説明

導電性塗料の製造方法

【課題】微小粒径の導電性粉末が良好に分散され、かつ粘度上昇等の物性の経時的変化がなく長期保存後の再分散が容易であって、さらに厚膜印刷ができ、線幅が細く線間隔が狭い導電性の良好な配線パターンを形成可能な導電性塗料、及び該導電性塗料の製造方法を提供する。
【解決手段】導電性粉末aを界面活性剤bの存在下に水溶性溶剤中に分散させ水性分散液を製造し、前記水性分散液を真空凍結乾燥させた導電性粉末aの表面処理を行った後、該表面処理された導電性粉末cを溶剤及び結着剤樹脂と混合し、樹脂/導電性粉末の質量比が0.1以下の導電性塗料を作製する。界面活性剤としてはアルキルアミン系、アルキルアミン塩系、およびリン酸エステル系が好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電子機器などに用いられるプリント配線に利用でき、導電性、印刷精度に優れた導電性塗料の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
導電性塗料は固形分に導電性微粉末を含有するペーストであり、一般に、導電性粉末としては空気中で酸化しない金、白金、銀、パラジウムなどの金属が用いられている。導電性塗料には、従来より、大きく分けて、(1)良好な導電性を実現できるが、基材がセラミック等に限られる高温焼結型導電性塗料と、(2)ガラス、エポキシ製プリント基板からフィルムにまで広く適用できるが、バインダー硬化時の熱収縮による金属粉末の粒子同士の接触により導通を得るために、電気抵抗が比較的高いポリマー型導電性塗料がある。
ポリマー型導電性塗料を用いて、例えばフレキシブルなプリント基板用支持体上に導電回路を形成する場合には、前記ポリマー型導電性塗料をポリエチレンテレフタレート、ポリイミドなどのプラスチックフィルム上にスクリーン印刷等を利用して導電回路パターン形成し、形成されたパターン塗膜中のバインダーを加熱硬化して導電性、耐久性を向上させ、かつフィルム上への接着性を確保している。
【0003】
特に銀または銀化合物を用いたポリマー型導電性塗料は安定した導電性を実現し易く、また熱伝導特性も良好なため電子部品内部または電子部品間の種々の配線、電子回路パターンの形成に用いられている。
導電回路用パターンの印刷工程においては、回路の微細化に伴い印刷密度、印刷精度をできるだけ上げることと端子間の低抵抗化が要求されている。
印刷密度、印刷精度の向上は銀または銀化合物の粉末の平均粒子径によって制限される。このため良好な印刷精度を得るためには1次粒子まで分散させる必要があり、前記銀または銀化合物の粉末の1次粒子を樹脂等により完全に被覆し高分散化させ、導電性塗料を作製することが求められる。
もし前記銀または銀化合物の粉末の1次粒子を高分散化させて、樹脂等の被覆が不十分であると、該導電性塗料は1次粒子の粒径が細かくなるほど活性が増すため、通常は銀表面上の充分な樹脂被覆が行われていないと作製後に速やかに粒子が凝集したり、経時的に粘度が上昇しやすく、極端な場合はゲル化することもあった。
【0004】
一方、低抵抗化については(1)塗膜厚を上げること、または(2)導電性塗料の比抵抗を低減することなどの検討がなされている。特に高い印刷密度を維持しつつ配線に伴う抵抗を低下させるためには、導電性粉末の選定もさることながら配線に使用される細線の塗布膜厚を厚くすることが重要で、できるだけ厚い膜厚を得るために、チキソ性の高い塗料が求められる。
さらに導電性塗料の比抵抗を低減するためには、導電性粉末の樹脂被覆をできるだけ薄くして、導電性粒子間の導通状態を少しでも良好に保つ必要がある。
【0005】
このように微細な配線パターンが精度良く安定して形成されるためには、銀粉末等が一次粒子にまで安定分散され各粒子が樹脂被覆される必要があるが、一方で樹脂被覆が厚すぎると、粒子間に残存した樹脂成分が粒子間の電気伝導を阻害するため良好な伝導度が得られなくなる傾向があり、使用する銀粉末等の粒径が小さくなればなるほどその傾向は顕著となる。更に、樹脂被覆が厚いほど塗料中の樹脂成分の含有量が高くなりチキソ性を高くすることができなくなって、印刷後の印刷塗膜のたれを防止しつつ膜厚を厚くすることができなくなる。
従って、分散に使用される樹脂量は必要最低限が好ましく、より少ない樹脂量で銀粉末等の導電性粉末の分散性や、基体への塗料の付着性、塗料の成膜性が良好となることが好ましい。
【0006】
従来導電性粉末を樹脂中に分散して塗料を作製するにあたり、その分散性を向上させるため、高級脂肪酸のエチレンオキシド、プロピレンオキシド付加エステル化合物、ソルビタンと脂肪酸のエステル化合物、ソルビタン等の多価アルコールのエチレンオキシド、プロピレンオキシド付加エーテル化合物、アルキルベンゼンのエチレンオキシド、プロピレンオキシド付加物等の非イオン性分散剤、アルキルベンゼンスルフォン酸アルカリ塩、高級アルコール硫酸エステルアルカリ塩、リン酸エステル化合物、高級脂肪酸、高級脂肪酸のエチレンオキシド、プロピレンオキシド付加物のサルファートアルカリ塩等のアニオン系分散剤、4級アンモニウム塩タイプのカチオン系分散剤など、様々な分散剤が用いられている。
しかし、これら分散剤を使用しても従来の例えば、分散機や混練機を用いて樹脂中に導電性金属粉を分散させる方法では良好な分散性を維持しつつ、導電性を充分に向上させることができなかった。
【0007】
特に、真比重が10.5である銀粉末等の沈降性を回避して分散させることは困難で、混合する樹脂量はできるだけ多く、溶剤量はできるだけ少ない方が好ましいが、分散を進行させることは容易ではなく、仮に分散が進んでも樹脂量が多いためチキソ性が小さいニュートン流体のような挙動を示す。その結果、印刷後の膜厚を厚くすると印刷塗膜がたれて印刷形状が山状になるため印刷精度が上がらず、また印刷塗膜の比抵抗も低下しないなどの問題があった。
【0008】
このような課題に対して、例えば銀粉末等の導電性粉末と有機ビヒクルとアルキル基を含むスルホコハク酸塩からなるアニオン性界面活性剤を用いることによって、良好な分散性と経時安定性を得る試みが行われている。(特許文献1参照)
しかし、特許文献1に記載された方法を用いただけでは、沈降した銀粉末等の再分散性を向上させるには不充分であった。
また、分散に使用される樹脂量についても必要最低限にまで減少させてはおらず、導電性の点でも不十分であった。
【0009】
一方、金属粉末を用いた分散液の製造においては、真空凍結乾燥法が用いられており、例えば電解コンデンサ用陽極素子を作製するためのタンタル粉塗料の製造において、タンタル粉と分散剤を溶剤中に混合し真空凍結乾燥を行ってタンタル表面に分散剤を吸着させる方法が知られている(特許文献2参照)。
しかし、同じ金属分散液といっても特性も用途も大きく異なる導電性塗料製造に真空凍結乾燥を適用した例は無く、分散性と導電性の関係についても示唆されてはいない。ましてや良好な導電性を発現させるための分散剤の選択についても全く開示されていない。
【0010】
特に、近年、導電性塗料より形成される導体回路の電気抵抗を下げるため、銀粉末の粒子径を非常に微細化したり、粒子状の酸化銀や三級脂肪酸銀を含む粒子状銀化合物を用いたりして、低温焼成を可能とした導電性塗料を用いることが検討されている。この低温焼成型の導電性塗料においては、微粒子化された銀粉末は、300℃以下の加熱によって隣接する粒子同士が融着し、導電回路の電気抵抗を低下させる。また粒子状銀化合物は、300℃以下の加熱、あるいは還元剤の存在下での加熱によって還元されて金属銀となり、隣接する銀粒子同士が融着して導電回路の電気抵抗を低下させる(例えば、特許文献3参照)。
【0011】
従来、ポリマー型導電性塗料はアクリル樹脂やポリエステル樹脂などの熱可塑性樹脂あるいは熱硬化性樹脂からなるバインダ、有機溶剤、硬化剤、触媒などを必要に応じて添加し、球状またはフレーク状銀粒子を分散、混合したものであって、導電性はバインダーが熱硬化する際の硬化収縮による銀粒子同士の接触により得られるものであった。このため、電気抵抗は比較的高いものになり、また、加熱条件等により硬化樹脂の凝集力が変化するため、それに伴って、ポリマー型銀塗料を用いて形成された導体回路などの電気抵抗が変動しやすいという欠点を有するものであった。
【0012】
前記低温焼成型の導電性塗料はこれら欠点を補うものであって、この導電性塗料を用いることにより、PET等のプラスティックフィルム上にも導電性の良好な導体回路を形成することができる。
しかし、低温焼成型の導電性塗料に用いられる微粒子化された銀粉末や、粒子状銀化合物は、還元反応の速度が非常に速く、水あるいは還元性が低い溶媒などの溶液中で保存せねばならず、乾燥粉での扱いが難しい場合がある。特に分散溶媒にアルコール系等を用いると、銀又は銀化合物粉末の分散中に還元が進んでしまい、分散するのでなく逆に銀粒子間の融着が生じることがある。このためこれら銀および銀化合物の粉末を一次粒子にまで分散して各銀粒子表面を被覆、安定化することがより一層求められている。さらに、これら導電性塗料においては、本来の高い電気伝導度を得るためには、塗料中の銀粒子が銀の高い含有量を維持しつつ良好に分散する必要があり、加えて必要最低限の樹脂により前記安定化を行い、銀表面の被覆膜厚を可能な限り薄くして、低温焼成によって隣接する樹脂が融着しやすくする必要がある。
【0013】
上記の如く樹脂を少なくするとチキソ性が増加し、印刷後の厚さを高くすることもでき、比抵抗だけでなく、実質上の電気抵抗も低くできるメリットもある。銀及び銀化合物表面に形成された被膜が厚すぎると隣接する粒子同士が融着し難くなり、チキソ性が低下することにより印刷後の高さが低下し実質上の電気抵抗が高くなる。更に、銀または銀化合物の充填度も低下するため、低温焼成でかつ良好な導電性を有するこれら低温焼成型の導電性塗料の最大の特徴が減殺されてしまう。
このためこれら低温焼成タイプの導電性塗料に対しては、個々の銀粒子の被覆による安定化と、分散性の向上と、低温焼成による導電性の向上とを同時に満たすための分散剤の選定、製造方法がより一層重要であった。
以上のように、従来のポリマー型導電性塗料の特性を充分に引き出すためには、少量の樹脂で分散状態の良好な導電性塗料を実現する分散方法が求められていた。
【特許文献1】特開2000−231828号公報
【特許文献2】特開2004−006502号公報
【特許文献3】特開2003−309337号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明の目的は微小粒径の導電性粉末が良好に分散され、かつ粘度上昇等の物性の経時的変化がなく、さらに長期保存後の再分散が容易であって、かつ厚膜印刷ができ、印刷密度の高い導電性の良好な配線パターンを形成可能な導電性塗料、及び該導電性塗料の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は、導電性粉末を界面活性剤存在下に、水および/または水溶性溶剤からなる溶剤中に分散させ水性分散液を製造する分散工程、前記分散液を真空凍結乾燥させる乾燥工程、及び前記乾燥工程の生成物を溶剤及び結着剤樹脂と混合し、樹脂/導電性粉末の質量比が0.1以下の塗料を作製する塗料化工程を有することを特徴とする導電性塗料の製造方法を提供する。
【発明の効果】
【0016】
本発明の導電性塗料の製造方法では、まず分散工程及び乾燥工程により、導電性粉末は微細粒子となって分散され、導電性粉末の粒子表面にはアルキルアミンおよびアルキルアミン塩あるいはリン酸エステル系などの界面活性剤が吸着されて、該粒子表面は良好に被覆される。
本発明の導電性塗料の製造方法は、導電性粉末を界面活性剤存在下に水溶性溶剤中に分散させ水性分散液を製造する分散工程と、前記分散液を真空凍結乾燥させる乾燥工程を有しているため、前記界面活性剤を導電性粉末表面に効果的に吸着させることができる。
この結果、塗料化工程においては導電性粉末表面が既に界面活性剤で表面処理されているため、分散剤としての樹脂の添加量を、少量に抑えることができ、樹脂/導電性粉末の質量比が0.1以下という少ない樹脂成分で導電性粉末が良好に分散した導電性塗料を製造することができる。
このため導電性粉末の配合量を多く、チキソ性を高くすることができ、塗布膜厚の厚い配線パターンを形成することが可能で、導電回路の抵抗値を下げることができる。
【0017】
さらに導電性粉末の粒子表面を被覆する樹脂被覆が薄いため、焼結温度の低い銀または銀化合物の粉末、例えば超微細な微小粒径の銀粉、結晶性の低い(結晶子径の小さな)銀粉や、酸化銀処理した銀粉を適用した場合には、粒子間の接触抵抗が低く配線パターンを形成する塗膜の比抵抗を低下させることができる。特に本発明の導電性塗料の製造方法により低温焼結型の導電性塗料を製造すると、例えば銀粉末表面の樹脂被覆が薄いので300℃以下の加熱によって隣接する銀粉末の粒子同士が確実に融着するため、導電回路の電気抵抗を低下させることができ、あるいはまた300℃以下の加熱、あるいは還元剤の存在下での加熱によって還元されて金属銀となり、隣接する銀粒子同士が確実に融着するため導電回路の電気抵抗を低下させることができる。このように本発明の導電性塗料の製造方法を用いることにより、焼結温度が低くかつ焼結後に良好な導電性を有する配線パターンを形成することができる。
【0018】
また通常、比重の大きい銀のような金属粉は、通常の処理方法では、沈降し易く、分散機内で濃度分布が発生し易いため、一様な処理を行いにくいが、本発明の導電性塗料の製造方法における分散工程及び乾燥工程においては、界面活性剤を含有する溶剤中で分散後、真空凍結乾燥を行って導電性粉末を処理することにより、より一様な処理条件で導電性粉末の粒子表面を処理することができる。
このような界面活性剤で表面処理された導電性粉末を用いて塗料化を行うと、溶剤もしくは樹脂と溶剤を加えた混合撹拌あるいは混練のみで広範囲の粘度の分散液が作製可能である。
【0019】
一般的に、塗料粘度は使用分散機で規定されてしまうため、分散終了後の塗料粘度をそれぞれの印刷方法に合わせた最適粘度に再調整を行うのが常である。例えばスクリーン印刷法に最適な高粘度に設定するために、分散後の試料の溶剤量を少なくしなければならないこともあった。
しかし、本発明の導電性塗料の製造方法の塗料化工程においては、界面活性剤によって表面処理された導電性粉末と、塗料形成用の溶剤および樹脂とを、混合、撹拌させるだけで導電性塗料を製造することができる。このため配合比の自由度が高く溶剤量による粘度調整だけでなく、樹脂量もチキソ性を得ることを目的に、少なく処方することも可能である。その結果、導体回路の作製に用いる印刷手段に最も適した銀粉含有量と粘度、流動特性を有する導電性塗料を容易に作製することができる。
本発明の導電性塗料の製造方法によって製造された導電性塗料は、塗料化後の放置期間が長くとも容易に撹拌程度の再分散で安定した分散液が得られるため、長期の保存が可能であるが、また分散工程及び乾燥工程で表面処理された導電性粉末(導電性粒子が界面活性剤で被覆された導電性粉末)の状態で保存しておき、必要に応じて必要量のみの導電性塗料を作製することもできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明の導電性塗料の製造方法は、(1)導電性粉末を界面活性剤存在下に水溶性溶剤中に分散させ水性分散液を製造する分散工程、(2)前記分散液を真空凍結乾燥させる乾燥工程、及び(3)前記乾燥工程の生成物を溶剤及び結着剤樹脂と混合し、樹脂/導電性塗料の質量比が0.1以下の塗料を作製する塗料化工程を有する。以下、本発明の導電性塗料の製造方法を各製造工程の順にさらに詳細に説明する。
【0021】
(1)分散工程
本発明の分散工程においては導電性粉末を界面活性剤存在下において溶剤中に分散させる。
【0022】
本発明で使用する導電性粉末は、一般的な導体として扱われる金属の粉末は全て利用することができる。例えばニッケル、銅、金、銀、アルミニウム、クロム、プラチナ、パラジウム、タングステン、モリブデン等、及びこれら2種以上の合金、あるいはこれら金属の化合物で良好な導電性を有するもの等が挙げられる。
特に銀または銀化合物よりなる銀粉末は安定した導電性を実現し易く、また熱伝導特性も良好なため好ましい。
【0023】
本発明で使用する銀粉末としては、純銀粉、銀で表面被覆された金属粒子、またはこれらの混合物を用いることができる。銀粉としては、球状、鱗片状、針状、樹枝状など任意の形状のものを用いることができる。銀粉の製造方法も特に制限されず、機械的粉砕法、還元法、電解法、気相法など任意である。銀で表面被覆された金属粒子は、銀以外の金属からなる粒子の表面に、メッキなどの方法により銀の被覆層を形成したものである。銀粒子としては、導電性とコスト面から見て、銀のみからなる球状銀粉及び鱗片状銀粉が好ましい。
銀粒子等の導電性粉末の体積平均粒径は、好ましくは0.05〜10μm、より好ましくは0.05〜5μm程度である。銀粒子として、体積平均粒径が異なる大小2種類またはそれ以上の粒子を組み合わせて、銀の充填密度を向上させることにより、導電性膜の導電性を向上させてもよい。
【0024】
銀化合物の粉末としては、酸化銀や、脂肪族カルボン酸銀、脂環式カルボン酸銀、芳香族カルボン酸銀等の含銀有機化合物等の粉末を使用することができる。これらの銀化合物粉末(粒子状銀化合物)は、工業生産されたものを用いることができるほか、銀化合物を含む水溶液からの反応によって得られたものを用いてもよい。特に、平均粒径が0.5μm以下の銀化合物粉末を用いると還元反応の速度が速くなり好ましい。平均粒径が0.5μm以下の銀化合物粉末を製造するには、銀化合物と他の化合物との反応によって生成したもの、例えば硝酸銀水溶液に水酸化ナトリウムなどのアルカリ水溶液を撹拌下に滴下し、反応させて酸化銀粉末を得る方法によって製造することができる。
【0025】
本発明の導電性塗料の製造方法において、導電性粉末として銀または銀化合物の粉末を用いるときは、ポリマー型導電性塗料を作製したときに、樹脂の分解温度を考慮しても、それらを加熱によって融着する焼成温度を300℃以下にし得るものを用いることが好ましい。焼成温度がこのように低い銀または銀化合物の粉末が使用された導電性塗料は、例えばポリイミドフィルムやPETフィルム上に形成された配線パターンをそのまま焼結することが可能となる。一般に導電性塗料の導電性金属粉末が微細に分散されていればされているほど、粉末の熱容量が低下して、粉末固有の焼成温度に近くなる。さらに、粉末が微細に分散されるに従って最密充填の形態を取りやすく高分散であるほど焼結後の導電性が良好となる。しかも、本発明の製造方法で製造された導電性塗料は、樹脂の配合量を低減でき、銀粉の被覆膜の膜厚が薄いため、焼成後に隣接する粒子同士が容易に融合しやすい。このため本発明の導電性塗料として焼成温度が300度以下の低温焼成タイプの銀または銀化合物を用いると、その本来の低温焼結性を充分に発揮させることができ、また焼結後に導電性の良好な配線パターンを得ることができる。
【0026】
これら焼成温度の低い銀粉末等として、体積平均粒径が0.05〜10μmの銀粉末を用いることができる。銀粉末の体積平均粒径は0.05〜5μmのものを使用することが一層好ましい。本発明では、液相中で銀粉を製造した場合に、これら活性の高い銀粉を効果的にしかも、それら銀粉末等が製造されたときの液相のままで界面活性剤の存在下で表面処理することができるため、これら銀粉末の本来の特性を充分に発揮させることができる。微粒子銀粉末の製造方法としては例えば、ガス中蒸発法(特開平3−34211号公報)や、還元にアミン化合物を用いる還元析出法(特開平11−319538号公報)が挙げられる。
【0027】
さらにまた焼結温度の低い銀粉末としては、結晶化度の低い銀粉末を用いることができる。銀粉末の結晶化度が低いと通常結晶子径は小さくなるため、結晶子径を小さくすることで、銀粒子間の融着温度を著しく低下させることができる。導電性塗料の焼成可能温度を300℃以下に低下させるには、結晶子径は20nm以下とすることが好ましく、10nm以下とすることが一層好ましい。
【0028】
また、焼結温度の低い銀または銀化合物の粉末として、銀粉末の粒子の一部が酸化銀処理された銀粉を用いることができる。
銀粒子表面の酸化処理により、粒子表面の銀は酸化第1銀、酸化第2銀、などに酸化される。粒子表面が酸化銀で被覆された銀において、酸化第1銀、酸化第2銀、などの酸化銀は混合していてもよい。これら粒子表面が酸化銀で被覆された銀粉末は、還元剤不存在下または還元剤存在下の還元反応で表層の酸化銀が銀となり、低温度で隣接する粒子同士が融着する。表面が酸化銀処理された銀粉末は、還元反応条件;加熱温度、還元剤の有無、還元剤の還元力などに応じて組成、形状の異なったものを適宜選択することができる。酸化銀処理された銀粉末の体積平均粒径は、好ましくは0.05〜10μm、より好ましくは0.05〜5μm程度である。特に、平均粒径が0.5μm以下の粉末を用いると還元反応の速度が速くなり好ましい。酸化銀で表面処理された銀粉の銀含有率は60%以上が好ましく、70%以上がさらに好ましく、80%以上が特に好ましい。
【0029】
本発明の導電性塗料の製造方法における導電性粉末として、これらの酸化銀処理された銀粉末を用いることによって、乾燥時には非常に還元しやすい性質を持つこれら粒子を導電性塗料中でも微細な粒子にまで安定に分散できる。このため、還元時における粒子同士の融着で不要な凝集体が発生することを防止でき、精細印刷上の問題が発生することがない。
【0030】
本発明の導電性塗料の製造方法で使用する界面活性剤としては、通常使用される多くの種類の界面活性剤の中から選択して用いることができ、陰イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、両性界面活性剤を例示することが出来る。陰イオン性界面活性剤としては、例えば、アルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルフォン酸塩、アルキルナフタレンスルフォン酸塩、脂肪酸塩、ナフタレンスルフォン酸ホルマリン縮合物の塩、ポリカルボン酸型高分子界面活性剤、アルケニルコハク酸塩、アルカンスルフォン酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルのリン酸エステルおよびその塩、ポリオキシアルキレンアルキルアリールエーテルのリン酸エステルおよびその塩、等が挙げられる。
非イオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン誘導体、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ひまし油、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシアルキレンアルキルアミン、アルキルアルカノールアミド、等が挙げられる。
陽イオン性界面活性剤としては、アルキルアミン塩、第4級アンモニウム塩、等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、アルキルベタイン、アルキルアミンオキサイド、等が挙げられる。
【0031】
これらの界面活性剤の中で、本発明の導電性塗料の製造方法に特に好適に用いることができるものとして、アルキルアミン系、アルキルアミン塩系、及びリン酸エステル系の界面活性剤が挙げられる。
【0032】
(アルキルアミンおよびアルキルアミン塩の界面活性剤)
本発明で使用される界面活性剤としては、アルキルアミンおよびアルキルアミン塩を好適に用いることができる。特に導電性粉末に銀粉を用いるとき一層効果的である。アルキルアミン系の非イオン性界面活性剤、およびアルキルアミン塩系の陽イオン性界面活性剤はそれぞれ単独で使用しても有効であるが、特に併用することによって分散性がより良好となり効果が顕著である。
アルキルアミン系の界面活性剤としてはポリオキシアルキレンアルキルアミン型の界面活性剤が好ましく、ポリオキシエチレンアルキルアミン型の界面活性剤がさらに好ましい。中でも以下の化学構造(1)を有するものがさらに好ましい。
【0033】
【化1】

【0034】
ただし式(1)において、a,bはそれぞれ1〜20の整数であり、Rは炭素数8〜20のアルキル基またはアルキルアリール基を表す。
【0035】
一方アルキルアミン塩系の界面活性剤としては、アルキルアミンの酢酸塩が好ましく、中でも以下の化学構造(2)を有するものがさらに好ましい。
【0036】
【化2】

【0037】
ただし式(2)において、Rは炭素数8〜20のアルキル基またはアルキルアリール基を表す。
【0038】
式(1)及び式(2)において、炭素数8〜20のアルキル基としては、直鎖アルキル基でも分枝アルキル基でもよく、例えばオクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、ラウリル基、テトラデシル基、ミリスチル基、ヘキサデシル基、セチル基、オクタデシル基、ステアリル基、エイコシル基などが挙げられる。炭素数8〜20のアルキルアリール基としては、例えばオクチルフェニル基、ノニルフェニル基、ドデシルフェニル基などのアルキルフェニル基が挙げられる。アルキルアリール基のアルキル部分は、直鎖アルキル基でも分枝アルキル基でもよい。
【0039】
アルキルアミン系界面活性剤およびアルキルアミン塩系である陽イオン性界面活性剤を単独、または混合して使用するときの、導電性粉末に対する界面活性剤の全配合量は導電性粉末の種類により適宜調整する必要がある。例えば銀粉に対する配合量は、銀粉の種類により若干調整の必要があるが、銀粉100質量部に対して0.01〜3.00質量部が好ましく、0.05〜1.50質量部が更に好ましい。界面活性剤の全配合量が0.01質量部未満では、充分な分散性が得にくくなる傾向がある。一方3.00質量部を越えると銀表面が厚く界面活性剤の有機成分に被覆され、乾燥後の銀粒子同士の接触が得にくくなり、導電性が低下する傾向がある。
アルキルアミン系の界面活性剤とアルキルアミン塩系である陽イオン性界面活性剤とを併用する場合は、アルキルアミン系とアルキルアミン塩系との混合比率は1:20〜1:5の範囲が好ましい。
【0040】
(リン酸エステル系の界面活性剤)
本発明で使用される界面活性剤として、リン酸エステル系の界面活性剤もまた好適に使用できる。特に導電性粉末に銀粉末を用いるときはより効果的である。
【0041】
本発明において使用されるリン酸エステル系界面活性剤は、リン酸モノエステルあるいはリン酸ジエステル等を主成分とする界面活性剤である。主成分としてのリン酸エステル系界面活性剤はポリオキシアルキレンアルキルエーテルのリン酸エステルであることが好ましく、以下の一般式(3)で表される化学構造を有することがさらに好ましい。
【0042】
【化3】

【0043】
ただし式(3)において、Rは炭素数1〜20のアルキル基またはアルキルアリール基を表し、nは1〜20の整数、xは1または2である。
【0044】
式(3)において、炭素数1〜20のアルキル基としては、直鎖アルキル基でも分枝アルキル基でもよく、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、ラウリル基、テトラデシル基、ミリスチル基、ヘキサデシル基、セチル基、オクタデシル基、ステアリル基、エイコシル基などが挙げられる。炭素数20以下のアルキルアリール基としては、例えばオクチルフェニル基、ノニルフェニル基、ドデシルフェニル基などのアルキルフェニル基が挙げられる。アルキルアリール基のアルキル部分は、直鎖アルキル基でも分枝アルキル基でもよい。
【0045】
なお、式(3)において、Rの炭素数は1〜10、nは1〜10、ならびに、Rの炭素数とnの和が7〜15であることが好ましい。リン酸エステル系界面活性剤の重量平均分子量は、100〜1万であることが好ましく、150〜5000であることが更に好ましい。本発明において使用されるリン酸エステル系界面活性剤のリン含有率(Pの含有量)は0.5%〜10%が好ましく、2%〜6%が特に好ましい。
さらに本発明の製造方法に用いるリン酸エステル系界面活性剤としては、HLBが10以上のものを用いるか、または塩基性化合物を添加して酸価を中和して用いることが好ましい。
【0046】
リン酸エステル系界面活性剤の種類と配合量は、導電性粉末の種類により適宜選択することができる。リン酸エステル系界面活性剤の例えば銀粉に対する配合量は、銀粉100質量部に対して0.01〜3.00質量部が好ましく、0.05〜0.50質量部が更に好ましい。界面活性剤が0.01質量部未満では、充分な分散性が得にくくなる傾向がある。一方3.00質量部を越えると銀表面が厚く界面活性剤の有機成分に被覆され、乾燥後の銀粒子同士の接触が得にくくなり、導電性が低下する傾向がある。
【0047】
(分散用の溶剤)
本発明の導電性塗料の製造方法中、分散工程においては、銀または銀化合物等の導電性粉末と界面活性剤との混合物とを溶剤中に添加し、攪拌機または分散機にかけて、導電性粉末の微細粉への解砕と界面活性剤との混合を行う。
このように、例えば銀粉と、溶剤と、界面活性剤とを所望の割合で混合して、分散手段により分散させた銀粉の分散液を得ることができるが、次工程で凍結乾燥を行う場合の銀粉の分散液中の固形分濃度の範囲は、0.5〜80%が好ましく、特に、1〜50%が好ましい。
【0048】
ここで導電性粉末の分散に用いる溶剤としては、水、水溶性溶剤、または水と水溶性溶剤との混合物(水溶液)が用いられる。水溶性溶剤としては、例えばエタノール、イソプロピルアルコールなどの低級アルコール;エチレングリコールヘキシルエーテル、ジエチレングリコールブチルエーテルなどのアルキルアルコールのエチレンオキシド付加物やプロピレングリコールプロピルエーテルなどのアルキルアルコールのプロピレンオキシド付加物などが挙げられる。
これら溶剤はここに挙げたものに限定されるものではなく、その使用に際しては単独、或いは2種類以上混合して用いることができる。
使用可能な攪拌機または分散機としては、後述の公知の攪拌機または分散機の中から適宜選択して使用することができる。
【0049】
本発明に使用する導電性粉末に対する界面活性剤による分散処理は、前記溶剤に界面活性剤を配合して十分溶解させた後に、導電性粉末を配合することが好ましい。必要に応じて、界面活性剤の中和(例えばリン酸エステル系界面活性剤の場合は、アルカリ等によるリン酸エステル塩の生成)により溶剤への界面活性剤の溶解度を上げることができる。
配合後0.5〜4.0時間分散すると、銀粉等の導電性粉末が1次粒子へと解砕し、界面活性剤と導電性粉末とが吸着平衡に達する。
【0050】
本発明において、リン酸エステル系界面活性剤を用いる場合は、分散液を酸性条件(例えばpH1〜3)とすることが好ましく、アルキルアミンまたはアルキルアミン塩系の界面活性剤を用いる場合は、分散液をアルカリ性条件(例えばpH12〜14)とすることが好ましい。これにより、界面活性剤を介して、導電性粉末の粒子表面に界面電気2重層が生じ、分散安定性が得られる。また、リン酸エステル系と、アルキルアミンまたはアルキルアミン塩系とでは、親水基部分がイオン化したときの電荷が反対であるので、銀粉末または銀化合物粉末の表面電荷の符号に応じて、粒子間に斥力が働くように、界面活性剤をいずれか選択して用いることが好ましい。
【0051】
例えば、表面が酸化銀処理された銀粉の場合は、アルキルアミンまたはアルキルアミン塩系の界面活性剤が好ましく、この組み合わせによる導電性塗料には、チキソ性に優れ、盛り量が大きいという特長がある。また、純銀粉(表面が酸化銀処理されていない銀粉)の場合は、リン酸エステル系の界面活性剤が好ましく、この組み合わせによる導電性塗料には、結着剤樹脂中の分散性に優れるという特長がある。
【0052】
前記溶媒中で、例えば銀または銀化合物の粉末と例えばポリオキシアルキルアミン型界面活性剤およびアルキルアミンの酢酸塩である陽イオン性界面活性剤とを充分に攪拌混合してのち、次工程で該混合物から真空凍結乾燥法により溶媒の除去を行う。
本発明の導電性塗料の製造方法においては、乾燥法として真空凍結乾燥を使用するため上記溶剤のなかから凍結し易い溶剤を選択して使用することが好ましく、その凝固点が−40℃以上であることが好ましい。
【0053】
(2)乾燥工程
本発明の導電性塗料の製造方法において使用する真空凍結乾燥法においては、基本的に低温状態で凍結した分散液から、水系溶剤のみが昇華除去される。水系溶剤に溶出して失われる界面活性剤がないため、添加した界面活性剤のほとんど全てが処理後の導電性粉末中に残留する。図1に示すように、分散液中で界面活性剤bは導電性粉末の粒子aの表面付近に局在しており、水系溶剤のみが除去される真空凍結乾燥の実施時に、該界面活性剤bが導電性粉末の粒子aの表面に一様に吸着した状態で取り出せる可能性が高く、しかも、真空凍結乾燥以外の通常の方法にて水系溶剤を除去する時のように導電性粉末の粒子aや表面処理された導電性粉末の粒子c同士が凝集することがなく、極めて効率的な処理方法といえる。このように使用した界面活性剤b全てが導電性粉末の粒子aの表面に残留して、表面処理された導電性粉末cを収率良く与えるため、界面活性剤の効果と使用量の関係を把握し易く、使用量に対する最適化が行いやすい。
界面活性剤bの分子は、親水基側の末端で導電性粉末の粒子aの表面に吸着するため、疎水基側の末端が粒子の外側を向く。これにより、結着性樹脂との親和性が向上し、表面処理された導電性粉末cの分散性が改善される。また、粒子同士の凝集が抑制され、1次粒子に分散された状態を持続することができる。
【0054】
凍結真空乾燥は、例えば、銀粉、水、及び界面活性剤を含む銀粉の分散液の場合は、大気圧で0℃以下に予備凍結し、理論上は0℃における水の蒸気圧4.5mmHg (=600Pa)を越えないよう真空度をコントロールすれば良い。乾燥速度、コントロールのやり易さを加味すれば1mmHg (=133.32Pa)以下にして、その蒸気圧での融点(凝固点)まで、温度を上げることが好ましい。
このように真空凍結乾燥による乾燥方法では真空中で昇華蒸発させ、乾燥するため、乾燥による収縮がわずかであり、組織や構造が破壊しにくい。また、熱風乾燥のように高温で試料内での例えば水などの液体成分の移動による乾燥ではなく、固体の凍った状態で低温乾燥するため、液体成分の移動を伴う乾燥のような部分的成分濃縮、部分的成分変化、変形がほとんど無く好ましい。
【0055】
(3)塗料化工程
前記分散工程と乾燥工程によって界面活性剤が表面に吸着した銀または銀化合物等の導電性粉末を用いて導電性塗料を製造するためには、前記表面処理済みの導電性粉末と、溶剤もしくは結着剤樹脂と溶剤とを混合して、適当な分散機を用いて銀または銀化合物の粉末を分散させる。
【0056】
本発明の導電性塗料の製造方法の塗料化工程において使用する溶剤は、メタノール、エタノール、n−プロパノール、ベンジルアルコール、テルピネオール(Terpineol)等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン、アセチルアセトン等のケトン類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類;テトラヒドロフラン、ジオキサン、メチルセロソルブ、ジグライム、ブチルカルビトール等のエーテル類;酢酸メチル、酢酸エチル、炭酸ジエチル、TXIB(1−イソプロピル−2,2−ジメチルトリメチレンジイソブチレート)、酢酸カルビトール、酢酸ブチルカルビトール等のエステル類;ジメチルスルホキシド、スルホラン等のスルホキシド及びスルホン類;塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、1,1,2−トリクロロエタン等の脂肪族ハロゲン化炭化水素;ベンゼン、トルエン、o−キシレン、p−キシレン、m−キシレン、モノクロロベンゼン、ジクロロベンゼン等の芳香族類等が挙げられる。これらの溶剤はここに挙げたものに限定されるものではなく、その使用に際しては単独、或いは2種類以上混合して用いることができる。
【0057】
前記分散工程と乾燥工程で界面活性剤により表面処理された銀または銀化合物等の導電性粉末は、前記溶剤に加えてさらに結着剤樹脂を添加して銀または銀化合物等の導電性粉末の分散安定性を向上させ、また基体への接着性を向上させて導電性塗料として使用する。
【0058】
本発明の導電性塗料の製造方法に使用しうる結着剤樹脂としては、アクリル樹脂、ブチラール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、アセタール樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、酢酸ビニルエマルジョン、ポリウレタン樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、ニトロセルロース樹脂、天然樹脂を単独、あるいは2種以上混合して利用することができる。このとき樹脂/導電性粉末の質量比は0.1以下とする。本発明の導電性塗料の製造方法における塗料化工程の段階では、導電性粉末が予め界面活性剤で良好に表面処理されているため、少ない樹脂量で導電性粉末を分散させることができる。
結着剤樹脂がアクリル樹脂である場合は、前記界面活性剤はアクリレート及び又はアクリル酸の重合体であることが好ましい。2−エチルへキシルアクリレートを含有するアクリレートの重合体が最も好ましい。
【0059】
前記結着剤樹脂の使用量は、銀粉等の導電性粉末100質量部あたり0.01〜10質量部の範囲が好ましい。
また、溶剤の使用量は塗布方法、印刷方法により異なり、適宜使用量を選択すればよい。
【0060】
前記分散工程および乾燥工程によって界面活性剤で表面処理された導電性粉末(例えば銀粉末)を原料とすれば、使用する際に、溶剤もしくは溶剤と結着剤樹脂とを用いて攪拌等の簡単な分散処理をするだけで、導電性塗料(例えば銀塗料)が得られる。
すなわち、印刷直前に添加溶剤、もしくは添加溶剤と添加結着剤との簡単な撹拌操作を行うことで、良好な銀塗料等の導電性塗料(導電性ペースト)が得られるため、印刷装置に付随する塗料調整用設備は簡単なもので良い。
また、分散をより確実に行うために以下の分散機を用いて分散処理を行っても良い。
【0061】
使用しうる分散手段としては、例えば、二本ロール、三本ロール、ボールミル、サンドミル、ペブルミル、トロンミル、サンドグラインダー、セグバリアトライター、高速インペラー分散機、高速ストーンミル、高速度衝撃ミル、ニーダー、ホモジナイザー、超音波分散機等により、混練、分散することができる。
【0062】
分散が完了した分散液(本発明によって製造された導電性塗料)は、塗料として一般的には公知慣用の塗布方法、または印刷法によって絶縁フィルム上または絶縁基板上に印刷し、これを加熱して導体回路を形成することができる。
塗布方法としては、種々の塗布方法により塗布物として形成することができる。例えば、公知のロール塗布方法等、具体的には、エアードクターコート、ブレードコート、ロッドコート、押し出しコート、エアーナイフコート、スクイズコート、含侵コート、リバースロールコート、トランスファーロールコート、グラビアコート、キスコート、キャストコート、スプレイコート等により基体上に塗布物を形成することができる。
また、各種印刷方法を適用することも可能である。印刷法にはまた、凹版印刷のように最適粘度領域が比較的低粘度領域にあるものと、スクリーン印刷のように高粘度領域にあるものとが存在する。具体的には、孔版印刷方法、凹版印刷方法、平版印刷方法などを用いて基体上に所定の大きさに塗布物を印刷することができる。
【0063】
塗布もしくは印刷時の基体の材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)、ポリイミドフィルム(PIフィルム)、あるいはグリーンシート(無機質基板)を基体として、このフィルム上に銀塗料等の導電性塗料を所定のパターンに印刷し、印刷物の乾燥後、加熱硬化処理しても良い。
また、印刷物の厚さは、印刷法によって異なるが、印刷物の湿時厚さが1〜20μmの範囲が好ましく、特に1〜10μmの厚さが好ましい。印刷物の乾燥後、単位体積当たりの電気抵抗(体積抵抗率)を上げるために、基材の著しい変形を生じない程度に、プレスあるいはカレンダー処理をしてもよい。
【0064】
このようにして得られた塗布物を、例えば、約160℃で約5分乾燥し、次いで150℃〜250℃の範囲の熱処理工程によって結着剤樹脂の硬化を行う。これにより、各種電子回路基板が得られる。
特に酸化銀の微粒子粉末または表面が酸化銀処理された銀粉を導電性粉末として用いた場合には、前記熱処理によって硬化と伴に酸化銀から銀へと還元させ、還元反応に伴って放出された酸素により周囲の界面活性剤や樹脂を酸化させ、発熱を得ることができる。この結果、酸化銀が還元された銀粉末の粒子同士を、純銀粉を用いた場合に比べて、より低温(例えば200℃以下)の熱処理で融着させることができる。したがって、酸化銀を含む導電性粒子を用いた導電性塗料は、塗布もしくは印刷時の基体の材料の耐熱性に対する要求を低くすることができるので、PETやPI、その他のプラスチックなどからなる基体に対して特に好適である。
【0065】
図2に、低温焼結する銀粉(結晶子径の小さな銀粉)を用いて作製した界面活性剤による表面処理(凍結乾燥処理)後の銀粉末と、酸化銀処理した低温焼結する銀粉(酸化銀処理された結晶子径の小さな銀粉)を用いて作製した界面活性剤による表面処理(凍結乾燥処理)後の銀粉末の示差熱分析(DSC分析)の結果を示す。
結晶子径の小さい銀粉を用いて作製した、界面活性剤存在下の凍結乾燥処理による表面処理後の銀粉末のDSC分析の結果(図2に破線で示す。)では、銀粉の溶融を示す吸熱ピークが215℃に現れた。これは、銀粉の結晶子径が小さいため、従来よりも低い温度で溶融することを表す。
また、酸化銀処理した銀粉を用いて作製した、界面活性剤存在下の凍結乾燥処理による表面処理後の銀粉末のDSC分析の結果(図2に実線で示す。)では、銀粉の溶融を示す吸熱ピークが215℃に現れるとともに、134℃に発熱ピークが現れた。この発熱ピークは、該銀粉末の酸化銀が分解して酸素が放出され、表面の界面活性剤のカーボン成分を酸化して発熱反応が起こったためと考えられる。
以上の結果から明らかなように、界面活性剤存在下の凍結乾燥処理による表面処理後の銀粉末によれば、従来よりも低い温度で焼結、焼成が可能な銀塗料を製造することができる。
【実施例】
【0066】
以下、実施例として、導電性粉末が銀粉である場合を用いて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれら実施例の範囲に限定されるものではない。物性等の測定方法は、以下の通りである。
(1)膜厚:膜厚は、膜厚計K402B(アンリツ製)を用いて測定した。
(2)体積抵抗率:体積抵抗率は、四端子測定法の低抵抗率計ロレスターEP(三菱化学(株)製)にて測定した。試験片の導電性膜の膜厚から体積抵抗率を求めた。なお、体積抵抗率は、例えば、8.8×10−6Ω・cmを「8.8E−06Ω・cm」と記載する方法により示した。
【0067】
(実施例1)
中心粒径0.3μmの三井金属(株)製の10%酸化銀処理した銀粉FHD(結晶子径<10nm)50g、アルキルアミン塩の陽イオン性界面活性剤としてココナットアミンアセテートの10質量%水溶液を5g、アルキルアミンの界面活性剤としてポリオキシエチレンココナットアルキルアミンエーテルの10質量%水溶液を0.5g、溶媒である水50g、及び2mm径のジルコニアビーズ400gを250ccのポリ瓶に入れて混合し、回転機(ボールミル)を用いて4時間練肉して、銀粉の分散液(a1)を得た。
【0068】
この銀粉の分散液(a1)を底面の寸法200mmL×150mmWの平型トレイに100g移し、予備凍結乾燥した後、凍結真空乾燥を行った。凍結真空乾燥機は日本真空(株)製の「DFM−05AS」を用いた。予備凍結した銀粉の分散液(a1)を、あらかじめ約−40℃に冷却した棚にのせて、真空度7〜10Paで20時間の凍結真空乾燥後、嵩高のスポンジ状乾燥物として銀粉の表面処理物(b1)50gを得た。このときの銀粒子の粒度分布を図3に示した。
【0069】
次に、銀粉の表面処理物(b1)50g、バインダー樹脂(ポリオール成分として「バーノックDE−140−70」(大日本インキ化学工業(株)製)および「バーノックDB980」(大日本インキ化学工業(株)製)、イソシアヌレートプレポリマー成分として「バーノックDB980K」(大日本インキ化学工業(株)製)の混合物の溶剤成分を酢酸カルビトールに置換したもの)4.17g(固形分=2.5g)、および酢酸カルビトール4.2gを250ccのポリ瓶に入れて混合し、振とう機(ペイントコンディショナー)を用いて0.5時間混合攪拌して、銀塗料B−1を得た。
この銀塗料B−1を用いたスクリーン印刷により、PIフィルム上に50mm×80mmの長方形の印刷塗膜およびLine/Space=40μm/40μmの印刷パターンを形成し、スクリーン印刷塗膜を得た。長方形の印刷塗膜の平均厚さは12μmであった。一方、印刷パターンでの厚さの分布をレーザー顕微鏡(VK−9500キーエンス社製)で測定した。そのプロフィールを図4に示す。ここで、スクリーン版の仕様は640メッシュ、線径15μm、カレンダー厚22μm、乳剤厚10μmである。印刷パターンのピーク高さの平均値は11.9μmであった。
【0070】
長方形の印刷塗膜を150℃で5分間乾燥した。乾燥後、160℃および250℃のオーブン中に60分入れた後の体積抵抗率を測定したところ、それぞれ3.7E−05Ω・cmおよび7.5E−06Ω・cmを示した。オーブン内で乾燥塗膜の体積抵抗率は時間とともに低下する。オーブン温度が160℃および250℃のときの体積抵抗率の減少を図7に示した。
【0071】
(実施例2)
導電性粉末として、実施例1での酸化銀処理銀粉FHDに換えて、三井金属(株)製の酸化銀処理していない銀粉FHDを用い、界面活性剤として、リン含有率が4.4%のポリオキシアルキレンアルキルエーテル・リン酸エステルであり、重量平均分子量で1750、HLBが12であるリン酸エステル系界面活性剤の10質量%水溶液を5gを用いた以外は、実施例1と同様の方法にて、銀粉の分散液(a2)を得て、次いで銀粉の表面処理物(b2)を50gを得た。このときの銀粒子の平均粒径は0.5μmであり、ほぼ実施例1と同様な粒径分布を示した。
【0072】
次に、前記銀粉の表面処理物(b2)から、実施例1と同様の方法で、銀塗料B−2を58.3g得た。印刷パターンを形成したマスクフィルムと銀塗料B−2を用いたスクリーン印刷により、実施例1と同様に長方形の印刷塗膜と印刷パターンを得た。印刷パターンのプロフィールを図5に示す。印刷パターンのピーク高さの平均値は、9.2μmであった。乾燥後、160℃のオーブン中に60分入れた後の体積抵抗率を測定したら、4.5E−05Ω・cmを示した。
【0073】
(実施例3)
導電性粉末として、実施例2での銀粉FHDに換えて、福田金属箔粉(株)製銀粉AgC−Gを用いた以外は、実施例2と同様の方法にて、銀粉の分散液(a3)を得て、次いで銀粉の表面処理物(b3)を50gを得た。このときの銀粒子の体積平均粒径は0.2μmであり、分布幅の狭い粒度分布を示した。
次に、前記銀粉の表面処理物(b3)から、実施例1と同様の方法で、銀塗料B−3を58.3g得た。該銀塗料B−3は経時的な粘度上昇や凝集を起こすことなく安定であった。実施例1と同様に印刷パターンを形成したマスクフィルムを用いて、銀塗料B−3をスクリーン印刷して、印刷塗膜を得た。さらに銀塗料B−3を用いて実施例1と同様の方法により、50μmの膜厚のベタ印刷を行い、乾燥後、160℃及び250℃のオーブン中に60分入れた後の体積抵抗を測定したところ、それぞれ4.5E−05Ω・cm、2.5E−05Ω・cmを示した。
【0074】
(比較例1)
導電性粉末として、三井金属(株)製の酸化銀処理していない銀粉FHD50gと、界面活性剤として、水溶液にしていないポリオキシアルキレンアルキルエーテル・リン酸エステルを0.5gと、バインダー樹脂(ポリオール成分として「バーノックDE−140−70」(大日本インキ化学工業(株)製)および「バーノックDB980」(大日本インキ化学工業(株)製)、イソシアヌレートプレポリマー成分として「バーノックDB980K」(大日本インキ化学工業(株)製)の混合物の溶剤成分を酢酸カルビトールに置換したもの)4.17g(固形分=2.5g)と、酢酸カルビトール4.2gとを、250ccのポリ瓶に入れて混合し、振とう機(ペイントコンディショナー)を用いて0.5時間混合攪拌した後、3本ロールにて分散を試みたが、良好な分散を行うことができず、銀塗料を得ることができなかった。
【0075】
(比較例2)
バインダー樹脂(ポリオール成分とイソシアヌレートプレポリマー成分の混合物の溶剤成分を酢酸カルビトールに置換したもの)の仕込量を10.0g(固形分=6.0g)にする以外は比較例1と同様の方法にて3本ロールの分散を試み、銀塗料B−4を得た。
次に、印刷パターンを形成したマスクフィルムと銀塗料B−4を用いたスクリーン印刷により、実施例1と同様の方法で印刷塗膜と印刷パターンを得た。印刷パターンのプロフィールを図6に示す。印刷パターンのピーク高さの平均値は8.4μmであった。乾燥後、160℃のオーブン中に60分入れた後の体積抵抗率を測定したところ、2.5E−03Ω・cmを示した。
【0076】
図4からわかるように、凍結乾燥を利用して、各銀粉末または銀化合物粉末表面に、アルキルアミンおよびアルキルアミン塩あるいはリン酸エステル系などの界面活性剤を吸着させて、導電性粉末の表面処理をしたのち導電性塗料を作製すると、40μmの細線を印刷するためのマスクに目詰まりを起こすことのない、膜厚が非常に高い良好な分散性を有する導電性塗料が作製された。さらにこれら導電性塗料における導電性粉末として、表面が酸化銀処理された銀粉末を用いた場合、または、粒径の細かい銀粉末を用いた場合には、低温焼成による配線パターン形成によって、良好な導電性を実現できることがわかる。
これに対して凍結乾燥を利用せずに同様の配合で導電性塗料を作製することを試みた比較例1では、良好な分散をした銀塗料が得られず、また樹脂の配合量を増加した比較例2では銀塗料は得られたが、樹脂成分が増えたため良好な導電性とスクリーン印刷時の高い膜厚は得られなかった。
【0077】
(塗膜中の銀含有率と、体積抵抗率との関係)
実施例1及び実施例3で作製した導電性塗料(銀ペースト)において、銀粉の表面処理物とバインダー樹脂との比率を変えることにより、種々の銀含有率を有する銀塗料を調製した。さらにこれらの銀塗料を使用して、印刷パターンを形成したマスクフィルムを用いたスクリーン印刷により、印刷塗膜を得た。このときの塗膜中の銀含有率と、体積抵抗率との関係を図8に示す。
また、図8の「従来技術1」とは、株式会社情報機構が主催したセミナー「ナノ粒子による導電性ペースト調製と回路形成技術」(平成16年4月20日、川崎市産業振興会館)の要旨集の第10ページに、本多俊之氏(藤倉化成株式会社)が発表したデータを引用したものである。
【0078】
図8からわかるように、本発明の導電性塗料(銀ペースト)では、塗膜中の銀含有率が高いほど導電性が高く、塗膜中の銀含有率が90%以上である場合に最も良好な導電性を示した。これは、銀粉が界面活性剤で表面処理されていることにより、少ないバインダー樹脂に良好に分散され、銀粉の粒子間の導通状態が改善されたため、と考えられる。
それに対して、前記の従来技術1に記載された従来の銀ペーストでは、塗膜中の銀含有率が90%以上になると導電性がかえって低下する結果となっている。これは、バインダー樹脂量が少ないときに銀粉の分散状態が悪くなったためと考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】界面活性剤存在下の凍結乾燥処理による銀粉末の表面処理方法を模式的に説明する説明図である。
【図2】界面活性剤存在下の凍結乾燥処理による表面処理後の銀粉末のDSC分析の測定結果の一例を表す図である。
【図3】実施例1の導電性塗料の製造で用いた表面処理後の銀粉の粒径分布を示す図である。
【図4】実施例1で製造した導電性塗料を用いて、スクリーン印刷により作製した細線パターンのプロフィールを表す図である。
【図5】実施例2で製造した導電性塗料を用いて、スクリーン印刷により作製した細線パターンのプロフィールを表す図である。
【図6】比較例2で製造した導電性塗料を用いて、スクリーン印刷により作製した細線パターンのプロフィールを表す図である。
【図7】実施例1で作製した細線パターンを160℃または250℃で焼成した時の、焼成時間と、細線パターンの体積抵抗率との関係を示す図である。
【図8】実施例1及び実施例3で製造した導電性塗料を用いて作製した塗膜中の、ならびに従来技術1に記載された銀ペースト中の、銀含有率と体積抵抗率との関係を示す図である。
【符号の説明】
【0080】
a…導電性粉末(粒子)、b…界面活性剤(分子)、c…界面活性剤で表面処理された導電性粉末(粒子)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電性粉末を界面活性剤存在下に、水および/または水溶性溶剤からなる溶剤中に分散させ水性分散液を製造する分散工程、前記分散液を真空凍結乾燥させる乾燥工程、及び前記乾燥工程の生成物を溶剤及び結着剤樹脂と混合し、樹脂/導電性粉末の質量比が0.1以下の塗料を作製する塗料化工程を有することを特徴とする導電性塗料の製造方法。
【請求項2】
前記導電性粉末は銀または銀化合物を主成分とする請求項1に記載の導電性塗料の製造方法。
【請求項3】
前記界面活性剤がアルキルアミン、またはアルキルアミン塩である請求項1または2に記載の導電性塗料の製造方法。
【請求項4】
前記界面活性剤がリン酸エステル系の界面活性剤である請求項1または2に記載の導電性塗料の製造方法。
【請求項5】
前記導電性粉末の体積平均粒径が0.05〜10μmの範囲である請求項3または4に記載の導電性塗料の製造方法。
【請求項6】
前記導電性粉末は表面が酸化銀で被覆され銀含有率が60%以上である銀粉である請求項5に記載の導電性塗料の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−100062(P2007−100062A)
【公開日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−39232(P2006−39232)
【出願日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【出願人】(000002886)大日本インキ化学工業株式会社 (2,597)
【Fターム(参考)】