説明

封止構造を持つ固体酸化物形燃料電池

本発明は、平板型形状の燃料電池(1)を構成する異なる単セル(5)の間の漏れ防止を改善するために、ガス入口(2)を取り囲む電極層(10)の中に、僅かに孔質の又は非孔質の区画(11)が存在することに関する。基本セル(5)を構成するバイポーラプレート(20)とセラミック3段層(10、20)との間の嵌合型接触部(18、22)も記載されていて、その接触部はガスの混合を防ぐ、別の実行可能な手段である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、SOFCタイプの燃料電池、言い換えれば、固体酸化物形燃料電池に関する。
【背景技術】
【0002】
燃料電池は、触媒反応により、水素、酸素及び電解質から電気を発生するシステムであり、この電解質はイオン化種を輸送しながら燃料極と空気極を分離する。
【0003】
数種の燃料電池が存在するが、一番大きな違いは、燃料電池の電解質(液体、特にポリマー)の性質である。なかでも固体酸化物形燃料電池、即ちSOFCは、2種類の相、即ち固相と気相しか存在しないという事実を含めて、多くの長所を有する。この電池の作動温度(約900℃)及び加熱時間は、この電池が主に据置型に好適である程のものである。
【0004】
図1に示されているように、燃料極(12)及び空気極(14)は、空気極によって発生されて燃料極によって必要とされるO2−イオンが循環できる固体電解質(16)によって、SOFCの中で分離されている。
【0005】
【化1】

【0006】
この組立体は、高効率に、およそ1ボルトの電圧を発生する。
【0007】
業務用に、より高い電力を得るために、幾つかの“セル”を直列又は並列に組み合わせることができる。この組立体は、特にガスの分配や電力の回復等のため、各構成要素の形状及び全体的構造が最適化されていることが必要である。
【0008】
想定される形状の1つに円筒型構造体がある。円筒は、燃料極層と電解質によって囲まれた空気極(中央部の)に対して支持体として使用される。しかしながら、発生する電流通路の長さによって、ジュールの作用により大きな損失が生じ、電力出力が制限される。
【0009】
1つの好適な実施態様は平板型構造体である。この場合、電池は、少なくとも2個のガス入口を持ち、電流を集めてガスを分配するバイポーラプレートにより分離される、燃料極/電解質/空気極の3段層からなる平板型セルのスタックで構成される。
【0010】
燃料電池の場合、各燃料極には水素が供給されなければならず、一方、各空気極には酸素が供給されなければならない。とりわけSOFCの場合、酸素は、純粋でもよく、又は例えば空気中や、もしくは酸素富化気体内の、混合した酸素でもよい。一方、酸素と水素との接触は避けなければならない。酸素で水素が燃焼するとセルの性能が低下し、特に混合物は爆発することがある。
【0011】
例えばガスの移動を阻止する封止電解質を用いることより、単セルの場合に2つのガスの混合を防ぐことは容易かもしれないが、個々のセルがスタックされるSOFC燃料電池の組立体の中では、温度に関係なく、異なるセルの間での漏れ防止を確実に行なうことも重要である。このタイプのセルによって生み出される高温においては、従来の封止は最早機能しない。この目的に対しては特に、ガラス封止が開発されてきている。しかしながら、達する温度ではガラス封止部はペースト状になってしまい、冷却しても、次回の温度サイクル(もし、あるとしても)では、もはや漏れ防止ができない。
【0012】
従って、封止を必要としないセル構造を開発することが望ましいと思われる。その新しいセル組立体の特性は、SOFCタイプの燃料電池の作動過程で生じる様々な温度で最適となることである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は、燃料電池の使用によって生じる問題を解決するために、材料の物理的特性を選択する手段を提供する。
【0014】
本発明は、また、平板型構造のSOFCの中で使用されるセルの種々の構成要素の間で発生する、漏れ防止に関する問題を解決することをも意図したものである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の実施態様の1つによると、本発明は、多孔質電極層の内部に“圧密状(compact)”領域が存在することに関するものである。これらの“圧密状”領域は、前記電極層のその他の部分よりも実際に緻密、つまり、より低い孔質であり、あるいは全く非孔質でさえもある。実際、燃料電池では、燃料極及び空気極はガスを電解質へ輸送できなければならず、従って、この両方の極は多孔質である。しかし、多孔質ではない又はごく僅かに孔質である区画を作り出せば、例えば穿孔によって流路又はガス入口を作ることが可能となり、それにより漏れ防止ができる。
【0016】
従って、本発明は、とりわけ、ガス輸送が可能であり第1気孔率及び第2気孔率を有する2つの多孔質電極層、及び固体電解質層を含む3層構造体に関するものであり、その電極層の一方は、第1気孔率及び第2気孔率よりも小さい第3気孔率を有する少なくとも1つの領域を含むのであり、この領域を本出願では≪圧密状区画≫と呼ぶ。第3気孔率は、その区画が極めて僅かに孔質であるような気孔率であり、つまり、第3気孔率は第1気孔率よりもはるかに低い気孔率であるのが有利である。
【0017】
電極層の中の圧密状区画、言い換えれば、ごく僅かに孔質である又はほとんど多孔質ではない区画は、この電極の対象ではない第1ガス入口の周辺に配置されてもよい(例えば、燃料極の場合、酸素入口の周辺)。これにより、この電極において、第1ガスと、同じ電極内で循環し触媒反応を誘発する第2ガスとの混合を防ぐことができる。
【0018】
具体的に言うと、非孔質の又は僅かに孔質の区画は、電極層の中で、電極の多孔質材料の緻密化することにより、及び/又は緻密で気密である電解質層を隆起させることにより生成できる。
【0019】
本発明は、また、各電極層が、非孔質である又はごく僅かに孔質であるような少なくとも1つの領域を有する燃料電池にも関するものであり、例えば、電解質が緻密化されている及び/又は電極を作製する材料が高密度化されている燃料電池にも関する。
【0020】
これらの基本要素は、平板型構造を持つセルの中に組み入れられてもよい。その好適な実施態様の1つでは、本発明は、空気、又はガス入口が、燃料極の僅かに孔質である又は非孔質である領域に隣接し、一方、水素、又はガス入口が、僅かに孔質である又は非孔質である領域にある空気極に隣接するようなセルの組立体から構成される燃料電池に関する。
【0021】
別の態様によると、本発明は、電極とバイポーラプレートとの間の、又は電解質とバイポーラプレートとの間のガス浸入によって生じる問題を解決し、良好な封止を得るための、バイポーラプレートと電極又は電解質との間での特有の接合に関する。このタイプの組立体は、特に温度が上昇する場合の、耐せん断性を高める手段をも提供する。
【0022】
3段層の、通常はセラミックで作製される、種々のイオン交換要素の熱膨張係数は、通常は金属であるバイポーラプレートの熱膨張係数よりも小さい。セルの作動により温度が上昇するとき、この係数の差によってこのバイポーラプレートとセルとの間の機械的接合力が低下することがある。セラミックと金属との間に接合が生成されると、ガスが通過してしまうかもしれない流路の生成を抑える手段が得られる。
【0023】
接合は、バイポーラプレートの突起部を、セラミック構造体の中に作成された窪み部に嵌合することにより行なわれるのが好ましい。対応する窪み部に合致する突起部を捉えることにより、周囲温度での組付け及びセルの作動温度での接合を容易に達成することができる。機械的強度を高めるためには、この窪み部が、前に定義した電極層の中の非孔質である又は僅かに孔質である領域の中に、つまり、例えば特別な電解質の緻密部の中、又は電極の高密度化区画の中に配置されるのが有利である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
図1は、燃料電池の作動原理の略図である。図示の通り、酸素は、燃料極(12)で水素と反応するO2−イオンを生成するため、空気極(14)によって使用される。化学的要素として酸素入口が示されている。Oは空気極によって使用されるが、セルの中のガス入口(4)は、例えば空気入口でもよく、又は酸素富化の気体入口でもよく、又は純粋な酸素入口でも、又は任意の他のガスと混合された酸素入口でもよい。
【0025】
電極(12,14)は、ガスが拡散して反応できるように多孔質である。一方、電解質(16)はO2−イオンだけを拡散でき、緻密であり漏れはない。放出されるエネルギーは、通常は金属で作られているバイポーラプレート(20)で回収される。更に、バイポーラプレート(20)は、バイポーラプレートの構造体中に形成された溝を通してガスの分配、及び反応により生成する水の排出を極めて頻繁に行なうことができる。
【0026】
図1の略図は燃料電池(1)が平板型構造の場合の基本セル(5)をも示している。従来の燃料電池は、発生するエネルギー量を増加させるために、図1のようにセル(5)の並列又は直列のスタックから成っている。
【0027】
図2に示されるように、1つの実現可能な形は、セル(5)のスタックを持つ円形平板型形状の燃料電池(1)である。ガス入口(空気及び酸素)(2)は、異なる電極層(12,14)に到達して反応できるように、セル(5)を通り抜ける、あるいはセルに隣接する流路を定義することに留意されたい。そのために、空気の流路も、例えば燃料極層が存在している領域、及び水素が循環している領域を通過することが図1及び2で示されている。従って、空気入口(4)と燃料極(12)との間の漏れ防止、そして同様に空気極(14)と水素入口(3)の場合にも、言い換えれば、その電極用ではないガス入口に隣接する電極区画内で、漏れがないことが重要である。
【0028】
空気(つまり酸素)と水素との混合の危険を軽減するために、本発明は、僅かに孔質である又は非孔質である区画、つまり、電極層の他の部分よりも多孔質でない区画(11)が生成される電極層(10)を使用することを提案する。多孔質層では気孔率は約30%であり、一方、理論上の密度が94%を超える緻密な領域では気孔率は6%未満である。
【0029】
従って本発明は、特に、電極層が局所的に選択されたか、又は、より低い孔質とされた電極/電解質の2段層にも関する。図3を参照されたい。燃料極層と空気極層の間の対称性を考慮し、図面をよりわかりやすくするために、図3〜図5では、1つのみの電極層と電解質層を示していることに留意されたい。言うまでもなく、他の電極及びバイポーラプレート(20)をこれらの略図に加えることができる。SOFC燃料電池の使用の際、寸法が電極(10,12,14)の厚み全体にわたっておよそ数ミリメートルである場合、僅かに孔質であるか又は非孔質である区画(11)を有することが望ましい。圧密状区画(11)の気孔率は、電極の厚み全体にわたって一定ではないことがあり、その場合、気孔率に変化度が生ずることがある。
【0030】
例えば、僅かに孔質又は非多孔質である区画(11)は、電極層を緻密化することによって生成できる。図3aはそのような実施態様を示している。電極、この場合は燃料極(12)、の多孔質材料の緻密化部分(13)は、例えば、レーザーによって作製可能である。この場合、前記のように、特にイオン種の移動方向に対して、電極を構成している材料の層の内部の気孔率に変化度を持たせることも可能である。
【0031】
電解質(16)それ自体は非孔質であり気密性がある緻密な層で作られているという事実を利用することが有利かもしれない。それゆえ、図3bの電極層、即ち空気極(14)の中に挿入される電解質の突起部(17)を作成することが可能である。突起部(17)は、熱圧縮と組み合わせて細い帯状に流し込むことにより、あるいはマスクを使ったプラズマ溶射によって作製してもよい。突起部は、バイポーラプレート(20)と接触することが有利である。
【0032】
異なる実施態様としては、電解質層(16)の突起部(17)をのばすことにより、例えば電極層(10)の緻密化(13)と組み合わせてもよい。図3cを参照されたい。
【0033】
僅かに多孔質である又は非多孔質であるこれらの区画は、後述するように、バイポーラプレート(20)を固定する支持体として使用することができる。僅かに孔質である又は非多孔質である区画は、ガス入口(2)に隣接して使用されるのが好ましい。とりわけ電極が作製される材料を緻密化(13)する場合、前記区画はガス入口(2)を取り囲むように作製されてもよく、あるいはセルに必要な様々な層を組付けた後に、ガス入口(2)を穿孔することもできる。2つの解決策を同じセルの中で使用してもよい。時々使用される差込継ぎ手とは異なり、これらの部品はガス入口(2)の周りには付け加えられない。
【0034】
従って、空気入口(4)を取り囲む又はそれに隣接する燃料極(12)は緻密化され得る(図3a)。また、例えば、空気極(14)は、水素入口(3)を取り囲む電解質突起部(17)によって保護されてもよい(図3b)。これらの2つの可能性のある事項は単に指針として示されているのであって、非孔質である又は僅かに多孔質である領域の作製方法の各形式、例えば緻密化及び/又は突起部の作成は、各電極(10)に一様に適用できること、また、前記領域は、同じセルスタック(1)の内部で、又は同じ単セル(5)の内部でさえも組み合わせることもできること、例えば空気極(14)が緻密化によって保護されうる一方、燃料極(12)は電解質突起部(17)によって保護されうることを理解されたい。
【0035】
従って、本発明によって提案される解決策を使用することによって、セル(5)の内部の漏れ防止が改善される。
【0036】
また、とりわけセルのスタック内部の漏れ防止を改善するため、電極(10)とバイポーラプレート(20)との間の配置を修正することが好都合かもしれない。従来のセルスタック(1)では、単セル(5)は互いに隣接しているが、垂直スタックの場合でさえも、2個の連続する組立体をきっちりと束ね、僅かなガス浸入をも防ぐのには、重力では充分ではないかも知れない。特にバイポーラプレート(20)と電極(10)及び/又は電解質(16)との間の接合部(6)に関して問題が発生する場合がある。図4を参照されたい。
【0037】
前述のように、バイポーラプレート(20)は、放出されるエネルギーを収集して伝導するので、金属であることが多い。電極(10)は、多孔質材料で作られるが、電解質(16)に使用される材料でもあるセラミックであることが多い。
【0038】
この2つのタイプの材料は、とりわけ熱の下では異なる反応を示し、SOFC燃料電池の中の温度は高い。900℃に達する温度の中で、電解質が約10×10−6/Kの熱膨張係数、バイポーラプレートが約15.7×10−6/Kの熱膨張係数を各々有することは実際決まりきったことである。バイポーラプレート(20)の熱膨張は、電極(10)又は電解質(16)の熱膨張より大きいので、バイポーラプレートとその支持体との間の接合部(6)でせん断力が発生し、この力によって破損することがある。
【0039】
雄/雌タイプの配置を使って接合し、バイポーラプレート(20)とその下層のセラミック(12,16)とを嵌合すると、このような反応の違いを利用することができる。
【0040】
こうして、セラミックに向き合うバイポーラプレート(20)の表面に突起部(22)を作成できる。窪み部(18)は、セラミック層(10,16)に、例えば機械加工により、バイポーラプレート(20)の突起部(22)が嵌合できるよう作製される。図5を参照されたい。バイポーラプレートの突起部(22)は、機械加工により作製してもよく、或いは熱圧縮と組み合わせて帯状に流し込むことにより、あるいはマスクを使ったプラズマ溶射によって作製してもよい。
【0041】
周囲温度では、窪み部(18)は、組み合わされる突起部(22)の寸法よりも幅及び/又は深さが大きいことが好ましく、それゆえ組付け部に隙間が残る(図5a)。この方法では、温度が上昇すると、電解質(16)及び/又は電極(10)よりもバイポーラプレート(20)の膨張が大きいので、バイポーラプレートの突起部(22)は窪み部(18)の中に入って固定される(図5b)。そして余分な力を全く生じさせることなく確実に漏れ防止が行なわれる。従って、この原理によって、更に、高温での電池の機械的挙動が改善される。
【0042】
図5a及び5bに示すように、組付け部(18,22)は、燃料電池のセル(5)の層の中のガス入口(2)、又は空気入口もしくは水素入口に沿って作製されるのが好ましい。
【0043】
前記の実施態様のうち1つで説明しているように、電極(10)の、非孔質である又は僅かに孔質である1つ以上の領域(11)の中に窪み部(18)を作成することが有利である。
【0044】
とりわけ、電極(10)が、電解質(16)の突起部(17)に対応する圧密状区画(11)を有するならば、効率を最適に保つために、この突起部の中に窪み部(18)を作成して、電極(10)の他の部分は変更しないことが好ましい。窪み部は、たとい緻密化されなくても、電極層内の組付け部に存在していてもよい。
【0045】
組付け部に関して説明した修正、即ち、非孔質である又は僅かに孔質である区画の電極層での作成、そのような僅かに孔質である区画の使用、又はガス入口付近の電解質の突起部の使用、及び接合部の作成、によって漏れ防止を向上することができ、高温での機械的挙動を改善することができる。これらの修正は、図2に示すような円形平板型形状に適用することができ、積重ね式平板型のような長方形又は正方形構造にも、あるいは、外管寄せを囲むよう設計された構造体(図6)にも適用できる。ガスの供給は外管寄せを通して行なわれてもよく、あるいは外管寄せは平板型のスタックによって形成されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】燃料電池の基本セルの中で起こる反応の略図である。
【図2】本発明によって作られた燃料電池の円形平板型形状の例である。
【図3a】本発明による電極層の中の非孔質である又は僅かに孔質である区画の例である。
【図3b】本発明による電極層の中の非孔質である又は僅かに孔質である区画の例である。
【図3c】本発明による電極層の中の非孔質である又は僅かに孔質である区画の例である。
【図4】燃料電池の基本セル内部の別の封止欠陥の略図である。
【図5a】周囲温度におけるバイポーラプレートと電極との間におけるガス入口の周辺の接合部の好適な実施態様である。
【図5b】900℃におけるバイポーラプレートと電極との間におけるガス入口の周辺の接合部の好適な実施態様である。
【図6】外管寄せが付いていて、提案された2つの封止構想が組み入れられた平板型燃料電池の実施態様例である。
【符号の説明】
【0047】
1 燃料電池
2 ガス入口
4 空気入口
5 セル
10 電極層
12 燃料極
14 空気極
16 電解質層
17 突起部
18 窪み部
20 バイポーラプレート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガスを輸送することができかつ各々第1気孔率及び第2気孔率を有する第1電極層及び第2電極層(10)、前記2つの電極層(10)の間に配置された固体電解質層(16)を備える燃料電池(1)用の単セル(5)であって、
前記2つの電極層(10)が燃料極(12)及び空気極(14)からなり、前記第1電極層(10)が第3気孔率を持つ第1圧密状区画(11)を少なくとも1つ含み、前記第3気孔率が前記第1気孔率より低く、
前記第1圧密状区画(11)が、前記電解質層(16)の突起部(17)であること及び/又は前記第1圧密状区画(11)を包含する前記電極層(10)が作製される材料を緻密化した材料(13)から構成されることを特徴とする燃料電池用の単セル(5)。
【請求項2】
前記第1電極層(10)が第1厚さを有し、第1圧密状区画(11)が前記第1厚さと同じ厚さを有する請求項1に記載の燃料電池用の単セル。
【請求項3】
前記第2電極層(10)が第4気孔率を持つ第2圧密状区画(11)を少なくとも1つ含み、前記第4気孔率は前記第2気孔率より低い請求項1に記載の燃料電池用の単セル。
【請求項4】
前記第2電極層(10)が第2厚さを有し、第2圧密状区画(11)が前記第2厚さと同じ厚さを有する請求項3に記載の燃料電池用の単セル。
【請求項5】
第2圧密状区画(11)が、前記電解質層(16)の突起部(17)であること及び/又は前記区画(11)を包含する前記電極層(10)が作製される材料を緻密化した材料(13)から構成される請求項3又は請求項4に記載の燃料電池用の単セル。
【請求項6】
前記電極層(10)に隣接する少なくとも1つのバイポーラプレート(20)を備える請求項1〜5のいずれか1項に記載の燃料電池用の単セル。
【請求項7】
各電極層(12,14)に隣接する2つのバイポーラプレート(20)を備える請求項6に記載の燃料電池用の単セル。
【請求項8】
前記バイポーラプレート(20)が、隣接する前記電極層(10)及び前記電解質層(16)の熱膨張係数より高い熱膨張係数を有する請求項6又は請求項7に記載の燃料電池用の単セル。
【請求項9】
前記電極層(10)及び前記電解質層(16)の熱膨張係数より高い熱膨張係数を有する少なくとも1つの前記バイポーラプレート(20)が、隣接する前記電極層(10)と嵌合(18,22)により接続される請求項8に記載の燃料電池用の単セル。
【請求項10】
少なくとも1つの前記バイポーラプレート(20)が、少なくとも1個の突起部(22)を有し、前記隣接する層(10,16)が窪み部(18)を有し、前記バイポーラプレートの突起部(22)及び前記窪み部(18)は、前者が後者に嵌合する請求項9に記載の燃料電池用の単セル。
【請求項11】
前記窪み部(18)が、前記電極層(10)の圧密状区画(11)の中に配置される請求項10に記載の燃料電池用の単セル。
【請求項12】
前記窪み部(18)が、前記電解質層(16)の突起部(17)の中に配置される請求項11に記載の燃料電池用の単セル。
【請求項13】
前記窪み部(18)が、前記バイポーラプレート(20)の前記突起部(22)の幅及び/又は高さよりも、大きい幅及び/又は深さを有する請求項10〜12のいずれか1項に記載の燃料電池用の単セル。
【請求項14】
複数の窪み部(18)を有する請求項10〜13のいずれか1項に記載の燃料電池用の単セル。
【請求項15】
各第1ガス入口(4)に隣接する前記燃料極(12)の全領域が、前記燃料極(12)の圧密状領域(11)であるように、前記空気極(14)に少なくとも1個の第1ガス入口(4)を有する請求項10〜14のいずれか1項に記載の燃料電池用の単セル。
【請求項16】
各第2ガス入口(3)に隣接する前記空気極(14)の全領域が、前記空気極(14)の圧密状領域(11)であるように、前記燃料極(12)に少なくとも1個の第2ガス入口(3)を有する請求項1〜15のいずれか1項に記載の燃料電池用の単セル。
【請求項17】
各セル(5)が、バイポーラプレート(20)によってその隣接部から分離される請求項15又は請求項16に記載のセル(5)のスタックを含む燃料電池(1)。
【請求項18】
円形平板型形状を有する請求項17に記載の燃料電池。

【図1】
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【図2】
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【図3a】
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【図3b】
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【図3c】
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【図4】
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【図5a】
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【図5b】
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【図6】
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【公表番号】特表2007−531213(P2007−531213A)
【公表日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−504453(P2007−504453)
【出願日】平成17年3月18日(2005.3.18)
【国際出願番号】PCT/FR2005/050172
【国際公開番号】WO2005/093887
【国際公開日】平成17年10月6日(2005.10.6)
【出願人】(590000514)コミツサリア タ レネルジー アトミーク (429)
【Fターム(参考)】