説明

導光板

【課題】 光源から離れた部位における輝度の低下及び全体としての輝度ムラの発生を防止することができるように工夫した導光板を提供すること。
【解決手段】 光源からの光を取り入れる導光部を備えた導光板において、上記導光部を除いた側面の全部又は一部を着色して光反射部としたものであり、側面を介して光が逃げることを防止することができ、それによって、光源から離れている場所における輝度を高めて、全体とし輝度ムラの発生を防止することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、携帯電話のキー操作部においてキーパッドを裏面側から照明するために使用される導光板に係り、特に、光源から離れた場所における輝度の低下と全体としての輝度ムラの発生を防止することができるように工夫したものに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、携帯電話のキー操作部においては、図4に示すような導光板101を図示しないキーパッドの裏面側に配置し、別途設置されたLED(発光ダイオード)等の光源103、103を導光板101の一側面101a側に配置している。そして、上記光源103、103からの光を、この導光板101を介して上記キーパッドに当てて照明する構成が採用されている。
【0003】
尚、この種の構成を開示するものとして、例えば、特許文献1がある。
【特許文献1】特開2004−295187号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来の構成によると次のような問題があった。
すなわち、図4に示すように、光源103、103からの光の一部が、導光板101の側面、すなわち、光源103、103が設置されている側の側面101a以外の側面101b、101c、101dから外部に逃げてしまうために(図4中矢印で示す)、導光板101の全体を均一に発光させることができず、図4(a)に示すように、輝度ムラが発生してしまうという問題があった。具体的には、光源103から離れる程輝度が低下してしまい、その結果、全体として輝度ムラが発生してしまうものである。このような場合には、キーパッドの一部(光源103、103から離れた部分)が見え難くなってしまう。この場合には、光源103、103から離れた部位の輝度に合わせて全体の輝度を低くする必要があった。
【0005】
本発明はこのような点に基づいてなされたものでその目的とするところは、光源から離れた部位における輝度の低下及び全体としての輝度ムラの発生を防止することができるように工夫した導光板を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するべく本願発明の請求項1による導光板は、光源からの光を取り入れる導光部を備えた導光板において、上記導光部を除いた側面の全部又は一部を着色して光反射部としたことを特徴とするものである。
又、請求項2による導光板は、請求項1記載の導光板において、直方体形状であって薄板状をなしていて、一方の側面を導光部とし、該導光部を除く全ての側面を着色して光反射部としたことを特徴とするものである。
又、請求項3による導光板は、請求項2記載の導光板において、直方体形状であって薄板状をなしていて、一方の側面を導光部とし、該導光部に対向する側面のみを着色して光反射部としたことを特徴とするものである。
又、請求項4による導光板は、請求項1〜請求項3の何れかに記載の導光板において、上記光反射部は白色に着色されていることを特徴とするものである。
又、請求項5による導光板は、請求項1〜請求項4の何れかに記載の導光板において、携帯電話のキー操作部のキーパッドの照明用に使用されるものであることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0007】
以上述べたように本願発明の請求項1による導光板は、光源からの光を取り入れる導光部を備えた導光板において、上記導光部を除いた側面の全部又は一部を着色して光反射部としたことを特徴とするものであるので、側面を介して光が逃げることを防止することができ、それによって、光源から離れている場所における輝度を高めて、全体とし輝度ムラの発生を防止することができる。又、導光板全体としての輝度を高くすることができる。又、単に、側面を着色するだけであるので、作業も簡単であり、コストの大幅な上昇を来すこともない。
又、請求項2による導光板は、請求項1記載の導光板において、直方体形状であって薄板状をなしていて、一方の側面を導光部とし、該導光部を除く全ての側面を着色して光反射部とした構成になっているので、上記効果をより高いものとすることができる。
又、請求項3による導光板は、請求項1記載の導光板において、直方体形状であって薄板状をなしていて、一方の側面を導光部とし、該導光部に対向する側面のみを着色して光反射部とした構成になっているので、着色する領域が狭くなる分作業が簡単なものとなる。
又、請求項4による導光板は、請求項1〜請求項3の何れかに記載の導光板において、上記光反射部を白色に着色したものであり、上記効果をより確実に得ることができる。
尚、着色する色としては白色以外にも様々な色が考えられる。
又、請求項5による導光板は、請求項1〜請求項4の何れかに記載の導光板において、携帯電話のキー操作部のキーパッドの照明用に使用されるものであるので、キーパッドにおける視認性を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、図1及び図2を参照して本発明の第1の実施の形態を説明する。この実施の形態は、本願発明を携帯電話のキーパッドの照明に適用した例を示すものである。図1に示すように、まず、基板1があり、この基板1には接点3、5が設けられている。
尚、図では基板1の一部についてのみ示している。
【0009】
上記基板1上であって上記接点3、5に対応する位置にはドームコンタクト7が設置されている。このドームコンタクト7上にはアクリル系接着剤9を介してPET粘着テープ11が設置されている。上記PET粘着テープ11の上には導光板13が設置されていて、この導光板13の下面側には表示部15が設けられている。
【0010】
上記導光板13の上にはキーパッド17が設置されている。又、上記導光板13の一側面13a側には光源19、19が設置されている。この実施の形態では光源としてLED(発光ダイオード)を使用している。上記構成の内、導光板13と光源19、19のみを抽出して図2に示す。本実施の形態における上記導光板13は、薄板形状をなしていて、上記光源19、19が設置されている側の一側面13a以外の側面13b、13c、13dは白色に着色されている。具体的には、白色のUVインクをパット印刷法によって上記各側面13b、13c、13dに塗布するものである。その厚みは10μm程度である。図中着色部を斜線で示す。
【0011】
以上本実施の形態によると次のような効果を奏することができる。
まず、光源19、19が設置されている側の一側面13a以外の側面13b、13c、13dは白色に着色されているので、それら側面13b、13c、13dを介して光が逃げることを防止することができる。これは白色による光の拡散効果によるものであり、光は導光板13内に拡散されていくものである。それによって、光源19、19から離れている場所における輝度の低下を防止して、全体として輝度ムラの発生を防止することができ、それによって、キーパッド17の外側からの表示部15の視認性を向上させることができる。
又、導光板13全体としての輝度を高くすることができ、それによっても、キーパッド17の外側からの表示部15の視認性を向上させることができる。
又、この実施の形態の場合には、 光源19、19が設置されている側の一側面13a以外の全ての側面13b、13c、13dを白色に着色しているので、上記効果もより高いものとなる。
又、単に、側面13b、13c、13dを白色に着色するだけであるので、作業も簡単であり、コストの大幅な上昇を来すこともない。
【0012】
次に、図3を参照して本発明の第2の実施の形態を説明する。前記第1の実施の形態の場合には、光源19、19が設置されている側の一側面13a以外の全ての側面13b、13c、13dを白色に着色したが、この第2の実施の形態の場合には、光源19、19に対向・配置されている側の側面13dのみを白色に着色したものである。
その他の構成は前記第1の実施の形態の場合と同様であり、図中同一部分には同一符号を付して示しその説明は省略する。
【0013】
このような第2の実施の形態の場合にも、前記第1の実施の形態の場合に比べるとその効果は小さいが、それでも十分に略同様の効果を奏することができる。又、白色に着色する領域が狭くなるのでコストの低減を図ることができる。
【0014】
尚、本発明は前記第1、第2の実施の形態に限定されるものではない。
例えば、着色する色としては白色に限定されるものではなく、白色以外にも様々なものが考えられる。
又、導光板の形状については様々なものが想定され、その形状に応じて任意の部位に白色等を着色すればよい。
白色等を着色する手段についてもこれを特に限定するものではなく、前記各実施の形態のようなインクの塗布以外にも、何らかの白色等の別部材を貼り付ける、等様々な手段が想定される。
又、白色等のインクについてもこれを特に限定するものではない。
その他、図示したものはあくまで一例である。
【産業上の利用可能性】
【0015】
本発明は、例えば、キーパッドを裏面側から照明するために使用される導光板に係り、特に、輝度ムラの発生を防止することができるように工夫したものに関し、例えば、携帯電話のキー操作部におけるキーパッドの照明用の導光板に好適である。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示す図で、携帯電話のキーパッドを照明するための構成を示す断面図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態を示す図で、図1(a)は光源と導光板の平面図、図1(b)は図1(a)のb−b矢視図、図1(c)は図1(a)のc−c矢視図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態を示す図で、図2(a)は光源と導光板の平面図、図2(b)は図2(a)のb−b矢視図、図2(c)は図2(a)のc−c矢視図である。
【図4】従来例を示す図で、図4(a)は光源と導光板の平面図、図4(b)は図4(a)のb−b矢視図、図4(c)は図4(a)のc−c矢視図である。
【符号の説明】
【0017】
13 導光板
13a 側面
13b 側面
13c 側面
13d 側面
17 キーパッド
19 光源



【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源からの光を取り入れる導光部を備えた導光板において、
上記導光部を除いた側面の全部又は一部を着色して光反射部としたことを特徴とする導光板。
【請求項2】
請求項1記載の導光板において、
直方体形状であって薄板状をなしていて、一方の側面を導光部とし、該導光部を除く全ての側面を着色して光反射部としたことを特徴とする導光板。
【請求項3】
請求項2記載の導光板において、
直方体形状であって薄板状をなしていて、一方の側面を導光部とし、該導光部に対向する側面のみを着色して光反射部としたことを特徴とする導光板。
【請求項4】
請求項1〜請求項3の何れかに記載の導光板において、
上記光反射部は白色に着色されていることを特徴とする導光板。
【請求項5】
請求項1〜請求項4の何れかに記載の導光板において、
携帯電話のキー操作部のキーパッドの照明用に使用されるものであることを特徴とする導光板。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−140846(P2010−140846A)
【公開日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−318104(P2008−318104)
【出願日】平成20年12月15日(2008.12.15)
【出願人】(391011696)不二電子工業株式会社 (23)
【Fターム(参考)】