説明

射的ゲーム機

【課題】 景品を直接撃ち落とすことによってその景品を獲得するという射的に特有の面白さを損なうことなくゲームを楽しむことができる射的ゲーム機を提供することを目的とする。
【解決手段】 ゲーム機本体内に設けた景品収納部内に収容される景品を撮影する景品撮像手段と、景品撮像手段により撮影された景品の景品画像をその射撃難易度に応じた条件で表示手段に的として表示させ、射撃が景品画像に的中した場合に景品画像に対応する景品を景品収納部から払い出すように構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定の距離を隔てて設置された景品に向けて弾丸などの射出体を遊技者が投射して、その当否を競う射的ゲームをシミュレーションして実行できるようにした射的ゲーム機に関する。
【背景技術】
【0002】
射的は、神社の縁日や祭りなどで古くから広く楽しまれたゲームであり、空気銃や弓などを用いてコルク弾や矢を的に向けて発射し、狙った景品を撃ち落として、その景品を取得できるという遊びである。また、このような射的ゲームを模した射撃ゲーム機として、スクリーン上に表示される標的を狙って射撃し、その的中数などに応じて得点が加算されるようになっているものがある。ここではスクリーン上の標的に投射された光ビームの方向やタイミングを銃に設けたセンサで検知したり、銃から発射される光ビームをスクリーン側に設けたセンサで検知したりすることによって、的中か否かを判別するようにしている。
例えば、弾を発射させる疑似銃の標的となる射的ゲーム用的であって、スクリーンとして機能する表面を有し、その表面にゲーム用の画像が表示されるようにした射的ゲーム機が提案されている(例えば、特許文献1を参照。)。
【特許文献1】特開2001−162035号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、前記特許文献に記載の従来の技術のものは以下のような課題があった。
特許文献1に記載の射的ゲーム機では、的として表示される画像が実際に景品として取得できるものとは異なるシンボルキャラクタなどであるため、実際の景品を狙って射撃して、その命中させた景品を獲得できるという射的本来の醍醐味を味わうという点に欠けるという問題があった。さらに、従来の射的ゲーム機では、画面上に表示される的の画像が予め設定されたプログラムに従って表示されるだけなので、遊技者などが関与してその射的の難易度を設定することができず、技量に差のある大人や子供までがゲームを容易に楽しむことができない場合があるといった問題があった。
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、景品を直接撃ち落とすことによってその景品を獲得するという射的に特有の面白さを損なうことなくゲームを楽しむことができるとともに、ゲーム機の画面上に表示される画像の大きさや移動速度などの表示状態などを変えることで射的ゲームにおける難易度を適宜設定することができ、射的ゲームの多様性を拡大して遊技の興味性を高めることのできる射的ゲーム機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
(1)請求項1記載の本発明は、的を画像表示する表示手段と、この表示手段の前方に配置された射撃手段と、を具備し、前記表示手段に表示された的を、前記射撃手段を用いて射撃して、射撃結果に基づいて景品を払い出すようにした射的ゲーム機において、ゲーム機本体内に設けた景品収納部と、この景品収納部内に収容される景品を撮影する景品撮像手段と、この景品撮像手段により撮影された前記景品の景品画像を、射撃難易度に応じた条件で前記表示手段に的として表示させる的表示制御手段と、前記射撃手段による射撃が前記景品画像に的中したか否かを判定する射撃結果判定手段と、この射撃結果判定手段により景品画像に的中したと判定した場合、当該景品画像に対応する景品を、前記景品収納部から払い出す景品払出手段と、を備えたことを特徴とする。
【0005】
(2)請求項2記載の本発明は、前記(1)において、前記景品画像の射撃難易度を、外部から設定可能とした射撃難易度設定部を備えることにも特徴を有している。
【0006】
(3)請求項3記載の本発明は、前記(1)又は(2)において、前記的表示制御手段は、前記景品画像を拡大又は縮小表示可能であり、前記射撃難易度に応じた条件として、射撃難易度に応じた表示サイズを選択して表示することにも特徴を有している。
【0007】
(4)請求項4記載の本発明は、前記(1)〜(3)において、前記的表示制御手段は、前記景品画像を移動表示可能であり、前記射撃難易度に応じた条件として、射撃難易度に応じた移動速度を選択して移動表示させることにも特徴を有している。
【0008】
(5)請求項5記載の本発明は、前記(1)〜(4)において、前記景品払出手段は、前記景品画像の射撃難易度に応じて設定された個数の景品を払い出すことにも特徴を有している。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、景品撮像手段により撮影された景品収納部内の景品の景品画像を、射撃難易度に応じた条件で表示手段に的として表示させ、この射撃結果を判定してこの景品画像に対応する景品を景品収納部から払い出すので、景品を直接撃ち落とすことによってその景品を獲得するという射的に特有の面白さを損なうことなくゲームを楽しむことができる。しかも的となる景品画像は難易度に応じて表示されるので、射的ゲームの多様性を拡大してその興味性を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明は、的を画像表示する表示手段と、この表示手段の前方に配置された射撃手段と、を具備し、前記表示手段に表示された的を、前記射撃手段を用いて射撃して、射撃結果に基づいて景品を払い出すようにした射的ゲーム機において、ゲーム機本体内に設けた景品収納部と、この景品収納部内に収容される景品を撮影する景品撮像手段と、この景品撮像手段により撮影された前記景品の景品画像を、射撃難易度に応じた条件で前記表示手段に的として表示させる的表示制御手段と、前記射撃手段による射撃が前記景品画像に的中したか否かを判定する射撃結果判定手段と、この射撃結果判定手段により景品画像に的中したと判定した場合、当該景品画像に対応する景品を、前記景品収納部から払い出す景品払出手段と、を備えたものである。
【0011】
すなわち、ゲーム機内に収納された景品が撮影された景品画像を的として表示手段に表示し、遊技者が射撃手段を用いて前記景品画像を狙って射撃したときに、的中した場合は前記景品画像に対応する景品が払い出されるようにしたもので、景品を直接撃ち落とすことによってその景品を獲得するという、射的特有の面白さを損なうことなくバーチャル的にゲームを楽しむことができる。
しかも、前記景品画像は、射撃難易度に応じた条件で表示されるので、射的ゲームの多様性を拡大してその興味性を高めることができる。
【0012】
また、上記構成において、前記景品画像の射撃難易度を、外部から設定可能とした射撃難易度設定部を備える構成とすることが好ましい。
すなわち、遊技者の技量や好みに応じて、射的の難易度を遊技者あるいは当該射的ゲーム機を管理する管理者が設定することができるようにしたもので、どのような技量の遊技者でも、射的ゲームを楽しみながら射的技術の向上を図るという新たな楽しみも付加される。したがって、遊技者は飽きることなく永きにわたって射的ゲームを楽しむことができる。
【0013】
また、前記的表示制御手段は、前記景品画像を拡大又は縮小表示可能であり、前記射撃難易度に応じた条件として、射撃難易度に応じた表示サイズを選択して表示することができる。
従来の景品を直接狙い打つ射的ゲームでは、景品の位置を射撃位置に対して遠ざけたり近づけたりすることで難易度を設定しなければならなかったが、本実施形態によれば、いとも簡単に射撃難易度に応じた表示サイズを選択して表示することができるので、射的ゲームとしての場所をとることもなく、射的ゲーム機としてコンパクトな構成とすることができる。そして、難易度を高くして小さな景品画像を的とした場合、あたかも遠くの的を射抜くような醍醐味を味わうことができる。また、この場合、例えば、高価な景品を小さく表示して難易度を高め、廉価な景品は大きく表示して難易度を低くするようにして、遊技者の高価景品への挑戦意欲などを高めることも容易に設定することが可能となる。
【0014】
また、前記的表示制御手段は、前記景品画像を移動表示可能であり、前記射撃難易度に応じた条件として、射撃難易度に応じた移動速度を選択して移動表示させるようにすることもできる。
すなわち、停止している的よりも移動している的を狙うことが難しいことは当然であり、射的技量が向上すれば、動いている的を狙うことも楽しみとなってくる。そこで、的となる景品画像を移動表示可能とすることにより、射的ゲームの多様性を拡大してその興味性を高めることができる。しかも、表示手段上での移動表示なので、実際の景品を移動させるような機械的装置は不要であり、射的ゲーム機としてコンパクトな構成とすることができる。しかも、的の動くスピードを射撃難易度に応じて変化できるようにしていることから、例えば高速で移動する的を射抜くことができたときには、あたかもプロの射撃手になったかのような醍醐味が味わえる。そして、この場合においても、例えば、高価な景品を高速移動表示して難易度を高め、廉価な景品は低速移動表示(停止表示でもよい)して難易度を低くするようにして、遊技者の高価景品への挑戦意欲などを高めることも容易に設定することが可能となる。なお、当然ながら、表示サイズの変化と移動速度の変化とを組合せて難易度を設定することも可能である。
【0015】
さらに、前記景品払出手段は、前記景品画像の射撃難易度に応じて設定された個数の景品を払い出すようにすることもできる。
すなわち、難易度が高い表示の景品画像に命中させると、その景品画像に対応する景品が1個ではなく複数個払い出されるようにするのである。このように設定することで、遊技者の景品獲得への意欲を掻きたて、射的ゲームの興趣を高めることができる。
【0016】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照しながらより具体的に説明する。
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1に係る射的ゲーム機の正面図、図2は同射的ゲーム機の側面断面図、図3は同射的ゲーム機のブロック構成図である。以下図面を参照しながら本発明の実施の形態1に係る射的ゲーム機について説明する。
図1〜図3において、10は本発明の実施の形態1に係る射的ゲーム機、11は的を画像表示するための液晶パネルやスクリーンなどの表示手段、12は表示手段11の前方に配置されたピストルなどを模した射撃手段、13はゲーム機本体10a内に設けられた景品収納部、14は景品収納部13内に収容される景品Kを撮影するためのデジタルカメラや三次元センサなどの景品撮像手段、15は撮影された景品Kの景品画像Gをその射撃難易度に応じた条件で表示手段11に的として表示させるための的表示制御手段及び射撃手段12による表示手段11上への射撃が景品画像Kに的中したか否かを判定するための射撃結果判定手段を備えた制御部、16は射撃結果判定手段により景品画像に的中した当該景品画像Gに対応する景品Kを景品収納庫16aから取り出して景品払い出し部16bに払い出すための景品払出手段、17は景品画像Gの射撃難易度を外部から設定可能としたプッシュボタンやタッチパネルなどの射撃難易度設定部である。
【0017】
射的ゲーム機10は、遊技者が的となる景品を打ち落とすことにより景品を取得することを目的としたゲームをシミュレーションするゲーム機であり、遊技ホールなどに設けられて、略キャビネット状のゲーム機本体10a内に各種の景品が保持されるようになっている。
【0018】
表示手段11は液晶パネルやプラズマパネル、スクリーンなどからなる略矩形状の表示画面を備えており、ゲーム機本体10aの前面に取りつけられ、後述する的表示制御手段を有する制御部15を介して表示される画像などが制御される。
射撃手段12は、表示手段11の手前側に設けられたピストルなどを模した入力機器であり、遊技者がピストルの方向を定めて引き金を引くことにより、光ビームを表示手段11に投射して所定の効果音などを発生させる。この射撃操作に関わる入力データはインターフェイスを介して制御部15に取り込まれて所定の処理がなされる。
【0019】
景品収納部13はゲーム機本体10aに設けられるボックス状の収納庫であり、例えば、この分割された部分にそれぞれ異なる種類の景品K(例えば4種の景品K1〜K4)が収納される。なお、景品収納部13に収納される景品Kとしては、ペンダントや時計、動物のぬいぐるみなどの他に、生きた金魚やひよこなどのペット類や、おでん、焼きとり、ハンバーガーなどの食品類を用いることも可能であり、この景品画像Gをリアルタイムで表示手段11に的として表示させることもできる。
【0020】
景品撮像手段14は景品収納部13のそれぞれの上方天井隅などに設けられたCCDカメラやその底部などに設けられたスキャナなどであり、景品収納部13に収納された各景品K1〜K4の静止画像又は動画像を所定のタイミングで取得して、この画像データが制御部15に取り込まれるようになっている。
【0021】
制御部15は、射的ゲーム機10の全体を管理するためのコンピュータがその機能を担っており、景品収納部13に収納された景品K(K1〜K4の)画像データに基づいて表示手段11上にその景品画像G(G1〜G4)を表示させる的表示制御手段と、射撃手段12の射撃データと表示手段11に表示される景品画像Gのデータに基づいてこの射撃結果を判定するための射撃結果判定手段とを有している。
【0022】
景品払出手段16は遊技者に射撃結果に対応した景品を提供するための装置であって、ゲーム機本体10aの景品収納庫16aに保持された景品Kをゲーム機本体10aの前面に設けられた景品払い出し部16bに向けて押し出すためのモータやアクチュエータなどのシリンダ機構を備えており、このシリンダ機構は制御部15を介して駆動される。こうして、表示手段11上の景品画像Gに対して有効な射撃が行なわれたか否かを射撃結果判定手段により判定して、射撃が有効な場合に景品画像Gに対応した景品Kが景品払い出し部16bに供給されて遊技者に提供される。
【0023】
射撃難易度設定部17は射撃手段12の近傍のゲーム機本体10a上に設けられ、遊技者が必要に応じて射撃の難易度を所定のレベル、例えば図4に示すようなレベル1〜レベル4までに対応した各4段階の射撃難易度に設定するための選択スイッチやタッチパネルなどの入力装置である。この射撃難易度に関わる入力データは制御部15に読み込まれて、このそれぞれの射撃難易度Lに応じて表示手段11に表示される景品画像Gの表示モードが決定されるようになっている。例えば難易度が最小となるレベル1では景品画像G1〜G4の表示倍率が大となって表示され、景品画像Gの輝度やその演出効果も大きくなるようにしている。逆に射撃難易度Lが最大となるレベル4では景品画像Gの表示倍率が最小になるとともに表示手段11上を遊泳する景品画像Gの移動速度や移動パターンも速く複雑化するようにしてその射撃が困難になるようにしている。
【0024】
なお、射撃難易度Lのレベル2では景品画像G1、G4が拡大表示されてその表示倍率が最大となるが、景品画像G2、G3については逆に縮小表示されてその表示倍率が小さくなるように設定して、射的ゲームにおける各景品Kに対する射撃確率を変化させている例を示している。またレベル3では各景品画像G1〜G4の表示倍率を一律に低く設定して全体の射撃難易度Lが小さくなるようにしている。
【0025】
つぎに、射的ゲーム機10を制御する制御部15により実行される射的ゲームにおける景品提供ルーチンの一例について説明する。図5は射的ゲームの的となる景品画像の射撃難易度を設定してその射撃結果により景品を払いだす景品提供ルーチンのフローチャートである。
【0026】
ステップS1では、ゲーム機本体10aに配設された設定ボタンなどの射撃難易度設定部17からのデータをもとにして射撃難易度Lが設定される。こうして、各景品収納部13に収納されている景品K1〜K4に対応する景品画像G1〜G4が所定の射撃難易度となる表示モードでそれぞれ表示手段11上の表示面に表示されて、射的ゲームが開始される。
【0027】
ステップS2では、遊技者によって操作される射撃手段12の発射時刻、発射方向などの射撃データを取得するとともに、表示手段11上の景品画像Gの位置座標や有効射撃範囲などの画像データが制御部15に入力される。
ステップS3では、前記射撃データと画像データとを照合して的となる景品画像Gに射撃手段12の射撃が的中したか否かを判定して、この判定が当りの場合はステップS4へ、外れの場合はステップS5に移行する。
【0028】
ステップS4では景品画像Gに対応する景品Kを、景品払出手段16を介して景品払い出し部16bに押し出して供給する景品払出処理がなされた後、ステップS2にリターンされる。
【0029】
ステップS5では、初期値が例えばN=10などになる有効射撃回数(N)からこの外れとなった射撃をデクリメントして射撃回数(N−1)を設定するなどの外れ処理がなされた後、次のステップS6に移行する。ステップS6では、この有効射撃回数Nがゼロとなったのを判定して終了させる終了処理がなされる。すなわち、有効な射撃回数が1以上の場合はステップS2へ移行し、射撃回数がゼロのときにはこのルーチンが終了となる。
【0030】
以上説明したように、射的ゲーム機10の制御部15に保持される実行プラグラムは前記景品提供ルーチンをその主要部分として構成される。こうして、景品撮像手段14により撮影された景品収納部13内の景品K1〜K4に対応する景品画像G1〜G4を、射撃難易度設定部17で選択される射撃難易度に応じた表示サイズや表示速度などの表示条件で表示手段11に的としての景品画像Gを表示させることができる。
そして、この景品画像Gに対する射撃結果を前記景品提供ルーチンを含む射的プログラムにより判定してこの景品画像Gに対応する景品Kを景品収納部13から払い出すので、景品を直接撃ち落とすことによってその景品を獲得するという射的特有の面白さを損なうことなくゲームを楽しむことができる。
さらに、この射的ゲームの遊技者は表示手段11上に表示される景品画像Gの表示モードをゲーム機本体10aに設けられた射撃難易度設定部17を用いて選択して、表示手段11の画面上に表示される画像の大きさや移動速度などの表示モードを変えることで遊技者の技量や好みなどに応じて変化させて、射的ゲームを効果的に楽しむことができる。
【0031】
(実施の形態2)
図6は本発明の実施の形態2に係る射的ゲーム機の側面断面図である。
図6において、20は実施の形態2の射的ゲーム機、21はゲーム機本体10a内に設けられた景品収納部、22、23は景品収納部21に収容される景品kを天井部や側壁部などの異なる2方向からそれぞれ撮影するための2台の景品撮像手段である。なお、以下の説明において実施の形態1と同様の機能を有するものについては同一の符号を付してその説明を省略する。
【0032】
射的ゲーム機20では、遊技者に提供される景品Kを収納した景品収納部21に異なる方向からそれぞれ景品画像Gを撮影することのできる2台の景品撮像手段22、23が配置されている。これによって、取得される2つの景品画像のデータをもとに画像処理を施してその三次元像や合成画像を生成して、これを表示手段11上に的となる景品画像Gとして表示させることができるようにしている。従って、景品Kに固有の立体感や質感を持った景品画像Gをリアルで遊技者が狙って射撃することで、射的ゲームに相応しい臨場感や雰囲気を持たせることができ、ゲームの興趣を高めることができる。こうして金魚鉢内を泳ぐ金魚や、虫籠に入れられたかぶと虫などの昆虫を景品Kとして用いてその景品画像Gを表示手段11に表示させて、子供などにも好まれる射的ゲーム機とすることが可能になる。また、的となる画像データの取得に際しては、景品収納部21に景品となるものを配置するだけで、景品収納部21に配置した景品撮像手段22、23を介して適正に画像データが取得できるので、容易に射的ゲーム機を設定準備することができ、メンテナンス性にも優れている。
【0033】
(実施の形態3)
図7は本発明の実施の形態3に係る射的ゲーム機の側面断面図である。
図7において、30は実施の形態3の射的ゲーム機、31は表示手段11に表示される景品画像Gの射撃難易度を設定するためのゲーム機本体10a内に設けられたプッシュボタンなどの射撃難易度設定部である。なお、射撃難易度設定部31は射的ゲーム機30が配置される遊技場の管理者により操作されるようになっている。
【0034】
表示手段11に表示される景品画像Gは拡大又は縮小表示可能であり、射撃難易度設定部31により設定される射撃難易度に応じた表示サイズで選択して表示させることができる。さらに、景品画像Gをその表示手段11上に所定の移動速度となるパターンで移動表示させる射撃難易度を設定して、この射撃難易度に応じた移動速度などを射撃難易度設定手段31で選択して表示させることもできる。これによって、管理者がその場に応じた適正な射撃難易度を設定できるとともに、射的ゲームを多様化してゲームに対する興味を喚起することができる。
【0035】
また、射的ゲーム機30では、景品払出手段16を用いて、景品画像Gの射撃難易度に応じて、設定された個数の景品を払い出すようにしている。これによって、例えば表示サイズが相対的に小さく画面上での動きの速くなるような景品画像Gを射抜いたときに提供される景品の量を多くしてその興味性を高めるようにしている。図7では、難易度を射撃難易度設定手段31によりレベル3に設定して、表示手段11上の景品画像Gが射撃手段12で射撃されたのが判定されたときに、景品収納庫16aに収納された3個の景品Kを景品払い出し部16bに一括して払い出している例を示している。すなわち、レベル1で提供される景品Kの個数は1であり、レベル2、3、4ではそれぞれの数になるようにしている。従って、遊技者はより多くの景品の獲得を狙って、その技量に応じた射撃難易を指向するようになる。なお、このような射撃難易度の設定は射的ゲーム機30の管理者又は、制御部15に組み込まれた設定プログラムなどにより、遊技者種別や遊技時間帯などの遊技環境条件のデータに基づいて行なうこともできる。
【0036】
以上本発明の実施の形態1〜3について説明したが、本発明はこれら実施例のものに限定されるものではない。例えば,本実施の形態では、ピストル型の射撃手段を用いる例を示しているが、射撃手段としてミサイルや弓などを投射するランチャタイプのものを適用したり、あるいはボール状のものを遊技者が実際に表示手段に向けて投げ入れるタイプのものとしたりすることも可能である。この場合には、表示手段にタッチパネルのようなセンサ機能を設けておき、これによって投射物の景品画像Gに対する当たり外れを判定する。さらに、景品収納部に配置されるデジタルカメラやビデオカメラなどの景品撮像手段には撮像方向を変える首振り機構などを設けることができる。これによって、景品収納部に静置される景品Kの景品画像Gを多方向から取得できるようにし、これらの画像を画像処理して表示手段上に効果的に表示させ、景品Kの特徴を遊技者にアピールできるようにすることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】実施の形態1に係る射的ゲーム機の正面図である。
【図2】同射的ゲーム機の側面断面図である。
【図3】同射的ゲーム機のブロック構成図である。
【図4】表示手段上に表示される景品画像Gの表示形態を示した説明図である。
【図5】景品を払いだす景品提供ルーチンのフローチャートである。
【図6】実施の形態2に係る射的ゲーム機の側面断面図である。
【図7】実施の形態3に係る射的ゲーム機の側面断面図である。
【符号の説明】
【0038】
10 実施の形態1の射的ゲーム機
10a ゲーム機本体
11 表示手段
12 射撃手段
13 景品収納部
14 景品撮像手段
15 制御部
16 景品払出手段
16a 景品収納庫
16b 景品払い出し部
17 射撃難易度設定手段
20 実施の形態2の射的ゲーム機
21 景品収納部
22、23 景品撮像手段
30 実施の形態3の射的ゲーム機
31 射撃難易度設定部
K1〜K4 景品
G1〜G4 景品画像

【特許請求の範囲】
【請求項1】
的を画像表示する表示手段と、
この表示手段の前方に配置された射撃手段と、を具備し、
前記表示手段に表示された的を、前記射撃手段を用いて射撃して、射撃結果に基づいて景品を払い出すようにした射的ゲーム機において、
ゲーム機本体内に設けた景品収納部と、
この景品収納部内に収容される景品を撮影する景品撮像手段と、
この景品撮像手段により撮影された前記景品の景品画像を、射撃難易度に応じた条件で前記表示手段に的として表示させる的表示制御手段と、
前記射撃手段による射撃が前記景品画像に的中したか否かを判定する射撃結果判定手段と、
この射撃結果判定手段により景品画像に的中したと判定した場合、当該景品画像に対応する景品を、前記景品収納部から払い出す景品払出手段と、
を備えたことを特徴とする射的ゲーム機。
【請求項2】
前記景品画像の射撃難易度を、外部から設定可能とした射撃難易度設定部を備えることを特徴とする請求項1記載の射的ゲーム機。
【請求項3】
前記的表示制御手段は、前記景品画像を拡大又は縮小表示可能であり、前記射撃難易度に応じた条件として、射撃難易度に応じた表示サイズを選択して表示することを特徴とする請求項1又は2に記載の射的ゲーム機。
【請求項4】
前記的表示制御手段は、前記景品画像を移動表示可能であり、前記射撃難易度に応じた条件として、射撃難易度に応じた移動速度を選択して移動表示させることを特徴とする請求項1〜3の内いずれか1項に記載の射的ゲーム機。
【請求項5】
前記景品払出手段は、前記景品画像の射撃難易度に応じて設定された個数の景品を払い出すことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の射的ゲーム機。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate