説明

容器搬送装置

【課題】アキュームコンベヤ4に蓄積した容器Bを排出する際に、排出通路8、10の入口で容器が詰まることを防止する。
【解決手段】ループ状の搬送路を有するアキュームコンベヤ4と、アキュームコンベヤに容器Bを供給する供給コンベヤ2と、アキュームコンベヤの搬送路の外周側に接続され、アキュームコンベヤから容器を排出する排出通路8、10と、排出通路の満杯を検出する満杯検出センサー40、42を備えている。排出通路よりも上流側に、揺動してアキュームコンベヤを搬送されている容器の方向を変更する方向変更手段31と、この方向変更手段を制御する制御手段を設ける。排出通路が満杯でない時は、方向変更手段の第1揺動ガイド32を後退させて容器を排出通路に導入し、満杯のときは、容器が排出通路に入らず、アキュームコンベヤのループ状搬送路を搬送されるように方向を変える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は容器搬送装置に係り、特に、蓄積した容器を循環搬送するループ式のアキュームコンベヤを備えた容器搬送装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ループ式のアキュームコンベヤを備えた容器搬送装置は従来から知られている(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1に記載された発明(発明の名称は製品搬送および集積システム)では、上流のステーションから下流のステーションに製品を移動させる直線状のコンベヤと、循環する単一のコンベヤ経路を有するアキュームレータコンベヤとを備えている。前記直線状のコンベヤの上流部が供給コンベヤ、下流部が排出コンベヤを構成し、アキュームレータコンベヤはこの直線状のコンベヤに隣接して走行する。
【0003】
前記特許文献1に記載された発明の構成では、通常運転中は、上流の供給コンベヤから供給された製品が下流の排出コンベヤに搬送され、下流で製造の混乱がある場合には、排出コンベヤの入口をストッパによって閉鎖して製品をアキュームレータコンベヤ側へ案内し、下流の製造の混乱または停止が対処および修復された後、排出コンベヤの入り口を開放して製品を排出コンベヤに流すようになっている。
【特許文献1】特表2005−506941号公報(第6−7頁、図2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記従来の発明の構成では、下流側の異常によりアキュームレータコンベヤに集積した製品を、下流側が修復した後排出コンベヤに流す場合に、ストッパを開放して排出コンベヤへの導入を開始すると、アキュームコンベヤ上に密集した状態になっている製品が排出コンベヤの入口で詰まってしまう危険性があった。また、前記従来の装置の下流側にラベラ等の処理装置を2台配置して容器を分岐させて排出しようとした場合に、容器を2列に均等に分岐させ、しかも、後方の容器から押圧がかからないようにすることが困難であった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、容器を供給する供給コンベヤと、ループ状の搬送路を有し、前記供給コンベヤから受け取った容器を多列で搬送可能なアキュームコンベヤと、このアキュームコンベヤの搬送路の外周部に接続され、アキュームコンベヤ上の容器を下流へ搬送する排出コンベヤと、容器を案内するガイド部材によって排出コンベヤ上に形成された排出通路と、この排出通路が満杯になったことを検出する満杯検出手段と、前記排出通路の上流側に配置され、アキュームコンベヤの搬送路の外周部を搬送される容器に係合して容器の方向を変更可能な方向変更手段と、この方向変更手段を制御する制御手段とを備え、前記方向変換手段が、アキュームコンベヤの搬送路の外側に支点を有して揺動する揺動ガイドからなり、前記満杯検出手段からの信号が入力されない時には、揺動ガイドの下流端を排出通路の外側に位置させて、容器を排出通路に案内し、前記満杯検出手段から満杯の信号が入力された時には、揺動ガイドの下流端を排出通路よりも内部側に位置させて、容器を排出通路に案内せず、アキュームコンベヤを循環搬送させることを特徴とするものである。
【0006】
また、請求項2に記載した発明は、前記満杯検出手段から満杯の信号が入力された時には、前記排出コンベヤを停止させることを特徴とするものである。
【0007】
また、請求項3に記載した発明は、容器を供給する供給コンベヤと、ループ状の搬送路を有し、前記供給コンベヤから受け取った容器を多列で搬送可能なアキュームコンベヤと、このアキュームコンベヤの搬送路の外周部に接続され、アキュームコンベヤ上の容器を下流へ搬送する排出コンベヤと、容器を案内するガイド部材によって排出コンベヤ上に形成された第1排出通路および第2排出通路と、第1排出通路が満杯になったことを検出する第1満杯検出手段と、第2排出通路が満杯になったことを検出する第2満杯検出手段と、前記排出通路の上流側に配置され、アキュームコンベヤの搬送路の外周部を搬送される容器に係合して容器の方向を変更可能な方向変更手段と、この方向変更手段を制御する制御手段とを備え、前記方向変換手段が、アキュームコンベヤの搬送路の外側に支点を有して揺動する揺動ガイドからなり、前記両満杯検出手段からの信号が入力されない時には、揺動ガイドの下流端を前記第1排出通路および第2排出通路の外側に位置させて、容器をこれら第1排出通路および第2排出通路に案内し、前記両満杯検出手段から満杯の信号が入力された時には、揺動ガイドの下流端を第1排出通路および第2排出通路よりも内部側に位置させて、容器を第1排出通路および第2排出通路に案内せず、アキュームコンベヤを循環搬送させることを特徴とするものである。
【0008】
また、請求項4に記載した発明は、前記揺動ガイドよりも下流で、第1排出通路および第2排出通路の中間のこれら排出通路よりも上流側を支点とする第2揺動ガイドを設け、前記揺動ガイドとこの第2揺動ガイドの位置を制御することにより、前記第1排出通路、第2排出通路およびアキュームコンベヤのいずれかに選択的に容器を案内することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0009】
請求項1に記載した発明の容器搬送装置は、排出コンベヤの上流に、容器に係合して方向を変更可能な方向変更手段を設け、排出コンベヤが満杯か否かによって、方向変更手段を構成する揺動ガイドの位置を制御することにより、排出コンベヤへの供給を再開した際にも、排出コンベヤの入口で容器の詰まりが発生することを防止でき、容器に押圧がかかって変形することを防止することができる。
【0010】
また、請求項3に記載の発明では、排出コンベヤ上に2列の排出通路を設けるとともに、各排出通路が満杯であることを検出する満杯検出手段をそれぞれ設けたことにより、アキュームコンベヤに蓄積した容器を排出する場合でも、2列に均等に分岐させることができ、しかも、後方の容器からの押圧がかからないようにすることができる。
【0011】
さらに、請求項4に記載の発明では、排出コンベヤ上に設けた2列の排出通路の中間に位置する第2の揺動ガイドを設け、前記揺動ガイドとこの第2揺動ガイドの位置を制御することにより、容器を前記第1および第2排出通路へほぼ均等に分岐させることができ、しかも、後方の容器から押圧がかかることを防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
容器を供給する供給コンベヤと、この供給コンベヤから供給された容器を搬送する、ループ状の搬送路を有するアキュームコンベヤと、アキュームコンベヤの外周側に接続された排出コンベヤと、排出コンベヤ上に設けた排出通路と、排出通路が満杯になったことを検出する満杯検出手段とを備え、さらに、排出通路の上流側に配置された揺動ガイドを、アキュームコンベヤの外周部を搬送される容器に係合させて方向を変更する方向変更手段と、この方向変更手段の作動を制御する制御手段を設け、排出通路が満杯でない時には、揺動ガイドを容器に係合しない位置に後退させて、容器をそのまま排出通路に案内し、排出通路が満杯の時には、揺動ガイドをアキュームコンベヤの内部側に揺動させて、容器をアキュームコンベヤのループ状の搬送路内に導入して循環搬送させるという構成にしたことにより、アキュームコンベヤに蓄積した容器を排出コンベヤに排出する際に詰まることを防止するという目的を達成する。
【実施例1】
【0013】
以下、図面に示す実施例により本発明を説明する。図1は本発明の一実施例に係る容器搬送装置の全体の構成を示す平面図、図2は図1のII−II線に沿う断面図であり、この容器搬送装置に設けられた第1揺動ガイドを示す図、図3は図1のIII−III線に沿う断面図であり、この容器搬送装置に設けられた第2揺動ガイドを示す図である。
【0014】
図1において、2は上流側の容器処理装置(図示せず)から容器Bを供給する供給コンベヤ、4はこの供給コンベヤ2から供給された容器Bを受け取って搬送するループ状のアキュームコンベヤ、6はこのアキュームコンベヤ4の搬送路の外周部を一部含み、さらに、アキュームコンベヤ4の外部へと伸びる排出コンベヤである。この排出コンベヤ6上には、2列の排出通路8、10が形成されており、この容器搬送装置から排出された容器Bは、2列の排出通路8、10に案内されて搬送された後、それぞれの下流側に接続された2本の搬送コンベヤ12、14を介して下流側の2台の容器処理装置(図示せず)等に送られる。
【0015】
アキュームコンベヤ4の一部を構成しているU字状に湾曲した第1コンベヤ部4Aの一端部4Aaに供給コンベヤ2が接続されており、この端部4Aaが、供給コンベヤ2から容器Bが供給されるアキュームコンベヤ4の入口部になっている。この第1コンベヤ部4Aの外周側に隣接して第2コンベヤ部4Bが配置されている。前記供給コンベヤ2とこの供給コンベヤ2に接続された第1コンベヤ部4Aの一部(前記アキュームコンベヤ4の入口部4Aa)が、第1モータ16Aによって駆動される。また、第1コンベヤ部4Aおよび第2コンベヤ部4Bは、それぞれ第2モータ16Bおよび第3モータ16Cによって駆動される。
【0016】
前記第1コンベヤ部4Aの下流部の内側に隣接して、前記第1および第2コンベヤ部4A、4Bと同一の幅を有する2本の直線状コンベヤ部(第3コンベヤ部4Cおよび第4コンベヤ部4D)が平行に配置されている。これら第3コンベヤ部4Cおよび第4コンベヤ部4Dは、単一の第4モータ16Dによって駆動される。
【0017】
第3コンベヤ部4Cおよび第4コンベヤ部4Dの下流側に連続して、それぞれ同一の幅を有する直線状の第5コンベヤ部4Eおよび第6コンベヤ部4Fが配置されている。さらに第6コンベヤ部4Fの下流側に、第6コンベヤ部4Fよりやや幅広で、長さの短い第7コンベヤ部4Gが接続されている。内側の第5コンベヤ部4Eは第5モータ16Eによって駆動され、外側の第6コンベヤ部4Fおよびその下流に連続する第7コンベヤ部4Gは、第6モータ16Fによって駆動される。これら第6コンベヤ部4Fおよびその下流に連続する第7コンベヤ部4Gが前記排出コンベヤ6を構成しており、これら両コンベヤ部4F、4G上に、前記排出通路8、10が設けられている。
【0018】
第3コンベヤ部4Cおよび第4コンベヤ部4Dの下流端と、第5コンベヤ部4Eおよび第6コンベヤ部4Fの上流端との間に、渡り板18が設けられており、第3コンベヤ部4Cおよび第4コンベヤ部4Dによって搬送されてきた容器Bは、この渡り板18を通過して第5コンベヤ部4Eおよび第6コンベヤ部4Fに乗り移るようになっている。なお、渡り板18の幅を半分にして第6コンベヤ部4F側にだけ設け、第3コンベヤ部4Cおよび第5コンベヤ部4Eを1本のコンベヤとしても良い。
【0019】
直線状の第5コンベヤ部4Eの下流部の内側に、U字状に湾曲した第8コンベヤ部4Hおよび第9コンベヤ部4Jが平行して配置されている。これら第8コンベヤ部4Hおよび第9コンベヤ部4Jは、それぞれ第7モータ16Gおよび第8モータ16Hによって駆動される。
【0020】
U字状に湾曲した第8コンベヤ部4Hの下流部の内周側と、前記第2コンベヤ部4Bの上流部の外周側との間に、2本の平行な直線状の第10コンベヤ部4Kおよび第11コンベヤ部4Lが配置されている。これら第10コンベヤ部4Kおよび第11コンベヤ部4Lは、それぞれ第9モータ16Jおよび第10モータ16Kによって駆動される。
【0021】
前記供給コンベヤ2は、アキュームコンベヤ4および排出コンベヤ6よりも速い速度で走行するようになっており、供給コンベヤ2の速度をV1、アキュームコンベヤ4の速度をV2、排出コンベヤ6の速度をV3とすると、
V2=V3=1/2〜1/3V1 ……(1)
となっており、供給コンベヤ2によってV1の速度で搬送されてきた容器Bは、アキュームコンベヤ4に乗り移った際に、V2の速度に減速されるので、供給コンベヤ2によって1列で供給されてきた容器Bは、2〜3列に分散されてアキュームコンベヤ4上を搬送される。
【0022】
前記第1コンベヤ部4Aおよび第2コンベヤ部4Bの上流部と、この上流部に隣接して配置されている第10コンベヤ部4Kおよび第11コンベヤ部4Lの下流部との間に、第10および第11コンベヤ部4K、4Lから第1および第2コンベヤ部4A、4Bに容器Bを乗り移らせる一対の斜行ガイド20A、20Bが設けられている。一対の斜行ガイド20A、20Bのうち内側の斜行ガイド20Bの一部20Baが開放しており、この開放した部分20Baと前記供給コンベヤ2から容器Bが供給される入口部4Aaとの間に、導入ガイド22A、22Bが設けられている。
【0023】
また、U字状に湾曲した第1コンベヤ部4Aおよび第2コンベヤ部4Bの直線状の下流部と、この下流部に隣接する第3コンベヤ部4Cおよび第4コンベヤ部4Dの上流部との間に、第1および第2コンベヤ部4A、4Bから第3および第4コンベヤ部4C、4Dに容器Bを乗り移らせる一対の斜行ガイド24A、24Bが設けられている。
【0024】
直線状の第5コンベヤ部4Eおよび第6コンベヤ部4Fの下流部と、第5コンベヤ部4Eの内側に配置された第8コンベヤ部4Hおよび第9コンベヤ部4Jの直線状の上流部との間に、第5および第6コンベヤ部4E、4Fから第8および第9コンベヤ部4H、4Jに容器Bを乗り移らせる一対の斜行ガイド26A、26Bが設けられている。
【0025】
この一対の斜行ガイド26A、26Bのうち外側の斜行ガイド26Bの上流部(前記第6コンベヤ部4F上に位置している部分26Ba)が開放しており、この開放した部分26Baから排出コンベヤ6(第6コンベヤ部4Fおよび第7コンベヤ部4G)の下流側に向かって3本の平行なガイド部材28A、28B、28Cが配置されている。これら各ガイド部材28A、28B、28C間の間隔は、搬送される容器Bの直径(容器Bが非円形容器の場合にはその最大幅のサイズ)よりもやや大きい間隔で配置されており、各2本のガイド部材28Aと28B、28Bと28C間で排出される容器Bを案内するようになっている。各2本のガイド部材28Aと28B、28Bと28C間が、それぞれ容器Bの排出通路8、10を形成している(以下、第1排出通路8および第2排出通路10と呼ぶ)。これら第1排出通路8および第2排出通路10は、第7コンベヤ部材4G上で左右に分離し、それぞれ第1搬送コンベヤ12および第2搬送コンベヤ14に接続される。
【0026】
湾曲した第8コンベヤ部4Hおよび第9コンベヤ部4Jの下流部と、直線状の第10コンベヤ部4Kと第11コンベヤ部4Lの上流部との間に、第8および第9コンベヤ部4H、4Jから第10および第11コンベヤ部4K、4Lに容器Bを乗り移らせる一対の斜行ガイド30A、30Bが設けられている。
【0027】
前記アキュームコンベヤ4は、平行する2本のコンベヤ部(第1および第2コンベヤ部4A、4B、第3および第4コンベヤ部4C、4D、第5および第6コンベヤ部4E、4F、第8および第9コンベヤ部4H、4J、第10および第11コンベヤ部4K、4L)の両側部と、前記斜行ガイド20A、20B、24A、24B、26A、26B、30A、30Bとによって容器Bを循環搬送させるループ状の搬送路が形成されている。供給コンベヤ2からこのアキュームコンベヤ4上に供給された容器Bは、斜め方向を向いた導入ガイド22A、22Bによって、第1コンベヤ部4Aおよび第2コンベヤ部4Bに載せられて搬送される。第1コンベヤ部4Aおよび第2コンベヤ部4Bの湾曲した部分を搬送された容器Bは、斜行ガイド24A、24Bによって第1コンベヤ部4Aおよび第2コンベヤ部4Bから第3コンベヤ部4Cおよび第4コンベヤ部4Dに乗り移る際に、この斜行ガイド24A、24Bによって搬送方向を変えられるため、通常の運転時には、外周側の第4コンベヤ部4D上に幅寄せされて搬送される。
【0028】
前記第4コンベヤ部4Dの下流部の側方に、搬送される容器Bに係合してその搬送方向を変更可能な方向変更手段31が設けられている。この実施例では、方向変更手段31が、上流側(図1の左側)の支点32aを中心として揺動する揺動ガイド32(以下第1揺動ガイドと呼ぶ)によって構成されている(図1および図2参照)。この揺動ガイド32は、L字状に折り曲げられた板体から構成されており、折り曲げられた短辺32bを搬送方向の下流側に向け、かつ、長辺32cをアキュームコンベヤ4の内部側に向けており、前記支点32aを中心として揺動する。
【0029】
この揺動ガイド32は、第4コンベヤ部4Dの外部に、この第4コンベヤ部4Dと直交する方向を向けて配置されたサーボシリンダ34の作動ロッドに連結され、このサーボシリンダ34の作動によって、アキュームコンベヤ4の搬送路上を搬送方向の左右に進退動する。この揺動ガイド32がアキュームコンベヤ4の内部側に揺動した時には、第4コンベヤ部4D上を搬送されてきた容器Bを隣接する第3コンベヤ部4C方向に押し出して、この第4コンベヤ部4Dの下流側に連続して配置されている第6コンベヤ部4F(排出コンベヤ6)上に設けられた第1、第2の排出通路8、10内に容器Bが入らないようにする。また、アキュームコンベヤ4の外部側に揺動した時には、第4コンベヤ部4Dの側部付近、あるいはその外側に位置して、第4コンベヤ部4D上を搬送されている容器Bに係合せず、あるいは僅かに係合して、これら容器Bを前記第1および第2排出通路8、10に導入するようになっている。この揺動ガイド32は、図示しない制御装置によってその動作を制御される。
【0030】
前記第1揺動ガイド32は、第4コンベヤ部4Dの下流端、つまり、排出コンベヤ6のやや上流側に設けられており、この第1揺動ガイド32よりも下流側の、しかも排出コンベヤ6(第6コンベヤ部4F)の上流部に、第2の揺動ガイド36が設けられている(図1および図3参照)。この第2揺動ガイド36は、前記図示しない制御装置によってその動作を制御されるようになっており、前記第1揺動ガイド32とこの第2揺動ガイド36の動作を制御することにより、搬送されてきた容器Bを、第1排出通路8、第2排出通路10およびアキュームコンベヤ4の内部(アキュームコンベヤ4の循環する搬送路)のいずれかに選択的に送ることができる。
【0031】
第2揺動ガイド36は、前記第1および第2排出通路8、10の中間のガイド部材28Bの、上流側の延長線上に設けた支点36aを中心に揺動するようになっており、前記第1揺動ガイド32と同様に、排出コンベヤ6の搬送方向と直交する方向を向けて配置されたサーボシリンダ38の作動ロッドに連結され、このサーボシリンダ38の作動により揺動する。この第2揺動ガイド36は、図1に示すように前記2本の排出通路8、10の中間に位置するガイド部材28Bと同一直線上の位置と、後に説明する図4(c)に示すように、排出コンベヤ6上の第1排出通路8に容器Bが送り込まれるレーンを塞ぐ位置との間を揺動する。
【0032】
2本の排出通路8、10には、それぞれ満杯になったことを検出する満杯検出手段(第1満杯検出センサー40および第2満杯検出センサー42)が設けられている。これら第1および第2満杯検出センサー40、42のいずれからも制御装置に満杯の信号が入力されていない時、つまり、両排出通路8、10ともに容器Bが搬送されている時には、容器Bがそのまま排出通路8、10に導入されるように、第1揺動ガイド32をアキュームコンベヤ4の外側方向(図1の下方)に揺動させる。また、第1排出通路8および第2排出通路10の両方が満杯になった時には、アキュームコンベヤ4の内部側に大きく揺動して、第1排出通路8および第2排出通路10のいずれにも容器Bが導入されないようにする。
【0033】
さらに、前述のように前記第1揺動ガイド32の下流側で、かつ、第1および第2排出通路8、10のやや上流側には、第2揺動ガイド36が設けられており、前記第1満杯検出センサー40および第2満杯検出センサー42からの信号に応じて、前記第1揺動ガイド32と第2揺動ガイド36の動作を組み合わせることにより、容器Bを排出する排出通路8、10を変更することができる。第1排出通路8が満杯の時には、第1揺動ガイド32は、第1および第2排出通路8、10に容器Bを供給可能な位置に後退するとともに、第2揺動ガイド36を揺動させることによって第1排出通路8に容器Bが導入されることを阻止する。また、第2排出通路10が満杯の時には、第1揺動ガイド32をアキュームコンベヤ4の内部側に小さく揺動させて、第2排出通路10には入らず、全て第1排出通路8に導入させるように容器Bを流し、かつ、第2揺動ガイド36は、2本の排出通路8、10の中央に位置するガイド部材28Bが配置されている直線上に位置させて、容器Bの進行方向に影響を与えないようにする。
【0034】
前記構成の容器搬送装置の作動について、前記図1〜図3および図4(a)〜(d)により説明する。この容器搬送装置の上流側に設けられている容器処理装置(図示せず)で処理された容器Bが供給コンベヤ2によって搬送されてアキュームコンベヤ4に供給される。前記(1)式に示すように、供給コンベヤ2は、アキュームコンベヤ4の2〜3倍の速度で走行しており、供給コンベヤ2によって1列で供給されてきた容器Bは、アキュームコンベヤ4上で2〜3列に分散して搬送される。
【0035】
供給コンベヤ2からアキュームコンベヤ4の入口部4Aaに供給された容器Bは、導入ガイド22A、22Bを介してアキュームコンベヤ4の第1コンベヤ部4Aおよび第2コンベヤ部4B上に載せられる。容器Bは第1コンベヤ部4Aおよび第2コンベヤ部4Bの湾曲部を通って下流側へ搬送されると、傾斜ガイド24A、24Bによって第1および第2コンベヤ部4A、4Bから第3および第4コンベヤ部4C、4Dに移される。このとき図1の左側から右側へ向かって搬送されつつ、図の下方から上方へ強制的に進路を変えられるので、搬送される容器Bは、外側の斜行ガイド24Bに沿って移動し、外側の搬送路(第4コンベヤ部4D)上に幅寄せされて搬送される。
【0036】
容器Bが乗り移った第4コンベヤ部4Dの下流部には、サーボシリンダ34の駆動によって揺動可能な揺動ガイド32を備えた方向変更手段31が設けられ、さらに、第4コンベヤ部4Dの下流側に連続する第6コンベヤ部4F上には、第2揺動ガイド36が設けられており、搬送される容器Bはこれら第1揺動ガイド32および第2揺動ガイド36の動作によって搬送方向が決められる。第1排出通路8の満杯を検出する第1満杯検出センサー40と、第2排出通路10の満杯を検出する第2満杯検出センサー42のいずれからも容器Bが満杯になったという信号が入力されていない場合には、図4(a)に示すように、第1揺動ガイド32は、アキュームコンベヤ4の外側に向けて揺動し、第2揺動ガイド36は、2本の排出通路8、10の中間に位置するガイド部材28Bの延長線上を向けておく。つまり、第2揺動ガイド36は容器Bの流れに影響を与えない位置に停止させておく。第1揺動ガイド32および第2揺動ガイド36を前記のように位置させることにより、アキュームコンベヤ4の搬送路の外周側(第4コンベヤ部4D上)を複数列で搬送されてきた容器Bが、そのまま第1排出通路8および第2排出通路10にほぼ均等に割り振られて導入される。
【0037】
第1満杯検出センサー40から第1排出通路8が満杯であり、また、第2満杯検出センサー42から第2排出通路10が満杯であるという信号が制御装置(図示せず)に入力された場合には、図4(b)に示すように、第1揺動ガイド32をアキュームコンベヤ4の内部側に大きく揺動させるとともに、第2揺動ガイド36を、前記正常な時(図4(a)参照)と同様に容器Bの流れに影響を与えない位置に停止させておく。すると、アキュームコンベヤ4の外周部に寄せられて搬送されてきた容器Bは、第2揺動ガイド36によって大きく搬送方向を変更され、内側の第1排出通路8よりもさらに内側を搬送される。これら容器Bは、斜行ガイド26Bに沿って第9コンベヤ部4Jに移されて、第9コンベヤ部4Jの湾曲部をその外周側に沿って搬送される。さらに、斜行ガイド30Bによって第9コンベヤ部4Hから第11コンベヤ部4Lに強制的に方向を変えられて搬送される。その後、直線の第11コンベヤ部4Lから、斜行ガイド20Aによって第2コンベヤ部4Bに移され、湾曲部の外周側を通って搬送される。さらに、第2コンベヤ部4Bから斜行ガイド24Bによって第4コンベヤ部4Dに移され、再度、揺動ガイド32の位置に到達する。容器Bがアキュームコンベヤ4の搬送路上を循環搬送する間にも、供給コンベヤ2からの供給は継続しており、供給コンベヤ2から供給される容器Bは導入ガイド22Bによって案内されて第1コンベヤ部4Aに乗り移り、第4コンベヤ部4Dに乗り移る際にアキュームコンベヤ4上を循環搬送している容器Bと合流する。このとき、前記と同様に第1および第2満杯検出センサー40、42から第1排出通路8および第2排出通路10が満杯であるという信号が入力されている場合には、容器Bは、前回と同様に第9コンベヤ部4Jに移され、アキュームコンベヤ4の搬送路上を循環搬送される。なお、第1排出通路8および第2排出通路10が満杯の場合には第6コンベヤ部4Fを停止させる。
【0038】
第1満杯検出センサー40から第1排出通路8が満杯であるという信号が制御装置に入力され、第2満杯検出センサー42からは満杯の信号が入力されていない場合には、図4(c)に示すように、第1揺動ガイド32を、両排出通路8、10とも正常な場合と同様に、アキュームコンベヤ4の外側に揺動させ、容器Bを第1排出通路8および第2排出通路10の双方に導入させる位置に移動させる。さらに、第2揺動ガイド36を、アキュームコンベヤ4の内方側(図1の上方)に揺動させて、第1排出通路8に容器Bを導入する経路を塞ぐ。すると、正常時(図4(a)に示す状態)に第2排出通路10に導入される容器Bは、同様に第2排出通路10に導入されるが、正常時に第1排出通路8に導入される容器Bは、第1排出通路8よりも内側に方向を変えられてアキュームコンベヤ4の搬送路内を循環する。
【0039】
また、第2満杯検出センサー42から第2排出通路10が満杯であるという信号が制御装置に入力されるとともに、第1満杯検出センサー40からは満杯の入力がない場合には、第1揺動ガイド32の下流端を、第1排出通路8と第2排出通路10との間の位置、つまり、両排出通路8、10の中間のガイド部材28Bの延長線上に位置させる。そして、第2揺動ガイド36は、排出通路8、10に導入される容器Bの流れに影響を与えない位置に停止させておく(図4(d)参照)。アキュームコンベヤ4の外周部に幅寄せされて、第4コンベヤ部4D上を搬送されてきた容器Bが第1揺動ガイド32の位置に到達すると、前述のように下流端が、排出コンベヤ6(第6コンベヤ部4F)の搬送経路の第1排出通路8と第2排出通路10の中間に位置しているので、容器Bは第2排出通路10に入らないで、第1排出通路8の位置およびその外側を搬送される。しかも、第2揺動ガイド36が排出コンベヤ6によって搬送される容器Bに係合しない位置にあるので、容器Bはそのまま第1排出通路8に導入される。また、容器Bの一部は、アキュームコンベヤ4のこの第1排出通路8よりも内側(図4(d)の上方側)を通り、斜行ガイド26Bによってループ状の搬送路を有するアキュームコンベヤ4内に導入される。
【0040】
下流側の容器処理装置のトラブル等で2本の排出通路8、10の双方または一方が満杯になり、容器Bがアキュームコンベヤ4内を循環する状態になった後、2本の排出通路8、10の満杯状態が解消された場合には、図4(a)に示すように、第1揺動ガイド32をアキュームコンベヤ4の外側に向けて揺動させ、容器Bを排出通路8、10に導入させる位置に停止させる。一方、第2揺動ガイド36も容器Bに係合しない位置に揺動させる。アキュームコンベヤ4内を循環して第4コンベヤ部4Dの外周側に幅寄せされて搬送されてきた容器Bは、第1排出通路8および第2排出通路10にほぼ均等に割り振られて導入される。このようにアキュームコンベヤ4内に蓄積されて搬送路を循環していた容器Bが、排出通路8、10に排出される際にも、排出通路8、10の入口で詰まってしまうおそれがなく、後方の容器Bからの押圧によって変形してしまうおそれもない。なお、前記実施例では、排出通路8、10を2列に分岐して2台の下流側容器処理装置に供給する場合について説明したが、下流側の容器処理装置が1台の場合には、排出通路を2列に分岐する必要はなく1列でよい。また、この場合には第2揺動ガイド36を設ける必要もない。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】容器搬送装置の全体の構成を示す平面図である。(実施例1)
【図2】図1のII−II線に沿う断面図であり、この容器搬送装置に設けられた第1揺動ガイドを示す図である。
【図3】図1のIII−III線に沿う断面図であり、この容器搬送装置に設けられた第2揺動ガイドを示す図である。
【図4】容器搬送装置の作動を説明する図であり、(a)〜(d)はそれぞれ異なる状態を示す。
【符号の説明】
【0042】
B 容器
2 供給コンベヤ
4 アキュームコンベヤ
6 排出コンベヤ
8 排出通路(第1排出通路)
10 排出通路(第2排出通路)
31 方向変更手段
32 揺動ガイド(第1揺動ガイド)
32a 揺動ガイドの支点
36 第2揺動ガイド
40 満杯検出手段(第1満杯検出センサー)
42 満杯検出手段(第2満杯検出センサー)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器を供給する供給コンベヤと、ループ状の搬送路を有し、前記供給コンベヤから受け取った容器を多列で搬送可能なアキュームコンベヤと、このアキュームコンベヤの搬送路の外周部に接続され、アキュームコンベヤ上の容器を下流へ搬送する排出コンベヤと、容器を案内するガイド部材によって排出コンベヤ上に形成された排出通路と、この排出通路が満杯になったことを検出する満杯検出手段と、前記排出通路の上流側に配置され、アキュームコンベヤの搬送路の外周部を搬送される容器に係合して容器の方向を変更可能な方向変更手段と、この方向変更手段を制御する制御手段とを備え、
前記方向変換手段が、アキュームコンベヤの搬送路の外側に支点を有して揺動する揺動ガイドからなり、
前記満杯検出手段からの信号が入力されない時には、揺動ガイドの下流端を排出通路の外側に位置させて、容器を排出通路に案内し、前記満杯検出手段から満杯の信号が入力された時には、揺動ガイドの下流端を排出通路よりも内部側に位置させて、容器を排出通路に案内せず、アキュームコンベヤを循環搬送させることを特徴とする容器搬送装置。
【請求項2】
前記満杯検出手段から満杯の信号が入力された時には、前記排出コンベヤを停止させることを特徴とする請求項1に記載の容器搬送装置。
【請求項3】
容器を供給する供給コンベヤと、ループ状の搬送路を有し、前記供給コンベヤから受け取った容器を多列で搬送可能なアキュームコンベヤと、このアキュームコンベヤの搬送路の外周部に接続され、アキュームコンベヤ上の容器を下流へ搬送する排出コンベヤと、容器を案内するガイド部材によって排出コンベヤ上に形成された第1排出通路および第2排出通路と、第1排出通路が満杯になったことを検出する第1満杯検出手段と、第2排出通路が満杯になったことを検出する第2満杯検出手段と、前記排出通路の上流側に配置され、アキュームコンベヤの搬送路の外周部を搬送される容器に係合して容器の方向を変更可能な方向変更手段と、この方向変更手段を制御する制御手段とを備え、
前記方向変換手段が、アキュームコンベヤの搬送路の外側に支点を有して揺動する揺動ガイドからなり、
前記両満杯検出手段からの信号が入力されない時には、揺動ガイドの下流端を前記第1排出通路および第2排出通路の外側に位置させて、容器をこれら第1排出通路および第2排出通路に案内し、前記両満杯検出手段から満杯の信号が入力された時には、揺動ガイドの下流端を第1排出通路および第2排出通路よりも内部側に位置させて、容器を第1排出通路および第2排出通路に案内せず、アキュームコンベヤを循環搬送させることを特徴とする容器搬送装置。
【請求項4】
前記揺動ガイドよりも下流で、第1排出通路および第2排出通路の中間のこれら排出通路よりも上流側を支点とする第2揺動ガイドを設け、
前記揺動ガイドとこの第2揺動ガイドの位置を制御することにより、前記第1排出通路、第2排出通路およびアキュームコンベヤのいずれかに選択的に容器を案内することを特徴とする請求項3に記載の容器搬送装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−230697(P2007−230697A)
【公開日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−52851(P2006−52851)
【出願日】平成18年2月28日(2006.2.28)
【出願人】(000253019)澁谷工業株式会社 (503)
【Fターム(参考)】