説明

対話式ディスプレイシステム

対話式ディスプレイシステム(10)について開示する。対話式ディスプレイシステム(10)は、ディスプレイ面(14)と、上記ディスプレイ面(14)上に複数の画素を投影することにより目視可能画像を生成するように構成されるデジタル光プロセッサ(16)とを含む。デジタル光プロセッサ(16)は、上記目視可能画像が著しく劣化しないで、符号化された光信号を上記ディスプレイ面(14)にほぼ同時に投影するようにさらに構成される。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
対話式電子ディスプレイ面により、人間のユーザは、コンピュータグラフィックス、ビデオ等のコンテンツを見ること、及びシステムに情報を入力することの両方のためのメカニズムとして、ディスプレイ面を使用することができる。対話式ディスプレイ面の例には、たとえば一般的なタッチスクリーン及び抵抗式ホワイトボードがある。ホワイトボードは、ユーザが、ペンのように見える電子ハンドヘルド入力デバイスを使用してこのホワイトボードに「書く」ことを除いては、従来の黒板に類似する。このホワイトボードは、「ペン」がホワイトボードに対して押圧している場所を確定することができ、且つ、「ペン」がホワイトボードに対して押圧される場所にはどこでもマークを表示する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
従来の対話式ディスプレイ面は、常に単一の入力デバイスと通信することができる。すなわち、従来の対話式ディスプレイ面は、複数の入力デバイスから同時に入力を受け取るようには装備されていない。複数の入力デバイスが従来の対話式ディスプレイ面に同時に入力を提供すると、この対話式ディスプレイデバイスはある入力デバイスを他と識別することができないため、エラーが発生する可能性が高い。このため、従来の対話式ディスプレイ面は、常に単一の入力デバイスと機能するように制限されている。
【0003】
本発明は、これら及び他の欠点を考慮にいれて開発された。
【0004】
ここで、本発明について、例示として添付図面を参照して説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0005】
ディスプレイ面を介するシステムコントローラ又はプロセッサと入力デバイスとの間の光通信を容易にする対話式ディスプレイシステムについて開示する。光通信は、フィードバック技法とともに、対話式ディスプレイシステムが複数の入力デバイスからの同時入力を受け取ることができるようにする。ディスプレイ面は、コントローラからのデジタル信号に応じてデジタル光プロジェクタ(DLP)によって生成される可視光画像を表示するように構成されるガラス面であってもよい。入力デバイスは、或る種の光受信機及び光送信機を含む、ポインティングデバイス、ゲームピース、コンピュータマウス等のさまざまな形態をとってもよい。DLPは、ディスプレイ面に一連の可視画像(フレーム)を逐次投影することにより、映画ビデオ、ビデオゲーム、コンピュータグラフィックス、インターネットウェブページ等の連続的な動画ビデオ又はグラフィックを生成する。DLPはまた、可視画像の間に散在するサブリミナル光信号も投影する。サブリミナル信号は、人間の目には不可視である。しかしながら、入力デバイス内の光受信機は、サブリミナル光符号化信号を受信する。このように、コントローラは、DLP及び対話式ディスプレイ面を介して光信号の形式で入力デバイスに情報を通信することができる。ディスプレイ面における入力デバイスの物理的位置を特定するために、コントローラは、さまざまな技法を使用してディスプレイ面にわたってサブリミナル位置決め信号を送信することができる。入力デバイスは、サブリミナル位置決め信号を受信すると、コントローラに一意的なフィードバック信号を(さまざまな技法を使用して)送信することができ、それによってコントローラと特定の入力デバイスとの間の「ハンドシェイク」を有効に確立する。一意的なフィードバック信号の結果、コントローラは、入力デバイスの各々がディスプレイ面のどこに配置されているかを知り、画像フレームの残りの部分に対して入力デバイスとの同時双方向通信を個々に確立することができる。コントローラが、種々の入力デバイスがディスプレイ面のどこに配置されているかを知ると、コントローラと入力デバイスとの間の通信をもたらすこと、及びコントローラを通じてさまざまな入力デバイス間の通信をもたらすことを含む、さまざまな動作が行なわれる。
【0006】
ここで図1及び図2を参照すると、一実施形態による対話式ディスプレイシステム10が示されている。この特定の実施形態では、対話式ディスプレイシステム10は、「テーブル」12として具現化されるように示されており、テーブル表面がディスプレイ面14として機能する。このように、複数のユーザ(各々が自身の入力デバイスを有する)が、テーブルの周囲に座ることによりディスプレイ面を見てそれにアクセスすることができる。しかしながら、物理的な実施形態は、「テーブル」以外の多くの形態をとることができる。
【0007】
図1及び図2を参照すると、対話式ディスプレイシステム10は、ディスプレイ面14と、デジタル光プロセッサ(DLP)16と、コントローラ18とを有する。一般に、コントローラ18は、DLP16に提供される、コンピュータグラフィックス、映画ビデオ、ビデオゲーム、インターネットウェブページ等の目視可能画像を示す電気画像信号を生成する。コントローラ18は、パーソナルコンピュータ、マイクロプロセッサ、又はDLPに画像信号を提供することができる他の電子デバイス等のいくつかの形態をとることができる。DLP16は、この電気信号に応答して、ディスプレイ面14にデジタル光(目視可能)画像を生成する。コントローラ18は、たとえば、ハードドライブ、CD又はDVD ROM32、コンピュータサーバ、ローカルエリアネットワーク及び/又はワイドエリアネットワーク、並びにインターネット等のさまざまなソースから、データ及び他の情報を受け取ることによって画像信号を生成することができる。コントローラ18はまた、補助プロジェクタ20からの投影画像及びスピーカ22からの音声の形態で追加の出力を提供してもよい。
【0008】
対話式ディスプレイシステム10は、図1及び図2において要素D1及びDNとして示す、1つ又は複数の入力デバイスをさらに含む。各入力デバイスは、外側ハウジングを有し、通常、入力デバイス内に統合される受信機と送信機との双方を有する。受信機は、ディスプレイ面14を介してDLP16からの光信号を受け取るように構成される光受信機である。たとえば、光受信機は、入力デバイスの底部に組み込まれたフォトセル、フォトダイオード又は電荷結合素子(CCD)等のフォトレセプタであってもよい。コントローラ18にデータを送信するように構成される送信機は、無線周波数(RF、Bluetooth(商標)等)送信機、赤外線(IR)送信機、光送信機、コントローラへのハード・ワイヤード接続(コンピュータマウスに類似)等を含む、多くの形態をとることができる。入力デバイスD1、DNはまた、ポインティングデバイス(コンピュータマウス、ホワイトボードペン等)、ゲームピース等、種々の物理的形状をとることができる。入力デバイスD1、DNは、ディスプレイ面におけるそれらのそれぞれの物理的位置等の入力情報を、それらのそれぞれの送信機を介してコントローラに提供する。入力デバイスD1、DNは、後により詳細に説明するように、位置決め信号等のデータをDLP16からそれらのそれぞれの受信機を介して受け取るように構成される。実施形態によっては、入力デバイスは、受信機及び送信機に加えて、受信機によって受信された信号を解釈し且つそれらに対して作用し、コントローラ18に情報を送信するために送信機を駆動する或る種のプロセッサ等のコンポーネントを含んでもよい。さらに、別の実施形態では、各入力デバイスは、一定の色又は強度の光が通過することのみを可能にする或る種の光フィルタを含んでもよく、それは、DLPから符号化光信号を受け取るためにシステムと対話するのに有益である場合がある。
【0009】
図1及び図2に示すように、対話式ディスプレイシステム10は、たとえば壁掛けスクリーン上に、ディスプレイ面14のコンテンツを同時に投影するように構成される、プロジェクタ20等の種々の他の特徴を含むことができる。対話式ディスプレイシステム10はまた、ディスプレイ面14上の視覚的コンテンツに付随する可聴音声を生成する1つ又は複数のスピーカ22を含んでもよい。対話式ディスプレイシステム10はまた、CD又はDVD ROMドライブ、ディスクドライブ、USBフラッシュメモリポート等、データを格納し検索するための1つ又は複数のデバイスを含んでもよい。
【0010】
DLP16は、種々の形態をとることができる。一般に、DLP16は、ディスプレイ面14の上に複数の光の画素を投影することにより、ディスプレイ面14に目視可能デジタル画像を生成する。各目視可能画像が何百万もの画素から構成されることは一般的である。各画素は、DLP16によって、一定の色(又はグレースケール)を有するように個々に制御される。ディスプレイ面14上の異なる色(又はグレースケール)の多くの光画素の組合せにより、目視可能画像すなわち「フレーム」が生成される。動画の場合のように、フレームを逐次結合することにより、連続したビデオ及びグラフィックスが生成される。
【0011】
DLP16の一実施形態は、ディスプレイ面14に光画素を投影するデジタルマイクロミラーデバイス(DMD)を含む。他の実施形態としては、単にいくつか例を挙げると、回折光デバイス(DLD)、反射型液晶パネル(LCOS)デバイス、プラズマディスプレイ及び液晶ディスプレイが挙げられる。当業者には、他の空間光変調器及びディスプレイ技術が既知であり、それらが置換されてもよく、それらは依然として本発明の精神及び範囲を満たす。図3に、例示的なDMDの一部の拡大図を示す。図示するように、DMDは、ヒンジ26に個々に取り付けられるマイクロミラー24のアレイを含む。各マイクロミラー24は、ディスプレイ面14上に投影される画像の1つの画素に対応する。コントローラ18は、DLP16に対し、所望の目視可能画像を示す画像信号を提供する。DLP16は、DMDの各マイクロミラー24に、画像信号に応答して光(L)を変調させて、ディスプレイ面14上に全デジタル画像を生成する。特に、DLP16は、各マイクロミラー24を、コントローラ18からの画像信号に応答して光源(図示せず)に向かって又はそれから離れるように繰り返し傾斜させ、マイクロミラーに関連する特定の画素を有効に「オン」及び「オフ」し、これは通常、1秒間に何千回も行われる。マイクロミラー24がオフよりもさらに頻繁にオンに切り替えられる場合、明るいグレーの画素がディスプレイ面14上に投影され、逆に、マイクロミラー24がオンよりもさらに頻繁にオフに切り替えられる場合、より暗いグレーの画素が投影される。当業者には既知であるように、カラー画像を作成するためにカラーホイール(図示せず)が使用されてもよい。個々に光変調される画素は、合わせて、ディスプレイ面14上に目視可能画像すなわちフレームを形成する。
【0012】
図4に示すように、対話式ディスプレイシステム10は、コントローラ18と入力デバイスD1、D2、DNとの間の双方向通信を容易にする。特に、各入力デバイスD1、D2、DNは、その送信機を介してコントローラ18にID信号を送信する。各入力デバイスD1、D2、DNは、コントローラ18から、コントローラ18からの電気位置決め信号及び電気画像信号によって制御されるDLP16を介して、変調された光信号(光位置決め信号)の形態の信号を受け取る。上述したように、各入力デバイスD1、D2、DNの送信機は、無線RF、IR又は光信号、ハードワイヤリング等を含む種々のメカニズムを介してコントローラにID信号を送信することができる。
【0013】
入力デバイスD1、D2、DNによって受信される光信号は、DLP16により、その光信号が人間の目によっては識別可能でないような方法で、ディスプレイ面14上に投影される可視光画像の間に散在して送信される。このため、可視画像は著しくは劣化しない。たとえば、DLP16がDMDデバイスを含む場合、各画像フレームに対して特定の色(又はグレースケール)がディスプレイ面に投影されるようにするマイクロミラーの繰返しの傾斜の間に散在してデジタル光信号を送信するように、DMDの所与のマイクロミラーをプログラムすることができる。散在する光信号は、理論的にはその特定の画素の色(又はグレースケール)を変更する可能性があるが、その変更は、概して非常にわずかであり、人間の目には検出不可能である。DMDによって送信される光信号は、種々の既知の符号化技法に従って符号化される一連の光パルスの形態であってもよい。
【0014】
コントローラ18と各入力デバイスとの間の双方向通信により、対話式ディスプレイシステム10は複数の入力デバイスからの同時入力に適応することができる。上述したように、他の既知のシステムは、他のシステムが複数の入力デバイス間で識別し区別することができないため、システムに同時に入力を提供する複数の入力デバイスに適応することができない。入力デバイスD1、D2、DNとコントローラ18との間の双方向通信により、システムは、各入力デバイスD1、D2、DNとコントローラ18との間に一意的な「ハンドシェイク」を確立するフィードバックメカニズムを使用することができる。詳細には、ディスプレイ面14上に生成される各フレーム(静止画像)に対し、DLP16は、入力デバイスD1、D2、DNを特定するためにディスプレイ面14にサブリミナル光位置決め信号を投影し、これに応じて、入力デバイスD1、D2、DNが、コントローラ18にフィードバック信号を送信することにより、各入力デバイスとコントローラ18との間の「ハンドシェイク」を確立する。これは、ディスプレイ面14上の可視コンテンツの各フレームに対して行われてもよい。概して、各画像フレームに対し、コントローラ18は、1つ又は複数のサブリミナル光信号がディスプレイ面18上に投影されるようにし、入力デバイスD1、D2、DNは、コントローラ18が入力デバイスD1、D2、DNの各々を一意に識別することができるようにサブリミナル信号に応答し、それにより、特定のフレームに対して「ハンドシェイク」が確立される。
【0015】
一意的な「ハンドシェイク」は、さまざまな方法で達成される。一実施形態では、コントローラ18によって、DLP16が、ディスプレイ面14の各画素又は画素群に対し一意的に符号化された位置決め信号を逐次送出することができる。位置決め信号が、入力デバイスのうちの1つの受信機が配置されている画素(又は画素群)に送信されると、入力デバイスは、光位置決め信号を受信し、それに応じて、コントローラ18に一意的なID信号を(その送信機を介して)送信する。ID信号は、それの送信元である特定の入力デバイスを一意的に識別する。コントローラが、位置決め信号が特定の画素に送信されたことに応じて入力デバイスのうちの1つから一意的なID信号を受け取ると、そのコントローラ18は、その特定の入力デバイスがディスプレイ面上のどこに配置されているかを知る。特に、入力デバイスは、その入力デバイスがそのフィードバックID信号をコントローラ18に送信した時、位置決め信号を投影した画素(又は画素群)上に直接配置されている。このように、ディスプレイ面上の入力デバイスの各々とコントローラ18との間にフィードバック「ハンドシェイク」が確立される。その後、コントローラ18及び入力デバイスは、フレームの残りの部分に対して互いに通信することができ(コントローラはそれらのそれぞれの関連する画素を介してこの入力デバイスに光データ信号を送信することができ、入力デバイスは、それらのそれぞれの送信機を介してコントローラ18にデータ信号を送信することができ)、コントローラは、そのフレームを通じて受信するさまざまな入力信号を区別することができる。このプロセスを、各画像フレームに対して繰り返すことができる。このように、ディスプレイ面上の各入力デバイスの位置を、フレーム毎に正確に識別することができる。
【0016】
ここで、入力デバイスの各々に対する「ハンドシェイク」を確立する技法について、2つの入力デバイスD1及びD2を用いるシステムとの関連でより詳細に説明する。DLP16によって生成される各画像フレームに対し、コントローラ18によってDLP16は、ディスプレイ面14の各画素(又は画素群)に一意的な位置決め信号を逐次、すなわち次々に投影することができる。この位置決め信号を、ディスプレイ面14上の画素に任意のパターンで逐次送信することができ、たとえば、この位置決め信号を、画像フレームの最上行から開始して1行ずつ画素(又は画素群)に送信することができる。画素(又は画素群)の大部分に投影される位置決め信号は、入力デバイスのいずれによっても受信されない。しかしながら、位置決め信号が、第1の入力デバイスの受信機が或る画素(又は画素群)に投影される時、第1の入力デバイスの受信機はこの位置決め信号を受信し、その入力デバイスの送信機はコントローラ18に一意的なID信号を返信して、コントローラ18に対して入力デバイスを有効に識別する。このようにして、コントローラは、第1の入力デバイスがディスプレイ面14のどこに配置されるかを知る。同様に、コントローラによって引き続き、DLP16が、画像フレームの残りの画素(又は画素群)にサブリミナル位置決め信号を投影することができる。第1の入力デバイスと同様に、第2の入力デバイスは、DLP16から位置決め信号を受信すると、コントローラ18に対して第2の入力デバイス自体の一意的なID信号を返信する。その時点で、コントローラ18は、入力デバイスD1、D2の各々がディスプレイ画面のどこに配置されているかを正確に知る。したがって、フレームの残りの部分に対し、コントローラ18は、特定の入力デバイスの受信機が配置される画素を通して光信号を送信することにより、入力デバイスの各々に情報を光学的に送信することができる。同様に、フレームの残りの部分に対し、各入力デバイスは、コントローラに(RF、IR、ハードワイヤ、光等を介して)信号を送信することができ、コントローラは、受信する信号を、それを送信した特定の入力デバイス及びディスプレイ面14における入力デバイスの物理的位置に関連付けることができるようになる。
【0017】
入力デバイスD1、DNとコントローラ18との間で「ハンドシェイク」を確立するこの技法を用いて、いくつかの変形形態が実施され得る。たとえば、最初にディスプレイ面14上で入力デバイスが特定されると、コントローラ18は、後続する画像フレームのディスプレイ面における画素(又は画素群)のすべてに対し位置決め信号を送信する必要がなくてもよい。入力デバイスは、通常、ディスプレイ面14の隣接する部分の間を移動するため、コントローラ18によってサブリミナル位置決め信号が、ディスプレイ面14の入力デバイスの最新の既知の位置を包囲するこれらのピクセルに対してのみ送信されてもよい。別法として、各々が互いに対して一意的に符号化された複数の異なるサブリミナル位置決め信号を、ディスプレイ面に投影することができる。複数の位置決め信号により、ディスプレイ面での入力デバイスのより高速な特定が可能になる。
【0018】
別の方法は、位置決め信号(複数可)を、ディスプレイ面の大きい部分に同時に送信すること、及び入力デバイス(複数可)が配置される可能性のある画面の領域を逐次狭くすることを含んでもよい。たとえば、コントローラ18は、ディスプレイ面を論理的に半分に分割し、逐次位置決め信号を半分のスクリーンの各々に送信することができる。位置決め信号がスクリーンの半分のうちの一方に投影されることに応じて、コントローラが入力デバイスからのいかなる「ハンドシェイク」信号も受け取らない場合、このコントローラは、ディスプレイ面のその半分に入力デバイスが配置されていないことを「知る」。この方法を使用して、ディスプレイ面14を、任意の数の部分に論理的に分割することができ、削除のプロセスを使用して、単純にディスプレイ面全体の各行を横切ってスキャンする場合より迅速に入力デバイスを特定することができる。この方法により、入力デバイスの各々を、各画像フレームにおいてより迅速に特定することができる。
【0019】
別の実施形態では、入力デバイスの各々がディスプレイ面14において断定的に特定されると、コントローラ18によってDLP16は、入力デバイスの下のディスプレイ面の画素に画像内容を投影するのを停止することができる。入力デバイスはいずれにしてもこれらの画素を覆っている(そのため、人間のユーザには目視不能である)ため、それら画素に画像内容を投影する必要はない。画像内容がないため、入力デバイスの各々の下の画素のすべてを、入力デバイスにデータを送信するために連続的に使用することができる。画像内容がないため、コントローラは、同じ時間フレームでより多くの量のデータを送信することができる。
【0020】
複数の入力デバイスがデータをシステムに同時に通信することができるのを可能にする能力には、種々のアプリケーションを有する。たとえば、対話式ディスプレイシステムを、対話式ビデオ/コンピュータゲームに使用することができ、その場合、複数のゲームピース(入力デバイス)がシステムと同時に通信することができる。ゲームの一実施形態では、ディスプレイ面14を、32個の入力デバイスを有するチェス盤としてセットアップしてもよく、各入力デバイスはチェスのこまのうちの1つである。説明した対話式ディスプレイシステムにより、チェスこまの各々がシステムと同時に通信することができ、それによりシステムは盤上のこまの移動を追跡することができる。別の実施形態では、ディスプレイ面を共同作業面として使用することができ、その場合、複数の人間のユーザが、複数の入力デバイス(ペン等)を同時に使用してディスプレイ面に「書く」。
【0021】
別の実施形態では、対話式ディスプレイシステムを、複数のユーザが単一のディスプレイ面を通して単一のコントローラ(例えば、その記憶ディスクドライブ及びそのインターネットへの接続を含むパーソナルコンピュータ等)の資源にアクセスすることにより別々のタスクを実行することができるように使用することができる。たとえば、対話式ディスプレイシステムを、何人かのユーザの各々が単一のディスプレイ面を通して単一のパーソナルコンピュータ上で異なるウェブサイト、PCアプリケーション又は他のタスクにアクセスすることができるように構成することができる。たとえば、図1及び図2の「テーブル」を、4人のユーザが、単一のパーソナルコンピュータデバイスと「テーブル」に埋め込まれた単一のディスプレイ面とを通して互いに独立してインターネットにアクセスすることができるように構成することができる。各ユーザは、自身のそれぞれの入力デバイス(コンピュータマウス等)を通してディスプレイ面上で自身の別々のアクティビティを続けることができる。4つの異なる「アクティビティ」(ウェブページ、スプレッドシート、ビデオディスプレイ等)を、同じディスプレイ面の4つの異なる位置に表示することができる。このように、複数のユーザが、グループ設定(すべてのユーザが1つの「テーブル」の周囲に座っている)で、単一のコントローラ(パーソナルコンピュータ)、単一の画像投影システム(デジタル光プロセッサ)及び単一のディスプレイ面を共有することができる一方で、各ユーザは、共通のディスプレイ面で自身のそれぞれの論理的な「作業領域」で自身の別々のアクティビティを続ける。
【0022】
実施形態によっては、ディスプレイ面に配置されたさまざまな入力デバイスが互いに通信することが有用である場合がある。これを、1つの入力デバイスから別の入力デバイスに、ディスプレイ面を通して通信することによって達成することができる。特に、ディスプレイ面においてさまざまな入力デバイスが特定されると、上述したように、第1の入力デバイスは、その送信機を介して(赤外線、無線周波数、ハードワイヤ等を介して)コントローラ18にデータ情報を送信することができ、そして、コントローラ18は次々に、第2の入力デバイスにその情報を光学的に中継することができる。第2の入力デバイスは、同様にコントローラ18を介して第1の入力デバイスに応答することができる。
【0023】
本発明を、特に、上述した好ましい実施形態及び代替の実施形態に関連して示し且つ説明したが、当業者には、添付の特許請求の範囲で定義するような本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、本発明を実施するために、本明細書で説明した本発明の実施形態に対するさまざまな変更形態を採用してもよい、ということが理解されるはずである。添付の特許請求の範囲は本発明の範囲を定義するということ、及び、これら特許請求の範囲及びそれらの均等物の範囲内にある方法及び装置はそれによって包含される、ということが意図されている。本発明のこの説明は、本明細書で説明した要素の新規且つ非自明な組合せのすべてを包含するものと理解されるべきであり、これらの要素の任意の新規且つ非自明な組合せに対する特許請求の範囲は、本出願又は後願において提示され得るものである。上述した実施形態は例示的なものであり、いかなる単一の特徴又は要素も、本出願又は後願において請求される可能性のある、可能なすべての組合せに対して必須ではない。請求項がその均等物の「1つの」又は「1つの第1の」要素を列挙している場合、こうした請求項は、2つ以上のこうした要素を必要とすることも排除することもなく、1つ又は複数のこうした要素を組み込むことを包含するように理解されなければならない。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】一実施形態による対話式ディスプレイシステムを示す図である。
【図2】図1の対話式ディスプレイシステムの組立分解図である。
【図3】図1及び図2に示す対話式ディスプレイシステムで使用される、一実施形態によるデジタル光プロセッサの一部の拡大図である。
【図4】一実施形態による対話式ディスプレイシステムの論理概略図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスプレイ面(14)と、
前記ディスプレイ面(14)上に複数の画素を投影することにより目視可能画像を生成するように構成されるデジタル光プロセッサ(16)とを備え、
前記デジタル光プロセッサ(16)は、前記目視可能画像が著しく劣化しないで、符号化された光信号を前記ディスプレイ面(14)にほぼ同時に投影するようにさらに構成されることを特徴とする対話式ディスプレイシステム(10)。
【請求項2】
前記符号化された光信号は、ほぼ同時に目視可能画像の一部の表示をもする前記ディスプレイ面(14)の画素に、投影されることを特徴とする請求項1に記載の対話式ディスプレイシステム(10)。
【請求項3】
入力デバイスは、光信号、赤外線信号、無線周波数信号又はハードワイヤのいずれかによって情報を送信するように構成されることを特徴とする請求項1に記載の対話式ディスプレイシステム(10)。
【請求項4】
入力デバイスの各々は、前記入力デバイスが前記デジタル光プロセッサ(16)からの位置決め信号を受信することに応じて、ID信号をコントローラ(18)に送信するように構成され、前記ID信号は、その送信元である前記入力デバイスを識別するように構成されることを特徴とする請求項1に記載の対話式ディスプレイシステム(10)。
【請求項5】
ディスプレイ面(14)に目視可能画像を投影することと、
前記目視可能画像とほぼ同時に、前記ディスプレイ面(14)を通じて符号化された光信号を前記入力デバイスに投影することとを含むことを特徴とするディスプレイ面(14)に配置された入力デバイスと通信する方法。
【請求項6】
ディスプレイ面(14)に目視可能画像を投影する前記手順は、前記ディスプレイ面(14)に複数の目視可能画素を投影するために光を変調することを含むことを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
目視可能画像とほぼ同時に、符号化された光位置決め信号をディスプレイ面(14)に投影することと、
入力デバイスが前記位置決め信号を受信することに応じて、前記入力デバイスからコントローラ(18)に、前記入力デバイスを一意に識別するID信号を送信することとを含むことを特徴とするディスプレイ面(14)上の入力デバイスを特定する方法。
【請求項8】
ハウジングと、
光受信機と、
送信機であって、前記ディスプレイを通して光学的に符号化された信号を前記光受信機が受信することに応じて、送信信号を送信するように構成される送信機とを備えることを特徴とするディスプレイとともに使用される入力デバイス。
【請求項9】
ディスプレイ面(14)上に配置された第1のオブジェクトからコントローラ(18)に送信信号を送信することと、
前記コントローラ(18)によって、前記送信信号に対応する光信号が、デジタル光プロセッサ(16)から前記ディスプレイ面(14)に投影されるようにすることと、
前記ディスプレイ面(14)上に配置された第2のオブジェクトで前記光信号を受信することとを含むことを特徴とするディスプレイ面(14)に配置される2つのオブジェクト間で通信する方法。
【請求項10】
ディスプレイ面(14)と、
前記ディスプレイ面(14)上に複数の画素を投影することにより、前記ディスプレイ面(14)上の異なる位置に複数の目視可能画像を生成して、論理的な作業領域を作成するように構成されるデジタル光プロセッサ(16)とを備え、
前記デジタル光プロセッサ(16)は、前記複数の目視可能画像が著しく劣化しないで、符号化された光信号を前記ディスプレイ面(14)にほぼ同時に投影するようにさらに構成されることを特徴とする対話式ディスプレイシステム(10)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2007−531950(P2007−531950A)
【公表日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−507387(P2007−507387)
【出願日】平成17年3月31日(2005.3.31)
【国際出願番号】PCT/US2005/011134
【国際公開番号】WO2005/101173
【国際公開日】平成17年10月27日(2005.10.27)
【出願人】(503003854)ヒューレット−パッカード デベロップメント カンパニー エル.ピー. (1,145)
【Fターム(参考)】