【特許文献4】特開2004−141148号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述した従来の容器入り調味料は、特許文献1や同2で提案されている容器本体に設けられた粉末取出し管や導管の口径が大きすぎるため、必要とする食塩等の調味料の取出量を微量に調節することができない。
【0007】
さらに、上述した従来の粉末調味料入り容器は、定量添加のため導管等を改良しているが特許文献3にあるように、複雑な構造を採用しているため使い勝手が悪く不具合の原因ともなっていた。
【0008】
本発明は、粉末状の調味料、特に食塩や調味食塩を使用する際に、微妙な添加量(塩加減)の調整と同時に素材や料理に均一に添加することを、簡易かつ効率的に行うことを可能にする食塩等の調味料入り容器及び食塩等を収納し、かつ調理場や食卓等で利用できる容器入りの調味料を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明によれば、食塩等の調味料であって、可撓性素材で形成された容器本体と、当該容器本体の内側及び外側を連通する調味料通過孔を有する導管とを備え、当該容器に収納された食塩等の調味料を容器本体を外側から押圧し、収納されている調味料を導管を介して外部に突出させることを特徴とする容器入り調味料が得られる。
【0010】
また、本発明によれば、上記容器に収容された調味料が焼成食塩またはミネラル成等の調味原料を混合した焼成食塩であって、かつ食塩の粒径が500ミクロン以下の微粉末に加工した食塩である容器入り調味料が得られる。
【0011】
また、本発明によれば、上記容器本体内の導管に設けられた調味料通過孔の直径が0.7mm以下であることを特徴とする容器入り調味料が得られる。
【0012】
また、本発明によれば、食塩等の調味料を内部に収容する調味料用の容器であって、可撓性素材で形成された容器本体と、当該容器本体の内側及び外側を連通する調味料通過孔を有する導管とを備え、当該容器に収納された食塩等の調味料を容器本体を外側から押圧し、収納されている調味料を導管を介して外部に突出させることを特徴とする食塩等の調味料用の容器が得られる。
【発明の効果】
【0013】
本発明は、食塩および調味食塩を容器で微粉末噴霧使用できることから調理素材や料理に微量に調整しながら均一に添加できるため、料理人が思いのまま細かな塩加減調整および風味づけができる。また、食塩の過添加を防止ができることから減塩料理の調理にも貢献できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明に係る調味料の収容された容器の縦断面図
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明を実施する上で、容器形態および内容物の最良の粒子径について検証を行った。図1に示す容器本体1、中栓キャップ3、導管4、容器キャップ2の全ての部品は食塩を使用するため錆び発生の心配のない樹脂製が望ましい。また、容器本体は噴霧は可撓性素材樹脂容器であって指で押圧することから柔らかい材質のポリプロピレン製が噴霧時の指への負担が少なく望ましい。中栓キャップ3は導管4を有する。
【0016】
導管の長さは、図1中栓キャップ下部から下5mm以上、容器本体下部から上5mm以上の範囲で使用できる。中栓噴霧口径は噴霧時の抵抗を考慮して導管内径と等しいことが望ましい。容器キャップ2は内容物の漏れ防止、湿気防止の点で必要である。
【0017】
次に中栓キャップ噴霧口(=導管)の内径と内容物の最良の粒子径を導きだすために食塩を用いて、以下に示す各表の通り検証試験を行った。
【0018】
【表1】

【0019】
【表2】

【0020】
【表3】

【0021】
この試験では容器本体1の内容量30mlの容器内に、食塩15mlを充填し食塩粒径を600μ以下〜250μ以下の検体を噴霧口径0.7mmと0.5mmの2種類において噴霧量の測定を行った。この試験では1回の噴霧量が微量なため容器本体に同じ圧力を30回加え噴霧口から排出された食塩の総重量を測定、この平均値をもって1回の噴霧量とした。
【0022】
測定結果として、表A噴霧口径0.7mmの容器に充填した食塩噴霧量は粒径250μ以下の食塩噴霧量が最も多く、粒径600μ以下の食塩の噴霧量は極端に減少した。表B噴霧口径0.5mmの容器に充填した食塩噴霧量は粒径250μ以下の食塩噴霧量が最も多く、粒径500μ以下の食塩の噴霧量は極端に減少した。
【0023】
これらの結果から噴霧口径0.7mm噴霧容器の場合、食塩粒子500μ以下から250μ以下であれば本発名の課題を解決できる。噴霧口径0.5mm噴霧容器の場合、食塩粒子400μ以下から250μ以下であれば本発名の課題を解決できる。噴霧口径0.5mm、0.7mmのいずれ容器においても食塩粒子径は250μ以下が最も望ましい。
【0024】
また、噴霧容器への内容物の充填量による噴霧量を検証した。表Cの通り容器本体容積30ml、噴霧口径0.5mmの噴霧容器に粒径250μ以下の食塩を充填し噴霧量の測定を行った。この試験では1回の噴霧量が微量なため容器本体に同じ圧力を30回加え噴霧口から排出された食塩の総重量を測定、この平均値をもって1回の噴霧量とした。
【0025】
上記の試験の結果から容器充填量が5ml〜20mlの間でほぼ一定の噴霧量が得られた。容器容積全量(30ml)を充填した場合は微量の噴霧量しか得られなかった。これは、微粉末粒子は容器内の空気と混合されて排出されるため容器内の空気量が少ないこと、押圧しても容器が撓まないため排出されない。
【0026】
また、充填量が極端に少なくなった場合として1mlの場合の排出量は極端に減少するが、押圧することで微粉末の内容物は容器内で拡散され導管へと導かれるため本発明の課題が解決されることが解った。これらのデータから充填量は5ml〜20ml(容器容量の約16%〜66%)が望ましい。
【産業上の利用可能性】
【0027】
本発明は、繊細な味付けを要求される料理や焼魚、焼き鳥などの塩加減調整に優れていることから、家庭用及び業務用の調理現場で使いやすい容器入り調味料として食品産業及び包装容器における産業において利用することができる。
【符号の説明】
【0028】
1 容器本体
2 容器キャップ
3 中栓キャップ
4 導管
5 微粉末食塩等の調味料
6 中栓噴霧口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
食塩等の調味料であって、可撓性素材で形成された容器本体と、当該容器本体の内側及び外側を連通する調味料通過孔を有する導管とを備え、当該容器に収納された食塩等の調味料を容器本体を外側から押圧し、収納されている調味料を導管を介して外部に突出させることを特徴とする食塩等の容器入り調味料。
【請求項2】
請求項1記載の容器入り調味料において、容器本体に収容された調味料が食塩またはミネラル成分等の調味原料を混合した食塩であって、かつ、食塩の粒径が500ミクロン以下の微粉末に焼成加工した食塩である容器入り調味料
【請求項3】
請求項1又は請求項2記載の容器入り調味料であって、容器本体に収容される調味料が焼成食塩及びミネラル成分等の調味原料を混合した調味料であって、かつ、調味原料及び焼成食塩が粒径500ミクロン以下の微粉末に加工されていることを特徴とする容器入り調味料
【請求項4】
請求項1ないし請求項3記載の容器入り調味料であって、容器本体内の導管に設けられた調味料通過孔の直径が0.7mm以下であることを特徴とする容器入り調味料
【請求項5】
食塩等の調味料を内部に収容する調味料用の容器であって、可撓性素材で形成された容器本体と、当該容器本体の内側及び外側を連通する調味料通過孔を有する導管とを備え、当該容器に収納された食塩等の調味料を容器本体を外側から押圧し、収納されている調味料を導管を介して外部に突出させることを特徴とする食塩等の調味料用の容器。

【図1】
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【公開番号】特開2012−10690(P2012−10690A)
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−164331(P2010−164331)
【出願日】平成22年7月2日(2010.7.2)
【出願人】(510196338)有限会社グローバルアイ (1)
【Fターム(参考)】