説明

射撃訓練システム

【課題】標的に対する命中の有無にかかわらず照準位置を確認できるようにし、これにより射撃練度をより正確に把握可能とする。
【解決手段】銃の照準の方向を検出してその照準検出データをもとに照準位置の軌跡を表す表示データP1を生成すると共に、銃の引き金操作を検出してそのトリガ検出データとこのときの照準検出データをもとに命中の有無を判定し、その判定結果をもとに命中又は外れを表す表示データP2,P3を生成する。そして、上記生成された表示データP1,P2,P3を、カメラCMにより撮像された射撃対象範囲の撮像画像データに重畳してディスプレイに表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば標的に対し射撃操作をすることにより射撃訓練を行う射撃訓練システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、射撃訓練装置として標的に対し実弾を用いて射撃することで射撃訓練を行う装置が知られている。この種の装置は、例えば標的に対し銃から実弾を発射し、標的に弾丸が弾着した際に発生する衝撃を標的側で検出して弾着数を計数し、その計数結果を射撃側に無線伝送して表示又はプリントアウトするものとなっている(例えば、特許文献1を参照。)。
【0003】
【特許文献1】特開平11−142092号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、この種の従来の射撃訓練装置では、射撃手は一連の射撃訓練終了後に標的に対する弾着数を確認することはできるが、射撃ごとの命中の有無については確認することができない。一方、標的に対する命中の有無を確認する場合には、射撃ごとに双眼鏡等を用いて標的を目視することが一般的である。しかしながら、このような確認手法では命中の有無は確認できても、命中しなかった場合にそのときの照準位置がどこであったのかを検証することができない。
【0005】
この発明は上記事情に着目してなされたもので、その目的とするところは、標的に対する命中の有無にかかわらず照準位置を確認できるようにし、これにより射撃練度をより正確に把握可能とした射撃訓練システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するためにこの発明の一観点は、銃の照準方向を検出する照準センサと、上記銃の引き金操作を検出するトリガセンサと、少なくとも上記標的とその周辺領域を含む射撃対象範囲を撮像するカメラと、画像を表示可能な表示部と、上記照準センサ、トリガセンサ、カメラ及び表示部に接続される制御部とを具備する。そして、この制御部において、上記トリガセンサにより上記銃の引き金操作が検出されたとき、上記照準センサにより検出された上記銃の照準方向をもとに上記銃の引き金操作が検出された時点での照準位置を表す情報を生成し、この生成された照準位置を表す情報と上記カメラにより撮像された上記射撃対象範囲の画像とを合成して上記表示部に表示させるように構成したものである。
【発明の効果】
【0007】
したがって、銃の引き金が操作されたときの銃の照準位置を表す情報が、標的とその周囲を含む射撃対象範囲を撮像した画像に合成されて表示部に表示される。このため射撃手又はその支援者は、標的に対する命中の有無にかかわらずそのときの照準位置がどこにあったかを正確に確認することが可能となる。
すなわち、この発明の一観点によれば、標的に対する命中の有無にかかわらず照準位置を確認することができ、これにより射撃練度をより正確に把握可能とした射撃訓練システムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、図面を参照してこの発明の実施形態を説明する。
図1は、この発明の一実施形態に係わる射撃訓練システムの概略構成図である。
この射撃訓練システムは、標的設置エリアに配設された複数の標的装置TG1〜TG3と、射撃手が使用する射撃装置FDと、制御装置CSと、表示装置DSと、カメラCMとを備えている。このうち標的装置TG1〜TG3及び射撃装置FDは、無線回線を介して制御装置CSとの間で単方向又は双方向の通信が可能となっている。また、表示装置DS及びカメラCMは有線信号線を介して制御装置CSに接続されている。
【0009】
先ず、射撃装置FDは以下のように構成される。図2はその構成を示すブロック図である。
すなわち、射撃装置FDは、銃11と送信ユニット12とを備える。銃11には、照準センサASと、トリガセンサTSが取着してある。照準センサASは、ジャイロ等を用いて銃11の照準方向を検出するもので、その検出値を照準検出信号として出力する。トリガセンサTSは、銃11の引き金操作を検出するもので、引き金操作を検出したときにトリガ検出信号を出力する。
【0010】
送信ユニット12は、変換部13と、制御部14と、アンテナ16を有する無線部15とを備える。変換部13は、上記照準センサASから出力される照準検出信号を予め設定した一定の周期で取り込んでディジタルデータからなる照準検出データに変換する。制御部14は、上記照準検出データと、上記トリガセンサTSから出力されるトリガ検出信号の符号化データを、送信データとして無線部15へ出力する。無線部15は、上記制御部14から出力された送信データを無線信号に変換し、この変換された無線信号をアンテナ16から制御装置CSに向け送信する。
【0011】
次に、標的装置TG1〜TG3は以下のように構成される。図3はその構成を示すブロック図である。
すなわち、標的装置TG1〜TG3はそれぞれ、標的本体部20と、標的制御ユニット23とから構成される。このうち標的本体部20は、標的板21と、この標的板21を起倒可能に支持する起倒駆動部22とから構成される。起倒駆動部22は、標的制御ユニット23から出力される起倒制御信号に従い、標的板21を倒れた状態から起きた状態に、また起きた状態から倒れた状態にそれぞれ変化させる。
【0012】
標的制御ユニット23は、制御部24と、アンテナ26を有するGPS受信機25と、アンテナ28を有する無線部27とを備えている。GPS受信機25は、図示しない複数のGPS(Global Positioning System)衛星から送信されるGPS信号をそれぞれ受信し、この受信された複数のGPS信号をもとに標的装置TG1〜TG3の設置位置の緯度経度を算出し、この計算された位置情報を制御部24へ出力する。無線部27は、制御装置CSとの間で無線信号の送受信を行う。
【0013】
標的制御ユニット23の制御部24は、制御装置CSから送信される訓練開始指示信号を無線部27により受信した場合に、起倒駆動部22に対し起倒制御信号を出力して標的板21を倒れた状態から起きた状態、及び起きた状態から倒れた状態に変化させる制御と、標的板21に銃弾が命中したことが衝撃センサ等により検出された場合に、起倒駆動部22に対し起倒制御信号を出力して標的板21を起きた状態から倒れた状態に変化させる制御と、上記計算された位置情報及び上記標的板21の起倒状態を表す標的状態信号を無線部27から制御装置CSに向け送信させる制御をそれぞれ実行する。なお、制御装置CSから訓練終了指示信号を受信した場合には、起倒駆動部22に対し起倒制御信号を出力して標的板21を初期状態に、つまり倒れた状態に設定する。
【0014】
さて、制御装置CS、カメラCM及び表示装置DSは以下のように構成される。図4はその構成を示すブロック図である。
すなわち、先ずカメラCMは、カメラ本体をパン・チルト動作が可能な雲台(図示せず)に取り付けたものとなっている。表示装置DSは、ディスプレイ41と入力部42とを備える。ディスプレイ41は、射撃訓練中の標的の状況を表す画像や訓練結果を表す情報等を表示するために使用される。入力部42は、射撃手又はその支援者が射撃訓練の開始/終了指示や、訓練結果を表す情報の作成指示と表示指示等を入力するために用いられる。
【0015】
制御装置CSは、装置全体の動作を統括制御する主制御部30と、アンテナ32を有する第1の無線部31と、アンテナ34を有する第2の無線部33と、照準軌跡情報生成部35と、トリガ押下情報生成部36と、カメラ制御部37と、画像受信部38と、表示制御部39を備える。
【0016】
第1の無線部31は、射撃装置FDの送信ユニット12から送信される照準検出データ及びトリガ検出データを受信するために使用される。第2の無線部33は、標的装置TG1〜TG3との間で、訓練開始/終了指示信号、位置情報及び標的状態信号を送受信するために使用される。なお、第1及び第2の無線部31,33は、混信を生じないように予め割り当てられた異なる無線チャネルを使用する。
【0017】
照準軌跡情報生成部35は、上記射撃装置FDの送信ユニット12から一定の周期で送信される照準検出データをもとに照準位置の軌跡を表す表示データを生成する。この照準位置の軌跡を表す表示データの生成は、例えば照準検出データにより表される照準方向を、計算又はメモリテーブルを用いて射撃撮像範囲上の座標値に変換し、この変換された複数の座標値を補間処理により接続することにより行われる。
【0018】
トリガ押下情報生成部36は、上記射撃装置FDの送信ユニット12から送信されるトリガ検出データを受信した場合に、この時点での上記照準位置をもとに命中の有無を判定し、その判定結果をもとに命中又は外れを表す表示データを生成する。この命中又は外れを表す表示データは、照準位置に表示させるための命中マーク及び外れマークと、これらのマークに対応付けて表示するための吹き出し情報とから構成される。吹き出し情報には、射撃時刻と「命中」又は「外れ」を表すテキストデータが含まれる。またトリガ押下情報生成部36は、標的装置TG1,TG2から送信される標的板21の起倒状態を表す情報を主制御部30を介して取得し、この標的板21の起倒状態を表す情報の受信時刻をもとに、標的板21が起きた時刻と、銃弾の命中により当該標的板21が倒れた時刻を並べて表示するための標的状態表示データを生成する。
【0019】
カメラ制御部37は、上記標的装置TG1〜TG3から送られる当該標的装置TG1〜TG3の位置情報と、標的板21の起倒状態を表す標的状態信号に基づいて、射撃対象となる標的装置とその周辺部を含む射撃対象範囲へカメラCMの撮像範囲を向けるべくカメラCMの雲台のどうさとカメラCMのズームを制御する。画像受信部38は、カメラCMから送られる撮像画像データを受信する。
【0020】
表示制御部39は、上記画像受信部38により受信された射撃対象範囲の撮像画像データに、上記照準軌跡情報生成部35により生成された照準位置の軌跡を表す表示データと、上記トリガ押下情報生成部36により生成された命中又は外れを表す表示データと、標的状態表示データを重畳するための画像合成処理を行う。そして、この表示画像データを表示装置DSに伝送してディスプレイ41に表示させる。
【0021】
なお、上記各部のうち、主制御部30、照準軌跡情報生成部35、トリガ押下情報生成部36、カメラ制御部37及び表示制御部39の各機能は、それぞれのアプリケーション・プログラムを中央処理ユニット(CPU;Central Processing Unit)に実行させることにより実現される。
【0022】
次に、以上のように構成された射撃訓練システムの動作を説明する。
射撃訓練の開始に先立ち、制御装置CSから標的装置TG1〜TG3に対し訓練終了指示信号が送信され、これにより標的装置TG1〜TG3の標的板21はすべて倒れた状態に初期設定される。
【0023】
この状態で射撃訓練が開始されると、制御装置CSから各標的装置TG1〜TG3に対し訓練開始指示信号が送信される。訓練開始指示信号を受信すると標的装置TG1〜TG3の制御部24は、予め設定されたスケジュールに従い起倒駆動部22に対し起倒制御信号を出力して標的板21を倒れた状態から起きた状態、及び起きた状態から倒れた状態に変化させる。この標的板21の状態変化は、標的状態信号として制御部24の制御の下で無線部27から制御装置CSに向け送信される。また、このとき標的装置TG1〜TG3の制御部24では、GPS受信機25により受信されたGPS信号をもとに標的装置TG1〜TG3の位置情報が算出され、この算出された位置情報が無線部27から制御装置CSに向け送信される。
【0024】
これに対し制御装置CSでは、標的装置TG1〜TG3から送信された上記位置情報及び標的板21が起きたことを示す標的状態信号が第2の無線部33で受信されると、カメラ制御部37が上記受信された位置情報と標的状態信号に基づいて、射撃対象となる標的装置(例えばTG1)とその周辺部を含む射撃対象範囲へカメラCMの撮像範囲を向けるべく、カメラCMの雲台の動作とカメラCMのズームを制御する。したがって、以後上記標的装置TG1とその周辺部を含む射撃対象範囲がカメラCMにより撮像されて制御装置CSに送信され、この撮像画像データは画像受信部38で受信される。
【0025】
一方、このとき射撃手が保持する射撃装置FDでは、銃11の照準方向が照準センサASにより検出され、この照準検出データが送信ユニット12から制御装置CSへ送信される。制御装置CSでは、上記照準検出データが第1の無線部31で受信されると、照準軌跡情報生成部35により照準軌跡の表示データが生成される。そして、この照準軌跡の表示データは、表示制御部39において上記画像受信部38で受信された撮像画像データに重畳され、表示装置DSのディスプレイ41に表示される。
【0026】
さて、上記標的装置TG1の標的板21が起き上がると、射撃手はこの標的板21に対し銃11の照準を調整したのち引き金を引く。そうすると、射撃装置FDではこの引き金操作がトリガセンサTSにより検出される。そして、このトリガ検出データが、このときの銃11の照準検出データと共に送信ユニット12から制御装置CSへ送信される。
【0027】
制御装置CSでは、上記トリガ検出データ及び照準検出データが第1の無線部31で受信されると、トリガ押下情報生成部36によりこの時点での照準位置をもとに命中の有無が判定され、その判定結果をもとに命中又は外れを表す表示データが生成される。この表示データは、照準位置に表示させるための命中マーク又は外れマークと、これらのマークに対応付けて表示するための吹き出し情報とからなり、吹き出し情報には射撃時刻と「命中」又は「外れ」を表すテキストデータが含まれる。そして、この生成された命中又は外れを表す表示データは、照準軌跡の表示データと共に、表示制御部39において上記画像受信部38で受信された撮像画像データに重畳され、表示装置DSのディスプレイ41に表示される。
【0028】
図5はその表示結果の一例を示すものである。いま例えば、銃弾が標的装置TG1の標的板21に命中したとすると、命中マークP2が照準軌跡を表す表示データP1上に重ねて表示され、さらに命中した旨とその時刻を表す吹き出し情報P3が上記命中マークP2に対応付けて表示される。これに対し、銃弾が標的板21から外れた場合には、外れマークP4が照準軌跡を表す表示データP1上に重ねて表示され、さらに外れた旨とその時刻を表す吹き出し情報P5が上記外れマークP4に対応付けて表示される。
【0029】
標的板21に銃弾が命中すると、標的装置TG1ではその衝撃が衝撃センサにより検出され、制御部24から起倒駆動部22に対し起倒制御信号が出力されて標的板21が起きた状態から倒れた状態に変化する。また、それと同時に上記標的板21が倒れたことを示す標的状態信号が、無線部27から制御装置CSに向け送信される。
【0030】
制御装置CSでは、上記標的状態信号が第2の無線部33で受信されると、この標的状態信号により表される標的板21が倒れた旨のデータが主制御部30からトリガ押下情報生成部36に通知される。この結果トリガ押下情報生成部36では、上記通知されたデータをもとに、標的装置TG1の標的板21が倒れた時刻と起きた時刻を並べて表示した標的状態表示データが生成される。そして、この生成された標的状態表示データは、表示制御部39において上記画像受信部38で受信された撮像画像データに重畳され、表示装置DSのディスプレイ41に表示される。図5におけるP6はその表示結果の一例を示すものである。
【0031】
以後同様に、射撃手が銃11の照準を変化させると、制御装置CSではその照準検出データをもとに照準軌跡情報生成部35により照準位置の軌跡を表す表示データP1が生成され、この表示データP1が表示制御部39により撮像画像データに重畳されてディスプレイ41に表示される。
【0032】
また、他の標的装置(例えばTG2)の標的板21が起き上がると、当該標的装置TG2から送られる位置情報と標的板21の起倒状態を表す標的状態信号に基づいて、制御装置CSのカメラ制御部37により、射撃対象となる標的装置TG2とその周辺部を含む射撃対象範囲へカメラCMの撮像範囲を向けるべくカメラCMの雲台が制御される。
【0033】
そして、射撃手が上記標的装置TG2の標的板21に照準を合わせたのち銃11の引き金を引くと、制御装置CSではトリガ検出データとこのときの照準検出データをもとにトリガ押下情報生成部36により命中の有無が判定され、その判定結果をもとに命中又は外れを表す表示データP2,P3が生成されて、この表示データP2,P3が表示制御部39によりカメラCMの撮像画像データに重畳されて図5に示すようにディスプレイ41に表示される。
【0034】
また、銃弾が標的板21に命中すると、費用的装置TG2から送られる標的状態信号に基づいて制御装置CSのトリガ押下情報生成部36により、標的装置TG2の標的板21が倒れた時刻と起きた時刻を並べて表示した標的状態表示データP6が生成され、この標的状態表示データP6が撮像画像データに重畳されて図5に示すようにディスプレイ41に表示される。
【0035】
したがってこの実施形態によれば、銃11の照準の動きが照準位置の軌跡P1として射撃対象範囲の撮像画像データに重畳されて表示され、かつ射撃者が引き金を引くと命中したか外れたかが判定されてその判定結果を表す表示データP2,P3が上記照準位置の軌跡上に表示される。このため、射撃手又はその支援者は、標的板21に対する銃弾の命中の有無にかかわらずそのときの照準位置がどこにあったかを確認することが可能となる。また、照準位置の軌跡P1が表示されることで、銃11の動きを検証することができ、これにより射撃者の銃11の操作に無駄な動きがないかどうかを判定することができる。さらに、標的装置TG1〜TG3の標的板21を起こした時刻と銃撃により倒れた時刻を並べて表示するようにしたことにより、射撃の速度を検証することが可能となる。
なお、射撃が所定時間以上行われなかった場合には、その所定時間よりも前の軌跡Pを消去する(前記所定時間よりも前に射撃が行われていた場合には、当該射撃の一定時間、或いは前後の一定時間を除く)ようにしてもよい。
【0036】
さらに、標的板21が起き上がったときに、当該標的装置から送られる位置情報と標的板21の起倒状態を表す標的状態信号に基づいて、射撃対象となる標的装置とその周辺部を含む射撃対象範囲へカメラCMの撮像範囲を向けるべくカメラCMの雲台の動作とカメラCMのズームが制御されるので、射撃対象となる標的装置TG1〜TG3の遷移に追従して、常にこの射撃対象の標的装置とその周辺部の画像をディスプレイ41に表示させることができる。
【0037】
なお、この発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、1回の射撃訓練ごとに、その一連の過程で得られた照準位置の軌跡を表す情報と、命中の有無の判定結果と、命中及び外れたときの照準位置を表す情報と、命中した場合の標的板21を起こした時刻と銃撃により倒れた時刻を表す情報を、訓練結果を表すメタ情報として射撃訓練の識別情報に対応付けて制御装置CS内に設けられた記憶媒体に蓄積する。そして、訓練終了後の検索操作に応じて、上記記憶媒体から該当するメタ情報を読み出して表示又はプリントアウトするようにしてもよい。このようにすると、射撃訓練後に射撃訓練の結果を検証することができる。
【0038】
また、前記実施形態では照準位置の軌跡を表す表示データを生成して表示するようにしたが、銃11の引き金が操作されたときの銃11の照準位置を表す表示データ、例えば図5のP2,P4のみを生成し表示するようにしてもよい。また、命中した場合の標的板21を起こした時刻と銃撃により倒れた時刻を表す情報は、命中マークP2をクリック操作した場合に表示するようにしてもよい。
【0039】
その他、射撃装置における照準位置の検出手段や引き金操作の検出手段、制御装置、標的装置及び表示装置の構成とその制御内容、射撃訓練の手順等についても、この発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できる。
要するにこの発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】この発明の一実施形態に係わる射撃訓練システムの概略構成図である。
【図2】図1に示したシステムで使用される射撃装置の構成を示すブロック図である。
【図3】図1に示したシステムで使用される標的装置の構成を示すブロック図である。
【図4】図1に示したシステムで使用される制御装置、カメラ及び表示装置の構成を示すブロック図である。
【図5】表示装置のディスプレイに表示される射撃訓練結果を表す情報の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0041】
TG1〜TG3…標的装置、FD…射撃装置、CS…制御装置、DS…表示装置、CM…カメラ、AS…照準センサ、TS…トリガセンサ、11…銃、12…送信ユニット、13…変換部、14…制御部、15…無線部、16…アンテナ、20…標的本体部、21…標的板、22…起倒駆動部、23…標的制御ユニット、24…標的装置の制御部、25…GPS受信機、27…標的装置の無線部、41…ディスプレイ、42…入力部、30…制御装置の主制御部、31…第1の無線部、33…第2の無線部、35…照準軌跡情報生成部、36…トリガ押下情報生成部、37…カメラ制御部、38…画像受信部、39…表示制御部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
標的に対し銃の照準を合わせて引き金を操作することにより射撃訓練を行うシステムであって、
前記銃の照準方向を検出する照準センサと、
前記銃の引き金操作を検出するトリガセンサと、
少なくとも前記標的とその周辺領域を含む射撃対象範囲を撮像するカメラと、
画像を表示可能な表示部と、
前記照準センサ、トリガセンサ、カメラ及び表示部に接続される制御部と
を具備し、
前記制御部は、
前記トリガセンサにより前記銃の引き金操作が検出されたとき、前記照準センサにより検出された前記銃の照準方向をもとに、前記銃の引き金操作が検出された時点での照準位置を表す情報を生成する手段と、
前記カメラにより撮像された前記射撃対象範囲の画像と、前記生成された照準位置を表す情報とを合成した表示画像を生成し、この生成された表示画像を前記表示部に表示させる手段と
を備えることを特徴とする射撃訓練システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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