説明

容器検査システム

【課題】容器を持ち上げることなく、その底面や当該底面に貼付されたラベル等を簡易な構成で検査することができる、容器検査システムを提供すること。
【解決手段】弁当容器Aを搬送するコンベア10と、このコンベア10にて搬送されている弁当容器Aを、所定の第1の方向に向けて反射する第1の反射ミラー11とを備える。例えば、コンベア10は、弁当容器Aを搬送する搬送面と、この搬送面に設けられた投光部17とを備え、第1の反射ミラー11は、投光部17の下方に配置される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食品容器等の各種容器や当該容器に貼付された印刷物を検査するための容器検査システムに関する。
【背景技術】
【0002】
お弁当の各種の食品を製造する食品製造工場の製造ラインでは、商品搬送用のベルトコンベアの近傍にラベリング装置を設け、このラベリング装置によって、食品容器に、商品表示ラベル、原材料表示ラベル、あるいは、商品管理用のバーコードラベル等のラベルを貼付している。
【0003】
従来、このラベル貼付工程の後、ラベルの貼付状態の適否を検査するための手段としては、光学的手段が一般的であった。具体的には、製造ラインの上方や側方に反射式光学センサやCCDカメラを設け、反射式光学センサによってラベルからの反射光を検知することや、CCDカメラで撮像した画像を画像処理装置にて解析することで、ラベルの状態の有無やその状態を自動的に検査していた。
【0004】
【特許文献1】特開平06−288583号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、このような光学的手段によるラベル検査では、光学センサやカメラ等の電子機器を使用する必要があるため、検査システムの設置コストが比較的高価になってしまうという問題があった。
【0006】
また、このような光学的手段によるラベル検査では、状況によってはラベル検査を確実に行うことが困難な場合があった。例えば、容器の底面にラベルを貼付した場合、このラベルを光学的に検知することが不可能である。このような場合、従来は、製造ラインに配置されたオペレータが容器を手で一つ一つ持ち上げ、その底面のラベルを目視することで、ラベルの検査を行っていた。このため、食品製造効率が低下したり、食品製造工場の人件費が高騰する一因になっていた。
【0007】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、容器を持ち上げることなく、その底面や当該底面に貼付されたラベル等を簡易な構成で検査することができる、容器検査システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1に記載の容器検査システムは、容器を搬送する搬送手段と、前記搬送手段にて搬送されている前記容器を、所定の第1の方向に向けて反射する反射手段とを備えることを特徴とする。
【0009】
また、請求項2に記載の容器検査システムは、請求項1に記載の容器検査システムにおいて、前記搬送手段は、前記容器を搬送する搬送面と、この搬送面に設けられた投光部とを備え、前記反射手段は、前記投光部の下方に配置された第1の反射手段を備えることを特徴とする。
【0010】
また、請求項3に記載の容器検査システムは、請求項1に記載の容器検査システムにおいて、前記搬送手段は、所定の搬送方向に駆動される搬送面と、この搬送面の上面に設けられるものであって当該上面とは所定間隔を隔てて前記容器を載置するための載置手段とを備え、前記反射手段は、前記搬送面の上面における前記載置手段の相互間に配置された第1の反射手段を備えることを特徴とする。
【0011】
また、請求項4に記載の容器検査システムは、請求項2又は3に記載の容器検査システムにおいて、前記反射手段は、前記第1の反射手段にて所定の第1の方向に反射された前記容器を、所定の第2の方向に向けてさらに反射する第2の反射手段を備えることを特徴とする。
【0012】
また、請求項5に記載の容器検査システムは、請求項1から4のいずれか一項に記載の容器検査システムにおいて、前記反射手段にて反射された前記容器を光学的に識別することにより、前記容器に対する不良検知を行なう不良検知手段を備えることを特徴とする。
【0013】
また、請求項6に記載の容器検査システムは、請求項5に記載の容器検査システムにおいて、前記不良検知手段にて不良が検知された前記容器を、前記搬送手段から分離搬送する分離搬送手段を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
この発明によれば、容器の底面や当該底面の印刷物が、反射手段を介して第1の方向に反射される。このため、この反射光を利用して検査を行うことができ、作業者が容器を逐一持ち上げることを不用にできるので、検査効率を向上させることができる。
【0015】
また、この発明によれば、容器の底面や当該底面の印刷物が、搬送手段の搬送面に設けられた投光部を介して第1の反射手段にて反射されるので、この反射光を利用して検査を行うことができ、作業者が容器を逐一持ち上げることを不用にできるので、検査効率を向上させることができる。
【0016】
また、この発明によれば、容器の底面や当該底面の印刷物が、搬送面の上面と載置手段との相互間に配置された第1の反射手段にて反射されるので、この反射光を利用して検査を行うことができ、作業者が容器を逐一持ち上げることを不用にできるので、検査効率を向上させることができる。
【0017】
また、この発明によれば、第1の反射手段にて反射された容器が、第2の反射手段にて第2の方向に向けてさらに反射されるので、この反射光を利用して検査を行うことができ、作業者が容器を逐一持ち上げることを不用にできるので、検査効率を向上させることができる。特に、反射手段を複数設けることで、反射位置の自由度が向上し、検査を行う位置や形態を一層自由に決定できるので、検査効率を向上させることができる。
【0018】
また、この発明によれば、容器を不良検知手段にて光学的に識別することにより、不良検知が自動的に行なわれるので、容器の底面や印刷物を作業員が目視する必要がなくなり、検査効率を向上させることができる。
【0019】
また、この発明によれば、不良が検知された容器を分離搬送手段にて自動的に分離できるので、不良品を作業員が手動で排除する必要がなくなり、検査効率を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下に添付図面を参照して、この発明に係る容器検査システムの各実施の形態を詳細に説明する。まず、〔I〕各実施の形態に共通の基本的概念を説明した後、〔II〕各実施の形態の具体的内容について説明し、〔III〕最後に、各実施の形態に対する変形例について説明する。ただし、各実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0021】
〔I〕各実施の形態に共通の基本的概念
まず、各実施の形態に共通の基本的概念について説明する。各実施の形態に係る容器検査システムは、容器自体や容器に貼付された印字物を検査するためのシステムである。
【0022】
ここで、容器検査システムの検査対象になる容器は、好適には生鮮食材、冷凍食材、米飯類、弁当、あるいは、惣菜類等の食品包装用の容器であるが、これらに限定されることはなく、検査が必要になり得る任意の容器が、検査の対象物になり得る。また、印刷物の印字内容や貼付方法は任意であり、例えば、接着剤にて貼付された表示ラベルやバーコードラベルが含まれる。なお、以下の説明では、弁当容器の底面に貼付した表示ラベルを検査する例について説明する。
【0023】
この容器検査システムは、概略的には反射手段を含んで構成されている。そして、この反射手段にて印刷物を所定方向に反射することで、この印刷物を作業者が目視にて確認することや、あるいは、この反射手段による反射光を光学的手段にて検知することができる。従って、容器の底面等、従来の光学的手段では直接的に検査することが困難な場合であっても、この検査を比較的容易に行うことができる。
【0024】
〔II〕各実施の形態の具体的内容
次に、各実施の形態の具体的内容について説明する。
【0025】
〔第1の実施の形態〕
まず、第1の実施の形態について説明する。この形態は、搬送手段における搬送面の側方に投光部を設け、この投光部の下方に第1の反射手段を配置した形態である。図1は、実施の形態1に係る容器検査システムの全体斜視図、図2は、実施の形態1に係る容器検査システムの側面図(一部を破断して示す)である。この容器検査システム1は、コンベア10、第1の反射ミラー11、及び、第2の反射ミラー12を備えて構成されている。
【0026】
コンベア10は、弁当容器を搬送するベルトコンベアであり、特許請求の範囲における搬送手段に対応する。このコンベア10は、脚部10aにて支持された一対のローラ13、14と一対のベルト15、16とを備えて構成されている。ローラ13、14は、ベルト15、16を駆動する駆動手段であり、図示しないモータにて図示矢印方向に回転される。一対のベルト15、16は、ローラ13、14に懸架されており、このローラ13、14の回転に伴って回転されることで、その上面(弁当容器Aを搬送する搬送面)に載置された弁当容器Aが搬送される。
【0027】
ここで、一対のベルト15、16は、ローラ13、14の幅方向の各端部の近傍位置に懸架されており、これら一対のベルト15、16が相互に間隔を隔てて配置されている。このことにより、これらベルト15、16の相互間には、搬送面の側方に位置する投光部17が形成され、この投光部17を介して、弁当容器Aの底面がベルト15、16の下方に露出する。なお、本実施の形態では、図1に示す工程よりも上流の工程において、既に、米飯や具材が弁当容器Aに盛り付けられ、さらに弁当容器Aの底面に図示しないラベリング装置にて表示ラベルが自動的に貼付されているものとする。従って、弁当容器Aの底面や当該底面に貼付された表示ラベルが、投光部17を介してベルト15、16の下方に投光される。
【0028】
第1の反射ミラー11は、弁当容器Aを、所定の第1の方向に向けて反射するもので、特許請求の範囲における反射手段及び第1の反射手段に対応する。この第1の反射ミラー11は、コンベア10の全長に略対応する長さの鏡面体であり、コンベア10のベルト15、16の下方において、このコンベア10の長手方向に略沿うように配置されており、その両端部をコンベア10の脚部10aに固定されている。ここでは、第1の方向として、当該第1の反射ミラー11から第2の反射ミラー12に至る方向を設定している。従って、弁当容器Aの底面や当該底面に貼付された表示ラベルが、投光部17を介して第1の反射ミラー11にて反射され、第2の反射ミラー12に至る。
【0029】
第2の反射ミラー12は、第1の反射ミラー11にて第1の方向に反射された弁当容器Aを、所定の第2の方向に向けてさらに反射するもので、特許請求の範囲における反射手段及び第2の反射手段に対応する。この第2の反射ミラー12は、コンベア10の全長に略対応する長さの鏡面体であり、コンベア10の側方において、このコンベア10の長手方向に略沿うように配置されており、その下方に設けた脚部12aにて支持されている。ここでは、第2の方向として、当該第2の反射ミラー12から、コンベア10の側方(第2の反射ミラー12の配置位置とは反対側の側方)に立っている作業者の目線に至る方向を設定している(図2には作業者の目線周辺領域を想像線にて示す)。従って、第1の反射ミラー11にて反射された弁当容器Aの底面や表示ラベルが、第2の反射ミラー12にて反射され、作業者にて目視可能になる。
【0030】
このように実施の形態1によれば、弁当容器Aの底面や表示ラベルが、第1の反射ミラー11及び第2の反射ミラー12を介して、作業者の目線に向けて反射される。このため、作業者は、コンベア10の側方に立ったままの状態で、弁当容器Aを持ち上げることなく、この弁当容器Aの底面や表示ラベルを目視検査でき、不良品を排除する等の必要な処置をとることができる。
【0031】
〔第2の実施の形態〕
次に、第2の実施の形態について説明する。この形態は、第1の実施の形態に加えて、不良検知手段や分離搬送手段を設けた形態である。なお、特に説明なき構造については、上述した実施の形態1と同様であり、同一の構成については、必要に応じて、実施の形態1において使用したものと同一の符号を付してその説明を省略する。
【0032】
図3は、実施の形態2に係る容器検査システムの全体斜視図である。この容器検査システム2は、コンベア10、第1の反射ミラー11、第2の反射ミラー12、光電センサ20、カメラ21、リジェクタ22、フリーコンベア23、及び、制御装置24、を備えて構成されている。
【0033】
光電センサ20は、同期用センサであり、例えば反射式センサとして構成されている。この光電センサ20は、コンベア10の側方に配置され、このコンベア10にて搬送される弁当容器Aを検出すると、検出信号を制御装置24に出力する(なお、光電センサ20、カメラ21、リジェクタ22、及び、制御装置24の相互の接続線は図示を省略する)。
【0034】
カメラ21は、第1の反射ミラー11及び第2の反射ミラー12にて反射された弁当容器Aを光学的に識別することにより、弁当容器Aや表示ラベルに対する不良検知を行なうもので、特許請求の範囲における不良検知手段に対応する。このカメラ21は、例えばCCD(Charge Coupled Devices)カメラ21として構成されており、第2の反射ミラー12に対向する向きで設置されている。そして、第2の反射ミラー12にて反射された表示ラベルを撮像し、その画像データを制御装置24に出力する(すなわち、本実施の形態2において、第2の方向は、第1の反射ミラー11からカメラ21に至る方向である)。
【0035】
リジェクタ22及びフリーコンベア23は、不良と判断された弁当容器Aをコンベア10から分離搬送するもので、特許請求の範囲における分離搬送手段に対応する。リジェクタ22は、コンベア10の幅よりもやや長い棒状体として形成されており、コンベア10の搬送面のやや上方位置に配置されている。このリジェクタ22は、回転軸22aを中心として図示想像線にて示すように回動されることで、弁当容器Aをコンベア10から排除してフリーコンベア23に移動させる。このフリーコンベア23は、無動力コンベアであり、複数のフリーローラ25を備えて構成されている。
【0036】
制御装置24は、光電センサ20、カメラ21、及び、リジェクタ22を制御する制御手段である。この制御装置24は、光電センサ20からの検出信号に応じた同期タイミングでカメラ21を駆動することで、弁当容器Aの底面を撮像させる。また、制御装置24は、カメラ21からの画像データに対して2値化等の所定の画像処理を施し、この処理結果を、自己に予め記憶された基準データと比較等することで、弁当容器Aの底面や当該底面の表示ラベルが正常に貼付されているか否かを判別する。そして、不良を発見した場合には、光電センサ20からの検出信号に応じた同期タイミングでリジェクタ22を駆動することで、不良の弁当容器Aを排除する。
【0037】
このように実施の形態2によれば、弁当容器Aの底面や当該底面に貼付された表示ラベルが、第1の反射ミラー11及び第2の反射ミラー12を介して、カメラ21にて撮像される。そして、この撮像によって取得された画像データに基づいて弁当容器Aの底面や表示ラベルの不良の有無が自動的に判別され、不良の弁当容器Aはリジェクタ22によってフリーコンベア23に移動される。このため、作業者は、フリーコンベア23に移動された弁当容器Aに対して、表示ラベルの交換を行なう等の必要な処置をとることができる。
【0038】
〔第3の実施の形態〕
次に、第3の実施の形態について説明する。この形態は、搬送手段における搬送面に載置手段設け、これら搬送面と載置手段との間に第1の反射手段を設けた形態である。なお、特に説明なき構造については、上述した実施の形態1と同様であり、同一の構成については、必要に応じて、実施の形態1において使用したものと同一の符号を付してその説明を省略する。
【0039】
図4は、実施の形態3に係る容器検査システムの全体斜視図、図5は、実施の形態3に係る容器検査システムの側面図である。この容器検査システム3は、コンベア30、第1の反射ミラー31、及び、第2の反射ミラー12を備えて構成されている。
【0040】
コンベア30は、弁当容器Aを搬送するベルトコンベアであり、特許請求の範囲における搬送手段に対応する。このコンベア30は、脚部30aにて支持された一対のローラ(図示せず)とベルト34とを備えて構成されている。ベルト34は、実施の形態1とは異なる幅広ベルトであり、その上面には、所定間隔で桟35が設けられている。この桟35は、略平板状に形成されており、ベルト34に対して略直交する向きで、このベルト34に溶着等にて固定されている。そして、隣接する一対の桟35の上面に弁当容器Aが載置される。従って、弁当容器Aの底面や当該底面に貼付された表示ラベルが桟35の相互間を介してベルト34の上面に露出する。なお、コンベア30の前段側のコンベアは、その搬送面が桟35の上面と略面一になるように配置されており、この前段側のコンベアから桟35の上面にスムーズに弁当容器Aが受け渡される。
【0041】
第1の反射ミラー31は、ベルト34の上面において、桟35の相互間に配置されている。従って、桟35に載置された弁当容器Aの底面や当該底面に貼付された表示ラベルが、第1の反射ミラー31にて所定の第1の方向に向けて反射される。ここで、第1の方向としては、第1の反射ミラー31から第2の反射ミラー12に至る方向が設定されている。従って、弁当容器Aの底面や表示ラベルが、第2の反射ミラー12に向けて反射され、さらに第2の反射ミラー12にて作業者の目線近傍位置に向けて反射される。なお、第1の反射ミラー31は、ベルト34と共に回転可能なように形成され、例えば、第1の反射ミラー31は、隣接する桟35の一方のみに固定されており、ローラによる回転位置では他方の桟35から離れた状態で回転する。あるいは、第1の反射ミラー31を、公知の樹脂製ベルト34の上面にアルミ箔を接着等にて固定することで構成することができる。
【0042】
このように実施の形態3によれば、弁当容器Aの底面や表示ラベルが、第1の反射ミラー31及び第2の反射ミラー12を介して、作業者の目線に向けて反射される。このため、作業者は、コンベア30の側方に立ったままの状態で、弁当容器Aを持ち上げることなく、この弁当容器Aの底面や表示ラベルを目視検査でき、不良品を排除する等の必要な処置をとることができる。
【0043】
〔第4の実施の形態〕
最後に、第4の実施の形態について説明する。この形態は、第3の実施の形態に加えて、不良検知手段や分離搬送手段を設けた形態である。なお、特に説明なき構造については、上述した実施の形態2、3と同様であり、同一の構成については、必要に応じて、実施の形態2、3において使用したものと同一の符号を付してその説明を省略する。
【0044】
図6は、実施の形態4に係る容器検査システムの全体斜視図である。この容器検査システム4は、コンベア30、第1の反射ミラー31、第2の反射ミラー12、光電センサ20、カメラ21、リジェクタ22、フリーコンベア23、及び、制御装置24、を備えて構成されている。
【0045】
コンベア30には、第3の実施の形態と同様に、所定間隔で桟35が設けられており、隣接する一対の桟35の上方に弁当容器Aが載置される。また、各桟35の相互間には、第1の反射ミラー31が設けられており、桟35に載置された弁当容器Aの底面や当該底面に貼付された表示ラベルが、第1の反射ミラー31にて第2の反射ミラー12に向けて反射される。
【0046】
そして、第2の実施の形態と同様に、制御装置24は、光電センサ20からの検出信号に応じた同期タイミングでカメラ21を駆動することで、弁当容器Aの底面を撮像させる。また、制御装置24は、カメラ21からの画像データに基づいて、弁当容器Aの底面や当該底面の表示ラベルが正常に貼付されているか否かを判別する。そして、不良を発見した場合には、光電センサ20からの検出信号に応じた同期タイミングでリジェクタ22を駆動することで、不良の弁当容器Aを排除する。なお、リジェクタ22は、その下面が桟35の上面よりやや上方に位置するように配置されており、桟35が障害になることなく、その上面の弁当容器Aを排出することができる。
【0047】
このように実施の形態4によれば、弁当容器Aの底面や当該底面に貼付された表示ラベルが、第1の反射ミラー31及び第2の反射ミラー12を介して、カメラ21にて撮像される。そして、この撮像によって取得された画像データに基づいて弁当容器Aの底面や表示ラベルの不良の有無が自動的に判別され、不良の弁当容器Aはリジェクタ22によってフリーコンベア23に移動される。このため、作業者は、フリーコンベア23に移動された弁当容器Aに対して、表示ラベルの交換を行なう等の必要な処置をとることができる。
【0048】
〔III〕各実施の形態に対する変形例
以上、本発明の各実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
【0049】
(解決しようとする課題や発明の効果について)
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、前記した内容に限定されるものではなく、本発明によって、前記に記載されていない課題を解決したり、前記に記載されていない効果を奏することもでき、また、記載されている課題の一部のみを解決したり、記載されている効果の一部のみを奏することがある。例えば、容器を持ち上げる作業を完全に不要にできない場合であっても、その容器や印刷物の検査効率を従来より若干でも向上できている限りにおいて、あるいは、従来と同様の効果を異なる手段で達成できている限りにおいて、本発明の課題が解決されている。
【0050】
(搬送手段について)
実施の形態1、2においては、一対のベルトを間隔を空けて配置することで投光部を形成しているが、例えば、容器をベルトの側方に突出させることで、この突出させた部分を下方に露出させてもよい。あるいは、ベルトの少なくとも一部を透明樹脂にて形成することで、投光部を形成してもよい。また、容器を搬送する搬送手段としては、ベルトコンベア以外の手段を用いてもよく、例えば、ローラコンベアやチェーンコンベアを用いることができる。これらの場合には、ローラやチェーンを間隔を空けて配置したり、ローラの少なくとも一部を透明素材にて形成することで、投光部を形成することができる。
【0051】
(反射手段について)
例えば、第1の反射ミラーを作業者に直接向けたり、第1の反射ミラーをカメラにて撮像してもよく、この場合には第2の反射ミラーを省略できる。あるいは、第1の反射ミラーと第2の反射ミラーに加えて、さらに多くの反射ミラーを設けて、容器の底面や表示ラベルを任意の位置に反射させてもよい。なお、図示した各反射ミラーの具体的設置角度はあくまで例示であり、実際には、その目的に応じた適切な角度で設置される。
【0052】
(不良検知手段について)
不良検知手段としては、カメラ以外の手段を用いてもよく、例えば、反射式光センサを用いて、第1の反射ミラーや第2の反射ミラーにて反射された光を検知し、この光の反射度に基づいて、容器の底面や表示ラベルの不良判定を行なってもよい。
【0053】
(分離搬送手段について)
分離搬送手段としては、リジェクタ及びフリーコンベア以外の手段を用いてもよく、例えば、リジェクタにて排出された容器を、所定の再生処理工程まで搬送するベルトコンベアを使用したり、複数の容器を多段的に積み上げておくことでそのストックスペースを節約することができる容器ストッカを用いてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0054】
この発明に係る容器検査システムは、特に、弁当等の食品を製造する食品工場に適用でき、弁当容器の底面や当該底面に貼付された各種の印刷物を簡易な構成で検査するために有用である。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明の実施の形態1に係る容器検査システムの全体斜視図である。
【図2】実施の形態1に係る容器検査システムの側面図である。
【図3】実施の形態2に係る容器検査システムの全体斜視図である。
【図4】実施の形態3に係る容器検査システムの全体斜視図である。
【図5】実施の形態3に係る容器検査システムの側面図である。
【図6】実施の形態4に係る容器検査システムの全体斜視図である。
【符号の説明】
【0056】
1、2、3、4 容器検査システム
10、30 コンベア
10a、12a、30a 脚部
11、31 第1の反射ミラー
12 第2の反射ミラー
13、14 ローラ
15、16、34 ベルト
17 投光部
20 光電センサ
21 カメラ
22 リジェクタ
22a 回転軸
23 フリーコンベア
24 制御装置
25 フリーローラ
35 桟

【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器を搬送する搬送手段と、
前記搬送手段にて搬送されている前記容器を、所定の第1の方向に向けて反射する反射手段と、
を備えることを特徴とする容器検査システム。
【請求項2】
前記搬送手段は、前記容器を搬送する搬送面と、この搬送面に設けられた投光部とを備え、
前記反射手段は、前記投光部の下方に配置された第1の反射手段を備えること、
を特徴とする請求項1に記載の容器検査システム。
【請求項3】
前記搬送手段は、所定の搬送方向に駆動される搬送面と、この搬送面の上面に設けられるものであって当該上面とは所定間隔を隔てて前記容器を載置するための載置手段とを備え、
前記反射手段は、前記搬送面の上面における前記載置手段の相互間に配置された第1の反射手段を備えること、
を特徴とする請求項1に記載の容器検査システム。
【請求項4】
前記反射手段は、前記第1の反射手段にて所定の第1の方向に反射された前記容器を、所定の第2の方向に向けてさらに反射する第2の反射手段を備えること、
を特徴とする請求項2又は3に記載の容器検査システム。
【請求項5】
前記反射手段にて反射された前記容器を光学的に識別することにより、前記容器に対する不良検知を行なう不良検知手段を備えること、
を特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の容器検査システム。
【請求項6】
前記不良検知手段にて不良が検知された前記容器を、前記搬送手段から分離搬送する分離搬送手段を備えること、
を特徴とする請求項5に記載の容器検査システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−289892(P2007−289892A)
【公開日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−122422(P2006−122422)
【出願日】平成18年4月26日(2006.4.26)
【出願人】(592001218)株式会社武蔵野 (20)
【Fターム(参考)】