説明

対物レンズ駆動装置の検査方法、検査装置

【課題】対物レンズ駆動装置による対物レンズのフォーカス方向への移動を検査する。
【解決手段】基台と、対物レンズと、基台上で対物レンズを保持するホルダと、対物レンズがフォーカス方向に移動するようにホルダを駆動する駆動機構と、を有する対物レンズ駆動装置の検査方法に関する。対物レンズを介してレーザ光を出射させる工程と、対物レンズを介して出射されるレーザ光を所定径のアパーチャ142に通過させる工程と、ホルダが基台の面に最も近づく第1位置と基台の面から第1位置よりも遠ざかる第2位置との間を移動するための駆動電圧を駆動機構に与える工程と、アパーチャ142を通過したレーザ光を光電変換する工程と、光電変換後の信号に基づいて良否判定を行う工程と、を含む対物レンズ駆動装置の検査方法を実行させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、対物レンズ駆動装置の検査方法、検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
光ディスクに対して情報の記録又は再生用のレーザを照射するための対物レンズを駆動する対物レンズ駆動装置が知られている(例えば、特許文献1を参照。)。対物レンズ駆動装置においては、対物レンズをディスク面に対して垂直な方向に駆動することで、ディスク面上でのレーザ光の合焦ずれを補正するためのフォーカシング制御が行われる。尚、対物レンズ駆動装置は、例えば、光ディスクに対して情報を記録又は再生する光ピックアップ装置に用いられる。
【0003】
以下、図14を用いて、対物レンズ駆動装置1の構成について説明する。
基台10は、略直方体状の磁石21及び磁石22と、磁石21及び磁石22とがそれぞれ固設される略矩形平板状のヨーク11及びヨーク12とを備える板状をなす金属製の台である。詳述すると、基台10上に、図14中のタンジェンシャル方向(ターンテーブル(不図示)に装着された光ディスク(不図示)のトラックの接線方向)に沿って対向するように一対の略矩形平板状のヨーク11、12が形成されるとともに、各ヨーク11、12の間にアクチュエータACTの主体部30(アクチュエータ主体部)を備えさせるための開口された所定の収容部90が形成されている。「アクチュエータ(actuator)」とは、例えばエネルギーを並進運動または回転運動等に変換させる駆動装置を意味する。
【0004】
また、磁石21及び磁石22は、それぞれ直方形状をなし極性の異なる単極の永久磁石である。一対の磁石21及び磁石22の正面同士が基台10上の収容部90を挟んで対向するように、磁石21の背面部21bがヨーク11に固設されるとともに磁石22の背面部22bがヨーク21に固設されている。例えば、磁石21及び磁石22の対向面間にある基台10上の収容部90および収容部90の周辺/近傍に磁気ギャップが形成される。尚、磁石21及び磁石22においてフォーカス方向(ターンテーブル(不図示)に装着された光ディスク(不図示)の面に対して垂直な方向)にある底面部21a、22aは、基台10の上側の表面部10b、10cに対して接着材で接着されている。図14中に示される61、62は、磁石21及び22と基台10との接着箇所を示している。
【0005】
アクチュエータACTは、例えば、対物レンズOBLを保持するレンズホルダ31(ホルダ)と、対物レンズOBL等が装備されたホルダ31等を含むアクチュエータ主体部30を移動可能に弾性支持する略線状のサスペンションワイヤ40(ワイヤ)と、略線状のサスペンションワイヤ40の両端部41、42のうち片方の端部42が固定される支持板50と、ラジアル方向(ディスク面上のトラックに対して垂直な方向)に沿ったホルダ31の対向する2つの側面部31a、31bにおいてそれぞれ複数本(例えば、各側面部31a、31bに2本ずつ)のサスペンションワイヤ40の両端部41、42のうちのもう片方の端部41をそれぞれ係止する係止部材32と、主にラジアル方向に略沿ってアクチュエータ主体部30を駆動させるトラッキングコイル(tracking coil)33と、主にフォーカス方向に略沿ってアクチュエータ主体部30を駆動させるフォーカスコイル(focus coil)34とを備えている。また、アクチュエータACTの主体部30の底面30aと、アクチュエータACTの主体部30の底面30aに対しフォーカス方向に沿って離された基台10の略中央の一段下がった表面10aとの間に、アクチュエータACTの主体部30をフォーカス方向に移動させるための空間90aが存在する。
【0006】
サスペンションワイヤ40は、係止部材32を介してアクチュエータACTの主体部30を弾性的に支持するとともに、トラッキングコイル33やフォーカスコイル34等に電流を流すためのリード線の機能を有した金属製のワイヤである。具体的には、サスペンションワイヤ40は、基板10に対し略平行に延在するように、一端部41が係止部材32に対して半田フラックスによりそれぞれ係止されるとともに、他端部42が支持板50に対して半田剤、ダンパ剤などを介して固着されている。尚、ダンパ材は、例えばアクチュエータACTの主体部30を駆動/移動させた際の異常振動などの振動を吸収する役割を果たしている。
【0007】
支持板50は、サスペンションワイヤ40の他端部42を固定する板である。尚、支持板50と基板10とは、例えば金属製のケース(不図示)等を介して相互に固定される。
【0008】
以上のとおり、図14中で基台10及びホルダ31以外の構成要素は、対物レンズOBLをフォーカス方向やトラッキング方向に移動させるようにホルダ31を駆動させる駆動機構を構成している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2003−16668号公報(第1−3頁、第11−12図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
図14に示した対物レンズ駆動装置1を例に挙げて本願発明の主たる課題について以下に説明する。
【0011】
接着箇所61、62は、磁石21、22の底面部21a、22aと基台10の上側の表面部10b、10cとの間を接着剤によって接着した箇所であるが、例えば当該接着剤がホルダ31を具備したアクチュエータACTの主体部30の裏面30aと対向する基台10の略中央の一段下がった表面10aに流れ出したり染み出したりしてくる現象が生じる場合がある。また、当該接着剤が規定どおり接着箇所61、62に塗布されず、アクチュエータACTの主体部30の裏面30aと対向する基台10の略中央の一段下がった表面10aに付着する場合もある。
【0012】
また、例えば半田フラックスを用いた半田付け等によって、アクチュエータACTの主体部30の係止部材32がサスペンションワイヤ40の一端部41を係止しているが、当該半田付け作業の際に、アクチュエータACTの主体部30の裏面30aと対向する基台10の略中央の一段下がった表面10aに当該半田フラックスが付着する場合がある。
【0013】
さらに、例えば、半田剤、ダンパ剤などを用いてサスペンションワイヤ40の他端部42が支持板50に固着されるが、当該固着作業の際に、アクチュエータACTの主体部30の裏面30aと対向する基台10の略中央の一段下がった表面10aに当該ダンパ材が付着する場合がある。
【0014】
前記のとおり、接着材、半田フラックス、ダンパ剤等といった粘着性の有る異物が、アクチュエータACTの主体部30の裏面30aと対向する基台10の略中央の一段下がった表面10aに付着している場合を仮定する。この場合、アクチュエータACTの主体部30をフォーカシング制御のために、アクチュエータACTの主体部30の裏面30aを基台10の略中央の一段下がった表面10aに近づける方向に移動させたとき、前記のような粘着性の有る異物によって、アクチュエータACTの主体部30の裏面30aと基台
10の略中央の一段下がった表面10aとが粘着する。
【0015】
かかる状況下で、今度はアクチュエータACTの主体部30の裏面30aを基台10の略中央の一段下がった表面10aから遠ざける方向にアクチュエータACTの主体部30を移動させようとすると、アクチュエータACTの主体部30が前記粘着性を有した異物によってスムーズに移動する(制御応答が線形となる)ことができず、フォーカシング制御が意図した制御にならないという課題があった。
【0016】
また、前記粘着性を有した異物に限らず、アクチュエータACTの主体部30の裏面30aと基台10の略中央の一段下がった表面10aとの間にゴミ等の異物が混入するような場合であっても同様に、アクチュエータACTの主体部30がスムーズに移動しないという課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記課題を解決するために、本発明に係る対物レンズ駆動装置の検査方法は、基台と、対物レンズと、前記基台上で前記対物レンズを保持するホルダと、前記対物レンズが少なくともフォーカス方向に移動するように前記ホルダを駆動する駆動機構と、を有する対物レンズ駆動装置の検査方法において、前記対物レンズを介してレーザ光を出射させる工程と、前記対物レンズを介して出射される前記レーザ光を所定径のアパーチャに通過させる工程と、前記ホルダが前記基台の面に最も近づく第1位置と前記基台の面から前記第1位置よりも遠ざかる第2位置との間を移動するための駆動電圧を前記駆動機構に与える工程と、前記アパーチャを通過した前記レーザ光を光電変換する工程と、前記光電変換後の信号に基づいて良否判定を行う工程と、を含むことを特徴とする。
【0018】
また、本発明に係る対物レンズ駆動装置の検査方法は、基台と、対物レンズと、前記基台上で前記対物レンズを保持するホルダと、前記対物レンズが少なくともフォーカス方向に移動するように前記ホルダを駆動する駆動機構と、を有する対物レンズ駆動装置の検査方法において、前記対物レンズを介してレーザ光を出射させる工程と、前記対物レンズを介して出射される前記レーザ光を所定径のアパーチャに通過させる工程と、前記ホルダが前記基台の面に最も近づく第1位置と前記基台の面から前記第1位置よりも遠ざかる第2位置との間を移動するための駆動電圧を前記駆動機構に与える工程と、前記アパーチャを通過した前記レーザ光を光電変換する工程と、前記光電変換後の信号に基づいて対物レンズ駆動装置の検査を行う工程と、を含み、前記対物レンズ駆動装置の検査を行うときに、必要に応じて前記駆動機構を構成するトラッキングコイルに印加させ、前記駆動機構を構成するフォーカスコイルに印加させることを特徴とする。
【0019】
また、本発明に係る対物レンズ駆動装置の検査方法は、基台と、対物レンズと、前記基台上で前記対物レンズを保持するホルダと、前記対物レンズが少なくともフォーカス方向に移動するように前記ホルダを駆動する駆動機構と、を有する対物レンズ駆動装置の検査方法において、前記対物レンズを介してレーザ光を出射させる工程と、前記対物レンズを介して出射される前記レーザ光を所定径のアパーチャに通過させる工程と、前記ホルダが前記基台の面に最も近づく第1位置と前記基台の面から前記第1位置よりも遠ざかる第2位置との間を移動するための駆動電圧を前記駆動機構に与える工程と、前記アパーチャを通過した前記レーザ光を光電変換する工程と、前記駆動電圧の波形と前記光電変換後の波形とを表示画面に表示させる工程と、を含み、前記対物レンズ駆動装置の検査を行うときに、必要に応じて前記駆動機構を構成するトラッキングコイルに印加させ、前記駆動機構を構成するフォーカスコイルに印加させることを特徴とする。
【0020】
また、本発明に係る対物レンズ駆動装置の検査装置は、基台上で対物レンズを保持するホルダを当該対物レンズが少なくともフォーカス方向に移動するように駆動する駆動機構
に対し、当該ホルダが当該基台の面に最も近づく第1位置と当該基台の面から当該第1位置よりも遠ざかる第2位置との間を移動するための駆動電圧を生成する駆動電圧生成器と、前記対物レンズを介して出射されるレーザ光を通過させる所定径のアパーチャと、前記アパーチャを通過した前記レーザ光を光電変換するセンサと、前記光電変換後の信号に基づいて良否判定を行う制御装置と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、対物レンズ駆動装置による対物レンズのフォーカス方向への移動を検査することができる。
【0022】
また、本発明によれば、対物レンズ駆動装置の検査を行うときに、必要に応じて駆動機構を構成するトラッキングコイルに電圧をかけることにより、対物レンズがトラッキング方向に略沿った任意の位置上に存する状態で、駆動機構を構成するフォーカスコイルに電圧をかけて対物レンズのフォーカス方向への移動を検査することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本実施形態における対物レンズ駆動装置の検査装置の構成を示す図である。
【図2】本実施形態の光ピックアップ装置を取り外した場合の第2の検査治具を示す斜視図である。
【図3】本実施形態の光センサを取り外した第2の検査治具を示す平面図である。
【図4】本実施形態のアパーチャの位置調整を説明するための図である。
【図5】本実施形態のアパーチャの位置調整を説明するための図である。
【図6】本実施形態のアパーチャの位置調整を説明するための図である。
【図7】本実施形態のアパーチャの位置調整を説明するための図である。
【図8】本実施形態の対物レンズ駆動装置の検査方法を実行した結果を示す図であり、(A)は正常な場合の波形表示器の表示画面を示した図であり、(B)は正常でない場合の波形表示器の表示画面を示した図である。
【図9】本実施形態の対物レンズ駆動装置の検査方法を実行した結果を示す図であり、(A)は正常な場合の波形表示器の表示画面を示した拡大図であり、(B)は正常でない場合の波形表示器の表示画面を示した拡大図である。
【図10】本実施形態の対物レンズ駆動装置の検査方法を実行した結果を示す図であり、(A)は正常な場合の波形表示器の表示画面を示した概略図であり、(B)は正常でない場合の波形表示器の表示画面を示した概略図である。
【図11】本実施形態の対物レンズ駆動装置の検査方法を実行した結果を示す図であり、(A)はフォーカスコイル駆動電圧波形の信号上昇部の表示画面を示した概略図であり、(B)はセンサ出力電圧波形の信号上昇部の表示画面を示した概略図である。
【図12】本実施形態の対物レンズ駆動装置の検査方法を実行した結果を示す図であり、(A)はフォーカスコイル駆動電圧波形の信号下降部の表示画面を示した概略図であり、(B)はセンサ出力電圧波形の信号下降部の表示画面を示した概略図である。
【図13】光ピックアップ装置の斜視図である。
【図14】対物レンズ駆動装置の平面および断面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下に本発明に係る対物レンズ駆動装置の検査方法、検査装置の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【実施例1】
【0025】
===対物レンズ駆動装置===
対物レンズ駆動装置1は、便宜上、図14に示される上述の対物レンズ駆動装置1の場合とする。対物レンズ駆動装置1の駆動機構は、対物レンズOBLが少なくともフォーカ
ス方向に移動するようにレンズホルダ31を駆動する駆動機構とされている。具体的に説明すると、対物レンズ駆動装置1の駆動機構は、対物レンズOBLが、光ディスクのディスク面に対し略垂直な方向とされるフォーカス方向と、フォーカス方向に対して略直交する方向とされると共にタンジェンシャル方向に対して略直交する方向とされるトラッキング方向いわゆるラジアル方向と、対物レンズOBLが回動する方向とされるチルト方向と、に移動するようにレンズホルダ31を駆動する駆動機構とされている。対物レンズ駆動装置1に関する詳細内容については、図14と共に説明した上記対物レンズ駆動装置1と同じことから、その詳細な説明を省略する。
【0026】
===検査装置の構成===
図1は、本発明に係る対物レンズ駆動装置のフォーカス制御が行われるときの動作状況を検査する検査装置Wの全体構成を示した図である。尚、検査装置Wによる検査対象は、便宜上、図14に示される上記対物レンズ駆動装置1の場合とする。
【0027】
対物レンズ駆動装置1の検査装置Wは、安定化電源装置100、第1の検査治具110(駆動電圧生成器)、APC(Automatic Power Control)120、LVDS(Low Voltage Differential Signaling)変換器130、第2の検査治具140、I/Vアンプ150(電流/電圧変換回路)、オシロスコープ160(波形表示器)、A/Dコンバータ170(回路)、制御プロセッサ180(制御装置)によって主に構成される。尚、対物レンズ駆動装置1の検査装置Wの仕様や、対物レンズ駆動装置1の検査方法などにより、例えばオシロスコープ160が装備されることなく省略されてもよい。
【0028】
安定化電源装置100は、APC120並びにI/Vアンプ150にDC電圧を供給する電源装置である。安定化電源装置100は、ケーブル103を介してAPC120と接続されるとともに、ケーブル105を介してI/Vアンプ150と接続される。
【0029】
第1の検査治具110は、アクチュエータACTの主体部30のフォーカス方向への移動を検査するための設定が行われるマスタ治具である。具体的には、光ピックアップ装置OPUを構成するアクチュエータACTのフォーカスコイル34に印加させる駆動電圧を発生させてフォーカスコイル駆動電圧FVを生成する。尚、フォーカスコイル駆動電圧FVは、図1中における第1の検査治具110の+端子111、−端子112からツイストペアケーブル113によってLVDS変換器130を経由して、光ピックアップ装置OPUを構成するアクチュエータACTのフォーカスコイル34へ供給される。
【0030】
APC120は、光ピックアップ装置OPUに具備されるレーザ光源(不図示)を一定の電力で発光させるための制御を行うものである。具体的には、APC120は、安定化電源装置100から供給されるDC電圧を受け、LVDS変換器130を介して光ピックアップ装置OPUのレーザ光源に電力を供給するとともに、光ピックアップ装置OPUのレーザ光源等に制御信号を供給する。尚、APC120から出力される制御信号は、ケーブル123を介してLVDS変換器130に伝送される。尚、レーザ光源(光源)として例えばレーザダイオード(LD:laser diode)等の発光素子などが挙げられる。
【0031】
LVDS変換器130は、APC120からケーブル123を介して伝送される電力と制御信号とを受け、制御信号をLVDS変換し、前記レーザ光源に電力と制御信号を供給するとともに、第1の検査治具110からツイストペアケーブル113を介して伝送されるフォーカスコイル駆動電圧FVをアクチュエータACTのフォーカスコイル34に印加させるものである。APC120、第1の検査治具110は、信号源として機能し、LVDS変換器130は、第2の検査治具140向けの中継装置およびLVDSトランシーバ
として機能している。LVDS変換器130は、例えばフレキシブルケーブル24(ケーブル)等を介して第2の検査治具140に備えられた光ピックアップ装置OPUと接続される。
【0032】
第2の検査治具140は、アクチュエータACTを構成するアクチュエータ主体部30のフォーカス方向の移動を検査するための操作が行われる例えばスレーブ治具である。第2の検査治具140は、主に、ピンホール143を有するアパーチャ142、光センサ144、を備えて構成される。また、光ピックアップ装置OPUは、第2の検査治具140に備えられる。尚、アパーチャ142、光センサ144、そして光ピックアップ装置OPUは、水平面(X−Y平面)に対して平行に配設される。
【0033】
光ピックアップ装置OPUの外観構成を図13に示す。図13には、一部の部品が取り除かれた光ピックアップ装置OPUの一部内部構造が示されている。光ピックアップ装置OPUは、対物レンズ駆動装置1や光源等の光学系(不図示)等を金属製および/または樹脂製のケース2に収納したものであり、光源から出射された光を反射鏡等を介して対物レンズOBLに照射させる光学系や、対物レンズ駆動装置1の回路基板50(板)やサスペンションワイヤ40等に通電可能に接続されるフレキシブルプリント基板26やフレキシブルプリント基板26に通電可能に接続されるフレキシブルケーブル28等のフレキシブル基板24(ケーブル)等を備えるものとさせて、スリム化のための各種工夫が施されたものである。尚、図13には、例えば図14に示したヨーク11、磁石21、対物レンズOBL、アクチュエータACT、アクチュエータ主体部30、支持板50が示されている。
【0034】
アパーチャ142は、ここでは便宜上、例えば所定径のピンホール143(孔)を具備したもの例えば板とされる。「アパーチャ(aperture)」とは、例えば、穴、隙間などを意味し、ここでは、便宜上、そのようなもの若しくはそのようなものを有するものとされる。所定のレーザ光源からのレーザ光が光ピックアップ装置OPUの対物レンズOBLを通過してアパーチャ142に照射されると、対物レンズOBLを介して出射される集光光束がアパーチャ142によって制限される。そして、その集光光束の一部がピンホール143を通過する。光センサ144は、アパーチャ142のピンホール143を通過した集光光束の一部(ピンホール通過光)を受光してその受光量に応じた受光電流PDOUTに光電変換するセンサである。光センサ144は、ケーブル145を介してI/Vアンプ150と接続される。
【0035】
I/Vアンプ150は、光センサ144の受光電流PDOUTを電圧に変換してさらに増幅したセンサ出力電圧LDPを生成する例えば電流/電圧変換回路である。尚、センサ出力電圧LDPは、図1中のI/Vアンプ150の+端子151、−端子152より出力される。尚、対物レンズ駆動装置1の検査装置Wの仕様などにより、例えば光センサ144とI/Vアンプ150とが本願請求項に係るセンサの一実施形態とされることもある。
【0036】
オシロスコープ160は、例えば光センサ144等により光電変換後の信号に基づいて対物レンズ駆動装置1の検査を行う信号検査装置として構成されている。具体的に説明すると、オシロスコープ160は、第1の検査治具110の+端子111、−端子112から出力されるフォーカスコイル駆動電圧FV並びにI/Vアンプ150の+端子151、−端子152から出力されるセンサ出力電圧LDPを2次元のグラフとして波形表示する波形表示器である。オシロスコープ160は、表示画面161と、X軸用のチャンネル162(CH−X)と、Y軸用のチャンネル164(CH−Y)と、を備える。チャンネル162は、プローブ163を介して第1の検査治具110の+端子111、−端子112と接続される。また、チャンネル164は、プローブ165を介してI/Vアンプ150の+端子151、−端子152と接続される。
【0037】
オシロスコープ160において通常モードが設定されると、フォーカスコイル駆動電圧FVとセンサ出力電圧LDPそれぞれの時間変化の波形(縦軸(Y軸)が電圧、横軸(X軸)が時間)が表示画面161に表示される。また、例えばオシロスコープ160においてX−Yモードが設定されると、フォーカスコイル駆動電圧FVとセンサ出力電圧LDPとのリサージュ波形(縦軸(Y軸)がセンサ出力電圧LDP、横軸(X軸)がフォーカスコイル駆動電圧FV)が表示画面161に表示される。
【0038】
A/Dコンバータ(Analog to Digital Converter)170は、アナログ値からデジタル値への変換を行うチップもしくは基板または回路である。アナログ(analog)とは、物質やシステムなどの状態を連続的に変化する物理量などによって表現することを意味する。これに対し、デジタル(digital)とは、物質やシステムなどの状態を離散的な数字や文字などの信号により表現することを意味する。A/Dコンバータ170は、ケーブル173を介して第1の検査治具110の+端子111、−端子112と接続される。また、A/Dコンバータ170は、ケーブル175を介してI/Vアンプ150の+端子151、−端子152と接続される。
【0039】
制御プロセッサ180は、例えば中央演算装置を意味するCPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、システムコントローラ等とされるものである。制御プロセッサ180は、マイクロコンピュータとして構成されている。マイクロコンピュータ(micro computer)とは、超小型コンピュータを意味し、例えばマイコンと略称される。制御プロセッサ180が備える各機能は、ソフトウェアいわゆるプログラムにより実現される。この制御プロセッサ180は、光センサ144等によって光信号が電気信号に変換され、光センサ144等により光電変換されたのちの電気信号に基づいて、対物レンズ駆動装置1の良否判定工程を行う制御プロセッサ180として構成されている。
【0040】
対物レンズ駆動装置1の検査装置Wの仕様などにより、対物レンズ駆動装置1の検査装置Wは、例えば上記制御プロセッサ180を含むデジタル信号処理装置いわゆるデジタル・シグナル・プロセッサを備えて構成される。デジタル・シグナル・プロセッサとは、例えば主にデジタル信号処理に特化されたマイクロプロセッサを意味する。デジタル・シグナル・プロセッサ(digital signal processor)は、「DSP」と略称されている。DSPを構成する制御プロセッサ180を含んだチップが装備される。制御プロセッサ180を含むDSPが用いられることにより、例えば制御プロセッサ180等における高速演算処理が実行可能となる。DSPが用いられることにより、信号処理が行われるときに、例えばSN(signal/noise)比が略90dB(デシベル)以上とされ、ノイズの影響が回避され易くなり、また、周辺の雰囲気温度などによる影響も抑制され易くなる。このようなことから、DSPが用いられることにより精度の高い演算処理等が高速で行われる。
【0041】
制御プロセッサ180は、ケーブル181を介して第1の検査治具110と接続される。また、制御プロセッサ180は、ケーブル183を介してAPC120と接続される。また、制御プロセッサ180は、ケーブル185を介してA/Dコンバータ170と接続される。
【0042】
尚、各ケーブル24、103、105、113、123、145、173、175、181、183、185、各プローブ163、165は、例えば電線を構成するものとされている。また、各ケーブル24、103、105、113、123、145、173、175、181、183、185を着脱自在に通電可能に接続させるために、各ケーブル2
4、103、105、113、123、145、173、175、181、183、185に例えば中継基板(不図示)が装備されてもよい。
【0043】
対物レンズ駆動装置1の検査装置Wは、上記安定化電源装置100、上記APC120、上記LVDS変換器130、上記I/Vアンプ150、上記オシロスコープ160、上記A/Dコンバータ170、上記制御プロセッサ180、上記第1の検査治具110、上記第2の検査治具140等のアクチュエータ・スティック・ジャンプ・対策治具などを備えて構成される。
【0044】
===第2の検査治具の構造===
図2は、第2の検査治具140の斜視図である。図3は、第2の検査治具140から光センサ144を取り外し、光ピックアップ装置OPUを取り付けた場合における第2の検査治具140の平面図である。尚、図2、図3にそれぞれ示されるX−Y−Z座標は対応づけられている。
【0045】
図2、図3中に示すY軸の正方向に向かって延設部1403a、1403bが延設されたコ字状の底板1403が、例えば水平面H(図2)上に載置される。底板1403のコ字の底辺部位に対して垂直に(図2、図3中に示すZ軸の正方向に)平板状の背板1402が配設される。尚、背板1402の水平面H側の下面とは反対側(図2、図3中に示すZ軸の正方向)にある上面S1は、水平面Hからの高さ方向に向けた高さh1の位置にある。
【0046】
また、背板1402と底板1403の間の略直角の隙間には平板状の側板1404が嵌合される。側板1404は、背板1402及び底板1403に対して垂直に配設される。尚、側板1404の一方の正方形状をした面に、背板1402に対して垂直に(図2、図3中に示すY軸の正方向に)延設される例えば2本のリブを有する骨板1408が合わせられ、側板1404の他方の正方形状をした面から骨板1408に向けて螺入取付される4本のボルト1407等によって、背板1402および/または底板1403に側板1404が取り付けられる。
【0047】
側板1404の水平面H側の下面とは反対側(図2、図3中に示すZ軸の正方向の面)にある上面S3においては、側板1404と垂直に(図2、図3中に示すX軸の負方向に)アパーチャ142の短手側の端部がボルト1406によって結合される。この結果、アパーチャ142は水平面Hに対して平行に配設される。尚、側板1404の上面S3は、水平面Hからの高さ方向に向けた高さh1よりも低い高さh3の位置にある。
【0048】
背板1402の上面S1にはボルト穴1402a、1402bが設けられており、背板1402に対して垂直に(図2、図3中に示すY軸の正方向に)光センサ144の端部がボルトを介して結合される。この結果、アパーチャ142と光センサ144とは、それぞれ水平面Hに対して平行に配設される。尚、アパーチャ142のピンホール143と光センサ144の受光部とが対向するように位置調整される。
【0049】
背板1402の上面S1と垂直な側面S2から垂直に(図2、図3中に示すY軸の正方向に)金属性の2本の支持棒1405a、1405bが延設される。尚、2本の支持棒1405a、1405bは、水平面Hからの高さ方向に向けた高さh3よりも低い高さh2の位置より延設される。
【0050】
ところで、図13に示されるように、対物レンズ駆動装置1を収納するケース2例えばハウジング2aに、光ピックアップ装置OPUを水平に(図2、図3中に示すX−Y平面に対して平行に)支持するべく、前記の支持棒1405a、1405bを摺接可能な状態
で挿入させる挿入孔部70a並びに開口穴部70bが備えられている。
【0051】
例えば、光ピックアップ装置OPUの挿入孔部70aに支持棒1405aが挿入されるとともに、光ピックアップ装置OPUの開口穴部70bに支持棒1405bが挿入されるように、光ピックアップ装置OPUが第2の検査治具140の各支持棒1405a、1405bに移動可能に装備されると、光ピックアップ装置OPUは、水平面Hに対して平行な状態で第2の検査治具140に装備される。アパーチャ142、光センサ144、そして光ピックアップ装置OPUは、水平面Hに対してそれぞれ平行に配設される。また、水平面Hを基準として、アパーチャ142は略高さh3の位置に、光センサ144は略高さh1の位置に、光ピックアップ装置OPUは略高さh2の位置にある。尚、「h2<h3<h1」の関係により、図2、図3中に示すZ軸の正方向に向けて、光ピックアップ装置OPU、アパーチャ142、光センサ144の順に配置される。
【0052】
===アパーチャの位置調整===
図3〜図7を用いてアパーチャ142の位置調整について説明する。尚、図4に示すX−Y−Z座標は、図2、図3に示したX−Y−Z座標と対応づけられている。
アパーチャ142の位置調整とは、ピンホール143を通過した対物レンズOBLからの集光光束の一部(投影像302)の光量が、対物レンズOBLのフォーカス方向への移動量に応じて変化するか否かを確認するために行う初期調整である。
【0053】
まず、図3に示した第2の検査治具140の状態のように、第2の検査治具140から光センサ144を取り外して、目視確認によりピンホール143の中心が対物レンズOBLの光軸Lに一致するようにアパーチャ142の位置を調整する。
【0054】
つぎに、光センサ144を取り外した位置に紙をテープ等で固定する等して、投影像302を表示させる透過スクリーン300を装備する。そして、光ピックアップ装置OPUのレーザ光源を例えば1mW程度で点灯させ、透過スクリーン300に表示される投射像302が略円形となるようピンホール位置を調整する。
【0055】
つぎに、第1の検査治具110に備えられるシフトボリューム(不図示)の調整によってフォーカスコイル駆動電圧FVを正の上限値(本実施形態の場合、例えば+2V)とし、対物レンズOBLを含めたアクチュエータACTの主体部30を透過スクリーン300に近づかせるように(図4中に示すZ軸の正方向に)移動させる。そして、対物レンズOBLを、最も透過スクリーン300に近づけたOBL最上位置M1(第1位置;図5参照)に停止させる。このとき、投影像302が最大となるように、OBL最上位置M1におけるアパーチャ142から対物レンズOBLまでの距離T1を側板1404の位置調整によって調整する。尚、投影像302の円形が崩れた場合にはアパーチャ142の位置を再調整する。
【0056】
つぎに、第1の検査治具110に備えられるシフトボリューム(不図示)の調整によってフォーカスコイル駆動電圧FVを正の上限値(本実施形態の場合、例えば+2V)から負の下限値(本実施形態の場合、例えば−2V)に下げていくことで、対物レンズOBLを含めたアクチュエータACTの主体部30を透過スクリーン300から徐々に遠ざけるように(図4中に示すZ軸の負方向に)移動させる。即ち、対物レンズOBLを、OBL最上位置M1から、最も透過スクリーン300から遠ざけたOBL最下位置M2(第2位置;図5参照)に向けて移動させる。尚、OBL最下位置M2は、アパーチャ142から対物レンズOBLまでの距離がT2となる位置である。このとき、対物レンズOBLの移動量に応じて投影像302が小さくなっていくことを目視確認する。この途中で投影像302が大きくなるようであれば、アパーチャ142から対物レンズOBLまでの距離T1を側板1404の位置調整によって再調整する。
【0057】
ところで、第2の検査治具140にアパーチャ142を設けない場合、対物レンズOBLからの集光光束が全て光センサ144に入射されるため、光センサ144の受光電流PDOUT自体に変化はない。しかしながら、アパーチャ142を設けた場合、光センサ144上での照度(単位面積当たりの光量)は、合焦点FPからの距離で変化することになる。詳しく説明すると、照度(単位面積当りの光束)は、合焦点FPからの距離で変化する。アパーチャ142を設け、一定面積のピンホール143から光束を抽出させることにより、合焦点FPからの距離で受光電流PDOUTを変化させることができる。
【0058】
例えば、図6に示すように、r1を合焦点最上位置N1の場合のアパーチャ142上での照射像の半径、r2を合焦点最下位置N2の場合のアパーチャ142上での照射像の半径、Pを輝度(出射光量)とすると、合焦点最上位置N1の場合のアパーチャ142上での照度L1は式(1)で表現され、合焦点最下位置N2の場合のアパーチャ142上での照度L2は式(2)で表現される。また、照度L1に対する照度L2の比(=L2/L1)は、式(1)、(2)を用いて式(3)で表現される。
L1=P/π・r1 ・・・(1)
L2=P/π・r2 ・・・(2)
L2/L1=r1/r2 ・・・(3)
尚、半径r1に対する半径r2の比(=r2/r1)は、合焦点最上位置N1からアパーチャ142までの距離P1に対する合焦点最下位置N2からアパーチャ142までの距離P2の比(=P2/P1)に相当する。従って、式(3)は、式(4)のように変形することができる。
L2/L1=P1/P2 ・・・(4)
【0059】
ところで、アパーチャ142を使用して集光光束の一部を抽出し、光センサ144に入射させるとき、光センサ144は、アパーチャ142上における照度に比例した受光電流PDOUTを出力する。このため、式(4)により、受光電流PDOUTは、アパーチャ142と合焦点FPとの間の距離P1/P2の二乗に反比例して変化することが分かる。例えば、アパーチャ142と合焦点FPとの間の距離P1が短い場合、受光電流PDOUTは大きくなり、アパーチャ142と合焦点FPとの間の距離P2が長いとき、受光電流PDOUTは小さくなる。
【0060】
但し、ピンホール143の径との関係にも留意する必要がある。ピンホール143の径は、アクチュエータACTの主体部30の移動範囲内で、アパーチャ142における照射像の面積よりも小さく設定し、且つ、より多くの集光光束を通過させる必要がある。ピンホール143の径が小さすぎる場合、受光電流PDOUTは検出が困難なぐらい小さくなる虞がある。一方、レーザ光の合焦点FPが合焦点最上位置N1となったときに、アパーチャ142のピンホール143を透過しようとする拡大光の径に比べてピンホール143の径が大きすぎると、合焦点最上位置N1と合焦点最下位置N2との間でレーザ光の合焦点FPが移動させられても、透過スクリーン300にうつし出される投影像302の大小変化が起こらないことが発生する。このため、対物レンズOBLの位置変化による受光電流PDOUTの変化が確認しづらくなる。従って、ピンホール143の径は、アクチュエータACTの主体部30のフォーカス方向への移動範囲、アパーチャ142の取付位置、対物レンズOBLの開口数(NA:Numerical Aperture)、レンズ径等のパラメータに基づいて決定する。
【0061】
アパーチャ142の位置調整を終えると、透過スクリーン300を取り除き、光センサ144を第2の検査治具140に再び取り付ける。そして、第1の検査治具110が備える発振ボリュームとシフトボリューム(いずれも不図示)を調整して、正弦波のフォーカスコイル駆動電圧FVを生成する。尚、例えば、発振ボリュームによって正弦波の振幅が
設定され、シフトボリューム等により振幅している正弦波のピークトゥピーク値が設定されて、シフトボリュームによって正弦波の上限値と下限値がそれぞれ設定される。
【0062】
このとき、オシロスコープ160の表示画面161において、I/Vアンプ150より出力されるセンサ出力電圧LDPの波形が、図7に示されるように、フォーカスコイル駆動電圧FVの正弦波の時間変化に追従(同位相、同振幅)したような波形となることを目視確認する。センサ出力電圧LDPの波形が、フォーカスコイル駆動電圧FVの正弦波の時間変化に追従した波形となっていなければ、再び、アパーチャ142の位置調整を行う。
【0063】
===第一の検査方法===
図8〜図12、図14を用いて対物レンズ駆動装置1のフォーカス制御が行われるときの動作状況の検査方法について説明する。
【0064】
例えば図14に示される対物レンズ駆動装置1の如く、トラッキングコイル33に電圧をかけずにフォーカスコイル34に電圧をかけて、対物レンズ駆動装置1の検査方法を行う状態について説明する。
【0065】
アパーチャ142の位置調整を終えた後、第1の検査治具110が備える発振ボリュームとシフトボリューム(いずれも不図示)を調整して、フォーカスコイル駆動電圧FVを正弦波(本実施形態の場合、例えば上限値+1Vから下限値−2.2Vの波形)とする。そして、オシロスコープ160の表示画面161において、フォーカスコイル駆動電圧FVとセンサ出力電圧LDPとの対応関係を表現した波形表示を目視確認する。
【0066】
図8は、フォーカスコイル駆動電圧FVの波形とセンサ出力電圧LDPの波形とを、同一時間軸上において並べた表示した場合のオシロスコープ160の画面表示例である。縦軸(Y軸)が電圧を示す軸とされ、横軸(X軸)が時間を示す軸とされている。尚、図8(A)は、アクチュエータACTの主体部30のフォーカス方向への移動が正常な場合(OK(okay)品の場合)の波形例を示した図であり、図8(B)は、アクチュエータACTの主体部30のフォーカス方向への移動が正常でない場合(NG(no good)品の場合)の波形例を示した図である。
【0067】
図8(A)と図8(B)とを対比すると、正常でない場合、センサ出力電圧LDPはフォーカスコイル駆動電圧FVの立ち上がりに対して遅延が生じ、また、センサ出力電圧LDPが立ち上がった際に例えば振動が生じていることが分かる。このことより、図8(B)の場合、アクチュエータACTの主体部30の裏面30aと対向する基台10の略中央の一段下がった表面10aには粘着性の有る異物が付着しており、アクチュエータACTの主体部30の裏面30aを基台10の略中央の一段下がった表面10aから遠ざける方向にアクチュエータACTの主体部30を移動させようとすると、アクチュエータACTの主体部30が前記の粘着性を有した異物によってスムーズに移動しない(制御応答が非線形である)ことが原因であると判別できる。
【0068】
図9は、フォーカスコイル駆動電圧FVの波形とセンサ出力電圧LDPの波形とをリサージュ波形として表示した場合のオシロスコープ160の画面表示例である。縦軸(Y軸)がセンサ出力電圧LDPとされ、横軸(X軸)がフォーカスコイル駆動電圧FVとされている。尚、図9(A)は、アクチュエータACTの主体部30のフォーカス方向への移動が正常な場合の波形例を示した拡大図であり、図9(B)は、アクチュエータACTの主体部30のフォーカス方向への移動が正常でない場合の波形例を示した拡大図である。リサージュ波形の場合、図8に示した時間変化の波形と比べて、フォーカスコイル駆動電圧FVの波形とセンサ出力電圧LDPの波形とを一つの波形で表現することができ、フォ
ーカスコイル駆動電圧FVとセンサ出力電圧LDPとの対比が容易という利点がある。
【0069】
図9(A)に示される正常な場合、フォーカス駆動電圧FVを下限値から上限値に向けて上げていくときのフォーカス駆動電圧FVの変化と、センサ出力電圧LDPを下限値から上限値に向けて上げていくときのセンサ出力電圧LDPの変化とが略一致していることが分かる。一方、図9(B)に示される正常でない場合、フォーカス駆動電圧FVを下限値から上限値に向けて上げていくときのフォーカス駆動電圧FVの変化と、センサ出力電圧LDPを下限値から上限値に向けて上げていくときのセンサ出力電圧LDPの変化とが不一致となることが分かる。
【0070】
尚、図9(B)に示される状態が生じた場合、フォーカス駆動電圧FVを下限値から上限値に向けて上げていくとき、センサ出力電圧LDPは立ち上がりの際に遅延が生じ、また、立ち上がった後に例えば振動が生じることが分かる。このことより、図9(B)の場合、アクチュエータACTの主体部30が前記の粘着性を有した異物によってスムーズに移動しない(制御応答が非線形である)ことが原因であると判別できる。
【0071】
対物レンズ駆動装置1の検査方法が実行されるときに、例えば上記前工程が実行される。上記前工程における対物レンズ駆動装置1の良否判定は、センサ出力電圧LDPの信号とフォーカスコイル駆動電圧FVの信号とをオシロスコープ160にてリサージュ図形として表示させて行われる。このように、上記した対物レンズ駆動装置1の検査方法の前工程においては、例えばセンサ出力電圧LDPの信号とフォーカスコイル駆動電圧FVの信号とをオシロスコープ160のX軸用のチャンネル162とY軸用のチャンネル164とに入力させ、オシロスコープ160に表示されるリサージュ図形に基づき、人の目視によって、対物レンズ駆動装置1の良否判定が行われる。
【0072】
しかしながら、対物レンズ駆動装置1の良否判定が人の目視によって長時間にわたって行われ続けると、間違った対物レンズ駆動装置1の良否判定が行われる可能性がある。また、人の目視によって対物レンズ駆動装置1の良否判定が行われるため、例えば人件費がかかることとなり、その結果、対物レンズ駆動装置1のコストを低く抑えることが困難となって、対物レンズ駆動装置1の製造コストが上昇するということが問題となる。
【0073】
このようなことから、A/Dコンバータ170、制御プロセッサ180を備える対物レンズ駆動装置1の検査装置Wを用いて、対物レンズ駆動装置1の検査方法を行う。以下に、A/Dコンバータ170、制御プロセッサ180を用いた対物レンズ駆動装置1の検査方法、並びに、A/Dコンバータ170、制御プロセッサ180を備える対物レンズ駆動装置1の検査装置Wの基本動作について説明する。
【0074】
例えばセンサ出力電圧LDPの信号とフォーカスコイル駆動電圧FVの信号とをA/Dコンバータ170に入力させ、一定時間毎のサンプリングが可能な構成とさせる。例えば制御プロセッサ180にて、センサ出力電圧LDPの信号、又は、センサ出力電圧LDPの信号およびフォーカスコイル駆動電圧FVの信号に基づいて測定を制御させ、自動的に対物レンズ駆動装置1の良否判定を実行させる。第1の検査治具110、第2の検査治具140等のアクチュエータ・スティック・ジャンプ・対策治具などを備える対物レンズ駆動装置1の検査装置Wを用いて、対物レンズ駆動装置1の自動良否判定を実行させる。
【0075】
図10は、フォーカスコイル駆動電圧FVの波形とセンサ出力電圧LDPの波形とをリサージュ波形として表示した場合のオシロスコープ160の概略画面表示例である。横軸がフォーカスコイル駆動電圧FVとされ、縦軸がセンサ出力電圧LDPとされている。尚、図10(A)は、アクチュエータACTの主体部30のフォーカス方向への移動が正常な場合の波形例を示した概略図であり、図10(B)は、アクチュエータACTの主体部
30のフォーカス方向への移動が正常でない場合の波形例を示した概略図である。
【0076】
図10(A)に示される正常な場合、フォーカス駆動電圧FVを下限値から上限値に向けて上げていくときのフォーカス駆動電圧FVの変化と、センサ出力電圧LDPを下限値から上限値に向けて上げていくときのセンサ出力電圧LDPの変化とが略一致していることが分かる。一方、図10(B)に示される正常でない場合、例えば波形電圧に振動が生じ、フォーカス駆動電圧FVを下限値から上限値に向けて上げていくときのフォーカス駆動電圧FVの変化と、センサ出力電圧LDPを下限値から上限値に向けて上げていくときのセンサ出力電圧LDPの変化とが不一致となることが分かる。このような特性を利用して、A/Dコンバータ170、制御プロセッサ180を用いた対物レンズ駆動装置1の検査方法を行う。
【0077】
図11は、同一時間内におけるフォーカスコイル駆動電圧FVの波形とセンサ出力電圧LDPの波形とを示した場合のオシロスコープ160の概略画面表示例である。尚、図11(A)は、フォーカスコイル駆動電圧FVの信号上昇部の波形例を示した概略図であり、図11(B)は、センサ出力電圧LDPの信号上昇部の波形例を示した概略図である。
【0078】
また、図12は、同一時間内におけるフォーカスコイル駆動電圧FVの波形とセンサ出力電圧LDPの波形とを示した場合のオシロスコープ160の概略画面表示例である。尚、図12(A)は、フォーカスコイル駆動電圧FVの信号下降部の波形例を示した概略図であり、図12(B)は、センサ出力電圧LDPの信号下降部の波形例を示した概略図である。
【0079】
例えば、図11(A)の如く、フォーカスコイル駆動電圧FVの信号を下限から上限まで変化させる。この場合、フォーカスコイル駆動電圧FVのサンプリング期間は、例えばフォーカスコイル駆動電圧FVを示す正弦波の下限から上限までの1/2周期とされている。また、例えば図12(A)の如く、フォーカスコイル駆動電圧FVの信号を上限から下限まで変化させる。この場合、フォーカスコイル駆動電圧FVのサンプリング期間は、例えばフォーカスコイル駆動電圧FVを示す正弦波の上限から下限までの1/2周期とされている。
【0080】
フォーカスコイル駆動電圧FVを示す正弦波の下限から上限まで変化させると、対物レンズOBLが上昇されるときに、センサ出力電圧LDPの信号は、図11(B)の如く、略一定状態(MIN)から上昇されて略一定状態(MAX)となる変化を示す。また、対物レンズOBLが下降されるときに、センサ出力電圧LDPの信号は、図12(B)の如く、略一定状態(MAX)から下降されて略一定状態(MIN)となる変化を示す。
【0081】
このような特性に基づき、対物レンズOBLが上昇させられるときに、センサ出力電圧LDPの信号に例えば振動が生じてセンサ出力電圧LDPの信号が減少した場合に、対物レンズ駆動装置1の良否判定をNGとさせる。また、対物レンズOBLが下降させられるときに、センサ出力電圧LDPの信号に例えば振動が生じてセンサ出力電圧LDPの信号が増加した場合に、対物レンズ駆動装置1の良否判定をNGとさせる。
【0082】
対物レンズ駆動装置1の検査方法における自動判定方法について詳しく説明すると、先ず、対物レンズ駆動装置1の検査装置Wにおける所定の位置に、対物レンズ駆動装置1を有する光ピックアップ装置OPUを備えさせて通電可能にセットさせる。しかしながら、このときに、対物レンズ駆動装置1は、未だ通電されていない状態とされている。対物レンズ駆動装置1を通電状態とさせたのちに、例えば主に、オシロスコープ160、A/Dコンバータ170、制御プロセッサ180等を用いて、対物レンズ駆動装置1の自動判定方法を実行させる。
【0083】
先ず、FV波形の信号上昇部における制御プロセッサ180の設定方法ならびにLDP波形の信号上昇部における制御プロセッサ180の設定方法について具体的に説明する。
【0084】
制御プロセッサ180からAPC120に信号を送信させて、安定化電源装置100に接続されたAPC120を通電開始状態とさせる。すると、APC120とLVDS変換器130とが通電されると共に、LVDS変換器130と光ピックアップ装置OPUとが通電される。また、光ピックアップ装置OPUに装備された光源が通電状態となり、光源からレーザ光が出射される。この場合、制御プロセッサ180内のプログラムにて、例えば「LD_ON」の工程が実行されて、APC120が通電状態にされる。
【0085】
次に、フォーカスコイル駆動電圧FVの信号における下限の電圧設定が行われる。このときに、初期値を下限に設定させる。この場合、制御プロセッサ180内のプログラムにて、例えば「OBL下限位置設定」の工程が実行される。
【0086】
次に、制御プロセッサ180内のプログラムにて、例えば「i←0」と設定させる。次に、A/Dコンバータ170に対し、制御プロセッサ180内のプログラムにて、例えば「フォーカスコイル駆動電圧FVの値→FVV(i)」と設定させると共に、例えば「センサ出力電圧LDPの値→LDPV(i)」と設定させる。
【0087】
次に、制御プロセッサ180内のプログラムにて「i」をインクリメントさせる。インクリメント(increment)とは、プログラミングで、繰返し処理などが行われる際に、数値を定められた大きさで増加させることを意味する。このときに「i<100」の場合には、再び、例えば「フォーカスコイル駆動電圧FVの値→FVV(i)」と設定させると共に、例えば「センサ出力電圧LDPの値→LDPV(i)」と設定させる。「i=100」となるまで、繰り返して、「フォーカスコイル駆動電圧FVの値→FVV(i)」と設定させると共に、「センサ出力電圧LDPの値→LDPV(i)」と設定させる。「i≧100」とされたときに、制御プロセッサ180内のプログラムにて、「LDP(100)」、又は、「LDP(100)」及び「FV(100)」とされたときの値に基づく判定が行われる。例えば下式(5)に基づく判定が制御プロセッサ180にて行われる。
LDP(100):LDP(m+1)>LDP(m)(但し、0<m<98)…(5)
【0088】
例えば、前記式(5)を満足する対物レンズ駆動装置1は、良品の対物レンズ駆動装置1たとえばOK品の対物レンズ駆動装置1と判定される。これに対し、前記式(5)を満足しない対物レンズ駆動装置1は、不良品の対物レンズ駆動装置1たとえばNG品の対物レンズ駆動装置1と判定される。
【0089】
なお、前記式(5)に基づく判定が制御プロセッサ180にて行われるときに、例えば併せて下式(6)に基づく照合・判定が制御プロセッサ180にて行われてもよい。
FV(100):FV(m+1)>FV(m)(但し、0<m<98)…(6)
【0090】
例えば、前記式(6)を満足する対物レンズ駆動装置1は、良品の対物レンズ駆動装置1たとえばOK品の対物レンズ駆動装置1と判定される。これに対し、前記式(6)を満足しない対物レンズ駆動装置1は、不良品の対物レンズ駆動装置1たとえばNG品の対物レンズ駆動装置1と判定される。
【0091】
例えば図11(A)および図11(B)を用いて、対物レンズ駆動装置1の検査方法が行われる状態について詳しく説明する。
【0092】
図11(A)および図11(B)における横軸は、時間を示す軸とされている。また、図11(A)および図11(B)における縦軸は、電圧を示す軸とされている。フォーカスコイル駆動電圧FVを示す正弦波の下限から上限までの1/2周期の時間を例えばi=0,1,2,3,4,……95,96,97,98,99というように整数にて100分割させる。センサ出力電圧LDPの値、又は、センサ出力電圧LDPの値およびフォーカスコイル駆動電圧FVの値が、時間と共に増加する結果が得られた対物レンズ駆動装置1に対しては、制御プロセッサ180にてOK品の対物レンズ駆動装置1と判定される。しかしながら、センサ出力電圧LDPの値、又は、センサ出力電圧LDPの値およびフォーカスコイル駆動電圧FVの値が、時間と共に減少することのある結果が得られた対物レンズ駆動装置1に対しては、制御プロセッサ180にてNG品の対物レンズ駆動装置1と判定される。
【0093】
次に、FV波形の信号下降部における制御プロセッサ180の設定方法ならびにLDP波形の信号下降部における制御プロセッサ180の設定方法について具体的に説明する。
【0094】
制御プロセッサ180からAPC120に信号を送信させて、安定化電源装置100に接続されたAPC120を通電開始状態とさせる。すると、APC120とLVDS変換器130とが通電されると共に、LVDS変換器130と光ピックアップ装置OPUとが通電される。また、光ピックアップ装置OPUに装備された光源が通電状態となり、光源からレーザ光が出射される。この場合、制御プロセッサ180内のプログラムにて、例えば「LD_ON」の工程が実行されて、APC120が通電状態にされる。
【0095】
次に、フォーカスコイル駆動電圧FVの信号における上限の電圧設定が行われる。このときに、初期値を上限に設定させる。この場合、制御プロセッサ180内のプログラムにて、例えば「OBL上限位置設定」の工程が実行される。
【0096】
次に、制御プロセッサ180内のプログラムにて、例えば「j←0」と設定させる。次に、A/Dコンバータ170に対し、制御プロセッサ180内のプログラムにて、例えば「フォーカスコイル駆動電圧FVの値→FVV(j)」と設定させると共に、例えば「センサ出力電圧LDPの値→LDPV(j)」と設定させる。
【0097】
次に、制御プロセッサ180内のプログラムにて「j」をインクリメントさせる。このときに「j<100」の場合には、再び、例えば「フォーカスコイル駆動電圧FVの値→FVV(j)」と設定させると共に、例えば「センサ出力電圧LDPの値→LDPV(j)」と設定させる。「j=100」となるまで、繰り返して、「フォーカスコイル駆動電圧FVの値→FVV(j)」と設定させると共に、「センサ出力電圧LDPの値→LDPV(j)」と設定させる。「j≧100」とされたときに、制御プロセッサ180内のプログラムにて、「LDP(100)」、又は、「LDP(100)」及び「FV(100)」とされたときの値に基づく判定が行われる。例えば下式(7)に基づく判定が制御プロセッサ180にて行われる。
LDP(100):LDP(n+1)<LDP(n)(但し、0<n<98)…(7)
【0098】
例えば、前記式(7)を満足する対物レンズ駆動装置1は、良品の対物レンズ駆動装置1たとえばOK品の対物レンズ駆動装置1と判定される。これに対し、前記式(7)を満足しない対物レンズ駆動装置1は、不良品の対物レンズ駆動装置1たとえばNG品の対物レンズ駆動装置1と判定される。
【0099】
なお、前記式(7)に基づく判定が制御プロセッサ180にて行われるときに、例えば併せて下式(8)に基づく照合・判定が制御プロセッサ180にて行われてもよい。
FV(100):FV(n+1)<FV(n)(但し、0<n<98)…(8)
【0100】
例えば、前記式(8)を満足する対物レンズ駆動装置1は、良品の対物レンズ駆動装置1たとえばOK品の対物レンズ駆動装置1と判定される。これに対し、前記式(8)を満足しない対物レンズ駆動装置1は、不良品の対物レンズ駆動装置1たとえばNG品の対物レンズ駆動装置1と判定される。
【0101】
また、例えば図12(A)および図12(B)を用いて、対物レンズ駆動装置1の検査方法が行われる状態について詳しく説明する。
【0102】
図12(A)および図12(B)における横軸は、時間を示す軸とされている。また、図12(A)および図12(B)における縦軸は、電圧を示す軸とされている。フォーカスコイル駆動電圧FVを示す正弦波の上限から下限までの1/2周期の時間を例えばi=0,1,2,3,4,……95,96,97,98,99というように整数にて100分割させる。センサ出力電圧LDPの値、又は、センサ出力電圧LDPの値およびフォーカスコイル駆動電圧FVの値が、時間と共に減少する結果が得られた対物レンズ駆動装置1に対しては、制御プロセッサ180にてOK品の対物レンズ駆動装置1と判定される。しかしながら、センサ出力電圧LDPの値、又は、センサ出力電圧LDPの値およびフォーカスコイル駆動電圧FVの値が、時間と共に増加することのある結果が得られた対物レンズ駆動装置1に対しては、制御プロセッサ180にてNG品の対物レンズ駆動装置1と判定される。
【0103】
このようにすることで、対物レンズ駆動装置1のフォーカス動作に例えば波打つ動作が生じたときに、この対物レンズ駆動装置1は不良品であると制御プロセッサ180にマイコン判定させることが可能となる。
【0104】
このように対物レンズ駆動装置1の検査方法ならびに対物レンズ駆動装置1の検査装置Wの基本動作確認を行ったのちに、例えば、オシロスコープ160が通電可能に接続されていた第1のプローブ163を第1の検査治具110から取り外すと共に、オシロスコープ160が通電可能に接続されていた第2のプローブ165をI/Vアンプ150から取り外して、対物レンズ駆動装置1の検査装置Wから各プローブ163、165およびオシロスコープ160を取り除く。オシロスコープ160が装備されていない対物レンズ駆動装置1の検査装置Wとされても、検査装置Wの制御プロセッサ180内のプログラムにて、例えば図11および/または図12に示すような判定工程が行われることにより、対物レンズ駆動装置1の良否判定が行われる。オシロスコープ160が装備されている対物レンズ駆動装置1の検査装置W、又は、オシロスコープ160が装備されていない対物レンズ駆動装置1の検査装置Wの何れの対物レンズ駆動装置1の検査装置Wが用いられても、対物レンズ駆動装置1の検査方法は良好に行われる。
【0105】
A/Dコンバータ170、制御プロセッサ180を備える対物レンズ駆動装置1の検査装置Wが用いられて対物レンズ駆動装置1の検査方法が実行されることにより、対物レンズ駆動装置1による対物レンズOBLのフォーカス方向への移動を検査することができる。
【実施例2】
【0106】
つぎに本発明に係る対物レンズ駆動装置の検査方法の他の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0107】
尚、実施例1における対物レンズ駆動装置1ならびに対物レンズ駆動装置1の検査装置Wと、実施例2における対物レンズ駆動装置1ならびに対物レンズ駆動装置1の検査装置Wと、は、同一のものとされていることから、ここではその詳細な説明を省略した。
【0108】
===第二の検査方法===
つぎに、例えばトラッキングコイル33に電圧がかけられると共にフォーカスコイル34に電圧がかけられて、対物レンズ駆動装置1の検査方法が行われる状態について説明する。
【0109】
上記図1〜図14に示され、上記プログラムによる上記インクリメント、上記式(5)、上記式(6)、上記式(7)、上記式(8)等を含む上記「第一の検査方法」においては、トラッキングコイル33に電圧をかけずにフォーカスコイル34に電圧をかけて、対物レンズ駆動装置1の検査方法を実行させるが、「第二の検査方法」においては、例えば必要に応じてトラッキングコイル33に所定の電圧をかけて、対物レンズ駆動装置1が平面視(図14の上側)されたときに対物レンズOBLを備えたアクチュエータ主体部30の略中心を例えばラジアル方向に略沿ってラジアル方向の一側位置Y1から他側位置Y2までの間の任意の検査測定させたい位置に移動させ、ラジアル方向の一側位置Y1から他側位置Y2までの間の任意の検査測定位置において、対物レンズOBLを備えたアクチュエータ主体部30をフォーカス方向に動作させて対物レンズ駆動装置1の検査方法を実行させる。この点において、「第一の検査方法」と「第二の検査方法」とが異なるが、他の部分においては、「第一の検査方法」と「第二の検査方法」とは同じとされる。
【0110】
「第二の検査方法」において、上記図1〜図14に示され、上記プログラムによる上記インクリメント、上記式(5)、上記式(6)、上記式(7)、上記式(8)等を含む上記「第一の検査方法」に基づいたものと同一のものについては、同一の符号を用い、その詳細な説明を省略した。
【0111】
トラッキングコイル33にかけられる電圧は、例えば対物レンズOBLを備えたアクチュエータ主体部30の略中心がラジアル方向に略沿って移動可能な範囲内においてアクチュエータ主体部30を動作させるときに対応する電圧とする。
【0112】
平面視されたアクチュエータ主体部30の略中心がラジアル方向に略沿って移動可能な範囲内において、例えば、ラジアル方向の一側位置Y1をプラス側位置Y1とさせ、ラジアル方向の他側位置Y2をマイナス側位置Y2とさせ、一側位置Y1とされるプラス側位置Y1と他側位置Y2とされるマイナス側位置Y2との間の略中央位置Y0をゼロ(0)位置Y0とさせる。
【0113】
また、例えば、平面視されたアクチュエータ主体部30の略中心がラジアル方向に略沿って最もプラス側位置Y1に寄せられたときのトラッキング信号値をトラッキング信号のMAX値とさせ、平面視されたアクチュエータ主体部30の略中心がラジアル方向に略沿って最もマイナス側位置Y2に寄せられたときのトラッキング信号値をトラッキング信号のMIN値とさせる。
【0114】
また、例えば、平面視されたアクチュエータ主体部30の略中心がラジアル方向に略沿って最もプラス側位置Y1に寄せられたときに、対物レンズOBLを備えたアクチュエータ主体部30をフォーカス方向に略沿ってフォーカス位置の下限から上限に向けて移動させたり、対物レンズOBLを備えたアクチュエータ主体部30をフォーカス方向に略沿ってフォーカス位置の上限から下限に向けて移動させたりする。
【0115】
また、例えば、平面視されたアクチュエータ主体部30の略中心がラジアル方向に略沿った最もプラス側位置Y1と最もマイナス側位置Y2との間の略中央位置Y0に存在させられたときに、対物レンズOBLを備えたアクチュエータ主体部30をフォーカス方向に略沿ってフォーカス位置の下限から上限に向けて移動させたり、対物レンズOBLを備え
たアクチュエータ主体部30をフォーカス方向に略沿ってフォーカス位置の上限から下限に向けて移動させたりする。
【0116】
また、例えば、平面視されたアクチュエータ主体部30の略中心がラジアル方向に略沿って最もマイナス側位置Y2に寄せられたときに、対物レンズOBLを備えたアクチュエータ主体部30をフォーカス方向に略沿ってフォーカス位置の下限から上限に向けて移動させたり、対物レンズOBLを備えたアクチュエータ主体部30をフォーカス方向に略沿ってフォーカス位置の上限から下限に向けて移動させたりする。
【0117】
このようにすることにより、平面視されたアクチュエータ主体部30をラジアル方向に略沿った任意の各位置に移動変更させ、アクチュエータ主体部30のラジアル方向に略沿った任意の各位置上において、対物レンズOBLを備えるアクチュエータ主体部30がフォーカス方向に略沿ってスムーズに動作するものか否かの検査が確実に行われる。
【0118】
平面視されたアクチュエータ主体部30の略中心がラジアル方向に略沿って最もプラス側位置Y1に寄せられたときの一側位置Y1を例えばディスク外周部側略最大位置Y1と定める。また、平面視されたアクチュエータ主体部30の略中心がラジアル方向に略沿って移動可能な範囲内において、一側位置Y1と他側位置Y2との略中間を例えば略中央位置Y0と定める。また、平面視されたアクチュエータ主体部30の略中心がラジアル方向に略沿って最もマイナス側位置Y2に寄せられたときの他側位置Y2を例えばディスク内周部側略最大位置Y2と定める。
【0119】
例えば、平面視されたアクチュエータ主体部30をラジアル方向に略沿って位置変更させ、ディスク外周部側略最大位置Y1、略中央位置Y0、及びディスク内周部側略最大位置Y2の三箇所の位置で、対物レンズ駆動装置1の検査方法を実行させる。
【0120】
まず、アクチュエータ主体部30を構成するトラッキングコイル33にトラッキングコイル駆動電圧TV−OUTをかけ、平面視されたアクチュエータ主体部30をラジアル方向に略沿ってディスク外周部側略最大位置Y1に移動させる。
【0121】
トラッキングコイル駆動電圧TV−OUTは、例えば下式(9)に基づいて定められる。
【数1】

【0122】
つぎに、例えば、上記プログラムによる上記インクリメント、上記式(5)、上記式(6)、上記式(7)、上記式(8)等を含む上記「第一の検査方法」に記載された各工程等に基づいて、対物レンズ駆動装置1の検査方法を行う。対物レンズOBLを備えたアクチュエータ主体部30をフォーカス方向に略沿ってフォーカス位置の下限から上限に向けて移動させたり、対物レンズOBLを備えたアクチュエータ主体部30をフォーカス方向に略沿ってフォーカス位置の上限から下限に向けて移動させたりして、ディスク外周部側略最大位置Y1におけるアクチュエータ主体部30の作動状態を検査する。
【0123】
つぎに、アクチュエータ主体部30を構成するトラッキングコイル33に微弱なトラッキングコイル駆動電圧TV−CENTERをかけたり、トラッキングコイル駆動電圧をかけるのを止めたりする等して、平面視されたアクチュエータ主体部30をラジアル方向に略沿って略中央位置Y0に移動させる。
【0124】
トラッキングコイル駆動電圧TV−CENTERは、例えば下式(10)に基づいて定められる。
トラッキングコイル駆動電圧TV−CENTER=0 …(10)
【0125】
例えば対物レンズ駆動装置1の検査方法の実行方法等により、平面視されたアクチュエータ主体部30の略中心がラジアル方向に略沿って略中央位置Y0に存在するときに、アクチュエータ主体部30を構成するトラッキングコイル33に微弱なトラッキングコイル駆動電圧をかけることなく、上記プログラムによる上記インクリメント、上記式(5)、上記式(6)、上記式(7)、上記式(8)等を含む上記「第一の検査方法」に記載された各工程等に基づいて、対物レンズ駆動装置1の検査方法を行う。
【0126】
つぎに、例えば、上記プログラムによる上記インクリメント、上記式(5)、上記式(6)、上記式(7)、上記式(8)等を含む上記「第一の検査方法」に記載された各工程等に基づいて、対物レンズ駆動装置1の検査方法を行う。対物レンズOBLを備えたアクチュエータ主体部30をフォーカス方向に略沿ってフォーカス位置の下限から上限に向けて移動させたり、対物レンズOBLを備えたアクチュエータ主体部30をフォーカス方向に略沿ってフォーカス位置の上限から下限に向けて移動させたりして、略中央位置Y0におけるアクチュエータ主体部30の作動状態を検査する。
【0127】
つぎに、アクチュエータ主体部30を構成するトラッキングコイル33にトラッキングコイル駆動電圧TV−INをかけ、平面視されたアクチュエータ主体部30をラジアル方向に略沿ってディスク内周部側略最大位置Y2に移動させる。
【0128】
トラッキングコイル駆動電圧TV−INは、例えば下式(11)に基づいて定められる。
【数2】

【0129】
つぎに、例えば、上記プログラムによる上記インクリメント、上記式(5)、上記式(6)、上記式(7)、上記式(8)等を含む上記「第一の検査方法」に記載された各工程等に基づいて、対物レンズ駆動装置1の検査方法を行う。対物レンズOBLを備えたアクチュエータ主体部30をフォーカス方向に略沿ってフォーカス位置の下限から上限に向けて移動させたり、対物レンズOBLを備えたアクチュエータ主体部30をフォーカス方向に略沿ってフォーカス位置の上限から下限に向けて移動させたりして、ディスク内周部側略最大位置Y2におけるアクチュエータ主体部30の作動状態を検査する。
【0130】
対物レンズOBLを有する対物レンズ駆動装置1の検査を行うときに、対物レンズOBLが備えられた対物レンズ駆動装置1の駆動機構を構成するフォーカスコイル34にフォ
ーカス駆動電圧FVを印加させる。そのときに必要に応じて、対物レンズOBLが備えられた対物レンズ駆動装置1の駆動機構を構成するトラッキングコイル33にトラッキング駆動電圧TV−IN、TV−OUT、及び/又はTV−CENTERを印加させ、平面視されたアクチュエータ主体部30をラジアル方向に略沿って任意の位置に移動させてから、対物レンズOBLが備えられた対物レンズ駆動装置1の駆動機構を構成するフォーカスコイル34にフォーカス駆動電圧FVを印加させて、対物レンズOBLを有する対物レンズ駆動装置1の検査を行う。
【0131】
対物レンズOBLが備えられた対物レンズ駆動装置1の検査方法を実行するときに、必要に応じて対物レンズ駆動装置1の駆動機構を構成するトラッキングコイル33に電圧をかけることにより、対物レンズ駆動装置1が略平面視されたときの対物レンズOBLを有するアクチュエータ主体部30がトラッキング方向に略沿った任意の位置上に移動される。対物レンズOBLを有するアクチュエータ主体部30がトラッキング方向に略沿った任意の位置上に存する状態で、対物レンズ駆動装置1の駆動機構を構成するフォーカスコイル34に電圧をかけて、対物レンズOBLを有するアクチュエータ主体部30のフォーカス方向への移動を例えば制御プロセッサ180等を用いてマイコン検査/判定させることができる。
【0132】
以上、本発明の実施形態について説明したが、前述した実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明はその趣旨を逸脱することなく変更/改良され得るとともに、本発明にはその等価物も含まれるものである。
【0133】
例えば、光センサ144等により光電変換後の信号に基づいて対物レンズ駆動装置1の検査を行う信号検査装置としてオシロスコープ160が例示されているが、オシロスコープ160以外の他の装置が信号検査装置として用いられてもよい。例えば、光センサ144等により光電変換後の信号に基づいて対物レンズ駆動装置1の検査を行う信号検査装置として、制御プロセッサ180が用いられてもよい。光センサ144等により光電変換後の信号に基づいて対物レンズ駆動装置1の検査を行う信号検査装置として、例えば、オシロスコープ160または制御プロセッサ180の何れか一方または両方が用いられてもよい。
【0134】
また、例えば対物レンズ駆動装置1の検査方法の実行方法等により、必要に応じてトラッキングコイル33に所定の電圧をかけて、対物レンズ駆動装置1が平面視(図14の上側)されたときに対物レンズOBLを備えたアクチュエータ主体部30の略中心を例えばラジアル方向に略沿ってラジアル方向の他側位置Y2から一側位置Y1までの間の任意の検査測定させたい位置に移動させ、ラジアル方向の他側位置Y2から一側位置Y1までの間の任意の検査測定位置において、対物レンズOBLを備えたアクチュエータ主体部30をフォーカス方向に動作させて対物レンズ駆動装置1の検査方法を実行させてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0135】
例えば対物レンズ駆動装置による対物レンズのフォーカス方向への移動を検査可能な対物レンズ駆動装置の検査方法、検査装置に適用可能とされる。
【符号の説明】
【0136】
1 対物レンズ駆動装置
10 基板(基台)
10a 表面
11、12 ヨーク
21、22 磁石
30 アクチュエータ主体部(主体部)
30a 裏面(底面)
31 レンズホルダ(ホルダ)
32 係止部材
33 トラッキングコイル
34 フォーカスコイル
40 サスペンションワイヤ(ワイヤ)
50 支持板(板)
100 安定化電源装置(電源装置)
110 第1の検査治具(駆動電圧生成器)
120 APC
130 LVDS変換器
140 第2の検査治具(スレーブ治具)
142 アパーチャ
144 光センサ(センサ)
150 I/Vアンプ(電流/電圧変換回路)
160 オシロスコープ(波形表示器)
161 表示画面
170 A/Dコンバータ(回路)
180 制御プロセッサ(制御装置)
ACT アクチュエータ
FV フォーカスコイル駆動電圧(フォーカス駆動電圧)
LDP センサ出力電圧
M1 OBL最上位置(第1位置)
M2 OBL最下位置(第2位置)
OBL 対物レンズ
OPU 光ピックアップ装置
TV−CENTER、TV−IN、TV−OUT トラッキングコイル駆動電圧(トラッキング駆動電圧)
W 検査装置
Y0 略中央位置(位置)
Y1 ディスク外周部側略最大位置(位置)
Y2 ディスク内周部側略最大位置(位置)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基台と、対物レンズと、前記基台上で前記対物レンズを保持するホルダと、前記対物レンズが少なくともフォーカス方向に移動するように前記ホルダを駆動する駆動機構と、を有する対物レンズ駆動装置の検査方法において、
前記対物レンズを介してレーザ光を出射させる工程と、
前記対物レンズを介して出射される前記レーザ光を所定径のアパーチャに通過させる工程と、
前記ホルダが前記基台の面に最も近づく第1位置と前記基台の面から前記第1位置よりも遠ざかる第2位置との間を移動するための駆動電圧を前記駆動機構に与える工程と、
前記アパーチャを通過した前記レーザ光を光電変換する工程と、
前記光電変換後の信号に基づいて良否判定を行う工程と、
を含む
ことを特徴とする対物レンズ駆動装置の検査方法。
【請求項2】
請求項1に記載の対物レンズ駆動装置の検査方法において、
前記対物レンズ駆動装置の検査を行うときに、必要に応じて前記駆動機構を構成するトラッキングコイルに印加させ、前記駆動機構を構成するフォーカスコイルに印加させる
ことを特徴とする対物レンズ駆動装置の検査方法。
【請求項3】
請求項1に記載の対物レンズ駆動装置の検査方法において、
前記駆動機構は、前記対物レンズが前記フォーカス方向ならびに前記フォーカス方向に対して略直交する方向とされるトラッキング方向に移動するように前記ホルダを駆動する駆動機構とされ、
前記対物レンズ駆動装置の検査を行うときに、必要に応じて前記駆動機構を構成するトラッキングコイルに印加させ、前記駆動機構を構成するフォーカスコイルに印加させる
ことを特徴とする対物レンズ駆動装置の検査方法。
【請求項4】
基台と、対物レンズと、前記基台上で前記対物レンズを保持するホルダと、前記対物レンズが少なくともフォーカス方向に移動するように前記ホルダを駆動する駆動機構と、を有する対物レンズ駆動装置の検査方法において、
前記対物レンズを介してレーザ光を出射させる工程と、
前記対物レンズを介して出射される前記レーザ光を所定径のアパーチャに通過させる工程と、
前記ホルダが前記基台の面に最も近づく第1位置と前記基台の面から前記第1位置よりも遠ざかる第2位置との間を移動するための駆動電圧を前記駆動機構に与える工程と、
前記アパーチャを通過した前記レーザ光を光電変換する工程と、
前記光電変換後の信号に基づいて対物レンズ駆動装置の検査を行う工程と、
を含み、
前記対物レンズ駆動装置の検査を行うときに、必要に応じて前記駆動機構を構成するトラッキングコイルに印加させ、前記駆動機構を構成するフォーカスコイルに印加させる
ことを特徴とする対物レンズ駆動装置の検査方法。
【請求項5】
基台と、対物レンズと、前記基台上で前記対物レンズを保持するホルダと、前記対物レンズが少なくともフォーカス方向に移動するように前記ホルダを駆動する駆動機構と、を有する対物レンズ駆動装置の検査方法において、
前記対物レンズを介してレーザ光を出射させる工程と、
前記対物レンズを介して出射される前記レーザ光を所定径のアパーチャに通過させる工程と、
前記ホルダが前記基台の面に最も近づく第1位置と前記基台の面から前記第1位置より
も遠ざかる第2位置との間を移動するための駆動電圧を前記駆動機構に与える工程と、
前記アパーチャを通過した前記レーザ光を光電変換する工程と、
前記駆動電圧の波形と前記光電変換後の波形とを表示画面に表示させる工程と、
を含み、
前記対物レンズ駆動装置の検査を行うときに、必要に応じて前記駆動機構を構成するトラッキングコイルに印加させ、前記駆動機構を構成するフォーカスコイルに印加させる
ことを特徴とする対物レンズ駆動装置の検査方法。
【請求項6】
基台上で対物レンズを保持するホルダを当該対物レンズが少なくともフォーカス方向に移動するように駆動する駆動機構に対し、当該ホルダが当該基台の面に最も近づく第1位置と当該基台の面から当該第1位置よりも遠ざかる第2位置との間を移動するための駆動電圧を生成する駆動電圧生成器と、
前記対物レンズを介して出射されるレーザ光を通過させる所定径のアパーチャと、
前記アパーチャを通過した前記レーザ光を光電変換するセンサと、
前記光電変換後の信号に基づいて良否判定を行う制御装置と、
を備える
ことを特徴とする対物レンズ駆動装置の検査装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2010−135045(P2010−135045A)
【公開日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−47950(P2009−47950)
【出願日】平成21年3月2日(2009.3.2)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】