説明

導電性部材および帯電ローラおよびこの帯電ローラを有するプロセスカートリッジおよび画像形成装置

【課題】長期にわたって使用されても像担持体と電気抵抗調整層との間の空隙を精度良く一定に保ち続けることができ、信頼性、とりわけ、空隙保持部材の導電性支持体に対する設置位置のずれが生じることを防止することが可能な導電性部材を提供する。
【解決手段】導電性部材20は、軸部材をなす導電性支持体21と、導電性支持体21に設けられた電気抵抗調整層22と、電気抵抗調整層22の端面に当接するように導電性支持体21の両端部に設けられ像担持体4の外周面と電気抵抗調整層22の外周面との間に一定間隔の空隙Gを形成する一対の空隙保持部材23とを備える導電性部材において、軸線方向に沿って空隙保持部材23に作用する電気抵抗調整層22の膨張力を緩和するために、空隙保持部材23には、電気抵抗調整層22の熱膨張に伴う増加分の進入を許容する空所24が形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、レーザービームプリンタ、ファクシミリなどの電子写真方式の技術分野に適用でき、像担持体の表面に対して所定の空隙を保持するようにして対向される対向軸部を構成するためにその軸方向に長く延びかつ所定電位が印加される導電性支持体と、この導電性支持体の周面を包囲するようにして形成されて電気抵抗を調整する抵抗調整層と、この抵抗調整層の両端部に臨ませて前記導電性支持体に設けられかつ前記抵抗調整層とは別体で異なる材料から構成されしかも前記像担持体と当接したときに対向軸部を該像担持体の表面に対して所定の空隙を開けて対向させる空隙保持部材とを備えた導電性部材および帯電ローラおよびこの帯電ローラを有するプロセスカートリッジおよび画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、複写機、レーザービームプリンタ、ファクシミリ等の電子写真方式の画像形成装置には、感光体ドラム(像担持体)に対して帯電処理を行う帯電部材や、感光体ドラム上のトナーに対して転写処理を行う転写部材として導電性部材が用いられている。
【0003】
図1は、導電性部材を帯電部材として用いた一例を示したものであり、画像形成装置1における帯電ローラ2が帯電部材として用いられている。この画像形成装置1は、静電潜像が形成される感光体ドラム4と、感光体ドラム4に対して帯電処理を行う帯電ローラ2と、帯電ローラ2に電圧を印可するためのパワーパック(電圧印加電源)3と、感光体ドラム4の表面電位を測定する表面電位計5と、感光体ドラム4の静電潜像にトナーを固着させる現像ローラ6と、感光体ドラム4上のトナー像を記録紙Sに転写処理する転写ローラ7と、転写処理後の感光体ドラム4をクリーニングするためのクリーニング装置8とを備えている。なお、図2に示すように、感光体ドラム4、帯電ローラ2、現像ローラ6、クリーニング装置8を一括して有するプロセスカートリッジ9が画像形成装置1内に設置される場合もある。
【0004】
帯電ローラ2はパワーパック3より電源供給を受け、感光体ドラム4を所望の電位に帯電させる。この感光体ドラム4は図示を略す駆動機構により矢印A方向に回転する。表面電位計5はその回転方向に沿って帯電ローラ2の直後に設けられ、感光体ドラム4の表面4aの電位を測定する。
【0005】
現像ローラ6は帯電した感光体ドラム4にトナーを付着させ、転写ローラ7は感光体ドラム4に付着したトナーを記録紙Sに転写する。クリーニング装置8は感光体ドラム4に残留したトナーを除去し、感光体ドラム4をクリーニングする。
【0006】
この画像形成装置1による画像形成過程では、まず、帯電ローラ2により感光体ドラム4の表面4aが負の高電位に帯電する。続いて、その帯電した表面4aに原稿からの反射光やレーザー光からなる露光Lが照射される。この露光Lは、形成しようとする画像の黒/白に応じた光量分布を有し、表面4aの各部の電位(負の電位)が受光量に合わせて低下することによって表面4aには光量分布に対応する電位分布、すなわち、静電潜像が形成される。
【0007】
感光体ドラム4が回転してその表面4aの静電潜像が形成された部分が現像ローラ6を通過すると、表面4aには静電潜像を形成する電位分布に応じてトナーが付着し、静電潜像がトナー像として可視化される。このトナー像は所定のタイミングで給送される記録紙Sに転写ローラ7により転写され、記録紙Sは図示を略す定着ユニットに向かって矢印B方向に搬送される。
【0008】
一方、転写後の感光体ドラム4は、表面4aに残留するトナーがクリーニング装置8により除去されてクリーニングされるとともに、図示を略すクエンチングランプにより残留電荷が除去されて次回の作像処理に移行する。
【0009】
上記の画像形成装置1における一般的な帯電方式として帯電ローラ2を感光体ドラム4に接触させる接触帯電方式が知られている(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3参照)。
【特許文献1】特開昭63―149668号公報
【特許文献2】特開平1−2111779号公報
【特許文献3】特開平1−267667号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、接触帯電方式からなる帯電ローラ2を用いた場合には、以下に掲げるような問題があった。
【0011】
(1)帯電ローラの構成物質が帯電ローラから染み出して感光体ドラムの表面に固着し、この固着が進行すると感光体ドラム表面に帯電ローラの跡が残る。
【0012】
(2)帯電ローラに交流電圧を印加した際に、感光体ドラムに接触している帯電ローラが振動して帯電音が起こる。
【0013】
(3)感光体ドラム表面のトナーが帯電ローラに固着して帯電性能が低下する。特に帯電ローラにおいて(1)の染出しが生じると、トナーが一層固着しやすくなる。
【0014】
(4)帯電ローラを構成している物質が感光体に固着しやすい。
【0015】
(5)感光体ドラムを長期間駆動しないと帯電ローラに永久変形が生じる。
【0016】
このような問題に対処するために、帯電ローラ2を感光体ドラム4に接触するのではなく近接させる近接帯電方式が考案されている(特開平3−240076号公報等)。この近接帯電方式は、帯電ローラ2と感光体ドラム4との最近接距離(以下、空隙という)が0.005〜0.3mmとなるように両者を対向させ、帯電ローラ2に電圧を印加して感光体ドラム4の帯電を行うものである。近接帯電方式では帯電ローラ2と感光体ドラム4とが接触していないので、接触帯電方式で問題となる「帯電ローラの構成物質の感光体ドラムへの固着」および「長期間の不使用により生じる帯電ローラの永久変形」は問題とならない。また、「トナーの固着による帯電ローラの帯電性能の低下」に関しても、帯電ローラに固着するトナーが少なくなるため近接帯電方式は優れている。
【0017】
近接帯電方式を実現するものとして、所定の厚みを持ったテープ状の空隙保持手段を帯電ローラの両端部に巻き付けることによって帯電ローラと感光体ドラムとの間に一定間隔の空隙を設ける方法が、例えば、特開平5−107871号公報において考案されている。しかしながら、テープ状部材の摩耗、帯電ローラとテープ状部材との間へのトナーの侵入・固着等により長期間使用した場合に感光体ドラムと帯電ローラとの空隙を一定間隔に保ち続けることが困難であるという問題があった。
【0018】
また、テープ状部材の摩耗等を防止するためにテープ部材に変えて金属製リングを使用する方法も考えられるが、この場合には感光体ドラムの摩耗が著しいので感光体の基層金属と金属製リングとの間でショート電流が発生して、パワーパック(電圧印加電源)の破壊等の不具合を生じるおそれがあるという問題があった。
【0019】
さらに、帯電ローラと感光体ドラムとの空隙を保持するために、帯電ローラの両端部にスペーサーリング層を設ける方法が、例えば、特開平3−240076号公報、特開平4−358175号公報等において考案されている。しかしながら、これらの公報には、空隙を精度良く一定に保つための具体的な方法が開示されておらず、帯電ローラおよびスペーサーリング層の寸法精度がばらつくことによって空隙が変動し、結果として感光体ドラムの帯電電位が一定にならないという問題があった。
【0020】
そこで、軸部材をなす長尺状の導電性支持体の周面に電気抵抗調整層を設け、この電気抵抗調整層の両端部にこの電気抵抗調整層とは異なる材質からなる一対の空隙保持部材を設け、この空隙保持部材の外周面と像担持体とが当接したとき像担持体の外周面と電気抵抗調整層の外周面との間に一定間隔の空隙が形成されるように、電気抵抗調整層に対する高低差を空隙保持部材の外周面に設けた導電性部材が提案されている(特願2003−0306626号)。
【0021】
このものでは、電気抵抗調整層と空隙保持部材とを連続的に同時に加工して空隙を精密に維持する構成となっている。
【0022】
しかしながら、この導電性部材では、電気抵抗調整層と導電性支持体との線膨張係数が大きく異なる。このため、電気抵抗調整層12と空隙保持部材13とを導電性支持体11に設けた後、加熱すると、導電性支持体11の線膨張係数よりも電気抵抗調整層12の線膨張係数が大きいので、図4に示すように、空隙保持部材13が電気抵抗調整層12の熱膨張により導電性支持体11の端部に向かって押され、導電性支持体11に対する空隙保持部材13の設置位置にずれが生じる虞がある。また、空隙保持部材13の設置位置がずれた場合、所定時間後に放冷すると電気抵抗調整層12が元の状態に戻ることにより、図5に示すように、電気抵抗調整層12と空隙保持部材13との間に隙間Hが形成される。
【0023】
導電性支持体11に対する空隙保持部材13の設置位置にずれが生じると、帯電ローラ2と感光体ドラム4との間に形成される空隙を所望の間隔で維持することができなくなる不都合がある。また、電気抵抗調整層12と空隙保持部材13との間に隙間Hが形成されると、この隙間Hにトナー粒子などが進入して固着することにより、例えば、この固着したトナー粒子が帯電ローラ2に対向する感光体ドラム4を磨耗劣化させる虞がある。
【0024】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、長期にわたって使用されても像担持体と電気抵抗調整層との間の空隙を精度良く一定に保ち続けることができ、信頼性、とりわけ、空隙保持部材の導電性支持体に対する設置位置のずれが生じることを防止することが可能な導電性部材および帯電ローラおよびこの帯電ローラを備えたプロセスカートリッジ並びに画像形成装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0025】
請求項1に記載の発明は、軸部材をなす長尺状の導電性支持体と、該導電性支持体の外周面に設けられた電気抵抗調整層と、該電気抵抗調整層と異なる材質からなり且つ前記導電性支持体の両端部に設けられて前記電気抵抗調整層の端面に当接される一対の空隙保持部材とを備え、該空隙保持部材の外周面は、像担持体と当接したときに該像担持体の外周面と前記電気抵抗調整層の外周面との間に一定間隔の空隙が形成されるように前記電気抵抗調整層の外周面に対して高低差が設けられている導電性部材において、
前記電気抵抗調整層と前記空隙保持部材との熱膨張率の差に起因して軸線方向に沿って該空隙保持部材に作用する前記電気抵抗調整層の膨張力を緩和するために、前記空隙保持部材には、前記電気抵抗調整層の端面に臨む端面の側に前記電気抵抗調整層の熱膨張に伴う増加分の進入を許容する空所が形成されていることを特徴とする。
【0026】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の導電性部材において、前記空所は、前記導電性支持体を包囲する環状凹所であり、且つ前記電気抵抗調整層の端面の内周部に臨んでいることを特徴とする。
【0027】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の導電性部材において、前記環状凹所は、前記電気抵抗調整層の端面から径が漸減するテーパ断面形状であることを特徴とする。
【0028】
請求項4に記載の発明は、請求項2又は請求項3に記載の導電性部材において、前記空隙保持部材と前記導電性支持体とのいずれか一方には、前記環状凹所に存在する空気を熱膨張に伴って外部に排出するための溝が軸線方向に沿って設けられていることを特徴とする。
【0029】
請求項5に記載の発明は、軸部材をなす長尺状の導電性支持体と、該導電性支持体の外周面に設けられた電気抵抗調整層と、該電気抵抗調整層と異なる材質からなりかつ前記導電性支持体の両端部に設けられて前記電気抵抗調整層の端面に当接される一対の空隙保持部材とを備え、該空隙保持部材の外周面は、像担持体と当接したときに該像担持体の外周面と前記電気抵抗調整層の外周面との間に一定間隔の空隙が形成されるように前記電気抵抗調整層の外周面に対して高低差が設けられていることを特徴とする帯電ローラにおいて、
前記電気抵抗調整層と前記空隙保持部材との熱膨張率の差に起因して軸線方向に沿って該空隙保持部材に作用する前記電気抵抗調整層の膨張力を緩和するために、前記空隙保持部材には、前記電気抵抗調整層の端面に臨む端面の側に前記電気抵抗調整層の熱膨張に伴う増加分の進入を許容する空所が形成されていることを特徴とする。
【0030】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の帯電ローラを有するプロセスカートリッジである。
【0031】
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載のプロセスカートリッジを有する画像形成装置である。
【発明の効果】
【0032】
請求項1に記載の発明によれば、電気抵抗調整層の熱膨張に伴う増加分の一部が空隙保持部材に形成された空所に進入するので、電気抵抗調整層の熱膨張に伴う増加により生じる加圧力を低減することができ、軸線方向に沿って空隙保持部材に作用する電気抵抗調整層の膨張力を緩和することができる。このように、電気抵抗調整層の熱膨張により空隙保持部材を導電性支持体の端部に向けての加圧力が緩和されるので、電気抵抗調整層と空隙保持部材とを導電性支持体に設けた後、加熱する場合であっても、導電性支持体に対する空隙保持部材の設置位置のずれが生じることを防止することができる。従って、空隙保持部材により形成される像担持体の外周面と電気抵抗調整層の外周面との間の空隙を所望の間隔で維持することができる。また、電気抵抗調整層と空隙保持部材との間に隙間が生じることを防止することができる。
【0033】
請求項2に記載の発明によれば、電気抵抗調整層の熱膨張に伴う体積増加分の進入を許容する空所が導電性支持体を包囲する環状凹所とされているので、空隙保持部材に作用する電気抵抗調整層の膨張力を均等に吸収することができる。
【0034】
請求項3に記載の発明によれば、環状凹所が電気抵抗調整層の端面から径が漸減するテーパ断面形状であるので、空隙保持部材の導電性支持体への圧入が容易となる。
【0035】
請求項4に記載の発明によれば、環状凹所に存在する空気が熱膨張し環状凹所内の圧力が高まったとしても、その圧力増加分の空気が溝を経て外部に排出されるので、環状凹所内の空気の熱膨張により空隙保持部材が導電性支持体の端部に向かって押され設置位置にずれが生じることを防止することができる。また、電気抵抗調整層の熱膨張に伴う増加分の一部が空隙保持部材に形成された環状凹所に進入しても、環状凹所内の空気は溝から外部に排出されるので、環状凹所内の空気により空隙保持部材が導電性支持体の端部に向かって押され設置位置にずれが生じることを防止することができる。
【0036】
請求項5に記載の発明によれば、長期間に渡り、感光体ドラムに対して均一帯電を行うことができる帯電ローラを提供することができる。
【0037】
請求項6に記載の発明によれば、請求項5に記載の帯電ローラをプロセスカートリッジに組み込んだので、空隙保持精度の良好な交換可能なプロセスカートリッジを提供することができる。
【0038】
請求項7に記載の発明によれば、請求項6に記載の発明を画像形成装置に搭載しているので、高画質の画像を得ることができると共に、長期に渡って安定した画像を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0039】
以下に、図面を参照しつつ本発明の実施の形態を説明する。
【実施例】
【0040】
図6は本発明に係る導電性部材(帯電ローラ)20の実施例を説明するための模式図である。導電性部材20は、その軸部材をなす長尺状の導電性支持体21と、導電性支持体21の外周面に設けられた電気抵抗調整層22と、電気抵抗調整層22と異なる材質からなりかつ導電性支持体21を取り囲むように導電性支持体21の両端部21aに設けられた一対の空隙保持部材23とを有する。両空隙保持部材23は、その端面23aで電気抵抗調整層22の両端面22aに当接している。
【0041】
この両空隙保持部材23の端面23aには、空所24が設けられている。本実施例では、空所24は、矩形の断面形状を呈し、電気抵抗調整層22の両端面22aの内周部に臨み且つ導電性支持体21を包囲するように各端面23aに形成された環状凹所25からなる(図7参照。)。なお、空所24は、電気抵抗調整層22の両端面22aに形成しても良いが、両空隙保持部材23の端面23aに形成すると容易に加工することができる。
【0042】
また両空隙保持部材23の外周面は、感光体ドラム4と当接したときに感光体ドラム4の外周面4aと電気抵抗調整層22の外周面22bとの間に一定間隔の空隙Gが形成されるように電気抵抗調整層22の外周面22bに対して高低差が設けられている。
【0043】
この導電性部材20は所定の圧力で感光体ドラム4に当接配置される。この導電性部材20は、その対向軸部20’の外径が空隙保持部材23の外径に対して僅かに小径を呈する。空隙保持部材23の外周面は感光体ドラム4の表面4aに当接するが、空隙保持部材23と対向軸部20’との間には高低差があるので、電気抵抗調整層22の外周面22bと表面4aとの間には空隙Gが形成される。
【0044】
導電性部材20及び感光体ドラム4の形状は特に限定されないが、共に円筒形状であることが望ましい。両者が常に同一面で対向していると、通電ストレスによる表面の科学的劣化が生じてしまうが、両者を円筒形状として回転駆動させることで、この劣化を低減することができるからである。
【0045】
空隙Gによる対向軸部20’と感光体ドラム4の表面4aとの間隔は、100μm以下であることが望ましい。これは、空隙Gによる間隔を大きくすると、導電性支持体21への印加電圧を高くしなければならず、導電性支持体21への印加電圧を高くすると、感光体ドラム4が電気的に劣化したり、異常放電が発生したりし易くなるからである。
【0046】
導電性部材20は、その空隙保持部材23が感光体ドラム4の画像形成領域X1以外の感光層塗布領域(非画像形成領域X2)に当接するようにして設置される。この状態で、導電性部材20に電圧を印加することにより、感光体ドラム4はその画像形成領域X1が帯電される。なお、導電性部材20を転写部材として使用する場合にも、同様に感光体ベルトの帯電を行うことができる。
【0047】
空隙保持部材23は、予め任意の形状に形成され且つ環状の環状凹所25が設けられた空隙保持部材材料品が電気抵抗調整層22の両端面22aに当接するようにして導電性支持体21の両端部に挿入されることにより導電性支持体21上に設けられる。この際空隙保持部材23と電気抵抗調整層22あるいは導電性支持体(中心軸(芯軸))21の端部との互いの当接箇所に接着剤を塗布し密着することにより、長期間に渡って使用した際に空隙保持部材23が導電性支持体21から脱離することを避けることが可能である。
【0048】
その空隙保持部材23は絶縁性材料が好ましく、体積固有抵抗で1013Ω・cm以上であることが好ましい。絶縁性材料を用いることにより、感光体ドラム4の基層と空隙保持部材23との間にショート電流が発生するのを無くすことができるからである。
【0049】
その空隙保持部材23の材料としては、絶縁性材料であることを除く他は特に限定するものではないが、感光体ドラム4を傷つけない程度に軟らかく、また、成形加工が容易であること等の理由から、高密度ポリエチレン等の熱可塑性樹脂が好ましい。
【0050】
電気抵抗調整層22は高分子型イオン導電材料が分散された熱可塑性樹脂塑性物により形成されている。電気抵抗調整層22の体積固有抵抗は106〜10Ωcmであることが望ましい。これは、109Ωcmを超えると、帯電能力や転写能力が不足し、106Ωcmよりも体積固有抵抗が低いと、感光体ドラム4の全体に渡って電圧集中によるリークが生じるからである。
【0051】
電気抵抗調整層22に用いる熱可塑性樹脂には、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリスチレン(PS)およびその共重合体(AS、ABS)等の汎用樹脂を用いる。これらの樹脂を用いると、成形加工を容易とすることができる。
【0052】
その熱可塑性樹脂に分散させる高分子型イオン導電材料として、ポリエーテルエステルアミド成分を含有する高分子化合物が望ましい。ポリエーテルエステルアミドは、イオン導電性の高分子材料であり、マトリックスポリマー中に分子レベルで均一に分散し、固定化される。従って、導電性顔料を分散した組成物に見られるような分散不良に起因する抵抗値のバラツキを抑制できる。また、高分子材料であるので、ブリードアウトが生じ難い。更に、配合量については、抵抗値を所望の値にする必要があるので、熱可塑性樹脂が30〜70重量%、高分子型イオン導電材が70〜30重量%とするのが望ましい。
【0053】
樹脂組成物の製造方法に関しては、特に制限はなく、各材料の混合物を二軸混練機やニーダー等で溶融混練することによって、樹脂組成物を容易に製造できる。電気抵抗調整層22は、押し出し成形や射出成形等の手段を用いて、半導電性樹脂組成物を被覆することにより導電性支持体21上に容易に形成することができる。
【0054】
導電性支持体21の外周面に電気抵抗調整層22のみを形成することにより導電性部材20を形成することにすると、電気抵抗調整層22にトナーなどが固着して画像品質が劣化することがあるが、この不具合は電気抵抗調整層22の外周面に表面層22cを形成することにより解消できる。この表面層22cの抵抗値は電気抵抗調整層22のそれよりも大きい値とされ、これによって感光体ドラム4の欠陥部への電圧集中、異常放電(リーク)等の不具合を解消できる。ただし、表面層22cの抵抗値を高くしすぎると帯電能力や転写能力が不足するので、表面層22cと電気抵抗調整層22との抵抗値の差は103Ωcm以下にするのが望ましい。
【0055】
表面層22cを形成する材料としては、成膜性が良好であるという点で熱可塑性樹脂組成物が好適であり、その表面層22cを形成する材料として、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂等が非粘着性に優れ、トナー固着防止の観点から望ましい。また、樹脂材料は電気的に絶縁性を有するため、樹脂に対して各種導電材料を分散させることによって表面層22cの抵抗を調整する。
【0056】
表面層22cは、表面層構成材料を有機溶媒に分散して塗料を作製し、スプレー塗装、ディッピング等によってコーティングすることによって電気抵抗調整層22上に形成することができる。膜厚については、10〜30μm程度が望ましい。
【0057】
導電性部材20では、電気抵抗調整層22および各空隙保持部材23が導電性支持体21上に形成された後、電気抵抗調整層22および各空隙保持部材23に段差を形成することにより、感光体ドラム4に対して一定の空隙Gを形成するため、電気抵抗調整層22および各空隙保持部材23の外周が仕上げ切削された後の経時変化による形状の変化を防止する必要がある。
【0058】
なお、電気抵抗調整層22および空隙保持部材23は、それぞれ射出成形、押し出し成形により形成された熱可塑性樹脂であり、成形後、形状成形や冷却時に生じる内部応力の開放により、形状が微小に変化する傾向がある。そこで、電気抵抗調整層22と空隙保持部材23とを導電性支持体21に成形して構成された成形品26(図7参照)をいったん冷却した後、成形温度以下の温度でこの成形品26を再加熱し、内部応力の開放を加速させるというエージング処理を行い、成形品26の内部応力を開放してから、仕上げ切削などの2次加工を実施することがある。
【0059】
図8に示すように、切削バイト27を用いて、成形品26を回転させながらその外周面を切削加工して電気抵抗調整層22と空隙保持部材23との間に段差(高低差)を同時に精密形成する仕上げ切削して、完成品として図6に示す導電性部材20を製作する。このように仕上げ切削すると、高低差のばらつきを±10μm以下の高精度に製作することが可能である。この際、空隙保持部材23において電気抵抗調整層22と隣接する部分の高さを、電気抵抗調整層22の高さと同一もしくは低く(いわゆる加工ニゲ)形成することで、電気抵抗調整層22の高さが均一になるので、感光体ドラム4に対する空隙Gの精度をより高くすることができる。
【0060】
この発明の実施の形態では、電気抵抗調整層22の外周面に表面層22cを塗布により形成する構成があり、表面層22cの定着には、加熱により表面層22cの樹脂を硬化させる方法が一般的に採用されているので、電気抵抗調整層22、空隙保持部材23を導電性支持体21に形成した後に加熱を行っている。また、完成品の温度環境も氷点下レベルから30〜40℃の間で変動することも考えられる。
【0061】
成形品26を一旦冷却した後再度加熱する場合、図3に示す従来の導電性部材としての帯電ローラ2の場合には、電気抵抗調整層12の熱膨張により各空隙保持部材13が導電性支持体11の端部に向かって押され、導電性支持体11に対する空隙保持部材13の設置位置の軸方向へのずれが生じ、再度冷却されたときに空隙保持部材13と電気抵抗調整層12との間に隙間H(図5参照。)が生じ、導電性部材としての帯電ローラ2と感光体ドラム4との間の空隙精度の低下、発生した隙間Hへの異物(トナー凝集)の混入による帯電ローラ2、感光体ドラム4の磨耗劣化などの不具合が発生する虞がある。
【0062】
図6に示す本発明に係る導電性部材20の場合には、電気抵抗調整層22の熱膨張に伴って、例えば、その体積が増加しても、増加分の一部が環状凹所25に進入するので、増加分により生じる加圧力が低減され、各空隙保持部材23に加わる電気抵抗調整層22の膨張力が緩和される。このため、電気抵抗調整層22の熱膨張に伴って導電性支持体21に対する空隙保持部材23の設置位置に軸方向に沿って導電性支持体21の端部21aへのずれが生じることが防止され、電気抵抗調整層22と空隙保持部材23との間での隙間Hの発生が防止される。
【0063】
この図6に示す導電性部材20の場合には、矩形の断面形状を呈する環状凹所25が各空隙保持部材23に形成されているが、図9に示すように、各空隙保持部材23の端面23aに、テーパ状の断面形状を呈し且つ導電性支持体21を包囲するように環状凹所25´を形成しても良い。環状凹所25´をテーパ断面形状に、いわゆるC面加工により形成すると、空隙保持部材23の導電性支持体21への圧入が容易となる。
【0064】
また、図10に示すように、図9に示す環状凹所25´と同様にC面加工された環状凹所25´から各空隙保持部材23の内周面23bに軸線方向に沿って伸長し、導電性支持体21の両端側に位置する各空隙保持部材23の外端面23cに至る溝28を形成することができる。溝28を設けることにより、電気抵抗調整層22と各空隙保持部材23との間に介在する環状凹所25´が外部に開放されるので、環状凹所25´に存在する空気が熱膨張することにより環状凹所25´内の圧力が高まったとしても、その圧力増加分の空気を環状凹所25´から溝28を経て外部へと排出することができ、環状凹所25´の空気の熱膨張に伴って各空隙保持部材23に作用する加圧力をなくすことができる。また、電気抵抗調整層22の熱膨張に伴う増加分の一部が各空隙保持部材23に形成された環状凹所25´に進入しても、環状凹所25´内の空気は溝28から外部に排出されるので、環状凹所25´内の空気により各空隙保持部材23が導電性支持体21の両端部21aに向かって押され設置位置にずれが生じることを防止することができる。なお、この溝28は、環状凹所25´を外部に開放するものであれば、導電性支持体21に形成しても良い。
【0065】
加熱加工および使用環境条件の下で、導電性部材20を構成する各部材に熱が加わったとき、熱膨張により隣接する部材間に抗力が発生する。その熱が取り除かれたときには各部材に復元力が働く。その際、各部材間の復元量の違いにより、歪みが生じることとなり、接着力よりもその抗力によるひずみが大きくなったとき、隙間H(図5参照。)が生じることになる。材料は、熱膨張が生じるとその軸線方向および径方向に向けて均等に膨張するが、隣接する部材間に効力が発生した場合、効力の存在しない箇所が膨張する。そこで、この発明の実施例では、隣接する電気抵抗調整層22と各空隙保持部材23との間に環状凹所25(空所24)を設けた(図6参照。)。これにより、導電性部材20の製造段階における成形品26の加熱工程、画像形成装置に組み込んでの使用温度環境条件のもとで、導電性支持体21と電気抵抗調整層22とが膨張収縮したとしても、熱膨張に起因する各空隙保持部材23への抗力を緩和でき、電気抵抗調整層22と各空隙保持部材23との間に隙間Hを生じるのを避けることができるのである。
【0066】
以下、本発明の具体的な実施例を図面に基づき説明する。
<実施例1>
図7に示すように、ステンレスからなる芯軸21(外径8mm)に、電気抵抗調整層22としてABS樹脂(デンカABS GR-0500、電気化学工業製)50重量%、ポリエーテルエステルアミド(IRGASTAT P18、チバスペシャリティケミカルズ社製)50重量%からなる樹脂組成物(体積固有抵抗:2×108Ωcm)を射出成形により3mmの厚さ寸法に被覆した。次いでこの両端部21aに、空隙保持部材として高密度ポリエチレン樹脂(ノバテックPP HY540、日本ポリケム社製)からなり、3mmの厚さ寸法を有し且つ内径が8mmのリング状の空隙保持部材23を形成する。この空隙保持部材23に、径方向に1.5mmおよび軸線方向に1.0mmの大きさ寸法の矩形状の断面形状を呈する環状凹所25を形成する。この空隙保持部材23を芯軸21の両端部21aに挿入締結する。この挿入締結された状態において外径が14mmとなり、電気抵抗調整層22と各空隙保持部材23とは、軸線方向で見ると環状凹所25の外側で1.5mmの厚さ寸法の環状面Rで互いに当接している。この環状面Rに接着剤を塗布して電気抵抗調整層22と各空隙保持部材23とを密着させる。これを120℃に設定された炉で1時間加熱する。
【0067】
その後、図8に示す切削加工を行って、切削によって空隙保持部材23の外径(最大径)を12.12mm、電気抵抗調整層22の外径を12.00mmに同時仕上げを行い、図6に示す形状で表面層22cを塗布する前の成形品を形成した。
【0068】
次いで電気抵抗調整層22の表面に、アクリルシリコン樹脂(3000VH-P、川上塗料製)、イソシアネート系硬化剤、およびカーボンブラック(全固形分に対して35重量%)からなる混合物(表面抵抗:2×109Ω)により膜厚約10μmの表面層22cを塗布し、80℃で1時間加熱することにより形成し、図6に示す導電性部材20を得た。
<実施例2>
実施例1と同様の加工方法で導電性部材を得た。実施例1との違いは、空隙保持部材23に設けられた環状凹所25´が、図9に示すように、C面加工により、電気抵抗調整層22の端面22aから径が漸減するテーパ断面形状に形成されていることである。環状凹所25´は、その断面形状が径方向に1.5mmおよび軸線方向に1.0mmの大きさ寸法を有する三角形であるように形成されている。
<実施例3>
実施例2と同様の加工方法で導電性部材を得た。図10に示すように、各空隙保持部材23の環状凹所25´は実施例2の環状凹所25´に等しく形成されているが、実施例2との違いは、空隙保持部材23に内周面23bに、軸線方向に沿って伸長し、環状凹所25´から各空隙保持部材23の外端面23cに至る三本の溝28(幅0.5mm、深さ0.1mm)が形成されていることである。各溝28は、空隙保持部材23に内周面23b上で互いに等間隔となる位置に設けられている。本実施例では、各溝28の成形には、単一の溝の型を転写することにより互いに同一の形状に形成された三本の溝を有する型枠が用いられているので、各溝28は互いに等しい形状を呈している。
<比較例>
実施例1と同様の加工方法で導電性部材を得た。実施例1との違いは、図3に示すように、空所が形成されていない従来の空隙保持部材を導電性支持体の端部に圧入し、電気抵抗調整層と空隙保持部材との互いの端面を全面に渡って当接させ、この当接面に接着剤を塗布し密着させたことである。
<試験>
表1に、放置試験および通紙テストにおける実施例1〜3と比較例との比較結果を示す。
【0069】
実施例1〜3および比較例のサンプルを環境条件(100℃、1時間)のもとに放置し、電気抵抗調整層と空隙保持部材との隙間Hを測定した。
【0070】
放置試験の結果、実施例1〜3においては、電気抵抗調整層22と空隙保持部材23との間に新たな隙間の発生を確認することができなかった。
【0071】
これに対して、比較例では、隙間Hの発生が確認され、電気抵抗調整層12と空隙保持部材13との両端面の隙間を光学顕微鏡で測定したところ0.2/0.3mm(放置前は0.0/0.0mm)の隙間Hが確認された。これは、導電性支持体11と電気抵抗調整層12との熱膨張率が異なることから、電気抵抗調整層12の熱膨張により空隙保持部材13が導電性支持体11の端部側に向かって押され、導電性支持体11に対する空隙保持部材13の設置位置にずれが生じることにより、空隙保持部材13が元の設置位置にもどることができず、放冷後の電気抵抗調整層12の戻り分が隙間Hとなったためであると考えられる。
【0072】
また、実施例1〜3および比較例のサンプルを用いて通紙テストを行なった。
【0073】
通紙テストの結果、実施例1〜3においては、600,000枚転写を行なっても、画像に異常がなく、ローラ形状(空隙保持部材の形状および位置)も保持されており問題が見られなかった。
【0074】
これに対して、比較例においては約85,000枚で片方の空隙保持部材が空回りし芯金上に保持されなくなった。これは加熱時に芯軸に対する空隙保持部材の設置位置にずれが生じたことにより、空隙保持部材による芯軸の保持力が弱くなり、芯軸の回転に伴って経時的に保持力の強度劣化(疲労)が生じたためと考えられる。
【0075】
【表1】

【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】従来および本発明に係る画像形成装置の説明図である。
【図2】プロセスカートリッジを有する画像形成装置の説明図である。
【図3】切削前の成形品を示す断面図である。
【図4】図3に示す成形品にエージング処理を行った場合の熱膨張を説明するための図である。
【図5】図4に示す成形品を冷却した場合に隙間ができる理由を説明するための説明図である。
【図6】本発明に係る導電性部材と感光体ドラムとの位置関係を説明するための図である。
【図7】本発明に係る成形品の拡大断面図およびそのI−I線に沿って得られた断面図である。
【図8】図7に示す成形品の切削状態を説明するための説明図である。
【図9】図7に示す導電性支持体の変形例を示す説明図であって、凹所がC面形状を呈した状態を示す説明図およびそのII−II線に沿って得られた断面図である。
【図10】図8に示す導電性支持体の変形例を示す説明図であって、三本の溝が設けられた状態を示す説明図およびそのIII−III線に沿って得られた断面図である。
【符号の説明】
【0077】
4…感光体ドラム(像担持体)
20…導電性部材
21…導電性支持体
22…電気抵抗調整層
23…空隙保持部材
24…空所
G…空隙

【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸部材をなす長尺状の導電性支持体と、該導電性支持体の外周面に設けられた電気抵抗調整層と、該電気抵抗調整層と異なる材質からなり且つ前記導電性支持体の両端部に設けられて前記電気抵抗調整層の端面に当接される一対の空隙保持部材とを備え、該空隙保持部材の外周面は、像担持体と当接したときに該像担持体の外周面と前記電気抵抗調整層の外周面との間に一定間隔の空隙が形成されるように前記電気抵抗調整層の外周面に対して高低差が設けられている導電性部材において、
前記電気抵抗調整層と前記空隙保持部材との熱膨張率の差に起因して軸線方向に沿って該空隙保持部材に作用する前記電気抵抗調整層の膨張力を緩和するために、前記空隙保持部材には、前記電気抵抗調整層の端面に臨む端面の側に前記電気抵抗調整層の熱膨張に伴う増加分の進入を許容する空所が形成されていることを特徴とする導電性部材。
【請求項2】
前記空所は、前記導電性支持体を包囲する環状凹所であり、且つ前記電気抵抗調整層の端面の内周部に臨んでいることを特徴とする請求項1に記載の導電性部材。
【請求項3】
前記環状凹所は、前記電気抵抗調整層の端面から径が漸減するテーパ断面形状であることを特徴とする請求項2に記載の導電性部材。
【請求項4】
前記空隙保持部材と前記導電性支持体とのいずれか一方には、前記環状凹所に存在する空気を熱膨張に伴って外部に排出するための溝が軸線方向に沿って設けられていることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の導電性部材。
【請求項5】
軸部材をなす長尺状の導電性支持体と、該導電性支持体の外周面に設けられた電気抵抗調整層と、該電気抵抗調整層と異なる材質からなりかつ前記導電性支持体の両端部に設けられて前記電気抵抗調整層の端面に当接される一対の空隙保持部材とを備え、該空隙保持部材の外周面は、像担持体と当接したときに該像担持体の外周面と前記電気抵抗調整層の外周面との間に一定間隔の空隙が形成されるように前記電気抵抗調整層の外周面に対して高低差が設けられていることを特徴とする帯電ローラにおいて、
前記電気抵抗調整層と前記空隙保持部材との熱膨張率の差に起因して軸線方向に沿って該空隙保持部材に作用する前記電気抵抗調整層の膨張力を緩和するために、前記空隙保持部材には、前記電気抵抗調整層の端面に臨む端面の側に前記電気抵抗調整層の熱膨張に伴う増加分の進入を許容する空所が形成されていることを特徴とする帯電ローラ。
【請求項6】
請求項5に記載の帯電ローラを有するプロセスカートリッジ。
【請求項7】
請求項6に記載のプロセスカートリッジを有する画像形成装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−154339(P2006−154339A)
【公開日】平成18年6月15日(2006.6.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−345271(P2004−345271)
【出願日】平成16年11月30日(2004.11.30)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】