説明

導電性インク及び導体

酸化していない金属粒子をバインダへと混合させることによって、インクが製造される。このインクは、物体(502)に印刷され、導体を形成するために硬化される。このプロセスは、導体(500)の導電性を維持するために、不活性雰囲気中又は真空中で行われる。

【発明の詳細な説明】
【発明の概要】
【0001】
分野
本発明は、導電性インク、導体及びそれらの製造方法に関する。
【0002】
背景
電子工学には、導体を製造するための数多くの方法がある。導体は、導電性インクを使用し、このインクを室温か又は高速製造を可能にする例えば約150℃のオーブン内で硬化させることによって、基板上に印刷され得る。このインクは、通常、銀粉末をバインダ及び溶媒の混合物へと添加することによって作られる。銅及び金などの他の金属を使用することもできる。実際の導体へのインクの硬化中に溶媒が蒸発する際、銀粒子は、互いとの物理的接点を形成して、優れた導電性を導体にもたらすと考えられ得る。
【0003】
使用される銀及び他の金属は優れた導電性を有しているが、それらの仕事関数は高い。使用される金属の仕事関数は、約4.5eVであり、ほんの僅かなばらつきがある。仕事関数は、固体材料から1つの電子を解放するのに必要とされるエネルギーを意味している。使用される金属の間で事実上一定である高い仕事関数は、低い性能及び効率をもたらす。これは、これら材料からなる導体に動作電圧を通す電子デバイスにおいて、高い動作電圧として及び高いエネルギー消費量に見ることができる。しかしながら、多くの電子デバイスはそれらの電源として電池を有しており、これら電子デバイスのエネルギー消費用途の数は増加しているため、効率及び性能は、絶えず改善されるべきである。従って、例えば、エネルギー消費量を低下させ、再充電の間隔を延ばすために、動作電圧を低めることへの要求がある。
【0004】
発明の簡単な説明
本発明の目的は、改善された解決策を提供することである。本発明の或る側面に従うと、導体を形成するための、金属粒子とバインダとを含んだインクが提供される。前記金属粒子は、放射性金属を除く、アルカリ土類金属、アルカリ金属及びベリリウムの少なくとも1種を含んでおり、前記金属粒子は酸化していない。
【0005】
本発明の他の側面に従うと、金属粒子とバインダとを含んだインクを使用して形成される導体が提供される。前記金属粒子は、放射性金属を除く、アルカリ土類金属、アルカリ金属及びベリリウムの少なくとも1種を含んでおり、前記金属粒子は酸化していない。
【0006】
本発明の他の側面に従うと、金属粒子とバインダとを含んだインクを使用して形成される電極が提供される。前記電極の前記金属粒子は、放射性金属を除く、アルカリ土類金属、アルカリ金属及びベリリウムの少なくとも1種を含んでおり、前記金属粒子は酸化していない。
【0007】
本発明の他の側面に従うと、導体を形成するための、金属粒子を含んだインクの製造方法が提供される。前記方法は、インクを形成するために、酸化していない金属粒子を不活性雰囲気中でバインダへと混合させることを含んでおり、前記金属粒子は、放射性金属を除く、アルカリ土類金属、アルカリ金属及びベリリウムの少なくとも1種を含んでいる。
【0008】
本発明は幾つかの利点を提供する。先の解決策は、アルカリ土類金属及び/又はアルカリ金属を含んだインクを使用して導体を印刷することを可能にする。アルカリ土類金属及び/又はアルカリ金属の使用は、仕事関数を低め、動作電圧及びエネルギー消費量を制御すること及び必要な場合にこれらを減少させることを可能にする。
【0009】
図面の一覧
以下において、態様及び添付の図面を参照しながら、本発明をより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、或る電子部品を示している。
【図2】図2は、共に微粉砕された(milled)金属粒子の混合物を示している。
【図3】図3は、別個に微粉砕され、その後混合された金属粒子の混合物を示している。
【図4】図4は、グラビア印刷法を示している。
【図5】図5Aは、保護層を有した導体を示している。図5Bは、保護層及びワイヤを有した導体を示している。
【図6】図6は、インクの製造方法のフローチャートを示している。
【図7】図7は、導体の形成方法のフローチャートを示している。
【0011】
態様の説明
図1を参照しながら、或る電子部品の一例について考察する。この部品は、OLED部品(有機発光デバイス)、OSC(有機太陽電池)、OFET(有機電界効果トランジスタ)などの光電子部品であり得る。しかしながら、一般に、先の部品は、例えばアンテナなどの、電極間に作動部(operational parts)を含んでいると考えられ得る任意の電子部品でもよい。この例において、先の部品は、第1電極100と、少なくとも1つの能動層(active layer)102と、第2電極104とを含み得る。電極100、104は、適切な動作のための電気エネルギーをこの部品の能動層102に提供する導体である。OLED部品の能動層102では、電流の電荷担体である電子と正孔との再結合が起こり得て、この例では、この再結合が、光放射の形態で、エネルギーを放出し得る。
【0012】
この部品の電極100、104の少なくとも一方は、適切なインクを使用して印刷され得る。このインクは、アルカリ土類金属、アルカリ金属又はアルカリ土類金属とアルカリ金属との両方を含んだ金属材料を使用して調製され得る。有用なアルカリ土類金属は、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)及びバリウム(Ba)である。ベリリウム(Be)は除外され得る。アルカリ金属は、リチウム(Li)、ナトリウム(Na)、カリウム(K)、ルビジウム(Rb)及びセシウム(Cs)である。放射性金属のラジウム(Ra)及びフランシウム(Fr)は、実際には使用できない。先の金属材料は、元素の周期表の第3族乃至第15族の少なくとも1種の金属を更に含んでもよい。これらの金属の一例として、アルミニウム(Al)が、例えばマグネシウム又はカルシウムと混合され得る。
【0013】
これらの金属又はこれら金属の組み合わせの仕事関数は、低められて、部品に高い性能及び効率を持たせることを可能にし得る。ここに、仕事関数の一覧を挙げる:マグネシウム3.7eV、カルシウム2.9eV、ストロンチウム2.6eV、バリウム2.5eV、リチウム2.9eV、ナトリウム2.4eV、カリウム2.3eV、ルビジウム2.3eV及びセシウム2.0eV(ここでの値は、CRC hand-book of chemistry and physicsに基づいている)。アルミニウムは高い仕事関数(4.2eV)を有しているが、アルミニウムと低仕事関数の少なくとも1種の金属との適切な混合物は、低い仕事関数をもたらす。低仕事関数は、この出願においては、約4eV未満を意味している。製造中、導体の仕事関数は、金属材料を適切に混合することによって制御され得る。従って、或る仕事関数が望まれる場合、金属材料は、この目的が達成され得るように混合され得る。適切な混合物は、例えば実験によって見つけられ得る。既製の導体では、アルカリ土類金属及び/又はアルカリ金属の量が仕事関数を決定する。
【0014】
金属材料は、不活性雰囲気中又は真空中で、少なくとも1種のプロセス制御剤(process control agent)を用いて微粉砕され得る。不活性材料は、化学的に反応するものではない。また、金属粒子は、微粉砕せずとも、それ自体で適切であり得る。
【0015】
金属材料は、金属粒子を含んだ金属粉末でもよい。径などの金属粒子の大きさは、約10マイクロメートルであり得る。しかしながら、金属粒子は、それよりも大きくても又は小さくてもよい。金属粒子は、例えば酸化を原因とした電気絶縁性の表面を有し得る。典型的には、低仕事関数の金属は容易に酸化する。微粉砕中、絶縁性表面を除去することができ、導電性表面が金属粒子に形成され得る。微粉砕が不活性雰囲気中で又は真空中で行われ、この不活性雰囲気又は真空は再酸化を防ぐので、導体表面は、導電性のままである。微粉砕は、粒子の形状を変化させ、微粉砕された粒子の大きさが約5マイクロメートルであり得るように粒子の大きさを減少させ得るが、前記粒子は、それよりも大きくてもよいし、それよりも小さくてもよい。形状及び大きさの双方は、インクの品質に影響を及ぼす。
【0016】
微粉砕プロセスは、プロセス制御剤を用いずに行われてもよい。しかしながら、1種以上のプロセス制御剤が微粉砕プロセスに必要であることが通常である。少なくとも1種のプロセス制御剤が使用される場合、それは、先の金属粒子と反応するものでなくてもよい。考えられるプロセス制御剤は、炭化水素(ヘプタン、ヘキサン、テトラヒドロフラン、ペンタン、シクロヘキサン、ベンゼン、エーテルなど)などの有機溶媒である。例えば、ヘキサン及びステアリン酸の組み合わせが、プロセス制御剤として使用され得る。ヘキサンはステアリン酸を溶解させる溶媒であり、ステアリン酸などは、金属粒子が凝集するのを防ぐ。
【0017】
1種以上の金属がインクを作るのに使用される場合、各々の金属材料は別個に微粉砕されてもよく、微粉砕後に、微粉砕された金属粒子が混合されてもよい。或いは、幾つかの金属材料が、同じ微粉砕機内で、同時に微粉砕されてもよい。
【0018】
図2は、共に粉砕された金属粒子の混合物を示している。各粒子200中の金属は、この例では、マグネシウム及びアルミニウムである。微粉砕プロセスは、これら粒子を、それらが合金を形成するように密に圧縮してもよい。
【0019】
図3は、別個に微粉砕され、その後混合された金属粒子の混合物を示している。この例における微粒子300、302は、アルミニウム及びカルシウムからなる。また、共に微粉砕するか又は別個に粉砕するかに拘わらず、2種を超える金属を混合することもできる。
【0020】
最後に、微粉砕された金属粉末を不活性雰囲気中でバインダ及び溶媒と混合することによって、インクが作られ得る。バインダは、先の金属粒子と反応しない材料であり得る。バインダは、例えば、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレートなどであり得る。混合は、例えば、ハイシアミキサを使用して行われ得る。また、この製造は、大きさ及び形状が適切であり、酸化していない表面を有した金属粒子から始まってもよく、それらは、バインダと直接混合されて、インクを形成し得る。
【0021】
インクが準備された後、導体が印刷され得る。これは、このインクを物体に印刷することで行われ得る。印刷方法は、グラビア印刷でもよいし、スクリーン印刷でもよいし、又はフレキソ印刷でもよい。先の物体は、部品又は基板であり得る。
【0022】
図4を参照しながら、印刷の一例としてのグラビア印刷法について考察する。適切である多くの他の機械的な印刷方法が存在するが、印刷方法自体は、それだけで知られており、説明する必要はないことが想定される。硬いか又は柔軟な物体400が、2つのロール402、404の間を通り得る。物体400は、多層構造を有した部品における或る層を構成し得る。ロール402は、ロール402の表面がインク406を収容したポット408中に浸されたときにインク406が転写される複数のセル4020を有し得る。これらセルは、ロール402における溝部であり得る。ロール402上の過剰なインクを除去するために、ドクターブレード410が使用され得る。ロール404は、インク406を物体400の表面に転写させるために、物体400及びロール402を動かして互いに直接接触させ得る。直接接触において、ロール402は、物体400に物理的に接触し得る。ロール404は、ロール402が物体400の印刷可能表面に対して押し付けられるように、ロール402、404の間の圧縮を強い得る。この部品のインク406が転写させられる層は、物体400でもよいし、又は予め物体400上に処理された層であってもよい。転写は、回転ロール402、404を使用して、連続基板をroll-to-rollプロセスに通すことによって行われてもよい。
【0023】
インク406の粘度及び表面張力は、別々のセル4020から転写されるインクの液滴が結合して、それらが転写される層上に均一な層412を形成するように制御され得る。粘度及び表面張力が低いほど、インク406が塗られて均一な層を形成するのがより容易になる。インクは、所望の形状の導体パターンで印刷される。
【0024】
インクの粘度は、印刷方法に依存した広範囲において多様であり得る。出来上がった層の品質は、例えば、印刷速度並びにロール402に対するドクターブレードの角度及び力などによって制御され得る。グラビア塗布法を用いると、非常に多数の部品を同一のロールで製造することができ、処理速度は、分当たり数百メートルを上回り得る。回転ロールから部品の層へのインクの転写における利点の1つは、それが低温プロセスにおける高速製造を可能にすることである。
【0025】
物体400上のインクは、導体を形成するために、不活性雰囲気中又は真空中で硬化され得る。硬化が紫外線または赤外線照射によって行われ得る、及び/又は、乾燥が室温で又は高められた温度、例えば150℃で行われ得る。硬化中、溶媒が気化し、得られた導体は硬い固体となる。
【0026】
導電パターンのインクが硬化したら、この製品は、他の場所に搬送されてもよいし、又は販売されてもよい。しかしながら、導体は、酸化を防ぐために、常に、不活性雰囲気中又は真空中で保存されねばならない。
【0027】
図5Aは、部品502上の導体500の正面図を示している。導体500は、保護外層504により、不活性雰囲気中で保護され得る。任意の適切な材料からなり得る保護外層504は、導電性材料が不活性雰囲気とは異なる媒体と反応するのを防ぎ、それにより、この保護外層504は、部品502が、例えば、標準の空気(normal air)又は反応性雰囲気へと移動されるときに、導体500の導電性を確保し且つ維持する。適切な材料は、例えば実験により見つけられ得る。
【0028】
図5Bは、部品502上の導体500の側面図を示している。この図においても、導体500は、保護外層504により、不活性雰囲気中で保護され得る。更に、導体500との電気的接点を有したワイヤが示されており、このワイヤ506は、保護外層504を通り抜けている。ワイヤ506は、電源(図5Bには図示していない)に接続していてもよい。
【0029】
不活性雰囲気又は真空は、微粉砕から硬化までの前記処理において連続的に必要とされる。不活性ガスは、希ガスなどの単体の不活性ガス又は希ガスの混合物であり得る。非放射性の希ガスは、ヘリウム(He)、ネオン(Ne)、アルゴン(Ar)及び/又はクリプトン(Kr)である。また、不活性ガスは、窒素などの分子ガスでもよいし、適切な分子
ガスの混合物でもよい。また、不活性ガスは、1種以上の希ガスと1種以上の分子ガスとの組み合わせでもよい。
【0030】
図6は、導体を形成するためのインクを製造する方法を再度示している。工程600では、インクを形成するために、酸化していない金属粒子が、不活性雰囲気中でバインダへと混合され、先の金属粒子は、放射性金属を除く、アルカリ土類金属、アルカリ金属及びベリリウムの少なくとも1種を含んでいる。
【0031】
図7は、導体を形成する方法を再度示している。工程700では、図6に記載した方法によって製造されたインクが、導体を形成するために、不活性雰囲気中又は真空中で、先の物体上に硬化される。インク及び導体は、導体が保護外層を手に入れる瞬間まで、酸化から保護される。
【0032】
上では、添付の図面に従った一例を参照しながら本発明を説明してきたが、本発明は、それらに限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲内において幾つかの方法で変更され得ることは明らかである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
導体を形成するためのインクであって、前記インクは金属粒子とバインダとを含んでおり、前記金属粒子(200、300、302)は、放射性金属を除く、アルカリ土類金属、アルカリ金属及びベリリウムの少なくとも1種を含んでおり、前記金属粒子は酸化していないことを特徴とするインク。
【請求項2】
請求項1記載のインクであって、各金属粒子(200、300、302)は、アルカリ土類金属、アルカリ金属の少なくとも1種を少なくとも部分的に含んでいることを特徴とするインク。
【請求項3】
請求項1記載のインクであって、前記金属粒子(300、302)の一部はアルカリ土類金属を含んでおり、前記金属粒子(300、302)の一部はアルカリ金属を含んでいることを特徴とするインク。
【請求項4】
請求項1記載のインクであって、前記インク中のアルカリ土類金属の量は、前記インクからなる前記導体の仕事関数を決定するために使用されることを特徴とするインク。
【請求項5】
請求項1記載のインクであって、前記インク中のアルカリ金属の量は、前記インクからなる前記導体の仕事関数を決定するために使用されることを特徴とするインク。
【請求項6】
請求項1記載のインクであって、前記金属粒子(200、300、302)はマグネシウムを含んでいることを特徴とするインク。
【請求項7】
請求項1記載のインクであって、金属粒子(200、300、302)はカルシウムを含んでいることを特徴とするインク。
【請求項8】
請求項1記載のインクであって、金属粒子(200、300、302)は、マグネシウム及びカルシウムを含んでいることを特徴とするインク。
【請求項9】
請求項1記載のインクであって、金属粒子(200、300、302)は、元素の周期表の第3族乃至第15族の少なくとも1種の金属を更に含んでいることを特徴とするインク。
【請求項10】
請求項9記載のインクであって、元素の周期表の第3族乃至第15族の前記少なくとも1種の金属の量は、前記インクからなる前記導体の仕事関数を調節するために使用されることを特徴とするインク。
【請求項11】
金属粒子とバインダとを含んだインクを使用して形成される導体であって、前記金属粒子(200、300、302)は、放射性金属を除く、アルカリ土類金属、アルカリ金属及びベリリウムの少なくとも1種を含み、前記金属粒子は酸化していないことを特徴とする導体。
【請求項12】
請求項11記載の導体であって、前記導体(500)は、反応性雰囲気中で前記導体(500)の導電性を維持するための保護外層(504)を有していることを特徴とする導体。
【請求項13】
請求項11記載の導体であって、各金属粒子(200、300、302)は、アルカリ土類金属、アルカリ金属の少なくとも1種を少なくとも部分的に含んでいることを特徴とする導体。
【請求項14】
請求項11記載の導体であって、前記金属粒子(200、300、302)の一部はアルカリ土類金属を含んでおり、前記金属粒子の一部はアルカリ金属を含んでいることを特徴とする導体。
【請求項15】
請求項11記載の導体であって、前記導体中のアルカリ土類金属の量は、前記インクからなる前記導体の仕事関数を決定するために使用されていること特徴とする導体。
【請求項16】
請求項11記載の導体であって、前記導体中のアルカリ金属の量は、前記インクからなる前記導体の仕事関数を決定するために使用されていることを特徴とする導体。
【請求項17】
請求項11記載の導体であって、金属粒子(200、300、302)は、マグネシウムを含んでいることを特徴とする導体。
【請求項18】
請求項11記載の導体であって、金属粒子(200、300、302)は、カルシウムを含んでいることを特徴とする導体。
【請求項19】
請求項11記載の導体であって、金属粒子(200、300、302)は、マグネシウム及びカルシウムを含んでいることを特徴とする導体。
【請求項20】
請求項11記載の導体であって、金属粒子(200、300、302)は、元素の周期表の第3族乃至第15族の少なくとも1種の金属を更に含んでいることを特徴とする導体。
【請求項21】
請求項20記載のインクであって、元素の周期表の第3族乃至第15族の前記少なくとも1種の金属の量は、前記インクからなる前記導体の仕事関数を調節するために使用されることを特徴とするインク。
【請求項22】
金属粒子とバインダとを含んだインクを使用して形成される電極であって、前記電極の前記金属粒子(200、300、302)は、放射性金属を除く、アルカリ土類金属、アルカリ金属及びベリリウムの少なくとも1種を含んでおり、前記金属粒子は酸化していないことを特徴とする電極。
【請求項23】
導体を形成するためのインクを製造する方法であって、前記インクは金属粒子を含んでおり、
放射性金属を除く、アルカリ土類金属、アルカリ金属及びベリリウムの少なくとも1種を含んだ、酸化していない金属粒子(200、300、302)を、インクを形成するために、不活性雰囲気中でバインダへと混合させること(600)
を特徴とする方法。
【請求項24】
請求項23記載の方法であって、粉末中の金属粒子(200、300、302)に酸化していない導電性表面を形成するために、粉末の形態にある金属材料を、不活性雰囲気中又は真空中で微粉砕することを特徴とする方法。
【請求項25】
請求項24記載の方法であって、前記微粉砕が、少なくとも1種のプロセス制御剤を用いて行われることを特徴とする方法。
【請求項26】
請求項23記載の方法であって、前記インクからなる前記導体の仕事関数を、前記インク中のアルカリ土類金属の量によって調節することを特徴とする方法。
【請求項27】
請求項23記載の方法であって、前記インクからなる前記導体の仕事関数を、前記インク中のアルカリ金属の量によって調節することを特徴とする方法。
【請求項28】
請求項23記載の方法であって、前記インクからなる前記導体の仕事関数を、元素の周期表の第3族乃至第15族の少なくとも1種の金属と前記金属粒子(200、300、302)とを混合させることによって調節することを特徴とする方法。
【請求項29】
請求項23記載の方法であって、プロセス制御剤は、炭化水素であることを特徴とする方法。
【請求項30】
請求項23記載の方法であって、プロセス制御剤は、ステアリン酸又はオクタン酸であることを特徴とする方法。
【請求項31】
請求項23記載の方法であって、前記バインダは、ポリスチレン又はポリメチルメタクリレートであることを特徴とする方法。
【請求項32】
請求項23記載の方法であって、前記不活性雰囲気は、分子の窒素であることを特徴とする方法。
【請求項33】
請求項23記載の方法であって、前記不活性雰囲気は、希ガスであることを特徴とする方法。
【請求項34】
導体を形成する方法であって、前記方法は金属粒子とバインダとを含んだ導電性インクを使用して導体を印刷することを含んでおり、
前記インクを物体(400、502)に印刷することと、
導体を形成するために、前記物体(400、502)上の前記インクを不活性雰囲気中又は真空中で硬化させること(700)と、
前記インクは、請求項23記載のインクの製造方法によって製造されていることと
を特徴とする方法。
【請求項35】
請求項34記載の方法であって、前記インクからなる前記導体の仕事関数を、アルカリ土類金属の量によって決定することを特徴とする方法。
【請求項36】
請求項34記載の方法であって、前記インクからなる前記導体の仕事関数を、アルカリ金属の量によって決定することを特徴とする方法。
【請求項37】
請求項34記載の方法であって、前記インクからなる前記導体の仕事関数を、前記金属粒子(200、300、302)中における元素の周期表の第3族乃至第15族の少なくとも1種の金属の量によって決定することを特徴とする方法。
【請求項38】
請求項34記載の方法であって、印刷がグラビア印刷によって行われることを特徴とする方法。
【請求項39】
請求項34記載の方法であって、印刷がスクリーン印刷によって行われることを特徴とする方法。
【請求項40】
請求項34記載の方法であって、印刷がフレキソ印刷によって行われることを特徴とする方法。
【請求項41】
請求項34記載の方法であって、前記不活性雰囲気は、分子窒素であることを特徴とする方法。
【請求項42】
請求項34記載の方法であって、前記不活性雰囲気は、希ガスであることを特徴とする方法。
【請求項43】
請求項34記載の方法であって、反応性媒体において前記導体(500)の導電性を維持するために、前記導体(500)を保護外層(504)で保護することを特徴とする方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2010−526165(P2010−526165A)
【公表日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−504777(P2010−504777)
【出願日】平成20年4月29日(2008.4.29)
【国際出願番号】PCT/FI2008/050235
【国際公開番号】WO2008/135632
【国際公開日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【出願人】(501374390)バルティオン テクニリーネン トゥトキムスケスクス (16)
【住所又は居所原語表記】Vuorimiehentie 5, Fin−02150, Espoo, Finland
【Fターム(参考)】